JP7303964B2 - 血栓予防装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血栓予防装置に関し、特に血流を増大させることが可能な血栓予防装置に関する。
従来、例えば手術後における能動的な運動が困難な患者は、四股の深部静脈に血栓が生じ易く、当該血栓が血管を閉塞することによって、肺血栓症等の重篤な症状を引き起こすことが知られている。このような血栓が生じることを防止するための装置として、人体の下腿部に装着可能な血栓予防装置が提案されている。当該装置にあっては、人体の脹脛(ふくらはぎ)の周囲を固定する第一機構と、当該機構に対して傾動可能に設けられ、足首関節を基点として回転する足先を固定する第二機構とを備えており、第二機構を所定の駆動源によって傾動させて足先を強制的に運動させ、以て生じる筋肉及び血管の収縮によって血流を確保するものである。
しかしながら、上記血栓予防装置にあっては、足先の傾動運動によって血流の増加を間接的に促すに過ぎず、血栓予防効果として未だ改良の余地がある。
特開2012-29787
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、より多くの血流を確保することにより、血栓予防効果の高い血栓予防装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための構成として、脛及び足先に装着可能であり、脹脛内の静脈の血流を促進させる血栓予防装置であって、前記脹脛を所定角度で保持すると共に、脹脛内の静脈を圧迫する圧迫手段を備えた保持部と、保持部に対して変位可能とされ、足先を所定の角度域内で傾動動作させる傾動手段とを備え、圧迫手段は、脹脛の前側及び後側に位置し、空気の給排に応じてそれぞれ独立して膨縮し、脹脛を圧迫するチャンバーを有し、脹脛の前側に位置するチャンバーの空気容量は脹脛の後側に位置するチャンバーの空気容量よりも大とされ、脹脛の前側に位置するチャンバーの膨張動作開始時期と、傾動手段による足先の傾動動作開始時期とが異なる時期に設定された構成とした。
本構成によれば、多くの血流を確保することができ、血栓を生じることを効果的に予防することができる。
また、脹脛の前側に位置するチャンバーと脹脛の後側に位置するチャンバーの膨縮周期が互いに異なる周期に設定された構成であっても良い。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
血栓予防装置の概要を示す斜視図である。 血栓予防装置の構造を示す側面図である。 カフの取り付け及び下腿部への装着状態を示す斜視図である。 カフの圧迫状態を示す模式図である。 血栓予防装置の駆動条件(タイミングチャート)を示す図である。 足関節稼働域及び複数の実施例を説明する図である。 平均流速の変化率を示す図である(実験1)。 平均流速の推移を示す図である(実験1)。 平均流速の変化率及び平均流速の推移を示す図である(実験2)。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
各図に示すように、本発明に係る血栓予防装置1は、人体の脹脛Tに装着可能とされた装置であって、接地面に対して安定的に載置可能な架台10と、架台10に対して傾動可能に設けられた傾動部20と、架台10に対して固定的に設けられた脹脛保持部50とを主たる構成とする。
[架台について]
架台10は、下腿部の前後方向に沿って長辺を有する矩形な枠状に形成される。架台10の一対の長辺の上面には、台形状の台座部12;12が形成される。台座部12;12の上辺には、傾動部20及び脹脛保持部50を支持する支持切片14;14が設けられる。
支持切片14は、傾動部20の回転中心軸となる軸部P1を支承する軸受け部16を有する。軸受け部16は、支持切片14の上辺から下方に延長した後に後方に向けて延長する切り欠き状であって、軸部P1が上方から下方に押し下げられ、後方に押し込まれることにより、軸部P1を脱落不能に支持する。軸受け部16の後方には、複数の脹脛角度調整用孔18が形成される。脹脛角度調整孔18は、支持切片14の上部後方に形成された小孔であって、支持切片14を左右方向に貫通する。複数の脹脛角度調整孔18は、支持切片14の外郭形状に沿うように弧状に配列されている。なお、当該脹脛角度調整孔18を用いた脹脛Tの角度調整については後述する。
[傾動部について]
傾動部20は、概略、踵の範囲を除く足先全体を載置可能な足底板22と、足底板22と一体化され、後述のエアシリンダSの伸長動作に従って傾動する第1フレーム24と、第1フレーム24と一体的に傾動可能に設けられ、エアシリンダSのロッドと接続される第2フレーム34とを備える。
足底板22は、前後に長辺を有する矩形状の板体であって、当該足底板22の上面に足先を安定的に置くことができる。第1フレーム24は、足底板22の長辺と対応するように前後方向に延長する一対の側片部24a;24aを有する。側片部24a;24a間には、左右方向に延在する図外の支持片が架設されており、足底板22が下方から支持される。側片部24aは、前方から後方に掛けて板幅が増大するように延長すると共に、その後方には扇状の回転支持部26が形成される。
回転支持部26は、傾動域調整ピンP2を挿通可能な図外の回転孔を中心とする扇状に形成された領域であって、図示の例では前方から後方に向かって上方に延長する弧状部27を有する。弧状部27の径方向内側には、弧状部27の外郭形状に沿って複数の傾動域調整孔30が形成される。傾動域調整孔30は、回転支持部26を左右方向に貫通する孔である。
図2に示すように、傾動域調整孔30には後述の第2フレーム34に挿通可能とされた傾動域調整ピンP2が係止可能とされており、複数の傾動域調整孔30から任意の孔を選択し、第2フレーム34と回転支持部26とを傾動域調整ピンP2により連結することによって、第1フレーム24と第2フレーム34との傾斜角度、換言すれば、足底板22の傾動域を任意に設定することができる。
扇状に形成された回転支持部26の中心部には、傾動部20の回転中心軸となる軸部P1が挿入される。軸部P1は、前述の通り、その先端部が軸受け部16に支承されると共に、その後端部28が脹脛保持部50の下端部から下方に延長する脹脛角度調整用ステー64;64の内周面側に回転不能に固定される。脹脛角度調整用ステー64;64の下端部には、軸部P1の直径と略対応する図外の円孔が形成されており、当該円孔に軸部P1の先端部を挿入し、さらに回転支持部26の中心部に形成された図外の円孔及び第2フレーム34の腕部34b;34bの先端部に形成された図外の円孔及びベアリングを介して軸受け部16に支承される。
このような構成によって、足底板22が設置された第1フレーム24及び第2フレーム34は、支持切片14と脹脛角度調整用ステー64;64との間においてエアシリンダSの伸縮動作に伴って、軸部P1を回転中心として傾動可能とされる。
第2フレーム34は、傾動域調整ピンP2を介して第1フレーム24と一体的に連結される枠状体であって、前方が開放されたコ字状に形成される。後方において左右方向に延長する作動部34aには、エアシリンダSのロッドの先端部が固定されている。また、前述の通り、作動部34aの両端部から前方に向けて延長する腕部34b;34bは、第1フレーム24に形成された回転支持部26の傾動域調整孔30と傾動域調整ピンP2を介して一体的に連結されていると共に、軸部P1によって回転可能に支持されている。そして、脹脛保持部50の側部に搭載されたエアシリンダSのロッドが伸縮動作すると、作動部34aが上下方向に変位すると共に、ロッドの直動動作が軸部P1を中心とする回転動作に変換され、第1フレーム24によって支持された足底板22がロッドのストローク量に応じて所定の角度域で傾動可能となり、足底板22に乗せられた人体の足先が足首の関節を介して受動的に曲げ伸ばし(屈伸)されることとなる。なお、足底板22に乗せられた足先は、足底板22に装着される図外のバンドによる拘束により、足底板22に対して安定的に固定される。
[脹脛保持部について]
次に、主に人体の脹脛の周囲を保持する脹脛保持部50について説明する。脹脛保持部50は、前方が開放され、後方に向けて凹となるような半割形状の本体部52と、本体部52の一方の側部に搭載されたエアシリンダSと、本体部52の他方の側部に搭載された制御ボックスBとを備える。
本体部52の内周面54は、脹脛Tの一部、より具体的には脹脛Tの後方の領域に沿うように湾曲しており、人体の足先が足底板22に置かれることにより、足先より上方の脹脛Tの一部が本体部52によって安定的に保持される。
本体部52の内周面54には、カフ高さ調整機構56が設けられる。カフ高さ調整機構56は、内周面54の中央部に形成されたスライド部57と、当該スライド部57内を上下方向に摺動可能なカフ固定部58とから構成される。スライド部57は、後方に向けて凹となる複数の段部57a;57bを有し、後方に位置する段部57bの角部の周縁には、カフ固定部58の複数の角部に形成された突条62と係合する凹部58aが形成される。
カフ固定部58は、上記複数の段部57a;57bと相補する断面形状を有する中実体であって、その前面60は、本体部52の内周面54と連続するように滑らかに湾曲する。
また、前面60には、上下方向に隔てたカフ固定孔62aが穿設される。図3に示すように本体部52内には、当該カフ固定孔62aを介して、脹脛を圧迫可能なカフ70を固定可能であり、本体部52内に位置する脹脛Tは、カフ70に巻き付けられた状態で保持される。上述の通り、カフ固定部58の複数の角部には上下方向に延長する突条62が形成されており、各突条62と凹部58aが互いに摺動可能に係合することにより、カフ固定部58のスライド部57内における上下高さを自在に調整可能である。図3に示すように、カフ固定部58の高さは、カフ70が脹脛Tの上下中央に位置するように設定するのが望ましい。
本体部52の前方の両側部外周側には、前述の脹脛角度調整用ステー64;64が配設される。脹脛角度調整用ステー64は、下方に位置する軸部P1に向けて延出する板状体であって、軸部P1の後端部と回転支持部26との間に挟まれるように固定される。脹脛角度調整用ステー64の外周面には、支持切片14側に突出する筒状部66が設けられる。当該筒状部66には、支持切片14に形成された複数の脹脛角度調整孔18に挿通可能なボルト19aが挿通され、当該ボルト19aの先端部は、脹脛角度調整用ステー64の内周面側に達し、当該位置においてナット19bと螺合される。支持切片14と脹脛角度調整用ステー64とがボルト19aを介して接続されることにより、脹脛保持部50が架台10に対して不動に一体化される。
前述の通り、複数の脹脛角度調整孔18は弧状に配列されており、本体部52全体を図示の位置から後方に向けて傾動し、任意の角度においてボルト19aとナット19bを螺合することにより、接地面に対する脹脛保持部50の角度を自在に調整することができる。なお、図示の例は、脹脛の中心軸が接地面に対して実質的に略垂直となる角度に設定されている。なお、図示の血栓予防装置1においては、座位による使用を想定しているが、架台10を省略し、仰臥位で使用することも可能である。
エアシリンダSは、本体部52の一方の側部の外周側に固定されており、ロッドの先端部が第2フレーム34の作動部34aに接続される。また、エアシリンダSの複数のポートには、制御ボックスB側から延長する図外のチューブが接続されており、制御ボックスB内に格納されたエアタンクやコンプレッサー等の空気供給原から供給される空気が給排される。本体部52の他方の側部の外周側に搭載された制御ボックスB内には上記空気供給源の他、後述のカフ70に対して所定の周期によって空気を供給する制御回路や空気回路、或いは電源回路等が一体的に格納されており、これらの制御手段によって傾動部20による足先の繰り返しの傾動動作とカフ70による脹脛Tへの圧迫動作とが同時に実現可能となる。
[カフについて]
次に、図3,図4を参照してカフ70の構成について説明する。カフ70は、脹脛に巻き付け可能な帯状体であって、面ファスナーとして形成された拘束体72の締結により脹脛の周囲に密着する。図3に示すように、カフ70は非伸縮性の部材により構成された外側被覆部74と、当該外側被覆部74の内周面側において周方向の所定範囲に設けられた内側被覆部76とからなる二重構造である。内側被覆部76は、例えばゴムを含んだ伸縮性の部材よりなり、外側被覆部74との間に上記空気供給源から供給される空気を導入可能なチャンバーCが形成される。図示のカフ70におけるチャンバーCは、脹脛Tの前側と対応する前側チャンバーC1と、脹脛Tの後側と対応し、前側チャンバーC1よりも空気容量が小とされた後側チャンバーC2とに区画されており、それぞれのチャンバーC1;C2に対して空気を独立して給排可能である。
図4に示すように、前側チャンバーC1に空気が導入されると、当該前側チャンバーC1が径方向内側に膨張し、前脛骨筋ATを内側方向に圧迫する。そして、当該前脛骨筋ATの圧迫により脹脛Tの中心部に位置する複数の深部静脈DV1~DV3が圧迫され、各深部静脈DV内の血流が促進される。
また、後側チャンバーC2に空気が導入されると、当該後側チャンバーC2が径方向内側に膨張し、周方向に跨る複数の腓腹筋G1;G2及び径方向内側に位置するヒラメ筋Sを内側方向に圧迫する。そして、これら複数の筋肉の圧迫により、脹脛Tの中心部に位置する複数の深部静脈DV1~DV3が圧迫され各深部静脈DV内の血流が促進される。
以上のように、本例におけるカフ70は、独立して膨縮動作可能な圧迫手段としての複数のチャンバーC1;C2を備えており、各チャンバーC1;C2の膨縮動作と傾動部20による足先の傾動動作とが複合的に組み合わされることにより深部静脈DVの血流を増加させ、以て静脈内に血栓が生じることを効果的に抑制する。以下、複数の実験結果と共に、本実施形態に係る血栓予防装置1の作用について詳説する。
実験1
[実験方法]
(1)被験者:健康成人男性1名(25歳)右足
(2)Hadeco社製ドップラー血流計EV-100V3を用いて、2秒毎に静脈の平均流速を測定
(3)測定箇所は右鼠径部大腿静脈
(4)被験者の姿勢は座位、体幹と大腿は略90°,脹脛Tと床面とのなす角度は40°に設定
(5)安静状態5分後に血流測定開始、測定基準安静状態30秒、機器駆動10分、機器停止後2分の合計12分30秒の血流計表示を動画に記録し、動画内表示を数値評価する。
(6)上記血流の評価は、測定基準安静時の血流計平均流速の30秒平均に対し、機器駆動中の血流計平均流速の10分平均を比較し、変化率(平均流速の変化率)を算出すると共に、駆動時間平均流速の推移についても評価
[駆動条件]
図5は、本実験に係る血栓予防装置1の駆動条件(タイミングチャート)を示す図である。上述の通り、血栓予防装置1はシリンダSのストロークに応じて傾動可能な傾動部20(足底板22)と、空気の給排によって膨縮可能なチャンバーC1;C2とを備えており、これらの駆動部が一例として図示のタイミングで組み合わせて制御される。
同図に示すように、脹脛Tの前側に位置し、後側チャンバーC2よりも容量が大である前側チャンバーC1は、圧迫(膨張)と開放(収縮)の周期が4秒(圧迫維持2秒,開放維持2秒)に設定される。また、後側チャンバーC2は、圧迫(膨張)と開放(収縮)の周期が0.5秒(圧迫維持0.25秒,開放維持0.25秒)に設定される。また、傾動部20は、動作途中での前側チャンバーC1による圧迫を避けるため、8秒周期(最小角度維持4秒,最大角度維持4秒)とされており、前側チャンバーC1による圧迫は、傾動部20の動作、即ち、足関節の動作が停止した状態でなされるものとする。
[足関節稼働域]
図6(a)に示すように、本実験における足関節角度θは、腓骨頭及び腓骨遠位端を通る直線L1と床面との交点をAとし、Aから腓骨遠位端を結ぶ直線L1と、Aから第5中足骨頭を結ぶ直線L2とがなす角と定める。そして、図6(b)における実施例D1は、最小角度が65°で最大角度が105°となるように足関節稼働域(40°)を調整し、以下、(実施例D2)最小角度75°,最大角度115°、(実施例D3)最小角度90°,最大角度150°、(実施例D4)最小角度80°,最大角度140、(実施例D5)最小角度85°,最大角度125°、(実施例T1)最小角度85°,最大角度145、(実施例T2)最小角度90°,最大角度150°、(実施例T3)最小角度110°,最大角度150、(実施例T4)最小角度115°,最大角度155°となるようにそれぞれ調整した。
図7は、上記各実施例における平均流速の変化率を示し、平均流速の変化率が少なくとも10%以上高まり、最大で60%を超える変化率となっており、血流が促進されていることが分かる。また、足関節角度θに狭角を含む実施例D1~D5における変化率は、相対的に大きく、これは腓復筋の収縮が大きいことに起因するものと推察される。
図8(a),(b)は、実施例D1~D5及び実施例T1~T5に係る平均流速の推移をそれぞれ示し、いずれの実施例においても一定以上の血流が継続的に維持されていることが分かる。このように、本実施形態に係る血栓予防装置1によれば、深部静脈の血流を確保することが可能となり、血栓の発生を効果的に抑止できる。
実験2
次に、カフ70による圧迫と傾動部20による足先の傾動動作を併用することによる血流への効果について説明する。なお、実験方法と駆動条件については上記実験1と同様である。また、足関節稼働域は、実施例D2に係る設定とする。
図9(a)は、安静状態に対するカフ70による圧迫、傾動部20による足先の傾動動作、及び圧迫と傾動動作を併用した場合の平均流速の変化率を示す図である。同図に示すように、カフ70を単独で動作させた場合、或いは、傾動部20を単独で動作させた場合における安静状態に対する変化率は10%未満に止まるのに対して、これを併用した場合の変化率は40%を超える極めて高い変化率を誇っており、カフ70による圧迫と傾動部20による傾動動作の組み合わせは、血流促進、即ち、血栓の予防に対して極めて有用であることが証明された。
図9(b)は、安静状態、カフ70による圧迫、傾動部20による足先の傾動動作、及び、圧迫と傾動動作を併用した場合の駆動時間平均流速の推移を示す図である。同図によってもカフ70による圧迫と傾動部20による傾動動作を組み合わせた場合の平均流速は、高いレベルで推移しており、この点からも圧迫と傾動動作との組み合わせが、血栓の予防に対して極めて有用であることが証明された。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
上述の実施形態においては、圧迫手段の一例としてカフ70に複数のチャンバーC1;C2を設けた構成としたが、このような構成に限らず、例えばソレノイドやモータ等の駆動手段によって動作するハンマー等の打撃手段により脹脛Tの筋肉を打撃し、以て深部静脈DVを圧迫可能な圧迫手段であっても良い。また、本例ではカフ70のチャンバーC1;C2の位置をそれぞれ、前脛骨筋ATと概ね対応する位置、複数の腓腹筋G1;G2及びヒラメ筋Sと概ね対応する位置としたが、これに限るものではなく、対象となる脹脛Tの周長や筋量等を考慮して、適宜位置を変更可能である。また、必ずしもチャンバーを複数設ける必要はなく、例えば前脛骨筋AT、又は複数の腓腹筋G1;G2及びヒラメ筋Sと対応する位置、或いは他の位置に1つ設けた構成であっても良い。
また、特に図5を参照すると、上述の実施形態においては、傾動部20の立ち上がりタイミングは、前側チャンバーC1の立ち上がり(膨張時期)時期よりも早く設定され、傾動部20の立ち下がり時期は、前側チャンバーC1の立ち下がり時期(収縮時期)よりも遅く設定されている。即ち、傾動部20の傾動動作と、複数のチャンバーC1;C2のうち少なくとも一方のチャンバーC1の膨縮時期は、互いに重ならないようにズレた時期に設定されている。さらに換言すれば、前側チャンバーC1の膨縮動作は、最小角度から最大角度への傾動動作後、再び最小角度まで傾動動作する前まで、又は、最大角度から最小角度への傾動動作後、再び最小角度まで傾動動作する前までに実行される。
1 血栓防止装置、10 台座,14 支持切片,18 脹脛角度調整孔,
20 傾動部,22 足底板,26 回転支持部,30 傾動域調整孔,
P1 軸部,P2 傾動域調整ピン,50 脹脛保持部,52 本体部,70 カフ,
56 カフ高さ調整機構,C1 前側チャンバー,C2 後側チャンバー

Claims (2)

  1. 脛及び足先に装着可能であり、脹脛内の静脈の血流を促進させる血栓予防装置であって、前記脹脛を所定角度で保持すると共に、脹脛内の静脈を圧迫する圧迫手段を備えた保持部と、
    前記保持部に対して変位可能とされ、足先を所定の角度域内で傾動動作させる傾動手段と、を備え、
    前記圧迫手段は、前記脹脛の前側及び後側に位置し、空気の給排に応じてそれぞれ独立して膨縮し、前記脹脛を圧迫するチャンバーを有し、
    前記脹脛の前側に位置するチャンバーの空気容量は前記脹脛の後側に位置するチャンバーの空気容量よりも大とされ、
    前記脹脛の前側に位置するチャンバーの膨張動作開始時期と、前記傾動手段による足先の傾動動作開始時期とが異なる時期に設定されたことを特徴とする血栓予防装置。
  2. 前記脹脛の前側に位置するチャンバーと前記脹脛の後側に位置するチャンバーの膨縮周 が互いに異なる周期に設定されたことを特徴とする請求項1記載の血栓予防装置。
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