JP7287264B2 - ボイラ - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラに関する。
従来より、ノズルなどの噴出部に燃料を供給する燃料供給ライン上に調整弁を設けて、燃焼用空気の流量と連動させて比例弁(調整弁)を制御して燃料の流量を調整することにより、多位置制御(高燃焼、中燃焼、低燃焼など)や比例制御を行う燃焼装置を備えたボイラがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-2787号公報
上記のようなボイラにおいては、燃焼用空気の流量変化を先行させ、燃料の流量調整がフィードバックによる後追いとなる、あるいは、燃料の流量変化を先行させ、燃焼用空気の流量調整がフィードバックによる後追いとなる制御構成上、燃焼段階が他の燃焼段階に移行されたときには、過渡的な状態となり空気比が大きく変動してしまう結果、適正な空気比での燃焼状態の維持が困難になるおそれがある。例えば、燃焼用空気の流量変化を先行させ、燃料の流量調整がフィードバックによる後追いとなる制御構成の場合には、燃焼段階を低燃焼から中燃焼に移行させたときにおいては、燃焼用空気の流量増に対する燃料の供給増が後追いとなり、高空気比となる期間を生じさせてしまう。一方、燃焼段階を中燃焼から低燃焼に移行させたときにおいては、燃焼用空気の流量減に対する燃料の供給減が後追いとなり、低空気比となる期間を生じさせてしまう。また、燃料の流量変化を先行させ、燃焼用空気の流量調整がフィードバックによる後追いとなる制御構成の場合には、燃焼段階を低燃焼から中燃焼に移行させたときにおいては、低空気比となる期間を生じさせる一方、燃焼段階を中燃焼から低燃焼に移行させたときにおいては、高空気比となる期間を生じさせてしまう。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定させることができるボイラを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のボイラは、燃焼量が異なる複数の燃焼段階に応じた流量の燃焼用空気を供給する送風手段と、燃焼用空気の流量、または、燃料の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段によって検出された燃焼用空気の流量に応じた燃料の流量とする、または、前記流量検出手段によって検出された燃料の流量に応じた燃焼用空気の流量とする流量調整手段と、補正値を用いて前記流量調整手段を制御し空気比を所定範囲とする補正手段と、それぞれの燃焼段階における前記補正値を記憶する記憶手段と、一の燃焼段階から燃焼量が大きい他の燃焼段階に移行する際は、移行前の燃焼段階における前記補正値と移行後の燃焼段階における前記補正値とのうち、大きい方を移行後の燃焼段階における補正値の初期値とし、一の燃焼段階から燃焼量が小さい他の燃焼段階に移行する際は、移行前の燃焼段階における前記補正値と移行後の燃焼段階における前記補正値とのうち、小さい方を移行後の燃焼段階における補正値の初期値とする初期値設定手段とを備える。
上記の構成によれば、一の燃焼段階から燃焼量が大きい他の燃焼段階に移行する際は、移行前後の補正値のうち大きい方の補正値に基づいて燃料の流量または燃焼用空気の流量が調整される。また、一の燃焼段階から燃焼量が小さい他の燃焼段階に移行する際は、移行前後の補正値のうち小さい方の補正値に基づいて、燃料の流量または燃焼用空気の流量が調整される。これにより、一の燃焼段階から他の燃焼段階に移行した直後における空気比を適正な空気比に寄るように調整される。その結果、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。
好ましくは、前記初期値設定手段は、それぞれの燃焼段階における前記補正値の初期値として、一の燃焼段階から他の燃焼段階へ移行する直前の前記補正値を設定する。
上記の構成によれば、燃焼段階の移行時においては直前の補正値が外部環境等の影響を最も考慮している値と擬制し、直前の補正値を初期値として設定される。このため、補正値を設定し直すなど複雑な処理を行うことなく、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。
好ましくは、前記補正手段は、排ガスの酸素濃度と基準酸素濃度との差、燃料の発熱量と基準発熱量との差、または、燃料の質量流量と基準質量流量との差に基づいて空気比を所定範囲とする。
上記の構成によれば、外部環境等の影響によって生じる基準値からの乖離を考慮することで、フィードバックを効果的に行うことができ、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。
ボイラの概略構成を説明するための図である。 ボイラの制御の一例を説明するためのフローチャートである。 記憶部に記憶される燃焼段階毎の補正値の一例である。 燃焼段階移行時処理の一例を説明するためのフローチャートである。
<概略構成について>
以下に、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るボイラ1について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るボイラ1の構成を模式的に示す図である。
ボイラ1は、燃料を燃焼させて蒸気を生成するボイラ本体2と、空気供給路30を介してボイラ本体2内に空気を送り込む送風機(送風手段)3と、ボイラ本体2からの排ガスなどを導出する煙道4と、ボイラ本体2に燃料を供給する燃料供給ライン(燃料供給路)5とを備えている。なお、燃料は、ガスである例について説明するが、ガスなどの気体に限らず、油などの液体であってもよい。
燃料供給ライン5は、空気供給路30に接続されている。燃料供給ライン5から供給される燃料は、空気供給路30において、送風機3から送風される空気と混合されて、ボイラ本体2内のバーナ20に供給される。
送風機3から供給される空気は、燃焼用空気として空気供給路30を介してボイラ本体2内のバーナ20に供給される。燃焼用空気の流量の調整は、空気供給路30にダンパ7を設けて、ダンパ7の位置(開度)を調整するか、これに代えてまたはこれに加えて、インバータを用いて送風機3のファンの回転速度を変えることでなされる。本実施の形態では、燃焼用空気の流量は、ダンパ7の開度制御および送風機3のインバータ制御により調整される。
燃料供給ライン5には、流路を開閉するための開閉弁(電磁弁)11,12と、燃料供給量調整弁13とが設けられている。燃料供給量調整弁13は、ボイラ本体2に供給する燃料の流量を調整可能である圧力調整弁として機能するとともに遮断機能をも備える。燃料供給量調整弁13は、開閉弁11,12よりも下流側に設けられており、制御装置6によって開度が調整されるモータバルブである。なお、燃料供給量調整弁13は、燃料の流量を調整するものであればモータバルブに限らず、例えば、空気式制御弁であってもよい。
制御装置6は、内部にメモリ、タイマ、および演算処理部を含むコンピュータにより実現され、電気的に接続される各センサからの信号に基づいて、燃料供給量調整弁13や送風機3の制御を行う。
本実施の形態における空気供給路30には、ダンパ7より下流にパンチングメタル等の燃焼用空気減圧部材8が設けられている。空気流量検出部9は、燃焼用空気減圧部材8の前後の差圧を検出し、差圧情報を出力する。空気流量検出部9は、制御装置6と電気的に接続されている。これにより、空気流量検出部9からの差圧情報を制御装置6に入力することができる。なお、空気流量検出部9から出力されるアナログ信号はデジタル信号に変換されて、制御装置6に入力される。
制御装置6は、燃焼量が異なる複数種類の燃焼段階として、例えば、低燃焼段階L、中燃焼段階M、高燃焼段階Hのいずれかの燃焼段階に制御する。制御装置6は、設定されている目標蒸気圧と蒸気ヘッダの蒸気圧とに応じて、燃焼段階を制御する。制御装置6は、制御されている燃焼段階に応じた態様(例えば、回転数、周波数)となるよう送風機3を制御し、燃焼段階に応じた量の燃焼用空気を供給する。制御装置6は、空気流量検出部9が検出した差圧情報に基づいて、ボイラ本体2に実際に供給されている燃焼用空気の流量を算出(検出)する。
制御装置6は、算出した燃焼用空気の流量と後述する補正値とに基づいて、燃料供給量調整弁13の開度調整を行う。例えば、燃焼用空気の流量が増加すれば、燃料供給量調整弁13の開度を大きくして燃料の流量を増加させる一方、燃焼用空気の流量が減少すれば、燃料供給量調整弁13の開度を小さくして燃料の流量を減少させる。
制御装置6は、制御部61と記憶部62とを備える。制御部61は、記憶部62に予め記憶された開度調整情報に基づいて、燃料供給量調整弁13に対して開度を特定するための開度特定信号を送信する。これにより、燃料供給量調整弁13は、燃焼用空気減圧部材8の前後の差圧に応じた開度に制御されて、ボイラ本体2に供給する燃料の流量を調整することができる。なお、開度調整情報とは、例えば、差圧(あるいは差圧から算出される燃焼用空気の流量)に応じて燃料供給量調整弁13の開度を特定可能なテーブルであってもよく、また差圧(あるいは差圧から算出される燃焼用空気の流量)に応じて燃料供給量調整弁13の開度を特定するための演算式であってもよい。
記憶部62には、ボイラ1に関する各種の情報が記憶され、本実施の形態では、燃料供給流量を補正するための補正値が燃焼段階毎に記憶されている。燃料供給量調整弁13の開度は、燃焼用空気減圧部材8の前後の差圧に基づき、開度調整情報に従って特定される。このため、理論的には、燃焼用空気の流量と供給される燃料の流量とに基づく空気比は、燃焼段階に応じた空気比に収束されることになる。しかし、例えば、燃料の温度等の環境変化(外乱)に起因して、燃焼段階に応じた空気比に収束しない場合が実際には生じ得る。補正値とは、燃焼段階に応じた空気比(あるいは空気比の所定範囲内)に収束させるために燃料の供給量を補正するための値であり、運転状態中に検出され得る特定パラメータ(例えば、排ガスの酸素濃度等)の値に応じて随時更新される。図3はその一例である。補正値は、燃焼段階毎に格納され、最新の特定パラメータの値に応じて制御中の燃焼段階に応じた空気比(あるいは空気比の所定範囲内)に収束させる(寄せる)ための補正値をフィードバック制御等により随時特定して更新される。
本実施の形態のボイラ1は、運転状態中において、例えば、特定パラメータとして排ガスの酸素濃度を随時検出する。制御装置6は、検出された排ガスの酸素濃度と予め定められている基準酸素濃度とに基づいて、例えば、排ガスの酸素濃度>基準酸素濃度となるときには高空気比となっているため燃料の供給量を増やす値(例えば、1より大きな値)に補正値を更新し、排ガスの酸素濃度<基準酸素濃度となるときには低空気比となっているため燃料の供給量を減らす値(例えば、1未満となる値)に補正値を更新する。更新された補正値は、当該燃焼段階における直前(直近)の補正値として記憶部62において更新記憶される。このように、制御装置6は、補正値を更新するための処理を、運転状態中において繰り返し行う。
制御装置6は、上記のように随時更新される補正値を用いて、燃焼用空気減圧部材8の前後の差圧に基づき開度調整情報に従って特定される燃料供給量調整弁13の開度を補正するための処理を行う。例えば、補正値が1よりも大きい値に更新されているときには、開度調整情報に従って特定される燃料供給量調整弁13の開度よりも開きが大きな開度(流量が増大する開度)に補正され、補正値が1よりも小さい値に更新されているときには、開度調整情報に従って特定される燃料供給量調整弁13の開度よりも開きが小さい開度(流量が減少する開度)に補正される。これにより、ある燃焼段階において運転状態にあるときには、燃料の温度等の環境変化(外乱)を考慮して、当該燃焼段階に応じた空気比(あるいは空気比の所定範囲内)に収束させる(寄せる)ことができる。
一方、ボイラの燃焼段階移行時においては、ボイラ本体2への燃焼用空気の供給流量を移行後の燃焼段階に応じた流量に調整するための処理を行った後に、燃焼用空気の実際の供給流量に応じて燃料の供給流量を調整する処理が行われる。このため、例えば、低燃焼段階Lから中燃焼段階Mに移行される場合など、燃焼量が大きい燃焼段階に移行する際は、燃焼用空気の供給流量が燃料の供給流量に対して過多となり高空気比となる一方、中燃焼段階Mから低燃焼段階Lに移行される場合など、燃焼量が小さい燃焼段階に移行する際は、燃焼用空気の供給流量が燃料の供給流量に対して過小となり低空気比となる。
このような不具合を抑制するために、本実施の形態におけるボイラ1においては、燃焼段階の移行の際に、移行前後の燃焼段階において記憶されている補正値を用いて、燃料の供給量を補正する。制御装置6は、燃料供給量調整弁13等の流量調整手段を、既に記憶されている補正値を用いて制御して、燃焼段階移行時において高空気比あるいは低空気比となる度合いを抑制するための補正手段として機能する。具体的に、燃焼量が大きい燃焼段階に移行するときであって高空気比となり得る状況においては、移行前後の燃焼段階各々の補正値のうち大きい補正値を初期値として用いて、極力燃料の供給流量が多くなるように制御する一方、燃焼量が小さい燃焼段階に移行するときであって低空気比となり得る状況においては、移行前後の燃焼段階各々の補正値のうち小さい補正値を初期値として用いて、極力燃料の供給流量が少なくなるように制御する。これにより、燃焼段階を移行した直後における空気比を適正な空気比に寄せるように調整される。その結果、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。以下では、このような制御についてより具体的に説明する。
<ボイラ制御処理について>
図2は、本発明のボイラの制御の一例を説明するためのフローチャートである。制御装置6は、一定期間(例えば1秒)毎に本制御を行い、ボイラ1の運転中は継続して本制御を実行する。
ステップS01では、検出された蒸気ヘッダにおける蒸気圧と、目標蒸気圧とに基づき、燃焼段階の移行が必要であるか否かを判定する。ステップS01において燃焼段階の移行が必要であると判定されなかったときには、ステップS07に移行する。一方、ステップS01において燃焼段階の移行が必要であると判定されたときには、ステップS02に移行する。
ステップS02では、燃焼段階を移行する。ステップS03では、燃焼段階移行時処理に進み、燃焼段階移行直後における補正値の初期値を設定する。ステップS04では、ステップS02で移行した燃焼段階に応じた態様(燃焼段階に応じた回転数、あるいは燃焼段階に応じた周波数となる態様)で、送風機3を制御する。ステップS05では、空気流量検出部9により検出した差圧に基づいて燃焼用空気の空気流量を検出(算出)する。ステップS06では、ステップS05で検出した空気流量と、ステップS03において初期値として設定した補正値とに基づいて、燃料供給量調整弁13の開度を制御する。
ステップS07では、ボイラ1の運転状態に応じて変動する特定パラメータを特定する。特定パラメータは、取り出される蒸気量に変動を生じさせるような環境等の変化(外乱)の指標である。本実施の形態においては、特定パラメータとして、ボイラ本体2からの排ガスのOセンサにより検出される排ガスの酸素濃度を用いる。
ステップS08では、ステップS07において特定された特定パラメータの値に基づき、現在の燃焼段階(例えば、L、MまたはH)に対応する補正値を、記憶部62内のテーブル(図3参照)において更新記憶する。
ステップS09では、ステップS05で検出した空気流量と、ステップS08で更新記憶した補正値とに基づいて、燃料供給量調整弁13の開度を制御する。すなわち、補正値に基づいて燃料供給量調整弁13の開度補正を行う。これにより、ある燃焼段階での運転状態中における特定パラメータの値に基づいて、当該燃焼段階に応じた空気比(あるいは空気比の所定範囲内)に収束させるように、燃料の供給量を調整できる。
<燃焼段階移行時処理について>
図4は、ステップS03において実行される燃焼段階移行時の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS21では、ステップS02における移行により、燃焼量が大きい燃焼段階に移行される場合であるか否か(例えば、低燃焼段階Lから中燃焼段階Mに移行される場合であるか否か)を判定する。ステップS21において燃焼量が大きい燃焼段階に移行される場合であると判定されなかったときには、ステップS23に移行する。一方、ステップS21において燃焼量が大きい燃焼段階に移行される場合であると判定されたときには、ステップS22に移行する。
ステップS22では、記憶部62に記憶されている移行前の燃焼段階における補正値と、移行後の燃焼段階における補正値とを比較し、大きい方の補正値を燃焼段階移行直後の補正値の初期値として設定し、処理を終了する。
一方、ステップS21において燃焼量が大きい燃焼段階に移行される場合であると判定されなかったとき、つまり燃焼量が小さい燃焼段階に移行される場合であるときには、ステップS23では、移行前の燃焼段階における補正値と、移行後の燃焼段階における補正値とを比較し、小さい方の補正値を燃焼段階移行直後の補正値の初期値として設定し、処理を終了する。これにより、設定された補正値とステップS05で検出した空気流量とに基づいて、ステップS06において燃料供給量調整弁13の開度が制御される。その結果、燃焼量が大きい燃焼段階に移行するときであって高空気比となり得る場合には移行直後から燃焼用空気の流量に対して燃料を多く供給することにより、高空気比となること(その度合い)を抑制し、燃焼量が小さい燃焼段階に移行するときであって低空気比となり得る場合には移行直後から燃焼用空気の流量に対して燃料を少なく供給することにより、低空気比となること(その度合い)を抑制できる。
<動作について>
本実施の形態におけるボイラ1において、検出された蒸気圧と目標蒸気圧とに基づき、燃焼段階の移行が必要であると判定され(ステップS01、YES)、例えば、低燃焼段階Lから中燃焼段階Mに移行する場合(ステップ02)について説明する。移行する燃焼段階(ここでは中燃焼段階M)が設定されることにより、燃焼段階移行時処理(ステップ03)に進む。このとき、記憶部62には、例えば、図3に示すテーブルでの補正値が記憶されているものとする。燃焼量が大きい燃焼段階に移行するときには(ステップS21、YES)、移行前後の燃焼段階の補正値を比較して、大きい方の補正値を移行後の補正値の初期値として使う(ステップS22)。本実施の形態では、低燃焼段階Lでの補正値は1.31、中燃焼段階Mでの補正値は1.22であるので、これらの補正値を比較して、大きい方である1.31を補正値の初期値として移行後の中燃焼段階Mでの燃焼に適用させる。
送風機3は、中燃焼段階Lに応じた態様となるよう制御される(ステップS04)。空気流量検出部9による空気流量の検出処理を行い(ステップS05)、検出された空気流量と移行時に設定された補正値の初期値とに基づいて、燃料供給量調整弁13の開度が制御される(ステップS06)。
補正値は、燃料の供給量を補正するための値であり、ボイラ1の運転状態に応じて変動する特定パラメータに基づいて随時更新記憶されている(ステップS07~S08)。燃焼段階を上げる場合には、燃料の供給量を増やす補正が行われるように、補正値の初期値として、移行前後の燃焼段階各々において記憶している補正値のうちで、大きい方の値を用いる。これにより、高空気比となる度合いを抑制でき、一の燃焼段階から他の燃焼段階に移行した直後における空気比を適正な空気比に寄るように調整することができる。その結果、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。
上記とは逆に、燃焼段階を下げる場合(例えば、中燃焼段階Mから低燃焼段階Lに移行する場合)には、燃料の供給量を減らす補正が行われるように、補正値の初期値として、移行前後の燃焼段階各々において記憶している補正値のうちで、小さい方の値を用いる。これにより、低空気比となる度合いを抑制でき、一の燃焼段階から他の燃焼段階に移行した直後における空気比を適正な空気比に寄るように調整することができる。その結果、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
上記実施の形態においては、燃焼段階に応じた態様で送風機3を制御し、図2のステップS05で示したように差圧に基づき空気流量(燃焼用空気の供給流量)を検出した上で、ステップS06で示したように当該空気流量と補正値とに基づき燃料供給量調整弁13の開度(燃料の供給流量)を制御することにより、空気比を調整する例を説明した。しかし、空気比を調整するための処理は、これに限らず、例えば、燃焼段階に応じた開度となるように燃料供給量調整弁13の開度を制御した上で、実際の燃料の供給流量を検出し、当該燃料の供給流量と補正値とに基づく空気流量(燃焼用空気の供給流量、例えば送風機3)を制御することにより、空気比を調整するようにしてもよい。実際の燃料の供給流量の検出に際しては、例えば、燃料供給ライン5にオリフィス等を複数箇所に設けて差圧を検出し、当該差圧に基づいて燃料の供給流量を検出するものであってもよい。この場合における補正値は、燃料の供給流量を補正する値ではなく、空気流量(燃焼用空気の供給流量)を補正するための値である。具体的に、制御装置6は、検出された排ガスの酸素濃度と予め定められている基準酸素濃度とに基づいて、例えば、排ガスの酸素濃度>基準酸素濃度となるときには高空気比となっているため空気流量を減らす値(例えば、1未満となる値)に補正値を更新し、排ガスの酸素濃度<基準酸素濃度となるときには低空気比となっているため空気流量を増やす値(例えば、1より大きな値)に補正値を更新する。更新された補正値は、当該燃焼段階における直前(直近)の補正値として記憶部62において随時更新記憶される。また、制御装置6は、随時更新される補正値を用いて、燃料の供給流量に基づき特定される送風機3の態様(例えば、回転数)を補正するための処理を行う。
上記のように構成する場合においても、ボイラ1においては、燃焼段階の移行の際に、移行前後の燃焼段階において記憶されている補正値を用いて、送風機3の態様(回転数等)を補正するようにしてもよい。燃焼段階に応じた開度となるように燃料供給量調整弁13の開度を制御した上で、当該燃料の供給流量と補正値とに基づく態様で送風機3を制御することにより、空気比を調整する場合において、燃焼量が大きい燃焼段階に移行する際は、燃料の供給流量が燃焼用空気の供給流量に対して過多となり低空気比となる一方、燃焼量が小さい燃焼段階に移行する際は、燃料の供給流量が燃焼用空気の供給流量に対して過小となり高空気比となる。具体的に、燃焼量が大きい燃焼段階に移行するときであって低空気比となり得る状況においては、移行前後の燃焼段階各々の補正値のうち大きい補正値を初期値として用いて、極力空気流量が多くなるように制御する一方、燃焼量が小さい燃焼段階に移行するときであって高空気比となり得る状況においては、移行前後の燃焼段階各々の補正値のうち小さい補正値を初期値として用いて、極力空気流量が少なくなるように制御する。これにより、燃焼段階を移行した直後における空気比が適正な空気比に寄るように調整される。その結果、燃焼段階の移行時における空気比を極力安定する側に制御できる。なお、上記の例では、補正値に基づいて空気流量を制御する手法として、送風機3の態様(回転数等)を調整する例を示したが、これに限らず、ダンパ7の開度を調整するものであってもよく、また、送風機3の態様(回転数等)およびダンパ7の開度の双方を調整するものであってもよい。
上記実施の形態および変形例において燃焼段階を移行するときには、移行前後の補正値の大小関係を比較して、燃焼段階に応じた空気比に収束させる(寄せる)方の補正値を用いて燃料の供給量あるいは燃焼用空気の供給流量を補正する例を示したが、大小関係の比較対象は、補正値単体を比較するものに限らず、補正値と他のパラメータの値とに基づき算出される値としてもよい。大小関係の比較対象としては、例えば、補正値(例えば、「a」とする)を、燃焼段階毎に予め定められている目標空気比(例えば、「m」とする)で除した値(a/m)としてもよい。この場合、燃焼段階を移行するときには移行前後のa/mの値の大小関係を比較して、上記実施の形態および変形例において説明した燃焼段階に応じた空気比に収束させる(寄せる)方のa/mに含まれる補正値aを用いて、燃料の供給量あるいは燃焼用空気の供給流量を補正するようにしてもよい。
上記実施の形態においてステップS22およびステップS23において設定された補正値は、移行後から少なくとも所定期間(例えば1分)に亘って運転状態中の補正値として用いられる。また、ステップS22およびステップS23において設定された補正値は、移行後の燃焼段階の補正値として記憶部62において更新記憶されるようにしてもよい。また、ステップS22およびステップS23において設定された補正値は、移行後から所定期間(例えば1分)に亘って運転状態中の補正値として一時的に用い、その後においては記憶部62に記憶されていた補正値を用いてもよい。
上記実施の形態において、ボイラ1の運転状態に応じて変動する特定パラメータとしては、ボイラ本体2からの排ガスのOセンサによる検出される排ガスの酸素濃度を用いる例を説明したが、これに限らず、例えば、排ガスの温度、空気の温度、発熱量を直接計測した値等を用いるものであってもよい。
本実施の形態では、検出された排ガスの酸素濃度と基準酸素濃度とに基づいて補正値を更新する例を説明したが、これに限らず、例えば、燃料の発熱量と基準発熱量、または、燃料の質量流量と基準質量流量に基づいて補正値を更新するようにしてもよい。
上記実施の形態におけるボイラ1は、燃料供給量調整弁13を制御装置6による電子制御により制御するが、ガバナを用いて制御することもできる。ガバナとは、空気比を一定にするように、バーナ20への空気流量に基づき、開度が機械的に自動調整される弁をいう。このようなガバナを用いることにより、空気供給路30の中途に設けた燃焼用空気減圧部材8前後の差圧に基づき、開度をガバナ機構により機械的に自動調整して燃料供給量を制御するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ボイラ
2 ボイラ本体
3 送風機(送風手段)
4 煙道
5 燃料供給ライン(燃料供給路)
6 制御装置
61 制御部
62 記憶部
7 ダンパ
8 燃焼用空気減圧部材
9 空気流量検出部(流量検出手段)
11 開閉弁
12 開閉弁
13 燃料供給量調整弁
20 バーナ
30 空気供給路

Claims (3)

  1. 燃焼量が異なる複数の燃焼段階に応じた流量の燃焼用空気を供給する送風手段と、
    燃焼用空気の流量、または、燃料の流量を検出する流量検出手段と、
    前記流量検出手段によって検出された燃焼用空気の流量に応じた燃料の流量とする、または、前記流量検出手段によって検出された燃料の流量に応じた燃焼用空気の流量とする流量調整手段と、
    補正値を用いて前記流量調整手段を制御し空気比を所定範囲とする補正手段と、
    それぞれの燃焼段階における前記補正値を記憶する記憶手段と、
    一の燃焼段階から燃焼量が大きい他の燃焼段階に移行する際は、移行前の燃焼段階における前記補正値と移行後の燃焼段階における前記補正値とのうち、大きい方を移行後の燃焼段階における補正値の初期値とし、
    一の燃焼段階から燃焼量が小さい他の燃焼段階に移行する際は、移行前の燃焼段階における前記補正値と移行後の燃焼段階における前記補正値とのうち、小さい方を移行後の燃焼段階における補正値の初期値とする初期値設定手段とを備える、ボイラ。
  2. 前記初期値設定手段は、それぞれの燃焼段階における前記補正値の初期値として、一の燃焼段階から他の燃焼段階へ移行する直前の前記補正値を設定する、請求項1に記載のボイラ。
  3. 前記補正手段は、排ガスの酸素濃度と基準酸素濃度との差、燃料の発熱量と基準発熱量との差、または、燃料の質量流量と基準質量流量との差に基づいて空気比を所定範囲とする、請求項1または2に記載のボイラ。

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