JP7306785B2 - 地層深度推定システム及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、地層深度推定システム及び方法に係り、特に、地盤改良の施工と同時に施工対象となる地盤の地層分布を推定する技術に関する。
高圧噴射攪拌工法による改良体の形成時には、地質に応じて施工仕様(圧力、流量、引上速度等)を最適化する必要があるため、施工対象となる地盤の地層構造を事前に把握しておくことが極めて重要となる。
このため、従来は施工現場の複数箇所において標準貫入試験を伴う土質調査を行い、地層毎の深度範囲を求めることが行われている。
「標準貫入試験」 インターネットURL:http://www.nikken-kiso.co.jp/geo_03.html 検索日:2019年10月22日
この土質調査の結果、図21に示すように、複数の柱状図80, 82が得られる。
そして、この柱状図80, 82間で各土質の境目を仮境界線84で結ぶことにより、一定の施工領域内の地層構造が決定される。
この結果、地表86上の地点Xにおいて地盤改良体を形成する際には、上記の仮境界線84に基づいた地層構造を前提に、施工仕様が設定される。
しかし実際は、同一の施工領域内ではあっても土質の不陸などが存在する結果、各土質間の実境界線88と上記の仮境界線84との間にはズレが生じることが少なくない。
このため、上記の仮境界線84に従って施工仕様を設定した場合には、均等な改良体の造成を行うことができなくなる可能性があった。
もちろん、施工対象箇所毎に土質調査を行い、正確な地層分布を確認することは技術的に可能ではあるが、工期やコストの観点からは非現実的と言わざるを得ない。
この発明は、このような現状に鑑みて案出されたものであり、施工対象箇所毎に土質調査を行う必要がなく、特定の施工対象箇所の地層深度を地盤改良工事の一工程を通じて簡易迅速に推定可能な技術を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した地層深度推定システムは、所定の施工対象領域内で取得した柱状図に含まれる各地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を定義した柱状図設定情報を格納しておく柱状図設定記憶手段と、上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた削孔データを生成する手段と、この削孔データに基づき、当該施工対象箇所における各地層の深度を特定する深度推定手段とを備え、この深度推定手段は、上記柱状図設定情報に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第1の処理と、地層毎に区分された削孔データに基づいて、縦軸に累積相対度数が設定されると共に横軸に削孔データの値が設定されたグラフ平面上に、地層毎の累積ヒストグラムを生成する第2の処理と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値が、所定の適合範囲に合致するか否かを判定する第3の処理と、合致する場合には柱状図で定義された各地層の深度を地層深度として出力する第4の処理と、合致しない場合には柱状図で定義された各地層の深度を所定量修正する第5の処理と、修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第6の処理と、再区分された削孔データに基づいて、縦軸に累積相対度数が設定されると共に横軸に削孔データの値が設定されたグラフ平面上に、地層毎の累積ヒストグラムを再生成する第7の処理と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値が、上記の適合範囲に合致するか否かを判定する第8の処理と、合致する場合には上記修正後の各地層の深度を地層深度として出力する第9の処理を実行し、合致しない場合には上記第5~第9の処理を合致するまで繰り返すことを特徴としている。
また、請求項2に記載した地層深度推定システムは、請求項1のシステムであって、上記適合範囲が、上記累積ヒストグラムの累積相対度数が80%、90%及び95%の頂部毎に設定されていることを特徴としている。
請求項3に記載した地層深度推定システムは、請求項1または2のシステムであって、上記深度の修正が、事前に設定されたルールに従って自動的に実行されることを特徴としている。
請求項4に記載した地層深度推定システムは、請求項1または2のシステムであって、上記深度の修正が、入力手段を介して入力される修正指令に従って実行されることを特徴としている。
請求項5に記載した地層深度推定システムは、請求項1~4のシステムであって、上記削孔パラメータの値が、削孔に用いるモーターの電流値と、削孔に用いる削孔水の水圧値であることを特徴としている。
請求項6に記載した地層深度推定システムは、請求項1~5のシステムであって、上記適合範囲が、上記柱状図を取得した箇所の近傍において複数の縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する処理と、上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する処理と、地層毎に区分された基準データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを縦穴単位で生成する処理と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値を取得する処理と、各縦穴の同一地層に係る上記値を集計し、その最大値及び最小値を抽出する処理と、によって生成されることを特徴としている。
請求項7に記載した地層深度推定システムは、請求項1~5のシステムであって、上記適合範囲が、上記施工対象領域以外の領域で複数の縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する処理と、各領域内で取得した柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する処理と、地層毎に区分された基準データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを縦穴単位で生成する処理と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値を取得する処理と、各縦穴の同一地層に係る上記値を集計し、その最大値及び最小値を抽出する処理と、によって生成されることを特徴としている。
請求項8に記載した地層深度推定方法は、所定の施工対象領域内で柱状図を取得し、土壌を構成する地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を特定する第1の工程と、上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた削孔データを生成する第2の工程と、上記柱状図によって特定した各地層の上端深度及び下端深度に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第3の工程と、地層毎に区分された削孔データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを生成する第4の工程と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値が、所定の適合範囲に合致するか否かを判定する第5の工程と、合致する場合には柱状図で定義された各地層の深度を当該施工箇所における地層深度と認定する第6の工程と、合致しない場合には柱状図で定義された各地層の深度を所定量修正する第7の工程と、修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第8の工程と、再区分された削孔データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを再生成する第9の工程と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値が、上記の適合範囲に合致するか否かを判定する第10の工程と、合致する場合には上記修正後の各地層の深度を当該施工箇所における地層深度と認定する第11の工程からなり、合致しない場合には上記第7~第11の工程を合致するまで繰り返すことを特徴としている。
また、請求項9に記載した地層深度推定方法は、請求項8の方法であって、上記適合範囲が、上記累積ヒストグラムにおける累積相対度数が80%、90%及び95%の頂部毎に設定されていることを特徴としている。
請求項10に記載した地層深度推定方法は、請求項8または9の方法であって、上記削孔パラメータの値が、削孔に用いるモーターの電流値と、削孔に用いる削孔水の水圧値であることを特徴としている。
請求項11に記載した地層深度推定方法は、請求項8~10の方法であって、上記適合範囲が、上記柱状図を取得した箇所の近傍において複数の縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する工程と、上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する工程と、地層毎に区分された基準データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを縦穴単位で生成する工程と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値を取得する工程と、各縦穴の同一地層に係る上記値を集計し、その最大値及び最小値を抽出する工程と、によって生成されることを特徴としている。
請求項12に記載した地層深度推定方法は、請求項8~10の方法であって、上記適合範囲が、上記施工対象領域以外の領域で複数の縦穴を削孔する際に、1種または複数種の削孔パラメータの値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する工程と、各領域内で取得した柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する工程と、地層毎に区分された基準データに基づいて、地層毎の累積ヒストグラムを縦穴単位で生成する工程と、各累積ヒストグラムの所定の累積相対度数における値を取得する工程と、各縦穴の同一地層に係る上記値を集計し、その最大値及び最小値を抽出する工程と、によって生成されることを特徴としている。
この発明に係る地層深度推定システム及び方法の場合、縦穴の削孔という地盤改良工事における必須の工程を通じて必要な削孔データを取得すると共に、柱状図設定情報に基づいて削孔データを地層毎に区分し、これに基づいて生成した地層毎の累積ヒストグラムと所定の適合範囲とを比較することにより、施工対象箇所の地層深度を簡易迅速に推定することができる。
以下、添付の図面に従い、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明に係る地層深度推定システム10の機能構成を示すブロック図であり、データ取得部11と、深度推定部12と、基準データ記憶部13と、削孔データ記憶部14と、タッチパネル付きのディスプレイ15と、推定深度記憶部16と、柱状図設定記憶部17と、頂部適合範囲記憶部18を備えている。
データ取得部11及び深度推定部12は、コンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って動作することにより、実現される。
また、基準データ記憶部13、削孔データ記憶部14、推定深度記憶部16、柱状図設定記憶部17及び頂部適合範囲記憶部18は、同コンピュータの記憶装置内に設けられている。
データ取得部11は、外部から入力された削孔パラメータとしての水圧値19及び電流値20に、入力時点の削孔深度21を関連付けて基準データ及び削孔データを生成し、基準データ記憶部13及び削孔データ記憶部14に格納する機能を備えている(詳細は後述)。
図2は、地表30に設置された地盤改良装置(ボーリングマシン)31を示しており、この地盤改良装置31は、ボーリングロッド32と、これを回転させるモーター33と、ボーリングロッド32を昇降させるシリンダ(図示省略)と、モーター33やシリンダ等の駆動を制御する制御装置34を備えている。
上記地層深度推定システム10は、この制御装置34内に組み込まれている。
ボーリングロッド32の上端には、削孔スイベル35を介してホース36の一端が接続されている。
このホース36の他端にはポンプ37が接続されており、このポンプ37によって圧縮されたタンク38内の削孔水が、ボーリングロッド32に供給される。
そして、ボーリングロッド32の先端ビットから高圧の削孔水を噴射すると同時に、ボーリングロッド32を所定の速度で回転させつつ、所定のストロークで下降させることにより、地盤39に縦穴40が穿設される。
上記ホース36の途中には、削孔水の水圧及び水流量を検知する流量・圧力計41が介装されている。
この流量・圧力計41からの出力は、信号ケーブル42を介して制御装置34に入力される。
制御装置34には、モーター33の電流値や回転数、削孔深度、削孔速度、振動加速度等を計測する各種センサからの出力信号も入力される。
この発明の実施に先立ち、まず施工対象領域内において土質調査を実施し、柱状図を取得する。
図3は、この柱状図50を示すものであり、深度(地表30からの距離)と土質との対応関係が示されている。
ここでは、深度0m~1mの範囲に礫層が、深度1m~2mの範囲にシルト層が、深度2m~3mの範囲に粘土層が存在していることが示されている。
上記の柱状図設定記憶部17には、この柱状図50に対応した柱状図設定情報が格納されている。図4は柱状図設定情報を示しており、図3の柱状図50に対応した地層の種類と分布深度(上端及び下端)が格納されている。
つぎに、図2に示したように、この土質調査実施箇所51の近傍に設置された地盤改良装置31を用いた削孔を実施する。この場合の削孔範囲は、柱状図50に対応している。
この削孔に際し、地層深度推定システム10のデータ取得部11は、流量・圧力計41から出力されるポンプ37の水圧値と、電流計から出力されるモーター33の電流値を、削孔深度に関連付けて基準データを生成し、基準データ記憶部13に格納する。
図5(a)は、この基準データ記憶部13に格納された水圧値の基準データの一部を例示するものであり、深度0.01m(1cm)単位で水圧値の推移が記録されている。
また図5(b)は、基準データ記憶部13に格納された電流値の基準データの一部を例示するものであり、同じく深度0.01m(1cm)単位で電流値の推移が記録されている。
この基準データの採取は、土質調査実施箇所51の近傍における異なる箇所において複数回実施されるため、基準データ記憶部13には水圧値及び電流値の基準データが、採取箇所毎に複数組格納される。
つぎに深度推定部12が起動し、基準データ記憶部13に格納された複数組の基準データに基づき、頂部適合範囲設定情報を生成する。
図6は、この頂部適合範囲設定情報の一例を示すものである。
すなわち、図6(a)は水圧値用の頂部適合範囲設定情報を示しており、礫、シルト、粘土の地層毎に、「頂部」すなわち累積ヒストグラムの累積相対度数80%における適合範囲、累積相対度数90%における適合範囲、累積相対度数95%における適合範囲が、それぞれ定義されている。
また、図6(b)は電流値用の頂部適合範囲設定情報を示しており、礫、シルト、粘土の地層毎に、累積ヒストグラムの累積相対度数80%における適合範囲、累積相対度数90%における適合範囲、累積相対度数95%における適合範囲が、それぞれ定義されている。
これら頂部適合範囲設定情報の意義については後に詳述するとして、ここでは図7のフローチャートに従い、頂部適合範囲設定情報の生成手順について説明する。
まず深度推定部12は、柱状図設定記憶部17から「柱状図設定情報」を読み込み(S10)、この柱状図設定情報に基づいて推定の対象となる地層の構成(土質の種類)と、それぞれの深度範囲を特定する(S12)。
つぎに深度推定部12は、基準データ記憶部13から一組目の基準データ(水圧値及び電流値の基準データ)を読み込み(S14)、図5に示したように、水圧値及び電流値の各基準データを、柱状図設定情報及びそれぞれの深度に基づいて、以下のように地層毎に区分する(S16)。
(1) 深度0.01~1.00の範囲の基準データ→礫層用
(2) 深度1.01~2.00の範囲の基準データ→シルト層用
(3) 深度2.01~3.00の範囲の基準データ→粘土層用
つぎに深度推定部12は、地層毎に区分された水圧値及び電流値の基準データに基づき、ヒストグラム及び累積ヒストグラムを生成する(S18)。
図8(a)~(c)は、礫、シルト、粘土の地層毎に、縦軸に累積相対度数(%)が設定されると共に、横軸に水圧値(MPa)が設定されたグラフ平面上に、水圧値の基準データのヒストグラムを示す棒グラフ55と、その累積ヒストグラムを示す折れ線グラフ56が配置された様子を示している。
また、図9(a)~(c)は、礫、シルト、粘土の地層毎に、縦軸に累積相対度数(%)が設定されると共に、横軸に電流値(A)が設定されたグラフ平面上に、電流値の基準データのヒストグラムを示す棒グラフ55と、その累積ヒストグラムを示す折れ線グラフ56が配置された様子を示している。
つぎに深度推定部12は、各累積ヒストグラムの折れ線グラフ56における累積相対度数が80%の位置(頂部57a)の値と、90%の位置(頂部57b)の値及び95%の位置(頂部57c)の値を取得する(S20)。
深度推定部12は、基準データ記憶部13に格納された基準データの全ての組について、上記のS14~S20の処理を繰り返す(S22)。
この結果、例えば土質調査実施箇所近傍の5箇所において基準データを採取していた場合には、地層毎に、累積相対度数:80%、90%、95%の各頂部について5つの水圧値及び電流値が得られることとなる。
つぎに深度推定部12は、各地層の頂部毎に、水圧値及び電流値の最小値及び最大値を特定することにより、図6に示した頂部適合範囲設定情報を導出し(S24)、頂部適合範囲記憶部18に格納する(S26)。
なお、図8及び図9における縦軸80%、90%、95%の位置には、参考までに頂部適合範囲を示す3本の横棒58a, 58b, 58cが表示されている。
つぎに、土質調査実施箇所51の近傍に配置されていた地盤改良装置31を、図10(a) に示すように、同一施工領域内における他の施工対象箇所52に移動させる。
そして、地盤改良工事の一環として、ボーリングロッド32を用いたガイドホール(縦穴)53の削孔を実施する。
この際、地層深度推定システム10のデータ取得部11は、流量・圧力計41から出力される水圧値と、電流計から出力されるモーターの電流値を、削孔深度に関連付けて削孔データを生成し、削孔データ記憶部14に格納する。
図11は、この削孔データ記憶部14に格納された削孔データの一部を例示するものであり、基準データと同様、深度0.01m(1cm)単位で水圧値と電流値がそれぞれ記録されている。
このようにして、頂部適合範囲記憶部18及び削孔データ記憶部14に必要なデータが揃った時点で、深度推定部12による地層深度推定処理が実行される。
以下、図12のフローチャートに従い、深度推定部12の処理手順を説明する。
まず深度推定部12は、柱状図設定記憶部17から「柱状図設定情報」を読み込み(S30)、この柱状図設定情報に基づいて推定の対象となる地層の構成(土質の種類)と、それぞれの深度範囲を特定する(S32)。
つぎに深度推定部12は、削孔データ記憶部14から、水圧値及び電流値の削孔データを読み込み(S34)、図11に示したように、水圧値及び電流値の各削孔データを、柱状図設定情報及びそれぞれの深度に基づいて、以下のように地層毎に区分する(S36)。
(1) 深度0.01~1.00(m)の範囲の削孔データ→礫層用
(2) 深度1.01~2.00(m)の範囲の削孔データ→シルト層用
(3) 深度2.01~3.00(m)の範囲の削孔データ→粘土層用
つぎに深度推定部12は、頂部適合範囲記憶部18から頂部適合範囲設定情報を読み込む(S38)。
つぎに深度推定部12は、地層毎に区分された水圧値及び電流値の削孔データに基づき、ヒストグラム及び累積ヒストグラムを生成する(S40)。
図13(a)~(c)は、礫、シルト、粘土の地層毎に、縦軸に累積相対度数(%)が設定されると共に、横軸に水圧値(MPa)が設定されたグラフ平面上に、水圧値の削孔データのヒストグラムを示す棒グラフ55と、その累積ヒストグラムを示す折れ線グラフ56が配置された様子を示している。
また、図14(a)~(c)は、礫、シルト、粘土の地層毎に、縦軸に累積相対度数(%)が設定されると共に、横軸に電流値(A)が設定されたグラフ平面上に、電流値の削孔データのヒストグラムを示す棒グラフ55と、その累積ヒストグラムを示す折れ線グラフ56が配置された様子を示している。
各グラフ平面上の縦軸80%、90%、95%の位置には、頂部適合範囲を示す3本の横棒58a, 58b, 58cが配置されている。
ここで深度推定部12は、各累積ヒストグラムが、対応の頂部適合範囲に合致しているか否かを判定する(S42)。
具体的には、各累積ヒストグラムの折れ線グラフ56が、80%、90%、95%の位置に設定された各頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cと交差しているか否かが判定される。
例えば、図13(a)の「礫の水圧値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cすべてと交差しているため、「合致(○)」となる。
同様に、図13(c)、図14(a)及び(c)においても、累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は3本の頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cすべてと交差しているため、「合致(○)」とされる。
これに対し、図13(b)の「シルトの水圧値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、80%、90%、95%の位置に配置された頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cすべてと交差していないため、「不合致(×)」となる。
同様に、図14(b)の「シルトの電流値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、80%及び90%の位置に配置された2本の頂部適合範囲の横棒58a, 58bと交差していないため、やはり「不合致(×)」となる。
削孔データが何れかの基準データと一致している場合には、当然ながらこのような不合致は生じないはずであるが、例え共通の地層構造を有する同一施工領域内であっても、不陸の存在等により、一部のデータ間に不一致が生じ得る。
図15は、水圧値のある基準データと削孔データを比較したものであり、深度1.81(m)~深度2.00(m)の範囲において両データ間に不一致が生じていることがわかる。
また図16は、電圧値のある基準データと削孔データを比較したものであり、同じく深度1.81(m)~深度2.00(m)の範囲において両データ間に不一致が生じている。
このような場合、当該施工対象箇所においては、柱状図50に基づく地層深度が少なくともシルト層及び粘土層には適用できないことを意味している。
そこで深度推定部12は、予め設定されたルールに従い、削孔データを区分するための地層深度設定を調整する(S44)。
例えば、深度推定部12は各地層の深度範囲を以下のように変更する。
(1) 深度0.01~1.00(m)の範囲の削孔データ→礫層用
(2) 深度1.01~1.90(m)の範囲の削孔データ→シルト層用
(3) 深度1.91~3.00(m)の範囲の削孔データ→粘土層用
すなわち、シルト層の深度範囲の下限を10cmほど浅くすると共に、その分、下層に位置する粘土層の深度範囲の上限を10cm浅くする。
つぎに深度推定部12は、新たな地層区分に含まれる水圧値及び電流値の削孔データに基づき、ヒストグラム及び累積ヒストグラムを生成し直すと共に(S40)、各累積ヒストグラムが対応の頂部適合範囲に合致しているか否かを再度判定する(S42)。
この結果、図17(b)に示すように、「シルトの電流値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、3本の頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cすべてと交差しているため、「合致(○)」となった。
しかしながら、図17(a)に示すように、「シルトの水圧値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cのすべてと交差していないため、またも「不合致(×)」となった。
そこで深度推定部12は、削孔データを区分するための地層深度を再度調整する(S44)。
例えば、各地層の深度範囲を以下のように変更する。
(1) 深度0.01~1.00(m)の範囲の削孔データ→礫層用
(2) 深度1.01~1.80(m)の範囲の削孔データ→シルト層用
(3) 深度1.81~3.00(m)の範囲の削孔データ→粘土層用
すなわち、シルト層の深度範囲の下限を当初より20cmほど浅くすると共に、その分粘土層の深度範囲の上限を20cm浅くする。
つぎに深度推定部12は、新たな地層区分に含まれる水圧値及び電流値の削孔データに基づき、ヒストグラム及び累積ヒストグラムを生成し直すと共に(S40)、各累積ヒストグラムが対応の頂部適合範囲に合致しているか否かを再度判定する(S42)。
この結果、図18(a)に示すように、「シルトの水圧値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は、3本の頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cと交差しているため、「合致(○)」となった。
また、図18(b)に示すように、「シルトの電流値」の累積ヒストグラムの折れ線グラフ56も、3本の頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cと交差しているため、「合致(○)」となった。
さらに、図19(a)及び(b)に示すように、「粘土の水圧値」及び「粘土の電流値」に関しても、各累積ヒストグラムの折れ線グラフ56は3本の頂部適合範囲の横棒58a, 58b, 58cと交差しているため、それぞれ「合致(○)」となった。
以上の結果を踏まえて、深度推定部12は、当該施工箇所における各地層の深度範囲を以下のように推定する(S46)。
(1) 礫層の深度範囲:0.01~1.00(m)
(2) シルト層の深度範囲:1.01~1.80(m)
(3) 粘土層の深度範囲:1.81~3.00(m)
この推定結果は、推定深度記憶部16に格納されると共に、ディスプレイ15に表示される(S48)。
あとは、この推定深度範囲に基づいて地盤改良装置31の施工仕様が設定され、図10(b)に示すように、削孔データを採取する際に形成したガイドホール53に二重管ロッド60を挿通し、その先端ノズルから固化材と水の混合物を高圧で噴射しながら回転させ、所定のストロークで上昇させることにより、円筒状の改良体(杭体)61が形成される。
削孔データに基づく累積ヒストグラムが頂部適合範囲に不合致の場合、問題のある地層の境界を、どのような幅でどちらの方向に移動させるかについては、予めプログラム中にルールとして設定されている。
例えば、最初に地層間の境界を5cmずつ、下方に移動させ、所定数繰り返しても合致しない場合、当所の地層深度を5cmずつ、上方に移動させるように運用することもできる。
あるいは、ディスプレイ15に不合致の結果が表示された時点で、オペレータがタッチパネル上のボタンを操作し、調整幅と調整方向を適宜指令するように運用することもできる。
上記のように、削孔データに基づいて累積ヒストグラムを生成し、その頂部が所定の頂部適合範囲に一致するか否かを判定するようにした結果、各地層の特性をより明確に引き出すと共に、適否を簡易迅速に判定することが可能となっている。
なお、「頂部」の具体的な位置について限定はなく、80%、90%、95%以外の位置を頂部とすることもできる。
また、頂部の数についても「3」に限定されるものではない。
上記においては、特定の施工対象箇所の地層深度を、同一の施工対象領域内における土質調査実施箇所51の近傍で採取した基準データに基づいて導出した頂部適合範囲設定情報を用いて推定する例を示したが、この発明はこれに限定されるものではない。
例えば、地層構造を異にする他の複数の施工対象領域において採取した水圧値及び電流値の基準データを、それぞれの領域の柱状図設定情報に基づいて地層毎に区分した上で累積ヒストグラムを生成し、所定の頂部(例えば累積相対度数: 80%、90%、95%の位置)における値を集計すると共に、その最大値及び最小値を抽出することにより、あるいは集計値に適当な統計処理を施すことにより、地域に限定されない汎用的な「頂部適合範囲設定情報」を導出し、これに基づいて特定の施工対象領域内の地層深度を推定することが該当する。
この場合、当該施工対象領域における柱状図によって導かれる地層深度や、求められる削孔径、使用機械(地盤改良装置、ポンプ)の出力、ビット形状等に応じて用意された所定の補正係数を上記の汎用的な頂部適合範囲設定情報に適用することにより、当該施工に最適な頂部適合範囲設定情報を導くこともできる。
上記においては、各地層の組成に応じて削孔に際しての抵抗に差異が生じ、これによって地盤改良装置のモーターの電流値やポンプの水圧値に影響が出ることから、地層深度を推定するためのパラメータとしてポンプの水圧値及びモーターの電流値を用いているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えばモーターの回転数や削孔速度、振動加速度など他の削孔パラメータを1つあるいは複数組み合わせて用いてもよい。
上記においては、各深度範囲内に含まれる水圧値及び電流値の削孔データに基づいて生成された累積ヒストグラムが、それぞれ同種の土質に係る3つの頂部適合範囲(合計で6つの頂部適合範囲)の全てに合致している場合に、当該深度範囲を対応の土質に該当するものと認定する例を示したが、他の判定基準を適用することもできる。
例えば、同種の土質に係る5つ以上の頂部適合範囲に合致する場合に、合致した頂部適合範囲の土質に当該深度範囲が属するものと認定することが該当する。
また、上記においては累積ヒストグラムが各頂部適合範囲と合致するか否か(1か0か)を判定し、その判定結果の合計数(整数値)で特定の土質との該当性を認定しているが、同じ「非合致」であっても、それぞれの外れ具合(程度差)が反映されるような判定ルールを採用することもできる。
例えば図20に示すように、各頂部適合範囲の両端に、それぞれの幅に応じた所定幅の拡張領域70を設定しておき、累積ヒストグラムの折れ線グラフ56との交差位置(頂部適合範囲の両端からの近さ)に応じて小数点のポイントを付与し、全頂部適合範囲におけるポイントの合計値で特定の土質との該当性を認定することもできる。
すなわち、同図において折れ線グラフ56は、95%の頂部適合範囲の横棒58c自体と交差しているため、当該頂部適合範囲に1.0のポイントが認定されている。これに対し、90%の頂部適合範囲の横棒58bとは交差しないものの、拡張領域70の端の方で交差しているため、0.2ポイントが認定されている。また、80%の頂部適合範囲の横棒58aとも交差しないが、拡張領域70の中心で交差しているため、0.5ポイントが認定されている。図示は省略したが、折れ線グラフ56が各頂部適合範囲の横棒及び拡張領域の何れとも交差しない場合、当該頂部適合範囲については0ポイントが計上される。
この発明に係る地層深度推定システムの機能構成を示すブロック図である。 土質調査実施箇所の近傍に設置された地盤改良装置を示す図である。 柱状図を示す図である。 柱状図設定情報を示す図である。 基準データを示す図である。 頂部適合範囲設定情報を示す図である。 頂部適合範囲設定情報の導出手順を示すフローチャートである。 水圧値の基準データに基づいて生成された地層毎のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 電流値の基準データに基づいて生成された地層毎のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 施工対象箇所に設置された地盤改良装置を示す図である。 削孔データを示す図である。 深度推定の処理手順を示すフローチャートである。 水圧値の削孔データに基づいて生成された地層毎のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 電流値の削孔データに基づいて生成された地層毎のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 水圧値の基準データと削孔データの相違を示す図である。 電流値の基準データと削孔データの相違を示す図である。 地層深度を10cm調整した後の水圧値及び電流値の削孔データに基づいて生成されたシルト層のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 地層深度を20cm調整した後の水圧値及び電流値の削孔データに基づいて生成されたシルト層のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 地層深度を20cm調整した後の水圧値及び電流値の削孔データに基づいて生成された粘土層のヒストグラム及び累積ヒストグラムを示す図である。 頂部適合範囲の両端に拡張領域を設定し、累積ヒストグラムの折れ線グラフとの交差位置に応じて異なるポイントが付与される様子を示す図である。 従来における地層構造の決定方法を示す図である。
10 地層深度推定システム
11 データ取得部
12 深度推定部
13 基準データ記憶部
14 削孔データ記憶部
15 ディスプレイ
16 推定深度記憶部
17 柱状図設定記憶部
18 頂部適合範囲記憶部
19 水圧値
20 電流値
21 削孔深度
30 地表
31 地盤改良装置
32 ボーリングロッド
33 モーター
34 制御装置
35 削孔スイベル
36 ホース
37 ポンプ
38 タンク
39 地盤
40 縦穴
41 流量・圧力計
42 信号ケーブル
51 土質調査実施箇所
52 施工対象箇所
53 ガイドホール
55 ヒストグラムの棒グラフ
56 累積ヒストグラムの折れ線グラフ
58a~58c 頂部適合範囲の横棒
60 二重管ロッド
61 改良体

Claims (10)

  1. 所定の施工対象領域内の特定の箇所で土質調査を実施することによって作成された柱状図に含まれる各地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を定義した柱状図設定情報を格納しておく柱状図設定記憶手段と、
    データ取得手段と、
    深度推定手段と、を備えた地層深度推定システムであって、
    上記データ取得手段は、
    上記土質調査が実施された箇所の近傍において複数の縦穴を削孔するに際し、削孔に用いるモーターの電流値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と電流値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する処理を実行し、
    上記深度推定手段は、
    上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する処理と、
    縦穴及び地層毎に区分された基準データに基づいて、電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を縦穴及び地層毎に特定する処理と、
    各累積ヒストグラムの特定の累積相対度数における電流値を取得する処理と、
    各縦穴の同一地層に係る上記電流値の中で最大値及び最小値を特定することにより、上記特定の累積相対度数における電流値の適合範囲を地層毎に導出する処理と、を実行し、
    また上記データ取得手段は、
    上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔するに際し、削孔に用いるモーターの電流値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と電流値を関連付けた削孔データを生成する処理を実行し、
    上記深度推定手段は、
    上記柱状図設定情報に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第1の処理と、
    地層毎に区分された削孔データに基づいて、地層毎に電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を特定する第2の処理と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における電流値が、上記適合範囲に含まれるか否かを判定する第3の処理と、
    含まれる場合には合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を地層深度として出力する第4の処理と、
    含まれない場合には不合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を所定量修正する第5の処理と、
    修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第6の処理と、
    再区分された削孔データに基づいて、地層毎に電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を再特定する第7の処理と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における電流値が、上記の適合範囲に含まれるか否かを判定する第8の処理と、
    含まれる場合には合致と判定し、上記修正後の各地層の深度を地層深度として出力する第9の処理を実行し、
    含まれない場合には上記第5~第9の処理を合致するまで繰り返すことを特徴とする地層深度推定システム。
  2. 所定の施工対象領域内の特定の箇所で土質調査を実施することによって作成された柱状図に含まれる各地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を定義した柱状図設定情報を格納しておく柱状図設定記憶手段と、
    データ取得手段と、
    深度推定手段と、を備えた地層深度推定システムであって、
    上記データ取得手段は、
    上記土質調査が実施された箇所の近傍において複数の縦穴を削孔するに際し、削孔に用いる削孔水の水圧値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と水圧値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する処理を実行し、
    上記深度推定手段は、
    上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する処理と、
    縦穴及び地層毎に区分された基準データに基づいて、水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を縦穴及び地層毎に特定する処理と、
    各累積ヒストグラムの特定の累積相対度数における水圧値を取得する処理と、
    各縦穴の同一地層に係る上記水圧値の中で最大値及び最小値を特定することにより、上記特定の累積相対度数における水圧値の適合範囲を地層毎に導出する処理と、を実行し、
    また上記データ取得手段は、
    上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔するに際し、削孔に用いる削孔水の水圧値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と水圧値を関連付けた削孔データを生成する処理を実行し、
    上記深度推定手段は、
    上記柱状図設定情報に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第1の処理と、
    地層毎に区分された削孔データに基づいて、地層毎に水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を特定する第2の処理と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における水圧値が、上記適合範囲に含まれるか否かを判定する第3の処理と、
    含まれる場合には合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を地層深度として出力する第4の処理と、
    含まれない場合には不合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を所定量修正する第5の処理と、
    修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第6の処理と、
    再区分された削孔データに基づいて、地層毎に水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を再特定する第7の処理と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における水圧値が、上記の適合範囲に含まれるか否かを判定する第8の処理と、
    含まれる場合には合致と判定し、上記修正後の各地層の深度を地層深度として出力する第9の処理を実行し、
    含まれない場合には上記第5~第9の処理を合致するまで繰り返すことを特徴とする地層深度推定システム。
  3. 上記電流値の適合範囲は、上記累積ヒストグラムにおける累積相対度数が80%、90%及び95%の各位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1に記載の地層深度推定システム。
  4. 上記水圧値の適合範囲は、上記累積ヒストグラムにおける累積相対度数が80%、90%及び95%の各位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項2に記載の地層深度推定システム。
  5. 上記深度の修正は、深度の調整幅及び調整方向を規定するルールに従って自動的に実行されることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の地層深度推定システム。
  6. 上記深度の修正は、入力手段を介して入力される深度の調整幅及び調整方向を指定する修正指令に従って実行されることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の地層深度推定システム。
  7. 所定の施工対象領域内の特定の箇所で土質調査を実施することによって作成された柱状図に含まれる各地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を定義した柱状図設定情報を生成する第1の工程と、
    上記土質調査が実施された箇所の近傍において複数の縦穴を削孔するに際し、削孔に用いるモーターの電流値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と電流値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する第2の工程と、
    上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第3の工程と、
    縦穴及び地層毎に区分された基準データに基づいて、電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を縦穴及び地層毎に特定する第4の工程と、
    各累積ヒストグラムの特定の累積相対度数における電流値を取得する第5の工程と、
    各縦穴の同一地層に係る上記電流値の中で最大値及び最小値を特定することにより、上記特定の累積相対度数における電流値の適合範囲を地層毎に導出する第6の工程と、
    上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔するに際し、削孔に用いるモーターの電流値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と電流値を関連付けた削孔データを生成する第7の工程と、
    上記柱状図設定情報に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第8の工程と、
    地層毎に区分された削孔データに基づいて、地層毎に電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を特定する第9の工程と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における電流値が、上記適合範囲に含まれるか否かを判定する第10の工程と、
    含まれる場合には合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を地層深度と認定する第11の工程と、
    含まれない場合には不合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を所定量修正する第12の工程と、
    修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第13の工程と、
    再区分された削孔データに基づいて、地層毎に電流値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を再特定する第14の工程と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における電流値が、上記の適合範囲に含まれるか否かを判定する第15の工程と、
    含まれる場合には合致と判定し、上記修正後の各地層の深度を地層深度と認定する第16の工程からなり、
    含まれない場合には上記第12~第16の工程を合致するまで繰り返すことを特徴とする地層深度推定方法。
  8. 所定の施工対象領域内の特定の箇所で土質調査を実施することによって作成された柱状図に含まれる各地層の土質と、各地層の上端深度及び下端深度を定義した柱状図設定情報を生成する第1の工程と、
    上記土質調査が実施された箇所の近傍において複数の縦穴を削孔するに際し、削孔に用いる削孔水の水圧値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と水圧値を関連付けた基準データを縦穴毎に生成する第2の工程と、
    上記柱状図設定情報に基づき、各縦穴に係る基準データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第3の工程と、
    縦穴及び地層毎に区分された基準データに基づいて、水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を縦穴及び地層毎に特定する第4の工程と、
    各累積ヒストグラムの特定の累積相対度数における水圧値を取得する第5の工程と、
    各縦穴の同一地層に係る上記水圧値の中で最大値及び最小値を特定することにより、上記特定の累積相対度数における水圧値の適合範囲を地層毎に導出する第6の工程と、
    上記施工対象領域内の任意の施工対象箇所において縦穴を削孔するに際し、削孔に用いる削孔水の水圧値を所定の深度毎に取得すると共に、取得時の深度と水圧値を関連付けた削孔データを生成する第7の工程と、
    上記柱状図設定情報に基づき、各削孔データをそれぞれの深度に応じて地層毎に区分する第8の工程と、
    地層毎に区分された削孔データに基づいて、地層毎に水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を特定する第9の工程と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における水圧値が、上記適合範囲に含まれるか否かを判定する第10の工程と、
    含まれる場合には合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を地層深度と認定する第11の工程と、
    含まれない場合には不合致と判定し、柱状図設定情報で定義された各地層の深度を所定量修正する第12の工程と、
    修正後の深度に応じて、各削孔データを地層毎に再区分する第13の工程と、
    再区分された削孔データに基づいて、地層毎に水圧値の累積ヒストグラムの累積相対度数の分布を再特定する第14の工程と、
    各累積ヒストグラムの上記特定の累積相対度数における水圧値が、上記の適合範囲に含まれるか否かを判定する第15の工程と、
    含まれる場合には合致と判定し、上記修正後の各地層の深度を地層深度と認定する第16の工程からなり、
    含まれない場合には上記第12~第16の工程を合致するまで繰り返すことを特徴とする地層深度推定方法。
  9. 上記電流値の適合範囲は、上記累積ヒストグラムにおける累積相対度数が80%、90%及び95%の各位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項7に記載の地層深度推定方法。
  10. 上記水圧値の適合範囲は、上記累積ヒストグラムにおける累積相対度数が80%、90%及び95%の各位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項8に記載の地層深度推定方法。
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