本発明者らは、髪のセクションの中にウェーブを生成させるための代替的な装置および方法を考え出し、本発明は、この装置、および、使用の方法に関するものである。この装置および方法は、下記に記載されているように、公知の装置および方法を上回る利点を有している。また、本発明は、ヘア・スタイリング・デバイスの中で使用するのに適切なドライブ・システムに関するものである。
本発明の第1の態様によれば、髪のセクションをウェーブ形態にクランプすることなく、髪のセクションにウェーブを付与するためのヘア・スタイリング・デバイスであって、デバイスは、第1の形成部材および第2の形成部材と、第1の形成部材と第2の形成部材との間の髪受け入れ領域と、駆動部材とを有しており、駆動部材は、第1の形成部材および第2の形成部材に対して第1の方向に髪受け入れ領域の中へ移動可能であり、駆動部材は、髪のセクションを髪受け入れ領域の中へ駆動するように適合されており、駆動部材は、第1の形成部材および第2の形成部材に対して第2の方向にも移動可能であり、第2の方向は、第1の方向に対して所定の角度になっており、それによって、髪受け入れ領域の中の髪のセクションをさらに移動させる、ヘア・スタイリング・デバイスが提供される。
国際公開第2014/122442号と共通して、髪は、本発明において、加熱されたプレート同士の間にクランプされない。本発明者らは、髪の任意のクランピングを回避することが、より審美的に魅力的なウェーブを作り出すことができるより自然な曲線を有するウェーブを髪が形成することを可能にするということを見出した。また、髪がスタイリング温度まで加熱されて同時にクランプされる場合には、髪への損傷の可能性が増加することが知られており、したがって、任意のクランピングの回避が、損傷の可能性を著しく低減させる。
国際公開第2014/122442号は、駆動部材が、移動の単一の段階において、具体的には、第1の方向に、髪受け入れ領域の中へ移動する配置を開示している;また、駆動部材は、髪受け入れ領域の中の髪のセクションをさらに移動させるために、第2の方向に移動しない。とりわけ、図23~図27の配置において、駆動部材は、連続的な(回転)移動を伴うスパイラルであり、スパイラルの増加する半径は、移動の単一の方向に髪受け入れ領域の中へ髪のセクションを(見られるように、下向きに)押圧する。
2段階の、および、2つの異なる方向への、上述の駆動部材の移動、ならびに、結果として生じる2つの異なる方向への髪受け入れ領域の中への髪のセクションの押圧は、3次元のウェーブを提供し、そのようなウェーブは、多くのユーザーにとって審美的に望ましい。3次元のウェーブは、国際公開第2014/122442号において想定されており、図12~図18に対する代替的な配置が開示されており、そこでは、駆動部材および形成部材の側部同士が、反対側に角度付きになっており、3次元のウェーブを推進する。その実施形態は、髪のセクションが角度付きの側部に係合するときに髪のセクションが横方向に移動することに依存しており、2つの異なる方向への駆動部材の2段階移動のおかげで髪のセクションを3次元の形態へと積極的に駆動する本発明ほど信頼性が高くなくまたは繰り返し性がない。
好ましくは、駆動部材の移動は、第1の方向におよび/または第2の方向に線形になっている。第2の方向は、第1の方向に対して実質的に垂直になっていることが可能であり、駆動部材が、初期に髪のセクションを直接的に髪受け入れ領域の中へ押圧することができ、その後に、直接的に髪受け入れ領域に沿って髪のセクションを移動させることができるようになっている。
駆動部材の垂直の移動は必要ではなく、実用的な実施形態では、駆動部材の移動の第1の方向と第2の方向との間に鋭角が存在することが可能であるということが理解されることとなる。それにもかかわらず、第1の方向への移動と第2の方向への移動との間に鋭角が存在する実施形態は、第1および第2の方向が垂直になっている実施形態よりも機械的に単純であることとなるということが予期される。
第1の段階と第2の段階との間に、駆動部材の移動の任意の休止が存在することは意図されていないが、それは除外されない。また、実用的なデバイスでは、第1の方向の移動と第2の方向の移動との間に、所定の接合部が存在しないこととなるということが予期され、対照的に、駆動部材は、第1の方向への第1の段階移動および第2の方向への第2の段階移動を接合する湾曲した経路に沿って移動することとなるということが予期される。したがって、実用的な実施形態では、移動の第1の段階が終了して移動の第2の段階が開始する場所を精密に決定することが常に可能であるわけではないが、それにもかかわらず、2つの異なる方向への移動の2つの段階を識別することが可能であることとなる。
好ましくは、髪受け入れ領域は、細長いチャネルまたはスロットの形態になっており、第1および第2の形成部材は、チャネルの長手方向軸線の方向に細長くなっている(形成部材は、たとえば、レールまたはビームの形態になっている)。移動の第1の段階の間に、駆動部材は、チャネルの中へ移動することが可能であり、移動の第2の段階の間に、駆動部材は、チャネルに沿って移動することが可能である。また、駆動部材は、細長い形態のもの、たとえば、レールまたはビームであることが可能である。
国際公開第2014/122442号では、髪受け入れ領域は、第1の方向に対して垂直の方向に比較的に小さい寸法を有している。髪受け入れ領域は、チャネルの(または、その他の細長い)形態であることは必要とされない。その理由は、本発明とは異なり、それらは、第2の方向への髪のセクションの任意の重要な移動を収容することを必要とされないからである。
その最も簡単な形態では、デバイスは、2つの形成部材および単一の駆動部材だけを含み、髪のセクションの中へ単一のウェーブを付与することが可能である。しかし、好適な実施形態では、髪のセクションの中へ複数のウェーブを付与するために、複数の髪受け入れ領域を画定する複数の形成部材、および、複数の駆動部材が存在している。好ましくは、髪受け入れチャネルは、近隣の形成部材のそれぞれの対の間に設けられている。
複数の駆動部材を有する実施形態では、好ましくは、髪のセクションが駆動部材によって変形させられるときに、髪のセクションに印加される張力を最小化するために、駆動部材がシーケンシャルに移動するということにされる。第1の駆動部材は、第2の駆動部材が第1の方向に移動させられる前に、第2の方向に移動することを停止することが可能であるが、駆動部材の何らかの重なり合っている移動が提供され得る(そして、重なり合っている移動は、開示されているドライブ・システムを利用するそれらの実施形態に好適である)。髪のセクションをクランプすることがないということは、連続的な駆動部材が髪のセクションが変形することを引き起こすときに、最小の抵抗によって髪が髪受け入れ領域の中に移動することを可能にする。
好ましくは、デバイスの1つまたは複数のパーツが加熱され、それによって、ウェービング・プロセスの間に髪のセクションを加熱する。外部ヘア・ドライヤーの使用は除外されないが、デバイスに装着されている電気式の加熱エレメントなどによる直接的な加熱が好適である。たとえば、形成部材のうちのいくつかまたはすべては(ならびに、適用可能な場合には、駆動部材のうちのいくつかまたはすべても)、電気式の加熱エレメントを含有することが可能である。
望ましくは、チャンバーが、ウェービング・プロセスの間に髪のセクションを含有するために設けられている。そのような実施形態では、形成部材および駆動部材が、チャンバーの中に位置付けされている。また、そのような実施形態では、チャンバーの壁部のうちの1つまたは複数が、それぞれの電気式の加熱エレメントによって加熱され得る。
デバイスの1つの実施形態は、本体部および閉鎖パーツまたは蓋部を有しており、閉鎖パーツは、開位置と閉位置との間で本体部に対して移動可能であり、開位置では、髪のセクションがデバイスの中へ導入され得、閉位置では、チャンバーが実質的に閉じられている。髪のセクションの近位(または、頭皮)端部は、閉鎖パーツがその閉位置にあるときにクランプされており、これが可能であるのは、通常は髪のセクションの近位端部がスタイリング動作の間にデバイスに対して移動する必要がないからであるということにされ得る。それにもかかわらず、近位端部(および、スタイリングされるべきではない髪のセクションの他のパーツ)がデバイスによってクランプされないこととなるということが好適である。好ましくは、(移動可能な)駆動部材は、本体部に装着されており、(固定された)形成部材は、閉鎖パーツに装着されている。また、好ましくは、駆動部材のための制御メカニズムは、本体部の中に装着されている。
好ましくは、複数の駆動部材を有する実施形態では、髪受け入れ領域は、また、隣接する駆動部材のそれぞれの対の間に提供され、したがって、形成部材は、また、隣接する駆動部材の間の髪受け入れ領域の中へ髪のセクションを駆動または押圧するように効果的に作用する。「駆動部材」という用語は、移動可能な髪変形コンポーネントを説明するために本明細書で使用されており、「形成部材」という用語は、移動不可能なまたは固定された髪変形コンポーネントを説明するために使用されている(ここで、移動は、デバイスの本体部に対して考えられる)。これは、駆動部材および形成部材の両方がデバイスの本体部に対して移動可能であるという可能性を排除しないが、そのような実施形態は、著しくより機械的に複雑になる傾向がある。
国際公開第2014/122442号と共通して、チャンバーに閉鎖パーツを提供することは、4つの主な目的を果たす。第1に、チャンバーが加熱される実施形態では、閉鎖パーツは、髪進入開口部を通る対流による熱の損失を低減させることが可能である。第2に、チャンバーが加熱されるそれらの実施形態では、閉鎖パーツは、ユーザーがデバイスの加熱された表面に触れる可能性を低減させることが可能である。第3に、閉鎖パーツは、無関係な髪がチャンバーの中の移動しているコンポーネントによって係合される可能性(それは、そうでなければ、もつれおよび/またはユーザーに対する不快感を引き起こす可能性がある)を低減させることが可能である。第4に、髪のセクションをスタイリングすることを助けるためにヘア・トリートメント製品が使用される場合には、実質的に閉じられたチャンバーは、環境へ逃げる(蒸発した)製品の量を低減させることが可能である。
望ましくは、形成部材は、湾曲した表面を有しており、デバイスの動作の間に髪のセクションが変形させられるときに、髪のセクションが湾曲した表面の周りに曲がる。また、望ましくは、駆動部材は、使用の間に髪のセクションと係合可能な湾曲した表面を有している。湾曲した表面の提供は、ウェーブが形成されるときに、形成部材および駆動部材を越えて髪がスライドすることを支援し、それによって、髪のセクションが駆動部材によって変形させられているときに、髪のセクションの中の張力を最小化する。
いくつかの実施形態では、3つから10個の間の形成部材、および、それよりも1つ少ない駆動部材が存在している。好適な実施形態では、5つの駆動部材および6つの形成部材が存在しており、それぞれの近隣の対の形成部材は、髪受け入れ領域を提供しており、それぞれの駆動部材は、髪受け入れ領域の中へ(および、髪受け入れ領域に沿って)移動することが可能である。
移動の第1の段階の間に、それぞれの駆動部材は、そのスタート位置またはレスト位置から中間位置へ第1の方向に移動し、次いで、移動の第2の段階の間に、限界位置または極限位置へ第2の方向に移動するということが理解されることとなる。スタート位置と限界位置との間の距離は、デバイスによって作り出されるウェーブのそれぞれの中の髪のセクションの長さの大部分を決定する。したがって、駆動部材がその限界位置にあるときに、髪のセクションの最大の変形が起こる。当然のことながら、動作のそれぞれのサイクルの中に移動のさらなる段階が存在しており、さらなる段階の間に、駆動部材は、スタート位置に移動して戻るが、2段階移動、第1の段階、および第2の段階という用語は、髪のセクションの中の変形を増加させる駆動部材の移動を本明細書では表しており、すなわち、限界位置に向けての駆動部材の移動を表している。
いくつかの実施形態では、それぞれのウェーブの中の髪のセクションの長さは、限界位置の(ユーザーによる)調節を可能にすることによって、たとえば、駆動部材が第2の方向に移動する距離の調節を可能にすることによって、変化させられ得る。
髪の自然な弾性は、駆動部材がそれらの限界位置に到達したときに移動することを停止した後に、髪のセクションが弛緩しようとすることを引き起こすこととなり、すなわち、髪のセクションの中の個々の髪は、真っ直ぐに伸びることを求めることとなり、それによって、髪が曲げられている任意の鋭い角部を軟化させるということが理解されることとなる。髪のセクションが弛緩することとなる程度は、ユーザーの髪タイプによって部分的に決定され、髪のセクションが加熱される温度よって部分的に決定され、および、(他の要因のなかでも)ユーザーの髪が濡れているかまたは乾燥しているかということによって部分的に決定される。本発明者らは、髪が弛緩することを許容することが望ましく、その理由は、それが髪のセクションの中のより柔らかな曲線およびより自然に見えるウェーブを生成させるからであるということを認識した。したがって、駆動部材が限界位置にある状態でウェーブがセットされ得るが、それは、鋭い曲線および審美的に魅力の少ない外観を有するウェーブを生成させる傾向がある。本発明者らは、髪が弛緩する(信頼性が低く変わりやすい)傾向に依存することを好まず、その代わりに、随意的に、ウェーブがセットされる前に、駆動部材を限界位置から離れるように後退させることによって、髪の弛緩を支援する。
代替的に述べられるように、上記の要因に加えて、より自然に見えるウェーブへと弛緩する髪の能力は、駆動部材および形成部材に対する髪のセクションの移動への抵抗によって部分的に制限され;限界位置から離れるように駆動部材を後退させることによって、駆動部材と髪のセクションとの間の係合が低減され(または、恐らく、排除され)、また、髪のセクションの中の張力が低減され、その両方が、髪受け入れ領域の中でより自然に見えるウェーブへと弛緩する髪のセクションの能力を増加させるということが理解されることとなる。
本発明の第2の態様によれば、髪のセクションにウェーブを付与するためのヘア・スタイリング・デバイスであって、デバイスは、第1の形成部材および第2の形成部材と、第1の形成部材と第2の形成部材との間の髪受け入れ領域と、1次的な駆動エレメントとを有しており、1次的な駆動エレメントは、第1の形成部材および第2の形成部材に対して移動可能であり、1次的な駆動エレメントは、髪のセクションを髪受け入れ領域の中へ髪変形方向に移動させるように適合されており、デバイスは、2次的な駆動エレメントを有しており、2次的な駆動エレメントは、第1の形成部材および第2の形成部材に対して移動可能であり、2次的な駆動エレメントは、髪受け入れ領域の中の髪のセクションを髪変形方向とは反対の方向に移動させるように適合されている、ヘア・スタイリング・デバイスが提供される。
国際公開第2014/122442号は、駆動エレメントが髪受け入れ領域の中へ髪変形方向に移動する配置を開示している;しかし、髪変形方向とは反対の方向に髪のセクションを駆動するように適合された2次的な駆動エレメントは存在していない。とりわけ、図23~図27および図28~図32の配置では、駆動エレメントは、髪受け入れ領域の中へ進入し、次いで、髪受け入れ領域から外へ逆に戻り、それは、髪のセクションが髪受け入れ領域の中で弛緩することを許容する。しかし、本発明者らは、ウェーブを柔らかくすることをより信頼性が高く繰り返し可能に(そして、複数のウェーブが髪のセクションに沿って形成される場合には、より均一に)行うために、より弛緩した位置へと髪のセクションを積極的に駆動することが好ましいということを見出した。
上記に説明されているように、本発明者らは、クリンパーおよびヘア・ウェーバーは、最も自然に見える審美的に魅力的なウェーブを生成させず、その理由は、髪がスタイリングされているときに髪がクランプされているからであるということを見出した。対照的に、本発明によって生成されるウェーブの外観は、髪のセクションがその最も自然な湾曲(理想的には、任意の張力またはクランピングがない)をとることができるスペースの中へ髪のセクションが弛緩することを可能にすることによって強化される。したがって、髪のセクションは、最初に、より弛緩した位置へ2次的な駆動エレメントによって駆動されるが、2次的な駆動エレメントは、そのより弛緩した位置において髪を解放し、髪のセクションの最終的な湾曲が、デバイスの表面によってというよりもむしろ髪自身によって主に決定されるようになっているということにされ得る。
本発明の第3の態様によれば、デバイスによって髪のセクションをスタイリングする方法であって、デバイスは、第1の形成部材および第2の形成部材と、第1の形成部材と第2の形成部材との間の髪受け入れ領域と、第1の形成部材および第2の形成部材に対して移動可能な1次的な駆動エレメントと、第1の形成部材および第2の形成部材に対して移動可能な2次的な駆動エレメントとを有しており、方法は:
{i} 第1および第2の形成部材に対して1次的な駆動エレメントを移動させ、髪のセクションを第1の髪受け入れ領域の中に髪変形方向に移動させるステップと、
{ii} 第1の形成部材および第2の形成部材に対して2次的な駆動エレメントを移動させ、髪受け入れ領域の中の髪のセクションを髪変形方向とは反対の方向に駆動するステップと
を含む、方法が提供される。
1次的なおよび2次的な駆動エレメントは、第1および第2の形成部材に対して一緒に移動し得る。ステップ{i}では、1次的な駆動エレメントは、髪変形方向に限界位置へ移動し得る;ステップ{ii}では、2次的な駆動エレメントは、逆方向に後退位置へ移動し得、または、代替的に、スタート位置へ移動して戻り得る。
好ましくは、2次的な駆動エレメントが(逆)移動を行うまで、および、ウェーブがより弛緩した位置の中へ駆動されるまで、ウェーブは髪のセクションの中にセットされないということにされる。ウェーブが熱の印加によってセットされる実施形態では、2次的な駆動エレメントが逆移動を完了した後まで、所望の動作温度が到達されないということにされ得る。したがって、動作の好適なシーケンスは、髪のセクションを髪受け入れ領域の中に髪変形方向に駆動し、髪受け入れ領域の中の髪のセクションをより弛緩した位置の中へ逆方向に駆動し、次いで、ウェーブをセットするということである。
理想的には、髪のセクションは、ウェーブがセットされる前に、2次的な駆動エレメントから(および、1次的な駆動エレメントからも)解放される。
第1の態様および第2の態様を組み合わせるか、または、第1の態様および第3の態様を組み合わせる実施形態では、1次的なおよび2次的な駆動エレメントが、駆動部材によって担持され得る。また、2次的な駆動エレメントは、第2の方向とは反対の逆方向に髪のセクションを駆動するように適合され得る。
2次的な駆動エレメントは、それ自身で逆方向に移動することが可能であり、または、2次的な駆動エレメントは、髪変形方向とは反対の方向への移動の成分によって、より複雑な経路に沿って移動することが可能である。同様に、髪のセクションは、髪変形方向とは反対の方向への移動の成分によって、所定の経路に沿って2次的な駆動エレメントによって駆動され得る。したがって、第2および第3の態様による本発明は、髪のセクションが髪変形方向とは反対の方向に直接的に駆動されることを必要とせず;2次的な駆動エレメントが、少なくとも、髪変形方向とは反対の方向への移動の成分を有するという条件で、それは、髪のセクションが少なくとも部分的にその方向に移動することを許容することとなり、それによって、より自然に見えるウェーブへと弛緩することを許容することとなるということが認識される。
好ましくは、1次的なおよび2次的な駆動エレメントは、一緒に移動するように接続されており、理想的には、ユニタリー・コンポーネントのパーツになっている。1次的なおよび2次的な駆動エレメントが髪変形方向とは反対の逆方向に一緒に移動する実施形態では、逆方向への1次的な駆動エレメントの移動は、髪のセクションを解放し、髪のセクションが弛緩することを可能にし、逆方向への2次的な駆動エレメントの移動は、より弛緩した位置へ髪のセクションを駆動する。
いくつかの実施形態では、デバイスは、所定の(後退)位置を有しており、2次的な駆動エレメントは、髪変形方向とは反対の方向に、所定の(後退)位置へ逆にされる。しかし、好ましくは、2次的な駆動エレメントは、完全に逆になり、すなわち、2次的な駆動エレメントは、ウェーブがセットされる前に、スタート位置までずっと戻るように移動する。複数の1次的な駆動エレメントおよび複数の2次的な駆動エレメントを有する実施形態では、理想的には、2次的な駆動エレメントのすべてが、後退位置またはスタート位置へ一緒に移動し、駆動エレメントの移動のこの部分の間に髪のセクションにかかる張力がほとんどないかまたは全くないということが認識される。
本発明の第4の態様によれば、髪のセクションをウェーブ形態にクランプすることなく、髪のセクションにウェーブを付与するためのヘア・スタイリング・デバイスであって、デバイスは、第1の形成レールおよび第2の形成レールと、第1の形成レールと第2の形成レールとの間の髪受け入れチャネルと、駆動レールとを有しており、駆動レールは、髪受け入れチャネルの外側の位置と髪受け入れチャネルの中の位置との間で第1の方向に移動可能であり、第1の駆動レールは、また、髪受け入れチャネルに沿って第2の方向に移動可能である、ヘア・スタイリング・デバイスが提供される。
「チャネル」および「レール」という用語は、本発明のこの態様によるそれぞれのコンポーネントの細長い形態を明確化するために使用されているが、その他の方法で、それらのコンポーネントの形態に限定していない。
国際公開第2014/122442号の実施形態は、小さい束を含む髪のセクションにウェーブを付与するように示されて説明されているが、この態様による本発明は、主に、リボンのような髪のセクションの中へウェーブを付与するのに適している。「束」および「リボン」という用語は、精密に定義されていないが、それらは、束がより小さい幅および深さを有しており、一方、リボンが深さよりもはるかに大きい幅を有しているという点において、本明細書で区別されている。とりわけ、細長いチャネルおよび細長い形成レールおよび駆動レールを提供することは、レールに沿っておよびレールを横切って髪をリボンへと広げることによって、より大きい体積の髪をユーザーがスタイリングすることを可能にする。
好ましくは、駆動レールは、複数の直立した駆動エレメントまたはペグを有している。ペグは、レールに沿って髪のセクション(リボン)を分離し、駆動レールが髪受け入れチャネルに沿って移動するときに、個々の髪が隣接するペグ同士の間の適切な位置に残ることを確保することを助ける。ペグがなければ、髪のセクションの中の個々の髪は、駆動レールが移動させられるときに、レールに沿ってスライドし得、デバイスによって生成されるそれぞれのウェーブの髪の所定の長さを低減させる。直立したペグの提供は、ウェーブのそれぞれの中の髪の所定の長さがより信頼性高く制御されることを確保することを助ける。加えて、上昇したペグの提供は、髪のセクションの中の個々の髪のすべてが同様のウェーブ形態へと変形させられることを確保することを助ける(ペグがなければ、より低密度に詰められたリボンの部分の中の個々の髪が、より高密度に詰められたリボンの部分の中の個々の髪よりも多くレールに沿ってスライドする可能性があり、リボンを横切って不均一なウェーブを結果として生じさせる)。
望ましくは、形成レールのうちの少なくとも1つは、複数の直立した形成エレメントまたはペグを有しており、それは、上記に記載されている直立した駆動エレメントと同様の利益を提供する。また、望ましくは、駆動レールの駆動エレメントまたはペグは、デバイスの閉鎖パーツが閉じられているときに、形成レールの形成エレメントまたはペグに重なり合っている。したがって、閉鎖パーツが閉じられているときに、重なり合っているペグは、駆動部材の移動の前に、髪のセクションまたはリボンがより小さいセクションに分離されることを引き起こし、それぞれのより小さい髪のセクションのその後の位置は、駆動部材の移動の間にペグによって大きく制御される。
英国特許出願公開第303043号明細書とは異なり、髪は、ウェーブ形態でクランプされない。また、複数の形成部材および複数の駆動部材を有する好適な実施形態では、デバイスの駆動部材のすべてが、それぞれの髪受け入れチャネルに沿って移動させられる。
特定の駆動レールのペグのすべてが一緒に移動するということが理解されることとなる。本発明の第2の態様および第4の態様を組み合わせるか、または、第3の態様および第4の態様を組み合わせる実施形態では、1つのペグは、1次的な駆動エレメントであることが可能であり、隣接するペグは、特定の髪のセクションのための2次的な駆動エレメントであることが可能である。
本発明の第5の態様によれば、髪のセクションをウェーブ形態にクランプすることなく、髪のセクションにウェーブを付与するためのヘア・スタイリング・デバイスであって、デバイスは、第1の形成部材および第2の形成部材と、第1の形成部材と第2の形成部材との間の髪受け入れ領域と、駆動部材とを有しており、駆動部材は、第1の形成部材および第2の形成部材に対して移動可能であり、駆動部材は、髪のセクションを髪受け入れ領域の中へ駆動するように適合されており、デバイスは、髪のセクションを保つためのチャンバーを有しており、チャンバーは、少なくとも1つの電気式の加熱エレメントによって加熱され、デバイスは、大気をチャンバーの中へ駆動するように構成された空気フロー発生器を有しており、デバイスは、加熱エレメントおよび空気フロー発生器の動作を制御するためのコントローラーを有しており、コントローラーは、髪のセクションを第1の温度まで加熱し、次いで、デバイスの動作の間に、髪のセクションを第2の温度まで冷却するように構成されており、第2の温度は、室温を上回っており、第1の温度を下回っている、ヘア・スタイリング・デバイスが提供される。
この態様によるデバイスは、髪のセクションのための二重温度体制を提供しており、第1の(高い)温度は、髪のセクションの中にウェーブを生成させるのに適切なレベルにあり、第2の(低い)温度は、生成されたウェーブをセットするのに十分なレベルにあり、また、加熱された表面が触れられた場合にユーザーが火傷する可能性を低減させるのに十分なレベルにある。
したがって、髪のセクションは、熱の印加(典型的に、おおよそ200℃)によって、所望のウェーブへとより迅速にスタイリングされることとなるということが認識される。また、髪のセクションがデバイスから除去されるときに、髪のセクションがそのような上昇した温度にあるままの場合には、ウェーブのうちのいくらかは喪失されることとなるということが認識される。髪のセクションがデバイスを離れる前に、髪のセクションを冷却することは、起こり得るウェーブの喪失を低減させることとなる。また、髪のセクションを冷却することは、ユーザーによって不注意に触れられる可能性のあるデバイスのコンポーネントの温度を低減させることとなり、それによって、火傷の可能性を低減させる。しかし、第2の温度は、依然として、比較的に高いことが可能であり(たとえば、おおよそ100℃)、コンポーネントおよび髪の次のセクションをその後に再加熱するためにかかる時間(および、必要とされるエネルギー)が著しく低減されるようになっている。
二重温度体制の使用は、髪が周囲温度および低い温度において比較的に弾性であるが、より高い温度においてより軟質でより展性が大きくなるという事実を利用する。多くの髪タイプに関して、髪は、おおよそ200℃においてウェーブへと変形するのに十分に軟質になることとなるが、異なる髪タイプは異なる温度を必要とすることとなるということが認識される。また、温度とスタイリング持続期間との間にトレード・オフが存在しており、典型的に、所望に応じて、より低いスタイリング温度は、より長い期間にわたってその変形位置に保持される髪とともに使用され得、または、より高いスタイリング温度は、より短い期間にわたって保持される髪とともに使用され得る。おおよそ200℃の第1の温度まで髪を加熱することは、髪のセクションの比較的に迅速なスタイリングを可能にすることができる。その後に、髪がデバイスから解放される前に、200℃を十分に下回る第2の温度まで髪を冷却することは、そうでなければ起こり得る湾曲の喪失を低減させることとなる。
第5の態様を本発明の他の態様と組み合わせる実施形態では、好ましくは、駆動部材/レールが、第1の温度が到達される前に、それらの後退位置またはスタート位置へ逆にされるということにされる。移動している駆動部材によって髪のセクションが変形させられているときに、髪のセクションをより低い温度に維持することは望ましく、髪が、より大きい弾性を有するようになっており、駆動部材から解放されるときに、自然に見えるウェーブへとより容易に弛緩することとなるようになっている。
本発明の第6の態様によれば、髪のセクションの中へウェーブを付与するためのヘア・スタイリング・デバイスの中での使用に適切なドライブ・システムであって、ドライブ・システムは、少なくとも3つの駆動レールを有しており、それぞれの駆動レールは、ガード・レールに隣接して装着されており、駆動レールのそれぞれは、ドライブ・メカニズムを有しており、ドライブ・メカニズムは、スタート位置から限界位置へ、そして、スタート位置へ戻るように、駆動レールをガード・レールに対して移動させるように構成されており、ドライブ・システムは、第2の駆動レールがその限界位置へ移動させられる前に、第1の駆動レールをその限界位置へ移動させ、第3の駆動レールがその限界位置へ移動させられる前に、第2の駆動レールをその限界位置へ移動させるように構成されており、第2の駆動レールのドライブ・メカニズムは、第3の駆動レールのドライブ・メカニズムと同一に構成されており、第1の駆動レールのドライブ・メカニズムは、第1の駆動レールがそのスタート位置から離れるように移動することを始動させるように適合されている始動エレメントを除いて、第2の駆動レールのドライブ・メカニズムと同一に構成されており、単一のドライブ・モーターが、少なくとも第2および第3の駆動レールをそれらのスタート位置からそれらの限界位置へ移動させるように作用する、ドライブ・システムが提供される。
好ましくは、少なくとも第1および第2の駆動レールは、それぞれのラッチ・メカニズムによって、それらの限界位置に一時的に固定可能である。そのような配置では、ドライブ・システムは、ラッチ・リリース・メカニズムを組み込み、それによって、第1および第2の駆動レールは、それらの限界位置からそれらのスタート位置へ移動するように解放される。
いくつかの実施形態では、第3の駆動レールは、その限界位置に一時的に固定可能ではない。好ましくは、第3の駆動レールのその限界位置に向けての移動は、第1および第2の駆動レールのためのラッチ・リリース・メカニズムを作動させる。そのような配置では、第3の駆動レールがその限界位置に接近するときに、それが第1および第2の駆動レールを解放し、駆動レールのすべてが(好ましくは、同時に)それらのスタート位置に移動して戻され得るように、ドライブ・システムが構成されている。
代替的な実施形態では、ラッチ・リリース・メカニズムは、ラッチ・メカニズムに直接的に作用する1つもしくは複数のソレノイド(たとえば)、または、ラッチ・リリース・カムによってラッチ・メカニズムに間接的に作用する第2のモーターを含むことが可能である。
望ましくは、ドライブ・システムは、駆動レールのそれぞれをそれらのスタート位置に一時的に固定するための手段を有している。好ましくは、それぞれのドライブ・メカニズムは、その駆動レールをスタート位置に一時的に固定するための第1のラッチング・エレメントと、その駆動レールを限界位置に一時的に固定するための第2のラッチング・エレメントとを有している。
始動エレメントは、第1の駆動レールをそのスタート位置から離れるように駆動するように構成されたソレノイドなどであることが可能である。代替的に、始動エレメントは、第1の駆動レールの一部であることが可能であり、それは、単一のドライブ・モーターによって駆動され、それによって、単一のドライブ・モーターは、駆動レールのすべてをそれらのスタート位置からそれらの限界位置へ移動させるように作用する。代替的に、繰り返しになるが、始動エレメントは、第1の駆動レールを(たとえば、始動カムによって)間接的に移動させるように作用する別個のモーターによって駆動され得る。
望ましくは、第1の駆動レールのドライブ・メカニズムは、第2の駆動レールのドライブ・メカニズムと相互作用しており、それによって、第1の駆動レールの移動は、第2の駆動レールの移動を始動させ、第3のおよび後に続く駆動レールに関して、以下同様である。好ましくは、第2の駆動レールの移動は、第1の駆動レールがその限界位置に接近するときに始動させられ、第3のおよび後に続く駆動レールに関して、以下同様である。
好ましくは、ドライブ・メカニズムのそれぞれは、ガード・レールに対して適切な位置に固定されているピニオンと、駆動レールのためのラックとを有している。望ましくは、少なくとも第2および第3の駆動レールのためのドライブ・メカニズムのピニオンは、駆動レールがそのスタート位置におよびその限界位置にあるときに、それぞれのラックに係合しておらず、それによって、ピニオンの回転は、それらの位置において第2および第3の駆動レールの移動を引き起こさない。したがって、それぞれのラックをそのスタート位置からピニオンと係合した状態へ移動させるために、第2および第3の駆動レールの何らかの(始動)移動が必要とされる。上記に示されているように、好ましくは、第1の駆動レールの移動は、第2の駆動レールの移動を始動させ、第2の駆動レールのその後の移動は、第3の駆動レールの移動を始動させる(後続の駆動レールに関して、以下同様である)ということにされる。
好ましくは、第2の駆動レールの移動は、単に第1の駆動レールがその限界位置に到達する直前に始動させられる(そして、第3のおよびその後の駆動レールに関して同様である)。したがって、第1および第2の駆動レールの移動の中にいくらかの重なりが存在している(そして、同様に、第2および第3の駆動レールの移動の中にいくらかの重なりが存在している)が、その重なりは小さくなっており、髪のセクションの中の張力が最小化されるようになっている。とりわけ、重なりが十分に小さく、それにより、第3の駆動レールがそのスタート位置から移動する前に、第1の駆動レールがその限界位置に到達する(そして、その限界位置に一時的に固定される)ということが望まれる。
本出願は、ヘア・スタイリング・デバイスのための2つの代替的なドライブ・システムを説明している。両方のドライブ・システムにおいて、第1の駆動レールの始動移動に続いて、単一のドライブ・モーターが、駆動レールのすべてをそれらの限界位置へシーケンシャルに移動させる。駆動レールのすべては、(随意的な)ラッチ・メカニズムによって、それらの限界位置に一時的に固定される。説明されているドライブ・システムでは、第2のモーターが、第1の駆動レールの始動エレメントを駆動するために設けられており、第2のモーターは、また、ラッチ・リリース・メカニズムを作動させ、駆動レールがそれらのスタート位置へ駆動されて戻され得るようになっている。モーターの数を最小化することは、ヘア・スタイリング・デバイスの重量およびコストを低減させることが可能である。しかし、他の態様による本発明は、これらの特定のドライブ・システムの使用に限定されず、また、ドライブ・システムの中で使用されているモーターの数によっても限定されない。
本発明のそれぞれの態様に関する好適なおよび望ましい特徴は、本発明のそれらの他の態様(それらは、それと互換性がある)と組み合わせられるかまたは共有され得る。
ここで、本発明が、例として、添付の図面を参照して、より詳細に説明されることとなる。
ヘア・スタイリング・デバイス10は、一体ハンドル14を備えた本体部12を含む。閉鎖パーツまたは蓋部16が、本体部12に接続されている。この実施形態では、閉鎖パーツ16は、本体部12に枢動可能に装着されているが、他の実施形態では、閉鎖パーツのための他の装着手段が使用される。また、この実施形態では閉鎖パーツ16は、デバイス10の動作のシーケンスの一部として、自動的に、すなわち、モーター(図示せず)によって移動させられる。別の実施形態では、閉鎖パーツは、バネによってその開位置へ付勢されており、ユーザーによって手動で閉じられ、閉鎖パーツは、ラッチによってその閉位置に保持され、ラッチは、スタイリング動作の終わりに自動的に解放される。
本体部12は、(図6~図10により良好に見られるように)複数の可動駆動部材または駆動レール20を担持している。この実施形態では、6つの駆動レール20が存在しているが、他の実施形態では、所望に応じて、より多くのまたはより少ない駆動レールが存在している。駆動レール20のそれぞれは、(図6および図8~図10により良好に見られるように)一連の上昇した駆動エレメントまたはペグ22を有している。駆動レール20は、図1において、それらのスタート位置またはレスト位置にあり、ペグ22の先端部だけが、見ることができる。
閉鎖パーツ16は、複数の形成部材または形成レール24を担持している。この実施形態では、7つの形成レール24が存在しており、すなわち、駆動レール20の数よりも1つ多い形成レール24が存在している。形成レール24のそれぞれは、一連の上昇した形成エレメントまたはペグ26を有しており、そのうちのいくつかが、図8~図10により良好に見られる。
固定されたガード・レール28が、駆動レール20のそれぞれの各側に位置付けされている。ガード・レール28は、単に駆動レール20の厚さよりもわずかに大きい距離だけ分離されており、駆動レール20が、髪がガード・レール28と駆動レール20との間(そこには髪が捕捉され得る)に進入する可能性を最小化しながら、近隣のガード・レール28同士の間をスライドすることができるようになっている。図2の表現図に示されているように、形成レール24は、ガード・レール28と整合させられており、駆動レール20が形成レール24からオフセットされているようになっている。図2の表現図にも示されているように、形成レール24は、ガード・レール28よりも著しく狭くなっており、下記に説明されているように、駆動レールが形成レール24同士の間の髪受け入れ領域38の中へ移動させられたときに、髪のセクション36が駆動レール20と形成レール24との間で容易にスライドすることができるようになっている。
本体部12は、エンド・ガイド30および2つのサイド・ガイド32を有している。閉鎖パーツ16がその閉位置へ移動させられている(枢動させられている)ときには、小さい髪進入ギャップだけがデバイス10のそれぞれの側部に残っており、閉鎖パーツ16がギャップの上部を画定し、本体部12がギャップの底部を画定し、ガイド30および32がギャップの対向する側部を画定した状態になっているということが理解されることとなる。したがって、閉鎖パネル16は、チャンバーを大きく囲むことが可能であり、駆動レール22および形成レール24が、チャンバーの中に位置付けされており、髪のセクションが、下記に説明されているように、チャンバーの中でスタイリングされ得る。髪進入ギャップは、髪がそれを通過することを許容するのに十分に大きくなっており、閉鎖パーツ16は、使用の間に、髪の任意のパーツを本体部12の任意のパーツに接触してクランプしない。
スタイリングされることとなる髪のセクション36は、おおよそそれがデバイス10の中へ導入されることとなる配向で、図1に概略的に示されている。したがって、髪36の選ばれたセクションは、示されているように、デバイスを横切って配向されており、本体部12と閉鎖パーツ16との間に、また、対向するガイド30と32との間に位置決めされている。ガイド30および32は、髪のセクション36をガイド同士の間に正しく位置決めする際にユーザーを支援するようにテーパーが付けられているということが見られることとなる。
デバイスは、ユーザーがガイド30とガイド32との間のギャップを越えて髪のセクション36を不注意に位置決めすることを防止するために、国際公開第2013/186547号に説明されているものなどのような、可動ガイド・パーツを有することが可能である(下記に説明されている第2の実施形態210の可動ガイド・パーツも参照されたい)。
図1に示されている髪のセクション36は、「リボン」の形態になっており、すなわち、それは、その深さdよりもはるかに大きい幅wを有している。髪のそのようなセクションは、デバイス10の効用を最大化するが、デバイスは、望まれる場合には、髪の「束」、すなわち、同様の深さおよび幅を有するセクション(または、恐らく、寸法wよりもいくらか小さい直径を有する近似的な円形である)をスタイリングするために使用され得る。ユーザーが、髪の選ばれたセクションを、図1に示されているようなリボン形態へと広げることが望ましいが、髪の束は、いずれにしても、閉鎖パーツ16がその閉位置へ移動させられるときに、レール20、24に沿って広がるように駆動されることとなり、デバイス10に提示される髪のセクションの構成の中のかなりの裁量がユーザーに利用可能であるようになっているということが理解されることとなる。
図2は、デバイス10の一部を通る断面を表しており、閉鎖パーツ16がその閉位置へ移動させられた条件において、7つの形成レール24および6つの駆動レール20のアレイを示すように提供されている。図2は、図3~図5の表現図から区別するために、ペグ22、26を示しておらず、すなわち、図2は、駆動レール20および形成レール24に関して、隣接するペグ同士の間の断面を表している。
図2は、図1にも見られるように、駆動レール20のスタート位置を表している。その位置において、ペグ22の先端部は、ガード・レール28の上部表面の近くに存在しており、近隣のペグ22同士の間に存在している駆動レール20の線形縁部40(そして、その線形縁部は、図2に示されており、また、図3~図5にも示されている)は、ガード・レール28の上部表面の下方にいくらかの距離に位置付けされている。ガード・レール28と駆動レール20との間の間隔は、明確化のために、図2では誇張されており、そして、上記に述べられているように、実際には、それぞれの駆動レール20は、近隣のガード・レール28同士の間に緊密な滑り嵌めしたもの(close sliding fit)であり、髪が駆動レールとガード・レールとの間に進入することとなる可能性を最小化するようになっている。
また、図2は、主に、図3~図5に示されている丸みを帯びたペグから区別するために、90度の角部になっているものとして、駆動レール20および形成レール24を示している。実際には、駆動レール20および形成レール24の角部は、好ましくは、丸みを帯びていることとなり、髪がウェーブへと変形させられるときに、髪が鋭い角部の周りに強制的に曲げられることを回避するようになっている。
形成レール24のペグ26は図2に示されていないが、ペグ26は、(描かれているように、下向きに)ガード・レール28に向けて突き出ているということが理解されることとなる。閉鎖パーツ16がその閉位置にあるときに、ペグ26の先端部とガード・レール28との間に小さいギャップが存在するということにされ得、これは、髪が捕捉されることとなる可能性を最小化するためにペグ26の先端部が丸みを帯びているということにもかかわらず、髪がペグとガード・レールとの間に不注意に捕捉され得る可能性を回避するために好適である。
また、駆動レール20のペグ22は、図2に示されておらず、ペグ22は、(描かれているように、上向きに)隣接する形成レール24同士の間の髪受け入れ領域38に向けて突き出ているということが理解されることとなる。好ましくは、閉鎖パーツ16がその閉位置にあるときに、ペグ22がペグ26とわずかに重なり合っており、ペグの両方のセットが髪36の所定の長さに係合するということにされる。これは、閉鎖パーツ16が閉じられるときに、髪36のリボンまたはセクションを別個のより小さいセクション(たとえば、図3に表されている別個のより小さいセクション36aなど)に分離する効果を有している。駆動部材20が形成部材24と整合していないので、重なり合っているペグ同士の間に髪がクランプされるかまたは捕捉される危険性は存在していない。
国際公開第2014/122442号に説明されているものと同じ様式で、すなわち、図2に描かれているように左から右へページを横切って、髪のセクション36が駆動レール20と形成レール24との間に置かれるということが理解されることとなる。デバイスが動作されているときには、駆動レール20は、第1の方向D1に、すなわち、図2に描かれているように上向きに移動し、それぞれの駆動レール20が、髪受け入れチャネル38の中へ移動し、髪のセクション36を、ウェーブ状の形態をとるように、それぞれの髪受け入れチャネル38の中へ駆動する。
図3~図5は、単一の駆動レール20の一部、および、単一の形成レール24の対応する一部を、側面図で、すなわち、図2の端面図に対して垂直に表している。とりわけ、図3~図5に関する視線の方向は、図2の右手側からであり、髪のセクション36の中の個々の髪の所定の長さに実質的に沿って見ている。
図3は、駆動レール20のスタート位置を表している。図4は、駆動レール20が第1の方向D1へのその移動を完了した後の中間位置を表している。図5は、駆動レール20が第2の方向D2へのその移動を完了した後の限界位置を表している。
理解しやすくするために、図3は、スタート位置において重なり合っていないものとして、ペグ22および26を示しているが、上記に説明されているように、それらが実際にそのように行うことが好ましい。上記に説明されているように、重なり合っているペグ22、26は、閉鎖エレメント16がその閉位置へ移動させられるときに、髪のセクション36を複数のより小さいセクション36aに分離する効果を有している。図3ではペグ22、26が重なり合っていないものとして示されているにもかかわらず、結果として生じる髪のより小さいセクション36aのうちの1つが、その図の中に表されている。髪のセクション36は、実際には、近隣のペグ22、26の対の間でいくつかのより小さいセクション36aに分離されることとなるということ、および、より小さいセクション36aが、一般的に、スタイリング動作の間にペグ22、26によって分離された状態に維持されるということが理解されることとなる。デバイスの動作を説明するために、髪受け入れ領域38のうちの1つの中の髪のより小さいセクション36aのうちの1つの中のウェーブの形成を説明することだけが必要であり、他の髪受け入れ領域の中の(および、髪の他のより小さいセクションの中の)ウェーブの形成は同様であるということが理解される。
駆動レール20の移動の第1の段階は、図4に描かれているような位置へ第1の方向D1に上向きに(および、線形に)なっている。移動の第1の段階の間に、駆動レール20は、描かれているように形成部材24の後ろにある整合させられた髪受け入れチャネル38に進入する;駆動レール20のペグ22は、形成部材24のペグ26を通過して越えて移動する。
それぞれの近隣のペグ22の対の間に、駆動部材20は、線形縁部40を有しており、それぞれの近隣のペグ26の対の間に、形成部材24は、線形縁部42を有している。移動の第1の段階の間に、線形縁部40は、線形縁部42を通過して越えて移動する。
近隣のペグ22、26のそれぞれの対の間の髪の別個のセクション36aは、したがって、強制的に1次元のウェーブ形態にされる。国際公開第2014/122442号に説明されている動作と同様に、髪のより小さいセクション36aの部分44aは、形成レール24の線形縁部42の下を通り、髪のより小さいセクション36aの部分44bは、近隣の駆動レール20の線形縁部40の上方を通る。図4は、髪のより小さいセクション36aが、それがウェーブへと変形させられるときに、円形の断面形状からより平坦化された断面形状へと押圧されているということを示している(実際には、髪のより小さいセクション36aの実際の形状は、より複雑になる傾向があることとなるが)。
また、駆動レール20の移動の第2の段階は、線形になっており、また、図5に表されているような限界位置へ、第2の方向D2に、描かれているように右になっている。この移動の段階の間に、駆動レール20は、近隣の形成部材24同士の間で、その髪受け入れチャネル38に沿って移動する。したがって、髪の別個のより小さいセクション36aは、図5に表されているようにさらに変形させられる。とりわけ、髪のより小さいセクション36aは、第2の方向D2にウェーブ形態へとさらに変形させられ、部分44aは、そのペグ26の側部46aとの係合によって拘束された状態になっており、一方、部分44cは、そのペグ22aの側部46bとの係合によって方向D2に駆動されている。
髪の別個のより小さいセクション36aのうちの1つだけが図3~図5に表されているが、同様の髪のより小さいセクションが、駆動レール20および形成レール24に沿って、他のペグ22、26(そして、恐らく、ペグ22、26のすべて)の間に位置付けされており、ペグ22、26は、それによって、髪の別個のより小さいセクションのそれぞれが実質的に同じ程度に変形させられることを保証し、髪36のリボン全体に関して均一なウェーブを作り出すということが理解されることとなる。変形は、別個のより小さいセクション36aの中の個々の髪の数にかかわらず実質的に均一になっており、ユーザーは、髪のセクション36が一貫した深さdまたは幅wを有することを保証する必要もなく、デバイスによって連続的にスタイリングされる髪のセクションが一貫したサイズのものであるということを保証する必要もないようになっているということが理解されることとなる。
髪のセクション36の中に作り出されるウェーブのそれぞれの中の髪の長さは、主に、図5の限界位置における部分44aと部分44cとの間の実質的に線形の部分44dの長さによって決定される(それぞれのウェーブの中の髪の長さは、実質的に線形の部分44dの長さのおおよそ2倍になっている)。実質的に線形の部分44dの長さは、主として、形成部材20が第2の方向D2に移動する距離によって決定される。図2の表現図では、形成部材20は、2つの隣接するペグ22同士の間の間隔よりもわずかに大きい距離だけ、第2の方向D2に移動しているが、実際には、形成部材20は、たとえば、近隣のペグ同士の間の間隔のおおよそ5倍または6倍の距離だけ、図2に表されているよりも著しく遠くに移動することとなる。方向D2への駆動部材20の移動は、デバイスの商業的な実施形態において、方向D1への移動をはるかに超えることとなるということが予期される。
したがって、髪のセクション36は、最初に、より小さいセクション36aへと分離され、髪のより小さいセクションは、次いで、2つの異なる方向に駆動されてウェーブ形態になる。
図3~図5は、2つの垂直の方向D1およびD2に移動するものとして駆動レール20を表しているが、これは必要ではないということが理解されることとなる。第2の方向D2に、すなわち、髪受け入れチャネル38に沿って(下記のドライブ・メカニズムにおいて説明されているように)、駆動レール20を移動させることは、機械的に単純であるが、図4の垂直の方向D1に駆動レール20を移動させることは、機械的により困難である。その代わりに、したがって、下記に説明されているドライブ・メカニズムと同様に、駆動レール20は、好ましくは、そのスタート位置からその中間位置へ鋭角αで移動する。角度付きの移動にもかかわらず、移動のその第1の段階の間の駆動部材20は、それが髪受け入れチャネル38の中へ移動する垂直の方向と整合させられた成分を有しており、その移動の成分は、必要に応じて、髪のセクションが髪受け入れチャネルの中へ押し込まれることを引き起こす。また、ペグ22、26は、駆動部材20の移動の角度付きの第1の段階にかかわらず、髪のより小さいセクション36aの分離を維持することが可能である。
本発明のいくつかの態様による実施形態では、駆動部材は、たとえば方向αに、移動の単一の段階を有することが可能であるということが認識されることとなる。しかし、それは、好適ではない。その理由は、より大きい振幅の(そして、より魅力的な外観を伴う)ウェーブが、2段階移動によって生成され得る(そして、第2の方向D2への比較的に大きい移動を伴う)ということが見出されたからである。
初期には、髪のセクション36の合計長さの比較的に小さい割合だけが、そのスタート位置において、デバイス10の中に存在するということが図1から理解されることとなる。移動の第1の段階の間に、図2に示されている比較的に線形の髪は、ウェーブ形態へと変形させられ、それは、髪のセクション36のより多くの部分をデバイスの中へ引き込む効果を有している。髪のセクション36のさらに多くの部分(または、すべて)が、比較的に長い実質的に線形の部分44dによって表されているように、移動の第2の段階の間に、デバイスの中へ引き込まれる。国際公開第2014/122442号に説明されているように、ユーザーの頭皮に最も近い駆動部材20が最初に移動する状態の、駆動部材20のシーケンシャルな移動は、髪のセクション36がデバイス10の中へ(次第に)引き込まれるときに、髪のセクション36に印加される張力を最小化する。
加えて、第1の駆動部材またはレール(すなわち、ユーザーの頭皮に最も近いもの)は、移動のその第1の段階および第2の段階の両方の間に比較的にゆっくりと移動するということにされ得る。これは、髪にかけられる張力を最小化し、ユーザーの頭皮に及ぼされる力を低減させることとなる。後続の駆動部材は、より迅速に移動することが可能であり、ユーザーの頭皮からより遠くの髪のセクションの中の張力は、ユーザーの頭皮に及ぼされにくくなることとなるということが認識される。
髪のセクション36は、理想的には、熱の印加によって、そのウェーブ形態においてセットされる。髪のセクションは、駆動部材20が図5に表されているようなそれらの限界位置にある状態で、セットされ得るということが理解されることとなる。しかし、それは好適ではない。その理由は、部分44dは、その限界位置において実質的に線形になっているからである。駆動部材20がそれらの限界位置に保持される場合には、髪のセクション36がいくらか弛緩し得るということにかかわらず、任意の弛緩は、少量であることとなり、制御されることができない。これは、デバイスが、比較的に鋭い曲げ部によって分離された実質的に線形のセクションを備えた比較的に鋭いウェーブを作り出すこととなるという結果を有する。髪のより小さいセクション36aがより自然な曲線へと弛緩することを保証することによって、審美的により魅力的なウェーブが生成され得る。
これは、ウェーブがセットされる前に、駆動レール20をそれらの限界位置から離れるように(すなわち、図5の中で見たときに左に向けて)移動させることによって、本発明によって実現される。デバイスは、図10に関連して下記に説明されているものなどのような、所定の後退位置を有することが可能であり、または、駆動レール20は、所望に応じて、ウェーブがセットされる前に、それらのスタート位置へ移動して戻ることが可能である。
第2の方向D2は、髪変形方向であると考えられ得る。その理由は、髪のセクション36の変形のほとんどがその方向に起こるからである。したがって、第2の方向D2への駆動レール20の移動は、髪変形方向への移動に対応している。駆動部材20が髪変形方向に移動するにつれて、1次的なペグ22aの側部46bが、部分44cに係合し、その部分を限界位置へ髪変形方向に駆動するということが理解されることとなる。
その後に、形成部材20は、逆へ駆動され、すなわち、D2とは反対の方向に移動するように駆動される。この逆移動の間に、近隣の2次的なペグ22bの側部46cが、髪のより小さいセクション36aの部分44cに係合することとなる。髪のセクション36は、それによって、デバイス10から外へ押し出されるのではなく、むしろ、部分44cは、髪受け入れチャネル38の中に移動するように駆動され、たとえば、線形縁部40から離れるように2次的なペグ22bに乗り上がることが引き起こされる。ペグ22a、bは、D2とは反対の方向に沿った移動の完全な逆転を収容するのに十分に長くなっているということにされ得、または、髪受け入れチャネル38は、ペグ22a、bの長さよりもいくらか深くなっており、駆動部材20が描かれているように左へ移動するときに、部分44cが2次的なペグ22bの上部を乗り越えることができるようになっているということにされ得る。いずれにしても、逆移動は十分になっており、髪のより小さいセクション36aがもはや1次的なペグ22aからの任意の張力下にないようになっており、理想的には、2次的なペグ22bによって、拘束されていないおよびより弛緩した位置に向けて積極的に押圧されている。髪の部分44a、44c、および44dは、それらの弾性のいくらかまたはすべてを保っており、髪受け入れチャネル38の制約にかかわらず、主に髪の拘束されていない部分が、髪受け入れチャネル38の中で入手可能な最も滑らかなカールを採用するということにされる。実際には、線形のセクション42の下を通る部分44aだけが、髪のより小さいセクション36aに沿って、適切な位置に相対的に固定されており、髪のより小さいセクション36aの残りの部分が髪受け入れチャネル38の中に一連の比較的に滑らかなループを形成するという結果を伴う。髪の複数のより小さいセクション36aが、髪受け入れチャネル38のそれぞれの中に存在しているので(そのすべては、同様のウェーブ形成動作を経験している)、実際には、より小さいセクション36aのうちの1つの髪のループは、髪受け入れチャネルのそれぞれの中の他のより小さいセクションのループの上に横たわっている。
部分44c、dの弛緩、および、結果として生じるループのそれぞれの形態は、髪のセクション36の弾性に依存しており、したがって、髪のセクション36がこの動作の髪変形段階の間に比較的に冷温になっている場合には強化される。それによって、髪は、理想的には、駆動部材20が後退(または、スタート)位置へ逆に戻された後のみに、下記に説明されているように熱の印加によってそのウェーブ状の形態へとセットされるということにされる。
今までデバイス10の動作の原理が説明されてきたので、特定の実施形態が、より詳細に説明されることとなる。
図6は、そのスタート位置における1つの駆動レール20、および、近隣のガード・レール28を示している。長手方向のチャネル50が、ガード・レール28の中に形成されており、そのチャネルは、ガイド部材52の裏側部に取り付けられているボス(見えない)、および、ガイド・ペグ54の裏側部に取り付けられているボス(見えない)を位置付けしている。それぞれのボスおよびチャネル50は、ガイド部材52およびガイド・ペグ54を、ガード・レール28に沿った(第2の方向D2に対して平行の)長手方向の移動に拘束している。
形成レール20は、2つの傾斜したガイド・チャネル56を有しており、ガイド・チャネル56は、ガイド部材52およびガイド・ペグ54のそれぞれのボスを含有している。ガイド・チャネル56は、第2の方向D2に対して鋭角βで整合させられている。
図7に見られるようなスライド部材またはラック60が、ボスのそれぞれの他の端部に接続されている。したがって、ガイド部材52およびガイド・ペグ54、ならびにラック60は、長手方向のチャネル50に沿って一緒に移動するように固定されており、駆動レール20およびガード・レール28がその間に挟まれた状態になっている。
図6および図7は、反対側から見た、単一のドライブ・メカニズム、すなわち、単一の駆動レール20および単一のガード・レール28を示している。好適なヘア・スタイリング・デバイスでは、複数の(同一の)駆動レール20および複数の(同一の)ガード・レール28が存在しており、それぞれの駆動レール20が近隣のガード・レール28同士の間に位置付けされた状態になっているということが理解されることとなる。それぞれの駆動レールのためのドライブ・メカニズムは、下記に説明されているように、図6および図7のものと同一になっていることが可能である。
組み立てられたヘア・スタイリング・デバイス10では、それぞれのドライブ・メカニズムは、詳細に下記に説明されているように、その近隣のものと相互作用し、駆動レール20の相互接続されたシーケンシャルな移動を作り出す。とりわけ、図7に示されている2次的なピニオン62が、近隣のドライブ・メカニズムのガイド部材52の3次的なペグ58と同じ平面の中に存在している(そして、それに係合することが可能である)。同様に、ラッチ64は、近隣のドライブ・メカニズムの駆動レール20のブロック66と同じ平面の中に存在している(そして、それに係合することが可能である)。
ラック60は、複数の1次的なペグ68を担持しており、複数の1次的なペグ68は、1次的なピニオン70と整合させられており、1次的なピニオン70に係合することが可能であるということが見られることとなる。1次的なピニオン70は、メイン・ドライブ・ピニオンであり、また、本体部12の中のメイン・ドライブ・モーター(図示せず)によって回転するように駆動される。
また、ラック60は、複数の2次的なペグ72を担持しており、複数の2次的なペグ72は、2次的なピニオン62と整合させられており、2次的なピニオン62に係合することが可能である。2次的なピニオン62は、それがモーターによって駆動されるのではなく、その代わりに、下記に説明されているように、上述のラック60の2次的なペグ72によって、または、近隣のドライブ・メカニズムのガイド部材52の3次的なペグ58によって、回転するように駆動されるという点において、パッシブである。
ラッチ64は、ガード・レール28に装着されており、図7に見られるように、反時計回りに回転するようにバネ付勢されている。ラッチ64は、カム76によって係合されている。1次的なピニオン70、2次的なピニオン62、ラッチ64、およびカム76は、(固定された)ガード・レール28に装着されており、コンポーネントの同様のセットが、ドライブ・メカニズムのそれぞれに提供されている。
単一のメイン・ドライブ・モーターは、一緒に回転するように、ドライブ・メカニズムのそれぞれの1次的なピニオン70を駆動する。単一の第2のドライブ・モーター(図示せず)は、一緒に回転するように、ドライブ・メカニズムのそれぞれのカム76を駆動する。特定のヘア・スタイリング・デバイスの中で使用されているドライブ・メカニズムの数にかかわらず、下記に詳細に説明されているように、シーケンシャルに移動するように駆動レール20のすべてを作動させるために、2つのモーターだけが必要とされる。
重要なことには、カム76は、1次的なペグ68と同じ平面の中にない(すなわち、カム76は、図7の配向において、1次的なペグ68よりも見る人の近くにある)。したがって、カム76の本体部は、1次的なペグ68に係合することなく、または、1次的なペグ68を移動させることなく、示されている位置から360°にわたって回転することが可能である。
第1の駆動レール20のカム76は、その裏表面の上に始動エレメントまたは始動フィンガー(見えない)を有するという点において、他の駆動レールのカムとは異なっている。始動フィンガーは、第1のドライブ・メカニズムの1次的なペグ68と同じ平面の中へ延在しており、下記に説明されているように、カム76が回転するときに、1次的なペグ68に係合するように位置決めされている。したがって、カム76は、ドライブ・メカニズムのそれぞれのためのラッチ・リリース・カムであり、また、第1のドライブ・メカニズムのための始動メカニズムである。
ここで、図6および図7に示されているような複数のドライブ・メカニズムを含むヘア・スタイリング・デバイスに関する動作のシーケンスが説明されることとなり、図6および図7に表されているように、駆動レール20のすべてがそれらのスタート位置またはレスト位置にある位置から開始して説明されることとなる。その位置では、図7に見られるように、1次的なペグ68は、1次的なピニオン70に係合していない。
第1に、カム76が、第2のドライブ・モーターによって駆動され、図7に見られるように、反時計回り方向に360°にわたって回転する。この回転の間に、第1のカム76によって担持されている始動フィンガーは、第1のラック60の1次的なペグ68のうちの1つに係合し、方向D2にラック60を押す。他のドライブ・メカニズムのカム76は始動フィンガーを有していないので、それらの対応する回転は、第2の、第3のラック60などの移動を引き起こさない。始動フィンガーは、図7に見られるように左へ十分に遠くに(第1の)ラック60を押し、先頭の1次的なペグ68が1次的なピニオン70の歯に係合するようになっている。
次いで、1次的なピニオン70は、1次的なペグ68に係合しながら、図7に見られるように、反時計回りに回転するように駆動される。したがって、第1のラック60は、方向D2へより遠くに駆動される。
ラック60が方向D2に移動するにつれて、ガイド部材52およびガイド・ペグ54に接続されているボスが、駆動レール20のそれぞれの角度付きのガイド・チャネル56に対して移動する。駆動レール20が中央スロット78を有しているということ、および、ドライブ・シャフト80、82が、1次的なピニオン70のすべてをメイン・ドライブ・モーターと相互接続し、また、カム76のすべてを第2のドライブ・モーターと相互接続しており、ドライブ・シャフト80、82が中央スロット78をそれぞれ通過しているということが、図6から見られることとなる。図6の配向で見られるときには、シャフト82は、駆動レール20の右方向への移動を制限し、中央スロット78の角度付きの縁部84は、ラック60の長手方向の移動が駆動部材20の角度付きの(見られるように、上向きの)移動へと変換されることを引き起こす。
移動のこの第1の段階の間の駆動レール20の移動の方向D1は、縁部84の角度に対応しており、それは、この実施形態では、おおよそ60°であるということが理解されることとなる。
中央スロットは、方向D2と整合させられているエクステンション86を有している。シャフト80、82がエクステンション86に進入しているときには、駆動レール20は、単に方向D2にだけ移動するということが理解されることとなる。
したがって、駆動レール20の2段階移動が、中央スロット78の成形によって引き起こされ、駆動レール20が所定の経路を辿る状態になっている。その理由は、長手方向のチャネル50に沿ったラック60の運動によって駆動レール20が駆動されるときに、シャフト80、82が中央スロット78のそれぞれの縁部に沿って移動するからである。とりわけ、縁部84が線形になっているので、および、エクステンション86が線形になっているので、駆動部材20の移動の経路は、この実施形態では、その移動の第1の段階および第2の段階の両方の間に線形になっている。
1次的なピニオン70は、1次的なペグ68に接触して駆動することによって、方向D2にラック60を駆動するように回転し続ける。この移動の間に、2次的なペグ72が駆動され、2次的なピニオン62を通過する。1次的なペグ68よりも少ない2次的なペグ72が存在しているので、ラック60の継続的移動は、ラック60が方向D2へのその移動の終わりに到達する前に、2次的なペグが2次的なピニオン62から解除することを引き起こす。
第1の駆動メカニズムのラック60が方向D2へのその移動の終わりに近づくときに、そのラックに接続されているガイド部材52の3次的なペグ58は、近隣の(第2の)ドライブ・メカニズムの2次的なピニオン62に係合することとなる。第2の駆動レール20は、初期には、図6のものと同様に、そのスタート位置にあり、その2次的なペグ72がその2次的なピニオン62とすでに係合されているようになっている。結果的に、1次的なピニオン70が第1のラック60を前方に移動させ続けるときに、第2のドライブ・メカニズムの2次的なピニオン62の回転は、第2の駆動レール20の移動を始動させる。第1および第2のラック60は、それらが両方とも第2のドライブ・メカニズムの2次的なピニオン62に係合していることに起因して、一時的に方向D2に同時に駆動される。
第1の駆動レール20がその限界位置に到達する直前に、その1次的なペグ68がその1次的なピニオン70から解除される。しかし、第2のラック60が、次いで、前方に移動し、その1次的なピニオン70によって駆動され、第2のラックの2次的なペグ72が、その2次的なピニオン62を回転させ続ける。第2のドライブ・メカニズムの2次的なピニオン62の回転は、第1のラック60の3次的なペグ58を駆動し、その1次的なピニオン70からのその1次的なペグ68の解除にかかわらず、第1のラック60がその限界位置へ移動し続けることを引き起こす。
第1の駆動レール20は、このポイントにおいて、中央スロット78によって決定される経路を辿り、その限界位置に到着する。前方への移動の最終的な段階の間に、第1の駆動レール20のブロック66は、第2のドライブ・メカニズムのバネ付勢されたラッチ64を通過する。ラッチ64は、第1の駆動レール20をその限界位置に一時的に固定する。
第2のラック60が方向D2に移動するときに、その1次的なペグ68は、その1次的なピニオン70と係合し、1次的なピニオン70の回転は、第1の駆動レールのものと同様の経路に沿って移動するように第2のラック60を駆動し、結果的に、第2の駆動レール20を駆動する。第1の駆動レール20aの限界位置は、図8に表されている。また、この図は、第2の駆動レール20bが第1の方向D1へのその移動の第1の段階を経験していることを示している。
そのシーケンスは、駆動レール20のすべてをシーケンシャルに移動させ続け、すべての駆動レールがそれらの限界位置にラッチ係合されるまで、1つの駆動レールから次のものへ同じ相互作用を繰り返す。図9は、デバイスの動作の中の後続の段階を示しており、そこでは、駆動レール20のすべてが、それらの限界位置に到達している。最も近い駆動レール20だけが、図9の中に見ることができる。その理由は、他の駆動レールが、同一に形成されており、その後ろに完全に整合させられているからである。髪のセクション36の最大変形は、駆動レール20のすべてがそれらの限界位置にあるときに起こるということが理解されることとなる。
望まれる場合には、駆動レール20は、すべて、ヘア・スタイリング動作の間に、それらの限界位置にラッチ係合されたままになっていることが可能であり、すなわち、駆動レール20は、ウェーブがセットされるまで、そこに保たれ得る。好ましくは、しかし、最終的な駆動レールがその限界位置へとラッチ係合されたときには、動作のシーケンスが継続し、即座に駆動レールのすべてを一緒に逆にし、それによって、髪の所定の長さの中の張力を低減させ、より自然なウェーブの形成を許容する。この実施形態では、駆動レール20のすべてが、第2の(または、髪変形)方向D2の反対の方向に、図10に示されているような後退位置へ、一緒に移動して戻る。張力が解放されると、髪の別個のより小さいセクション36aが、上記に説明されているように、髪受け入れ領域38の中で、より自然に見えるウェーブへと弛緩する。
駆動レールの移動を逆にするために、第2のドライブ・モーターは、図7に見られるように、反時計回り方向に一緒に回転するように、カム76のすべてを駆動し、すべてのラッチ64をそれらのそれぞれのブロック66から同時に解放する。これは、駆動レール20のすべてをアンロックし、それらが逆になる(D2とは反対の方向になる)ことを可能にする。
カム76のそれぞれが回転するとき、それは、また、近隣の駆動レール20のブロック66に係合する。カム76は、それぞれのブロック66を押し、それによって、駆動レール20のそれぞれを押して(一緒に)逆にする。
駆動レール20が逆になるときに、それらのラック60は、D2とは反対の方向に十分に移動し、先頭の1次的なペグ68をそれぞれの1次的なピニオン70と係合させる。それぞれのラック60の先頭の1次的なペグ68が、そのそれぞれの1次的なピニオン70と完全に係合されているときに、カム76は、図7に示されているように、それらのレスト位置に戻る。
メイン・ドライブ・モーターは、次いで、1次的なピニオン70を回転させ、すべてのラック60を逆になるように駆動し、結果的に、駆動レール20のすべてを逆になるように駆動する。駆動レール20は、D2とは反対の方向に所定の距離だけ移動し、ウェーブのサイズを制御し、すなわち、1次的なピニオン70の逆回転は、選ばれた数の回転(または、部分的な回転)の後に休止され、所定の後退位置において駆動レール20のすべてを停止させる。
駆動部材20は、ウェーブがセットされている間に、図10の後退位置にいるままであることが可能である。代替的な配置では、駆動レールは、それらのスタート位置へ戻る途中で、図10の後退位置を単に通過し、駆動レールがそれらのスタート位置へ後退して戻された後にのみ、髪の所定の長さがセットされる。髪のセクション36は、駆動部材20がそれらのスタート位置へ移動して戻された(そして、ペグ22は、もはや髪受け入れチャネル38の中へ突き出ていない)ときには、髪受け入れチャネル38の中により自由に移動することが可能であるということが理解されることとなる。したがって、後退の程度は、髪の所定の長さの中に形成されるウェーブを変化させるために使用され得、後退が大きければ大きいほど、髪のセクション36により大きい自由を与え、一般的に、より自然に見えるウェーブを提供する。
駆動レール20がそれらの所望の後退位置へ移動して戻されたときに、1つまたは複数のヒーターが作動させられ、所望のウェーブを形成するために十分に髪を加熱する。髪が十分に加熱されたときに、ヒーターは、スイッチが切られ、加熱されたコンポーネントは、より低いアイドル温度まで冷却することを許容される。理想的には、髪のセクションは、コンポーネントが冷却されているときに、デバイス10の中に保たれており、これは、ウェーブ形態が維持された状態で髪が冷却することを可能にすることによって、所望のウェーブを形成することを助ける。
加熱および冷却サイクルが完了すると、1次的なピニオン70は、それぞれのラック60の1次的なペグ68に対して同時に作用し、すべてのラックを駆動し、結果的に、駆動レール20のすべてを駆動し、それらのスタート位置に戻す。ラック60は、それぞれの回転している1次的なピニオン70が末尾の1次的なペグ68から解除されるまで、逆になるように駆動されるということが理解されることとなる。その位置において、ガイド部材52は、駆動部材20をそれらのスタート位置に一時的に固定するために、弾性ラッチまたはクリップ88に係合する。
したがって、デバイス10のドライブ・システムは、2段階移動で所定の経路に沿って移動するように、複数の駆動レール20を作動させることが可能であり、駆動部材20は、それらの限界位置までシーケンシャルに移動する。ドライブ・システムは、デバイス10の重量を最小化するために、2つのモーターだけを利用しており、1つの駆動レールの移動をその近隣の駆動レールにリンク接続させるための手段を有している。代替的な配置では、それぞれの駆動レール20の移動は、それが望まれる場合には、恐らく、それぞれの駆動レールのための1つまたは複数の別個のモーターによって、個別に制御され得る。また、駆動レール20が、それらの移動の第1の段階の間に、(角度付きの)方向D1に移動している間に、他のドライブ・システムは、移動の第1の段階の間に、駆動レールが第2の方向D2に対して垂直の方向に移動することを引き起こし得る。
シャフト80、82が中央スロット78の縁部84の底部端部(見られるように)に到達するときには、駆動レール20は、その中間位置に到達しており、すなわち、駆動レール20が、その移動の第1の段階の終わり、および、第1の方向D1へのその移動の終わりに到達したということが理解されることとなる。その中間位置において、ペグ22(および、ペグ22同士の間の線形縁部40も)は、図4に表されているように、髪受け入れチャネル38の中へ移動させられている。
また、駆動レール20が、その移動の第2の段階の間に方向D2に移動するときに、ペグ22は、図5に表されているように、それらのそれぞれの髪受け入れチャネル38に沿って移動するということが理解されることとなる。
駆動部材20のシーケンシャルな移動は、デバイス10の中への髪の所定の長さの漸進的導入を結果として生じさせる。図2の表現図では、髪のセクション36の端部48は、髪のセクションの頭皮端部を表している。髪のセクション36の自由端部は、ページの右手縁部を越えて延在している。頭皮端部48に最も近い駆動レール20が最初に移動し、近隣の駆動部材が2番目に移動し、以下同様に続くように、デバイス10が配向されるということにされる。髪のセクション36の頭皮端部は、相対的に固定されており、したがって、第1の駆動レール20の移動は、髪のセクションのより多くが自由端部から引き込まれることを引き起こす。上記に説明されているように、それぞれの後続の駆動レール20が移動させられるときに、髪のセクション36のさらにより多くが引き込まれ、理想的には、駆動部材20の最後がその限界位置に到達する前に、髪のセクション36の自由端部がデバイスの中へ引き込まれる(髪の選ばれたセクションの全長に沿って、ウェーブが付与されるようになっている)。駆動レールの数、および、駆動レールが(とりわけ、方向D2に)移動する距離は、所望の長さまでウェーブが髪のセクションに付与され得ることを保証するように選ばれ得る。
図8~図10は、理解の目的のために、閉鎖パーツ16が開いている状態で、駆動部材20が移動した人工的な位置を示している。実際には、好ましくは、制御システムは、閉鎖パーツ16がその閉位置にない場合には、移動するように駆動部材20を作動させることとはならないということにされる。
上記に述べられているように、デバイス10は、電気式の加熱エレメント(見えない)を含む。加熱エレメントは、たとえば、ガード・レール28のそれぞれの中に、および/または、形成部材24のそれぞれの中に位置付けされ得る。代替的に、高温空気が、髪受け入れチャネルに沿って吹き付けられ、髪のセクションを加熱し、ウェーブをセットすることが可能である。典型的に、おおよそ200℃の温度が、髪のセクションの中にウェーブ形態をセットするために使用されることとなるが、異なる髪タイプは、異なるスタイリング温度を必要とすることとなり、また、より低い/より高い温度が、より長い/より短いスタイリング持続期間とともに使用され得るということが認識される。
閉鎖パーツ16は、所定の時間の期間の後に(自動的に)開けられ得、その期間は、ユーザーによって決定されるか、または、好ましくは、ウェーブ形態をセットするために必要とされるのに応じて事前決定される。しかし、ウェーブ形態のその後の喪失を最小化することを求めるために、また、開けられたデバイスの加熱されたパーツにユーザーが不注意に触れた場合に引き起こされる痛みを低減させることを求めるために、髪のセクション36がデバイス10から除去される前に、髪のセクション36を冷却することが好ましい。
ヘア・スタイリング・デバイス10の第1の実施形態において、空気フロー発生器(見えないが、理想的には、ファンまたはインペラー)が、本体部12の中に装着されており、デバイス10の中へ大気をポンプ送りし、デバイスの中の髪36の(スタイリングされた)セクションを冷却する。図1は、本体部12および閉鎖パーツ16の端部にグリルを示しており、グリルを通して、大気が受け入れられ(または、所望に応じて、排出され)、本体部の他方の端部において、1つまたは複数の対応するグリルが存在している。望ましくは、髪のスタイリングされたセクションは、閉鎖パーツ16が開けられ、髪のスタイリングされたセクションが除去される前に、おおよそ100℃の温度まで冷却される。空気フロー発生器が作動させられる前に、駆動部材20をそれらのスタート位置に移動させて戻すことは、デバイスを通る空気フロー、および、とりわけ、髪受け入れチャネル38に沿った空気フローを促進させることとなるということが理解されることとなる。
空気フロー発生器の使用は、随意的なものであり、代替的な実施形態は、単純に熱のスイッチを切り、放射または対流に依存し、デバイスの加熱されたパーツおよび髪36のスタイリングされたセクションを、それが除去される前に冷却することが可能であるということが理解されることとなる。
次の髪のセクション36が、比較的に冷温のデバイス10の中へ挿入され得、比較的に冷温の表面は、髪のセクションが変形させられるときに、髪のセクションに損傷を与える傾向が低く、また、髪のセクションが変形させられるときに、髪のセクションの弾性を維持するということが、二重温度体制の利益である。したがって、髪のセクションは、それがウェーブ状の形態へと変形させられ、その後に、髪受け入れチャネル38の中で弛緩することを許容されたときにだけ、スタイリング温度(たとえば、おおよそ200℃)を経験する。
形成されているウェーブを変化させるために、スタイリング(高い)温度がユーザーによって調節され得るということが理解されることとなる。同様に、髪のそれぞれのセクションのためのスタイリング・プロセスの持続期間は、形成されているウェーブを変化させるために調節され得る。
示されている実施形態では、駆動部材の移動は、長手方向のチャネル50によって、ガイド・チャネル56によって、および、開口部または中央スロット78によって制御され、第1の方向D1への移動の範囲は、とりわけ、短い方のガイド・チャネル56の長さ、および、中央スロット78の縁部84の対応する長さによって決定される状態になっている。代替的な実施形態では、方向D1およびD2の両方への駆動部材20の移動は、別個に制御され得、それによって、ウェーブの形態を変化させるために、それらの方向のそれぞれに移動させられる距離をユーザーが調節することを可能にする。それにもかかわらず、ヘア・スタイリング・デバイスのそれぞれの駆動部材が、それぞれの方向D1およびD2の両方に同じ距離だけ移動し、それぞれの駆動部材が独立して制御および作動させられるとしても、均一なウェーブが髪のセクション36に沿って形成されるようになっているということが望ましい。
ドライブ・メカニズムのための制御システム、ならびに、とりわけ、1次的なピニオン70を駆動するメイン・ドライブ・モーターおよびカム76を駆動する第2のドライブ・モーターのための制御システムが、本体部12の中に装着されている。制御システムは、メイン・ドライブ・モーターにかかる負荷を測定することが可能であり、負荷が所定の閾値を超える場合には、それは、モーターを停止させ、閉鎖パーツ16を開けることが可能であり、あまりに多くの髪がデバイスの中へ挿入された場合、または、髪のセクションがもつれた場合のいずれかには、モーター過負荷が起こる傾向にあるということが認識される。閉鎖パーツ16が開けられると、ユーザーは、髪のセクションを抽出し、プロセスを再スタートさせることができることとなるということが予期される。
また、制御システムは、誤って設置された髪を検出するために位置決めされているセンサーと通信することが可能である。たとえば、ガイド30および/または32は、それらのガイドと閉鎖パーツ16との間に不注意に捕捉された可能性のある髪の存在を検出するように適合されたセンサー(恐らく、光学センサー)を担持することが可能である。制御システムは、誤って設置された髪が検出される場合には、駆動部材20の移動を防止し、警告信号をユーザーに発することが可能である。
図面は、細長い駆動レール20および同様に細長い形成レール24を有する特定の実施形態を示しているが、レールは、はるかに短い駆動部材および形成部材によって交換され得、そのそれぞれは、恐らく、2つのペグ22、26だけを有するということが理解されることとなる。そのようなデバイスは、髪のリボンよりもむしろ髪の束をスタイリングするのに適切であることとなるが、それにもかかわらず、本発明の利点のうちのいくつかから利益を受けることが可能である。
ドライブ・メカニズムの第2の実施形態が、図11~図15に示されている。この実施形態は、図6~図10のドライブ・メカニズムの第1の実施形態から構造的に異なっており、また、下記に説明されているように、その動作の方法の観点からも異なっている。相違点が下記に説明されているが、多くの類似点(たとえば、図3~図5に関連して説明された動作の一般的原理を含む)が存在しており、第2の実施形態による複数のドライブ・メカニズムが、たとえば、図1のものと同様に、ヘア・スタイリング・デバイスの中で使用され得るということが理解されることとなる。
第1に、駆動レール120のペグ122は、ペグ22よりも(第2の方向D2に対して垂直の方向に)著しく短い(この実施形態では、ペグ122は、ペグ22に関する15mmの高さと比較して、6mmの高さを有している)。また、駆動レール120が第2の方向D2に対して垂直に移動する距離も低減されている。これらの構造的な修正の両方が、第2の方向D2に対して垂直のドライブ・メカニズムの寸法を低減させ、それによって、ヘア・スタイリング・デバイスの全体的なサイズの低減を可能にする。
第2に、ペグ122は、第2の方向D2に角度付きになっており、より鋭く尖っている。これらの構造的な修正は、ペグ122がスタイリングされている髪のセクションの中の個々の髪のすべてを効果的に捕獲することを保証することを助け、使用中のヘア・スタイリング・デバイスのパーツによって任意の個々の髪が捕捉される可能性を(さらに)低減させる。
第3に、ペグ122のそれぞれの側部146cは、角度付きになっており、駆動レールの移動が逆にされるときに、髪の所定の長さが駆動レール120の線形縁部140から離れるようにより積極的に押されることを引き起こすようになっている。この構造的な修正は、駆動レールが逆にされるときに、髪の所定の長さがより自然なウェーブへと弛緩するように促す。
第4に、ドライブ・メカニズムの第2の実施形態は、2次的なピニオンを含んでおらず、したがって、2次的なペグまたは3次的なペグも含んでいない。近隣のドライブ・メカニズム同士の間の相互作用は、下記に説明されているように、メカニズムの他のパーツによって提供される。
第5に、ラッチ164の形状および場所が変更されており、それは、また、第2の方向D2に対して垂直の方向へのドライブ・メカニズムの寸法を低減させ、ヘア・スタイリング・デバイスのサイズの低減を可能にする。
ドライブ・メカニズムの第1の実施形態と第2の実施形態との間の1つの主な類似点は、それぞれのドライブ・メカニズムのパーツが、ガード・レールの対向する側部に位置付けされているということである。とりわけ、そのペグ22、122を備えた駆動レール20、120は、ガード・レール28、128の一方の側部に位置付けされており、ガード・レールの他方の側部においてラック60、160に接続されている。接続は、ボスによって行われており、ボスは、ガード・レールの中の細長い長手方向のチャネル50、150を通過している。ボスは、チャネル50、150に沿ってスライドし、それらの移動の間に、支持および案内を駆動レール20、120に提供する。また、複数のドライブ・メカニズムが存在しており、第1のドライブ・メカニズムの構成部品のうちのいくつかが、第2のドライブ・メカニズムの構成部品と相互作用しており(それ以降も同様)、それぞれの駆動レールの移動がリンク接続され得るようになっている。この後のほうの共通性は、上記に説明されているように、実用的なデバイスの中で必要とされるモーターの数を最小化する。
他の構造的な相違点、および、結果として生じるドライブ・メカニズムの動作に対する変化は、下記の動作のシーケンスで説明され、繰り返しになるが、図11および図14に表されているように、駆動レール120のすべてがそれらのスタート位置にある位置から開始して説明される。その位置では、図11に見られるように、1次的なペグ168は、1次的なピニオン170に係合していない。
最初に、カム176が、図11に見られるように、時計回り方向に回転させられる。この回転の間に、第1のドライブ・メカニズムのカム176によって担持されているエキストラ・ローブ190は、始動エレメントとして作用し、第1のラック160の1次的なペグ168のうちの1つに係合し、方向D2にラック160を押す。他のドライブ・メカニズムのカム176は、エキストラ・ローブを有しておらず、したがって、それらの対応する回転は、第2の、第3のラック160などの移動を引き起こさない。エキストラ・ローブ190は、方向D2に十分に遠くに(第1の)ラック160を押し、先頭の1次的なペグ168が1次的なピニオン170の歯に係合するようになっている。
次いで、1次的なピニオン170は、1次的なペグ168に係合しながら、図11に見られるように、時計回りに回転するように、メイン・ドライブ・モーター(図示せず)によって駆動される。したがって、ラック160は、方向D2に駆動される。
上記に説明されている第1のドライブ・メカニズムと同様に、駆動レール120の2段階移動が、中央スロット178の成形によって引き起こされ(図14および図15を参照)、すなわち、それぞれのメイン・ドライブ・モーターおよび第2のドライブ・モーター(図示せず)のドライブ・シャフト180、182が、適切な位置に固定されており、駆動レール120が中央スロット178の形状にしたがって方向D1およびD2に移動することならびに長手方向のチャネル150に沿ったラック160の運動によって駆動されることを引き起こす。
1次的なピニオン170は、1次的なペグ168に対抗して駆動することによって、方向D2にラック160を駆動するように回転し続ける。ラック160が前方に移動するときに、第1のラック160のガイド部材152は、近隣の(第2の)ドライブ・メカニズムの上昇したセクションの縁部172に係合することとなる。上昇したセクションは、ラック160の残りの部分から突き出て(proud)立っており、したがって、図11に見られるように、ラック160の残りの部分よりも見る人の近くにあるということが理解されることとなる。第2の駆動レール120は、初期には、図11のものと同様に、そのスタート位置にある。結果的に、第1のドライブ・メカニズムのガイド部材152が方向D2に移動するとき、それは、縁部172および結果的に第2のラック160を方向D2に押すことによって、第2のドライブ・メカニズムの移動を始動させる。第1および第2のラック160は、ガイド部材152および縁部172の相互係合に起因して、同時に前方に一時的に駆動される。
ラック160の末尾の端部192は、ラッチ164と同じ平面の中に存在している。第1の駆動レール120がその限界位置に向けて移動するとき、末尾の端部192は、ラッチ164の傾斜した縁部194の端部を通過する(図13を参照)。ラッチは、図11および図12に見られるように、反時計回りにバネ付勢されており、また、ラック160の末尾の端部192が傾斜した縁部194を越えて移動するとき、ラッチは、図12に示されているように、反時計回りに数度回転し、末尾の端部192の後ろに移動する。ラッチ164をバネ付勢していること、および、傾斜した縁部194を角度付きにしていることは、図12にも見られるように、1次的なペグ168が1次的なピニオン170から解除されたことにかかわらず、ラック160をその限界位置へ方向D2により遠くに移動させるように作用する。したがって、ラッチ164は、図12および図15に示されているように、第1の駆動レール120をその限界位置に一時的に固定する。
第2のラック160が方向D2に移動するときに、その1次的なペグ168は、その1次的なピニオン170と係合し、1次的なピニオン170の回転は、第1の駆動レールのものと同様の経路に沿って移動するように第2のラック160を駆動し、結果的に、第2の駆動レール120を駆動する。そのシーケンスは、駆動レール120のすべてをシーケンシャルに移動させ続け、すべての駆動レールがそれらの限界位置にラッチ係合されるまで、1つの駆動レールから次のものへ同じ相互作用を繰り返す。
駆動レールの移動を逆にするために、第2のドライブ・モーターは、図12に見られるように、反時計回り方向にカム176を回転させ、すべてのラッチ164を同時に解放する。これは、駆動レール120のすべてをアンロックし、それらが逆になることを可能にする。また、カム176のそれぞれが回転するとき、それは、ラック160のペグ166に係合する。カム176は、それぞれのペグ166を押し、それによって、駆動レール120のそれぞれを押して(一緒に)逆にする。駆動レール120が逆になるときに、それらのラック160は、1次的なペグ168をそれぞれの1次的なピニオン170と係合させるのに十分に移動する。次いで、1次的なピニオン170は、(図11に見られるように、反時計回りに)回転し、すべてのラック160、および、結果的に、駆動レール120のすべてを、D2とは反対の方向に駆動する。
第1の実施形態と同様に、駆動部材120のすべては、後退位置へ移動させられ得、後退位置において、髪のセクションの中にウェーブをセットするために、熱が印加される;代替的に、駆動レール120は、直接的にスタート位置またはレスト位置に移動して戻され得る。
サイクルの終わりにおいて、ラック160のそれぞれは、図11に見られるように、それぞれの回転している1次的なピニオン170が1次的なペグ168から解除されるまで、逆になるように駆動される。その位置において、ラック160のペグ166は、ラッチ164のバネ付勢された突出部188を通過しており、突出部188の弾性は、駆動レール120をそのスタート位置に一時的に固定する。
上記に説明されているドライブ・メカニズムの両方が2つのモーターを組み込んでいるが、(第1の駆動レール20、120の始動移動は別として)駆動レール20、120のすべては、単一のメイン・ドライブ・モーターによってそれらのスタート位置からそれらの限界位置へ駆動されるということが理解されることとなる。他の実施形態は、上記に説明されている実施形態の第2のモーターを除外することが可能であり、ドライブ・システムが単一のモーターだけを含むようになっている。たとえば、始動エレメントは、第1の駆動レールのラックの追加歯を含むことが可能であり、第1のドライブ・メカニズムのラックがスタート位置においてそのピニオンと係合されたままになるようになっている(それによって、第1の駆動レールの移動を始動させるための第2のモーターの要件を回避する)。
また、駆動レールをそれらの限界位置に一時的に固定するラッチは除外され得、それぞれの(回転している)ピニオンが、駆動レールをそれらの限界位置に維持した状態になっている(それによって、ラッチ解放メカニズムを作動させるための第2のモーターの要件を回避する)。しかし、駆動レールがそれらの限界位置においてラッチ係合される実施形態においても、他の手段(たとえば、1つまたは複数のソレノイドなど)が、ラッチ・メカニズムを解放するために提供され得、また、メイン・ドライブ・モーターに係合するように、駆動レールをそれらの限界位置から離れるように移動させるために提供され得る。
単一のモーターだけを組み込む別の代替的なドライブ・システムでは、最後のドライブ・メカニズムは、ラッチ・メカニズムを除外することが可能であり、その代わりに、他のドライブ・メカニズムのラッチのためのラッチ・リリース・メカニズムを組み込むことが可能である。そのような配置では、第1の、第2のなど、最後から2番目までの駆動レールは、そのそれぞれの限界位置の中へラッチ係合され得、ラッチ・メカニズムは、最終的な駆動レールがその限界位置に接近するときの最終的な駆動レールの移動によって解放され得る(そして、駆動レールのすべてが、それらの限界位置から離れるように駆動され得る)。
単一のモーターだけを組み込むさらに別の代替的なドライブ・システムでは、単一のモーターは、別個のドライブ・システムに接続され得、ドライブ・システムのうちの一方は、ピニオン70、170を回転させ、他方のドライブ・システムは、カム76、176を回転させる。適切な制御システムは、動作の異なる段階の間に、モーターを別個のドライブ・システムに接続するために/別個のドライブ・システムから切り離すために組み込まれ得る。
図16は、一体ハンドル214を備えた本体部212を含むヘア・スタイリング・デバイス210の第2の実施形態を示している。閉鎖パーツまたは蓋部216が、本体部212に接続されている。この実施形態は、2パーツのハンドル214を有しており、閉鎖パーツ216は、第2のハンドル・パーツ214aに接続されており、公知の方式でハンドル・パーツを一緒に押圧することによって、ユーザーが閉鎖パーツ216をその閉位置へ移動させることを許容する。ハンドル・パーツは、好ましくは、図15に示されているように、それらの開位置へ離れるように付勢されている。この第2の実施形態のハンドル214は、駆動レール220の長手方向軸線と実質的に整合させられており、ハンドルが、第1の実施形態の「ピストル・グリップ」配向とは対照的に、「ワンドのような(wand-like)」配向を有するようになっている。
上記に説明されている第1の実施形態に対する別の重要な相違点は、示されている開いた条件において、ガイド230が本体部212と閉鎖パーツ216との間の距離に完全に広がっており、それによって、任意の髪が捕捉され得る位置において、任意の髪がデバイスの中へ挿入されることを防止するということである。ガイド・パーツ230は、閉鎖パーツ216から(見られるように、下向きに)突き出るように装着されており、デバイスが閉じられているときに、ガイド・パーツは、本体部112の中の協働する凹部の中へ(さらに)移動する。代替的な実施形態では、ガイド・パーツは、本体部から(上向きに)突き出るように装着されており、デバイスが閉じられているときに、ガイド・パーツは、閉鎖パーツの中の協働する凹部の中へ(さらに)移動する。
ヘア・スタイリング・デバイス210は、所望に応じて、図6~図10のドライブ・メカニズムの第1の実施形態、または、図11~図15のドライブ・メカニズムの第2の実施形態を組み込む、ドライブ・システムを有することが可能である。
ドライブ・システムは、図17および図18に示されており、取り囲むハウジング・パーツから分離されている。ドライブ・システムは、ドライブ・メカニズムの第2の実施形態のわずかに修正されたバージョンであり、それは、第2の方向D2に対して垂直のその低減された寸法に起因して好適である。
ヘア・スタイリング・デバイス210のドライブ・メカニズムは、上記に説明されているドライブ・メカニズムの第2の実施形態と非常に類似しており、それらの動作は同じであり、それは繰り返されることとはならない。しかし、中央スロット278を取り囲む材料の大半が、材料および重量を節約するために除去されたということが図17および図18から明らかである。また、ラッチ264は、ドライブ・メカニズムの第2の実施形態の成形プラスチック弾性エレメント196の代わりに、金属製弾性エレメント296を組み込んでいる(ラッチによって遭遇されることが予期される温度において、金属バネは長い期間にわたってその弾性を維持する傾向がより大きいということが理解されることとなる)。そのうえ、ラッチ264は、カム276によって係合されている金属製エレメント298を有している。