以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本実施形態は、以下の内容に何ら制限されず、本発明の要旨を損なわない範囲内で任意に変更して実施可能である。また、以下では、図1および図2に示す方向を基準として説明する。
図1は、本実施形態に係る冷蔵庫を示す正面図である。なお、以下では、6ドアの冷蔵庫1を例に挙げて説明するが、6ドアに限定されるものではない。
図1に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵室2、製氷室3、冷凍室4、第一切替室5(上段切替室、貯蔵室)および第二切替室6(下段切替室、貯蔵室)を備えた断熱箱体10を有している。第一切替室5は、冷蔵温度帯(例えば、1℃~6℃)から冷凍温度帯(例えば、約-20℃~-18℃)まで温度帯を切り替えることができるようになっている。第二切替室6も同様に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで温度帯を切り替えることができるようになっている。冷蔵室2は、冷蔵温度帯(例えば、6℃)に設定され、製氷室3および冷凍室4は、冷凍温度帯(例えば、約-20℃)に設定される。
また、冷蔵庫1は、断熱箱体10の正面に、冷蔵室2を開閉する冷蔵室扉2a,2bと、製氷室3を開閉する製氷室扉3aと、冷凍室4を開閉する冷凍室扉4aと、第一切替室5を開閉する第一切替室扉5aと、第二切替室6を開閉する第二切替室扉6aと、を備えている。冷蔵室扉2a,2bは観音開き可能に構成されている。製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5a、および第二切替室扉6aは、手前方向に引き出し可能に構成されている。冷蔵室扉2a,2b、製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5aおよび第二切替室扉6aは、断熱扉である。また、冷蔵室扉2aの庫外側表面には、庫内の温度設定の操作を行う操作部26を設けている。
冷蔵室2と、冷凍室4及び製氷室3とは断熱仕切壁28によって隔てられている。また、冷凍室4及び製氷室3と、第一切替室5とは断熱仕切壁29によって隔てられ、第一切替室5と第二切替室6とは断熱仕切壁30によって隔てられている。
断熱箱体10の天面庫外側の手前側と、断熱仕切壁28の前縁には、断熱箱体10と扉2a、2bを固定するための扉ヒンジ(図示せず)を備えている。上部の扉ヒンジは、扉ヒンジカバー16で覆われている。
本実施形態の冷蔵庫1の第一切替室5および第二切替室6では、冷蔵温度(平均的に4℃程度に維持)と、冷凍温度(平均的に-18℃程度に維持)の何れかを選択することができる。具体的には、第一切替室5と第二切替室6がともに冷凍温度に設定される「FF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度に設定される「RF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷凍温度と冷蔵温度に設定される「FR」モード、第一切替室5と第二切替室6がともに冷蔵温度に設定される「RR」モードの中から選択することができる。
図2は、図1のII-II線断面図である。
図2に示すように、冷蔵庫1は、鋼板製の外箱10aと合成樹脂製(本実施形態ではABS樹脂)の内箱10bとの間に発泡断熱材93(本実施形態ではポリウレタンフォーム)を充填して形成される断熱箱体10により、庫外と庫内が隔てられて構成されている。断熱箱体10には発泡断熱材に加えて、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)真空断熱材を外箱10aと内箱10bとの間に複数実装することで、内容積の低下を抑えて断熱性能を高めている。本実施形態の冷蔵庫1は、断熱箱体10の背面に真空断熱材25a、下面(底面)に真空断熱材25b、左側面に真空断熱材、右側面に真空断熱材を実装して、貯蔵室より温度が高い庫外からの熱の侵入を抑えて冷蔵庫1の断熱性能を高めている。同様に、本実施形態の冷蔵庫1は、第一切替室扉5aに真空断熱材25e、第二切替室扉6aに真空断熱材25fを実装することで、冷蔵庫1の断熱性能を高めている。
冷蔵室扉2a,2bは、庫内側に複数の扉ポケット33a,33b,33cを備えている。また、冷蔵室2内は、棚34a,34b,34c,34dによって複数の貯蔵スペースに区画されている。製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5aおよび第二切替室扉6aは、それぞれ一体に引き出される製氷室容器3b、冷凍室容器4b、第一切替室容器5b、第二切替室容器6bを備えている。
冷蔵室2の背部には、第一蒸発器14aが実装された第一蒸発器室8aを備えている。また、第一切替室5および第二切替室6の略背部には、第二蒸発器14b(冷却器)が実装された第二蒸発器室8b(冷却器室)を備えている。また、第一切替室5および第二切替室6と、第二蒸発器室8b、後述する第二ファン吐出風路12との間は、断熱仕切壁27によって隔てられている。
なお、断熱仕切壁27は、断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30とは別体であり、図示しないシール部材(一例として軟質ウレタンフォーム)を介して断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30と接触するように固定し、着脱可能としている。このように、断熱仕切壁27を別体で形成し着脱可能とすることで、第二蒸発器室8bに収納される第二蒸発器14bや後述する第二ファン9b、第一切替室第一フラッパ411、第一切替室第二フラッパ412、第二切替室第一フラッパ421、第二切替室第二フラッパ422といった断熱仕切壁27により覆われる部品に不具合が生じた場合に、断熱仕切壁27を外して容易にメンテナンスが行えるようになる。
また、断熱仕切壁27,28の内部には、真空断熱材は実装せずに主たる断熱部材として発泡断熱材であるポリスチレンフォーム(発泡スチロール)を実装している。一方、断熱仕切壁29,30の内部には発泡断熱材であるポリスチレンフォームとともに、それぞれ真空断熱材25g,25hを実装することで断熱性能を高めている。真空断熱材25g,25hは、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)ので、断熱仕切壁29,30の主たる断熱部材は真空断熱材となる。なお、断熱仕切壁27,28,29,30の内部に用いる発泡断熱材としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームを用いても良い。
冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ41(図4参照)、冷凍室温度センサ42(図4参照)、第一切替室温度センサ43a,43b(図4参照)、第二切替室温度センサ44a,44b(図4参照)が設けられている。第一蒸発器14aの上部には第一蒸発器温度センサ40aが設けられている。第二蒸発器14bの上部には第二蒸発器温度センサ40bが設けられている。これらのセンサにより、冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6、第一蒸発器室8a、第一蒸発器14a、第二蒸発器室8b、および、第二蒸発器14bの温度を検知している。また、冷蔵庫1の天井部の扉ヒンジカバー16の内部には、外気温度センサ37と外気湿度センサ38が設けられ、外気(庫外空気)の温度と湿度を検知している。その他にも、扉センサ(図示せず)を設けることで、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの開閉状態をそれぞれ検知している。
第二蒸発器14bについては、圧縮機24が停止した状態で、第二蒸発器14bの下部に備えられた加熱手段である除霜ヒータ21に通電することで除霜する。除霜ヒータ21(ヒータ)は、例えば50W~200Wの電気ヒータを採用すればよく、本実施形態では150Wのラジアントヒータとしている。第二蒸発器14bの除霜時に発生した除霜水は第二蒸発器室8bの下部の樋23bから第二排水管23cを介して圧縮機24の上部に設けた第二蒸発皿32に排出され、圧縮機24からの放熱や、機械室39に設けられたファン(不図示)による通風等の作用により蒸発する。
次に、図3ないし図6および適宜図2を参照しながら庫内の風路構成について説明する。図3は、庫内背面内部の冷気の流れを示す正面図である。なお、図3は、図1の扉、容器、後述する断熱仕切壁27を外した状態の正面図である。
図3に示すように、第一蒸発器14aの上方には第一ファン9aが設けられている。第一ファン9aによって送り出される冷却空気は、冷蔵室風路110、冷蔵室吐出口110aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。ここで、第一ファン9aは、例えば、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)によって構成され、回転速度を高速(1600min-1)と低速(1000min-1)に制御可能となっている。冷蔵室2に送風された空気は、冷蔵室戻り口110b(図2参照)および冷蔵室戻り口110cから第一蒸発器室8aへと戻り、再び第一蒸発器14aと熱交換する。
冷蔵室2の冷蔵室吐出口110aは、冷蔵室2の上部に設けられている。本実施形態では最上段の棚34aと二段目の棚34bの上方に空気が吐出するようになっている。また、冷蔵室戻り口110cは、冷蔵室2の棚34cと棚34dの間に形成される空間の背部に設けられている。冷蔵室戻り口110b(図2参照)は、冷蔵室2の棚34dと断熱仕切壁28の間に形成される空間の略背面に設けられている。
製氷室3の背面には、製氷室吐出口120aが設けられている。この製氷室吐出口120aは、製氷室3の上部に設けられている。冷凍室4の背面には、冷凍室吐出口120bが設けられている。この冷凍室吐出口120bは、冷凍室4の上部に設けられている。製氷室吐出口120aおよび冷凍室吐出口120bは、冷凍室風路130と連通している。第二ファン9bから送り出された冷気は、破線矢印で示すように、冷凍室風路130を通り、分岐して、実線矢印で示すように、製氷室吐出口120aと冷凍室吐出口120bから吐出される。
本実施形態の冷蔵庫1は、第一切替室5および第二切替室6への送風遮断手段として、第一切替室第一フラッパ411、第一切替室第二フラッパ412、第二切替室第一フラッパ421、第二切替室第二フラッパ422を備えている。第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412は、第一切替室5の背部の仕切に実装されている。第二切替室第一フラッパ421および第二切替室第二フラッパ422は、第二切替室6の略背部に実装されている。ここで、第一切替室第一フラッパ411の開口面積は、第一切替室第二フラッパ412の開口面積よりも大きく形成されている。第二切替室第一フラッパ421の開口面積は、第二切替室第二フラッパ422の開口面積よりも大きく形成されている。
第二蒸発器14bは、第一切替室5、第二切替室6および断熱仕切壁30の略背部の第二蒸発器室8b内に設けられている。第二蒸発器14bの上方には第二ファン9bが設けられている。第二ファン9bは、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)であり、回転速度は高速(1800min-1)と低速(1200min-1)に制御可能となっている。製氷室3および冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120cから冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(第二蒸発器14bの下方)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第一切替室5の背面下部には、第一切替室戻り口111cが形成されている。第一切替室5を冷却した後の冷気は、第一切替室戻り口111cから排出され、冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(第二蒸発器14bの下方)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
図4は、庫内の冷気の流れを示す正面図である。なお、図4は、図1の扉および容器を外した状態の正面図である。
図4に示すように、断熱仕切壁27には、第一切替室5内に冷気を吐出させる第一切替室第一吐出口111a,111aが設けられている。第一切替室第一吐出口111aは、幅方向(左右方向)に細長く形成され、幅方向中央よりも左側(第一切替室戻り口111cとは左右方向の反対側)に位置している。また、第一切替室第一吐出口111aは、庫内高さ方向の中央よりも上側に位置している。
また、断熱仕切壁27には、第一切替室5内に冷気を吐出させる第一切替室第二吐出口111bが形成されている。この第一切替室第二吐出口111bは、断熱仕切壁27の左側の側面に形成されている。これにより、第一切替室第二吐出口111bから吐出された冷気は、内箱10bの内壁面(左側面)に向けて吐出される。また、断熱仕切壁27には、第一切替室第二吐出口111bと第一切替室第二フラッパ412とを連通させる第一切替室連通路111dが形成されている。
また、断熱仕切壁27には、第二切替室6内に冷気を吐出させる第二切替室第一吐出口112a,112aが設けられている。第二切替室第一吐出口112aは、幅方向(左右方区)に細長く形成され、幅方向中央よりも左側(第二切替室戻り口112cとは左右方向の反対側)に位置している。また、第二切替室第一吐出口112aは、庫内高さ方向の中央よりも上側に位置している。
また、断熱仕切壁27には、第二切替室6内に冷気を吐出させる第二切替室第二吐出口112bが形成されている。この第二切替室第二吐出口112bは、断熱仕切壁27の左側の側面に形成されている。これにより、第二切替室第二吐出口112bから吐出された冷気は、内箱10bの内壁面(左側面)に向けて吐出される。また、断熱仕切壁27には、第二切替室第二吐出口112bと第二切替室第二フラッパ422とを連通させる第二切替室連通路112dが形成されている。
図5は、図4のV-V断面の要部拡大図である。
図5に示すように、第二切替室6は、背面上部に第二切替室戻り口112cを備えている。第二切替室戻り口112cから流入した空気は、第二切替室戻り口112cから下方に延伸する第二切替室戻り風路112eを流れ、第二切替室戻り口112cより高さ位置が低く形成された第二蒸発器室流入口112fに至り、第二蒸発器室8bに対して下方から流れ込む。
このように第二切替室戻り口112cから第二蒸発器室流入口112fに至る間に、下方に延伸する風路(第二切替室戻り風路112e)を備えることで、第二ファン9bが停止した際に、第二蒸発器室8b内の低温空気が第二切替室6内に逆流し難くなる。これにより、特に第二切替室6が冷蔵温度に設定された際に、第二切替室6が冷え過ぎるといった事態が生じにくい冷蔵庫1とすることができる。なお、第二切替室戻り口112cから第二蒸発器室流入口112fに至る間に、下方に延伸する風路があればよいので、第二切替室戻り口112cから流入した空気が、上方に向けて流れた後に、下方に延伸する風路を流れるように構成することもできる。このような逆流抑制構造は、貯蔵室の冷え過ぎを抑制する趣旨であるから、切替室に限らず冷蔵室又はチルド室若しくは弱冷凍室(すなわち、概ね-10℃又は-7℃を下限の保存温度とする室)と蒸発器室との間に配されることができる。
図6は、冷却空気の風路構造の概略図である。
図6に示すように、フラッパ431(冷凍室ダンパ)が開放状態に制御されている場合は、第二蒸発器14bと熱交換して低温になった空気は、第二ファン9bを駆動することにより、第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、製氷室吐出口120aおよび冷凍室吐出口120bを介して製氷室3および冷凍室4に送られ、製氷室3の製氷皿内の水、製氷室容器3b内の氷、冷凍室4内の冷凍室容器4bに収納された食品等を冷却する。製氷室3および冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120cから冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8b(図2参照)に戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第一切替室第一フラッパ411が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第一切替室風路140、第一切替室第一フラッパ411、吐出口形成部材111(図4参照)に備えられた第一切替室第一吐出口111a,111aを介して、第一切替室5に設けた第一切替室容器5b内に直接送られて、第一切替室容器5b内の食品を直接冷却する。第一切替室5を冷却した空気は、第一切替室戻り口111c、冷凍室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。なお、直接冷却とは、収納された食品に冷気を直接に供給して冷却する方式である。
第一切替室第二フラッパ412が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第一切替室風路140、第一切替室第二フラッパ412、吐出口形成部材111(図4参照)に備えられた第一切替室第二吐出口111bから、第一切替室5の側壁に向けて吐出し、第一切替室容器5b内の食品を間接的に冷却する。第一切替室5を冷却した空気は、第一切替室戻り口111c、冷凍室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。なお、間接冷却とは、食品の乾燥を抑えるために、収納された食品に冷気が直接に当たらないように供給して冷却する方式である。
第二切替室第一フラッパ421が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第二切替室風路150、第二切替室第一フラッパ421、吐出口形成部材112(図4参照)に備えられた第二切替室第一吐出口112a,112aを介して、第二切替室6に設けた第二切替室容器6b内に直接送られて、第二切替室容器6b内の食品を冷却する。第二切替室6を冷却した空気は、第二切替室戻り口112c、第二切替室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
第一切替室第二フラッパ422が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bによって昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第二切替室風路150、第二切替室第二フラッパ422、吐出口形成部材112(図4参照)に備えられた第二切替室第二吐出口112bから、第二切替室6の側壁に向けて吐出し、第二切替室容器6b内の食品を間接的に冷却する。第二切替室6を冷却した空気は、第二切替室戻り口112c、第二切替室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
なお、本実施形態では、第一切替室風路140と第二切替室風路150は、後記するダンパダクト部材300によって構成されている。
図7は、本実施形態に係る冷蔵庫の冷凍サイクルを示す構成図である。
図7に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、圧縮機24、冷媒の放熱を行う放熱手段としての庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b(外箱10aと内箱10bの間の領域の外箱10aの内面に配置)、断熱仕切壁28,29,30(図2参照)の前面部および断熱箱体10(図2参照)の前縁部近傍への結露を抑制する結露防止配管50c(断熱仕切壁28,29,30の内面に配置)、冷媒を減圧する減圧手段である第一キャピラリチューブ53aと第二キャピラリチューブ53b、冷媒と庫内の空気を熱交換することで庫内の熱を吸熱する第一蒸発器14aと第二蒸発器14bを備えている。また、冷蔵庫1は、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ51と、液冷媒の圧縮機24への流入を抑制する気液分離器54a、54b、冷媒流路を制御する冷媒制御弁52、逆止弁56、冷媒流を接続する冷媒合流部55を備えている。これらを冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している。冷媒は可燃性冷媒のイソブタンである。
冷媒制御弁52は、流出口52a,52bを備えている。また、冷媒制御弁52は、流出口52aを開放し、流出口52bを閉鎖した「状態1」、流出口52aを閉鎖し、流出口52bを開放した「状態2」、流出口52aと流出口52bの何れも閉鎖した「状態3」、流出口52aと流出口52bの何れも開放した「状態4」の4つの状態に切換え可能な弁である。
次に本実施形態の冷蔵庫1の冷媒の流れについて説明する。圧縮機24から吐出した高温高圧冷媒は、庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b、結露防止配管50c、ドライヤ51の順に流れ、冷媒制御弁52に至る。冷媒制御弁52の流出口52aは、冷媒配管を介して第一キャピラリチューブ53aと接続されている。冷媒制御弁52の流出口52bは、冷媒配管を介して第二キャピラリチューブ53bと接続されている。
第一蒸発器14aにより冷蔵室2を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52a側に冷媒が流れる「状態1」に制御する。流出口52aから流出した冷媒は、第一キャピラリチューブ53aにより減圧されて低温低圧となり、第一蒸発器14aに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離機54a、第一キャピラリチューブ53a内の冷媒と熱交換する熱交換部57a、冷媒合流部55を流れ、圧縮機24に戻る。
第二蒸発器14bにより製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52b側に冷媒が流れる「状態2」に制御する。流出口52bから流出した冷媒は、第二キャピラリチューブ53bにより減圧されて低温低圧となり、第二蒸発器14bに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離機54b、第二キャピラリチューブ53b内の冷媒と熱交換する熱交換部57b、逆止弁56、冷媒合流部55の順に流れ、圧縮機24に戻る。逆止弁56は冷媒合流部55から第二蒸発器14b側に向かう流れを阻止するように配設している。
図8は、切替室背面側に設けられる断熱仕切壁を示す分解斜視図である。なお、図8では、冷却器である第二蒸発器14bを含む部材も併せて図示している。
図8に示すように、断熱仕切ダクトプレート400は、断熱仕切壁27と、ダンパダクト部材300と、を備えて構成されている。ダンパダクト部材300は、断熱仕切壁27の背面に取り付けられている。
断熱仕切壁27は、前パネル210、後パネル220、発泡断熱材230を備えて構成されている。また、断熱仕切壁27は、第一切替室5(図2参照)と第二切替室6(図2参照)との後方に、跨るように配置される。なお、発泡断熱材230は、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)によって構成されたものであり、予め発泡成形されているものを使用でき、前パネル210と後パネル220との間に配設されている。なお、発泡断熱材230に代えて真空断熱材を設けてもよい。
前パネル210は、合成樹脂製であって、正面視において略矩形状の板部211を有している。また、前パネル210には、上部に開口面積が大きく形成された矩形状の開口212が形成されている。また、前パネル210には、開口212の近傍に、内箱10b(図4参照)の内壁面(左側面)に向けて開口212よりも開口面積の小さい開口213(第一切替室第二吐出口111b)が形成されている。この開口213は、板部211に突出して形成された突出部211aの側面に形成されている。
また、前パネル210は、板部211の下部に開口面積が大きく形成された矩形状の開口214が形成されている。また、前パネル210には、開口214の近傍に、内箱10b(図4参照)の内壁面(左側面)に向けて開口214よりも開口面積の小さい開口215(第二切替室第二吐出口112b)が形成されている。この開口215は、板部211に突出して形成された突出部211bの側面に形成されている。
また、板部211には、下部の開口214,215の上方かつ上部の開口212,213の下方に、断熱仕切壁30(図5参照)が嵌合して取り付けられる溝部216が形成されている。この溝部216は、板部211の左右方向の一端から他端にかけて全体に形成されている。このように、断熱仕切壁27は、上下に並んだ第一切替室5と第二切替室6とに跨るように切替室の背面に配置されている。
また、板部211には、溝部216の上方に、第一切替室戻り口111cが形成されている。また、板部211には、溝部216の下方に、第二切替室戻り口112cが形成されている。
また、板部211の前面には、開口212を覆うように吐出口形成部材111が取り付けられる。また、板部211の前面には、開口214を覆うように吐出口形成部材112が取り付けられる。
また、板部211の上部には、第一切替室温度センサ43a,43bが設けられている。一方の第一切替室温度センサ43bは、吐出口形成部材111の内側に位置している。また、板部211の下部には、第二切替室温度センサ44a,44bが設けられている。一方の第二切替室温度センサ44bは、吐出口形成部材112の内側に位置している。
また、板部211には、開口212の上部に、ねじ250aが挿入される窪み部217aが形成されている。この窪み部217aの先端には、ねじ250aが挿通されるねじ挿通孔217c(図9参照)が形成されている。
また、板部211には、溝部216に、ねじ250bが挿入される窪み部217bが形成されている。この窪み部217bの先端には、ねじ250bが挿通されるねじ挿通孔217d(図9参照)が形成されている。
後パネル220は、合成樹脂製であって、正面視において略矩形状の板部221を有している。また、後パネル220には、前パネル210の開口212と対向する位置に開口222が形成されている。また、後パネル220には、前パネル210の開口214に対向する位置に開口223が形成されている。また、後パネル220には、第一切替室戻り口111cと連通する戻り連通路224が形成されている。また、後パネル220には、第二切替室戻り口112cと連通する戻り連通路225が形成されている。
また、後パネル220には、前側から見て右端に、上下方向に延びる冷凍室戻り風路120dが形成されている。この冷凍室戻り風路120dは、戻り連通路224と連通している。また、後パネル220の上部には、冷凍室戻り風路120dと連通する冷凍室戻り口120cが形成されている。
なお、図示していないが、後パネル220には、ねじ250aが挿通されるねじ挿通孔と、ねじ350bが挿通されるねじ挿通孔とが形成されている。
発泡断熱材230は、第一発泡断熱材230Aと、第二発泡断熱材230Bとが組み合わされて構成されている。第一発泡断熱材230Aには、開口212と連通する切欠孔232Aと、開口214と連通する切欠孔234Aと、第一切替室戻り口111cと連通する切欠孔235と、第二切替室戻り口112cと連通する切欠孔236とが形成されている。第二発泡断熱材230Bには、切欠孔232Aと連通する切欠孔232Bと、切欠孔234Aと連通する切欠孔234Bとが形成されている。
また、第一発泡断熱材230Aには、窪み部217aが挿入される貫通孔237aと、窪み部217bが挿入される貫通孔237bとが形成されている。また、第二発泡断熱材230Bには、窪み部217aが挿入される貫通孔238aと、窪み部217bが挿入される貫通孔238bとが形成されている。
ダンパダクト部材300は、第二蒸発器14bによって生成された冷気を第二ファン9b(図3参照)によって取り込み、前パネル210の開口212,213から第一切替室5に冷気を吐出させ、また開口214,215から第二切替室6に冷気を吐出させるように構成されている。また、ダンパダクト部材300は、上部から製氷室3および冷凍室4に冷気を導入するように構成されている。
また、ダンパダクト部材300は、前面側に配置される前ケース310と、後面側(背面側)に配置される後ケース320と、が組み合わせて構成されている。
また、前ケース310は、前面上部の、開口212に対応する矩形の開口312a(吹出口)と、開口213に対応する矩形の開口312b(吹出口)と、が形成されている。開口312aの開口面積は、開口312bの開口面積よりも大きく形成されている。
また、前ケース310は、前面下部の、開口214に対応する矩形の開口312a(吹出口)と、開口215に対応する矩形の開口312b(吹出口)と、が形成されている。開口312aの開口面積は、開口312bの開口面積よりも大きく形成されている。
また、前ケース310には、筒状リブ315と筒状リブ316との間に、ねじボス310cが突出して形成されている。また、前ケース310には、筒状リブ317と筒状リブ318との間に、ねじボス310dが突出して形成されている。
また、前ケース310には、窪み部330が形成されている。この窪み部330は、ダンパダクト部材300の上下方向の略中央に位置している。
また、前パネル210には、第一切替室5に対応する側の裏面に面ヒータH10が設けられている。また、後パネル220には、冷凍室戻り風路120dの内壁に面ヒータH11が設けられている。これにより、冷凍室戻り風路120d内に霜が付着するのを防止することができる。また、ダンパダクト部材300には、第二ファン9bに対向する内壁に、面ヒータH12(図10参照)が設けられている。これにより、ダンパダクト部材300に霜や水が溜るのを防止でき、さらに第二ファン9bに霜が付着するのを防止できる。
図9は、断熱仕切壁を斜め後方から見たときの分解斜視図である。
図9に示すように、前パネル210(板部211)の背面には、窪み部217aが後方に突出して成されている。また、前パネル210(板部211)の背面には、窪み部217bが後方に突出して成されている。また、前パネル210の背面には、ねじ挿通孔が形成された突起部210cが後方に突出して形成されている。
第二発泡断熱材230Bには、前記した突起部210cが挿通される通し孔230aが貫通して形成されている。第一発泡断熱材230Aには、前記した突起部210cが挿通される通し孔230bが形成されている。なお、図示していないが、後パネル220には、前記した突起部210cの先端が嵌合して固定されるねじボス(不図示)が形成されている。
また、後パネル220の背面には、後方に向けて(ダンパダクト部材300に向けて)突出するねじボス226が形成されている。このねじボス226は、ダンパダクト部材300の窪み部330に挿入されるようになっている。
図10は、ダンパダクトの内部構造を示す斜視図である。なお、図10は、ダンパダクト部材300から後ケース320を取り外した状態である。
図10に示すように、ダンパダクト部材300の前ケース310内には、周囲空気を昇圧する第二ファン9b、ダンパ部材410,420,430が取り付けられている。各ダンパ部材410~430は、フラッパとフラッパを駆動する駆動部とを備え、フラッパがダンパダクト部材300のダクト部分(流路部分)を形成する前ケース310に設けられた開口及びこの周囲に当接及び離間する。
ダンパ部材410は、第一切替室5(図3参照)に対応するものである。また、ダンパ部材410は、第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412を備えたツインダンパである。また、ダンパ部材410は、第一切替室第一フラッパ411と第一切替室第二フラッパ412との間に設けられた一つの駆動部413によって、第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412を開閉するようになっている。第一切替室第一フラッパ411は、第一切替室第二フラッパ412よりも大きく形成されている。また、第一切替室第一フラッパ411は、開口312a(図8参照)を開閉できる大きさに対応している。また、第一切替室第二フラッパ412は、開口312b(図8参照)を開閉できる大きさに対応している。
ダンパ部材420は、第二切替室6(図3参照)に対応するものであり、ダンパ部材410と同様のものである。また、ダンパ部材420は、第二切替室第一フラッパ421および第二切替室第二フラッパ422を備えたツインダンパである。また、ダンパ部材420は、第二切替室第一フラッパ421および第二切替室第二フラッパ422を駆動する駆動部413を備えている。第二切替室第一フラッパ421は、開口312a(図8参照)を開閉できる大きさに対応している。第二切替室第二フラッパ422は、開口312b(図8参照)を開閉できる大きさに対応している。
ダンパ部材430は、製氷室3(図3参照)および冷凍室4(図3参照)に対応するものである。また、ダンパ部材430は、フラッパ431(図3参照)を備えたシングルダンパである。また、ダンパ部材430は、フラッパ431(図3参照)を支持するダンパフレーム432と、フラッパ431(図3参照)を駆動する駆動部433を備えている。駆動部433は、整流機能を有する側面433aを有している。
ダンパ部材410は、第二ファン9bの側方に配置されている。ダンパ部材420は、ダンパ部材410の下方に配置されている。ダンパ部材430は、第二ファン9bの上方に配置されている。前ケース310の上端には、冷凍室風路130(図3、図6参照)と接続される継手部314aが形成されている。
また、ダンパ部材410,420からはコードW1,W2(電線)が延びて配置されている。コードW1は、ダンパ部材410から下方に向けて延びている。コードW2は、ダンパ部材420から上方に向けて延びている。
前ケース310は、ダンパ部材410~430および第二ファン9bが取り付けられる板部311aと、この板部311aの外周縁部において後方(後ケース320側)に向けて起立する外周縁部311bと、を有して構成されている。この外周縁部311bの先端には、さらに後方(後ケース320側)に延びるリブ311b1が形成されている。
また、前ケース310の外周縁部311bは、ダンパ部材410,420の側部に沿って上下方向に直線状に延びる側縁部311sと、第二ファン9bに沿って湾曲して形成される湾曲縁部311tと、ダンパ部材420の右側部に沿って上下方向に直線状に延びる側縁部311uと、を有している。
また、前ケース310の板部311aには、整流板311x,311y,311zが形成されている。これら整流板311x~311zは、第二ファン9bから吐出された風を上方のダンパ部材430に案内する機能を有し、第二ファン9bと湾曲縁部311tとの間に位置している。また、整流板311x~311zは、湾曲縁部311tに沿って並んで配置されている。また、整流板311yは、後記するコード抑え部材としての機能も有している。
また、整流板311x,311y,311zは、その内壁面311x1,311y1,311z1がほぼ連続した面になるように構成されている。これによって、第二ファン9bからの風を効果的に整流して、ダンパ部材430に送ることができる。
また、ダンパ部材430の駆動部433は、整流板311zの近傍に位置し、整流板311zと連続した面を構成する側面433aを有している。これにより、側面433aは、整流板311x~311zとともに風路の一部を構成しているので、風損を低減することができる。
また、前ケース310の板部311aには、前記した窪み部330が後方にむけて突出している。この窪み部330の先端面には、孔330a(図11参照)が貫通して形成されている。
また、前ケース310の板部311aには、ダンパ部材410,420に接続されたコード(電線)W1,W2を保持するコード抑え部材311m,311n,311oが形成されている。
コード抑え部材311mは、ダンパ部材410の下方に位置している。ダンパ部材410から延びるコードW1は、側縁部311sとコード抑え部材311mとの間に通されて保持される。
コード抑え部材311nは、ダンパ部材420の上方に位置している。ダンパ部材420から延びるコードW2は、側縁部311uとコード抑え部材311nとの間に通されて保持される。
コード抑え部材311oは、湾曲縁部311tの近傍に位置している。ダンパ部材410,420から延びるコードW1,W2は、湾曲縁部311tとコード抑え部材311oとの間に通されて保持される。
コードW1は、窪み部330の下側を通ってコード抑え部材311oに掛けられている。コードW2は、窪み部330の左側を通ってコード抑え部材311oに掛けられている。
また、前ケース310の板部311aには、面ヒータH12が貼り付けられている。この面ヒータH12は、伝熱線h1を適宜曲げて配置し、その上から熱伝導率の高いアルミシートh2で被覆することによって構成されている。面ヒータH12は、ダンパ部材410,420,430を除く板部311aの全面に配置されている。面ヒータH12の上には、第二ファン9bが配置され、第二ファン9bが板部311aにねじ固定されている。
コード抑え部材311oを通されたコードW1,W2は、第二ファン9bから延びるコードW3とまとめられて、整流板311x,311y,311zと湾曲縁部311tとの間を通される。そして、コードW1~W3は、ダンパ部材430から延びるコード(不図示)とまとめられて、ダンパダクト部材300の上端部から外部に引き出される。このように、コードW1,W2に、コードW3を合流させることができるので、組立性を向上できる。
図11は、ダンパダクト部材の前ケースの内側を示す斜視図である。
図11に示すように、板部311aには、第二ファン9b(図10参照)が固定される第二ファン固定部311cが形成されている。この第二ファン固定部311cには、第二ファン9bをねじ固定するためのねじボス311dが複数個所に形成されている。このねじボス311dには、防振ゴムを介して第二ファン9bが取り付けられる。
また、板部311aには、ダンパ部材410(図10参照)が固定される第一切替室ダンパ固定部312Aと、ダンパ部材420(図10参照)が固定される第二切替室ダンパ固定部312Bと、が形成されている。また、板部311aには、ダンパ部材430が固定される冷凍室ダンパ固定部313が形成されている。
第一切替室ダンパ固定部312Aは、第二ファン固定部311cよりも前方に位置するように、窪みを有して構成されている。換言すると、第一切替室ダンパ固定部312Aは、第二ファン固定部311cよりも前側(庫内側)に位置している。第二切替室ダンパ固定部312Bは、第一切替室ダンパ固定部312Aと同様に、第二ファン固定部311cよりも前方に位置するように、窪みを有して構成されている。
第一切替室ダンパ固定部312Aは、矩形状の開口(吹出口)312aと、矩形状の開口(吹出口)312bが形成されている。開口312aの縁には、第一切替室第一フラッパ411(図10参照)が当接する四角枠状の当接部312cが形成されている。開口312bの縁には、第一切替室第二フラッパ412(図10参照)が当接する四角枠状の当接部312dが形成されている。
また、第一切替室ダンパ固定部312Aは、開口312aの縁から前方に向けて延びる筒状リブ315(リブ)が形成されている。また、第一切替室ダンパ固定部312Aは、開口312bの縁から前方に向けて延びる筒状リブ316が形成されている。また、第二切替室ダンパ固定部312Bは、開口312aの縁から前方に向けて延びる筒状リブ317(リブ)が形成されている。また、第二切替室ダンパ固定部312Bは、開口312bの縁から前方に向けて延びる筒状リブ318が形成されている。
図12は、ダンパ部材が取り付けられる前ケースの内側を示す平面図である。
図12に示すように、当接部312cは、第一切替室ダンパ固定部312Aの基準となる面(底面)312sから好ましくは後方(第一切替室第一フラッパ411の側)に突出して形成されている。また、当接部312cは、開口312aの上辺部312tおよび左右側辺部312u,312uが面312sから突出して形成されている。また、当接部312cは、開口312aの下辺部312vが面312sから突出しないように(面312sと面一となるように)構成されている。
当接部312dは、第一切替室ダンパ固定部312Aの基準となる面(底面)312sから後方(第一切替室第二フラッパ412の側)に突出して形成されている。また、当接部312dは、開口312aの上辺部312w、下辺部312xおよび左右側辺部312y,312yが面312から突出して形成されている。
また、第一切替室ダンパ固定部312Aは、開口312aの左側方(図示右側)に、上下方向に沿って直線状に延びるリブ312eが形成されている。このリブ312eは、例えば複数本で構成され、互いに平行に形成されている。また、リブ312eは、当接部312cの上端から下端までの略高さ分の長さとなるように形成されている。これにより、第一切替室ダンパ固定部312Aの固定面(面312s)が補強される。
また、第一切替室ダンパ固定部312Aは、ダンパ部材410(図10参照)が固定されるねじボス部312g,312h,312iが形成されている。これらねじボス部312g,312h,312iは、後記するダンパ部材410のねじ固定部413d,413e,413f(図15参照)に対応する位置に形成されている。
第二切替室ダンパ固定部312B(図11参照)は、第一切替室ダンパ固定部312Aと同様の構成であるので、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図11に戻って、冷凍室ダンパ固定部313は、第二ファン固定部311cの上方に位置している。また、冷凍室ダンパ固定部313は、ダンパフレーム432(図10参照)を固定する固定板313aが板部311aに起立して形成されている。この固定板313aには、冷気を通過させる矩形状の切欠き313bが形成されている。また、冷凍室ダンパ固定部313は、駆動部433(図10参照)が嵌合して配置される嵌合部313cが形成されている。また、冷凍室ダンパ固定部313は、ダンパ部材430のダンパ(フラッパ431)が開いたときに、ダンパ(フラッパ)が第二ファン9bから吐出された冷気の流れを阻害しないように、ダンパが退避する窪み部313dが形成されている。
また、前ケース310は、冷凍室ダンパ固定部313の上方に、製氷室3および冷凍室4(図3参照)に冷気を導入する導入路314が形成されている。この導入路314は、上方に向かうにつれて幅狭となり、上端に矩形状の継手部314aが形成されている。
導入路314の内壁面には、リブ314bが形成されている。このリブ314bは、継手部314aから流れ落ちてきた水をダンパ部材430(図10参照)から外れた位置に逃がすようになっている。
また、板部311aには、ダンパ部材410(図10参照)と、ダンパ部材420(図10参照)との間に、水案内リブ311qが形成されている。この水案内リブ311qは、ダンパ部材420(図10参照)が取り付けられる筒状リブ318の上部近傍に位置している。また、水案内リブ311qは、直線状に形成され、左側から右側に向けて下るように形成されている。また、水案内リブ311qの高さは、当接部312dよりも高くなるように構成されている。これにより、ダンパ部材420の上方から流れ落ちてきた水が、ダンパ部材420の第二切替室第二フラッパ422にかかるのを抑えることができる。
また、前ケース310は、板部311aの上下方向の上部と中央部に、ねじが挿通されるねじ挿通部311f,311gが形成されている。また、前ケース310は、板部311aの上下方向の下部に、ねじ固定用のねじボス311hが形成されている。ダンパダクト部材300に第二ファン9bとフラッパで開閉される開口312a,312bとを取り付けているため、風路を少数部材で形成できる。これにより、流通冷気の漏れや損失を低減できる。第二ファン9bに対して2つ以上の異なる側それぞれに開口を設けているため、第二ファン9bから各貯蔵室開口への風路長も短縮できる。
図13は、ダンパダクト部材の後ケースの内側を示す斜視図である。
図13に示すように、後ケース320は、前ケース310(図11参照)と同様に略L字状に形成され、板部311aと対向する位置に配置される板部321aを有している。また、板部321aには、前ケース310の外周縁部311bと対応する外周縁部321bが起立して形成されている。さらに、外周縁部321bの先端には、前方に突出するリブ321b1が形成されている。
また、後ケース320には、第二蒸発器14b(図2参照)によって生成された冷気を導入する円形の導入孔321cが形成されている。また、後ケース320は、導入孔321cの上方に、製氷室3および冷凍室4(図3参照)に冷気を導入する導入路321dが形成されている。この導入路321dは、上方に向かうにつれて幅狭となり、上端に継手部314a(図11参照)と嵌合する嵌合継手部321eが形成されている。
また、後ケース320には、ねじ挿通部311f(図11参照)に対応する位置に、ねじボス321fが形成されている。また、後ケース320には、ねじボス311h(図11参照)に対応する位置に、ねじ挿通部321hが形成されている。また、後ケース320には、前記した窪み部340によって、板部321aから内側に向けて突起状に形成されている。この窪み部340の先端には、ねじ挿通孔340aが形成されている。
このように構成された前ケース310と後ケース320は、外周縁部311b(図11参照)と外周縁部321bとを突き合わせるとともに、リブ311b1(図11参照)とリブ321b1とを嵌合させることによって組み合わされる。このようにして前ケース310と後ケース320とを組み合わせることにより、ダンパダクト部材300の外部への冷気漏れを効果的に抑えることができる。
図14は、図10のXIV方向の矢視図である。なお、図14では、コードW1,W2,W3の図示を省略している。
図14に示すように、前ケース310の板部311aに形成された冷凍室ダンパ固定部313には、ダンパ部材430(図10参照)が取り付けられる。すなわち、冷凍室ダンパ固定部313は、四角枠状の固定板313aを有し、この固定板313aにダンパ部材430が固定される。また、固定板313aには、補強部材313e,313eが形成されている。
固定板313aの角部には、コードW1~W3(図10参照)が通されるC字形状の切欠き313sが形成されている。継手部314aには、コードW1~W3(図10参照)が通される切欠き313uが形成されている。
また、固定板313aは、前ケース310の外周縁部311bの高さ(リブ311b1の先端)よりも突出して形成されている。また、固定板313aには、ダンパ部材430を固定するためのねじ挿通部(固定部)313g,313hが形成されている。ねじ挿通部313g,313hに挿通されるねじ270a,270bは、上面視において外周縁部311bと重ならない位置に形成されている。換言すると、ねじ270a,270bの軸方向が外周縁部311bと上下方向において重ならない位置に形成されている。これにより、前ケース310にダンパ部材430を取り付ける際、ダンパ部材430を前ケース310に容易に取り付けることができる。
また、ねじ挿通部313gのねじ270aと、ねじ挿通部313hのねじ270bとは、ダンパ部材430(図10参照)の対角線上に位置している。これにより、ダンパ部材430を固定板313aに固定する際に、固定板313aに対してダンパ部材430が浮き上がることなく安定して取り付けることができる。
図15は、ダンパ部材を前側から見たときの斜視図である。
図15に示すように、駆動部413は、四角箱型のボックス(収容部)413aを備えている。ボックス413aは、前面414a、後面414b,左側面414c,右側面414d,下面414e,上面414fを有している。
ボックス413aには、後記するモータMやギア部材Gなどの駆動部材DM(図17参照)が組み合わされて収納されている。また、ボックス413aは、貯蔵室としての第一切替室5および第二切替室6とは異なる空間、すなわち吐出ダクトとしてのダンパダクト部材300内の空間に配されている。ダンパダクト部材300内の空間は、概ね第二蒸発器14bの温度の冷気が流通している。
ダンパ部材410は、駆動部413によって駆動される第一切替室第一フラッパ411と、第一切替室第二フラッパ412と、が設けられている。また、ダンパ部材410は、ねじ固定用のねじ固定部413d,413e,413fが設けられている。
また、第一切替室第一フラッパ411は、ボックス413aの下面414eに沿って後方に向けて回動動作するように構成されている。第一切替室第二フラッパ412は、ボックス413aの上面414fに沿って後方に向けて回動動作するように構成されている。
第一切替室第一フラッパ411は、合成樹脂製のベース材411a(図16参照)と、このベース材411aの前面に被覆されるシリコーンゴム製のシール材411bと、を備えて構成されている。第一切替室第二フラッパ412は、合成樹脂製のベース材412a(図16参照)と、このベース材412aの前面に被覆されるシリコーンゴム製のシール材412bと、を備えて構成されている。
シール材411bは、縦長の略長方形状を呈し、四隅の角部P10に周方向にRが付けられた形状を有している。また、シール材411bは、中央部411b1と外周部411b2が盛り上がって形成され、その間に窪み411b3が形成された形状を有している。なお、このシール材411bに開口312aが当接する位置は、外周部411b2と窪み411b3との間である。また、それぞれの角部P10のRは、すべて同じ曲率である。例えば、シール材411bの全幅Wに対する1つの隅のRの割合(一つ分の寸法S10にわたる長さ)を19%以上にすることで、開口312aとシール材411bとの間におけるシール性を向上できる。
ここで、フラッパのシール性について説明する。
図25は第一切替室第一フラッパ411が当接部312cに当接してシールしたときのシール材411bの歪の分布である。図26はシール材411bのコーナー部501の引張方向のベクトル図である。
シール材411bは、各方向の縁(便宜上、各辺という。)それぞれについて、上述のR部分に相当するコーナー部501と、上述の寸法Wのうち直線状に延在する部分に相当するストレート部502と、を有する。シール材411bは本実施形態では矩形状のため、長辺側も含めて、ストレート部502とコーナー部501を4つずつ備える。長辺の全体寸法は、短辺の全体寸法(コーナー部501の寸法+ストレート部502の寸法)の100%以上140%以下に例えば設定することができる。冷蔵庫の風路への適用を考えると、好ましくは110%~140%、115%~130%の間に設定できる。
図25中、色が黒い領域は歪みが少なくシール材411bと当接部312cとの密着性が高い。図示から明らかなように、コーナー部501近傍において密着性が比較的弱い。
この事象について検討する。図27は第一切替室第一フラッパ411が当接部312cに当接してシールし始めた、初期シール位置のシール材411bの縁の位置503と、密着してシール性が向上した変形後シール位置のシール材411bの縁の位置504とを示す図である。
ストレート部502の寸法Sは、初期シール位置503における寸法S1と変形後シール位置504における寸法S2との差は小さい又は無いため、シール時の歪は小さい。一方、シール材411bのコーナー部501の寸法Rは、初期シール位置503における寸法R1から変形後シール位置504における寸法R2への変化がストレート部502に比して大きく、引張が発生し歪が大きい。すなわち、歪みは直線状に近ければ小さくなる。コーナー部501の曲率を小さくすればシール性が改善すると推察される。
この点、4つの例をとって確認する。図28は第一切替室第一フラッパ411の形状として4つを示すもので、当接部312cに当接してシールしたときのシール材411bの密着性を評価した図である。シール材411bの短い辺の全幅Wに対する1つの隅のRの割合(S10)が、(a)19%の場合、(b)23%の場合、(c)31%の場合、(d)39%の場合を示す。いずれの場合もストレート部502の寸法は等しくしてある。このため、割合(S10)が大きくなるほど曲率が小さいことを示す。図28中のRの値は、実際のR寸法である。確かに、Rの割合(S10)が大きくなるほどシール性が改善することが確認された。この確認の方法としては、歪みの分布をシミュレーションや計測で取得して行ってもよいし、シール材411bと当接部312cを密着させた状態で有色の煙を流すなどして漏れ量を測定することで行ってもよい。
図29はRの割合を横軸、フラッパ411の開口面積を縦軸、とし、図28で確認したシール性能(×、△、○、◎)を併記したグラフである。
冷蔵庫で用いるフラッパ411が設けられるダクトの断面形状は通常、矩形に近いため、冷蔵庫への適用性を考えると、一辺を占めるコーナー部501寸法に比してストレート部502の寸法が大きいこと、すなわちRの割合(S10)が小さい方が好ましい。この場合、一辺の寸法が同一の条件下では、開口面積も大きくできる。しかしこの場合、上述のようにシール性が比較的低い。一方、シール性を追求すると開口面積を確保できない。
この点、図29のグラフからわかるように、Rの割合(S10)が31%を超えると開口面積の低下が早くなる一方、シール性の改善としては既に十分な状態である。また、Rの割合(S10)が19%を下回ると開口面積の増加が遅くなる一方、シール性としては冷蔵庫への適用に耐えがたいものとなる。
したがって、Rの割合(S10)としては、シール性の観点からは19%以上とすることが好ましく、23%以上、31%以上がさらに好ましい。また、開口面積の確保の観点からは、31%以下が好ましく、23%以下、19%以下がさらに好ましい。
図16は、ダンパ部材を後側から見たときの斜視図である。
図16に示すように、ダンパ部材410は、第一切替室第一フラッパ411に向けて延びるフラッパ支持部413bと、第一切替室第二フラッパ412に向けて延びるフラッパ支持部413cと、を備えている。フラッパ支持部413bは、ボックス413aの下面414eから鉛直方向(上下方向)下方に向けて延びている。フラッパ支持部413cは、ボックス413aの上面414fから鉛直方向(上下方向)上方に向けて延びている。フラッパ支持部413bには、第一切替室第一フラッパ411が取り付けられている。フラッパ支持部413cには、第一切替室第二フラッパ412が取り付けられている。
ボックス413aには、フラッパ支持部413cの外側を覆うフラッパ支持部カバー415(覆い部)が形成されている。このフラッパ支持部カバー415は、フラッパ支持部413cの前面側を覆う前面部415aと、右側面側(第一切替室第二フラッパ412とは左右方向の反対側)を覆う側面部415bと、上面側を覆う上面部415cと、を有している。このように、フラッパ支持部カバー415は、第一切替室第二フラッパ412の回動範囲を除く面(後方および左側方を除く面)に形成されている。また、フラッパ支持部カバー415には、ねじ固定部413eが一体に形成されている。このようなフラッパ支持部カバー415を設けることによって、フラッパ支持部413cに水がかかり難くなっている。
また、ボックス413aには、第一切替室第一フラッパ411を回動自在に保持する支持部材415dが形成されている。この支持部材415dは、ボックス413aの下面414eから下方に向けて延びて形成されている。この支持部材415dの下端には、ねじ固定部413dが一体に形成されている。
フラッパ支持部413cは、棒状(軸状)の部材で構成され、ボックス413aの上面414fから鉛直方向上方に向けて突出して形成されている。また、フラッパ支持部413cには、径方向外側に突出して形成された傘部416が形成されている。
ボックス413aには、コネクタ418がボックス413aの外部に露出して構成されている。このコネクタ418は、下向きに端子418a(接続端子)が突出するように構成されている。また、コネクタ418は、ボックス413aの角部を平面視三角状に切り欠いた形状(空間)を有し、その上面(天井面)414rから下方に向けて突出している。つまり、コネクタ418の端子418aは、ボックス413aから下向きになるように構成されている。
また、ボックス413aの後面414b(第一切替室5とは反対側の面)には、左側から右側に向けて下るように傾斜する案内リブ417が形成されている。この案内リブ417の上端は、コネクタ418が取り付けられる空間の上方に位置している。
また、ボックス413aの左側面414cには、コネクタ418から延びるコード(不図示)を掛けるフック419aが形成されている。また、支持部材415dには、フック419aから延びるコードを抑えるコード抑え部419b,419cが一体に形成されている。
図17は、ダンパ部材の分解斜視図である。
図17に示すように、ダンパ部材410は、第一切替室第一フラッパ411、第一切替室第二フラッパ412、駆動部413(図16参照)を有している。
第一切替室第一フラッパ411は、合成樹脂製のベース材411aを有している。このベース材411aには、爪411cが複数個所に突出して形成されている。第一切替室第一フラッパ411は、爪411cがシール材411bに形成された孔に挿入されることで、シール材411bがベース材411aに保持されている。
また、ベース材411aは、腕部411d,411dが形成されている。腕部411dは、ベース材411aから側方に突出するとともに上下に離間している。上側の腕部411dには、フラッパ支持部413bが設けられている。このフラッパ支持部413bは、後記する軸g2と連結して固定されている。
また、第一切替室第二フラッパ412は、合成樹脂製のベース412aを有している。このベース材412aには、爪412cが複数個所に突出して形成されている。第一切替室第二フラッパ412は、爪412cがシール材412bに形成された孔に挿入されることで、シール材412bがベース材412aに保持されている。
また、ベース材412aには、腕部412dが側方に突出して形成されている。この腕部412dは、フラッパ支持部413cに固定されている。フラッパ支持部413cは、鉛直方向に延びる軸部413kを有し、この軸部413kの下部(腕部412dより下側)に、軸部413kよりも大径に形成された傘部416が形成されている。
ボックス413aは、上面に開口部414oが形成されたケース本体413Aと、この開口部414oを塞ぐカバー部材413Bとを組み合わせて構成されている。
ケース本体413Aは、前面414a(図15参照)、後面414b、左側面414c、右側面414dおよび下面414e(図15参照)を有している。また、ケース本体413Aには、ピニオンギアPGが取り付けられたモータM、ピニオンギアPGと連結されるギア部材Gを備えた駆動部材DMが収容される。ギア部材Gには、フラッパ支持部413cと連結される軸部g1と、フラッパ支持部413bと連結される軸部g2と、を有している。
また、駆動部413は、第一切替室第一フラッパ411と第一切替室第二フラッパ412とを独立して開閉動作できるようにボックス413a内の駆動機構が構成されている。つまり、駆動部413は、第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412の双方を閉じたり、第一切替室第一フラッパ411および第一切替室第二フラッパ412の双方を開くことができるように構成されている。また、駆動部413は、第一切替室第一フラッパ411を開きかつ第一切替室第二フラッパ412を閉じ、また第一切替室第一フラッパ411を閉じかつ第一切替室第二フラッパ412を開くことができるように構成されている。
また、支持部材415dは、上下方向に細長い板部材415e,415fがL字状に組み合わされて構成されている。また、支持部材415dの内側には、腕部411d,411dと連結される連結部415g,415gが形成されている。
また、ケース本体413Aは、後記するねじボス414g,414h,414iが嵌合して固定される固定部414j,414k,414mが形成されている。これら固定部414j,414k,414mは、ケース本体413Aの角部が内側に凹むことによって構成されている。
また、案内リブ417は、後面414bに流れてきた水をケース本体413Aの下方に向けて案内する機能を有している。また、案内リブ417は、左側面414c側から右側面414d側に向けて下るように傾斜している。また、案内リブ417の上端は、後面414bの左端の上端に位置している。また、案内リブ417の下端は、後面414bの右端の上下方向の中央に位置している。また、案内リブ417の下端は、固定部414jと連続して形成されるように構成されている。また、案内リブ417の上端側は、コネクタ418が設けられる側の上方に位置している。また、案相リブ417の下端側は、コネクタ418が設けられていない側に位置している。
このような案内リブ417を設けることによって、ボックス413aの上面414fから後面414bに流れ落ちてきた水は、案内リブ417に沿って下方に流れ、ダンパ部材410の側方を通って下方へと流れ落ちる。また、案内リブ417の傾斜角度が緩やかに形成されているので、水が案内リブ417の途中で脱落することがない。なお、案内リブ417の形状や傾斜角度は適宜設定することができる。
また、案内リブ417は、コネクタ418が設けられる側の面(後面414b)に設けられているので、コネクタ418が設けられている上面414r(図16参照)に水が流れ込むのを抑制できる。なお、後に説明するが、ダンパ部材410は、上面414fが後方に向けて下るように設置されているので、上面414fから流れ落ちる水は、後面414bに向けて流れるようになっている。このため、後面414bのみに案内リブ417を設けるだけで、コネクタ418に水がかかるのを抑えることができる。
カバー部材413Bは、矩形状で平坦な上面414fを有し、上面414fの角部に鉛直方向下方に向けて吐出するねじボス414g,414h,414iが形成されている。なお、図17では、3か所のねじボス414g,414h,414iが形成されている状態が図示されているが、残りの角部にも同様なねじボスが形成されている。これらねじボス414g,414h,414iには、上下方向の下向きにねじ穴が形成されている。
また、ねじボス414g,414h,414iは、ケース本体413Aの固定部414j,414k,414mに対して上方から嵌め合わされる。固定部414j,414k,414mには、ねじ280が挿通されるねじ挿通孔が貫通して形成されている。このねじ挿通孔に対して、ねじ280が下方から挿入された後、カバー部材413Bのねじボス414g,414h,414iに螺着される。
また、カバー部材413Bの上面414fには、ギア部材Gの軸部g1が突出する軸孔413jが形成されている。この軸孔413jは、前側かつ右側の角部に位置している。また、カバー部材413Bには、前記したフラッパ支持部カバー415が一体に形成されている。
図18は、切替室用のダンパ部材の側面図である。
図18に示すように、駆動部413の前面414aは、第一切替室第二フラッパ412の前面とほぼ面一になるように構成されている。また、第一切替室第一フラッパ411の前面は、駆動部413の前面414aよりも若干後方に位置している。
コネクタ418が設けられる位置のねじボス414hは、他のねじボス414iよりも上下方向の長さが短く形成されている。
傘部416は、軸部413kよりも大径となるように構成されている。このような傘部416を設けることで、軸孔413jと軸部413kとの間に隙間が生じる構成においても、その隙間から水が浸入するのを抑えることが可能になる。
また、傘部416は、上面414fよりも上方に位置している。また、傘部416は、第一切替室第二フラッパ412の下端と略同じ高さに位置している。また、傘部416は、軸中心から外周側に向けて下る傾斜面416aを有している。これにより、傾斜面416aに水が溜まることなく、上面414fに向けて水を流すことができる。また、径方向外側に向けて水が流れるので、軸部413kと軸孔413jとの隙間に水が浸入し難くなる。
図19は、図18のXIX-XIX線断面図である。
図19に示すように、ボックス413aの角部(エッジ部)は、R(アール)を付けて形成されている。ボックス413aの下部の角部P3,P4の曲率は、小さく形成されている。一方、ボックス413aの上部の角部P1,P2の曲率は、角部P3,P4の曲率よりも大きく形成されている。
このように、ボックス413aの上面414fの角部のRを大きくすることで、上面414fに付着した水を左側面414cや右側面414dに逃がし易くなる。その結果、水が上面414fに溜まって凍結して、第一切替室第二フラッパ412の開閉動作が阻害されるといった不都合を防止できる。
なお、図示していないが、ボックス413aの前後方向の角部についても、図19と同様に、上部の前後の角部のRが、下部の前後の角部のRよりも大きく構成されている。したがって、上面414fに付着した水が、後面414bに向けて流れ易くなり、水が上面414fで凍結するといった不都合を抑制できる。また、後面414bに流れた水は、前記した案内リブ417によって、後面414bに沿って下方に流れ落ち、ボックス413aに水が溜まることがない。
図20は、断熱仕切ダクトプレートの正面図である。
図20に示すように、断熱仕切ダクトプレート400は、庫内側に面する前パネル210側からねじ250a,250bを用いて断熱仕切壁27とダンパダクト部材300とが互いに固定される。このとき、ねじ250a,250bは、筒状リブ315の近傍に設けられている。これにより、筒状リブ315と前パネル210との間に設けられている、冷気漏れを抑制するためのシール部材240(図22、図23参照)の密着性を増すことができる。
また、吐出口形成部材111は、ねじ250cを介して前パネル210に固定される。また、吐出口形成部材112は、ねじ250dを介して前パネル210に固定される。また、前パネル210は、ダンパダクト部材300のねじボス310e(図9参照)とねじ250eを介して固定される。
このように、ねじ250aは、吐出口形成部材111によって覆われているので、前パネル210に付着した水がねじ250a回りに浸入し難くなっている。また、ねじ250bは、溝部216に位置しているので、ねじ250bに水が浸入し難くなっている。
また、ねじ250a,250b,250c,250d,250eが設けられる位置には、ねじ固定後に、キャップ部材(不図示)が取り付けられる。これによって、外観上の美観が向上し、また、ねじ250a,250b,250c,250d,250eの隙間から水が浸入するのを抑制できる。
図21は、図20のXXI-XXI線断面図である。
図21に示すように、ダンパ部材410は、前ケース310にねじ固定部413d,413e,413f(図15参照)を介して固定されている。ねじ等の締結や螺合の他、ダンパ部材410を前ケース310に付勢又は押圧した状態で固定可能にすることができる。これにより、ダンパ部材410と前ケース310との密着性や、フラッパの当接部分としても機能する前ケース310に対するフラッパの平行度を向上でき、フラッパ閉塞時の気密性を確保しやすくできる。なお、ダンパ部材420についても、ダンパ部材410と同様に、前ケース310にねじ固定される。
断熱仕切壁27とダンパダクト部材300は、上部において、ねじ250aを介して互いに固定される。すなわち、前パネル210の窪み部217aは、第二発泡断熱材230Bの貫通孔238a(図22参照)に挿通され、第一発泡断熱材230Aの貫通孔237a(図22参照)に挿入される。一方、ねじボス310cは、貫通孔237aに反対側から挿入される。そして、窪み部217aは、ねじボス310cに突き当たる。そして、ねじ250aが、窪み部217aに挿入され、ねじ挿通孔217cに挿通された後、ねじボス310cに螺着される。このようにして、断熱仕切壁27とダンパダクト部材300とが互いに固定される。
また、後パネル220の背面に突出して形成されたねじボス226は、前ケース310の窪み部330に挿入される。また、窪み部330は、後ケース320に形成された窪み部340と突き当たる。そして、窪み部340側(後側)からねじ260が挿入され、ねじ挿通孔340a(図13参照)に挿通される。そして、ねじ260は、窪み部330のねじ挿通孔(図11参照)に挿通された後、ねじボス226に螺着される。
このようにして、断熱仕切壁27と、ダンパダクト部材300とがねじ固定される。着脱容易にしたダンパダクト部材300には、ダンパ部材410,420を(好ましくは螺合)で取り付けるようにしており、従来のような大型な断熱仕切壁とダンパダクト部材へのダンパ組立に比べて組立性が向上できる。
図22は、図21のA部拡大図である。
図22に示すように、前ケース310は、前記した面312sを有する板部310aを有している。この板部310aの面(取付面)312sは、上下方向(鉛直方向、重力方向)に対して、上側から下側に向かうにつれて前方に位置するように傾斜している。これにより、前ケース310に取付けられるボックス413a(図21参照)が水平に対して傾いて取り付けられるので、ボックス413aの上面414fに付着した水分を排出しやすくなる。
板部310aには、筒状リブ315,316(リブ)が樹脂成型によって一体に形成されている。この筒状リブ315,316は、開口312aの縁から前方(庫内側、第一切替室第一フラッパ411(図21参照)とは反対側)に延在して形成されている。これによりフラッパの接触に伴う変形を低減でき、フラッパによる気密性を確保しやすい。
筒状リブ315は、下部内壁面315aが、水平面(水平線)Hpに対して、前方(庫内側)に向けて下るように傾斜(角度α)している。これにより水滴が付着しても排水しやすい。また、筒状リブ315は、上部内壁面315bが、略水平方向に沿って形成されている。
また、板部310aには、開口312aの縁に、第一切替室第一フラッパ411(図9参照)の側に向かって凸となる当接部312c(凸部)が形成されている。この当接部312cは、基準の面312sに対して第一切替室第一フラッパ411側に凸状に形成されている。また、当接部312cの前面には、当接部312cに沿って断面視凹形状の肉抜き部312c1が形成されている。なお、本実施形態では、当接部312cの上辺部312t、左右側辺部312u,312u(図12参照)が、第一切替室第一フラッパ411(図21参照)側に向けて凸状に形成されている。また、上辺部312t、左右側辺部312u,312uにも前記と同様な断面視凹形状の肉抜き部(不図示)が形成されている。また、基準の面312sに対して、下辺部312vは、第一切替室第一フラッパ411側に向けて突出して形成されていない。このようにして、第一切替室第一フラッパ411が当接する当接部312cの強度を改善し、フラッパ当接による変形を防止することができる。強度を高くして形成することで、当接部312cと第一切替室第一フラッパ411のシリコーンゴム製のシール材411b(図10参照)との間における密閉性を高めることができる。
なお、本実施形態では、開口312aの縁が凸状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、凸状の形状に替えて、厚みが大きくなるように形成された板厚部としてもよい。
また、筒状リブ316については、前記と同様に、下部内壁面316aが水平面(水平線)Hpに対して、前方(庫内側)に向けて下るように傾斜(角度β)している。また、筒状リブ316は、上部内壁面316bが、略水平方向に沿って形成されている。
また、板部310aには、開口312bの縁に、第一切替室第二フラッパ412(図21参照)の側に向かって凸となる当接部312d(凸部)が形成されている。この当接部312dは、基準の面312sに対して第一切替室第二フラッパ412(図9参照)側に凸状に形成されている。また、当接部312dの前面には、当接部312dに沿って断面視凹形状の肉抜き部312d1が形成されている。なお、本実施形態では、当接部312dの上辺部312w、下辺部312x、左右側辺部312y,312y(図12参照)が、第一切替室第二フラッパ412側に向けて凸状に形成されている。つまり、当接部312dは、開口312bの縁全体が凸状になるように形成されている。
なお、本実施形態では、開口312bの縁が凸状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、凸状の形状に替えて、厚みが大きくなるように形成された板厚部としてもよい。これによりフラッパの当接時の変形を抑制できる。
また、図22に示すように、第一切替室第一フラッパ411は、開口312aを全閉した状態であり、シール材411bの外周面が開口312aの縁の当接部312cに当接して、開口312aを密閉している。また、第一切替室第二フラッパ412も同様に、シール材412bの外周面が開口312bの縁の当接部312dに当接して、開口312bを密閉している。
断熱仕切壁27は、筒状リブ315が、後パネル220の開口222、第一発泡断熱材230Aの切欠孔232A、第二発泡断熱材230Bの切欠孔232B、及び前パネル210の開口214の縁部に当接することで取り付けられる。これにより後パネル220、第一発泡断熱材230A、第二発泡断熱材230B、及び前パネル210それぞれの間の例えば意図せぬ隙間に冷気が漏れて、意図せぬところに漏出することを抑制できる。筒状リブ315は、これら2つの開口側の隙間を遮断する遮断部としても機能している。
また、筒状リブ315と前パネル210との間にはシール部材240が設けられ、冷気漏れを抑えている。なお、シール部材240は、例えば、軟質ウレタンからなるシート部材である。
また、第一切替室第一フラッパ411は、鉛直方向(上下方向)に対して傾斜した状態で前ケース310に取り付けられている。換言すると、第一切替室第一フラッパ411の下側が上側よりも前側に位置するように傾斜している。
また、ボックス413aの前面414a(図18参照)は、第一切替室ダンパ固定部312Aの面312sに面同士で接触し、隙間が形成されないようになっている。また、第一切替室第一フラッパ411を傾斜して配置することで、ボックス413aの上面414fが傾斜した状態で配置される。すなわち、上面414fは、後側に向けて下るように傾斜している。ところで、低温の冷気が通る場所であるため、上面414fに水が溜まると氷が生成されて、第一切替室第二フラッパ412の開閉動作が困難になる。そこで、ダンパ部材410を傾斜して配置して、ボックス413aを傾斜させることで、上面414fに水が溜まるのを抑えることが可能になる。
また、ボックス413aの後面414b(図16参照)には、案内リブ417が形成されている。これにより、傾斜した上面414fを流れた水が、後面414bに流れてきたとしても、案内リブ417によって側方(右側面414d側)に流れ落ちる。このため、水がコネクタ418側にかかるのを抑えることができる。
なお、図示していないが、前ケース310の外面の、第一切替室第一フラッパ411の近傍に、ヒータが設けられていてもよい。また、前ケース310の外面の、第一切替室第二フラッパ412の近傍に、ヒータが設けられていてもよい。なお、ヒータは、例えば、伝熱線をアルミシートで被覆したものを適宜の大きさにしたものである。また、ヒータは、第一切替室第一フラッパ411に直接に設けられていてもよい。
図23は、図21のB部拡大図である。
図23に示すように、
断熱仕切壁27とダンパダクト部材300は、下部において、ねじ250bを介して互いに固定される。すなわち、前パネル210の窪み部217bは、第二発泡断熱材230Bの貫通孔238bに挿通される。一方、ねじボス310dは、貫通孔237aに挿入される。そして、窪み部217bは、ねじボス310dに突き当たる。そして、ねじ250bが、窪み部217bに挿入され、ねじ挿通孔217dに挿通された後、ねじボス310dに螺着される。このようにして、断熱仕切壁27とダンパダクト部材300とが互いに固定される。
ダンパ部材420は、前記したダンパ部材410と同様にして、同様な傾きをもって断熱仕切壁27に固定されている。また、ダンパ部材420は、ダンパ部材410と同様に、筒状リブ317の先端(前端)が、シール部材240を介して断熱仕切壁27の開口の周縁部に当接することで、ダンパダクト部材300と断熱仕切壁27との密閉性が確保され、ダンパ部材420から庫内(断熱仕切壁27)への冷気漏れを効果的に抑えている。
ところで、ダンパダクト部材300では、凍結を防止するために筒状リブ317の下部内壁面315aが前方に向かうにつれて下るように傾斜している。通常であれば、前ケース310を樹脂成形する場合には、前後方向(S100,S200)に動く金型を容易すれば足りるが、本実施形態では、さらに下方(S300)に動くスライド金型を用いて前ケース310を製造している。なお、筒状リブ318については、傾斜の長さが短いので、前記したスライド金型を用いる必要がない。
図24は、第一切替室ダンパ固定部の断面図である。
図24に示すように、第一切替室ダンパ固定部312Aは、ダンパ部材410の下方に、傾斜面312fが形成されている。この傾斜面312fは、後方に向けて下るように傾斜している。また、傾斜面312fの下端部には、後方に向けて突起部311pが形成されている。この突起部311pと上面と傾斜面312fの表面とは面一に形成され、断面視直線状に形成されている。また、突起部311pは、板部311aよりも後方に突出して形成されている。また、板部311aの表面には、面ヒータH12が設けられている。この面ヒータH12は、伝熱線h1がアルミシートh2によって覆われている。このため、面ヒータH12の上端に、アルミシートh2と板部311aとの張り合わせ面M1が形成されている。この張り合わせ面M1から水が面ヒータH12内に浸入するおそれがある。そこで、本実施形態では、突起部311pを設けることによって、傾斜面312fから流れ落ちた水が張り合わせ面M1に浸入するのを抑えている。
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫1は、第二蒸発器14bを収容する第二蒸発器室8bと、第二蒸発器室8bと第一切替室5(第二切替室6)との間に設けられた開口312bを開閉するダンパ部材410,420と、を備える。ダンパ部材410,420は、開口312bに接離可能に設けられる第一切替室第二フラッパ412(第二切替室第二フラッパ422)と、第一切替室第二フラッパ412(第二切替室第二フラッパ422)を回転駆動する駆動部413と、駆動部413の上面414fに上向きに突出するとともに第一切替室第二フラッパ412(第二切替室第二フラッパ422)を支持するフラッパ支持部413cと、を有する。フラッパ支持部413cは、当該フラッパ支持部413cの軸部413kよりも大径の傘部416を備える。これによれば、上部からフラッパ支持部413cを伝って流れ落ちてきた水が、駆動部413とフラッパ支持部413cとの隙間に浸入するのを防止することが可能になる。
また、本実施形態は、駆動部413は、駆動部材DMを収容するボックス413aと、ボックス413aの外面に設けられて駆動部材DMと接続されるコネクタ418と、を備える。コネクタ418の接続端子は、ボックス413aに対して鉛直方向下向きに配置されている。これによれば、ボックス413aに流れ落ちた水がコネクタ418にかかるのを防止できる。
また、本実施形態は、ボックス413aは、軸部413kが突出して形成される上面414fと、上面414fの外周縁部から下方に延び後面414bと、を有する。後面414bには、当該後面414bに沿って上部から下部に向けて水を案内する案内リブ417が形成されている。これによれば、上面414fから周囲に流れてきた水が、コネクタ418まわりに流れ込むのを防止できる。
また、本実施形態は、ダンパ部材410,420は、上面414fが傾斜するように配置されている。これによれば、ボックス413aの上面414fに水が溜まるのを抑えることができ、凍結による第一切替室第二フラッパ412(第二切替室第二フラッパ422)の開閉動作に不具合が生じるのを防止できる。
また、本実施形態は、ボックス413aは、上方に向けて開口する開口部414oが形成され、駆動部材DMが収容されるケース本体413Aと、開口部414oを閉じるカバー部材413Bと、を備える。ケース本体413Aとカバー部材413Bとがねじ280を介して固定される。ケース本体413Aは、ねじ280が挿入されるねじ孔が下向きに形成されている。これによれば、ねじ280の隙間から水が浸入して、ボックス413a内に水が浸入するのを防止できる。
また、本実施形態は、ボックス413aは、上面414fの角部P1,P2の曲率が、当該ボックス413aの下面414eの角部P3,P4の曲率よりも大きくなるように形成されている。これによれば、上面414fに流れてきた水が側面(前面414a、後面414b、左側面414c、右側面414d)に流れ易くなり、上面414fに水が溜まるのを抑制できる。
また、本実施形態は、ボックス413aは、第一切替室第二フラッパ412(第二切替室第二フラッパ422)の動作範囲を除く側面および上面を覆うフラッパ支持部カバー415を備える。これによれば、フラッパ支持部413cに上部から水がかかるのを抑制できる。
また、本実施形態は、鉛直方向の上下に離間して配置されるダンパ部材410とダンパ部材420と、を有するダンパ部材410とダンパ部材420との間に上部からの水をダンパ部材420の側方に逃がす水案内リブが形成されている。これによれば、下部のダンパ部材420に水がかかるのを抑制できる。
以上、本実施形態について図面を参照しながら説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ダンパ部材410において、軸孔413jの周囲に上面414fからリブを突出して形成してもよい。これにより、軸孔413jに水が浸入するのを抑えることができる。
本願は、次の技術的思想を包含する。
[付記1-1]
冷却器を収納する冷却器室と、
該冷却器室からの冷気を案内するダンパダクト部材と、を備え、
前記ダンパダクト部材は、螺合により取り付けられている冷蔵庫。
[付記1-2]
前記冷却器室の冷気を昇圧するファンと、
該ファンを駆動するファンモータと、
該ファンモータを取り付けた断熱仕切ダクトプレートと、を備え、
前記ダンパダクト部材は、前記断熱仕切ダクトプレートに螺合により取り付けられている付記1-1に記載の冷蔵庫。
付記1-1,1-2、その他について、前側から、断熱仕切プレート400とダンパダクト部材300とを固定するねじは、符号250a,250b,250eの3つが記載されている(図9,20-23等)。
ねじ250aは、前パネル210の窪み217aと前ケース310のねじボス310cに挿通されている(0052,0147,0152、図9,22等)。
ねじ250eは、前パネル210~前ケース310のねじボス310eに挿通されている(0147,0148、図8,9等)。
後側から、断熱仕切プレート400とダンパダクト部材300とを固定するねじは、符号260が記載されている(図9,21等)。
ねじ260は、後ケース320の窪み340、前ケースの窪み330、後パネル220のねじボス226に挿通されている(0068,0105,0153、図9,21等)。
[付記1-3]
前記断熱仕切ダクトプレートと、前記ダンパダクト部材とを固定するねじを有し、
該ねじは、前記ダンパダクト部材の筒状リブの近傍に設けられ、
該筒状リブの開口周縁部であって、該筒状リブと前記ダンパダクト部材の前パネルとの間にシール材を備える付記1-1に記載の冷蔵庫。
付記1-3によれば、ねじ250a,bの締め付けでシール材240の密着性を増すことができる(0147、図22,23等)。
[付記1-4]
前記冷却器室の冷気を昇圧するファンと、
前記ダンパダクト部材の前ケースに配され、前記ファンから吐出された風をダンパに案内する整流板と、を備え、
該整流板は、前記ダンパの駆動部の側面近傍であって前記風の流路方向に沿った領域に位置する付記1-1に記載の冷蔵庫。
付記1-4によれば、駆動部の側面433aは、整流板311とともに風路の一部を構成しているので、風損を低減することができる(0077,図10,11等)。
なお、該整流板は、湾曲縁部に沿って複数が並んで配置されていると好ましい。また、該整流板は、コード抑え部材としての機能も有していると好ましい。
[付記1-5]
前記ダンパダクト部材の前ケースには、ねじ挿通部(313g,313h)が形成されており、
該ねじ挿通部に挿通されるねじ(270a,270b)は、該ねじの挿通方向視において、前記前ケース(310又は311b)と重ならない位置に形成されている付記1-1に記載の冷蔵庫。
付記1-5によれば、前ケース310にダンパ部材430を取り付ける際、ダンパ部材430を前ケース310に容易に取り付けることができる。
[付記1-6]
2つの前記ねじ挿通部に挿通された2つのねじは、2つの該ねじによって取付けられた部材(430)の対角線上に位置している付記1-5に記載の冷蔵庫。
付記1-6によれば、ダンパ部材430を固定板313aに固定する際に、固定板313aに対してダンパ部材430が浮き上がることなく安定して取り付けることができる(0109,0110、図11等)。
[付記2]
正面視で略直線状のストレート部と、略円弧状のコーナー部と、を含む縁を有する略矩形状のシール材と、
該シール材を移動させて開口に接離可能なダンパを備える冷蔵庫であって、
前記シール材の一つの縁の全長における前記コーナー部の寸法の割合が、19%以上である冷蔵庫。
[付記3]
正面視で略直線状のストレート部と、略円弧状のコーナー部と、を含む縁を有する略矩形状のシール材と、
該シール材を移動させて開口に接離可能なダンパを備える冷蔵庫であって、
前記シール材の一つの縁の全長における前記コーナー部の寸法の割合が、31%以下である冷蔵庫。
[付記4]
正面視で略直線状のストレート部と、略円弧状のコーナー部と、を含む縁を有する略矩形状のシール材と、
該シール材を移動させて開口に接離可能なダンパを備える冷蔵庫であって、
前記シール材の一つの縁の全長における前記コーナー部の寸法の割合が、19%以上31%以下である冷蔵庫。