JP7292807B2 - ダイポールアンテナ - Google Patents
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Description
しかしながら、2周波の帯域で使用される従来のダイポールアンテナでは、寸法が大きく小型化されていなかった、あるいは、小型化した従来のダイポールアンテナでは、低周波帯と高周波帯との2周波の帯域において、良好な電圧定在波比特性が得ることが困難であるという問題点があった。
そこで、本発明は、所定の値を示す電圧定在波比の周波数帯域に、低周波帯および高周波帯の全周波数帯域がほぼ含まれるようになると共に、低周波帯の下端の周波数の波長をλLとした際に、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内にアンテナ素子が収まるよう小型化できるダイポールアンテナを提供することを目的としている。
また、上記本発明のダイポールアンテナにおいて、前記延長素子は、繰り返し折返された形状のミアンダ素子により構成されていてもよい。
さらに、上記本発明のダイポールアンテナにおいて、前記アース素子は、所定の間隔で対向するよう平行に配列された2本の線状の素子から構成されていてもよい。
さらにまた、上記本発明のダイポールアンテナは、前記ホット素子の長さと前記アース素子の長さとの比を変えることにより、前記低周波帯と前記高周波帯との利得が変わるようになる。
さらにまた、上記本発明のダイポールアンテナは、前記延長素子の幅あるいは長さを変えることにより、比帯域が変わるようになる。
さらにまた、上記本発明のダイポールアンテナは、前記低周波帯の下端の周波数の波長をλL、前記高周波帯の上端の周波数の波長をλHとした際に、前記ホット素子および前記アース素子の長さが約0.5λLであって約1.3λHとされると共に、前記延長素子の端縁から前記ホット素子の折り返された外縁までの長さが約0.5λHとされて、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に、前記ホット素子と前記アース素子と前記延長素子とが収まるようにされている。
さらにまた、上記本発明のダイポールアンテナは、前記ホット素子と前記アース素子と前記延長素子と前記ホット給電ランドとアース給電ランドとが、基板の一面に装着されている。
本発明にかかる第1実施例のダイポールアンテナ1の構成を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例のダイポールアンテナ1は、細長い線状のホット素子11と、細長い線状のアース素子12とを備えている。ホット素子11のダイポールアンテナ1の中央側における一端に、ホット素子11に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド13が形成されている。ホット素子11は、ホット給電ランド13から延伸された細長い線状の素子を備え、線状の素子は小型化を図るために中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上に折り返されてコ字状の形状とされている。また、アース素子12のダイポールアンテナ1の中央側における一端に、アース素子12に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド14が形成されている。アース素子12は、アース給電ランド14からホット素子11とは逆方向に延伸された細長い線状の素子を備え、線状の素子は小型化を図るために中途が図面上において下から上の逆方向に折り返されてコ字状の形状に構成されて、ホット素子11とほぼ点対称に配置されている。ホット給電ランド13とアース給電ランド14とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド13に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド14に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子11とアース素子12とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第1実施例のダイポールアンテナ1は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子11とアース素子12と延長素子15とが収まるように小型化されている。
次に、本発明にかかる第2実施例のダイポールアンテナ2の構成を図3(a)に示す。
図3(a)に示す本発明の第2実施例のダイポールアンテナ2は、細長い線状のホット素子21と、中途から幅が広くされたアース素子22とを備えている。ホット素子21のダイポールアンテナ2の中央側における一端に、ホット素子21に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド23が形成されている。ホット素子21は、ホット給電ランド23から延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上に折り返されてコ字状の形状とされている。また、アース素子22のダイポールアンテナ2の中央側における一端に、アース素子22に給電するための幅広で横長の矩形状とされたアース給電ランド24が形成されている。アース素子22は、アース給電ランド24からホット素子21とは逆方向に延伸された細長い線状の素子と、線状の素子から延伸されている横長の矩形状とされた幅広の素子とを備えている。ホット給電ランド23とアース給電ランド24とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド23に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド24に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子21とアース素子22とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第2実施例のダイポールアンテナ2は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子21とアース素子22と延長素子25とが収まるように小型化されている。
上記したように、本発明にかかる第2実施例のダイポールアンテナ2および変形例のダイポールアンテナ2’は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子21とアース素子22,22’と延長素子25とが収まるように小型化されている。
次に、本発明にかかる第3実施例のダイポールアンテナ2の構成を図5に示す。
図5に示す本発明の第3実施例のダイポールアンテナ3は、細長い線状のホット素子31と、細長い線状のアース素子32とを備えている。ホット素子31のダイポールアンテナ3の中央側における一端に、ホット素子31に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド33が形成されている。ホット素子31の一端をホット給電ランド33に接続する部位には徐々に幅が広がって接続される勾配が形成されており、ホット素子31は、ホット給電ランド33から勾配を介して延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上にL字状に折り返されている。また、アース素子32のダイポールアンテナ3の中央側における一端は、アース素子32に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド34が形成されている。アース素子32は、アース給電ランド34からホット素子31とは逆方向に延伸された細長い線状の素子を備え、線状の素子は小型化を図るために中途が図面上において下から上の逆方向に折り返されてコ字状の形状に構成されている。アース素子32の線幅は、第1実施例のアース素子12より細くされて、共振周波数が高くなるようにしている。ホット給電ランド33とアース給電ランド34とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド33に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド34に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子31とアース素子32とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第3実施例のダイポールアンテナ3は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子31とアース素子32と延長素子35とが収まるように小型化されている。
次に、本発明にかかる第4実施例のダイポールアンテナ4の構成を図7に示す。
図7に示す本発明の第4実施例のダイポールアンテナ4は、細長い線状のホット素子41と、細長い平行に配置された2本の線状のアース素子42とを備えている。ホット素子41のダイポールアンテナ4の中央側における一端に、ホット素子41に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド43が形成されている。ホット素子41の一端をホット給電ランド43に接続する部位には徐々に幅が広がって接続される勾配が形成されており、ホット素子41は、ホット給電ランド43から勾配を介して延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上にL字状に折り返されている。また、アース素子42のダイポールアンテナ4の中央側における一端に、アース素子42に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド44が形成されている。アース素子42は、アース給電ランド44からホット素子41とは逆方向に延伸された平行に配置された細長い2本の線状の素子を備え、小型化を図るために2本の線状の素子は中途が図面上において下から上の逆方向に折り返されてコ字状の形状に構成されている。この場合、2本の線状の素子はわずかな所定の間隔で対向するよう平行に配列されている。また、アース素子42における2本の線状の素子の線幅は、第1実施例のアース素子12より細くされて、共振周波数が高くなるようにしている。ホット給電ランド43とアース給電ランド44とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド43に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド44に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子41とアース素子42とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第4実施例のダイポールアンテナ4は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子41とアース素子42と延長素子45とが収まるように小型化されている。
次に、第4実施例のダイポールアンテナ4において、ホット素子41の長さとアース素子42の長さとの比を変化させたときの最大利得の変化特性について図9(a)(b)および図10を参照して説明する。
長さを最も長くした状態のホット素子41-1の構成とされると共に、長さを最も短くした状態のアース素子42-1を備えるダイポールアンテナ4-1の構成を図9(a)に示す。図9(a)に示すダイポールアンテナ4-1は、ホット素子41-1の長さLhが最も長くされており、長さLhを長くしても小型化を図るためにホット素子41-1は、開放端とされる他端を下から上に折り返したコ字状の形状とされている。また、図9(a)に示すダイポールアンテナ4-1は、アース素子42-1の開放端とされる他端のコ字状の部位をL字状の形状として短くすることにより、アース素子42-1の長さLeを最も短くしている。
そして、長さを最も短くした状態のホット素子41-2と、長さを最も長くした状態のアース素子42-2を備えるダイポールアンテナ4-2の構成を図9(b)に示す。図9(b)に示すダイポールアンテナ4-2は、ホット素子41-2の開放端とされる他端を下から上に折り返してL字状の形状とすることにより、ホット素子41-2の長さLhを最も短くしている。また、図9(b)に示すダイポールアンテナ4-2は、アース素子42-2の長さLeが最も長くされており、長さLeを長くしても小型化を図るためにアース素子42-2は、開放端とされる他端を折り返してコ字状の形状とすることにより、アース素子42-2の長さLeを最も長くしている。
図10を参照すると、一点鎖線で示す800MHz帯の低周波帯では、Lh/Leが2.05から1.77まで変化するに従い最大利得は約-1.7dBiから約-1.3dBiまで上昇するようになり、Lh/Leが1.77から1.39まで変化するに従い最大利得は約-1.3dBiから約-2.1dBiまで下降するようになり、Lh/Leが1.39から1.27まで変化するに従い最大利得は約-2.1dBiから約-1.75dBiまで上昇するようになる。低周波帯においては、Lh/Leが1.77とされた時に約-1.4dBiの最大利得が得られる。
また、図10において実線で示す1500MHz帯の中周波域では、Lh/Leが2.05から1.27まで変化するに従い最大利得は約0.55dBiから約-1.2dBiまで下降するようになり、特に、Lh/Leが2.05から1.60まで変化するに従い最大利得は0.55dBiから約-1.1dBiまで急激に下降する。中周波域においては、Lh/Leが2.05とされた時に約0.55dBiの最大利得が得られる。
さらに、図10において破線で示す2000MHz帯の高周波帯では、Lh/Leが2.05から1.53まで変化するに従い最大利得は約-1.2dBiから約-0.25dBiまで上昇するようになり、Lh/Leが1.53から1.39まで変化するに従い最大利得は約-0.25dBiから約-0.3dBiまで下降するようになり、Lh/Leが1.39から1.33まで変化するに従い最大利得は約-0.3dBiから約-0.05dBiまで上昇するようになり、Lh/Leが1.33から1.27まで変化するに従い最大利得は-0.05dBiから約-0.15dBiまで下降するようになる。高周波帯においては、Lh/Leが1.33とされた時に約-0.05[dBi]の最大利得が得られる。
第4実施例のダイポールアンテナ4においては、上記したようにホット素子41の長さLhとアース素子42の長さLeとの比であるLh/Leを変化させると利得が変化するが、周波数帯域によって最大利得が得られるLh/Leが異なるようになる。そこで、使用する周波数帯域が決定された際に、図10を参照することにより使用する周波数帯域において相互に大きな利得が得られるLh/Leを選択するのが好適となる。
次に、第2実施例のダイポールアンテナ2において、ホット素子21における延長素子25の幅Δxを変化させたときの比帯域の変化特性について図11(a)(b)および図12を参照して説明する。
延長素子25の幅Δxを最も広くした状態のホット素子21-1を備えるダイポールアンテナ2-1の構成を図11(a)に示し、延長素子25の幅Δxを最も狭くして延長素子25を省略したと等価な状態のホット素子21-2を備えるダイポールアンテナ2-2の構成を図11(b)に示す。
そして、最も広くした延長素子25の幅Δxを0.0326λHとして幅Δxを最も狭くした0.0000λHまで変化させた時の2000MHz帯の高周波帯における比帯域の変化特性を図12に示す。図12において、横軸は延長素子25の幅Δxとされ縦軸は比帯域[%]とされている。図12を参照すると、延長素子25の幅Δxを0.0326λHから0.0109λHまで変化させるに従い比帯域は上昇する傾向となり、幅Δxが0.0109λHの時に最大の約99%の比帯域が得られる。また、延長素子25の幅Δxを0.0109λHから0.0000λHまで変化させるに従い比帯域は約99%から約20%まで下降する。比帯域の閾値をFHの比帯域である41.3%とすると、延長素子25の幅Δxが約0.0023λHの時に41.3%の比帯域が得られる。このように、延長素子25の幅Δxを0.0023λH未満とすると41.3%の所望の比帯域が得られず、延長素子25の幅Δxを0.0023λH以上の幅とすることで、高周波帯において41.3%以上の比帯域を得ることができるようになる。
延長素子25の長さを最も長くした状態のホット素子21-3を備えるダイポールアンテナ2-3の構成を図13(a)に示し、図13(a)においてホット素子21の中途で折返された外縁から延長素子25の先端の端縁までの長さをΔyとして示す。また、延長素子25の長さΔyを短くした状態のホット素子21-4を備えるダイポールアンテナ2-4の構成を図13(b)に示し、図13(b)においてホット素子21の中途で折返された外縁から延長素子25の先端の端縁までの長さをΔyとして示す。
そして、最も長くした延長素子25とした時の長さΔyが0.510λHとされ、長さΔyを0.510λHから0.394λHまで変化させた時の2000MHz帯の高周波帯における比帯域の変化特性を図14に示す。図14において、横軸は長さΔyとされ縦軸は比帯域[%]とされている。図14を参照すると、延長素子25の長さを変化させて長さΔyを0.510λHから0.488λHまで変化させた際の比帯域は約78%~80%が得られているが、延長素子25の長さを短くしていくことで長さΔyを0.488λHから0.481λHまで変化させると、比帯域が39%まで急激に降下するようになる。比帯域の閾値をFHの比帯域である41.3%とすると、長さΔyが約0.480λHの時に41.3%の比帯域が得られる。そして、延長素子25の長さを短くしていくことで長さΔyを0.481λHから0.394λHまで変化させるに従い比帯域は約39%から約20%まで降下していく。このように、ホット素子21の中途で折返された外縁から延長素子25の先端の端縁までの長さΔyを0.481λH以下とすると41.3%の所望の比帯域が得られず、長さΔyが約0.480λH以上となる延長素子25の長さとすることで、高周波帯において41.3%以上の比帯域を得ることができるようになる。
第2実施例のダイポールアンテナ2においては、上記したように延長素子25の幅あるいは延長素子25の長さを変化させることにより比帯域を変化させることができる。延長素子25の幅Δxは、0.0023λH以上の幅とすることが好適であり、延長素子25の長さは、長さΔyが約0.488λH以上となる延長素子25の長さとするのが好適とされる。
次に、本発明にかかる第5実施例のダイポールアンテナ5の構成を図15に示す。
図15に示す本発明の第5実施例のダイポールアンテナ5は、高周波特性の良好なガラスエポキシ基板やテフロン(登録商標)基板等の角部が斜面で面取りされた細長い矩形状の基板50を備え、図面上において基板50はハッチングを施して示されており、この基板50の一面に、細長い線状のホット素子51と、平行に配置された細長い2本の線状のアース素子52とがプリントパターンや貼着により形成されている。ホット素子51のダイポールアンテナ5の中央側における一端に、ホット素子51に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド53が基板50の一面に形成されている。ホット素子51の一端をホット給電ランド53に接続する部位には徐々に幅が広がって接続される勾配が形成されており、ホット素子51は、ホット給電ランド53から勾配を介して延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上に折り返されてコ字状の形状に形成されている。また、アース素子52のダイポールアンテナ5の中央側における一端に、アース素子52に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド54が基板50の一面に形成されている。アース素子52は、アース給電ランド54からホット素子51とは反対側に延伸されている平行に配置された細長い2本の線状の素子を備え、小型化を図るために2本の線状の素子は中途が図面上において下から上の逆方向に折り返されてコ字状の形状に構成されている。この場合、2本の線状の素子はわずかな所定の間隔で対向するよう平行に配列されている。また、アース素子52における2本の線状の素子の線幅は、第1実施例のアース素子12より細くされて、共振周波数が高くなるようにしている。ホット給電ランド53とアース給電ランド54とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド53において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド54において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子51とアース素子52とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第5実施例のダイポールアンテナ5は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子51とアース素子52と延長素子55とが収まるように小型化されていることから、基板50の一面にダイポールアンテナ5を形成しても、小型化することができる。
次に、本発明にかかる第7実施例のダイポールアンテナ6の構成を図16に示す。
図16に示す本発明の第7実施例のダイポールアンテナ6は、高周波特性の良好なガラスエポキシ基板やテフロン基板等の角部が丸く面取りされた細長い矩形状の基板60を備え、図面上において基板60はハッチングを施して示されており、この基板60の一面に、細長い線状のホット素子61と、中途から幅が広くされたアース素子62とが形成されている。ホット素子61のダイポールアンテナ6の中央側における一端に、ホット素子61に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド63が基板60の一面に形成されている。ホット素子61の一端をホット給電ランド63に接続する部位には徐々に幅が広がって接続される勾配が形成されており、ホット素子61は、ホット給電ランド63から勾配を介して延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされていると共に、開放端とされる他端が下から上に折り返されてコ字状の形状とされている。また、アース素子62のダイポールアンテナ6の中央側における一端に、アース素子62に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド64が基板60の一面に形成されている。アース素子62は、アース給電ランド64からホット素子61とは反対側に延伸された線状の素子と、線状の素子から延伸されている横長の矩形状とされた幅広の素子とを備えている。アース素子62における幅広の素子には、一部を矩形状に切り抜く切り抜き部66が形成されており、切り抜き部66の大きさを変えることで、アース素子62のインピーダンス等の電気特性を変えることができる。ホット給電ランド63とアース給電ランド64とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド63において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド64において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子61とアース素子62とに給電ケーブルから給電される。
上記したように、本発明にかかる第6実施例のダイポールアンテナ6は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子61とアース素子62と延長素子65とが収まるように小型化されていることから、基板60の一面にダイポールアンテナ6を形成しても、小型化することができる。
次に、本発明にかかる第7実施例のダイポールアンテナ7の構成を図17に示す。
図16に示す本発明の第7実施例のダイポールアンテナ7は、高周波特性の良好なガラスエポキシ基板やテフロン基板等の角部が丸く面取りされた細長い矩形状の基板70を備え、図面上において基板70はハッチングを施して示されており、この基板70の一面に、細長い線状のホット素子71と、先端部にループ部76が形成されたアース素子72とが形成されている。ホット素子71のダイポールアンテナ7の中央側における一端に、ホット素子71に給電するための幅広の矩形状とされたホット給電ランド73が基板70の一面に形成されている。ホット素子71は、ホット給電ランド73から延伸された細長い線状の素子を備え、小型化を図るために線状の素子は中途が図面上において上から下に折り返されてコ字状の形状とされている。また、アース素子72のダイポールアンテナ7の中央側における一端に、アース素子72に給電するための幅広の矩形状とされたアース給電ランド74が基板70の一面に形成されている。アース素子72は、アース給電ランド74から延伸された線状の素子と、線状の素子の先端に形成された横長の矩形状のループ部76を備えている。ホット給電ランド73とアース給電ランド74とはわずかな所定の間隔で対向するよう配置されている。なお、ホット給電ランド73において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に図示しない同軸ケーブルの芯線がハンダ付け等により接続され、アース給電ランド74において、クロスハッチングして示す矩形状の接続部分に同軸ケーブルのシールド線材がハンダ付け等により接続されて、ホット素子71とアース素子72とに給電ケーブルから給電される。
ここで、第7実施例のダイポールアンテナ7は第1実施例のダイポールアンテナ1と同様に比帯域が16.5%となる814MHz~960MHzのFLと、比帯域が41.3%となる1427.9MHz~2170MHzのFHとの2周波の帯域で使用される。第7実施例のダイポールアンテナ7において、ホット素子71の他端の先端である開放端からホット給電ランド73の中央までの長さがL70とされ、ホット素子71の中途で折返された外縁から延長素子75の先端の端縁までの長さがL71とされ、アース素子72におけるループ部76の延長素子75と対向する側縁から幅広の素子の周縁を回ってアース給電ランド74の中央までの長さがL72とされ、同じ幅とされるホット素子71とアース素子72との幅がW70とされる。これらの寸法の一例を挙げると、FLの下端の周波数(ここでは、814MHz)の波長をλL、FHの上端の周波数(ここでは、2170MHz)の波長をλHとした際に、L70とL72の長さは約0.5λLであって約1.3λHとされ、L72の長さは約0.5λHとされ、W70の長さは約0.024λLであって約0.065λHとされる。また、上記した「わずかな所定の間隔」は、例えば約1mmとされ、約0.0027λLであって約0.0073λHに相当する。なお、上記した寸法は波長を単位とした電気長で表わされており、基板70上の波長は基板70の比誘電率に応じて短縮される。すなわち、上記した寸法を実現する物理長は上記した寸法に波長短縮率を乗算した物理長となる。波長短縮率は基板70の比誘電率をεとすると、1/√εとなる。
上記したように、本発明にかかる第7実施例のダイポールアンテナ7は、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に少なくともホット素子71とアース素子72と延長素子75とが収まるように小型化されていることから、基板70の一面にダイポールアンテナ7を形成しても、小型化することができる。
次に、本発明にかかる第8実施例のダイポールアンテナ8の構成を図18に示す。
図18に示す本発明の第8実施例のダイポールアンテナ8は、第7実施例のダイポールアンテナ7の横方向の長さを短縮したダイポールアンテナに相当している。第8実施例のダイポールアンテナ8は、基板70の横方向の長さを短縮したハッチングを施して示す基板80を備え、この基板80の一面に、ホット素子71とアース素子72とほぼ同様の形状のホット素子81とループ部86を有するアース素子82とが形成されている。基板80の横方向の長さが短縮されていることから、小型化を図るためにホット素子81の開放端とされる他端が下から上に折り返されてコ字状の形状とされている。また、ホット給電ランド73とアース給電ランド74と同様の形状および機能とされたホット給電ランド83とアース給電ランド84とが基板80の一面に形成されている。ホット給電ランド83からは、延長素子75と同様の延長素子85が延伸されて形成されている。
以上説明した本発明にかかる第5実施例ないし第8実施例のダイポールアンテナは、高周波特性の良好なガラスエポキシ基板やテフロン基板等の基板の一面にプリントパターンや貼着によりダイポールアンテナの各素子を基板の一面に装着している。そして、第1実施例ないし第4実施例のダイポールアンテナにおいても、高周波特性の良好なガラスエポキシ基板やテフロン基板等の基板の一面にプリントパターンや貼着によりダイポールアンテナの各素子を基板の一面に装着することができる。なお、他の樹脂やガラスを用いた基板としてもよく、さらに、基板を屈曲可能な素材からなるフレキシブル基板とすることもできる。ここで、第1実施例ないし第4実施例のダイポールアンテナにおける上記した寸法は波長を単位とした電気長で表わされており、基板上の波長は基板の比誘電率に応じて短縮されることから、基板の一面に第1実施例ないし第4実施例のダイポールアンテナを装着した場合は、上記した寸法に波長短縮率を乗算した物理長となる。波長短縮率は基板の比誘電率をεとすると、1/√εで表される。
本発明にかかる各実施例のダイポールアンテナにおいて、ホット素子の開放端とされる先端部のコ字状あるいはL字状の折り返しの部位は、電気的特性の微調整用に用意された部位であり、実施の形態に応じて先端を長くしたり、先端を切って短くすることにより電気的調整を行うようにしてもよい。すなわち、ホット素子の開放端とされる先端部のコ字状あるいはL字状の折り返しの部位の形状は、実施の態様に応じて各実施例の図面に示した形状と異なるようにしてもよい。
さらにまた、上記の説明では、本発明の第4実施例のダイポールアンテナにおいては、わずかな所定の間隔(例えば約1mm)で対向するよう平行に配列された2本の線状の素子からアース素子を構成すると説明したが、本発明の第1実施例ないし第3実施例のダイポールアンテナにおいても、アース素子を、わずかな所定の間隔で対向するよう平行に配列された2本の線状の素子から構成することにより、FLとFHとにおいて広帯域の比帯域が得られるようになる。
Claims (8)
- ホット素子とアース素子とを備え、使用する周波数帯域が低周波帯と高周波帯との2周波の帯域とされるダイポールアンテナであって、
コ字状に折り返されている前記ホット素子と、
一端が前記ホット素子の一端と対向されて配置されると共に、前記ホット素子とは逆方向に折り返されている前記アース素子と、
前記ホット素子の一端に幅広の形状に形成されている給電用のホット給電ランドと、
前記アース素子の一端に幅広の形状に形成され、前記ホット給電ランドに対向されて配置される給電用のアース給電ランドとを備え、
前記ホット給電ランドの開放端から前記アース素子に向かって延伸する延長素子が形成され、該延長素子は前記アース素子と対向して配置されて、前記低周波帯および前記高周波帯の周波数帯域が、所定の値を示す電圧定在波比の周波数帯域にほぼ含まれるようになることを特徴とするダイポールアンテナ。 - 前記延長素子は、前記ホット給電ランドより幅広の矩形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のダイポールアンテナ。
- 前記延長素子は、繰り返し折返された形状のミアンダ素子により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイポールアンテナ。
- 前記アース素子は、所定の間隔で対向するよう平行に配列された2本の線状の素子から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイポールアンテナ。
- 前記ホット素子の長さと前記アース素子の長さとの比を変えて、前記低周波帯と前記高周波帯との利得を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のダイポールアンテナ。
- 前記延長素子の幅あるいは長さを変えて、比帯域を変えるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のダイポールアンテナ。
- 前記低周波帯の下端の周波数の波長をλL、前記高周波帯の上端の周波数の波長をλHとした際に、前記ホット素子および前記アース素子の長さが約0.5λLであって約1.3λHとされると共に、前記延長素子の端縁から前記ホット素子の折り返された外縁までの長さが約0.5λHとされて、長辺の長さが約0.27λL、短辺の長さが約0.027λLの矩形状の枠内に、前記ホット素子と前記アース素子と前記延長素子とが収まることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のダイポールアンテナ。
- 前記ホット素子と前記アース素子と前記延長素子と前記ホット給電ランドとアース給電ランドとが、基板の一面に装着されていることを特徴とする請求項1ないし7に記載のダイポールアンテナ。
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