JP7295722B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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本発明は、車両上で様々な電装品に対して電力を供給するために利用可能な電気接続箱に関する。
自動車等の車両は、主電源として一般的に車載バッテリーを備えている。また、車載バッテリーを充電するためにオルタネータ(発電機)を備えている。そして、車両の各部に搭載されている多数の様々な電装品、すなわち負荷に対して、主電源から直流の電源電力がそれぞれ供給される。車両における各負荷は、車両の走行、操舵、停止、ドア開閉、照明、通信などの様々な機能を、常時、あるいは必要に応じて果たすためにそれぞれ利用されるものであり、電源電力の供給を必要とする。
車両上で、主として主電源から各電装品への電源電力供給を可能にするために、ワイヤハーネスを介して主電源と各電装品との間が電気的に接続される。ワイヤハーネスは基本的には多数の電線の集合体であり、一般的に形状や構造が非常に複雑になっている。
また、主電源からの電源電力を複数の出力側経路に分配したり、各負荷への電力供給のオンオフを制御したり、電源や各負荷等の保護を可能にするために、一般的にワイヤハーネスの中間部位に電気接続箱が接続される。代表的な電気接続箱としては、ジャンクションブロック(J/B)、リレーボックス(R/B)などが知られている。
また、例えば特許文献1の図1に示された車両用の電源システムにおいては、主電源にメインの電源制御ボックス10Aが接続され、ワイヤハーネスを介してその下流側にサブの電源制御ボックス10Bが接続されている。車両上の各電装品は、電源制御ボックス10A、10Bのいずれかの下流側にワイヤハーネスを介して接続される。また、2つの電源制御ボックス10A、10Bの間は、+B1、+B2の電源ライン22a、22b、アースライン22c、および通信ライン22dで接続されている。
特開2016-43882号公報
ところで、一般的な車両においては、電源ラインの種類として+B電源、IG(イグニッション)電源、ACC(アクセサリ)電源などがあり、これらの電源ラインのそれぞれがワイヤハーネスに含まれている。+B電源ラインは、車両の状態とは無関係に常時電力の供給が可能な状態になっている。IG電源ラインは、ガソリンエンジンの車両ではエンジンのイグニッションのオンオフに連動して電力供給の有無が切り替わる状態になっており、またイグニッションのオンオフを表す信号線の機能も含んでいる。ACC電源ラインは、オーディオ、ラジオなどアクセサリの電装品に対して必要な時に電力を供給するために利用される。
このような+B電源、IG電源、ACC電源等を使い分けることにより、車両において無駄なバッテリー電力消耗を防止したり、車両における各機器の優先度を考慮したり、ユーザの利便性を考慮して適正化された電力供給を実現できる。
一般的な車両においては、様々な電子制御ユニット(ECU)はイグニッションのオンへの切り替わりに連動して内部のコンピュータがウエイクアップに遷移し、イグニッションのオフへの切り替わりに連動して内部のコンピュータがスリープ状態に遷移して電力消費を抑制する。
特許文献1の構成においては、2つの電源制御ボックス10A、10Bの間を結ぶワイヤハーネスはIG電源ラインを有してしない。そして、イグニッションのオンオフを表す情報は、通信線を利用して伝送され、この情報と+B電源とに基づいて、電源制御ボックス10A又は10BはIG電源を生成するようになっている。
特許文献1のように多重化した状態で様々な情報を伝送することにより、例えば先進運転安全支援システム(ADAS)や、自動運転システムのように高度な機能を搭載した車両や、多数の電装品を搭載した車両においてもワイヤハーネスを構成する電線の本数を減らすことが可能になる。
しかしながら、単一の通信線だけを利用して様々な情報を伝送する場合には、例えば通信線の断線や、通信における情報化けなどが発生する可能性を考慮する必要がある。すなわち、特許文献1の図1の構成の場合、電源制御ボックス10A、10Bの間を接続するワイヤハーネスの通信線に断線などの障害が発生すると、電源制御ボックス10A、又は10Bが生成するIG電源は、実際のイグニッションのオンオフに連動しない状態になる。そのため、IG信号伝送を冗長化するために何らかの対策が必要になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、IG信号伝送の冗長化を容易にすると共に、ワイヤハーネスの電線本数の削減が可能な電気接続箱することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 少なくとも車両の主電源と接続された入力側電源ラインから供給される電源電力を中継して出力側の負荷へ供給する電気接続箱であって、
前記入力側電源ラインにおける電圧を監視する電圧監視部と、
前記電圧監視部の検出状態に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別するIG識別部と、
を備え
前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、前記入力側電源ラインにおける電圧の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量の絶対値が第2閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量が正の値である場合に、イグニッションのオフからオンへの切り替わりが識別され、前記電圧の絶対値が前記第1閾値以下であり、且つ、前記電圧の変動量の絶対値が前記第2閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量が負の値である場合に、イグニッションのオンからオフへの切り替わりが識別される、
ことを特徴とする電気接続箱。
) 前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、
測定した電圧の絶対値、又はその変動量を反映した測定データを過去のデータとして保存するデータ保存部と、
前記データ保存部が保持している過去のデータを利用して前記第1閾値及び前記第2閾値を修正する閾値修正部と、
を含むことを特徴とする上記()に記載の電気接続箱。
) 前記IG識別部が識別したイグニッションのオンオフに連動して動作する少なくとも1つのスイッチデバイスを含み、
前記スイッチデバイスは、前記入力側電源ラインと所定の電力出力端子との間に接続された、
ことを特徴とする上記(1)に記載の電気接続箱。
) 前記車両上に存在する所定の外部ユニットとの間で通信するための通信インタフェースを備え、
前記IG識別部は、前記通信インタフェースが受信した信号に含まれるイグニッション情報と、前記電圧監視部の検出状態との両者に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の電気接続箱。
上記(1)の構成の電気接続箱によれば、IG電源の信号や、通信線からの情報が得られない環境であっても、入力側電源ラインの電源電圧だけに基づいてイグニッションのオンオフを識別可能になる。すなわち、入力側電源ラインから供給される主電源の電圧は、車両上のオルタネータ動作のオンオフ状態を反映して変動するので、この電圧をイグニッションのオンオフ識別に利用する。これにより、例えば入力側のIG電源ラインを省略することが可能になり、ワイヤハーネスを構成する電線の本数を削減できる。
更に、上記()の構成の電気接続箱によれば、イグニッションのオンオフ状態を容易に特定できる。一般的な車両においては、オルタネータ動作がオフの時の電圧は11.5~12.5[V]程度であり、オルタネータ動作がオンの時の電圧は13.5~14.5[V]程度になる。したがって、この電圧の絶対値を第1閾値と比較し且つ電圧の変動分を第2閾値と比較することにより、イグニッションのオンオフ状態を特定できる。
上記()の構成の電気接続箱によれば、イグニッションのオンオフ状態を特定するために必要な閾値を、状況の変化に対応して自動的に修正することが可能になる。したがって、例えば車載バッテリーの経年劣化に伴って、オルタネータ非作動時の電圧が低下した場合でも、イグニッションのオンオフ状態を正しく識別できる。
上記()の構成の電気接続箱によれば、イグニッションのオンオフに連動して変化するIG電源が入力側に供給されない場合でも、IG電源と同等の電力を内部で生成し、電力出力端子からその下流側に接続される負荷に対して供給できる。
上記()の構成の電気接続箱によれば、互いに系統が異なる複数の情報を同時に利用できるので、冗長性のあるシステムを構成できる。すなわち、入力側電源ラインの電圧が異常な状態になった場合や、通信に異常が発生した場合でも、いずれか一方の系統が正常な状態であれば、イグニッションのオンオフを正しく識別できる。
本発明の電気接続箱によれば、IG信号伝送の冗長化が容易になり、ワイヤハーネスの電線本数の削減も可能になる。すなわち、電気接続箱の入力側にIG電源ラインを接続しなくても+B電源の電圧だけに基づいてイグニッションのオンオフを検出できるので、入力側のIG電源ラインが不要になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る電気接続箱の構成例を示すブロック図である。 図2は、図1の電気接続箱における主要な動作例を示すタイムチャートである。 図3は、図1の電気接続箱における主要な動作例を示すフローチャートである。 図4は、電圧の判定処理の詳細を示すフローチャートである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電気接続箱10の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、電気接続箱10は、自動車などの車両に搭載され、車両上の主電源と負荷である車両上の様々な電装品との間に接続される。一般的な構成としては、ワイヤハーネスの途中にこの電気接続箱10を接続することが想定される。また、この電気接続箱10の機能は、例えば一般的な電気接続箱であるジャンクションブロックやリレーボックスの機能と一体化するように構成することもできる。
電気接続箱10の筐体には、+B電源入力端子11、アース接続端子12、通信用端子13、+B電源出力端子14、IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16、負荷A用出力端子17、および負荷B用出力端子18が備わっている。これらの各端子にワイヤハーネスを構成する各電線が接続される。
+B電源入力端子11に接続される入力側電源ライン21は、車両の主電源である車載バッテリー(BATT)やオルタネータと接続される。したがって、主電源の電力が+B電源入力端子11に常時供給される。
本実施形態では、+B電源入力端子11の電圧がイグニッションのオフ時に11.5~12.5[V]程度になる環境を想定している。また、車両のエンジンが始動してオルタネータが発電動作を開始すると、+B電源入力端子11の電圧が13.5~14.5[V]程度になる。なお、車載バッテリーにおける充放電の繰り返しや経年劣化の影響による性能の低下が考えられるので、+B電源入力端子11におけるイグニッションのオフ時の電圧は、上記範囲に対して多少低下する可能性がある。
アース接続端子12は車両のアースライン(GND)22と接続される。通信用端子13は車両上の通信ライン23と接続される。通信ライン23は、この車両に搭載されている電気接続箱10以外の各種電子制御ユニットが把握しているイグニッションのオンオフを表す情報(IG_ON,IG_OFF)、アクセサリ電源のオンオフを表す情報(ACC_ON,ACC_OFF)や、各負荷の駆動に関するオンオフ指示の情報を受信するために利用される。また、電気接続箱10自身が検出したイグニッションのオンオフを表す情報を、通信ライン23を利用して他の各種電子制御ユニットに送信することもできる。
+B電源出力端子14は、「+B電源」の電力供給を必要とする各負荷を接続するために利用される。+B電源出力端子14に現れる電源電力は、入力側電源ライン21の電力とほぼ同じであり、電気接続箱10の内部で中継されてそのまま+B電源出力端子14から出力される。
IG電源出力端子15は、イグニッションがオンの時のみ電源電力供給を必要とする各種負荷を接続するために利用される。電気接続箱10は、入力側電源ライン21から供給される電力に基づき、イグニッションのオンオフに連動してオンオフが切り替わる電源電力を生成しIG電源出力端子15に出力する。
ACC電源出力端子16は、アクセサリ電源用の信号がオンの時のみ電源電力供給を必要とする各種負荷を接続するために利用される。電気接続箱10は、入力側電源ライン21から供給される電力に基づき、アクセサリ電源用の信号のオンオフに連動してオンオフが切り替わる電源電力を生成しACC電源出力端子16に出力する。
負荷A用出力端子17および負荷B用出力端子18は、それぞれ特定の負荷「A」および「B」を接続するために利用される。電気接続箱10は、通信ライン23から受信した特定の負荷「A」、「B」の駆動信号に従い、負荷A用出力端子17および負荷B用出力端子18に対する電力供給のオンオフを制御する。
なお、例えば電気接続箱10における各IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16を省略し、これらと同等の電源電力をワイヤハーネスの下流側の他の電子制御ユニットが「+B電源」に基づいて生成するようにシステムを構成してもよい。但し、例えば通信経路に障害が発生した場合でもイグニッションのオンオフに連動して正しくオンオフが切り替わる電源電力を「IG電源」として生成するためには、イグニッションのオンオフを表す信号の伝送経路を複数にして冗長性を持たせることが重要になる。したがって、通信経路以外でイグニッションのオンオフを表す信号を伝送できるように、IG電源出力端子15を電気接続箱10に搭載することが望ましい。
図1に示す電気接続箱10は、さらに、電圧監視機能部24、マイクロコンピュータ25、通信インタフェース26、および半導体スイッチデバイス31~35を筐体の内部に備えている。
マイクロコンピュータ25は、予め組み込まれているプログラムに従って、電気接続箱10の全体の制御を実施する。また、車両のオルタネータが停止している場合のように電力消費を抑制する必要がある場合はマイクロコンピュータ25はスリープモードに自動的に移行し、通常動作を行う必要があるときにウエイクアップして通常状態に復帰する。
電圧監視機能部24は、入力側電源ライン21における電圧を監視するための機能であり、専用の回路、又はスリープ中でも処理可能なマイクロコンピュータ25の内部回路として構成される。例えば、車両のイグニッションがオフからオンに切り替わったことを入力側電源ライン21の電圧に基づいて電圧監視機能部24が検知した場合に、ウエイクアップの信号が電圧監視機能部24からマイクロコンピュータ25に入力される。
通信インタフェース26は、車両上の通信ネットワーク含まれる通信ライン23を経由して他の電子制御ユニットとマイクロコンピュータ25とが通信を行うために必要な信号処理を実施する。本実施形態では、イグニッションのオンオフを表す信号、アクセサリ電源のオンオフを表す信号、各負荷の駆動オンオフを表す指示信号などが、通信インタフェース26を介して伝送される。
半導体スイッチデバイス31~35は、それぞれマイクロコンピュータ25の制御出力により個別にオンオフ制御される。半導体スイッチデバイス31~35の入力は入力側電源ライン21とそれぞれ接続されている。また、半導体スイッチデバイス31、32、33、34、および35の出力は、それぞれ+B電源出力端子14、IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16、負荷A用出力端子17、および負荷B用出力端子18と接続されている。
つまり、入力側電源ライン21から半導体スイッチデバイス31~35のそれぞれを経由した電源電力が、+B電源出力端子14、IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16、負荷A用出力端子17、および負荷B用出力端子18から出力される。したがって、マイクロコンピュータ25は、+B電源出力端子14、IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16、負荷A用出力端子17、および負荷B用出力端子18のそれぞれに対する電源電力供給のオンオフを個別に制御できる。
<電気接続箱の状態遷移例>
図2は、図1の電気接続箱10における主要な動作例を示すタイムチャートである。
すなわち、入力側電源ライン21における電圧Vbの状態遷移、イグニッションのオンオフ、および電気接続箱10内部で検出されるイベントが図2に示されている。
図2に示した例では、時刻t1において、入力側電源ライン21の電圧Vbが比較的低い状態から比較的高い状態にステップ状に変化している。ここで、「比較的低い状態」の電圧Vbは、通常11.5~12.5[V]程度であり、車載バッテリーが蓄積している電力量や負荷側に流れる電流に応じて定まる。「比較的高い状態」の電圧Vbは、通常13.5~14.5[V]程度であり、オルタネータが発電した出力の影響を反映している。
つまり、時刻t1における入力側電源ライン21の電圧Vbのステップ状の変化は、この車両のイグニッションがオフからオンに切り替わったことを意味している。同様に、時刻t2においては、電圧Vbが比較的高い状態から比較的低い状態にステップ状に変化している。つまり、時刻t2で車両のイグニッションがオンからオフに切り替わったことを意味している。
図1に示した電圧監視機能部24およびマイクロコンピュータ25は、監視している電圧を判定するために、閾値K1、K2を利用する。図2に示した例では、時刻t1における電圧Vbの変化に対して、「Vb>K1」のイベントが検出される。同時に、「|ΔVb|>K2」および「ΔVb>0」のイベントも検出される。
また、時刻t2における電圧Vbの変化に対して、「Vb≦K1」のイベントが検出される。同時に、「|ΔVb|>K2」および「ΔVb<0」のイベントも検出される。したがって、電圧監視機能部24又はマイクロコンピュータ25は、各イベントの検出状態に基づいて、各時刻t1、t2でイグニッションのオンオフを判定できる。
<電気接続箱の動作例>
図3は、図1の電気接続箱10における主要な動作例を示すフローチャートである。
また、図3中のステップS17「電圧の判定」処理の詳細を図4に示す。すなわち、図1に示した電圧監視機能部24又はマイクロコンピュータ25が図3および図4の処理を実行する。これにより、イグニッションのオンオフに関係のある特徴的な信号処理が実現する。
図3および図4の処理について以下に説明する。
電圧監視機能部24は、ステップS12で入力側電源ライン21に現れる+B電源の電圧Vbを例えばA/D(アナログ/デジタル)変換器を用いて、常時あるいは定期的に監視する。そして、電圧Vbの変化の有無をS13で識別し、変化ありの場合は、S14で電圧Vbの変化量ΔVbを検出する。具体的には、一定時間経過する前と後の電圧Vbの差分を変化量ΔVbとして算出する。
また、一定時間が経過する毎に、電圧監視機能部24又はマイクロコンピュータ25はステップS15からS16の処理に進み閾値K1、K2を補正する。
閾値K1、K2については、ステップS11で初期化する際に事前に定めた初期値が割り当てられる。すなわち、車載バッテリー等の設計仕様に基づき、例えばK1=13[V]、K2=1[V]になるように初期化される。しかし、車載バッテリ等が経年劣化することにより電圧Vbおよびその変化量ΔVbが影響を受けるので、その影響を排除するためにS16で補正を実施する。
データ保持部TBLは、所定の不揮発性メモリ(図示せず)上に配置され、イグニッションオフ時の電圧VbL、および変化量ΔVbの過去データを保持することができる。これらの過去データを電圧監視機能部24、又はマイクロコンピュータ25が参照することにより、車載バッテリーの劣化を考慮してS16で閾値K1、K2を適切に補正できる。
例えば、車載バッテリーの劣化により電圧VbLが初期状態に比べて1[V]低下したことを過去データの推移から認識した場合には、閾値K1を13[V]から12[V]に補正し、閾値K2を1[V]から2[V]に補正することが想定される。
電圧監視機能部24、又はマイクロコンピュータ25は、S12、S14で検出した電圧Vb、変化量ΔVbについてS17で判定を実施する。すなわち、図4に示した処理を実施する。まず、電圧Vbと閾値K1をS31で比較し、「Vb>K1」の条件を満たす場合はS32に進み、条件を満たさない場合はS33に進む。
例えば図2に示したIGオン区間のように、電圧Vbが13.5~14.5[V]の範囲内にある場合は、S32に進み、マイクロコンピュータ25が状態メモリDig1に「1」を格納する。また、図2に示したIGオフ区間のように、電圧Vbが11.5~12.5[V]の範囲内にある場合は、S33に進み、マイクロコンピュータ25が状態メモリDig1に「0」を格納する。また、この時の電圧VbをVbLとしてデータ保持部TBLに保存する。
次に、電圧監視機能部24、又はマイクロコンピュータ25は、S14で検出した電圧Vbの変化量ΔVbの絶対値をS34で閾値K2と比較し、「|ΔVb|>K2」の条件を満たす場合はS35に進み、条件を満たさない場合はS39に進む。
マイクロコンピュータ25は、今回検出した変化量ΔVbの絶対値をS35でデータ保持部TBLに保存する。更に、変化量ΔVbを0と比較して変化の方向(正/負)を識別し、電圧Vbが増大する方向の変化の場合は、S37で状態メモリDig2に「1」を格納する。また、電圧Vbが減少する方向の変化の場合は、S38で状態メモリDig2に「0」を格納する。一方、「|ΔVb|>K2」の条件を満たさない場合は、マイクロコンピュータ25はS39で状態メモリDig2に「2」を格納する。
つまり、図3に示したS17の処理を電圧監視機能部24又はマイクロコンピュータ25が実行することにより、イグニションのオンオフの関連のある電圧Vbの状態が、各状態メモリDig1、Dig2に記録される。
マイクロコンピュータ25は、S18で通信インタフェース26を利用して、他の電子制御ユニットから送信されたIGオンオフを表す情報を取得する。
マイクロコンピュータ25は、S19においてIGオンオフの最終判定を行う。すなわち、S17で得られる状態メモリDig1、Dig2の各データと、S18で得られるIGオンオフの受信情報とに基づいて判定を実施する。
通常であれば、状態メモリDig1、Dig2の各データ、およびIGオンオフの受信情報は、実際のイグニッションのオンオフと一致する。しかし、例えば通信に障害が発生すると、IGオンオフの受信情報が得られなかったり、その内容に誤りが生じる可能性がある。また、例えばS12で検出した電圧Vbにノイズ電圧が重畳したような場合には、状態メモリDig1、Dig2の各データのいずれかが誤りである可能性が高くなる。したがって、S19で互いに系統が異なる複数の情報に基づいて最終的に判定することにより、判定の信頼性を高めることができる。
マイクロコンピュータ25は、S19で最終的に判定したIGオンオフ状態を、S20で電気接続箱10の出力として反映する。例えば、IGオンオフ状態が「オン」であれば、半導体スイッチデバイス32をオン(導通状態)に制御し、IGオンオフ状態が「オフ」であれば、半導体スイッチデバイス32をオフ(非導通状態)に制御する。これにより、IGオンオフ状態が「オン」の時だけ、入力側電源ライン21の「+B電源」と同じ電源電力をIG電源出力端子15から負荷に供給することができる。
また、マイクロコンピュータ25は、S19で最終的に判定したIGオンオフ状態の情報を通信インタフェース26を介して、他の電子制御ユニットに送信する(S20)。これにより、入力側電源ライン21の電圧Vbを監視する機能を有しない他の電子制御ユニットにおいても、電圧Vbに基づいて判定されたイグニッションのオンオフを表す情報を利用可能になる。
なお図示しないが、半導体スイッチデバイス31の制御に関しては、特別な遮断指示が発生しない限り、常時オン状態に制御される。これにより、入力側電源ライン21と同等の電源電力を、+B電源出力端子14からその下流側の負荷に対して供給できる。
また、半導体スイッチデバイス33の制御に関しては、通信インタフェース26が受信した他の電子制御ユニットからのACC信号のオンオフに従うように制御される。但し、S19の判定結果がIGオンの場合は、半導体スイッチデバイス33を常時オンに制御してもよい。これにより、ACC電源出力端子16に接続されるアクセサリ系統の負荷に対して、必要な時に電源電力を供給することができる。
また、半導体スイッチデバイス34および35は、それぞれ「負荷A」および「負荷B」に対する他の電子制御ユニットからの駆動指示を通信インタフェース26が受信した場合に、その指示に従ってオンオフ制御される。
以上のように、本発明の実施形態に係る電気接続箱10は、その内部のマイクロコンピュータ25が入力側電源ライン21の電圧Vbに基づいて自立的にイグニッションのオンオフを識別できる。したがって、イグニッションのオンオフに連動して状態が切り替わる「IG電源」の電源ラインを電気接続箱10の入力に接続しなくても、IG電源出力端子15から「IG電源」の電源電力をその下流側の負荷に供給できる。つまり、電気接続箱10の入力側に接続するワイヤハーネスの電線本数を削減できる。
また、通信インタフェース26を利用して他の電子制御ユニットからのIGオンオフ情報を受信できるので、マイクロコンピュータ25がイグニッションのオンオフを判定する際に、独立した2系統の情報を同時に利用できる。つまり、IGオンオフ判定に冗長構成が含まれるので、故障の発生などに対して信頼性を高めることが可能になる。
また、電気接続箱10内のマイクロコンピュータ25が図3に示した動作を実行する場合には、過去データを利用して閾値K1、K2を自動補正するので、経年劣化等に起因する車載バッテリーの劣化等の影響を受けにくくなり、イグニッションのオンオフを正しく判定できる。
なお、図3および図4に示した動作例では、電圧Vbおよびその変動量ΔVbのそれぞれについて、イグニッションのオンオフを判定しているが、いずれか一方だけに基づいてイグニッションのオンオフを判定してもよい。しかし、電圧Vbおよびその変動量ΔVbの両方を個別に判定してその結果を総合的に判断することにより、確実な結果を得ることが可能になる。
なお、図1に示した電気接続箱10の下流側に、+B電源出力端子14、IG電源出力端子15、ACC電源出力端子16を介して別の電子制御ユニットを負荷として接続する場合もある。その場合、下流側の電子制御ユニットの内部で、電気接続箱10と同様の制御を実施することも想定される。その場合は、下流側の電子制御ユニットもその入力側の電源ライン(電気接続箱10の+B電源出力端子14の系統)の電圧に基づいてイグニッションのオンオフを自立的に識別できるので、IG電源出力端子15と接続する必要がなくなり、その電線をワイヤハーネスから削減できる。ACC電源出力端子16と接続する電線についても同様である。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 少なくとも車両の主電源と接続された入力側電源ライン(21)から供給される電源電力を中継して出力側の負荷へ供給する電気接続箱(10)であって、
前記入力側電源ラインにおける電圧を監視する電圧監視部(電圧監視機能部24)と、
前記電圧監視部の検出状態に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別するIG識別部(マイクロコンピュータ25:S12~S17)と、
を備えたことを特徴とする電気接続箱。
[2] 前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、前記入力側電源ラインにおける電圧の絶対値(電圧Vb)、および電圧の変動量(ΔVb)、の少なくとも一方を閾値(K1,K2)と比較して、イグニッションのオンオフ状態を特定する(S17)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電気接続箱。
[3] 前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、
測定した電圧の絶対値、又はその変動量を反映した測定データを過去のデータとして保存するデータ保存部(データ保持部TBL、S33、S35)と、
前記データ保存部が保持している過去のデータを利用して前記閾値を修正する閾値修正部(S16)と、
を含むことを特徴とする上記[2]に記載の電気接続箱。
[4] 前記IG識別部が識別したイグニッションのオンオフに連動して動作する少なくとも1つのスイッチデバイス(半導体スイッチデバイス32)を含み、
前記スイッチデバイスは、前記入力側電源ライン(21)と所定の電力出力端子(IG電源出力端子15)との間に接続された、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電気接続箱。
[5] 前記車両上に存在する所定の外部ユニットとの間で通信するための通信インタフェース(26)を備え、
前記IG識別部は、前記通信インタフェースが受信した信号に含まれるイグニッション情報と、前記電圧監視部の検出状態との両者に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別する(S19)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電気接続箱。
10 電気接続箱
11 +B電源入力端子
12 アース接続端子
13 通信用端子
14 +B電源出力端子
15 IG電源出力端子
16 ACC電源出力端子
17 負荷A用出力端子
18 負荷B用出力端子
21 入力側電源ライン
22 アースライン
23 通信ライン
24 電圧監視機能部
25 マイクロコンピュータ
26 通信インタフェース
31,32,33,34,35 半導体スイッチデバイス
K1,K2 閾値
Vb 電圧
ΔVb 電圧変化量
VbL IGオフ時の電圧
TBL データ保持部
Dig1,Dig2 状態メモリ

Claims (4)

  1. 少なくとも車両の主電源と接続された入力側電源ラインから供給される電源電力を中継して出力側の負荷へ供給する電気接続箱であって、
    前記入力側電源ラインにおける電圧を監視する電圧監視部と、
    前記電圧監視部の検出状態に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別するIG識別部と、
    を備え
    前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、前記入力側電源ラインにおける電圧の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量の絶対値が第2閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量が正の値である場合に、イグニッションのオフからオンへの切り替わりが識別され、前記電圧の絶対値が前記第1閾値以下であり、且つ、前記電圧の変動量の絶対値が前記第2閾値より大きく、且つ、前記電圧の変動量が負の値である場合に、イグニッションのオンからオフへの切り替わりが識別される、
    ことを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記電圧監視部、又は前記IG識別部は、
    測定した電圧の絶対値、又はその変動量を反映した測定データを過去のデータとして保存するデータ保存部と、
    前記データ保存部が保持している過去のデータを利用して前記第1閾値及び前記第2閾値を修正する閾値修正部と、
    を含むことを特徴とする請求項に記載の電気接続箱。
  3. 前記IG識別部が識別したイグニッションのオンオフに連動して動作する少なくとも1つのスイッチデバイスを含み、
    前記スイッチデバイスは、前記入力側電源ラインと所定の電力出力端子との間に接続された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
  4. 前記車両上に存在する所定の外部ユニットとの間で通信するための通信インタフェースを備え、
    前記IG識別部は、前記通信インタフェースが受信した信号に含まれるイグニッション情報と、前記電圧監視部の検出状態との両者に基づいて前記車両におけるイグニッションのオンオフを識別する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
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