以下、図面を参照して、実施の形態に係る空気調和装置について説明する。なお、図面において、同一の構成要素には同一符号を付して説明し、重複説明は必要な場合にのみ行なう。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含み得る。明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置1の冷媒回路図である。図1に示すように、空気調和装置1は、室外機2、中継機3、第1室内機4a及び第2室内機4bを有する。
室外機2と中継機3とは、低圧主管101及び高圧主管102で接続される。低圧主管101には、中継機3から室外機2に流入する冷媒が通過する。高圧主管102には、室外機2から中継機3に流入する冷媒が通過する。高圧主管102には、低圧主管101を流れる冷媒よりも高圧の冷媒が流通する。
中継機3と第1室内機4aとは、第1ガス枝管103a及び第1液枝管104aで接続される。中継機3と第2室内機4bとは、第2ガス枝管103b及び第2液枝管104bで接続される。第1ガス枝管103a及び第2ガス枝管103bには、空気調和装置1の運転モードによらずガス冷媒が流れる。第1液枝管104a及び第2液枝管104bには、空気調和装置1の運転モードによらず気液二相冷媒又は液冷媒が流れる。
室外機2は、第1室内機4a及び第2室内機4bに温熱又は冷熱を供給する機器である。室外機2は、室外配管111~115、吸入管116及び吐出管117を有する。室外機2は、圧縮機21、室外流路切替装置22、室外熱交換器23、室外膨張弁24、アキュムレータ25、逆止弁26a~26d、着霜検出装置27、及び除霜検出装置28を備える。
室外配管111は、室外流路切替装置22と低圧主管101とを接続する配管である。室外配管112は、室外流路切替装置22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24と、高圧主管102とを接続する配管である。室外配管113は、室外流路切替装置22とアキュムレータ25とを接続する配管である。室外配管114は、室外配管111と室外配管112とを接続する配管である。室外配管115は、室外配管111と室外配管112とを接続する配管である。吸入管116は、アキュムレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続する配管である。吐出管117は、圧縮機21の吐出側と室外流路切替装置22とを接続する配管である。
圧縮機21は、低温且つ低圧の状態の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して高温且つ高圧の状態の冷媒にして吐出するものである。室外流路切替装置22は、例えば四方弁である。室外流路切替装置22は、圧縮機21から吐出された冷媒が流れる配管の接続向きを切り替える。具体的に、室外流路切替装置22は、配管の接続向きを、室外熱交換器23と圧縮機21とが接続する向きと、室外熱交換器23とアキュムレータ25とが接続する向きとに切り替える。これにより、冷媒回路における冷媒の流通方向が切り替わる。室外熱交換器23は、冷媒と室外空気との間で熱交換を行うものである。室外熱交換器23は、冷房運転時には放熱作用を有する凝縮器として機能し、暖房運転時には吸熱作用を有する蒸発器として機能する。室外膨張弁24は、冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。アキュムレータ25は、室外機2を循環する余剰冷媒を貯留するための機器である。
逆止弁26aは、室外配管111において、室外配管114が接続する箇所と室外配管115が接続する箇所との間に設けられている。逆止弁26aは、室外配管111を低圧主管101から室外流路切替装置22に流れる冷媒の流通を許可し、室外流路切替装置22から低圧主管101に流れる冷媒の流通を遮断する。逆止弁26bは、室外配管115に設けられている。逆止弁26bは、室外配管115を室外配管111から室外配管112に流れる冷媒の流通を許可し、室外配管112から室外配管111に流れる冷媒の流通を遮断する。
逆止弁26cは、室外配管114に設けられている。逆止弁26cは、室外配管114を室外配管111から室外配管112に流れる冷媒の流通を許可し、室外配管112から室外配管111に流れる冷媒の流通を遮断する。逆止弁26dは、室外配管112において、室外配管114が接続する箇所と室外配管115が接続する箇所との間に設けられている。逆止弁26dは、室外配管112を室外膨張弁24から高圧主管102に流れる冷媒の流通を許可し、高圧主管102から室外膨張弁24に流れる冷媒の流通を遮断する。
中継機3は、室外機2から冷媒を介して供給される温熱又は冷熱を、冷媒又は熱媒体を介し第1室内機4a及び第2室内機4bに中継する機器である。また、中継機3は、室外機2からの第1室内機4a及び第2室内機4bへの冷媒又は熱媒体を介した温熱又は冷熱の供給を遮断する。中継機3は、液中継配管121、ガス中継配管124を有する。中継機3は、低圧中継膨張弁31、高圧中継膨張弁32、第1低圧弁33a、第2低圧弁33b、第1高圧弁34a、及び第2高圧弁34bを有する。
液中継配管121は、第1液枝管104a及び第2液枝管104bと、低圧主管101及び高圧主管102とを接続する。液中継配管121は、低圧側と高圧側とに分岐する配管であって、低圧液分岐管122及び高圧液分岐管123を有する。低圧液分岐管122は、液中継配管121の分岐部分と、低圧主管101とを接続する配管である。高圧液分岐管123は、液中継配管121の分岐部分と、高圧主管102とを接続する配管である。液中継配管121は、第1室内機4aと第2室内機4bとに対応して分岐している。
ガス中継配管124は、第1ガス枝管103a及び第2ガス枝管103bと、低圧液分岐管122及び高圧液分岐管123とを接続している。ガス中継配管124は、低圧側と高圧側とに分岐する配管であって、低圧ガス分岐管125及び高圧ガス分岐管126を有する。低圧ガス分岐管125は、ガス中継配管124の分岐部分と、低圧液分岐管122とを接続する配管である。低圧ガス分岐管125は、第1室内機4aと第2室内機4bとに対応して分岐している。高圧ガス分岐管126は、ガス中継配管124の分岐部分と、高圧液分岐管123とを接続する配管である。高圧ガス分岐管126は、第1室内機4aと第2室内機4bとに対応して分岐している。
低圧中継膨張弁31は、低圧液分岐管122において、低圧ガス分岐管125の接続部分よりも液枝管104に近い部分に設けられている。低圧中継膨張弁31は、冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。高圧中継膨張弁32は、高圧液分岐管123において、高圧ガス分岐管126の接続部分よりも液枝管104に近い部分に設けられている。高圧中継膨張弁32は、冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。
第1低圧弁33aは、第1室内機4aと第2室内機4bとに分岐する低圧ガス分岐管125のうち第1室内機4aに対応する位置に設けられる。第1低圧弁33aは、低圧ガス分岐管125のうち第1室内機4aに対応する領域を流れる冷媒の流通を許容する開状態と、低圧ガス分岐管125のうち第1室内機4aに対応する領域を流れる冷媒の流通を遮断する閉状態とを切り替える機能を有する。第2低圧弁33bは、第1室内機4aと第2室内機4bとに分岐する低圧ガス分岐管125のうち第2室内機4bに対応する位置に設けられる。第2低圧弁33bは、低圧ガス分岐管125のうち第2室内機4bに対応する領域を流れる冷媒の流通を許容する開状態と、低圧ガス分岐管125のうち第2室内機4bに対応する領域を流れる冷媒の流通を遮断する閉状態とを切り替える機能を有する。
第1高圧弁34aは、第1室内機4aと第2室内機4bとに分岐する高圧ガス分岐管126のうち第1室内機4aに対応する位置に設けられる。第1高圧弁34aは、高圧ガス分岐管126のうち第1室内機4aに対応する領域を流れる冷媒の流通を許容する開状態と、高圧ガス分岐管126のうち第1室内機4aに対応する領域を流れる冷媒の流通を遮断する閉状態とを切り替える機能を有する。第2高圧弁34bは、第1室内機4aと第2室内機4bとに分岐する高圧ガス分岐管126のうち第2室内機4bに対応する位置に設けられる。第2高圧弁34bは、高圧ガス分岐管126のうち第2室内機4bに対応する領域を流れる冷媒の流通を許容する開状態と、高圧ガス分岐管126のうち第2室内機4bに対応する領域を流れる冷媒の流通を遮断する閉状態とを切り替える機能を有する。
なお、第1低圧弁33a、第2低圧弁33b、第1高圧弁34a及び第2高圧弁34bは、冷媒の流通の許容及び遮断の切り替えができる機構でさえあれば、種類は限定されない。したがって、これらの弁は、例えば開閉弁又は膨張弁等であってもよい。
第1室内機4a及び第2室内機4bは、室内に温熱又は冷熱を供給するための機器である。第1室内機4aは、第1室内冷媒配管131aを有する。第1室内機4aは、第1室内冷媒熱交換器41a及び第1室内膨張弁42aを備える。第1室内冷媒配管131aは、第1ガス枝管103aと、第1室内冷媒熱交換器41aと、第1室内膨張弁42aと、第1液枝管104aと、を接続し、内部を冷媒が流れる配管である。第2室内機4bは、第2室内冷媒配管131bを有する。第2室内機4bは、第2室内冷媒熱交換器41b及び第2室内膨張弁42bを備える。第2室内冷媒配管131bは、第2ガス枝管103bと、第2室内冷媒熱交換器41bと、第2室内膨張弁42bと、第2液枝管104bと、を接続し、内部を冷媒が流れる配管である。第1室内冷媒熱交換器41a及び第2室内冷媒熱交換器41bは、室内空気と冷媒との間で熱交換を行うものである。第1室内冷媒熱交換器41a及び第2室内冷媒熱交換器41bは、冷房運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する。第1室内膨張弁42a及び第2室内膨張弁42bは、冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。
空気調和装置1における室内機4は、2台である場合に限らず、1台又は3台以上であってもよい。以下の説明では、第1室内機4aと第2室内機4bとを特に区別しない場合、これら及びこれらに対応する構成を次のように呼称することがある。即ち、第1室内機4aと第2室内機4bとを区別しない場合、室内機44と称する。第1ガス枝管103aと第2ガス枝管103bとを区別しない場合、ガス枝管103と称する。第1液枝管104aと第2液枝管104bを区別しない場合、液枝管104と称する。第1低圧弁33aと第2低圧弁33bとを区別しない場合、低圧弁33と称する。第1高圧弁34aと第2高圧弁34bと区別しない場合、高圧弁34と称する。第1室内冷媒熱交換器41aと第2室内冷媒熱交換器41bとを区別しない場合、室内冷媒熱交換器41と称する。第1室内膨張弁42aと第2室内膨張弁42bとを区別しない場合、室内膨張弁42と称する。
空気調和装置1は、室外機2、中継機3及び室内機4が有する各機器を制御する制御装置5を有する。制御装置5は、各種の運転モードの実行を制御する。実施の形態1の空気調和装置1で実行される運転モードには、暖房運転、霜取運転、及び冷房運転がある。暖房運転及び冷房運転は、図示しないリモコン等から利用者によって実行が指示される。霜取運転は、暖房運転時に室外熱交換器23に着いた霜を除くための運転モードである。
ここで、制御装置5のハードウェアの一例を説明する。図2は、実施の形態1に係る制御装置5の一構成例を示すハードウェア構成図である。制御装置5の各機能がハードウェアで実行される場合、制御装置5は、図2に示すように処理回路201で構成される。処理回路201は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ202、並列プログラム化したプロセッサ202、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。処理回路201が実現する各機能のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能が一つのハードウェアで実現されてもよい。
また、制御装置5の別のハードウェアの一例を説明する。図3は、実施の形態1に係る制御装置5の一構成例を示すハードウェア構成図である。制御装置5の各機能がソフトウェアで実行される場合、制御装置5は、図3に示すように、CPU等のプロセッサ202及びメモリ203で構成される。図3は、プロセッサ202及びメモリ203が互いにバス204を介して通信可能に接続されることを示している。制御装置5の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ203に格納される。プロセッサ202は、メモリ203に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各手段の機能を実現する。
メモリ203として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)及びEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリが用いられる。また、メモリ203として、RAM(Random Access Memory)の揮発性の半導体メモリが用いられてもよい。さらに、メモリ203として、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。なお、処理回路201の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
図4は、実施の形態1に係る空気調和装置1を示す機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置5は、運転モードに応じて、室外機2の圧縮機21、室外流路切替装置22、及び室外膨張弁24を制御する。また、制御装置5は、運転モードに応じて、中継機3の低圧中継膨張弁31、高圧中継膨張弁32、低圧弁33及び高圧弁34を制御する。さらに、制御装置5は、運転モードに応じて、室内機44の室内膨張弁42を制御する。
制御装置5は、着霜検出装置27及び除霜検出装置28の測定結果に基づいて、運転モードを遷移させる。着霜検出装置27は、室外熱交換器23への着霜を検出するためのセンサであって、例えば圧力センサである。着霜検出装置27は、特に限定されないが、例えば、室外熱交換器23と圧縮機21との間の配管に配置する。着霜検出装置27は、測定結果を制御装置5に送信する。制御装置5は、着霜検出装置27の測定結果に基づいて、室外熱交換器23に除霜を要する程度の霜が発生していると判断した場合、運転モードを暖房運転から霜取運転に遷移させる。例えば、制御装置5は、着霜検出装置27が測定した冷媒の圧力が予め定められた閾値に満たない場合、室外熱交換器23に除霜を要する程度の霜が発生していると判断する。除霜検出手段は、室外熱交換器23からの除霜を検出するためのセンサであって、例えば温度センサである。除霜検出装置28は、室外熱交換器23から圧縮機21の間の配管に配置する。除霜検出装置28は、測定結果を制御装置5に送信する。制御装置5は、除霜検出装置28の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判断した場合、運転モードを霜取運転から暖房運転に遷移させる。例えば、制御装置5は、除霜検出装置28が測定した冷媒の温度が予め定められた閾値を超える場合、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判断する。
暖房運転及び霜取運転における各機器の状態と、冷媒の流れについて説明する。冷房運転については、周知の形態と同様であるため、説明を省略する。まず、暖房運転について説明する。図5は、実施の形態1に係る空気調和装置1の暖房運転を説明するための図である。図5において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。暖房運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを繋ぐ向きに切り替える。また、制御装置5は、低圧中継膨張弁31を開放し、高圧中継膨張弁32を閉止する。さらに、制御装置5は、低圧弁33を閉状態にし、高圧弁34を開状態にする。そして、制御装置5は、室内膨張弁42及び室外膨張弁24を開放する。
暖房運転において、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機3に流入する。中継機3に流入した冷媒は、高圧液分岐管123の一部、高圧弁34が設けられた高圧ガス分岐管126、及びガス枝管103を通過して、室内機4に流入する。室内機4に流入した高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、凝縮器として作用する室内冷媒熱交換器41を通過する。室内冷媒熱交換器41を通過する冷媒は、室内空気と熱交換されて凝縮し、液化する。この際に、室内空気が温められて、室内における暖房が実施される。液状態の冷媒は、室内膨張弁42を通過し、減圧及び膨張されて、低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。気液二相状態の冷媒は、液枝管104を通過して、中継機3に流入する。中継機3に流入した冷媒は、低圧中継膨張弁31が設けられた低圧液分岐管122、及び低圧主管101を通過して、室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過し、さらに減圧及び膨張されて、蒸発器として作用する室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する冷媒は、室外空気と熱交換されて蒸発し、ガス化する。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。
次に、霜取運転について説明する。図6は、実施の形態1に係る空気調和装置1の霜取運転を説明するための図である。図6において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。霜取運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを繋ぐ向きに切り替える。また、制御装置5は、低圧中継膨張弁31を閉止し、高圧中継膨張弁32を閉止する。さらに、制御装置5は、低圧弁33を開状態にし、高圧弁34を開状態にする。そして、制御装置5は、室内膨張弁42を開放し、室外膨張弁24を開放する。なお、室内膨張弁42は、閉止してもよい。
霜取運転において、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機3に流入する。中継機3に流入した冷媒は、高圧液分岐管123の一部、高圧弁34が設けられた高圧ガス分岐管126、低圧弁33が設けられた低圧ガス分岐管125、低圧液分岐管122の一部、及び低圧主管101を通り、再び室外機2に流入する。室外機2に流入した高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過して減圧及び膨張され、高温かつ低圧のガス状態の冷媒となって、室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する高温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外熱交換器23に付着した霜と熱交換されて、低温かつ低圧のガス状態となる。この際に、室外熱交換器23が除霜される。その後、低温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22、及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。このように、実施の形態1の霜取運転においては、室外機2と中継機3との間で高温の冷媒が循環し、室内機44への冷媒の流通、延いては温熱の供給は遮断されている。
制御装置5の動作について説明する。図7は、実施の形態1に係る制御装置5の動作を示すフローチャートである。図7に基づいて、除霜運転の実行について説明する。制御装置5は、暖房運転中に、着霜検出装置27の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が必要であるか否かを判断する(ステップS1)。室外熱交換器23の除霜が不要であると判定された場合(ステップS1:NO)、室外熱交換器23の除霜が必要であると判定されるまでステップS1の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が必要であると判定された場合(ステップS1:YES)、低圧弁33を開状態に変更する(ステップS2)。その後、低圧中継膨張弁31を閉止する(ステップS3)。これにより、運転モードが暖房運転から霜取運転に移行する。
制御装置5は、霜取運転中に、除霜検出装置28の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が完了されたか否かを判断する(ステップS4)。室外熱交換器23の除霜が未完了であると判定された場合(ステップS4:NO)、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定されるまでステップS4の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定された場合(ステップS4:YES)、低圧中継膨張弁31を開放する(ステップS5)。その後、低圧弁33を閉状態に変更する(ステップS6)。これにより、運転モードが霜取運転から暖房運転に移行する。
以上のように、実施の形態1の空気調和装置1は、霜取運転中に、中継機3を制御して室内機4への温熱の供給を遮断し、室外流路切替装置22を制御して、圧縮機21から吐出された冷媒を、室外熱交換器23を経由させずに中継機3に流通させる。このため、室外機2、中継機3、及び室外機2と中継機3とを繋ぐ主管は、高温の冷媒が循環することで、霜取運転中に温度が低下することが抑制されている。また、冷媒が循環しない室内機4、及び中継機3と室内機4とを繋ぐ枝管の温度も霜取運転中に低下することが抑制されている。したがって、実施の形態1の空気調和装置1によれば、暖房復帰時に室外機2、中継機3、室内機4、並びに主管及び枝管の再加熱に要する時間がかからず、霜取運転が終了してから室内において実際に暖房が開始されるまでの暖房復帰時間を短縮することができる。
(実施の形態1の変形例1)
空気調和装置1は、霜取運転において、実施の形態1で示した霜取運転での機器の制御とは異なる機器の制御を行うようにしてもよい。図8は、実施の形態1の変形例1に係る空気調和装置1の除霜運転を説明するための冷媒回路図である。図8において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。霜取運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを繋ぐ向きに切り替える。また、制御装置5は、低圧中継膨張弁31を開放し、高圧中継膨張弁32を開放する。さらに、制御装置5は、低圧弁33を閉状態にし、高圧弁34を開状態にする。そして、制御装置5は、室内膨張弁42を閉止し、室外膨張弁24を開放する。
霜取運転において、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機3に流入する。中継機3に流入した冷媒は、高圧中継膨張弁32が設けられた高圧液分岐管123、低圧中継膨張弁31が設けられた低圧液分岐管122、及び低圧主管101を通り、再び室外機2に流入する。室外機2に流入した高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過して減圧及び膨張され、高温かつ低圧のガス状態の冷媒となって、室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する高温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外熱交換器23に付着した霜と熱交換されて、低温かつ低圧のガス状態となる。この際に、室外熱交換器23が除霜される。その後、低温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22、及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。このように、実施の形態1の変形例1の霜取運転においても、室外機2と中継機3との間で高温の冷媒が循環し、室内機44への冷媒の流通、延いては温熱の供給は遮断されている。
制御装置5の動作について説明する。図9は、実施の形態1の変形例1に係る制御装置5の動作を示すフローチャートである。図9に基づいて、除霜運転の実行について説明する。制御装置5は、暖房運転中に、着霜検出装置27の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が必要であるか否かを判断する(ステップS11)。室外熱交換器23の除霜が不要であると判定された場合(ステップS11:NO)、室外熱交換器23の除霜が必要であると判定されるまでステップS11の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が必要であると判定された場合(ステップS11:YES)、高圧中継膨張弁32を開放する(ステップS12)。その後、室内膨張弁42を閉止する(ステップS13)。これにより、運転モードが暖房運転から霜取運転に移行する。
制御装置5は、霜取運転中に、除霜検出装置28の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が完了されたか否かを判断する(ステップS14)。室外熱交換器23の除霜が未完了であると判定された場合(ステップS14:NO)、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定されるまでステップS14の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定された場合(ステップS14:YES)、室内膨張弁42を開放する(ステップS15)。その後、高圧中継膨張弁32を閉止する(ステップS16)。これにより、運転モードが霜取運転から暖房運転に移行する。
以上のように、実施の形態1の変形例1の空気調和装置1によっても、霜取運転中に、中継機3を制御して室内機4への温熱の供給を遮断し、室外流路切替装置22を制御して、圧縮機21から吐出された冷媒を、室外熱交換器23を経由させずに中継機3に流通させる。このため、実施の形態1の変形例1の空気調和装置1によれば、暖房復帰時に室外機2、中継機3、室内機4、並びに主管及び枝管の再加熱に要する時間がかからない。したがって、霜取運転が終了してから室内において実際に暖房が開始されるまでの暖房復帰時間を短縮することができる。
なお、霜取運転においては、第1室内膨張弁42aを閉止することに代えて第1高圧弁34aを閉止するようにしてもよい。又は、第1室内膨張弁42a及び第1高圧弁34aの両方を閉止するようにしてもよい。同様に、第2室内膨張弁42bを閉止することに代えて第2高圧弁34bを閉止するようにしてもよい。又は、第2室内膨張弁42b及び第2高圧弁34bの両方を閉止するようにしてもよい。
(実施の形態1の変形例2)
空気調和装置1は、霜取運転において、実施の形態1及び実施の形態1の変形例1で示した霜取運転での機器の制御とは異なる機器の制御を行うようにしてもよい。図10は、実施の形態1の変形例2に係る空気調和装置1の除霜運転を説明するための冷媒回路図である。図10において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。霜取運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを繋ぐ向きに切り替える。また、制御装置5は、低圧中継膨張弁31を開放し、高圧中継膨張弁32を開放する。さらに、制御装置5は、低圧弁33を開状態にし、高圧弁34を開状態にする。そして、制御装置5は、室内膨張弁42を閉止し、室外膨張弁24を開放する。
実施の形態1の変形例2の霜取運転においては、主回路及びバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機3に流入する。中継機3に流入した冷媒は、高圧液分岐管123の一部、高圧弁34が設けられた高圧ガス分岐管126、低圧弁33が設けられた低圧ガス分岐管125、低圧液分岐管122の一部、及び低圧主管101を通り、再び室外機2に流入する。室外機2に流入した高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過して減圧及び膨張され、高温かつ低圧のガス状態の冷媒となって、室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する高温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外熱交換器23に付着した霜と熱交換されて、低温かつ低圧のガス状態となる。この際に、室外熱交換器23が除霜される。その後、低温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22、及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。
一方で、バイパス回路を流れる冷媒は、主回路から分岐し、高圧中継膨張弁32が設けられた高圧液分岐管123、及び低圧中継膨張弁31が設けられた低圧液分岐管122を通過して主回路に合流する。このように、実施の形態1の変形例2の霜取運転においても、室外機2と中継機3との間で高温の冷媒が循環し、室内機44への冷媒の流通、延いては温熱の供給は遮断されている。
制御装置5の動作について説明する。図11は、実施の形態1の変形例1に係る制御装置5の動作を示すフローチャートである。図11に基づいて、除霜運転の実行について説明する。制御装置5は、暖房運転中に、着霜検出装置27の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が必要であるか否かを判断する(ステップS21)。室外熱交換器23の除霜が不要であると判定された場合(ステップS21:NO)、室外熱交換器23の除霜が必要であると判定されるまでステップS21の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が必要であると判定された場合(ステップS21:YES)、低圧弁33を開状態に変更し、高圧中継膨張弁32を開放する(ステップS22)。その後、室内膨張弁42を閉止する(ステップS23)。これにより、運転モードが暖房運転から霜取運転に移行する。
制御装置5は、霜取運転中に、除霜検出装置28の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が完了されたか否かを判断する(ステップS24)。室外熱交換器23の除霜が未完了であると判定された場合(ステップS24:NO)、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定されるまでステップS24の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定された場合(ステップS24:YES)、室内膨張弁42を開放する(ステップS25)。その後、低圧弁33を閉状態に変更し、高圧中継膨張弁32を閉止する(ステップS26)。これにより、運転モードが霜取運転から暖房運転に移行する。
以上のように、実施の形態1の変形例2の空気調和装置1によっても、霜取運転中に、中継機3を制御して室内機4への温熱の供給を遮断し、室外流路切替装置22を制御して、圧縮機21から吐出された冷媒を、室外熱交換器23を経由させずに中継機3に流通させる。このため、実施の形態1の変形例2の空気調和装置1によれば、暖房復帰時に室外機2、中継機3、室内機4、並びに主管及び枝管の再加熱に要する時間がかからない。したがって、霜取運転が終了してから室内において実際に暖房が開始されるまでの暖房復帰時間を短縮することができる。
なお、霜取運転においては、第1低圧弁33a及び第2低圧弁33b、並びに高圧中継膨張弁32の全てを開放しないで、高圧中継膨張弁32、又は第1低圧弁33a及び第2低圧弁33bを開放するようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、室内冷媒熱交換器41が熱媒体と空気との熱交換を行う機器である点で実施の形態1と相違する。実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分は同一の符合を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図12は、実施の形態2に係る空気調和装置10の冷媒回路図及び水回路図である。室外機2の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。図12に示すように、中継機30と第1室内機40aとは、第1高圧枝管161a及び第1低圧枝管162aで接続される。中継機30と第2室内機40bとは、第2高圧枝管161b及び第2低圧枝管162bで接続される。第1高圧枝管161a及び第2高圧枝管161b、並びに第1低圧枝管162a及び第2低圧枝管162bには、熱媒体が流れる。熱媒体は、例えば水、又はブライン等の冷媒以外の流体である。
中継機30は、高圧中継配管141、低圧中継配管144、及び中継接続配管145を有する。また、中継機30は、第1中継熱交換器301a、第2中継熱交換器301b、第1中継流路切替装置302a、第2中継流路切替装置302b、第1主膨張弁303a、第2主膨張弁303b、副膨張弁304、及び中継切替弁305を有している。
高圧中継配管141は、高圧主管102と、後述する第1中継熱交換器301aの第1熱媒体流路311aの流入口及び流出口とを接続する配管である。また、高圧中継配管141は、高圧主管102と、後述する第2中継熱交換器301bの第2熱媒体流路311bの流入口及び流出口とを接続する。高圧中継配管141は、流入口に接続する流入分岐管142、及び流出口に接続する流出分岐管143を有する。つまり、流入分岐管142及び流出分岐管143は、第1中継熱交換器301a及び第2中継熱交換器301bに対応して分岐している。低圧中継配管144は、低圧主管101と流出分岐管143とを接続する配管である。
第1中継熱交換器301aは、室外熱交換器23で熱交換された冷媒が流れる第1冷媒流路310aと、室内冷媒熱交換器41で熱交換された熱媒体が流れる第1熱媒体流路311aとを有す。第1中継熱交換器301aは、第1冷媒流路310aを流れる冷媒と、第1熱媒体流路311aを流れる熱媒体との間で熱交換を行わせる。第2中継熱交換器301bは、室外熱交換器23で熱交換された冷媒が流れる第2冷媒流路310bと、室内冷媒熱交換器41で熱交換された熱媒体が流れる第2熱媒体流路311bとを有す。第2中継熱交換器301bは、第2冷媒流路310bを流れる冷媒と、第2熱媒体流路311bを流れる熱媒体との間で熱交換を行わせる。
第1中継流路切替装置302aは、第1中継熱交換器301aと低圧主管101とが接続する向きと、第1中継熱交換器301aと高圧主管102とが接続する向きとに切り替わる。第2中継流路切替装置302bは、第2中継熱交換器301bと低圧主管101とが接続する向きと、第2中継熱交換器301bと高圧主管102とが接続する向きとに切り替わる。
第1主膨張弁303aは、第1中継熱交換器301aと第2中継熱交換器301bとに分岐する流出分岐管143のうち第1中継熱交換器301aに対応する位置に設けられる。また、第1主膨張弁303aは、流出分岐管143において、低圧中継配管144の接続部分よりも第1中継熱交換器301aに近い部分に設けられている。第1主膨張弁303aは、流出分岐管143のうち第1中継熱交換器301aに対応する領域を流れる冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。第2主膨張弁303bは、第1中継熱交換器301aと第2中継熱交換器301bとに分岐する流出分岐管143のうち第2中継熱交換器301bに対応する位置に設けられる。また、第2主膨張弁303bは、流出分岐管143において、低圧中継配管144の接続部分よりも第2中継熱交換器301bに近い部分に設けられている。第2主膨張弁303bは、流出分岐管143のうち第2中継熱交換器301bに対応する領域を流れる冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。
副膨張弁304は、低圧中継配管144に設けられている。副膨張弁304は、低圧中継配管144を流れる冷媒を減圧して膨張させるものであり、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁である。
中継切替弁305は、流出分岐管143において、低圧中継配管144の接続部分よりも高圧主管102に近い部分に設けられている。中継切替弁305は、流出分岐管143を流れる冷媒の流通を許容する開状態と、流出分岐管143を流れる冷媒の流通を遮断する閉状態とを切り替える機能を有する。
中継機30は、熱媒体往管151及び熱媒体往管152、熱媒体復管153及び熱媒体復管154、並びに熱媒体配管155~158を有する。また、中継機30は、第1ポンプ306a、第2ポンプ306b、第1混流三方弁307a、第2混流三方弁307b、第1分流三方弁308a、及び第2分流三方弁308bを有している。
熱媒体往管151は、第1中継熱交換器301aの第1熱媒体流路311aの流出口と、第1混流三方弁307a及び第2混流三方弁307bとを接続する配管である。熱媒体往管152は、第2中継熱交換器301bの第2熱媒体流路311bの流出口と、第1混流三方弁307a及び第2混流三方弁307bとを接続する配管である。
熱媒体復管153は、第1中継熱交換器301aの第1熱媒体流路311aの流入口と、第1分流三方弁308a及び第2分流三方弁308bとを接続する配管である。熱媒体復管154は、第2中継熱交換器301bの第2熱媒体流路311bの流入口と、第1分流三方弁308a及び第2分流三方弁308bとを接続する配管である。
熱媒体配管155は、第1混流三方弁307aと第1高圧枝管161aとを接続する配管である。熱媒体配管156は、第1分流三方弁308aと第1低圧枝管162aとを接続する配管である。熱媒体配管157は、第1混流三方弁307aと第2高圧枝管161bとを接続する配管である。熱媒体配管158は、第1分流三方弁308aと第2低圧枝管162bとを接続する配管である。
第1ポンプ306aは、熱媒体復管153に設けられている。第1ポンプ306aは、熱媒体復管153を流れる熱媒体を第1中継熱交換器301a側に送出するものである。第2ポンプ306bは、熱媒体復管154に設けられている。第2ポンプ306bは、熱媒体復管154を流れる熱媒体を第2中継熱交換器301b側に送出するものである。
第1混流三方弁307aでは、第1中継熱交換器301a又は第2中継熱交換器301bから流出し、第1室内機40aに流れる熱媒体が通過する。第1混流三方弁307aは、第1室内機40aと第1中継熱交換器301aとを接続する向きと、第1室内機40aと第2中継熱交換器301bとを接続する向きとに切り替わる。第2混流三方弁307bでは、第1中継熱交換器301a又は第2中継熱交換器301bから流出し、第2室内機40bに流れる熱媒体が通過する。第2混流三方弁307bは、第2室内機40bと第1中継熱交換器301aとを接続する向きと、第2室内機40bと第2中継熱交換器301bとを接続する向きとに切り替わる。
第1分流三方弁308aでは、第1室内機40aから流出し、第1中継熱交換器301a又は第2中継熱交換器301bに流れる熱媒体が通過する。第1分流三方弁308aは、第1室内機40aと第1中継熱交換器301aとを接続する向きと、第1室内機40aと第2中継熱交換器301bとを接続する向きとに切り替わる。第2分流三方弁308bでは、第2室内機40bから流出し、第1中継熱交換器301a又は第2中継熱交換器301bに流れる熱媒体が通過する。第2分流三方弁308bは、第2室内機40bと第1中継熱交換器301aとを接続する向きと、第2室内機40bと第2中継熱交換器301bとを接続する向きとに切り替わる。
第1室内機40aは、第1室内熱媒体配管171aを有する。第1室内機40aは、第1室内熱媒体熱交換器401aを備える。第1室内冷媒配管131aは、第1高圧枝管161aと、第1室内熱媒体熱交換器401aと、第1低圧枝管162aと、を接続し、内部を熱媒体が流れる配管である。第2室内機40bは、第2室内熱媒体配管171bを有する。第2室内機40bは、第2室内熱媒体熱交換器401bを備える。第2室内冷媒配管131bは、第2高圧枝管161bと、第2室内熱媒体熱交換器401bと、第2低圧枝管162bと、を接続し、内部を熱媒体が流れる配管である。第1室内熱媒体熱交換器401a及び第2室内熱媒体熱交換器401bは、室内空気と熱媒体との間で熱交換を行うものである。第1室内冷媒熱交換器41a及び第2室内冷媒熱交換器41bは、冷房運転時には吸熱作用を有する蒸発器として作用し、暖房運転時には放熱作用を有する凝縮器として機能する。
空気調和装置10における室内機は、2台である場合に限らず、1台又は3台以上であってもよい。以下の説明では、第1室内機40aと第2室内機40bとを特に区別しない場合、これら及びこれらに対応する構成を次のように呼称することがある。即ち、第1室内機40aと第2室内機40bとを区別しない場合、室内機40と称する。第1高圧枝管161aと第2高圧枝管161bとを区別しない場合、高圧枝管161と称する。第1低圧枝管162aと第2低圧枝管162bを区別しない場合、低圧枝管162と称する。第1中継熱交換器301aと第2中継熱交換器301bとを区別しない場合、中継熱交換器301と称する。第1冷媒流路310aと第2冷媒流路310bとを区別しない場合、冷媒流路310と称する。第1熱媒体流路311aと第2熱媒体流路311bとを区別しない場合、熱媒体流路311と称する。第1室内熱媒体熱交換器401aと第2室内熱媒体熱交換器401bとを区別しない場合、室内熱媒体熱交換器401と称する。第1中継流路切替装置302aと第2中継流路切替装置302bとを区別しない場合、中継流路切替装置302と称する。第1主膨張弁303aと第2主膨張弁303bとを区別しない場合、主膨張弁303と称する。第1ポンプ306aと第2ポンプ306bとを区別しない場合、ポンプ306と称する。第1混流三方弁307aと第2混流三方弁307bとを区別しない場合、混流三方弁307と称する。第1分流三方弁308aと第2分流三方弁308bとを区別しない場合、分流三方弁308と称する。
図13は、実施の形態2に係る空気調和装置10を示す機能ブロック図である。図13に示すように、制御装置5は、運転モードに応じて、室外機2の圧縮機21、室外流路切替装置22、及び室外膨張弁24を制御する。また、制御装置5は、運転モードに応じて、中継機30の中継流路切替装置302、主膨張弁303、及び副膨張弁304、並びにポンプ306、混流三方弁307、及び分流三方弁308を制御する。
暖房運転及び霜取運転における各機器の状態と、冷媒の流れについて説明する。冷房運転については、周知の形態と同様であるため、説明を省略する。まず、暖房運転について説明する。図14は、実施の形態2に係る空気調和装置10の暖房運転を説明するための図である。図14において、実線の矢印は冷媒の流れの方向を示し、破線の矢印は熱媒体の流れの方向を示す。暖房運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを接続する向きに切り替える。制御装置5は、中継流路切替装置302を中継熱交換器301と高圧主管102とが接続する向きに切り替える。制御装置5は、中継切替弁305を閉状態にする。また、制御装置5は、主膨張弁303を開放し、副膨張弁304を開放し、室外膨張弁24を開放する。
暖房運転において、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機30に流入する。中継機30に流入した冷媒は、流入分岐管142を経由して、中継流路切替装置302及び中継熱交換器301の冷媒流路310を通過する。中継熱交換器301の冷媒流路310を通過する冷媒は、熱媒体流路311を流れる熱媒体と熱交換して冷却される。冷却された冷媒は、主膨張弁303が設けられた流出分岐管143の一部を通過して減圧及び膨張される。減圧及び膨張された冷媒は、副膨張弁304が設けられた低圧中継配管144、及び低圧主管101を通過して、室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過し、さらに減圧及び膨張されて、蒸発器として作用する室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する冷媒は、室外空気と熱交換されて蒸発し、ガス化する。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。
一方で、ポンプ306から送出された熱媒体は、中継熱交換器301で冷媒流路310を流れる冷媒と熱交換される。熱交換されて加熱された熱媒体は、混流三方弁307を経由して高圧枝管161を通過し、室内機40に流入する。室内機40に流入した熱媒体は、室内熱媒体熱交換器401において室内空気と熱交換されて、冷却される。この際に、室内において暖房が実施される。冷却された冷媒は、低圧枝管162を通過して、中継機30に流入する。中継機30に流入した冷媒は、分流三方弁308を通過して、ポンプ306に吸入され、循環する。
次に、霜取運転について説明する。図15は、実施の形態2に係る空気調和装置10の霜取運転を説明するための図である。図15において、矢印は冷媒の流れの方向を示し、破線の矢印は熱媒体の流れの方向を示す。霜取運転を行う場合、制御装置5は、室外流路切替装置22を室外熱交換器23とアキュムレータ25とを接続する向きに切り替える。制御装置5は、中継流路切替装置302を中継熱交換器301と高圧主管102とが接続する向きに切り替える。制御装置5は、中継切替弁305を開状態にする。また、制御装置5は、主膨張弁303を閉止し、副膨張弁304を開放し、室外膨張弁24を開放する。
霜取運転において、圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21によって圧縮されて高温かつ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機21から吐出された高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26bが設けられた室外配管115を経由して高圧主管102を通過し、中継機30に流入する。中継機30に流入した冷媒は、中継切替弁305が設けられた高圧中継配管141の一部、副膨張弁304が設けられた低圧中継配管144、及び低圧主管101を通過して、再び室外機2に流入する。室外機2に流入した高温かつ高圧のガス状態の冷媒は、逆止弁26cが設けられた室外配管114を経由して室外膨張弁24を通過し、減圧及び膨張されて、室外熱交換器23を通過する。室外熱交換器23を通過する高温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外熱交換器23に付着した霜と熱交換されて、低温かつ低圧のガス状態となる。この際に、室外熱交換器23が除霜される。その後、低温かつ低圧のガス状態の冷媒は、室外流路切替装置22、及びアキュムレータ25を通過して、再び圧縮機21に吸入され、循環する。このように、実施の形態2の霜取運転においては、冷媒が中継熱交換器301を流通しないため、室内機40への温熱の供給が行われない。
制御装置5の動作について説明する。図16は、実施の形態2に係る制御装置5の動作を示すフローチャートである。図16に基づいて、除霜運転の実行について説明する。制御装置5は、暖房運転中に、着霜検出装置27の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が必要であるか否かを判断する(ステップS31)。室外熱交換器23の除霜が不要であると判定された場合(ステップS31:NO)、室外熱交換器23の除霜が必要であると判定されるまでステップS31の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が必要であると判定された場合(ステップS31:YES)、中継切替弁305を開状態に変更する(ステップS32)。その後、主膨張弁303を閉止する(ステップS33)。これにより、運転モードが暖房運転から霜取運転に移行する。
制御装置5は、霜取運転中に、除霜検出装置28の測定結果に基づいて、室外熱交換器23の除霜が完了されたか否かを判断する(ステップS34)。室外熱交換器23の除霜が未完了であると判定された場合(ステップS34:NO)、室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定されるまでステップS34の処理を繰り返す。室外熱交換器23の除霜が完了されたと判定された場合(ステップS34:YES)、主膨張弁303を開放する(ステップS35)。その後、中継切替弁305弁を閉状態に変更する(ステップS36)。これにより、運転モードが霜取運転から暖房運転に移行する。
以上のように、実施の形態2の空気調和装置10は、霜取運転中に、中継機30を制御して室内機4への温熱の供給を遮断し、室外流路切替装置22を制御して、圧縮機21から吐出された冷媒を、室外熱交換器23を経由させずに中継機30に流通させる。このため、室外機2、中継機30、及び室外機2と中継機30とを繋ぐ主管は、高温の冷媒が循環することで、霜取運転中に温度が低下することが抑制されている。また、冷媒が循環しない室内機40、及び中継機30と室内機40とを繋ぐ枝管の温度も霜取運転中に低下することが抑制されている。このため、実施の形態2の空気調和装置10によれば、暖房復帰時に室外機2、中継機30、室内機40、並びに主管及び枝管の再加熱に要する時間がかからない。したがって、霜取運転が終了してから室内において実際に暖房が開始されるまでの暖房復帰時間を短縮することができる。
以上が本開示の実施の形態の説明であるが、本開示は、上記の実施の形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形又は組み合わせが可能である。