JP7279514B2 - 媒体読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、媒体読取装置に関する。
現在、機械読取式のパスポート(「旅券」とも呼ばれる)が一般的に使用されている。機械読取式のパスポートには、名義人の情報が文字コードとして記載されている。この機械読取式のパスポートの仕様(文字コードを記載する場所などを含む)は、国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)によって規定されている。
また、IC(Integrated Circuit)チップが格納されたパスポート(「ICパスポート」とも呼ばれる)の普及が進められている。ICチップには、名義人の国籍、氏名、生年月日などの身分事項および顔画像が格納されている。ICチップは、シート状の筐体内にアンテナとともに収容されている。
従来、パスポートから光学技術を用いて文字コードを読み取る読取装置が開発されている(特許文献1参照)。また、文字コードの読み取りに加えて、非接触通信技術を用いてICチップに格納される情報を取得する読取装置が開発されている(特許文献2参照)。
特開2010-251930号公報 特開2013-084129号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載される読取装置では、パスポートを載置する載置面(読取面)の保護についての検討がされていなかった。そのため、読取装置の利用者が手荷物(例えば、鞄や飲料缶等)を載置面上に不用意に置いた場合に、載置面が傷付いてしまうという問題があった。載置面が傷付くことによって読取不良が発生するので、載置面には物が置かれないことが望ましい。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、物が置かれることにより発生する不具合を防ぐことができる媒体読取装置を提供するものである。
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る媒体読取装置は、媒体のコード領域から文字コードを読み取るための読取領域を含み、前記媒体が載置される載置面を有する載置部と、前記載置面上で前記媒体を位置決めするために当該媒体が突き当てられる突当部と、前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域を介して前記文字コード光学的に読み取る光学読取部と、前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域以外の領域を介して前記媒体に格納される情報を非接触通信により読み取る非接触読取部と、前記載置面と所定の間隔を空けて対向して設けられた庇部と、を備え、前記庇部と前記載置面との間に開口が形成され、前記読取領域および前記突当部は、前記庇部の先端位置よりも前記開口と反対側に存在し、前記突当部は、前記読取領域の奥側に配置され、前記庇部は、前記載置部における前記読取領域の上方を覆い、前記読取領域以外の範囲は覆わず、また、先端部分の下部が前記開口と反対側に向かって傾斜している先端傾斜部を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、物が置かれることにより発生する不具合を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る媒体読取装置の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る媒体読取装置の正面図である。 本発明の実施形態に係る媒体読取装置の平面図である。庇部は一部を破断させて示している。 図3のIV-IVに対応する縦断面図である。 本発明の実施形態に係る媒体読取装置へのパスポートの載置を説明するためのイメージ図である。 庇部の設計方法を説明するための図である。媒体読取装置は右側壁を省略した状態で示している。 変形例に係る媒体読取装置の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
<実施形態に係る媒体読取装置の構成>
図1ないし図6を参照して、実施形態に係る媒体読取装置1の構成について説明する。媒体読取装置1の説明における「上下」、「左右」、「前後」は、図1の矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上定めるものであり、本発明を限定するものではない。前方は、媒体読取装置1の利用者が位置する場所である(図6参照)。
図1に示す媒体読取装置1は、媒体から情報を読み取る装置である。媒体は、読み取る対象として何かしらの情報を有するものであればよく、例えば、身分を証明するもの(パスポート、免許証、マイナンバーカード、障害者手帳など)であってよい。媒体の形状は特に限定されず、例えば冊子状、シート状、カード状などの形状を呈するものであってよい。なお、媒体は、帳票であってもよい。本実施形態では、媒体として特にパスポート9(図5参照)を想定する。
図5に示すように、パスポート9は、複数の用紙が中央で綴じられた構成(冊子状)である。パスポート9は、名義人の情報を示す文字コードが記載されたコード領域9aを有している。媒体読取装置1は、コード領域9aから当該文字コードを読み取り、読み取った文字コードから名義人の情報を取得する。コード領域9aは、特定の用紙(例えば、顔写真が貼られたページ)の綴じられていない側の長辺に沿って配置されている。また、パスポート9は、ICチップ9bが格納された用紙を有する。ICチップ9bは、例えば、シート状の筐体内にアンテナとともに収容されている。ICチップ9bには、例えば、名義人の国籍、氏名、生年月日などの身分事項および顔画像が格納されている。ICチップ9bは、コード領域9aが配置された用紙に格納されていてもよいし、それ以外の用紙に格納されていてもよい。
媒体読取装置1は、パスポート9の所有者の身分を認証する様々な場面で使用することができ、例えば、所有者が自ら媒体読取装置1にパスポート9を載置させ、パスポート9から情報を読み取る作業を行う。なお、パスポート9の所有者でない第三者(例えば、施設側の職員)が、媒体読取装置1を用いてパスポート9の読み取り作業を所有者に代わって行ってもよい。
なお、媒体読取装置1は、図示しない情報処理装置と通信可能に接続され、読み取ったパスポート9の情報を情報処理装置に送信してもよい。図示しない情報処理装置は、パスポート9の情報を用いて何らかの処理を行う装置であり、例えばPC(Personal Computer)である。
図1に示すように、媒体読取装置1は、読取ユニット2と、筐体10とを主に備える。筐体10は、媒体読取装置1の他の構成要素を内部に収容する部材である。筐体10は、本体部11と、庇部12と、後壁部13と、右側壁14と、左側壁15とを主に備える。筐体10は基本的に金属製であり、読取ユニット2に含まれる非接触読取部32(図4参照)が発生する磁界の範囲内は樹脂製になっている。非接触読取部32の詳細は後記する。
図1に示す本体部11は、筐体10の基礎となる部分であり、読取ユニット2を収容する。ここでの本体部11は、前後方向に長い直方体状を呈している。図2に示すように、読取ユニット2は、左右方向において本体部11の中央に配置されている。また、図4に示すように、読取ユニット2は、前後方向において本体部11の中央に配置されている。
図2に示すように、読取ユニット2は、パスポート9を載置する載置部20と、載置部20に載置されたパスポート9から情報を読み取る(取得する)読取部30とを主に備える。
図4に示すように、読取部30は、パスポート9(特に、コード領域9aに記載される文字コード)を光学的に読み取る光学読取部31と、ICチップ9bに格納される情報を電磁誘導による結合を介して読み取る非接触読取部32とを備える。
光学読取部31は、例えば、光源、カメラなどを備え、光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition/Reader)技術を用いて文字コードを認識する。光学読取部31は、「イメージリーダ」などと呼ばれる場合がある。なお、光学読取部31は、文字コード以外の情報を読み取ってもよい。また、光学読取部31は、文字認識を行わずに画像の取り込みのみを行ってもよい。
非接触読取部32は、例えば、アンテナを備え、非接触通信技術を用いて情報を取得する。非接触読取部32は、「非接触ICリーダ」などと呼ばれる場合がある。非接触読取部32のアンテナは磁界を発生する。なお、非接触読取部32における通信方式は特に限定されない。
図1に示すように、載置部20は、パスポート9(図5参照)が載置される台座である。図3に示すように、載置部20は、透明なガラス板21と、ガラス板21の周囲を囲む平面視で矩形状の枠部材22とを備える。ガラス板21は、パスポート9から情報を読み取るための光や磁界を通過させる。以下では、ガラス板21の上面(すなわち、パスポート9に接する側の面)を「載置面21a」と呼ぶことにする。すなわち、媒体読取装置1の利用者は、載置面21aにパスポート9を載置する。
載置面21aには、光学読取部31(図4参照)によってコード領域9aに記載される文字コードを適切に読み取ることができる領域が設定されている。以下では、この領域を「読取領域21b」と呼ぶことにする。読取領域21bは、光学読取部31が有するカメラの撮影範囲のように物理的に決められる領域であってもよいし、媒体読取装置1の運用方法などによって設計者によって予め決められる領域であってもよい。図3に示すように、読取領域21bは、庇部12の下方に設定されており、平面視した場合に庇部12は読取領域21bの上方を覆う。なお、非接触読取部32は、自身が発生する磁界の中にICチップ9bが位置していれば情報の取得が可能であり、ここでは載置面21a上の位置に関わらず、ICチップ9bからの情報の取得が可能である。
図3に示すように、枠部材22は、主に、前部22a、右側部22b、左側部22cおよび後部22dからなる。枠部材22の内側には、ガラス板21が固定されている。
図1に示すように、枠部材22の前部22aは、前方が低くなるように傾斜しており、最も高い場所(載置面21aとの境界部分)は載置面21aと同じ高さになっている。これにより、媒体読取装置1の利用者は、前方から滑らせるようにして載置面21aにパスポート9を載置させることができる。
図1および図2に示すように、枠部材22の右側部22bおよび左側部22cの一部(載置面21aとの境界部分)は、載置面21aに対して特に高くなっており、パスポート9をガイドする役割を担っている。以下では、右側部22bおよび左側部22cにおいて載置面21aに対して高くなっている部分を、特に「ガイド部22e」と呼ぶことにする。ガイド部22eは、パスポート9を好適にガイドすることができればよく、その形状は特に限定されない。
図1および図4に示すように、枠部材22の後部22dの一部(載置面21aとの境界部分)は、載置面21aに対して特に高くなっており、パスポート9が突き当たることによってパスポート9の位置決めをする役割を担っている。以下では、後部22dにおいて載置面21aに対して高くなっている部分を、特に「突当部22f」と呼ぶことにする。突当部22fは、パスポート9を突き当てることによって好適にパスポート9を位置決めすることができればよく、その形状は特に限定されない。また、突当部22fにおいてパスポート9が突き当たる面(つまり、パスポート9に対向する面)を特に「突当面22fa」と呼ぶことにする。本実施形態では、読取領域21bが、突当部22fの近傍に設定されており、読取領域21bの前後方向(突き当て方向)の長さは、例えば「25mm~35mm」の範囲で設定される。
図5に示すように、媒体読取装置1の利用者は、コード領域9aが配置されたページを開いた状態、かつ、コード領域9aが後方(つまり、媒体読取装置1の奥側)に位置するようにしてパスポート9を載置面21aに載置させる。この際、媒体読取装置1の利用者は、パスポート9のコード領域9aが配置される側の長辺9fが突当部22fに突き当たることによってパスポート9を所定の位置(読取位置)に載置したことを知ることができる。パスポート9を図5に示す所定の位置(読取位置)に載置することで、コード領域9aは読取領域21b内に収容される。
図1に示す庇部12は、載置面21a(特に、読取領域21b)に読取対象物以外の物(例えば、鞄、飲料缶等)が置かれるのを防ぐためのものである。そのため、庇部12は、載置面21aを保護できる形状を呈している。また、庇部12は、媒体読取装置1の利用者がパスポート9を載置面21aに載置させる場合に、パスポート9と突当部22fとが当接していること(つまり、パスポート9を正しく読取位置に載置できていること)を目視で確認することができる形状、または目視で確認しやすい形状を呈している。ここで、目視で確認することができる形状とは、例えば、利用者が直立している状態で媒体読取装置1を利用することを想定した場合においては、直立している状態でパスポート9と突当部22fとの当接を視認できる形状である。また、目視で確認しやすい形状とは、例えば、利用者が直立している状態で媒体読取装置1を利用することを想定した場合においては、直立している状態からやや屈んだ状態のように少しの動作を行うことによってパスポート9と突当部22fとの当接を視認できる形状である。
ここでの庇部12は、図4に示すように、本体部11の上面11aおよび載置面21aに対向して設けられている。庇部12は、後壁部13から前方に突出した形状を呈している。庇部12の前後方向(突出方向)の長さは、本体部11に対して短くなっている。庇部12の先端部の前後方向における位置P1は、読取領域21bの前端部の位置Q1と同じ、または読取領域21bの前端部の位置Q1よりも前方に位置する(図4では同じ位置である)。つまり、図4に示すように左右方向に直交する平面を断面として見た場合に、読取領域21bの前端部の位置Q1は、庇部12の先端部の鉛直線T上またはそれよりも後方に位置する(図4では鉛直線T上である)。これにより、平面視した場合に、庇部12は読取領域21bおよび突当部22fの上方を覆う(図3参照)。
庇部12と本体部11との間には空間Kが形成されており、空間Kは開口K1を有する。この開口K1は、庇部12の先端部の位置P1から鉛直線Tの方向に向かって載置面21aとの間に形成されている。パスポート9を読取位置に載置する場合に、利用者は開口K1を介して空間Kにパスポート9を進入させ、パスポート9が突当部22fに突き当てられる。
また、図4に示すように、庇部12は、後方の根元側から前方の先端側に向かうにつれて上下方向の幅が徐々に小さくなっている。言い換えると、庇部12は、先端に向かって厚さが薄くなっている。庇部12は、天井部12aと、先端傾斜部12bと、上部傾斜部12cとを主に有している。
天井部12aは、本体部11の上面11aに対向する部分(すなわち、庇部12の下面部分)である。天井部12aは、本体部11の上面11aと並行に形成されている。天井部12aの位置および形状は、情報の読取時に光学読取部31から発せられる光が反射することによる読取不良を起こさないようになっている。読取領域21bと天井部12aとの距離が近すぎると、光学読取部31から発せられる光によって読取不良を起こす可能性がある。一方、載置面21aと天井部12aとの距離が遠すぎると、読取領域21bに物を置かれる可能性が高まる。そのため、読取領域21bと天井部12aとの距離は、読取不良を起こさない最低限の距離にするのがよい。
上部傾斜部12cは、天井部12aに対して本体部11と反対側の部分(すなわち、庇部12の上面部分)である。上部傾斜部12cは、前側が後側に対して低くなるように(つまり、前側が載置面21aに近づくように)傾斜している。上面11a(水平面)に対する上部傾斜部12cの傾斜角度θ2は、庇部12の上部に物が置けないまたは置き難い角度になっている。傾斜角度θ2は、例えば「10°~30°」の範囲で設定される。上部傾斜部12cは、曲面を含んだ構成であってもよい。
先端傾斜部12bは、天井部12aの一端と上部傾斜部12cの一端との間に延在して形成される部分(すなわち、庇部12の先端部分)である。先端傾斜部12bは、下側が上側に対して後方の根本側に近づくように傾斜している。つまり、先端傾斜部12bは、天井部12aとの境界部分に対して上部傾斜部12cとの境界部分が前方に位置する。前後方向(突出方向)に直交する平面(上下左右で構成される平面)に対する先端傾斜部12bの傾斜角度θ1は、図6に示すように、利用者による突当部22f(特に、突当面22fa)への視線Sが妨げられないまたは妨げられ難い(つまり、視認性を悪くしない)角度になっている。つまり、図4に示すように左右方向に直交する平面を断面として見た場合に、突当部22f(特に、突当面22fa)は、先端傾斜部12bの延長線U上またはそれよりも前方に位置する(図4では延長線U上である)。先端傾斜部12bの傾斜角度θ1は、例えば「20°~50°」の範囲で設定される。なお、先端傾斜部12bは、曲面を含んだ構成であってもよい。その場合、突当部22fは、例えば、先端傾斜部12bの曲面の利用者の視線に対応する接線上またはそれよりも前方に位置する。
図4に示すように、後壁部13は、本体部11と庇部12との間を連結する壁状の部分である。ここでの後壁部13は、左右方向に長い直方体状を呈している。後壁部13の内壁13aは、載置面21aの後端部から所定の距離をおいて形成されている。これは、非接触読取部32が発生する磁界への干渉を考慮したものである。非接触読取部32によるICチップ9bの情報の読み取りに影響がなければ(読取不良が発生しなければ)、後壁部13の内壁13aは載置面21aの後端部の近くに形成してもよい。
図1に示すように、右側壁14および左側壁15は、本体部11の両側に取り付けられた側面視で略三角形状の板材である。右側壁14および左側壁15は、本体部11、庇部12および後壁部13に跨って形成されており、右側壁14と左側壁15との間に、本体部11、庇部12および後壁部13が挟まれる。右側壁14および左側壁15の上部は、庇部12の上部傾斜部12cに対応して傾斜している。
<実施形態に係る媒体読取装置の設計方法>
次に、図1ないし図6を参照して、媒体読取装置1における庇部12の設計方法について説明する。なお、ここで説明する設計方法はあくまで例示である。
(1)最初に、設計者は、パスポート9を置く場所を決定する。つまり、本体部11における載置部20の位置を決定する。
(2)次に、設計者は、図6に示すように、媒体読取装置1の設置された状態を想定し、媒体読取装置1と利用者との位置関係を決定する。ここでは、地面に固定された台8上に媒体読取装置1を設置する場合を想定している。利用者として想定する人物は、任意の者であってよく、例えば媒体読取装置1が設置される場所や用途に応じて適切な人物を利用者として選定する。そして、突当部22fに対する利用者の視線Sを算出する。
(3)次に、設計者は、読取領域21b(図4参照)を決定する。つまり、載置部20におけるパスポート9の載置の仕方を決定し、パスポート9を載置した状態でコード領域9a(図5参照)を含む範囲を読取領域21bとする。
(4)次に、設計者は、読取領域21bの前端部から上方に鉛直線Tを描いて、視線S(図6参照)と鉛直線T(図4参照)とが交わる位置を算出する。
(5)次に、設計者は、視線S(図6参照)と鉛直線T(図4参照)とが交わる位置が光学読取部31による反射が発生しない距離や非接触読取部32による磁界に干渉しない距離(庇部12が金属製の場合)を満たすか否かを判定する。これらの条件を満たす場合、視線Sと鉛直線Tとが交わる位置を庇部12の先端部とし、視線Sに沿って先端傾斜部12bを設計する。一方、これらの条件を満たさない場合、鉛直線Tであって前記した条件を満たす位置(つまり、視線Sと鉛直線Tとが交わる位置から上方に移動した位置)を先端部とし、視線Sを妨げないように先端傾斜部12bを設計する。
(6)次に、設計者は、庇部12の上部傾斜部12cの傾斜角度θ2を決定する。これにより、庇部12の設計が完了する。
以上のように、実施形態に係る媒体読取装置1は、読取領域21bの上方を覆う庇部12を有する。これにより、利用者によって読取領域21bにパスポート9以外の物が置かれるのを防ぐことができる。そのため、読取領域21bに物が置かれることにより発生する不具合(例えば、読取領域21bが傷付くことによる読取不良)を防ぐことができる。
また、実施形態に係る媒体読取装置1の庇部12は、パスポート9と突当部22fとが当接していること(つまり、パスポート9を正しく読取位置に載置できていること)を利用者が目視で確認することができる形状、または目視で確認しやすい形状を呈している。そのため、利用者がパスポート9を読取領域21bの適切な位置に載置させ易くなる。
また、実施形態に係る媒体読取装置1の庇部12は、上面が傾斜することによって庇部12の上部に物が置けないまたは置き難くなっている。これにより、庇部12の上部に物(特に、液体の入った飲料缶など)が置かれることを未然に防ぐことができる。そのため、例えば庇部12の上部に置かれた飲料缶を倒されることもない。なお、仮に庇部12の上部に固形物が置かれた場合でも、上部傾斜部12cを滑り落ちて庇部12の先端部から自由落下するので、読取領域21b上に固形物が落下することがない。そのため、読取領域21bが傷付くことによる読取不良は発生しない。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例は、例えば以下に示すものである。
実施形態に係る媒体読取装置1は、図4に示すように、庇部12の上面部分(つまり、上部傾斜部12c)が傾斜した平面で構成されていた。しかしながら、庇部12の上面部分の形状はこれに限定されるものではない。例えば、突起を付けて凸凹形状にすることによって、物をより置き難いようにしてもよい。庇部12の上面部分に突条の突起を付けた媒体読取装置1Aを図7に示す。図7に示す突起部12dは、断面形状が矩形状を呈する。突起部12dの間隔Lは、例えば、飲料缶の直径よりも小さくなっている。なお、突起部12dは、断面形状が半円状を呈するものであってもよい。
1,1A 媒体読取装置
2 読取ユニット
9 パスポート(媒体)
9a コード領域
9b ICチップ
10 筐体
11 本体部
12 庇部
12a 天井部
12b 先端傾斜部
12c 上部傾斜部
12d 突起部
13 後壁部
14 右側壁
15 左側壁
20 載置部
21 ガラス板
21a 載置面
21b 読取領域
22 枠部材
22e ガイド部
22f 突当部
30 読取部
31 光学読取部
32 非接触読取部

Claims (6)

  1. 媒体のコード領域から文字コードを読み取るための読取領域を含み、前記媒体が載置される載置面を有する載置部と、
    前記載置面上で前記媒体を位置決めするために当該媒体が突き当てられる突当部と、
    前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域を介して前記文字コード光学的に読み取る光学読取部と、
    前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域以外の領域を介して前記媒体に格納される情報を非接触通信により読み取る非接触読取部と、
    前記載置面と所定の間隔を空けて対向して設けられた庇部と、を備え、
    前記庇部と前記載置面との間に開口が形成され、前記読取領域および前記突当部は、前記庇部の先端位置よりも前記開口と反対側に存在し、前記突当部は、前記読取領域の奥側に配置され、
    前記庇部は、前記載置部における前記読取領域の上方を覆い、前記読取領域以外の範囲は覆わず、また、先端部分の下部が前記開口と反対側に向かって傾斜している先端傾斜部を有する、
    ことを特徴とする媒体読取装置。
  2. 前記突当部は、前記先端傾斜部の延長線上に形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の媒体読取装置。
  3. 前記読取領域の端部は、前記庇部の先端から前記読取領域に向かう鉛直線上に位置する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の媒体読取装置。
  4. 前記庇部は、上面が前記載置面に向かって傾斜した上部傾斜部を有する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項の何れか一項に記載の媒体読取装置。
  5. 前記上部傾斜部には、突条の突起が形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の媒体読取装置。
  6. 本体部と、
    媒体のコード領域から文字コードを読み取るための読取領域を含み、前記媒体が載置される載置面を有する載置部と、
    前記載置面上で前記媒体を位置決めするために当該媒体が突き当てられる突当部と、
    前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域を介して前記文字コード光学的に読み取る光学読取部と、
    前記載置面に載置された前記媒体から前記読取領域以外の領域を介して前記媒体に格納される情報を非接触通信により読み取る非接触読取部と、
    前記本体部から上方に伸びる壁部と、
    前記載置面と対向して設けられ、前記壁部から水平方向に突出する庇部と、を備え、
    前記読取領域および前記突当部は、前記庇部の先端位置よりも前記壁部側の位置に存在し、前記突当部は、前記読取領域の奥側に配置され、
    前記庇部は、前記載置部における前記読取領域の上方を覆い、前記読取領域以外の範囲は覆わず、また、先端部分の下部が奥側に向かって傾斜している先端傾斜部を有する、
    ことを特徴とする媒体読取装置。
JP2019099640A 2019-05-28 2019-05-28 媒体読取装置 Active JP7279514B2 (ja)

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