JP7299911B2 - 肝臓の画像化用配位子としての新規なdazaキレート剤 - Google Patents

肝臓の画像化用配位子としての新規なdazaキレート剤 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、PET/CTによる肝臓の画像化の新規な配位子に関し、又、それら化合物の調製方法に関する。本発明は又、それら配位子の肝臓の画像化方法における使用に関する。
(発明の背景)
肝臓の画像化は現在、主として造影剤で強調されたCT及びMRI(後者では、しばしば肝臓特異性のある造影剤が用いられる)、並びにシンチグラフィー画像化(SPECT)によって行われている。種々の肝臓特異性のあるMRI造影剤は、先行技術で公知である。しかし、臨床試験が行われたいくつかの公知の造影剤、例えばEndorem(登録商標)、又は認可を受けた造影剤、例えばResovist(登録商標)は、好ましくない毒性効果を生じる欠点がある。そして更に、Gaトレーサを使用してPET/CT68を使った肝臓の画像化などの種々の試みがあるが、それらの全ては欠点を伴っている。表1は、種々の画像化方法で現在使用されている造影剤の概要を示す。
(表1:種々の画像化方法のための従来の造影剤及び放射性トレーサ)
Figure 0007299911000001
Figure 0007299911000002
記載された欠点は、Primovist(登録商標)は、現在単独の、市場入手可能かつ使用されている肝臓特異性のある造影剤であることを意味する。しかし、患者の1回用量の費用は高価である。遅い画像化と、その結果必要なMRIスキャナーの長時間使用が更なる費用を発生させる。更に、Primovist(登録商標)に関する禁忌は、実際にしばしば必要とされるCT若しくはMRI検査が実施できないか、又は前投薬後のみに可能であることを意味する。更に、多くのMRI検査は、植え込まれたペースメーカーを有する患者や閉所恐怖症の患者に対して実施できない。
WO2014198478(A2)は、非侵襲的分子画像化のための、1,4-ジアゼパン-6-アミン(DAZA)骨格に基づく二官能性キレート剤を開示する。2-ヒドロキシベンジル置換されたDAZAユニットは、68Gaの配位ユニットとして作用する。しかし、特定の生体内分布特性は、カップリングユニット及び標的ユニットが付加される相手である、DAZAの特別な置換基を利用して、非常な労力を伴ってのみ達成される。
また文献公知のものとして、いわゆるDATAキレート剤が挙げられ、その例には配位子AAZTA及びAAZ3A24.25が含まれる。これらは、窒素原子を、酢酸基、又は長鎖カルボン酸(例えばグルタル酸26)、メチル基、ホスホン酸塩(phosphonates)若しくは配位可能な環系により官能化している特徴がある24,25,27-41。ここで、1,4-ジアゼパン-6-アミンはしばしば、官能基(例えばメチル、フェニル42又は、二官能性構造用のリンカー30,31,33)によりDAZA環のC1炭素原子の位置から延長されている。更に、広い範囲のアミノフェノラート含有配位子が公知であり、それらはオルト-ヒドロキシベンジルユニット(例えばフェノラート又はカテコラートの形)の、環を組まない構造(例えばHBED43及びTREN誘導体44-48)への結合、並びに、複数環49-54及びTACN55-59等の大環系への結合により分類できる。これらは、68Gaへの配位子としてのほとんどの研究がすでになされている43.55.60
(発明の記載)
本発明の目的は、PET/CTによる肝臓の画像化のための配位子を提供することであり、その配位子は先行技術で公知の配位子に比べて改良された特性を有し、特に容易に、必要な作業がほとんどなくて調製できるものである。
前記目的は、一般式Iの化合物:
Figure 0007299911000003
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、独立して水素及びアルコキシから選ばれる。)又は、その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体、若しくは溶媒和物であって、その放射能標識された錯体も含まれる、前記化合物を提供することにより達成される。
本明細書及び特許請求の範囲において、用語「アルコキシ」は、特に限定されない限り、C1-12アルコキシ基、好ましくはC1-8アルコキシ基、例えばC1-6アルコキシ基、又はC1-4アルコキシ基を表す。アルコキシ基は非分岐でも、分岐していても良い。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えばn-プロポキシ)、ブトキシ(例えばn-ブトキシ)、ペントキシ(例えばn-ペントキシ)、ヘキソキシ(例えばn-ヘキソキシ)、ヘプトキシ(例えば、n-ヘプトキシ)及びオクトキシ(例えばn-オクトキシ)が含まれる。
本発明の文脈において「水素で置換された」は、「Hで置換された」を意味する。
式Iの化合物は、放射能標識された錯体を形成するために特に適切な配位子である。好ましい実施態様では、本発明は、式Iの化合物並びに、68Ga、64Cu、67Ga、111In、及び99mTcを含む基から選ばれる放射性同位体からなる、放射能標識された錯体を提供する。好ましい実施態様では、放射能標識された錯体は、一般式IIの錯体:
Figure 0007299911000004
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は式Iの化合物で規定されたとおりであり、Xは68Ga、67Ga、及び111Inから選ばれる。)又は、その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体若しくは溶媒和物である。
本発明では、式I又は式IIの化合物中のヒドロキシベンジル基が、それぞれ一つの置換基としてアルコキシ基を有し、その他の三つの置換基は水素である場合が好ましい。従って、本発明の好ましい実施態様では、
前記置換基R1、R2、R3、及びR4の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;
前記置換基R5、R6、R7、及びR8の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;並びに
前記置換基R9、R10、R11、及びR12の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素である。
更に好ましい実施態様では、式I又は式IIの化合物のそれぞれのヒドロキシベンジル基内のアルコキシ基は全て、オルト、メタ若しくはパラ位のいずれかでアルコキシ置換されている。
従って、本発明で特に好ましくは、式I又は式IIの化合物であって、
R1はアルコキシであり、R2、R3、及びR4は水素であり;
R5はアルコキシであり、R6、R7、及びR8は水素であり;
R9はアルコキシであり、R10、R11、及びR12は水素である;
若しくは、
R2はアルコキシであり、R1、R3、及びR4は水素であり;
R6はアルコキシであり、R5、R7、及びR8は水素であり;
R10はアルコキシであり、R9、R11、及びR12は水素である;
若しくは、
R3はアルコキシであり、R1、R2、及びR4は水素であり;
R7はアルコキシであり、R5、R6、及びR8は水素であり;
R11はアルコキシであり、R9、R10、及びR12は水素である;
若しくは、
R4はアルコキシであり、R1、R2、及びR3は水素であり;
R8はアルコキシであり、R5、R6、及びR7は水素であり;
R12はアルコキシであり、R9、R10、及びR11は水素である、前記化合物である。
式I又は式IIの化合物のそれぞれのヒドロキシベンジル基内のアルコキシ基が全て、メタ位でアルコキシ置換されていることが、特に好ましい。従って、本発明の特に好ましい実施態様では:
R2はアルコキシであり、R1、R3、及びR4は水素であり;
R6はアルコキシであり、R5、R7、及びR8は水素であり;
R10はアルコキシであり、R9、R11、及びR12は水素である。
この修飾DAZAにおける3つのフェノラート基への構造的修飾は、標的ユニットが結合される必要なしに、目的とする特定の生体内分布の達成を可能とする。その理由は、目的とする高い肝臓特異性は、その追加的アルコキシ置換基により配位性アルコキシヒドロキシベンジル基を利用する単純な方法で達成されるからである。
本発明の式I及びIIの化合物では、三つのヒドロキシベンジル基は別として、DAZAは水素で独占的に置換されている。これとは逆に、WO2014198478(A2)で開示された化合物のDAZA骨格は、水素以外の更なる置換基を有する。これは、WO2014198478(A2)で開示された物質の特別な肝臓内分布は保証できないことを意味する。本発明の式I及びIIの化合物は、DAZAを出発物質として単純な合成ルートで取得できるため、更に特別の利点がある。標的ユニットを付加するための追加的合成ステップは必要ない。
DAZA骨格上にH以外の置換基が存在しないことは、68Ga、64Cu、67Ga、111In、及び99mTcの配位能力に関して本発明の式Iの化合物には、欠点が発見されないことを意味し、その錯体は、室温、好ましくは更に高い温度で、10分未満に形成でき、イン・ビボでは安定である。
R2、R6、及びR10がアルコキシで置換された場合、そのアルコキシ置換基は、例えば、独立して-O-C1-12アルキル、好ましくは-O-C1-8アルキル、更に好ましくは-O-C1-6アルキル又は-O-C1-4アルキルであり、アルキルラジカルは非分岐でも、分岐していても良い。
更に好ましい実施態様では、アルコキシ置換基は、独立してメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、ヘキソキシ、及びオクトキシから選ばれる。特に好ましい式I及び式IIの化合物では、R2、R6、及びR10は独立してメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、ヘキソキシ又はオクトキシで置換され、R1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R11、及びR12は水素で置換されている。
有利な肝臓内分布は、ヒドロキシベンジル基がそれぞれ同じアルコキシ基で置換された場合、好ましくはR2、R6、及びR10が同じアルコキシ基で置換された場合の、式I及び式IIの化合物により達成される。好ましい実施態様では、ヒドロキシベンジル基はそれぞれエトキシで、特に好ましくはR2、R6、及びR10位で置換されている。同様に好ましい実施態様では、ヒドロキシベンジル基はそれぞれメトキシで、特に好ましくはR2、R6、及びR10位で置換されている。ヒドロキシベンジル基以外の置換基は、それぞれ水素で、特に好ましくはR1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R11、及びR12位で置換されている。
本発明の目的は、「肝親和性金属錯体溶液の注入による肝臓の画像化」原理を、常磁性金属(Gd(III)-MRI)及びガンマ放出体(99mTc-SPECT)としての放射能金属同位体の組み合わせから、PET/CT画像化で陽電子放出体として使用されるガリウム(III)又はCu(III)、特に放射能68Ga同位体及び放射能64Cu同位体、を含有する金属錯体へと広げることである。主要な挑戦は、68Ga、64Cu、67Ga、111In又は99mTc、特に好ましくは68Ga又は64Cuでの標識化に適合し、同時に肝臓特異性を示す配位子を合成することであった。通常使用される金属錯体溶液「Primovist(登録商標)」(Gd-EOB-DTPA)及び「99mTc-EHIDA」において採用されている配位子EOB-DTPA及びEHIDAは、充分に安定な68Ga錯体1,21を形成しない。それどころか、この化合物は生理学的条件下で、(例えば、血液タンパク質アポトランスフェリンによる)脱金属により主に特徴付けられる急速な崩壊を示す22。この結果、イン・ビボで放出された68Gaイオン(例えば、コロイドや、テトラヒドロキソガレートの形で、又はタンパク質と結合した形で)は、血液プール内で非特異的分布を示し、肝臓内でも放射能成分の不充分な蓄積を示し、肝臓の画像化の妨げになる。従って、それらを使用可能とするために、錯体は高い安定性を有することが必須である。当然、68Ga及び64Cuに対応する適した配位子を効率よく、できるだけ少ないステップで、入手可能な出発物質から開始して合成することが可能とならなくてはいけない。これはまた、配位子の骨格、例えば機能的観点から、親油性基(ベンジル環上のアルコキシ基の鎖長又は位置)、の簡単な改良とその結果のトレーサ構造及びそのイン・ビボ分布の最適化を可能にするであろう。
本発明の式Iの化合物は、68Ga、64Cu、67Ga、111In又は99mTcの標識化に一般的に適切であるが、68Gaの標識化に特に適している。上記及び公知の配位子EOB-DTPA及びEHIDAの場合と異なり、式IIの化合物の68Ga錯体はイン・ビボでの脱金属又は分解を示さない。この配位子は安定であり、68Ga又は64Cuでの標識化のための前駆体として貯蔵できる。投与される物質量が少ないため、毒物学的悪影響はほとんど予測されない。トレーサ合成のための68Ga、64Cu、67Ga、111In又は99mTcの標識化は、標準的な放射性薬学的方法に従って行われる。当業者に公知の68Ge/68Gaジェネレータ、例えば、放射性核種68Gaへの入手可能性は、実際上は制限されていない。
本発明の特に好ましい実施態様では、式Iの化合物はトリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン(TEOHB-DAZA)及びトリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン(TMeOHB-DAZA)から選ばれるか、下表から選ばれる、式IIの対応する放射能標識された錯体である。


Figure 0007299911000005
本発明は、更に下記化合物を提供する。
Figure 0007299911000006
本発明の化合物の肝臓内での蓄積は、いわゆるovo試験、即ち、培養されたダチョウ卵内のイン・ビボで検査できる。68Ga-[TEOHB-DAZA]の投与は、ダチョウ卵胚のほとんど肝臓内だけに蓄積することを示した。
本発明の化合物の更なる利点は、DAZAから出発して、還元剤としてNaBH4のみを使用する効率の良いワンポット合成(下記参照)を経由し、配位子TEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZAを容易に入手できることである。出発物質DAZAは、文献記載の手順に従い合成される23
更なる態様では、本発明は、式I若しくは式IIの化合物、又はその化合物の、医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体若しくは溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、好ましくは、少なくとも1の生理学的な耐容性を示したビヒクル、希釈剤、補助剤及び/又は賦形剤を含む。
本明細書及び特許請求の範囲において、用語「無機酸」及び「有機酸」は、炭酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、過塩素酸若しくは硫酸等の酸を含むがこれらに限定されない鉱酸、又は硫酸水素カリウム等のその酸塩、又は、脂肪族有機酸、脂環式有機酸、芳香族有機酸、芳香脂肪族(araliphatic)有機酸、複素環式カルボン酸、及びスルホン酸等の酸を含む適切な有機酸を示す。それらの例は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メタンスルホン酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタン-1-スルホン酸又はスルファニル酸である。
本発明の更なる態様では、式IIの化合物又はその化合物の、その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体、若しくは溶媒和物を含む、放射性医薬組成物が提供される。
この放射性医薬組成物は、好ましくは、少なくとも1の生理学的に耐容性を示したビヒクル、希釈剤、補助剤及び/又は賦形剤を含む。
本発明の化合物は、好ましくは、式IIの放射能標識された化合物であり、本発明によって提供され、医薬として許容し得るビヒクル内、例えば生理食塩水媒体等の従来の媒体内、又は血漿媒体若しくは血清内で、静脈内注入用の医薬組成物として静脈内注入できるように含まれる。そのような媒体はまた、浸透圧を調整するための医薬として許容し得る塩、緩衝液、防腐剤等の従来の医薬物質を含んでもよい。好ましい媒体には、生理食塩水及びヒト血清が含まれる。特に好ましい媒体は、PBS緩衝食塩水である。
他の適切な医薬として許容し得るビヒクルは、例えば「Remington's Practice of Pharmacy、13th edition」及び「J. of Pharmaceutical Science & Technology、vol. 52、No. 5、Sept-Oct.、pp. 238-311」によって当業者に公知である。
本発明によると、一般式IIの放射能標識された化合物は、中性組成物として、又は、上記記載の医薬として許容し得る対イオンを有する塩として、一回に注入可能な用量単位で投与される。放射能標識化後、無菌食塩水又は血漿等の、好ましくはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である当業者に公知の通常のビヒクルならいずれでも、種々の臓器、好ましくは肝臓の診断用画像化のための注入可能な溶液を調製するために使用できる。診断用の薬剤として投与される単位用量は、通常、約3.7MBq~約37GBqの放射能を有する。本発明では、医薬/放射性医薬組成物は少なくとも50MBqの放射能を有する。これは肝臓の画像化方法に特に適切である。単位用量で注入される溶液容量は、約0.01ml~約30mlの範囲である。静脈内投与後の診断目的のための、臓器又は疾患の画像化は、イン・ビボで数分以内に行われる。しかし、画像化は、必要に応じて、患者への注入後、数時間又はさらに長く行われる場合もある。多くの場合、充分な量の投与された放射能が、約30分以内に画像化される領域に蓄積し、画像化方法で記録される画像を可能にする。本発明では、従来のいずれの診断画像化方法も使用できる。好ましくは、PET/CTによる画像化において式IIの68Ga及び64Cu錯体を使用する。本発明の式IIの化合物を用いたPET/CT画像化は、好ましくは注入ごとに0.5時間から2時間(「通常」相および「後期/胆汁部位」相)又はリストモードでダイナミックに行われる。同様に、投与して直接PET/CTスキャナーで、早期相(動脈血流のフラッディング)を記録できる(いわゆる「早期ダイナミックPET」)。
本発明の医薬/放射性医薬組成物の別の利点は、高い安定性である。本発明の組成物は、(ヒト血清又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS))内で少なくとも4時間、少なくとも98%の安定性を有する。更に好ましくは、SPECT及びSPECT/CTの画像化で式IIの67Ga、111In又は99mTc錯体を使用する。
式IIの化合物は、肝臓に特異的な蓄積を示し、腸及び/又は胆嚢を介して排泄される。
本発明の更なる態様では、一般式Iの化合物の調製方法が提供される。好ましい実施態様では、一般式Iの化合物の調製方法は、
a) 式IIIの化合物を合成するステップ、
Figure 0007299911000007
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、上記記載のとおりである。)であって、該合成ステップは、式IVの化合物の
Figure 0007299911000008
(式中、R9、R10、R11、及びR12は、上記記載のとおりである。)、式(V)の化合物との反応を経由し:
Figure 0007299911000009
該反応は、メタノールなどの適切な溶媒の存在下で行われる;並びに
b) 式IIIの化合物を、還元条件下でNaBH4等の適切な還元剤と、適切な溶媒の存在下で反応させるステップ、
を含む。
式Iの化合物中のアルコキシがエトキシの場合、調製プロセスのステップb)の溶媒として、好ましくはメタノールを使用する。式Iの化合物中のアルコキシがメトキシの場合、調製プロセスのステップb)の溶媒として、好ましくはメタノール及びクロロホルムの混合物を、好ましくは1:1の比で使用する。
TEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZAの合成は、アミナル(aminal)結合により形成されるN,N'-架橋要素を含む、式IIIの二環式前駆体を経由して行われる:
Figure 0007299911000010
驚くべきことに、ステップb)において、還元条件下で、3か所がアルキル化された生成物TEOHB-DAZA又はTMeOHB-DAZAは、2個の4-アルコキシ-2-ヒドロキシベンジルユニット(1個はアミナルの形で結合され、もう一つはイミンの形で結合されている)で官能化されたアザ環化合物から、非常に良い収率で合成できることが発見された。本発明の好ましい実施態様では、C=O又はC=N成分は、次に続く還元、例えば水素化合物試薬NaBH4による還元で、アミナルの2個のC-N結合の一つに挿入される。
アミナルの、対応するアミンへの還元性開裂は、文献で公知であるが61-64、公知のプロセスでは、開裂は常に2個の窒素原子Nの内の1個と炭素ブリッジとの間で発生し、その結果、2個の窒素原子の一つN'の還元後に、還元されたアミナルの官能基ラジカルは対応するアルキル置換基を有する一方、第二の窒素原子Nは1個のプロトンを与えてR2NHとして存在している。しかし現在まで、N,N'-架橋されたアミナル構造から還元条件下で形成された、ビス-N,N'-アルキル化されたアミン構造の報告はされていない。しかし、これは、本発明の方法で実際に起こったことである。得られた式Iの化合物は、X線構造解析により明確に実証され/同定された。
この特定の反応は、保護されていない1,4-ジアゼパン-6-アミンから出発し、たとえ2個の二級アミノ基及び1個の一級アミノ基を含んでいたとしても、カルボニル成分を経由して、式Iの化合物中の3個の窒素原子それぞれを、1個のアルキルラジカルで、選択的にアルキル化するワンポット合成を可能とする。従来の先行技術によると、アルデヒド及び他のカルボニル成分との縮合を経由する二級アミンのアルキル化は特に、NaBH(OAc)3又はNaBH3CN等の、より穏やかに修飾された還元剤の存在下での直接還元的アミノ化を通してのみ発生する65。更に、アザ環等をアルキル化する試みは、例えば一級アミノ基のシングルアルキル化などの選択性が要求される場合は特に、通常採用されるアルキル臭化物を使った反応では特にしばしば生成物の混合物を生じるし、そうでなければ保護基の使用を必要とする25,34,66,67
本発明の反応中で、トリス-N,N',N''-アルキル化された1,4-ジアゼパン-6-アミンTEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZAは、80~90%の非常に高い収率(前駆体内(=2ユニット)及び生成物内(=3ユニット)の4-アルコキシ-2-ヒドロキシベンジル基のモル比を基にして算出)で形成される。この反応を通して、発明者達は、対応するカルボニル成分から出発し、1,4-ジアゼパン-6-アミン(DAZA)中の3個の窒素原子全てをシングルアルキル化する、効率良く、保護基フリーで、新規な反応経路を確立することに成功した。また、構造的に関連するTOHB-DAZA(トリス-N,N',N''-(2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン))及びTEOB-DAZA(トリス-N,N',N''-(4-エトキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン)は、同じ方法では単離できないことも発見された。対応する架橋されたアミナル(III)の還元では、モノー、ジ-、及びトリアルキル化されたDAZA及び(特にTEOB-DAZAの場合)アルデヒド(IV)の混合生成物の形成が増加し、それらは互いに分離することが困難である。TEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZAに関して、メタノールからのトリアルキル化生成物の選択的沈殿は生じない。
更なる態様では、本発明は、式Iの化合物の、式IIの68Ga又は64Cu錯体を調製するための配位子としての使用に関する。式Iの化合物からの式IIの化合物の調製方法もまた、提供される。
本発明のこの方法では、式Iの化合物は、68Ga-含有溶液又は64Cu含有溶液と室温以上で処理される。この処理は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、特に好ましくは100℃で行われる。より高い温度を選べば、放射能標識された錯体の形成までの反応時間はより短くなり、画像化方法の性能に特に利点がある。その理由は、放射能標識された式IIの化合物は、患者への投与のできるだけ直前まで合成されるべきでないからであり、反応が100℃で行われる場合、-急に必要になっても-、数分以内、例えば5分以内で提供できる。
達成可能な式IIの化合物の収率はまた、pHに依存する。68Gaが式Iの配位子へ組み込まれる場合、式Iの配位子と68Ga-含有溶液との処理は、pHが好ましくは5.0以下、より好ましくは3.7~5.0の範囲、特に好ましくは4.0~4.5の範囲で行われる。64Cuが式Iの配位子へ組み込まれる場合、式Iの配位子と64Cu含有溶液との処理は、好ましくはpHが4.0以上、更に好ましくは4.0~8.0の範囲で、特に好ましくは6.0~7.0の範囲で行われる。
本発明は又、放射性医薬的調製物を準備するためのキットであって、所定量の、式Iに対応する本発明の配位子又は式IIの化合物を備えた密封アンプル及び、任意で該キットの構成要素を使用するための指示書を含む、前記キットを提供する。本発明は又、疾患を画像化するためのキットを提供する。
更なる態様では、本発明は、PET/CT画像化等の診断用の方法で使用される、式IIの化合物又は式IIの化合物を含む(放射性)医薬組成物を提供する。
本発明は更に、例えばPET/CT等の画像化方法のために、診断目的での(放射性)医薬組成物を調製するための、式IIの化合物の使用に関する。特に、本発明の化合物は、限定されるものではないが、肝臓の慢性疾患及び腫瘍を含む肝臓疾患の画像化に有用である。式IIの化合物は、例えば、肝臓の炎症(肝炎)、肝硬変(萎縮肝)、脂肪肝、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)及び原発性胆汁性肝硬変(PBC)等の自己免疫性肝臓疾患、並びに鉄蓄積症(ヘモクロマトーシス)から選択される肝臓疾患の画像化を、可能とする。
式IIの化合物は、例えば血管腫、肝細胞腺腫、限局性結節性過形成(FNH)、結節性再生性過形成(NRH)、胆管腺腫;肝細胞癌、胆管癌、嚢胞腺癌、血管肉腫及び肝芽腫、結腸直腸癌等の転移性の他の腫瘍;虫垂カルチノイド;乳癌、卵巣癌、肺癌、腎癌、前立腺癌並びにその他、全ての原発性及び続発性の、肝臓及び胆管の腫瘍画像化を可能とする。
更なる態様では、本発明は、式IIの化合物又は式IIの化合物を含む(放射性)医薬組成物を、治療的に活性な量で、若しくは診断方法の性能に充分な量で対象に投与することを含む治療方法又は診断方法に関する。対象は、例えば動物、好ましくは哺乳類、又はより好ましくはヒトである。
本発明で好ましいのは、式IIの化合物、又は式IIの化合物を含む(放射性)医薬組成物を、肝臓のPET/CT画像化のために使う又は投与することである。
本発明の特に好ましい実施態様では、動物又はヒトの肝臓の画像取得方法が提供され、その方法は下記ステップを含む:
(a)動物又はヒトへ、請求項2~9、又は11のいずれか一項記載の式IIの化合物を含む医薬組成物を投与するステップ、
(b)該処置された動物又はヒトの、PET又はPET/CTスキャンを行うステップ、
(c)式IIの化合物による測定可能なエミッションシグナルを、関心対象とする動物又はヒトから検出するステップ;及び
(d)該測定可能なシグナルから画像を生成して、動物又はヒトの肝臓画像を得るステップ。
(実施態様の例示)
(1.合成の記載)
式Iの化合物は、スキーム1に示すとおりに合成される。
Figure 0007299911000011
(スキーム1:式Iの化合物の合成)
(前駆体の合成/合成1)
15mlメタノール中の1,4-ジアゼパン-6-アミン(65mg、0.57mmol)及び4-メトキシ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(172mg、1.13mmol)を丸底フラスコ内で混合し、得られた黄色懸濁液を室温で1時間攪拌した。固体をろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下で乾燥した(205mg、0.54mmol、94%)。
Figure 0007299911000012
(前駆体の合成/合成2)
10mlメタノール中の1,4-ジアゼパン-6-アミン(30mg、0.26mmol)及び4-エトキシ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(86mg、0.52mmol)を丸底フラスコ内で混合し、得られた黄色懸濁液を室温で1時間攪拌した。固体をろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下で乾燥した(100mg、0.24mmol、94%)。
Figure 0007299911000013
(配位子TMeOHB-DAZAの合成)
メタノール及びクロロホルム1:1混合液10ml中の1(200mg、0.52mmol)の溶液へ、71mg(1.89mmol)のNaBH4を数回に分けて加えると、溶液が脱色された。反応溶液を1時間攪拌した。次に、溶媒を減圧下で除去し、残渣をメタノールで再懸濁した。固体をろ過し、メタノールで洗浄し、次に減圧下で乾燥した(163mg、0.31mmol、60%)。
Figure 0007299911000014
(配位子TEOHB-DAZAの合成)
メタノール10ml中の2(120mg、0.29mmol)の懸濁溶液へ、22mg(0.58mmol)のNaBH4を数回に分けて加えると、黄色懸濁溶液は10分以内に脱色された。得られた溶液を1時間攪拌し、溶媒を5mlまで濃縮した。メタノール性溶液から白色固体が1晩かけて沈殿したので、ろ過し、メタノールで洗浄し、次に減圧下で乾燥した(85mg、0.15mmol、52%)。
Figure 0007299911000015
68Gaでの放射性標識化)
68Ge/68Gaジェネレータ(TiO2、0.6M塩酸で溶離)からの、カチオン的に精製した68Ga溶離液(約1600MBq)を、70μLのTMeOHB-DAZA又はTEOHB-DAZA(Ultrapur(登録商標)水内に1mg/ml)/HCl(1M)/エタノール、3:1:1)溶液及び2mlの酢酸塩バッファで処理した。pH3.8~4.0の溶液を100℃で5分間加熱した。次に溶液を、予め調整したC8逆相カートリッジ(SepPak(登録商標)、C8プラス)にかけ、2mlの水(注入用水)で洗浄し、68Gaトレーサを1mlのエタノール(50%)で溶離した。放射性化学物質の収率は65~80%(減衰補正)であった。サンプルをPBS(10ml)で希釈した。放射能-TLC及び放射能-HPLCで確認した放射性化学物質の純度は、≧99.6%であった。放射能は校正済み放射線測定器により確認した。
(X(64Cu、67Ga、111In、99mTc)での放射性標識化)
バッファ、還元剤(例えばSnCl2)、安定化剤、乳化剤等の適切な添加剤又は賦形剤が添加され、2~12の範囲のpHを有する化合物Iの水溶液は、1MBq~100GBqの放射能壊変速度を有する放射性金属X(64Cu、67Ga、111In、99mTc)の水溶液で処理される。標識化は、任意で100℃までの温度で1分から12時間加熱して行われる。溶液は次に、血管内投与に適切な組成物を有するように、精製され、濃縮され、緩衝化され、又は希釈される。
(2.ダチョウ卵中で投与及びPET/CT検査)
受精卵(胚)内で血管内注射を行うために、まず羊膜性(amniotic)血管を見つけることが必要である。これは、光集中Schierランプ(Tempo No. 119、Brecker Ltd. & Co. KG、Ruethen、ドイツ又はPowerlux Eggtester 4.5 VDC、Lyon Technologies Inc.、Chula Vista、CA、米国)を使用して行われ、卵は透視法と同様に卵殻を通して照明される。大口径の瓶を設置した後に、約2mm厚さの卵殻から約2.5×5cmの長方形の試験片を加工して切り取る(Dremel(登録商標)3000、Dremel Europe-Bosch Powertools BV、Breda、オランダ)。漿尿膜(CAM)に対応する、卵殻の内膜の完全性を維持するために、特に注意しなくてはならない。
卵殻のふたを取り外した後、再びSchierランプを使用しながら、卵黄血管に細い27Gカニューレで穴を開け、これを接着テープで卵殻に固定する。このように作成された導入部により、CT造影剤及び放射性医薬品の両方を、短い長さのプラスチック管(Smiths Medical(登録商標)800/100/100 Smiths、Smiths Medical International Ltd、Ashford、英国)を通して注入できる。管が血液の逆流や凝固によって閉塞されないように、ヘパリンを流した。
前記方法により調製されたトレーサ68Ga[TMeOHB-DAZA]及び68Ga[TEOHB-DAZA]を、それぞれPBS溶液として導入部から注入し(それぞれ約10MBq、0.3~0.8ml中)、次に直ちに1mlの等張性食塩水(0.9%)で洗浄した。投与は、PET画像化生成手順の開始時間にリストモードで行われた。
(実施例実施態様の結果のまとめ)
式Iの化合物、TEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZA、は68Ga及び64Cuによる標識化に適切な配位子であることを示す。公知の配位子EOB-DTPA及びEHIDAとは異なり、68Ga錯体は、イン・ビボでの脱金属や分解を全く示さなかった。これらの配位子は安定であり、68Ga又は64Cu標識化のための前駆体として保存できる。投与される物質が少量なので、悪い毒物学的効果は予測されない。錯体合成のための68Ga又は64Cuの標識化は、標準的放射性医薬方法により実施される。68Ga-[TEOHB-DAZA]の投与は、ダチョウ受精卵(胚)内の肝臓のみへほとんどが蓄積した(培養卵内でのイン・ビボ試験)。更なる利点は、DAZAから出発して、NaBH4のみを還元剤として使用される、効率の良いワンポット合成を介する、配位子TEOHB-DAZA及びTMeOHB-DAZAの入手容易性である。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
一般式Iの化合物、
(化1)
Figure 0007299911000016
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、独立して水素及びアルコキシから選ばれる。)
又は、その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体若しくは溶媒和物であって、その放射能標識された錯体も含まれる、前記化合物。
(態様2)
前記放射能標識された錯体は、式Iの化合物並びに、 68 Ga、 64 Cu、 67 Ga、 111 In、及び 99m Tcを含む基から選ばれる放射性同位体からなる、若しくは一般式IIの錯体:
(化2)
Figure 0007299911000017
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、及びR 12 は態様1記載のとおりであり、Xは 68 Ga、 67 Ga、及び 111 Inから選ばれる。)又は、
その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体若しくは溶媒和物である、態様1記載の化合物。
(態様3)
前記置換基R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;
前記置換基R 5 、R 6 、R 7 、及びR 8 の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;並びに
前記置換基R 9 、R 10 、R 11 、及びR 12 の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素である、態様1又は2記載の化合物。
(態様4)
R 1 はアルコキシであり、R 2 、R 3 、及びR 4 は水素であり;
R 5 はアルコキシであり、R 6 、R 7 、及びR 8 は水素であり;
R 9 はアルコキシであり、R 10 、R 11 、及びR 12 は水素である;
又は、
R 2 はアルコキシであり、R 1 、R 3 、及びR 4 は水素であり;
R 6 はアルコキシであり、R 5 、R 7 、及びR 8 は水素であり;
R 10 はアルコキシであり、R 9 、R 11 、及びR 12 は水素である;
又は、
R 3 はアルコキシであり、R 1 、R 2 、及びR 4 は水素であり;
R 7 はアルコキシであり、R 5 、R 6 、及びR 8 は水素であり;
R 11 はアルコキシであり、R 9 、R 10 、及びR 12 は水素である;
又は、
R 4 はアルコキシであり、R 1 、R 2 、及びR 3 は水素であり;
R 8 はアルコキシであり、R 5 、R 6 、及びR 7 は水素であり;
R 12 はアルコキシであり、R 9 、R 10 、及びR 11 は水素である、態様1~3のいずれか一項記載の化合物。
(態様5)
R 2 はアルコキシであり、R 1 、R 3 、及びR 4 は水素であり;
R 6 はアルコキシであり、R 5 、R 7 、及びR 8 は水素であり;
R 10 はアルコキシであり、R 9 、R 11 、及びR 12 は水素である、
態様1~4のいずれか一項記載の化合物。
(態様6)
R 2 、R 6 、及びR 10 は、独立して-O-C 1-12 アルキルであり、該アルキルラジカルは非分岐又は分岐である、態様5記載の化合物。
(態様7)
R 2 、R 6 、及びR 10 は、独立してメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、ヘキソキシ及びオクトキシから選ばれる、態様6記載の化合物。
(態様8)
R 2 、R 6 、及びR 10 はエトキシである、態様1~7のいずれか一項記載の化合物。
(態様9)
R 2 、R 6 、及びR 10 はメトキシである、態様1~8のいずれか一項記載の化合物。
(態様10)
トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン及びトリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミンから選ばれる、態様1記載の化合物。
(態様11)
68 Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
64 Cu[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
67 Ga[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
111 In[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
99m Tc[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、及び、
99m Tc[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]から選ばれる、態様2記載の化合物。
(態様12)
68 Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
68 Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン],
64 Cu[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、及び
64 Cu[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]から選ばれる、態様2記載の化合物。
(態様13)
態様1~12いずれか一項記載の、前記式I又は式IIの化合物を含む、医薬組成物若しくは放射性医薬組成物であって、任意で1以上の医薬として許容し得る希釈剤又はビヒクルと組み合わせてもよい、前記医薬組成物若しくは放射性医薬組成物。
(態様14)
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む、態様13記載の医薬組成物又は放射性医薬組成物。
(態様15)
態様2、11又は12いずれか一項記載の 68 Ga、 64 Cu、 67 Ga、 111 In又は 99m Tc錯体を調製するための配位子としての、態様1又は10記載の化合物の使用。
(態様16)
肝臓の画像化で使用するための、態様2~9、11及び12いずれか一項記載の化合物、又は、態様13若しくは14記載の医薬組成物若しくは放射性医薬組成物。
(態様17)
放射性医薬的調製物を準備するためのキットであって、所定量の式Iの化合物又は式IIの化合物及び、任意で該キットの構成要素を使用するための指示書を備えた密封アンプルを含む、前記キット。
(態様18)
態様1及び2~10いずれか一項記載の一般式Iの化合物の調製方法であって、
a) 式IIIの化合物を合成するステップ、
(化3)
Figure 0007299911000018
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、及びR 8 は、態様1~9いずれか一項記載のとおりである。)であって、該合成ステップは、式IVの化合物の
(化4)
Figure 0007299911000019
(式中、R 9 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、態様1~9いずれか一項記載のとおりである。)、式(V)の化合物との反応を経由し:
(化5)
Figure 0007299911000020
該反応は、メタノールなどの適切な溶媒の存在下で行われる、前記ステップ;並びに
b) 式IIIの化合物を、還元条件下でNaBH 4 等の適切な還元剤と、適切な溶媒の存在下で反応させるステップ、
を含む前記調製方法。
(態様19)
態様2~9、11及び12いずれか一項記載の一般式IIの化合物の調製方法であって、式Iの化合物を 68 Ga含有溶液とpH5.0以下で、又は、 64 Cu含有溶液とpH4.0以上で処理することを含む、前記調製方法。
(態様20)
50℃以上、好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃で行われる、態様19記載の方法。
(態様21)
動物又はヒトの肝臓の画像取得方法であって、下記ステップ:
(a)動物又はヒトへ、態様2~9、11又は12のいずれか一項記載の式IIの化合物を含む医薬組成物を投与するステップ、
(b)該処置された動物又はヒトの、PET又はPET/CTスキャンを行うステップ、
(c)式IIの化合物による測定可能なエミッションシグナルを、関心対象とする動物又はヒトから検出するステップ;及び
(d)該測定可能なシグナルから画像を生成して、それにより動物又はヒトの肝臓画像を得るステップを含む方法。
(態様22)
肝臓内に選択的に蓄積する態様2~9、11又は12のいずれか一項記載の式IIの化合物。
(態様23)
少なくとも50MBqの放射能壊変速度を有する、態様13又は14記載の医薬組成物。
(態様24)
(ヒト血清及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS))内で少なくとも4時間、少なくとも98%の安定性を有する、態様13、14又は23のいずれか一項記載の医薬組成物。


(参考文献)
Figure 0007299911000021
Figure 0007299911000022
Figure 0007299911000023
Figure 0007299911000024
Figure 0007299911000025
Figure 0007299911000026

Claims (26)

  1. 一般式Iの化合物:
    Figure 0007299911000027
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、独立して水素及びアルコキシから選ばれる。)
    又は、その医薬として許容し得る無機酸若しくは有機酸との塩、水和物、立体異性体若しくは溶媒和物。
  2. 一般式IIの化合物:
    Figure 0007299911000028
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、独立して水素及びアルコキシから選ばれ、Xは68Ga及び67Gaから選ばれる。)
    又は、その立体異性体。
  3. 前記置換基R1、R2、R3、及びR4の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;
    前記置換基R5、R6、R7、及びR8の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素であり;並びに
    前記置換基R9、R10、R11、及びR12の一つはアルコキシであり、その他の三つの置換基は水素である、請求項1又は2記載の化合物。
  4. R1はアルコキシであり、R2、R3、及びR4は水素であり;
    R5はアルコキシであり、R6、R7、及びR8は水素であり;かつ
    R9はアルコキシであり、R10、R11、及びR12は水素である;
    又は、
    R2はアルコキシであり、R1、R3、及びR4は水素であり;
    R6はアルコキシであり、R5、R7、及びR8は水素であり;かつ
    R10はアルコキシであり、R9、R11、及びR12は水素である;
    又は、
    R3はアルコキシであり、R1、R2、及びR4は水素であり;
    R7はアルコキシであり、R5、R6、及びR8は水素であり;かつ
    R11はアルコキシであり、R9、R10、及びR12は水素である;
    又は、
    R4はアルコキシであり、R1、R2、及びR3は水素であり;
    R8はアルコキシであり、R5、R6、及びR7は水素であり;かつ
    R12はアルコキシであり、R9、R10、及びR11は水素である、請求項1~3のいずれか一項記載の化合物。
  5. R2はアルコキシであり、R1、R3、及びR4は水素であり;
    R6はアルコキシであり、R5、R7、及びR8は水素であり;かつ
    R10はアルコキシであり、R9、R11、及びR12は水素である、
    請求項1~4のいずれか一項記載の化合物。
  6. R2、R6、及びR10は、独立して-O-C1-12アルキルであり、該アルキルラジカルは非分岐又は分岐である、請求項5記載の化合物。
  7. R2、R6、及びR10は、独立してメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、ヘキソキシ及びオクトキシから選ばれる、請求項6記載の化合物。
  8. R2、R6、及びR10はエトキシである、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
  9. R2、R6、及びR10はメトキシである、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
  10. トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン及びトリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミンから選ばれる、請求項1記載の化合物。
  11. 68Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    68Ga[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(3-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(5-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(6-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(3-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、
    67Ga[トリス-N,N',N''(5-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、及び
    67Ga[トリス-N,N',N''(6-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]
    から選ばれる、請求項2記載の化合物。
  12. 68Ga[トリス-N,N',N''(4-エトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]、及び
    68Ga[トリス-N,N',N''(4-メトキシ-2-ヒドロキシベンジル)-1,4-ジアゼパン-6-アミン]
    から選ばれる、請求項2記載の化合物。
  13. 請求項1~12いずれか一項記載の、前記式I又は式IIの化合物を含む、医薬組成物若しくは放射性医薬組成物であって、任意で1以上の医薬として許容し得る希釈剤又はビヒクルと組み合わせてもよい、前記医薬組成物若しくは放射性医薬組成物。
  14. リン酸緩衝生理食塩水(PBS)をさらに含む、請求項13記載の医薬組成物又は放射性医薬組成物。
  15. 請求項2、11又は12いずれか一項記載の68Ga又は67Ga錯体を調製するための配位子としての、請求項1又は10記載の化合物の使用。
  16. 肝臓の画像化で使用するための、請求項2~9、11及び12いずれか一項記載の化合物、又は、請求項13若しくは14記載の医薬組成物若しくは放射性医薬組成物。
  17. 放射性医薬的調製物を準備するためのキットであって、所定量の請求項1~12いずれか一項記載の式Iの化合物又は式IIの化合物を含む密封アンプル、及び、任意で該キットの構成要素を使用するための指示書を備えた、前記キット。
  18. 請求項1又は10記載の一般式Iの化合物の調製方法であって、
    a) 式IIIの化合物を合成するステップ、
    Figure 0007299911000029
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、請求項1記載のとおりである。)であって、該合成ステップは、式IVの化合物の
    Figure 0007299911000030
    (式中、R9、R10、R11、及びR12は、請求項1記載のとおりである。)、式(V)の化合物との反応を経由し:
    Figure 0007299911000031
    該反応は、メタノールなどの適切な溶媒の存在下で行われる、前記ステップ;並びに
    b) 式IIIの化合物を、還元条件下でNaBH4等の適切な還元剤と、適切な溶媒の存在下で反応させるステップ、
    を含む、前記調製方法。
  19. 請求項2~9、11及び12いずれか一項記載の一般式IIの化合物の調製方法であって、式Iの化合物を68Ga含有溶液とpH5.0以下で処理することを含む、前記調製方法。
  20. 50℃以上で行われる、請求項19記載の方法。
  21. 80℃以上で行われる、請求項19又は20記載の方法。
  22. 100℃で行われる、請求項19~21のいずれか一項記載の方法。
  23. 動物又はヒトの肝臓の画像取得方法であって、下記ステップ
    (a請求項2~9、11又は12のいずれか一項記載の式IIの化合物が投与された動物又はヒトの、PET又はPET/CTスキャンを行うステップ、
    )式IIの化合物による測定可能なエミッションシグナルを、関心対象とする動物又はヒトから検出するステップ;及び
    )該測定可能なシグナルから画像を生成して、それにより該動物又はヒトの肝臓画像を得るステップを含む、前記方法。
  24. 肝臓内に選択的に蓄積する請求項2~9、11又は12のいずれか一項記載の式IIの化合物。
  25. 少なくとも50MBqの放射能壊変速度を有する、請求項13又は14記載の医薬組成物。
  26. (ヒト血清及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS))内で少なくとも4時間、少なくとも98%の安定性を有する、請求項13、14又は25のいずれか一項記載の医薬組成物。
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