JP7295698B2 - 撚線導体、並びに被覆電線、端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線、端子付き分岐被覆電線及び補線付き分岐被覆電線 - Google Patents

撚線導体、並びに被覆電線、端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線、端子付き分岐被覆電線及び補線付き分岐被覆電線 Download PDF

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本発明は、撚線導体、並びに被覆電線、端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線、端子付き分岐被覆電線及び補線付き分岐被覆電線に関する。
電力を伝送する導体として、銅の代わりに、銅よりも軽量なアルミニウムやアルミニウム合金が用いられることがあり、複数本のアルミニウムやアルミニウム合金からなるアルミニウム系素線を撚り合わせて形成してなる撚線導体が用いられている。
このような撚線導体を有する電線100は、例えば図9に示されるように、撚線導体101の外周に絶縁層102が被覆され、その外周にシース103が被覆されるものである。例えば、特許文献1には、送電の際の通電損失の低減を図る鋼心アルミ撚線として、最外層以外の各層のアルミ素線を扇形断面に構成し、かつ最外層のアルミ素線を円形断面に構成する鋼心アルミ撚線が記載されている。
特開昭59-165306号公報
撚線導体を有する被覆電線100には、絶縁層102およびシース103を剥離(皮剥ぎ)して露出させた、撚線導体101の端部(図9(a)参照)や中間部分に、端子やコネクタ等の接続部材(図示せず)が圧着され、この接続部材を介して接続対象物に接続される。
しかし、アルミニウムやアルミニウム合金からなる撚線導体の表面には、電気抵抗の大きな不働態皮膜が形成されるので、撚線導体を端子やコネクタなどの接続部材に接続させたときに、接続部材と撚線導体との接続部分における電気抵抗が上昇することがあった。特に、接続部材と撚線導体との接続は、撚線導体を挿入した状態の接続部材の外面からカシメ加工等を行うことで圧着固定する方法が一般的であるが、カシメ加工が不十分であると、撚線導体の表面の不働態皮膜の大部分が破壊されないため、結果として、多くの不働態皮膜が接続部分に残留し、それにより接続部分における電気抵抗が上昇する傾向がある。
ここで、特許文献1に記載される鋼心アルミ撚線は、撚線導体の内部空間を埋めることで断面積を増加させるものであるが、撚線導体と接続部材との接続信頼性については着目していない。そのため、撚線導体と接続部材との接続信頼性の高い撚線導体を開発することが求められていた。
本発明の目的は、長期間にわたる使用によっても、接続部材との間で高い接続信頼性を有する撚線導体と、それを用いた被覆電線、端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線、端子付き分岐被覆電線及び補線付き分岐被覆電線を提供することである。
本発明者らは、撚線導体の最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が所定の範囲内にある粗面化領域を設けるとともに、粗面化領域を構成する凹凸形状の中で凸になっている部分を、端子やコネクタ等の接続部材と圧着させる際に変形するように構成することで、撚線導体と接続部材との接続信頼性が高められることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)複数本のアルミニウム系素線を単層または2層以上に撚り合わせて形成してなる撚線導体において、前記撚線導体は、接続部材が圧着される被圧着部分の外周面を形成する、最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が0.4μm以上500μm以下の粗面化領域を有する、撚線導体。
(2)前記粗面化領域は、前記撚線導体の長手方向寸法が10mm以上200mm以下の範囲である、上記(1)に記載の撚線導体。
(3)前記粗面化領域は、前記撚線導体の長手方向寸法が、前記接続部材の長手方向寸法以上である、上記(1)または(2)に記載の撚線導体。
(4)前記最外層アルミニウム系素線は、丸線または扁平線であり、かつ前記被圧着部分の最小線径に対する最大線径の比が、平均で1.1以上2.0以下である、上記(1)、(2)または(3)に記載の撚線導体。
(5)前記最外層アルミニウム系素線の線径が、1.0mm以上3.2mm以下の範囲である、上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の撚線導体。
(6)前記撚線導体は、前記アルミニウム系素線を2層以上に撚り合わせて形成してなり、隣接した層にそれぞれ位置するアルミニウム系素線同士は、互いに撚り方向が交差する方向になるような配置関係を有している、上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の撚線導体。
(7)上記(1)~(6)のいずれか1項に記載の撚線導体と、前記粗面化領域を除いた前記撚線導体の外周面部分に形成された絶縁被覆とを有する、被覆電線。
(8)上記(7)に記載の被覆電線と、前記被覆電線の一端または両端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した前記接続部材としての端子とを有する、端子付き被覆電線。
(9)幹線としての上記(7)に記載の被覆電線である第1被覆電線と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタとを有する、分岐被覆電線。
(10)上記(7)に記載の被覆電線である第1被覆電線と、前記第1被覆電線を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線と、前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第3圧着部、および前記第3被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第4圧着部を有する前記接続部材としての延長コネクタとを有する、補線付き被覆電線。
(11)上記(7)に記載の被覆電線である第1被覆電線と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタと、前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した前記接続部材としての端子とを有する、端子付き分岐被覆電線。
(12)上記(7)に記載の被覆電線である第1被覆電線と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタと、前記第1被覆電線を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線と、前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第3圧着部、および前記第3被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第4圧着部を有する前記接続部材としての延長コネクタとを有する、補線付き分岐被覆電線。
本発明によれば、撚線導体の最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が所定範囲である粗面化領域を設けることにより、長期間にわたる使用によっても、接続部材との間で高い接続信頼性を有する撚線導体と、それを用いた被覆電線、端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線、端子付き分岐被覆電線及び補線付き分岐被覆電線を提供することができる。
本発明の実施形態に係る撚線導体を有する被覆電線の構成の一例を示すものであって、(a)が正面図、(b)が(a)に示す被覆電線をI-I線上で切断したときの断面図である。 本発明の実施形態に係る撚線導体の被圧着部分を示す断面図であって、最小線径と最大線径を示したものである。 本発明の実施形態に係る撚線導体における隣接する層の撚り方向の一例を示す正面図であって、(a)は、隣接する層に位置する素線同士の撚り方向が、交差する向き(逆巻き)である場合、(b)は、隣接する層に位置する素線同士の撚り方向が、同じ向き(平行巻き)である場合を示す。 本発明の実施形態に係る端子付き被覆電線の要部構成の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る分岐被覆電線の要部構成の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る補線付き被覆電線の要部構成の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る端子付き分岐被覆電線の要部構成の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る補線付き分岐被覆電線の要部構成の一例を示す斜視図である。 従来技術に係る撚線導体を有する被覆電線の構成の一例を示すものであって、(a)が正面図、(b)が(a)に示す被覆電線をII-II線上で切断したときの断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
<撚線導体>
本実施形態の撚線導体は、複数本のアルミニウム系素線を単層または2層以上に撚り合わせて形成してなる撚線導体において、前記撚線導体は、接続部材が圧着される被圧着部分の外周面を形成する、最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が0.4μm以上500μm以下の粗面化領域を有するアルミニウム系撚線導体である。
本実施形態に係るアルミニウム系撚線導体では、接続部材が圧着される部分である被圧着部分の外周面に、算術平均高さ(Sa)が所定の範囲内にある粗面化領域を設けることにより、粗面化領域を構成する凹凸形状の中で凸になっている部分が、端子やコネクタ等の接続部材との圧着によって変形し、その変形した部分が大気と接触せずに接続部材と電気的に接続されるため、長期間にわたる使用によっても、撚線導体と接続部材との接続信頼性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
<撚線導体についての実施形態>
図1(a)、(b)は、本実施形態に係る撚線導体10を有する被覆電線1の構成の一例を示すものであって、図1(a)が正面図、図1(b)が図1(a)に示す被覆電線をI-I線上で切断したときの断面図である。本実施形態に係る撚線導体10は、複数本のアルミニウム系素線を、単層または2層以上に撚り合わせて形成してなるものであり、その端部に粗面化領域2を有する。図1に示す被覆電線1は、中心となる1本の素線である中心素線11と、その周囲に第1層および第2層の2層になるように、第1層(内層)を構成する複数本のアルミニウム系素線122、および第2層(最外層)を構成する複数本のアルミニウム系素線121を撚り合わせて形成した撚線導体10を有する場合を示している。以下では、図1に示す2層撚り構造の撚線導体10を有する被覆電線1を例にして説明するが、本発明では、かかる構成だけには限定されず、例えば、素線を単層または3層以上の撚り構造の撚線導体を有していてもよい。
撚線導体10を構成するアルミニウム系素線としては、純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる素線が挙げられる。このうち、アルミニウム合金としては、アルミニウム-マンガン系合金、アルミニウム-マグネシウム系合金、アルミニウム-マグネシウム-ケイ素系合金、アルミニウム-亜鉛-マグネシウム系合金、アルミニウム-銅-マグネシウム系合金等を用いることができる。
アルミニウム系素線は、中心となる中心素線11と、中心素線11の周囲に単層または2層以上に撚り合わせて形成される外周素線12に大別される。このうち、外周素線12は、最外層(第2層)を構成する最外層アルミニウム系素線121と、最外層アルミニウム系素線121の内側に形成される内層アルミニウム系素線122とに分けることができる。例えば、n(nは2以上の整数)層撚り構造の撚線導体の場合、外周素線12は、最外層(第n層)を構成する最外層アルミニウム系素線121と、最外層アルミニウム系素線121の内側に形成される層(第n-1層)を構成する内層アルミニウム系素線122とに分けることができる。
このうち、最外層アルミニウム系素線121は、端子30(図4参照)、分岐コネクタ41(図5参照)、延長コネクタ52(図6参照)などの接続部材が圧着される被圧着部分の外周面を形成するものであり、その被圧着部分を含む表面部分に、算術平均高さ(Sa)が0.4μm以上500μm以下の粗面化領域2を有する。このような数値範囲の算術平均高さ(Sa)を備える粗面化領域2を有することで、粗面化領域2を構成する凹凸形状の中で凸になっている部分の多くが接続部材(図示せず)と圧着する際に変形し、その変形した多くの部分が大気と接触せずに接続部材と電気的に接続されるため、圧着後の最外層アルミニウム系素線121と接続部材との間の接続部分における不動態皮膜の形成が大幅に抑制され、撚線導体10と接続部材との間における電気抵抗の上昇を大幅に抑えることができる。
ここで、最外層アルミニウム系素線121の粗面化領域2の算術平均高さ(Sa)は、最外層アルミニウム系素線121の1本のうち、撚線導体10の外面を構成している素線表面について、素線の線径の3分の1の長さを一辺とした正方形の領域を基準面として測定される、粗面化領域2の算術平均高さ(Sa)である。撚線導体10と接続部材との電気抵抗の上昇を抑える観点から、この算術平均高さ(Sa)の下限は、6.0μmが好ましく、9.0μmがより好ましく、他方でこの算術平均高さ(Sa)の上限は、350μmが好ましく、50μmがより好ましい。
また、この粗面化領域2は、撚線導体10の長手方向Xに沿って測定したときの寸法である長手方向寸法Zが、接続部材と接触する接続部分の全体について電気抵抗の上昇を抑えるため、接続部材の長手方向寸法以上であることが好ましい。ここで、接続部材の長手方向寸法とは、撚線導体10の粗面化領域2の長手方向寸法Zに対応して延在する方向の寸法である。より具体的には、粗面化領域2の長手方向寸法Zは、例えば10mm以上200mm以下の範囲にすることが好ましい。
最外層アルミニウム系素線121は、接続部材との接触部分を安定して形成できるとともに、撚線導体10が屈曲し易くなるため、断面が円形の丸線や、断面が楕円形の扁平線であることが好ましい。特に、撚線導体10が圧縮を施してなる圧縮撚線導体である場合には、外周素線12、例えば最外層アルミニウム系素線121の断面は、図2に示すように、接続部材と接触する部分が圧縮されていることが好ましく、また、(圧着前の)被圧着部分の最小線径L1に対する最大線径L2の比(最大線径L2/最小線径L1)が、素線ごとの算術平均で1.1以上2.0以下であることが好ましい。
ここで、最外層アルミニウム系素線121の断面について、被圧着部分の最小線径L1に対する最大線径L2の比を、平均で1.1以上2.0以下の範囲にすることで、最外層アルミニウム系素線121と接続部材との接触面積が増加するとともに、上述の算術平均高さ(Sa)によって、撚線導体10と接続部材との電気的な接続をさらに図ることができるため、接続部材との間における接続信頼性をより高めることができる。
最外層アルミニウム系素線121の線径は、特に限定されないが、その下限値は、最外層アルミニウム系素線121の摩耗などによる断線を防ぐ観点から、1.0mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。他方で、最外層アルミニウム系素線121の線径の上限値は、所望の曲げ加工性を持たせる観点から、3.2mmが好ましく、3.0mmがより好ましく、2.5mmがさらに好ましい。ここで、扁平線のように断面が円形でないアルミニウム系素線の線径(素線径)と、圧縮撚線導体における最外層アルミニウム系素線121の線径は、これらの素線の断面と断面積が等しい真円の直径とする。
他方で、最外層アルミニウム系素線121の内側に内層アルミニウム系素線122を有する場合、内層アルミニウム系素線122の線径は、最外層アルミニウム系素線121と同様の範囲であることが好ましいが、最外層アルミニウム系素線121とは異なっていてもよく、同じであってもよい。
本実施形態に係る撚線導体10では、内層アルミニウム系素線122を1層以上有することが好ましく、その場合、撚線導体10は、アルミニウム系素線を2層以上に撚り合わせて形成される。このとき、撚線導体10の径方向について内外に隣接した層(例えば、図1の最外層アルミニウム系素線121と内層アルミニウム系素線122)にそれぞれ位置するアルミニウム系素線同士は、互いに撚り方向が交差する方向になるような配置関係を有していることが好ましい。このとき、隣接した層の撚り方向を交差させることで、隣接した層のうち、内側の層を構成するアルミニウム系素線(例えば図1の内層アルミニウム系素線122)によって形成される溝に、外側の層を構成するアルミニウム系素線(例えば図1の最外層アルミニウム系素線121)が入り込み難くなるため、撚線導体10はより円形に近い径方向の断面を有し、被圧着部分において接続部材に安定して圧着される撚線導体10を得ることができる。また、隣接した層の撚り方向を交差させることで、最外層を構成するアルミニウム系素線と、隣接する内層を構成するアルミニウム系素線とが互いに点接触するように配置されているため、点接触した素線同士の部分が互いに擦れ合って酸化被膜が破壊されやすくなる結果、接続安定性を向上させることができる。
ここで、撚り方向が交差する方向になるような配置関係としては、例えば図3(a)に示す撚線導体10aのように、隣接した層にそれぞれ位置するアルミニウム系素線同士、例えば図3(a)の最外層アルミニウム系素線121aと内層アルミニウム系素線122a同士の撚り方向が、互いに交差する方向(逆向き)になるような配置関係(逆巻き)が好ましいが、このほか、隣接する層に位置するアルミニウム系素線の撚りに強弱の差をつけることで、撚り方向を交差させてもよい。
また、例えば図3(b)に示す撚線導体10bのように、隣接した層にそれぞれ位置するアルミニウム系素線同士、例えば図3(b)の最外層アルミニウム系素線121bと内層アルミニウム系素線122b同士の撚り方向が、互いに同じ方向(略平行方向)になるような配置関係(平行巻き)にしてもよい。
本実施形態に係る撚線導体10を構成する中心素線11は、図1では、1本の素線によって構成されている場合を示しているが、中心素線11に代わって、複数の素線で構成してもよい。特に、中心素線11を複数の素線を撚り合わせた中心撚線で構成する場合、中心撚線は、隣接した外側の層に位置する素線とは、上述のように撚り方向を互いに交差させることが好ましい。
本実施形態に係る撚線導体10を作製する方法は、特に限定されないが、例えば、中心素線11を中心にアルミニウム系素線を撚り合わせて単層または2層以上の外周素線12を形成した後、最外層アルミニウム系素線121のうち、接続部材が圧着される部分、すなわち被圧着部分について、ステンレスブラシなどの粗面化部材を用いて手動で粗面化領域2を形成し、または、この粗面化部材を備えた粗面化機械を用いて粗面化領域2を形成することで、撚線導体10を作製することができる。
ここで、粗面化領域2の算術平均高さ(Sa)は、粗面化領域2を形成する際の条件を調整することで、適切な値に調整することができる。例えば、ステンレスブラシを用いて粗面化領域2を形成する場合には、ブラシの素線直径や素線密度、最外層アルミニウム系素線121を擦る際の荷重や回数を調整することができる。
また、最外層アルミニウム系素線121の断面における最小線径に対する最大線径の比については、アルミニウム系素線の扁平率(素線扁平率)や形状、撚り合わせたアルミニウム系素線を圧縮して撚線導体10を得る際の撚線圧縮率を調整することで、適切な値に調整することができる。
<被覆電線についての実施形態>
本実施形態に係る被覆電線1は、例えば図1に示されるように、上述の撚線導体10と、粗面化領域2を除く撚線導体10の外周面部分に形成された絶縁被覆13とを有する。より具体的には、撚線導体10の外周に、少なくとも絶縁被覆13が積層され、より好ましくはその外周に最外層としてシース14が積層されたものとすることができる。
ここで、絶縁被覆13としては、公知の材料を用いることができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。また、粗面化領域2による絶縁被覆13の破損を防ぐため、絶縁被覆13は、粗面化領域2を除く撚線導体10の外周面部分に形成されていることが好ましい。
<端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線についての実施形態>
本実施形態に係る被覆電線1は、少なくとも粗面化領域2に、端子、分岐コネクタ、延長コネクタ等の接続部材が圧着されることが好ましく、それにより端子付き被覆電線、分岐被覆電線、補線付き被覆電線を構成することが好ましい。
(端子付き被覆電線)
このうち、端子付き被覆電線3は、例えば図4に示すように、上述した被覆電線1と、この被覆電線1の一端または両端に形成した粗面化領域2に圧着固定した端子30とを有する。
ここで、端子30は、上述のアルミニウム系素線と同様に純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、筒状の内部空間31を有する部材である。この端子30には、被覆電線1のうち撚線導体10の粗面化領域2が内部空間31に挿入された状態でカシメ加工が施されており、それにより形成される係止部32によって、端子30が被覆電線1の粗面化領域2で圧着される。
(分岐被覆電線)
分岐被覆電線4は、例えば図5に示すように、幹線としての上述の被覆電線である第1被覆電線1と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線40と、分岐コネクタ41とを備え、この分岐コネクタ41の第1圧着部42で、第1被覆電線1に形成した粗面化領域2に圧着固定するとともに、分岐コネクタ41の第2圧着部43で、第2被覆電線40の皮剥ぎした一端に圧着固定したものである。
ここで、第2被覆電線40の導体材料は、上述のアルミニウム系素線と同様に純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなっていてもよく、また、銅やステンレス鋼(SUS)のように、被覆電線1の撚線導体10の構成材料とは異なる材料からなってもよい。
また、分岐コネクタ41は、上述のアルミニウム系素線と同様に純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、両側が開いた筒状の内部空間を有する第1圧着部42と、片側が開いた筒状の内部空間を有する第2圧着部43と、を有する部材である。この分岐コネクタ41は、被覆電線1のうち撚線導体10の粗面化領域2が第1圧着部42内に位置し、かつ第2被覆電線40の皮剥ぎした端部が第2圧着部43の内部空間に挿入された状態で圧潰されており、それにより第1圧着部42が被覆電線1の粗面化領域2に圧着固定されるとともに、第2圧着部43が第2被覆電線40の皮剥ぎした一端に圧着固定されることによって、分岐被覆電線4を得ることができる。
(補線付き被覆電線)
補線付き被覆電線5は、例えば図6に示すように、上述の被覆電線である第1被覆電線1と、第1被覆電線1を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線50と、延長コネクタ52とを備え、この延長コネクタ52の第3圧着部53で、第1被覆電線1に形成されている粗面化領域2に圧着固定するとともに、延長コネクタ52の第4圧着部54で、第3被覆電線50の皮剥ぎした一端に圧着固定することで得ることができる。
ここで、第3被覆電線50の導体材料は、アルミニウム系素線よりも電気抵抗の大きい不動態皮膜を形成し難い材料であることが好ましく、例えば銅やステンレス鋼(SUS)などが挙げられる。
また、延長コネクタ52は、上述のアルミニウム系素線と同様に純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、筒状の内部空間を有する第3圧着部53および第4圧着部54を有する部材である。この延長コネクタ52は、被覆電線1のうち撚線導体10の粗面化領域2が第3圧着部53に挿入され、かつ第3被覆電線50の皮剥ぎした端部が第4圧着部54の内部空間に挿入された状態で圧潰されており、それにより第3圧着部53が被覆電線1の粗面化領域2に圧着固定されるとともに、第4圧着部54が第3被覆電線50の皮剥ぎした一端に圧着固定されることによって、被覆電線1が延長された補線付き被覆電線5を得ることができる。
(複数の接続部材を有する構造)
本実施形態では、端子30、分岐コネクタ41および延長コネクタ52のうち2種以上を組み合わせてもよい。
例えば、図7に示すように、上述の被覆電線である第1被覆電線1を用い、第1被覆電線1と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線40と、分岐コネクタ41と、端子30、30´を備えた、端子付き分岐被覆電線6を構成することができる。この端子付き分岐被覆電線6では、分岐コネクタ41の第1圧着部42で、第1被覆電線1に形成されている粗面化領域2が圧着固定されるとともに、分岐コネクタ41の第2圧着部43が第2被覆電線40の皮剥ぎした一端に圧着固定される。他方で、上述の第1被覆電線1の一方の端に粗面化領域2´が形成され、この粗面化領域2´に端子30が圧着固定される。また、上述の第1被覆電線1の他方の端に粗面化領域2´´が形成され、この粗面化領域2´´に端子30´が圧着固定される。
また、図8に示すように、上述の被覆電線である第1被覆電線1を用い、第1被覆電線1と、分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線40と、分岐コネクタ41と、第1被覆電線1を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線50、50´と、延長コネクタ52、52´とを備えた、補線付き分岐被覆電線7を構成することもできる。この補線付き分岐被覆電線7では、分岐コネクタ41の第1圧着部42で、第1被覆電線1に形成されている粗面化領域2が圧着固定されるとともに、分岐コネクタ41の第2圧着部43で、第2被覆電線40の皮剥ぎした一端が圧着固定される。他方で、上述の第1被覆電線1の一方の端に粗面化領域2´が形成され、この延長コネクタ52の第3圧着部53で、第1被覆電線1に形成されている粗面化領域2´が圧着固定されるとともに、延長コネクタ52の第4圧着部54に第3被覆電線50の皮剥ぎした一端が圧着固定される。また、上述の第1被覆電線1の他方の端に粗面化領域2´´が形成され、この延長コネクタ52´の第3圧着部53´で、第1被覆電線1に形成されている粗面化領域2´´が圧着固定されるとともに、延長コネクタ52´の第4圧着部54´に第3被覆電線50´の皮剥ぎした一端が圧着固定される。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
(1)撚線導体の作製
[本発明例1]
アルミニウム系素線として、素線径2.6mmの丸線(素線扁平率=1)の材料種A1070からなる純アルミニウム導体線を19本用い、図1(b)に示すように、1本の中心素線の周囲に6本の素線を撚り合わせて内層アルミニウム系素線を形成し、その周囲に、12本の素線を撚り合わせて最外層アルミニウム系素線を形成して、1+6+12の撚り構造を有する撚線導体を作製した。このとき、最外層アルミニウム系素線は、隣接している内層アルミニウム系素線と逆方向に撚り合わせた(逆巻き)。この撚線導体の全体について、圧縮率(撚線圧縮率)が2%となる力で径方向に圧縮を施し、圧縮撚線導体を得た。得られた圧縮撚線導体の撚線断面積は100mmである。この撚線導体の外周面部分に、厚さ2.0mmの架橋ポリエチレンからなる絶縁被覆と、厚さ1.5mmの塩化ビニルからなるシースを設けて被覆電線を得た。
この被覆電線の端から100mmの範囲を皮剥ぎして、素線直径0.1mm、素線密度2本/mmのステンレスブラシを用い、撚線導体の粗面化領域を形成する部分に位置する最外層アルミニウム系素線の外周面に対して、1Nの負荷荷重を作用させたステンレスブラシを、撚線導体の長手方向Xに沿って3回移動させる(擦る)ことで、撚線導体の最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、撚線導体の長手方向に沿った寸法Zが100mmとなる粗面化領域を形成した。形成された粗面化領域について、キーエンス製VK-X250を用いて、最外層アルミニウム系素線の1本のうち、撚線導体の外面を構成している素線の表面について、素線の線径の3分の1の長さを一辺とした正方形の領域を基準面としたときの算術平均高さ(Sa)を倍率400倍で測定したところ、0.4μmであった。
また、撚線導体の最外層アルミニウム系素線について、倒立金属顕微鏡を用いて断面を観察するとともに、得られる画像から最小線径に対する最大線径の比を求めたところ、素線ごとの算術平均で1.1と求められた。
この被覆電線に接続するアルミニウム系端子として、純アルミニウム端子の内表面と外表面に、それぞれ、厚さ3μmのニッケル層と厚さ10μmのスズ層を上記順序で積層させた表面被覆を形成させたアルミニウム系端子を用いた。このアルミニウム系端子の導体圧着部位の長手方向寸法は20mmである。このアルミニウム系端子の導体圧着部位に、撚線導体の粗面化領域を差し込み、減面率5~15%となる領域の大きさが撚線導体の線径の1~2倍の大きさになるような圧着条件にて、かしめにより撚線導体をアルミニウム系端子に圧着した。
[本発明例2~20、比較例1、2]
表1の記載に基づいて条件を調整した以外は本発明例1と同様にして、粗面化領域の形成された圧縮撚線導体を有する被覆電線を得た。ここで、素線扁平率が1のものは断面が円形の丸線であり、素線扁平率が1を超えているものは断面が楕円形の扁平線である。得られた圧縮撚線導体の粗面化領域の算術平均高さ(Sa)と、最外層アルミニウム系素線の最小線径に対する最大線径の比の平均値の測定結果を、表1に示す。
Figure 0007295698000001
(2)被覆電線の撚線導体を構成する素線間における抵抗のばらつきに関する評価
アルミニウム系端子に圧着された被覆電線について、圧着部分から200mmの被覆を除去し、アルミニウム系端子への圧着を保つように撚線導体の撚りを解いて素線ごとに分けた後、全ての素線とアルミニウム系端子との間の電気抵抗値を、3560ACミリオームハイテスタ(HIOKI社製)を用いて4端子抵抗測定法で測定し、測定した電気抵抗値から、電線部分の抵抗値を除いた電気抵抗値の平均値と標準偏差を算出して、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
ここで、全ての素線とアルミニウム系端子間の電気抵抗値の標準偏差が平均値の10%以内であったものを、使用初期において接続部材との接続信頼性が優れていると判定して「◎」とし、全ての素線とアルミニウム系端子間の電気抵抗値の標準偏差が平均値の10%超25%以内であったものを、使用初期において接続部材との接続信頼性が良好であると判定して「○」とした。他方で、全ての素線とアルミニウム系端子間の電気抵抗値の標準偏差が平均値の25%超であったものを、使用初期において接続部材との接続信頼性が劣る(不可)と判定して「×」とした。
(3)サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価
アルミニウム系端子に圧着された被覆電線について、espec社製の冷熱衝撃装置「TSE-11-A」を用いて、サーマルショック試験として、被覆電線を0℃に保持されたボックスから100℃に保持されたボックスに移動して昇温させた後で、100℃で30分間保持し、その後、被覆電線を100℃に保持されたボックスから0℃に保持されたボックスに移動して冷却した後で、0℃で30分間保持するサイクルを1サイクルとして、500サイクル行うことで、被覆電線に熱衝撃を与えた。
熱衝撃を与える前と熱衝撃を与えた後の被覆電線について、アルミニウム系端子が圧着している部分から200mmの被覆を除去し、被覆を除去した部分のうちアルミニウム系端子が圧着していない側の30mm程度をはんだ付けした。その後、はんだ付けした部分と圧着部分との間の電気抵抗値を、3560ACミリオームハイテスタ(HIOKI社製)を用いて4端子抵抗測定法で測定し、測定した電気抵抗値から、撚線部分の抵抗値を除いた電気抵抗値を算出して、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
ここで、サーマルショック試験後の抵抗値が、サーマルショック試験前の抵抗値に対して150%以内であったものを、長期間にわたる使用における接続部材との接続信頼性が優れていると判定して「◎」とした。また、サーマルショック試験後の抵抗値が、サーマルショック試験前の抵抗値に対して200%以内であったものを、長期間にわたる使用における接続部材との接続信頼性が良好であると判定して「○」とした。他方で、サーマルショック試験後の抵抗値が、サーマルショック試験前の抵抗値に対して200%超であったものを、長期間にわたる使用における接続部材との接続信頼性が劣る(不可)と判定して「×」とした。
(4)総合判定における評価方法
素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果に基づく総合判定について、以下の評価基準により判定した。結果を表2に示す。
ここで、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果が、いずれも「◎」評価であったものを、長期間にわたる使用によっても接続部材との接続信頼性が優れていると判定して「◎」とした。また、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果が、いずれも「○」評価であったものを、長期間にわたる使用によっても接続部材との接続信頼性が良好であると判定して「○」とした。他方で、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果のうち少なくともいずれかの評価結果が「×」評価であったものを、少なくとも長期間にわたる使用において接続部材との接続信頼性が劣る(不可)と判定して「×」とした。
Figure 0007295698000002
表1~2から明らかなように、接続部材が圧着される被圧着部分の外周面を形成する、最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が0.4μm以上500μm以下の粗面化領域を有する撚線導体(本発明例1~20)では、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果が、いずれも「○」評価以上であったため、長期間にわたる使用によっても接続部材との接続信頼性が良好であることが分かった。
他方で、粗面化領域の算術平均高さ(Sa)が0.1μmと小さい比較例1の撚線導体では、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果は「〇」であったものの、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果が「×」であり、長期間にわたる使用において接続部材との接続信頼性が劣るものであった。また、粗面化領域の算術平均高さ(Sa)が512μmと大きい比較例2の撚線導体では、素線間における抵抗のばらつきに関する評価結果と、サーマルショック試験の前後における抵抗値の変動に関する評価結果がいずれも「×」であり、使用初期において接続部材との接続信頼性が劣り、かつ、長期間にわたる使用においても接続部材との接続信頼性が劣るものであった。
上記結果より、算術平均高さ(Sa)が0.4μm以上500μm以下の粗面化領域を有する撚線導体(本発明例1~20)では、比較例1、2の撚線導体と比較して、長期間にわたる使用によっても接続部材との接続信頼性が良好であることが分かった。
1、1a、1b 被覆電線
2 粗面化領域
3 端子付き被覆電線
4 分岐被覆電線
5 補線付き被覆電線
6 端子付き分岐被覆電線
7 補線付き分岐被覆電線
10、10a、10b 撚線導体
11 中心素線
12 外周素線
13 絶縁被覆
14 シース
30 端子
31 内部空間
32 係止部
40 第2被覆電線
41 分岐コネクタ
42 第1圧着部
43 第2圧着部
50 第3被覆電線
52 延長コネクタ
53 第3圧着部
54 第4圧着部
121、121a、121b 最外層アルミニウム系素線
122、122a、122b 内層アルミニウム系素線
D 撚線導体の径方向
X 撚線導体の長手方向
Z 粗面化領域の長手方向寸法
L1 最小線径
L2 最大線径

Claims (11)

  1. 複数本のアルミニウム系素線を単層または2層以上に撚り合わせて形成してなる撚線導体において、
    前記撚線導体は、接続部材が圧着される被圧着部分の外周面を形成する、最外層に位置する最外層アルミニウム系素線の表面部分に、算術平均高さ(Sa)が9.7μm以上34μm以下の粗面化領域を有かつ、
    前記最外層アルミニウム系素線は、丸線または扁平線であり、かつ前記被圧着部分の最小線径に対する最大線径の比が、平均で1.1以上2.0以下である、撚線導体。
  2. 前記粗面化領域は、前記撚線導体の長手方向寸法が10mm以上200mm以下の範囲である、請求項1に記載の撚線導体。
  3. 前記粗面化領域は、前記撚線導体の長手方向寸法が、前記接続部材の長手方向寸法以上である、請求項1または2に記載の撚線導体。
  4. 前記最外層アルミニウム系素線の線径が、1.0mm以上3.2mm以下の範囲である、請求項1からのいずれか1項に記載の撚線導体。
  5. 前記撚線導体は、前記アルミニウム系素線を2層以上に撚り合わせて形成してなり、
    隣接した層にそれぞれ位置するアルミニウム系素線同士は、互いに撚り方向が交差する方向になるような配置関係を有している、請求項1からのいずれか1項に記載の撚線導体。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の撚線導体と、前記粗面化領域を除いた前記撚線導体の外周面部分に形成された絶縁被覆とを有する、被覆電線。
  7. 請求項に記載の被覆電線と、
    前記被覆電線の一端または両端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した前記接続部材としての端子と
    を有する、端子付き被覆電線。
  8. 幹線としての請求項に記載の被覆電線である第1被覆電線と、
    分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、
    前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタと
    を有する、分岐被覆電線。
  9. 請求項に記載の被覆電線である第1被覆電線と、
    前記第1被覆電線を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線と、
    前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第3圧着部、および前記第3被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第4圧着部を有する前記接続部材としての延長コネクタと
    を有する、補線付き被覆電線。
  10. 請求項に記載の被覆電線である第1被覆電線と、
    分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、
    前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタと、
    前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した前記接続部材としての端子と
    を有する、端子付き分岐被覆電線。
  11. 請求項に記載の被覆電線である第1被覆電線と、
    分岐線としての他の被覆電線である第2被覆電線と、
    前記第1被覆電線に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第1圧着部、および前記第2被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第2圧着部を有する前記接続部材としての分岐コネクタと、
    前記第1被覆電線を延長する補線である別の被覆電線である第3被覆電線と、
    前記第1被覆電線の一端に形成した前記粗面化領域に圧着固定した第3圧着部、および前記第3被覆電線の皮剥ぎした一端に圧着固定した第4圧着部を有する前記接続部材としての延長コネクタと
    を有する、補線付き分岐被覆電線。
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