以下、図面を参照しながら、監視制御装置および監視制御方法の実施形態について詳細に説明する。
図1の符号1は、本実施形態の監視制御装置としての制御ユニットである。この制御ユニット1は、例えば、発電プラントに設けられているバルブ2a、ポンプ2b、端末2cなどを含む現場機器2a,2b,2cを制御するための装置である。この制御ユニット1には、端子台3が設けられている。
図1に示すように、制御ユニット1の筐体の内部には、複数の現場機器2a,2b,2cを制御するための複数の信号入出力部4a,4b,4cが設けられている。本実施形態では、これらの信号入出力部4a,4b,4cに異常(故障)が無いかどうかを自動的に監視するようにしている。なお、現場機器2a,2b,2cは、それぞれに対応する信号入出力部4a,4b,4cにより制御される。
処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cから送信される上達信号を受信する。また、処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cに対して下達信号を送信する。なお、下達信号には、現場機器2a,2b,2cを制御するための制御指令が含まれる。
また、信号入出力部4a,4b,4cは、処理部7から送信される下達信号を制御信号に変換して現場機器2a,2b,2cに対して出力する。また、信号入出力部4a,4b,4cは、現場機器2a,2b,2cから入力される現場信号を上達信号に変換して処理部7に向けて送信する。
現場機器2a,2b,2cは、信号入出力部4a,4b,4cから入力された制御信号に基づいて、各種制御を行う。また、現場機器2a,2b,2cは、所定の情報の取得を行うこともできる。そして、現場機器2a,2b,2cは、計測した所定の情報を含む現場信号を信号入出力部4a,4b,4cに向けて出力する。さらに、信号入出力部4a,4b,4cを介して現場機器2a,2b,2cが取得した情報が処理部7に送信される。
制御ユニット1の内部には、伝送制御部5と伝送路6(図2参照)と処理部7と監視部9とが設けられる。なお、信号入出力部4a,4b,4cと伝送制御部5と監視部9とのそれぞれが送受信する所定の信号が、伝送路6を介して処理部7に伝送される。また、伝送制御部5は、信号入出力部4a,4b,4cから送信される上達信号または処理部7からの送信される下達信号が衝突しないようにするために、伝送路6を流れる信号の伝送タイミングを制御するために設けられている。
図1および図2に示すように、それぞれの現場機器2a,2b,2cが、対応する信号入出力部4a,4b,4cに端子台3を介して接続される。本実施形態では、例えば、バルブ2aに対応する信号入出力部4aと、ポンプ2bに対応する信号入出力部4bと、端末2cに対応する信号入出力部4cとが設けられる。
また、端子台3には、それぞれの現場機器2a,2b,2cから延びる機器信号ケーブル35a,35b,35cが接続される複数の端子部31が設けられている。また、端子部31には、信号入出力部4a,4b,4cから延びるケーブルも接続される。これらの端子部31を介して、現場機器2a,2b,2cと信号入出力部4a,4b,4cがそれぞれ接続される。さらに、現場機器2a,2b,2cと監視部9が接続される。
なお、図1では、理解を助けるために、端子台3が制御ユニット1の筐体の外部に設けられているが、制御ユニット1の筐体の内部に端子台3が設けられていても良い。
本実施形態では、処理部7から延びる信号切替指令用伝送線71が、端子台3に接続される。この処理部7により端子台3が制御される。また、端子台3から延びる監視部用ケーブル93が監視部9に接続される。
処理部7は、現場機器2a,2b,2cの制御に関する情報の処理を行う。また、処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cの異常(故障)の有無を判定する機能を有している。そして、制御ユニット1の運転中に、それぞれの信号入出力部4a,4b,4cの監視が行われる。なお、処理部7は、監視部9の異常(故障)の有無を判定することもできる。
なお、現場機器2a,2b,2cには、アナログ信号で処理を行うものとデジタル信号で処理を行うものとがある。例えば、バルブ2a、ポンプ2bなどの現場機器2a,2bは、アナログ信号の制御信号で動作し、アナログ信号の現場信号(計測信号)を出力する。一方、端末2cは、デジタル信号の制御信号で動作し、デジタル信号の現場信号を出力する。なお、端末2cがモニタである場合には、そのモニタに表示される情報が制御信号(制御指令)に含まれる。
ここで、現場機器2a,2bがアナログ信号の現場信号を出力する場合には、対応する信号入出力部4a,4bがアナログ-デジタル変換を行い、デジタル信号に変換された上達信号が処理部7に向けて送信される。そして、処理部7がデジタル信号の下達信号を送信した場合に、対応する信号入出力部4a,4bがデジタル-アナログ変換を行い、アナログ信号に変換された制御信号が現場機器2a,2bに向けて出力される。
なお、現場機器2cがデジタル信号の現場信号を出力する場合には、対応する信号入出力部4aがデジタル-デジタル変換を行い、または変換をせずに、デジタル信号の上達信号が処理部7に向けて送信される。そして、処理部7がデジタル信号の下達信号を送信した場合には、対応する信号入出力部4aがデジタル-デジタル変換を行い、または変換をせずに、デジタル信号の制御信号が現場機器2cに向けて出力される。なお、信号入出力部4cは、デジタル-デジタル変換を行わない場合でも、少なくとも電流または電圧の値の変換を行うものであっても良い。
つまり、信号入出力部4a,4b,4cは、現場機器2a,2b,2cから入力される現場信号を上達信号に変換して処理部7に向けて送信する。さらに、信号入出力部4a,4b,4cは、処理部7から受信した下達信号を制御信号に変換して現場機器2a,2b,2cに向けて出力する。これらの信号入出力部4a,4b,4cによる変換処理が正常に行われているか否かが異常の判定の指標となる。なお、変換前の信号の電流または電圧の値と、変換後の電流または電圧の値とを比較して異常の有無を判定しても良い。
本実施形態の処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cまたは監視部9に異常があるか否かの点検を自動的に行うことができる。例えば、アナログ-デジタル変換、デジタル-アナログ変換、またはデジタル-デジタル変換が正常に行われているか否かの点検が行われている。
また、所定の信号入出力部4a,4b,4cに異常がある場合には、監視部9が、異常が生じている信号入出力部4a,4b,4cの機能を代替する。つまり、本実施形態では、複数の現場機器2a,2b,2cのそれぞれに対応する信号入出力部4a,4b,4cが設けられるとともに、監視部9がそれぞれの信号入出力部4a,4b,4cの機能を代替可能となっている。
監視部9は、例えば、所定の信号入出力部4a,4b,4cに異常がある場合に、その異常がある信号入出力部4a,4b,4cのアナログ-デジタル変換、デジタル-アナログ変換、またはデジタル-デジタル変換を代替することができる。つまり、監視部9は、現場信号を上達信号に変換する処理、または下達信号を制御信号に変換する処理を代替することができる。
このようにすれば、1台の監視部9を複数の信号入出力部4a,4b,4cのバックアップとすることができる。なお、1台の監視部9は、同時に2つ以上の信号入出力部4a,4b,4cの代替を行うことはできない。監視部9は、あくまでも、1台の信号入出力部4a,4b,4cが故障した場合にバックアップを行うための装置となっている。
また、制御ユニット1のメンテナンスを行う作業者が、端子台3に試験ツール8を接続することで、信号入出力部4a,4b,4cまたは監視部9に異常があるか否かの点検を手動で行うこともできる。この試験ツール8は、信号入出力部4a,4b,4cおよび監視部9の試験を行うときに端子台3に接続される。このようにすれば、点検時には試験ツール8を接続して信号入出力部4a,4b,4cまたは監視部9の点検を行うことができる。また、通常時には試験ツールを外すことができるため、試験ツール8が邪魔になることがない。
例えば、端子台3には、信号入出力部4a,4b,4cおよび監視部9の試験(点検)に使用するための試験ツール8を着脱自在に接続可能な試験ツール用接続部32が設けられている。この試験ツール用接続部32には、試験ツール8から延びるツール用ケーブル10が接続される。作業者は、試験ツール8を端子台3に接続し、この試験ツール8を手動で操作することで、信号入出力部4a,4b,4cおよび監視部9の点検を行う。本実施形態の試験ツール8は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。
本実施形態の制御ユニット1(監視制御装置)は、少なくとも端子台3と信号入出力部4a,4b,4cと伝送制御部5と伝送路6と処理部7と監視部9とを備える。なお、試験ツール8が制御ユニット1の一部として含まれるものであっても良い。
また、端子台3には、信号切替部33が設けられる。この信号切替部33は、信号入出力部4a,4b,4cの自動点検を行う点検モード時に、監視部9に対して接続される現場機器2a,2b,2cおよび信号入出力部4a,4b,4cの切り替えを行うことができる。例えば、信号切替部33は、点検モード時に、3つの信号入出力部4a,4b,4cのうちのいずれか1つの信号入出力部4aを監視部9に接続する切り替えを行う。つまり、この信号切替部33は、現場機器2a,2b,2cから監視部9に対して入力される現場信号、または、信号入出力部4a,4b,4cから監視部9に対して入力される制御信号の切り替えを行うものである。
信号切替部33には、点検モード時に、監視部9に対する現場信号および制御信号の入出力の切り替えを行う監視部用切替部330が設けられている。つまり、監視部用切替部330は、監視部9に対して接続される現場機器2a,2b,2cおよび信号入出力部4a,4b,4cの切り替えを行う。
監視部用切替部330は、監視部用ケーブル93に含まれる切替制御線11を介して監視部9に接続される。処理部7は、監視部9を介して監視部用切替部330の制御を行う。
信号切替部33には、それぞれの現場機器2a,2b,2cに対応する代替用切替部331a,331b,331cが設けられている。これらの代替用切替部331a,331b,331cを介して現場機器2a,2b,2cが信号入出力部4a,4b,4cに接続される。また、信号入出力部4a,4b,4cの機能を監視部9に代替させる場合は、代替用切替部331a,331b,331cを使用して接続先の切り替えを行う。つまり、代替用切替部331a,331b,331cにより現場機器2a,2b,2cの接続先が信号入出力部4a,4b,4cから監視部9に切り替わる。
代替用切替部331a,331b,331cは、監視部用ケーブル93に含まれる代替制御線12を介して監視部9に接続される。処理部7は、監視部9を介して監視部用切替部330の制御を行う。
また、端子台3には、それぞれの代替用切替部331a,331b,331cと信号入出力部4a,4b,4cとを互いに接続する入出力信号線13a,13b,13cが設けられている。これらの入出力信号線13a,13b,13cには、現場機器2a,2b,2cから信号入出力部4a,4b,4cに向けて出力される現場信号を分岐する監視用分岐部14a,14b,14cが設けられる。
複数の監視用分岐部14a,14b,14cから分岐された分岐信号線は、監視部用切替部330に接続される。そして、監視部用切替部330は、監視用分岐部14a,14b,14cから監視部9に対して現場信号が入力される入力態様と入力されない非入力態様とを切り替えることができる。なお、監視用分岐部14a,14b,14cにて現場信号が分岐されても、信号入出力部4a,4b,4cに対する現場信号の入力は継続される。
監視部用切替部330は、点検モード時に、それぞれの信号入出力部4a,4b,4cに対応する切り替えを、順次行うようにしている。例えば、本実施形態では、信号入出力部4aの点検を行った後に、信号入出力部4bの点検を行う。さらに、信号入出力部4bの点検を行った後に、信号入出力部4cの点検を行う。このように順次接続先の切り替えが行われる。
監視部9は、分岐された現場信号が監視部用切替部330を介して入力された場合に、その現場信号を上達信号に変換して処理部7に送信する。そして、処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cから受信した上達信号と監視部9から受信した上達信号とを比較して、信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを判定する。例えば、これら2つの上達信号を比較し、その差が事前に設定した許容値を逸脱していないか確認する。この確認により、信号入出力部4a,4b,4cが現場信号を上達信号に変換する処理を正常に行っているか否かを点検する。このようにすれば、処理部7を用いて、信号入出力部4a,4b,4cの点検を行うことができる。
詳述すると、図2に示すように、通常モード時には、監視部用切替部330が信号入出力部4a,4b,4cと監視部9との接続を解除する。一方、図3に示すように、点検モード時には、監視部用切替部330が、例えば、バルブ2aに対応する信号入出力部4aと監視部9とを接続する。この点検モードでは、バルブ2aから出力される現場信号が監視部9に入力される。また、信号入出力部4aから出力される制御信号が監視部9に入力される。
なお、処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cにて変換された上達信号と監視部9にて変換された上達信号とを比較して、信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを判定することができる。つまり、信号入出力部4a,4b,4cにて現場信号を上達信号に変換する処理が正常に行われているか否かの点検ができる。
また、処理部7は、下達信号を信号入出力部4a,4b,4cに向けて送信した場合に、この下達信号から変換された制御信号が、信号入出力部4a,4b,4cから監視用分岐部14a,14b,14cを介して監視部9に入力される。そして、監視部9は、制御信号を信号入出力部用点検信号に変換して処理部7に送信する。処理部7は、この信号入出力部用点検信号に基づいて、信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを判定することができる。つまり、信号入出力部4a,4b,4cにて下達信号を制御信号に変換する処理が正常に行われているか否かの点検ができる。
また、信号切替部33には、代替用切替部331a,331b,331cが設けられる。監視部9が信号入出力部4a,4b,4cの代替を行う場合には、代替用切替部331a,331b,331cにより、現場機器2a,2b,2cの接続先が信号入出力部4a,4b,4cから監視部9に切り替わる。つまり、代替用切替部331a,331b,331cは、監視部9が代替する信号入出力部4a,4b,4cを切り替えることができる。
例えば、代替用切替部331aは、信号入出力部4aが現場機器2aから入力された現場信号を上達信号に変換して送信する通常モード(図2参照)と、監視部9が現場機器2aから入力された現場信号を上達信号に変換して送信する代替モード(図4参照)とを切り替えることができる。このようにすれば、信号入出力部4aに異常が生じている場合に監視部9により信号入出力部4aの機能を代替させることができる。
例えば、図2に示すように、通常モード時には、代替用切替部331aがバルブ2aと信号入出力部4aとの接続を維持している。一方、図4に示すように、代替モード時には、代替用切替部331aがバルブ2aと信号入出力部4aとの接続を解除し、バルブ2aと監視部9とを接続する。
なお、代替用切替部331aは、代替モード時に、接続先が監視部9に切り替わった信号入出力部4aと、これに対応する現場機器2aとの接続を解除する。このようにすれば、代替モード時に信号入出力部4aを現場機器2aから物理的に切り離すことができる。そのため、他の信号入出力部4b,4cまたは現場機器2b,2cに影響を与えず、信号入出力部4aの点検作業または交換作業を実施することができる。
本実施形態の通常モードは、信号入出力部4a,4b,4cが処理部7から受信した下達信号を制御信号に変換して現場機器2a,2b,2cに出力する態様を含む。さらに、代替モードは、監視部9が受信した下達信号を制御信号に変換して現場機器2aに出力する態様を含む。このようにすれば、信号入出力部4aに異常が生じている場合に、この信号入出力部4aに対応する現場機器2aに制御信号を監視部9が代替して出力することができる。
信号切替部33には、監視用分岐部14a,14b,14cから監視部9に対して現場信号が入力される代替モードに切り替えられたときに、監視部9に入力される現場信号の電流または電圧の値を、監視部9に対応する値に変換する変換部34が設けられている。なお、変換部34は、それぞれの現場機器2a,2b,2cに対応して複数設けられる。また、監視部9から制御信号が出力される場合には、変換部34が制御信号の電流または電圧の値を、現場機器2a,2b,2cに対応する値に変換する。
詳述すると、それぞれの現場機器2a,2b,2cから出力される現場信号の電流または電圧の値は異なっている。つまり、信号入出力部4a,4b,4cのそれぞれに入力される現場信号の電流または電圧(微小電圧を含む)の値は異なっている。そのため、変換部34は、現場機器2a,2b,2cから出力される現場信号である電流または電圧の値を、監視部9が処理可能な電流または電圧の値に変換する。このようにすれば、1台の監視部9で、それぞれの現場機器2a,2b,2cに対応する現場信号を処理することができる。
なお、それぞれの代替用切替部331a,331b,331cは、処理部7から延びる信号切替指令用伝送線71を介して伝送される機能代替開始指令によって切り替えを実施する。また、監視部9が代替を開始する。そして、機能代替終了指令によって切り替えられた状態を復帰して元に戻し、監視部9による代替を終了する。
本実施形態の監視用分岐部14a,14b,14cは、信号入出力部4a,4b,4cから現場機器2a,2b,2cに向けて出力される制御信号を分岐する。そして、監視部9は、分岐された制御信号が入力された場合に制御信号を信号入出力部用点検信号に変換して処理部7に送信する。
ここで、監視部用切替部330は、監視用分岐部14a,14b,14cから監視部9に対して制御信号が入力される入力態様と入力されない非入力態様とを切り替えるようにしている。このようにすれば、信号入出力部4a,4b,4cにて下達信号を制御信号に変換する処理が正常になされているか否かの判定を行うことができる。
端子台3には、試験ツール用接続部32から延びる複数の試験用配線100が設けられている。また、端子台3には、入出力信号線13a,13b,13cにおいて、信号入出力部4a,4b,4cから現場機器2a,2b,2cに向けて出力される制御信号を分岐して試験ツール8に向けて出力する試験用分岐部15a,15b,15cが設けられている。なお、切替制御線11にも試験用分岐部15dが設けられている。
これら試験用分岐部15a,15b,15cには、それぞれに対応する試験用配線100が接続されている。そして、試験用配線100を介して所定の信号が試験ツール8に入出力される。このようにすれば、例えば、試験ツール8を用いて制御信号を測定することができるため、信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを点検することができる。
本実施形態の試験ツール8は、現場信号を模擬する模擬信号を出力することができる。つまり、試験ツール8は、現場信号を模擬する信号発生器を備える。そして、この試験ツール8から出力される模擬信号を信号入出力部4a,4b,4cに入力される。
ここで、処理部7は、信号入出力部4a,4b,4cにより模擬信号から変換された上達信号に基づいて、信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを点検することができる。このようにすれば、現場機器2a,2b,2cが停止中であっても、試験ツール8を用いて、信号入出力部4a,4b,4cから送信される上達信号の点検を行うことができる。
さらに、試験ツール8は、監視部9の健全性を点検するための確認信号を出力することができる。そして、この試験ツール8から出力される確認信号が切替制御線11を介して
監視部9に入力される。
ここで、処理部7は、監視部9により確認信号から変換された監視部用点検信号に基づいて、監視部9が正常に動作しているか否かを点検することができる。このようにすれば、試験ツール8を用いて、監視部9の点検を行うことができる。
なお、試験ツール8が出力する確認信号の基準値(電圧値)が処理部7に予め設定されており、処理部7は、受信した監視部用点検信号の電圧値と基準値とを比較して監視部9が正常に動作しているか否かを点検する。つまり、監視部用点検信号の電圧値と基準値とを比較し、その差が事前に設定した許容差を逸脱していないか確認する。このようにすれば、予め設定された基準値に基づいて監視部9の点検を行うことができる。
なお、監視部9に異常がある場合は、監視部9の交換作業などのメンテナンスを実施しても良い。そして、監視部9のメンテナンスの終了後に、監視部9の点検を再度実施する。そして、監視部9が正常に動作していることを確認し、信号入出力部4a,4b,4cの点検作業を実施する。
また、試験ツール8は、信号入出力部4a,4b,4cから現場機器2a,2b,2cに向けて出力される制御信号を測定する測定器を備える。この試験ツール8の測定器により信号入出力部4a,4b,4cが正常に動作しているか否かを点検することができる。
図5に示すように、監視部9の正面側(前面側)には、動作状態表示部91と、入出力部表示部92と、端子台3から延びる監視部用ケーブル93が接続されるケーブル接続部94とが設けられている。
動作状態表示部91は、監視部9が、健全性確認機能と信号入出力部代替機能と監視部健全性確認機能のいずれかの状態であるかを示すために搭載されている。例えば、動作状態表示部91には、信号入出力部4a,4b,4cの健全性確認が実行されている場合に点灯される入出力部健全性確認機能表示ランプ91aが設けられている。また、信号入出力部4a,4b,4cの機能が監視部9により代替されている場合に点灯される信号入出力部機能代替表示ランプ91bが設けられている。また、監視部9の健全性確認が実行されている場合に点灯される監視部健全性確認機能表示ランプ91cが設けられている。
つまり、監視部9は、点検中の信号入出力部4a,4b,4cの状態を識別可能な態様で表示する動作状態表示部91を備える。このようにすれば、点検作業者が点検中の信号入出力部4a,4b,4cの状態を確認することができる。
処理部7は、点検モードを開始するための監視部入力用切替指令を送信する。この監視部入力用切替指令により監視部用切替部330による接続が切り替わる。また、処理部7は、点検モードを終了するための監視部入力用切替終了指令を送信する。この監視部入力用切替終了指令により監視部用切替部330による接続が終了する。
また、処理部7は、監視部9が代替モードを開始する機能代替開始指令を送信する。また、処理部7は、監視部9が代替モードを終了する機能代替終了指令を送信する。なお、機能代替開始指令および機能代替終了指令により監視部9が制御される。
また、処理部7は、代替の対象となる信号入出力部4a,4b,4cと現場機器2a,2b,2cとの接続を解除する信号入出力部代替用切替指令を送信する。また、処理部7は、代替の対象となる信号入出力部4a,4b,4cが復帰したときに現場機器2a,2b,2cとの接続を復帰させる信号入出力部復帰用切替指令を送信する。なお、信号入出力部代替用切替指令および信号入出力部復帰用切替指令により代替用切替部331a,331b,331cが制御される。
また、処理部7は、監視部9が自己の健全性の確認を開始する自己健全性確認開始指令を送信する。また、処理部7は、監視部9が自己の健全性の確認を終了する自己健全性確認終了指令を送信する。
これらの指令は、処理部7から伝送路6を介して監視部9に送信される。これらの入力された指令に基づいて、監視部9の機能の切り替え、および信号切替部33の制御が実施される。
また、入出力部表示部92は、複数の信号入出力部4a,4b,4cに対応する入出力部状態表示ランプ92a,92b,92cが設けられている。なお、入出力部表示部92には、その他の入出力部状態表示ランプ92d,92eが設けられていても良い。
これらの入出力部状態表示ランプ92a,92b,92cは、監視部9に対して、いずれの信号入出力部4a,4b,4cに対応する信号が入力されているかを示すために搭載されている。例えば、図2中の一点鎖線で示す信号切替指令用伝送線71を介して、監視部入力用切替指令が処理部7から伝送される。この監視部入力用切替指令に基づいて、入出力部表示部92の点灯箇所を切り替える制御が行われる。
例えば、信号入出力部4aに対応する信号が監視部9に入力されている場合には、信号入出力部4aに対応する入出力部状態表示ランプ92aが正常を示す色(緑色)で点灯される。このとき、処理部7には、信号入出力部4aにて現場信号を変換した上達信号と、監視部9にて現場信号を変換した上達信号との2つの信号が入力される。
そして、信号入出力部4aの上達信号と監視部9の上達信号との比較結果が、許容値を逸脱していた場合は、監視部9の信号入出力部4aに対応する入出力部状態表示ランプ92aが異常を示す色(赤色)で点灯される。
本実施形態の処理部7は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の監視制御方法は、プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
なお、処理部7は、計時部を備える。この計時部(RTC:Real-Time Clock)は、時間の経過を計時する。例えば、現在時刻を示す時刻情報と、日付と曜日とを示すカレンダ情報とを出力する。また、計時部は、所定の開始時刻から所定の終了時刻までの時間を積算するタイマ機能を備えても良い。
次に、処理部7が実行するメイン処理について図6のフローチャートを用いて説明する。この処理部7の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1から図5を適宜参照する。
この処理は、一定時間毎に繰り返される処理である。この処理が繰り返されることで、監視制御装置で監視制御方法が実行される。なお、処理部7が他の処理を実行中に、この処理を割り込ませて実行しても良い。
図6に示すように、まず、ステップS11において、処理部7は、現場機器2a,2b,2cの制御処理を実行する。ここで、処理部7は、現場機器2a,2b,2cの制御に関する情報の処理を行う。なお、信号入出力部4a,4b,4cに異常が無い場合は、通常モードまたは点検モードで処理が実行される。一方、所定の信号入出力部4aに異常が有る場合は、代替モードで処理が実行される。
次のステップS12において、処理部7は、現在時刻が自動点検のタイミングであるか否かを判定する。この自動点検のタイミングは、予め設定されている。例えば、早朝の任意の時刻を自動点検のタイミングとして設定する。ここで、自動点検のタイミングでない場合(ステップS12がNO)は、ステップS14に進む。一方、自動点検のタイミングである場合(ステップS12がYES)は、ステップS13に進む。
ステップS13において、処理部7は、自動点検処理を実行する。この自動点検処理により信号入出力部4a,4b,4cの点検が行われる。
次のステップS14において、処理部7は、端子台3に対して試験ツール8が接続されているか否かの判定を行う。ここで、試験ツール8が接続されていない場合(ステップS14がNO)は、処理を終了する。一方、試験ツール8が接続されている場合(ステップS14がYES)は、ステップS15に進む。
ステップS15において、処理部7は、手動点検処理を実行する。この手動点検処理により試験ツール8を用いた信号入出力部4a,4b,4cの点検が行われる。そして、処理を終了する。
次に、処理部7が実行する自動点検処理について図7から図10のフローチャートを用いて説明する。この処理部7の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1から図5を適宜参照する。
図7に示すように、まず、ステップS21において、処理部7は、代替モードの実行中であることを示す代替中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、代替中フラグがセットされている場合(ステップS21がYES)は、後述のステップS50に進む。一方、代替中フラグがセットされていない場合(ステップS21がNO)は、ステップS22に進む。
ステップS22において、処理部7は、監視部9を制御し、入出力部健全性確認機能表示ランプ91aを点灯させる。
次のステップS23において、処理部7は、監視部9を制御し、点検対象となっている信号入出力部4aに対応する入出力部状態表示ランプ92aを、正常を示す色(緑色)で点灯させる。
次のステップS24において、処理部7は、点検モードを開始するための監視部入力用切替指令を信号切替部33に送信する。この監視部入力用切替指令により通常モードから点検モードに切り替わる。そして、監視部用切替部330による切り替えにより、監視用分岐部14a,14b,14cから監視部9に対して現場信号が入力される入力態様に切り替わる。入力される態様と入力されない態様とを監視部用切替部により切り替える
次のステップS25において、監視用分岐部14aは、現場機器2aから信号入出力部4aに向けて出力される現場信号を分岐する。
次のステップS26において、信号入出力部4aは、現場機器2aから入力された現場信号を上達信号に変換する。
次のステップS27において、信号入出力部4aは、変換した上達信号を処理部7に向けて送信する。
次のステップS28において、監視部9は、監視用分岐部14aを介して入力された現場信号を上達信号に変換する。
次のステップS29において、監視部9は、変換した上達信号を処理部7に向けて送信する。
次のステップS30において、処理部7は、信号入出力部4aから受信した上達信号と監視部9から受信した上達信号とを比較する。
次のステップS31において、処理部7は、信号の比較の結果に基づいて、信号入出力部4aが正常に動作しているか否かを判定する。ここで、信号入出力部4aが正常に動作していない場合(ステップS31がNO)は、後述のステップS42に進む。一方、信号入出力部4aが正常に動作している場合(ステップS31がYES)は、ステップS32に進む。
図8に示すように、ステップS32において、処理部7は、信号入出力部4aに下達信号を送信する。
次のステップS33において、信号入出力部4aは、受信した下達信号を制御信号に変換する。
次のステップS34において、信号入出力部4aは、変換した制御信号を現場機器2aに向けて出力する。
次のステップS35において、監視用分岐部14aは、信号入出力部4aから現場機器2a向けて出力される制御信号を分岐する。
次のステップS36において、監視部9は、監視用分岐部14aを介して入力された制御信号を信号入出力部用点検信号に変換する。
次のステップS37において、監視部9は、変換した信号入出力部用点検信号を処理部7に向けて送信する。
次のステップS38において、処理部7は、監視部9から受信した信号入出力部用点検信号を確認する。つまり、処理部7は、信号入出力部4aに向けて送信した下達信号と監視部9から受信した信号入出力部用点検信号とを比較する。
次のステップS39において、処理部7は、信号入出力部用点検信号に基づいて、信号入出力部4aが正常に動作しているか否かを判定する。ここで、信号入出力部4aが正常に動作していない場合(ステップS39がNO)は、後述のステップS42に進む。一方、信号入出力部4aが正常に動作している場合(ステップS39がYES)は、ステップS40に進む。
次のステップS40において、処理部7は、未点検の信号入出力部4b,4cが残っているか否かを判定する。ここで、未点検の信号入出力部4b,4cが残っている場合(ステップS40がYES)は、前述のステップS22に戻る。一方、全ての信号入出力部4a,4b,4cの点検が完了し、未点検の信号入出力部4b,4cが残っていない場合(ステップS40がNO)は、ステップS41に進む。
次のステップS41において、処理部7は、点検モードを終了するための監視部入力用切替終了指令を信号切替部33に送信する。この監視部入力用切替終了指令により点検モードから通常モードに切り替わる。そして、監視部用切替部330による切り替えにより、監視用分岐部14a,14b,14cから監視部9に対して現場信号が入力されない非入力態様に切り替わる。なお、監視部9にて、点灯中の表示ランプがある場合には、そのランプを消灯する。そして、処理を終了する。
図9に示すように、信号入出力部4aが正常に動作していない場合に進むステップS42において、処理部7は、代替中フラグをセットする。
次のステップS43において、処理部7は、監視部9の信号入出力部機能代替表示ランプ91bを点灯させる。
次のステップS44において、処理部7は、代替対象となっている信号入出力部4aに対応する入出力部状態表示ランプ92aを、異常を示す色(赤色)で点灯させる。
次のステップS45において、処理部7は、機能代替開始指令を監視部9に送信する。この機能代替開始指令により点検モードから代替モードに切り替わる。
次のステップS46において、監視部9は、機能代替開始指令の受信に基づいて、代替モードを開始する。つまり、監視部9は、代替対象となっている信号入出力部4aの機能の代替を開始する。
次のステップS47において、処理部7は、信号入出力部代替用切替指令を信号切替部33に送信する。
次のステップS48において、信号入出力部代替用切替指令に基づいて、代替用切替部331aは、代替の対象となる信号入出力部4aと現場機器2aとの接続を解除する。そして、代替用切替部331aは、監視部9と現場機器2aとを接続する。
次のステップS49において、処理部7は、監視部9を制御し、代替対象となっている信号入出力部4aに対応する入出力部状態表示ランプ92aを、正常を示す色(緑色)で点灯させる。
図10に示すように、次のステップS50において、処理部7は、代替対象となっている信号入出力部4aのメンテナンスが完了したか否かを判定する。ここで、メンテナンスが完了していない場合(ステップS50がNO)は、処理を終了する。一方、メンテナンスが完了した場合(ステップS50がYES)は、ステップS51に進む。
次のステップS51において、処理部7は、信号入出力部復帰用切替指令を信号切替部33に送信する。
次のステップS52において、信号入出力部復帰用切替指令に基づいて、代替用切替部331aは、代替の対象となる信号入出力部4aと現場機器2aとの接続を復帰させる。そして、代替用切替部331aは、監視部9と現場機器2aとの接続を解除する。
次のステップS53において、処理部7は、機能代替終了指令を監視部9に送信する。この機能代替終了指令により代替モードから通常モードに切り替わる。
次のステップS54において、監視部9は、機能代替終了指令の受信に基づいて、代替モードを終了する。つまり、監視部9は、代替対象となっている信号入出力部4aの機能の代替を終了する。
次のステップS55において、処理部7は、代替中フラグをクリアする。なお、監視部9にて、点灯中の表示ランプがある場合には、そのランプを消灯する。そして、処理を終了する。
次に、処理部7が実行する手動点検処理について図11から図13のフローチャートを用いて説明する。この処理部7の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1から図5を適宜参照する。
図11に示すように、まず、ステップS61において、処理部7は、点検対象となっている信号入出力部4aに向けて下達信号を送信する。
次のステップS62において、信号入出力部4aは、処理部7から受信した下達信号を制御信号に変換する。
次のステップS63において、信号入出力部4aは、変換した制御信号を現場機器2aに向けて出力する。
次のステップS64において、試験用分岐部15aは、信号入出力部4aから現場機器2aに向けて出力される制御信号を分岐する。
次のステップS65において、試験用分岐部15aにて分岐された制御信号が、試験ツール8に対して入力される。
次のステップS66において、試験ツール8は、制御信号の確認を行う。ここで、試験ツール8は、制御信号に基づいて、点検対象となっている信号入出力部4aの異常の有無を判定することができる。
図12に示すように、次のステップS67において、処理部7は、試験ツール8から模擬信号の入力があるか否かを判定する。ここで、模擬信号の入力がない場合(ステップS67がNO)は、処理を終了する。一方、模擬信号の入力がある場合(ステップS67がYES)は、ステップS68に進む。
次のステップS68において、処理部7は、監視用分岐部14aは、試験ツール8から信号入出力部4aに向けて出力される模擬信号を分岐する。
次のステップS69において、信号入出力部4aは、試験ツール8から入力された模擬信号を上達信号に変換する。
次のステップS70において、信号入出力部4aは、変換した上達信号を処理部7に向けて送信する。
次のステップS71において、監視部9は、監視用分岐部14aを介して入力された模擬信号を上達信号に変換する。
次のステップS72において、監視部9は、変換した上達信号を処理部7に向けて送信する。
次のステップS73において、処理部7は、信号入出力部4aから受信した上達信号と監視部9から受信した上達信号とを比較する。
次のステップS74において、処理部7は、信号の比較の結果に基づいて、信号入出力部4aが正常に動作しているか否かを判定する。ここで、信号入出力部4aが正常に動作していない場合(ステップS74がYES)は、後述のステップS76に進む。一方、信号入出力部4aが正常に動作している場合(ステップS74がNO)は、ステップS75に進む。
次のステップS75において、処理部7は、点検対象となっている信号入出力部4aの異常を知らせる異常報知情報を試験ツール8に向けて送信する。なお、異常報知情報は、端子台3を介して送信される。また、処理部7と試験ツール8とを図示しない伝送線で接続し、この伝送線を介して異常報知情報を伝送させても良い。
図13に示すように、次のステップS76において、処理部7は、試験ツール8から監視部9に確認信号の入力があるか否かを判定する。なお、確認信号は、試験用分岐部15dおよび切替制御線11を介して処理部7に入力される。
次のステップS77において、処理部7は、自己健全性確認開始指令を監視部9に送信する。この自己健全性確認開始指令により監視部9の点検が開始される。
次のステップS78において、処理部7は、監視部9を制御し、監視部健全性確認機能表示ランプ91cを点灯させる。
次のステップS79において、監視部9は、切替制御線11を介して入力された試験ツール8の確認信号を監視部用点検信号に変換する。
次のステップS80において、監視部9は、変換した監視部用点検信号を処理部7に送信する。
次のステップS81において、処理部7は、受信した監視部用点検信号の電圧値と基準値とを比較する。
次のステップS82において、処理部7は、監視部用点検信号の電圧値と基準値との比較の結果に基づいて、監視部9が正常に動作しているか否かを判定する。ここで、監視部9が正常に動作している場合(ステップS82がYES)は、ステップS84に進む。一方、監視部9が正常に動作していない場合(ステップS82がNO)は、ステップS83に進む。
次のステップS83において、処理部7は、監視部9の異常を知らせる異常報知情報を試験ツール8に向けて送信する。
次のステップS84において、処理部7は、自己健全性確認終了指令を監視部9に送信する。この自己健全性確認終了指令により監視部9の点検が終了し、監視部健全性確認機能表示ランプ91cを消灯する。そして、処理を終了する。
なお、本実施形態において、基準値を用いた任意の値の判定は、「任意の値が基準値以上か否か」の判定でも良いし、「任意の値が基準値を超えているか否か」の判定でも良い。或いは、「任意の値が基準値以下か否か」の判定でも良いし、「任意の値が基準値未満か否か」の判定でも良い。また、基準値が固定されるものでなく、変化するものであっても良い。従って、基準値の代わりに所定範囲の値を用い、任意の値が所定範囲に収まるか否かの判定を行っても良い。また、予め装置に生じる誤差を解析し、基準値を中心として誤差範囲を含めた所定範囲を判定に用いても良い。
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
本実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
なお、本実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
なお、本実施形態では、端子台3の内部に信号切替部33を一体化させているが、その他の態様であっても良い。例えば、端子台3と信号入出力部4a,4b,4cを接続する機器信号ケーブル35a,35b,35cを分岐させて、信号を監視部9に入力させるようにしても良い。
なお、本実施形態では、監視部9の監視部健全性確認機能を試験ツール8により行っているが、その他の態様であっても良い。例えば、制御ユニット1の内分に基準となる信号を予め用意し、試験ツール8を使用せずに、制御ユニット1の内部の処理で監視部9の健全性確認を実施しても良い。
なお、本実施形態では、処理部7から信号切替部33に対して送信される信号切替指令を、信号切替指令用伝送線71を使用して伝送しているが、その他の態様であっても良い。例えば、伝送路6を使用した伝送にしても良い。
なお、本実施形態では、信号切替指令用伝送線71は、有線接続により構成される伝送路となっているが、信号切替指令用伝送線71の代わりに無線接続により構成される伝送路を設けても良い。
以上説明した実施形態によれば、監視用分岐部から監視部に対して現場信号が入力される態様と入力されない態様とを切り替え可能となっている監視部用切替部を備えることにより、運転状態にある他の機器や系統に影響を与えずに信号入出力部の点検ができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。