JP7287502B2 - 判定システム、照合装置、および判定方法 - Google Patents

判定システム、照合装置、および判定方法 Download PDF

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Description

本願発明は、動物の毛の産地を判定する判定システムに関する。
カシミヤは、カシミヤヤギから採取される獣毛であり、そのカシミヤヤギの畜産が行われている地域は中央アジア~中国・内モンゴル自治区などに分布している。ヤギは過酷な環境でも育てることのできる家畜として古くから利用されているが、気性が荒く、牛や豚、羊に比べ生産性が低いため、家畜として飼育する対象になりにくく、他の家畜飼育が困難な地域で飼育されていることがほとんどである。
カシミヤの世界的な生産量(一年間に世界で提供される生産量)は約2~3万トンといわれているが、高級繊維材料であるため、カシミヤを装った衣料製品なども流通に紛れ、その4倍から5倍近い量のカシミヤが市場に提供されており、原材料の疑いのない産地情報が提供されることが求められていた。
カシミヤ原料から作った生地(編地)メーカが衣料メーカに製品(生地)を納入する際、従来は、酪農家との取引伝票、原毛を洗ってカシミヤだけを選別するメーカとの取引伝票、糸メーカとの取引伝票や、光学顕微鏡を用いた毛の直径計測(繊度計測)や色などを照合し材料産地を証明・認証していた(図6参照)。
しかし、出荷元の出荷記録と取引伝票の整合性までを確認するなど手間のかかる作業や、煩雑な伝票管理が必要となることに加え、偽装品が出回るリスクも含んでいた。さらにカシミヤ製品を使用する消費者に至っては、衣類タグの表示を信じることしかできなかった。
一般に、自然由来の原材料の産地を特定することは難しく、原材料の生産地を科学的に証明することに対して潜在的なニーズが存在した。従来、科学的に原材料の産地を証明する手法として、緯度や高度など、生産地の地理的な違いを反映した水分子に含まれる水素や酸素の安定同位体比を利用するという方法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
また、天然由来の原料と人工的な材料では、それらを構成する炭素の安定同位体比にそれぞれ違いが生じることが知られている。例えば、天然由来の蜂蜜に人工的な糖を混ぜた製品が市場に出回っていることが知られており、蜂蜜などの食品は、一般的には製品自体を見て原材料の構成を推定することが困難であるため、その製品原料の妥当性評価に炭素の安定同位体比測定が利用されている。
特開2018-100834号公報
Tsuguhiro Ohashi, Kenichiro So, Akihiro Yoshida, Hisashi Uematsu, Nobuaki Mochizuki, Takako Yasui, Ryoko Yoshimura, and Yoshihisa Sakai:"Research and Development Activities Related to Agriculture" NTT Technical Review, Vol. 14, No. 6, June 2016.
上記のように、消費者はカシミヤ製品に対して、小売業者から提供される情報だけが頼りであり、カシミヤ製品のタグに記載された原料産地などの真偽を確かめる手段がなかった。小売業者や各工程の生産業者については、その前後の取引記録や製品の扱いを証明することは担保できるが、その工程よりも前、もしくは後ろの工程業者の取引や製品の扱いの妥当性を証明することは、主体的な関わりがないため、カシミヤ製品の原料産地の証明は困難であった。
このような目的を達成するために本願発明の判定システムは、動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測する第1の計測装置と、前記動物の毛の産地毎に分類された前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有する照合装置とを備え、前記第1の計測装置は、計測対象の動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測し、前記照合装置は、前記第1の計測装置における計測結果と前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記計測対象の動物の毛の産地を判定し、前記動物の毛の繊度を計測する第2の計測装置を備え、前記データベースは、前記繊度の第2の基準データを含み、前記第2の計測装置は、前記計測対象の動物の毛の繊度を計測し、前記照合装置は、前記第2の計測装置における計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記計測対象の動物の育成度合を判定する。
このような目的を達成するために本願発明の照合装置は、動物の毛の産地毎に分類された炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有し、計測対象の動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比の計測結果と前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記動物の毛の産地を判定し、前記データベースは、前記動物の毛の繊度の第2の基準データを含み、計測対象の動物の毛の繊度の計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記動物の育成度合を判定する。
このような目的を達成するために本願発明の判定方法は、動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測する第1の計測装置と、前記動物の毛の産地毎に分類された前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有する照合装置と、前記動物の毛の繊度を計測する第2の計測装置を備え、前記データベースは、前記繊度の第2の基準データを含む判定システムにおける、判定方法であって、前記第1の計測装置において、計測対象の動物の毛に含まれる前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測するステップと、前記照合装置において、前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の計測結果と、前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記動物の毛の産地を判定するステップと、前記第2の計測装置において、前記計測対象の動物の毛の前記繊度を計測するステップと、前記照合装置において、前記繊度の計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記動物の育成度合を判定するステップとを含む。
本願発明では、各種製品の原材料情報が産地情報に沿ったものであるかを判定・認証するために原材料となるカシミヤ自身が有する科学的特性を評価・分析したデータを利用する。その結果、消費者は自身で衣料製品の原料産地を確認できるようになり、さらに、小売業者や各工程の生産業者については伝票管理や伝票の照合作業をなくすこと、または減らすことに加え、商取引時の安心感の担保や産地偽装の予防の一助となるシステムを提供することができる。
図1は、本実施の形態における判定システムを説明するための図である。 図2Aは、本実施の形態の判定システムにおけるデータベースの構築を説明するための図である。 図2Bは、本実施の形態におけるデータベースの構成例である。 図2Cは、本実施の形態のデータベースに含まれる水素安定同位体比と炭素安定同位体比の基準データを2次元グラフ化したものである。 図3Aは、本実施の形態における衣料製品が有するタグの一構成例である。 図3Bは、本実施の形態における衣料製品が有するタグの他の構成例である。 図3Cは、本実施の形態における衣料製品が有するタグの他の構成例である。 図4Aは、本実施の形態における照合装置の構成例である。 図4Bは、本実施の形態における照合装置を構成するコンピュータの構成例である。 図5Aは、本実施の形態における産地等の判定シーケンスの一例である。 図5Bは、本実施の形態における産地等の判定フローの一例である。 図6は、従来の材料産地証明・認証を説明するための図である。
本願発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本願発明は、様々な実施の形態で実施することが可能であり、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
<本願発明の概要>
本願発明では、家畜等の動物の成育環境による影響を反映する動物の毛に含まれる水素の安定同位体比と、また、飼育業者ごとの飼料の違いを反映する獣毛中に含まれる炭素の安定同位体比を利用することとしている。予めデータベース化されている産地に依存する動物の毛に含まれる水素の安定同位体比および炭素の安定同位体比の関係を産地判定の指標とし、計測対象である対象製品のタグから採取した毛の水素及び炭素の安定同位体比測定結果をデータベースの指標と比較することで原産地表示の妥当性をユーザに回答する判定システムである。
<判定システムの概要>
図1は、本実施の形態の判定システムの概要を説明するための図である。本実施の形態の判定システム10は、消費者、小売業者、生産者(酪農家、繊維製品生産事業者、生地製品生産事業者、衣料製品生産事業者)等のユーザ1が利用するためのものである。ユーザ1から提供された動物の毛の産地を判定する際の基準となる科学分析データを計測する計測装置20と計測結果と基準データを含むデータベースを照合する照合装置30から構成されている。計測対象の動物の毛は、計測対象の衣料製品2に付属するタグ3から採取される。計測装置20は、計測する科学分析データに応じて、動物の毛に含まれる元素の安定同位体比計測を行う装置(第1の計測装置)や動物の毛の繊度を計測する光学顕微鏡(第2の計測装置)等の複数の装置から構成することができる。
本実施の形態では、カシミヤヤギの成育環境による影響を反映する水素の安定同位体比と、飼育業者ごとの飼料の違いを反映する炭素の安定同位体比も利用して、動物の毛の産地の判定を行う。地域毎の水素の安定同位体比および炭素の安定同位体比の関係からなる産地証明の際の指標となる基準データと、衣料製品のタグから採取された毛の計測結果を照合して産地判定結果を提供する。図1の例では、サンプルAの産地は、地域Cであると判定されている。
以下、本システムの拠り所となるカシミヤの生産地を証明する際の基準データを含むデータベースを構築する工程、計測対象の製品に付属されたタグ、データベースと計測結果を照合する照合装置と照合工程について説明する。
<データベースの構築>
データベースを構築する工程では、次の3つの計測結果を用いている。1つ目は、カシミヤヤギの成長した地理推定として水素安定同位体比計測を行った結果、2つ目は、カシミヤヤギの餌成分の特徴として炭素安定同位体比計測を行った結果、3つ目は、育成度合いの指標として光学顕微鏡による繊度計測を行った結果である。
図2A~図2Cを用いてデータベースを構築する工程を説明する。まず始めに、酪農家から直接カシミヤヤギの獣毛を仕入れる、ここで、産地が定かであるカシミヤヤギの獣毛を仕入れてもよい(S1-1)。
計測時に獣毛のみの情報を得るために、仕入れたカシミヤ獣毛からカシミヤ獣毛に付着している砂やホコリなどの汚れを除去し、凍結乾燥させることで、獣毛成分のみの計測を行うことができるよう下処理を行う(S1-2)。
下処理を行ったカシミヤ獣毛を燃焼させ獣毛由来のガスを発生させ(S1-3)、そのガスを用いて安定同位体比計測装置(例えば、レーザ吸収分光計、安定同位体比質量分析計、核磁気共鳴分光計等)により安定同位体比計測を行う(S1-4、S1-5)。
まず始めに、地理推定のために水素安定同位体比計測を行う(S1-4)。一般に、雨などに含まれる水素には地理ごとに(緯度ごとに)水素の安定同位体比が異なることが知られている。カシミヤヤギの生息地域毎に摂取している水分が異なるため、水素の安定同位体比を計測することで、生息地の分類を行うことができる。
つぎに、餌成分を反映する炭素の安定同位体比計測を行う(S1-5)。カシミヤヤギが餌として摂取する植物も産地毎に異なる。この違いを反映するのが、炭素の安定同位体比である。水素の安定同位体比と炭素の安定同位体比を計測することで、獣毛の産地を推定することが可能になる。
さらに、光学顕微鏡等を用いてカシミヤ獣毛の繊度を計測してもよい(S1-6)。高級獣毛として知られるカシミヤだが、赤ちゃんカシミヤヤギの獣毛を用いたベビーカシミヤはさらに高級獣毛として扱われている。炭素と水素の同位体比計測のみでは、親子の判別は困難である。獣毛の直径である繊度を計測し、カシミヤヤギの育成度合いを表す繊度を基準データとしてデータベースに記録しておき、データベースに記録した育成度合の指標となる基準データと、ユーザから提供された獣毛の繊度とを照合することにより、ユーザから提供された育成度合の妥当性を判定することもできる。
上記の計測の際、水素安定同位体比の測定と炭素安定同位体比の測定はどちらから始めても構わないし、同時に測定できる装置であればそれを利用してもよい。同一個体のヤギであってもカシミヤの採取部位(背中付近と腹付近など)で安定同位体比にバラツキがあることや、測定毎に誤差の違いが出る可能性を考慮し、複数回の測定を実施することが望ましい。また、個体差も想定し、同じ産地にて複数個体について測定を実施し、データベースの充実を図ることもできる。
最後に、同一個体や複数個体について計測を繰り返した結果を用いて、データ照合の基準となる数値を算出する(S1-7)。上述したように、安定同位体比計測では、同一産地のカシミヤヤギだとしても、一定の範囲内で複数の測定値をとることがわかっている。そのため、この測定値を評価指標として用いるために、以下の手順で基準となるデータの算出を行う。
水素の安定同位体比計測で取り得る値の範囲と炭素の安定同位体比計測で取り得る値の範囲は1桁程度違うため、それぞれの範囲において数値の規格化を行う。次に、水素の安定同位体比および炭素の安定同位体比を複数回(例えば、10回以上)測定した結果より、それぞれの重心を算出する。
水素の安定同位体比、炭素の安定同位体比の重心から最も離れた計測値と重心とのユークリッド距離を基準として算出する。以上のようにして、産地判定の指標となる基準データを含むデータベースの構築を行う。
図2Bは、データベースの構成例である。データベースは、獣毛の産地毎に分類された炭素元素及び水素元素の安定同位体比の基準データ(第1の基準データ)、動物の育成度合を判定するための繊度の基準データ(第2の基準データ)を含む。図2Cは、データベースに含まれる水素安定同位体比と炭素安定同位体比の2次元データの重心とユークリッド距離を2次元グラフ化したものである。計測結果をデータベースと照合した結果、重心からユークリッド距離の範囲内であれば、その地域の産地であると判定することができる。なお、本実施の形態では、水素および炭素の安定同位体比を用いて、獣毛の産地を判定しているが、生物の主要な構成要素の1つである窒素の安定同位体比を組合せて産地の判定を行ってもよい。
<産地判定を行うためのタグ>
図3A~図3Cを用いて、計測対象の衣料製品に付属されたタグについて説明する。
上述したように、動物の毛の科学分析をするためには、カシミヤを燃焼させる必要があるため、実際のカシミヤ製品の一部が必要になる。その際、カシミヤ製品、例えば、セーターの原材料表示の妥当性を確かめるようなケースを想定すると、産地証明を実施するためにセーターの一部を切り取ると、そのセーターそのものが利用できなくなることとなる。カシミヤ製品そのものに損傷を与えることなくカシミヤ製品を科学分析し、ユーザが望む原料産地の判定結果を提供できるようなシステムであることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、衣料製品そのものに影響を与えることなく、製品そのものの原料産地を判定するために、衣料製品2の裏地等に縫い付けてある表示ラベル(タグ)3から採取した獣毛を用いて産地判定を行うこととした。
例えば、タグ3の構成としては、衣料製品に縫い付けられているタグ3そのものを衣料製品2と同一の生地で作る(図3A)、または、タグ3の一部を衣料製品と同一の生地とする(図3B)、タグ(3-1)と一緒に衣料製品2と同一の生地で作られた別のタグ(3-2)を縫い付ける(図3C)等の構成が考えられる。計測対象の獣毛を、その獣毛を用いて生産された衣料製品が有するタグから採取することにより、衣料製品そのものに影響を与えることなく、衣料製品の原料産地を判定することができる。
<照合装置の構成>
図4Aは、計測結果とデータベースの照合を行う照合装置の構成例である。
照合装置30は、データベース34を管理するデータベース管理部31、計測結果とデータベース34の照合を行うデータベース照合部32、計測結果や照合結果を送受信する入出力部33、獣毛の産地毎に分類された炭素元素及び水素元素の安定同位体比の基準データ(第1の基準データ)、動物の育成度合を判定するための繊度の基準データ(第2の基準データ)が記録されたデータベース34から構成されている。
照合装置30のデータベース管理部31、データベース照合部32、入出力部33、及びデータベース34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及び外部インタフェース(以下、外部I/F)を備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータの構成例を図4Bに示す。
コンピュータ100は、CPU200と、記憶装置300と、外部I/F400とを備えており、それらがI/Oインタフェース500を介して互いに接続されている。本実施の形態のデータの照合を行うプログラムや、炭素元素及び水素元素の安定同位体比の基準データ、繊度の基準データは記憶装置300に格納され、外部I/F400には、計測データの入力や照合結果を出力する他のコンピュータが接続される。CPU200は、記憶装置300に格納されたプログラム等に従って本実施の形態で説明した処理を実行する。また、この処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するように構成してもよい。
<計測結果とデータベースとの照合>
図5A、図5Bを用いて、計測結果とデータベースとを照合する工程について説明する。図5A、5Bは、産地等の判定方法のシーケンス及びフローの一例である。
産地判定を行う計測対象の衣料製品のタグから、計測対象の衣料製品と同一の獣毛を計測に必要な分量のみ、計測サンプルとして切り取る(S2-1)。
衣料製品から切り取ったタグを計測対象の計測サンプルとして、安定同位体比計測機等の計測装置を有する判定システムに送付する(S2-2)。この際、参照してほしい地域を参照地域として指定することもできる。
例えば、内モンゴル産として購入したカシミヤの産地の妥当性を判定してほしい場合は、計測サンプルとともに内モンゴルという情報も送付することもできる。さらに、参照してほしい参照地域とともに、参照して欲しい参照育成度合を送付してもよい。例えば、ベビーカシミヤであることの妥当性を判定するために、ベビーカシミヤ等の動物の育成度合いを表す情報を送付することもできる。
判定システムの計測装置では、送付された計測対象サンプルについて、データベース構築時と同様に、炭素と水素の安定同位体比、及び繊度を計測する(S2-3~S2-5)。
その計測結果と、参照してほしい地域のデータベースとを照合することによって、参照地域産のカシミヤである可能性を数値化することができる(S2-6、S2-7)。照合結果としては、計測結果と参照地域の重心(M)とから算出するユークリッド距離と、データベース内の基準となるユークリッド距離(R)との除算結果を用いる。除算結果が1以下であれば、参照地域が妥当であると判定することができる。照合の結果得られた数値を判定結果としてユーザにフィードバックすることで、ユーザ自らが産地の妥当性を確認できる仕組みを提供することができる。また、計測した繊度とデータベース内の繊度を照合することにより、ベビーカシミヤであるかどうか等の育成度合の妥当性を提供することもできる。
また、従来から衣料製品において原材料表示や原産地表示、ブランドマーク等のタグが利用されているが、衣料製品と同じ素材で作製したタグを衣料製品に付属させることによって、衣料製品本体に影響を与えることなく、産地の判定や育成度合の判定を行うことが可能となる。
また、本実形態で述べたようなシステムを提供しユーザの安心感、取引先への信頼性を醸成することで、カシミヤ製品の認知度を高め、市場の活性化にも貢献することができる。さらに、国際的な市場において共通のカシミヤ検査基準を提供することも可能となる。
本実施の形態のシステム、サービスを利用することで、例えば、リサイクル衣料などを扱う市場において製品の品質保証の1つとして科学分析結果を利用した客観的な原料産地を保証した製品の流通を実現することができる。
<実施の形態の拡張>
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産地判定の指標となるデータベースは、必ずしも計測装置を持つ者が構築する必要がなく、計測装置を持つ者に計測を依頼し、他の者が、その計測結果をデータベースとを照合するようにしてもよい。また、計測装置のみを持つ者が、データベースを持つ者との合意を得て判定サービスを提供してもよい。
衣料製品と同じ素材のタグを備えた製品を提供することで、例えば、衣料に虫食いや引っ掛けて穴が空いた場合にそのタグを切り取って補修用の当て布とするような利用も可能になるなど、従来にないタグの利用方法が提供される可能性もある。
判定システムは、繊維製品・材料などの試験機関が提供してもよいし、NW上のサービスとして様々な企業・個人が提供することも可能である。例えば、店舗にて製品の販売と並行して産地照合も可能なアパレルサービスも展開できる。
タグを製品と同じ素材で作製し提供することについてはアパレルメーカにて実施が可能であるし、小売店などがタグの取り付けを指定してもよい。糸製品、生地製品についても同素材からなるタグを製品に添えて、もしくは梱包した箱などに貼り付けておいてもよい。
本願発明は、動物の毛により作成された衣料製品のタグに記載された産地を認証するための認証システムに用いることができる。
1…ユーザ、2…衣料製品、3…タグ、10…判定システム、20…計測装置、30…照合装置。

Claims (5)

  1. 動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測する第1の計測装置と、
    前記動物の毛の産地毎に分類された前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有する照合装置と
    を備え、
    前記第1の計測装置は、計測対象の動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測し、
    前記照合装置は、前記第1の計測装置における計測結果と前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記計測対象の動物の毛の産地を判定し、
    前記動物の毛の繊度を計測する第2の計測装置を備え、
    前記データベースは、前記繊度の第2の基準データを含み、
    前記第2の計測装置は、前記計測対象の動物の毛の繊度を計測し、
    前記照合装置は、前記第2の計測装置における計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記計測対象の動物の育成度合を判定する
    判定システム。
  2. 前記データベースの第1の基準データは、前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の2次元データの重心のデータと前記重心からのユークリッド距離のデータを含む
    請求項1記載の判定システム。
  3. 前記計測対象の動物の毛は、前記動物の毛を用いて生産された衣料製品が有し、前記衣料製品と同一の前記動物の毛を含むタグから採取される
    請求項1または2記載の判定システム。
  4. 動物の毛の産地毎に分類された炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有し、
    計測対象の動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比の計測結果と前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記動物の毛の産地を判定し、
    前記データベースは、前記動物の毛の繊度の第2の基準データを含み、
    計測対象の動物の毛の繊度の計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記動物の育成度合を判定する
    照合装置。
  5. 動物の毛に含まれる炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測する第1の計測装置と、前記動物の毛の産地毎に分類された前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の第1の基準データを含むデータベースを有する照合装置と、前記動物の毛の繊度を計測する第2の計測装置を備え、前記データベースは、前記繊度の第2の基準データを含む判定システムにおける、判定方法であって、
    前記第1の計測装置において、計測対象の動物の毛に含まれる前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比を計測するステップと、
    前記照合装置において、前記炭素元素及び水素元素の安定同位体比の計測結果と、前記第1の基準データとを照合して得られる第1の照合結果に基づいて前記動物の毛の産地を判定するステップと
    前記第2の計測装置において、前記計測対象の動物の毛の前記繊度を計測するステップと、
    前記照合装置において、前記繊度の計測結果と前記第2の基準データとを照合して得られる第2の照合結果に基づいて前記動物の育成度合を判定するステップと
    を含む
    判定方法。
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