JP7292757B2 - 光学式非接触測定用の前処理剤およびスプレー体 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の表面形状を非接触にて光学測定する際に使用する前処理剤に関し、特に、高精度な測定を実現する前処理剤技術に関する。
近年、製品開発において、製品形状が複雑となり、また、開発期間の短縮が求められる傾向にある。従って例えば、試作品の表面形状を3Dスキャンするなど、光学測定してデータ取りし、これに基づきCADデータとの突き合わせをおこない、金型の修正をおこなうなどして、開発の効率化が図られている。リバースエンジニアリングについても同様である。
また、柔らかい物や脆い物を測定する場合には、特に、非接触の光学測定が望まれる。
いずれにせよ、表面形状のデータは、製品評価における重要な情報であるため、高精度なデータ取りをすることが近年一層重要となってきている。
ここで、光沢面や鏡面、透明体を非接触にて光学測定する場合、データ抜けや、不正確なデータ取りとなってしまうことが頻繁に起こる。したがって、現場では、反射光量を安定させるために、例えば浸透探傷試験用のスプレーを利用し、測定対象物表面に白色の粉を吹き付ける前処理がおこなわれている。これにより、表面形状のデータ取りを実現している。
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
近年、非接触にて光学測定するデジタイザの解像度の向上が著しく、より高精度なデータ取りが可能となっている。これに伴い、前処理が必要とされる場面も多くなっているものの、これまでの前処理剤は、上述の様に代用品に過ぎないため、吹き付け後に液だれや液だまりが生じて粉が集積し、塗布層が吹き付け毎に一定とならないという問題点があった。また、エッジ部分に影響が出やすいという問題点があった。また、塗布層がそもそも厚くなり、必ずしも表面形状が正確に反映されない場合がある、という問題点もあった。
すなわち、データの取得を容易にするために使用している前処理剤の影響を受けて、正しいデータが測定できないという問題が生じるようになってきていた。これは、換言すれば、塗布層由来の不具合を拾ってしまうほどデジタイザの測定精度が上がってきたともいえる。
このほか、吹き付け後の乾燥に時間がかかったり、複数回の吹き付けが必要であったりと、作業性に劣る場合があるという問題点があった(複数回の吹き付けは、結果として、安価でなくなるという問題点ともなっていた)。
また、速乾性が高くても、代用品では塗布表面の状態が粗く、価格も高いものがあるという問題点があった。
特開2019-067774号公報 特開2015-210140号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、光学式非接触測定にて、安定して高精度な表面形状データの取得を可能にする、作業性に優れた安価な前処理剤を提供することを目的とする。
請求項1に記載の前処理剤は、対象物の表面形状を非接触にて光学測定する際に吹き付けにより使用する前処理剤であって、平均粒径が0.5μm以上2.0μm以下の範囲にあり、4.0μm以下の粒径の割合が84wt%以上である炭酸カルシウムを主剤とし、プロパノールを分散剤とし、主剤を5.0wt%以上10wt%以下の範囲で分散剤に混合したことを特徴とする。
すなわち、請求項1にかかる発明は、対象物表面に対して光学式非接触測定に好適な塗布層形成を実現する速乾性のある分散剤に、安価で安全な炭酸カルシウム微粉末を混和することにより、高精度な表面形状データの取得を可能にする。
分散剤は、1-プロパノールでも2-プロパノールでもよくこれらを混合して用いてもよい。また、適宜、性状を良好に保持する添加剤、補助剤が若干含まれていてもよいものとする。
主剤は、好ましくは4.0μm以下の粒径の割合が91wt%以上、更に好ましくは95wt%以上である。また、平均粒径の上限を1.5μm以下とすると、より精度の高いデータ取りが可能となる。
主剤の混合割合は、好ましくは6.0wt%以上9.0wt%以下、更に好ましくは7.0wt%以上8.0wt%以下である。なお、濃度はいうまでもないが、100×主剤重量/(主剤重量+分散剤重量)である。
請求項2に記載の前処理スプレー体は、請求項1に記載の前処理剤を収容したスプレー体であって、平板から200mm離れた位置から平板に平行に吐出中心を平板法線方向に向けたまま15cm/秒の速さで平板直上を通過する一回の往復移動をさせた場合に、平板への主剤の平均塗布厚みが0.5μm以上2.0μm以下となる吐出としたことを特徴とする。
すなわち、請求項2にかかる発明は、光学式非接触測定に好適な塗布量を吐出し、コストパフォーマンスのよい操作性に優れる前処理剤を提供可能となる。
なお、スプレー体とは、前処理剤を対象物に好適に噴霧放出するものをいい、スプレー装置と表現してもよく、スプレー缶やスプレーガンの態様を当然に含む。スプレー缶の場合は、適宜、攪拌玉を封入してもよい。
いうまでもないが、スプレー缶の場合には、空気その他の噴出用のガスも封入し、スプレーガンの場合にも、混合噴出機構を当然に備える。
平板とは塗布厚みを概念するための仮想的な対象である。
平板に平行に吐出中心を平板法線方向に向け平板直上を通過する一回の往復移動、とは、スプレー缶でいえば、噴射ボタン、アクチュエータ等と称される部分の吐出穴からの吐出方向が平板平面に対して対向する向きのままの平行移動、を意味し、吐出穴からは、通常錐形状にて前処理剤が放散されるが、その濃度の濃い部分が平板直上を通過するようにそして向きを変えないように平行移動にて往復することを意味する。平均塗布厚みは、この濃度の濃い部分の厚みである。
塗布層ないし塗膜は、吐出量、吐出速度、吐出圧、広がり形状等に依存するが、本願では、これを平均塗布厚みにより規定している。
平均塗布厚みの上限は、1.0μm以下であることが好ましい。
請求項3に記載の前処理スプレー体は、請求項1に記載の前処理剤において主剤の混合割合を2倍にして収容した、低明度対象物用のスプレー体であって、平板から200mm離れた位置から平板に平行に吐出中心を平板法線方向に向けたまま15cm/秒の速さで平板直上を通過する一回の往復移動をさせた場合に、平板への主剤の平均塗布厚みが1.0μm以上5.0μm以下となる吐出としたことを特徴とする。
すなわち、請求項3にかかる発明は、低明度対象物(場合によっては透明体)の光学式非接触測定に好適な塗布量を吐出し、コストパフォーマンスのよい前処理剤を提供可能となる。
主剤の濃度は、好ましくは12.0wt%以上18.0wt%以下、更に好ましくは14.0wt%以上16.0wt%以下である。
平均塗布厚みの上限は、2.5μm以下であることが好ましい。
低明度とは、ここでは、L色空間にて、L≦50(Lは0≦L≦100の範囲で定義され、L=0は黒、L=100は白である)をいうが、対象物の表面性状にも依存するので、請求項2のスプレー体では正確なデータが得られない対象物の明度を低明度とするものとする。概ね黒や灰色が低明度に該当する。
本発明によれば、光学式非接触測定にて、安定して高精度な表面形状データの取得を可能にする、作業性に優れる安価な前処理剤およびスプレー体を提供することができる。
本発明に用いる炭酸カルシウム微粉末の平均粒径を、光透過式粒度分布測定機で測定した結果である。 本発明の測定系の例を示した説明図である。 オプチカルフラットに対して前処理をしたときの、外観図、表面拡大図、および表面粗さRzの測定結果を示した図である。 金属球体に対して前処理したときの、外観、測定点群、CAD比較結果を示したグラフである。 接触式三次元測定機にて測定した球直径値を校正値とし、デジタイザで測定した点群データから計算により求めた直径値との差分と輪郭度とを求めた図である。また、併せて、デジタイザで求めた点群とCADデータのベストフィット解析によるカラーマップ分布、及び±0.01mm(±10μm)範囲の割合を求めたグラフを示している。 段差がある対象物に対する前処理評価を示した図である。 平板に対し、本発明品(7.5wt%品)と、代用品(商品名スタンダードチェック)とについて前処理をおこない、外観観察、3D表示をした結果である。 平板に対し、本発明品(7.5wt%品)と、代用品(商品名スタンダードチェック)とについて前処理をおこない、高さ測定結果、平均膜厚測定結果を示した図である。 主剤の濃度を15wt%とした場合について、オプチカルフラットに吹き付け、表面観察、高さ測定、膜厚測定、3D表示をした結果である。 なお、図3,図4,図5,図6,図8は、オリジナルはグレースケールであり、図7,図9はカラーであるが、PCT出願の制約上、公報では白黒2値の不明瞭な図面となっている可能性がある。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、前処理剤の主剤(非接触で光学的にデータ取得するための反射材:微粉末)として、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、を候補にして検討した。ここで、酸化チタンは極めて高価(数万円/kg)であり、反対に炭酸カルシウムは、極めて安価(50円/kg~100円/kg)である。他の2候補は、1000円/kg~2000円/kgである。
また、酸化チタンとアルミナとは、安全性に若干の懸念がある物質として注意喚起がなされている。一方、炭酸カルシウムは、その使用基準が撤廃され、食品にも制限なく使用できる安全性の高い物質である。
よって、炭酸カルシウムを主剤として使うこととした。
評価に用いた炭酸カルシウムは、平均粒径が0.5μm以上2.0μm以下の範囲にあり、4.0μm以下の粒径である割合が84wt%以上のものである。このような例として、日東粉化商事株式会社製炭酸カルシウム、品名NS♯2300,NS♯1000,NS♯600を挙げることができる。メーカーのスペック表によると、それぞれの平均粒径および4.0μm以下の粒径の割合が1.0μm-95.0wt%,1.2μm-91.0wt%,1.5μm-84.0wt%である。
なお、予備試験等で以下を確認した。平均粒径が0.5μm未満であると、粉体がなかなか沈降せず、また、測定機器の隙間に容易に侵入するため、操作性および取扱性が悪化する。平均粒径が2.0μmを超えると、相対的に大きな粒も増え、塗布層が厚く精細なデータ取りができなくなってくる。
よって、本発明では、炭酸カルシウムの平均粒径が0.5μm以上2.0μm以下の範囲にあり、4.0μm以下の粒径である割合が84wt%以上であるものを用いることとした。
図1は、本発明に用いる炭酸カルシウム微粉末(NS#2300)の平均粒径を光透過式粒度分布測定機で測定した結果である。なお、図では、従来の代用品3点(商品名:ミクロチェック(イチネンケミカル社製),商品名:スタンダードチェック(Helling社製),商品名:スーパーチェック(マークテック社製))の平均粒径もあわせて表示した。
本発明品で用いる炭酸カルシウム微粉末を本願発明者が測定したところ平均粒径は約1.7μmであった。これはメーカースペック表より大きな値であるが、出荷ロットや測定機の精度等に依存するものと考えられる。同様に代用品を測定したところ、平均粒径が5.2μm~6.1μmであり、本発明品で用いる粉末より3倍以上も大きいことを確認した。
次に、分散剤(主剤を分散し、測定対象物に吹き付けるための混合剤)として、エタノールとプロパノールを検討した。いずれも主剤の分散性は確保されるが、吹き付け後の様子を見るとエタノールの場合は液だれが生じやすく、一方、プロパノールは相対的に速乾性があり液だれもなく、好適と考えられた。よって、分散剤としてはプロパノールを用いることとした。
次に、吹き付けの客観的な評価をおこなうための測定系を構築した。図2は、本発明の測定系の例を示した説明図である。まず主剤を分散剤に混合封入したスプレーを用意する。つぎに、その噴射ボタンの吐出穴を垂直下側に向けたまま、200mm離した水平面に載置した平板に平行に、吐出穴が平板直上を通過するようにスプレーを吹き付けながら一往復させる。吹き付けの終わった平板の光学式非接触測定等をおこない、主剤の厚みを算出する等の評価をおこなう。
現場では、作業員が手作業で吹き付け(前処理)をおこなうが、上記測定系はその際の吹き付け距離や移動速度などを考慮して構築したものとなっている。
〔実施の形態1〕
以下、適宜、代用品も含めて前処理剤の評価をおこなった。
<試験1:オプチカルフラット>
まず、オプチカルフラットに対する前処理評価をおこなった。ここでは、主剤の濃度を2.5wt%、5.0wt%、7.5wt%、10.0wt%として評価した。なお、主剤の炭酸カルシウムの平均粒径は1.0μmであり、4.0μm以下の粒径である割合が95wt%以上としたものを用いた(以下、特に断らない限り同様である)。図3は、オプチカルフラットに対して前処理をしたときの、外観図、表面拡大図、および表面粗さRzの測定結果を示した図である。なお、オプチカルフラットは一部マスキングして吹き付けをおこなった。
塗布表面を見ると、濃度に応じて微粉が付着している様子が確認できる。また、これに伴って表面粗さRzが大きくなっていることが確認できる。
<試験2:金属球体>
次に、金属球体に対する前処理評価をおこなった。台座である角柱の上の2つの球体の1つにだけ吹き付けをおこない、デジタイザにより測定をおこなった。また同時に接触式三次元測定機で台座も含めた球の直径と位置関係も測定しており、そのデータを用いたCADデータも作成した。
図4は、金属球体に対して前処理したときの、外観、測定点群、CAD比較結果を示したグラフである。ここで、測定点群とはデジタイザで測定した際の点の集合体である。また、CAD比較結果とは、接触式三次元測定機で測定したデータから作成したCADデータと測定点群をベストフィット解析した結果の差異をカラーマップで示したものである。
図5は、接触式三次元測定機にて測定した球直径値を校正値とし、デジタイザで測定した点群データから計算により求めた直径値との差分と輪郭度とを求めた図である。また、併せて、デジタイザで求めた点群とCADデータのベストフィット解析によるカラーマップ分布、及び±0.01mm(±10μm)範囲の割合を求めたグラフを示している。
これらの試験は、測定対象面をオプチカルフラットや金属球といった、平面や曲面にスプレー塗布をした際に、炭酸カルシウムがどの割合であれば測定結果に最も影響を与えないかを把握するためにおこなったものである。試験結果から、7.5wt%品が最も良好な塗布を実現し、また、測定値への影響も小さいことが確認できた。
<試験3:段差>
次に、段差に対する前処理評価をおこなった。図6は、段差がある対象物に対する前処理評価を示した図である。図示したように、ここでは幅の異なるブロックゲージを3本用いて真ん中が最も低くなるように段差を作出した。これにより、測定対象物に存在する溝やスリット等におけるスプレーの影響を評価できる。
まず接触式三次元測定機で真ん中の最も低いブロックゲージの面を高さ0にセットし、両サイドのブロックゲージの高さ測定を行い、その結果を校正値とした。次にデジタイザで測定し、得られた点群データから3つのブロックゲージの平面データを作成し、真ん中の平面を0に設定した後、両サイドの点群データにより作成した平面までの高さを校正値と比較して、差分を求めた。その結果、7.5wt%品が最も校正値との差が小さく良好な塗布となっていることを確認した。
また、本発明品と代用品との比較もおこなった。平板に対し、本発明品(7.5wt%品)と、代用品(商品名スタンダードチェック)とについて前処理をおこない、外観観察、3D表示を図7に、高さ測定結果、平均膜厚測定結果を、図8に示した。
図7に示した様に、50倍程度の倍率で、代用品については、粒径が大きく、凝集様相も確認された。本発明品にはそのような様相は見られず、分散性よく(換言すれば一様にまたは均一に)付着していることが確認できた。また3D表示で確認できるように、代用品では表面粗さがめだち、高精細なデータ取りの実現が困難であるところ、本発明品では、非常に好適な付着すなわち、対象品の表面形状を精度よく写し取ることができることを確認した。
同様に、図8では、観察画面の中で最も高さの高い場所を探し、ベース面となるオプチカルフラットの平面との高さの差を求め、塗布層高さとして評価した。その結果、代用品では粉末高さが高く、いわば真の表面形状を被覆してしまうほどの厚塗りとなってしまうところ、本発明品では、この1/10に高さを抑えることを確認した。平均膜厚により評価すると、本発明品は代用品に比して二桁も薄く塗布できることを確認した。
以上から、本発明品の濃度は7.5wt%が好適であり、二度塗り三度塗りせずとも、精度の高い非接触のデータ測定が実現できることを確認した。すなわち、光学式非接触測定専用の前処理剤が開発できたといえる。なお、濃度範囲は、7.0wt%以上8.0wt%以下であれば同等の精度が得られる。使用の態様によるが、6.0wt%以上9.0wt%以下であれば十分に良好な結果が得られる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1に示した様に、本発明品は代用品に比べて粒径が小さく、かつ、均質的な薄塗りを実現する。しかしながら、各種予備試験を通じて、つや消し黒のような表面の場合、反射率ないし光量の事実上の低減が生じ、高精度なデータ取得が十分とならない場合があることがわかった。
そこで、主剤濃度を倍にして測定することとした。
<実験4:濃度違い>
主剤の濃度を15wt%とした場合について、オプチカルフラットに吹き付け、表面観察、高さ測定、膜厚測定、3D表示をした結果を図9に示す。なお、比較として、7.5wt%品の結果も示す。以降において、15wt%品を高濃度品、7.5wt%品を標準品と称することとする。
表面観察結果からもわかるように、高濃度品は、標準品より対象物への付着面積ないし被覆面積が大きくなっている。そして、高さ測定でも2倍以上の厚みとなっている。また、図示は省略するが、膜厚測定でも、高濃度品は0.78μmであり標準品は0.15μmであって、4倍以上の厚みとなっていた。実際、黒色平板に対して吹き付けると、反射率や光量の低減が抑制されており、非接触による光学測定の際の顕著なデータ抜けは見られなくなることを確認した。
なお、黒色以外でも、灰色その他の低明度対象物でも同様に良好な結果を得られる。
なお、標準品を塗り重ねれば高濃度品と事実上同様の結果が得られる。逆に言えば、高濃度品は汎用品、標準品は高精度測定用と位置づけることもできる。
以上、実施の形態1、2では、主剤の粒度は、平均粒径が1.0μm、4.0μm以下の粒径である割合が95wt%以上のものを用いたが、平均粒径が0.5μm以上2.0μm以下の範囲にあり、4.0μm以下の粒径である割合が84wt%以上であれば、同様の結果を得られる。
近年ハンディタイプの非接触式デジタイザも商品化されている。データ取りが不十分な箇所も、若干の角度がえや位置ずらしをすることでデータ補完またはデータ補充が可能であり、前処理が不要であるとうたう製品もある。しかしながら、実際には、そのような箇所は二度三度のスキャンが必要であり、かえって測定時間を要してしまう。このような場合でも、本製品を利用すれば、測定時間を1/3程度まで短縮することが可能である。

Claims (3)

  1. 対象物の表面形状を非接触にて光学測定する際に吹き付けにより使用する前処理剤であって、
    平均粒径が0.5μm以上2.0μm以下の範囲にあり、4.0μm以下の粒径の割合が84wt%以上である炭酸カルシウムを主剤とし、
    プロパノールを分散剤とし、
    主剤を5.0wt%以上10wt%以下の範囲で分散剤に混合したことを特徴とする前処理剤。
  2. 請求項1に記載の前処理剤を収容したスプレー体であって、平板から200mm離れた位置から平板に平行に吐出中心を平板法線方向に向けたまま15cm/秒の速さで平板直上を通過する一回の往復移動をさせた場合に、平板への主剤の平均塗布厚みが0.5μm以上2.0μm以下となる吐出としたことを特徴とする前処理スプレー体。
  3. 請求項1に記載の前処理剤において主剤の混合割合を2倍にして収容した、低明度対象物用のスプレー体であって、平板から200mm離れた位置から平板に平行に吐出中心を平板法線方向に向けたまま15cm/秒の速さで平板直上を通過する一回の往復移動をさせた場合に、平板への主剤の平均塗布厚みが1.0μm以上5.0μm以下となる吐出としたことを特徴とする前処理スプレー体。
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