JP7279218B2 - 道路建設機械のための舗装データセットの妥当性チェック - Google Patents

Description

本発明は、道路建設機械による道路建設、特に道路舗装機（ｒｏａｄ ｐａｖｅｒ）による道路建設の分野に関する。

複雑な建設現場では特に、路面の舗装に関するデータをデジタル形式で提供することが有利な場合がある。例えば、舗装される路面や、１つまたは複数の道路建設機械に関する設定値を、デジタルデータによって定義できる。このようなデジタルデータを活用することで、道路建設機械のオペレータの作業を簡略化できる。このデータは、例えば、計画工程において事前に作成され、その後、道路建設機械の車載コンピュータに読み込まれる。とりわけ、このデータは、舗装工程の少なくとも部分的な自動化のために使用できる。計画工程で作成されたデジタルデータに舗装作業中にアクセスすることによって、舗装作業の計画性と再現性が向上する。

実際、道路建設機械を使用し、仕様や実際の条件に従って、計画された舗装作業を行うことが構造上不可能であると、舗装作業中に判明することがある。その結果、例えば、舗装作業を中断しなければならず、道路建設機械を改造するか、もしくは別の道路建設機械を利用可能にして初めて、作業が再開できる。これにより、作業手順に大幅な遅れが生じることがある。道路舗装機の舗装作業を強制的に中断すると、例えば、舗装された路面に凹凸が生じて路面の品質に悪影響を及ぼすことがあり、特に問題となる可能性がある。

本発明の目的は、円滑な作業及び舗装品質の点で改善された道路建設機械による路面の舗装方法を提供することである。

この目的は請求項１の主題によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に示される。

本発明は、ある態様において、路面を舗装するための方法に関する。舗装データセットは、道路建設機械の車載コンピュータに読み込まれる。舗装作業中は、読み込まれた舗装データセットに基づいて路面を舗装するために、道路建設機械の作動部品が制御される。舗装作業の開始前に、演算装置によって、該舗装データセットが道路建設機械の特性プロファイルと比較される。特性プロファイルはプロファイルメモリに記憶されている。また、舗装作業の開始前に、道路建設機械が路面舗装に適しているかどうかについての評価が該比較結果に基づいて行われる。

舗装データセットと道路建設機械の特性プロファイルを比較することにより、路面舗装のために道路建設機械の作動部品が制御される基準となる舗装データセットと、使用される道路建設機械との間の不適合を、舗装作業の開始前に検出できる。この比較により、道路建設機械が路面舗装に適していないことが示された場合、舗装作業の開始前に、異なる道路建設機械の使用、道路建設機械の改造、及び／または舗装データセットの適合など、相応の対応をとることができる。このようにして、舗装作業を開始した後の中断を防ぐことができる場合がある。

道路建設機械は、道路建設車両として構成され、かつ／またはそれ自体が牽引駆動装置を有してもよい。

好ましい実施形態において、道路建設機械は道路舗装機である。しかしながら、本発明は、グレーダ、切削機、ローラなどの他の道路建設機械にも適用できる。切削機は、既に舗装された路面またはその一部を除去するための切削車両として構成されてもよい。

舗装作業は、路面を舗装するために道路建設機械を操作することを含む。道路建設機械が道路舗装機である場合、舗装作業は路面の敷設を含んでよい。ただし、路面の敷設は必ずしも道路建設機械だけで行う必要はない。舗装作業は、例えば、路面を敷設するための路盤を準備すること、または敷設された路面を仕上げることを含んでよい。道路建設機械が切削機として構成される場合、路盤に既に設けられた路面の切削機による除去が、舗装作業に含まれてもよい。道路建設機械がグレーダとして構成される場合、グレーダによる路盤の作製や整地が、舗装作業に含まれてもよい。道路建設機械がローラとして構成される場合、敷設された路面のローラによる締固めが、舗装作業に含まれてもよい。

舗装データセットは、好ましくは、デジタル形式で提供される。デジタル舗装データセットは、例えば、計画ソフトウェアを使用して作成できる。無線データ伝送または有線データ伝送、またはメモリカード、ＣＤ、ディスク、ＵＳＢスティック、ハードディスク、ＳＳＤなどのモバイルデータ記憶装置によって、デジタル舗装データセットは、それぞれの使用場所に容易かつ効率的に伝送できる。

道路建設機械の特性プロファイルは、デジタル形式のデータセットとして提供できる。道路建設機械の特性プロファイルは、道路建設機械の特性および主要数値に関する情報を含んでよい。道路建設機械の特性プロファイルは、道路建設機械の機械仕様に関する情報を含んでよい。道路建設機械の特性プロファイルは、その道路舗装機によってどの路面を舗装できるかを定義する情報を含んでよい。道路建設機械の１つまたは複数の動作パラメータの設定値の上限値及び／または下限値を、道路建設機械の特性プロファイルが指定してもよい。

道路建設機械の特性プロファイルは、例えば、以下のもののうちの１つまたは複数を指定できる。その例には、道路建設機械の最小可能（最小）作業幅、道路建設機械の最大可能（最大）作業幅、道路建設機械の作業幅の最大調整速度、道路建設機械の最大舗装速度、道路建設機械の舗装材料の単位時間当たりの最大搬送量、道路建設機械による舗装材料の達成可能な最大締固め度、道路建設機械を使用する場合の最小可能（最小）舗装厚さ、道路建設機械を使用する場合の最大可能（最大）舗装厚さが含まれる。

道路舗装機の特性プロファイルは、トラクタユニットと舗装スクリードを連結した道路舗装機に関するものであってよい。道路舗装機の舗装スクリードの構成が変更された、あるいは舗装スクリードが交換された場合、異なる特性プロファイルが使用される。

演算装置による舗装データセットと道路建設機械の特性プロファイルとの比較は、ルールに従って実行されてよい。該ルールは決定論的なルールであってよい。ルールは事前に定義されていてよい。ルールはルールメモリに記憶されてよい。ルールはデジタル形式で記憶されてよい。

道路建設機械の特性プロファイルと舗装データセットとの比較は、舗装データセットから少なくとも１つの比較値を決定することを含んでよい。該少なくとも１つの比較値が舗装データセットからどのように決定されるかが、ルールによって定義されてよい。少なくとも１つの比較値は、舗装データセットに含まれる値に対応するものであってよい。少なくとも１つの比較値は、舗装データセットの１つまたは複数の値から計算されるものであってよい。少なくとも１つの比較値は、道路建設機械の特性プロファイルと独立して決定されるものであってよい。

好ましくは、少なくとも１つの比較値は、道路建設機械の特性プロファイルと比較される。少なくとも１つの比較値が道路建設機械の特性プロファイルとどのように比較されるかが、ルールによって定義されてよい。好ましくは、少なくとも１つの比較値が、道路建設機械の特性プロファイルに含まれる特性値と比較される。該特性値は限界値であってよい。

道路建設機械の特性プロファイルと舗装データセットをルールに従って比較する代わりに、シミュレーションによって道路建設機械の特性プロファイルと舗装データセットを比較してもよい。シミュレーションは、道路建設機械による、舗装データセットに従った路面舗装工程のシミュレーションを含んでもよい。シミュレーションでは、道路建設機械の特性プロファイルを使用して、道路建設機械を記述してもよい。

シミュレーションの結果、シミュレーションされた舗装作業が成功したかどうかを判断してよい。例えば、シミュレーションされた舗装作業中にエラーが発生せず、かつ／または、シミュレーションで作成された路面または路盤が仕様に準拠する場合に、シミュレーションされた舗装作業が成功したと判断できる。特に、該仕様は舗装データセットに由来するものであってよい。シミュレーションされた舗装作業が成功したと判断された場合、道路建設機械が路面舗装に適していると判定してよい。それ以外の場合は、道路建設機械は路面舗装に適していないと判断してよい。

シミュレーションでは、道路建設機械のデジタルツインを使用してもよい。

道路舗装機の場合、作動部品は、以下のもののうち１つまたは複数を含んでよい。その例には、道路舗装機の牽引装置、道路舗装機の舗装スクリードのタンパ、道路舗装機の舗装スクリードの押さえ棒、道路舗装機のスクリード加熱装置、混合材料輸送装置、舗装スクリードの作業幅を調整するための装置が含まれる。

道路建設機械の作動部品は、道路建設機械の車載コンピュータに読み込まれた舗装データセットに基づいて自動的に制御できる。自動制御は、道路建設機械の車載コンピュータまたは制御装置によって行うことができる。読み込まれた舗装データセットに基づいて道路建設機械の作動部品を自動制御することによって、舗装データセットの通りに正確に路面を舗装できる。道路建設機械の作動部品を自動制御することによって、舗装工程における道路建設機械の操作が容易になる。

道路建設機械の作動部品は、読み込まれた舗装データセットに基づいて手動で制御してよい。例えば、読み込まれた舗装データセットに基づいて、道路建設機械の表示装置に情報を表示してよい。この表示された情報に基づいて、オペレータは道路建設機械の作動部品を制御できる。道路建設機械の作動部品を手動で制御することで、オペレータにある程度の自由度が確保される。それでもなお、制御は道路建設機械の車載コンピュータに読み込まれた舗装データセットに基づくため、少なくともある程度は、計画通りの舗装結果を保証することができる。

特定の作動部品を自動的に制御し、他の作動部品を手動で制御することもできる。

特定の作動部品を、読み込まれた舗装データセットに基づいて（自動または手動）制御し、他の作動部品を、読み込まれた舗装データセットと独立して（自動または手動）制御することもできる。あるいは、道路建設機械の全ての作動部品を、読み込まれた舗装データセットに基づいて制御してもよい。

舗装データセットは、舗装される路面を特徴付ける目標データセットを含んでよい。道路建設機械の特性プロファイルとの比較の際に、該目標データセットを考慮することによって、道路建設機械が当該路面の舗装に適しているかどうかを判断できる。道路建設機械の作動部品を制御する際に目標データセットが考慮される場合、道路建設機械の作動部品を、舗装される路面の仕様に従って制御できる。

目標データセットは、測定工程、建設工程、地図データ（例えば、デジタル地図または非デジタル地図）、ナビゲーションシステム（例えば、Ｇｏｏｇｌｅマップ（登録商標））からのデータ、風景画像（例えば、航空写真または建設現場の写真）のうち少なくとも１つに少なくとも部分的に基づいて作成できる。目標データセットは、建設プロジェクトの計画段階で作成され得る。目標データセットは、舗装工程の開始前に作成され得る。

目標データセットは、舗装される路面の形状、舗装材料の少なくとも１つの特性、路面の少なくとも１つの品質要求のうちの少なくとも１つを定義するものであってよい。

舗装される路面の形状は、例えば、路面の位置、路面の幅、路面の厚さ、路面の傾きのうちの１つまたは複数を含んでよい。舗装材料の少なくとも１つの特性は、例えば、舗装材料のタイプ、舗装材料の組成、舗装材料の温度のうちの１つまたは複数を含んでよい。路面材料の少なくとも１つの品質要求は、例えば、路面における舗装材料の最小締固め度と、路面材料の表面の最大不平坦度のうちの１つまたは複数を含んでよい。

舗装データセットは、道路建設機械の動作パラメータの設定値を含むパラメータセットを含んでよい。道路建設機械の特性プロファイルと舗装データセットの比較の際にパラメータセットが考慮される場合、該パラメータセットからの設定値に基づく使用に道路建設機械が適合するどうかを、舗装開始前に判断できる。

道路舗装機の場合、パラメータセットは、以下の動作パラメータのうちの１つまたは複数についての設定値を含んでよい。該動作パラメータには、舗装機の舗装速度、道路舗装機の舗装スクリードのタンパストローク、道路舗装機の舗装スクリードのタンパ回転数、振動圧力、振動回転数、押さえ棒の圧力、押さえ棒の周波数、道路舗装機の舗装スクリードの温度、道路舗装機の舗装スクリードのアタック角、道路舗装機の舗装スクリードの拡張幅、混合温度、混合材料の輸送パラメータが含まれる。

演算装置は、道路建設機械に設置できる。演算装置は、道路建設機械の車載コンピュータの一部であってよい。演算装置は、道路建設機械の車載コンピュータと通信できる。舗装データセットが道路建設機械の車載コンピュータに読み込まれると、該舗装データセットは演算装置に提供される。演算装置が道路建設機械に設けられる場合、例えば建設現場での舗装作業の開始直前に、いわば最終的な妥当性チェックとして道路建設機械の特性プロファイルが舗装データセットと比較される。

演算装置は、道路建設機械とは別に設置できる。演算装置は例えば、プランニングセンタ（Ｐｌａｎｎｉｎｇ Ｃｅｎｔｅｒ）内またはコンピュータセンタ（Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｃｅｎｔｅｒ）内に設けられる。演算装置は、サーバとして構成されてもよく、あるいはサーバの一部であってもよい。演算装置は、ノートブック、タブレット、またはスマートフォンなどのモバイルデバイスに実装されてもよい。演算装置が道路建設機械と別に設けられている場合、道路建設機械の特性プロファイルと舗装データセットとの比較は、道路建設機械にアクセスすることなく実行できる。例えば、この比較は、特にオフィスにおける事前確認として実行できる。

プロファイルメモリは、道路建設機械に設置できる。演算装置が道路建設機械に設けられる場合、好ましくは、プロファイルメモリも道路建設機械に設けられる。

プロファイルメモリは、道路建設機械とは別に設けられてよい。好ましくは、プロファイルメモリは、演算装置が設けられるところに設けられる。

この方法は、道路建設機械のタイプを示すことを含んでよい。例えば、道路建設機械のタイプは、入力装置を用いて選択できる。本発明が道路舗装機に適用される場合、道路建設機械のタイプを示すことは、道路舗装機のタイプを示すことを含む。例えば、道路舗装機のタイプを示すことは、トラクタ車両と舗装スクリードの組み合わせを選択することを含んでよい。本発明がグレーダに適用される場合、道路建設機械のタイプを示すことは、グレーダのタイプを示すことを含む。本発明がミルに適用される場合、道路建設機械のタイプを示すことは、ミルのタイプを示すことを含む。本発明がローラに適用される場合、道路建設機械のタイプを示すことは、ローラのタイプを示すことを含む。

道路建設機械のタイプの指示に基づいて、異なるタイプの道路建設機械に関する記憶された複数の特性プロファイルから、特性プロファイルが選択できる。このようにして、舗装作業に用いられる道路建設機械の指示に基づいて、適切な特性プロファイルが選択できる。また、異なるタイプの道路建設機械に対応する複数の特性プロファイルと舗装データセットを、演算装置を使用して比較することもできる。これにより、どの道路建設機械が舗装工事に適しているかを判断できる。

あるいは、特定のタイプの道路建設機械に対応する単一の特性プロファイルのみがプロファイルメモリに記憶されていてよい。

特に、複数の道路舗装機タイプの各々が同じトラクタユニットを有するが、異なる舗装スクリードの構成を有する場合は、該複数の道路舗装機タイプに関する複数の特性プロファイルが、プロファイルメモリに含まれてよい。演算装置とプロファイルメモリが道路舗装機に設けられる場合、プロファイルメモリには、当該道路舗装機のトラクタユニットに関連する特性プロファイルのみが含まれると便利である。

道路建設機械が路面舗装に適しているかどうかの評価結果が出力されてよい。特に、該評価結果は表示部に表示されてよい。

以下、本発明を、実施形態を用いてさらに説明する。

一実施形態による、道路舗装機として構成された道路建設機械の概略側面図である。 一実施形態による妥当性チェック方法を表す概略図である。 一実施形態による妥当性チェック部の概略図である。

以下に説明する実施形態は、本発明を道路舗装機へ適用した場合に関する。しかしながら、上述したように、本発明は、グレーダ、ミル、ローラなどの他の道路建設機械にも適用できる。

図１は路面を舗装するための道路舗装機１の概略図である。道路舗装機１にはトラクタユニット３が備えられ、該トラクタユニット３にはオペレータのためにオペレータプラットフォーム５が設けられている。トラクタユニット３には、舗装方向７の前方に、敷き詰められる材料を受け入れるためのホッパ９が備えられる。この舗装材料は、コンベアにより、走行方向７とは逆方向に、道路舗装機１の舗装スクリード１１の前方に搬送される。舗装スクリード１１は、トラクタ車両３に取り付けられ、トラクタ車両３の後方で牽引される。舗装作業中、舗装スクリード１１は舗装材料上に浮いていて、舗装材料を締固める。舗装スクリード１１のアタック角は、調整装置１３によって調整できる。舗装スクリード１１には、舗装材料を締固めるための締固め装置と、スクリード板１５が備えられる。締固め装置は、例えば、タンパと押さえ棒を含む。舗装スクリード１１は加熱装置を備える。舗装スクリード１１は、横方向に拡張可能な舗装スクリード１１であってよく、それによって舗装幅を調整できる。舗装スクリード１１は、１つまたは複数のスクリード部材を備えていてよい。

操作コンソール１７は主制御台に設けられており、該主制御台は、オペレータが道路舗装機１の機能を制御するための操作要素を有する。また、操作コンソール１７は、例えば、画面形態の表示装置を備えていることが好ましい。道路舗装機１は車載コンピュータ１９を備える。車載コンピュータ１９は、図示した実施形態では操作コンソール１７に組み込まれているが、道路舗装機１上の他の場所にも設置できる。

舗装工程の開始前に、測定工程または建設工程において目標データセットが作成される。例えば、地図データ、ナビゲーションシステムからのデータ及び／または風景画像が使用できる。目標データセットは、舗装される路面を記述する。目標データセットは、特に、舗装される路面のコースと形状を記述する。目標データセットは、例えば、最小締固め度などの路面に関する１つまたは複数の品質要求と、使用される舗装材料を特定してよい。

また、舗装工程の開始前に、道路舗装機１の動作パラメータの設定値を含むパラメータセットが作成される。該パラメータセットは、目標データセットに関して作成されてもよいし、目標データセットに基づいて作成されてもよい。パラメータセットは、道路舗装機１の動作パラメータの設定値を含んでよい。例えば、パラメータセットは、以下の道路舗装機１の動作パラメータの設定値を含んでよい。該動作パラメータには、道路舗装機１の舗装速度、舗装スクリード１１のタンパストローク、舗装スクリード１１のタンパ回転数、振動圧力、振動回転数、押さえ棒の圧力、押さえ棒の周波数、舗装スクリード１１の温度、舗装スクリード１１のアタック角、舗装スクリード１１の拡張幅、混合材料の温度、混合材料の輸送パラメータが含まれる。

目標データセット及びパラメータセットを作成することに加えて、計画工程において、舗装作業に使用される道路舗装機１が決定される。舗装作業の開始前に、道路舗装機１が路面舗装に適しているかどうかを判断するための妥当性チェックが行われる。図２は妥当性チェック方法を示す模式図である。道路舗装機１の指示または選択に基づいて、記憶された道路舗装機１の特性プロファイルにアクセスする。道路舗装機１の特性プロファイルは、道路舗装機１の使用に関連する特性を記述する。該特性には、道路舗装機１の最小可能（最小）作業幅、道路舗装機１の最大可能（最大）作業幅、道路舗装機１の作業幅の最大調整速度、道路舗装機１の最大舗装速度、道路舗装機１における舗装材料の単位時間当たりの最大搬送量、道路舗装機１による舗装材料の達成可能な最大締固め度、道路舗装機１を使用した場合の最小可能（最小）舗装厚さ、道路舗装機１を使用した場合の最大可能（最大）舗装厚さが含まれる。

目標データセット及びパラメータセットは特性プロファイルと比較される。パラメータセットを使用し、かつ目標データセットに従って路面を舗装する舗装作業を行うのに、道路舗装機１が適しているかどうかが、該比較結果に基づいて評価される。この評価により、道路舗装機１が適していないことが示された場合、対応するメッセージが発行される。すると、舗装の開始前に舗装作業の計画が修正できる。例えば、舗装される路面の特性、パラメータセット、または道路舗装機１の選択が変更できる。

この評価により、道路舗装機１が舗装工程に適していることが示された場合には、舗装工程が開始されてよい。目標データセット及びパラメータセットがまだ道路舗装機１の車載コンピュータ１９に読み込まれていない場合には、それらの読込が行われる。そして、舗装工程の間、道路舗装機１の作動部品は読み込まれたデータ（目標データセット及びパラメータセット）に基づいて制御される。これは、例えば、道路舗装機１の車載コンピュータ１９によって自動的に行われてもよいし、オペレータによって手動で行われてもよい。例えば、目標データセット及びパラメータセットに基づいて、操作コンソール１７の画面上にオペレータに対する指示を表示することができ、オペレータはこれらの指示に基づいて道路舗装機１の作動部品を制御できる。

記載された実施形態においては、目標データセットとパラメータセットの両方が、特性プロファイルと比較される。ただし、これは必ずしも必要なわけではない。目標データセットのみを特性プロファイルと比較したり、パラメータセットのみを特性プロファイルと比較したりすることも可能である。同様に、記載された実施形態においては、目標データセットとパラメータセットの両方が道路舗装機１の車載コンピュータ１９に読み込まれ、その両方に基づいて道路舗装機１の作動部品が制御される。その代わりに、目標データセットのみまたはパラメータセットのみを道路舗装機１の車載コンピュータ１９に読み込んで、舗装工程の基準として使用することもできる。

図３は、妥当性チェック部２１の実施形態を示す概略図である。該妥当性チェック部２１によって、目標データセット及び／またはパラメータセット（舗装データセット）が道路舗装機１の特性プロファイルと比較される。好ましくは、妥当性チェック部２１によって、道路舗装機１が路面舗装に適しているかどうかの評価も行われる。妥当性チェック部２１は、データ入力部２５とデータ出力部２７とを有する演算装置２３を備える。さらに、妥当性チェック部２１は、プロファイルメモリ２９とメモリ３１とを備える。

妥当性チェック部２１は、道路舗装機１に設けられる。例えば、妥当性チェック部２１は、道路舗装機１の車載コンピュータ１９の一部であってもよいし、道路舗装機１の車載コンピュータ１９と通信していてもよい。あるいは、妥当性チェック部２１は、道路舗装機１とは完全に別に、または部分的に別に備えられてよく、例えばプランニングセンタやモバイル装置に設けられる。

目標データセット及びパラメータセットは、データ入力部２５を介して妥当性チェック部２１に対して利用可能となる。妥当性チェック部２１が道路舗装機１に設けられる場合、目標データセット及びパラメータセットは一度読み込むだけでよく、その後、車載コンピュータ１９と妥当性チェック部２１の両方で利用可能となる。

プロファイルメモリ２９には、道路舗装機１の少なくとも１つの特性プロファイルが記憶される。プロファイルメモリ２９に複数の異なる特性プロファイルが記憶されている場合、道路舗装機のタイプの選択がデータ入力部２５を介して受け取られる。道路舗装機のタイプの選択に基づいて、プロファイルメモリ２９からの対応する道路舗装機タイプに関連した特性プロファイルが使用できる。プロファイルメモリ２９に単一の特性プロファイルだけが記憶されている場合は、道路舗装機のタイプを選択する必要はない。この場合、１つの道路舗装機タイプに対してシステムが確定される。これは、妥当性チェック部２１が対応するタイプの道路舗装機１に設けられる場合に特に便利である。

一実施形態において、メモリ３１はルールメモリとして構成される。演算装置２３は、ルールメモリ３１にアクセスする。演算装置２３では、該ルールメモリ３１に記憶されるルールに従って、目標データセット及び／またはパラメータセットと特性プロファイルとの比較が行われる。比較の際、好ましくは、目標データセット及び／またはパラメータセットから、１つまたは複数の比較値が決定される。これらの比較値は、道路舗装機１の特性プロファイルからの１つまたは複数の特性値と比較される。この比較結果に基づいて行われる、道路舗装機１が路面舗装に適しているかどうかの評価もまた、ルールメモリ３１に記憶されるルールに従って行われる。この評価結果は、データ出力部２７を介して出力され、例えば、画面上に表示できる。妥当性チェック部２１が道路舗装機１に設けられる場合、評価結果は、例えば、操作コンソール１７の画面上に出力できる。

別の実施形態において、メモリ３１は、シミュレーションを行うためのプログラム命令を記憶するメモリ３１として構成される。この実施形態においては、道路舗装機１による、舗装データセットに従った路面舗装工程のシミュレーションによって、舗装データセットと道路舗装機１の特性プロファイルとのマッチングが行われる。シミュレーションでは、道路舗装機１のデジタルツインを使用し、道路舗装機１の特性プロファイルにアクセスして道路舗装機１を記述する。シミュレーションされた舗装作業が成功したかどうかが、シミュレーションに基づいて判断される。シミュレーションされた舗装作業中に不具合が発生せず、かつ／またはシミュレーションにおいて舗装された路面が仕様に準拠する場合は、シミュレーションされた舗装作業は成功したと判断される。特に、該仕様は舗装データセットから得られるものであってよい。シミュレーションされた舗装作業が成功したと判断された場合には、当該道路舗装機が路面舗装に適していると判断される。それ以外の場合は、当該道路舗装機は路面舗装に適していないと判断される。道路舗装機１が路面舗装に適しているかどうかの評価結果は、データ出力部２７を介して出力され、例えば画面上に表示されてよい。妥当性チェック部２１が道路舗装機１に設けられる場合は、評価結果は、例えば、操作コンソール１７の画面上に出力できる。

Claims (15)

1. 特に道路舗装機である道路建設機械（１）の車載コンピュータ（１９）に舗装データセットを読み込むことと、
   舗装作業中、読み込まれた前記舗装データセットに基づいて路面を舗装するために、前記道路建設機械（１）の作動部品を制御することと
   を含む路面の舗装方法であって、
   舗装作業の開始前に、プロファイルメモリ（２９）に記憶された前記道路建設機械（１）の特性プロファイルと前記舗装データセットが、演算装置（２３）によって比較され、該比較結果に基づいて、前記道路建設機械（１）が路面舗装に適しているかどうかについて評価が行われることを特徴とする路面の舗装方法。
2. 前記道路建設機械（１）の前記特性プロファイルと前記舗装データセットとの比較が、ルールメモリ（３１）に記憶されたルールに従って、前記演算装置（２３）によって行われる、請求項１に記載の方法。
3. 前記道路建設機械（１）の前記特性プロファイルと前記舗装データセットとの比較は、前記舗装データセットから少なくとも１つの比較値を決定することを含み、前記少なくとも１つの比較値は、前記道路建設機械（１）の前記特性プロファイルと比較される、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記道路建設機械の前記特性プロファイルと前記舗装データセットとの比較は、シミュレーションによって行われ、該シミュレーションは、好ましくは、前記道路建設機械による、前記舗装データセットに従った路面舗装工程のシミュレーションを含む、請求項１に記載の方法。
5. 前記シミュレーションは、前記道路建設機械のデジタルツインを使用する、請求項４に記載の方法。
6. 前記道路建設機械（１）の前記作動部品が、読み込まれた前記舗装データセットに基づいて自動的に制御される、請求項１から５のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記舗装データセットが、舗装される路面を特徴付ける目標データセットを含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記目標データセットは、測定工程、建設工程、地図データ、ナビゲーションシステムからのデータ、風景画像のうちの少なくとも１つに少なくとも部分的に基づいて作成される、請求項７に記載の方法。
9. 前記目標データセットは、舗装される路面の形状と、舗装材料の少なくとも１つの特性と、少なくとも１つの品質要求のうちの少なくとも１つを定義するものである、請求項７または８に記載の方法。
10. 前記舗装データセットが、前記道路建設機械（１）の動作パラメータの設定値を有するパラメータセットを含む、請求項１から９のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記道路舗装機（１）の舗装速度、前記道路舗装機（１）の舗装スクリード（１１）のタンパストローク、前記道路舗装機（１）の舗装スクリード（１１）のタンパ回転数、振動圧力、振動回転数、押さえ棒の圧力、押さえ棒の周波数、前記道路舗装機（１）の舗装スクリード（１１）の温度、前記道路舗装機（１）の舗装スクリード（１１）のアタック角、前記道路舗装機（１）の舗装スクリード（１１）の拡張幅、混合材料の温度、混合材料の輸送パラメータを含む動作パラメータのうちの１つまたは複数についての設定値を、前記パラメータセットが含む、請求項１０に記載の方法。
12. 前記演算装置（２３）及び／または前記プロファイルメモリ（２９）が、前記道路建設機械（１）に設けられる、請求項１から１１のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記演算装置（２３）及び／または前記プロファイルメモリ（２９）が、前記道路建設機械（１）とは別に設けられる、請求項１から１２のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記道路建設機械のタイプが示され、記憶された異なるタイプの複数の特性プロファイルから、前記道路建設機械のタイプの指示に基づいて、前記特性プロファイルが選択される、請求項１から１３のいずれか一項に記載の方法。
15. 前記道路建設機械（１）が路面舗装に適しているかどうかの評価結果が出力される、請求項１から１４のいずれか一項に記載の方法。

Images