JP7280630B2 - X線源を制御するための方法 - Google Patents

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Description

本明細書で説明される発明の概念は、一般に、電子衝撃X線源に関し、特に、そのようなX線源を制御するための方法に関する。
高電力及び高輝度のX線源は、多くの分野、例えば、医療診断、非破壊試験、結晶構造解析、表面物理学、リソグラフィ、蛍光X線、及び顕微鏡法に応用されている。いくつかの用途では、得られるX線画像の解像度は、基本的に、X線源までの距離及びX線源のサイズに依存し、X線源のアノードで発生する有用なX線の数は、アノードに衝突する電子ビーム電流に比例する。可能な限り小さい線源から可能な限り多くのX線電力を抽出すること、すなわち高輝度を達成することが常に課題であった。X線放射に変換されないエネルギーは、主にターゲットにおいて熱として蓄積される。従来のX線管から放出されるX線放射の電力及び輝度を制限する主な要因は、アノードの加熱である。より具体的には、電子ビーム電力は、アノードが固体ターゲットである場合にはアノード材料が溶融しない程度に、又はアノードが液体ターゲットである場合には蒸発しない程度に制限されなければならない。
改良されたX線源が必要である。
本発明の概念の目的は、X線源を制御するための改善された方法を提供することである。
本発明の概念の第1の態様によれば、X線源を制御するための方法が提供され、X線源は、ターゲット上のX線スポットから、電子ビームとターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成される。X線スポットは、X線源のX線光学システムの視野によって決定され得る。この方法は、ターゲットを形成する液体ジェットを提供するステップと、ターゲット上に電子スポットを形成し、このターゲットと相互作用してX線放射を発生させるように構成された電子ビームを提供するステップと、電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップとを備える。方法は更に、電子スポットにおける電力密度プロファイルの最大値が所定の限界を下回るようにかつX線スポットにおいてターゲットに送達される総電力が増加するように、電子ビームの幅及び総電力を調整するステップを備える。
一般に、本発明の概念は、X線放射の総量が、主にターゲット上のX線スポットに送達される総電力によって決定されるのに対して、いくつかのタイプのターゲットについての過熱又は他の熱的に誘発される問題のリスクが、電子スポットにおいてターゲットによって吸収される電力密度の最大値によって決定され得るという認識を伴う。この状況は、例えば、ターゲットに蓄積された熱エネルギーが効率的に逃がされる(transported away)場合に有効である。液体ジェットの場合、新しい材料が連続的に供給されるため、主な制限パラメータとなるのは、全吸収エネルギーではなく、最大電力密度である。故に、液体ジェットの場合、ターゲット上の電力密度プロファイルの最大値が閾値を下回る限り、ターゲット上のどこで電子が吸収されるかは、熱負荷の観点からすると問題ではない。更に、多くのターゲット及びX線光学構成では、X線スポットと電子スポットとの間に厳格な一致がないことがあることが理解される。故に、X線スポットにおいてターゲットに送達される総電力が増加するように電子ビームの幅及び総電力を調整し、同時に、電子スポット全体にわたってターゲットに送達される電力密度の最大値を制限することによって、ターゲットを熱的過負荷にさらすことなく、X線放射の生成を増加させることができる。
X線スポット、即ちX線の発生のための関心領域は、X線放射が放出され、X線光学システムによって受け取られるターゲット上の表面又は体積を指し得る。故に、X線スポットは、X線源のX線光学によって画定及び/又は制限され得、すなわち、X線光学は、ターゲット上のX線スポットからX線放射を伝送するように構成され得る。換言すると、X線スポットは、X線光学の視野によって制限されると考えることができる。X線スポットは、追加的に又は代替的に、ターゲットのジオメトリ及び/又はX線光学システムに対するターゲットの向きによって画定及び/又は制限され得る。X線放射が電子ビーム方向に対して垂直に放出される円筒状のターゲットを有する実施形態は、例えば、ターゲット形状、ターゲット材料内のX線の有限侵入深さ、及び放出された放射とX線光学との間の角度関係によって画定されるX線スポットを有し得る。
電子スポットは、電子ビームがターゲットに衝突するターゲット上の表面を指し得る。電子スポットの幅は、ターゲット上の電子ビーム電力密度プロファイルの半値全幅として画定され得る。故に、ターゲット上への電子ビームの投影は、電子ビームの「スポットサイズ」又は「電子スポット」と呼ばれ得る。電子ビームは、ガウス電力密度分布を有し得る。電子スポットが、X線光学の視野に応じて、X線スポットとは異なり得ることは留意されるべきである。X線スポットは、例えば、電子スポットのサブセットを形成し得る。
電子ビームは、特定の電力をターゲットに送達すると考えられ得る。単位時間あたりのターゲットに送達されるエネルギーの総量として画定されることが知られている電力は、単位時間あたりの送達される電子のエネルギー及び総数(又はフラックス)によって決定され得る。ターゲットの単位面積(又は単位長さ)あたりの送達電力は、電力密度と呼ばれ得、ターゲットの電子スポット領域の単位面積あたりの平均電力を表すと考えられ得る。本開示の文脈において、「電力密度プロファイル」及び「電力密度分布」という用語は、ターゲットの特定の領域内の電力密度の局所分布を表すために互換的に使用され得る。これらの用語は、ターゲット上の電子スポットの異なる部分が異なる熱負荷にさらされ得るように、電力密度が電子ビームの断面にわたって変化し得るという事実を捉えるために導入される。
既に述べたように、電力密度は、電子スポットの単位面積あたりの印加電力又は単位長さあたりの印加電力を指し得る。特に液体ジェットの場合、制限要因は、熱負荷の観点からすると、単位面積あたりではなく、ジェット進行方向に対して垂直に測定された単位長さあたりの印加電力であり得る。これは、ジェット進行方向におけるターゲット材料の安定した補充のためであり、これは、蓄積された熱負荷を、電子スポットにおける最大、又はピーク、熱負荷より関心の低いものにする。換言すると、液体ジェットの場合、電子ビームの高さは、許容熱負荷を考慮するときに無視され得る。従って、電子ビームの幅又は断面積を調整することは、電力密度プロファイルに影響を及ぼし得る。更に、過熱のリスクを回避又は少なくとも低減するために、ターゲットに送達される電力密度プロファイルの最大値が所望のレベルになるように、電子ビームの総電力を調整することが好ましいであろう。
本発明の概念による方法は、所望の性能が維持されることを保証するために、X線源の存続期間にわたって何度も実行され得る。特に、本方法は、電子源の経時変化(aging effect)を補償するために定期的に実行され得る。いくつかのタイプの電子源は、経時的に変化する電力密度パターンを生成する傾向があることが示されており、従って、本発明の概念は、これらの変化を補償し、X線源及び/又はその構成要素が経年劣化するためX線源の良好な性能を維持するための技術を提供する。
「変位」という用語は、本開示の文脈では、例えば電子ビームの偏向として解釈され得る。
本開示の文脈における「設定すること」という用語は、「調整すること」を備え得、例えば、電力密度を設定するステップは、電力密度を調整するステップを備え得る。換言すると、電力密度(及び/又は電子ビーム幅、電子ビーム電力、等のようなX線源の任意の他の設定)は、X線源が電源オンされたときに既に設定されていてもよく、逆に、X線源が電源オンされたときにその調整が必要とされてもよい。
一実施形態によれば、電子ビームの幅及び総電力は、X線源性能指標が所定の閾値を下回るように調整され得る。X線源性能指標は、ターゲットからの総蒸気発生量、電子ビームによってターゲットに送達される最大電力密度、ターゲットの最高表面温度、及びターゲットの幅に沿った電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値のうちの少なくとも1つに関連付けられ得る。
ターゲットからの総蒸気発生量、電子ビームによってターゲットに送達される最大電力密度、ターゲットの最高表面温度、及びターゲットの幅に沿った電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値は、上記性能指標のうちの1つを決定することによって、それ以外の性能指標のうちのいずれかに関連する情報が推定され得るという意味で、相関し得る。
ターゲットからの総蒸気発生量は、電子ビームがターゲットと相互作用することから得られる結果であり得、例えば、ターゲットにエネルギーを送達する電子ビームがターゲットを加熱させ、これにより、ターゲットの材料を気化させ得る。総蒸気発生量は、X線源に配置された蒸気センサによって監視され、決定され得る。
電子ビームによってターゲットに送達される最大電力密度は、例えば、ターゲットからの蒸気発生量及び/又はターゲットの最高表面温度を表し得る。電子ビームによってターゲットに送達される最大電力密度を所定の閾値未満に保つことによって、例えば、ターゲットからの蒸気発生を制限すること及び/又はターゲットの最高表面温度を制限することが可能であり得る。ターゲットに送達される最大電力密度は、電子ビームの電力密度プロファイルを決定することによって決定され得る。
ターゲットの最高表面温度は、X線源に配置された温度センサによって決定され得る。最高表面温度は、代替的に又は加えて、電力密度プロファイルを決定することによって及びターゲットの材料特性を決定することによって決定され得る。
ターゲットの幅に沿った電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値は、例えば、ターゲットからの蒸気発生量及び/又はターゲットの最高表面温度を表し得る。ターゲットの幅に沿った電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値は、電力密度プロファイルを決定することによって決定され得る。
電力密度プロファイルは、電子ビーム内の位置の関数として電力密度を表し得る。電力密度プロファイルは、電子ビーム内の絶対位置の関数として絶対電力を表し得る。電力密度プロファイルは、好ましくは、電子ビームがターゲットと相互作用する位置における電力密度を表すように決定される。
本発明の概念の目的を達成するためには、電力密度プロファイルを二次元で決定する必要はなく、一次元のみで決定すればよい。ターゲットの幅に平行な線に沿って電力密度プロファイルを決定することによって、本発明の概念の目的が達成され得る。
電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップは、偏向電流をターゲットに対する電子ビームの変位に関連付けるX線源のスケールファクタを決定することと、電子ビームの変位の範囲について電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量を測定することと、その量に基づいて電子ビームの電力密度プロファイルを算出することとを備え得る。
電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップは、偏向電流をターゲットに対する電子ビームの変位に関連付けるX線源のスケールファクタを決定することと、電子ビームの電力密度プロファイルの形状を仮定することと、電子ビームの変位の範囲について電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量を測定することと、算出された電力密度プロファイルの形状が仮定された形状に近づくようにターゲット幅を調整することによって、その量に基づいて電子ビームの電力密度プロファイルを算出することとを備え得る。
電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップは、偏向電流をターゲットに対する電子ビームの変位に関連付けるX線源のスケールファクタを決定することと、電子ビームの変位の範囲について電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量を測定することと、測定された量と、変位の全範囲にわたる測定された量の積分が電子ビーム幅から独立しているという観察とに基づいて、電子ビームの電力密度プロファイルを算出することとを備え得る。
次に、スケールファクタを決定するステップについて説明する。スケールファクタは、偏向電流の関数として電子ビームの変位を表す。スケールファクタは、電子ビームの加速電圧とフォーカス電流の両方に依存する。より高いフォーカス電流、すなわちより集束している電子ビームは、所与の偏向電流について電子ビームのより小さい変位をもたらす。より高い加速電圧、すなわちより高エネルギーでより高速の電子もまた、所与の偏向電流について電子ビームのより小さい変位に寄与する。
スケールファクタを決定するステップは、スケールファクタデータベースからスケールファクタを受け取ること、ターゲット上で電子ビームを変位させ、ターゲット上に発生するX線スポットの移動を測定すること、及び所定のアパーチャ寸法を有するセンサアパーチャ上で電子ビームを変位させることのうちの少なくとも1つを備え得る。対象となるのはターゲット上の電子ビームの変位に対するスケールファクタであるため、ターゲット上で電子ビームを変位させることによってスケールファクタを決定することが好ましいであろう。スケールファクタが、例えば、ターゲットとは異なる平面にあるターゲットの下流に配置されたセンサアパーチャ上で電子ビームを変位させることによって決定される場合、スケールファクタは、ターゲットの平面に変換される必要があり得る。一般に、それぞれX線源の偏向手段から第1及び第2の位置までの距離が異なる場合、第1の位置における電子ビームの変位を観察することによって決定されるスケールファクタは、第2の位置における電子ビームの変位を観察することによって決定されるスケールファクタと等しくないであろう。
スケールファクタデータベースは、X線源の複数の異なるフォーカス電流及び加速電圧に対するスケールファクタに関するスケールファクタデータを備え得る。そのようなスケールファクタデータは、例えば、特定のX線源のための工場セットアップの間にコンパイルされ得る。このようなデータベースは、X線源の使用中に連続的に更新され得る。
ターゲット上に発生するX線スポットの移動は、例えば、X線源からのX線放射を収集するように構成されたピンホールカメラを使用して測定され得る。
スケールファクタは、所定のアパーチャ寸法を有するセンサアパーチャ上で電子ビームを変位させるのに必要な偏向電流を測定することによって取得され得る。
ターゲット幅は、電力密度プロファイルを算出するときに明示的には必要とされない可能性がある。電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量から、いつの電子がターゲットから散乱されるかに関する測定値が取得され得る。この測定は、幅が変更される間、電子の全フラックスが保持されるという条件で、電子ビーム幅から独立しているべきである。100%未満の入射電子が散乱され得るため、ターゲット幅の推定値は、上記測定が、散乱している全ての電子に対応する場合に相当する幅を算出することによって取得され得る。更に、この幅は、電力密度プロファイルの決定を完了するために必要とされない可能性がある。上記測定が電子ビーム幅から独立していることは、電子ビーム幅の変化の下で変わらない積分として数学的に表され得、この数学的エンティティは、電力密度プロファイルを算出するのに十分であり得る。明示的な幅が必要とされない可能性のある実施形態は、電力密度プロファイルの形状が既知であるか、又は事前に既知であると仮定される場合である。算出された電力密度プロファイルが設定された形状に近似し、電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す測定された量を再現することを保証する最適化アルゴリズムが用いられ得る。ターゲット幅は、この最適化プロセス中、自由パラメータであり得る。しかしながら、ターゲット幅は、明示的には算出されない可能性がある。
本方法は、ターゲット幅を決定するステップを更に備え得る。
ターゲット幅を決定するステップは、ターゲット幅データベースからターゲット幅を受け取ること、及び電子ビームの幅を予想ターゲット幅より狭い幅に設定し、電子ビームの変位の範囲についてターゲットと電子ビームとの間の相互作用を示す量を測定し、測定された量に基づいてターゲット幅を算出することのうちの少なくとも1つを備え得る。電子ビーム幅がターゲット幅より小さいという条件で、測定される量は、電子ビームがターゲットによって完全に遮られる位置に又はその位置から変位されるときにゼロになるか又はゼロに近づき得る。電子ビーム幅を更に狭くすることによって、より鋭い推移が得られ得、故に、決定されるターゲット幅の確実性が高められ得る。
ターゲット幅データベースは、ターゲット幅に関するターゲット幅データを備え得る。X線源が液体ターゲットを利用する場合、ターゲット幅は、液体ターゲットを形成するX線源のノズル直径に基づいて推定され得る。そのような推定は、ノズルの摩耗が無視できる程度であれば、X線源の存続期間にわたって有効であり得る。更に、そのようなターゲット幅データは、例えば、X線源で使用される特定のノズルのための特定のX線源の工場セットアップ中、コンパイルされ得る。このようなターゲット幅データは、また、X線源の使用中に連続的に更新され得る。
電子ビームの幅を設定することは、電子ビームの幅及び/又は高さを調整するためのスティグマトールコイルを備える配列を介して達成され得る。スティグメータコイルは、電子ビーム断面の再成形を引き起こすこととなる四重極電磁場を提供し得る。第1の近似では、スティグマトールコイルは、ターゲット上の電子ビーム幅及び電子ビーム高さを、反対符号で同程度の量に変更し得る。故に、集束コイルと組み合わされたスティグマトールコイルは、電子ビームの幅及び高さの独立した設定を提供することができる。例として、50μmの直径を有する円形スポットが、80μmの幅及び20μmの高さを有する楕円形スポットに再成形され得る。再成形の有効範囲は、スティグマトールコイルによって提供される電界強度によって制限される。より大きい範囲を得るためには、より高い電界強度が必要とされる。これは、より大きいコイル及び/又はより高い電流で実現され得る。
液体ターゲットが使用される場合、予想されるターゲット幅は、例えば、ノズル直径及び/又は流量を考慮することによって推定され得る。固体ターゲットが使用される場合、ターゲット幅は、時間が経っても略一定であり得、故に、予想ターゲット幅は、例えば、X線源に固体ターゲットを設置するときに決定され得る。液体ジェットターゲットは、その補充性により、静止ターゲットより有利であり得る。静止ターゲットの場合、熱負荷は、経時的に蓄積される熱エネルギーによって制限され得るが、液体ジェットの場合の熱負荷は、代わりに、電力密度プロファイルの最大値又はピークによって制限され得る。
スケールファクタを決定するステップは、ターゲット上で電子ビームを変位させ、電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量を測定することと、量及びターゲット幅に基づいてスケールファクタを算出することとを備え得る。
電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量は、電子ビームとターゲットとの相互作用によって形成される後方散乱電子及び/又は放出電子を検出すること、及び電子ビームとターゲットとの相互作用によって生じるX線放射を検出することのうちの少なくとも1つに関連し得る。
後方散乱電子は、後方散乱電子を受け取って検出する位置に配置された後方散乱検出器によって検出され得る。後方散乱検出器は、デバイスの幾何学的形状が許す場合には電子ビームの光軸の比較的近くに位置し得、又は走査電子顕微鏡で通常行われているように、後方散乱電子の主経路に沿って光軸から離れて置かれ得る。
同様に、放出電子は、放出電子を受け取って検出する位置に配置された放出電子検出器によって検出され得る。後方散乱電子検出器及び放出電子検出器は、単一の同じ電子検出器であり得る。
X線源は、電子ビームの伝搬方向においてターゲットの下流に配置された電子検出器を備え得、電子ビームとターゲットとの間の相互作用を示す量は、電子ビームの変位の範囲について電子検出器によって収集された電子を検出することに関係し得る。
X線源は、電子ビームの伝搬方向においてターゲットの下流に配置された電子検出器を備え得、ここにおいて、電子検出器は、1つ又はいくつかのセグメントを備え、各セグメントは、セグメントに対応するエリア内の電子を検出するように構成され、電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップは、電子ビームを電子検出器に向けることと、(1つ又は複数の)セグメントから受け取った信号に基づいて電力密度プロファイルを算出することとを備え得る。単一のセグメント、すなわち一次元センサ、の場合には、ターゲットのそばの位置から並びにターゲットの中及び上に電子ビームが走査されるときの信号のコントラストが、単位長さあたりの電力の観点から電力密度プロファイルを提供し得る。
電子スポットが少なくとも1つの方向においてX線スポットより大きくなる(exceed)ように電子ビームの幅及び総電力を設定するステップは、電子ビームの上記幅がX線スポットの幅より大きくなるように電子ビームの幅を設定することを備え得、電子ビームの幅は、ターゲット幅に対して略平行である。
電子スポットが少なくとも1つの方向においてX線スポットより大きくなるように電子ビームの幅及び総電力を設定するステップは、電子ビームの幅が電子ビームの高さより大きくなるように電子ビームの幅を設定することを備え得、この高さは、電子ビームの幅に対して略垂直である。電子ビームの高さは、電子ビームの幅の少なくとも4分の1の大きさに設定され得る。
ターゲットは、液体ターゲットであり得る。ターゲットは、液体金属ジェットであり得る。
第2の態様によれば、X線源が提供される。X線源は、ターゲットを形成する液体ジェットを提供するように構成されたターゲットジェネレータと、ターゲット上に電子スポットを形成し、このターゲットと相互作用してターゲット上のX線スポットからX線放射を発生させる電子ビームを提供するように構成された電子源とを備え得る。更に、X線源は、コントローラと、X線スポットを画定する視野を有する少なくとも1つのX線光学素子又はX線光学システムと、電子ビームと相互作用する電子光学システムとを備え得、コントローラは、電子ビームの電力密度プロファイルを決定するために電子光学システム及び電子源を動作させ、電子スポット内の電力密度の最大値が所定の限界を下回るようにかつX線スポットにおいてターゲットに送達される総電力が増加するように、電子ビームの幅及び総電力を調整するように構成される。
第1の態様に関連して説明した特徴が別の態様にも組み込まれ得、この特徴の利点が、それが組み込まれる全ての態様に適用可能であることは認識されるであろう。
本発明の概念の態様によれば、X線源を制御するための方法が提供され、X線源は、ターゲット上のX線スポットから、電子ビームとターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成され、方法は、ターゲット幅を有するターゲットを提供することと、ターゲット上に電子スポットを形成し、このターゲットと相互作用して相互作用領域内にX線放射を発生させるように構成された電子ビームを提供することと、電子ビームの電力密度プロファイルを決定することと、電子ビームとターゲットとの間の相互作用からの総蒸気発生量、ターゲット表面上の電子ビームの単位面積あたりの印加電力の最大値、ターゲットの表面温度、及びターゲット幅に沿った電子ビームの単位長さあたりの印加電力のうちの少なくとも1つを制限しつつ、発生するX線放射の量を増加させるように、電子ビームの電力密度プロファイルを設定及び/又は調整することとを備える。
本発明の概念の更なる態様では、X線源を制御するための方法が提供され、X線源は、ターゲット上のX線スポットから、電子ビームとターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成され、方法は、ターゲット幅を有するターゲットを提供するステップと、ターゲット上に電子スポットを形成し、このターゲットと相互作用して相互作用領域内にX線放射を発生させるように構成された電子ビームを提供するステップと、電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップと、電子スポットが少なくとも1つの方向においてX線スポットより大きくなるように電子ビームの幅及び総電力を設定するステップと、電子スポット内の電力密度の最大値が所定の限界にあるように電子ビームの総電力を設定するステップとを備える。
電子スポットが少なくとも1つの方向においてX線スポットより大きくなるように電子ビームの幅を設定することは、電子スポット領域がX線スポットより大きくなるように電子ビームの幅を設定することを備え得る。
電力密度の最大値の「所定の限界」は、ターゲットのターゲット表面温度に基づき、及び/又は、ターゲット表面温度に正比例し得る。例えば、限界は、ターゲットを気化させることなくターゲットに送達されることができる最大電力であり得る。別の定義では、所定の限界は、ターゲットの表面温度を、液体ターゲットの場合にはターゲット材料の気化温度未満に、又は固体ターゲットの場合にはターゲット材料の融点未満に保ちつつ、電子スポットに送達することが可能な電力密度の最大値である。
ターゲットに送達される電力密度の最大値は、好ましくは、所定の限界に等しい又は近いが、それを超えないように設定される。この文脈における「近い(close to)」という用語は、電力密度の最大値が、例えば、所定の限界の少なくとも75%、例えば、所定の限界の少なくとも90%、例えば、所定の限界の少なくとも95%、例えば、所定の限界の少なくとも99%であることを備え得る。
本発明の概念の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲、並びに図面から明らかになるであろう。
一般に、特許請求の範囲で使用される全ての用語は、本明細書において別段に明示的に定義されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。更に、本明細書における「第1の」、「第2の」、及び「第3の」、等の用語の使用は、いかなる順序、量、又は重要性も示すものではなく、ある要素を別の要素と区別するために使用される。「a/an/the[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、等]」への全ての言及は、別段に明示的に述べられていない限り、上記要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、等のうちの少なくとも1つの事例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書に開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
本発明の概念、特に本発明の概念による方法は、コンピュータ実行可能な命令を記憶するコンピュータ読取可能な媒体を含むコンピュータプログラム製品の形態で分散され、使用されるコンピュータ実行可能命令として具現化され得る。例として、コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を備え得る。当業者にはよく知られているように、コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読取可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装される揮発性と不揮発性の両方の取外し可能な及び取外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイスを含むが、これらに限定されない。更に、通信媒体が、典型的に、コンピュータ読取可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを、搬送波のような変調データ信号又は他のトランスポートメカニズムで具現化し、任意の情報伝達媒体を含むことは当業者に知られている。
本発明の概念の上記の並びに追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の概念の異なる実施形態の以下の実例となる非限定的な詳細な説明を通してよりよく理解されるであろう。
本発明の概念による方法を利用し得るX線源の例を概略的に例示する。 電力密度及びターゲット上の様々な領域を例示する。 電力密度及びターゲット上の様々な領域を例示する。 本発明の概念によるターゲットの断面図を例示する。 本発明の概念による方法を利用し得るX線源の例を概略的に例示する。 様々な電力密度プロファイルと、それらが電子ビームの幅及び総電力によってどのように影響を受けるかを概略的に例示する。 X線源を制御するための方法をブロック図で例示する。
詳細な説明
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、一般に、本発明の概念を説明するために必要な部分のみを示し、他の部分は省略され得るか、又は単に示唆され得る。
本発明の概念による方法を利用し得るX線源100の例を、図1を参照して説明する。例示されるX線源100は、電子ビームのターゲットとして液体ジェット110を利用する。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、固体ターゲットのような他のタイプのターゲットも、本発明の概念の範囲内で同様に可能である。更に、X線源100の開示される特徴のうちのいくつかは、例として含まれているにすぎず、X線源100の動作に必要とは限らないであろう。
図1に示されるように、低圧チャンバ、又は真空チャンバ102は、エンクロージャ104と、低圧チャンバ102を周囲大気から分離するX線透過窓106とによって画定され得る。X線源100は、流れ軸Fに沿って移動する液体ジェット110を形成するように構成された液体ジェットジェネレータ108を備える。液体ジェットジェネレータ108は、交差領域112に向かって及びそれを通って伝搬する液体ジェット110を形成するために、例えば液体金属のような液体が噴射され得るノズルを備え得る。液体ジェット110は、交差領域112を通って、流れ方向に対して液体ジェットジェネレータ108の下に配置された収集機構113に向かって伝搬する。X線源100は、交差領域112に向けられた電子ビーム116を提供するように構成された電子源114を更に備える。電子源114は、電子ビーム116を発生させるためのカソードを備え得る。交差領域112において、電子ビーム116は、液体ジェット110と相互作用してX線放射118を発生させ、このX線放射は、X線透過窓106を介してX線源100から伝送される。X線放射118は、本明細書では、電子ビーム116の方向に対して略垂直にX線源100から外に向けられる。
液体ジェットを形成する液体は、収集機構113によって収集され、その後、ポンプ120によって再循環経路122を介して液体ジェットジェネレータ108に再循環され、そこにおいて、液体は、液体ジェット110を連続的に発生させるために再使用され得る。
更に図1を参照して、X線源100は、本明細書では、液体ジェット110を通過する電子ビーム116の少なくとも一部を受け取るように構成された電子検出器128を備える。電子検出器128は、本明細書では、電子源114から見て交差領域112の後方に配置されている。電子検出器128の形状が本明細書では概略的にのみ例示されていること及び他の形状の電子検出器128が本発明の概念の範囲内で可能であり得ることは理解されるべきである。
次に図2aを参照すると、電力密度分布及びターゲット上の様々な領域が例示されている。これらの図が必ずしも一定の縮尺で描かれていないこと、及び、例示されている特徴の形状は、限定ではなく、可能な形状の例にすぎないことは留意されるべきである。
電子スポット230a及びX線スポット232aが例示されているターゲット210aの一部が示される。この特定の例における電子スポット230aとX線スポット232aとは重なっていることに留意されたい。ターゲット210aの下のグラフは、ターゲット210a上に示される線A-Aに沿った電力密度分布の特性を例示する。
図2aのターゲット210aの下には、電子ビームの電力密度プロファイル236aを例示するグラフが示されている。本開示で定義されるように、電子スポット230aは、半値全幅Imaxに対応する。また、斜線エリア234aによって例示されるように、いくつかの電子は、X線放射の発生に寄与せず、いくつかの点で、不用とみなされ得る。グラフ236aの下のエリア234aは、X線放射の発生に寄与しない電子の電力を反映している。
図2aの下部には、X線スポット232a内でターゲット210aと相互作用する電子の電力密度分布を例示するグラフが示されている。ターゲット210a内で発生する有用なX線放射の量は、X線スポット232a内でターゲットに衝突する電子ビーム電流に比例し得るため、グラフ238aの下のエリア240aは、X線スポット232a内で発生する有用なX線放射の量を反映し得る。X線スポット232aの縁部では、電力密度IがImaxの半分に等しいことに留意されたい。
次に図2bを参照すると、電力密度プロファイル及びターゲット上の様々な領域が例示されている。これらの図が必ずしも一定の縮尺で描かれていないこと、及び、例示されている特徴の形状は、限定ではなく、可能な形状の例にすぎないことは留意されるべきである。
電子スポット230b及びX線スポット232bが例示されているターゲット210bの一部が示される。電子スポット230bがX線スポット232bより大きいことに留意されたい。特に、電子スポット230bの幅233bは、X線スポット232bの幅231bより広い。更に、本明細書では、電子スポット230bの幅233bは、電子スポット230bの高さ237bより広い。ターゲット210bの下のグラフは、ターゲット210b上に示される線A-Aに沿った電力密度プロファイルの特性を例示する。
図2bのターゲット210bの下には、電子ビームの電力密度プロファイル236bを例示するグラフが示されている。本開示で定義されるように、電子スポット230bは、半値全幅Imaxに対応する。電力密度プロファイル236bに関する電子ビームの総電力が、図2aに例示される電力密度プロファイル236aに関する電子ビームの総電力と比較してより高いことが強調される。より高い総電力は、例えば、電子源に印加される電流を増加させることによって達成され得る。
また、斜線エリア234bによって例示されるように、いくつかの電子は、X線放射の発生に寄与するが、X線スポット232bではX線放射を発生させず、いくつかの点で、不用とみなされ得る。特に、エリア234bは、ターゲット210bと相互作用してX線スポット232bの外側でX線放射を発生させる電子の電力を反映する。そのようなX線放射は、例えばイメージング又は回折アプリケーションのようなアプリケーションで利用されるために、X線源によって放出されることはないであろう。
エリア239bは、X線放射の発生に寄与しない電子の電力を反映している。更に、エリア235bは、ターゲット210bと相互作用するのではなく、例えばターゲット210bの両脇を通り過ぎる電子の電力を反映している。換言すると、エリア235bは、ターゲット210bと相互作用してX線放射を発生させない電子の電力を反映している。エリア234b、235b、及び239bの合計は、X線スポット232bにおけるX線放射の発生に寄与しない電子の電力を反映している。
エリア234b、235b、及び239bの合計は、図2aのエリア234aより大きいことに留意されたい。換言すると、電子スポット230bがX線スポット232bより大きくなるように電子ビームの幅を設定することによって、X線スポット232bにおけるX線放射の発生に寄与しない電子の電力が増加するという意味で、より多くの電力が不用とみなされ得る。
図2bの下部には、X線スポット232b内でターゲット210bと相互作用する電子の電力密度分布を例示するグラフが示されている。ターゲット210b内で発生する有用なX線放射の量は、X線スポット232b内でターゲットに衝突する電子ビーム電流に比例し得るため、グラフ238bの下のエリア240bは、X線スポット232b内で発生する有用なX線放射の量を反映し得る。X線スポット232bの縁部では、電力密度IがImaxの半分より大きいことに留意されたい。特に、X線スポット232bで発生する有用なX線放射の量を反映するエリア240bは、X線スポット232aで発生する有用なX線放射の量を反映している図2aのエリア240aより大きいことに留意されたい。従って、電子スポット230bがX線スポット232bより大きくなるように電子ビームの幅を設定することによって、電子スポットがX線スポット以下になるように電子ビームの幅を設定することと比較して、より多くの有用なX線放射がX線スポット232bにおいて発生し得る。
図2a及び図2bの最大電力密度Imaxは、電力密度の所定の限界を表し得る。換言すると、最大電力密度Imaxは、液体アノードの場合にはターゲットを気化させ、固体アノードの場合には溶融させるレベルを下回る電力密度レベルに対応し得る。最大電力密度Imaxはまた、液体ターゲットの場合にはターゲット材料の気化温度を下回る表面温度を又は固体ターゲットの場合にはターゲット材料の融点を下回る表面温度をターゲットに仮定させるレベルに対応し得る。電力密度プロファイルの最大電力密度Imaxが所定の限界にない場合には、最大電力密度を所定の限界に設定するために、電子ビームの電力が調整、すなわち増加又は減少され得る。
図2cは、ターゲット材料の伝搬方向に対して直角の液体ターゲット210の断面図である。電子スポット233の幅が、この例では、ターゲットに衝突する電子ビーム166の幅によって画定されるのに対して、X線スポット231の幅は、この例ではピンホール構成を形成する2つのアパーチャ250によって例示されるX線光学構成要素とターゲットとの相対的な向きによって画定される。しかしながら、例えば集束ミラーを備える他の構成要素及びX線光学システムも考えられる。本例では、X線スポットのサイズは、X線放射118が放出される方向、故にターゲットの幾何学的形状によって、及び発生したX線放射118を収集するために使用されるアパーチャ250によって画定される視野によって画定される。本開示の文脈で使用される定義によれば、視野の外側にあるX線放射118は、X線スポットから生じたものと見なされない。電子スポット233は、電子ビーム166の幅及び/又はターゲット210のサイズ及び向きによって画定され得ることは認識されるであろう。電子ビーム166がターゲット210より幅広である場合、電子スポット233は、ターゲット210の幅に対応する幅を有し得る。本例に示すように、電子ビーム166がターゲット210より狭い場合、電子スポット233のサイズは、その半値全幅(FWHM)のような電子ビーム166の幅によって決定され得る。
次に、図3を参照して、本発明の概念による方法を利用し得るX線源300の例を説明する。例示されるX線源300は、電子ビームのターゲットとして液体ジェット310を利用する。しかしながら、当業者によって容易に認識されるように、固体ターゲットのような他のタイプのターゲットも、本発明の概念の範囲内で同様に可能である。更に、X線源300の開示される特徴のうちのいくつかは、例として含まれているにすぎず、X線源300の動作に必要とは限らないであろう。
X線源300は、一般に、電子源314、346と、電子ターゲットとして機能する液体ジェット310を形成するように構成された液体ジェットジェネレータ308とを備える。X線源300の構成要素は、図面に示されるようにハウジング342の外側に位置して良い電源144及びコントローラ347といった例外を除いて、気密ハウジング342内に位置している。電磁相互作用によって機能する様々な電子光学構成要素も、ハウジング342が電磁場をかなりの程度まで遮蔽しない場合、ハウジング342の外側に位置し得る。従って、このような電子光学構成要素は、ハウジング342が低透磁率の材料、例えばオーステナイト系ステンレス鋼で作られている場合、真空領域の外側に位置し得る。電子源は、一般に、電源144によって電力供給されるカソード314を備え、電子エミッタ346、例えば、熱電子、熱電界、又は冷電界荷電粒子源を含む。
典型的には、電子エネルギーは、約5keV~約500keVの範囲であり得る。電子源からの電子ビームは、加速アパーチャ348に向かって加速され、その点で、整列板350の配列、レンズ352、及び偏向板354の配列を備える電子光学システムに入る。整列板350、レンズ352、及び偏向板354の可変特性は、コントローラ347が提供する信号によって制御可能である。例示される例では、偏向板350及び整列板354は、電子ビームを少なくとも2つの横方向に加速するように動作可能である。最初の較正の後、整列板350は、典型的には、X線源300の作業サイクルを通して一定の設定に保たれ、一方、偏向板354は、X線源300の使用中に電子スポット位置を動的に走査又は調整するために使用される。レンズ352の制御可能な特性は、それぞれの集束力(焦点距離)を含む。図面は、整列手段、集束手段、及び偏向手段が静電型であることを示唆するようにそれらを象徴的に描写しているが、本発明は、電磁機器、又は静電電子光学構成要素と電磁電子光学構成要素との混合を使用することによって、等しく良好に具現化されることができる。X線源は、非円形形状の電子スポットが達成されることを提供し得るスティグマトールコイル353を備え得る。
電子光学システムの下流で、出射電子ビームIは、交差領域312において液体ジェット310と交差する。これは、X線生成が行われ得る場所である。X線放射は、電子ビームと一致しない方向にハウジング342から引き出され得る。交差領域312を超えて続いている電子ビームIの任意の部分は、電子検出器328に到達し得る。例示される例では、電子検出器328は、電流計356を介してアースに接続された単なる伝導板であり、この電流計356は、交差領域312の下流で電子ビームIによって運ばれる全電流の近似測定値を提供する。図が示すように、電子検出器328は、交差領域312から距離Dだけ離れて位置しており、従って、X線源300の通常の動作に干渉しない。電子検出器328とハウジング342との間には、電子検出器328とハウジング342との間の電位差が許容され得るように、電気絶縁が存在する。電子検出器328は、ハウジング342の内壁から突出するように示されているが、電子検出器328が、ハウジングの壁と同じ高さにも取り付けられ得ることは理解されるべきである。電子検出器は、アパーチャの内側に衝突する電子が電子検出器によって登録され得るのに対して、アパーチャの外側に衝突する電子は検出されないように構成されたアパーチャを更に装備し得る。
ハウジング342の下部、ハウジング342からガス分子を排気するための真空ポンプ又は同様の手段、液体ジェットを収集し再循環させるためのレセプタクル及びポンプは、この図面には示されていない。コントローラ347が、電流計356からの実際の信号へのアクセスを有することも理解される。
次に図4を参照すると、電子ビームの様々な電力密度プロファイルが示されており、電子ビームの幅及び/又は総電力を調整することの効果が概略的に示されている。
各電力密度プロファイルI~VIにおいて、垂直軸は、単位長さあたりの電力を表し、水平軸は、電子ビームの任意の線に沿った場所を表す。
電力密度プロファイルI~VIは、相対座標系で配置され、ここにおいて、水平軸に沿った正又は負の移動は、それぞれ、電子ビーム幅の増加又は減少に対応し、垂直軸に沿った正又は負の移動は、それぞれ、電子ビームの総電力の増加又は減少に対応する。
電力密度プロファイルI、II、及びIIIは、等しい電子ビーム幅を有する電子ビームを表す。しかしながら、電力密度プロファイルI、II、及びIIIの各々に関連する電子ビームの各々の総電力は、IからII、IIからIIIへと増加する。従って、最大電力密度及び/又は単位長さあたりの送達電力の最大値は、図面の垂直軸に沿って電力密度プロファイルIからIIIに移動するにつれて増加する。
電力密度プロファイルI、IV、及びVは、等しい総電力を有する電子ビームを表す。しかしながら、電力密度プロファイルI、IV、及びVの各々に関連する電子ビームの各々の幅は、IからIV、IVからVへと増加する。従って、最大電力密度及び/又は単位長さあたりの送達電力の最大値は、図面の水平軸に沿って電力密度プロファイルIからVへと減少する。更に、スポットサイズ、すなわち電力密度プロファイルの半値全幅は、図面の水軸に沿って電力密度プロファイルIからVへと増大する。
電力密度プロファイルVIは、電力密度プロファイルIに関連する電子ビームと比較して増加した幅及び総電力を有する電子ビームを表す。見て分かるように、電力密度プロファイルVIの最大電力密度、及び/又は電力密度プロファイルVIの単位長さあたりの送達電力の最大値は、電力密度プロファイルIと比較して変化していない。しかしながら、電力密度プロファイルVIの幅は増加する。
次に、図5を参照して、本発明の概念によるX線源を制御する方法を説明する。明確さ及び簡略さのために、本方法は、「ステップ」に関して説明される。ステップが、必ずしも、時間的に区切られるか又は互いに分離したプロセスである必要はなく、1つより多くの「ステップ」が同時に並行して実行され得ることは強調される。
ターゲット上のX線スポットから、電子ビームとターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成されたX線源を制御する方法は、ターゲットを提供するステップ558と、ターゲットと相互作用して相互作用領域内にX線放射を発生させるように構成された電子ビームを提供するステップ560と、電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップ562と、電子スポットが少なくとも1つの方向においてX線スポットより大きくなるように電子ビームの幅及び総電力を設定するステップ564と、ターゲット内の最大電力密度が所定の限界にあるように電子ビームの総電力を設定するステップ566とを備える。
当業者は、上で説明した例となる実施形態に決して限定されない。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及び変形が可能である。特に、1つより多くのターゲット又は1つより多くの電子ビームを備えるX線源及びシステムは、本発明の概念の範囲内であると考えられる。更に、本明細書で説明したタイプのX線源は、医療診断、非破壊試験、リソグラフィ、結晶解析、顕微鏡法、材質科学、顕微鏡法表面物理学、X線回折による蛋白質構造決定、X線光分光法(XPS)、臨界寸法小角X線散乱(CD-SAXS)、及び蛍光X線(XRF)によって例示されるがこれらに限定されない特定の用途に合わせて調整されたX線光学及び/又は検出器と有利に組み合わせられ得る。追加的に、開示された例に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
[参照符号のリスト]
100 X線源
102 真空チャンバ
104 エンクロージャ
106 X線透過窓
108 液体ジェットジェネレータ
110 液体ジェット
112 交差領域
113 収集機構
114 電子源
116 電子ビーム
118 X線放射
120 ポンプ
122 再循環経路
128 電子検出器
144 電源
210a,b ターゲット
230a,b 電子スポット
231b X線スポットの幅
232a,b X線スポット
233b 電子スポットの幅
234a,b エリア
235b エリア
236a,b 電力密度プロファイル
237b 電子スポットの高さ
238a,b 電力密度プロファイル
239b エリア
240a,b エリア
250 X線光学システム
300 X線源
308 液体ジェットジェネレータ
310 液体ターゲット
312 交差領域
314 カソード
328 電子検出器
342 ハウジング
346 電子エミッタ
347 コントローラ
350 整列板
352 レンズ
353 スティグマトールコイル
354 偏向板
356 電流計
558 ターゲットを提供するステップ
560 電子ビームを提供するステップ
562 電力密度プロファイルを決定するステップ
564 電子ビームの幅及び総電力を設定するステップ
566 電子ビームの総電力を設定するステップ
I 電力密度プロファイル
II 電力密度プロファイル
III 電力密度プロファイル
IV 電力密度プロファイル
V 電力密度プロファイル
VI 電力密度プロファイル
F フロー軸
D 距離
電子ビーム
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項をそのまま付記しておく。
[請求項1]
ターゲット上のX線スポットから、電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成されたX線源を制御するための方法であって、前記X線スポットは、前記X線源のX線光学システムの視野によって決定され、前記方法は、
前記ターゲットを形成する液体ジェットを提供するステップと、
前記ターゲット上に電子スポットを形成し、前記ターゲットと相互作用してX線放射を発生させるように構成された前記電子ビームを提供するステップと、
前記電子ビームの電力密度プロファイルを決定するステップと、
前記電子スポットにおける前記電力密度プロファイルの最大値が所定の限界を下回るように、そして前記X線スポットにおいて前記ターゲットに送達される総電力が増加するように、前記電子ビームの幅及び総電力を調整するステップと
を備える方法。
[請求項2]
前記電子ビームの前記幅及び総電力は、X線源性能指標が所定の閾値を下回るように更に調整される、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
前記X線源性能指標は、
前記ターゲットからの総蒸気発生量、
前記電子ビームによる前記ターゲットへの単位面積あたりの送達電力の最大値、
前記ターゲットの最高表面温度、及び
前記ターゲットの幅に沿った前記電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値
のうちの少なくとも1つに関連付けられる、請求項2に記載の方法。
[請求項4]
前記電子ビームの前記電力密度プロファイルを決定する前記ステップは、
偏向電流を前記ターゲットに対する前記電子ビームの変位に関連付ける前記X線源のスケールファクタを決定することと、
前記電子ビームの変位の範囲について前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す量を測定することと、
前記量に基づいて前記電子ビームの前記電力密度プロファイルを算出することと
を備える、請求項1に記載の方法。
[請求項5]
前記スケールファクタを決定する前記ステップは、
スケールファクタデータベースから前記スケールファクタを受け取ること、
前記ターゲット上で前記電子ビームを変位させ、前記ターゲット上に発生するX線スポットの移動を測定すること、及び
所定のアパーチャ寸法を有するセンサアパーチャ上で前記電子ビームを変位させること
のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の方法。
[請求項6]
ターゲット幅を決定することを更に備える、請求項4又は5に記載の方法。
[請求項7]
前記ターゲット幅を決定する前記ステップは、
ターゲット幅データベースから前記ターゲット幅を受け取ること、及び
前記電子ビームの前記幅を予想ターゲット幅より狭い幅に設定し、前記電子ビームの変位の範囲について前記ターゲットと前記電子ビームとの間の前記相互作用を示す前記量を測定し、前記測定された量に基づいて前記ターゲット幅を算出すること
のうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載の方法。
[請求項8]
前記スケールファクタを決定する前記ステップは、前記ターゲット上で前記電子ビームを変位させ、前記電子ビームと前記ターゲットとの間の前記相互作用を示す前記量を測定することと、前記量及び前記ターゲット幅に基づいて前記スケールファクタを算出することとを備える、請求項6又は7に記載の方法。
[請求項9]
前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、前記電子ビームと前記ターゲットとの前記相互作用によって形成される後方散乱電子及び/又は放出電子を検出することに関係する、請求項4乃至8のうちのいずれか一項に記載の方法。
[請求項10]
前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、前記電子ビームと前記ターゲットとの前記相互作用によって生じるX線放射を検出することに関係する、請求項4乃至9のうちのいずれか一項に記載の方法。
[請求項11]
前記X線源は、前記電子ビームの伝搬方向において前記ターゲットの下流に配置された電子検出器を備え、前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、
前記電子ビームの変位の前記範囲について前記電子検出器によって収集された電子を検出することに関係する、請求項4乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法。
[請求項12]
前記X線源は、前記電子ビームの伝搬方向において前記ターゲットの下流に配置された電子検出器を備え、前記電子検出器は、複数のセグメントを備え、各セグメントが、前記セグメントに対応するエリア内の電子を検出するように構成され、
前記電子ビームの前記電力密度プロファイルを決定する前記ステップは、
前記電子ビームを前記電子検出器に向けることと、
前記複数のセグメントか受け取った信号に基づいて前記電力密度プロファイルを算出することと、を備える、請求項3に記載の方法。
[請求項13]
ターゲットを形成する液体ジェットを提供するように構成されたターゲットジェネレータと、
前記ターゲット上に電子スポットを形成し、前記ターゲットと相互作用して前記ターゲット上のX線スポットからX線放射を発生させる電子ビームを提供するように構成された電子源と、
コントローラと、
前記X線スポットを画定する視野を有するX線光学システムと、
前記電子ビームと相互作用する電子光学システムと、を備えるX線源であって、
前記コントローラは、前記電子ビームの電力密度プロファイルを決定するために前記電子光学システム及び前記電子源を動作させるように構成されるとともに、前記電子スポットにおける前記電力密度プロファイルの最大値が所定の限界を下回るべく、そして前記X線スポットにおいて前記ターゲットに送達される総電力が増加するべく、前記電子ビームの幅及び総電力を調整するように構成されている、X線源。

Claims (11)

  1. ターゲット上のX線スポットから、電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用によって生じるX線放射を放出するように構成されたX線源を制御するための方法であって、前記X線スポットは、前記X線源のX線光学システムの視野によって決定され、前記方法は、
    前記ターゲットを形成する液体ジェットを提供するステップと、
    フォーカス電流によって前記ターゲット上に集束された電子スポットを形成し、前記ターゲットと相互作用してX線放射を発生させるように構成され、加速電圧によって加速された前記電子ビームを提供するステップと、
    偏向電流を前記ターゲットに対する前記電子ビームの変位に関連付ける前記加速電圧及び前記フォーカス電流のためのスケールファクタを決定するステップと、
    前記電子ビームの変位の範囲について前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す量を測定するステップと、
    前記量に基づいて前記電子ビームの電力密度プロファイルを算出するステップと、
    前記電子スポットにおいてこのように得られた前記電力密度プロファイルの最大値が所定の限界を下回るように、そして前記X線スポットにおいて前記ターゲットに送達される総電力が増加するように、前記電子ビームの幅及び総電力を調整するステップと
    を備える方法。
  2. 前記電子ビームの前記幅及び総電力は、X線源性能指標が所定の閾値を下回るように更に調整される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記X線源性能指標は、
    前記ターゲットからの総蒸気発生量、
    前記電子ビームによる前記ターゲットへの単位面積あたりの送達電力の最大値、
    前記ターゲットの最高表面温度、及び
    前記ターゲットの幅に沿った前記電子ビームによる単位長さあたりの送達電力の最大値
    のうちの少なくとも1つに関連付けられる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記スケールファクタを決定する前記ステップは、
    スケールファクタデータベースから前記スケールファクタを受け取ること、
    前記ターゲット上で前記電子ビームを変位させ、前記ターゲット上に発生するX線スポットの移動を測定すること、及び
    所定のアパーチャ寸法を有するセンサアパーチャ上で前記電子ビームを変位させること
    のうちの少なくとも1つを備える、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
  5. ターゲット幅を決定することを更に備える、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ターゲット幅を決定する前記ステップは、
    ターゲット幅データベースから前記ターゲット幅を受け取ること、及び
    前記電子ビームの前記幅を予想ターゲット幅より狭い幅に設定し、前記電子ビームの変位の範囲について前記ターゲットと前記電子ビームとの間の前記相互作用を示す前記量を測定し、前記測定された量に基づいて前記ターゲット幅を算出すること
    のうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載の方法。
  7. 前記スケールファクタを決定する前記ステップは、前記ターゲット上で前記電子ビームを変位させ、前記電子ビームと前記ターゲットとの間の前記相互作用を示す前記量を測定することと、前記量及び前記ターゲット幅に基づいて前記スケールファクタを算出することとを備える、請求項又はに記載の方法。
  8. 前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、前記電子ビームと前記ターゲットとの前記相互作用によって形成される後方散乱電子及び/又は放出電子を検出することに関係する、請求項乃至のうちのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、前記電子ビームと前記ターゲットとの前記相互作用によって生じるX線放射を検出することに関係する、請求項乃至のうちのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記X線源は、前記電子ビームの伝搬方向において前記ターゲットの下流に配置された電子検出器を備え、前記電子ビームと前記ターゲットとの間の相互作用を示す前記量は、
    前記電子ビームの変位の前記範囲について前記電子検出器によって収集された電子を検出することに関係する、請求項乃至のうちのいずれか一項に記載の方法。
  11. ターゲットを形成する液体ジェットを提供するように構成されたターゲットジェネレータと、
    前記ターゲット上に電子スポットを形成し、前記ターゲットと相互作用して前記ターゲット上のX線スポットからX線放射を発生させる電子ビームを提供するように構成された電子源と、
    前記電子ビームを加速するための加速電圧を提供するように構成された加速アパーチャと、
    フォーカス電流を適用することによって前記電子ビームを集束するように構成された集束コイルと、
    コントローラと、
    前記X線スポットを画定する視野を有するX線光学システムと、
    前記電子ビームと相互作用する電子光学システムと、を備えるX線源であって、
    前記コントローラは、偏向電流を前記ターゲットに対する前記電子ビームの変位に関連付ける前記加速電圧及び前記フォーカス電流のためのスケールファクタを決定するように構成され、さらに、前記電子ビームの電力密度プロファイルを決定するために前記電子光学システム及び前記電子源を動作させるように構成されるとともに、前記電子スポットにおいてこのように得られた前記電力密度プロファイルの最大値が所定の限界を下回るべく、そして前記X線スポットにおいて前記ターゲットに送達される総電力が増加するべく、前記電子ビームの幅及び総電力を調整するように構成されている、X線源。
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