JP7301885B2 - 静電線形イオントラップにおける2次元フーリエ変換質量分析 - Google Patents
静電線形イオントラップにおける2次元フーリエ変換質量分析 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7301885B2 JP7301885B2 JP2020564852A JP2020564852A JP7301885B2 JP 7301885 B2 JP7301885 B2 JP 7301885B2 JP 2020564852 A JP2020564852 A JP 2020564852A JP 2020564852 A JP2020564852 A JP 2020564852A JP 7301885 B2 JP7301885 B2 JP 7301885B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- ions
- elit
- fragmentation
- precursor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/42—Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
- H01J49/4205—Device types
- H01J49/4245—Electrostatic ion traps
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/02—Details
- H01J49/025—Detectors specially adapted to particle spectrometers
- H01J49/027—Detectors specially adapted to particle spectrometers detecting image current induced by the movement of charged particles
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/0027—Methods for using particle spectrometers
- H01J49/0031—Step by step routines describing the use of the apparatus
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/0027—Methods for using particle spectrometers
- H01J49/0036—Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/004—Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
- H01J49/0045—Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/004—Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
- H01J49/0045—Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
- H01J49/0054—Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction by an electron beam, e.g. electron impact dissociation, electron capture dissociation
Description
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2018年5月28日に出願された米国仮特許出願第62/677,149号の利益を主張する。
本明細書の教示は、質量分析計を動作させ、または制御し、静電線形イオントラップ(ELIT)において2次元フーリエ変換質量分析または質量分析法(2D FT MS)を実施することに関する。2D FT MSにおいて、前駆イオンおよび生成イオンデータが、同時に記録され、生成イオンが、前駆イオン分離を実施することなく、それらの対応する前駆イオンに合致させられる。
一般に、タンデム質量分析または質量分析/質量分析(MS/MS)は、化合物を分析するための周知の技法である。タンデム質量分析は、サンプルからの1つ以上の化合物のイオン化と、1つ以上の化合物の1つ以上の前駆イオンの選択と、断片または生成イオンへの1つ以上の前駆イオンの断片化と、生成イオンの質量分析を伴う。
2D FT MSは、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析(FT-ICR MS)を使用して実施され得ることが周知である。FT-ICR MSは、FT-ICR質量分析計を使用して実施される。
上で説明されるように、FT-ICR質量分析計は、購入し、動作させることが高価である。結果として、2D FT MSを実施するための低コスト代替物が、継続的に求められている。van Agthoven et al.による、「Two-dimensional mass spectrometry in a linear ion trap,an in silico model」(Rapid Commun. Mass Spectrom.(2017),31:674-6840)と題された論文(以降では「van Agthoven論文」)において、四重極線形イオントラップ(LIT)における2D MS(非FT)のシミュレーションが、実施された。
van Agthoven論文で提案される四重極LITは、2D MSを実施するためのFT-ICR質量分析計に優る大きなコスト利点を有するが、それは、依然として、同様のレベルの複雑性を伴う。特に、2D FT-ICR MSのように、複雑なエンコーディングパルスが、前駆イオンを生成イオンに関係付けるために要求される。より重要なこととして、四重極LITによって生成される2D質量スペクトルの分解能は、最終的に質量分析器によって限定される。四重極を使用して、数千の分解能を達成することのみが可能である。結果として、追加のシステムおよび方法が、2D MSを実施するために要求される複雑性を低減させるために必要とされる。
システム、方法、およびコンピュータプログラム製品が、前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御するために開示される。3つ全ての実施形態は、以下のステップを含む。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御するためのシステムであって、前記システムは、
サンプルをイオン化し、イオンビームを生成するように構成されたイオン源デバイスと、
イオン伝達光学系と、
2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む静電線形イオントラップ(ELIT)と、
前記イオン源デバイス、前記イオン伝達光学系、および前記ELITと通信しているプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
取得の総数Nを実施するように前記イオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンを軸方向に振動させる、ことと、
前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間t act において実施され、前記遅延時間t act は、各後続の取得n+1において時間増分Δtだけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列n a として前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を行う、システム。
(項目2)
前記プロセッサは、
前記取得の総数NをN=N a に設定することであって、N a は、前駆イオン質量分解能の選択から計算される、ことと、
f s2 のサンプリング周波数における連続取得において、イオン注入と断片化との間の前記遅延時間t act を増加させることと
によって、前駆体次元において一様なサンプリングを実施するように前記ELITを制御し、
最大遅延時間T acq2 は、T acq2 =(N a -1)/f s2 から計算され、f s2 は、測定されるべき前駆イオンの最小質量対電荷比(m/z)の選択から計算され、前記時間増分Δtは、一定の時間増分Δt act である、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記プロセッサは、連続取得において前記時間増分Δtを変動させることによって、前駆体次元において非一様なサンプリングを実施するように前記ELITを制御する、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記プロセッサは、fs1のサンプリング率でのNs個のサンプルを使用して、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定するように前記ELITを制御し、前記合計取得時間T acq1 は、T acq1 =(N s -1)/f s1 から計算される、項目1に記載のシステム。
(項目5)
f s1 は、測定されるべき生成および前駆イオンの最小質量対電荷比(m/z)の選択から計算され、N s は、生成イオン質量分解能の選択から計算される、項目2に記載のシステム。
(項目6)
前記プロセッサは、ミラー切り替えを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記プロセッサは、イントラップ電位リフトを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記プロセッサは、パルス偏向器を使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記断片化デバイスは、光源を含み、前記光源は、光ビームを前記一方または両方の転換点に向け、紫外線光解離(UVPD)または赤外線多光子解離による断片化を生成する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記断片化デバイスは、電子源を含み、前記電子源は、電子ビームを前記一方または両方の転換点に向け、電子活性化解離による断片化を生成する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記断片化デバイスは、中性粒子源を含み、前記中性粒子源は、中性粒子ビームを前記一方または両方の転換点に向け、中性粒子解離による断片化を生成する、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記断片化デバイスは、前記一方または両方の転換点における表面を含み、前記表面は、表面誘発解離(SID)を生成する、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記プロセッサは、フーリエ変換を前記2次元行列の各列に適用することと、フーリエ変換を前記2次元行列の各行に適用することとをさらに行うことによって、周波数値の2次元行列を生成し、前記周波数値の2次元行列を転置し、前記ELITの幾何学形状に基づいて、前記転置された周波数値の2次元行列を質量対電荷比(m/z)値の行列に変換し、2次元質量スペクトルとして前記m/z値の行列の値をプロットする、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法であって、前記方法は、
プロセッサを使用して、取得の総数Nを実施するようにイオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記プロセッサを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンに軸方向に振動させ、前記イオンビームは、サンプルをイオン化するように構成されたイオン源によって生成され、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む、ことと、
前記プロセッサを使用して、前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間t act において実施され、前記遅延時間t act は、各後続の取得n+1において、時間増分Δt act だけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列nとして前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を含む、方法。
(項目15)
非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記命令は、前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法を実施するためのものであり、前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、制御モジュールと、記憶および分析モジュールとを備えている、ことと、
前記制御モジュールを使用して、取得の総数Nを実施するように前記イオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記制御モジュールを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンに軸方向に振動させ、前記イオンビームは、サンプルをイオン化するように構成されたイオン源によって生成され、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む、ことと、
前記制御モジュールを使用して、前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間t act において実施され、前記遅延時間t act は、各後続の取得n+1において時間増分Δtだけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
前記記憶および分析モジュールを使用して、メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列nとして前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためのバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行されるべき命令を記憶するためにバス102に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106も含む。メモリ106は、プロセッサ104によって実行されるべき命令の実行中に一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するためのバス102に結合された読み取り専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110が、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合されている。
上で説明されるように、従来のタンデム質量分析は、断片化の前、前駆イオン分離に概して依拠する。しかしながら、前駆イオン分離は、多くの場合、複雑なサンプルにおいて実施することが困難であり、生成イオン質量分析を異なる前駆イオンの数とともに直線的に増減させる。
ELITは、外部超電導磁石またはRF供給を要求しない純静電デバイス(低電力)である。この品質は、質量分析器をコンパクト、可搬型、かつ卓上計装に適したものにする。これは、市販の既製ステンレス鋼板から作製されることができ、構築し、動作させることが非常に安価である。
上で説明されるように、2D MS実験(非FT)が、提案され、四重極LIT質量分析器での使用のためにシミュレートされた。イオン半径は、記憶された波形イオン半径変調(SWIM)を使用して変調され、シミュレートされたレーザビームを使用して中心軸に沿って解離される。SWIMパルスは、励起およびエンコーディングパルスであり、断片化パルスに加えて必要とされる。
SIMION v8.1が、図6に描写される幾何学形状のELITをシミュレートするために使用された。ELITトラップ寸法および動作条件が、例えば、Dziekonski,et al. Int. J. Mass Spectrom. 2016,410,12-21 and Dziekonski,et al. Anal. Chem. 2017,89,4392-4397(参照することによって組み込まれる)に説明される。
図12は、前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御するためのシステムの概略図1200である。図12のシステムは、イオン源デバイス1210と、イオン伝達光学系1220と、静電線形イオントラップ(ELIT)1230と、プロセッサ1240とを含む。
図13は、種々の実施形態による、ELITが、断片化パルスのタイミングをシフトさせる複数の連続取得からの仮定のデータの3Dプロット1300であり、前駆イオン次元における一様なサンプリングを示す。図7のように、図13は、断片化が実施されるイオン注入に対する異なる遅延時間tactにおける一連の生成イオンスペクトルを示す。図13のスペクトルに関して、遅延時間tactは、時間増分Δtだけ増加させられ、Δt=Δtactである。一様なサンプリングに関して、時間増分は、定数であり、Δt=Δtact=一定である。
「Nonuniform Sampling Acquisition of Two-Dimensional Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance Mass Spectrometry for Increased Mass Resolution of Tandem Mass Spectrometry Precursor Ions」(Anal. Chem. 2017,89,8589-8593)と題されたBray et al.による論文(以降では「Bray論文」)において、2D FTICR質量分析における非一様なサンプリングが、提案される。Bray論文は、参照することによって本明細書に組み込まれる。Bray論文は、非一様なサンプリングに先立って、2D FTICR質量分析から四重極質量フィルタ様質量分解能を得るために、一晩の取得が要求されたことを説明する。換言すると、非一様なサンプリングが、2D FTICR質量分析の取得時間を短縮し、依然として、十分な分解能を提供するために、提案された。
種々の実施形態において、プロセッサ1240は、ミラー切り替え、イントラップ電位リフト、またはパルス偏向器を使用して、イオンビームからELIT1230の中にイオンを注入するようにイオン伝達光学系1220を制御する。
図15は、種々の実施形態による、前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法を示すフローチャート1500である。
種々の実施形態において、コンピュータプログラム製品は、そのコンテンツが前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法を実施するように、プロセッサ上で実行されている命令を伴うプログラムを含む有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。方法は、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムによって実施される。
Claims (15)
- 前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御するためのシステムであって、前記システムは、
サンプルをイオン化し、イオンビームを生成するように構成されたイオン源デバイスと、
イオン伝達光学系と、
2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む静電線形イオントラップ(ELIT)と、
前記イオン源デバイス、前記イオン伝達光学系、および前記ELITと通信しているプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
取得の総数Nを実施するように前記イオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンを軸方向に振動させる、ことと、
前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間tactにおいて実施され、前記遅延時間tactは、各後続の取得n+1において時間増分Δtだけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列n a として前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を行う、システム。 - 前記プロセッサは、
前記取得の総数NをN=Naに設定することであって、Naは、前駆イオン質量分解能の選択から計算される、ことと、
fs2のサンプリング周波数における連続取得において、イオン注入と断片化との間の前記遅延時間tactを増加させることと
によって、前駆体次元において一様なサンプリングを実施するように前記ELITを制御し、
最大遅延時間Tacq2は、Tacq2=(Na-1)/fs2から計算され、fs2は、測定されるべき前駆イオンの最小質量対電荷比(m/z)の選択から計算され、前記時間増分Δtは、一定の時間増分Δtactである、請求項1に記載のシステム。 - 前記プロセッサは、連続取得において前記時間増分Δtを変動させることによって、前駆体次元において非一様なサンプリングを実施するように前記ELITを制御する、請求項1に記載のシステム。
- 前記プロセッサは、fs1のサンプリング率でのNs個のサンプルを使用して、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定するように前記ELITを制御し、前記合計取得時間Tacq1は、Tacq1=(Ns-1)/fs1から計算される、請求項1に記載のシステム。
- fs1は、測定されるべき生成および前駆イオンの最小質量対電荷比(m/z)の選択から計算され、Nsは、生成イオン質量分解能の選択から計算される、請求項2に記載のシステム。
- 前記プロセッサは、ミラー切り替えを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、請求項1に記載のシステム。
- 前記プロセッサは、イントラップ電位リフトを使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、請求項1に記載のシステム。
- 前記プロセッサは、パルス偏向器を使用して、前記イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御する、請求項1に記載のシステム。
- 前記断片化デバイスは、光源を含み、前記光源は、光ビームを前記一方または両方の転換点に向け、紫外線光解離(UVPD)または赤外線多光子解離による断片化を生成する、請求項1に記載のシステム。
- 前記断片化デバイスは、電子源を含み、前記電子源は、電子ビームを前記一方または両方の転換点に向け、電子活性化解離による断片化を生成する、請求項1に記載のシステム。
- 前記断片化デバイスは、中性粒子源を含み、前記中性粒子源は、中性粒子ビームを前記一方または両方の転換点に向け、中性粒子解離による断片化を生成する、請求項1に記載のシステム。
- 前記断片化デバイスは、前記一方または両方の転換点における表面を含み、前記表面は、表面誘発解離(SID)を生成する、請求項1に記載のシステム。
- 前記プロセッサは、フーリエ変換を前記2次元行列の各列に適用することと、フーリエ変換を前記2次元行列の各行に適用することとをさらに行うことによって、周波数値の2次元行列を生成し、前記周波数値の2次元行列を転置し、前記ELITの幾何学形状に基づいて、前記転置された周波数値の2次元行列を質量対電荷比(m/z)値の行列に変換し、2次元質量スペクトルとして前記m/z値の行列の値をプロットする、請求項1に記載のシステム。
- 前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法であって、前記方法は、
プロセッサを使用して、取得の総数Nを実施するようにイオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記プロセッサを使用して、イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンに軸方向に振動させ、前記イオンビームは、サンプルをイオン化するように構成されたイオン源によって生成され、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む、ことと、
前記プロセッサを使用して、前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間tactにおいて実施され、前記遅延時間tactは、各後続の取得n+1において、時間増分Δtactだけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列nとして前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を含む、方法。 - 非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記命令は、前駆イオンデータと生成イオンデータとを同時に測定するように質量分析計を制御する方法を実施するためのものであり、前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、制御モジュールと、記憶および分析モジュールとを備えている、ことと、
前記制御モジュールを使用して、取得の総数Nを実施するようにイオン伝達光学系およびELITを制御し、前記N回の取得のうちの各取得nに関して、
前記制御モジュールを使用して、イオンビームからのイオンを前記ELITの中に注入するように前記イオン伝達光学系を制御することであって、前記ELITは、2つの組のリフレクトロンによって生成された2つの電場間で前記イオンに軸方向に振動させ、前記イオンビームは、サンプルをイオン化するように構成されたイオン源によって生成され、前記ELITは、前記2つの組のリフレクトロンと、1つ以上のピックアップ電極と、断片化デバイスとを含む、ことと、
前記制御モジュールを使用して、前記1つ以上のピックアップ電極を使用して、イオン注入から合計取得時間T acq1 まで、前記振動するイオンの時間ドメインイメージ電流を測定することと、前記断片化デバイスを使用して、T acq1 内で、前記振動するイオンの一方または両方の転換点において前記振動するイオンの位置依存性断片化を実施し、生成イオンを前記振動するイオンに追加することとを行うように前記ELITを制御することであって、前記断片化は、前記イオン注入に対する遅延時間tactにおいて実施され、前記遅延時間tactは、各後続の取得n+1において時間増分Δtだけ増加させられ、前記振動するイオンの断片化をそれらの位置に依存させる、ことと、
前記記憶および分析モジュールを使用して、メモリデバイスにおいて、2次元行列の行または列nとして前記測定された時間ドメインイメージ電流を記憶することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201862677149P | 2018-05-28 | 2018-05-28 | |
US62/677,149 | 2018-05-28 | ||
PCT/IB2019/054295 WO2019229599A1 (en) | 2018-05-28 | 2019-05-23 | Two-dimensional fourier transform mass analysis in an electrostatic linear ion trap |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021525435A JP2021525435A (ja) | 2021-09-24 |
JP7301885B2 true JP7301885B2 (ja) | 2023-07-03 |
Family
ID=67226308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020564852A Active JP7301885B2 (ja) | 2018-05-28 | 2019-05-23 | 静電線形イオントラップにおける2次元フーリエ変換質量分析 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US11145503B2 (ja) |
EP (1) | EP3803939B1 (ja) |
JP (1) | JP7301885B2 (ja) |
WO (1) | WO2019229599A1 (ja) |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB201613988D0 (en) | 2016-08-16 | 2016-09-28 | Micromass Uk Ltd And Leco Corp | Mass analyser having extended flight path |
GB2567794B (en) | 2017-05-05 | 2023-03-08 | Micromass Ltd | Multi-reflecting time-of-flight mass spectrometers |
GB2563571B (en) | 2017-05-26 | 2023-05-24 | Micromass Ltd | Time of flight mass analyser with spatial focussing |
WO2019030472A1 (en) | 2017-08-06 | 2019-02-14 | Anatoly Verenchikov | IONIC MIRROR FOR MULTI-REFLECTION MASS SPECTROMETERS |
WO2019030477A1 (en) | 2017-08-06 | 2019-02-14 | Anatoly Verenchikov | ACCELERATOR FOR MASS SPECTROMETERS WITH MULTIPASSES |
US11049712B2 (en) | 2017-08-06 | 2021-06-29 | Micromass Uk Limited | Fields for multi-reflecting TOF MS |
EP3662502A1 (en) | 2017-08-06 | 2020-06-10 | Micromass UK Limited | Printed circuit ion mirror with compensation |
WO2019030471A1 (en) | 2017-08-06 | 2019-02-14 | Anatoly Verenchikov | ION GUIDE INSIDE PULSED CONVERTERS |
WO2019030476A1 (en) | 2017-08-06 | 2019-02-14 | Anatoly Verenchikov | INJECTION OF IONS IN MULTI-PASSAGE MASS SPECTROMETERS |
US11211238B2 (en) | 2017-08-06 | 2021-12-28 | Micromass Uk Limited | Multi-pass mass spectrometer |
GB201802917D0 (en) | 2018-02-22 | 2018-04-11 | Micromass Ltd | Charge detection mass spectrometry |
GB201806507D0 (en) | 2018-04-20 | 2018-06-06 | Verenchikov Anatoly | Gridless ion mirrors with smooth fields |
GB201807626D0 (en) | 2018-05-10 | 2018-06-27 | Micromass Ltd | Multi-reflecting time of flight mass analyser |
GB201807605D0 (en) | 2018-05-10 | 2018-06-27 | Micromass Ltd | Multi-reflecting time of flight mass analyser |
GB201808530D0 (en) | 2018-05-24 | 2018-07-11 | Verenchikov Anatoly | TOF MS detection system with improved dynamic range |
GB201810573D0 (en) | 2018-06-28 | 2018-08-15 | Verenchikov Anatoly | Multi-pass mass spectrometer with improved duty cycle |
GB201901411D0 (en) | 2019-02-01 | 2019-03-20 | Micromass Ltd | Electrode assembly for mass spectrometer |
US11842891B2 (en) | 2020-04-09 | 2023-12-12 | Waters Technologies Corporation | Ion detector |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013517595A (ja) | 2010-01-15 | 2013-05-16 | レコ コーポレイション | イオン捕捉型質量分析計 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6888130B1 (en) * | 2002-05-30 | 2005-05-03 | Marc Gonin | Electrostatic ion trap mass spectrometers |
CN104779132B (zh) * | 2009-05-06 | 2018-04-13 | Mks仪器公司 | 静电离子陷阱 |
EP2372747B1 (en) * | 2010-03-31 | 2018-08-01 | Thermo Fisher Scientific (Bremen) GmbH | Methods and apparatus for producing a mass spectrum |
GB201201403D0 (en) * | 2012-01-27 | 2012-03-14 | Thermo Fisher Scient Bremen | Multi-reflection mass spectrometer |
-
2019
- 2019-05-23 JP JP2020564852A patent/JP7301885B2/ja active Active
- 2019-05-23 EP EP19737887.0A patent/EP3803939B1/en active Active
- 2019-05-23 US US16/981,057 patent/US11145503B2/en active Active
- 2019-05-23 WO PCT/IB2019/054295 patent/WO2019229599A1/en unknown
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013517595A (ja) | 2010-01-15 | 2013-05-16 | レコ コーポレイション | イオン捕捉型質量分析計 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021525435A (ja) | 2021-09-24 |
EP3803939A1 (en) | 2021-04-14 |
US11145503B2 (en) | 2021-10-12 |
US20210074536A1 (en) | 2021-03-11 |
WO2019229599A1 (en) | 2019-12-05 |
EP3803939B1 (en) | 2022-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7301885B2 (ja) | 静電線形イオントラップにおける2次元フーリエ変換質量分析 | |
van Agthoven et al. | Two-dimensional mass spectrometry: new perspectives for tandem mass spectrometry | |
US6852972B2 (en) | Mass spectrometer | |
van Agthoven et al. | Towards analytically useful two-dimensional Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometry | |
van Agthoven et al. | Two‐dimensional mass spectrometry in a linear ion trap, an in silico model | |
JP2004526161A (ja) | 調整された波形/電荷減少質量分析法 | |
GB2460165A (en) | Fragmentation of ions in Kingdon ion trap mass spectrometers | |
Soni et al. | Broad-band Fourier transform quadrupole ion trap mass spectrometry | |
EP3895204A1 (en) | Inception electrostatic linear ion trap | |
JP7101411B2 (ja) | 質量分析 | |
EP0883894B1 (en) | Method of operating an ion trap mass spectrometer | |
Zhang et al. | Reducing space charge effects in a linear ion trap by rhombic ion excitation and ejection | |
Lorenz et al. | Planar multipole ion trap/time-of-flight mass spectrometer | |
JP2018504607A (ja) | 断片化エネルギーを切り替えながらの幅広い四重極rf窓の高速スキャニング | |
Easterling et al. | Isotope beating effects in the analysis of polymer distributions by Fourier transform mass spectrometry | |
JP4506260B2 (ja) | イオン蓄積装置におけるイオン選別の方法 | |
Gupta et al. | Particle-in-cell techniques for the study of space charge effects in an electrostatic ion beam trap | |
US9870912B2 (en) | Mass spectrometers having real time ion isolation signal generators | |
US10026602B2 (en) | Systems and methods for multipole operation | |
JP6377740B2 (ja) | 向上した選別性のためのms3を通したフロー | |
US8304715B2 (en) | Ion cyclotron resonance mass spectrometer system and a method of operating the same | |
Cooks et al. | Quadrupole mass filters and quadrupole ion traps | |
Cao et al. | A Strategy for Simultaneously Improving Resolution and Sensitivity of Hybrid Quadrupole Ion Trap/Time-of-Flight Mass Spectrometry Using Square Waveform Phase Modulation | |
Easterling et al. | Fundamentals, strengths, and future directions for Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometry | |
Kaiser et al. | Reduction of axial kinetic energy induced perturbations on observed cyclotron frequency |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230522 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230529 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230621 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7301885 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |