JP7306510B1 - 自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラム、自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法 - Google Patents

自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラム、自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車の衝突時に車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求める。【解決手段】本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置は、最適化解析の解析条件の設定において(21)、最適化解析モデル120の車体骨格部品における衝突荷重入力部位121と複数の荷重伝達部位123とを設定し(21a)、衝突荷重を複数の耐荷重部品の耐荷重以下に分配して各荷重伝達部位における伝達荷重を決定し(21b)、決定した伝達荷重を各荷重伝達部位123に対して衝突荷重の反力として設定する荷重条件と、衝突荷重入力部位121の変位を拘束する拘束条件と、を設定し(21c)、最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の荷重伝達部位123の変位が等しいとする制約条件と、を設定する(21d)。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の衝突時に車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求める自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラムと、自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法に関する。
世界の自動車販売に占める電気自動車の割合は、今後急速に高まることが予想される。従来のエンジン車と大きく異なる電気自動車の車体構造の特徴としては、大容量バッテリーの搭載と、その保護構造が挙げられる。
また、自動車の側面衝突試験は、多くの衝突アセスメントにおいて乗員傷害を評価する項目である。そして、電気自動車の側面衝突試験は、ポールから自動車に入力する衝突荷重が集中荷重であることに加え、ポールが衝突する位置からバッテリーまでの距離が短いことから、バッテリー保護の観点でも特に厳しい衝突試験であると言える。
図8に一例として示すように、バッテリーケースアッパ103aとバッテリーケースロア103bとを備えてなるバッテリーケース103内にバッテリー101が設置されている電気自動車の車体100においては、図9に示すように車体幅方向外側からポール200が衝突して衝突荷重が入力した際に衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部品(以降、EA部品ともいう)としての機能を備えた車体骨格部品であるサイドシル105と、サイドシル105に入力した大きな衝突荷重がバッテリーケース103にそのまま入力することを防ぐために変形が許容されない複数の耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107やバッテリーケース固定部品109を有する。
これら複数の耐荷重部品はサイドシル105に当接するように配設されており、サイドシルに入力した衝突荷重をサイドシルにおける衝突荷重入力部位から耐荷重部品へと分配する荷重伝達経路を形成する。そして、バッテリー101に大きな衝突荷重が入力することを防ぐためには、荷重伝達経路中に単数又は複数の荷重伝達構造が配置されていることが要件となる。
この荷重伝達構造は、外部からの衝突エネルギーを十分に吸収できる程度の高強度な構造でなければならない一方で、耐荷重部品へ伝達する荷重(以下、「伝達荷重」という)を各耐荷重部品の耐荷重以下とする必要がある。そして、この条件を満たすためには、荷重伝達構造を備えたサイドシル105においては、各耐荷重部品への伝達荷重が適切に配分されることが重要となる。
一方、高性能な自動車の車体構造を効率的に設計する手段として、コンピュータを用いた構造最適化解析により、車体における設計空間上の不要部位を削除して最適な構造を求める手法が用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。当該手法においては、最適化の対象となる部品等の設計空間、車体に入力する衝突荷重に関する荷重条件や車体の拘束条件、さらには最適化に関する目的関数と制約条件とを組み合わせた最適化解析条件を適宜設定することにより、車体剛性や重量等の性能が最大となる車体骨格部品等の最適な構造を求めることができる。
特許5585672号公報
特許文献1に開示されている手法によれば、車体モデルの拘束位置や複数の入力荷重とその入力位置を衝突解析条件として設定し、設定した複数の入力荷重に対し、ひずみエネルギー最小、発生応力最小、吸収エネルギー最大等の目的条件のいずれかを達成する車体骨格部品等の最適な形状を求めることができる。
その一方で、特許文献1に示されている制約条件と目的条件の組み合わせでは、車体骨格部品と耐荷重部品とを備えた車体に衝突荷重が入力した時に、車体骨格部品から複数の耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分が保障されていないという課題があった。
特に、前述した図8に示したような電気自動車の車体100においては、バッテリー101を保護するために、EA部品である車体骨格部品から非EA部品である耐荷重部品への伝達荷重の分配を考慮することが特に重要である。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、車体骨格部品から耐荷重部品への伝達荷重の分配を考慮して車体骨格部品における最適な荷重伝達構造を求めることはできなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車の衝突時に車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求める自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラムと、自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、複数の耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分を保障しつつ、車体骨格部品に入力した衝突荷重を複数の耐荷重部品へと伝達させる荷重伝達構造の求め方について検討した。
そして、発明者らは、作用・反作用の法則より、衝突荷重が入力した車体骨格部品から各耐荷重部品へと伝達する荷重と、各耐荷重部品から車体骨格部品に作用する衝突荷重の入力方向とは逆向きの方向の荷重(以下、反力と称す)とは、荷重の作用する方向は逆向きではあっても大きさが同じであり、さらに、各耐荷重部品からの反力の総和は車体骨格部品に入力する衝突荷重と等しくなる点に着目した。
さらに、車体骨格部品に入力した衝突荷重を複数の耐荷重部品に分配して伝達させる荷重伝達構造は、各耐荷重部品から衝突荷重の入力方向とは逆向きの方向に作用する反力が、衝突荷重の入力した車体骨格部品へと逆向きに伝達する荷重伝達構造でもある点に着目した。
そこで、保障すべき各耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分を、各耐荷重部品の反力の大きさや配分と捉え直し、各耐荷重部品の反力の総和が車体骨格部品に入力する衝突荷重と等しくなるように適切に分配し、適切に分配された反力が各耐荷重部品から衝突荷重の入力方向とは逆向きの方向に、衝突荷重の入力した車体骨格部品へと伝達する最適な荷重伝達構造を求めることにより、複数の耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分を保証しつつ車体骨格部品に入力した衝突荷重を適切に分配して複数の耐荷重部品へ伝達させることが可能となる荷重伝達構造を求めることができることを見出した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
(1)本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法は、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突時に前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を、コンピュータが以下の各ステップを行うことにより求めるものであって、
前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得工程と、
前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設可能な領域を設計空間として設定する設計空間設定工程と、
該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成工程と、
該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理工程と、
前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定工程と、
該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析工程と、を含み、
前記解析条件設定工程は、
前記最適化解析モデルの前記車体骨格部品における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる前記車体骨格部品における部位に荷重伝達部位と、を設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップと、
前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を複数の前記耐荷重部品の耐荷重以下に分配し、各前記荷重伝達部位における前記耐荷重部品への伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定ステップと、
該決定した前記耐荷重部品への伝達荷重を各前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定ステップと、
前記最適化解析工程における前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定ステップと、を有することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、
前記最適化解析条件設定ステップは、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の体積の3%以上7%以下の範囲内の所定の値以下と設定し、
前記最適化解析工程は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、
前記車体骨格部品は、前記自動車の側部に配設されて車体前後方向に延在するサイドシルとし、
前記耐荷重部品は、前記自動車の下部に配設されたバッテリーケースを前記サイドシルと接続するバッテリーケース固定部品とフロアクロスメンバとし、
前記解析条件設定工程に先立って、前記車体モデルを対象とし、該車体モデルにおける車体幅方向外側から前記サイドシルにポールが衝突する側面衝突解析を行い、
前記側面衝突解析の結果に基づいて、
前記衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップは、前記車体モデルの車体骨格部品における前記衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位を設定し、
前記耐荷重部品伝達荷重決定ステップは、前記車体骨格部品に入力する衝突荷重及び耐荷重部品への伝達荷重を決定することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法を用いて前記車体骨格部品の荷重伝達部材の構造を求め、
該求めた荷重伝達部材の構造に基づいて該荷重伝達部材の形状を決定し、
該決定した形状に従って前記荷重伝達部材を製造することを特徴とするものである。
(5)本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置は、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突試験において前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求めるものであって、
前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設される領域に設計空間を設定する設計空間設定部と、
該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて前記荷重伝達構造の最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成部と、
該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理部と、
前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定部と、
該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析部と、を備え、
前記解析条件設定部は、
前記最適化解析モデルにおける衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる部位に荷重伝達部位と、を前記最適化解析モデルに設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部と、
複数の前記耐荷重部品それぞれの耐荷重以下となるように前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を配分して各前記耐荷重部品の荷重伝達部位における伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定部と、
複数の前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として各前記耐荷重部品への伝達荷重を設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定部と、
前記最適化解析部において行う前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定部と、を有することを特徴とするものである。
(6)上記(5)に記載のものにおいて、
前記最適化解析条件設定部は、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の3%以上7%以下の範囲内で設定し、
前記最適化解析部は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とするものである。
(7)本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析プログラムは、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突試験において前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求めるものであって、
コンピュータを、
前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設される領域に設計空間を設定する設計空間設定部と、
該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて前記荷重伝達構造の最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成部と、
該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理部と、
前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定部と、
該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析部と、して実行させる機能を備え、
前記解析条件設定部を、
前記最適化解析モデルにおける衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる部位に荷重伝達部位と、を前記最適化解析モデルに設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部と、
複数の前記耐荷重部品それぞれの耐荷重以下となるように前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を配分して各前記耐荷重部品の荷重伝達部位における伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定部と、
複数の前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として各前記耐荷重部品への伝達荷重を設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定部と、
前記最適化解析部において行う前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定部と、して機能させることを特徴とするものである。
(8)上記(7)に記載のものにおいて、
前記最適化解析条件設定部は、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の3%以上7%以下の範囲内で設定し、
前記最適化解析部は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とするものである。
本発明においては、車体骨格部品における複数の荷重伝達部位に衝突荷重の反力として各耐荷重部品の耐荷重以下の伝達荷重を入力荷重とする荷重条件と、車体骨格部品における衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、複数の荷重伝達部位の変位を等しくする制約条件と、を解析条件として設定し、最適な荷重伝達構造を求める最適化解析を行うことにより、各耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分を保障しつつ、車体骨格部品から複数の耐荷重部品への伝達荷重を適切に分配することができる荷重伝達構造を求めることができる。
さらに、本発明によれば、上記の最適化解析を用いて最適な荷重伝達構造を求め、求めた最適な荷重伝達構造に基づいて荷重伝達部材の形状を決定し、決定した荷重伝達部材の形状に従って荷重伝達部材を製造することで、車体骨格部品から複数の耐荷重部品への伝達荷重を適切に分配することができる荷重伝達部材を製造することができる。
本発明の実施の形態1に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1において、車体モデルに設定した設計空間と、設計空間に生成した最適化ブロックモデルを示す図である。 本発明の実施の形態1及び実施例における発明例として、最適化解析モデルに設定した荷重条件と拘束条件とを説明する図である((a)斜視図(車内側)、(b)斜視図(車外側))。 本発明の実施の形態1及び実施例における発明例として、サイドシルにおける荷重伝達構造の最適構造を示す図である((a)斜視図、(b)断面図)。 本発明の実施の形態1に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法の処理の流れを示すフロー図である。 実施例における比較例として、最適化解析モデルに設定した荷重条件と拘束条件とを説明する図である((a)斜視図(車内側)、(b)斜視図(車外側))。 実施例において、サイドシルにおける荷重伝達構造の最適構造の比較例を示す図である((a)斜視図、(b)断面図)。 電気自動車の車体の一例を示す図である。 車体幅方向外側からポールが車体に衝突する側面衝突試験を説明する図である。
本発明の実施の形態1及び実施の形態2について説明するに先立ち、本発明で対象とする自動車の車体について説明する。なお、本願の図面において、X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、車体前後方向、車体幅方向及び車体上下方向を示す。
本発明は、図9に一例として示すように、車体骨格部品であるサイドシル105と、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109と、を備えた車体100を対象とする。
車体骨格部品は、車体骨格を構成する車体部品である。
サイドシル105は、車体幅方向の両側において車体前後方向に延在して配設された車体骨格部品であり、図9に示すように、ハット断面形状のサイドシルインナ105aとサイドシルアウタ105bとが互いに開口側を向かい合わせて閉断面空間を形成するように上端部同士と下端部同士が接合されている。
耐荷重部品は、車体に入力した衝突荷重がそのまま他の車体部品へ入力することを防ぐために変形が許容されない部品である。車体100においては、前述した図8について説明したようにバッテリー101保護の観点から車体部品であるバッテリーケース103に衝突荷重がそのまま入力することを防ぐために、耐荷重部品として、バッテリーケース103の上部に配置されてサイドシルインナ105aに当接される車体前後方向に2つのフロアクロスメンバ107a、107bと、バッテリーケース103の下部(バッテリーケースロア103b)とサイドシルインナ105aとを接続してバッテリーケース103の固定に用いられるバッテリーケース固定部品109と、が設けられている。
なお、サイドシル105、フロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109は、平面要素及び/立体要素を用いてモデル化されており、モデル化した要素情報等は、後述する車体モデルファイル31(図1参照)に記憶しておいてもよい。
以下、車体100を解析対象とする場合について、本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラム(以下、それぞれ、「荷重伝達構造最適化解析方法」、「荷重伝達構造最適化解析装置」及び「荷重伝達構造最適化解析プログラム」という)について説明する。
[実施の形態1]
<荷重伝達構造最適化解析装置>
本発明の実施の形態1に係る荷重伝達構造最適化解析装置1は、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突時に車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求めるものであって、図1に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成され、表示装置3と、入力装置5と、記憶装置7と、作業用データメモリ9と、演算処理部11と、を備えている。
そして、表示装置3、入力装置5、記憶装置7及び作業用データメモリ9は、演算処理部11に接続され、演算処理部11からの指令によってそれぞれの機能が実行される。
以下、本実施の形態に係る荷重伝達構造最適化解析装置1の各構成について説明する。
表示装置3は、解析結果の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成される。
入力装置5は、車体モデルファイル31の表示指示や操作者の条件入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
記憶装置7は、車体モデルファイル31等の各種ファイルの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。
作業用データメモリ9は、演算処理部11で使用するデータの一時保存や演算に用いられ、RAM(Random Accress Memory)等で構成される。
演算処理部11は、図1に示すように、車体モデル取得部13と、設計空間設定部15と、最適化ブロックモデル生成部17と、結合処理部19と、解析条件設定部21と、最適化解析部23と、を有し、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成される。これらの各部は、CPUが所定のプログラムを実行することによって機能する。
演算処理部11における上記の各部の機能を以下に説明する。
≪車体モデル取得部≫
車体モデル取得部13は、車体骨格部品と耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された自動車の全部又は一部の車体モデルを取得するものである。
本実施の形態において、車体モデル取得部13は、図9に示すように、車体骨格部品であるサイドシル105と、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109と、が平面要素でモデル化された自動車の一部の車体モデル110を取得する。
≪設計空間設定部≫
設計空間設定部15は、車体モデルにおける荷重伝達構造が配設可能な領域を設計空間として設定するものである。
本実施の形態において、設計空間設定部15は、車体モデル110における荷重伝達構造が配設可能な領域として、図9に示すように、サイドシルインナ105aとサイドシルアウタ105bとの間の閉断面空間に設計空間111を設定する。
≪最適化ブロックモデル生成部≫
最適化ブロックモデル生成部17は、設計空間設定部15により設定された設計空間に立体要素でモデル化されて最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成するものである。
本実施の形態において、最適化ブロックモデル生成部17は、図2に示すように、設計空間設定部15により設定された設計空間111に最適化ブロックモデル113を生成する。
≪結合処理部≫
結合処理部19は、最適化ブロックモデル生成部17により生成した最適化ブロックモデルを車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成するものである。
本実施の形態において、結合処理部19は、図2に示すように、最適化ブロックモデル113を車体モデル110(図9参照)におけるサイドシル105に結合して最適化解析モデル120を生成する。なお、図2に示す最適化解析モデル120においては、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109の表示は省略している。
≪解析条件設定部≫
解析条件設定部21は、最適化の解析処理のための解析条件を設定するものであり、図1に示すように、衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部21aと、耐荷重部品伝達荷重決定部21bと、荷重拘束条件設定部21cと、最適化解析条件設定部21dと、を有する。
(衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部)
衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部21aは、最適化解析モデルの車体骨格部品における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる車体骨格部品における部位に複数の荷重伝達部位と、を設定するものである。ここで、荷重入力部位は1か所、荷重伝達部位は複数箇所とする。
本実施の形態においては、図9に示すようにポール200がサイドシル105の車体幅方向外側に衝突する側面衝突を対象としているため、衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部21aは、図3に示すように、最適化解析モデル120のサイドシル105における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位121と、サイドシル105から耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109へと荷重が伝達する部位に複数(三か所)の荷重伝達部位123(123a、123b及び123c)と、を設定する。
(耐荷重部品伝達荷重決定部)
耐荷重部品伝達荷重決定部21bは、最適化解析モデルに入力する衝突荷重を複数の耐荷重部品の耐荷重以下に分配し、各荷重伝達部位における耐荷重部品への伝達荷重を決定するものである。
ここで、伝達荷重は、各耐荷重部品の配置と強度によって決めればよい。伝達荷重の決定において重要なのは絶対値ではなくその配分であり、複数の荷重伝達部位に設定する伝達荷重の総和は、車体骨格部品に入力する衝突荷重と等しくなるように分配する。
また、車体骨格部品に入力する衝突荷重は、適宜設定することができるが、例えば、図9に示す側面衝突試験を対象とした衝突解析を行って求めるとよい。
本実施の形態において、耐荷重部品伝達荷重決定部21bは、図3に示すように、最適化解析モデル120に入力する衝突荷重をフロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109の耐荷重以下に分配し、2つのフロアクロスメンバ107に荷重を伝達させる荷重伝達部位123a及び123bにおける伝達荷重をいずれも200kNとし、バッテリーケース固定部品109の荷重伝達部位123cにおける伝達荷重を300kNと決定する。
(荷重拘束条件設定部)
荷重拘束条件設定部21cは、耐荷重部品伝達荷重決定部21bにより決定した耐荷重部品への伝達荷重を各荷重伝達部位のそれぞれに対して衝突荷重の反力として設定して最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定するものである。
本実施の形態において、荷重拘束条件設定部21cは、フロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109への伝達荷重(200kN、200kN及び300kN)を荷重伝達部位123a、123b及び123cのそれぞれに対して衝突荷重(700kN)の反力として設定して最適化解析モデル120への入力荷重とする荷重条件と、衝突荷重入力部位121の変位を拘束する拘束条件と、を設定する。
なお、荷重伝達部位に対して衝突荷重の反力として伝達荷重を設定するとは、衝突荷重の入力方向とは逆向きの方向に伝達荷重が荷重伝達部位に作用するように設定することを意味する。
(最適化解析条件設定部)
最適化解析条件設定部21dは、最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定するものである。
目的関数は、最適化の目的に応じて設定するものであり、例えば、質量最小、コンプライアンス最小、荷重伝達部位の変位最小、等が挙げられる。本実施の形態では、荷重伝達部位123の変位最小を目的関数として設定する。
一方、制約条件は、最適化において何らかの制約を課すものであり、本発明では、前述のとおり、複数の荷重伝達部位の変位が等しいとする。
なお、制約条件は、複数設定可能である。そして、最適化ブロックモデルの体積制約率(設計空間の体積に対する最適化処理により残存する最適化ブロックモデルの体積の比率)を、設計空間全体の体積の3%以上7%以下の範囲内の所定の値以下とする制約条件をさらに設定することが好ましい。
≪最適化解析部≫
最適化解析部23は、解析条件設定部21により設定された解析条件の下で最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う工程である。
本実施の形態において、最適化解析部23は、結合処理部19により最適化ブロックモデル113と車体モデル110との結合処理を行って生成した最適化解析モデル120に対して解析条件設定部21により設定された荷重条件及び拘束条件と最適化解析条件(目的関数、制約条件)との下で、最適化ブロックモデル113を最適化の解析対象として最適化解析を行い、最適化ブロックモデル113の最適な構造を求める。そして、最適化ブロックモデル113の最適な構造が、複数の耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造として求められる。
最適化解析部23による最適化解析には、例えば、トポロジー最適化を適用することができる。そして、トポロジー最適化において密度法を用いる際に中間的な密度が多い場合には、最適化パラメータとしてペナルティ係数を与えて離散化することが好ましい。なお、ペナルティ係数の値は適宜設定することができる。
本実施の形態において最適化解析部23にトポロジー最適化を適用して最適化ブロックモデル113の最適構造125を求めた結果を図4に示す。なお、図4においては、フロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109の表示は省略している。
このように、最適化ブロックモデル113の最適構造125は、解析条件設定部21により設定された解析条件(荷重条件、拘束条件、目的関数、制約条件)を満たすように、最適化ブロックモデル113を構成する立体要素が残存及び消去することにより求められる。
なお、最適化解析部23は、上記のとおりトポロジー最適化を行うものでもよいし、他の計算方式による最適化解析であってもよい。また、最適化解析部23としては、例えば市販されている有限要素法を用いた解析ソフトを使用することもできる。
<荷重伝達構造最適化解析方法>
本発明の実施の形態に係る構造最適化解析方法は、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突時に前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を、コンピュータが以下の各ステップを行うことにより求めるものであって、図5に示すように、車体モデル取得工程S1と、設計空間設定工程S3と、最適化ブロックモデル生成工程S5と、結合処理工程S7と、解析条件設定工程S9と、最適化解析工程S11と、を含む。
以下、図9に示す電気自動車の車体100を対象として、上記の各工程について説明する。
≪車体モデル取得工程≫
車体モデル取得工程S1は、車体骨格部品と耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する工程である。
本実施の形態において、車体モデル取得工程S1は、荷重伝達構造最適化解析装置1の車体モデル取得部13が、車体骨格部品であるサイドシル105と、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109と、が平面要素でモデル化された電気自動車の一部の車体モデル110を取得する。
≪設計空間設定工程≫
設計空間設定工程S3は、車体モデルにおける荷重伝達構造が配設可能な領域を設計空間として設定する工程である。
本実施の形態において、設計空間設定工程S3は、荷重伝達構造最適化解析装置1の設計空間設定部15が、図2及び図9に示すように、車体モデル110における荷重伝達部材が配設可能な領域であるサイドシルインナ105aとサイドシルアウタ105bとの間の閉断面空間を設計空間111として設定する。
≪最適化ブロックモデル生成工程≫
最適化ブロックモデル生成工程S5は、設計空間設定工程S3において設定された設計空間に立体要素でモデル化されて最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する工程である。
本実施の形態において、最適化ブロックモデル生成工程S5は、荷重伝達構造最適化解析装置1の最適化ブロックモデル生成部17が、図2に示すように、サイドシルインナ105aとサイドシルアウタ105bとの間に設定された設計空間111に最適化ブロックモデル113を生成する。
≪結合処理工程≫
結合処理工程S7は、最適化ブロックモデル生成工程S5において生成した最適化ブロックモデルを車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する工程である。
本実施の形態において、結合処理工程S7は、荷重伝達構造最適化解析装置1の結合処理部19が、最適化ブロックモデル113を車体モデル110に結合して最適化解析モデル120を生成する。
≪解析条件設定工程≫
解析条件設定工程S9は、最適化の解析処理のための解析条件を設定するものであり、図5に示すように、衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップS9aと、耐荷重部品伝達荷重決定ステップS9bと、荷重拘束条件設定ステップS9cと、最適化解析条件設定ステップS9dと、を有する。
(衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップ)
衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップS9aは、最適化解析モデルの車体骨格部品における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる車体骨格部品における部位に荷重伝達部位と、を設定するものである。
本実施の形態においては、前述した図9に示すようにポール200がサイドシル105の車体幅方向外側に衝突する側面衝突を対象としているため、図3に示すように、最適化解析モデル120のサイドシル105における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位121と、サイドシル105から耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109へと荷重が伝達する部位に荷重伝達部位123a、123b及び123cと、を設定する。
なお、サイドシル105における衝突荷重入力部位121と、フロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109への荷重伝達部位123a、123b及び123cは、解析条件設定工程S9に先立って、前述した図9に示すように、車体モデル110の車体幅方向外側からポール200がサイドシル105に衝突する側面衝突解析を行い、該側面衝突解析の結果に基づいて設定するとよい。
(耐荷重部品伝達荷重決定ステップ)
耐荷重部品伝達荷重決定ステップS9bは、最適化解析モデルに入力する衝突荷重を複数の耐荷重部品の耐荷重以下に分配し、各荷重伝達部位における耐荷重部品への伝達荷重を決定するものである。
ここで、伝達荷重は、各耐荷重部品の配置と強度によって決めればよい。さらに、複数の荷重伝達部位に設定する伝達荷重の総和は、車体骨格部品に入力する衝突荷重と等しくなるように分配する。
本実施の形態において、耐荷重部品伝達荷重決定ステップS9bは、荷重伝達構造最適化解析装置1の耐荷重部品伝達荷重決定部21bが、図3に示すように、最適化解析モデル120におけるサイドシル105に入力する衝突荷重(700kN)をフロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109の耐荷重以下に分配し、フロアクロスメンバ107の荷重伝達部位123a、123bにおける伝達荷重(それぞれ200kN)と、バッテリーケース固定部品109の荷重伝達部位123cにおける伝達荷重(300kN)と、を決定する。
なお、サイドシル105に入力する衝突荷重と、フロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109への伝達荷重は、解析条件設定工程S9に先立って、前述した図9に示すように車体モデル110の側面衝突解析を行い、該側面衝突解析の結果に基づいて決定するとよい。
(荷重拘束条件設定ステップ)
荷重拘束条件設定ステップS9cは、耐荷重部品伝達荷重決定ステップS9bにおいて決定した耐荷重部品への伝達荷重を各荷重伝達部位のそれぞれに対して衝突荷重の反力として設定して最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定するものである。
本実施の形態において、荷重拘束条件設定ステップS9cは、荷重伝達構造最適化解析装置1の荷重拘束条件設定部21cが、図3に示すように、フロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109への伝達荷重(200kN、200kN及び300kN)を荷重伝達部位123a、123b及び123cのそれぞれに対して衝突荷重(700kN)の反力として設定して最適化解析モデル120への入力荷重とする荷重条件と、衝突荷重入力部位121の変位を拘束する拘束条件と、を設定する。
(最適化解析条件設定ステップ)
最適化解析条件設定ステップS9dは、最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定するものである。
本実施の形態において、最適化解析条件設定ステップS9dは、荷重伝達構造最適化解析装置1の最適化解析条件設定部21dが、最適化解析条件として、荷重伝達部位の変位を最小とする目的関数と、複数の荷重伝達部位123a、123b及び123cの変位が等しいとする制約条件と、を設定する。
最適化解析条件設定ステップS9dにおいて、制約条件は、複数設定可能である。さらに、制約条件として、最適化ブロックモデルの体積制約率(設計空間の体積に対する最適化処理により残存する最適化ブロックモデルの体積の比率)を、設計空間全体の体積の3%以上7%以下の範囲内で設定することが好ましい。
そこで、本実施の形態では、荷重伝達部位123a、123b及び123cそれぞれの変位が等しいとする制約条件に加えて、最適化ブロックモデル113の体積制約率を設計空間111全体の体積の5%とする制約条件を設定する。
≪最適化解析工程≫
最適化解析工程S11は、解析条件設定工程S9において設定された解析条件の下で最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う工程である。
本実施の形態において、最適化解析工程S11は、荷重伝達構造最適化解析装置1の最適化解析部23が、最適化解析モデル120に対して解析条件設定工程S9において設定された解析条件(荷重条件及び拘束条件と最適化解析条件(目的関数、制約条件))の下で、最適化ブロックモデル113を最適化の解析対象として最適化解析を行い、図4に示すように、最適化ブロックモデル113の最適構造125を求める。そして、最適化ブロックモデル113の最適構造125が、複数の耐荷重部品に伝達させるサイドシル105における最適な荷重伝達構造として求められる。
最適化解析工程S11における最適化解析には、例えば、トポロジー最適化を適用することができる。そして、トポロジー最適化において密度法を用いる際に中間的な密度が多い場合には、最適化パラメータとしてペナルティ係数を与えて離散化することが好ましい。なお、ペナルティ係数の値は適宜設定することができる。
最適化ブロックモデル113の最適構造125は、解析条件設定工程S9において設定した解析条件(荷重条件、拘束条件、目的関数、制約条件)を満たすように最適化ブロックモデルを構成する立体要素が残存及び消去することにより求められる。
なお、最適化解析工程S11は、上記のとおりトポロジー最適化を行うものでもよいし、他の計算方式による最適化解析であってもよい。また、最適化解析工程における最適化解析は、例えば市販されている有限要素法を用いた解析ソフトを使用することもできる。
<荷重伝達構造最適化解析プログラム>
上記の本実施の形態1についての説明は荷重伝達構造最適化解析装置及び方法についてのものであったが、本実施の形態1は、コンピュータによって構成された荷重伝達構造最適化解析装置1(図1)の演算処理部11における各部を機能させる荷重伝達構造最適化解析プログラムとして構成することができる。
本発明の実施の形態1に係る荷重伝達構造最適化解析プログラムは、車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突時に前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求めるものであって、コンピュータを、図1に示す演算処理部11のように、車体モデル取得部13と、設計空間設定部15と、最適化ブロックモデル生成部17と、結合処理部19と、解析条件設定部21と、最適化解析部23と、して実行させる機能を備え、解析条件設定部21を、衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部21aと、耐荷重部品伝達荷重決定部21bと、荷重拘束条件設定部21cと、最適化解析条件設定部21dと、して機能させるものである。
以上、本実施の形態に係る荷重伝達構造最適化解析装置、方法及びプログラムによれば、車体骨格部品に入力した衝突荷重を複数の耐荷重部品の耐荷重以下の伝達荷重に配分、配分した伝達荷重を衝突荷重の反力として車体骨格部品に入力する入力荷重とする荷重条件と、車体骨格部品に衝突荷重が入力した部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定し、荷重伝達構造の最適化処理を行うことにより、複数の耐荷重部品へと伝達する荷重の大きさや配分を保障しつつ、車体骨格部品に入力した衝突荷重を耐荷重部品の耐荷重以下の荷重に配分して伝達させることができる最適な荷重伝達構造を求めることが可能となる。これにより、図8に例示するように、バッテリーケース103にバッテリー101が収納された車体100を備えた電気自動車の側面衝突時においてもバッテリーケース103の変形を防ぐことができ、バッテリー101を保護することができる。
なお、上記の本発明に係る実施の形態は、側面衝突時に車両内部の車室空間及びバッテリー搭載したBEV(Battery Electronic Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)を含む電気自動車のバッテリーケースを保護するためにサイドシルの内部に設ける荷重伝達構造の最適な構造を求める場合を例としたものであった。
もっとも、本発明は、電気自動車の側面衝突時におけるバッテリーケースを保護する場合に限るものではなく、その他の衝突形態や車体骨格部品及び耐荷重部品を対象とするものであってもよい。
具体例として、伝達荷重の分配を考慮した車体構造の設計の対象となる車体骨格部品としては、前面衝突ではフロントサイドメンバ、スモールオーバーラップ衝突ではフロントピラーロアが挙げられる。
前面衝突においてはバンパーレインフォースを介してフロントサイドメンバに衝突荷重が入力し、クラッシュボックス、フロントサイドメンバへと伝わり、その後フロントサイドメンバからダッシュパネルやサイドシルへと荷重が分配される。このとき、ダッシュパネルやサイドシルが変形すると車室空間へと侵入して乗員が損傷する危険がある。そのため、前面衝突時に車室空間を保護するために、ダッシュパネルやサイドシルは変形が許容されない耐荷重部品に該当する。
また、スモールオーバーラップ衝突では、フロントサイドメンバやタイヤを介してフロントピラーロアに入力された衝突荷重は、フロントピラーロアからサイドシルやフロントピラーアッパーへと荷重が分配されて伝達される。このとき、前面衝突と同様、サイドシルやフロントピラーアッパーが変形すると車室空間へと侵入して乗員が損傷する危険がある。そのため、スモールオーバーラップ衝突時に車室空間を保護するためには、サイドシルやフロントピラーアッパーは変形が許容されない耐荷重部品に該当する。
そして、あらゆる衝突形態において、荷重伝達先の耐荷重部品にはそれぞれ越えてはならない耐荷重があるため、車体骨格部品における荷重伝達系路上には、伝達先へ適切に荷重を配分できる荷重伝達構造が必要となる。
なお、本発明は、車体骨格部品を補剛する補剛部材にも適用することができ、車体における耐荷重部品への伝達荷重の分配を考慮して車体骨格部品の補剛部材の構造や形状に関する設計指針を求めることが可能となる。
また、上記の説明は、図9に例示するように、車体骨格部品であるサイドシル105と、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109と、を備えた自動車の一部の車体モデルを解析対象とするものであったが、本発明は、自動車の全部の車体モデルを解析対象とするものであってもよい。
[実施の形態2]
前述した実施の形態1は、自動車の車体骨格部品における最適な荷重伝達構造を求めるものであったが、本発明は、該求めた荷重伝達構造に基づいて車体骨格部品における荷重伝達部材を製造する方法として構成することができる。
すなわち、本発明の実施の形態2に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法は、実施の形態1に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法を用いて前記車体骨格部品の荷重伝達部材の構造を求め、求めた荷重伝達部材の構造に基づいて該荷重伝達部材を製造するものである。
例えば、前述した実施の形態1に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法を用いて、最適な荷重伝達構造として図4に示す最適構造125が求められた場合、最適構造125に基づいて荷重伝達部材の形状を決定する。
そして、決定した荷重伝達部材の形状に従って、荷重伝達部材を設計・製造する。プレス成形やロールフォーミングなどの金属板の加工によって製造可能な板金部材で荷重伝達部材を実現するにあたっては、求められた最適構造125内に見られる柱状の部位(例えば、後述する図4の125a、125b、125c)に、板金部材の稜線部が沿うような形状に設計すればよく、さらに最適構造125内の各柱状の部位の太さに応じて板金部材の稜線部の強度を調整することが望ましい。稜線部の強度の調整は、板金部材の板厚や材料強度を変えることによって行う。また、鋳造部品やアルミ材押出し材等、より形状自由度が高い金属加工方法を扱える場合は、最適構造125の形状そのままに荷重伝達部材を製造することで最大の効果が得られる。
これにより、自動車の衝突時に車体骨格部品に入力した衝突荷重を複数の耐荷重部品の耐荷重以下の荷重に分配して伝達させることができ、自動車の衝突時に車体部品(バッテリー等)や車室空間を保護することができる。
本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラムの効果を検証する実験を行ったので、以下、これについて説明する。
本実施例では、前述した実施の形態1と同様に、図8に示すような、バッテリーケース103にバッテリー101が収納された電気自動車の車体100の側面にポール200が衝突した際にバッテリーケース103を保護するため、図9に示すサイドシル105とフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109とを備えた車体モデル110を解析対象とし、サイドシル105に入力した衝突荷重を分配してフロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109に伝達する最適な荷重伝達構造を求めた(発明例)。
そして、最適化解析を行うに先立って、本実施例では、まず、図9に示す側面衝突解析を行い、図3に示すように、サイドシル105における衝突荷重入力部位及び衝突荷重を求めた。側面衝突解析においては、サイドシル105の側面かつ2本のフロアクロスメンバ107の中間位置に直径250mmのポールが衝突するものとした。
続いて、車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析の解析対象とする車体モデル110を取得した。車体モデル110は、図2に示すように、車体骨格部品であるサイドシル105と、耐荷重部品であるフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109と、が平面要素でモデル化されたものである。
次に、車体モデル110における荷重伝達構造が配設可能な領域として、サイドシルインナ105aとサイドシルアウタ105bとの間の閉断面空間に設計空間111を設定した。
次に、設計空間111に、最適化の解析処理の対象とする最適化ブロックモデル113を生成し、最適化ブロックモデル113を車体モデル110と結合して最適化解析モデル120を生成した。
次に、生成した最適化解析モデル120に対して、最適化の解析処理を行うための解析条件を設定した。
最適化の解析処理の解析条件の設定において、まず、側面衝突解析の結果に基づいて、図3に示すように、サイドシル105における衝突荷重入力部位121と、複数の荷重伝達部位123と、を設定した。
ここで、衝突荷重入力部位121は、側面衝突解析においてポール200がサイドシル105に接触する部位とした。
さらに、荷重伝達部位123は、図3に示すようにサイドシル105とフロアクロスメンバ107とが接続している部位(123a及び123b)と、サイドシル105とバッテリーケース固定部品109とが接続している部位(123c)とした。
次に、サイドシル105からフロアクロスメンバ107とバッテリーケース固定部品109へと伝達する伝達荷重を決定した。
本実施例では、図9に示す車体モデル110の側面衝突解析の結果に基づいて、フロアクロスメンバ107へと荷重が伝達する荷重伝達部位123a及び123bにおける伝達荷重を200kN、バッテリーケース固定部品109へと荷重が伝達する荷重伝達部位123cにおける伝達荷重を300kNと決定した。
次に、図3に示すように、フロアクロスメンバ107及びバッテリーケース固定部品109への伝達荷重(200kN、200kN及び300kN)を荷重伝達部位123a、123b及び123cのそれぞれに対して衝突荷重(700kN)の反力として設定して最適化解析モデル120への入力荷重とする荷重条件と、衝突荷重入力部位121の変位を拘束する拘束条件と、を設定した。
次に、最適化解析条件として、荷重伝達部位123(123a、123b及び123c)における変位を最小とする目的関数と、3か所の荷重伝達部位123a、123b及び123cにおける変位が等しいとする制約条件を設定した。さらに、制約条件として、最適化ブロックモデルの体積制約率を設計空間全体の体積の5%以下を設定した。
そして、解析条件として設定した荷重条件、拘束条件及び最適化解析条件の下で、最適化ブロックモデルの最適化処理を行い、最適な荷重伝達構造として、最適化ブロックモデルの最適構造を求めた。
なお、本実施例では、比較対象として、図6に示すように、衝突荷重入力部位121に衝突荷重(=700kN)が入力する荷重条件と、荷重伝達部位123(123a、123b、123c)の変位を拘束する拘束条件と、を設定し、発明例と同様に最適化処理を行い、最適化ブロックモデル113の最適構造を求めた(比較例)。比較例における最適化解析条件については、衝突荷重入力部位121の変位を最小とする目的関数と、最適化ブロックモデルの体積制約率を設計空間全体の体積の5%以下とする制約条件と、を設定した。
図4に、発明例として求めた最適化ブロックモデルの最適構造125を示す。さらに、図7に、比較例として求めた最適化ブロックモデルの最適構造127を示す。
発明例における最適化ブロックモデルの最適構造125は、サイドシルアウタ105bの上部からフロアクロスメンバ107への荷重伝達部位123a及び123bへと延在する部位125aと、サイドシルアウタ105bの下部からバッテリーケース固定部品109への荷重伝達部位123cへと延在する部位125bと、に加え、部位125aと部位125bとを連結する部位125cと、を有する構造となった。
一方、比較例における最適化ブロックモデルの最適構造127は、サイドシルアウタ105bの上部からフロアクロスメンバ107への荷重伝達部位123a及び123bへと延在する部位127aと、サイドシルアウタ105bの下部からバッテリーケース固定部品109への荷重伝達部位123cへと延在する部位127bと、を有する構造となったものの、発明例の最適構造125で見られた、部位127aと部位127bとを接続する部位は得られなかった。このことから、発明例の最適構造125における部位125cは、3か所の荷重伝達部位123a、123b及び123cにおける変位が等しく最小とするために機能する部位と考えられる。
次に、最適化解析により求めた最適構造の効果を検証するために、図6に示すサイドシル105を用いて、荷重伝達試験を実施した。荷重伝達試験においては、サイドシル105の内側に最適化ブロックモデルの最適構造125(発明例)又は最適構造127(比較例)を配設し、衝突荷重入力部位121に700kNの荷重を付与し、2本のフロアクロスメンバ107への荷重伝達部位123a及び123bとバッテリーケース固定部品109への荷重伝達部位123cにおける伝達荷重を求めた。
表1に、発明例に係る最適化ブロックモデルの最適構造125又は比較例に係る最適化ブロックモデルの最適構造127が配設されたサイドシル105の荷重伝達部位123a、123b及び123における伝達荷重の解析結果を示す。
Figure 0007306510000002
表1において、フロアクロスメンバNo.1及びフロアクロスメンバNo.2は荷重伝達部位123a及び荷重伝達部位123bそれぞれにおける伝達荷重、バッテリーケース固定部品への伝達荷重は荷重伝達部位123cにおける伝達荷重である。
表1に示すように、発明例に係る最適化ブロックモデルの最適構造125の場合、各荷重伝達部位123における伝達荷重はほぼ目標通りの荷重分配を実現できた。
これに対し、比較例に係る最適化ブロックモデルの最適構造127の場合、荷重伝達部位123における伝達荷重を調整することはできないため、クロスメンバへの伝達荷重は目標よりも50kN小さく、バッテリーケース固定部品への伝達荷重は100kN大きい結果となり、目標と大きく異なる結果となった。
以上、本発明に係る自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法、装置及びプログラムによれば、車体骨格部品に入力した衝突荷重を適切に配分して耐荷重部品の耐荷重以下の荷重で伝達させることができる最適な荷重伝達構造を求めることが可能であることが示された。
1 荷重伝達構造最適化解析装置
3 表示装置
5 入力装置
7 記憶装置
9 作業用データメモリ
11 演算処理部
13 車体モデル取得部
15 設計空間設定部
17 最適化ブロックモデル生成部
19 結合処理部
21 解析条件設定部
21a 衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部
21b 耐荷重部品伝達荷重決定部
21c 荷重拘束条件設定部
21d 最適化解析条件設定部
23 最適化解析部
31 車体モデルファイル
100 車体
101 バッテリー
103 バッテリーケース
103a バッテリーケースアッパ
103b バッテリーケースロア
105 サイドシル
105a サイドシルインナ
105b サイドシルアウタ
107 フロアクロスメンバ
107a フロアクロスメンバ
107b フロアクロスメンバ
109 バッテリーケース固定部品
110 車体モデル
111 設計空間
113 最適化ブロックモデル
120 最適化解析モデル
121 衝突荷重入力部位
123 荷重伝達部位
123a 荷重伝達部位
123b 荷重伝達部位
123c 荷重伝達部位
125 最適構造
125a 部位
125b 部位
125c 部位
127 最適構造
127a 部位
127b 部位
200 ポール

Claims (8)

  1. 車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突時に前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を、コンピュータが以下の各ステップを行うことにより求める自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法であって、
    前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得工程と、
    前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設可能な領域を設計空間として設定する設計空間設定工程と、
    該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成工程と、
    該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理工程と、
    前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定工程と、
    該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析工程と、を含み、
    前記解析条件設定工程は、
    前記最適化解析モデルの前記車体骨格部品における衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる前記車体骨格部品における部位に荷重伝達部位と、を設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップと、
    前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を複数の前記耐荷重部品の耐荷重以下に分配し、各前記荷重伝達部位における前記耐荷重部品への伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定ステップと、
    該決定した前記耐荷重部品への伝達荷重を各前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定ステップと、
    前記最適化解析工程における前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定ステップと、を有することを特徴とする自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法。
  2. 前記最適化解析条件設定ステップは、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の体積の3%以上7%以下の範囲内の所定の値以下と設定し、
    前記最適化解析工程は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とする請求項1記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法。
  3. 前記車体骨格部品は、前記自動車の側部に配設されて車体前後方向に延在するサイドシルとし、
    前記耐荷重部品は、前記自動車の下部に配設されたバッテリーケースを前記サイドシルと接続するバッテリーケース固定部品とフロアクロスメンバとし、
    前記解析条件設定工程に先立って、前記車体モデルを対象とし、該車体モデルにおける車体幅方向外側から前記サイドシルにポールが衝突する側面衝突解析を行い、
    前記側面衝突解析の結果に基づいて、
    前記衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定ステップは、前記車体モデルの車体骨格部品における前記衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位を設定し、
    前記耐荷重部品伝達荷重決定ステップは、前記車体骨格部品に入力する衝突荷重及び耐荷重部品への伝達荷重を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析方法を用いて前記車体骨格部品の荷重伝達部材の構造を求め、
    該求めた荷重伝達部材の構造に基づいて該荷重伝達部材の形状を決定し、
    該決定した形状に従って前記荷重伝達部材を製造することを特徴とする自動車の車体骨格部品における荷重伝達部材の製造方法。
  5. 車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突試験において前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求める自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置であって、
    前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
    前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設される領域に設計空間を設定する設計空間設定部と、
    該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて前記荷重伝達構造の最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成部と、
    該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理部と、
    前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定部と、
    該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析部と、を備え、
    前記解析条件設定部は、
    前記最適化解析モデルにおける衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる部位に荷重伝達部位と、を前記最適化解析モデルに設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部と、
    複数の前記耐荷重部品それぞれの耐荷重以下となるように前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を配分して各前記耐荷重部品の荷重伝達部位における伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定部と、
    複数の前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として各前記耐荷重部品への伝達荷重を設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定部と、
    前記最適化解析部において行う前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定部と、を有することを特徴とする自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置。
  6. 前記最適化解析条件設定部は、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の3%以上7%以下の範囲内で設定し、
    前記最適化解析部は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とする請求項5記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析装置。
  7. 車体骨格部品と複数の耐荷重部品とを備えてなる自動車の衝突試験において前記車体骨格部品に入力した衝突荷重を分配して複数の前記耐荷重部品に伝達させる最適な荷重伝達構造を求める自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記車体骨格部品と前記耐荷重部品とが平面要素及び/又は立体要素でモデル化された前記自動車の全部又は一部の車体モデルを取得する車体モデル取得部と、
    前記車体モデルにおける前記荷重伝達構造が配設される領域に設計空間を設定する設計空間設定部と、
    該設定された設計空間に立体要素でモデル化されて前記荷重伝達構造の最適化の解析処理を行う最適化ブロックモデルを生成する最適化ブロックモデル生成部と、
    該生成した最適化ブロックモデルを前記車体モデルに結合して最適化解析モデルを生成する結合処理部と、
    前記最適化の解析処理を行うための解析条件を設定する解析条件設定部と、
    該設定した解析条件の下で前記最適化ブロックモデルの最適な構造を求める最適化解析を行う最適化解析部と、して実行させる機能を備え、
    前記解析条件設定部を、
    前記最適化解析モデルにおける衝突荷重が入力する部位に衝突荷重入力部位と、複数の前記耐荷重部品のそれぞれに荷重を伝達させる部位に荷重伝達部位と、を前記最適化解析モデルに設定する衝突荷重入力部位及び荷重伝達部位設定部と、
    複数の前記耐荷重部品それぞれの耐荷重以下となるように前記最適化解析モデルに入力する衝突荷重を配分して各前記耐荷重部品の荷重伝達部位における伝達荷重を決定する耐荷重部品伝達荷重決定部と、
    複数の前記荷重伝達部位のそれぞれに対して前記衝突荷重の反力として各前記耐荷重部品への伝達荷重を設定して前記最適化解析モデルへの入力荷重とする荷重条件と、前記衝突荷重入力部位の変位を拘束する拘束条件と、を設定する荷重拘束条件設定部と、
    前記最適化解析部において行う前記最適化解析の最適化解析条件として、所定の目的関数と、複数の前記荷重伝達部位の変位が等しいとする制約条件と、を設定する最適化解析条件設定部と、して機能させることを特徴とする自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析プログラム。
  8. 前記最適化解析条件設定部は、前記制約条件として、さらに前記最適化ブロックモデルの体積制約率を前記設計空間全体の3%以上7%以下の範囲内で設定し、
    前記最適化解析部は、トポロジー最適化の密度法を用いた最適化解析を行う、ことを特徴とする請求項7記載の自動車の車体骨格部品における荷重伝達構造の最適化解析プログラム。
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