JP7306209B2 - 測定装置、測定方法及び施設内水耕栽培装置 - Google Patents

測定装置、測定方法及び施設内水耕栽培装置 Download PDF

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Description

本発明は、養液栽培における肥料の吸収量の算出を行う測定装置、測定方法及び施設内水耕栽培装置に関する。
農業において、作物を計画的に生産するために作物の育成度を把握(モニタリング)することは重要である。作物の育成度の把握は、作物の画像を撮影しその大きさを算出したり、栽培中の作物を農地から引き抜いて、この引き抜いた作物の重量を測定したりすることにより行われる。
ここで、作物の大きさを画像として記録するためには、画像撮影は作物の生育方向に対して横方向から行う必要がある。農地の中央部にて生育する作物の場合、画像撮影は作物の上方から行わざるを得ず、作物の下側(例えば、地面付近)の育成状況を把握することはできない。そのため、農地における作物の生育状況分布を取得することは困難となる。
作物の重量を測定する場合は、画像撮影の場合と比較すると精度よく育成度を把握することが可能となる。しかしながら、重量測定後、再び農地に植えた場合、引き抜く前の生育環境と変わることになるので、場合によっては枯れることもある。
作物の生育に影響を及ぼすのは、与えられた肥料を作物がどの程度吸収するかに依存すると考えられる。すなわち、作物の育成度は、作物における肥料の吸収量(吸肥量)を測定することにより把握することができる。
ガラス室やビニルハウス等を利用して野菜,花卉,果樹等を栽培する施設園芸において、特に植物工場の場合、一般に植物(野菜等の作物)に必要な肥料成分(養分)を水等の溶媒に溶かした養液による養液栽培が行われる。特許文献1には、養液栽培において、養液の物理量を検出し、その検出結果をもとに養液のPHや肥料成分(養分)濃度といった栽培環境条件を調整する例が開示されている。これにより、このような検出した養液の物理量データを用いて、吸肥量を比較的正確に算定することが可能となる。
野菜等の作物を養液栽培する場合、基本的には、いわゆる山崎処方の培養液が採用される。これは、一定期間で変化した肥料濃度と肥料液量(培養液量)からみかけの吸肥量を算出し、その算出結果をもとに培養液の組成を決めたものである。
みかけの吸肥量は、以下のように求められる。
図5(a)に示す当初の培養液52の肥料液量(培養液量)をa(L)、肥料濃度をy(me/L)、作物51による吸収等による培養液の減少量をw(L)、図5(b)に示す残った培養液55における肥料濃度をz(me/L)とする。作物51が培養液52中の肥料を吸収した後の、肥料の吸収量(みかけの吸肥量)n(me)は、以下のように求められる。
n=y×a-z×(a-w)
=a(y-z)+wz
よって、みかけの吸肥率n/ayは、
n/ay=(ay-az+wz)/ay
=1-z(a-w)/ay
となる。
特開2015-53882号公報
上述のように、従来は、吸肥率を、一定期間における肥料濃度の変化(y→z)と培養液量の変化(a→a-z)より求めていたため、肥料濃度、培養液量の2つのパラメータの値を取得する必要がある。また、培養液量を測定するためには、例えば、栽培槽にて肥料・水分を吸収後の培養液の残りを溜めるタンク機構や液量計等が必要となり、装置が大がかりとなるという問題があった。
本発明は、このような事情を鑑みなされたものであって、肥料の吸収量の算出を容易に行うことができる測定装置、測定方法及び施設内水耕栽培装置を提供することを課題としている。
上述の課題を解決するために、本発明に係る測定装置の一態様は、植物に吸収される肥料成分と前記植物に吸収されないマーカー成分とを有する培養液を用いた施設内水耕栽培において、前記培養液を投入した際の前記マーカー成分の濃度と、所定の測定時における前記マーカー成分の濃度の差に基づいて前記培養液の量の変化率を求める変化率算出部と、前記変化率算出部が求めた前記培養液の量の変化率と前記培養液を投入した際の前記肥料成分の濃度と前記所定の測定時における前記肥料成分の濃度の差に基づいて前記植物の肥料の吸収量を算出する吸収量算出部と、を備えている。これにより、培養液の量を測定しなくても、肥料の吸収量を算出することができ、肥料の吸収量の算出を容易に行うことができる。
また、上記の測定装置において、前記マーカー成分は、Naイオン、Clイオン、HCOイオンの内の少なくとも1つとしてもよい。また、上記の測定装置において、前記NaイオンまたはClイオンが、前記肥料成分と化合した状態で前記培養液に加えられることとしてもよい。また、上記の測定装置において、前記NaイオンまたはClイオンが、前記培養液のpH調整剤として前記培養液に加えられることとしてもよい。あるいは、上記の測定装置において、HCOイオンが、前記培養液の原水に含まれているものとしてもよい。この場合、これらのマーカー成分は、植物によって吸収されないため、これらの濃度を用いることにより、培養液の量の変化率を算出することができる。
また、上記の測定装置において、前記培養液中のNaイオンまたはClイオンの濃度が所定の濃度を超えた場合に培養液の交換が必要である旨を警告する警告部を備えるようにしてもよい。この場合、管理者等が培養液の調整を行う前に、調整後の培養液のNaイオンやClイオンが所定の濃度を超えることを把握することができる。したがって、培養液のNaイオンやClイオンの濃度を、所定の濃度以下に維持することが容易になる。また、上記の測定装置において、前記吸収量算出部が算出した肥料の吸収量に基づいて前記植物の育成度を算出する育成度算出部を備えるようにしてもよい。この場合、吸収量算出部が算出した肥料の吸収量に基づいて植物の育成度を算出することができる。
本発明の測定装置は、肥料の吸収量の算出を容易に行うことができる。
実施形態の測定装置を用いた測定システムの構成例を示す図である。 測定システムにおける肥料の吸収量を測定する処理の例を示す概念図である。 植物の成長段階における肥料吸収量の例を示す図である。 植物の成長段階における肥料吸収量の例を示す図である。 従来の養液栽培における吸肥量の算出方法を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
通常の露地栽培のように野菜等の作物を栽培する培地として土壌を用いる場合、土壌中での有機物の量や、どれだけの微生物が有機物を分解するのかを把握するのが難しく、植物の地下部の制御パラメータとしてブラックボックス部分が残る。このため、植物工場では、培地としては土壌を用いず、培養液を用いた養液栽培が行われることが多い。養液栽培においては、培養液そのものを培地とした水耕栽培方式や、ロックウール等の固形培地を用いて培養液を供給する方式が取り入れられる。
植物の地下部(根)に培養液を供給する方式としては、植物が栽培される栽培槽と養液タンクとの間で培養液を循環させる循環式と、栽培槽において植物に吸収されなかった余剰の培養液をそのまま排出する非循環式とがある。近年は、培養液の利用効率の向上と植物工場外部の環境を保全するという見地より、循環式が採用されるケースが多くなった。
図1は、本実施形態の測定装置20を用いた測定システムの構成例を示す図である。この測定システムは、施設内水耕栽培を行う養液栽培装置10において用いられる培養液についての測定を行うものである。この測定システムは、測定対象となる養液栽培装置10と、養液栽培装置10内で循環する培養液を取得して分析装置(測定部)30に供給し、分析装置30による分析結果に応じて培養液の成分を測定する測定装置20とを備えている。
養液栽培装置10は、例えば植物工場に用いられるものである。この養液栽培装置10は、植物11が栽培される栽培槽12と、培養液13を貯蔵する養液タンク14と、栽培槽12と養液タンク14の間で培養液13を循環させる流路15と、流路15に培養液13を送出(送液)循環させる送液ポンプ16等を備えている。
栽培槽12内の培養液13には、作物である植物11の地下部(根)が浸漬されている。栽培槽12にて栽培される植物11により吸収されなかった培養液13は、排液流路18を介して、養液タンク14へ流入する。このようにして、培養液13は、養液タンク14と栽培槽12との間を循環する。
測定装置20は、流路15から培養液を取得する取得流路21と、取得流路21を流れる培養液の流量を調整するバルブ22と、取得された培養液を分析装置30に供給する送液流路23とを備えている。また、測定装置20は、排液流路18から培養液を取得する取得流路24と、取得流路24を流れる培養液の流量を調整するバルブ25と、取得された培養液を分析装置30に供給する送液流路26とを備えている。さらに、測定装置20は、測定装置20全体の処理を制御する制御部27と、制御部27による制御に応じて各種情報を出力する出力部28とを備えている。制御部27は、分析装置30による分析結果に基づいて植物11による培養液中の肥料の吸収量の測定等の処理を行う。また、出力部28は、例えば表示画面を有する表示装置であってもよいが、外部の装置にデータを送信する送信装置等であってもよい。なお、取得流路21、バルブ22、送液流路23は、必ずしも、設けなくてもよく、排液流路18から容器等で採取した培養液を分析装置30に供給するようにしてもよい。また、取得流路24、バルブ25、送液流路26は、必ずしも、設けなくてもよく、流路15から容器等で採取した培養液を分析装置30に供給するようにしてもよい。また、取得流路21~送液流路23、あるいは、取得流路24~送液流路26のいずれか一方のみを設けてもよい。さらに、これらの取得流路等を設ける代わりに、養液タンク14から培養液13を採取して分析装置30に供給するようにしてもよい。
分析装置30として、例えば液体試料分析装置が高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatograpy)装置を用いることができる。あるいは、分析装置30として、呈色反応を検出する装置やその他電気化学反応装置等を用いることもできる。この分析装置30は、例えば植物11が吸収する肥料成分(例えば、窒素(N(NO 、NH ))、リン(P(PO 3―))、カリウム(K)、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、硫黄(S(SO 2―))の濃度を分析する。また、分析装置30は、植物11が吸収しない成分(後述のマーカー成分)の濃度も分析する。
(培養液の組成)
培養液13は、植物(野菜等の作物)の成長に必要な肥料成分(必須元素)を、吸収に適した組成と濃度で水に溶かしたものである。培養液中の肥料成分は、イオンの状態で存在し、陽イオンと陰イオンのバランスがとられている。
培養液中に肥料成分として比較的多く含有されている多量要素は、例えば、窒素(N(NO 、NH ))、リン(P(PO 3―))、カリウム(K)、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、硫黄(S(SO 2―))である。一方、培養液中に肥料成分として僅かに含まれる微量要素は、例えば、鉄(Fe(Fe /Fe ))、ホウ素(B(BO 3-)、マンガン(Mn(Mn2+/Mn4+))、亜鉛(Zn2+)、銅(Cu2+)、モリブデン(Mo(MoO 2-))である。その他に、培養液中には、例えば、ナトリウムイオン(Na)、塩素イオン(Cl)、炭酸水素イオン(HCO )が含まれる。
培養液を作るための原水としては、地下水、雨水、水道水、溜池や河川からの農業用水が用いられる。
このような原水に、上述のイオン成分を含む肥料塩を溶解させることにより、培養液が作られる。例えば、NHイオン(NH )を原水に含有させるためには、塩化アンモニウム(NHCl)等が用いられる。また、Moイオン(MoO 2-)を含有させるためには、モリブデン酸ナトリウム(NaMoO・2HO)等が用いられる。すなわち、上述のナトリウムイオン(Na)、塩素イオン(Cl)は、肥料成分と化合した状態で、培養液に加えられる。
通常、作物用の培養液のpHは、5.5~6.5の範囲で管理される。pHが7以上の場合は、培養液中に上述の微量要素の沈殿が生じる。また、pHが4以下の場合は、酸によって作物の根に障害が生じる。
循環式の養液栽培の場合、培養液中の肥料成分(養分)が作物に吸収されることにより培養液のpHが変化する。このため、適宜、pH調整剤を培養液に添加することにより、培養液のpHが調整される。pHの値を下げるためには、pH調整剤として硫酸(HSO)、リン酸(HPO)、酢酸(CHCOOH)等が使用される。また、pHの値を上げるためには、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)が使用される。
培養液中に肥料成分(養分)以外として含まれるNaイオン、Clイオンは、上述の肥料塩やpH調整剤に由来するものである。また、HCOイオンは、原水として用いられる井戸水等に元々含まれているものである。
(肥料の吸収量の測定)
以下、図2の概念図を用いて、本実施形態において、肥料の吸収量を測定する処理の例について説明する。なお、以下の処理は、測定装置20の制御部27が、分析装置30による培養液の分析結果に基づいて実行する。
従来、養液栽培における作物である植物11の吸肥量(肥料の吸収量)は、上述のように、一定期間における肥料濃度の変化と培養液の量の変化より求めていた。このため、養液栽培において、培養液を作物に与える当初(培養液の新規投入時:図2の(I)と、作物による肥料、水分の吸収後(測定時:図2の(O))に、肥料の濃度、養液量の2つのパラメータの値をそれぞれ取得する必要があった。
一方、培養液中に肥料成分(養分)以外として含まれる、上述のNaイオン、Clイオン、HCOイオンは、作物には吸収されないので、培養液の新規投入時、測定時のいずれにおいても、培養液中における総量は変化しない。このため、本実施形態の肥料の吸収量の測定では、上述のNaイオン、Clイオン、HCOイオンの内の少なくとも1つを標準成分(マーカー成分)とし、これを用いて培養液量の変化率を求めている。
・培養液の新規投入時
培養液を作物に与える当初において、培養液の水分量をA、肥料成分(養分)の量をB、上述のマーカー成分(例えばNaイオン)の量をCとすると、肥料成分の濃度C、マーカー成分の培養液中の濃度Cは、以下のようになる。
=B/A・・・(1)
=C/A・・・(2)
なお、新規投入時におけるマーカー成分(例えばNaイオン)の濃度は、分析装置30で培養液13の成分の分析を行った結果を用いてもよいし、培養液13を作ったときの肥料塩の濃度等から求められる値を用いてもよい。
・測定時
培養液の新規投入から所定時間経過後の測定時までの間に作物に吸収された培養液中の水分の量をa、吸収されなかった水分の量をa、作物に吸収された肥料成分の量をb、作物に吸収されなかった肥料成分の量をb、測定時のマーカー成分の量をcとする。この場合、測定時における肥料成分の濃度C、マーカー成分の濃度をCは、以下のようになる。
=b/a・・・(3)
=c/a・・・(4)
上述のように、マーカー成分の量は、培養液の新規投入時、測定時のいずれにおいても変化しないので、
=C/a・・・(5)
となる。なお、測定時におけるマーカー成分の濃度は、分析装置30で培養液13の成分の分析を行った結果を用いる。
・培養液量の変化率(v)
培養液量の変化率vは、以下のように表される。
v=a/A・・・(6)
式(2)よりA=C/C、式(5)よりa=C/Cとなるので、これらを式(6)に代入することにより、培養液量の変化率vは、以下のように表される。
v=a/A
=(C/C)/(C/C
=C/C・・・(7)
すなわち、培養液量の変化率は(v)は、培養液の新規投入時、測定時のそれぞれにおけるマーカー成分の濃度を測定し、その測定結果より求めることができる。
・吸肥率(k)
吸肥率を、培養液の新規投入時における肥料成分量に対する、測定時おける肥料成分が作物に既に吸収された量との比率とすると、吸肥率(k)は以下のように表される。
吸肥率(k)=b/B・・・(8)
作物による肥料成分の吸収量を直接測定することは難しいので、吸肥率(k)は、以下のようにして求める。
吸肥率(k)=b/B
=(B-b)/B
=1-b/B・・・(9)
ここで、B=CA、b=Cであるので、これらを式(9)に代入して吸肥率(k)を求める。
吸肥率(k)=1-b/B
=1-C/C
=1-C/C×a/A
=1-C/C×v
=1-C/C×C/C
=1-C/C
すなわち、本実施形態では、培養液の量を測定することなく、培養液の新規投入時における肥料成分の濃度C、マーカーの濃度Cと、測定時における肥料成分の濃度C、マーカーの濃度Cといった培養液成分の濃度から、吸肥率(k)を求めることができる。また、吸肥量(肥料の吸収量)bは、k×Bより求めることができる。
以上説明した肥料の吸収量の測定処理は、測定装置20の制御部27が、分析装置30による培養液13中の各成分の分析結果に応じて実行する。したがって、本実施形態では、培養液量の測定を行う必要なく、肥料の吸収量を算出することができ、養液栽培における肥料の吸収量の算出を容易に行うことができる。
(作物の育成度測定)
ところで、作物の育成度は、作物における肥料の吸収量(吸肥量)を測定することにより把握することができる。上述のように、吸肥率(k)=b/Bであるので、吸肥量(肥料の吸収量)bは、k×Bより求められる。各作物における育成度と吸肥量との相関関係を予め測定して相関関係データを取得しておくことにより、吸肥量kBを求めることにより、作物の育成度を算出することが可能となる。
具体的には、例えば作物としてイチゴを栽培する場合では、図3に示すように、育成度に応じて、各肥料成分(硝酸態窒素(N)、リン(P)、カリウム(K))の吸収量が変化する。なお、この図3の場合では、育成度とは、例えば株が成長する生育期、花房が分化し、花房が開花する開花期、果実が肥大し、着色が始まる肥大期、果実が収穫可能になる収穫期の各時期のことである。また、例えば作物としてレタスを栽培する場合には、図4に示すように、育成度に応じて肥料成分(NO)の吸収量が変化する。この図4の場合は、育成度とは、作物の重量のことである。したがって、栽培する作物についての育成度毎の各肥料成分の吸収量の変化を予め記録しておき、制御部27が分析装置30による分析結果に基づいて求めた各肥料成分の吸収量と比較することにより、作物の育成度を測定することができる。
(培養液中のNaイオン、Clイオン濃度の制限)
ところで、一般に、農作物は、塩分の多い環境ではその育成が妨げられる。すなわち、養液栽培において、培養液中のNaイオンやClイオンの濃度が高すぎると、所謂、塩害が発生する。このため、培養液中のNaイオンやClイオンの濃度は、養液栽培で育成する作物に害を及ぼさない所定の濃度に設定することが望ましい。具体的には、トマト、ナスといった一般作物においては、培養液中のNaイオンやClイオンの濃度は40ppm以下にすることが望ましい。また、ホウレンソウ、アスパラガスといった耐塩性物においては、培養液中のNaイオンやClイオンの濃度を2000ppm以下にすることが好ましい。
例えば上述のような作物による肥料成分の吸収に応じて培養液の成分の調整を行った結果、例えばNHイオンを増加させるために塩化アンモニウム(NHCl)を随時培養液に追加すると、Clイオンは作物に吸収されないため濃度が上昇する場合がある。
このため、上述のように、制御部27が、培養液の調整量を算出する際に、算出後の調整量に従って培養液の調整を行った後の培養液中のNaイオンやClイオンの濃度を算出し、所定の濃度を超える場合には、出力部28を介して警告を発するようにしてもよい。これにより、管理者等が培養液の調整を行う前に、調整後の培養液のNaイオンやClイオンが所定の濃度を超えることを把握することができる。したがって、培養液のNaイオンやClイオンの濃度を、所定の濃度以下に維持することが容易になる。
さらに、培養液中のNaイオンやClイオンの濃度が所定の濃度を超えた場合に、制御部27が、出力部28を介して培養液の交換が必要である旨の警告を発するようにしてもよい。これにより、管理者等が培養液中のNaイオンやClイオンの濃度が所定の濃度を超えたことを容易に把握することができる。
(変形例)
なお、上述の測定装置20の構成は、上述の構成に限定されない。
あるいは、さらに他の構成を追加することもできる。例えば、照度、温度、湿度等のパラメータを取得するセンサ等の取得部を設け、上述の培養液の調整量の算出を行う際に用いてもよい。これにより、これらのパラメータに応じた適切な培養液の成分の調整を行うことができる。
10…養液栽培装置、11…植物、12…栽培槽、13…培養液、14…養液タンク、15…流路、16…送液ポンプ、18…排液流路、20…測定装置、21、24…取得流路、22、25…バルブ、23、26…送液流路、27…制御部、28…出力部、30…分析装置

Claims (9)

  1. 植物に吸収される肥料成分と前記植物に吸収されないマーカー成分とを有する培養液を用いた施設内水耕栽培において、
    前記培養液を投入した際の前記マーカー成分の濃度と、所定の測定時における前記マーカー成分の濃度の差に基づいて前記培養液の量の変化率を求める変化率算出部と、
    前記変化率算出部が求めた前記培養液の量の変化率と前記培養液を投入した際の前記肥料成分の濃度と前記所定の測定時における前記肥料成分の濃度の差に基づいて前記植物の肥料の吸収量を算出する吸収量算出部と、
    を備えることを特徴とする測定装置。
  2. 前記マーカー成分は、Naイオン、Clイオン、HCOイオンの内の少なくとも1つとすることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記NaイオンまたはClイオンは、前記肥料成分と化合した状態で前記培養液に加えられることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記NaイオンまたはClイオンは、前記培養液のpH調整剤として前記培養液に加えられることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  5. HCOイオンは、前記培養液の原水に含まれていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記培養液中のNaイオンまたはClイオンの濃度が所定の濃度を超えた場合に培養液の交換が必要である旨を警告する警告部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の測定装置。
  7. 前記吸収量算出部が算出した肥料の吸収量に基づいて前記植物の育成度を算出する育成度算出部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の測定装置。
  8. 植物に吸収される肥料成分と前記植物に吸収されないマーカー成分とを有する培養液を用いた施設内水耕栽培において、
    前記培養液を投入した際の前記マーカー成分の濃度と、所定の測定時における前記マーカー成分の濃度の差に基づいて前記培養液の量の変化率を求めるステップと、
    前記求めた前記培養液の量の変化率と前記培養液を投入した際の前記肥料成分の濃度と前記所定の測定時における前記肥料成分の濃度の差に基づいて前記植物の肥料の吸収量を算出するステップと、
    を有することを特徴とする測定方法。
  9. 植物に吸収される肥料成分と前記植物に吸収されないマーカー成分とを有する培養液で植物を栽培する施設内水耕栽培装置であって、
    前記培養液を投入した際の前記マーカー成分の濃度と、所定の測定時における前記マーカー成分の濃度の差に基づいて前記培養液の量の変化率を求める変化率算出部と、
    前記変化率算出部が求めた前記培養液の量の変化率と前記培養液を投入した際の前記肥料成分の濃度と前記所定の測定時における前記肥料成分の濃度の差に基づいて前記植物の肥料の吸収量を算出する吸収量算出部と、
    を備えることを特徴とする施設内水耕栽培装置。
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