JP7284749B2 - 発熱シート - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、「体積抵抗率Rが1.0×10-7Ωcm~1.0×10-1Ωcmであり、かつ一方向に延びた複数の線状体が、互いに平行に間隔をもって配列された疑似シート構造体を有し、前記線状体の直径Dと隣り合う前記線状体の間隔Lとの関係が、式:L/D≧3を満たし、かつ前記線状体の直径Dと隣り合う前記線状体同士の間隔Lと前記線状体の体積抵抗率Rとの関係が、式:(D2/R)×(1/L)≧0.003(式中のDおよびLの単位はcmである)を満たすシート。」が開示されている。
また、特許文献2には、「耐熱シート表面に配線固定した抵抗発熱線と、この抵抗発熱線を埋設一体化したエチレン-酢酸ビニル層、およびこれらを上下両面から被覆するラミネートフィルムからなるフィルムヒーター構造。」が開示されている。
特許文献2:日本国特開平6-140134号
直径Dが100μm以下の一方向に延びた複数の導電性線状体が間隔をもって配列され、発熱領域となる疑似シート構造体を有する導電性シートと、
前記疑似シート構造体における前記複数の導電性線状体の長手方向一端に電気的に接続された一つの又は複数の第一帯状電極と、
前記疑似シート構造体における前記複数の導電性線状体の長手方向他端に電気的に接続された複数の第二帯状電極であって、前記発熱領域として、前記第一帯状電極の間で複数の発熱領域を形成する複数の第二帯状電極と、
を有し、
前記複数の発熱領域は、隣り合う発熱領域の通電方向が互い違いとなるように前記第一帯状電極の各電極又は前記第二帯状電極の各電極を介して連結されている発熱シート。
<2>
前記第一帯状電極として、帯状電極EA1を含み、前記帯状電極EA1を端として配列されたNA個(ただしNA≧1)の帯状電極EAと、
前記第二帯状電極として、帯状電極EB1を含み、前記帯状電極EB1を端として配列されたNB個(ただしNA+1≧NB≧NA)の帯状電極EBであって、NB個の帯状電極EBのうち、前記帯状電極EB1から数えて、n(ただしNA≧n≧1)番目の帯状電極EBnが、前記NA個の複数の帯状電極EAのうち、前記帯状電極EA1から数えて、n番目の帯状電極EAnとの間で一つの第2n-1発熱領域を形成し、n+1番目の帯状電極EB(n+1)が、前記帯状電極EAnとの間で一つの第2n発熱領域を形成する複数の帯状電極EBと、
を有する<1>に記載の発熱シート。
<3>
前記複数の発熱領域のうち、幅が異なる発熱領域を有する<1>又は<2>に記載の発熱シート。
<4>
前記複数の発熱領域のうち、長さが異なる発熱領域を有する帯状電極を有する<1>~<3>のいずれか1項に記載の発熱シート。
<5>
前記複数の第一帯状電極および/又は前記複数の第二帯状電極のうち、少なくとも2つの第一帯状電極および/又は第二帯状電極は、隣り合う第一帯状電極および/又は第二帯状電極が、前記導電性シートに設けられた切り込み部を境に、第一帯状電極又は第二帯状電極の長さ方向に配列して設けられている<1>~<4>のいずれか1項に記載の発熱シート。
なお、本明細書において、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
「~」を用いた数値範囲は、「~」の前後で示された数値が各々最小値及び最大値として含まれる数値範囲を意味する。
「発熱領域の幅」とは、疑似シート構造体における導電性線状体の配列方向(導電性線状体の長手方向に対して直交方向)に沿った長さを意味する。
「発熱領域の長さ」とは、疑似シート構造体における導電性線状体の長手方向に沿った長さ(第一帯状電極と第二帯状電極との対向距離)を意味する。
本実施形態に係る発熱シートは、
直径Dが100μm以下の一方向に延びた複数の導電性線状体が間隔をもって配列され、発熱領域となる疑似シート構造体を有する導電性シートと、
疑似シート構造体における複数の導電性線状体の長手方向一端に電気的に接続された一つの又は複数の第一帯状電極と、
疑似シート構造体における複数の導電性線状体の長手方向他端に電気的に接続された複数の第二帯状電極であって、発熱領域として、第一帯状電極の間で複数の発熱領域を形成する複数の第二帯状電極と、
を有し、
複数の発熱領域は、隣り合う発熱領域の通電方向が互い違いとなるように第一帯状電極の各電極又は二帯状電極の各電極を介して連結されている。
そのため、発熱領域となる疑似シート構造体における導電性線状体の本数及び直径が同じであっても、第一帯状電極および二帯状電極の数に応じて、導電経路の距離が可変可能となる。
具体的には、本実施形態に係る発熱シートは、例えば、第一帯状電極が一つで、第二帯状電極が二つの場合、第一帯状電極および第二帯状電極が共に一つのときの発熱シートの抵抗値に対して理論値で4倍の抵抗値となる。
それにより、本実施形態に係る発熱シートでは、簡易な構成で、目的とする抵抗値を有する発熱シートとなる。
言い換えれば、本実施形態に係る発熱シートは、複数の発熱領域のうち、非発熱領域となる部位を作り出せる。つまり、電圧印加する帯状電極間に応じて、複数の発熱領域のうち、発熱する領域を選択できる発熱シートとなる。
それにより、複数の発熱領域のうち、他の発熱領域に比べ、任意の発熱領域の抵抗値を増加又は低下させることができる。つまり、他の発熱領域に比べ、任意の発熱領域の発熱温度を増加又は低下させることができる。その結果、部分的に温度が高い又は低い発熱領域を有する発熱シートが実現可能となる。
それにより、発熱シートの発熱領域の平面形状を可変可能となる。その結果、任意の平面形状の加熱対象に応じた平面形状を有する発熱シートが実現可能となる。
第一実施形態に係る発熱シート100Aは、図1~図2に示すように、例えば、
複数の導電性線状体22が間隔をもって配列され、発熱領域となる疑似シート構造体20を有する一枚の導電性シート10と、
第一帯状電極EAの一例として、疑似シート構造体20における複数の導電性線状体22の長手方向一端に電気的に接続された帯状電極EA1と、
第二帯状電極EBの一例として、疑似シート構造体20における複数の導電性線状体22の長手方向他端に電気的に接続された帯状電極EB1および帯状電極EB2と、
を備える。
そして、隣り合う第一発熱領域11Aおよび第二発熱領域11Bは、通電方向が互い違いとなるように帯状電極EA1を介して連結されている。
なお、図1中の矢印は、各発熱領域の通電方向を示す。
一方、帯状電極EB1および帯状電極EB2は、同じ長さ(導電性線状体の配列方向に沿った長さ)の帯電電極としている。そして、帯状電極EB1および帯状電極EB2の合計の長さは、帯状電極EA1の長さと同等にしている。また、帯状電極EA1および帯状電極EB1の対向距離と、帯状電極EA1および帯状電極EB2との対向距離と、は同等にしている。
つまり、第一発熱領域11Aおよび第二発熱領域11Bは、幅および長さが同等としている。言い換えれば、発熱シート100Aは、発熱領域となる疑似シート構造体20を均等に2分割した構成としている。
なお、帯状電極EB1および帯状電極EB2は、上記態様に限られず、予め、個別に設けた態様であってもよい。
一方、帯状電極EB1および帯状電極EB2は、第一発熱領域11Aおよび第二発熱領域11Bの通電経路の両端に位置し、外部の電圧印加装置に電気的に接続するための接続部14A,14Bが設けられている。
つまり、いずれの電極も電圧印加用(つまり通電用)の電極としている。
なお、接続部14A、14B、14Cは、例えば、接着剤層30Bおよび基材40Bに各電極に到達する貫通孔を形成することで設けられている。そして、接続部14A、14B、14Cには配線加工が施される。
なお、図8中、11は発熱領域を示す。
第二実施形態に係る発熱シート100Bについて説明する。なお、第一実施形態に係る発熱シート100Aと同じ構成又は類似する構成については説明を省略する。
帯状電極EA1と帯状電極EB1との間で、疑似シート構造体20が第一発熱領域11Aを形成している。また、帯状電極EA1と帯状電極EB2との間で、疑似シート構造体20が第二発熱領域11Bを形成している。また、帯状電極EA2と帯状電極EB2との間で、疑似シート構造体20が第三発熱領域11Cを形成している。
なお、図3中の矢印は、各発熱領域の通電方向を示す。
一方、帯状電極EB1の長さは、帯状電極EA1の長さの半分としている。帯状電極EB2の長さは、帯状電極EA1と同等としている。帯状電極EB1および帯状電極EB2の合計の長さは、帯状電極EA1および帯状電極EA2の合計の長さと同等としている。
また、帯状電極EA1および帯状電極EB1の対向距離と、帯状電極EA1および帯状電極EB2の対向距離と、帯状電極EA2および帯状電極EB2の対向距離と、は同等としている。
つまり、第一~第三の発熱領域11A,11B,11Cは、幅および長さが同等としている。言い換えれば、発熱シート100Bは、発熱領域となる疑似シート構造体20を均等に3分割した構成としている。
なお、帯状電極EA1および帯状電極EA2は、上記態様に限られず、予め、個別に設けた態様であってもよい。
第三実施形態に係る発熱シート100Cについて説明する。なお、第一又は第二の実施形態に係る発熱シート100A,100Bと同じ構成又は類似する構成については説明を省略する。
帯状電極EA1と帯状電極EB1との間で、疑似シート構造体20が第一発熱領域11Aを形成している。また、帯状電極EA1と帯状電極EB2との間で、疑似シート構造体20が第二発熱領域11Bを形成している。また、帯状電極EA2と帯状電極EB2との間で、疑似シート構造体20が第三発熱領域11Cを形成している。また、帯状電極EA2と帯状電極EB3との間で、疑似シート構造体20が第四発熱領域11Dを形成している。
なお、図4中の矢印は、各発熱領域の通電方向を示す。
一方、帯状電極EB1の長さは、帯状電極EA1の長さ半分としている。帯状電極EB2の長さは、帯状電極EA1の長さと同等としている。帯状電極EB3の長さは、帯状電極EA2の長さの半分としている。帯状電極EB1,EB2,EB3の合計の長さは、帯状電極EA1および帯状電極EA2の合計の長さと同等としている。
また、帯状電極EA1および帯状電極EB1の対向距離と、帯状電極EA1および帯状電極EB2の対向距離と、帯状電極EA2および帯状電極EB2の対向距離と、帯状電極EA2および帯状電極EB3の対向距離と、は同等としている。
つまり、第一~第四の発熱領域11A,11B,11C,11Dは、幅および長さが同等としている。言い換えれば、発熱シート100Cは、発熱領域となる疑似シート構造体20を均等に4分割した構成としている。
なお、帯状電極EB2および帯状電極EB3は、上記態様に限られず、予め、個別に設けた態様であってもよい。
第四実施形態に係る発熱シート100Dについて説明する。なお、第三の実施形態に係る発熱シート100Cと同じ構成又は類似する構成については説明を省略する。
具体的には、例えば、帯状電極EB1,EB2,EB3の長さは、帯状電極EA1,EA2の長さの1/3としている。
つまり、第一及び第四の発熱領域11A,11Dは、幅および長さを同等とし、第二及び第三の発熱領域11B,11Cは、幅および長さを同等としている。そして、第一及び第四の発熱領域11A,11Dの幅は、第二及び第三の発熱領域11B,11Cの幅の2倍としている。
つまり、第一及び第四の発熱領域11A,11Dに比べ、第二及び第三の発熱領域11B,11Cの抵抗値が高く、発熱温度が高くなる構成としている。
第五実施形態に係る発熱シート100Eについて説明する。なお、第一実施形態に係る発熱シート100Aと同じ構成又は類似する構成については説明を省略する。
具体的には、例えば、帯状電極EA1と帯状電極EB2との対向距離は、帯状電極EA1と帯状電極EB1との対向距離の半分としている。
つまり、第二発熱領域の長さは、第一発熱領域の長さの1/2としている。
本実施形態に係る発熱シートは、第一~第五の実施形態に係る発熱シートの構成を組み合わせた構成であってもよい。また、本実施形態に係る発熱シートは、第一~第五の実施形態に係る発熱シートの構成に限られるわけではない。なお、以下、本実施形態に係る発熱シートを発熱シート100と表記する。
第一帯状電極EAとして、帯状電極EA1を含み、帯状電極EA1を端として配列されたNA個(ただしNA≧1)の帯状電極EAと、
第二帯状電極EBとして、帯状電極EB1を含み、帯状電極EB1を端として配列されたNB個(ただしNA+1≧NB≧NA)の帯状電極EBであって、NB個の帯状電極EBのうち、帯状電極EB1から数えて、n(ただしNA≧n≧1)番目の帯状電極EBnが、NA個の複数の帯状電極EAのうち、帯状電極EA1から数えて、n番目の帯状電極EAnとの間で一つの第2n-1発熱領域を形成し、n+1番目の帯状電極EB(n+1)が、帯状電極EAnとの間で一つの第2n発熱領域を形成する複数の帯状電極EBと、
を有する発熱シート。
なお、第二実施形態に係る発熱シート100Bのように、NA=NBである場合、n=NAとなるときは、n+1>NBであるため、帯状電極EB(n+1)は存在せず、帯状電極EB(n+1)および帯状電極EAnとの間に第n+1発熱領域は形成されない。例えば、第二実施形態においては、NA=NB=2であり、n=2の場合に帯状電極EB(n+1)、すなわち、EB3は存在しない。
以下、本実施形態に係る発熱シート100を構成する各構成要素について説明する。
疑似シート構造体20は、一方向に延びた複数の導電性線状体22が、互いに間隔をもって、隣り合う導電性線状体22の距離を一定に保ち配列された構造体で構成されている。具体的には、疑似シート構造体20は、例えば、直線状に伸びた導電性線状体22が、導電性線状体22の長さ方向(又は延びる方向)と直交する方向に、互いに平行に等間隔で複数配列された構造体で構成されている。つまり、疑似シート構造体20は、例えば、導電性線状体22がストライプ状に配列された構造体で構成されている。なお、複数の導電性線状体22の各間隔は、等間隔が好ましいが、不等間隔であってもよい。
なお、式:350≧L/D≧3を満たし、かつ式:7≧(D2/R)×(1/L)≧0.003を満たしても、式:250≧L/D≧5を満たし、かつ式:5≧(D2/R)×(1/L)≧0.004を満たしてもよい。
式:Ta≧1.2×Dの関係を満たすと、導電性線状体22が接着剤層の表面から過度に突出することを避けることができる。その結果、疑似シート構造体20から露出する接着剤層30Aの接着性が向上する。また、式:Ta≧1.2×Dの関係を満たすことにより、導電性線状体22に起因した凹凸が発熱シート100の表面に現れることを防止しやすくなる。
一方、発熱シート100の過度の厚膜化を抑える観点で、接着剤層の厚さTaは、例えば、5×D≧Ta(好ましくは3×D≧Ta、より好ましくは2×D≧Ta)とすることがよい。
なお、接着剤層の厚さTaは、接着剤層が複数の層(例えば、前述の各実施形態における接着剤層30Aおよび接着剤層30B)から形成される場合にはこれらの層の合計厚さ(例えば、図2中、Ta=Ta1+Ta2)である。
特に導電性線状体22の直径Dが8μm以上の場合には、疑似シート構造体20のシート抵抗を低下させやすくなる。
なお、隣り合う2つの導電性線状体22の間隔Lとは、導電性線状体22を配列させていった方向に沿った長さであって、2つの導電性線状体22の対向する部分間の長さである(図2参照)。間隔Lは、導電性線状体22の配列が不等間隔である場合には、すべての隣り合う導電性線状体22同士の間隔の平均値であるが、間隔Lの値を制御しやすくする観点、光線透過性、発熱性等の機能均一性の確保の観点から、導電性線状体22は疑似シート構造体20において、略等間隔に配列されていることが好ましい。
導電性糸としては、導電性繊維(金属繊維、炭素繊維、イオン導電性ポリマーの繊維等)を含む糸、表面に金属(銅、銀、ニッケル等)をめっき又は蒸着した糸、金属酸化物を含浸させた糸等が挙げられる。
カーボンナノチューブ線状体は、例えば、カーボンナノチューブフォレスト(カーボンナノチューブを、基板に対して垂直方向に配向するよう、基板上に複数成長させた成長体のことであり、「アレイ」と称される場合もある)の端部から、カーボンナノチューブをシート状に引出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚ることにより得られる。このような製造方法において、撚りの際に捻りを加えない場合には、リボン状のカーボンナノチューブ線状体が得られ、捻りを加えた場合には、糸状の線状体が得られる。リボン状のカーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブが捻られた構造を有しない線状体である。このほか、カーボンナノチューブの分散液から、紡糸をすること等によっても、カーボンナノチューブ線状体を得ることができる。紡糸によるカーボンナノチューブ線状体の製造は、例えば、米国公開公報US 2013/0251619(日本国特開2011-253140号公報)に開示されている方法により行うことができる。カーボンナノチューブ線状体の直径の均一さが得られる観点からは、糸状のカーボンナノチューブ線状体を用いることが望ましく、純度の高いカーボンナノチューブ線状体が得られる観点からは、カーボンナノチューブシートを撚ることによって糸状のカーボンナノチューブ線状体を得ることが好ましい。カーボンナノチューブ線状体は、2本以上のカーボンナノチューブ線状体同士が編まれた線状体であってもよい。
複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛等の金属単体、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅-ニッケル-リン合金、銅-鉄-リン-亜鉛合金等)が挙げられる。
接着剤層は、接着剤を含む層である。発熱シート100には、前述した各実施形態のように、接着剤層30Aと30Bの二層の接着剤層を設けてもよいし、例えば、接着剤層30Aの一層だけであってもよい。以下、発熱シート100に接着剤層30Aおよび30Bが設けられている場合を例として説明する。
接着剤層30Aには、疑似シート構造体20(つまり導電性線状体22)が接着剤層に埋まり込んでいる。そして、接着剤層30Aと接着剤層30Bは、疑似シート構造体20を介して接着している。
エネルギー線による硬化の条件は、用いるエネルギー線によって異なるが、例えば、紫外線照射により硬化させる場合、紫外線の照射量は、10mJ/cm2~3,000mJ/cm2、照射時間は1秒~180秒であることが好ましい。
なお、当該アクリル系共重合体は、単量体成分(a1’)および単量体成分(a2’)以外のその他の単量体成分(a3’)に由来する構成単位(a3)をさらに含んでいてもよい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有物モノマーとしては、例えばジアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の成分としては、例えばエネルギー線が紫外線である場合には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の化合物であって、一分子中に紫外線重合性の官能基を2つ以上有する化合物等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の成分は、単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
硬化性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基、エポキシ基、エーテル基、エステル基、エチレン性不飽和結合を有する基等が挙げられる。これら硬化性官能基を有する化合物としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
エネルギー線硬化性官能基を有する化合物により表面修飾された無機充填材であると、例えば、硬化した接着剤層30A,30Bが強靭となる。
なお、接着剤層30A,30Bが表面修飾された無機充填材を含有する場合には、接着剤層30A,30Bは、別途エネルギー線硬化性の成分を含んでいることが好ましい。
なお、無機充填材の平均粒径は、デジタル顕微鏡により無機充填材を20個観察し、無機充填材の最大径と最小径の平均径を直径として測定し、その平均値とする。
基材40A,40Bは、接着剤層を支持する機能を有する。基材40A,40Bは、例えば、樹脂保護層としても機能する部材である。なお、基材40A,40Bは、シート状、長尺状、あるいはこれら以外に任意の形状であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の周知の樹脂、又はこれらを2種以上含む混合樹脂を含む層が挙げられ、これらの樹脂を含む樹脂フィルムが好適に用いられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂組成物、ウレタン反応により硬化する樹脂組成物、ラジカル重合反応により硬化する樹脂組成物等の周知な組成物の層が挙げられる。このような硬化性の樹脂組成物の塗工により基材40A,40Bを形成する場合、後述する熱伝導性無機充填材を含有する基材40A,40Bを得ることが容易である。
ウレタン反応により硬化する樹脂組成物としては、例えば、(メタ)アクリルポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを含む樹脂組成物が挙げられる。
ラジカル重合反応により硬化する樹脂組成物としては、(メタ)アクリロイル基や不飽和ポリエステル等のラジカル重合反応可能な樹脂組成物が挙げられ、例えば、側鎖にラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル樹脂(反応性基を有するビニル単量体(ヒドロキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)の重合体に、当該共重合体の反応性基と反応し得る基を有し且つラジカル重合性基を有する単量体((メタ)アクリル酸、イソシアナート基含有(メタ)アクリレート等)を反応させた(メタ)アクリル樹脂等)、エポキシ樹脂の末端に(メタ)アクリル酸等を反応させた(メタ)アクリル基を有するエポキシアクリレート、不飽和基を有するカルボン酸(フマル酸等)をジオールと縮合した不飽和ポリエステル等が挙げられる。
熱伝導性無機充填材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて、無機顔料、有機顔料、染料等の周知の着色剤が適用できる。
第一及び第二の帯状電極EA,EBは、導電性線状体22の長手方向両端部と電気的に接続されて配置される。
第一及び第二の帯状電極EA,EBは、例えば、導電性の箔又は板が適用される。具体的には、例えば、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、タングステン、モリブデン、チタン等の金属の箔又は板が適用される。その他、第一及び第二の帯状電極EA,EBは、上記の金属やその他の金属、非金属元素を含むステンレス鋼、炭素鋼、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、レニウムタングステン等の合金の箔又は板を適用してもよく、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェン等の炭素材料を含む帯状体を用いてもよい。
帯状電極EA,EBの構造は、導電性線状体22との接触抵抗を減じるために一定の幅を有する形状を構成するものであればよい。また、メッシュ等の空隙を有するものであってもよい。接着剤層等の疑似シート構造体20に隣接する層上に、予め形成済みの導電性の箔、板、帯状体を帯状電極として設ける代わりに、例えば、めっき、はんだ、スパッタリング、印刷等により、接着剤層等の上に帯状電極を形成してもよい。
第一及び第二の帯状電極EA,EBの厚さは、好ましくは5μm~120μm、より好ましくは10μm~100μmである。
本実施形態に係る発熱シート100の光線透過率は、70%以上が好ましく、70%~100%がより好ましく、80%~100%がさらに好ましい。被着体として自動車等の窓に発熱シート100を貼付する場合、例えば、他の車両、歩行者、信号、標識、および道路の状況等を見分ける視認性が求められる。また、被着体として鏡に発熱シート100を貼付する場合、造影の鮮明性が求められる。このため、発熱シート100の光線透過率が70%以上であれば、これらの視認性、又は造影の鮮明性を容易に得ることができる。
なお、発熱シート100の光線透過率は、光線透過率計により、可視域(380nm~760mm)の光線透過率を測定し、その平均値とする。
本実施形態に発熱シート100の製造方法は、特に限定されない。発熱シート100は、例えば、次の工程を経て製造される。
まず、基材40Aの上に、接着剤層30Aの形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、接着剤層30Aを作製する。次に、基材40Aと接着剤層30Aとの積層体(その接着剤層30A)上に、導電性線状体22を配列しながら配置して、疑似シート構造体20を形成する。例えば、ドラム部材の外周面に、基材40Aと接着剤層30Aとの積層体を配置した状態で、ドラム部材を回転させながら、接着剤層30Aの表面に導電性線状体22を螺旋状に巻き付ける。
その後、螺旋状に巻き付けた導電性線状体22の束をドラム部材の軸方向に沿って切断する。これにより、疑似シート構造体20を形成すると共に、接着剤層30Aの表面に配置された積層体を得る。そして、基材40Aと接着剤層30Aと疑似シート構造体20の積層体を、ドラム部材から取り出す。
本実施形態に係る発熱シート100は、例えば、暖房用発熱物品(自動車の発熱する内装品等)、窓ガラスや鏡に貼付する曇り除去ヒーター等の表面発熱物品の表面発熱体として利用することができる。前述の第五実施形態に係る発熱シート100Eは、シートの平面形状を変更できるという観点から、例えば、自動車のサイドミラーのような複雑な平面形状を有する物品の曇り除去ヒーター等の用途に好適に適用することができる。
本実施形態に係る発熱シート100は、成形品の表面に、TOM成形、フィルムインサート成形、真空成形等の三次元成形法を利用して、成形品を被覆するシートとしても利用することができる。
本実施形態に係る発熱シート100は、上記層構成に限定されず、変形、又は改良してもよい。以下、本実施形態に係る発熱シート100の層構成の変形例について説明する。以下の説明では、本実施形態に係る発熱シート100で説明した部材と同一であれば、図中に、同一符号を付してその説明を省略または簡略する。
例えば、発熱シート100は、図7に示すように、図2に例示した層構成を基本としつつ、1)基材40Aと接着剤層30Aとの間に設けられた樹脂層32(以下「中間樹脂層32」とも称する)、2)接着剤層30Aを有する側とは反対側の疑似シート構造体20の表面上に設けられた樹脂層34(以下「下樹脂層34」とも称する)の少なくとも一層を有する発熱シート101であってもよい。
中間樹脂層32は、例えば、熱伝導層、着色層、装飾層、プライマー層、成分移行防止層等の機能層として設ける層である。中間樹脂層32は、これら機能が異なる複数の層を設けてもよい。また、中間樹脂層32は、単層で、複数の機能を有してもよい。
また、中間樹脂層32が着色層である場合、中間樹脂層32は、例えば、着色剤および熱可塑性樹脂を含む層で構成される。中間樹脂層32が着色層であると、導電性線状体22の隠蔽性が高まる。この場合、基材40Aとして光透過性を有する層が適用されてもよい。
また、中間樹脂層32が装飾層である場合、表面に、画像形成材料(インク、トナー等)により画像(例えば、図、文字、模様、絵柄等の画像)が形成された樹脂層(例えば熱可塑性樹脂を含む層)で構成される。画像の形成方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などの周知の印刷法が適用される。中間樹脂層が装飾層である場合、発熱シート101は加飾用シートとして適用できる。なお、この場合、基材40Aは光透過性を有する層が適用される。
また、熱伝導性無機充填材を含む層(熱伝導層)は、中間樹脂層32に限られず、基材40Aを有する側の疑似シート構造体20の表面上に設けられた層を構成する少なくともいずれか一層に適用することができる。
また、装飾層は、中間樹脂層32に限られず、基材40Aを有する側の疑似シート構造体20の表面上に設けられた層を構成する少なくともいずれか一層に適用することができる。
下樹脂層34は、発熱シート101を三次元成形用シートとして利用する場合、三次元成形して成形品の表面に被覆するときに、発熱シート101を成形品の表面に熱溶着するための樹脂層である。特に、下樹脂層34を有する発熱シート101は、三次元成形法のうち、フィルムインサート法に適している。
また、同観点から、波形状の導電性線状体22の振幅Aは、0.3mm~200mmが好ましく、0.5mm~160mmがより好ましい。なお、振幅Aは、全振幅(peak to peak)を意味している。
剥離層としては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、剥離層は、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離層は、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。
剥離基材としては、例えば、紙基材、紙基材等に熱可塑性樹脂(ポリエチレン等)をラミネートしたラミネート紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
剥離層の剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm~2.0μmが好ましく、0.03μm~1.0μmがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルムの厚さは、3μm~150μmであることが好ましく、5μm~100μmであることがより好ましい。
基材上に粘着剤層を有する粘着シート(130mm×100mm、リンテック株式会社製、製品名:PET50(A)PLシン8LK、粘着剤層の厚さ:23μm)を準備した。導電性線状体として、ボビンに巻き付けたモリブデンワイヤー(直径25μm、体積抵抗値:8.0×10-5Ω・m)を準備した。
次に、ボビンに巻き付けたモリブデンワイヤーを、ゴムドラム部材の端部付近に位置する粘着シートの粘着面に付着させた上で、ワイヤーを繰り出しながらゴムドラム部材で巻き取り、少しずつゴムドラム部材をドラム軸と平行な方向に移動させていき、ワイヤーが一定の間隔でらせんを描きながらゴムドラムに巻き付くようにした。このようにして、粘着シートの粘着面(粘着剤層の表面)上に、隣り合うワイヤーの距離を一定に保ちつつ、ワイヤーを複数設けて、ワイヤーからなる疑似シート構造体を形成した。
得られた積層体において、疑似シート構造体のワイヤーの直径D及び間隔Lは、ワイヤーの直径Dが25μm、配列したワイヤーの間隔Lは、0.7mmであった。
次に、帯状電極と疑似シート構造体と粘着シートとの積層体に対して、基材上に粘着剤層を有する粘着シート(リンテック(株)社製、製品名:PET50(A)PLシン8LK、粘着剤層の厚さ:23μm)を貼合して帯状電極付き導電性シートを得た。
実施例1の発熱シートの作製法に準じて、図3に示す構成の発熱シート(第二実施形態に係る発熱シート)を得た。
実施例1の発熱シートの作製法に準じて、図4に示す構成の発熱シート(第三実施形態に係る発熱シート)を得た。
実施例1の発熱シートの作製法に準じて、図5に示す構成の発熱シート(第四実施形態に係る発熱シート)を得た。
実施例1の発熱シートの作製法に準じて、図6に示す構成の発熱シート(第五実施形態に係る発熱シート)を得た。
実施例1の発熱シートの作製過程で得られた、第二帯状電極を分断する切り込みを入れる前の帯状電極付き導電性シートを、比較例1の発熱シートとした(図8参照)。ただし、第一帯状電極および第二帯状電極の各々が、外部と電気的な接続が可能となるように、導電性シートの一部を削り取り接続部を設けた。そして、接続部に配線加工を施した。
各例の発熱シートにおいて、発熱領域の通電経路の両端に位置する帯状電極に設けた2つの接続部(接続部14A,14B:図1、図3~図6参照)の配線に、電源(BK PRECISION社製 1687B DC Power Supply)に接続した。そして、各帯状電極間に4.5Vの電圧を印加して、その時の電流値から抵抗値を算出した。この算出した抵抗値を発熱シートの抵抗値とした。なお、比較例1については、4.5Vの電圧では電流値が高くなりすぎてしまうため、2Vの電圧を印加して測定した。
ただし、実施例1の発熱シートは、発熱領域の通電経路の一端に位置する第二帯状電極に設けた接続部(接続部14A:図1参照)と発熱領域の通電経路の途中に位置する第一帯状電極に設けた接続部(接続部14C:図1参照)の配線に電源を接続し、各帯状電極間に4.5Vの電圧を印加して、その時の電流値から抵抗値も算出した。
なお、抵抗値の測定は、25℃、相対湿度50%の環境下で実施した。
発熱シートの抵抗値の測定において、電圧印加から3分経過後の発熱シートの各発熱領域の発熱温度をサーモグラフィにより測定した。なお、発熱シートの各発熱領域の発熱温度は、各発熱領域の中央部の温度とした。比較例1については、抵抗値の測定時の電圧が各実施例と異なり、比較対象となりえないため測定は行わなかった。
特に、実施例4、5の発熱シートは、各発熱領域のうち、発熱温度が高い発熱領域を有しており、選択的に発熱温度が異なる領域を有する発熱シートであることがわかる。
10 導電性シート
11 発熱領域
11A 第一発熱領域
11B 第二発熱領域
11C 第三発熱領域
11D 第四発熱領域
12 切り込み部
14A,14B,14C 接続部
20 疑似シート構造体
22 導電性線状体
30A,30B 接着剤層
30A 接着剤層
30B 接着剤層
32 樹脂層(中間樹脂層)
34 樹脂層(下樹脂層)
40A,40B 基材
42 絶縁層
100 発熱シート
EA 第一帯状電極
EA1,EA2 帯状電極
EB 第二帯状電極
EB1,EB2,EB3 帯状電極
100A 発熱シート
100A,100B 発熱シート
100C 発熱シート
100D 発熱シート
100E 発熱シート
100R 発熱シート
101 発熱シート
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (5)
- 直径Dが100μm以下の一方向に延びた複数の導電性線状体が間隔をもって配列され、発熱領域となる疑似シート構造体を有する導電性シートと、
前記疑似シート構造体における前記複数の導電性線状体の長手方向一端に電気的に接続された一つの又は複数の第一帯状電極と、
前記疑似シート構造体における前記複数の導電性線状体の長手方向他端に電気的に接続された複数の第二帯状電極であって、前記発熱領域として、前記第一帯状電極の間で複数の発熱領域を形成する複数の第二帯状電極と、
前記疑似シート構造体の一方の面側に設けられ、前記疑似シート構造体が埋まり込んでいる接着剤層と、
を有し、
前記疑似シート構造体において、前記複数の導電性線状体の直径Dと前記接着剤層の厚さTaとの関係は、式:5×D≧Ta≧1.2×Dの関係を満たし、
前記第一帯状電極及び前記第二帯状電極の少なくとも一方は、前記複数の導電性線状体及び接着剤層と接するように設けられており、
前記複数の発熱領域は、隣り合う発熱領域の通電方向が互い違いとなるように前記第一帯状電極の各電極又は前記第二帯状電極の各電極を介して連結されている発熱シート。 - 前記第一帯状電極として、帯状電極EA1を含み、前記帯状電極EA1を端として配列されたNA個(ただしNA≧1)の帯状電極EAと、
前記第二帯状電極として、帯状電極EB1を含み、前記帯状電極EB1を端として配列されたNB個(ただしNA+1≧NB≧NA)の帯状電極EBであって、NB個の帯状電極EBのうち、前記帯状電極EB1から数えて、n(ただしNA≧n≧1)番目の帯状電極NBnが、前記NA個の複数の帯状電極EAのうち、前記帯状電極EA1から数えて、n番目の帯状電極EAnとの間で一つの第2n-1発熱領域を形成し、n+1番目の帯状電極EB(n+1)が、前記帯状電極EAnとの間で一つの第2n発熱領域を形成する複数の帯状電極EBと、
を有する請求項1に記載の発熱シート。 - 前記複数の発熱領域のうち、幅が異なる発熱領域を有する請求項1又は請求項2に記載の発熱シート。
- 前記複数の発熱領域のうち、長さが異なる発熱領域を有する帯状電極を有する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の発熱シート。
- 前記複数の第一帯状電極および/又は前記複数の第二帯状電極のうち、少なくとも2つの第一帯状電極および/又は第二帯状電極は、隣り合う第一帯状電極および/又は第二帯状電極が、前記導電性シートに設けられた切り込み部を境に、第一帯状電極又は第二帯状電極の長さ方向に配列して設けられている請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の発熱シート。
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