JP7284341B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置に関する。
質量分析装置とは、試料をイオン化し、イオンを質量電荷比に応じて分析する装置のことである。一般的に、質量分析装置は、試料をイオン化するイオン源、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分析部、質量分析部を通過したイオンの量を検出する検出部から成る。
イオンと気流を分離するイオンガイドに関する技術として、米国特許第8581182号明細書(特許文献1)がある。この公報には、イオンが第1と第2のイオンガイド間の擬ポテンシャル障壁をDCポテンシャルにより乗り越えることで第1から第2のイオンガイドへ移動することによりイオンと気流を分離するイオンガイドが記載されている。
また、国際公開第2016/135810号パンフレット(特許文献2)がある。この公報には、2つのロッド電極セットが長手方向に重なり合っている領域で2つのロッド電極セットが単一の多重極イオンガイドを形成しており、前記の重なり合っている領域における第1と第2のロッド電極セット間のDCポテンシャル差によってイオンが第1から第2のロッド電極セットに移動することでイオンと気流を分離するイオンガイドについて記載されている。
米国特許第8581182号明細書 国際公開第2016/135810号パンフレット
しかしながら、従来の技術では、イオンの透過効率に限界があるという課題があった。
従来技術における具体的構成例の1つとして、特許文献1には、第1のイオンガイドの中心軸上に排気口を配置して第1のイオンガイドを通過した気流を排気する形態の例が記載されている。しかし、排気口の位置が制限されているため、排気口の径が制限される。排気口の径が小さいと排気効率が低くなり、イオンガイドが設置されている空間の真空度が低くなる。真空度が低いとイオンの平均自由行程が小さくなり、イオンの透過効率が低くなる。
また、従来技術における別の具体的構成例が特許文献2に記載されているが、特許文献2にはイオンと気流を分離した後の気流の制御に関する記述がない。特許文献2の構成ではイオンガイドを設置している真空室の壁面に気流が衝突することにより乱流が発生し、イオンと気流が混合することでイオンの透過効率が低下するという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、イオンの透過効率をより高くする質量分析装置を提供する。
本発明に係る質量分析装置の一例において、イオンを含む気流は、第1真空室内のイオンガイドにより気流とイオン流とに分離され、第1真空室は、分離された気流とイオン流との混合を低減する整流部材を備える。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2020-038168号の開示内容を包含する。
本発明に係る質量分析装置によれば、イオンの透過効率がより高くなる。
本発明の実施例1に係る質量分析装置の構成例である。 イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。 イオンガイドの擬ポテンシャルを表す図である。 イオンガイドの領域2におけるDCポテンシャルを表す図である。 イオンガイドの領域2における擬ポテンシャルとDCポテンシャルの合成ポテンシャルを表す図である。 比較例として、整流板がない場合の、イオンガイドを通過するイオン流と気流の様子を表す図である。 第1真空室に入射するイオン流と気流の様子を表す図である。 整流板がある場合の、イオンガイドを通過するイオン流と気流の様子を表す図である。 本発明の実施例2に係る整流板の構成例である。 本発明の実施例3に係る整流板の構成例である。 本発明の実施例4に係る整流板の構成例である。 本発明の実施例5に係る、イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。 本発明の実施例6に係る、イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。 本発明の実施例7に係る、イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。 本発明の実施例8に係る、イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。 本発明の実施例9に係る、イオン流と気流を分離するイオンガイドの構成例である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
本実施例では、比較的簡単な実施の形態を説明する。
図1は、本実施例に係る質量分析装置の構成例を示す図である。質量分析装置は、以下の構成を備える。
‐測定試料をイオン化するイオン源101
‐前記イオン源101で生成されたイオンが通過する細孔102
‐前記細孔102を通過したイオンが通過するイオンガイド103
‐前記イオンガイド103を通過したイオンが通過する細孔104
‐前記細孔104を通過したイオンが分析される質量分析部105
‐前記質量分析部105で分析されたイオンが検出される検出器106(検出部)
‐前記イオンガイド103が配置されており、前記細孔102および前記細孔104を有する第1真空室107
‐前記質量分析部105が配置されており、前記細孔104を有する第2真空室108
‐前記第1真空室107内の空気を排気する真空ポンプ109
‐前記第1真空室107および前記真空ポンプ109を接続する排気口111
‐前記第2真空室108内の空気を排気する真空ポンプ110
‐前記第2真空室108と前記真空ポンプ110とを接続する排気口112
‐前記第1真空室107内に配置された整流板113(整流部材)
イオン源101では、エレクトロスプレーイオン化法、大気圧化学イオン化法、大気圧光イオン化法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法などの手法によって、測定試料がイオン化される。
イオン源101で生成されたイオンは、細孔102を介して第1真空室107に侵入する。ただし、細孔102の具体的構造は任意に設計可能であり、たとえば薄い壁面に小さな穴が開いたものであってもよく、厚い壁面に小さな穴が開いている細管のようなものであってもよい。
第1真空室107の前に、イオンが通過する電極や真空室があっても良い。
第1真空室107には、イオンとともに中性分子、空気、微小水滴なども細孔102を介して侵入する。区別のために、細孔104に到達するイオンの流れをイオン流703、それ以外のものの流れを気流704と定義する。気流704には前述の中性分子、空気、微小水滴だけでなく細孔104に到達できないイオンの一部も含まれる。
第1真空室107には、イオン流703と気流704を分離する機能を有するイオンガイド103が配置されている。また、第1真空室107は整流板113を備える。イオン流703と気流704とを分離する機構および整流板113の作用については後述する。イオンガイド103により気流704と分離されたイオン流703は細孔104に到達し、第2真空室108に侵入する。
細孔104に到達したイオン流703は第2真空室108に侵入する。第2真空室108は質量分析部105を有している。質量分析部105では、イオンが電気的および/または磁気的な作用によって質量電荷比に応じて分離される。例えば、磁場によってイオンの軌道を曲げる磁場型や、断面が双極面である電極に高周波電圧(RF電圧)や直流電圧(DC電圧)を印加することでイオンを分離する四重極型、飛行時間の違いによりイオンを検出する飛行時間型などがある。
質量分析部105で分析されたイオンは検出器106により検出される。検出器106では、例えば光電子増倍管や電子増倍管を利用してイオン信号を電気信号に変換することでイオンを検出する。
このように、質量分析装置は、イオン源101で発生したイオンを、第1真空室107および第2真空室108を通過させて、検出器106へ向けて移送する。
第1真空室107は真空ポンプ109によって、第2真空室108は真空ポンプ110によって、それぞれ室内の空気が排気される。第1真空室107と第2真空室108とは細孔104により連通しているが、細孔104の径は限られているため第1真空室107および第2真空室108は各室内の圧力が異なる。
第1真空室107は、大気圧下であるイオン源101に近く、第2真空室108より圧力が高い。真空ポンプ109および真空ポンプ110は同一のものであっても良い。また、真空ポンプ109および真空ポンプ110はそれぞれ、単一のポンプであっても、例えばターボ分子ポンプとドライポンプを併用するというように複数種類のポンプを組み合わせたシステムであっても良い。
第1真空室107と真空ポンプ109とは排気口111で接続され、第2真空室108と真空ポンプ110とは排気口112で接続されている。排気口111および排気口112は、径が大きいほど、曲線が少ないほど、真空ポンプ109または真空ポンプ110までの長さが短いほど、排気効率が高く、第1真空室107や第2真空室108の圧力が低くなる。第1真空室107および第2真空室108の圧力が低いと、イオンの平均自由行程が大きくなるためイオン流703の透過効率が高くなる。
イオンガイド103の模式図を図2に示す。イオンガイド103は少なくとも2つの電極セットを備えており、イオン源101から第1真空室107に導入されたイオンを含む気流を、イオン流703と気流704とに分離する機能を持つ。
以下、イオンガイド103の構成例について説明するが、イオンガイド103の構成はこれに限らず、公知技術に基づいて任意に設計または変更可能である。たとえば、特許文献1または2に記載された構成の一部を適用してもよい。また、イオンガイド103の詳細に関して本明細書で記載を省略した部分については、特許文献1または2またはその他の公知技術に関する記載を援用することが可能である。
2つの電極セットとして、X軸方向においてイオン流703および気流704が入射する側に第1の電極セット201が配置され、イオン流703が出射する側に第2の電極セット202が配置される。
図2および他の図において、X座標、Y座標およびZ座標からなる直交3次元座標系を用いて説明する。X軸方向は、第1の電極セット201および第2の電極セット202の長手方向である。また、X軸方向は、イオンガイドの各電極セットにおいてイオンが大まかに移送される方向に対応する。Z軸方向は、イオン流703が第1の電極セット201から第2の電極セット202へと移動する際の移動方向に対応する。
図2では、イオンガイド103について、X軸方向に区分される3つの領域を図示している。イオンガイド103は、領域1、領域2および領域3を有する。領域2は、第1の電極セット201と第2の電極セット202とが、X軸方向に重なり合う領域である。領域1および3は、第1の電極セット201と第2の電極セット202とが、X軸方向に重ならない領域である。
図2は、イオン流703と気流704とを分離することができるイオンガイド103の構成例である。図2(a)はXZ平面図である。図2(b)は、図2(a)中のX軸方向位置X1,X2,X3における、X軸と直交する平面による断面図である。図2(c)は、図2(a)中のZ軸方向位置Z1,Z2における、Z軸と直交する平面による断面図である。
図2に示すイオンガイド103は、第1の電極セット201と第2の電極セット202を備え、ロッド電極から成る多重極で構成されている。第1の電極セット201は、領域1においてロッド電極による四重極を形成し、第2の電極セット202は、領域3においてロッド電極による四重極を形成する。これらのロッド電極は、たとえば、YZ平面においてほぼ正方形の頂点付近の位置に配置されている。
図2の例では、領域2では第1の電極セット201の中で第2の電極セット202に隣接しているロッド201aおよび201dと、第2の電極セット202の中で第1の電極セット201と隣接しているロッド202bおよび202cとの計4本が、Y軸方向位置Y1に対してほぼ対称に広がるように、Y軸方向に曲がることで単一の八重極イオンガイドを形成する。八重極のロッド電極は、たとえばYZ平面においてほぼ正八角形の頂点付近の位置に配置されている。これら以外のロッド、すなわちロッド201b、201c、202a、202dは、たとえば直線状に形成される。
なお、イオンガイドにおけるロッド電極の構成はこれに限らず任意に設計可能であり、領域1~3それぞれにおいて偶数本のロッド電極から形成することができる。
第1の電極セット201および第2の電極セット202には、RF電圧とオフセットDC電圧とが印加され、これによってイオン流703と気流704とが分離される。
図2(b)に示す「+」と「-」の符号は各ロッド電極に印加するRF電圧の位相を示している。同じ符号のロッドには、同周波数、同振幅、同位相のRF電圧を印加する。符号が異なるロッド電極には、同周波数、同振幅、逆位相のRF電圧を印加する。
図2(b)の例では、ロッド201dとロッド202cとは領域2において隣接するロッド電極になるため、互いに逆位相のRF電圧が印加される。同様に、ロッド201aと202bとは領域2において隣接するロッド電極になるため、互いに逆位相のRF電圧が印加される。
図3は、任意のRF電圧の印加によって生成される擬ポテンシャルを示す図である。擬ポテンシャルとは、イオンの運動が十分に追随できない速度で変動する電場が印加されている場合に、イオンに時間平均で作用する力を与えるポテンシャルのことである。
図3(a)は、位置(X1,Y1)における擬ポテンシャルの高さを示す。図3(b)は位置(X2,Y1)における擬ポテンシャルの高さを示す(なお本実施例では電極構成は図2に示す通りであり、擬ポテンシャルの高さは実線で示される)。図3(c)は位置(X3,Y1)における擬ポテンシャルの高さを示している。
図2の構成のイオンガイド103では、YZ平面上に擬ポテンシャルの極小点が存在し、イオンは基本的にはこの極小点上に収束されて電極内を進行する。以後、擬ポテンシャルの極小点を電極の中心と定義する。電極の中心は、たとえばX軸方向に延びる直線として定義され、軸(中心軸)を構成する。
領域1では、第1の電極セット201が配置された部分に特定の質量電荷比の範囲内のイオンが入射すると、イオンは第1の電極セット201の中心に向かって収束されて進行する。収束される質量電荷比の範囲は、印加するRF電圧の周波数および振幅に依存して決まる。したがって、細孔104まで到達させたい質量電荷比によって、RF電圧の周波数および振幅を調整する必要がある。
領域2では、第1の電極セット201と第2の電極セット202の間に擬ポテンシャルの障壁がない。すなわち、イオンガイド103は、領域2において単一のイオンガイドを形成する。このため、イオンは第1の電極セット201と第2の電極セット202の間を自由に行き来することができる。また、イオンにポテンシャル障壁を乗り越える強いエネルギーを与える必要がないので、第2の電極セット202の中心軸を通過して反対側に飛び出してしまうイオンの量を低減することができる。
領域3では、領域1と同様に、第2の電極セット202が配置された部分に特定の質量電荷比の範囲内のイオンが入射すると、イオンは第2の電極セット202の中心に向かって収束されながら進行する。
また、第1の電極セット201と第2の電極セット202とには、互いに異なる電位のオフセットDC電圧を印加する。この時、ポジティブイオンを細孔104まで通過させたい場合は第2の電極セット202には第2の電極セット202より低い電圧を印加し、ネガティブイオンを細孔104まで通過させたい場合は第2の電極セット202には第2の電極セット202より高い電圧を印加する。
なお、以下では、電気的ポテンシャルの高低関係はポジティブイオンを分離する場合に限定して説明する場合があるが、電気的ポテンシャルの高低関係を逆にすればネガティブイオンを分離する場合に適用可能である。
図4は、オフセットDC電圧の印加によって生成される、位置(X2,Y1)におけるDCポテンシャルの高さを示している。Z座標が大きいほどポテンシャルが低くなっており、すなわち、第2の電極セット202の側に向かってポテンシャルが低くなる。各ロッドに印加されるオフセットDC電圧は、DCポテンシャル曲線が単調減少となる限り任意に設計可能である。
各電極に印加するオフセットDC電圧を変更してDCポテンシャル勾配を変更するとイオン流703の透過効率が変化する。これは、例えばDCポテンシャル勾配が大きい場合にイオンの運動エネルギーが大きくなり第2の電極セット202においてイオン流703の収束効率が低下することが原因で発生する。したがって、RF電圧と同様に、細孔104まで透過させたい質量電荷比によってDCポテンシャル勾配を調整する必要がある。
図5は、位置(X2,Y1)における擬ポテンシャルとDCポテンシャルとを合成したポテンシャル(合成ポテンシャル)の高さを示している。RF電圧とオフセットDC電圧とを組み合わせることにより、イオンは第1の電極セット201の中心から第2の電極セット202の中心に向かって不可逆的に移動する。このように、イオンガイド103は、第1の電極セット201に入射したイオンを、領域2において、第1の電極セット201から第2の電極セット202に移動させる電気的なポテンシャルを生成する。
第1の電極セット201のイオン入射点が細孔102から数mmの範囲内にあるとイオンを収束する効率が高くなるので好適である。ここで、「イオン入射点」とは、たとえば、第1の電極セット201のX軸方向入射側端における第1の電極セット201の中心をいう。イオン入射点の細孔102からの距離(3次元空間における距離)は、たとえば5mm、1cm、2cm、等とすることができる。
また、第2の電極セット202の中心は、少なくとも第2の電極セット202のX軸方向出射側端において、細孔104と整合する位置に(たとえばほぼ同軸になるように)配置すると好適である。また、第2の電極セット202のイオン出射点が細孔104から数mmの範囲内にあるとイオンを収束する効率が高くなるので好適である。ここで、「イオン出射点」とは、たとえば、第2の電極セット202のX軸方向出射側端における第2の電極セット202の中心をいう。イオン出射点の細孔104からの距離(3次元空間における距離)は、たとえば5mm、1cm、2cm、等とすることができる。
ここで、本発明の作用を説明するための比較例として、図2のイオンガイド103を使用した際の第1真空室107内のイオン流703と気流704の動きを図6に示す。また、細孔102付近の詳細な様子を図7に示す(この図は本発明の実施例1にも比較例にも同様に当てはまる)。
細孔102前後には圧力差があるためバレルショック701やマッハディスク702が形成される。この衝撃によりイオン流703や気流704は細孔102を通過した直後はマッハディスク702とほぼ同じ径で第1真空室107内を進行する。マッハディスク702の径は細孔102の径と細孔102前後の圧力に依存して決まる。
細孔102への侵入の際に拡散したイオン流703は、前述したRF電圧による作用で第1の電極セット201の中心に収束され、第1の電極セット201内を進行する。イオン流703が領域2に到達すると、前述したオフセットDC電圧の作用により第1の電極セット201の中心付近から第2の電極セット202の中心に移動し、そのまま第2の電極セット202の中心付近を細孔104に向かって進行する。
一方、気流704は中性分子など電気的な作用を受けにくい物質が多く混入しているため、マッハディスク702とほぼ同じ直径で第1の電極セット201付近を通過する。しかし、イオン流703とは異なり、第2の電極セット202の方へはほとんど移動しない。このような機構によって、イオン流703と気流704はイオンガイド103において分離される。
図6の比較例では、実施例1に係る整流板113が存在しないので、気流704は第1真空室107と第2真空室108を隔てる壁面に衝突し、気流704の乱流が発生する。この乱流がイオン流703と混合し、イオンの平均自由行程が小さくなるので、イオン流703の細孔104の透過効率が低下し、またイオン信号が不安定となる。
本発明の実施例1に係る整流板113の形態の例と、整流板113を利用した際のイオン流703と気流704の動きの様子とを、図8に示す。図8(a)はXZ平面図であり、図8(b)は細孔104からイオンガイド103を見たYZ平面図である。
整流板113の形状は任意であるが、本実施例では直方体で、Z軸方向の長さ(厚さ)は小さく、XY平面の面積が大きい板状の形状である。このような形状とすると製造が容易である。整流板113の厚さは、たとえば3mmとすることができる。整流板113のX軸方向の長さは、たとえば、領域2においてイオン流703と気流704が分離する点から、細孔104までの長さとすることができる。領域2においてイオン流703と気流704が分離する点は、たとえば当業者が実験等によって決定することができる。
別の例として、整流板113のX軸方向の長さは、整流板113が領域2を覆わず、領域3のみを覆うような長さとしてもよい。また、整流板113は全体が平面状である必要はなく、一部または全体が湾曲していてもよい。
なお、図8の例では、整流板113は第1真空室107の出射側端の壁面に接触している。このようにするとイオン流703と気流704との分離効率が高くなる点で好適であるが、整流板113が壁面に接触しない構成とすることも可能である。
整流板113のY軸方向の長さは当業者が適宜設計可能であるが、図8の例では第2の電極セット202の四重極の径と同じまたはほぼ同じである。変形例として、整流板113のY軸方向の長さは、領域2で形成される八重極の径と同じ長さとしても良いし、それより大きい長さとしてもよい。
イオンガイド103の各電極からの放電を防止するために、整流板113は絶縁材からなるようにすると好適である。例えばPEEKなどの樹脂材やアルミナなどのセラミック材を用いることができる。
整流板113のうち少なくとも一部は、Z座標において第1の電極セット201の中心軸と第2の電極セット202の中心軸との間に(たとえば各中心軸と平行になるように)配置される。このようにすると、イオン流703と気流704とを効率よく分離することができる。
整流板113において、最も面積の大きい面はXY平面と平行になるように配置してもよい。Z軸方向における整流板113の位置は、第2の電極セット202に近いほどイオン流703と気流704との分離効率が高くなる点で好適であり、たとえば図8に示すように第2の電極セット202に接触するようにしてもよい。
X軸方向においては、整流板113の長さに応じて様々な場所に配置することが可能である。例えば、図8の例ではイオン流703と気流704が分離した後の領域において、第2の電極セット202に沿うように配置されている。他にも、例えばイオン流703と気流704が分離した後の領域において、細孔104までを覆うように配置しても良い。この時、整流板113は、細孔104が形成される壁面(すなわち第1真空室107と第2真空室108とを隔てる壁面)に接触していても良い(図8に示す)し、そうでなくともよい。
整流板113は、Y軸方向においては、図8(b)の例ではY軸方向位置Y1に対して対称となるように配置されている。
整流板113は、分離された気流704とイオン流703との混合を低減する。たとえば、図8のように整流板113を配置すると、気流704が第1真空室107と第2真空室108を隔てる壁面に衝突しても、イオン流703との混合を低減することができる。したがってイオン流703の平均自由行程が大きくなり、イオン流703が細孔104を透過する効率が高くなる。さらにイオン信号もより安定となる。
また、排気口111を、Z軸方向位置において第2の電極セット202に対して第1の電極セット201側となるように配置すると、より効率良く気流704を排除することができ、得られる効果が大きくなる。ただし、排気口111の位置は厳密に配置する必要はないため、自由に設計することができる。
以上のように、本実施例では、各ロッドおよび整流板113の構成が比較的簡素であり、したがってたとえば容易に製造することができるが、以下の各実施例のように変形することも可能である。
本実施例では、実施例1と異なる形態の整流板113の例について説明する。
図9は実施例2に係る整流板113の構成例を示す。これは、実施例1と同様の形状の整流板113を実施例1と異なる配置で使用した例である。
整流板113の形状や素材は、実施例1と同様とすることができる。図9の例では、X軸方向およびY軸方向における整流板113の位置は、図8と同様である。
整流板113の入射側端(すなわち、X軸方向において領域1側となる端)のZ軸方向位置は、第1の電極セット201の中心軸と第2の電極セット202の中心軸との間であり、整流板113の出射側端(すなわち、X軸方向において細孔104側となる端)のZ軸方向位置は、入射側端よりもZ軸マイナス側、すなわち排気口111側である。したがって、図9の例では整流板113の面積が最も大きい面はXY平面に対して傾きを持っている。
このように傾けて配置すると、気流704が整流板113に衝突する。衝突後の気流704は、図9では排気口111の方に進行するためより効率良く気流704を排気することができる。
本実施例では、実施例1、実施例2と異なる形態の整流板113の例について説明する。
図10は実施例3に係る整流板113の構成例を示す。図10の例では、整流板113はX軸方向に延びる筒状であり、その両端は開口している。整流板113の素材はこれまでの実施例と同様である。この筒状の整流板113のX軸方向位置は、図8及び図9と同様とすることができる。
整流板113の断面形状は、閉じた図形であれば任意に設計することができるが、たとえば円(この場合には整流板113は円筒状となる)、楕円または多角形であり、少なくとも筒の空洞部分の径が第2の電極セット202の径より大きければ良い。
この筒状の整流板113は、イオン流703と気流704が分離した後の領域において、第2の電極セット202を覆うように配置することができる。細孔104に接触させても良いし、第2の電極セット202と接触させても良い。
このように、筒状の整流板113を使用すると、第2の電極セット202の領域3がYZ平面において360°保護されるため、気流704により発生した乱流とイオン流703の混合をさらに低減することができる。
本実施例では、実施例1、実施例2、実施例3と異なる形態の整流板113の例について説明する。
図11は実施例4に係る整流板113の構成例を示す。図11は、曲面のある整流板113の例を示している。この形状は、図10の整流板113から筒の一部を取り除いた形状であり、素材はこれまでの実施例と同様とすることができる。整流板113の形状は、多面体の一部の面がない形状としても良い。
配置する位置は図10の整流板113と同様であるが、第1の電極セット201の中心軸と第2の電極セット202の中心軸の間に面があるように配置する。
実施例4において、整流板113は、第2の電極セット202の中心軸と直交する平面による断面(たとえば図11(b)に示す断面)において、両端が気流704に対しイオン流703の側に延びているということができる。なお、図11(b)の例では、整流板113の一部は平面をなしており、すなわち断面の一部が直線状であるが、整流板113の全体が湾曲していてもよく、すなわち断面全体が曲線状であってもよい。
本実施例によれば、イオン流703と気流704の混合度合いは、実施例1や実施例2より低くなり、実施例3より高くなる。なお、実施例3より混合度合いは高くなるものの、整流板113を製造するための素材の消費量が少ない。したがって、装置の製造コストと得られる効果のバランスを選ぶことができる。
本実施例では、実施例1と異なる形態のイオンガイド103を使用した例について説明する。
図12は実施例5に係るイオンガイド103の構成例を示す。イオンガイド103は、第1の電極セット201および第2の電極セット202を備える。第1の電極セット201および第2の電極セット202は、実施例1と同様に、それぞれロッド電極による四重極を形成している。
これらのロッド電極の一部の断面が半円である点が実施例1と異なる。半円である電極は、第1の電極セット201については第2の電極セット202に近いロッド201aおよび201dの2本であり、第2の電極セット202については第1の電極セット201に近いロッド202bおよび202cの2本である。これら以外のロッドは断面が円形である。
領域2において、ロッド201dおよび202cが近接し、円を近似するような断面図を構成するようにする。同様に、ロッド201aおよび202bが近接し、円を近似するような断面図を構成するようにする。ロッド201dおよび202cの間隔は、0.1mm~2mmの範囲内または0.1mm~2mm程度とすることができる。ロッド201aおよび202bの間隔についても同様である。
このように配置することで、ロッド201dおよび202cからなるロッド組は、領域2において1つのロッド電極とみなすことができる。ロッド201aおよび202bからなるロッド組についても同様である。
したがって、イオンガイド103は、領域2ではロッド201bと、ロッド201cと、ロッド202aと、ロッド202bと、ロッド201dおよび202cからなるロッド組と、ロッド201aおよび202bからなるロッド組と、の計6つの電極による六重極の構成となる。
図12の例では、領域2において六重極がほぼ正六角形の頂点の上に配置されるように、ロッド201dおよび202c、ロッド201aおよび202bの計4本が、Y軸方向位置Y1に対してほぼ対称に広がるように、Y軸方向に曲がっている。これら以外のロッド、すなわちロッド201b、201c、202a、202dは、たとえば直線状に形成される。
実施例1と同様に、第1の電極セット201におけるロッド電極の数、第2の電極セット202におけるロッド電極の数、領域2において第1の電極セット201と第2の電極セット202とが組み合わさって形成される電極におけるロッド電極の数は、いずれも偶数本のロッド電極から形成されている多重極であれば本数は問わない。
電極に印加するRF電圧とDC電圧は実施例1と同様であるが、ロッド201dおよび202cは領域2においてそれぞれ1つの極とみなされるため、これらのロッドには同位相、同周波数、同振幅のRF電圧を印加する。ただしDC電圧については、これらのロッドで等しくする必要はない。ロッド201aおよび202bについても同様である。
イオンガイド103がイオン流703と気流704とを分離させる原理は、実施例1と同様である。
本実施例では、実施例1、実施例5と異なる形態のイオンガイド103を使用した例について説明する。
図13は実施例6に係るイオンガイド103の構成例を示す。イオンガイド103は、第1の電極セット201および第2の電極セット202を備える。図13の例では、第1の電極セット201と第2の電極セット202は、それぞれロッド電極による八重極を形成している。
領域2では、ロッド201a、201h、202d、202eの計4本が、Y軸方向位置Y1に対してほぼ対称に広がるように、Y軸方向に曲がっている。本実施例における領域2の断面図は、大まかに、「くびれ」のある楕円のような形状となっている。これら以外のロッド、すなわちロッド201b~201g、202a~202c、202f~202hは、たとえば直線状に形成される。
第1の電極セット201におけるロッド電極の数、第2の電極セット202におけるロッド電極の数、領域2で第1の電極セット201および第2の電極セット202が組み合わさって形成される「くびれ」のある部分におけるロッド電極の数は、いずれも偶数本のロッド電極から形成されている多重極であれば本数は問わない。
各ロッドに印加する電圧は、実施例1または実施例5と同様とすることができる。ただし、領域2においては前述の「くびれ」があるため擬ポテンシャルの様子が実施例1や実施例5と異なる。本実施例における擬ポテンシャルの例を図3に示す。
図3(b)において、破線で示した部分が本実施例に対応する部分であり、実施例1および実施例5と異なっている。本実施例(図13の配置)では、イオンガイド103は、領域2において、第1の電極セット201と第2の電極セット202との間に擬ポテンシャルのポテンシャル障壁を有する。
イオンは、第1の電極セット201と第2の電極セット202の間のDCポテンシャル差を大きくすることでこの擬ポテンシャル障壁を乗り越えることができる。擬ポテンシャル障壁があることにより、イオン流703は第2の電極セット202に移動した後、より強力に第2の電極セット202内に収束されるため、イオン流703の細孔104の透過効率が高くなる。
本実施例では、実施例1、実施例5、実施例6と異なる形態のイオンガイド103を使用した例について説明する。
図14は実施例7に係るイオンガイド103の構成例を示す。イオンガイド103は、第1の電極セット201および第2の電極セット202を備える。本実施例では、イオンガイド103はリングスタック電極で構成されている。たとえば、第1の電極セット201と第2の電極セット202は、領域1または領域3ではリング状の電極を重ねることで形成されるリングスタック電極である。
X軸方向で隣り合う電極には逆位相のRF電圧を印加し、X軸方向位置が同じリングには同位相のRF電圧を印加する。オフセットDC電圧はこれまでの実施例と同様である。
第1の電極セット201のリング電極の径と、第2の電極セット202のリング電極の径とは、同じでも異なっていても良い。ただし、第1の電極セット201のリング電極の径よりも第2の電極セット202の径を小さくすると、イオン流703が領域3でより強く収束されて細孔104の透過効率が高くなるので好適である。
領域2におけるイオンガイド103の形状は、図14(b)のように第1の電極セット201と第2の電極セット202の間にくびれがあり擬ポテンシャルの障壁ができる形状でも良いし、図14(c)のように擬ポテンシャルの障壁が生成されない形状であっても良い。
本実施例では、実施例1、実施例5、実施例6、実施例7と異なる形態のイオンガイド103を使用した例について説明する。
図15は実施例8に係るイオンガイド103の構成例を示す。イオンガイド103は、領域1または領域3を有しない点において、これまでの実施例と異なる。
図15(a)は、領域1を備えないイオンガイド103の構成例である。このような変形は、これまでの実施例で説明した全ての形態のイオンガイド103に適用することが可能である。イオンガイド103がイオン流703と気流704とを分離させる原理も、これまでの実施例と同様である。領域1がないので、イオンガイド103のX軸方向の長さを短縮することができる。
図15(b)は、領域3を備えないイオンガイド103の構成例である。このような変形は、領域2において第1の電極セット201と第2の電極セット202の間に擬ポテンシャル障壁があるイオンガイド103に適用することができる。
なお、領域3だけでなく、さらに領域1も省略することが可能である。そのような構成では、図15(a)の構成よりさらにイオンガイド103を短縮することができる。
図15のイオンガイド103と整流板113を組み合わせることにより、小型かつイオン流703の透過効率が良く、イオン信号が安定している質量分析装置を提供することができる。
本実施例では、実施例1、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8と異なる形態のイオンガイド103を使用した例について説明する。
図16は実施例9に係るイオンガイド103の構成例を示す。イオンガイド103において、第1の電極セット201または第2の電極セット202が、X軸方向において複数のセグメントに分割されている。とくに、図16の例では、第1の電極セット201および第2の電極セット202はそれぞれ3つのセグメントに分割されている。
各セグメント間は電気的に絶縁されている。各セグメントは、隙間を空けることにより絶縁しても良いし、各セグメント間を絶縁材で埋めて接続することにより絶縁しても良い。
同一の電極セット内において、各セグメント間で印加するRF電圧の周波数、振幅および位相は同一であるが、印加するオフセットDC電圧を変化させる。オフセットDC電圧は、たとえば、X軸方向において単調に変化し、かつZ軸方向においても単調に変化するように、各ロッドに印加される。
例えば、領域2において第1の電極セット201と第2の電極セット202との間に生じるDCポテンシャルの勾配を、X軸方向位置に応じて変化させることで、より効率良くイオン流703と気流704を分離することができる。
また、第2の電極セット202において、セグメント1のDCポテンシャルを高く、セグメント3のDCポテンシャルを低くしたDCポテンシャル勾配を作ることで、イオン流703を細孔104までより効率良く運搬することができる。
[その他の実施例]
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…イオン源
102…細孔
103…イオンガイド
104…細孔
105…質量分析部
106…検出器(検出部)
107…第1真空室
108…第2真空室
109,110…真空ポンプ
111,112…排気口
113…整流板(整流部材)
201…第1の電極セット
202…第2の電極セット
201a~201h,202a~202h…ロッド
701…バレルショック
702…マッハディスク
703…イオン流
704…気流
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (12)

  1. イオン源で発生したイオンを、電極を備えた真空室を通過させて検出部へ向けて移送する、質量分析装置であって、
    前記真空室は、細孔で連通した第1真空室と第2真空室とを含み、
    前記イオン源から前記第1真空室に導入されたイオンを含む気流は、前記第1真空室内のイオンガイドにより気流とイオン流とに分離される、
    質量分析装置において、
    前記第1真空室は、分離された前記気流と前記イオン流との混合を低減する整流部材を備え、
    前記整流部材は絶縁材からなることを特徴とする、質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、
    前記イオンガイドは、第1の電極セットおよび第2の電極セットを備え、
    前記イオンガイドは、前記第1の電極セットおよび前記第2の電極セットが長手方向に重なり合う領域を有し、
    前記イオンガイドは、前記第1の電極セットに入射したイオンを、前記重なり合う領域において、前記第1の電極セットから前記第2の電極セットに移動させる電気的なポテンシャルを生成する、
    ことを特徴とする、質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置において、前記整流部材の少なくとも一部が前記第1の電極セットの中心軸と前記第2の電極セットの中心軸との間に配置されていることを特徴とする、質量分析装置。
  4. 請求項3に記載の質量分析装置において、前記整流部材は、前記第1真空室の出射側端の壁面に接触していることを特徴とする、質量分析装置。
  5. 請求項3に記載の質量分析装置において、前記整流部材は、前記第2の電極セットに接触していることを特徴とする、質量分析装置。
  6. 請求項3に記載の質量分析装置において、前記整流部材は板状であることを特徴とする、質量分析装置。
  7. 請求項3に記載の質量分析装置において、前記整流部材は筒状であることを特徴とする、質量分析装置。
  8. 請求項3に記載の質量分析装置において、前記整流部材は、前記第2の電極セットの中心軸と直交する平面による断面において、両端が前記気流に対し前記イオン流の側に延びていることを特徴とする、質量分析装置。
  9. 請求項2に記載の質量分析装置において、前記イオンガイドは、前記重なり合う領域において単一のイオンガイドを形成することを特徴とする、質量分析装置。
  10. 請求項2に記載の質量分析装置において、前記イオンガイドは、前記重なり合う領域において、前記第1の電極セットと前記第2の電極セットとの間にポテンシャル障壁を有することを特徴とする、質量分析装置。
  11. 請求項2に記載の質量分析装置において、前記イオンガイドは、ロッド電極から成る多重極で構成されていることを特徴とする、質量分析装置。
  12. 請求項2に記載の質量分析装置において、前記イオンガイドは、リングスタック電極で構成されていることを特徴とする、質量分析装置。
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