本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に組み込まれる:
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CONDUCTIVE PATHWAYS FOR SIGNAL COMMUNICATION」、現在は米国特許第9,700,309号、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「ROTARY POWERED ARTICULATION JOINTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,782,169号、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「THUMBWHEEL SWITCH ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0249557号、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「ELECTROMECHANICAL SURGICAL DEVICE WITH SIGNAL RELAY ARRANGEMENT」、現在は米国特許第9,358,003号、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「MULTIPLE PROCESSOR MOTOR CONTROL FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,554,794号、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「JOYSTICK SWITCH ASSEMBLIES FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,326,767号、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「SENSOR STRAIGHTENED END EFFECTOR DURING REMOVAL THROUGH TROCAR」、現在は米国特許第9,468,438号、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「CONTROL METHODS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH REMOVABLE IMPLEMENT PORTIONS」、現在は米国特許出願公開第2014/0246475号、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE DEGREES OF FREEDOM」、現在は米国特許第9,398,911号、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SOFT STOP」、現在は米国特許第9,307,986号、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に組み込まれる:
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は、米国特許第9,687,230号、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,332,987号、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0263564号、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0263538号、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0263554号、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,629,623号、及び
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,726号、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,727号、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0277017号。
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に組み込まれる:
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272582号、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」、現在は米国特許出願公開第2015/0272581号、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」、現在は米国特許出願公開第2015/0272581号、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」、現在は米国特許出願公開第2015/0272574号、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」、現在は米国特許第9,743,929号、及び
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272569号、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」、現在は米国特許出願公開第2015/0272571号、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」、現在は米国特許第9,690,362号、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272570号、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272572号、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2015/0272557号、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」、現在は米国特許出願公開第2015/0277471号、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」、現在は米国特許第9,733,663号、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国第9,750,499号、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」、現在は、米国特許出願公開第2015/0280384号。
以下に、本明細書に開示される装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書に詳細に述べられ、添付の図面に示される装置及び方法が、非限定的かつ例示的な実施形態である点は理解されるであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
本明細書を通じて、「様々な実施形態(various embodiments)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「一実施形態(one embodiment)」、又は「ある実施形態(an embodiment)」等は、その実施形態と関連して述べられる特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して各所において、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「ある実施形態では」などの句が出現するが、これらは必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性を、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることもできる。かくして、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に1つ若しくは2つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わせてもよい。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。簡便かつ明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書において図面に対して使用される場合があることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示する様々な方法及び装置は、例えば、切開外科的処置と関連するものを含む多数の外科的処置及び用途で使用することができることが、当業者には容易に理解されるであろう。この「発明を実施するための形態」を読み進めると、本明細書で開示する様々な器具が、自然開口部を通って、組織内に形成された切込み又は穿刺孔を通ってなど、任意の方式で体の内部に挿入され得ることが、当業者には更に明らかとなろう。器具の作動部分又はエンドエフェクタ部分は、患者の体の内部に直接挿入されてもよく、あるいは、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを前進させ得る作動チャネルを有するアクセス装置を通って挿入されてもよい。
図1~図6は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動される外科用切断及び締結器具10を示している。図示される実施形態では、器具10は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル14を備えるハウジング12を含む。ハウジング12は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ300が動作可能に結合されている、交換式シャフト組立体200に動作可能に取り付けるように構成されている。本発明を実施するための形態を読み進めるにしたがって、本明細書で開示する様々な形態の交換式シャフト組立体の、様々な独自の新規な構成は、ロボット制御式の外科用システムと関連させて効果的に用いることもできることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフト組立体及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書に開示する交換式シャフト組立体は、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1~図3に示されるハウジング12は、外科用ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成された、外科用切断及び締結デバイスを備えるエンドエフェクタ300を含む、交換式シャフト組立体200と接続されて示されている。ハウジング12は、種々のサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、種々のシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフト組立体と接続されて使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング12はまた、例えば、運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いられるように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成された組立体を含む様々な他の交換式シャフト組立体と共に効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフト組立体、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具を利用して組織を締結することができる。一例として、内部に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフト組立体のエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。
図1は、交換式シャフト組立体200が動作可能に連結された外科用器具10を示している。図2及び図3は、ハウジング12又はハンドル14に対する交換式シャフト組立体200の取り付けを示している。図4で分かるように、ハンドル14は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結され得る一対の相互連結可能なハウジングセグメント16及び18を備え得る。図示の構成において、ハンドルハウジングセグメント16、18は、臨床医に握持され操作され得るピストルグリップ部分19を形成するように協働する。以下で更に詳しく記載されるように、ハンドル14は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、ハンドルに動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成されている。
ここで図4を参照すると、ハンドル14は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム20を更に含んでもよい。例えば、フレーム20は、全体として30で示される「第1の」すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、動作可能に取り付けられた又は結合された交換式シャフト組立体200に対して開閉運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム30は、フレーム20によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガ32の形態のアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、図4に示されるように、閉鎖トリガ32は、ピン33によってハウジング14に枢動可能に結合されている。かかる配置によって、閉鎖トリガ32を臨床医が操作することが可能になり、それによって、臨床医がハンドル14のピストルグリップ部分19を把持すると、閉鎖トリガ32を、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より詳細には完全圧縮位置又は完全作動位置へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ32は、ばね又は他の付勢装置(図示せず)によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム30は、閉鎖トリガ32に枢動可能に連結された閉鎖リンケージ組立体34を更に含む。図4で分かるように、閉鎖リンクケージ組立体34は、ピン35によって閉鎖トリガ32に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク36及び第2の閉鎖リンク38を含んでもよい。第2の閉鎖リンク38は、本明細書では「取り付け部材」と呼ばれることもあり、横向き取り付けピン37を含む。
図4を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク36はその上に、フレーム20に枢動可能に結合された閉鎖解除組立体60と協働するように構成された、ロック壁又は端部39を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除組立体60は、遠位側に突出するロック爪64がその上に形成された解除ボタン組立体62を備えてもよい。解除ボタン組立体62は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ32をその非作動位置からハンドル14のピストルグリップ部分19に向かって押下すると、ロック爪64が第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク36が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ32が非作動位置に復帰することが防止される。図18を参照されたい。したがって、閉鎖解除組立体60は、閉鎖トリガ32を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガ32をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、閉鎖解除ボタン組立体62を枢動させ、それによってロック爪64を移動させて、第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との係合から外す。ロック爪64が移動させられて第1の閉鎖リンク36との係合から外れると、閉鎖トリガ32は枢動して非作動位置に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解放構成が用いられてもよい。
上記に加えて、図13~図15は、組織をシャフト組立体200のジョーの間に位置付けることができる、シャフト組立体200の開放構成、すなわち非クランプ構成と関連付けられる非作動位置にある、閉鎖トリガ32を示している。図16~図18は、組織がシャフト組立体200のジョーの間でクランプされる、シャフト組立体200の閉鎖構成、すなわちクランプ構成と関連付けられる作動位置にある、閉鎖トリガ32を示している。図14及び図17を比較すると、閉鎖トリガ32をその非作動位置(図14)から作動位置(図17)へと移動させると、閉鎖解除ボタン62が第1の位置(図14)と第2の位置(図17)との間で枢動することが、読者には理解されるであろう。閉鎖解除ボタン62の回転は、上向きの回転であるとして言及され得るが、閉鎖解除ボタン62の少なくとも一部分は、回路基板100に向かって回転させられている。図4を参照すると、閉鎖解除ボタン62は、そこから延在するアーム61と、アーム61に装着される、例えば永久磁石などの磁気素子63とを含むことができる。閉鎖解除ボタン62をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気素子63は、回路基板100に向かって移動することができる。回路基板100は、磁気素子63の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば、ホール効果センサ65を、回路基板100の底面に装着することができる。ホール効果センサ65は、磁気素子63の移動によって生じる、ホール効果センサ65を取り囲む磁界の変化を検出するように構成することができる。ホール効果センサ65は、例えば、マイクロコントローラ7004(図59)と信号連通することができ、マイクロコントローラは、閉鎖解除ボタン62が、閉鎖トリガ32の非作動位置及びエンドエフェクタの開放構成と関連付けられるその第1の位置、閉鎖トリガ32の作動位置及びエンドエフェクタの閉鎖構成と関連付けられるその第2の位置、及び/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置のどこにあるかを判断することができる。
少なくとも1つの形態では、ハンドル14及びフレーム20は、取り付けられた交換式シャフト組立体の対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム80と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム80はまた、本明細書では「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム80は、ハンドル14のピストルグリップ部分19内に位置する電気モータ82を用いてもよい。様々な形態では、モータ82は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータ82は、1つの形態では着脱可能なパワーパック92を備えてもよい、電源90によって給電されてもよい。例えば、図4で分かるように、パワーパック92は、遠位側ハウジング部分96に取り付けるように構成された、近位側ハウジング部分94を備えてもよい。近位ハウジング部分94及び遠位ハウジング部分96は、内部に複数の電池98を動作可能に支持するように構成される。電池98はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位側ハウジング部分96は、モータ82にやはり動作可能に結合されている、制御回路基板組立体100に着脱可能かつ動作可能に取り付けられるために構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池98が、外科用器具10の電源として使用されてもよい。加えて、電源90は、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ82は、長手方向に移動可能な駆動部材120上にある駆動歯122の組又はラックと噛合係合して装着されるギヤ減速機組立体84と動作可能に連係する、回転式シャフト(図示せず)を含むことができる。使用の際、電源90によって提供される電圧極性によって電気モータ82を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ82を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ82が1つの方向に回転されると、駆動部材120は、遠位方向「DD」に軸方向駆動されることになる。モータ82が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材120は、近位方向「PD」に軸方向駆動されることになる。ハンドル14は、電源90によって電気モータ82に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル14はまた、駆動部材120の位置、及び/又は駆動部材120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
モータ82の作動は、ハンドル14上で枢動可能に支持される発射トリガ130によって制御され得る。発射トリガ130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ130は、ばね132又は他の付勢装置によって非作動位置へと付勢されてもよく、それにより、臨床医が発射トリガ130を解放すると、それがばね132又は付勢装置によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられてもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ130は、上述したように、閉鎖トリガ32の「外側」に位置付けることができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン134が、ピン35によって閉鎖トリガ32に枢動可能に装着されてもよい。安全ボタン134は、発射トリガ130と閉鎖トリガ32との間に位置付けられ、そこから突出する枢動アーム136を有してもよい。図4を参照されたい。閉鎖トリガ32が非作動位置にあるとき、安全ボタン134は、ハンドル14に収容され、臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ130の作動を防止する安全位置と、発射トリガ130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガ32を押下すると、安全ボタン134及び発射トリガ130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
上述したように、ハンドル14は、閉鎖トリガ32及び発射トリガ130を含むことができる。図14~図18Aを参照すると、発射トリガ130を閉鎖トリガ32に枢動可能に装着することができる。閉鎖トリガ32は、そこから延在するアーム31を含むことができ、発射トリガ130は、枢動ピン33を中心にして枢動可能にアーム31に装着することができる。閉鎖トリガ32をその非作動位置(図14)から作動位置(図17)へと移動させると、上に概説したように、発射トリガ130が下向きに下降することができる。安全ボタン134がその発射位置へと移動した後、主に図18Aを参照すると、発射トリガ130を押下して、外科用器具発射システムのモータを動作させることができる。様々な例では、ハンドル14は、例えば、閉鎖トリガ32の位置及び/又は発射トリガ130の位置を判断するように構成された、システム800などの追跡システムを含むことができる。主に図14、図17、及び図18Aを参照すると、追跡システム800は、例えば、発射トリガ130から延在するアーム801に装着される、永久磁石802などの磁気素子を含むことができる。追跡システム800は、例えば、磁石802の位置を追跡するように構成することができる、第1のホール効果センサ803及び第2のホール効果センサ804など、1つ以上のセンサを備えることができる。図14及び図17を比較すると、閉鎖トリガ32をその非作動位置から作動位置へと移動させると、磁石802が、第1のホール効果センサ803に隣接した第1の位置と、第2のホール効果センサ804に隣接した第2の位置との間で移動することができることが、読者には理解されるであろう。図17及び図18Aを比較すると、発射トリガ130を未発射位置(図17)から発射後位置(図18A)へと移動させると、磁石802が第2のホール効果センサ804に対して移動することができることが、読者には更に理解されるであろう。センサ803及び804は、磁石802の移動を追跡することができ、回路基板100のマイクロコントローラと信号連通することができる。第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを用いて、マイクロコントローラは、既定の経路に沿って磁石802の位置を判断することができ、その位置に基づいて、マイクロコントローラは、閉鎖トリガ32がその非作動位置、その作動位置、又はそれらの間の位置のどこにあるかを判断することができる。同様に、第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを用いて、マイクロコントローラは、既定の経路に沿って磁石802の位置を判断することができ、その位置に基づいて、マイクロコントローラは、発射トリガ130がその未発射位置、その完全発射後位置、又はそれらの間の位置のどこにあるかを判断することができる。
上に示されるように、少なくとも一形態において、長手方向に移動可能な駆動部材120は、ギヤ減速機組立体84の対応する駆動ギヤ86と噛合係合するために、その上に形成された歯122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ82が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」組立体140を含む。緊急離脱組立体140は、手動で枢動させて、駆動部材120にやはり設けられた歯124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドル組立体142を含んでもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドル組立体142を使用して駆動部材120を近位方向「PD」にラチェットさせることによって、駆動部材120を手動により後退させることができる。米国特許出願公開第2010/0089970号、現在の米国特許第8,608,045号は、本明細書に開示される様々な器具と共に同様に用いられることもできる緊急離脱装置、並びに他の構成要素、装置、及びシステムを開示している。米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在の米国特許第8,608,045号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
ここで図1及び図7を参照すると、交換式シャフト組立体200は、ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル302を備える、外科用エンドエフェクタ300を含む。エンドエフェクタ300は、細長いチャネル302に対して枢動可能に支持されるアンビル306を更に含んでもよい。交換式シャフト組立体200は、シャフト軸線SA-SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手270及び関節ロック350(図8)を更に含んでもよい。エンドエフェクタ300、関節継手270、及び関節ロック350の構造と動作に関する詳細は、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に説明されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。図7及び図8で分かるように、交換式シャフト組立体200は、ノズル部分202及び203から構成される近位側ハウジング又はノズル201を更に含むことができる。交換式シャフト組立体200は、エンドエフェクタ300のアンビル306を開閉するために利用することができる、閉鎖管260を更に含むことができる。次に図8及び図9を主に参照すると、シャフト組立体200は、関節ロック350のシャフトフレーム部分212を固定可能に支持するように構成することができる、スパイン210を含むことができる。図8を参照されたい。スパイン210は、(1)発射部材220を中で摺動可能に支持するように、かつ(2)スパイン210の周りに延在する閉鎖管260を摺動可能に支持するように、構成することができる。スパイン210はまた、近位側関節ドライバ230を摺動可能に支持するように構成することができる。関節ドライバ230は、関節ロック350を動作可能に係合するように構成された遠位端部231を有する。関節ロック350は、エンドエフェクタフレーム(図示せず)上の駆動ピン(図示せず)に動作可能に係合するように適合された、関節フレーム352と連係する。上述したように、関節ロック350及び関節フレームの動作に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。様々な状況において、スパイン210は、シャーシ240内で回転可能に支持される近位端部211を備えることができる。1つの構成では、例えば、スパイン210の近位端部211には、シャーシ240内で支持されるように構成されたスパイン軸受216にねじ込みによって取り付けられるように、ねじ山214が形成される。図7を参照されたい。かかる構成により、シャーシ240に対するスパイン210の回転可能な取り付けが容易になって、スパイン210を、シャーシ240に対してシャフト軸線SA-SAを中心にして選択可能に回転させることができる。
主に図7を参照すると、交換式シャフト組立体200は、シャーシ240に対して軸方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される、閉鎖シャトル250を含む。図3及び図7で分かるように、閉鎖シャトル250は、一対の近位側に突出するフック252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク38に取り付けられた取り付けピン37に取り付けるように構成される。閉鎖管260の近位端部261は、相対回転するように閉鎖シャトル250に結合されている。例えば、U字コネクタ263は、閉鎖管260の近位端部261にある環状スロット262に挿入され、閉鎖シャトル250の垂直スロット253内で保定される。図7を参照されたい。かかる構成は、閉鎖管260を閉鎖シャトル250と共に軸方向移動するようにそれに取り付ける役割を果たし、一方で閉鎖管260がシャフト軸線SA-SAを中心にして閉鎖シャトル250に対して回転することを可能にする。閉鎖ばね268は、閉鎖チューブ260上で軸止され、閉鎖チューブ260を近位方向「PD」に付勢する役割を果たし、それによって、シャフト組立体がハンドル14に動作可能に結合されると、閉鎖トリガを非作動位置へと枢動する役割を果たすことができる。
少なくとも1つの形態では、交換式シャフト組立体200は、関節継手270を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフト組立体が、関節屈曲可能でなくてもよい。図7で分かるように、例えば、関節継手270は二重旋回閉鎖スリーブ組立体271を有する。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブ組立体271は、上部遠位突出タング273及び下部遠位突出タング274を有する、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272を含む。エンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272は、参照により本明細書に組み込まれている、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている様々な形式で、アンビル306上の開放タブに係合する馬蹄形アパーチャ275及びタブ276を含む。本明細書で更に詳述するように、馬蹄形アパーチャ275及びタブ276は、アンビル306が開放されているときにアンビル上のタブに係合する。上側二重枢動リンク277は、閉鎖管260上にある上部近位突出タング273の上部遠位ピンホール、及び上部遠位突出タング264の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。下部二重枢動リンク278は、下部近位突出タング274の下部遠位ピンホール、及び下部遠位突出タング265の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。図8も参照されたい。
使用の際、閉鎖管260は、例えば、閉鎖トリガ32の作動に応答して、アンビル306を閉鎖するように遠位側(方向「DD」)に並進される。アンビル306は、閉鎖管260を、したがってシャフト閉鎖スリーブ組立体272を遠位側に並進させて、上述した参照文献の米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている方法で、アンビル360の近位面に衝突させることによって閉鎖される。同参照文献にやはり詳細に記載されているように、閉鎖管260及びシャフト閉鎖スリーブ組立体272を近位側に並進させて、タブ276及び馬蹄形アパーチャ275をアンビルタブに接触させ、それを押してアンビル306を持ち上げることによって、アンビル306が開放される。アンビル開放位置において、シャフト閉鎖管260は、その近位位置へと移動させられる。
上述したように、外科用器具10は、エンドエフェクタ300を定位置で選択的にロックするように構成し動作させることができる、米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に更に詳細に記載されているタイプ及び構造の関節ロック350を更に含んでもよい。かかる構成によって、関節ロック350がそのロック解除状態にあるとき、エンドエフェクタ300を、シャフト閉鎖管260に対して回転させること、すなわち関節運動させることが可能になる。かかるロック解除状態では、エンドエフェクタ300を閉鎖管260に対して関節運動させるために、エンドエフェクタ300を、例えば、患者の体内の手術部位を取り囲む軟組織及び/又は骨に対して位置付け、押すことができる。エンドエフェクタ300はまた、関節ドライバ230によって閉鎖チューブ260に対して関節運動させてもよい。
やはり上述したように、交換式シャフト組立体200は、シャフトスパイン210内で軸方向移動するように支持される発射部材220を更に含む。発射部材220は、遠位側切断部分又はナイフバー280に取り付けるために構成された中間発射シャフト部分222を含む。発射部材220はまた、本明細書において「第2のシャフト」及び/又は「第2のシャフト組立体」と呼ばれることもある。図8及び図9で分かるように、中間発射シャフト部分222は、その遠位端部に、遠位側ナイフバー280の近位端部282にあるタブ284を受け入れるように構成することができる、長手方向スロット223を含んでもよい。長手方向スロット223及び近位端部282は、それらの間の相対運動を可能にするようにサイズ決めして構成することができ、かつスリップ継手286を備えることができる。スリップ継手286は、ナイフバー280を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射駆動部220の中間発射シャフト部分222を移動させて、エンドエフェクタ300を関節運動させることを可能にすることができる。エンドエフェクタ300が適切に方向付けられると、中間発射シャフト部分222は、ナイフバー280を前進させ、チャネル302内に配置されたステープルカートリッジを発射するために、長手方向スロット223の近位側壁がタブ284と接触するまで、遠位方向に前進され得る。図8及び図9で更に分かるように、シャフトスパイン210は、シャフトフレーム210への中間発射シャフト部分222の組み付け及び挿入を容易にするために、内部に細長い開口部又は窓部213を有している。中間発射シャフト部分222が中に挿入されると、頂部フレームセグメント215がシャフトフレーム212と係合されて、中間発射シャフト部分222及びナイフバー280を中に封入してもよい。発射部材220の動作に関する更なる記載は、米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。
上記に加えて、シャフト組立体200は、関節ドライバ230を発射部材220に選択的かつ解除可能に結合するように構成することができる、クラッチ組立体400を含むことができる。1つの形態では、クラッチ組立体400は、発射部材220の周りに位置付けられるロックカラー、すなわちスリーブ402を含み、ロックスリーブ402は、ロックスリーブ402が関節ドライバ360を発射部材220に結合する係合位置と、関節ドライバ360が発射部材200に動作可能に結合されない係合解除位置との間で回転され得る。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、発射部材220の遠位方向移動によって、関節ドライバ360を遠位側に移動させることができ、それに対応して、発射部材220の近位方向移動によって、関節ドライバ230を近位側に移動させることができる。ロックスリーブ402がその係合解除位置にあるとき、発射部材220の移動は、関節ドライバ230に伝達されず、その結果、発射部材220は、関節ドライバ230とは独立して移動することができる。様々な状況において、関節ドライバ230が発射部材220によって近位又は遠位方向に移動させられていないとき、関節ドライバ230を関節ロック350によって定位置で保持することができる。
主に図9を参照すると、ロックスリーブ402は、発射部材220を受け入れるように構成された長手方向アパーチャ403が中に画定された、円筒状の、又は少なくとも実質的に円筒状の本体を備えることができる。ロックスリーブ402は、直径方向に対向する内向きのロック突出部404と外向きのロック部材406とを備え得る。ロック突出部404は、発射部材220と選択的に係合されるように構成され得る。より具体的には、ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、ロック突出部404は、発射部材220に画定された駆動ノッチ224内に配置され、そのため、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達され得るようになっている。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、第2のロック部材406は、関節ドライバ230内に画定された駆動ノッチ232内に受け入れられ、それにより、ロックスリーブ402に加えられた遠位押力及び/又は近位引張力は、関節ドライバ230に伝達され得る。実質的に、発射部材220、ロックスリーブ402、及び関節ドライバ230は、ロックスリーブ402がその係合位置にあると、共に移動するようになる。他方で、ロックスリーブ402がその係合解除位置にあるとき、ロック突出部404は、発射部材220の駆動ノッチ224内に位置付けられ得ず、その結果、遠位押力及び/又は近位引張力は、発射部材220からロックスリーブ402に伝達され得ない。それに対応して、遠位押力及び/又は近位引張力は、関節ドライバ230に伝達され得ない。そのような状況下で、発射部材220は、ロックスリーブ402及び近位関節ドライバ230に対して近位側及び/又は遠位側に摺動され得る。
図8~図12で分かるように、シャフト組立体200は、閉鎖管260上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム500を更に含む。スイッチドラム500は、外向き突出作動ピン410を中に受け入れるためのシャフトボス504が中に形成された中空シャフトセグメント502を備える。様々な状況において、作動ピン410は、スロット267を通って、ロックスリーブ402に設けられた長手方向スロット408内へと延在して、ロックスリーブ402が関節ドライバ230と係合されたときにその軸方向運動を容易にする。回転ねじりバネ420は、図10に示されるように、スイッチドラム500のボス504及びノズルハウジング203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム500に加えるように構成されている。スイッチドラム500は、中に画定された少なくとも部分的に円周方向の開口部506を更に備えることができ、その開口部は、図5及び図6を参照すると、ノズル半片202、203から延在する円周方向マウント204、205を受け入れ、スイッチドラム500と近位側ノズル201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成することができる。それらの図で分かるように、マウント204及び205はまた、閉鎖管260の開口部266を通って延在して、シャフトスパイン210の陥凹部211に収まる。しかしながら、マウント204、205がスイッチドラム500内のそれぞれのスロット506の端部に達する点までノズル201が回転すると、スイッチドラム500がシャフト軸線SA-SAを中心にして回転する。スイッチドラム500の回転によって、最終的に、作動ピン410及びロックスリーブ402がその係合位置と係合解除位置との間で回転する。したがって、本質的に、ノズル201は、米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に更に詳細に記載されている様々な方式で、関節駆動システムと発射駆動システムとを動作可能に係合及び係合解除するために用いられてもよい。
やはり図8~図12に示されるように、シャフト組立体200は、例えば、エンドエフェクタ300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリング組立体600を備えることができる。スリップリング組立体600は、シャーシ240から延在するシャーシフランジ242に装着される近位コネクタフランジ604と、シャフトハウジング202、203に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジ601とを備えることができる。近位コネクタフランジ604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジ601は、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジ601は、シャフト軸線SA-SAを中心にして、近位コネクタフランジ604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備えることができる。コネクタ607は、コネクタフランジ601の近位面に装着することができ、複数の接点(図示せず)を有してもよく、各接点は、導体602の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位側コネクタフランジ604と遠位側コネクタフランジ601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ604は、例えば、シャフトシャーシ240に装着されたシャフト回路基板610と信号連通して導体602を配置することができる、電気コネクタ606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ606とシャフト回路基板610との間に延在することができる。電気コネクタ606は、シャーシ装着フランジ242に画定されたコネクタ開口部243を通って近位側に延在してもよい。図7を参照されたい。2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在の米国特許出願公開第2014/0263552号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在の米国特許第9,345,481号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。スリップリング組立体600に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。
上述したように、シャフト組立体200は、ハンドル14に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリング組立体600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリング組立体600の遠位コネクタフランジ601は、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。また、上記に加えて、スイッチドラム500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ601及びスイッチドラム500を互いに同期して回転させることができる。それに加えて、スイッチドラム500を、遠位コネクタフランジ601に対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができない。スイッチドラム500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができる。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム500は、遠位コネクタフランジ601に対して移動させられる。様々な例において、シャフト組立体200は、スイッチドラム500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。次に図11及び図12に移ると、遠位側コネクタフランジ601は、例えば、ホール効果センサ605を備えることができ、スイッチドラム500は、例えば永久磁石505などの磁気素子を備えることができる。ホール効果センサ605は、永久磁石505の位置を検出するように構成され得る。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で回転させると、永久磁石505がホール効果センサ605に対して移動することができる。様々な例において、ホール効果センサ605は、永久磁石505を移動させると生じる磁界の変化を検出することができる。ホール効果センサ605は、例えば、シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100と信号連通することができる。ホール効果センサ605からの信号に基づいて、シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100上のマイクロコントローラは、関節駆動システムが発射駆動システムと係合されているか、又はそこから係合解除されているかを判断することができる。
再び図3及び図7を参照すると、シャーシ240は、フレーム20の遠位側取り付けフランジ部分700内に形成された、対応するダブテールスロット702に受け入れられるように適合された、シャーシ上に形成された少なくとも1つの、好ましくは2つの先細取り付け部分244を含む。各ダブテールスロット702は、取り付け部分244を中に収めて受け入れるように、先細であってもよく、又は言い換えればある程度V字形であってもよい。図3及び図7から更に分かるように、シャフト取り付けラグ226が、中間発射シャフト222の近位端部に形成される。更に詳細に後述するように、交換式シャフト組立体200がハンドル14に結合されると、シャフト取り付けラグ226は、長手方向駆動部材120の遠位端125に形成された発射シャフト取り付けクレードル126に受け入れられる。図3及び図6を参照されたい。
様々なシャフト組立体の実施形態は、シャフト組立体200をハウジング12に、より具体的にはフレーム20に取り外し可能に結合するためのラッチシステム710を用いる。図7に見られるように、例えば、少なくとも1つの形態では、ラッチシステム710は、シャーシ240に対して移動可能に連結されているロック部材又はロックヨーク712を含む。図示される実施形態では、例えば、ロックヨーク712は、2つの離間した下方に延びる脚部714を有するU字形状を有している。脚部714にはそれぞれ、シャーシ240に形成された対応する穴245に受け入れられるように適合された、枢動ラグ716が形成される。かかる配置により、ロックヨーク712をシャーシ240に枢動可能に取り付けやすくなる。ロックヨーク712は、フレーム20の遠位側取り付けフランジ700の対応するロック戻り止め又は溝704と解除可能に係合するように構成された、2つの近位側に突出するロックラグ714を含んでもよい。図3を参照されたい。様々な形態では、ロックヨーク712は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク712の作動は、シャーシ240に装着されたラッチアクチュエータ組立体720上に摺動可能に装着される、ラッチボタン722によって遂行されてもよい。ラッチボタン722は、ロックヨーク712に対して近位方向に付勢することができる。更に詳細に後述するように、ロックヨーク712は、ラッチボタンを遠位方向で付勢することによってロック解除位置へと移動させられてもよく、それによってまた、ロックヨーク712が枢動して、フレーム20の遠位側取り付けフランジ700との保定係合から外れる。ロックヨーク712がフレーム20の遠位側取り付けフランジ700と「保定係合」しているとき、ロックラグ716は、遠位側取り付けフランジ700の対応するロック戻り止め又は溝704内に保定されて収まっている。
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフト組立体を用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフト組立体がハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用の際、臨床医は、閉鎖トリガ32を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ300内に所望の向きで位置付けられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ32を完全に作動させてアンビル306を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めの位置でクランプしてもよい。その場合、第1の駆動システム30は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ300にクランプされた後、シャフト組立体200がハウジング12から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム710の1つの形態は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
図7で最も具体的に分かるように、ロックヨーク712は、閉鎖シャトル250上に形成された対応するロックラグ部分256に接触するように適合された、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック718を含む。図13~図15を参照すると、閉鎖シャトル250が非作動位置にある(すなわち、第1の駆動システム30が非作動で、アンビル306が開放されている)とき、ロックヨーク712を遠位方向で枢動させて、交換式シャフト組立体200をハウジング12からロック解除してもよい。その位置にある場合、ロックフック718は、閉鎖シャトル250のロック突起部分256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル250を作動位置へと移動させる(すなわち、第1の駆動システム30が作動され、アンビル306が閉鎖位置にある)と、ロックヨーク712がロック解除位置へと枢動することが防止される。図16~図18を参照されたい。換言すれば、臨床医がロックヨーク712をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又は例えば、さもなければロックヨーク712を遠位に枢動させ得るような様式でロックヨーク712が慎重に突き当てられるか又は接触された場合、ロックヨーク712上のロックフック718が閉鎖シャトル250上のロックラグ256に接触し、ロックヨーク712がロック解除位置へと移動することを防ぐ。
以下、ハンドル14に対する交換式シャフト組立体200の取り付けについて、図3を参照して記載する。結合プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ240上に形成された先細取り付け部分244がフレーム20のダブテールスロット702と整列されるようにして、交換式シャフト組立体200のシャーシ240をフレーム20の遠位側取り付けフランジ700の上方に、又はそれに隣接して位置付けてもよい。臨床医は、次に、シャフト組立体200を、シャフト軸線SA-SAに垂直な設置軸線IAに沿って移動させて、取り付け部分244を対応するダブテール受け入れスロット702と「動作可能に係合」させて収めてもよい。その際、中間発射シャフト222上のシャフト取り付けラグ226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材120のクレードル126に収められ、第2の閉鎖リンク38上にあるピン37の部分が、閉鎖ヨーク250の対応するフック252に収められる。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。
上述したように、交換式シャフト組立体200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル14の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に結合することができる。第1のシステムは、シャフト組立体200のフレーム又はスパインをハンドル14のフレーム20と結合及び/又は位置合わせする、フレームシステムを備えることができる。別のシステムは、ハンドル14の閉鎖トリガ32と、閉鎖チューブ260と、シャフト組立体200のアンビル306とを動作可能に接続することができる、閉鎖駆動システム30を備えることができる。上で概説したように、シャフト組立体200の閉鎖管取り付けヨーク250を、第2の閉鎖リンク38のピン37と係合させることができる。別のシステムは、ハンドル14の発射トリガ130をシャフト組立体200の中間発射シャフト222と動作可能に接続することができる、発射駆動システム80を備えることができる。上で概説したように、シャフト取り付けラグ226は、長手方向駆動部材120のクレードル126と動作可能に接続することができる。別のシステムは、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体が、ハンドル14と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル14内のコントローラに信号伝達することができ、並びに/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフト組立体200とハンドル14との間で伝導することができる、電気システムを含むことができる。一例として、シャフト組立体200は、シャフト回路基板610に動作可能に装着される電気コネクタ4010を含むことができる。電気コネクタ4010は、ハンドル制御基板100上の対応する電気コネクタ4000と噛合係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができ、その開示内容全体は、参照により本明細書に既に組み込まれている。第5のシステムは、シャフト組立体200をハンドル14に解除可能にロックするラッチングシステムからなっていてもよい。
図2及び図3を再び参照すると、ハンドル14は、複数の電気接点を備える電気コネクタ4000を含むことができる。ここで図59を参照すると、電気コネクタ4000は例えば、第1の接点4001aと、第2の接点4001bと、第3の接点4001cと、第4の接点4001dと、第5の接点4001eと、第6の接点4001fとを備えることができる。例示される実施形態は6つの接点を利用しているが、6つより多い接点又は6つより少ない接点を利用してもよい他の実施形態が想起される。図59に示すように、第1の接点4001aはトランジスタ4008と電気通信することができ、接点4001b~4001eはマイクロコントローラ7004と電気通信することができ、第6の接点4001fはアースと電気通信することができる。特定の状況下で、ハンドル1042が給電状態にあるとき、電気接点4001b~4001eのうちの1つ以上が、マイクロコントローラ7004の1つ以上の出力チャネルと電気通信してもよく、また、給電されるか、電位を印加されることができる。いくつかの状況では、電気接点4001b~4001eのうちの1つ以上が、マイクロコントローラ7004の1つ以上の入力チャネルと電気的に連通していてもよく、ハンドル14が給電状態にあるとき、マイクロコントローラ7004は、かかる電気接点にいつ電位が印加されたかを検出するように構成することができる。例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14に組み付けられるとき、電気接点4001a~4001fは互いに通信しなくてもよい。しかしながら、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていない場合、電気コネクタ4000の電気接点4001a~4001fは露出していてもよく、またいくつかの状況下で、接点4001a~4001fのうちの1つ以上が、偶然に互いに電気通信状態にされることもある。そのような状況は、例えば接点4001a~4001fのうちの1つ以上が導電性材料と接触する場合に生じ得る。これが生じると、例えば、マイクロコントローラ7004が、エラー入力を受信する場合があり、かつ/又はシャフト組立体200が、エラー出力を受信する場合がある。この問題に対処するために、様々な状況では、例えば、シャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14に取り付けられていないとき、ハンドル14は、給電されなくてもよい。他の状況では、例えば、シャフト組立体200などのシャフト組立体が、ハンドル1042に取り付けられていないとき、ハンドル1042に給電することができる。かかる状況では、マイクロコントローラ7004は、シャフト組立体がハンドル14に取り付けられるまで、マイクロコントローラ7004と電気的に連通している接点、すなわち、例えば接点4001b~4001eに印加される、入力又は電位を無視するように構成することができる。マイクロコントローラ7004は、そのような状況下でハンドル14の他の機能を操作するために電力を供給されてもよいが、ハンドル14は非給電状態にあってもよい。ある意味で、電気接点4001b~4001eに印加される電位はハンドル14の動作に影響しないことがあるので、電気コネクタ4000は給電停止状態にあってもよい。接点4001b~4001eは非給電状態にあってもよいが、マイクロコントローラ7004と電気通信していない電気接点4001a及び4001fは、非給電状態にあってもなくてもよいことを読者は理解するであろう。一例として、第6の接点4001fは、ハンドル14が給電状態にあるか非給電状態にあるかに関わらず、アースと電気的に連通したままであってもよい。更に、トランジスタ4008、及び/又は例えばトランジスタ4010などの任意の他の好適なトランジスタの配置、及び/又はスイッチは、ハンドル14が給電状態にあるか非給電状態にあるかに関わらず、例えばハンドル14内の電池90などの電源4004から第1の電気接点4001aへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。様々な状況では、シャフト組立体200は、例えば、シャフト組立体200がハンドル14と係合されたときにトランジスタ4008の状態を変化させるように構成することができる。特定の状況下で、以下に加えて、ホール効果センサ4002が、トランジスタ4010の状態を切り替えるように構成されることができ、トランジスタ4010はその結果として、トランジスタ4008の状態を切り替え、最終的に電源4004から第1の接点4001aに電力を供給することができる。このようにして、コネクタ4000までの電源回路と信号回路の両方に対して、シャフト組立体がハンドル14に設置されていないときは給電停止し、シャフト組立体がハンドル14に設置されているときは給電することができる。
様々な状況では、図59を再び参照すると、ハンドル14は、例えばホール効果センサ4002を含むことができ、ホール効果は、シャフト組立体がハンドル14に結合されると、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体上の、例えば磁気素子4007(図3)などの検出可能な素子を検出するように構成することができる。ホール効果センサ4002は、例えば電池などの電源4006によって給電することができ、電源は実際に、ホール効果センサ4002の検出信号を増幅し、図59に示される回路を介してマイクロコントローラ7004の入力チャネルと通信することができる。シャフト組立体がハンドル14に少なくとも部分的に結合されたこと、そしてその結果として、電気接点4001a~4001fが露出されなくなっていることを示す入力をマイクロコントローラ7004が受信すると、マイクロコントローラ7004は、通常の、つまり給電動作状態に入ることができる。かかる動作状態では、マイクロコントローラ7004は、その通常の使用時に、接点4001b~4001eのうち1つ以上にシャフト組立体から伝達された信号を評価し、かつ/又は、接点4001b~4001eのうちの1つ以上を通してシャフト組立体に信号を伝達する。様々な状況下で、ホール効果センサ4002が磁気素子4007を検知できるためには、シャフト組立体1200が完全に着座されなければならない場合がある。シャフト組立体200の存在を検出するためにホール効果センサ4002を利用することができるが、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検出するために、センサ及び/又はスイッチの任意の好適なシステムを利用することができる。このようにして、上記に加えて、コネクタ4000までの電源回路と信号回路の両方に対して、シャフト組立体がハンドル14に設置されていないときは給電停止し、シャフト組立体がハンドル14に設置されているときは給電することができる。
様々な実施形態では、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検出するために、任意の数の磁気感知素子が用いられてもよい。例えば、磁界感知に使用される技術としては、中でも特に、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
図59を参照すると、マイクロコントローラ7004は、一般に、マイクロプロセッサ(「プロセッサ」)と、プロセッサに動作可能に結合された1つ以上のメモリユニットとを備えてもよい。メモリに記憶された命令コードを実行することによって、プロセッサは、例えば、モータ、様々な駆動システム、及び/又はユーザディスプレイなど、外科用器具の様々な構成要素を制御してもよい。マイクロコントローラ7004は、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又はそれら両方の組み合わせを使用して実装されてもよい。集積型ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を含んでもよい。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、双極トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。特定の例では、マイクロコントローラ7004は、例えば、1つ以上の基板上に離散的及び集積型回路素子又は構成要素を含む、ハイブリッド回路を含んでもよい。
図59を参照すると、マイクロコントローラ7004は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
上述したように、ハンドル14及び/又はシャフト組立体200は、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられていないとき、又は完全に組み付けられていないときに、ハンドルの電気コネクタ4000の接点及び/又はシャフトの電気コネクタ4010の接点が短絡することを防止するか、又は少なくともその可能性を低減するように構成された、システム及び構成を含むことができる。図3を参照すると、ハンドルの電気コネクタ4000は、ハンドルフレーム20に画定されたキャビティ4009内に少なくとも部分的に入り込ませることができる。電気コネクタ4000の6つの接点4001a~4001fは、キャビティ4009内に完全に入り込ませることができる。かかる配置は、物体が接点4001a~4001fの1つ以上に偶発的に接触する可能性を低減することができる。同様に、シャフトの電気コネクタ4010を、シャフトシャーシ240に画定された陥凹部内に位置付けることができ、それによって、物体がシャフトの電気コネクタ4010の接点4011a~4011fのうちの1つ以上に偶発的に接触する可能性を低減することができる。図3に示される特定の実施形態に関して、シャフト接点4011a~4011fは、雄接点を備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、各シャフト接点4011a~4011fは、例えば、対応するハンドル接点4001a~4001fを係合するように構成することができる、シャフト接点から延在する可撓性突出部を備えることができる。ハンドル接点4001a~4001fは、雌接点を備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、各ハンドル接点4001a~4001fは、例えば、平坦面を備えることができ、それに接して雄シャフト接点4001a~4001fがワイプし、すなわち摺動し、接点間の導電性の連係を維持することができる。様々な例では、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられる方向は、ハンドル接点4001a~4001fに対して平行であるか、又は少なくとも実質的に平行であることができ、それにより、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられると、シャフト接点4011a~4011fはハンドル接点4001a~4001fに接して摺動する。様々な代替的な実施形態では、ハンドル接点4001a~4001fが雄接点を備えることができ、シャフト接点4011a~4011fが雌接点を備えることができる。特定の代替的な実施形態では、ハンドル接点4001a~4001f及びシャフト接点4011a~4011fは、接点の任意の好適な配置を備えることができる。
様々な例では、ハンドル14は、ハンドルの電気コネクタ4000を少なくとも部分的に被覆するように構成されたコネクタガード、及び/又はシャフトの電気コネクタ4010を少なくとも部分的に被覆するように構成されたコネクタガードを備えることができる。コネクタガードは、シャフト組立体がハンドルに組み付けられていないとき、又は部分的にのみ組み付けられているとき、物体が電気コネクタの接点に偶発的に触れることを防止するか、又は少なくともその可能性を低減することができる。コネクタガードは、可動であることができる。一例として、コネクタガードは、コネクタを少なくとも部分的に防護する防護位置と、コネクタを防護しないか、又は少なくともわずかしか防護しない非防護位置との間で移動させることができる。少なくとも1つの実施形態では、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、コネクタガードを変位させることができる。一例として、ハンドルがハンドルコネクタガードを備える場合、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、シャフト組立体がハンドルコネクタガードに接触し、それを変位させることができる。同様に、シャフト組立体がシャフトコネクタガードを備える場合、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、ハンドルがシャフトコネクタガードに接触し、それを変位させることができる。様々な例では、コネクタガードは、例えばドアを備えることができる。少なくとも1つの例では、ドアは、ハンドル又はシャフトが接触すると、ドアを特定の方向に変位させることを容易にすることができる、傾斜面を備えることができる。様々な例では、コネクタガードを、例えば、並進及び/又は回転させることができる。特定の例では、コネクタガードは、電気コネクタの接点を被覆する少なくとも1つのフィルムを備えることができる。シャフト組立体がハンドルに組み付けられると、フィルムは破断され得る。少なくとも1つの例では、コネクタの雄接点は、フィルムを貫通することができ、その後、フィルムの下に位置付けられた対応する接点に係合する。
上述したように、外科用器具は、例えば、電気コネクタ4000などの電気コネクタの接点を、選択的に給電又は活性化することができるシステムを含むことができる。様々な例では、接点を不活性状態と活性化状態との間で遷移させることができる。特定の例では、接点を、監視状態、非活性化状態、及び活性化状態の間で遷移させることができる。一例として、マイクロコントローラ7004は例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていないときの接点4001a~4001fを監視して、接点4001a~4001fのうちの1つ以上が短絡されている可能性があるか否かを判断することができる。マイクロコントローラ7004は、接点4001a~4001fそれぞれに低電位を印加し、接点それぞれに最小限の抵抗のみが存在するか否かを見積もるように構成することができる。かかる動作状態は、監視状態を含むことができる。接点において検出された抵抗が高い場合、又は閾値抵抗を上回る場合、マイクロコントローラ7004は、その接点を、1つより多い接点を、あるいは全ての接点を非活性化することができる。かかる動作状態は、非活性化状態を含むことができる。シャフト組立体がハンドル14に組み付けられ、上述したように、それがマイクロコントローラ7004によって検出された場合、マイクロコントローラ7004は、接点4001a~4001fに対する電位を増加することができる。かかる動作状態は、活性化状態を含むことができる。
本明細書に開示される様々なシャフト組立体は、センサ、及びハウジング内のコントローラとの電気的連通を要する他の様々な構成要素を用いてもよい。これらのシャフト組立体は、一般に、ハウジングに対して回転することができるように構成されており、互いに対して回転してもよい2つ以上の構成要素間でのかかる電気的連通を容易にする接続を要する。本明細書に開示されるタイプのエンドエフェクタを用いると、コネクタ装置は、本質的に比較的堅牢でもある一方、シャフト組立体コネクタ部分に嵌合するように、ある程度コンパクトでなければならない。
図19~図22は、例えば、交換式シャフト組立体1200と共に、あるいは互いに対して回転する構成要素間の電気的接続を必要とする様々な他の用途において使用され得る、電気連結器又はスリップリングコネクタ1600の一形態を示す。シャフト組立体1200は、本明細書に記載されるシャフト組立体200と同様であってもよく、閉鎖管又は外側シャフト1260及び近位ノズル1201(明確にするためにノズル1201の上半分が省略されている)を含んでもよい。図示される例では、外側シャフト1260は、外側管1260がその上で選択的に軸方向に移動可能であり得るように、シャフトスパイン1210上に装着される。シャフトスパイン1210及び外側チューブ1260の近位端は、シャフト軸線SA-SAの周りを回転するように、シャーシ1240に回転可能に連結されてもよい。上述したように、近位ノズル1201はマウント又は取り付けラグ1204(図20)を含んでもよく、そのマウント又は取り付けラグは、ノズル部分から内側に突出し、外側管1260の対応する開口部1266を通って延在し、シャフトスパイン1210内の対応する凹部1211内に着座するようになっている。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210を、またおそらくは、それらに連結されたエンドエフェクタ(図示せず)を、シャフト軸線SA-SAを中心としてシャーシ1240に対して回転させるために、臨床医は単純に、図19の矢印「R」によって表されるようにノズル1201を単に回転させる。
例えば、センサがエンドエフェクタにおいて、又はシャフト組立体内若しくはその上の位置で使用されるとき、ワイヤ及び/又はトレース(図示せず)などの導体は、外側管1260内に受け入れられても若しくは装着されてもよく、又はセンサから、ノズル1201内に装着された遠位電気部品1800へと外側管1260に沿って通されてもよい。したがって、遠位電気部品1800は、シャフト軸線SA-SAの周りでノズル1201と共に回転可能である。図20に示す実施形態では、電気部品1800は、互いに横方向に変位される接点1802、1804、1806及び1808を含むコネクタ、電池などを含む。
スリップリングコネクタ1600は、環状装着表面1613を画定する円筒形本体部分1612を含む装着部材1610を更に含む。遠位フランジ1614が、円筒形本体部分1612の少なくとも一方の端部に形成されてもよい。装着部材1610の本体部分1612は、シャーシ1240上の装着ハブ1241上に回転不能に装着されるようにサイズ決めされる。図示した実施形態では、1つの遠位フランジ1614が本体部分1612の一端に設けられている。第2のフランジ1243は、本体部分1612がその上に固定的に(回転不能に)装着されたときに、第2のフランジ1243が本体部分1612の近位端に当接するように、シャーシ1240上に形成される。
スリップリングコネクタ1600はまた、第1のフランジ1614と第2のフランジ1243との間に受け入れられるように、本体部分1612の環状装着表面1613の周囲に巻き付けられる、独特かつ新規な環状回路トレース組立体1620を用いている。ここで図21及び図22を参照するが、回路トレース組立体1620は、本体部分1612(すなわち、環状装着表面1613)の周囲に巻き付けられ得る接着剤付きフレキシブル基板1622を備えてもよい。本体部分1612の周囲に巻き付けられる前に、フレキシブル基板1622は、第1の環状部分1624とリード部分1626とを有する「T字形状」を有してもよい。図19~図21でもわかるように、回路トレース組立体1620は、例えば、導電性の金メッキされたトレースを含み得る回路トレース1630、1640、1650、1660を更に含み得る。しかしながら、他の導電性材料も使用されてもよい。各導電性回路トレースは、基板が本体部分1612の周囲に巻き付けられるときにトレースの環状部分を形成する「環状部分」、並びに環状部分から横方向又は垂直に延在する別の「リード部分」を含む。より具体的には、図22を参照すると、第1の導電性回路トレース1630は、第1の環状部分1632及び第1のリード部分1634を有する。第2の導電性回路トレース1640は、第2の環状部分1642と、そこから横方向又は垂直に延在する第2のリード部分1644とを有する。第3の導電性回路トレース1650は、第3の環状部分1652と、そこから横方向又は垂直に延在する第3のリード部分1654とを有する。第4の導電性回路トレースは、第4の環状部分1662と、そこから横方向又は垂直に延在する第4のリード部分1664とを有する。導電性回路トレース1630、1640、1650、1660は、従来の製造技術を使用して、基板が平面的な向きをなす間に(すなわち、装着部材1610の環状本体部分1612に巻き付けられる前に)、フレキシブル基板1622に適用されてもよい。図22に見られるように、環状部分1632、1642、1652、1662は、互いに横方向に変位されている。同様に、リード部分1634、1644、1654、1664は、互いに横方向に変位される。
回路トレース組立体1620が環状装着表面1613の周囲に巻き付けられ、接着剤、両面テープなどによってそこに取り付けられるとき、基板のうちの環状部分1632、1642、1652、1664を含む部分の端部は、環状部分1632、1642、1652、1664がシャフト軸線SA-SAの周りに延在する別個の連続した環状の導電性経路1636、1646、1656、1666をそれぞれ形成するように、互いに対して当接される。したがって、導電性経路1636、1646、1656及び1666は、シャフト軸線SA-SAに沿って互いに横方向又は軸方向に変位される。リード部分1626は、フランジ1243内のスロット1245を通って延在し、回路基板(例えば、図7の回路基板610を参照)又は他の好適な電気部品に電気的に結合されてもよい。
図示された実施形態では、例えば、電気部品1800は、装着部材1610の周りを回転するようにノズル1261内に装着されており、それにより、接点1802が第1の環状導電性経路1636と一定の電気的接触をなし、接点1804が、第2の環状導電性経路1646と一定の電気的接触をなし、接点1806が、第3の環状導電性経路1656と一定の電気的接触をなし、接点1808が、第4の導電性経路1666と一定の電気的接触をなすようになっている。しかしながら、スリップリングコネクタ1600の様々な利点はまた、装着部材1610がシャフト軸線SA-SAの周りを回転するように支持され、電気部品1800がそれに対して固定的に取り付けられる用途においても獲得され得ることが理解されるであろう。スリップリングコネクタ1600は、互いに対して回転する構成要素間に電気的接続をもたらすことが望ましい手術以外の分野でも、様々な異なる構成要素及び用途と関連させて効果的に使用され得ることが更に理解されるであろう。
スリップリングコネクタ1600は、任意の半径方向位置から、また任意の半径方向位置へと、信号及び電力をシャフトの回転後に伝送する伝導性接触手段を提供するラジアルスリップリングを備えている。電気部品が電池接点を含む用途では、電池接点位置は、それらの構成要素間の任意の累積公差を最小化するように装着部材に対して設置され得る。結合器構成は、最小限の製造コストで組み立てられ得る低コストの連結構成を代表するものであり得る。金めっきトレースはまた、腐食の可能性を最小限に抑えることができる。固有及び新規の接触構成は、対応する環状の導電性経路と電気的に接触し続けている間、シャフト軸線SA-SAの周りでの時計回り及び反時計回りの完全な回転を容易にする。
図23~図25は、例えば、交換式シャフト組立体1200’と共に、あるいは互いに対して回転する構成要素間の電気的接続を必要とする様々な他の用途において使用され得る、電気連結器又はスリップリングコネクタ1600’の一形態を示す。シャフト組立体1200’は、本明細書に記載されるシャフト組立体1200と同様であってもよく、閉鎖管又は外側シャフト1260及び近位ノズル1201(明確にするためにノズル1201の上半分が省略されている)を含んでもよい。図示される例では、外側シャフト1260は、外側管1260がその上で選択的に軸方向に移動可能であり得るように、シャフトスパイン1210上に装着される。シャフトスパイン1210及び外側チューブ1260の近位端は、シャフト軸線SA-SAの周りを回転するように、シャーシ1240’に回転可能に連結されてもよい。上述したように、近位ノズル1201はマウント又は取り付けラグを含んでもよく、そのマウント又は取り付けラグは、ノズル部分から内側に突出し、外側管1260の対応する開口部1266を通って延在し、シャフトスパイン1210内の対応する凹部1211内に着座するようになっている。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210を、またおそらくは、それらに連結されたエンドエフェクタ(図示せず)を、シャフト軸線SA-SAを中心としてシャーシ1240’に対して回転させるために、臨床医は単純に、図23の矢印「R」によって表されるようにノズル1201を単に回転させる。
例えば、センサがエンドエフェクタにおいて、又はシャフト組立体内若しくはその上の位置で使用されるとき、ワイヤ及び/又はトレース(図示せず)などの導体は、外側管1260内に受け入れられても又は装着されてもよく、あるいは、センサから、ノズル1201内に装着された遠位電気部品1800’へと外側管1260に沿って通されてもよい。したがって、遠位電気部品1800’は、ノズル1201及びそれに取り付けられたワイヤ/トレースと共に回転可能である。図23に示す実施形態では、電気部品1800は、互いに横方向に変位される接点1802’、1804’、1806’及び1808’を含むコネクタ、電池などを含む。
スリップリングコネクタ1600’は、あわせて積層された複数の導電性リングから製作される、積層されたスリップリング組立体1610’を更に含む。より具体的には、図25を参照すると、スリップリング組立体1610’の一形態は、スリップリング組立体1610’の遠位端を形成する第1の非導電性フランジ1670を備えてもよい。フランジ1670は、例えば、高耐熱性材料から作製されてもよい。第1の導電性リング1680は、第1のフランジ1670に直接隣接して配置される。第1の導電性リング1680は、その上に第1の金めっき1682を有する第1の銅リング1681を含んでもよい。第2の非導電性リング1672は、第1の導電性リング1680に隣接している。第2の導電性リング1684は、第2の非導電性リング1672に隣接している。第2の導電性リング1684は、その上に第2の金めっき1686を有する第2の銅リング1685を含んでもよい。第3の非導電性リング1674は、第2の導電性リング1684に隣接している。第3の導電リング1688は、第3の非導電性リング1674に隣接している。第3の導電性リング1688は、その上に第3の金めっき1690を有する第3の銅リング1689を含んでもよい。第4の非導電性リング1676は、第3の導電性リング1688に隣接している。第4の導電リング1692は、第4の非導電性リング1676に隣接している。第4の導電性リング1692は、第4の非導電性リング1676に隣接している。第5の非導電性リング1678は、第4の導電性リング1692に隣接し、装着部材1610’の近位端を形成する。非導電性リング1670、1672、1674、1676及び1678は、同じ材料から作製されてもよい。第1の導電性リング1680は、第1の環状導電性経路1700を形成する。第2の導電性リング1682は、第1の環状導電性経路1700から横方向又は軸方向に離間された第2の環状導電性経路1702を形成する。第3の導電性リング1688は、第2の環状導電性経路1702から横方向又は軸方向に離間された第3の環状導電性経路1704を形成する。第4の導電性リング1692は、第3の環状導電性経路1704から横方向又は軸方向に離間された第4の環状導電性経路1706を形成する。スリップリング組立体1610’は、銅リングを電磁成形(EMMF:Magneformed)するためのチャネルで成型された、一体成型の高温抵抗性かつ非導電性の材料を含む。
図24に見られるように、スリップリングコネクタ1600’は、リング1670、1680、1672、1684、1674、1688、1676、1692、及び1678のそれぞれにおいて軸方向に整列したノッチ1710に挿入されるように適合された非導電性横方向装着部材1720を更に含む。横方向装着部材1720は第1の回路トレース1722を有しており、この第1の回路トレースは、横方向装着部材1672がノッチ1710内に装着されたときに、第1の環状導電性経路1700と電気的に接触するように適合されている。同様に、第2の回路トレース1724は、横方向装着部材1720上に印刷され、第2の環状導電性経路1702と電気的に接触するように構成されている。第3の回路トレース1726は、横方向装着部材1720上に印刷され、第3の環状導電性経路1704と電気的に接触するように構成されている。第4の回路トレース1728は、横方向装着部材1720上に印刷され、第4の環状導電性経路1706と電気的に接触するように構成されている。
図23~図25に示される構成では、スリップリング組立体1610’は、シャーシ1240’上の装着ハブ1241’上に固定的に(回転不能に)受け入れられるように構成されている。横方向装着部材1720は、装着ハブ1241’内に形成された溝1243’内に受け入れられ、この溝は、横方向装着部材1720のためのキー溝として機能し、かつ、スリップリング組立体1610’が装着ハブ1241’に対して回転することを防止する役割を果たす。
図示された実施形態では、例えば、電気部品1800’は、スリップリング組立体1610’の周りを回転するようにノズル1201内に装着されており、それにより、接点1802’が第1の環状導電性経路1700と一定の電気的接触をなし、接点1804’が、第2の環状導電性経路1702と一定の電気的接触をなし、接点1806’が、第3の環状導電性経路1704と一定の電気的接触をなし、接点1808’が、第4の導電性経路1706と一定の電気的接触をなすようになっている。しかしながら、スリップリングコネクタ1600’の様々な利点はまた、スリップリング組立体1610’がシャフト軸線SA-SAの周りを回転するように支持され、電気部品1800’がそれに対して固定的に取り付けられる用途においても獲得され得ることが理解されるであろう。スリップリングコネクタ1600’は、互いに対して回転する構成要素間に電気的接続をもたらすことが望ましい手術以外の分野でも、様々な異なる構成要素及び用途と関連させて効果的に使用され得ることが更に理解されるであろう。
スリップリングコネクタ1600’は、任意の半径方向位置から、また任意の半径方向位置へと、信号及び電力をシャフトの回転後に伝送する伝導性接触手段を提供するラジアルスリップリングを備えている。電気部品が電池接点を含む用途では、電池接点位置は、それらの構成要素間の任意の累積公差を最小化するように装着部材に対して設置され得る。スリップリングコネクタ1600’は、最小限の製造コストで組み立てられ得る低コストの連結構成を代表するものであり得る。金めっきトレースはまた、腐食の可能性を最小限に抑えることができる。固有及び新規の接触構成は、対応する環状の導電性経路と電気的に接触し続けている間、シャフト軸線の周りでの時計回り及び反時計回りの完全な回転を容易にする。
図26~図30は、例えば、交換式シャフト組立体1200’’と共に、あるいは互いに対して回転する構成要素間の電気的接続を必要とする様々な他の用途において使用され得る、電気連結器又はスリップリングコネクタ1600’’の別の形態を示す。シャフト組立体1200’’は、以下に記載される相違点を除いて、本明細書に記載されるシャフト組立体1200及び/又は1200’と同様であってもよい。シャフト組立体1200’’は、閉鎖管又は外側シャフト1260及び近位ノズル1201(明確にするためにノズル1201の上半分が省略されている)を含んでもよい。図示される例では、外側シャフト1260は、外側管1260がその上で選択的に軸方向に移動可能であり得るように、シャフトスパイン1210上に装着される。シャフトスパイン1210及び外側チューブ1260の近位端は、シャフト軸線SA-SAの周りを回転するように、シャーシ1240’’に回転可能に連結されてもよい。上述したように、近位ノズル1201はマウント又は取り付けラグを含んでもよく、そのマウント又は取り付けラグは、ノズル部分から内側に突出し、外側管1260の対応する開口部1266を通って延在し、シャフトスパイン1210内の対応する凹部1211内に着座するようになっている。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210を、またおそらくは、それらに連結されたエンドエフェクタ(図示せず)を、シャフト軸線SA-SAを中心としてシャーシ1240’’に対して回転させるために、臨床医は単純に、ノズル1201を単に回転させる。
例えば、センサがエンドエフェクタにおいて、又はシャフト組立体内若しくはその上の位置で使用されるとき、ワイヤ及び/又はトレース(図示せず)などの導体は、外側管1260内に受け入れられても若しくは装着されてもよく、又はセンサから、ノズル1201内に装着された遠位電気部品1800’’’へと外側管1260に沿って通されてもよい。図示した実施形態では、例えば、電気部品1800’’は、シャフト軸線SA-SAと実質的に整列するように、ノズル1201内に装着される。遠位電気部品1800’’は、ノズル1201及びそれに取り付けられたワイヤ/トレースと共に、シャフト軸線SA-SAを中心として回転可能である。電気部品1800’’は、互いに横方向に変位される4つの接点1802’’、1804’’、1806’’及び1808’’を含むコネクタ、電池などを含んでもよい。
スリップリングコネクタ1600’’は、ベースリング1900を含むスリップリング組立体1610’’を更に含み、このベースリングは、非導電性材料から製作され、内部を通る中央装着ボア1902を有する。装着ボア1902は平坦な表面1904を有し、シャーシ1240’’の遠位端で支持される装着フランジ組立体1930への非回転取り付けのために構成されている。ベースリング1900の遠位側1905は、それに取り付けられた又は積層された、一連の同心導電性リング1906、1908、1910、及び1912を有する。リング1906、1908、1910及び1912は、任意の好適な方法によってベースリング1900に取り付けられてよい。
ベースリング1900は、導電性リング1906、1908、1910、及び1912のそれぞれに結合された、内部を通って延在する回路トレースを更に含んでもよい。ここで図28~図30を参照するが、第1の回路トレース1922は、ベースリング1900内の第1の穴1920を通って延在し、第1の導電性リング1906に結合される。第1の回路トレース1922は、ベースリング1900の近位側1907上の第1の近位接触部分1924で終端する。図30を参照されたい。同様に、第2の回路トレース1928は、ベースリング1900内の第2の穴1926を通って延在し、第2の導電性リング1908に結合される。第2の回路トレース1928は、ベースリング1900の近位側1907上の第2の近位接点1930で終端する。第3の回路トレース1934は、ベースリング内の第3の穴1932を通って延在し、第3の導電性リング1910に取り付けられる。第3の回路トレース1934は、ベースリングの近位側1907上の第3の近位接点1936で終端する。第4の回路トレース1940は、ベースリング1900の第4の穴1938を通って延在して、第4の導電性リング1912に取り付けられる。第4の回路トレース1940は、ベースリング1900の近位側1907上の第4の近位接点1942で終端する。
ここで図27を参照すると、ベースリング1900は、シャーシ1240’’の装着ハブ部分1241’’に回転不能に連結された装着フランジ1950によってノズル1201内で回転不能に支持されるように構成されている。装着ハブ部分1241’’は、平坦な表面1243’’を伴って形成されてもよく、この平坦な表面は、例えば、上述されたタイプの横方向装着部材を支持するためのものであり、その横方向装着部材は、例えば、回路基板、又は本明細書並びに米国特許出願第13/803,086号に記載された様々な様式及び配列でシャーシ上で支持される他の対応する電気部品に連結され得る複数(好ましくは4つの)リードを含む。横方向支持部材は、明確にするために図26及び図27では省略されている。しかしながら、図26及び図27に見られるように、装着フランジ1950は、装着ハブ部分1241’’上の平坦な表面1243’’の一部分と係合するように適合されたノッチ1952をその中に有する。図27に見られるように、装着フランジ1950は、ベースリング1900を装着フランジ1950に固定的に取り付ける働きをする一連のばねタブ1956を備えるフランジハブ部分1954を更に含んでもよい。閉鎖管1260及びスパイン1210は、フランジハブ1954を通って延在し、ノズル1201と共にフランジハブに対して回転可能であることが理解されよう。
例えば、図示された実施形態では、電気部品1800’’は、スリップリング組立体1610’’の周りを回転するようにノズル1201内に装着されており、それにより、例えば、構成要素1800’’内の接点1802’’はリング1906と一定の電気的接触をなし、接点1804’’はリング1908と接触をなし、接点1806’’はリング1910と接触をなし、接点1808’’は、ノズル1201がシャーシ1240’’に対して回転されたときでもリング1912と接触をなすようになっている。しかしながら、スリップリングコネクタ1600’’の様々な利点はまた、スリップリング組立体1610’’がシャフト軸線SA-SAの周りを回転するように支持され、電気部品1800’’がそれに対して固定的に取り付けられる用途においても獲得され得ることが理解されるであろう。スリップリングコネクタ1600’’は、互いに対して回転する構成要素間に電気的接続をもたらすことが望ましい手術以外の分野でも、様々な異なる構成要素及び用途と関連させて効果的に使用され得ることが更に理解されるであろう。
スリップリングコネクタ1600’’は、任意の半径方向位置から、また任意の半径方向位置へと、信号及び電力をシャフトの回転後に伝送する伝導性接触手段を提供するラジアルスリップリングを備えている。電気部品が電池接点を含む用途では、電池接点位置は、それらの構成要素間の任意の累積公差を最小化するように装着部材に対して設置され得る。スリップリングコネクタ1600’’は、最小限の製造コストで組み立てられ得る低コストかつ小型の連結構成を代表するものであり得る。固有及び新規の接触構成は、対応する環状の導電性リングと電気的に接触し続けている間、シャフト軸線の周りでの時計回り及び反時計回りの完全な回転を容易にする。
図31~図36は概して、モータ駆動式外科用締結及び切断器具2000を示す。図31及び図32に示されるように、外科用器具2000は、ハンドル組立体2002と、シャフト組立体2004と、電源組立体2006(又は「電力源」又は「パワーパック」)と、を含んでもよい。シャフト組立体2004は、特定の状況では、組織をクランプピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして働くように構成され得るエンドエフェクタ2008を含み得るが、他の例において、他の種類の外科用装置、グラスパ、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置用のエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてよい。いくつかのRF装置が、米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」(1995年4月4日発行)、及び米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」(2008年2月14日出願)に見出され得る。米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」(1995年4月4日発行)、及び米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」(2008年2月14日出願)の開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
主に図32及び図33を参照すると、ハンドル組立体2002は、例えばシャフト組立体2004など複数の交換式シャフト組立体と共に使用され得る。かかる交換式シャフト組立体は、例えば、1つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2008など外科用エンドエフェクタを備えてよい。好適な交換式シャフト組立体の例は、米国仮特許出願第61/782,866号、発明の名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」(2013年3月14日出願)に開示されている。米国特許仮出願第61/782,866号、発明の名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」(2013年3月14日出願)の全ての開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
主に図32を参照すると、ハンドル組立体2002は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成され得るハンドル2012からなるハウジング2010を備えてよい。しかしながら、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフト組立体の様々な独自の新規な構成がまた、ロボット制御式の外科用システムに関連して効果的に用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフト組立体及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。例えば、本明細書に開示する交換式シャフト組立体は、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
再び図32を参照すると、ハンドル組立体2002は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持することができ、これらの駆動システムは、ハンドル組立体に動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成され得る。例えば、ハンドル組立体2002は、第1の、すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この駆動システムは、ハンドル組立体2002に動作可能に取り付けられるか又は連結されている間に、シャフト組立体2004に開閉運動を適用するために用いられ得る。少なくとも1つの形態において、ハンドル組立体2002は、発射駆動システムを動作可能に支持することができ、この発射システムは、ハンドル組立体に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応部分に発射運動を適用するように構成され得る。
主として図33A及び図33Bを参照すると、ハンドル組立体2002はモータ2014を含んでよく、このモータは、モータドライバ2015によって制御され得るものであり、また外科用器具2000の発射システムによって用いられ得る。様々な形態では、モータ2014は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ2014は、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。特定の状況下では、モータドライバ2015は、例えば図33A及び図33Bに示されているように、HブリッジFET 2019を備えてよい。モータ2014は、ハンドル組立体2002に解放可能に取り付けられ得る電源組立体2006(図35)によって給電され得、電源組立体2006は、外科用器具2000に制御電力を供給するように構成されている。電源組立体2006は電池2007(図36)を備えてよく、これには、外科用器具2000に給電するための電源として使用され得る、直列に接続されている多数の電池セルを含み得る。かかる構成では、電源組立体2006は、電池パックと呼ばれ得る。特定の状況下では、電源組立体2006の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体2006に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。
外科用器具2000での使用に適した駆動システム及び閉鎖システムの例は、2013年3月14日に出願された「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許仮出願第61/782,866号に開示されており、その開示内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。例えば、電気モータ2014は、回転式シャフト(図示せず)を含むことができ、その回転式シャフトは、長手方向に移動可能な駆動部材上の駆動歯の組又はラックとの噛合係合をなして取り付けられ得るギヤ減速機組立体と動作可能に連係し得る。使用の際に、電池2007(図36)によって提供される電圧極性は、電気モータ2014を動作して、エンドエフェクタ2008を実行するように長手方向に移動可能な駆動部材を駆動し得る。例えば、モータ2014は、長手方向に移動可能な駆動部材を駆動して発射機構を前進させることで、例えば、エンドエフェクタ2008と共に組み立てられたステープルカートリッジから、エンドエフェクタ2008によって捕捉された組織へステープルを発射するように、かつ/又は切断部材2011(図34)を前進させることで、エンドエフェクタ2008によって捕捉された組織を切断するように、構成され得る。
特定の状況下では、外科用器具2000は、不適合なハンドル組立体及び電源組立体をユーザが連結しないように、ロックアウト機構を備えてもよい。例えば、図35に示すように、電源組立体2006は噛合要素2011を含んでよい。特定の状況下では、噛合要素2011は、電源組立体2006から延在するタブであってよい。特定の例では、ハンドル組立体2002は、噛合要素2011との噛合係合用に、対応する噛合要素(図示せず)を備えてよい。このような構成は、不適合なハンドル組立体及び電源組立体をユーザが連結することを防止するのに有用であり得る。
読者は、異なる交換式シャフト組立体が異なる電力要件を有し得ることを理解するであろう。切断部材をエンドエフェクタを通して前進させるため及び/又はステープルを発射するために必要な電力は、例えば、切断部材が移動する距離、使用されるステープルカートリッジ、及び/又は治療される組織の種類に依存し得る。したがって、電源組立体2006は、様々な交換式シャフト組立体の電力要件を満たすように構成され得る。例えば、図34に示されるように、シャフト組立体2004の切断部材2011は、エンドエフェクタ2008に沿って距離D1にわたって移動するように構成され得る。他方で、別の交換式シャフト組立体2004’は、交換式シャフト組立体2004’のエンドエフェクタ2008’に沿って距離D1とは異なる距離D2にわたって移動するように構成され得る切断部材2011’を含んでもよい。電源組立体2006は、例えば、交換式シャフト組立体2004がハンドル組立体2002に連結されている間に、モータ2014に給電して切断部材2011を距離D1にわたって前進させるのに十分な第1の電力出力を供給するように構成され得、また、交換式シャフト組立体2004’がハンドル組立体2002に連結されている間に、モータ2014に給電して切断部材2011’を距離D2にわたって前進させるのに十分な、第1の電力出力とは異なる第2の電力出力を供給するように構成され得る。図33A及び図33Bに示すように、また以下で更に詳細に説明するように、電源組立体2006は、電源管理コントローラ2016(図36)を含むことができ、この電源管理コントローラは、例えば、交換式シャフト組立体2004がハンドル組立体2002に連結されている間に、モータ2014に給電して切断部材2011を距離D1にわたって前進させるための第1の電力出力を送出するように、また、交換式シャフト組立体2004’がハンドル組立体2002に連結されている間に、モータ2014に給電して切断部材2011’を距離D2にわたって前進させるための第2の電力出力を送出するように、電源組立体2006の電力出力を調整するよう構成され得る。そのような変調は、ハンドル組立体2002に結合されている交換式シャフト組立体に必要以上の過剰な電力をモータ2014に伝達することを回避する上で有益となり得る。
再び図32~図36を参照するが、ハンドル組立体2002は、例えば、シャフト組立体2004などの交換式シャフト組立体に解放可能に連結されるか若しくは取り付けられ得る。特定の例において、ハンドル組立体2002は、電源組立体2006に解放可能に連結されるか若しくは取り付けられ得る。シャフト組立体2004及び/又は電源組立体2006にハンドル組立体2002を解放可能に連結するために、様々な連結手段が利用され得る。例示的な連結機構が、米国特許仮出願第61/782,866号、発明の名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」(2013年3月14日出願)に記載されている。例えば、シャフト組立体2004は、シャフト取り付けモジュール2018(図32)を含んでもよく、シャフト取り付けモジュールは、シャフト取り付けモジュール2018に対して選択的に枢動移動するためにシャフト取り付けモジュールに枢動可能に連結されたロックヨークと協働するように構成され得るラッチアクチュエータ組立体を更に含んでもよく、ロックヨークは、ハンドル組立体2002のハンド組立体取り付けモジュール2020内に形成された対応するロック戻り止め又は溝と解放可能に係合するように構成された近位突出ロックラグを含んでもよい。
ここで主として図33A~図36を参照するが、シャフト組立体2004は、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている間に、インターフェース2024を通じて電源管理コントローラ2016と通信し得るシャフト組立体コントローラ2022を含み得る。例えば、インターフェース2024は、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている間にシャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフト組立体電気コネクタ2028との連結係合のための1つ以上の電気コネクタ2026を含み得る第1のインターフェース部分2025と、対応する電源組立体電気コネクタ2032との連結係合のための1つ以上の電気コネクタ2030を含み得る第2のインターフェース部分2027と、を備え得る。取り付けられた交換式シャフト組立体2004の1つ以上の電力要件を電源管理コントローラ2016に伝達するために、1つ以上の通信信号がインターフェース2024を介して送信され得る。それに応じて、電源管理コントローラは、取り付けられたシャフト組立体2004の電力要件に従って、以下により詳細に記載されているように、電源組立体2006の電池2007の電力出力を調整し得る。特定の状況下では、1つ以上の電気コネクタ2026、2028、2030、及び/又は2032は、シャフト組立体2004、及び/又は電源組立体2006とのハンドル組立体2002の機械的連結係合後に活性化され得るスイッチを備えてよく、それにより、シャフト組立体コントローラ2022と電源管理コントローラ2016との間の電気通信が可能になる。
特定の状況下では、インターフェース2024は、例えば、ハンドル組立体2002に存在するメインコントローラ2017(図33A及び図33B)を介してかかる通信信号を経路指定することにより、電源管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の1つ以上の通信信号の伝送を容易にし得る。他の状況下では、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている一方で、インターフェース2024は、ハンドル組立体2002を介して電源管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の直接線の通信を容易にし得る。
一例では、主要マイクロコントローラ2017は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一例では、外科用器具2000は、例えば、同じくTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られる、TMS570及びRM4xなどの2つのマイクロコントローラベースファミリを備える、安全なマイクロコントローラプラットフォームなどの、電源管理コントローラ2016を備え得る。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。一例では、安全プロセッサ1004は、拡張可能な性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも、IEC 61508及びISO 26262安全基幹アプリケーション用に特に構成されてもよい。
特定の例では、マイクロコントローラ2017は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
ここで主として図36及び図37を参照すると、電源組立体2006は、電源管理回路2034を含んでよく、電源管理回路は、電源管理コントローラ2016、電力変調器2038及び電流検出回路2036を備え得る。シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている一方で、電源管理回路2034は、シャフト組立体2004の電力要件に基づいて電池2007の電力出力を変調するように構成され得る。例えば、電源管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力の電力変調器2038を制御するようにプログラムされ得、電流検出回路2036は、電池2007の電力出力に関するフィードバックを電源管理コントローラ2016に提供するため、電源組立体2006の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、図37に示されているように、電源管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。
電源管理コントローラ2016及び/又はシャフト組立体コントローラ2022はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶し得る1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリユニットを備え得る点に注目すべきである。外科用器具2000の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの若しくはより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されるであろう。更に、様々な例が、説明を容易にするためにモジュール及び/又はブロックに関して記載される場合があるが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上の、例えばプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/若しくは、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、並びに/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
特定の例では、外科用器具2000は、ユーザに感覚フィードバックを提供するための1つ以上の装置を含み得る、出力装置2042を備えてよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、聴覚フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚アクチュエータ)を含んでもよい。特定の状況下では、図36に示すように、出力装置2042は、ハンドル組立体2002に含まれ得るディスプレイ2043を備えてよい。シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016は、出力装置2042を介して外科用器具2000のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェース2024は、シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016を出力装置2042に接続するように構成され得る。読者は、出力装置2042が代わりに電源組立体2006と統合され得ることを理解するであろう。かかる状況下では、シャフト組立体2004がハンドル組立体2002に連結されている一方で、出力装置2042とシャフト組立体コントローラ2022との間の通信はインターフェース2024を介して成し遂げられ得る。
図38及び図39を参照すると、外科用器具2050が図示されている。外科用器具2050は、外科用締結及び切断器具2000(図31)に多くの点で類似していてもよい。例えば、外科用器具2050は、エンドエフェクタ2008に多くの点で類似したエンドエフェクタ2052を含んでもよい。例えば、エンドエフェクタ2052は、組織をクランピング、切断、及びステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得る。
上記に加えて、外科用器具2050は、図38に示されるように、ハンドル組立体2053と、ハンドル組立体2053とエンドエフェクタ2052との間に延在するシャフト2055と、を含み得る交換式運転組立体2054を含んでもよい。特定の例では、外科用器具2050は、例えば、交換式運転組立体2054などの複数の交換式運転組立体と共に用いられ得る電源組立体2056を含んでもよい。かかる交換式運転組立体は、例えば、1つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2052など外科用エンドエフェクタを含んでもよい。特定の状況下では、ハンドル組立体2053及びシャフト2055は、単一の装置に統合され得る。他の状況下では、ハンドル組立体2053及びシャフト2055は、互いに分離可能に連結可能となり得る。
外科用器具2000と同様に、電源組立体2056が交換式運転組立体2054に連結されている間、外科用器具2050は、電源組立体2056によって給電され得る複数の駆動システムを動作可能に支持し得る。例えば、交換式運転組立体2054は、閉鎖駆動システムを動作可能に支持し得、エンドエフェクタ2052に開閉運動を適用するために用いられ得る。少なくとも1つの形態において、交換式運転組立体2054は、発射駆動システムを動作可能に支持し得、発射駆動システムは、エンドエフェクタ2052に発射運動を適用するように構成され得る。外科用器具2050での使用に適した駆動システムの例は、2013年3月14日に出願された「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許仮出願第61/782,866号に開示されており、その開示内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。
図39を参照すると、外科用器具2050の電源組立体2056は、例えば、交換式運転組立体2054などの交換式運転組立体に、分離可能に連結され得る。交換式運転組立体2054に電源組立体2056を解放可能に連結するため、様々な連結手段が使用され得る。例示的な連結機構は本明細書に記載されており、また米国仮特許出願第61/782,866号、発明の名称「ARTICULATING SURGICAL DEVICE」(2013年3月14日出願)にも開示されており、その開示内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。
依然として図39を参照すると、電源組立体2056は、電源2058を含んでよく、例えば、電源組立体2056に連結されている間、交換式運転組立体2054に給電するように構成され得る電池などがある。特定の例では、電源組立体2056は、電池2058及び/又は交換式運転組立体2054に関する情報を受信し、記憶するように構成され得るメモリ2060を含んでよい。情報には、例えば、電池2058の充電状態、電池2058を使用して実行された処置サイクルの数、及び/又は電池2058のライフサイクル中に電源組立体2056に連結された交換式運転組立体に関する同一化情報などがある。上記に加えて、交換式運転組立体2054は、コントローラ2062を含んでよく、このコントローラは、電池2058及び/又は交換式運転組立体2054に関するこのような情報をメモリ2060に提供するように構成され得る。
依然として図39を参照すると、電源組立体2056は、電源組立体2056のメモリ2060と、例えば、交換式運転組立体2054のコントローラ2062などの電源組立体2056に連結されている交換式運転組立体のコントローラとの間の電気通信を容易にするように構成することができるインターフェース2064を含んでもよい。例えば、交換式運転組立体2054が電源組立体2056に連結されている一方で、インターフェース2064は、コントローラ2062とメモリ2060との間の電気通信を可能にするため、対応する運転組立体コネクタ2068との連結係合用に1つ以上のコネクタ2066を備え得る。特定の状況下では、1つ以上の電気コネクタ2066及び/又は2068は、交換式運転組立体2054と電源組立体2056との連結係合後に活性化され得るスイッチを備えてよく、それにより、コントローラ2062とメモリ2060との間の電気通信が可能になる。
依然として図39を参照すると、電源組立体2056は、充電状態監視回路2070を含んでよい。特定の状況下では、充電状態監視回路2070は、クーロン計数管を備えてよい。交換式運転組立体2054が電源組立体2056に連結されている間、コントローラ2062は充電状態監視回路2070と通信し得る。充電状態監視回路2070は、電池2058の充電状態の正確な監視を提供するように動作可能であり得る。
図40は、電源組立体2056に連結されている間に、例えば、交換式運転組立体2054のコントローラ2062などの交換式運転組立体のコントローラと共に使用するための例示的なモジュール2072を示す。例えば、コントローラ2062は、例えば、モジュール2072などの複数のソフトウェアモジュールを記憶し得る、1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリユニットを備えてよい。外科用器具2050の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの若しくはより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されるであろう。更に、様々な事例が、説明を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記載される場合があるが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上の、例えばプロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/若しくは、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、並びに/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
いずれにせよ、交換式運転組立体2054が電源組立体2056に連結されると、図40に示されているように、インターフェース2064は、モジュール2072を実行するために、コントローラ2062とメモリ2060及び/又は充電状態監視回路2070との間の通信を容易にし得る。例えば、交換式運転組立体2054のコントローラ2062は、電池2058の充電状態を測定するため、充電状態監視回路2070を使用し得る。コントローラ2062は次いで、メモリ2060にアクセスして、電池2058の充電状態に関する前の値がメモリ2060に記憶されているかどうかを判断し得る。前の値が検出されると、コントローラ2060は測定値を前に記憶された値と比較し得る。測定値が前に記憶された値と異なる場合、コントローラ2060は前に記憶した値を更新し得る。値が前に記録されていない場合、コントローラ2060は測定値をメモリ2060に記憶し得る。特定の状況下では、コントローラ2060は、電池2058の測定された充電状態に関して、外科用器具2050のユーザに視覚フィードバックを提供し得る。例えば、コントローラ2060は、LCD表示画面上に電池2058の充電状態の測定値を表示し得、いくつかの状況下では、それを交換式運転組立体2054に統合することができる。
上記に加えて、モジュール2072はまた、他のコントローラの交換式運転組立体を電源組立体2056に連結するに際し、かかる他のコントローラによって実行され得る。例えば、ユーザは、電源組立体2056から交換式運転組立体2054を切断することができる。ユーザは次いで、別のコントローラを備える別の交換式運転組立体を電源組立体2056に接続することができる。かかるコントローラは、次にクーロン計数回路2070を使用して、電池2058の充電状態を測定してもよく、次いでメモリ2060にアクセスして、電池2058の充電状態に関する前の値、例えば、交換式運転組立体2054が電源組立体2056に連結されている間に、コントローラ2060によって入力された値などがメモリ2060に記憶されているかどうかを判断し得る。前の値が検出されると、コントローラは測定値を前に記憶された値と比較し得る。測定値が前に記憶された値と異なる場合、コントローラは前に記憶した値を更新し得る。
図41は、外科用器具2000(図31)及び/又は外科用器具2050(図38)と多くの点で類似している外科用器具2090を示す。例えば、外科用器具2090は、エンドエフェクタ2008及び/又はエンドエフェクタ2052と多くの点で類似しているエンドエフェクタ2092を含み得る。例えば、エンドエフェクタ2092は、組織をクランピング、切断、及びステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得る。
上記に加えて、外科用器具2090は、ハンドル組立体2093と、ハンドル組立体2093とエンドエフェクタ2092との間に延在し得るシャフト2095と、を含み得る交換式運転組立体2094を含んでもよい。特定の例では、外科用器具2090は、例えば、交換式運転組立体2094などの複数の交換式運転組立体と共に用いられ得る電源組立体2096を含んでもよい。かかる交換式運転組立体は、例えば、1つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2092など外科用エンドエフェクタを備えてよい。特定の状況下では、ハンドル組立体2093及びシャフト2095は、単一の装置に統合され得る。他の状況下では、ハンドル組立体2093及びシャフト2095は、互いに分離可能に連結可能となり得る。
更に、外科用器具2090の電源組立体2096は、例えば、交換式運転組立体2094などの交換式運転組立体に、分離可能に連結可能となり得る。交換式運転組立体2094に電源組立体2096を解放可能に連結するため、様々な連結手段が使用され得る。外科用器具2050及び/又は外科用器具2000と同様に、電源組立体2096が交換式運転組立体2094に連結されている間、外科用器具2090は、電源組立体2096によって給電され得る1つ以上の駆動システムを動作可能に支持し得る。例えば、交換式運転組立体2094は、閉鎖駆動システムを動作可能に支持し得、エンドエフェクタ2092に開閉運動を適用するために用いられ得る。少なくとも1つの形態において、交換式運転組立体2094は、発射駆動システムを動作可能に支持し得、発射駆動システムは、エンドエフェクタ2092に発射運動を適用するように構成され得る。外科用器具2090と共に使用するための例示的な駆動システム及び連結機構は、2013年3月14日に出願された「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許仮出願第61/782,866号により詳細に記載されており、その開示内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。
図41~図45を参照するが、交換式運転組立体2094は、例えば、モータ2014(図44)などのモータと、例えば、交換式運転組立体2094の閉鎖駆動システム及び/又は発射駆動システムを動機付けるために使用され得るモータドライバ2015(図44)などのモータドライバと、を含んでもよい。モータ2014は、電源組立体2096内に存在し得る電池2098(図42)によって給電され得る。図42及び図43に示されているように、電池2098は、直列に接続されている多数の電池セルを含んでよく、これらの電池セルは、モータ2014に給電するための電源として使用され得る。特定の例では、電源組立体2096の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。電池セルは、例えば、電源組立体2096に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。使用の際に、電源組立体2096によって提供される電圧極性は、モータ2014を動作させて、エンドエフェクタ2092を実行するように長手方向に移動可能な駆動部材を駆動し得る。例えば、モータ2014は、切断部材を前進させて、エンドエフェクタ2092によって捕捉される組織を切断し、かつ/又は発射機構を前進させて、例えば、エンドエフェクタ2092と共に組み立てられたステープルカートリッジからステープルを発射させるため、長手方向に移動可能な駆動部材を駆動するように構成され得る。ステープルは、例えば、エンドエフェクタ2092によって捕捉される組織の中へ発射され得る。
依然として図41~図45を参照すると、交換式運転組立体2094は、運転組立体コントローラ2102(図44及び図45)を含んでよく、電源組立体2096は電源組立体コントローラ2100(図42及び図43)を含んでよい。運転組立体コントローラ2102は、電源組立体コントローラ2100と通信するための、1つ以上の信号を生成するように構成され得る。特定の例では、運転組立体コントローラ2102は、電源組立体2096が交換式運転組立体2094に連結されている間に、電源組立体2096から交換式運転組立体2094への送電を変調することによって、電源組立体コントローラ2100と通信するための、1つ以上の信号を生成し得る。
更に、電源組立体コントローラ2100は、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号の受信に反応して、1つ以上の機能を実行するように構成され得る。例えば、交換式運転組立体2094は、電力要件を含んでもよく、運転組立体コントローラ2102は、交換式運転組立体2094の電力要件に従って電池2098の電源出力を選択するように、電源組立体コントローラ2100に指示する信号を生成するように構成され得る。上述のとおり、信号は、電源組立体2096が交換式運転組立体2094に連結されている間に、電源組立体2096から交換式運転組立体2094への送電を変調することによって生成され得る。信号の受信に反応して、電源組立体コントローラ2100は、交換式運転組立体2094の電力要件に適応するように電池2098の電力出力を設定し得る。読者は、様々な交換式運転組立体が電源組立体2096と共に使用され得ることを理解するであろう。様々な交換式運転組立体は、様々な電力要件を含んでもよく、それらの電力要件に従って電池2098の電力出力を設定するように電源組立体コントローラ2100に警告するために、電源組立体2096と連結係合している間、それらの電力要件に固有の信号を生成し得る。
ここで主として図42及び図43を参照すると、電源組立体2096は、電力変調器制御機器2106を含み得、この電力変調器制御機器は、例えば、1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)、ダーリントンアレイ、調節可能な増幅器、及び/又は任意の他の電力変調器を含み得る。交換式運転組立体2094が電源組立体2096に連結されている間、電源組立体コントローラ2100は、運転組立体コントローラ2102によって生成される信号に反応して、電池2098の電力出力を交換式運転組立体2094の電力要件に設定するように、電力変調器制御機器2106を作動し得る。
依然として主として図42及び図43を参照するが、交換式運転組立体2094が電源組立体2096に連結されている間、電源組立体コントローラ2100は、交換式運転組立体2094の運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号に対し、電源組立体2096から交換式運転組立体2094への送電を監視するように構成され得る。図42に示されているように、電源組立体コントローラ2100は、例えば、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号を検出するために、電池2098に対する電圧を監視するための電圧監視機構を使用してもよい。特定の例では、電源組立体コントローラ2100のアナログ・デジタル変換器(ADC)によって読み取り可能にするために、電圧コンディショナーを使用して電池2098の電圧のスケーリングを行うことができる。図42に示されているように、電圧コンディショナーは、測定され、例えば、ADCを介して電源組立体コントローラ2100に報告され得る電池2098の電圧に比例する、基準電圧又は低電圧信号を生じさせ得る電圧分配器2108を備えてもよい。
他の状況下では、図43に示されているように、電源組立体2096は、例えば、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号を検出するために、交換式運転組立体2094に送られる電流を監視するための電流監視機構を備えてもよい。特定の例では、電源組立体2096は、交換式運転組立体2094に送られる電流を監視するために使用され得る、電流センサ2110を備えてもよい。監視された電流は、例えば、ADCを介して電源組立体コントローラ2100に報告され得る。他の状況下では、電源組立体コントローラ2100は、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号を検出するために、交換式運転組立体2094に送られる電流と、電池2098に対する対応する電圧と、の両方を同時に監視するように構成され得る。読者は、電流及び/又は電圧を監視するための様々な他の機構が、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号を検出するために、電源組立体コントローラ2100によって使用され得ることを理解するであろう。このような機構全てが、本開示によって想到される。
図44に示されているように、運転組立体コントローラ2102は、モータドライバ2015を実行して、電池2098からモータ2014への送電を変調することにより、電源組立体コントローラ2100との通信用に1つ以上の信号を生成するように構成され得る。結果として、モータ2014に給電するための電池2098に対する電圧及び/又は電池2098からの引き込み電流は、1つ以上の信号を表す別個のパターン又は波形を含み得る。上述のように、電源組立体コントローラ2100は、運転組立体コントローラ2102によって生成される1つ以上の信号に対して、電池2098に対する電圧及び/又は電池2098からの引き込み電流を監視するように構成され得る。
信号を検出するに際し、電源組立体コントローラ2100は、検出された信号に対応する1つ以上の機能を実行するように構成され得る。少なくとも一例では、第1の信号を検出するに際し、電源組立体コントローラ2100は、電力変調器制御機器2106を作動して、電池2098の電力出力を第1の負荷サイクルに設定するように構成され得る。少なくとも一例では、第2の信号を検出するに際し、電源組立体コントローラ2100は、電力変調器制御機器2106を作動して、電池2098の電力出力を、第1の負荷サイクルとは異なる第2の負荷サイクルに設定するように構成され得る。
特定の状況において、図45に示すように、交換式運転組立体2094は、1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を備え得る電力変調回路2012を含んでもよく、その電界効果トランジスタは、電源組立体コントローラ2100によって認識可能な信号又は波形を生成するために、運転組立体コントローラ2102によって制御され得るものである。例えば、特定の状況では、運転組立体コントローラ2102は、電力変調回路2012を動作させて、例えば、電源組立体2096の新しい電力モードをトリガするために、電池2098の電圧よりも高い電圧を増幅することができる。
ここで主として図42及び図43を参照すると、電源組立体2096は、開放位置と閉鎖位置との間で切り替え可能であり得るスイッチ2104を備えてもよい。スイッチ2104は、例えば、電源組立体2096が交換式運転組立体2094と連結しているときに、開放位置から閉鎖位置へ遷移され得る。特定の例では、スイッチ2104は、例えば、電源組立体2096を交換式運転組立体2094と連結した後に、開放位置から閉鎖位置へ手動で遷移され得る。スイッチ2104が開放位置にある間、電源組立体2096の構成要素は、十分に低い電力を引き込むか、又は電力を引き込まずに、臨床利用のために電池2098の容量を維持することができる。スイッチ2104は、機械的、リード、ホール、又は任意の他の好適な変換機構であってよい。更に、特定の状況では、電源組立体2096は、電池2098の使用時に、電源組立体2096の様々な構成要素に十分な電力を供給するように構成され得る、オプションの電源2105を含んでよい。同様に、交換式運転組立体2094はまた、交換式運転組立体2094の様々な構成要素に十分な電力を供給するように構成され得る、オプションの電源2107を含んでよい。
使用の際、図46に示されているように、電源組立体2096は交換式運転組立体2094に連結され得る。特定の例では、上述のように、スイッチ2104は、交換式運転組立体2094を電源組立体2096に電気的に接続するために、閉鎖された構成に遷移され得る。それに応じて、交換式運転組立体2094は給電され得、少なくとも最初に、電池2098から比較的低い電流を引き込み得る。例えば、交換式運転組立体2094は、1アンペア以下を引き込み、交換式運転組立体2094の様々な構成要素に給電し得る。特定の例では、電源組立体2096はまた、スイッチ2014が閉鎖位置に遷移されたときに電源投入されてもよい。それに応じて、電源組立体コントローラ2100は、例えば、電池2098に対する電圧及び/又は電池2098から交換式運転組立体2094への電流伝送を監視することによって、上により詳細に記載されているように、交換式運転組立体2094からの電流の引き込みの監視を始めてよい。
通信信号を生成し、電力変調を介して電源組立体コントローラ2100に送信するため、運転組立体コントローラ2102はモータドライバ2015を用いて、例えば、出力スパイクのパターン又は波形で、電力をモータ2014へパルス出力し得る。特定の状況下では、運転組立体コントローラ2012は、出力スパイクから生じるモータ2014への実効電流伝送を制限するために、モータドライバ2015と通信して、モータ2014のコイルに対する電圧極性を迅速に切り換えることによって、モータ2014の運動の方向を迅速に切り換えるように構成され得る。その結果、図47Cに示されているように、出力スパイクから生じる実効モータ変位を減少させ、出力スパイクに反応したモータ2014に連結される外科用器具2090の駆動システムの実効変位を最小限にすることができる。
上記に加えて、運転組立体コントローラ2102は、モータドライバ2015を用いて、既定のパケット又はグループに配列されたスパイクで電池2098から電力を引き込むことにより、電源組立体コントローラ2100と通信し得、これは、電源組立体コントローラ2100によって検出可能なパターンを形成するために、既定の時間にわたって繰り返され得る。例えば、図47A及び図47Bに示されているように、電源組立体コントローラ2100は、例えば、電圧パターン2103(図47A)などの既定の電圧パターン及び/又は例えば、電流パターン2109(図47B)などの既定の電流パターンに関して、上により詳細に記載されているように、電圧及び/又は電流監視機構を使用して、電池2100に対する電圧を監視するように構成され得る。更に、電源組立体コントローラ2100は、パターンを検出する際に1つ以上の機能を実行するように構成され得る。読者は、送電変調を介した電源組立体コントローラ2100と運転組立体コントローラ2012との間の通信によって、交換式運転組立体2094と電源組立体2096との間に必要な接続線の数が減少し得ることを理解するであろう。
特定の状況下では、電源組立体2096は、異なる電力要件を有し得る複数世代の様々な交換式運転組立体と共に用いられ得る。様々な交換式運転組立体のいくつかは、前述のように通信システムを備えてよく、一方で他のものはかかる通信システムを欠いてもよい。例えば、電源組立体2096は、前述の通信システムを欠いた第1世代の交換式運転組立体と共に使用され得る。あるいは、電源組立体2096は、前述のように、例えば、通信システムを備える交換式運転組立体2094などの第2世代の交換式運転組立体と共に使用され得る。
上記に加えて、第1世代の交換式運転組立体は、第1の電力要件を有し得、第2世代の交換式運転組立体は、第1の電力要件とは異なり得る第2の電力要件を有し得る。例えば、第1の電力要件は、第2の電力要件を下回り得る。第1世代の交換式運転組立体の第1の電力要件と、第2世代の交換式運転組立体の第2の電力要件と、に適応するため、電源組立体2096は、第1世代の交換式運転組立体で使用するための第1の電力モードと、第2世代の交換式運転組立体で使用するための第2の電力モードとを備えてよい。特定の例において、電源組立体2096は、第1世代の交換式運転組立体の電力要件に対応するデフォルトの第1の電源モードで動作するように構成され得る。このように、第1世代の交換式運転組立体が電源組立体2096に接続されている場合、電源組立体2096のデフォルトの第1の電源モードは、第1世代の交換式運転組立体の第1の電力要件に適応し得る。ただし、例えば、交換式運転組立体2094などの第2世代の交換式運転組立体が電源組立体2096に接続されている場合、交換式運転組立体2094の運転組立体コントローラ2102は、上述のとおり、電源組立体2096の電源組立体コントローラ2100と通信して、電源組立体2096を第2の電力モードに切り替えて、交換式運転組立体2094の第2の電力要件に適応し得る。読者は、第1世代の交換式運転組立体が通信信号を生成する機能を欠いていることから、電源組立体2096が、第1世代の交換式運転組立体に接続している間、デフォルトの第1の電力モードを維持することになる点を理解するであろう。
前述のように、電池2098は再充電可能であり得る。特定の状況下では、電源組立体2096を出荷する前に、電池2098を排電することが望ましい場合がある。電源組立体2096を出荷する前に、電池2098を排電するために、専用の排電回路が活性化され得る。最終目的地に到達すると、電池2098は外科手術時に使用するために再充電され得る。ただし、排電回路は、臨床利用時に電池2098からエネルギーを消費し続け得る。特定の状況下では、交換式運転組立体コントローラ2102は、上により詳細に記載するように、電池2098からモータ2014への送電を変調することにより、電源組立体コントローラ2100に排電回路非活性化信号を送信するように構成され得る。電源組立体コントローラ2100は、例えば、排電回路非活性化信号に反応して、排電回路による電池2098の排電を防止するために、排電回路を非活性化するようにプログラムされ得る。電源組立体2096が交換式運転組立体2094に連結されている間、様々な通信信号が運転組立体コントローラ2102によって生成され、様々な機能を実行するように、電源組立体コントローラ2100に命令し得ることを、読者は理解するであろう。
図42~図45を再び参照すると、電源組立体コントローラ2100及び/又は運転組立体コントローラ2102は、多数のソフトウェアモジュールを記憶し得る1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリユニットを備え得る。外科用器具2050の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの若しくはより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されるであろう。更に、様々な事例が、説明を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記載される場合があるが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上の、例えばプロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/若しくは、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、並びに/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
図48は概して、モータ駆動式外科用器具2200を示す。特定の状況において、外科用器具2200は、ハンドル組立体2202と、シャフト組立体2204と、電源組立体2206(又は「電力源」又は「パワーパック」)と、を含んでもよい。シャフト組立体2204はエンドエフェクタ2208を含み得、このエンドエフェクタは、特定の状況において、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得るが、他の状況においては、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラ、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。いくつかのRF装置は、1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日に出願された、米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」において見出すことができ、これらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の状況において、ハンドル組立体2202は、例えば、シャフト組立体2204に分離可能に連結可能であり得る。かかる状況において、ハンドル組立体2202は、例えば、1つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2208などの外科用エンドエフェクタを備え得る複数の交換式シャフト組立体と共に用いられてもよい。例えば、交換式シャフト組立体のうちの1つ以上は、異なるサイズ及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを用いてもよく、異なるシャフト長さ、サイズ、及び種類などを有する。好適な交換式シャフト組立体の例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許仮出願第61/782,866号(2013年3月14日出願)に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
依然として図48を参照すると、ハンドル組立体2202は、臨床医によって把持、操作、及び/又は作動させるように構成され得るハンドル2212からなるハウジング2210を備えてもよい。しかしながら、ハウジング2210の様々な独自の新規な構成もまた、ロボット制御式の外科用システムに関連して効果的に用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示するシャフト組立体2204及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。例えば、本明細書に開示されるハウジング2210は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
少なくとも1つの形態では、外科用器具2200は、外科用締結及び切断器具であってもよい。更に、ハウジング2210は、1つ以上の駆動システムを動作可能に支持してもよい。例えば、図50に示すように、ハウジング2210は、本明細書において発射駆動システム2214と称される駆動システムを支持してもよく、この駆動システムは、エンドエフェクタ2208に発射運動を加えるように構成されている。発射駆動システム2214は、例えばハンドル2212内に配置され得る電気モータ2216を用いてもよい。様々な形態では、モータ2216は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。制御回路基板組立体2220に、そして最終的にモータ2216に電力を供給するために、例えば、リチウムイオン電池などの電池2218(又は「電力源」又はは「パワーパック」)がハンドル2212に連結されてもよい。
特定の状況において、依然として図50を参照すると、電気モータ2216は、長手方向に移動可能な駆動部材2226上にある駆動歯2224の組又はラックと噛合係合して装着され得るギヤ減速機組立体2222と動作可能に連係する回転式シャフト(図示せず)を含み得る。使用の際に、電池2218によって与えられる電圧極性により、電動モータ2216を時計回り方向に動作させることができるが、電池2218によって電動モータに適用される電圧極性は、電動モータ2216を反時計回り方向に動作させるために、逆転され得る。図50に示すように、電気モータ2216が一方向に回転されると、駆動部材2226は、例えば、遠位方向「D」に軸方向に駆動され、モータ2216が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材2226は、例えば、近位方向「P」に軸方向に駆動される。ハンドル2212は、電池2218によって電動モータ2216に適用される極性を逆転させるように構成され得るスイッチを備えることができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル2212はまた、駆動部材2226の位置、及び/又は駆動部材2226が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
上述したように、少なくとも1つの形態では、長手方向可動駆動部材2226は、ギヤ減速機組立体2222と噛合係合するために、その上に形成された駆動歯2224のラックを含んでもよい。特定の状況において、図50に示されるように、外科用器具2200は、手動作動可能な「緊急離脱」組立体2228を含んでもよく、この緊急離脱組立体は、例えば、エンドエフェクタ2208によって捕捉された組織がトラップされることになり得る不調をモータ2216が外科用器具2200の動作中に生じたときなど、緊急離脱エラーが検出されたときに、臨床医が長手方向可動駆動部材2226を手動で後退させることを可能にするように構成され得る。
上記に加えて、図50に示すように、緊急離脱組立体2228は、手動で移動又は枢動されて駆動部材2226の歯2224とラチェット係合するように構成されたレバー又は緊急離脱ハンドル2230を含んでもよい。このような状況において、臨床医は、例えば、トラップされた組織をエンドエフェクタ2208から解放するために、例えば、緊急離脱ハンドル2230を使用して駆動部材2226を近位方向「P」にラチェット駆動することによって、駆動部材2226を手動で後退させることができる。本明細書に開示される様々な器具と共に使用され得る例示的な緊急離脱構成並びに他の構成要素、構成、及びシステムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在の米国特許第8,608,045号に開示されている。
上記に加えて、ここで主に図48及び図50を参照するが、緊急離脱組立体2228の緊急離脱ハンドル2230は、ハンドル組立体2202のハウジング2210内に存在してもよい。特定の状況では、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスは緊急離脱ドア2232によって制御され得る。緊急離脱ドア2232は、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスを制御するために、ハウジング2210に解放可能にロックされ得る。図48に示すように、緊急離脱ドア2232は、例えば、ハウジング2210とロッキング係合するためのスナップタイプのロッキング機構2234などのロッキング機構を含んでもよい。緊急離脱ドア2232をハウジング2210にロッキングするための他のロッキング機構も本開示によって想到される。使用の際、臨床医は、ロッキング機構2234をロック解除し、緊急離脱ドア2232を開放することによって、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスを獲得し得る。少なくとも1つの例では、緊急離脱ドア2232は、例えば、ハウジング2232に分離可能に結合されてもよく、また、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスを設けるために、ハウジング2210から取り外されてもよい。別の例では、緊急離脱ドア2232は、例えば、ヒンジ(図示せず)を介してハウジング2210に枢動的に結合されてもよく、また、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスを設けるために、ハウジング2210に対して枢動されてもよい。更に別の例では、緊急離脱ドア2232は、緊急離脱ハンドル2230へのアクセスを設けるために、ハウジング2210に対してスライド可能に移動可能となり得るスライド式ドアであってもよい。
ここで図51を参照すると、外科用器具2200は緊急離脱フィードバックシステム2236を含んでもよく、この緊急離脱フィードバックシステムは、以下により詳細に記載されるように、緊急離脱組立体2228を利用する様々な工程を通じて、臨床医に案内及び/又はフィードバックを提供するように構成され得る。特定の例では、緊急離脱フィードバックシステム2236は、マイクロコントローラ2238及び/又は1つ以上の緊急離脱フィードバック要素を含んでもよい。緊急離脱フィードバックシステム2236に関連付けられた電気及び電子回路素子及び/又は緊急離脱フィードバック要素は、例えば、制御回路基板組立体2220により支持されてもよい。マイクロコントローラ2238は一般に、メモリ2240と、メモリ2240に動作可能に連結されたマイクロプロセッサ2242(「プロセッサ」)とを含み得る。プロセッサ2242は、モータドライバ2244の回路を制御することができ、これは一般に、モータ2216の位置及び速度を制御するのに利用される。特定の例では、下記に詳しく述べるように、プロセッサ2242は、モータ2216を停止及び/又は無効化するように、モータドライバ2244に信号伝達することができる。特定の例において、プロセッサ2242は、モータオーバーライドスイッチを含み得る別個のモータオーバーライド回路を制御することができ、このスイッチは、プロセッサ2242からのオーバーライド信号に応答して、外科用器具2200の操作中にモータ2216を停止及び/又は無効化することができる。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むことが理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ2242は、Texas InstrumentsのARM Cortexの商標名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一例では、外科用器具2200は、例えば、同じくTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られる、TMS570及びRM4xなどの2つのマイクロコントローラベースファミリを備える、安全なマイクロコントローラプラットフォームなどの安全プロセッサを備え得る。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。一例では、安全プロセッサ1004は、拡張可能な性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも、IEC 61508及びISO 26262安全基幹アプリケーション用に特に構成されてもよい。
特定の例では、マイクロコントローラ2238は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ2240と、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、緊急離脱フィードバックシステム2236において使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
再び図51を参照するが、緊急離脱フィードバックシステム2236は、例えば、緊急離脱ドアフィードバック要素2246を含み得る。特定の例では、緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、ロッキング機構2234がロック解除されていることをプロセッサ2242に警告するように構成され得る。少なくとも1つの例では、緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合されたスイッチ回路(図示せず)を備えてもよく、そのスイッチ回路は、例えば、ロッキング機構2234が臨床医によってロック解除されたときには開放構成に遷移され、かつ/又は、ロッキング機構2234が臨床医によってロックされたときには閉鎖構成に遷移されるように構成され得る。少なくとも1つの例では、緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合された少なくとも1つのセンサ(図示せず)を備えてもよく、そのセンサは、例えば、ロッキング機構2234が臨床医によってロック解除及び/又はロック構成に遷移されたときにトリガされるように構成され得る。緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、臨床医によるロッキング機構2234のロッキング及び/又はロック解除を検出するための他の手段を含んでもよいことが、読者には理解されよう。
特定の例では、緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合されたスイッチ回路(図示せず)を備えてもよく、そのスイッチ回路は、例えば、緊急離脱ドア2232が取り外されるか若しくは開放されたときには開放構成に遷移され、かつ/又は、緊急離脱ドア2232が取り付けられるか若しくは閉鎖されたときには閉鎖構成に遷移されるように構成され得る。少なくとも1つの例では、緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合された少なくとも1つのセンサ(図示せず)を備えてもよく、そのセンサは、例えば、緊急離脱ドア2232が取り外されるか若しくは開放されたとき、及び/又は緊急離脱ドア2232が閉鎖されるか若しくは取り付けられたときにトリガされるように構成され得る。緊急離脱ドアフィードバック要素2246は、臨床医によるロッキング機構2234のロッキング及び/若しくはロック解除並びに/又は緊急離脱ドア2232の開放及び/若しくは閉鎖を検出するための他の手段を含んでもよいことが、読者には理解されよう。
特定の例では、図51に示すように、緊急離脱フィードバックシステム2236は、プロセッサ2242と動作可能に通信する追加のスイッチ回路及び/又はセンサを備え得る1つ以上の追加のフィードバック要素2248を含んでもよい。追加のスイッチ回路及び/又はセンサは、緊急離脱フィードバックシステム2236に関連付けられた他のパラメータを測定するためにプロセッサ2242によって用いられてもよい。特定の例では、緊急離脱フィードバックシステム2236は、ユーザに感覚フィードバックを提供するための1つ以上の装置を含み得る1つ以上のインターフェースを備えてよい。このような装置は、例えば、表示画面及び/又はLEDインジケータなどの視覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、そのような装置は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなどの聴覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、そのような装置は、例えば、触覚アクチュエータなどの触覚フィードバック装置を含んでもよい。特定の例では、このような装置は、視覚フィードバック装置、聴覚フィードバック装置、及び/又は触覚フィードバック装置の組み合わせを含んでもよい。特定の状況下では、図48に示されるように、1つ以上のインターフェースは、例えばハンドル組立体2202に含められ得るディスプレイ2250を備えてもよい。特定の例では、プロセッサ2242は、緊急離脱組立体2228を使用して外科用器具2200の手動緊急離脱を実行することに関して、外科用器具2200のユーザに警告し、案内し、かつ/又はフィードバックを提供するために、ディスプレイ2250を用いてもよい。
特定の例において、緊急離脱フィードバックシステム2236は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の埋め込みアプリケーションを含んでもよい。特定の例では、緊急離脱フィードバックシステム2236は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、及び/又はアプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能モジュールを備えてもよい。図52は、例えば、メモリ2240に記憶され得る例示的なモジュール2252を示している。モジュール2252は、緊急離脱組立体2228を使用して外科用器具2200の手動緊急離脱を実行することに関して、外科用器具2200のユーザに警告し、案内し、かつ/又はフィードバックを提供するために、プロセッサ2242によって実行され得る。
図52に示すように、モジュール2252は、例えば、外科用器具2200の手動緊急離脱を実行するために、緊急離脱組立体2228にアクセスしかつ/又はそれを使用する方法に関する指示をユーザに提供するために、プロセッサ2242によって実行され得る。様々な例において、モジュール2252は、例えば、外科用器具2200の手動緊急離脱を必要とする1つ以上のエラーの検出に関する意思決定工程2254など、1つ以上の意思決定工程を含んでもよい。
様々な例において、プロセッサ2242は、例えば、外科用器具2200の通常動作中の1つ以上の介在事象の発生に応答して緊急離脱エラーを検出するように構成されてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、1つ以上の緊急離脱エラー信号がプロセッサ2242によって受信されたときに緊急離脱エラーを検出するように構成されてもよく、緊急離脱エラー信号は、例えば、外科用器具2200の他のプロセッサ及び/又はセンサによってプロセッサ2242に伝達され得る。特定の例において、緊急離脱エラーは、例えば、センサ(図示せず)によって検出される外科用器具2200の温度が閾値を超えたときに、プロセッサ2242によって検出され得る。特定の例において、外科用器具2200は、発射駆動システム2214の発射行程中に長手方向に移動可能な駆動部材2226の位置を感知及び記録するための位置決めシステム(図示せず)を備えてもよい。少なくとも1つの例では、プロセッサ2242は、例えば、長手方向に移動可能な駆動部材2226の記録された位置のうちの1つ以上が所定の閾値に一致していないときに緊急離脱エラーを検出するように構成され得る。
いずれにせよ、再び図52を参照すると、プロセッサ2242が意思決定工程2254において緊急離脱エラーを検出したとき、プロセッサ2242は、例えば、モータ2216を停止及び/又は無効化することによって応答し得る。加えて、特定の例では、プロセッサ2242はまた、図52に示すように、緊急離脱エラーを検出した後、緊急離脱状態をメモリ2240に記憶してもよい。換言すれば、プロセッサ2242は、緊急離脱エラーが検出されたことを示す状態をメモリ2240に記憶してもよい。上で説明したように、メモリ2240は、例えば、外科用器具2200がユーザによってリセットされるときに、緊急離脱エラーが検出されたという記憶された状態を保存し得る不揮発性メモリであってもよい。
様々な例において、モータ2216は、例えば、電池2218をモータ2216から切断することによって、停止及び/又は無効化され得る。様々な例において、プロセッサ2242は、モータ2216を停止及び/又は無効化するためにドライバ2244を用いてもよい。特定の例では、モータオーバーライド回路が利用されているとき、プロセッサ2242は、そのモータオーバーライド回路を用いてモータ2216を停止及び/又は無効化してもよい。特定の例では、モータ2216を停止及び/又は無効にすることにより、例えば、少なくとも手動緊急離脱が実行されるまで、外科用器具2200のユーザがモータ2216を使用することが防止され得る。緊急離脱エラーの検出に応答してモータ2216を停止及び/又は無効化することは、外科用器具2200によって捕捉された組織を保護するのに有利であり得ることが読者には理解されよう。
上記に加えて、依然として図52を参照すると、モジュール2252は、緊急離脱ドア2232が取り外されているか否かを検出するための意思決定工程2256を含んでもよい。上で説明したように、プロセッサ2242は、緊急離脱ドア2232が取り外されているか否かに関してプロセッサ2242に警告するように構成され得る緊急離脱ドアフィードバック要素2246に作動的に結合され得る。特定の例では、プロセッサ2242は、例えば、ロッキング機構2234がロック解除されたことを緊急離脱ドアフィードバック要素2246が報告したときに、緊急離脱ドア2232が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。特定の例では、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ドア2232が開放されたことを緊急離脱ドアフィードバック要素2246が報告したときに、緊急離脱ドア2232が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。特定の例では、プロセッサ2242は、例えば、ロッキング機構2234がロック解除されたこと及び緊急離脱ドア2232が開放されたことを緊急離脱ドアフィードバック要素2246が報告したときに、緊急離脱ドア2232が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。
様々な例において、依然として図52を参照すると、プロセッサ2242が緊急離脱エラーを意思決定工程2254において検出せず、また緊急離脱ドア2232が取り外されたことを意思決定工程2256において検出しないとき、プロセッサ2242は、外科用器具2200の通常の動作を中断しなくてよく、様々な臨床アルゴリズムを進め得る。特定の例では、プロセッサ2242が緊急離脱エラーを意思決定工程2254において検出しないが、緊急離脱ドア2232が取り外されたことを意思決定工程2256において検出したとき、プロセッサ2242は、上で説明したように、モータ2216を停止及び/又は無効化することによって応答し得る。加えて、特定の例では、プロセッサ2242はまた、以下により詳細に記載されるように、緊急離脱ドア2232を再取り付けするための命令をユーザに提供してもよい。特定の例では、緊急離脱エラーが検出されていない間に、緊急離脱ドア2232が再度取り付けられたことをプロセッサ2242が検出すると、プロセッサ2242は、図52に示すように、モータ2216に電力を再接続し、ユーザに臨床アルゴリズムを継続させるように構成され得る。
特定の例では、ユーザが緊急離脱ドア2232を再取り付けしていない場合、プロセッサ2242は、モータ2216に電力を再接続しなくてもよく、緊急離脱ドア2232を再取り付けするための命令をユーザに提供し続けてもよい。特定の例では、緊急離脱ドア2232を再取り付けしていない場合、プロセッサ2242は、外科用器具2200の正常な動作を継続するために緊急離脱ドア2232が再取り付けされる必要があるという警告をユーザに提供してもよい。特定の例において、外科用器具2200は、緊急離脱ドア2216が取り付けられていない場合であっても、ユーザがモータ2216に電力を再接続することを可能にするためのオーバーライド機構(図示せず)を装備されてもよい。
様々な例において、プロセッサ2242は、緊急離脱ドア2232が取り外されていることをプロセッサ2242が検出すると、ユーザに感覚フィードバックを提供するように構成され得る。様々な例において、プロセッサ2242は、緊急離脱ドア2232が再取り付けされていることをプロセッサ2242が検出すると、ユーザに感覚フィードバックを提供するように構成され得る。感覚フィードバックをユーザに提供するために、様々な装置がプロセッサ2242によって利用され得る。このような装置は、例えば、表示画面及び/又はLEDインジケータなどの視覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、そのような装置は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなどの聴覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、そのような装置は、例えば、触覚アクチュエータなどの触覚フィードバック装置を含んでもよい。特定の例では、このような装置は、視覚フィードバック装置、聴覚フィードバック装置、及び/又は触覚フィードバック装置の組み合わせを含んでもよい。特定の例では、プロセッサ2242は、緊急離脱ドア2232を再取り付けするようにユーザに指示するためにディスプレイ2250を利用してもよい。例えば、プロセッサ2242は、ユーザに対し、例えばディスプレイ2250を介して緊急離脱ドア2232の画像の隣に警告シンボルを提示してもよい。特定の例では、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ドア2232が取り付けられているアニメーション画像を提示してもよい。緊急離脱ドア2232を再取り付けするように外科用器具2200のユーザに警告するために、他の画像、記号、及び/又は単語がディスプレイ2250を通じて表示されてもよい。
再び図52を参照すると、緊急離脱エラーが検出されると、プロセッサ2242は、緊急離脱ハンドル2230を使用して手動緊急離脱を実行するように外科用器具2200のユーザに合図してもよい。様々な例において、プロセッサ2242は、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び/又は触覚フィードバックをユーザに提供することによって、手動緊急離脱を実行するようにユーザに合図することができる。特定の例では、図52に示すように、プロセッサ2242は、ディスプレイ2250のバックライトを点滅させることによって、手動緊急離脱を実行するように外科用器具2200のユーザに合図し得る。いずれにしても、プロセッサ2242は、手動緊急離脱を実行するための命令をユーザに提供してもよい。様々な例において、図52に示すように、この命令は、緊急離脱ドア2232が取り付けられているかどうかに依存してもよく、意思決定工程2258は、ユーザに提供された命令の種類を判定してもよい。特定の例では、緊急離脱ドア2232が取り付けられていることをプロセッサ2242が検出すると、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ドア2232を取り除くための命令、及び緊急離脱ハンドル2230を操作するための命令をユーザに提供してもよい。しかしながら、緊急離脱ドア2232が取り外されていることをプロセッサ2242が検出すると、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ハンドル2230を操作するための命令をユーザに提供してもよいが、緊急離脱ドア2232を取り外すための命令は提供しなくてもよい。
再び図52を参照すると、様々な例において、緊急離脱ドア2232を取り外すため、及び/又は緊急離脱ハンドル2230を操作するためにプロセッサ2242によってユーザに提供される命令は、1つ以上の工程を含み得るが、それらの工程は時系列でユーザに提示され得る。特定の例において、それらの工程は、ユーザによって実行される処置を含み得る。そのような例では、ユーザは、工程で提示された処置を実行することによって、手動緊急離脱の工程を進め得る。特定の例では、工程のうちの1つ以上で必要とされる処置は、例えば、ディスプレイ2250上に表示されるアニメーション画像の形態でユーザに提示され得る。特定の例では、工程のうちの1つ以上は、手動緊急離脱の全体を通じてユーザを案内する言葉、記号、及び/又は画像を含み得るメッセージとしてユーザに提示され得る。特定の例では、手動緊急離脱を実行する工程のうちの1つ以上が、例えば、1つ以上のメッセージに組み合わされ得る。特定の例では、各メッセージは、例えば、別個のステップを構成してもよい。
特定の例では、手動緊急離脱の指示を提供する工程及び/又はメッセージは、例えば、提示された工程及び/又はメッセージに応じるのに十分な時間がユーザに与えられるように、所定の時間間隔でユーザに提示され得る。特定の例では、プロセッサ2242は、工程が実行されたというフィードバックがプロセッサ2242によって受信されるまで、工程及び/又はメッセージを引き続き提示するようにプログラムされ得る。特定の例では、フィードバックは、例えば緊急離脱ドアフィードバック要素2246によってプロセッサ2242に提供され得る。工程が完了したというフィードバックを取得するために、他の機構及び/又はセンサがプロセッサ2242によって利用されてもよい。少なくとも1つの例では、ユーザは、例えば、工程が完了したときに警告ボタンを押すことによってプロセッサ2242に警告するように指示され得る。特定の例では、ディスプレイ2250は、工程が完了したときにプロセッサ2242に警告するためのインターフェースをユーザに提供し得る容量性画面を備えてもよい。例えば、ユーザは、現在の工程が完了した後に、容量性画面を押して、次の手動緊急離脱命令の工程に移ってもよい。
特定の例では、図52に示すように、緊急離脱ドア2232が取り付けられていることを検出した後、プロセッサ2242は、手が緊急離脱ドア2232に向かって近づくところを描くアニメーション画像2260を、ディスプレイ2250を利用して提示するように構成され得る。プロセッサ2242は、例えば、ユーザが緊急離脱ドア2232に手をかけるのに十分な時間間隔にわたって、アニメーション画像2260を表示し続けてもよい。特定の例では、プロセッサ2242は次いで、例えば、緊急離脱ドアロッキング機構2234に指がかかっているところを描くアニメーション画像2262でアニメーション画像2260を置き換えてもよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザがロッキング機構2234をロック解除するのに十分な時間間隔にわたって、アニメーション画像2262を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、ロッキング機構2234がロック解除されたことを緊急離脱ドアフィードバック要素2246が報告するまで、アニメーション画像2262を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、ロッキング機構2234をロック解除する工程が完了したことをユーザがプロセッサ2242に警告するまで、アニメーション画像2262を表示し続けてもよい。
いずれにせよ、プロセッサ2242は次いで、例えば、指が緊急離脱ドア2232を取り外しているところを描くアニメーション画像2264でアニメーション画像2262を置き換えてもよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザが緊急離脱ドア2232取り外すのに十分な時間間隔にわたって、アニメーション画像2264を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ドア2232が取り外されたことを緊急離脱ドアフィードバック要素2246が報告するまで、アニメーション画像2264を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ドア2232を取り外す工程が排除されていることをユーザがプロセッサ2242に警告するまで、アニメーション画像2264を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、意思決定工程2258において緊急離脱ドアが取り付けられていることをプロセッサ2242が引き続き検出し続けると、それぞれの順序でアニメーション画像2260、2262、及び2246を繰り返し表示し続けるように構成され得る。
上記に加えて、緊急離脱ドア2232が取り外されていることを検出した後、プロセッサ2242は、緊急離脱ハンドル2230を動作させる工程を通じてユーザを案内するように進んでもよい。特定の例では、プロセッサ2242は、上述のように、例えば、指が緊急離脱ハンドル2230を持ち上げて駆動部材2226内の歯2224とラチェット係合させているところを描くアニメーション画像2266でアニメーション画像2264を置き換えてもよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザが緊急離脱ドア2230持ち上げるのに十分な時間間隔にわたって、アニメーション画像2266を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ハンドル2230が持ち上げられたというフィードバックをプロセッサが受け取るまで、アニメーション画像2266を表示し続けてもよい。例えば、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ハンドル2230を持ち上げる工程が排除されていることをユーザがプロセッサ2242に警告するまで、アニメーション画像2266を表示し続けてもよい。
このような状況において、上述のように、ユーザは、例えば、エンドエフェクタ2208によってトラップされた組織を解放するために、例えば、緊急離脱ハンドル2230を使用して駆動部材2226を近位方向「P」にラチェット駆動することによって、駆動部材2226を手動で後退させることができる。そのような例において、プロセッサ2242は、例えば、緊急離脱ハンドル2230のラチェット駆動をシミュレートするために、指が緊急離脱ハンドル2230を繰り返し引っ張ったり押し込んだりすることを描いたアニメーション画像2268でアニメーション画像2266を置き換えてもよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザが駆動部材2226をデフォルト位置へとラチェット駆動するのに十分な時間間隔にわたって、アニメーション画像2268を表示し続けてもよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、駆動部材2226が後退されたというフィードバックをプロセッサ2242が受け取るまで、アニメーション画像2268を表示し続けてもよい。
図53は、多数の点でモジュール2258と類似しているモジュール2270を示している。例えば、モジュール2252はまた、メモリ2240に記憶され、かつ/又は、例えば、外科用器具2200の手動緊急離脱を実行することに関して、外科用器具2200のユーザに警告、案内、及び/若しくはフィードバックの提供を行うためにプロセッサ2242によって実行され得る。特定の例では、外科用器具2200は緊急離脱ドアを備えなくてもよい。そのような状況において、モジュール2270は、例えば緊急離脱ハンドル2230を操作する方法に関する指示をユーザに提供するために、プロセッサ2242によって利用され得る。
再び図53に示されるモジュール2270を参照すると、プロセッサ2242がモジュール2270の意思決定工程2254において緊急離脱エラーを検出しないとき、プロセッサ2242は、外科用器具2200の通常動作を中断しなくてよく、様々な臨床アルゴリズムを進め得る。しかしながら、プロセッサ2242がモジュール2270の意思決定工程2254においてエラーを検出したとき、プロセッサ2242は、例えば、モータ2216を停止及び/又は無効化することによって応答してもよい。加えて、特定の例では、プロセッサ2242はまた、図53に示すように、緊急離脱エラーを検出した後、緊急離脱状態をメモリ2240に記憶してもよい。緊急離脱ドアがない場合、プロセッサ2242は、上述のように、例えばディスプレイ2250のバックライトを点滅させることによって、手動緊急離脱を実行するように外科用器具2200のユーザに合図してもよく、プロセッサ2242は次いで、緊急離脱ハンドル2230を動作させるための指示のユーザへの提示へと直接進んでよい。
図52及び/又は図53に示される工程は、手動緊急離脱を実行するために外科用器具2200のユーザに提供され得る指示の説明的な例であることが読者には理解されよう。モジュール2252及び/又は2270は、図52及び図53に示されるものよりも多い又は少ない数の工程を提供するように構成されてもよい。また、モジュール2252及び/又はモジュール2270は例示的なモジュールであり、手動緊急離脱を実行するための指示を外科用器具2200のユーザに提供するために、様々な他のモジュールがプロセッサ2242によって実行され得ることが理解されよう。
様々な例において、上述したように、プロセッサ2242は、外科用器具2200のユーザに、所定の時間間隔で手動緊急離脱を実行するための工程及び/又はメッセージを提示するように構成され得る。そのような時間間隔は同じであってもよく、あるいは、例えば、ユーザによって実行されるタスクの複雑性に応じて異なってもよい。特定の例において、このような時間間隔は、例えば約1秒から、例えば約10分の範囲の任意の時間間隔であり得る。特定の例において、このような時間間隔は、例えば約1秒から、例えば約1分の範囲の任意の時間間隔であり得る。他の時間間隔も本開示によって想到される。
場合によっては、例えば、図31~図33Bに示される電源組立体2006などの電源組立体は、電源組立体2006及び/又は電源組立体2006に連結された外科用器具2000の使用回数を監視するように構成される。電源組立体2006は、使用回数に対応する使用サイクル計数を維持する。電源組立体2006及び/又は外科用器具2000は、使用サイクル計数に基づいて1つ以上の処置を実行する。例えば、いくつかの例では、使用サイクル計数が所定の使用限界を超えた場合、電源組立体2006及び/若しくは外科用器具2000は、電源組立体2006を無効化し、外科用器具2000を無効化し、再調整又はサービスサイクルが必要であることを示し、使用サイクル計数をオペレータ及び/若しくはリモートシステムに提供し、かつ/又は任意の他の好適な処置を実行し得る。使用サイクル計数は、例えば、機械的リミッタ、使用サイクル回路、並びに/又は、電池2006及び/若しくは外科用器具2000に連結された任意の他の好適なシステムなどの任意の好適なシステムによって決定される。
図54は、電源組立体2400の使用サイクル計数を監視するように構成された、使用サイクル回路2402を備える電源組立体2400の一例を示している。電源組立体2400は、外科用器具2410に結合されてもよい。使用サイクル回路2402は、プロセッサ2404及び使用インジケータ2406を備える。使用インジケータ2406は、信号をプロセッサ2404に提供して、電池バック2400、及び/又は電源組立体2400に結合された外科用器具2410の使用を示すように構成されている。「使用」は、例えば、外科用器具2410のモジュール式構成要素の変更、外科用器具2410に結合された使い捨て構成要素の配備又は発射、外科用器具2410からの電気外科的エネルギーの送達、外科用器具2410及び/若しくは電源組立体2400の再調整、電源組立体2400の交換、電源組立体2400の再充電、並びに/又は外科用器具2410及び/若しくは電池バック2400の安全限界の超過など、任意の好適な動作、条件、及び/又はパラメータを含んでもよい。
いくつかの例では、使用サイクル、すなわち使用は、1つ以上の電源組立体2400のパラメータによって定義される。例えば、一例では、使用サイクルは、電源組立体2400が完全充電レベルのとき、電源組立体2400から利用可能な合計エネルギーの5%より多くを使用することを含む。別の例では、使用サイクルは、既定の時限を超過する電源組立体2400からの連続エネルギー流出を含む。例えば、使用サイクルは、電源組立体2400からの5分間の連続及び/又は合計エネルギー引き出しに相当してもよい。いくつかの例では、電源組立体2400は、例えば、使用インジケータ2406及び/又はカウンタ2408など、使用サイクル回路2402の1つ以上の構成要素を活動状態で維持するため、連続電力引き出しを有する使用サイクル回路2402を備える。
プロセッサ2404は、使用サイクル計数を維持する。使用サイクル計数は、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410に対して、使用インジケータ2406によって検出される使用回数を示す。プロセッサ2404は、使用インジケータ2406からの入力に基づいて、使用サイクル計数を増分及び/又は減分してもよい。使用サイクル計数は、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410の1つ以上の動作を制御するために使用される。例えば、いくつかの例では、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、電源組立体2400は無効化される。本明細書で考察する例は、既定の使用限界を上回って使用サイクル計数を増分することに関して考察しているが、使用サイクル計数は既定量で開始してもよく、プロセッサ2404によって減分されてもよいことが、当業者には認識されるであろう。この例では、プロセッサ2404は、使用サイクル計数が既定の使用限界を下回ると、電源組立体2400の1つ以上の動作を開始及び/又は防止する。
使用サイクル計数は、カウンタ2408によって維持される。カウンタ2408は、例えば、メモリモジュール、アナログカウンタ、及び/又は使用サイクル計数を維持するように構成された任意の回路など、任意の好適な回路を備える。いくつかの例では、カウンタ2408は、プロセッサ2404と一体的に形成される。他の例では、カウンタ2408は、例えば固体メモリモジュールなど、別個の構成要素を備える。いくつかの例では、使用サイクル計数は、例えば中央データベースなど、遠隔システムに提供される。使用サイクル計数は、通信モジュール2412によって遠隔システムに伝達される。通信モジュール2412は、例えば有線及び/又は無線通信など、任意の好適な通信媒体を使用するように構成されている。いくつかの例では、通信モジュール2412は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、例えば制御信号など、遠隔システムからの1つ以上の命令を受信するように構成されている。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、電源組立体2400に結合された外科用器具2410と共に使用される、モジュール式構成要素の数を監視するように構成されている。モジュール式構成要素は、例えば、モジュール式シャフト、モジュール式エンドエフェクタ、及び/又は他の任意のモジュール式構成要素を備えてもよい。いくつかの例では、使用インジケータ2406は、例えば、外科用器具2410に結合されたエンドエフェクタ内におけるステープルカートリッジの挿入及び/又は配備など、1つ以上の使い捨て構成要素の使用を監視する。使用インジケータ2406は、外科用器具2410の1つ以上のモジュール式及び/又は使い捨て構成要素の交換を検出する、1つ以上のセンサを備える。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が設置された状態で行われる単一患者の外科的処置を監視するように構成されている。例えば、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されている状態での外科用器具2410の発射を監視するように構成されてもよい。発射は、ステープルカートリッジの配備、電気外科的エネルギーの適用、及び/又は他の任意の好適な外科的行為に相当してもよい。使用インジケータ2406は、電源組立体2400が設置されている状態での発射回数を測定する1つ以上の回路を備えてもよい。使用インジケータ2406は、1回の患者処置が行われると、プロセッサ2404に信号を提供し、プロセッサ2404は、使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、例えば、電源2414からの電流引き出しなど、電源2414の1つ以上のパラメータを監視するように構成された回路を備える。電源2414の1つ以上のパラメータは、例えば切断及び封着動作など、外科用器具2410によって実行可能な1つ以上の動作に対応する。使用インジケータ2406は、処置が行われたことを1つ以上のパラメータが示す場合、1つ以上のパラメータをプロセッサ2404に提供し、それによって使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、既定の期間後に使用サイクル計数を増分するように構成されたタイミング回路を備える。既定の期間は、操作者が、例えば切断及び封着処置などの処置を行うのに要する時間である、単一患者処置時間に相当する。電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、プロセッサ2404は、使用インジケータ2406をポーリングして、単一患者処置時間がいつ期限切れしたかを判断する。既定の期間が経過すると、プロセッサ2404は、使用サイクル計数を増分する。使用サイクル計数を増分した後、プロセッサ2404は、使用インジケータ2406のタイミング回路をリセットする。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、単一患者処置時間に近似する時定数を含む。図55は、抵抗容量(RC)タイミング回路2506を有する使用サイクル回路2502を備える電源組立体2500の一例を示す。RCタイミング回路2506は、抵抗・コンデンサ対によって定義される時定数を含む。時定数は、抵抗2518及びコンデンサ2516の値によって定義される。電源組立体2500が外科用器具内に設置されると、プロセッサ2504はRCタイミング回路2506をポーリングする。RCタイミング回路2506の1つ以上のパラメータが所定の閾値を下回る場合、プロセッサ2504は、使用サイクル計数を増分する。例えば、プロセッサ2504は、抵抗・コンデンサ対2506のコンデンサ2518の電圧をポーリングしてもよい。コンデンサ2518の電圧が所定の閾値を下回るとき、プロセッサ2504は、使用サイクル計数を増分する。プロセッサ2504は、例えばADC2520によって、RCタイミング回路2506に結合されてもよい。使用サイクル計数を増分した後、プロセッサ2504は、トランジスタ2522をオンにしてRCタイミング回路2506を電源2514に接続して、RCタイミング回路2506のコンデンサ2518を充電する。コンデンサ2518が完全に充電されると、トランジスタ2522が開放され、RCタイミング回路2506は、時間定数によって管理されるとおりに放電され、その後の1回の患者処置を示す。
図56は、充電式電池2564とクロック2560とを有する使用サイクル回路2552を備える電源組立体2550の一例を示す。電源組立体2550が外科用器具に設置されると、充電式電池2564が電源2558によって充電される。充電式電池2564は、少なくとも単一患者処置時間の間、クロック2560を稼働させるのに十分な電力を含む。クロック2560は、リアルタイムクロック、時間関数を実現するように構成されたプロセッサ、又は任意の他の好適なタイミング回路を備えてもよい。プロセッサ2554は、クロック2560から信号を受信し、クロック2560が単一患者処置時間を超えたことを示したときに、使用サイクル計数を増分する。プロセッサ2554は、使用サイクル計数を増分した後にクロック2560をリセットする。例えば、一例では、プロセッサ2554は、充電式電池2564を再充電するためにトランジスタ2562を閉鎖する。充電式電池2564が完全に充電されると、プロセッサ2554はトランジスタ2562を開放し、充電式電池2564が放電している間にクロック2560が稼働することを可能にする。
図54を再び参照すると、いくつかの例では、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が経験する1つ以上の環境状態を監視するように構成されたセンサを備える。例えば、使用インジケータ2406は、加速度計を備えてもよい。加速度計は、電源組立体2400の加速度を監視するように構成されている。電源組立体2400は、最大許容加速度を含む。既定の閾値を上回る加速度は、例えば、電源組立体2400が落下していることを示す。使用インジケータ2406が最大許容加速度を上回る加速度を検出すると、プロセッサ2404は、使用サイクル計数を増分する。いくつかの例では、使用インジケータ2406は、水分センサを備える。水分センサは、電源組立体2400が水分に晒されるとそれを示すように構成されている。水分センサは、例えば、電源組立体2400が洗浄流体に完全に浸漬しているとそれを示すように構成された浸漬センサ、使用中に水分が電源組立体2400と接触しているとそれを示すように構成された水分センサ、及び/又は任意の他の好適な水分センサを備えてもよい。
いくつかの例では、使用インジケータ2406は、化学物質曝露センサを含む。化学物質曝露センサは、電源組立体2400が有害及び/又は危険な化学物質と接触しているとそれを示すように構成されている。例えば、滅菌処置の間、不適切な化学物質が使用され、それが電源組立体2400の劣化に結び付くことがある。プロセッサ2404は、使用インジケータ2406が不適切な化学物質を検出すると、使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が経験する再調整サイクルの回数を監視するように構成されている。再調整サイクルは、例えば、洗浄サイクル、滅菌サイクル、充電サイクル、定期及び/若しくは予防整備、並びに/又は任意の他の好適な再調整サイクルを含んでもよい。使用インジケータ2406は、再調整サイクルを検出するように構成されている。例えば、使用インジケータ2406は、洗浄及び/又は滅菌サイクルを検出する水分センサを備えてもよい。いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が経験する再調整サイクルの回数を監視し、再調整サイクルの回数が既定の閾値を超過した後、電源組立体2400を使用不能にする。
使用サイクル回路2402は、電源組立体2400の交換回数を監視するように構成されてもよい。使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が交換される毎に使用サイクル計数を増分する。最大交換回数を超過すると、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410をロックアウトする。いくつかの例では、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400のシリアル番号を識別し、電源組立体2400が外科用器具2410のみと共に使用可能であるように、電源組立体2400をロックする。いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が外科用器具2410から取り外される毎、及び/又は外科用器具に結合される毎に、使用サイクルを増分する。
いくつかの例では、使用サイクル計数は、電源組立体2400の滅菌に対応する。使用インジケータ2406は、例えば、温度パラメータ、化学物質パラメータ、水分パラメータ、及び/又は任意の他の好適なパラメータなど、滅菌サイクルの1つ以上のパラメータを検出するように構成されたセンサを備える。プロセッサ2404は、滅菌パラメータが検出されると使用サイクル計数を増分する。使用サイクル回路2402は、既定の滅菌回数後、電源組立体2400を使用不能にする。いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、滅菌サイクルの間に、再充電サイクルを検出する電圧センサ、及び/又は任意の好適なセンサをリセットする。プロセッサ2404は、再調整サイクルが検出されると、使用サイクル計数を増分する。使用サイクル回路2402は、滅菌サイクルが検出されると、使用不能にされる。使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、再活性化及び/又はリセットされる。いくつかの例では、使用インジケータは、ゼロ電力インジケータを含む。ゼロ電力インジケータは、滅菌サイクル中に状態を変化させ、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、プロセッサ2404によってチェックされる。ゼロ電力インジケータが、滅菌サイクルが起こっていることを示すと、プロセッサ2404は、使用サイクル計数を増分する。
カウンタ2408は、使用サイクル計数を維持する。いくつかの例では、カウンタ2408は、不揮発性メモリモジュールを備える。プロセッサ2404は、使用サイクルが検出される毎に、不揮発性メモリモジュールに記憶された使用サイクル計数を増分する。メモリモジュールは、プロセッサ2404、及び/又は例えば制御回路1100などの制御回路によってアクセスされてもよい。使用サイクル計数が既定の閾値を超過すると、プロセッサ2404は、電源組立体2400を使用不能にする。いくつかの例では、使用サイクル計数は、複数の回路構成要素によって維持される。例えば、一例では、カウンタ2408は、抵抗(又はヒューズ)パックを備える。電源組立体2400の各使用後に、抵抗(又はヒューズ)が焼けて開放位置に至って、抵抗パックの抵抗が変化する。電源組立体2400及び/又は外科用器具2410は、残りの抵抗を読み取る。抵抗パックの最後の抵抗が焼損したとき、抵抗パックは、例えば、電源組立体2400がその使用限界に達していることを示す、開回路に相当する無限抵抗など、既定の抵抗を有する。いくつかの例では、抵抗パックの抵抗は、残りの使用回数を導き出すために使用される。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過したとき、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410の更なる使用を防止する。一例では、電源組立体2400と関連付けられた使用サイクル計数は、例えば、外科用器具2410と一体的に形成された画面を利用して、操作者に提供される。外科用器具2410は、操作者に対して、使用サイクル計数が電源組立体2400の既定の限界を超過していることの指示を提供し、外科用器具2410の更なる動作を防止する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、既定の使用限界に達すると、動作を物理的に防止するように構成されている。例えば、電源組立体2400は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、電源組立体2400の接点の上に配備するように構成されたシールドを備えてもよい。シールドは、電源組立体2400の電気接続を被覆することによって、電源組立体2400の再充電及び使用を防止する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、少なくとも部分的に外科用器具2410内に配置され、外科用器具2410の使用サイクル計数を維持するように構成されている。図54は、外科用器具2410内の使用サイクル回路2402の1つ以上の構成要素を仮想線で示して、使用サイクル回路2402の代替の位置付けを示している。外科用器具2410の既定の使用限界を超過すると、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410を使用不能にし、かつ/又はその動作を防止する。使用サイクル計数は、例えば、外科用器具2410の発射、単一患者処置時間に対応する既定の期間、外科用器具2410の1つ以上のモータパラメータに基づくもの、1つ以上の既定の閾値が満たされていることを示すシステム診断に対する応答、及び/又は任意の他の好適な要件など、使用インジケータ2406が特定の事象及び/又は要件を検出すると、使用サイクル回路2402によって増分される。上述したように、いくつかの例では、使用インジケータ2406は、単一患者処置時間に対応するタイミング回路を備える。他の例では、使用インジケータ2406は、外科用器具2410の特定の事象及び/又は状態を検出するように構成された1つ以上のセンサを備える。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、既定の使用限界に達した後、外科用器具2410の動作を防止するように構成されている。いくつかの例では、外科用器具2410は、既定の使用限界に達すると、かつ/又は既定の使用限界を超過するとそれを示す、可視インジケータを備える。例えば、赤いフラグなどのフラグが、ハンドルからなど、外科用器具2410から飛び出して、外科用器具2410が既定の使用限界を超過していることの視覚的指示を操作者に提供してもよい。別の例として、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410と一体的に形成されたディスプレイに結合されてもよい。使用サイクル回路2402は、既定の使用限界を超過していることを示すメッセージを表示する。外科用器具2410は、既定の使用限界を超過していることの可聴指示を操作者に提供してもよい。例えば、一例では、外科用器具2410は、既定の使用限界を超過すると可聴音を放出し、電源組立体2400が外科用器具2410から取り外される。可聴音は、外科用器具2410の最後の使用を示し、外科用器具2410を廃棄又は再調整すべきであることを示す。
いくつかの例では、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410の使用サイクル計数を、例えば中央データベースなどの遠隔位置に伝達するように構成されている。使用サイクル回路2402は、使用サイクル計数を遠隔位置に伝達するように構成された通信モジュール2412を備える。通信モジュール2412は、例えば有線又は無線通信システムなど、任意の好適な通信システムを利用してもよい。遠隔位置は、使用情報を維持するように構成された中央データベースを備えてもよい。いくつかの例では、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、電源組立体2400は、外科用器具2410のシリアル番号を記録する。シリアル番号は、例えば、電源組立体2400が充電器に結合されると、中央データベースに伝達される。いくつかの例では、中央データベースは、外科用器具2410の各使用に対応する計数を維持する。例えば、外科用器具2410が使用される毎に、外科用器具2410と関連付けられたバーコードがスキャンされてもよい。使用計数が既定の使用限界を超過すると、中央データベースは、外科用器具2410を処分すべきであることを示す信号を外科用器具2410に提供する。
外科用器具2410は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、外科用器具2410の動作をロック及び/又は防止するように構成されてもよい。いくつかの例では、外科用器具2410は、使い捨て器具を含み、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過した後で処分される。他の例では、外科用器具2410は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過した後で再調整されてもよい、再使用可能な外科用器具を含む。外科用器具2410は、既定の使用限界が満たされた後に可逆的なロックアウトを開始する。技術者は、例えば、使用サイクル回路2402をリセットするように構成された専用技術者キーを利用して、外科用器具2410を再調整し、ロックアウトを解除する。
場合によっては、電源組立体2400は、使用前に同時に充電及び滅菌される。図57は、電池2602を同時に充電及び滅菌するように構成された組み合わせ滅菌及び充電システム2600の一例を示す。組み合わせ滅菌及び充電システム2600は、滅菌チャンバ2604を備える。電池2602は滅菌チャンバ2604内に置かれる。場合によっては、電池2602は外科用器具に連結される。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604の壁2608を通じて装着されている。壁2608は、滅菌中の滅菌チャンバ2604内の滅菌環境を維持するために、充電ケーブル2606の周囲を封止される。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604内の電源組立体2602に連結するように構成された第1の端部と、滅菌チャンバ2604の外側に位置する電池充電器2610に連結された第2の端部とを備える。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604内の滅菌環境を維持しながら滅菌チャンバ2604の壁2608を通過するので、電源組立体2602は、同時に充電及び滅菌され得る。
電池充電器2610によって適用される充電プロファイルは、滅菌チャンバ2604の滅菌サイクルと一致するように構成される。例えば、一例では、滅菌処置時間は、約28~38分である。電池充電器2610は、滅菌処置時間中に電池を充電する充電プロファイルを提供するように構成される。いくつかの例では、充電プロファイルは、滅菌処置に続いて冷却期間にわたって延在し得る。充電プロファイルは、電源組立体2602及び/又は滅菌チャンバ2604からのフィードバックに基づいて、電池充電器2610によって調整されてもよい。例えば、一例では、センサ2612が滅菌チャンバ2604内に位置する。センサ2612は、例えば、滅菌チャンバ2604内に存在する化学物質、滅菌チャンバ2604の温度、及び/又は滅菌チャンバ2604の任意の他の好適な特性など、滅菌チャンバ2604の1つ以上の特性を監視するように構成される。センサ2612は、滅菌チャンバ2604の壁2608を通って延在するケーブル2614によって電池充電器2610に連結される。ケーブル2614は、滅菌チャンバ2604が滅菌環境を維持し得るように封止される。電池充電器2610は、センサ2614からのフィードバックに基づいて充電プロファイルを調整する。例えば、一例では、電池充電器2610は、センサ2612から温度データを受信し、滅菌チャンバ2604及び/又は電源組立体2602の温度が所定の温度を超えるとき、充電プロファイルを調節する。別の例として、電池充電器2610は、センサ2612から化学組成情報を受信し、例えばH2O2などの化学物質が爆発限界に近づくと、電源組立体2602の充電を阻止する。
図58は、一体的に形成された電池充電器2660を中に有する電源組立体2652用に構成された組み合わせ滅菌及び充電システム2650の一例を示す。交流(AC)源2666は、滅菌チャンバ2654の外側に位置し、滅菌チャンバ2654の壁2658を通って装着されたACケーブル2656によって電池充電器2660に連結される。壁2658は、ACケーブル2656の周りで封止される。電池充電器2660は、図57に示される電池充電器2610と類似している。場合によっては、電池充電器2660は、滅菌チャンバ2654内に位置しケーブル2664によって電池充電器2660に連結されているセンサ2662からフィードバックを受信する。
様々な例において、外科用システムは、磁石及びセンサを含み得る。組み合わされると、磁石とセンサは協働して、外科用器具のエンドエフェクタ内の締結具カートリッジの有無、エンドエフェクタ内に装填された締結具カートリッジの種類、及び/又は装填された締結具カートリッジの発射状態など、締結具カートリッジの様々な状態を検出することができる。ここで図62を参照すると、エンドエフェクタ900のジョー902は、例えば磁石910を備えることができ、締結具カートリッジ920は、例えばセンサ930を備えることができる。様々な例において、磁石910は、締結具カートリッジ920を受け入れるようにサイズ決め及び構成された細長チャネル904の遠位端906に位置付けられ得る。更に、センサ930は、例えば、締結具カートリッジ920のノーズ924の遠位端926に少なくとも部分的に埋め込まれるか、又は保持され得る。特定の例において、センサ924は、外科用器具のマイクロプロセッサと信号通信をなし得る。
様々な状況において、センサ930は、締結具カートリッジ920がジョー902の細長チャネル904内に位置付けられたときに磁石910の存在を検出することができる。センサ930は、例えば、締結具カートリッジ920が細長チャネル904内に不適切に位置付けられていること、及び/又は細長チャネル904内に装填されていないことを検出することができ、また、カートリッジ搭載状態を外科用システムのマイクロコントローラに通信することができる。特定の例では、磁石910は、例えば、締結具カートリッジ920内に位置付けられてもよく、センサ930は、例えば、エンドエフェクタ900内に位置付けられてもよい。様々な例において、センサ930は、エンドエフェクタ900内に装填された締結具カートリッジ920の種類を検出することができる。例えば、異なる種類の締結具カートリッジは、例えば、カートリッジ本体又は他のカートリッジ構成要素に対する異なる配置、異なる極性、及び/又は異なる磁気強度などの異なる磁気構成を有することができる。そのような例では、センサ930は、検出された磁気信号に基づいて、ジョー902内に配置されたカートリッジの種類、例えば、カートリッジの長さ、締結具の数、及び/又は締結具の高さを検出することができる。追加的に又は代替的に、センサ930は、締結具カートリッジ920がエンドエフェクタ900内に適切に着座されているかどうかを検出することができる。例えば、エンドエフェクタ900及び締結具カートリッジ920は、複数の磁石及び/又は複数のセンサを備えることができ、特定の例では、センサは、例えば、センサに対する複数の磁石の位置に基づいて、締結具カートリッジ920が適切に配置及び/又は整列されているかどうかを検出することができる。
ここで図63を参照すると、特定の例では、エンドエフェクタ3000は、複数の磁石及び複数のセンサを含むことができる。例えば、ジョー3002は、その遠位端3006に配置された複数の磁石3010、3012を含むことができる。更に、締結具カートリッジ3020は、例えばノーズ3024の遠位端3026に配置された複数のセンサ3030、3032を含むことができる。特定の例において、センサ3030、3032は、ジョー3002の細長チャネル3004内の締結具カートリッジ3020の存在を検出することができる。様々な例において、センサ3030、3032は、例えばホール効果センサを含み得る。様々なセンサが、米国特許第8,210,411号(2008年9月23日出願)、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」に記載されている。米国特許第8,210,411号(2008年9月23日出願)、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」は、全ての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。追加のセンサを加えることは、例えば、外科用器具のマイクロコントローラに更なる情報及び/又は改善された情報を提供することができる、例えば、より広い帯域幅信号を提供することになる。追加的に又は代替的に、追加のセンサは、例えば、締結具カートリッジ3020がジョー3002の細長チャネル内に適切に着座されているかどうかを判定することができる。
様々な例において、磁石は、締結具カートリッジの可動構成要素上に配置され得る。例えば、発射行程中に移動する締結具カートリッジの構成要素上に磁石が配置され得る。そのような例において、エンドエフェクタ内のセンサは、締結具カートリッジの発射状態を検出することができる。例えば、ここで図64を参照すると、磁石3130は、締結具カートリッジ3120のスレッド3122上に配置され得る。更に、センサ1110は、エンドエフェクタ3100のジョー3102内に配置され得る。様々な状況において、スレッド3122は、発射行程中に並進することができる。更に、特定の例では、スレッド3120は、発射行程後に締結具カートリッジ3120の遠位端に留まることができる。換言すれば、カートリッジが発射された後、スレッド3120は、締結具カートリッジ3120の遠位端に留まることができる。したがって、センサ3110は、磁石3130及び対応するスレッド3120の位置を検出して、締結具カートリッジ3120の発射状態を決定することができる。例えば、センサ3110が磁石3130の近位位置を検出したとき、締結具カートリッジ3120は、例えば、未発射状態にかつ発射準備完了状態にあり得、また、センサ3110が磁石3130の遠位位置を検出したとき、締結具カートリッジ3120は、例えば使用済み状態にあり得る。ここで図65を参照すると、様々な例において、エンドエフェクタ3200のジョー3202は、複数のセンサ3210、3212を含むことができる。例えば、近位センサ3212は、ジョー3202の近位部分内に配置され得、遠位センサ3210は、例えばジョー3202の遠位部分内に配置され得る。そのような例では、センサ3210、3212は、例えば、スレッド3122が発射行程中に移動する際にスレッド3122の位置を検出することができる。様々な例において、センサ3210、3212は、例えばホール効果センサを含み得る。
追加的に又は代替的に、エンドエフェクタは、締結具カートリッジの存在及び/又は発射状態を検出することができる複数の電気接点を含むことができる。ここで図66を参照すると、エンドエフェクタ3300は、締結具カートリッジ3320を受け入れるように構成されたチャネル3304を画定するジョー3302を含むことができる。様々な例において、ジョー3302及び締結具カートリッジ3320は電気接点を含み得る。例えば、細長チャネル3304は底面3306を画定することができ、電気接点3310は底面3306上に配置され得る。様々な例において、複数の電気接点3310は、細長チャネル3304内に画定され得る。電気接点3310は、外科用システムのマイクロコントローラと信号通信し得る発射状態回路3340の一部を形成することができる。例えば、電気接点3310は、電源に電気的に結合され、かつ/又は電源と通信することができ、例えば、開回路の電気的に活性な端部を形成することができる。場合によっては、電気接点3310のうちの1つは、ある電位が電気接点3310の中間に生成されるように電力を供給されることができる。特定の例では、接点のうちの1つは、例えば、接点に電位を印加し得るマイクロプロセッサの出力チャネルに結合されてもよい。別の接点は、例えば、マイクロプロセッサの入力チャネルに結合されてもよい。特定の例では、電気接点3310は、ジョー3302のフレーム3306から絶縁されてもよい。更に図66を参照すると、締結具カートリッジ3320はまた、例えば、電気接点3330又は複数の電気接点を含むことができる。様々な例において、電気接点3330は、締結具カートリッジ3320の可動要素上に配置され得る。例えば、電気接点3330は、締結具カートリッジ3320のスレッド3322上に配置されてもよく、したがって、電気接点3330は、発射行程中に締結具カートリッジ3320内で移動することができる。
様々な例において、電気接点3330は、例えばスレッド3320上に金属製バー又はプレートを備えてもよい。締結具カートリッジ3320内の電気接点3330は、例えば、エンドエフェクタ3300内の電気接点3310と協働することができる。特定の状況において、電気接点3330は、スレッド3322が締結具カートリッジ3320内の特定の位置又は位置の範囲内に配置されたときに電気接点3310と接触することができる。例えば、電気接点3330は、スレッド3322が未発射状態にあるときに電気接点3310に接触し、したがって、締結具カートリッジ3320内の近位位置に配置され得る。このような状況では、電気接点3330は、例えば電気接点3310間の回路を閉鎖することができる。更に、発射状態回路3340は、閉鎖された回路、すなわち未発射カートリッジの指示を外科用システムのマイクロコントローラに通信することができる。そのような例において、スレッド3322が発射行程中に遠位に発射されると、電気接点3330は、例えば電気接点3310と電気的に接触しないように移動することができる。したがって、発射状態回路3340は、開放された回路、すなわち、発射済みカートリッジの指示を外科用システムのマイクロコントローラに通信することができる。特定の状況において、マイクロコントローラは、例えば、未使用カートリッジが発射状態回路3340によって指示されたときにのみ、発射行程を開始してもよい。様々な例において、電気接点3330は電気機械式ヒューズを含み得る。そのような例では、例えば、スレッド3322が発射行程を通して発射されるときに、ヒューズは破断又は短絡し得る。
追加的に又は代替的に、ここで図67を参照すると、エンドエフェクタ3400は、ジョー3402及びカートリッジ存在回路3440を含んでもよい。様々な例において、ジョー3402は、例えば、1つの電気接点3410又は複数の電気接点3410をその細長いチャネル3404内に備え得る。更に、締結具カートリッジ3420は、1つの電気接点3430又は複数の電気接点3430を締結具カートリッジ3420の外側表面上に含み得る。様々な例において、電気接点3430は、例えば、締結具カートリッジ3420の固定又は静止構成要素に配置及び/又は装着され得る。様々な状況において、締結具カートリッジ3420の電気接点3430は、例えば、締結具カートリッジ3420が細長チャネル3404内に装填されると、エンドエフェクタ3400の電気接点3410と接触することができる。細長チャネル3404内に締結具カートリッジ3420を配置する前、カートリッジ存在回路3440は、例えば開回路であってもよい。締結具カートリッジ3420がジョー3402内に適切に着座されると、電気接点3410及び3430は、閉じられたカートリッジ存在回路3440を形成することができる。ジョー3402及び/又は締結具カートリッジ3420が複数の電気接点3410、3430を備える場合、カートリッジ存在回路3440は複数の回路を備え得る。更に、特定の例において、カートリッジ存在回路3440は、例えば締結具カートリッジ3420上の電気接点3430、並びに、例えばカートリッジ存在回路3440の対応する開回路及び/又は閉回路の数及び/又は配列に基づいて、ジョー3402内に装填されたカートリッジの種類を識別することができる。
更に、ジョー3402内の電気接点3410は、外科用システムのマイクロコントローラと信号通信することができる。電気接点3410は、例えば電源に配線されてもよく、かつ/又は、例えば有線及び/若しくは無線接続を介してマイクロコントローラと通信することができる。様々な例において、カートリッジ存在回路3440は、外科用システムのマイクロコントローラにカートリッジの有無を伝達することができる。様々な例において、例えば、カートリッジ存在回路3440がエンドエフェクタジョー3402内に締結具カートリッジが存在しないことを示すときに、発射行程を阻止することができる。更に、カートリッジ-存在回路3440がエンドエフェクタジョー3402内に締結具カートリッジ3420が存在することを示すときに、発射行程が許容され得る。
本開示全体をとおして記載されているように、様々なセンサ、プログラム、及び回路によって、外科用器具及び/若しくはその構成要素、外科的な使用若しくは動作、並びに/又は組織及び/若しくは手術部位の多数の特性が検出及び測定され得る。例えば、組織の厚さ、器具構成要素の識別、手術機能からの使用及びフィードバックデータ、並びにエラー又は故障指示が外科用器具によって検出され得る。特定の例では、締結具カートリッジは、例えば、締結具カートリッジに埋め込まれるか若しくは取り外し可能に結合され得る不揮発性メモリユニットを含むことができる。このような不揮発性メモリユニットは、本明細書に記載される電気接点などのハードウェア、無線周波数、又は様々な他の好適な形態のデータ伝送を介してマイクロコントローラと信号通信することができる。そのような例では、マイクロコントローラは、締結具カートリッジ内の不揮発性メモリユニットにデータ及びフィードバックを伝達することができ、したがって、締結具カートリッジは情報を記憶することができる。様々な例において、情報はセキュアに記憶され得、その情報へのアクセスは、その状況に対して好適かつ適切なものとして制限され得る。
特定の例では、不揮発性メモリユニットは、締結具カートリッジ特性及び/又はモジュール式外科用システムの様々な他の構成要素との適合性に関する情報を含み得る。例えば、締結具カートリッジがエンドエフェクタ内に装填されると、不揮発性メモリユニットは、外科用システムのマイクロコントローラに適合性情報を提供することができる。そのような例では、マイクロコントローラは、モジュール式組立体の妥当性又は適合性を検証することができる。例えば、マイクロコントローラは、例えばハンドル構成要素が締結具カートリッジを発射し得ること、及び/又は締結具カートリッジがエンドエフェクタに適切に適合することを確認することができる。特定の状況では、マイクロコントローラは、例えば、外科用システムの操作者に適合性又はその欠如を伝達することができ、かつ/又はモジュール式構成要素が不適合である場合に外科的機能を阻止してもよい。
本明細書に記載されるように、外科用器具は、磁石と協働して外科用器具、手術、及び手術部位の様々な特性を検出し得るセンサを含み得る。例えば、特定の例では、センサはホール効果センサを含んでもよく、他の例では、センサは、図68(A)~図68(C)に示されるような磁気抵抗センサを含んでもよい。本明細書でより詳細に記載されるように、外科用エンドエフェクタは、締結具カートリッジを受け入れるように構成され得る第1のジョーと、第2のジョーと、を備えることができる。第1のジョー及び/又は締結具カートリッジは、例えば永久磁石などの磁気要素を含むことができ、第2のジョーは、例えば、磁気抵抗センサを備えることができる。他の例では、第1のジョー及び/又は締結具カートリッジは、例えば、磁気抵抗センサを備えることができ、第2のジョーは磁気要素を備えることができる。磁気抵抗センサは、例えば図68Cの表に列挙された様々な特性、及び/又は同様の仕様を有し得る。特定の例では、例えば、磁気抵抗センサに対する磁気素子の移動によって引き起こされる抵抗の変化は、図68Bに示す磁気回路の特性に影響し得る、及び/又は変化を及ぼし得る。
様々な例において、磁気抵抗センサは、磁気要素の位置を検出することができ、したがって、例えば、対向する第1のジョーと第2のジョーとの間にクランプされた組織の厚さを検出することができる。磁気抵抗センサは、マイクロコントローラと信号通信することができ、磁気抵抗センサは、例えば、マイクロコントローラと信号通信するアンテナにデータを無線で送信することができる。様々な例において、受動回路は磁気抵抗センサを備え得る。更に、アンテナは、エンドエフェクタ内に配置され得、また、例えば、それに動作可能に結合された磁気抵抗センサ及び/又はマイクロプロセッサからの無線信号を検出することができる。このような状況において、例えばアンテナを含むエンドエフェクタと、例えば磁気抵抗センサを含む締結具カートリッジとの間の露出した電気的接続が回避され得る。更に、様々な例において、アンテナは、外科用器具のマイクロコントローラと有線及び/又は無線通信することができる。
組織は流体を含有していることがあり、組織が圧縮されると、その流体が圧縮された組織から押し出されることがある。例えば、組織が外科用エンドエフェクタの対向するジョーの間にクランプされているとき、クランプされている組織から流体が流動及び/又は変位することがある。クランプされた組織内における流体の流動又は変位は、例えば、組織の厚さ及び/又は種類などの組織の様々な特性、並びに、所望の組織の圧縮度及び/又は経過クランプ時間などの外科手術の様々な特性に依存し得る。様々な例において、エンドエフェクタの対向するジョー間における流体変位は、対向するジョー間に形成されるステープルの不良成形に寄与し得る。例えば、ステープル成形中及び/又はステープル成形後の流体の変位は、その所望の又は意図された成形から離れたステープルの曲げ及び/又は他の制御されていない動きを誘発することがある。したがって、様々な例において、発射行程を制御すること、例えば、外科用エンドエフェクタの対向するジョーの間で、検出された流体の流動又はその欠如に関連させて、発射速度を制御することが望ましい場合がある。
様々な例において、クランプされた組織における流体変位は、様々な測定可能及び/又は検出可能な組織特性によって決定又は概算され得る。例えば、組織圧縮の程度は、クランプされた組織における流体変位の程度に対応し得る。様々な例において、組織圧縮の程度がより高いことは、例えば、流体流動がより多いことに対応し得、組織圧縮の程度が低減されることは、例えば、流体流動がより少ないことに対応し得る。様々な状況において、エンドエフェクタジョー内に配置されたセンサは、圧縮された組織によってジョーに及ぼされる力を検出することができる。追加的に又は代替的に、切断要素上にあるか若しくは切断要素と動作可能に関連付けられたセンサは、切断要素がクランプされた組織を通って前進し、その組織を横切するときに、切断要素にかかる抵抗を検出することができる。そのような状況において、検出される切断及び/又は発射抵抗は、組織圧縮の程度に対応し得る。例えば、組織圧縮が高度である場合、切断要素抵抗はより大きくなり得、また、例えば、組織圧縮がより低度である場合、切断要素抵抗は低減され得る。それに対応して、切断要素抵抗は流体変位の量を指示し得る。
特定の例では、クランプされた組織における流体変位は、切断要素を発射するために必要とされる力、すなわち発射力によって決定又は概算され得る。発射力は、例えば、切断要素抵抗に対応し得る。更に、発射力は、切断要素を駆動する電気モータと信号通信するマイクロコントローラによって決定又は概算され得る。例えば、切断要素抵抗がより高い場合、電気モータは、組織を通して切断要素を駆動するために、より多くの電流を必要とし得る。同様に、切断要素抵抗がより低い場合、電気モータは、組織を通して切断要素を駆動するために、より少ない電流を必要とし得る。そのような例では、マイクロコントローラは、発射行程中に電気モータによって引き込まれる電流の量を検出することができる。例えば、マイクロコントローラは、例えば、組織を通して切断要素を発射するために利用される電流を検出し得る電流センサを含んでもよい。
ここで図60を参照するが、外科用器具組立体又はシステムは、クランプされた組織内の圧縮力を検出するように構成され得る。例えば、様々な例において、電気モータは発射要素を駆動することができ、マイクロコントローラは、電気モータと信号通信することができる。例えば、電気モータが発射要素を駆動するとき、マイクロコントローラは、電気モータによって引き込まれる電流を決定することができる。そのような例では、発射力は、上述のように、発射行程全体にわたって電気モータによって引き込まれる電流に対応し得る。やはり図60を参照すると、工程3501において、外科用器具のマイクロコントローラは、電気モータによって引き込まれる電流が発射行程の間に増加するか否かを判定することができ、また増加した場合、電流の増加率を算出することができる。
様々な例において、マイクロコントローラは、発射行程中の電流引き込みの増加を既定の閾値と比較することができる。例えば、既定の閾値は、例えば、5%、10%、25%、50%及び/又は100%であり得、マイクロコントローラは、発射行程中に検出された電流増加を既定の閾値と比較することができる。他の例では、閾増加率は、5%~100%の値又は値の範囲であり得、更に他の例では、閾増加率は、例えば、5%未満又は100%超であり得る。例えば、既定の閾値が50%である場合、マイクロコントローラは、例えば、電流引き込み変化の割合を50%と比較することができる。特定の例では、マイクロコントローラは、発射行程中に電気モータによって引き込まれた電流が最大電流又はベースライン値の割合を超えるかどうかを判定することができる。例えば、マイクロコントローラは、電流が最大モータ電流の5%、10%、25%、50%及び/又は100%を超えるかどうかを判定することができる。他の例では、マイクロコントローラは、例えば、発射行程中に電気モータによって引き込まれた電流を既定のベースライン値と比較することができる。
様々な例において、マイクロコントローラは、アルゴリズムを利用して、発射行程中に電気モータによって引き込まれる電流の変化を判定することができる。例えば、電流センサは、発射行程中に様々な時間及び/又は間隔で、電気モータによって引き込まれる電流を検出することができる。電流センサは、電気モータによって引き込まれる電流を継続的に検出することができ、かつ/又は電気モータによる電流引き込みを間欠的に検出することができる。様々な例では、アルゴリズムは、例えば、最近の電流読み取り値を直前の電流読み取り値と比較することができる。追加的に又は代替的に、アルゴリズムは、期間X内のサンプル読み取り値を、以前の電流読み取り値と比較することができる。例えば、アルゴリズムは、サンプル読み取り値を、例えば、直前の期間Xなど、以前の期間X内の以前のサンプル読み取り値と比較することができる。他の例では、アルゴリズムは、モータによって引き込まれる電流の傾向的な平均を算出することができる。アルゴリズムは、例えば、最近の電流読み取り値を含む、期間Xの間の平均電流引き込みを算出することができ、また、平均電流引き込みを、例えば直前の期間Xの間の平均電流引き込みと比較することができる。
更に図60を参照すると、マイクロコントローラが閾変化又は閾値よりも大きい電流増加を検出した場合、マイクロコントローラはステップ3503に進むことができ、発射要素の発射速度が低減され得る。例えば、マイクロコントローラは、電気モータと通信して、発射要素の発射速度を減速することができる。例えば、発射速度は、既定のステップ単位及び/又は既定の割合だけ低減され得る。様々な例において、マイクロコントローラは速度制御モジュールを備え得るが、その速度制御モジュールは、切断要素速度の変化に影響を及ぼすことができ、かつ/又は切断要素速度を維持することができる。速度制御モジュールは、例えば、抵抗器、可変抵抗器、パルス幅変調回路、及び/又は周波数変調回路を備えることができる。依然として図60を参照すると、例えば、電流増加が閾値未満である場合、マイクロコントローラはステップ3505に進むことができ、ここで発射要素の発射速度は維持され得る。様々な状況において、マイクロコントローラは、発射行程の少なくとも一部分の間、電気モータによって引き込まれる電流及びその電流の変化を監視し続けることができる。更に、マイクロコントローラ及び/又はその速度制御モジュールは、検出された電流引き込みに従って、発射行程全体にわたって発射要素速度を調節することができる。そのような例において、例えば、クランプされた組織における概算された流体の流動又は変位に基づいて発射速度を制御することにより、クランプされた組織におけるステープルの不良成形の発生が低減され得る。
ここで図61を参照すると、様々な例において、マイクロコントローラは、所定の時間期間にわたって発射要素を一時停止させることによって、発射要素速度を調節することができる。例えば、図60に示す実施形態と同様に、工程3511においてマイクロコントローラが既定の閾値を超える電流引き込みを検出した場合、マイクロコントローラは工程3513に進むことができ、発射要素は一時停止され得る。例えば、マイクロコントローラによって測定された電流増加が閾値を超えた場合、マイクロコントローラは、1秒間にわたって発射要素の移動及び/又は並進を一時停止することができる。他の例では、発射行程は、例えば、数分の1秒及び/又は1秒超にわたって一時停止され得る。上記のプロセスと同様に、電流引き込みの増加が閾値よりも小さい場合、マイクロコントローラは工程3515に進むことができ、発射要素は、発射要素の速度を調整することなく、発射行程の全体を通じて進行し続けることができる。特定の例では、マイクロコントローラは、発射行程中に発射要素を一時停止及び減速させるように構成され得る。例えば、電流引き込みの第1の増加に対して、発射要素は一時停止されてもよく、また、第2の異なる電流引き込みの増加に対して、発射要素の速度が低減されてもよい。更に他の状況では、マイクロコントローラは、例えば、電流引き込みが減少して閾値を下回る場合に、発射要素の速度の増加を指令することができる。
本明細書に記載されるように、外科用ステープル留め器具などの外科用器具は、例えば、プロセッサ、コンピュータ、及び/又は、例えばコントローラ(本明細書では集合的に「プロセッサ」と称される)、並びに、そのプロセッサ、コンピュータ、及び/又はコントローラと信号通信する1つ以上のセンサを含むことができる。様々な例において、プロセッサは、マイクロコントローラと、そのマイクロコントローラに動作可能に連結された1つ以上のメモリユニットとを備えることができる。メモリに記憶された命令コードを実行することによって、プロセッサは、例えば、モータ、様々な駆動システム、及び/又はユーザディスプレイなど、外科用器具の様々な構成要素を制御してもよい。プロセッサは、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又はそれら両方の組み合わせを用いて実装されてもよい。集積型ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を含んでもよい。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、双極トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。ある特定の例では、プロセッサは、例えば、1つ以上の基板上に離散型及び集積型の回路素子又は構成要素を備えるハイブリッド回路を含んでもよい。
プロセッサは、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
信号通信は、センサとプロセッサとの間で情報が送信される任意の好適な形態の通信を含み得る。そのような通信は、例えば、1つ以上の導体を利用する有線通信及び/又は無線送受信機を利用する無線通信を含み得る。様々な例において、外科用器具は、外科用器具の第1の状態を検出するように構成された第1のセンサと、外科用器具の第2の状態を検出するように構成された第2のセンサとを含み得る。一例として、外科用器具は、例えば、外科用器具の閉鎖トリガが作動されたかどうかを検出するように構成された第1のセンサと、外科用器具の発射トリガが作動されたかどうかを検出するように構成された第2のセンサと、を含み得る。
外科用器具が同じ状態を検出するように構成された2つ以上のセンサを含み得る様々な実施形態が想定される。少なくとも1つのこのような実施形態において、外科用器具は、プロセッサと、プロセッサと信号通信する第1のセンサと、プロセッサと信号通信する第2のセンサと、を備え得る。第1のセンサは、第1の信号をプロセッサに通信するように構成され得、第2のセンサは、第2の信号をプロセッサに通信するように構成され得る。様々な例において、プロセッサは、第1のセンサから第1の信号を受信するための第1の入力チャネルと、第2のセンサから第2の信号を受信するための第2の入力チャネルとを含み得る。他の例では、マルチプレクサデバイスは、第1の信号及び第2の信号を受信し、例えば、第1及び第2の信号のデータを単一の組み合わされた信号の一部としてプロセッサに通信することができる。いくつかの例では、第1の絶縁電線などの第1の導体が、例えば、第1のセンサを第1の入力チャネルに接続することができ、第2の絶縁電線などの第2の導体が、例えば、第2のセンサを第2の入力チャネルに接続することができる。上で概説したように、第1のセンサ及び/又は第2のセンサは、プロセッサと無線通信することができる。少なくとも1つのそのような例において、第1のセンサは、第1の無線送信機を含むことができ、第2のセンサは、第2の無線送信機を含むことができ、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号を受信し、それらの信号をプロセッサに送信するように構成された少なくとも1つの無線信号受信機を含むことができ、かつ/又はそれと通信することができる。
以下により詳細に記載されるように、センサと協働して、外科用器具のプロセッサは、外科用器具が正しく動作していることを検証することができる。第1の信号は、外科用器具の状態に関するデータを含むことができ、第2の信号は、同じ状態に関するデータを含むことができる。プロセッサは、第1の信号からのデータを第2の信号からのデータと比較し、2つの信号によって通信されるデータが同じであるか又は異なるかを判定するように構成されたアルゴリズムを含むことができる。2つの信号からのデータが同じである場合、プロセッサは、そのデータを使用して外科用器具を動作させることができる。このような状況では、プロセッサは、故障状態が存在しないと仮定することができる。様々な例において、プロセッサは、第1の信号からのデータ及び第2の信号からのデータが、許容可能な、若しくは認められたデータの範囲内にあるかどうかを判定することができる。2つの信号からのデータが、認められたデータの範囲内にある場合、プロセッサは、信号の一方又は両方からのデータを使用して外科用器具を動作させることができる。このような状況では、プロセッサは、故障状態が存在しないと仮定することができる。第1の信号からのデータが、認められたデータの範囲外にある場合、プロセッサは、第1のセンサに関して故障状態が存在すると仮定し、第1の信号を無視し、第2の信号からのデータに応答して外科用器具を動作させることができる。同様に、第2の信号からのデータが、認められたデータの範囲外にある場合、プロセッサは、第2のセンサに関して故障状態が存在すると仮定し、第2の信号を無視し、第1の信号からのデータに応答して外科用器具を動作させることができる。プロセッサは、1つ以上のセンサからの入力を選択的に無視するように構成され得る。
様々な例において、上記に加えて、プロセッサは、第1の信号からのデータが第1の値と第2の値との間にあるかどうかを評価するように構成されたアルゴリズムを実装するように構成されたモジュールを含むことができる。同様に、そのアルゴリズムは、第2の信号からのデータが第1の値と第2の値との間にあるかどうかを評価するように構成され得る。特定の例では、外科用器具は、少なくとも1つのメモリ装置を含むことができる。メモリ装置は、プロセッサと一体であってもよく、プロセッサと信号通信してもよく、かつ/又はプロセッサによってアクセス可能であってもよい。特定の例では、メモリ装置は、その上に記憶されたデータを含むメモリチップを含み得る。メモリチップ上に記憶されたデータは、例えば、ルックアップテーブルの形態であってもよく、プロセッサはルックアップテーブルにアクセスして、許容可能な、又は認識されたデータの範囲を確立することができる。特定の例では、メモリ装置は、例えば、ビットマスクされた読み取り専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリ(NVM)は、例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、又は、バッテリバックアップ型のランダムアクセスメモリ(RAM)、例えばダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)などを含め、他の種類のメモリを含み得る。
上記に加えて、第1のセンサ及び第2のセンサは冗長であり得る。プロセッサは、第1のセンサからの第1の信号を第2のセンサからの第2の信号と比較して、何らかの処置がある場合はどの処置がいつ行われるべきかを判定するように構成され得る。上記に加えて、又はその代わりに、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号からのデータを、メモリ装置内に記憶されたアルゴリズム及び/又はデータによって確立された限界と比較するように構成され得る。様々な状況において、プロセッサは、例えば、第1の信号及び/又は第2の信号など、受信する信号にゲインを適用するように構成され得る。一例として、プロセッサは、第1のゲインを第1の信号に適用し、第2のゲインを第2の信号に適用することができる。特定の例において、第1のゲインは第2のゲインと同じであってもよい。他の例では、第1のゲインと第2のゲインは異なってもよい。いくつかの状況では、プロセッサは、第1のゲイン及び/又は第2のゲインを較正するように構成され得る。少なくとも1つのこのような状況において、プロセッサは、増幅された信号が所望の又は許容可能な範囲内に収まるようにゲインを修正することができる。様々な例において、修正されていないゲイン及び/又は修正されたゲインは、プロセッサと一体でありかつ/又はプロセッサによってアクセス可能であるメモリ装置内に記憶され得る。特定の実施形態では、メモリ装置は、信号に適用されるゲインの履歴を追跡することができる。いずれにしても、プロセッサは、外科的処置の前、最中、及び/又は後にこの較正を提供するように構成され得る。
様々な実施形態において、第1のセンサは第1の信号に第1のゲインを適用することができ、第2のセンサは、第2の信号に第2のゲインを適用することができる。特定の実施形態では、プロセッサは、1つ以上の出力チャネルを含むことができ、第1及び第2のセンサと通信することができる。一例として、プロセッサは、第1のセンサと信号通信する第1の出力チャネルと、第2のセンサと信号通信する第2の出力チャネルとを含むことができる。上記に加えて、プロセッサは、第1のセンサ及び/又は第2のセンサを較正するように構成され得る。プロセッサは、第1のセンサが第1の信号に適用する第1のゲインを修正するために、当該第1の出力チャネルを通じて第1の較正信号を送信することができる。同様に、プロセッサは、第2のセンサが第2の信号に適用する第2のゲインを修正するために、第2の出力チャネルを通じて第2の較正信号を送信することができる。
上述のように、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号から受信したデータを考慮して外科用器具の動作を修正することができる。いくつかの状況において、プロセッサは、プロセッサが故障していると見なされる冗長センサからの信号を無視することができる。状況によっては、プロセッサは、外科用器具を安全な状態に戻すことができ、かつ/又はセンサの一方又は両方が故障している可能性があることを外科用器具のユーザに警告することができる。特定の状況において、プロセッサは、外科用器具を無効化することができる。様々な状況において、プロセッサは、センサのうちの1つ以上が故障している可能性があることをプロセッサが検出したときに、外科用器具の特定の機能を非活性化及び/又は修正することができる。少なくとも1つのこのような状況において、プロセッサは、動作可能な制御を、例えば、センサのうちの1つ以上が故障している可能性があることをプロセッサが検出したときに、手術器具が手術部位から安全に取り除かれることを可能にすることができる制御に制限することができる。少なくとも1つの状況において、プロセッサがセンサのうちの1つ以上が故障している可能性があることを検出したとき、である。特定の状況において、プロセッサは、例えば、センサのうちの1つ以上が故障している可能性があることをプロセッサが検知したときに、外科用器具のモータによって送達され得る最大速度、動力、及び/又はトルクを制限し得る。様々な状況において、プロセッサは、例えば、センサのうちの1つ以上が故障している可能性があることをプロセッサが検知したときに、誤作動しているか若しくは作動していないセンサを外科用器具のユーザが再較正することを可能にし得る再較正制御を有効化し得る。同じ状態を検出するために2つのセンサを利用する様々な例示的実施形態が本明細書に記載されているが、3つ以上のセンサを利用する様々な他の実施形態も想定される。本明細書に記載される2センサシステムに適用される原理は、3つ以上のセンサを含むシステムにも適合され得る。
上述のように、第1のセンサ及び第2のセンサは、外科用器具の同じ状態を検出するように構成され得る。一例として、第1のセンサ及び第2のセンサは、例えば、外科用器具のアンビルが開放状態にあるかどうかを検出するように構成され得る。少なくとも1つのこのような例において、例えば、第1のセンサは、閉鎖トリガの作動位置への移動を検出することができ、第2のセンサは、クランプ位置へのアンビルの移動を検出することができる。場合によっては、第1のセンサ及び第2のセンサは、外科用器具のエンドエフェクタからステープルを配備するように構成された発射部材の位置を検出するように構成され得る。少なくとも1つのこのような例において、例えば、第1のセンサは、外科用器具のハンドル内のモータ駆動ラックの位置を検出するように構成され得、第2のセンサは、モータ駆動ラックと動作可能に連結された外科用器具のシャフト又はエンドエフェクタ内の発射部材の位置を検出するように構成され得る。様々な例において、第1及び第2のセンサは、同じ事象が発生していることを検証することができる。第1及び第2のセンサは、外科用器具の同じ部分及び/又は外科用器具の異なる部分に配置され得る。第1のセンサは、例えばハンドル内に配置されてもよく、第2のセンサは、例えばシャフト又はエンドエフェクタ内に配置されてもよい。
上記に加えて、第1及び第2のセンサは、2つの事象が同時に発生しているかどうかを判定するために利用されてもよい。例えば、閉鎖トリガとアンビルとが同時に移動しているか又は移動したかどうかである。特定の例において、第1及び第2のセンサは、2つの事象が同時に発生していないかどうかを判定するために利用されてもよい。例えば、エンドエフェクタからステープルを配備するために外科用器具の発射部材が前進されている間は、エンドエフェクタのアンビルが開放することが望ましくない場合がある。第1のセンサは、アンビルがクランプ位置にあるかどうかを判定するように構成されてもよく、第2のセンサは、発射部材が前進されているかどうかを判定するように構成されてもよい。例えば、第1のセンサが、アンビルが非クランプ位置にあることを検出すると同時に、第2のセンサが、発射部材が前進されていることを検出した場合、プロセッサは、外科用器具のモータへの電力の供給を中断することができる。同様に、第1のセンサは、エンドエフェクタをクランプ解除するように構成されたクランプ解除アクチュエータが押下されたかどうかを検出するように構成されてもよく、第2のセンサは、外科用器具のモータを動作させるように構成された発射アクチュエータが押下されたかどうかを検出するように構成されてもよい。外科用器具のプロセッサは、例えば、モータを停止すること、モータを逆転させて発射部材を後退させること、及び/又は、クランプ解除アクチュエータからの命令を無視することによって、これらの相反する命令を解決するように構成され得る。
いくつかの例では、上記に加えて、検出された状態は、外科用器具によって消費される電力を含み得る。少なくとも1つのそのような例において、第1のセンサは、外科用器具の電池から引き込まれた電流を監視するように構成されてもよく、第2のセンサは、電池の電圧を監視するように構成されてもよい。上述のように、このような情報は、第1のセンサ及び第2のセンサからプロセッサに通信され得る。この情報により、プロセッサは、外科用器具の電力引き込みを算出することができる。このようなシステムは、「供給側」電力監視と呼ばれることがある。特定の例では、例えば、第1のセンサは、外科用器具のモータによって引き込まれた電流を検出するように構成されてもよく、第2のセンサは、外科用器具のプロセッサによって引き込まれた電流を検出するように構成されてもよい。上述のように、このような情報は、第1のセンサ及び第2のセンサからプロセッサに通信され得る。この情報により、プロセッサは、外科用器具の電力引き込みを算出することができる。外科用器具の他の構成要素が電力を引き込む限りにおいて、構成要素ごとに引き込まれた電流を検出し、その情報をプロセッサに通信するために、センサが利用され得る。このようなシステムは、「使用側」電力監視と呼ばれることがある。供給側電力監視及び使用側電力監視を利用する様々な実施形態が想定される。様々な例において、プロセッサ、及び/又はプロセッサによって実装されるアルゴリズムは、1つのセンサのみによっては直接感知され得ないデバイスの状態を、2つ以上のセンサを使用して算出するように構成され得る。この算出に基づいて、プロセッサは、外科用器具の機能を有効化、ブロック、及び/又は修正することができる。
様々な状況において、プロセッサ及びセンサシステムによって検出され得る外科用器具の状態は、外科用器具の向きを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、外科用器具は、ハンドルと、ハンドルから延在するシャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を含み得る。例えば、第1のセンサがハンドル内に配置されてもよく、第2のセンサがシャフト内に配置されてもよい。例えば、第1のセンサは第1の傾斜センサを含んでもよく、第2のセンサは第2の傾斜センサを含んでもよい。第1の傾斜センサは、第1の平面に対する器具の向きを検出するように構成されてもよく、第2の傾斜センサは、第2の平面に対する器具の向きを検出するように構成されてもよい。第1の平面と第2の平面は、直交していてもよく、あるいは直交していなくてもよい。第1のセンサは、例えば、加速度計及び/又はジャイロスコープを含み得る。第2のセンサは、例えば、加速度計及び/又はジャイロスコープを含み得る。例えば、2つより多いセンサを備え、このような各センサが加速度計及び/又はジャイロスコープを含み得る様々な実施形態が想定される。少なくとも1つの実装形態では、第1のセンサは、第1の軸線に沿って配置された第1の加速度計を含んでもよく、第2のセンサは、第1の軸線とは異なる第2の軸線に沿って配置された第2の加速度計を含んでもよい。少なくとも1つのこのような例において、第1の軸線は第2の軸線を横切るものであってもよい。
上記に加えて、プロセッサは、第1及び第2加速度計からのデータを利用して、重力が器具に対して作用する方向、すなわち、外科用器具に対する地面の方向を判定することができる。特定の例では、外科用器具を取り囲む環境で発生した磁場が、加速度計のうちの1つに影響を及ぼし得る。上記に加えて、プロセッサは、加速度計からのデータが一貫していない場合にその加速度計からのデータを無視するように構成され得る。更に、プロセッサは、例えば、加速度計が2つ以上の強い極性配向の間で振動している場合にその加速度計からのデータを無視するように構成され得る。外部磁場が外科用器具の加速度計のうちの2つ以上、及び/又は全てに影響を及ぼす限りにおいて、プロセッサは、加速度計からのデータに依存する外科用器具の特定の機能を非活性化してもよい。様々な例において、外科用器具は、プロセッサによって画面に伝達された画像を表示するように構成された画面を含んでもよく、プロセッサは、外科用器具のハンドルの向きが変えられるとき、又は少なくともハンドルの向きが変わったことが加速度計によって検出されたときに、画面上に表示される画像の向きを変更するように構成されてもよい。少なくとも1つの例では、画面上の表示は、ハンドルが上下逆さまに向けられたときに上下逆さまに反転され得る。例えば、プロセッサが、加速度計のうちの1つ以上からの向きデータが不完全である可能性があると判定した場合、プロセッサは、表示がデフォルト位置から離れるように向きが変えられることを阻止してもよい。
上記に加えて、外科用器具の向きは、単一のセンサから検出可能であっても、検出可能でなくてもよい。例えば、少なくとも1つの例では、外科用器具のハンドルは第1のセンサを含んでもよく、シャフトは第2のセンサを含んでもよい。第1のセンサ及び第2のセンサからのデータ、及び/又は任意の他のセンサからのデータを利用して、プロセッサは、外科用器具の向きを判定することができる。場合によっては、プロセッサは、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号、及び/又は任意の好適な数のセンサ信号からのデータを組み合わせて外科用器具の向きを判定するように構成されたアルゴリズムを利用してもよい。少なくとも1つの例では、ハンドル内に配置されたハンドルセンサは、重力に対するハンドルの向きを判定することができる。シャフト内に配置されたシャフトセンサは、重力に対するシャフトの向きを判定することができる。シャフト、又は少なくともシャフトの一部分がハンドルに対して関節運動しない実施形態では、プロセッサは、シャフト又は非関節運動シャフト部分が指し示している方向を判定することができる。場合によっては、外科用器具は、シャフトに対して関節運動し得るエンドエフェクタを含んでもよい。その外科用器具は、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動した方向及び角度を判定し得る関節運動センサを含んでもよい。ハンドルセンサ、シャフトセンサ、及び関節運動センサからのデータを用いて、プロセッサは、エンドエフェクタが指し示している方向を判定し得る。ハンドル、シャフト、及び/又はエンドエフェクタの長さを含めた付加的なデータを用いて、プロセッサは、例えば、エンドエフェクタの遠位先端の位置を判定し得る。このような情報を用いて、プロセッサは、外科用器具の機能を有効化、ブロック、及び/又は修正することができる。
様々な例において、外科用器具は、第1のプロセッサに加えて冗長プロセッサを含み得る。冗長プロセッサは、第1のプロセッサが信号通信しているセンサの一部又は全てと信号通信することができる。冗長プロセッサは、第1のプロセッサが実行する同じ算出の一部又は全てを実行することができる。冗長プロセッサは、第1のプロセッサと信号通信することができる。第1のプロセッサは、第1のプロセッサが実行した算出を、冗長プロセッサが実行した算出と比較するように構成され得る。同様に、冗長プロセッサは、冗長プロセッサが実行した算出を、第1のプロセッサが実行した算出と比較するように構成され得る。様々な例において、第1のプロセッサと冗長プロセッサは、互いに独立して外科用器具を動作させるように構成され得る。いくつかの例では、第1のプロセッサ及び/又は冗長プロセッサは、他方のプロセッサが故障しているかどうかを判定し、かつ/又は、他方のプロセッサ内及び/若しくは外科用器具内の故障が検出された場合に他方のプロセッサを非活性化するように構成され得る。第1のプロセッサと冗長プロセッサはいずれも、外科用器具の操作者と通信するように構成されてもよく、それにより、プロセッサのうちの一方が他方のプロセッサを故障していると判定した場合、故障していないプロセッサは、故障状態が存在することを操作者に通知することができる。
様々な実施形態において、外科用器具は、プロセッサと、そのプロセッサと信号通信する1つ以上のセンサとを含み得る。センサは、デジタルセンサ及び/又はアナログセンサを含み得る。デジタルセンサは、測定信号を生成することができ、電子チップを含むことができる。電子チップは、測定信号をデジタル出力信号に変換することができる。次いで、デジタル出力信号は、例えば、導電ケーブル、光ファイバーケーブル、及び/又は無線エミッタなどの好適な伝送手段を利用してプロセッサに送信され得る。アナログセンサは、測定信号を生成し、アナログ出力信号を使用して測定信号をプロセッサに通信することができる。アナログセンサは、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、光学センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを含み得る。外科用器具は、アナログ出力信号がプロセッサに到達する前にアナログ出力信号を受信及び/又は調整するように構成され得る信号フィルタを含んでもよい。信号フィルタは、例えば、カットオフ周波数である低周波数及び/又はカットオフ周波数を下回る低周波数を有する信号はプロセッサに通し、カットオフ周波数よりも高い高周波数を有する信号はその振幅を減衰させるか若しくは低減するローパスフィルタを含んでもよい。場合によっては、ローパスフィルタは、受信する特定の高周波信号、又は受信する高周波信号の全てを除去してもよい。ローパスフィルタはまた、特定の又は全ての低周波信号の振幅を減衰させるか若しくは低減し得るが、そのような減衰は、高周波信号に適用される減衰とは異なり得る。任意の好適な信号フィルタが利用され得る。例えば、ハイパスフィルタが利用されてもよい。光センサから信号を受信し、調整するために、ロングパスフィルタが利用されてもよい。様々な例において、プロセッサは、積分信号フィルタを含んでもよい。いくつかの例では、プロセッサは、信号フィルタと信号通信してもよい。いずれにしても、信号フィルタは、受信するアナログ出力信号内のノイズを低減するように構成され得る。
上記に加えて、センサからのアナログ出力信号は、プロセッサの入力チャネルに印加される一連の電位を含むことができる。様々な例において、アナログセンサ出力信号の電位は、定義された範囲内であり得る。一例として、電位は、例えば、約0V~約12V、約0V~約6V、約0V~約3V、及び/又は約0V~約1Vであり得る。場合によっては、電位は、例えば、12V以下、6V以下、3V以下、及び/又は1V以下であり得る。場合によっては、電位は、例えば、約0V~約-12V、約0V~約-6V、約0V~約-3V、及び/又は約0V~約-1Vであり得る。場合によっては、電位は、例えば、-12V以上、-6V以上、-3V以上、及び/又は-1V以上であり得る。場合によっては、電位は、例えば、約12V~約-12V、約6V~約-6V、約3V~約-3V、及び/又は約1V~約-1Vであり得る。様々な例において、センサは、プロセッサの入力チャネルに連続ストリームとして電位を供給することができる。プロセッサは、このデータのストリームを、データがプロセッサに配信される速度よりも低い速度でサンプリングしてもよい。場合によっては、センサは、断続的に又は周期的な間隔をおいて、プロセスの入力チャネルに電位を供給し得る。いずれにしても、プロセッサは、以下で更に詳細に記載されるように、入力チャネルに印加された電位を評価し、その電位に応答して外科用器具を動作させるように構成され得る。
上記に加えて、プロセッサは、センサからのアナログ出力信号を評価するように構成され得る。様々な例において、プロセッサは、アナログ出力信号の全ての電位を評価し、かつ/又はアナログ出力信号をサンプリングするように構成され得る。アナログ出力信号をサンプリングするとき、プロセッサは、信号の周期的評価を行い、アナログ出力信号から電位を周期的に取得することができる。各評価について、プロセッサは、評価から得られた電位を基準値と比較することができる。様々な状況において、プロセッサは、例えば、この比較から、0若しくは1、又はオン若しくはオフなどのデジタル値を算出することができる。一例として、評価された電位が基準値に等しい場合、プロセッサは、1のデジタル値を算出することができる。あるいは、プロセッサは、評価された電位が基準値に等しい場合、0のデジタル値を算出することができる。第1の実施形態に関して言えば、プロセッサは、評価された電位が基準値未満である場合には1のデジタル値を算出し、評価された電位が基準値よりも大きい場合には0のデジタル値を算出することができる。第2の実施形態に関して言えば、プロセッサは、評価された電位が基準値未満である場合には0のデジタル値を算出し、評価された電位が基準値よりも大きい場合には1のデジタル値を算出することができる。いずれの場合も、プロセッサは、アナログ信号をデジタル信号に変換することができる。プロセッサがセンサ出力信号の電位を連続的に評価しているとき、プロセッサは、電位を基準値と連続的に比較し、デジタル値を連続的に算出することができる。プロセッサがセンサ出力信号の電位を周期的な間隔で評価しているとき、プロセッサは、周期的な間隔で電位を基準値と比較し、周期的な間隔でデジタル値を算出することができる。
上記に加えて、基準値は、プロセッサによって利用されるアルゴリズムの一部であり得る。基準値は、アルゴリズム内に予めプログラムされてもよい。場合によっては、プロセッサは、アルゴリズムにおいて基準値を取得、算出、及び/又は修正することができる。いくつかの例では、基準値は、プロセッサによってアクセス可能でありかつ/又はプロセッサと一体であるメモリ装置に記憶され得る。基準値は、メモリ装置内に予めプログラムされてもよい。場合によっては、プロセッサは、メモリ装置において基準値を取得、算出、及び/又は修正することができる。少なくとも1つの例では、基準値は、不揮発性メモリに記憶されてもよい。いくつかの例では、基準値は揮発性メモリに記憶されてもよい。基準値は一定値を含んでもよい。基準値は、変更可能であっても、変更可能でなくてもよく、上書きされても、上書きされなくてもよい。特定の例では、基準値は、較正手順の結果として記憶、変更、及び/又は別様に決定され得る。較正手順は、例えば、外科用器具を製造するとき、器具を初期化するとき若しくは最初に電源投入するとき、器具をスリープモードから電源投入するとき、器具を使用するとき、器具をスリープモードに入れるとき、及び/又は器具を完全に電源遮断するときに実行され得る。
更に上記に加えて、プロセッサは、デジタル値を記憶するように構成され得る。デジタル値は、電子論理ゲートに記憶され得る。様々な例において、電子論理ゲートは、以下で更に詳細に記載されるように、センサによって検出された状態を評価するためにプロセッサによって参照され得るバイナリ出力を供給することができる。プロセッサは、電子論理ゲートを含むことができる。電子論理ゲートのバイナリ出力は更新され得る。様々な例において、プロセッサは、1つ以上の出力チャネルを含み得る。プロセッサは、出力チャネルのうちの少なくとも1つにバイナリ出力を供給することができる。プロセッサは、例えば、そのような出力チャネルに低電圧を印加してオフビットを示すか、あるいはその出力チャネルに高電圧を印加してオンビットを示すことができる。低電圧及び高電圧は、閾値に対して測定され得る。少なくとも1つの例では、低電圧は、例えば0ボルトを含み得る。少なくとも1つの他の例において、例えば、低電圧は、第1の極性を有する電圧を含んでもよく、高電圧は、反対の極性を有する電圧を含んでもよい。
少なくとも1つの例では、プロセッサによって評価される電位が基準値以下で一貫している場合、電子論理ゲートは、「オン」の出力を維持し得る。評価される電位が基準値を超えると、論理ゲートの出力は「オフ」に切り替えられ得る。プロセッサによって評価される電位が一貫して基準値を上回る場合、電子論理ゲートは、「オフ」の出力を維持し得る。評価される電位がその後に基準値以上として測定されると、論理ゲートの出力は再び「オン」に切り替えられ得、その他も同様である。様々な例において、電子論理ゲートは、その出力の履歴を維持しなくてもよい。いくつかの例において、プロセッサは、電子論理ゲートの出力履歴を記録する、すなわち、算出されたデジタル値の履歴を記録するように構成されたメモリ装置を含み得る。様々な例において、プロセッサは、例えば、現在のデジタル値及び/又は以前に存在した少なくとも1つのデジタル値を確認するために、メモリデバイスにアクセスするように構成され得る。
様々な例において、プロセッサは、算出されたデジタル値の変化に対する即時応答を提供することができる。プロセッサが、例えば、算出されたデジタル値が「オン」から「オフ」又は「オフ」から「オン」に変化したことを最初に検出すると、プロセッサは、外科用器具の動作を即座に修正することができる。特定の例では、プロセッサは、例えば、算出されたデジタル値が「オン」から「オフ」又は「オフ」から「オン」に変化したことを検出しても、外科用器具の動作を即座に修正しなくてもよい。プロセッサは、ヒステリシスアルゴリズムを採用してもよい。一例として、プロセッサは、デジタル値が連続する特定の回数にわたって同じように算出されるまで、外科用器具の動作を修正しなくてもよい。少なくとも1つのこのような例において、プロセッサは、「オン」値を算出し、1つ以上の外科用器具センサから受信したデータに基づいて、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルにおいて「オン」バイナリ値を表示してもよく、この場合、その後のある時点で、プロセッサは、外科用器具センサのうちの1つ以上から受信したデータに基づいて、「オフ」値を算出してもよいが、しかしながら、プロセッサは、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルにおいて、「オフ」バイナリ値を即座に表示しなくてもよい。むしろ、プロセッサは、例えば、10回など、連続する特定の回数にわたって「オフ」値をプロセッサが算出するまで、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルにおけるバイナリ値の変更を遅延させてもよい。プロセッサが、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルにおいてバイナリ値を変更すると、プロセッサは同様に、例えば、10回など、連続する特定の回数にわたって「オン」値をプロセッサが算出するまで、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルにおけるバイナリ値の変更を遅延させてもよい。
ヒステリシスアルゴリズムは、スイッチデバウンスを処理するのに好適であり得る。外科用器具は、信号応答の任意の急速な変化をフィルタリングするためにコンデンサを利用するスイッチデバウサ回路を含み得る。
上記で提示された実施例では、「オン」から「オフ」へと進むためのサンプリング遅延は、「オフ」から「オン」へと進むためのサンプリング遅延と同じであった。サンプリング遅延が等しくない実施形態も想定される。一例として、例えば、出力チャネルにおける「オン」値が外科用器具のモータを活性化させ、出力チャネルにおける「オフ」値がモータを非活性化する場合、「オン」遅延は、「オフ」遅延よりも長くなり得る。そのような例では、プロセッサは、発射トリガの偶発的な(accidental or incidental)動きに応答してモータを突然活性化させなくてもよく、他方で、プロセッサは、モータを停止するために発射トリガの解放に迅速に反応してもよい。少なくとも1つのこのような例において、プロセッサは、例えば、発射トリガが解放された直後にモータが停止され得るように、「オン」遅延は有し、「オフ」遅延は有さなくてもよい。上述のように、プロセッサは、バイナリ出力値を変更する前に、特定数にわたって連続して一致するバイナリ出力の算出を待機してもよい。他のアルゴリズムも想到される。一例として、プロセッサは、特定数にわたって連続して一致するバイナリ出力の算出を必要としなくてもよく、むしろ、プロセッサは、バイナリ出力を変更するために、連続する算出のうちの特定の数又は割合が一致することのみを必要としてもよい。
上述のように、プロセッサは、基準値を利用してアナログ入力信号をデジタル出力信号に変換することができる。同様に上述したように、プロセッサは、アナログ入力データ又はアナログ入力データのサンプルをデジタル出力信号の一部として「オン」値又は「オフ」値に変換するために、基準値を利用することができる。様々な例において、プロセッサは、「オン」値又は「オフ」値を出力するかどうかを判定するために、2つ以上の基準値を利用することができる。1つの基準値によって2つの範囲が定義され得る。すなわち、基準値を下回る範囲と、基準値を上回る範囲である。基準値自体は、状況に応じて、第1の範囲又は第2の範囲の一部であってよい。付加的な基準値を用いることによって、付加的な範囲が定義され得る。一例として、第1の基準値及び第2の基準値は3つの範囲を定義することができ、それらはすなわち、第1の基準値を下回る第1の範囲と、第1の基準値と第2の基準値との間の第2の範囲と、第2の基準値を上回る第3の範囲である。ここでも、状況に応じて、第1の基準値は第1の範囲又は第2の範囲の一部であってよく、同様に、第2の基準値は第2の範囲又は第3の範囲の一部であってよい。アナログ信号からのデータの所与のサンプルについて、プロセッサは、サンプルが第1の範囲内にあるか、第2の範囲内にあるか、又は第3の範囲内にあるかを判定することができる。少なくとも1つの例示的実施形態では、プロセッサは、サンプルが第1の範囲内にある場合には「オン」値をバイナリ出力に割り当て、サンプルが第3の範囲内にある場合には「オフ」値をバイナリ出力に割り当てることができる。代替的に、プロセッサは、サンプルが第1の範囲内にある場合には「オフ」値をバイナリ出力に割り当て、サンプルが第3の範囲内にある場合には「オン」値をバイナリ出力に割り当てることができる。
上記に加えて、プロセッサは、データサンプルが第2の範囲内にある場合、「オン」値又は「オフ」値をバイナリ出力に割り当てることができる。様々な例において、第2の範囲内のアナログデータサンプルは、バイナリ出力値を変化させなくてもよい。一例として、プロセッサが、第2の基準値を上回るアナログデータを受信し、特定のバイナリ出力を生成しており、その後にプロセッサが、第1の基準値と第2の基準値との間のアナログデータを受信した場合、プロセッサは、バイナリ出力を変更しなくてもよい。プロセッサが、この例では、第1の基準値を下回るアナログデータを受信した場合、プロセッサは次いで、バイナリ出力を変更してもよい。それに対応して、この例では、プロセッサが、第1の基準値を下回るアナログデータを受信し、特定のバイナリ出力を生成しており、その後にプロセッサが、第1の基準値と第2の基準値との間のアナログデータを受信した場合、プロセッサは、バイナリ出力を変更しなくてもよい。プロセッサが、この例では、第2の基準値を上回るアナログデータを受信した場合、プロセッサは次いで、バイナリ出力を変更してもよい。様々な例において、第1の基準値と第2の基準値との間の第2の範囲は、プロセッサがバイナリ出力信号を変化させなくてもよい観測窓を含んでもよい。特定の例では、プロセッサは、アナログ入力データが第1の範囲と第3の範囲との間で直接ジャンプするか、あるいはアナログ入力データが第3の範囲に遷移する前に第2の範囲に遷移するかどうかに応じて、異なるサンプリング遅延を利用してもよい。例えば、アナログ入力データが第1の範囲と第3の範囲との間で直接ジャンプする場合と比較すると、アナログ入力データが第1の範囲又は第3の範囲に遷移する前に、第2の範囲に遷移する場合、サンプリング遅延はより短くなり得る。
上述のように、外科用器具の状態を検出するために、例えば、ホール効果センサなどのアナログセンサが利用され得る。様々な例において、ホール効果センサは、正極性及び負極性を含むことができ、特定の例では、広範囲のアナログ出力値を生成することができる線形アナログ出力を生成し得る。そのような広範囲の値は、必ずしも有用であるとは限らず、外科用器具に実際に起こり得る事象に対応しないこともある。一例として、ホール効果センサは、アンビルの運動に対する特定の物理的制約のために、約30度など、小さな運動範囲にわたってのみ移動し得る、エンドエフェクタのアンビルの向きを追跡するために利用され得る。ホール効果センサは、この運動範囲外にあるアンビルの運動を検出することができるが、実際的な問題として、ホール効果センサは利用される必要のないことがあり、その結果、ホール効果センサの出力範囲の一部分が利用されないこともある。プロセッサは、アンビルの取り得る運動範囲に対応する、ホール効果センサからの出力の範囲のみを認識するようにプログラムされてもよく、また、プロセッサが、範囲を上回るかあるいは下回るかにかかわらず、この出力範囲外のホール効果センサからのデータを受信する限りにおいて、プロセッサは、そのようなデータを無視すること、障害状態を生成すること、外科用器具の動作を修正すること、及び/又は外科用器具のユーザに通知することができる。そのような例では、プロセッサは、センサからのデータの有効な範囲を認識し得るが、この範囲外にあるセンサから受信されたいかなるデータも、プロセッサによって無効と見なされ得る。有効なデータの範囲は、第1の基準値又は閾値と、第2の基準値又は閾値によって定義されてもよい。有効な範囲のデータは、正極性及び負極性を有するデータを含んでもよい。それに代わって、有効なデータの範囲は、正極性からのデータ又は負極性からのデータのみを含んでもよい。
上記に加えて、第1の基準値及び第2の基準値は、固定値を含み得る。特定の状況では、第1の基準値及び/又は第2の基準値は較正され得る。第1の基準値及び/又は第2の基準値は、外科用器具が最初に製造され、かつ/又はその後に再製造されるときに較正され得る。一例として、例えば閉鎖トリガなどのトリガは、例えば、較正手順の間にその運動範囲全体にわたって移動されてもよく、また、例えば外科用器具ハンドル内に配置されたホール効果センサは、閉鎖トリガの運動、又は少なくとも、例えば閉鎖トリガ上に配置された永久磁石などの磁気要素の運動を検出することができる。閉鎖トリガがその非クランプ位置にあるとき、ホール効果センサによって取られた読み取り値は、閉鎖トリガの非クランプ位置に対応する第1の設定点として記憶され得る。同様に、閉鎖トリガがその完全クランプ位置にあるとき、ホール効果センサによって取られた読み取り値は、閉鎖トリガの完全クランプ位置に対応する第2の設定点として記憶され得る。その後、第1の設定点は第1の基準値を定義することができ、第2の設定点は、第2の基準値を定義することができる。閉鎖トリガの非クランプ位置とその完全クランプ位置との間の位置は、第1の基準値と第2の基準値との間のデータの範囲に対応し得る。上記で概説したように、プロセッサは、アナログセンサから受信されたデータに応答してデジタル出力値を生成することができる。少なくとも1つの例では、プロセッサは、アナログセンサから受信されたデータが第1の基準値以上であるときに、「オフ」値をそのデジタル出力に割り当てることができる。それに代わって、プロセッサは、例えば、アナログセンサから受信されたデータが第1の基準値を上回るか、第1の基準値にあるか、又は第1の基準値に先行する範囲の約20%以内にあるときに、「オフ」値をそのデジタル出力に割り当てることができる。第1の基準値と第1の基準値を下回る範囲の約20%との間のアナログセンサからのデータは、非クランプ位置に適切に近接する閉鎖トリガの位置に対応し得る。少なくとも1つの例では、プロセッサは、アナログセンサから受信されたデータが第1の基準値を下回るときに、「オン」値をそのデジタル出力に割り当てることができる。それに代わって、プロセッサは、例えば、アナログセンサから受信されたデータが第2の基準値にあるか、第2の基準値を下回るか、又は第2の基準値を上回る範囲の約40%以内にあるとき、「オン」値をそのデジタル出力に割り当てることができ、その第2の基準値は、閉鎖トリガがその運動範囲の約3/4にわたって引かれたときの閉鎖トリガの位置に対応し得る。同じ又は同様の属性が、例えば、外科用器具の発射トリガに適用され得る。
上記に加えて、基準値を考慮してセンサが較正され得る。一例として、例えば、+2Vの基準値が、閉鎖トリガの非クランプ位置に関連付けられており、プロセッサが、閉鎖トリガがその非クランプ位置にあるときに、+2Vとは異なるセンサ出力値を検出した場合、プロセッサは、センサ出力が基準値に一致するかあるいは少なくとも実質的に一致するように、センサ又はセンサのゲインを再較正し得る。プロセッサは、閉鎖トリガがその非クランプ位置にあることを確認する独立した方法を利用してもよい。少なくとも1つのこのような例において、外科用器具は、閉鎖トリガがその非クランプ位置にあることを独立して検証し得るプロセッサと信号通信する第2のセンサを含み得る。第2のセンサはまた、例えばホール効果センサなどのアナログセンサを含んでもよい。第2のセンサは、例えば、近接センサ、抵抗ベースのセンサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを含み得る。同じ又は同様の属性が、例えば、外科用器具の発射トリガに適用され得る。
上述のように、図14~図18Aを参照すると、追跡システム800は、例えば、磁石802の位置を追跡するように構成することができる、第1のホール効果センサ803及び第2のホール効果センサ804など、1つ以上のセンサを備えることができる。図14及び図17を比較すると、閉鎖トリガ32をその非作動位置から作動位置へと移動させると、磁石802が、第1のホール効果センサ803に隣接した第1の位置と、第2のホール効果センサ804に隣接した第2の位置との間で移動することができることが、読者には理解されるであろう。磁石802がその第1の位置にあるとき、磁石802の位置は、第1のホール効果センサ803及び/又は第2のホール効果センサ804によって検出され得る。外科用器具のプロセッサは、第1のセンサ803からのデータを使用して、磁石802の位置を判定し、また第2のセンサ804からのデータを使用して磁石802の位置を独立に判定することができる。そのような例では、プロセッサは、第2のセンサ804からデータを利用して、第1のセンサ803からのデータの完全性を検証することができる。それに代わって、プロセッサは、第1のセンサ803からデータを利用して、第2のセンサ804からのデータの完全性を検証することもできる。プロセッサは、センサからのデータが、磁石802の位置の一次判定又は二次判定を提供するために使用されるべきかどうかを判定するための任意の好適な階層を利用することができる。一例として、磁石802がその第1の位置にあるとき、磁石802は、第2のセンサ804を取り囲む磁場と比べて、第1のセンサ803を取り囲む磁場に対してより大きな擾乱をもたらすことができ、結果として、プロセッサは、第1のセンサ803からのデータを磁石802の位置の一次判定として利用することができる。磁石802が、第1のセンサ803よりも第2のセンサ804の近くにあるとき、磁石802は、第1のセンサ803を取り囲む磁場と比べて、第2のセンサ804を取り囲む磁場に対してより大きな擾乱をもたらすことができ、結果として、プロセッサは、第2のセンサ804からのデータを磁石802の位置の一次判定として利用することができる。
上記に加えて、第1のセンサ803に対する磁石802の経路は、閉鎖トリガ32がその非クランプ位置とクランプ位置との間で移動されるときの第1の経路セグメント、及び発射トリガ130がその未発射位置とその発射後位置との間で移動されるときの第2の経路セグメントに沿って磁石802が移動するときに判定され得る。磁石802が第1の経路セグメントに沿って移動するときに第1のセンサ803が磁石802を追跡しながら生成する出力の範囲は、データの第1の有効範囲を定義し得、磁石802がその第2の経路セグメントに沿って移動するときに第1のセンサ803が磁石802を追跡しながら生成する出力の範囲は、データの第2の有効範囲を定義し得る。データの第1の有効範囲は、データの第2の有効範囲と連続していてもよく、あるいは連続していなくてもよい。いずれの場合も、第2のセンサ804に対する磁石802の経路もまた、磁石802がその第1のパスセグメント及びその第2のパスセグメントに沿って移動するときに決定され得る。磁石802が第1の経路セグメントに沿って移動するときに第2のセンサ804が磁石802を追跡しながら生成する出力の範囲は、データの第1の有効範囲を定義し得、磁石802がその第2の経路セグメントに沿って移動するときに第2のセンサ804が磁石802を追跡しながら生成する出力の範囲は、データの第2の有効範囲を定義し得る。第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804が、その対応するデータの第1の有効範囲及びデータの第2の有効範囲から外れたデータを受信すると、プロセッサはエラーが発生したと推定すること、外科用器具の動作を修正すること、及び/又は外科用器具の操作者に通知することができる。特定の例では、プロセッサは、第1のセンサ803及び第2のセンサ804からのデータを利用して、外科用器具の動作に影響を及ぼし得る強い外部磁場内に外科用器具が配置されているかどうかを判定するように構成され得る。一例として、磁石802は、第1のセンサ803と第2のセンサ804が同時に同じ出力を生成しないような経路に沿って移動してもよく、第1のセンサ803と第2のセンサ804が同時に同じ出力を生成する場合、プロセッサは、例えば故障状態が存在すると判定することができる。
図69~図71Bは概して、モータ駆動式外科用締結及び切断器具2000を示す。図69及び図70に示されるように、外科用器具2000は、ハンドル組立体2002と、シャフト組立体2004と、電源組立体2006(「電源」、「パワーパック」又は「電池パック」)と、を含み得る。シャフト組立体2004は、特定の状況では、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして働くように構成され得るエンドエフェクタ2008を含み得るが、他の実施形態において、他の種類の外科用装置、グラスパ、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置用のエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてよい。いくつかのRF装置が、米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」(1995年4月4日発行)、及び米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」(2008年2月14日出願)に見出され得、これらの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
主に図70、図71A、及び図71Bを参照すると、ハンドル組立体2002は、例えばシャフト組立体2004など複数の交換式シャフト組立体と共に使用され得る。かかる交換式シャフト組立体は、例えば、1つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2008など外科用エンドエフェクタを備えてよい。好適な交換式シャフト組立体の例は、米国仮特許出願第61/782,866号、発明の名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」(2013年3月14日出願)に開示されており、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
主に図70を参照すると、ハンドル組立体2002は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成され得るハンドル2012からなるハウジング2010を備えてよい。しかしながら、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフト組立体の様々な独自の新規な構成がまた、ロボット制御式の外科用システムに関連して効果的に用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフト組立体及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。例えば、本明細書に開示される交換式シャフト組立体は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
再び図70を参照すると、ハンドル組立体2002は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持することができ、これらの駆動システムは、ハンドル組立体に動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成され得る。例えば、ハンドル組立体2002は、第1の、すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この駆動システムは、ハンドル組立体2002に動作可能に取り付けられるか又は連結されている間に、シャフト組立体2004に開閉運動を適用するために用いられ得る。少なくとも1つの形態において、ハンドル組立体2002は、発射駆動システムを動作可能に支持することができ、この発射システムは、ハンドル組立体に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応部分に発射運動を適用するように構成され得る。
主として図71A及び図71Bを参照すると、ハンドル組立体2002はモータ2014を含んでよく、このモータは、モータドライバ2015によって制御され得るものであり、また外科用器具2000の発射システムによって用いられ得る。様々な形態では、モータ2014は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ2014は、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。特定の状況下では、モータドライバ2015は、例えば図71A及び図71Bに示されているように、Hブリッジ電界効果トランジスタ(FET)2019を備えてよい。モータ2014は、電源組立体2006(図71A及び図71B)によって給電され得、この組立体は、外科用器具2000に制御電力を供給するためにハンドル組立体2002に解放可能に装着され得る。電源組立体2006は、外科用器具2000に給電するための電源として使用され得る、直列に接続された複数の電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体2006の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体2006に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。
シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている一方で、シャフト組立体2004は、インターフェースを介して電力管理コントローラ2016と通信し得るシャフト組立体コントローラ2022を含んでもよい。例えば、インターフェースは、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている間にシャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフト組立体電気コネクタとの連結係合のための1つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインターフェース部分2025と、対応する電源組立体電気コネクタとの連結係合のための1つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインターフェース部分2027と、を備え得る。取り付けられた交換式シャフト組立体2004の1つ以上の電力要件を電源管理コントローラ2016に伝達するために、1つ以上の通信信号がインターフェースを介して送信され得る。それに応じて、電力管理コントローラは、取り付けられたシャフト組立体2004の電力要件に従って、以下に更に詳細に記載されているように、電源組立体2006の電池の電力出力を変調し得る。特定の状況下では、1つ以上の電気コネクタは、シャフト組立体2004、及び/又は電源組立体2006とのハンドル組立体2002の機械的連結係合後に活性化され得るスイッチを備えてよく、それにより、シャフト組立体コントローラ2022と電源管理コントローラ2016との間の電気通信が可能になる。
特定の状況下では、インターフェースは、例えば、ハンドル組立体2002に存在するメインコントローラ2017を介してかかる通信信号を経路指定することにより、電源管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の1つ以上の通信信号の伝送を容易にし得る。他の状況下では、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている間、インターフェースは、ハンドル組立体2002を介した電力管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の直接線の通信を容易にし得る。
一例では、主要マイクロコントローラ2017は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一例では、外科用器具2000は、例えば、同じくTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られる、TMS570及びRM4xなどの2つのマイクロコントローラベースファミリを備える、安全なマイクロコントローラプラットフォームなどの、電源管理コントローラ2016を備え得る。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。一例では、安全プロセッサは、拡張可能な性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも、IEC 61508及びISO 26262の安全基幹アプリケーション用に特に構成されてもよい。
特定の例では、マイクロコントローラ2017は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
電源組立体2006は、電源管理回路を含んでよく、電源管理回路は、電源管理コントローラ2016、電力変調器2038及び電流検出回路2036を備え得る。シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に連結されている一方で、電源管理回路は、シャフト組立体2004の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。例えば、電源管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力の電力変調器2038を制御するようにプログラムされ得、電流検出回路2036は、電池の電力出力に関するフィードバックを電源管理コントローラ2016に提供するため、電源組立体2006の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、電源管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。
電源管理コントローラ2016及び/又はシャフト組立体コントローラ2022はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶し得る1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリユニットを備え得る点に注目すべきである。外科用器具2000の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの若しくはより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されるであろう。更に、様々な例が、説明を容易にするためにモジュール及び/又はブロックに関して記載される場合があるが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上の、例えばプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/若しくは、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、並びに/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
特定の例では、外科用器具2000は、ユーザに感覚フィードバックを提供するための1つ以上の装置を含み得る、出力装置2042を備えてよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、聴覚フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚アクチュエータ)を含んでもよい。特定の状況下では、出力装置2042は、ハンドル組立体2002に含まれ得るディスプレイ2043を備えてよい。シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016は、出力装置2042を介して外科用器具2000のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェース2024は、シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016を出力装置2042に接続するように構成され得る。読者は、出力装置2042が代わりに電源組立体2006と統合され得ることを理解するであろう。かかる状況下では、シャフト組立体2004がハンドル組立体2002に連結されている一方で、出力装置2042とシャフト組立体コントローラ2022との間の通信はインターフェース2024を介して成し遂げられ得る。
外科用器具2000について一般的用語で記載してきたが、次に、外科用器具2000の様々な電気/電子構成要素について詳細に記載する。便宜上、本明細書における外科用器具2000に対する任意の言及は、図69~図71Bに関連して示される外科用器具2000を指すものと解釈されるべきである。次に、複数の回路セグメント11002a~11002gを備えるセグメント化回路11000の一実施形態が示されている、図72A及び図72Bに移る。複数の回路セグメント11002a~11002gを備えるセグメント化回路11000は、非限定的に、例えば図69~図71Bに示される外科用器具2000など、電動外科用器具を制御するように構成されている。複数の回路セグメント11002a~11002gは、電動外科用器具2000の1つ以上の動作を制御するように構成されている。安全プロセッサセグメント11002a(セグメント1)は、安全プロセッサ11004を含む。一次プロセッサセグメント11002b(セグメント2)は、一次プロセッサ11006を含むる。安全プロセッサ11004及び/又は一次プロセッサ11006は、1つ以上の追加の回路セグメント11002c~11002gと相互作用して、電動外科用器具2000の動作を制御するように構成されている。一次プロセッサ11006は、例えば、1つ以上の回路セグメント11002c~11002g、電池11008、及び/又は複数のスイッチ11058a~11070に結合された、複数の入力を備える。セグメント化回路11000は、例えば、電動外科用器具2000内のプリント回路基板組立体(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むことが理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一実施形態では、メインプロセッサ11006は、Texas InstrumentsのARM Cortexの商標名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一実施形態では、安全プロセッサ11004は、やはりTexas Instruments製の、Hercules ARM Cortex R4の商標名で知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのマイクロコントローラベースファミリを備える安全なマイクロコントローラプラットフォームであってもよい。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。一実施形態では、安全プロセッサ11004は、拡張可能な性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも、IEC 61508及びISO 26262の安全基幹アプリケーション用に特に構成されてもよい。
特定の例では、メインプロセッサ11006は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のプロセッサが容易に代用されてもよく、したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
一実施形態では、セグメント化回路11000は、加速度セグメント11002c(セグメント3)を備える。加速度セグメント11002cは、加速度センサ11022を備える。加速度センサ11022は、例えば、加速度計を備えてもよい。加速度センサ11022は、電動外科用器具2000の移動又は加速を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、加速度センサ11022からの入力は、例えば、スリープモードとの間での遷移、電動外科用器具の向きの識別、及び/又は外科用器具が落下したときの識別に使用される。いくつかの実施形態では、加速度セグメント11002cは、安全プロセッサ11004及び/又は一次プロセッサ11006に結合されている。
一実施形態では、セグメント化回路11000は、ディスプレイセグメント11002d(セグメント4)を備える。ディスプレイセグメント11002dは、一次プロセッサ11006に結合されたディスプレイコネクタ11024を備える。ディスプレイコネクタ11024は、1つ以上のディスプレイドライバ集積回路11026を通して、一次プロセッサ11006をディスプレイ11028に結合する。ディスプレイドライバ集積回路11026は、ディスプレイ11028と一体化されてもよく、かつ/又はディスプレイ11028とは別個に配置されてもよい。ディスプレイ11028は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイセグメント11002dは、安全プロセッサ11004に結合されている。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11000は、シャフトセグメント11002e(セグメント5)を備える。シャフトセグメント11002eは、外科用器具2000に結合されたシャフト2004に対する1つ以上の制御、及び/又はシャフト2004に結合されたエンドエフェクタ2006に対する1つ以上の制御を備える。シャフトセグメント11002eは、一次プロセッサ11006をシャフトPCBA 11031に結合するように構成された、シャフトコネクタ11030を備える。シャフトPCBA 11031は、第1の関節運動スイッチ11036と、第2の関節運動スイッチ11032と、シャフトPCBAの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)11034とを備える。いくつかの実施形態では、シャフトPCBA EEPROM 11034は、シャフト2004及び/又はシャフトPCBA 11031に特異的な、1つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBA 11031は、シャフト2004に結合されてもよく、かつ/又は外科用器具2000と一体であってもよい。いくつかの実施形態では、シャフトセグメント11002eは、第2のシャフトEEPROM 11038を備える。第2のシャフトEEPROM 11038は、電動外科用器具2000と連係させてもよい1つ以上のシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006に対応する、複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11000は、位置エンコーダセグメント11002f(セグメント6)を備える。位置エンコーダセグメント11002fは、1つ以上の磁気回転位置エンコーダ11040a~11040bを備える。1つ以上の磁気回転位置エンコーダ11040a~11040bは、外科用器具2000のモータ11048、シャフト2004、及び/又はエンドエフェクタ2006の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの実施形態では、磁気回転位置エンコーダ11040a~11040bは、安全プロセッサ11004及び/又は一次プロセッサ11006に結合されてもよい。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11000は、モータセグメント11002g(セグメント7)を備える。モータセグメント11002gは、電動外科用器具2000の1つ以上の移動を制御するように構成されるモータ11048を備える。モータ11048は、Hブリッジドライバ11042及び1つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)11044によって、一次プロセッサ11006に結合されている。HブリッジFET 11044は、安全プロセッサ11004に結合されている。モータ電流センサ11046は、モータ11048の電流引き出しを測定するため、モータ11048と直列に結合されている。モータ電流センサ11046は、一次プロセッサ11006及び/又は安全プロセッサ11004と信号連通している。いくつかの実施形態では、モータ11048は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタ11050に結合されている。
セグメント化回路11000は、電源セグメント11002h(セグメント8)を備える。電池11008は、安全プロセッサ11004、一次プロセッサ11006、及び追加回路セグメント11002c~11002gのうちの1つ以上に結合されている。電池11008は、電池コネクタ11010及び電流センサ11012によってセグメント化回路11000に結合されている。電流センサ11012は、セグメント化回路11000の合計電流引き出しを測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の電圧変換器11014a、11014b、11016が、既定の電圧値を1つ以上の回路セグメント11002a~11002gに提供するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント化回路11000は、3.3V電圧変換器11014a~11014b及び/又は5V電圧変換器11016を備えてもよい。ブーストコンバータ11018は、例えば13V以下など、既定量以下のブースト電圧を提供するように構成されている。ブーストコンバータ11018は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
いくつかの実施形態では、安全セグメント11002aは、モータ電力遮断11020を備える。モータ電力遮断11020は、電源セグメント11002hとモータセグメント11002gとの間に結合されている。安全セグメント11002aは、本明細書で更に詳細に考察するように、安全プロセッサ11004及び/又は一次プロセッサ11006によってエラー又は障害状態が検出されると、モータセグメント11002gに対する電力を遮断するように構成されている。回路セグメント11002a~11002gは、回路セグメント11002a~11002hの全ての構成要素が物理的に近接して配置されて示されているが、回路セグメント11002a~11002hは、同じ回路セグメント11002a~11002gの他の構成要素から物理的及び/又は電気的に分離している構成要素を備えてもよいことが、当業者には認識されるであろう。いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素が、2つ以上の回路セグメント11002a~11002gの間で共有されてもよい。
いくつかの実施形態では、複数のスイッチ11056~11070が、安全プロセッサ11004及び/又は一次プロセッサ11006に結合されている。複数のスイッチ11056~11070は、外科用器具2000の1つ以上の動作を制御し、セグメント化回路11100の1つ以上の動作を制御し、かつ/又は外科用器具2000の状態を示すように構成されてもよい。例えば、緊急離脱ドアスイッチ11056は、緊急離脱ドアの状態を示すように構成されている。例えば、左側関節左スイッチ11058a、左側関節右スイッチ11060a、左側関節中央スイッチ11062a、右側関節左スイッチ11058b、右側関節右スイッチ11060b、及び右側関節中央スイッチ11062bなど、複数の関節スイッチは、シャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ11064a及び右側反転スイッチ11064bは、一次プロセッサ11006に結合されている。いくつかの実施形態では、左側関節左スイッチ11058a、左側関節右スイッチ11060a、左側関節中央スイッチ11062a、及び左側反転スイッチ11064aを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタ11072aによって一次プロセッサ11006に結合されている。右側関節左スイッチ11058b、右側関節右スイッチ11060b、右側関節中央スイッチ11062b、及び右側反転スイッチ11064bを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタ11072bによって一次プロセッサ11006に結合されている。いくつかの実施形態では、発射スイッチ11066、クランプ解放スイッチ11068、及びシャフト係合スイッチ11070は、一次プロセッサ11006に結合されている。
複数のスイッチ11056~11070は、例えば、外科用器具2000のハンドル、複数のインジケータスイッチ、及び/又はそれらの任意の組み合わせに装着される、複数のハンドル制御を備えてもよい。様々な実施形態では、複数のスイッチ11056~11070により、外科医が外科用器具を操作し、セグメント化回路11000に対して外科用器具の位置及び/若しくは動作に関するフィードバックを提供し、並びに/又は外科用器具2000の安全でない動作を示すことが可能になる。いくつかの実施形態では、追加のスイッチ又はより少数のスイッチが、セグメント化回路11000に結合されてもよく、スイッチ11056~11070の1つ以上を組み合わせて単一のスイッチとしてもよく、かつ/又は拡張して複数のスイッチとしてもよい。例えば、一実施形態では、左側及び/又は右側関節スイッチ11058a~11064bのうちの1つ以上を組み合わせて、単一の多重位置スイッチとしてもよい。
図73A及び図73Bは、他の安全動作の中でもとりわけウォッチドッグ機能を実装するように構成された安全プロセッサ11104の一実施形態を備えるセグメント化回路11100を示す。セグメント化回路11100の安全プロセッサ11004及び一次プロセッサ11106は、信号連通している。複数の回路セグメント11102c~11102hは、一次プロセッサ11106に連結され、例えば、図1~図3に示される外科用器具2000などの外科用器具の1つ以上の動作を制御するように構成されている。例えば、図示した実施形態では、セグメント化回路11100は、加速度セグメント11102cと、ディスプレイセグメント11102dと、シャフトセグメント11102eと、エンコーダセグメント11102fと、モータセグメント11102gと、電源セグメント11102hとを備える。回路セグメント11102c~11102gのそれぞれは、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106に連結されてよい。一次プロセッサはまた、フラッシュメモリ11186に結合されている。マイクロプロセッサのアライブハートビート信号は、出力11196で提供される。
加速度セグメント11102cは、外科用器具2000の移動を監視するように構成された加速度計11122を備える。様々な実施形態では、加速度計11122は、単軸、二軸、又は三軸加速度計であってもよい。加速度計11122は、必ずしも座標加速度(速度の変化率)ではない適正な加速度を測定するのに用いられてもよい。その代わりに、加速度計は、加速度計11122の基準フレーム内で静止している試験質量が経験する重量の現象と関連付けられる加速度を見る。例えば、地表面で静止している加速度計11122は、その重量により、g=9.8m/s2(重力)の真っ直ぐ上向きの加速度を測定する。加速度計11122が測定することができる別のタイプの加速度は、g力加速度である。他の様々な実施形態では、加速度計11122は、単軸、二軸、又は三軸加速度計を備えてもよい。更に、加速度セグメント11102cは、加速度、傾き、衝撃、振動、回転、及び複数の自由度(DoF)を検出し測定する、1つ以上の慣性センサを備えてもよい。好適な慣性センサは、加速度計(単軸、二軸、若しくは三軸)、地球の磁界などの空間中の磁界を測定する磁力計、及び/又は角速度を測定するジャイロスコープを備えてもよい。
ディスプレイセグメント11102dは、例えばOLEDディスプレイなどの外科用器具2000に埋め込まれたディスプレイを備える。特定の実施形態では、外科用器具2000は、ユーザに感覚フィードバックを提供するための1つ以上の装置を含み得る出力装置を備えてよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、聴覚フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚アクチュエータ)を含んでもよい。いくつかの態様では、図69に示されるように、出力装置は、ハンドル組立体2002に含められ得るディスプレイを備えてもよい。シャフト組立体コントローラ及び/又は電源管理コントローラは、出力装置を介して外科用器具2000のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェースは、シャフト組立体コントローラ及び/又は電力管理コントローラを出力装置に接続するように構成され得る。
シャフトセグメント11102eは、例えば、シャフト2004及び/又はシャフト2004に連結されたエンドエフェクタ2006の1つ以上の動作を制御するように構成されたシャフトPCBなどのシャフト回路基板11131と、シャフト係合を示すホール効果スイッチ1170と、を備える。シャフト回路基板1131はまた、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)技術を備える低電力マイクロプロセッサ1190と、機械的関節運動スイッチ1192と、シャフト解放ホール効果スイッチ1194と、フラッシュメモリ1134と、を含む。エンコーダセグメント11102fは、モータ11048、シャフト2004、及び/又はエンドエフェクタ2006の回転位置情報を提供するように構成された複数のモータエンコーダ11140a、11140bを備える。
モータセグメント11102gは、例えばブラシ付きDCモータなどのモータ11048を備える。モータ11048は、複数のHブリッジドライバ11142及びモータコントローラ11143を介して一次プロセッサ11106に連結される。モータコントローラ11143は、モータ11048の状態及び位置を一次プロセッサ11106に示すように、第1のモータフラグ11174a及び第2のモータフラグ11174bを制御する。一次プロセッサ11106は、パルス幅変調(PWM)高信号11176a、PWM低信号11176b、方向信号11178、同期信号11180及びモータリセット信号11182をモータコントローラ11143にバッファ11184を介して供給する。電源セグメント11102hは、セグメント電圧を回路セグメント11102a~11102gのそれぞれに提供するように構成される。
一実施形態では、安全プロセッサ11104は、例えばモータセグメント11102gなど、1つ以上の回路セグメント11102c~11102hに関して、ウォッチドッグ機能を実現するように構成されている。これに関して、安全プロセッサ11104は、ウォッチドッグ機能を用いて、一次プロセッサ10006の誤動作を検出しそこから復帰する。正常動作の間、安全プロセッサ11104は、一次プロセッサ11104のハードウェア障害又はプログラムエラーを監視し、修正動作を開始する。修正動作には、一次プロセッサ10006を安全状態に置くこと、及び正常なシステム動作を復元することが挙げられてよい。一実施形態では、安全プロセッサ11104は、少なくとも第1のセンサに結合されている。第1のセンサは、外科用器具2000の第1の特性を測定する。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000の測定された特性を既定値と比較するように構成されている。例えば、一実施形態では、モータセンサ11140aが、安全プロセッサ11104に結合される。モータセンサ11140aは、モータの速度及び位置情報を安全プロセッサ11104に提供する。安全プロセッサ11104は、モータセンサ11140aを監視し、その値を速度及び/又は位置の最大値と比較し、既定値を上回るモータ11048の動作を防止する。いくつかの実施形態では、既定値は、一次プロセッサ11106と連通している第2のモータセンサ11140bによって供給される値、及び/又は例えば安全プロセッサ11104に結合されたメモリモジュールから、安全プロセッサ11104に提供される値から算出される、モータ11048のリアルタイムの速度及び/又は位置に基づいて算出される。
いくつかの実施形態では、第2のセンサが、一次プロセッサ11106に結合される。第2のセンサは、第1の物理的特性を測定するように構成されている。安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106は、第1のセンサ及び第2のセンサそれぞれの値を示す信号を提供するように構成されている。安全プロセッサ11104又は一次プロセッサ11106のどちらかが許容可能な範囲外の値を示しているとき、セグメント化回路11100は、例えばモータセグメント11102gなど、回路セグメント11102c~11102hのうちの少なくとも1つの動作を防止する。例えば、図73A及び図73Bに示される実施形態では、安全プロセッサ11104は、第1のモータ位置センサ11140aに結合され、一次プロセッサ11106は、第2のモータ位置センサ11140bに結合されている。モータ位置センサ11140a、11140bは、例えば、サイン及びコサイン出力を含む磁気角度回転入力など、任意の好適なモータ位置センサを含んでもよい。モータ位置センサ11140a、11140bは、モータ11048の位置を示すそれぞれの信号を、安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106に提供する。
安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106は、第1のモータセンサ11140a及び第2のモータセンサ11140bの値が既定範囲内のとき、活性化信号を生成する。一次プロセッサ11106又は安全プロセッサ11104のどちらかが既定範囲外の値を検出すると、活性化信号は終了され、例えばモータセグメント11102gなど、少なくとも1つの回路セグメント11102c~11102hの動作が中断及び/又は防止される。例えば、いくつかの実施形態では、一次プロセッサ11106からの活性化信号及び安全プロセッサ11104からの活性化信号は、ANDゲートに結合されている。ANDゲートは、モータ電源スイッチ11120に結合されている。ANDゲートは、安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106の両方からの活性化信号が高であり、モータセンサ11140a、11140bの値が既定範囲内にあることが示されたとき、モータ電源スイッチ11120を閉鎖位置で、すなわちオン位置で維持する。モータセンサ11140a、11140bのどちらかが既定範囲外の値を検出すると、そのモータセンサ11140a、11140bからの活性化信号は低に設定され、ANDゲートの出力は低に設定されて、モータ電源スイッチ11120が開放される。いくつかの実施形態では、第1のセンサ11140a及び第2のセンサ11140bの値は、例えば、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106によって比較される。第1のセンサと第2のセンサの値が異なる場合、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106は、モータセグメント11102gの動作を防止してもよい。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、第2のセンサ11140bの値を示す信号を受信し、第2のセンサ値を第1のセンサ値と比較する。例えば、一実施形態では、安全プロセッサ11104は、第1のモータセンサ11140aに直接結合されている。第2のモータセンサ11140bは、一次プロセッサ11106に結合され、それによって第2のモータセンサ11140bの値が安全プロセッサ11104に提供され、かつ/又は安全プロセッサ11104に直接結合されている。安全プロセッサ11104は、第1のモータセンサ11140の値を第2のモータセンサ11140bの値と比較する。安全プロセッサ11104が第1のモータセンサ11140aと第2のモータセンサ11140bとの間の不整合を検出すると、安全プロセッサ11104は、例えばモータセグメント11102gへの電力を止めることによって、モータセグメント11102gの動作を中断してもよい。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106は、外科用器具の第1の特性を測定するように構成された第1のセンサ11140a、及び外科用器具の第2の特性を測定するように構成された第2のセンサ11140bに結合されている。第1の特性及び第2の特性は、外科用器具が正常に動作しているときは既定の関係を含む。安全プロセッサ11104は、第1の特性及び第2の特性を監視する。既定の関係と矛盾する第1の特性及び/又は第2の特性の値が検出されると、障害が生じる。障害が生じると、安全プロセッサ11104は、例えば、回路セグメントのうち少なくとも1つの動作を防止する、既定の動作を実行する、かつ/又は一次プロセッサ11106をリセットするなど、少なくとも1つの動作を行う。例えば、障害が検出されると、安全プロセッサ11104は、モータ電源スイッチ11120を開いて、モータ回路セグメント11102gに対する電力を知ってもよい。
図74は、例えば、図1~図3に示される外科用器具2000などの外科用器具の第1の特性と第2の特性を監視及び比較するように構成された安全プロセッサ11204を備えるセグメント化回路11200の一実施形態のブロック図を示す。安全プロセッサ11204は、第1のセンサ11246及び第2のセンサ11266に連結されている。第1のセンサ11246は、外科用器具2000の第1の物理的特性を監視するように構成されている。第2のセンサ11266は、外科用器具2000の第2の物理的特性を監視するように構成されている。第1及び第2の特性は、外科用器具2000が正常に動作しているときの既定の関係を含む。例えば、一実施形態では、第1のセンサ11246は、電源からのモータの電流引き込みを監視するように構成されたモータ電流センサを備える。モータ電流引き込みは、モータの速度を示し得る。第2のセンサは、エンドエフェクタ、例えば外科用器具2000に連結されたエンドエフェクタ2006内の切断部材の位置を監視するように構成された線形ホールセンサを備える。切断部材の位置は、エンドエフェクタ2006内の切断部材速度を算出するために用いられる。切断部材速度は、外科用器具2000が正常に動作しているときのモータの速度と所定の関係を有する。
安全プロセッサ11204は、第1のセンサ11246及び第2のセンサ11266が所定の関係と一致する値を生成していることを示す信号をメインプロセッサ11206に提供する。安全プロセッサ11204が、所定の関係と一致しない第1のセンサ11246及び/又は第2のセンサ11266の値を検出すると、安全プロセッサ11206は、不安全状態を一次プロセッサ11206に示す。一次プロセッサ11206は、少なくとも1つの回路セグメントの動作を中断及び/又は防止する。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11204は、1つ以上の回路セグメントの動作を制御するように構成されたスイッチに直接連結される。例えば、図73A及び図73Bを参照すると、一実施形態では、安全プロセッサ11104は、モータ電源スイッチ11120に直接連結される。安全プロセッサ11104は、障害が検出されると、モータ電源スイッチ11120を開いて、モータセグメント11102gの動作を阻止する。
再び図73A及び図73Bを参照すると、一実施形態では、安全プロセッサ11104は、独立した制御アルゴリズムを実行するように構成される。動作の際、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100を監視し、例えば一次プロセッサ11106など、他の回路構成要素からの信号を独立して制御及び/又はオーバーライドするように構成されている。安全プロセッサ11104は、外科用器具2000の1つ以上の動作及び/又は位置に基づいて、プログラムされたアルゴリズムを実行してもよく、かつ/又は動作中にオンザフライで更新若しくはプログラムされてもよい。例えば、一実施形態では、安全プロセッサ11104は、新しいシャフト及び/又はエンドエフェクタが外科用器具2000に結合される毎に、新しいパラメータ及び/又は安全アルゴリズムを用いて再プログラムされる。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104によって記憶された1つ以上の安全値が、一次プロセッサ11106によって複製される。プロセッサ11104、11106のどちらかによって記憶された値及び/又はパラメータが正しいことを担保するため、双方向エラー検出が行われる。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106は、冗長安全チェックを実施する。安全プロセッサ11104及び一次プロセッサ11106は、正常動作を示す周期信号を提供する。例えば、動作の間、安全プロセッサ11104は、安全プロセッサ11104がコードを実行しており、正常に動作していることを、一次プロセッサ11106に対して示してもよい。一次プロセッサ11106は、同様に、一次プロセッサ11106がコードを実行しており、正常に動作していることを、安全プロセッサ11104に対して示してもよい。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104と一次プロセッサ11106との間の通信は、既定の間隔で起こる。既定の間隔は、一定であってもよく、又は外科用器具2000の回路状態及び/若しくは動作に基づいて可変であってもよい。
図75は、例えば、図73A及び図73Bに示す安全プロセス11104など、安全プロセッサによって実施されるように構成された安全プロセス11250を示すブロック図である。一実施形態では、外科用器具2000の複数の特性に対応する値が安全プロセッサ11104に提供される。複数の特性は、複数の独立したセンサ及び/又はシステムによって監視される。例えば、図示された実施形態では、測定された切断部材速度11252、位置モータ速度11254、及びモータ信号11256の意図された方向が安全プロセッサ11104に提供される。切断部材速度11252及び位置モータ速度11254は、例えば、線形ホールセンサ及び電流センサなどの独立したセンサによって提供されてもよい。モータ信号11256の意図された方向は、一次プロセッサ、例えば、図73A及び図73Bに示される一次プロセッサ11106によって提供されてもよい。安全プロセッサ11104は、複数の特性を比較し(11258)、特性が所定の関係と一致していると判定する。複数の特性が、所定の関係11260aと一致する値を含む場合、措置は取られない(11262)。複数の特性が所定の関係11260bと一致しない値を含む場合、安全プロセッサ11104は、例えば、機能を遮断し、機能を実行する、及び/又はプロセッサをリセットするなどの1つ以上の措置を実行する。例えば、図75に示されるプロセス11250では、安全プロセッサ11104は、例えば、モータセグメントへの電力11264を遮断することなどによって、1つ以上の回路セグメントの動作を中断する。
再び図73A及び図73Bを参照すると、セグメント化回路11100は、外科用器具2000の1つ以上の動作を制御するように構成された複数のスイッチ11156~11170を備える。例えば、図示した実施形態では、セグメント化回路11100は、クランプ解放スイッチ11168と、発射トリガ11166と、外科用器具2000に連結されたシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節運動を制御するように構成された複数のスイッチ11158a~11164bとを備える。クランプ解放スイッチ11168、発射トリガ11166、及び複数の関節スイッチ11158a~11164bは、アナログスイッチ及び/又はデジタルスイッチを含んでよい。特に、スイッチ11156は、機械的スイッチリフターのダウン位置を示し、スイッチ11158a、11158bは、関節運動左(1)及び(2)を示し、スイッチ11160a、1160bは、関節運動右(1)及び(2)を示し、スイッチ11162a、11162bは、関節運動中央(1)及び(2)を示し、スイッチ11164a、11164bは逆/左及び逆/右を示す。例えば、図76は、外科用器具の1つ以上の動作を制御するように構成された複数のスイッチSW1~SW16を含むスイッチバンク11300の一実施形態を示す。スイッチバンク11300は、例えば一次プロセッサ11106などの一次プロセッサに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のダイオードD1~D8が、複数のスイッチSW1~SW16に結合される。任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチが用いられて、任意の組み合わせで、複数のスイッチ11156~11170が実装され得る。例えば、スイッチ11156~11170は、外科用器具2000、又は物体の存在と関連した構成要素の運動により操作される制限スイッチであってよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具2000と関連した様々な機能を制御することができる。制限スイッチは、一組の接触部と機械的に繋がったアクチュエータからなる、電気機械装置である。物体がアクチュエータと接触すると、装置はその接触部を操作して、電気的接続を形成する、又は破壊する。その丈夫さ、取り付けの容易さ、及び動作の信頼性により、制限スイッチは様々な用途及び環境で用いられる。制限スイッチは、物体の有無、通過、配置、及び移動の終了を判定することができる。他の実装形態においては、スイッチ11156~11170は、とりわけホール効果装置、磁気抵抗性(MR)装置、巨大磁気抵抗性(GMR)装置、磁力計などの、磁場の影響下にて稼働する、固体スイッチであってもよい。他の実装形態では、スイッチ11156~11170は、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチ11156~11170は、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他のスイッチは、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを含んでもよい。
図77は、複数のセンサを備えるスイッチバンク11350の一実施形態を示す。様々な実施形態において、1つ以上のスイッチは、図69~図71Bに示される外科用器具2000などの外科用器具の1つ以上の動作を制御するように構成される。複数の関節スイッチSW1~SW16は、外科用器具2000に連結されたシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節運動を制御するように構成されている。発射トリガ11366は、例えば、複数のステープルを配備し、エンドエフェクタ2006内で切断部材を並進させ、かつ/又はエンドエフェクタ2006に電気外科用エネルギーを送達するために、外科用器具2000を発射するように構成されている。いくつかの実施形態では、スイッチバンク11350は、外科用器具2000の動作を防止するように構成された1つ以上の安全スイッチを備える。例えば、緊急離脱スイッチ11356が緊急離脱ドアに連結され、緊急離脱ドアが開放位置にあるときに外科用器具2000の動作を防止する。
図78A及び図78Bは、一次プロセッサ11406に結合されたスイッチバンク11450を含むセグメント化回路11400の一実施形態を示す。スイッチバンク11450は、図77に示されるスイッチバンク11350と類似している。スイッチバンク11450は、例えば、図69~図71Bに示される外科用器具2000などの外科用器具の1つ以上の動作を制御するように構成された複数のスイッチSW1~SW16を含んでいる。スイッチバンク11450は、一次プロセッサ11406のアナログ入力に結合される。スイッチバンク11450内のスイッチのそれぞれは、一次プロセッサ11406のデジタル入力に連結された入力/出力拡張器11463に更に連結される。一次プロセッサ11406は、スイッチバンク11450から入力を受信し、スイッチバンク11450の1つ以上のスイッチの操作に応じて、例えばモータセグメント11402gなどのセグメント化回路11400の1つ以上の追加のセグメントを制御する。
いくつかの実施形態では、外科用器具2000に連結されたエンドエフェクタ2006のクランプ位置を示す信号を提供するために、ポテンショメータ11469が一次プロセッサ11406に連結される。ポテンショメータ11469は、例えばモータセグメント11102gなどの1つ以上の回路セグメントの動作を制御するために一次プロセッサ11106によって使用されるクランプ開放/閉鎖位置を示す信号を提供することによって、安全プロセッサ(図示せず)の代わりとなること及び/又は埋め合わせをすることができる。例えば、ポテンショメータ11469が、エンドエフェクタが完全クランプ位置及び/又は完全開放位置にあることを示すとき、一次プロセッサ11406は、モータ電源スイッチ11420を開放し、特定の方向におけるモータセグメント11402gの更なる動作を防止してもよい。いくつかの実施形態では、一次プロセッサ11406は、ポテンショメータ11469から受信された信号に応答して、モータセグメント11402gに送達される電流を制御する。例えば、一次プロセッサ11406は、エンドエフェクタが所定の位置を超えて閉鎖されていることをポテンショメータ11469が示したとき、モータセグメント11402gに送達され得るエネルギーを制限してもよい。
再び図73A及び図73Bを参照すると、セグメント化回路11100が加速度セグメント11102cを含んでいる。加速度セグメントは加速度計11122を含む。加速度計11122は、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106に連結されてよい。加速度計11122は、外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。加速度計11122は、1つ以上の方向における移動を示す1つ以上の信号を生成するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、加速度計11122は、3つの方向における外科用器具2000の移動を監視するように構成される。他の実施形態では、加速度セグメント11102cは、信号方向における移動を監視するようにそれぞれ構成された複数の加速度計11122を備える。
いくつかの実施形態では、加速度計11122は、スリープモードへの及び/又はスリープモードからの遷移、例えば、スリープモードとウェイクアップモードとの間の遷移を開始するように構成される。スリープモードは、回路セグメント11102a~11102gのうちの1つ以上が非活性化されるか又は低電力状態に置かれる低電力モードを含んでもよい。例えば、一実施形態では、加速度計11122はスリープモードにおいても依然として活性であり、安全プロセッサ11104は、安全プロセッサ11104が加速度計11122を監視するが、それ以外にはいかなる機能も実行しない低電力モードに置かれる。残りの回路セグメント11102b~11102gは電源オフされる。様々な実施形態において、一次プロセッサ11104及び/又は安全プロセッサ11106は、加速度計11122を監視し、例えば所定の時間期間内に移動が検出されないときにセグメント化回路11100をスリープモードに遷移させるように構成される。安全プロセッサ11104が加速度計11122を監視することに関連して説明されているが、スリープモード/ウェイクアップモードは、本明細書に記載されるように、外科用器具2000に関連付けられたセンサ、スイッチ、又は他のインジケータのいずれかを安全プロセッサ11104が監視することによって実現されてもよい。例えば、安全プロセッサ11104は、慣性センサ、又は1つ以上のスイッチを監視してもよい。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は、所定の期間の非活性化状態の後にスリープモードに遷移する。タイマーは、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106と信号通信する。タイマーは、安全プロセッサ11104、一次プロセッサ11106と一体であってもよく、かつ/又は別個の回路構成要素であってもよい。タイマーは、外科用器具2000の最後の移動が加速度計11122によって検出されてからの時間期間を監視するように構成されている。カウンタが所定の閾値を超えると、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106は、セグメント化回路11100をスリープモードに遷移させる。いくつかの実施形態では、タイマーは、加速度計11122が移動を検出するたびにリセットされる。
いくつかの実施形態では、加速度計11122又は他の指定されたセンサ及び/又はスイッチを除く全ての回路セグメント、並びに安全プロセッサ11104は、スリープモードにあるときに非活性化される。安全プロセッサ11104は、加速度計11122又は他の指定されたセンサ及び/又はスイッチを監視する。加速度計11122が外科用器具2000の移動を示すとき、安全プロセッサ11104は、スリープモードから動作モードへの遷移を開始する。動作モードでは、回路セグメント11102a~11102hの全てが完全に通電され、外科用器具2000は使用可能状態となる。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、一次プロセッサ11106に信号を供給して一次プロセッサ11106をスリープモードから全電力モードに遷移させることによって、セグメント化回路11100を動作モードに遷移させる。次いで、一次プロセッサ11106は、残りの回路セグメント11102d~11102hのそれぞれを動作モードに遷移させる。
スリープモードへの遷移及び/又はスリープモードからの遷移は、複数の段階を含んでもよい。例えば、一実施形態では、セグメント化回路11100は、4段階で動作モードからスリープモードに遷移する。第1の段階は、加速度計11122が第1の所定の時間期間にわたって外科用器具の移動を検出しなかった後に開始される。第1の所定の時間期間の後、セグメント化回路11100は、ディスプレイセグメント11102dのバックライトを減光する。第2の所定の時間期間内に移動が検出されない場合、安全プロセッサ11104は、ディスプレイセグメント11102dのバックライトがオフにされる第2の段階に遷移する。第3の所定の時間期間内に移動が検出されない場合、安全プロセッサ11104は、加速度計11122のポーリング速度が低減される第3の段階に移行する。第4の所定の時間期間内に移動が検出されない場合、ディスプレイセグメント11102dは非活性化され、セグメント化回路11100はスリープモードに入る。スリープモードでは、加速度計11122及び安全プロセッサ11104を除く全ての回路セグメントが非活性化される。安全プロセッサ11104は、安全プロセッサ11104が加速度計11122のみをポーリングする低電力モードに入る。安全プロセッサ11104は、加速度計11122が移動を検出するまで加速度計11122を監視し、この時点で、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100をスリープモードから動作モードに遷移させる。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、加速度計11122が所定の閾値を上回る外科用器具2000の移動を検出したときにのみ、セグメント化回路11100を動作モードに遷移させる。所定の閾値を上回る移動のみに応答することにより、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000が保管されている間に衝撃を受けたり移動されたりしたときに、セグメント化回路11100が誤って動作モードに遷移することを防止する。いくつかの実施形態では、加速度計11122は、複数の方向における移動を監視するように構成される。例えば、加速度計11122は、第1の方向及び第2の方向における移動を検出するように構成されてもよい。安全プロセッサ11104は、加速度計11122を監視し、所定の閾値を上回る移動が第1の方向と第2の方向の両方で検出されると、セグメント化回路11100をスリープモードから動作モードに遷移させる。少なくとも2つの方向において所定の閾値を上回る移動を必要とすることによって、安全プロセッサ11104は、保管中の偶発的な移動が原因でセグメント化回路11100がスリープモードから誤って遷移するのを防止するように構成される。
いくつかの実施形態では、加速度計11122は、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向における移動を検出するように構成される。安全プロセッサ11104は、加速度計11122を監視し、加速度計11122が第1の方向、第2の方向、及び第3の方向のそれぞれにおける振動運動を検出したときにのみ、セグメント化回路11100をスリープモードから遷移させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向のそれぞれにおける振動運動は、操作者による外科用器具2000の移動に対応し、したがって、加速度計11122が3方向における振動運動を検出したときは動作モードへの遷移が望ましい。
いくつかの実施形態では、検出された最後の移動からの時間が増加するにつれて、セグメント化回路11100をスリープモードから遷移させるのに必要な所定の運動閾値も増加する。例えば、いくつかの実施形態では、タイマーはスリープモードの間も動作し続ける。タイマーカウントが増加すると、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100を動作モードに遷移させるために必要とされる所定の運動閾値を増加させる。安全プロセッサ11104は、所定の閾値を上限に増加させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100をスリープモードに遷移させ、タイマーをリセットする。所定の運動閾値は最初、セグメント化回路11100をスリープモードから遷移させるために外科用器具2000のわずかな運動のみを必要とする、低値に設定される。タイマーによって測定されるスリープモードへの遷移からの時間が増加するにつれて、安全プロセッサ11104は、所定の運動閾値を増加させる。時間Tにおいて、安全プロセッサ11104は、所定の閾値を上限まで増加させている。全ての時間T+について、所定の閾値は上限の一定値を維持する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加及び/又は代替のセンサが、セグメント化回路11100をスリープモードと動作モードとの間で遷移させるために使用される。例えば、一実施形態では、タッチセンサが外科用器具2000上に設置される。タッチセンサは、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセッサ11106に連結される。タッチセンサは、外科用器具2000とのユーザ接触を検出するように構成される。例えば、タッチセンサは、操作者が外科用器具2000を持ち上げたことを検出するために、外科用器具2000のハンドル上に配置されてもよい。安全プロセッサ11104は、加速度計11122が運動を検出することなく所定の期間が経過した後に、セグメント化回路11100をスリープモードに遷移させる。安全プロセッサ11104は、タッチセンサを監視し、タッチセンサが外科用器具2000とのユーザ接触を検出すると、セグメント化回路11100を動作モードに遷移させる。タッチセンサは、例えば、容量性タッチセンサ、温度センサ、及び/又は任意の他の好適なタッチセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、タッチセンサ及び加速度計11122は、スリープモードと動作モードとの間でデバイスを遷移させるために使用されてもよい。例えば、安全プロセッサ11104は、加速度計11122が所定の期間内に移動を検出せず、ユーザが外科用器具2000と接触していることをタッチセンサが示さないときにのみ、装置をスリープモードに遷移してもよい。当業者であれば、セグメント化回路11100をスリープモードと動作モードとの間で遷移させるために、1つ以上の追加のセンサが使用され得ることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、タッチセンサは、セグメント化回路11100がスリープモードにあるときにのみ、安全プロセッサ11104によって監視される。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、1つ以上のハンドル制御部が作動されたときに、セグメント化回路11100をスリープモードから動作モードに遷移させるように構成される。例えば、加速度計11122が所定の期間にわたって運動を検出しなかった後など、スリープモードに遷移した後、安全プロセッサ11104は、例えば、複数の関節運動スイッチ11158a~11164bなどの1つ以上のハンドル制御を監視する。他の実施形態では、1つ以上のハンドル制御部は、例えば、クランプ制御部11166、解放ボタン11168、及び/又は任意の他の好適なハンドル制御部を含む。外科用器具2000の操作者は、セグメント化回路11100を動作モードに遷移させるために、ハンドル制御部のうちの1つ以上を作動させることができる。安全プロセッサ11104がハンドル制御部の作動を検出すると、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100の動作モードへの遷移を開始する。ハンドル制御が作動されているとき、一次プロセッサ11106が活性化状態にないため、操作者は、外科用器具2000の対応する措置を引き起こすことなく、ハンドル制御部を作動させることができる。
図84は、例えば、図69~図71Bに示される外科用器具2000などの外科用器具の移動を監視するように構成された加速度計11922を備えるセグメント化回路11900の一実施形態を示す。電源セグメント11902は、電池11908から、例えば加速度計11922などの1つ以上の回路セグメントへの電力を提供する。加速度計11922はプロセッサ11906に連結される。加速度計11922は、外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。加速度計11922は、1つ以上の方向における移動を示す1つ以上の信号を生成するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、加速度計11922は、3つの方向における外科用器具2000の移動を監視するように構成される。
特定の例では、プロセッサ11906は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。プロセッサ11906は、加速度計11922を監視し、例えば所定の時間期間内に移動が検出されないときにセグメント化回路11900をスリープモードに遷移させるように構成される。いくつかの実施形態では、セグメント化回路11900は、所定の期間の非活性化状態の後にスリープモードに遷移する。例えば、安全プロセッサ11904は、加速度計11922が移動を検出することなく所定の期間が経過した後に、セグメント化回路11900をスリープモードに遷移させてもよい。特定の例では、加速度計11922は、例えば、STMicroelectronicsから入手可能なLIS331DLMであってもよい。タイマーがプロセッサ11906と信号通信する。タイマーは、プロセッサ11906と一体であってもよく、かつ/又は別個の回路構成要素であってもよい。タイマーは、外科用器具2000の最後の移動が加速度計11922によって検出されてからの時間をカウントするように構成されている。カウンタが所定の閾値を超えると、プロセッサ11906は、セグメント化回路11900をスリープモードに遷移させる。いくつかの実施形態では、タイマーは、加速度計11922が移動を検出するたびにリセットされる。
いくつかの実施形態では、加速度計11922は、衝突事象を検出するように構成される。例えば、外科用器具2000が落下されると、加速度計11922は、第1の方向における重力による加速度を検出し、次いで第2の方向における加速度の変化(床及び/又は他の表面との衝突によって引き起こされる)を検出する。別の例として、外科用器具2000が壁に衝突すると、加速度計11922は、1つ以上の方向における加速度のスパイクを検出する。加速度計11922が衝突事象を検出すると、プロセッサ11906は、衝突事象が機械的及び/又は電気的構成要素を緩ませ得るため、外科用器具2000の動作を阻止してもよい。いくつかの実施形態では、所定の閾値を上回る衝撃のみが動作を阻止する。他の実施形態では、全ての衝撃が監視され、所定の閾値を上回る累積的な衝撃が、外科用器具2000の動作を阻止してもよい。
再び図73A及び図73Bを参照すると、一実施形態において、セグメント化回路11100は電源セグメント11102hを含んでいる。電源セグメント11102hは、セグメント電圧を回路セグメント11102a~11102gのそれぞれに提供するように構成される。電源セグメント11102hは、電池11108を備える。電池11108は、例えば、電池コネクタ11110を介して12ボルトなどの所定の電圧を提供するように構成されている。1つ以上の電力変換器11114a、11114b、11116が、特定の電圧を提供するために電池11108に連結される。例えば、図示される実施形態では、電源セグメント11102hは、補助スイッチングコンバータ11114aと、スイッチングコンバータ11114bと、低ドロップアウト(LDO)コンバータ11116と、を備える。スイッチコンバータ11114a、11114bは、1つ以上の回路構成要素に3.3ボルトを提供するように構成されている。LDOコンバータ11116は、1つ以上の回路構成要素に5.0ボルトを提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、電源セグメント11102hは、ブーストコンバータ11118を備える。トランジスタスイッチ(例えば、NチャネルMOSFET)11115が電力変換器11114b、11116に結合されている。ブーストコンバータ11118は、例えば13ボルトなど、電池11108によって提供される電圧よりも高い電圧を提供するように構成されている。ブーストコンバータ11118は、例えば、コンデンサ、インダクタ、電池、充電式電池、及び/又は増加した電圧を提供するための任意の他の好適なブーストコンバータを含んでもよい。ブーストコンバータ11118は、外科用器具2000の電力集中動作の間に、1つ以上の回路セグメント11102a~11102gの電力低下及び/又は低電力状態を防止するために、増加した電圧を提供する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される電圧範囲に限定されない。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は、逐次的起動向けに構成されている。エラーチェックは、次の連続的な回路セグメント11102a~11102gに通電する前に、各回路セグメント11102a~11102gによって行われる。図79は、例えばセグメント化回路11100などのセグメント化回路11270に連続的に通電するプロセスの一実施形態を示している。電池11108がセグメント化回路11100に結合されると、安全プロセッサ11104が通電される(11272)。安全プロセッサ11104は、自己エラーチェックを行う(11274)。エラーが検出されると(11276a)、安全プロセッサは、セグメント化回路11100の通電を停止し、エラーコードを生成する(11278a)。エラーが検出されなければ(11276b)、安全プロセッサ11104は、一次プロセッサ11106の給電を開始する(11278b)。一次プロセッサ11106は、自己エラーチェックを行う。エラーが検出されなければ、一次プロセッサ11106は、残りの回路セグメントそれぞれの逐次的給電を始める(11278b)。一次プロセッサ11106によって、各回路セグメントが通電され、エラーチェックされる。エラーが検出されなければ、次の回路セグメントが通電される(11278b)。エラーが検出されると、安全プロセッサ11104及び/又は一次プロセスが、現在のセグメントの通電を停止し、エラーを生成する(11278a)。逐次的起動は、回路セグメント11102a~11102gが全て通電されるまで継続する。いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は、類似の逐次的給電プロセス11250の後、スリープモードから遷移する。
図80は、デイジーチェーン接続された複数の電力変換器11514、11516、11518を備える、電源セグメント11502の一実施形態を示している。電源セグメント11502は、電池11508を備える。電池11508は、例えば12Vなどのソース電圧を提供するように構成されている。電流センサ11512は、電池11508に結合されて、セグメント化回路及び/又は1つ以上の回路セグメントの電流引き出しを監視する。電流センサ11512は、FETスイッチ11513に結合されている。電池11508は、1つ以上の電圧変換器11509、11514、11516に結合されている。常時接続型(always on)変換器11509は、例えば運動センサ11522など、1つ以上の回路構成要素に定電圧を提供する。常時接続型変換器11509は、例えば、3.3V変換器を含む。常時接続型変換器11509は、例えば安全プロセッサ(図示せず)など、追加の回路構成要素に定電圧を提供してもよい。電池11508は、ブーストコンバータ11518に結合されている。ブーストコンバータ11518は、電池11508によって提供される電圧を上回るブースト電圧を提供するように構成されている。例えば、例示される実施形態では、電池11508は、12Vの電圧を提供する。ブーストコンバータ11518は、電圧を13Vまでブーストするように構成されている。ブーストコンバータ11518は、外科用器具、例えば図69~図71Bに示される外科用器具2000の動作中、最小電圧を維持するように構成されている。モータの動作によって、一次プロセッサ11506に提供される電力を最小閾値よりも下まで降下させ、一次プロセッサ11506の電圧低下又はリセット状態を作り出すことができる。ブーストコンバータ11518は、外科用器具2000の動作中、一次プロセッサ11506、及び/又はモータコントローラ11543などの他の回路構成要素に対して、十分な電力が利用可能であることを担保する。いくつかの実施形態では、ブーストコンバータ11518は、例えばOLEDディスプレイ11588など、1つ以上の回路構成要素に直接結合されている。
ブーストコンバータ11518は、ブースト電圧レベルを下回る電圧を提供するように、1つ以上の逓降変換器に結合されている。第1の電圧変換器11516は、ブーストコンバータ11518に結合され、第1の逓降電圧を1つ以上の回路構成要素に提供する。例示される実施形態では、第1の電圧変換器11516は、5Vの電圧を提供する。第1の電圧変換器11516は、回転位置エンコーダ11540に結合されている。FETスイッチ11517は、第1の電圧変換器11516と回転位置エンコーダ11540との間に結合されている。FETスイッチ11517は、プロセッサ11506によって制御される。プロセッサ11506は、FETスイッチ11517を開放して、例えば電力集約的な動作の間、位置エンコーダ11540を非活性化する。第1の電圧変換器11516は、第2の逓降電圧を提供するように構成された第2の電圧変換器11514に結合されている。第2の逓降電圧は、例えば3.3Vを含む。第2の電圧変換器11514は、プロセッサ11506に結合されている。いくつかの実施形態では、ブーストコンバータ11518、第1の電圧変換器11516、及び第2の電圧変換器11514は、デイジーチェーン構成で結合されている。デイジーチェーン構成によって、ブースト電圧レベルを下回る電圧レベルを生成する、より小型でより効率的な変換器を使用することが可能になる。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
図81は、臨界及び/又は電力集約的機能に利用可能な電力を最大限にするように構成されたセグメント化回路11600の一実施形態を示している。セグメント化回路11600は、電池11608を備える。電池11608は、例えば12Vなどのソース電圧を提供するように構成されている。ソース電圧は、複数の電圧変換器11609、11618に提供される。常時接続型電圧変換器11609は、例えば、運動センサ11622及び安全プロセッサ11604など、1つ以上の回路構成要素に定電圧を提供する。常時接続型電圧変換器11609は、電池11608に直接結合されている。常時接続型変換器11609は、例えば3.3Vの電圧を提供する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
セグメント化回路11600は、ブーストコンバータ11618を備える。ブーストコンバータ11618は、例えば13Vなど、電池11608によって提供されるソース電圧を上回るブースト電圧を提供する。ブーストコンバータ11618は、例えば、OLEDディスプレイ11688及びモータコントローラ11643など、1つ以上の回路構成要素にブースト電圧を直接提供する。OLEDディスプレイ11688をブーストコンバータ11618に直接結合することによって、セグメント化回路11600は、OLEDディスプレイ11688専用の電力変換器の必要性をなくす。ブーストコンバータ11618は、例えば切断動作など、モータ11648の1つ以上の電力集約的な動作の間、モータコントローラ11643及びモータ11648にブースト電圧を提供する。ブーストコンバータ11618は、逓降変換器11616に結合されている。逓降変換器11616は、例えば5Vなど、1つ以上の回路構成要素にブースト電圧を下回る電圧を提供するように構成されている。逓降変換器11616は、例えば、FETスイッチ11651及び位置エンコーダ11640に結合されている。FETスイッチ11651は、一次プロセッサ11606に結合されている。一次プロセッサ11606は、セグメント化回路11600をスリープモードへと遷移するとき、及び/又はモータ11648に送達される追加電圧を要する電力集約的な機能の間、FETスイッチ11651を開放する。FETスイッチ11651を開放すると、位置エンコーダ11640が非活性化され、位置エンコーダ11640の電力引き出しが排除される。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
逓降変換器11616は、線形変換器11614に結合されている。線形変換器11614は、例えば3.3Vの電圧を提供するように構成されている。線形変換器11614は、一次プロセッサ11606に結合されている。線形変換器11614は、一次プロセッサ11606に動作電圧を提供する。線形変換器11614は、1つ以上の追加の回路構成要素に結合されてもよい。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
セグメント化回路11600は、緊急離脱スイッチ11656を備える。緊急離脱スイッチ11656は、外科用器具2000の緊急離脱ドアに結合されている。緊急離脱スイッチ11656及び安全プロセッサ11604は、ANDゲート11619に結合されている。ANDゲート11619は、FETスイッチ11613に入力を提供する。緊急離脱スイッチ11656が緊急離脱状態を検出すると、緊急離脱スイッチ11656は、緊急離脱停止信号をANDゲート11619に提供する。安全プロセッサ11604が、例えばセンサの不整合によるものなど、安全でない状態を検出すると、安全プロセッサ11604は、停止信号をANDゲート11619に提供する。いくつかの実施形態では、緊急離脱停止信号及び停止信号はいずれも、正常動作の間は高であり、緊急離脱状態又は安全でない状態が検出されたときは低である。ANDゲート11619の出力が低のとき、FETスイッチ11613が開放され、モータ11648の動作が防止される。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11604は、停止信号を利用して、モータ11648をスリープモードのオフ状態へと遷移させる。FETスイッチ11613に対する第3の入力は、電池11608に結合された電流センサ11612によって提供される。電流センサ11612は、回路11600によって引き出される電流を監視し、既定の閾値を上回る電流が検出されると、FETスイッチ11613を開放してモータ11648に対する電力を遮断する。FETスイッチ11613及びモータコントローラ11643は、モータ11648の動作を制御するように構成された、FETスイッチ11645のバンクに結合されている。
モータ電流センサ11646は、モータ11648と直列で結合されて、モータ電流センサ読み取り値を電流モニタ11647に提供する。電流モニタ11647は、一次プロセッサ11606に結合されている。電流モニタ11647は、モータ11648の電流引き出しを示す信号を提供する。一次プロセッサ11606は、モータ電流11647からの信号を利用して、例えば、モータの動作を制御し、モータ11648の電流引き出しが許容可能な範囲内であることを担保し、モータ11648の電流引き出しを、例えば位置エンコーダ11640など、回路11600の1つ以上の他のパラメータと比較し、かつ/又は治療部位の1つ以上のパラメータを判断してもよい。いくつかの実施形態では、電流モニタ11647は、安全プロセッサ11604に結合されてもよい。
いくつかの実施形態では、1つ以上のハンドルの作動は、例えば発射トリガなどを制御し、一次プロセッサ11606によって、ハンドル制御を作動させた状態で1つ以上の構成要素に対する電力を減少させる。例えば、一実施形態では、発射トリガは、切断部材の発射行程を制御する。切断部材は、モータ11648によって駆動される。発射トリガの作動によって、モータ11648の順方向動作及び切断部材の前進がもたらされる。発射の間、一次プロセッサ11606は、FETスイッチ11651を閉鎖して、電力を位置エンコーダ11640から除去する。1つ以上の回路構成要素を非活性化することによって、より高い電力をモータ11648に送達することが可能になる。発射トリガが解除されると、例えばFETスイッチ11651を閉鎖し、位置エンコーダ11640を再活性化することによって、非活性化された構成要素に対する全電力が回復される。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11604は、セグメント化回路11600の動作を制御する。例えば、安全プロセッサ11604は、セグメント化回路11600の逐次的給電を開始し、セグメント化回路11600をスリープモードへ、またスリープモードから遷移してもよく、かつ/又は一次プロセッサ11606からの1つ以上の制御信号をオーバーライドしてもよい。例えば、例示される実施形態では、安全プロセッサ11604は、逓降変換器11616に結合されている。安全プロセッサ11604は、逓降変換器11616を活性化又は非活性化することによって、セグメント化回路11600の動作を制御して、電力をセグメント化回路11600の残りに提供する。
図82は、逐次的に通電されるように構成された、デイジーチェーン接続された複数の電力変換器11714、11716、11718を備える、電源システム11700の一実施形態を示している。デイジーチェーン接続された複数の電力変換器11714、11716、11718は、最初の給電及び/又はスリープモードからの遷移の間、例えば安全プロセッサによって、逐次的に活性化されてもよい。安全プロセッサは、独立した電力変換器(図示せず)によって給電されてもよい。例えば、一実施形態では、電池電圧VBATTが電源システム11700に結合されると、かつ/又は加速度計がスリープモードにおける移動を検出すると、安全プロセッサは、デイジーチェーン接続された電力変換器11714、11716、11718の逐次的始動を開始する。安全プロセッサは、13Vブースト区画11718を活性化する。ブースト区画11718が通電され、自己チェックを行う。いくつかの実施形態では、ブースト区画11718は、ソース電圧を昇圧し、自己チェックを行うように構成された集積回路11720を備える。ダイオードDは、ブースト区画11718が自己チェックを完了し、ブースト区画11718がエラーを何ら識別しなかったことを示す信号をダイオードDに提供するまで、5V電源区画11716の給電を防止する。いくつかの実施形態では、この信号は、安全プロセッサによって提供される。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
5V電源区画11716は、ブースト区画11718の後に逐次的に給電される。5V電源区画11716は、給電の間に自己チェックを行って、5V電源区画11716に何らかのエラーがあればそれを識別する。5V電源区画11716は、ブースト電圧から逓降電圧を提供し、エラーチェックを行うように構成された集積回路11715を備える。エラーが検出されない場合、5V電源区画11716は逐次的給電を完了し、活性化信号を3.3V電源区画11714に提供する。いくつかの実施形態では、安全プロセッサが、活性化信号を3.3V電源区画11714に提供する。3.3V電源区画は、5V電源区画11716から逓降電圧を提供し、給電の間に自己エラーチェックを行うように構成された集積回路11713を備える。自己チェックの間にエラーが検出されない場合、3.3V電源区画11714は、一次プロセッサに電力を提供する。一次プロセッサは、残りの回路セグメントそれぞれに逐次的に通電するように構成されている。電源システム11700及び/又はセグメント化回路の残りに逐次的に通電することによって、電源システム11700はエラーリスクを低減し、負荷が加えられる前の電圧レベルの安定化が可能になり、大きい電流引き出しによって全てのハードウェアが制御されない形で同時にオンになることを防止する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
一実施形態では、電源システム11700は、過電圧識別及び緩和回路を備える。過電圧識別及び緩和回路は、外科用器具内の単極リターン電流を検出し、単極リターン電流が検出されると電源セグメントからの電力を遮断するように構成されている。過電圧識別及び緩和回路は、電源システムのアース浮き(ground floatation)を識別するように構成されている。過電圧識別及び緩和回路は、金属酸化物バリスタを備える。過電圧識別及び緩和回路は、少なくとも1つの過渡電圧抑制ダイオードを備える。
図83は、隔離制御区画11802を備えるセグメント化回路11800の一実施形態を示している。隔離制御区画11802は、セグメント化回路11800の制御ハードウェアをセグメント化回路11800の電源区画(図示せず)から隔離する。制御区画11802は、例えば、一次プロセッサ11806、安全プロセッサ(図示せず)、及び/又は、例えば、FETスイッチ11817などの更なる制御ハードウェアを備える。電源区画は、例えば、モータ、モータドライバ、及び/又は複数のモータMOSFETを備える。隔離制御区画11802は、5V電力変換器11816に結合されている、充電回路11803及び充電式電池11808を備える。充電回路11803及び充電式電池11808は、一次プロセッサ11806を電源区画から隔離する。いくつかの実施形態では、充電式電池11808は、安全プロセッサ及び任意の追加の支援ハードウェアに結合されている。制御区画11802を電源区画から隔離することによって、主電源を取り外した場合であっても、制御区画11802、例えば一次プロセッサ11806が活動状態のままであることができ、充電式電池11808を通してノイズを制御区画11802から遠ざけるフィルタが提供され、制御区画11802が電池電圧の大幅なスイングから隔離されて、重いモータ負荷の間であっても適正な動作が担保され、かつ/又はセグメント化回路11800がリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を使用することが可能になる。いくつかの実施形態では、充電式電池11808は、例えば3.3Vなどの逓降電圧を一次プロセッサに提供する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
図85は、例えば、図73A及び図73Bに示されるセグメント化回路11100などのセグメント化回路の逐次的始動のためのプロセスの一実施形態を示す。逐次始動プロセス11820は、1つ以上のセンサがスリープモードから動作モードへの遷移を開始するときに始まる。1つ以上のセンサが状態変化を検出することを停止すると(11822)、タイマーが開始される(11824)。タイマーは、最後の移動/外科用器具2000との相互作用が1つ以上のセンサによって検出されてからの時間をカウントする。タイマーカウントは、例えば安全プロセッサ11104によって、スリープモード段階のテーブルと比較される(11826)。タイマーカウントがスリープモード段階11828aへの遷移のための1つ以上のカウントを超えると、安全プロセッサ11104は、セグメント化回路11100の通電を停止し(11830)、セグメント化回路11100を対応するスリープモード段階に遷移させる。タイマーカウントがスリープモード段階のいずれかの閾値を下回るとき(11828b)、セグメント化回路11100は、次の回路セグメント11832に連続的に通電し続ける。
再び図73A及び73Bを参照すると、いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は、外科用器具の不適切な保管及び/又は処置を検出するための1つ以上の環境センサを備える。例えば、一実施形態では、セグメント化回路11100は温度センサを備える。温度センサは、セグメント化回路11100が露出される最高温度及び/又は最低温度を検出するように構成されている。外科用器具2000及びセグメント化回路11100は、最高温度及び/又は最低温度に対する設計限界露光を含む。外科用器具2000が、限界を超える温度、例えば、滅菌技術の間の最大限界を超える温度に曝露されると、温度センサは、過剰曝露を検出し、装置の動作を防止する。温度センサは、例えば、所定の閾値を超える温度に曝露されたときに外科用器具2000を無効化するように構成されたバイメタルストリップ、温度データを記憶し、温度データを安全プロセッサ11104に提供するように構成された固体温度センサ、及び/又は任意の他の好適な温度センサを含み得る。
いくつかの実施形態では、加速度計11122は、環境安全センサとして構成される。加速度計11122は、外科用器具2000が受ける加速度を記録する。既定の閾値を上回る加速度は、例えば、外科用器具が落下していることを示し得る。外科用器具は、ある最大許容加速度を有する。加速度計11122が最大許容加速度を上回る加速度を検出すると、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000の動作を阻止する。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は水分センサを備える。水分センサは、セグメント化回路11100が水分に曝露されるとそれを示すように構成されている。水分センサは、例えば、外科用器具2000が洗浄流体に完全に浸漬しているとそれを示すように構成された浸漬センサ、セグメント化回路11100が通電されているときに水分がセグメント化回路11100と接触しているとそれを示すように構成された水分センサ、及び/又は任意の他の好適な水分センサを含み得る。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路11100は、化学物質曝露センサを含む。化学物質曝露センサは、外科用器具2000が有害及び/又は危険な化学物質と接触しているとそれを示すように構成されている。例えば、滅菌処置の間、外科用器具2000の劣化につながる不適切な化学物質が使用されることがある。化学物質曝露センサは、外科用器具2000の動作を妨げ得る、安全プロセッサ11104への不適切な化学的曝露を示し得る。
セグメント化回路11100は、使用サイクル数を監視するように構成される。例えば、一実施形態では、電池11108は、使用サイクル計数を監視するように構成された回路を備える。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11104は、使用サイクル計数を監視するように構成される。使用サイクルは、例えば、シャフト2004が外科用器具2000と共に使用された回数、カートリッジが外科用器具2000の中に挿入された及び/若しくは外科用器具2000によって配備された回数、並びに/又は外科用器具2000の発射の回数など、外科用器具によって開始された外科的事象を含んでもよい。いくつかの実施形態では、使用サイクルは、例えば、衝突事象、不適切な保存条件及び/若しくは不適切な化学物質への曝露、滅菌プロセス、洗浄プロセス、並びに/又は再調整プロセスなどの環境事象を含んでもよい。いくつかの実施形態では、使用サイクルは、電源組立体(例えば、電池パック)交換及び/又は充電サイクルを含み得る。
セグメント化回路11100は、全ての定義された使用サイクルに対する総使用サイクル計数を維持してもよく、かつ/又は1回以上の定義された使用サイクルに対する個々の使用サイクル計数を維持してもよい。例えば、一実施形態では、セグメント化回路11100は、外科用器具2000によって開始された全ての外科的事象に対しては単一の使用サイクル計数、外科用器具2000が経験する各環境的事象に対しては個別の使用サイクル計数を維持し得る。使用サイクル計数は、セグメント化回路11100による1つ以上の挙動を補強するために使用される。例えば、使用サイクル計数は、使用サイクル数が所定の閾値を超えたとき又は不適切な環境的事象への曝露が検出されたときに、例えば、電池11108を無効化することによって、セグメント化回路11100を無効化するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、使用サイクル計数は、外科用器具2000の推奨及び/又は必須のサービスが必要であることを示すために使用される。
図86は、例えば、図80に示すセグメント化制御回路11602などのセグメント化回路を備える外科用器具を制御するための方法11950の一実施形態を示す。11952において、電源組立体11608は、外科用器具に連結される。電源組立体11608は、例えば、図69~図71Bに示される電源組立体2006など、任意の好適な電池を備えてよい。電源組立体11608は、セグメント化制御回路11602にソース電圧を供給するように構成されている。ソース電圧は、例えば12Vなどの任意の好適な電圧を含み得る。11954において、電源組立体11608は、電圧ブーストコンバータ11618に通電する。電圧ブーストコンバータ11618は、設定電圧を提供するように構成されている。設定電圧は、電源組立体11608によって提供されるソース電圧よりも大きい電圧を含む。例えば、いくつかの実施形態では、設定電圧は13Vの電圧を含む。第3の工程11956では、電圧ブーストコンバータ11618は、1つ以上の電圧レギュレータに通電して、1つ以上の動作電圧を1つ以上の回路構成要素に提供する。動作電圧は、電圧ブーストコンバータによって提供される設定電圧よりも低い電圧を含む。
いくつかの実施形態では、ブーストコンバータ11618は、第1の動作電圧を提供するように構成された第1の電圧レギュレータ11616に結合される。第1の電圧レギュレータ11616によって提供される第1の動作電圧は、電圧ブーストコンバータによって提供される設定電圧よりも低い。例えば、いくつかの実施形態では、第1の動作電圧は5Vの電圧を含む。いくつかの実施形態では、ブーストコンバータは、第2の電圧レギュレータ11614に結合される。第2の電圧レギュレータ11614は、第2の動作電圧を提供するように構成される。第2の動作電圧は、設定電圧及び第1の動作電圧よりも低い電圧を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第2の動作電圧は、3.3Vの電圧を含む。いくつかの実施形態では、電池11608、電圧ブーストコンバータ11618、第1の電圧レギュレータ11616、及び第2の電圧レギュレータ11614は、デイジーチェーン構成で構成される。電池11608は、電圧ブーストコンバータ11618にソース電圧を提供する。電圧ブーストコンバータ11618は、ソース電圧を設定電圧に昇圧する。電圧ブーストコンバータ11618は、設定電圧を第1の電圧レギュレータ11616に供給する。第1の電圧レギュレータ11616は、第1の動作電圧を発生させ、第1の動作電圧を第2の電圧レギュレータ11614に提供する。第2の電圧レギュレータ11614は、第2の動作電圧を発生させる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路構成要素は、電圧ブーストコンバータ11618によって直接通電される。例えば、いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイ11688は、電圧ブーストコンバータ11618に直接結合される。電圧ブーストコンバータ11618は、OLEDディスプレイ11688に設定電圧を提供し、OLEDがそれと一体の電力発生器を有する必要性を排除する。いくつかの実施形態では、例えば、図73A及び図73Bに示される安全プロセッサ11604などのプロセッサが、電圧ブーストコンバータ11618及び/又は1つ以上の電圧レギュレータ11616、11614によって提供される電圧を検証する。安全プロセッサ11604は、電圧ブーストコンバータ11618及び電圧レギュレータ11616、11614のそれぞれによって提供される電圧を検証するように構成されている。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ11604は、設定電圧を検証する。設定電圧が第1の所定値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、第1の電圧レギュレータ11616に通電する。安全プロセッサ11604は、第1の電圧レギュレータ11616によって提供される第1の動作電圧を検証する。第1の動作電圧が第2の所定値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、第2の電圧レギュレータ11614に通電する。安全プロセッサ11604は次いで、第2の動作電圧を検証する。第2の動作電圧が第3の所定値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、セグメント化回路11600の残りの回路構成要素のそれぞれに通電する。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、セグメント化回路及び可変電圧保護を通じて外科用器具の電力管理を制御する方法に関する。一実施形態では、一次プロセッサと、安全プロセッサと、一次プロセッサと信号通信しており、複数の回路セグメントを備えるセグメント化回路と、を備える外科用器具における電力管理を制御する方法であって、複数の回路セグメントが電源セグメントを含み、方法は、電源セグメントによって、各セグメントの可変電圧制御を提供する工程を含む。一実施形態では、この方法は、ブーストコンバータを備える電源セグメントによって、セグメント電圧のうちの少なくとも1つのための電力安定化を提供する工程を含む。この方法はまた、ブーストコンバータによって、一次プロセッサ及び安全プロセッサに電力安定化を提供する工程を含む。この方法はまた、ブーストコンバータによって、複数の回路セグメントの電力引き込みとは無関係に、一次プロセッサ及び安全プロセッサに所定の閾値を超える定電圧を提供する工程を含む。この方法はまた、過電圧識別及び緩和回路によって、外科用器具内の単極リターン電流を検出し、単極リターン電流が検出されると電源セグメントからの電力を遮断する工程を含む。この方法はまた、過電圧識別及び緩和回路によって、電源システムの接地浮遊を識別する工程を含む。
別の実施形態では、この方法はまた、電源セグメントによって、複数の回路セグメントのそれぞれに逐次的に通電する工程と、逐次的な回路セグメントの通電に先立って各回路セグメントをエラーチェックする工程と、を含む。この方法はまた、電源セグメントに連結された電源によって安全プロセッサに通電する工程と、安全プロセッサが通電されるときに安全プロセッサによってエラーチェックを実行する工程と、エラーチェック中にエラーが検出されない場合、安全プロセッサ、一次プロセッサを実行し、それらに通電する工程と、を含む。この方法はまた、一次プロセッサが通電されるときに一次プロセッサによってエラーチェックを実行する工程であって、エラーチェック中にエラーが検出されない場合、一次プロセッサによって、複数の回路セグメントのそれぞれに逐次的に通電する工程を含む。この方法はまた、一次プロセッサによって、複数の回路セグメントのそれぞれをエラーチェックする工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、電源が電源セグメントに接続されているときにブーストコンバータによって安全プロセッサに通電する工程と、安全プロセッサによってエラーチェックを実行する工程と、エラーチェック中にエラーが検出されない場合に、安全プロセッサによって一次プロセッサに通電する工程と、を含む。この方法はまた、一次プロセスによってエラーチェックを実行する工程と、エラーチェック中にエラーが検出されない場合に、一次プロセッサによって、複数の回路セグメントのそれぞれに逐次的に通電する工程と、を含む。この方法はまた、一次プロセッサによって、複数の回路セグメントのそれぞれをエラーチェックする工程を含む。
別の実施形態では、この方法はまた、電源セグメントによって、一次プロセッサにセグメント電圧を供給する工程と、各セグメントの可変電圧保護を提供する工程と、ブーストコンバータによって、セグメント電圧のうちの少なくとも1つのための電力安定化、過電圧識別、及び緩和回路を提供する工程と、電源セグメントによって、複数の回路セグメントのそれぞれに逐次的に通電する工程と、シーケンシャル回路セグメントに通電する前に各回路セグメントをエラーチェックする工程と、を含む。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、安全プロセッサを有する外科用器具制御回路を制御する方法に関する。一実施形態では、一次プロセッサと、一次プロセッサと信号通信する安全プロセッサと、一次プロセッサと信号通信する複数の回路セグメントを備えるセグメント化回路と、を備える制御回路を備える外科用器具を制御する方法であって、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを監視する工程を含む方法である。この方法はまた、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを検証する工程と、一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号とは独立して、1つ以上のパラメータを検証する工程と、を含む。この方法は、安全プロセッサによって、切断要素の速度を検証する工程を更に含む。この方法はまた、第1のセンサによって、外科用器具の第1の特性を監視し、第2のセンサによって、外科用器具の第2の特性を監視する工程であって、第1の特性と第2の特性は所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信する、工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、故障が検出されたときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程であって、故障が、第1の特性及び第2の特性が、所定の関係と相反する値を有することを含む、工程を含む。この方法はまた、ホール効果センサによって、切断部材の位置を監視し、モータ電流センサによって、モータ電流を監視する工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、1つ以上のパラメータの検証と、一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号との間で不一致が検出されたときに、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つを無効化する工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モータセグメントの動作を阻止する工程と、電源セグメントからのモータセグメントへの電力の流れを遮断する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モータセグメントの前方動作を阻止することと、故障が検出されたとき、安全プロセッサによって、モータセグメントの逆動作を可能にする工程と、を含む。
別の実施形態では、セグメント化回路は、モータセグメントと電源セグメントとを備え、この方法は、モータセグメントによって、外科用器具の1つ以上の機械的動作を制御する工程と、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを監視する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを検証する工程と、一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号とは独立して、安全プロセッサによって1つ以上のパラメータを独立して検証する工程と、を含む。
別の実施形態では、この方法はまた、安全プロセッサによって、切断要素の速度を独立して検証する工程を含む。この方法はまた、第1のセンサによって、外科用器具の第1の特性を監視し、第2のセンサによって、外科用器具の第2の特性を監視する工程であって、第1の特性と第2の特性は所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信しており、故障は、第1の特性及び第2の特性が、所定の関係と相反する値を有することを含む工程と、安全プロセッサによって故障が検出されたときに、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程と、を含む。この方法はまた、ホール効果センサによって、切断部材の位置を監視し、モータ電流センサによって、モータ電流を監視する工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、1つ以上のパラメータの検証と、一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号との間で不一致が検出されたときに、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つを無効化する工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モータセグメントの動作を阻止する工程と、電源セグメントからのモータセグメントへの電力の流れを遮断する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モータセグメントの前方動作を阻止する工程と、安全プロセッサによって、故障が検出されたときにモータセグメントの逆動作を可能にする工程と、を更に含む。
別の実施形態では、この方法は、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを監視する工程と、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントの1つ以上のパラメータを検証する工程と、安全プロセッサによって、一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号とは独立して1つ以上のパラメータを検証する工程と、安全プロセッサによって、1つ以上のパラメータの検証と一次プロセッサによって発生された1つ以上の制御信号との間に不一致が検出されたときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つを無効化する工程と、を含む。この方法はまた、第1のセンサによって、外科用器具の第1の特性を監視し、第2のセンサによって、外科用器具の第2の特性を監視する工程であって、第1の特性と第2の特性は所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信しており、故障は、第1の特性及び第2の特性が、所定の関係と相反する値を有することを含み、故障が検出されたときに、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作が阻止される工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、故障が検出されたたときに電源セグメントからのモータセグメントへの電力の流れを遮断することによって、モータセグメントの動作を阻止する工程を含む。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、セグメント化回路のスリープオプション及びウェイクアップ制御を通じて外科用器具の電源管理を制御する方法に関するものであり、この外科用器具は、一次プロセッサと、一次プロセッサと信号通信する安全プロセッサと、一次プロセッサと信号通信する複数の回路セグメントを備えるセグメント化回路と、を備える制御回路を備え、複数の回路セグメントは電源セグメントを含み、この方法は、安全プロセッサによって、一次プロセッサ及び複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つをアクティブモードからスリープモードに、またスリープモードからアクティブモードに遷移させる工程を含む。この方法はまた、タイマーによって、最後のユーザ開始イベントからの時間を追跡する工程を含み、最後のユーザ開始イベントからの時間が所定の閾値を超えたときに、安全プロセッサによって、一次プロセッサ及び複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つをスリープモードに遷移させる工程を含む。この方法はまた、加速度計を備える加速度セグメントによって、外科用器具の1つ以上の運動を検出する工程を含む。この方法はまた、タイマーによって、加速度セグメントによって検出された最後の移動からの時間を追跡する工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、複数の回路セグメントをスリープモードに遷移させるときに加速度セグメントをアクティブモードに維持する工程を含む。
別の実施形態では、この方法はまた、複数の段階でスリープモードに遷移する工程を含む。この方法はまた、第1の所定の期間の後にセグメント化回路を第1の段階に遷移させ、ディスプレイセグメントのバックライトを減光する工程と、第2の所定の期間の後にセグメント化回路を第2の段階に遷移させ、バックライトをオフにする工程と、第3の所定の期間の後にセグメント化回路を第3の段階に遷移させ、加速度計のポーリングレートを低減する工程と、第4の所定の期間の後にセグメント化回路を第4の段階に遷移させ、ディスプレイをオフにし、外科用器具をスリープモードに遷移させる工程と、を含む。
別の実施形態では、タッチセンサによって、外科用器具とのユーザ接触を検出する工程と、安全プロセッサによって、タッチセンサが外科用器具と接触しているユーザを検出したときに一次プロセッサ及び複数の回路セグメントをスリープモードからアクティブモードに遷移させる工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、少なくとも1つのハンドル制御を監視する工程と、安全プロセッサによって、少なくとも1つのハンドル制御が作動されたときに一次プロセッサ及び複数の回路セグメントをスリープモードからアクティブモードに遷移させる工程と、を含む。
別の実施形態では、この方法は、安全プロセッサによって、加速度計が所定の閾値を上回る外科用器具の移動を検出したときに外科用デバイスをアクティブモードに遷移させる工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、少なくとも第1の方向及び第2の方向における運動に関して加速度計を監視する工程と、安全プロセッサによって、所定の閾値を上回る移動が少なくとも第1の方向及び第2の方向において検出されたときに、外科用器具をスリープモードから動作モードに遷移させる工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向における所定の閾値を上回る振動運動に関して加速度計を監視する工程と、安全プロセッサによって、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向における所定の閾値を上回る振動運動が検出されたときに外科用器具をスリープモードから動作モードに遷移させる工程と、を含む。この方法はまた、前の運動からの時間が増加するにつれて所定値を増加させる工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、安全プロセッサによって、最後のユーザ開始イベントからの時間が所定の閾値を超えたときに一次プロセッサ及び複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つをアクティブモードからスリープモードに、またスリープモードからアクティブモードに遷移させる工程と、タイマーによって、加速度セグメントによって検出された最後の移動からの時間を追跡する工程と、安全プロセッサによって、加速度セグメントが所定の閾値を上回る外科用器具の移動を検出したときに、外科用装置をアクティブモードに遷移させる工程と、を含む。
別の実施形態では、外科用器具を制御する方法は、最後のユーザ開始イベントからの時間を追跡する工程と、安全プロセッサによって、最後のユーザ開始イベントからの時間が所定の閾値を超えたときにディスプレイのバックライトを無効化する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、ディスプレイを見るようにユーザに指示するためにディスプレイのバックライトを点滅させる工程を含む。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、滅菌検証回路を通じた外科用器具の滅菌を検証する方法に関し、この外科用器具は、一次プロセッサと、一次プロセッサと信号通信している安全プロセッサと、一次プロセッサと信号通信する複数の回路セグメントを備えるセグメント化回路と、を備える制御回路を備え、複数の回路セグメントは保管検証セグメントを含み、この方法は、外科用器具が適切に保管及び滅菌されていることを示す工程を含む。この方法はまた、少なくとも1つのセンサによって、1つ以上の不適切な保管又は滅菌パラメータを検出する工程を含む。この方法はまた、落下保護センサによって、器具が落下したことを感知する工程と、安全プロセッサによって、外科用器具が落下したことを落下保護センサが検出したときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、所定の閾値を超える温度が温度センサによって検出されたときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、温度センサが所定の閾値を超える温度を検出したときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、安全プロセッサによって、水分検出センサが水分を検出したときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を制御する工程を含む。この方法はまた、水分検出センサによってオートクレーブサイクルを検出する工程と、安全プロセッサによって、オートクレーブサイクルが検出されない限り、外科用器具の動作を阻止する工程と、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、段階的な回路始動の間に水分が検出されたときに複数の回路セグメントのうちの少なくとも1つの動作を阻止する工程を含む。
別の実施形態では、この方法は、滅菌検証セグメントを含む複数の回路セグメントによって、外科用器具が適切に滅菌されていることを示す工程を含む。この方法はまた、滅菌検証セグメントの少なくとも1つのセンサによって、外科用器具の滅菌を検出する工程を含む。この方法はまた、保管検証セグメントによって、外科用器具が適切に保管されていたことを示す工程を含む。この方法はまた、保管検証セグメントの少なくとも1つのセンサによって、外科用器具の不適切な保管を検出する工程を含む。
図87は概して、モータ駆動式外科用器具12200を示す。特定の状況において、外科用器具12200は、ハンドル組立体12202、シャフト組立体12204、及び電源組立体12206(又は「電源」又は「パワーパック」)を含み得る。シャフト組立体12204はエンドエフェクタ12208を含み得、このエンドエフェクタは、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得るが、他の状況においては、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラ、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。いくつかのRF装置は、1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日に出願された、米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」において見出すことができる。米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」(1995年4月4日発行)、及び米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」(2008年2月14日出願)の開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
再び図87を参照すると、ハンドル組立体12202は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成され得るハンドル12212を含むハウジング12210を備えてよい。しかしながら、ハウジング12210の様々な独自の新規な構成もまた、ロボット制御式の外科用システムに関連して効果的に用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示するシャフト組立体12204及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。例えば、本明細書に開示するハウジング12210は、米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の例において、外科用器具12200は、少なくとも部分的にシャフト12204を通って延び、エンドエフェクタ12208と動作可能な係合をなす、いくつかの動作可能なシステムを含んでもよい。例えば、外科用器具12200は、開放構成と閉鎖構成との間でエンドエフェクタ12208を遷移させることができる閉鎖組立体、エンドエフェクタ12208をシャフト12204に対して関節運動させることができる関節組立体、並びに/又は、エンドエフェクタ12208によって捕捉された組織を締結及び/若しくは切断することができる発射組立体を有してもよい。加えて、ハウジング12210は、シャフト12204に分離可能に連結可能であってもよく、閉鎖組立体、関節運動組立体、及び発射組立体をそれぞれ動作させるための相補的な閉鎖、関節運動、及び/又は発射駆動システムを含んでもよい。
使用の際、外科用器具12200の操作者は、外科用器具12200をリセットし、外科用器具12200の各組立体のうちの1つ以上を初期の姿勢(default position)に復帰させることを望む場合がある。例えば、操作者は、アクセスポートを通じて患者の体内の手術部位へとエンドエフェクタ12208を挿入することができ、次いでエンドエフェクタ12208を関節運動及び/又は閉鎖して腔内の組織を捕捉することができる。操作者は次いで、例えば、これまでの処置のうちの一部又は全てを元に戻すことができ、外科用器具12200を腔から取り出すことを選択することができる。外科用器具12200は、操作者による最小限の労力で、上述した組立体のうちの1つ以上をホーム状態に確実に復帰させることを容易にするように構成されたもう1つのシステムを有してもよく、それにより、操作者は外科用器具を腔から取り出すことができる。
図87及び図89を参照するが、手術器具12200は制御システム13000を含んでもよい。例えば、術者が制御システム13000を利用して、関節運動ホーム状態位置と関節運動位置との間でエンドエフェクタ12208をシャフト12204に対して関節運動させることができる。特定の例において、術者は制御システム13000を利用して、関節運動したエンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置にリセット又は復帰させることができる。制御システム13000は、少なくとも部分的にハウジング12210内に配置され得る。特定の例において、図89に示すように、制御システム13000は、コントローラ13002(「コントローラ」)を備えてもよく、このコントローラは、例えば、入力信号を受信し、それに応答して、モータ12216を活性化させて、そのような入力信号に応じてエンドエフェクタ12208を関節運動させるように構成され得る。
上記に加えて、エンドエフェクタ12208は、本明細書において非関節運動姿勢とも呼ばれる関節運動ホーム状態位置で、シャフト12204と十分に整列して配置され得、そのため、エンドエフェクタ12208及びシャフト12204の少なくとも一部分は、アクセスポートに損傷を与えることなく、例えば内腔の壁に配置されたトロカールなどのアクセスポートを通じて、患者の内腔に挿入されるか若しくはその内腔から後退され得る。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、図87に示すように、エンドエフェクタ12208が関節運動ホーム状態位置にあるとき、シャフト12204を通過する長手軸「LL」と整列され得るか、又は少なくとも実質的に整列され得る。少なくとも1つの例では、関節運動ホーム状態位置は、長手軸線「LL」のいずれの側でも長手軸線「LL」に対して、例えば5°を含むそれ以下の任意の角度をなすことができる。別の例において、関節運動ホーム状態位置は、長手軸線「LL」のいずれの側でも長手軸線「LL」に対して、例えば3°を含むそれ以下の任意の角度をなすことができる。更に別の例において、関節運動ホーム状態位置は、長手軸線「LL」のいずれの側でも長手軸線「LL」に対して、例えば7°を含むそれ以下の任意の角度をなすことができる。
制御システム13000は、例えば時計回りなどの第1の方向、及び/又は例えば反時計回りなどの第2の方向に、長手軸線「LL」に沿って延在する平面内で、シャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を関節運動させるように操作され得る。少なくとも1つの例では、制御システム13000は、例えば、関節運動ホーム状態位置から、長手軸線「LL」の右側に10度の関節運動位置へと、エンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節運動させるように操作され得る。別の例において、制御システム13000は、長手軸線「LL」の右側に10度の関節運動位置から、関節運動ホーム状態位置へと、エンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させるように操作され得る。更に別の例において、制御システム13000は、例えば、関節運動ホーム状態位置から、長手軸線「LL」の左側に10度の関節運動位置へと、シャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させるように操作され得る。エンドエフェクタは、時計回りの方向及び/又は反時計回りの方向に、種々の角度へ関節運動され得ることが読者には理解されるであろう。
図87及び図88を参照すると、外科用器具12200のハウジング12210は、手術器具12200を操作するために操作者によって利用され得る複数の制御部を含み得るインターフェース13001を備えてもよい。特定の例において、インターフェース13001は、例えば電気回路を介してコントローラ13002に結合され得る複数のスイッチを備えてもよい。特定の例において、図89に示すように、インターフェース13001は、3つのスイッチ13004A~13004Cを備え、スイッチ13004A~13004Cの各々はそれぞれ、電気回路、例えば電気回路13006A~13006Cをそれぞれ介してコントローラ13002に結合されている。スイッチと回路との他の組み合わせもインターフェース13001と共に利用され得ることが読者には理解されるであろう。
図89を参照すると、コントローラ13002は、一般に、マイクロプロセッサ13008(「プロセッサ」)と、プロセッサ13008に動作可能に結合された1つ以上のメモリユニット13010とを備えてもよい。メモリ13010に記憶された命令コードを実行することによって、プロセッサ13008は、例えば、モータ12216、様々な駆動システム、及び/又はユーザディスプレイなど、外科用器具12200の様々な構成要素を制御してもよい。コントローラ13002は、集積型及び/若しくは個々のハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又はそれら両者の組み合わせを用いて実装され得る。集積型ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を含んでもよい。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、双極トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。ある特定の例では、コントローラ13002は、例えば、1つ以上の基板上に離散型及び集積型の回路素子又は構成要素を備えるハイブリッド回路を含んでもよい。
特定の例では、マイクロコントローラ13002は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
様々な形態では、モータ12216は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ12216は、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。例えば、モータ12216に電力を供給するために、例えばリチウムイオン電池などの電池12218(又は「電力源」若しくは「パワーパック」)がハウジング12212に連結されてもよい。
再び図89を参照すると、手術器具12200は、コントローラ13002と動作可能に通信するモータコントローラ13005を有してもよい。モータコントローラ13005は、モータ12216の回転方向を制御するように構成され得る。特定の例において、モータコントローラ13005は、電池12218によりモータ12216に加えられる電圧極性を、そしてモータ12216の回転方向を、コントローラ13002からの入力に基づいて判断するように構成されてもよい。例えば、電池12218によってモータ12216に加えられる電圧極性が、コントローラ13002からの入力に基づいてモータコントローラ13005によって逆転されるとき、モータ12216は、その回転方向を時計回りの方向から反時計回りの方向へと逆転させることができる。加えて、モータ12216は、例えばモータ12216が回転する方向に応じて遠位側又は近位側にモータ12216によって駆動され得る関節運動駆動部に動作可能に連結され得る。更に、関節運動駆動部はエンドエフェクタ12208に動作可能に結合され得るが、それによって、例えば、関節運動駆動部が近位側へ軸方向に並進することで、例えばエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させることができ、かつ/又は、関節運動駆動部が遠位側へ軸方向に並進することで、例えばエンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節運動させることができる。
様々な例において、図87~図89を参照すると、インターフェース13001は、例えば、スイッチ13004Aをエンドエフェクタ12208の時計回りの関節運動用にすることができ、また例えば、スイッチ13004Bをエンドエフェクタ12208の反時計回りの関節運動用にすることができるように構成され得る。そのような例において、操作者は、スイッチ13004Aを閉鎖することによってエンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節運動させることができ、スイッチ13004Bを閉鎖することによってエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させることができる。様々な例において、スイッチ13004A~13004Cは、図93に示すように、開放偏向式のドームスイッチを含み得る。例えば容量性スイッチなど、他の種類のスイッチも用いられることができる。
図93を参照すると、ドームスイッチ13004A及び13004Bは、ロッカー13012によって制御され得る。スイッチ13004A及び13004Bを制御するための他の手段も本開示によって想到される。中立位置においては、図93に示されるように、スイッチ13004Aと13004Bの両方が開放位置に偏向させられている。図94に示すように、操作者は例えば、ロッカーを前方に傾斜させ、それによってドームスイッチ13004Aを押下することによって、エンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節運動させることができる。その結果、上述したように、回路13006A(図89)が閉鎖されて、モータ12216を活性化してエンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節運動させるように、コントローラ13002に信号を送ることができる。操作者がロッカー13012を解放し、それによってドームスイッチ13004Aを開放位置に、ロッカー13012を中立位置に復帰させるまで、モータ12216は、引き続きエンドエフェクタ12208を関節運動させることができる。いくつかの状況において、コントローラ13002は、所定の最大関節運動度にエンドエフェクタ12208がいつ到達したかを確認し、そのような時点で、ドームスイッチ13004Aが押下されているか否かに関わらずモータ12216への給電を中断することが可能となっていてもよい。ある意味では、コントローラ13002は、最大安全関節運動度が達成されたときに、操作者の入力を無効にし、モータ12216を停止するように構成されることができる。それに代わって、操作者は、例えば、ロッカー13012を後方に傾斜させ、それによってドームスイッチ13004Bを押下することによって、エンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させることができる。その結果、上述したように、回路13006Bが閉鎖されて、モータ12216を活性化してエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節運動させるように、コントローラ13002に信号を送ることができる。操作者がロッカー13012を解放し、それによってドームスイッチ13004Bを開放位置に、ロッカー13012を中立位置に復帰させるまで、モータ12216は、引き続きエンドエフェクタ12208を関節運動させることができる。いくつかの状況において、コントローラ13002は、所定の最大関節運動度にエンドエフェクタ12208がいつ到達したかを確認し、そのような時点で、ドームスイッチ13004Bが押下されているか否かに関わらずモータ12216への給電を中断することが可能となっていてもよい。ある意味では、コントローラ13002は、最大安全関節運動度が達成されたときに、操作者の入力を無効にし、モータ12216を停止するように構成されることができる。
上記で更に詳細に述べられたように、操作者は、例えば、外科用器具12200を患者の内腔から後退させるために、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させて、エンドエフェクタ12208をシャフト12204と整列させるか、又は少なくとも実質的に整列させることを望む場合がある。様々な例において、制御システム13000は、エンドエフェクタ12208が関節運動ホーム状態位置に到達したことを操作者に知らせることができる仮想的な戻り止めを有してもよい。特定の例において、制御システム13000は、例えば、関節運動ホーム状態位置に到達すると、エンドエフェクタ12208の関節運動を停止するように構成されてもよい。特定の例において、制御システム13000は、例えば、エンドエフェクタ12208が関節運動ホーム状態位置に到達したときに、操作者にフィードバックを提供するように構成されてもよい。
特定の例では、コントロールシステム13000は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、及び/又はアプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能モジュールを備えてもよい。図90は、例えば、メモリ13010に記憶され得る例示的な仮想戻り止めモジュール10000を示している。モジュール10000はプログラム命令を含んでもよく、そのプログラム命令は、実行されると、プロセッサ13008に、例えば、エンドエフェクタ12208の関節運動中に関節運動位置から関節運動ホーム状態位置に到達したときに、外科用器具12200の操作者にエンドエフェクタ12208が警告させてもよい。
上述したように、主に図89、図93、及び図94を参照すると、例えば、操作者はロッカー13012を使用してエンドエフェクタ12208を関節運動させてもよい。特定の例では、操作者は、ロッカー13012のドームスイッチ13004Aを押下して、エンドエフェクタ12208を、例えば、時計回りの方向に右などの第1の方向に関節運動させることができ、またドームスイッチ13004Bを押下して、エンドエフェクタ12208を、例えば、反時計回りの方向に左などの第2の方向に関節運動させることができる。様々な例において、図90に示すように、モジュール10000は、ドームスイッチ13004A及び/又は13004Bからの入力信号へのプロセッサ13008の応答を変調することができる。例えば、プロセッサ13008は、例えばドームスイッチ13004Aが押下されている間に、モータ12216を活性化してエンドエフェクタ12208を右に関節運動させるように構成されてもよく、また、プロセッサ13008は、例えばドームスイッチ13004Bが押下されている間に、モータ12216を活性化してエンドエフェクタ12208を左に関節運動させるように構成され得る。加えて、プロセッサ13008は、例えば、操作者がドームスイッチ13004A及び/又は13004Bをそれぞれ解放したときなど、ドームスイッチ13004A及び/又は13004Bからの入力信号が停止されたとき、モータ12216を停止させることによって、エンドエフェクタ12208の関節運動を停止させるように構成されてもよい。
様々な例において、上述のように、関節運動ホーム状態位置は、ある範囲の位置を含んでもよい。特定の例では、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208が関節運動ホーム状態位置を規定する位置の範囲に入ったことを検出するように構成され得る。特定の例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208の関節運動位置を感知及び記録するための1つ以上の位置決めシステム(図示せず)を備えてもよい。プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208がいつ関節ホーム状態位置に入ったかを検出するために、1つ以上の位置決めシステムを利用するように構成され得る。
図90に示すように、特定の例では、関節運動ホーム状態位置に到達すると、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208の関節運動を停止して、関節運動ホーム状態位置に到達したことを操作者に警告してもよく、プロセッサ13008は、特定の例において、操作者がロッカー13012を押下し続ける場合でも関節運動ホーム状態位置における関節運動を停止してもよい。特定の例において、引き続き関節運動ホーム状態位置を越えるために、操作者はロッカー13012を解放し、次いでロッカー13012を再び傾斜させて関節運動を再始動させてもよい。少なくとも1つのそのような例において、操作者は、例えば、エンドエフェクタ12208がホーム状態位置に到達し、プロセッサ13008がエンドエフェクタ12208の関節運動を停止させるまで、ロッカー13012を押してドームスイッチ13004Aを押し下げて、エンドエフェクタ12208をそのホーム状態位置に向かって回転させてもよく、ここで、操作者は、同じ方向におけるエンドエフェクタ12208の関節運動を継続するために、次いでロッカー13012を解放し、次いでロッカー13012を押してドームスイッチ13004Aを再び押し下げることができる。
特定の例では、図91に示すように、モジュール10000は、関節運動ホーム状態位置に到達したときに操作者に警告するためのフィードバック機構を備えてもよい。操作者に感覚フィードバックを提供するために、様々なフィードバック装置12248(図89)がプロセッサ13008によって利用され得る。特定の例では、装置12248は、例えば、表示画面及び/又はLEDインジケータなどの視覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、装置12248は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなど聴覚フィードバック装置を含んでもよい。特定の例において、装置12248は、例えば、触覚フィードバックを提供することができる機械的戻り止めなどの触覚フィードバック装置を含んでもよい。いくつかの例において、触覚フィードバックは、例えば、外科用器具のハンドルに振動のパルスを提供することができる振動モータによって提供され得る。特定の例において、装置12248は、例えば、視覚フィードバック装置、聴覚フィードバック装置、及び/又は触覚フィードバック装置の組み合わせを含んでもよい。
特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、エンドエフェクタ12208の関節運動を停止し、関節運動ホーム状態位置に達したときに操作者にフィードバックを提供するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、操作者にフィードバックを提供してもよいが、関節運動ホーム状態位置に達したときにエンドエフェクタ12208の関節運動を停止しなくてもよい。少なくとも1つの例では、エンドエフェクタ12208は、ホーム状態位置の第1の側の位置からホーム状態位置に向かって移動され、ホーム状態位置を通過し、ホーム状態位置の他方の側で同じ方向に移動し続けることができる。このような動きの間、操作者は、エンドエフェクタ12208がホーム状態位置を通過した瞬間に、何らかの形態のフィードバックを供給されてもよい。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、エンドエフェクタ12208の関節運動を停止してもよいが、関節運動ホーム状態位置に達したときに操作者にフィードバックを提供しなくてもよい。特定の例では、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208がその中心位置を通過するときにエンドエフェクタ12208を一時停止させ、次いでその中心位置を引き続き越えさせることができる。少なくとも1つの例では、エンドエフェクタ12208は、例えば、その中心位置で一時的に、例えば2秒間、休止し、次いで、関節運動スイッチ13012が押下された状態である限り、その関節運動を継続することができる。
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、ロッカースイッチ13012を利用して、エンドエフェクタ12208を再びその非関節運動位置へと関節運動させるように試みることができる。操作者は、エンドエフェクタ12208を外科用器具シャフトの長手方向軸線と正確にかつ/又は反復可能に位置合わせできない場合があることが、読者には理解されよう。しかしながら、様々な例において、操作者は、エンドエフェクタ12208を中心位置の特定の範囲内に容易に位置付けることができる。一例として、操作者は、ロッカースイッチ13012を押してエンドエフェクタ12208をその中心位置に向かって回転させ、次いで、エンドエフェクタ12208がその中心位置に到達したかあるいはその中心位置の近くにあると操作者が考えたときに、ロッカースイッチ13012を解放してもよい。プロセッサ13008は、そのような状況をエンドエフェクタ12208を中央に再配置する試みとして解釈することができ、また、エンドエフェクタ12208がその中心位置にない場合には、プロセッサ13008はエンドエフェクタ12208を自動的に中央に再配置することができる。少なくとも1つの例では、エンドエフェクタ12208が中心位置からいずれかの側に約10度以内にあるときに、外科用器具の操作者がロッカースイッチ13012を解放した場合、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208を自動的に中央に再配置してもよい。
様々な例において、主に図89、図92、及び図95を参照すると、モジュール10000は、関節運動リセット又はセンタリング機構を備え得る。特定の例において、制御システム13000は、エンドエフェクタ12208が関節運動位置にある場合にエンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置にリセット又は復帰させ得るリセット入力を有してもよい。例えば、リセット入力信号を受信すると、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208の関節運動位置を決定することができ、エンドエフェクタ12208が関節運動ホーム状態位置にある場合、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208の関節運動位置を変更するための挙動を行わなくてもよい。しかしながら、プロセッサ13008がリセット入力信号を受信したときに、エンドエフェクタ12208が関節運動位置にある場合、プロセッサ13008はモータ12216を活性化して、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させることができる。図95に示すように、操作者はロッカー13012を下向きに押下してドームスイッチ13004A及び13004Bを、同時に又は少なくとも互いに対して短い間隔で閉鎖することができ、それにより、リセット入力信号をプロセッサ13008に伝送して、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置にリセット又は復帰させることができる。操作者は次いでロッカー13012を解放して、ロッカー13012を中立位置に、スイッチ13004A及び13004Bを開放位置に復帰させることができる。それに代わって、制御システム13000のインターフェース13001は、操作者によって独立に閉鎖されて関節運動リセット入力信号をプロセッサ13008に伝送することができる、例えば別のドームスイッチなどの別個のリセットスイッチを有してもよい。
再び図87を参照すると、外科用器具12200のエンドエフェクタ12208は、アンビル10002を備える第1のジョーと、複数のステープルを含み得るステープルカートリッジ10006を受け入れるように構成されたチャネル10004を備える第2のジョーとを含んでもよい。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、例えば、アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に組織を捕捉するために、開放構成と閉鎖構成との間で遷移され得る。更に、外科用器具12200は発射部材を含んでもよく、その発射部材は、エンドエフェクタ12208が閉鎖構成にあるときに、ステープルをステープルカートリッジ10006から配備し、かつ/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織を切断するために、発射ホーム状態位置と発射後位置との間で軸方向に移動され得る。
上述のように、エンドエフェクタ12208は、中に組織をクランプするために開放構成と閉鎖構成との間で遷移され得る。少なくとも1つの実施形態において、アンビル10002は、組織をステープルカートリッジ10006に対して圧縮するために、開放位置と閉鎖位置との間で移動され得る。様々な例において、アンビル10002が組織に加え得る圧力又は力は、組織の厚さに依存し得る。アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間の所与の間隙距離に関して言えば、アンビル10002は、より薄い組織と比べて、より厚い組織にはより大きな圧縮圧力又は力を加え得る。外科用器具は、例えば、組織に加えられている圧力又は力を検出し得る、例えばロードセルなどのセンサを含むことができる。特定の例では、組織の厚さ及び/又は組成は、圧力又は力が加えられている間に変化し得る。一例として、例えば圧縮された組織内に含まれる血液などの流体は、隣接する組織の中へと外向きに流動し得る。そのような状況において、組織はより薄くなることがあり、かつ/又は組織に加えられる圧縮圧力又は力が低減され得る。組織に加えられている力の圧力を検出するように構成されたセンサは、この変化を検出することができる。センサは、プロセッサ13008と信号通信することができ、プロセッサ13008は、組織に加えられている圧力若しくは力、及び/又は組織に加えられている力の圧力の変化を監視することができる。少なくとも1つの例では、プロセッサ13008は、圧力又は力の変化を評価し、その圧力又は力が定常状態に達しており、もはや変化しないときに、外科用器具の操作者に通知することができる。プロセッサ13008はまた、圧力又は力の変化が閾値又は閾値速度以下であるかどうかを判定することができる。一例として、圧力又は力の変化が、毎秒約10パーセントを超えるとき、プロセッサ13008は、例えば、発射アクチュエータに関連付けられた注意指示器を照明することができ、また圧力又は力の変化が毎秒約10パーセント以下であるとき、プロセッサは、例えば、発射アクチュエータに関連付けられた発射準備インジケータを照明することができる。いくつかの状況において、外科用器具は、例えば、圧力又は力の変化が閾値速度以下になるまで、発射部材がエンドエフェクタ12208を通って遠位に前進することを禁止し得る。
特定の例において、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に格納されたステープルのうちの一部のみを配備することを選択してもよい。発射部材が十分に前進された後、このような状況において、発射部材は後退され得る。様々な他の例において、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に格納されたステープルの全てを配備することを選択してもよい。いずれの場合も、外科用器具の操作者は、ハンドル組立体12210から延在する発射アクチュエータを押下して、モータ12216を作動させ、発射部材を遠位側に前進させることができる。モータ12216は、発射アクチュエータが十分に押下された後に作動され得る。少なくとも1つの動作モードでは、発射アクチュエータの更なる押下は、モータ12216の動作に影響を与えない場合がある。モータ12216は、発射アクチュエータが解放されるまで、プロセッサ13008によって指令される様式で動作され得る。少なくとも1つの他の動作モードでは、発射アクチュエータが押下される程度又は量は、モータ12216が動作される様式に影響を及ぼし得る。一例として、発射アクチュエータの初期押下は、プロセッサ13008によって検出され得、それに応答して、プロセッサ13008は、モータ12216を第1の速度で動作させ得るが、発射アクチュエータの追加的な押下が、プロセッサ13008によって検出され得、それに応答して、プロセッサ13008は、例えばより速い速度などの第2の速度でモータ12216を動作させ得る。特定の例において、発射アクチュエータの押下の変化は、モータ速度の変化に比例し得る。少なくとも1つの例では、発射アクチュエータの押下の変化は、モータ速度の変化に線形比例し得る。様々な状況において、発射アクチュエータが更に引かれると、モータ12216はより速く動作される。特定の実施形態において、発射アクチュエータに加えられる圧力又は力の量は、モータ12216が動作される様式に影響を及ぼし得る。一例として、発射アクチュエータに加えられる初期の圧力又は力は、プロセッサ13008によって検出され得、それに応答して、プロセッサ13008は、モータ12216を第1の速度で動作させ得るが、発射アクチュエータに加えられる追加的な圧力又は力が、プロセッサ13008によって検出され得、それに応答して、プロセッサ13008は、例えばより速い速度などの第2の速度でモータ12216を動作させ得る。特定の例において、発射アクチュエータに加えられる圧力又は力の変化は、モータ速度の変化に比例し得る。少なくとも1つの例では、発射アクチュエータに加えられる圧力又は力の変化は、モータ速度の変化に線形比例し得る。2010年12月7日に発行された米国特許第7,845,537号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」の開示は、全体が参照により組み込まれる。
上述のように、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に格納されたステープルの全てを配備することを選択してもよい。そのような状況において、操作者は、発射アクチュエータを押下し、次いで、発射部材の発射行程中にステープルの全てが配備されたと思われるときに、アクチュエータを解放することができる。いくつかの例において、外科用器具は、発射行程が完了したときにプロセッサ13008によって照明され得るインジケータを含み得る。好適なインジケータは、例えば、発光ダイオード(LED)を含み得る。特定の例において、操作者は、発射行程が完了する直前であるに過ぎない可能性があるにもかかわらず、完全に完了したと考えることもある。外科用器具は、発射行程内の発射部材の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができ、このセンサはプロセッサ13008と信号通信することができる。発射行程がほぼ完了した位置で終了した場合、プロセッサ13008は、発射部材の発射行程を終了させるようにモータ12216に命令することができる。一例として、発射部材が発射行程の最後の5mmを除く全てを完了した場合、プロセッサ13008は、操作者が発射行程を完了させようとしていると想定し、発射行程を自動的に完了させてもよい。
再び図87を参照すると、外科用器具12200のインターフェース13001は、ホーム状態入力部13014を有することができる。操作者は、ホーム状態入力部を利用してホーム状態入力信号をプロセッサ13008に伝送し、外科用器具12200をホーム状態に復帰させてもよく、これには、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に、及び/又は発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させることが含まれてもよい。図89及び図93に示すように、ホーム状態入力部13014は、例えばキャップ又はカバーを有してもよく、このキャップ又はカバーが操作者によって押下されると、スイッチ13004Cを閉鎖し、回路13006Cを通じてホーム状態入力信号をプロセッサ13008に伝送することができる。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させるように構成され得るが、別の入力部が発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させるために利用されてもよい。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させるように構成され得るが、例えばロッカー13012などの別の入力部が、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させるために利用されてもよい。
様々な例において、プロセッサ13008は、ホーム状態入力信号をホーム状態入力部13014から受信すると、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させ、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させるように構成され得る。特定の例において、ホーム状態入力信号に対するプロセッサ13008の応答は、外科用器具12200が発射モードにあるか又は関節運動モードにあるかに依存し得、プロセッサ13008が、外科用器具12200が関節運動モードにあると判定した場合、プロセッサ13008は、例えば、ホーム状態入力信号に応答して、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させることができ、また、プロセッサ13008が、外科用器具12200が発射モードにあると判定した場合、プロセッサ13008は、例えば、ホーム状態入力信号に応答して、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させることができる。特定の例において、発射部材は、エンドエフェクタ12208が閉鎖構成にあるときにのみ、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射するために、軸方向に前進され得る。そのような例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208が閉鎖構成にあるときにのみ発射モードにあり得る。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、エンドエフェクタ12208が開放構成にあるときにのみ関節運動され得る。そのような例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208が開放構成にあるときにのみ関節運動モードにあり得る。したがって、特定の例では、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208が開放構成にあるか閉鎖構成にあるかを判定することによって、外科用器具12200が関節運動モードにあるか発射モードにあるかを判定するように構成され得る。特定の例では、エンドエフェクタ12208が開放構成にあるか閉鎖構成にあるかを判定するために、プロセッサ13008によって1つ以上のセンサ13016(図89)が利用され得る。
ここで図87及び図96を参照すると、外科用器具12200は、例えばハンドル組立体12202に含められ得る画面12251を備えてもよい。画面12251は、例えば、外科用器具12200の操作者に警告、案内、及び/又はフィードバックを提供するために、本明細書に記載されるマイクロコントローラのうちの1つ以上によって利用され得る。画面12251は、出力ディスプレイ12250を生成することができる。使用時に、操作者は、例えばハンドル組立体12202を傾斜、反転、及び/又は回転させることができ、それに応じて、マイクロコントローラは、出力ディスプレイ12250の向きを変更して、外科用器具12200の操作者の視野及び/又は慣性系若しくは少なくとも実質的に慣性系の座標系などの任意の好適な座標系に対する出力ディスプレイ12250の向きを改善、整列、及び/又は調節することができる。固定座標系は、少なくとも部分的に重力によって規定され得る。場合によっては、地球の重力の下向き加速度は、図96においてベクトル-gによって表され得る。特定の例では、例えば、プロセッサ13008などのプロセッサは、基準系に対するハンドル組立体12202の位置の変化を検出し、基準系に対する画面12251の相対位置に従って画面12251の複数の向きのうちの1つを採用するように構成されてもよい。
特定の例では、図96に示すように、画面12251は、ハンドル組立体12202の上面10008上に配置され得る。様々な例において、表面10008は、ハンドル組立体12202を表す第1の組のデカルト座標の座標X1及びY1によって規定される第1の平面内に延在してもよい。様々な例において、画面12251は、第1の平面内に位置付けられてもよい。いくつかの例において、画面12251は、第1の平面に平行に延在する平面及び/又は第1の平面に対して固定された関係にある任意の好適な平面内に位置付けられてもよい。本明細書の便宜のために、ハンドル組立体を表すデカルト座標の第1の組は、画面12251と位置合わせされ、したがって、デカルト座標のスクリーンの組と呼ばれることが想定される。出力ディスプレイ12250は、デカルト座標の第2の又はディスプレイの組の座標X2及びY2によって規定される第2の平面内に存在することができる。特定の例において、図96に示すように、第1の平面は、例えば、第2の平面と同一平面上にあることができる。更に、デカルト座標の第1の又はスクリーンの組は、少なくともいくつかの例において、デカルト座標の第2の又はディスプレイの組と整合され得る。例えば、+X1は+X2と整列されるか又は+X2に平行であってもよく、+Y1は+Y2と整列されるか又は+Y2に平行であってもよく、+Z1は+Z2と整列されるか又は+Z2に平行であってもよい。それに対応して、いくつかの例において、-X1は-X2と整列されるか又は-X2に平行であってもよく、-Y1は-Y2と整列されるか又は-Y2と並行であってもよく、-Z1は-Z2と整列されるか又は-Z2に平行であってもよい。以下により詳細に記載されるように、デカルト座標の第2の又はディスプレイの組は、特定の例において、デカルト座標の第1の又はスクリーンの組に対して再整列され得る。様々な例において、ディスプレイデカルト座標の特定の配置が好まれ得る。一例として、外科用器具12200の中立位置は、+gベクトルと位置合わせされているスクリーン座標の+Z1軸と一致し得る。以下により詳細に記載されるように、プロセッサ13008は、ディスプレイ座標に対する整列度を変更することなく、基準系におけるスクリーン座標間の一定量の偏差を許容することができるが、しかしながら、基準系におけるスクリーン座標間の特定の偏差を超えて、プロセッサは、スクリーン座標に対するディスプレイ座標の整列を変更することができる。
図97~図98Dを参照すると、モジュール10010は、ハンドル組立体12202の位置の変化に応じて、複数の向きの間で出力ディスプレイ12250の向きを変更するか又は変化させるように構成され得るが、この向きは、例えば、ハンドル組立体12202内に収容され得る1つ以上の加速度計(図示せず)からの入力によって監視され得る。上述のように、また図98Aに示すように、出力ディスプレイ12250は、第1の向きを採用してもよく、この向きにおいて、外科用器具が中立位置にあるとき、デカルト座標のディスプレイの組の+X2及び+Y2ベクトルはそれぞれ、デカルト座標のスクリーンの組の+X1及び+Y1ベクトルと整列されるか、あるいは少なくとも実質的に整列される。特定の例において、図98Bに示すように、例えば、出力ディスプレイ12250は、第2の向きを採用してもよく、この向きにおいて、デカルト座標のディスプレイの組の+Y2及び+X2ベクトルはそれぞれ、デカルト座標のスクリーンの組の+Y1及び-X1ベクトルと整列されるか、あるいは少なくとも実質的に整列される。特定の例において、図98Cに示すように、例えば、出力ディスプレイ12250は、第3の向きを採用してもよく、この向きにおいて、デカルト座標のディスプレイの組の+X2及び+Y2ベクトルはそれぞれ、デカルト座標のスクリーンの組の-X1及び-Y1ベクトルと整列されるか、あるいは少なくとも実質的に整列される。特定の例において、図98Dに示すように、例えば、出力ディスプレイ12250は、第4の向きを採用してもよく、この向きにおいて、デカルト座標の第2イの組の+X2及び+Y2ベクトルはそれぞれ、デカルト座標のスクリーンの組の-Y1及び+X1ベクトルと整列されるか、あるいは少なくとも実質的に整列される。他の向きも可能である。
図97~図98Dを参照すると、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202の位置の変化に適応するように、例えば、第1の向き、第2の向き、第3の向き、及び/又は第4の向きを含む複数の向きの間で、出力ディスプレイ12250の向きをトグルするように構成され得る。特定の例において、モジュール10010は、例えば、第1、第2、第3、及び/又は第4の向きの間でトグルする間に向きのディザリングを防止するためのヒステリシス制御アルゴリズムを含んでもよい。ヒステリシス制御アルゴリズムは、ディスプレイの向きの変化をもたらす事象の初期検出と、ディスプレイの向きを変更するためのプロセッサコマンドとの間に遅延を生成することができる。したがって、ヒステリシス制御アルゴリズムは、潜在的に過渡的な向きをもたらす事象を無視することができ、定常状態又は十分に定常状態に達するまでディスプレイの向きを変えるのを最適に待機することができる。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、Z1軸の+Z1ベクトルと重力軸gの-gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるときに、出力ディスプレイ12250を第1の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるときに、出力ディスプレイ12250を第2の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、Y1軸の+Y1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるときに、出力ディスプレイ12250を第3の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの-gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるときに、出力ディスプレイ12250を第4の向きにするように構成され得る。特定の例において、この最大角度は、例えば、約0度~約10度の範囲から選択される任意の角度とすることができる。特定の例において、この最大角度は、例えば、約0度~約5度の範囲から選択される任意の角度とすることができる。特定の例において、この最大角度は約5度とすることができる。上記の最大角度は例示的であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図97~図98Dを参照すると、特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、Z1軸の+Z1ベクトルと重力軸gの-gベクトルとが互いに整列するか、又は少なくとも実質的に整列するとき、出力ディスプレイ12250を第1の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとが互いに整列するか、又は少なくとも実質的に整列するとき、出力ディスプレイ12250を第2の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、Y1軸の+Y1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとが互いに整列するか、又は少なくとも実質的に整列するとき、出力ディスプレイ12250を第3の向きにするように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの-gベクトルとが互いに整列するか、又は少なくとも実質的に整列するとき、出力ディスプレイ12250を第4の向きにするように構成され得る。
図97~図98Dを参照すると、特定の例では、プロセッサ13008は、ハンドル12212が例えば約80度から、例えば約100度の範囲から選択される角度だけ長手方向軸線LL(図87)を中心に時計回りに回転される場合、出力ディスプレイ12250を第1の向きから第2の向きに回転させるように構成され得る。ハンドル12212が長手方向軸LLを中心として80度未満だけ時計回りに回転される場合、プロセッサ13008は、この例では出力ディスプレイ12250の向きを変えなくてもよい。特定の例では、プロセッサ13008は、ハンドル12212が例えば約80度から、例えば約100度の範囲から選択される角度だけ長手方向軸線LLを中心に反時計回りに回転される場合、ディスプレイ12250を第1の向きから第4の向きに回転させるように構成され得る。ハンドル12212が長手方向軸LLを中心として80度未満だけ反時計回りに回転される場合、プロセッサ13008は、この例では出力ディスプレイ12250の向きを変えなくてもよい。
上述したように、例えば、操作者はロッカー13012を使用してエンドエフェクタ12208を関節運動させてもよい。特定の例において、操作者は、エンドエフェクタ12208を時計回りの方向に右に関節運動させるために、指を第1の方向に移動させてロッカー13012を傾斜させてドームスイッチ13004Aを押下してもよく、また操作者は、例えば、エンドエフェクタ12208を左に反時計回りの方向に関節運動させるために、第1の方向とは反対の第2の方向に指を移動させて、ドームスイッチ13004Bを押下してもよい。
特定の例では、インターフェース13001及び/又はハンドル組立体12202に対するロッカー13012の位置及び/又は向きに応じて、ハンドル組立体12202の第1の位置又は中立位置において、第1の方向は、例えば上向きの方向であり得、第2の方向は、例えば図87及び図100Aに示すように、下向きの方向であり得る。そのような例において、外科用器具12200の操作者は、例えば、エンドエフェクタ12208を右に関節運動させるために、指を上に移動することに慣れることができ、また操作者は、例えば、エンドエフェクタ12208を左に関節運動させるために、指を下に移動することに慣れることができる。しかしながら、特定の例では、操作者は、例えば、図100Bに示されるように、ハンドル組立体12202の位置を、例えば、上下逆さまの位置などの第2の位置に変更してもよい。そのような例では、操作者が指の移動方向を反転させることを覚えていない場合、操作者は、操作者が意図した方向とは反対の方向にエンドエフェクタ12208を誤って関節運動させることがある。
図99を参照すると、外科用器具12200はモジュール10012を備えてもよく、このモジュールは、操作者が外科用器具12200の操作に関して外科医が慣れ得る移動方向を維持することを可能にし得るものである。上述のように、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202の位置及び/又は向きの変化に応答して、複数の構成の間をトグルするように構成され得る。特定の例において、図99に示すように、プロセッサ13008は、ハンドル組立体12202の第1の位置及び/又は向きに関連付けられたインターフェース13001の第1の構成と、ハンドル組立体12202の第2の位置及び/又は向きと関連付けられたインターフェース13001の第2の構成との間でトグルするように構成され得る。
特定の例において、第1の構成では、プロセッサ13008は、例えば、ドームスイッチ13004Aが押下されたときに、関節運動モータに命令してエンドエフェクタ12208を右に関節運動させるように構成され得、またプロセッサ13008は、例えば、ドームスイッチ13004Bが押下されたときに、関節運動モータに命令してエンドエフェクタ12208を左に関節運動させるように構成され得る。第2の構成では、プロセッサ3008は、例えば、ドームスイッチ13004Aが押下されたときに、関節運動モータに命令してエンドエフェクタ12208を左に関節運動させるように構成され得、またプロセッサ13008は、例えば、ドームスイッチ13004Bが押下されたときに、関節運動モータに命令してエンドエフェクタ12208を右に関節運動させ得る。様々な実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタ12208を両方向に関節運動させるための1つのモータを備えてもよいが、他の実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタ12208を第1の方向に関節運動させるように構成された第1のモータと、エンドエフェクタ12208を第2の方向に関節運動させるように構成された第2のモータと、を備え得る。
図99~図100Bを参照すると、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202が第1の位置及び/又は向きにある間には第1の構成を取り、例えば、ハンドル組立体12202が第2の位置及び/又は向きにある間には第2の構成を取るように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202内に収容され得る1つ以上の加速度計(図示せず)からの入力によって、ハンドル組立体12202の向き及び/又は位置を検出するように構成され得る。そのような加速度計は、様々な例において、重力に対するハンドル組立体12202の向き、すなわち上及び/又は下を検出することができる。
特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202を通って延在するベクトルD(図87)と重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約0度から、例えば約100度の範囲の任意の角度である間には、第1の構成を取るように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ベクトルDと重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約0度から、例えば約90度の範囲の任意の角度である間には、第1の構成を取るように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ベクトルDと重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約80度以下である間には、第1の構成を取るように構成され得る。
特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ベクトルDと重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約80度以上である間には、第2の構成を取るように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ベクトルDと重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約90度以上である間には、第2の構成を取るように構成され得る。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、ベクトルDと重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約100度以上である間には、第2の構成を取るように構成され得る。
ハンドル組立体12202の記載された向き及び/又は位置、並びにプロセッサ13008によって取られるそれらの対応する構成は、例示的な性質のものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが、読者には理解されよう。プロセッサ13008は、ハンドル組立体12202の様々な他の向き及び/又は位置に関連して様々な他の構成を取るように構成され得る。
図101を参照すると、特定の例において、外科用器具12200は、例えばディスプレイ12250などのディスプレイを介して受信された操作者からの入力によって、制御及び/又は操作されるか、又は少なくとも部分的に制御及び/又は操作され得る。ディスプレイ12250は、1つ以上のタッチジェスチャの形態をなし得る、操作者からの入力を受信するように適合されたタッチ画面を備えてもよい。様々な例において、ディスプレイ12250は、例えば、操作者によって提供されるタッチジェスチャに応じて様々な機能を外科用器具12200に実行させるように構成され得るプロセッサ13008などのプロセッサに結合されてもよい。特定の例において、ディスプレイ12250は、例えば、容量性タッチ画面、抵抗性タッチ画面、又は任意の好適なタッチ画面を含んでもよい。
再び図101を参照すると、ディスプレイ12250は、外科用器具12200によって実行され得る複数の機能に関連付けられ得る複数のアイコンを含んでもよい。特定の例において、プロセッサ13008は、ある機能を表すアイコンが外科用器具12200の操作者によって選択され、タッチされ、かつ/又は押されると、外科用器具12200にそのような機能を実行させるように構成され得る。特定の例において、例えば、メモリ13010などのメモリは、複数のアイコンを複数の機能と関連付けるための1つ以上のモジュールを含んでもよい。
特定の例では、図101に示されるように、ディスプレイ12250は、例えば発射アイコン10014を含んでもよい。プロセッサ13008は、操作者が発射アイコン10014にタッチし、かつ/又は発射アイコンを押したときに、発射入力信号を検出するように構成され得る。発射入力信号の検出に応答して、プロセッサ13008は、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射しかつ/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織を切断するために、モータ12216を活性化して外科用器具12200の発射部材を動かすように構成され得る。特定の例では、例えば、図101に示すように、ディスプレイ12250は、例えば時計回りの方向などの第1の方向にエンドエフェクタ12208を関節運動させるための関節運動アイコン10016を含んでもよく、ディスプレイ12250はまた、例えば反時計回りの方向などの第2の方向にエンドエフェクタ12208を関節運動させるための関節運動アイコン10018を含んでもよい。ディスプレイ12250は、例えば、そのアイコンが外科用器具12200の操作者によって選択され、タッチされ、かつ/又は押されたときに、プロセッサ13008が外科用器具12200に実行させ得る様々な他の機能に関連付けられた様々な他のアイコンを備えてもよいことが、読者には理解されよう。
特定の例では、ディスプレイ12250のアイコンのうちの1つ以上は、例えば、アイコンがタッチされるか又は押されることによって実行され得る機能を表す単語、記号、及び/又は画像を含んでもよい。特定の例において、関節運動アイコン10016は、時計回り方向に関節運動したエンドエフェクタ12208の画像を示してもよい。特定の例において、関節運動アイコン10018は、反時計回り方向に関節運動したエンドエフェクタ12208の画像を示してもよい。特定の例において、発射アイコン10014は、ステープルカートリッジ10006から発射されているステープルの画像を示してもよい。
図87及び図102を参照すると、外科用器具12200のインターフェース13001は、例えば、閉鎖トリガ10020、回転ノブ10022、関節運動ロッカー13012、及び/又は発射入力部13017(図103)などの複数の操作制御部を備えてもよい。特定の例において、外科用器具12200のインターフェース13001の様々な操作制御部は、それらの動作機能に加えて、ナビゲーションコントロールとして機能することができる。特定の例において、外科用器具12200は、操作モードとナビゲーションモードとを備えてもよい。操作モードでは、外科用器具12200の制御部の一部又は全てが、操作機能を実行するように構成されてもよく、ナビゲーションモードでは、外科用器具12200の制御部の一部又は全てが、ナビゲーション機能を実行するように構成されてもよい。様々な例において、外科用器具12200の制御部の一部又は全てによって実行されるナビゲーション機能は、制御部によって実行される操作機能に関係付けられ、関連付けられ、及び/又は連結され得る。換言すれば、外科用器具12200の制御部によって実行される操作機能は、そのような制御部によって実行されるナビゲーション機能を定義することができる。
図87及び図102を参照すると、特定の例において、例えば、プロセッサ13008などのプロセッサは、外科用器具12200が操作モードにある間の一次インターフェース構成と、外科用器具12200がナビゲーションモードにある間の二次インターフェース構成との間でトグルするように構成され得る。プロセッサ13008は、例えば、操作モードではインターフェース13001の制御部のうちのいくつか又は全てに操作機能を割り当て、ナビゲーションモードではそのような制御部にナビゲーション機能を割り当てるように構成され得る。特定の例において、例えば、二次インターフェース構成における制御部のナビゲーション機能は、一次インターフェース構成における制御部の操作機能によって定義される。
図102を参照すると、特定の例では、外科用器具12200の操作者は、例えば、ディスプレイ12250内のナビゲーションメニュー10024を開く又はアクティブ化することによってナビゲーションモードを活性化してもよい。特定の例において、外科用器具12200は、ナビゲーションモードを活性化するためのナビゲーションモードボタン又はスイッチ(図示せず)を備えてもよい。いずれにしても、プロセッサ13008は、ナビゲーションモード入力信号を受信すると、インターフェース13001の制御部を一次インターフェース構成から二次インターフェース構成に切り替えることができる。
図102に示すように、ナビゲーションメニュー10024は、様々な選択可能なカテゴリ、メニュー、及び/若しくはフォルダ、並びに/又は様々なサブカテゴリ、サブメニュー、及び/若しくはサブフォルダを含んでもよい。特定の例において、ナビゲーションメニュー10024は、例えば、関節運動カテゴリ、発射カテゴリ、閉鎖カテゴリ、電池カテゴリ及び/又は回転カテゴリを含んでもよい。
特定の例において、関節運動ロッカー13012は、例えば、操作モードでは、上述のように、エンドエフェクタ12208を関節運動させるために利用され得、ナビゲーションモードでは、関節運動カテゴリを選択し、関節運動メニューを起動及び/又はナビゲートするために利用され得る。特定の例において、発射入力部13017(図103)は、例えば、操作モードでは、上述のように、ステープルを発射するために利用され得、ナビゲーションモードでは、発射カテゴリを選択し、発射メニューを起動及び/又はナビゲートするために利用され得る。特定の例において、閉鎖トリガ10020は、例えば、操作モードでは、上述のように、開放構成と接近構成との間でエンドエフェクタ12208を遷移させるために利用され得、ナビゲーションモードでは、閉鎖カテゴリを選択し、閉鎖メニューを起動及び/又はナビゲートするために利用され得る。特定の例において、回転ノブ10022は、例えば、操作モードでは、細長シャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を回転させるために利用され得、ナビゲーションモードでは、回転カテゴリを選択し、回転メニューを起動及び/又はナビゲートするために利用され得る。
主に図87及び図103を参照すると、外科用器具12200の操作は、一続きの又は一連の工程、処置、事象、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。様々な状況において、図103に示されるように、外科用器具12200は、様々な工程、処置、及び/又は事象に関して外科用器具12200の操作者にフィードバックを案内、警告、及び/又は提供するように構成され得るインジケータシステム10030を含んでもよい。
様々な例において、インジケータシステム10030は、複数のインジケータ10032を含み得る。特定の例において、インジケータ10032は、例えば表示画面、バックライト、及び/又はLEDなど、視覚インジケータを備えてもよい。いくつかの例において、インジケータ10032は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなど聴覚インジケータを含んでもよい。いくつかの例において、インジケータ10032は、例えば、触覚アクチュエータなどの触覚インジケータを含んでもよい。いくつかの例において、インジケータ10032は、例えば、視覚インジケータ、聴覚インジケータ、及び/又は触覚インジケータの組み合わせを含んでもよい。
図103を参照すると、インジケータシステム10030は、例えば、プロセッサ13008などの1つ以上のプロセッサを含み得るマイクロプロセッサ13002などの1つ以上のマイクロコントローラ、及び/又は、例えば、メモリ13010などの1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。様々な例において、プロセッサ13008は、例えば、外科用器具12200の状態並びに/又は外科用器具12200の動作に関する工程、処置、及び/若しくは事象の進行に関するフィードバックをプロセッサ13008に提供するように構成され得る様々なセンサ10035及び/又はフィードバックシステムに連結されてもよい。
様々な例において、外科用器具12200の動作は、例えば、関節運動工程、閉鎖工程、発射工程、発射リセット工程、閉鎖リセット工程、関節運動リセット工程、及び/又はこれらの組み合わせを含む様々な工程を含み得る。様々な例において、関節運動工程は、例えば、関節運動位置へとエンドエフェクタ12208を細長シャフト12204に対して関節運動させることを含んでもよく、関節運動リセット工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を関節運動ホーム状態位置に復帰させることを含んでもよい。様々な例において、閉鎖工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を閉鎖構成に遷移させることを含んでもよく、閉鎖リセット工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を開放構成に遷移させることを含んでもよい。様々な例において、発射工程は、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを配備するため及び/又はエンドエフェクタ12208によって捕捉された組織を切断するために、発射部材を前進させることを含んでもよい。様々な例において、発射リセット工程は、例えば、発射ホーム状態位置への発射部材の後退を伴ってもよい。
図103を参照すると、インジケータシステム10030のインジケータ10032のうちの1つ以上は、外科用器具12200の動作に関連して実行される様々な工程のうちの1つ以上に関連付けられ得る。様々な例において、図103に示されるように、インジケータ10032は、例えば、緊急離脱組立体12228に関連付けられた緊急離脱インジケータ10033、関節運動工程に関連付けられた関節運動インジケータ10034、閉鎖工程に関連付けられた閉鎖インジケータ10036、発射工程に関連付けられた発射インジケータ10038、関節運動リセット工程に関連付けられた関節運動リセットインジケータ10040、閉鎖リセット工程に関連付けられた閉鎖リセットインジケータ10042、及び/又は発射リセット工程に関連付けられた発射リセットインジケータ10044を含んでもよい。上記の工程及び/又はインジケータは本質的に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことが、読者には理解されよう。様々な他の工程及び/又はインジケータが、本開示によって企図される。
図87を参照すると、様々な例において、インターフェース13001の制御部のうちの1つ以上が、外科用器具12200の動作の工程のうちの1つ以上において利用され得る。特定の例において、閉鎖トリガ10020は、例えば、閉鎖工程で利用され得る。特定の例において、発射入力13017(図103)は、例えば、発射工程で利用され得る。特定の例において、関節運動ロッカー13012は、例えば、関節運動工程及び/又は関節運動リセット工程で利用され得る。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、例えば、発射リセット工程で利用され得る。
図103を参照すると、様々な例において、外科用器具10030の動作の工程のうちの1つに関連付けられたインジケータ10032はまた、そのような工程で利用される制御部に関連付けられてもよい。例えば、関節運動インジケータ10034は、関節運動ロッカー13012と関連付けられてもよく、閉鎖インジケータ10036は閉鎖トリガ10020と関連付けられてもよく、発射インジケータ10038は、発射入力部13017に関連付けられてもよく、かつ/又は発射リセットインジケータ10044はホーム状態入力部13014に関連付けられてもよい。特定の例では、インジケータをインターフェース13001の制御部と関連付けることは、例えば、操作者がインジケータを制御部と関連付けることを補助するために、制御部の上に、制御部の内部に、部分的に制御部の中に、かつ/又は制御部に近接してインジケータを配置又は位決めすることを含んでもよい。上記の制御部及び/又はそのような制御部と関連付けられるインジケータは本質的に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことが、読者には理解されよう。様々な他の制御部及びそのような制御部に関連付けられるインジケータも本開示によって企図される。
様々な例において、プロセッサ13008は、インジケータ10032に関連付けられた工程の順序によって定義される1つ以上のシーケンスにおいてインジケータ10032を活性化するように構成され得る。例えば、操作者は、関節運動工程で始まり、閉鎖工程がそれに続き、更に発射行程がそれに続く一連の工程で外科用器具12200を動作させることが必要となり得る。このような例では、プロセッサ13008は、工程の順序と同じ順序で、対応する関節運動インジケータ10034、閉鎖インジケータ10036、及び発射インジケータ10038を活性化することによって、一連の工程を通して操作者を案内するように構成され得る。換言すれば、プロセッサ13008は、例えば、最初に関節運動インジケータ10034を活性化し、続いて閉鎖インジケータ10036を活性化し、更に続いて発射インジケータ10038を活性化するように構成され得る。特定の例では、外科用器具12200はバイパススイッチ(図示せず)を備えてもよく、そのバイパススイッチは、推奨されるが必須ではない工程を操作者がバイパスすることを可能にするように構成され得る。そのような例では、バイパススイッチを押すことにより、プロセッサ13008に、シーケンス内の次のインジケータを活性化するように合図してもよい。
様々な例において、プロセッサ13008は、外科用器具12200の操作者に案内、警告、及び/又はフィードバックを提供するために、複数のインジケータ構成間でインジケータ10032をトグルするように構成され得る。様々な例において、プロセッサ13008は、例えば、活性化構成及び/又は非活性化構成を含み得る複数のインジケータ構成の間でインジケータ10032をトグルすることによって、外科用器具12200の操作者に視覚的手掛かりを提供することができる。特定の例では、インジケータ10032のうちの1つ以上は、例えば、インジケータ10032に関連付けられた工程を実行するように操作者に警告するために、第1のインジケータ構成で活性化され得る光源を備えてもよく、また例えば、その光源は、例えば、工程が完了したときに操作者に警告するために、第2のインジケータ構成において非活性化されてもよい。
特定の例では、光源は、点滅構成と非点滅構成との間でプロセッサ13008によって遷移され得る点滅光であり得る。特定の例では、点滅光は、非点滅構成において、例えば、固体照明に遷移されるか、又はオフにされ得る。特定の例では、点滅構成における点滅光は、例えば、工程が進行中の待機期間を表してもよい。特定の例では、点滅光の点滅頻度は、様々な視覚的手掛かりを提供するように変更されてもよい。例えば、待機期間を表す点滅光の点滅頻度は、待機期間がその完了に近づくにつれて増加又は減少され得る。待機期間は、例えば、強制待機期間及び/又は推奨待機期間であり得ることが読者には理解されよう。特定の例では、強制待機期間は、推奨待機期間とは異なる点滅構成によって表され得る。特定の例では、点滅光は、強制待機期間を表す第1の色と、推奨待機期間を表す第2の色とを含んでもよく、第1の色は第2の色とは異なるものである。特定の例において、第1の色は、例えば赤色であってもよく、第2の色は、例えば黄色であってもよい。
様々な例において、インジケータ10032のうちの1つ以上は、例えば、外科用器具12200の操作工程のうちの標準的な次の工程での使用に利用可能な制御部を表す第1のインジケータ構成、外科用器具12200の動作工程のうちの非標準的な次の工程での使用に利用可能な制御部を表す第2のインジケータ構成、及び/又は外科用器具12200の動作工程の次の工程での使用に利用可能でない制御部を表す第3のインジケータ構成の間で、プロセッサ13008によってトグルされてもよい。一例として、外科用器具12000のエンドエフェクタ12208が開放構成にあるとき、関節運動インジケータ10034及び閉鎖インジケータ10036は照明されて、それらの2つの機能、すなわち、エンドエフェクタの関節運動とエンドエフェクタの閉鎖がその瞬間に操作者に利用可能であることを外科用器具12200の操作者に示すことができる。このような状態では、発射インジケータ10038は照明されず、発射機能がその瞬間に操作者に利用可能でないことが操作者に示されてもよい。エンドエフェクタ12208が閉鎖及び/又はクランプ構成に配置されると、関節運動インジケータ10034は照明解除されて、関節運動機能がその瞬間にもはや利用可能でないことが操作者に示されてもよい。このような状態では、閉鎖インジケータ10036の照明は低減されて、閉鎖機能がその瞬間に逆転され得ることが操作者に示されてもよい。更に、このような状態では、発射インジケータ10038は照明され、発射機能がその瞬間に操作者に利用可能であることが操作者に示されてもよい。発射部材が少なくとも部分的に前進させられると、閉鎖インジケータ10036は照明解除されて、閉鎖機能がその瞬間に逆転され得ないことが示されてもよい。発射部材がその未発射位置まで後退されたとき、必要に応じて、発射インジケータ10038の照明が低減されて、発射部材を再前進し得ることが操作者に示されてもよい。あるいは、発射部材が後退されると、発射インジケータ10038は照明解除されて、発射部材がその瞬間に再前進され得ないことが操作者に示されてもよい。いずれの場合も、閉鎖インジケータ10036は、発射部材がその未発射位置へと後退された後に再照射されて、閉鎖機能がその瞬間に逆転され得ることが操作者に示され得る。関節運動インジケータ10034は依然として照明解除されており、関節運動機能がその瞬間に利用可能でないことが示されてもよい。エンドエフェクタ12208が開放されると、発射インジケータ10038は、まだ照明解除されていない場合に照明解除されて、発射機能がその時点で利用可能でないことが操作者に示されてもよく、閉鎖インジケータ10036は依然として照明されているか、あるいはその照明が低減されて、閉鎖機能がその瞬間にも依然として利用可能であることが操作者に示されてもよく、また、関節運動インジケータ10034は再照明されて、関節運動機能がその瞬間に利用可能であることが操作者に示されてもよい。上記の例は例示的なものであり、他の実施形態も可能である。
特定の例では、インジケータ10032のうちの1つ以上は、例えば、第1インジケータ構成における第1の色、第2のインジケータ構成における第2の色、及び/又は第3のインジケータ構成における第3の色の間で、プロセッサ13008によってトグルされ得る光源を含んでもよい。特定の例では、インジケータ10032は、例えば、光源の光強度を変化させるか、又は色スペクトルを走査することによって、第1のインジケータ構成、第2のインジケータ構成、及び/又は第3のインジケータ構成の間でプロセッサ13008によってトグルされ得る。特定の例において、第1のインジケータ構成は、例えば第1の光強度を含んでもよく、第2のインジケータ構成は、例えば第2の光強度を含んでもよく、かつ/又は第3のインジケータ構成は、例えば第3のインジケータ構成を含んでもよい。
様々な例において、外科用器具12200の動作の発射工程において、発射部材は、ステープルカートリッジ10006からアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織の中に複数のステープルを配備し、切断部材(図示せず)を前進させて、捕捉された組織を切断するように駆動され得る。ステープルカートリッジの非存在下であるいは使用済みステープルカートリッジの存在下で、切断部材を前進させて、捕捉された組織を切断することは望ましくない場合もあることが、読者には理解されよう。したがって、様々な例において、外科用器具12200は、例えば、ステープルカートリッジの非存在下であるいは使用済みステープルカートリッジの存在下で切断部材が前進するのを防止するために活性化され得るロックアウト機構(図示せず)を備えてもよい。
図104を参照すると、モジュール10046が、例えばインジケータシステム10030(図103)などのインジケータシステムによって利用され得る。様々な例において、モジュール10046は、例えばメモリ13010などの1つ以上のメモリユニットに記憶されたプログラム命令を備えてもよく、そのプログラム命令は、実行されると、例えば、外科用器具12200の動作の発射工程の間に、プロセッサ13008にインジケータ10032を利用させて、外科用器具12200の操作者に警告、案内、及び/又はフィードバックを提供し得るものである。特定の例において、例えば、発射インジケータ10038及び/又は発射リセットインジケータ10044など、インジケータ10032のうちの1つ以上は、例えば、外科用器具12200の動作の発射工程の間に、外科用器具12200の操作者に警告、案内、及び/又はフィードバックを提供するために、第1のインジケータ構成、第2のインジケータ構成、及び/又は第3のインジケータ構成の間でプロセッサ13008によってトグルされ得る。
図103及び図104を参照すると、外科用器具12200の操作者は、例えば、発射部材を駆動してステープルカートリッジ10006から複数のステープルを捕捉された組織の中に配備し、切断部材を前進させて捕捉された組織を切断するために、発射入力部13017を作動させて、プロセッサ13008にモータ12216を活性化させ得る。特定の例において、発射インジケータ10038は、発射入力部13017が使用のために利用可能であること、及び/又は発射工程の完了のために利用可能な標準的な制御オプションのうちの1つであることを操作者に警告するために、第1のインジケータ構成に設定され得る。
特定の例では、図103及び図104に示されるように、ロックアウト機構がアクティブであることをプロセッサ13008が検出した場合、プロセッサ13008は、例えばモータ12216を停止及び/又は非活性化することによって切断部材の前進を停止してもよい。加えて、プロセッサ13008は、発射入力部13017が使用のために利用可能でないことを操作者に注意するために、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成から第3のインジケータ構成に遷移させるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、ディスプレイ12250を照明し、欠落したステープルカートリッジの画像を表示するように構成されてもよい。特定の例において、プロセッサ13008はまた、発射部材を駆動して切断部材を発射ホーム状態位置へと後退させるために、ホーム状態入力部13014が使用のために利用可能であることを操作者に通知するために、例えば、発射リセットインジケータ10044を第1のインジケータ構成に設定してもよい。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、センサ10035を介して新しいステープルカートリッジの設置を検出し、それに応じて、例えば、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成に復帰させるように構成され得る。
特定の例において、図104に示すように、操作者が発射工程の完了前に発射入力13017を解放した場合、プロセッサ13008は、モータ12216を停止するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、外科用器具12200の動作の発射工程の完了のための標準的な制御オプションとしての使用に発射入力部13017が利用可能であることを操作者に警告するために、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成に維持してもよい。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、操作者が外科用器具12200の動作の発射工程を中止するように決定した場合、例えば、切断部材を発射ホーム状態位置へと後退させるための使用に利用可能な非標準的な制御オプションとしての使用にホーム状態入力部13014が利用可能であることを操作者に知らせるために、発射リセットインジケータ10044を第2のインジケータ構成に設定してもよい。
上記に加えて、図104に示すように、発射入力部13017が操作者によって再作動された場合、プロセッサ13008は、それに応答して、切断部材が完全に前進するまで、モータ12216を再活性化して切断部材を前進させ続けてもよい。特定の例では、プロセッサ13008は、切断部材が完全に前進したことを検出するためにセンサ10035を利用してもよく、次いで、プロセッサ13008は、例えば、発射部材を駆動して切断部材を発射ホーム状態位置に後退させるために、モータ12216の回転方向を逆転させてもよい。特定の例では、プロセッサ13008は、例えば、切断部材が発射ホーム状態位置に到達したことをプロセッサが検出した場合、例えば、モータ12216を停止し、かつ/又は、例えば、閉鎖リセットインジケータ10042を第1のインジケータ構成に設定するように構成され得る。
本明細書に記載されるように、外科用器具は、様々な動作状態、モード、及び/又は構成に移行することができる。特定の例において、器具は、器具を不要な状態、モード、及び/又は構成から解く方法について確信を持てない操作者が望まない動作状態、モード、及び/又は構成に移行することがある。少なくとも1つの例では、外科用器具はリセットボタンを含むことができ、そのリセットボタンは、作動されると、器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成に配し得るものである。一例として、デフォルト状態、モード、及び/又は構成は、動作モードは含むが、ナビゲーションモードは含まなくてもよい。少なくとも1つの例では、デフォルト状態及び/又は構成は、例えば、ディスプレイ出力部12250の特定の向きを含むことができる。リセットボタンは、外科用器具をデフォルト状態、モード、及び/又は構成に配し得るプロセッサ13008と信号通信することができる。特定の例において、プロセッサ13008は、外科用器具をデフォルト状態、モード、及び/又は構成に保持するように構成され得る。少なくとも1つの例では、外科用器具はロックボタンを含むことができ、そのロックボタンは、作動されると、器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成にロックし得るものである。特定の例において、ロックボタンは、外科用器具を現在の状態、モード、及び/又は構成にロックし得る。動作状態、モード、及び/又は構成は、ロックボタンを再度、作動させることによってロック解除され得る。様々な実施形態において、外科用器具は、プロセッサ13008と信号通信する少なくとも1つの加速度計を含むことができ、この加速度計は、器具ハンドルが振盪されているか、又は前後に素早く移動されていることを判定し得る。そのような振盪が検知されると、プロセッサ13008は、外科用器具をデフォルトの動作状態、モード、及び/又は構成に配することができる。
様々な例において図105を参照すると、外科用組立体10050は、例えば、外科用器具12200及び遠隔操作ユニット10052などの外科用器具を含み得る。特定の例では、外科用器具12200は、例えば、図87に示されるようにハンドル組立体12202内に存在し得るインターフェース13001などの一次インターフェースを備えてもよい。特定の例では、インターフェース13001は、例えば、閉鎖トリガ10020(図87)、回転ノブ10022、関節運動ロッカー13012、ホーム状態入力部13014、及び/又は発射入力部13017(図103)などの複数の一次制御部を含んでもよい。
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、例えば、外科手術を実施するためにインターフェース13001の一次制御部を手動で操作してもよい。上述したように、操作者は、例えば、関節運動ロッカー13012を作動させてモータ12216を活性化して、非関節運動位置と関節運動位置との間でエンドエフェクタ12208を関節運動させることができる。特定の例において、操作者は、例えば、開放構成と閉鎖構成との間でエンドエフェクタ12208を遷移させるために、閉鎖トリガ10020を作動させることができる。特定の例において、操作者は、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射しかつ/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織を切断するために、発射入力部13017を作動させてモータ12216を活性化して外科用器具12200の発射部材を駆動させ得る。
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、インターフェース13001を手動で操作することを可能にするために、ハンドル組立体12202に十分に近接しなくてもよい。例えば、操作者は、遠隔位置から制御され得るロボット制御式の外科用システムを用いて外科用器具12200を操作することができる。そのような例において、操作者は、例えば、操作者がロボット制御式の外科用システムを操作する遠隔位置から外科用器具12200を操作することが必要となり得る。操作者は、例えば、遠隔操作ユニット10052を用いて外科用器具12200を遠隔操作することができる。様々なロボット制御式のシステム、器具、構成要素、及び方法が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,072,535号に開示されている。
図105及び図106を参照すると、遠隔操作ユニット10052は、例えば、二次インターフェース13001’、ディスプレイ12250’、及び/又は電源組立体12206’(又は「電力源」又は「パワーパック」)を含んでもよい。様々な例において、二次インターフェース13001’は、一次インターフェース13001’の一次制御部に対応し得る複数の二次制御部を含んでもよい。特定の例において、遠隔操作ユニット10052は、例えば、関節運動ロッカー13012に対応する遠隔関節運動ロッカー13012’を含んでもよい。特定の例において、遠隔操作ユニット10052は、例えば、外科用器具12200の発射入力部13017に対応する遠隔発射入力部13017’を含んでもよい。特定の例において、遠隔操作ユニット10052は、例えば、外科用器具12200のホーム状態入力部13014に対応する遠隔ホーム状態入力部13014’を含んでもよい。
特定の例では、図105に示されるように、遠隔操作ユニット10052、インターフェース13001’、及び/又は複数の二次制御部は、それぞれ、ハンドル組立体12202、インターフェース13001、及び/又は複数の一次制御部とは異なる形状及び/又は設計を備えてもよい。特定の例では、図106に示されるように、遠隔操作ユニット10052、インターフェース13001’、及び/又は複数の二次制御部は、それぞれ、ハンドル組立体12202、インターフェース13001、及び/又は複数の一次制御部と同じ又は少なくとも実質的に同じ形状及び/又は設計を備えてもよい。
様々な例において、図105及び図106に示されるように、例えば、遠隔操作ユニット10052は、例えば、外科用器具12200のプロセッサ13008に様々な作動信号を送信するように構成され得る細長い可撓性ケーブル10054を介して、外科用器具12200のハンドル組立体12202に連結され得る。様々な作動信号は、例えば、インターフェース13001’の複数の二次制御部を作動させることによって生成され得る。特定の例では、図107に示すように、遠隔操作ユニット10052は送信機10056を備えてもよく、この送信機は、例えば、ハンドル組立体12202内に配置され得る受信機10058を介して、例えば、二次インターフェース13001’の二次制御によって生成された作動信号を遠隔操作ユニット10052からプロセッサ13001に無線で送信するように構成され得る。
様々な例において、外科用器具12200及び/又は遠隔操作ユニット10052は、通信活性化入力部(図示せず)を含み得る。特定の例において、通信活性化入力部を作動させることは、例えば、外科用器具12200と遠隔操作ユニット10052との間の通信を確立するための予備的な工程であってもよく、通信が確立されると、操作者は、例えば、遠隔操作ユニット10052を利用して外科用器具12200を遠隔制御することができる。
様々な例において、メモリ13010は、パペットモードのためのプログラム命令を含んでもよく、そのプログラム命令は、実行されると、一次インターフェース13001の複数の一次制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答と同じ又は少なくとも同様の方式で、二次インターフェース13001’の複数の二次制御部によって生成された作動信号に対して、プロセッサ13008に応答させ得るものである。換言すれば、複数の二次制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答は、例えば、複数の一次制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答を模倣するように構成され得る。
特定の例において、遠隔発射入力部13017’の作動は、発射入力部13017の作動と同じ又は少なくとも同様のプロセッサ13008からの応答を求められ得るが、その求められる応答は、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射しかつ/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織を切断するために、モータ12216を活性化して発射部材を駆動させることを含み得る。特定の例において、遠隔関節運動ロッカー13012’の作動は、関節運動ロッカー13012の作動と同じ又は少なくとも同様のプロセッサ13008からの応答を求められ得るが、その求められる応答は、例えば、エンドエフェクタ12208を細長いシャフト12204に対して関節運動させるためのモータ12216の活性化を含んでもよい。
特定の例において、プロセッサ13008は、一次インターフェース13001の一次制御部と二次インターフェース13001’の対応する二次制御部の両方からの入力作動信号を要求して、そのような制御部によって求められる機能を実行するように構成され得る。そのような例において、遠隔操作ユニット10052の遠隔操作者は、例えば、遠隔操作者が二次インターフェース13001’の二次制御部を作動させている間に、一次インターフェース13001の一次制御部を手動で作動させるために雇われ得る追加の操作者の支援を必要とし得る。
様々な例において、上記のように、操作者は、ロボット制御システムによって遠隔位置から制御され得るロボット制御式の外科用システムと共に外科用器具12200を操作することができる。特定の例において、遠隔操作ユニット10052は、ロボット制御システムと連携して動作するように構成され得る。特定の例において、ロボット制御システムは1つ以上の制御ポートを含んでもよく、遠隔操作ユニット10052は、ロボット制御システムの制御ポートと連結係合するための接続手段を備えてもよい。そのような例では、操作者は、例えばロボット制御システムのインターフェースを介して外科用器具12200を操作することができる。様々な例において、制御ポートは、例えば、一貫した製品品質及び性能を確保するために元の機器製造業者の構成要素の使用を必要とし得る、固有の機械的及び/又は電気的構成を含んでもよい。
様々な例において、遠隔操作ユニット10052は、多くの点でハンドル組立体12202のインジケータ10032に類似し得る様々なインジケータ10032’を含んでもよい。特定の例では、遠隔操作ユニット10052のインジケータ10032’は、外科用器具12200の様々な操作工程に関して操作者に案内、警告、及び/又はフィードバックを提供するために、インジケータ10032と同じ又は少なくとも実質的に同じ様式でプロセッサ13008によって利用され得る。
様々な例において、遠隔操作ユニット10052は、多くの点でハンドル組立体12202のフィードバック装置12248に類似し得る様々なフィードバック装置12248’を含んでもよい。特定の例では、遠隔操作ユニット10052のフィードバック装置12248’は、外科用器具12200の様々な操作工程に関して操作者に感覚フィードバックを提供するために、フィードバック装置12248と同じ又は少なくとも実質的に同じ様式でプロセッサ13008によって利用され得る。フィードバック装置12248と同様に、フィードバック装置12248’は、例えば、視覚フィードバック装置、聴覚フィードバック装置、触覚フィードバック装置、及び/又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
様々な例において、図108に示されるように、遠隔操作ユニット10052は、例えば、第1の外科用器具10060に含められるか若しくはそれと一体化されてもよく、また第2の外科用器具10062を操作するために利用されてもよい。特定の例では、第1の外科用器具10060は、例えば、手術野10065内に存在してもよく、また手術野10065内から操作者によって手動で操作されてもよく、第2の外科用器具10062は、手術野10065の外側に存在してもよい。特定の例では、例えば、手術野10065から抜け出すことを回避するために、操作者は遠隔操作ユニット10052を使用して、手術野10065内から第2の外科用器具10062を遠隔操作することができる。特定の例では、第2の外科用器具10062は、例えば円形ステープラであってもよい。2013年1月29日に発行された米国特許第8,360,297号、名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT WITH SELF ADJUSTING ANVIL」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
様々な例において、第1の外科用器具10060及び/又は第2の外科用器具10062は、通信活性化入力部(図示せず)を含み得る。そのような例において、通信活性化入力部を作動させることは、例えば、第1の外科用器具10060と第2の外科用器具10062との間の通信を確立するための予備的な工程であってもよく、通信が確立されると、操作者は、例えば、遠隔操作ユニット10052を利用して第2の外科用器具10062を遠隔制御することができる。
様々な例において、外科用システムは、互いに取り付けられかつ/又は組み合わされて外科用器具を形成し得るモジュール式構成要素を含み得る。特定の例では、モジュール式構成要素は、異なる時間にかつ/又は異なるソフトウェア及び/若しくはファームウェアの改訂及び更新に従って、設計、製造、プログラミング、及び/又は更新され得る。例えば、主に図109及び図110を参照すると、外科用器具14100は、例えばハンドルなどの第1のモジュール式構成要素14110と、例えばシャフト14122及びエンドエフェクタ14124などの第2のモジュール式構成要素14120とを含み得るが、これらについて本明細書でより詳細に説明される。様々な状況において、第1のモジュール式構成要素14110と第2のモジュール式構成要素14120は、互いに組み付けられて、モジュール式外科用器具14100又は少なくともその一部分を形成することができる。任意選択により、例えば、第2のモジュール式構成要素14120とは異なる寸法及び/又は特徴を有するシャフトなど、異なるモジュール式構成要素が、第1のモジュール式構成要素14110に連結されてもよい。様々な例において、外科用器具は、例えば、モジュール式電池などの更なるモジュール構成要素を含んでもよい。モジュール式外科用器具14100の構成要素は、外科用器具14100の様々な要素及び/又は機能を制御するように設計及び構成された制御システムを含んでもよい。例えば、第1のモジュール式構成要素14110及び第2のモジュール式構成要素14120はそれぞれ制御システムを含むことができ、各モジュール式構成要素14110、14120の制御システムは、通信及び/又は協働することができる。様々な例において、第1のモジュール式構成要素14110は、例えば、第2のモジュール式構成要素14120とは異なる時間にかつ/又は異なるソフトウェア及び/若しくはファームウェアと共に設計、製造、プログラミング、及び/又は更新されてもよい。
ここで図111を参照すると、組み立てられた外科用システムは、第1の制御システム14150’及び第2の制御システム14150を含み得る。制御システム14150’、14150は、例えば、信号通信することができる。様々な例において、第2のモジュール式構成要素14120は、例えば、複数の制御モジュール14152を含み得る制御システム14150を備えることができる。制御モジュール14152は、例えば、外科用器具14100の要素若しくはサブシステムと共に、かつ/又は要素若しくはサブシステムによって、外科的機能に影響を与え得る。制御モジュール14152は、例えば、予めプログラムされたルーチン、操作者による入力、及び/又はシステムフィードバックに基づいて外科的機能に影響を与え得る。様々な例において、第1のモジュール式構成要素14110はまた、例えば、複数の制御モジュール14152’を含み得る制御システム14150’を備えることができる’。制御システム14150’及び/又は第1のモジュール式構成要素14110の制御モジュール14152’のうちの1つは、制御システム14150及び/又は第2のモジュール式構成要素14120の制御モジュール14152のうちの1つと異なっていてもよい。制御システム14150及び14150’は異なっていてもよいが、制御システム14150及び14150’は、対応する機能を制御するように構成され得る。例えば、制御モジュール14152(a)及び制御モジュール14152(a)’はいずれも、例えば、発射行程を実施するためにファームウェアモジュール14158にコマンドを発行することができる。様々な例において、本明細書でより詳細に記載されるように、制御システム14150、14150’及び/又はその制御モジュール14152、14152’のうちの1つは、更新されたソフトウェア及び/若しくはファームウェアを含んでもよく、かつ/又は、より最近の有効日を有することができる。
制御モジュール14152、14152’は、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、プログラム、モジュール、及び/若しくはルーチンを含んでいてよく、かつ/又は、例えば、複数のソフトウェア、ファームウェア、プログラム、制御モジュール、及び/若しくはルーチンを含んでいてもよい。様々な状況において、制御システム14150、14150’は、複数の階層及び/又はコマンドレベルを含むことができる。例えば、制御システム14150は、制御モジュール14152の第1の階層14144、制御モジュール14152の第2の階層14146、及び/又は制御モジュール14152の第3の階層14148を含んでもよい。例えば、第1の階層14144の制御モジュール14152は、例えば、第2の階層14146の制御モジュール14152にコマンドを発行するように構成されてもよく、第2の階層14146の制御モジュール14152は、第3の階層14148の制御モジュール14152にコマンドを発行するように構成されてもよい。様々な例において、制御システム14150、14150’は、例えば、3つより少ない階層及び/又は3つより多い階層を含み得る。
更に図111を参照すると、第1の階層14144内の制御モジュール14152は、高レベルソフトウェア又は臨床アルゴリズム14154を含み得る。臨床アルゴリズム14154は、例えば、外科用器具14100の高レベル機能を制御することができる。特定の例においては、第2の階層14146の制御モジュール14152は、例えば、外科用器具14100の中間レベルの機能を制御し得る中間ソフトウェア又はフレームワークモジュール14156を含んでもよい。特定の例においては、第1の階層14144の臨床アルゴリズム14154は、外科用器具14100を制御するための抽象コマンドを第2の階層14146のフレームワークモジュール14156に発行することができる。更に、第3の階層14148の制御モジュール14152は、例えば、ファームウェアモジュール14158を含んでいてよく、このファームウェアモジュールは、外科用器具14100の特定のハードウェア構成要素14160のための専用のものであってよい。例えば、ファームウェアモジュール14158は、外科用器具14100の特定の切断要素、発射バー、トリガ、センサ、及び/又はモータに対応していてよく、かつ/又は、例えば、外科用器具14100の特定のサブシステムに対応していてよい。様々な例において、フレームワークモジュール14156は、対応するハードウェア構成要素14160と共に外科的機能を実現するためのコマンドをファームウェアモジュール14158に向けて発行することができる。したがって、外科的処置中に、外科用システム14100の様々な制御モジュール14152が通信及び/又は協働することができる。
依然として図111を参照すると、第2の構成要素14120の制御システム14150は、第1の構成要素14110の制御システム14150’に対応することができ、第2の構成要素14120の様々な制御モジュール14152は、第1の構成要素14110の制御モジュール14152’に対応することができる。換言すれば、各制御モジュール14152は、並列又は対応する制御モジュール14152’を含むことができ、制御モジュール14152及び14152’のいずれもが、同一、類似、及び/若しくは関連する機能を実行するように、かつ/又は同一、類似、及び/若しくは関連するコマンドを提供するように構成され得る。依然として図111を参照すると、制御モジュール14152aは、制御モジュール14152a’に対応することができる。例えば、制御モジュール14152a及び14152a’はいずれも、切断要素の発射行程を制御することができるが、しかしながら、例えば、制御モジュール14152aは、第1の切断要素設計又はモデル番号を制御するように構成されてもよく、制御モジュール14152a’は、異なる切断要素設計又はモデル番号を制御するように構成されてもよい。他の例において、例えば、制御モジュール14152a’は、ソフトウェアプログラムを備えることができ、制御モジュール14152aは、ソフトウェアプログラムの更新又は改訂されたバージョンを備えることができる。
様々な例において、外科用器具14100の第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の臨床アルゴリズム14154とは異なる臨床アルゴリズム14154’を含み得る。追加的にかつ/又は代替的に、第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の対応するフレームワークモジュール14156とは異なるフレームワークモジュール14156’を含むことができ、かつ/又は第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の対応するファームウェアモジュール14158とは異なるファームウェアモジュール14158’を含むことができる。
様々な例において、対応する制御モジュール14152、14152’は、異なる有効日付を含み得る。当業者であれば、制御モジュール14152、14152’の有効日付は、例えば、制御モジュール14152、14152’が設計、作成、プログラム、及び/又は更新された日付に対応し得ることを理解するであろう。制御モジュールの有効日付は、例えば、制御モジュールのプログラムコードに記録又は記憶され得る。特定の例において、外科用器具14100の制御モジュールは、旧式のものとすることができる。更に、旧式の又は最近更新されていない制御モジュールは、最新の及び/又はより最近更新された制御モジュールと適合性がなく、それらから分離され、かつ/又はそれらから切断されてもよい。したがって、特定の例において、外科用器具14100の適切かつ有効な動作を確実にするために、最新の制御モジュールを更新することが望ましい場合がある。
様々な例において、外科用システムのモジュール式構成要素は、既定のデフォルト又はマスター制御システムを含むことができる。そのような例では、組み立てられたモジュール式構成要素の制御システムが異なる場合、デフォルト制御システムは、非デフォルト制御システムを更新、上書き、改訂、及び/又は置換することができる。換言すれば、例えば、対応する制御モジュールが異なるか、不適合であるか、又は一貫性がない場合、非デフォルト制御モジュールが更新されてもよく、またデフォルト制御モジュールが保存されてもよい。例えば、ハンドル14110が非デフォルト制御システムである制御システム14150’を備え、シャフト14120が、マスター制御システムである制御システム14150を備える場合、ハンドル14110の制御システム14150’は、シャフト14120の制御システム14150に基づいて更新され得る。
シャフト構成要素が、ハンドル構成要素よりも頻繁に更新及び/又は修正される状況においては、デフォルト制御システムを含むように、外科用器具のシャフト構成要素14120をプログラムすることが望ましい場合がある。例えば、新しい世代の及び/又は繰り返しのシャフト構成要素14120が、新しい世代の及び/又は繰り返しのハンドル構成要素14110よりも頻繁に導入される場合、モジュール式外科用器具14100のシャフト構成要素14120に、デフォルト又はマスター制御システムを含めることが有利であり得る。本開示全体をとおして説明される様々な状況は、シャフト構成要素の制御モジュールに基づいて、ハンドル構成要素の制御モジュールを更新することに関連するが、しかしながら、他の想到される状況において、シャフト構成要素及び/又は異なるモジュール式構成要素の制御モジュールが、ハンドル構成要素の制御モジュールの代わりに、又はそれに加えて更新され得ることが当業者には容易に理解されよう。
様々な例において、外科用器具14100(図109及び図110)は、制御システム14150’内の各階層又はレベルにおける制御モジュール14152’を、制御システム14150内の対応するそれぞれの階層又はレベルにおける制御モジュール14152と比較することができる。対応する階層における制御モジュール14152と14152’が異なる場合、制御システム14150、14150’は、例えば、非デフォルト制御モジュールを更新し得る。図112を参照すると、工程14201において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第1の階層14144’の制御モジュール14152’を、第2の構成要素14120の第1の階層14144の制御モジュール14152と比較することができる。第1の階層14144、14144’がそれぞれ高レベル臨床アルゴリズム14154、14154’を含む場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば臨床アルゴリズム14154と14154’を比較することができる。更に、工程14203において、第1の階層14144、14144’における制御モジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば、第1の階層14144のデフォルトモジュール14152で第1の階層14144’のモジュール14152’を更新することができる。様々な例において、例えば、制御システム14150が制御システム及び/又は制御モジュールを比較及び/又は更新することができ、他の状況では、制御システム14150’が制御システム及び/又は制御モジュールを比較及び更新することができる。様々な例において、制御システム14150、14150’のうちの1つが、制御システム及び/又は制御モジュールを比較及び/又は更新するように構成されてもよく、他の例では、両方の制御システム14150、14150’が、制御システム及び/又は制御モジュールを比較及び/又は更新するように構成されてもよい。
工程14205において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第2の階層14146’の制御モジュール14152’を、第2の構成要素14120の第2の階層14146の制御モジュール14152と比較することができる。例えば、第2の階層14146、14146’が中間フレームワークアルゴリズム14156、14156’を含む場合、制御システム14150、14150’は、例えばフレームワークアルゴリズム14156と14156’を比較することができる。工程14207において、第2の階層14146、14146’のモジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150、14150’は、第2の階層14146’のデフォルト制御モジュール14152で第2の階層14146’の制御モジュール14152を更新することができる。様々な例において、第2の階層14146’の制御モジュール14152’のうちの1つ以上は、第2の階層14146の対応するモジュール14152と同じであり得るが、第2の階層14146’の全ての制御モジュール14152’は、任意の対応する第2の階層モジュール14152、14152’が異なる場合に更新され得る。他の例では、本明細書でより詳細に記載されるように、対応するモジュール14152とは異なる制御モジュール14152’のみが更新されてもよい。
工程14209において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第3の階層14148’の制御モジュール14152’を、第2の構成要素14120の第3の階層14148の制御モジュール14152と比較することができる。例えば、第3の階層14148、14148’がファームウェアモジュール14158、14158’を含む場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば、ファームウェアモジュール14158と14158’を比較することができる。第3の階層14148、14148’のモジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、工程211において、第3の階層14148のデフォルト制御モジュール14152で第3の階層14148’の制御モジュール14152’を更新することができる。様々な例において、第3の階層14148’の制御モジュール14152’のうちの1つ以上は、第3の階層14148の対応するモジュール14152と同じであり得るが、第3の階層14148’の全てのモジュール14152’は、任意の対応する第3の階層モジュール14152、14152’が異なる場合に更新され得る。他の例では、本明細書でより詳細に記載されるように、対応する制御モジュール14152とは異なる制御モジュール14152’のみが更新されてもよい。更に図112を参照すると、第1の階層制御モジュール14154、14154’は、例えば第2の階層制御モジュール14156、14156’に先立って更新され得、第2の階層制御モジュール14156、14156’は、例えば第3の階層制御モジュール14158、14158’に先立って更新され得る。他の例では、本明細書でより詳細に記載されるように、第3の階層制御モジュール14158、14158’は、例えば第2の階層制御モジュール14156、14156’に先立って更新され得、第2の階層制御モジュール14156、14156’は、例えば第1の階層制御モジュール14154、14154’の前に更新され得る。
上述したように、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、古い制御モジュール14152、14152’及び/又は制御システム14150、14150’を更新、交換、及び/又は上書きするのに先立って、制御システム14150、14150’及び/又はその制御モジュール14152、14152’を比較してもよい。ソフトウェア更新及び/又はアップグレードが不要又は不当であるときに、この工程によって器具の始動時間が短縮され得ることが、読者には理解されよう。代替的に、比較工程14201、14205及び14209は排除されてもよく、制御システム14150、14150’は、例えば、第1のモジュール式構成要素14110の制御モジュール14152’及び/又は第1のモジュール式構成要素14110の特定の所定の制御モジュール14152を自動的に更新、交換、改訂及び/又は上書きすることができる。
様々な例において、制御モジュール14152、14152’は階層ごとに比較及び更新されてもよく、他の例では、制御システム14150、14150’はシステムごとに比較及び更新されてもよい。更に他の例では、制御モジュール14152、14152’は、モジュールごとに更新されてもよい。例えば、ここで図113を参照すると、工程14221において、第1の制御システム14150’の第3の階層モジュール14158’が、第2の制御システム14150の対応する第3の階層モジュール14158と比較され得る。様々な例において、第3の階層モジュール14158’の有効日付は、対応する第3の階層モジュール14158の有効日付と比較されてもよい。更に、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第3の階層モジュール14158’の有効日付が第3の階層モジュール14158の有効日付よりも後の日付であるかどうかを判定することができる。第3の階層モジュール14158’が第3の階層モジュール14158よりも新しい場合、第3の階層モジュール14158’は、工程14225で保存され得る。逆に、例えば、第3の階層モジュール14158’が第3の階層モジュール14158よりも新しくない場合、すなわち、第3の階層モジュール14158が、対応する第3の階層モジュール14158よりも以前のものである場合、あるいは、第3の階層モジュール14158とその対応する第3の階層モジュール14158’が同じ有効日付を有する場合、第3の階層モジュール14158’は、対応する第3の階層モジュール14158によって更新、置換、改訂、及び/又は上書きされ得る。更に、様々な例において、工程14221と工程14223又は工程14225のいずれかが、制御システム14150、14150’の第3の階層内の各モジュール14158、14158’に対して繰り返され得る。したがって、例えば、第3の階層14148’内のモジュール14158’は、モジュールごとに更新されてもよく、また様々な例において、古いモジュール14158’のみが更新及び/又は上書きされてもよい。
更に図113を参照すると、全ての第3の階層モジュール14158、14158’が比較され、場合によっては更新された後、制御システム14150、14150’は工程14227に進むことができる。工程14227において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の制御システム14150’の第3の階層モジュール14158’が制御システム14150’の第2の階層モジュール14156’と接続されていること及び/又は適切に通信していることを確認することができる。例えば、工程14223で第3の階層モジュール14158’が更新された状況では、第2の階層モジュール14156’は、更新された第3の階層モジュール14158’から切断されてもよい。例えば、第3の階層モジュール14158’が第2の階層モジュール14156’から切断される場合、第2の階層モジュール14156’は、工程14229で更新、置換、改訂、及び/又は上書きされ得る。例えば、第2の階層モジュール14156’は、第2の制御システム14150の対応する第2の階層モジュール14156によって置換され得る。逆に、第3の階層モジュール14158’が、第2の階層モジュール14156’と適切に接続され、かつ/又は第2の階層モジュール14156’と通信している場合、第2の階層モジュール14156’は保存され得る。更に、様々な例において、工程14227と工程14229又は工程14231のいずれかとが、制御システム14150、14150’の第3の階層内の各モジュール14158、14158’に対して繰り返され得る。したがって、例えば、第2の階層14146’内のモジュール14156’は、モジュールごとに更新されてもよく、また様々な例において、切断されたモジュール14156’のみが更新又は上書きされてもよい。
任意の古い第3の階層モジュール14158’(工程14221及び工程14223)を更新し、全ての更新された第3の階層モジュール14158’が、存在する場合は、第1のモジュール式構成要素14110上の適切な第2の階層モジュール14156’に接続されている(工程14227、工程14229及び工程14231)ことを確認した後、制御システム14150、14150’は工程14233に進むことができ、ここで、第1の制御システム14150’の第1の階層モジュール14154’が、第2の制御システム14150の対応する第1の階層モジュール14154と比較され得る。第1の階層モジュール14154、14154’が同じである場合、更新及び/又は改訂プロセスが完了され得る。逆に、第1の階層モジュール14154、14154’が異なる場合、第1の制御システム14150’の第1の階層モジュール14154’は、第2の制御システム14150の第1の階層モジュール14154によって更新、置換、改訂、及び/又は上書きされ得る。
本明細書に記載されるように、モジュール式構成要素14110、14120のソフトウェア及び/又はファームウェアモジュールは、モジュールごとに、階層ごとに、かつ/又はシステムごとに更新、改訂、及び/又は置換され得る。特定の例では、モジュール式構成要素が取り付けられ、及び/又は動作可能に連結されるとき、更新及び/又は改訂プロセスは自動的となり得る。他の状況において、外科用器具14100の操作者が、本明細書に記載される更新及び/又は改訂プロセスを開始又はトリガすることができる。
様々な例において、モジュール式外科用器具14100(例えば、図109及び図110)などのモジュール式外科用器具は、係合センサ及びディスプレイと信号通信するマイクロコントローラを含むことができる。様々な例において、係合センサは、外科用システムのモジュール式構成要素の相対的な配置を検出することができる。再び図109及び図110を参照すると、例えば、第1のモジュール式構成要素14110がハンドルを備え、第2のモジュール式構成要素14120がシャフトを備えるとき、係合センサは、シャフト14120がハンドル14110と係合されかつ/又は動作可能に連結されているかどうかを検出することができる。様々な例において、シャフト14120は、ハンドル14110との係合(図109)と、ハンドル14110からの係合解除(図110)との間で移動可能であり得る。
主に図114A及び図114Bを参照すると、例えば、係合センサ14602などの係合センサは、例えば、外科用システムのマイクロコントローラ14604などのマイクロコントローラと信号通信することができる。様々な例において、係合センサ14602は、例えば、モジュール式構成要素14110、14120が係合されているかあるいは係合解除されているかを検出することができ、また、例えば、係合又はその欠如をマイクロコントローラ14604に通知することができる。例えば、係合センサ14602が、シャフト14120がハンドル14110と係合されていることを示すとき、マイクロコントローラ14604は、モジュール式外科用器具14100による外科的機能を許可することができる(図109)。例えば、モジュール式構成要素14110、14120が動作可能に連結されている場合、例えば、ハンドル14110上の発射トリガ14112(図109)の作動は、シャフト14120内の発射運動に影響を及ぼし得るか、あるいは少なくとも影響を及ぼそうとし得る。逆に、係合センサ14602が、シャフト14120がハンドル14110から係合解除されていることを示す場合、マイクロコントローラ14604は、外科的機能を阻止することができる。例えば、モジュール式構成要素14110、14120が切断されている場合、発射トリガ14612の作動は、シャフト14120内の発射運動に影響を与え得ないか、あるいは影響を与えようとし得ない。
様々な例において、モジュール式外科用器具14100は、例えばディスプレイ14606(図114(B))などのディスプレイを含むことができる。ディスプレイ14606は、外科用器具14100のモジュール式構成要素14110、14120のうちの1つに組み込まれてもよく、かつ/又はモジュール式構成要素14110、14120の外部にあり、外科用器具14100のマイクロコントローラ14604と信号通信してもよい。様々な例において、マイクロコントローラ14604は、係合センサ14602によって検出された情報をディスプレイ14606に通信することができる。例えば、ディスプレイ14606は、モジュール式構成要素14110、14120の係合及び/又は非係合を描写することができる。更に、様々な例において、ディスプレイ14606は、(a)外科用器具14100の係合解除された構成要素14110、14120を適切に取り付け、連結し、かつ/若しくは係合する方法、及び/又は、(b)外科用器具14100の係合された構成要素14110、14120を適切に取り外し、連結解除し、かつ/若しくは係合解除する方法、に関する指示及び/又は案内を提供することができる。図114Aを再び参照すると、様々な例において、係合センサ14604はホール効果スイッチを備えることができ、他の例において、係合センサは、例えば、別個の及び/又は追加のセンサ及び/又はスイッチを備えることができる。
特定の状況において、係合センサ14604は、外科用器具のモジュール式構成要素間の係合の程度を検出することができる。例えば、第1の構成要素がハンドル14110を含み、例えば、第2の構成要素がシャフト14120を含む場合、ハンドル14110及びシャフト14120は、係合解除位置と、部分係合位置と、係合位置との間で移動することができる。例えば、部分係合位置は、例えば、係合解除位置と係合位置との中間にあってもよく、また、係合位置と係合解除位置との中間に複数の部分係合位置が存在してもよい。様々な例において、係合センサ14604は、構成要素14110、14120の部分係合位置を検出し得る複数のセンサを含むことができる。例えば、係合センサ14606は、例えば、モジュール式構成要素14110、14120のうちの少なくとも1つの取り付け部分に沿って千鳥状に配置され得る複数のセンサ及び/又は電気接点を備えることができる。様々な例において、例えば、係合センサ14604はホール効果センサを含み得る。
特定の例では、主に図115A及び図115Bを参照すると、外科用システム14100は、例えばマイクロコントローラ14614などのマイクロコントローラと信号通信する複数のセンサを含むことができる。複数のセンサは、例えば、第1のセンサ14612(図115A)を含んでもよく、この第1のセンサは、第1の構成要素14120の存在を検出することができ、また第1の構成要素14120の存在をマイクロコントローラ14614に通信することができる。様々な例において、第1のセンサ14612は、例えば、第1の構成要素14110と第2の構成要素14120との間の係合の程度を検出及び/又は通信しなくてもよい。様々な例において、第2のセンサ14613(図115A)はまた、マイクロコントローラ14614と信号通信することができる。第2のセンサ14613は、例えば、モジュール式構成要素14110と14120との間の係合の程度を検出することができる。
図114A及び図114Bに示される制御システムと同様に、マイクロコントローラ14614は、センサ14612及び14613から受信されたフィードバックに基づいてコマンドを発行することができ、かつ/又は、ディスプレイと信号通信して、フィードバックを表示しかつ/又は別様に外科用システムの操作者と通信することができる。例えば、マイクロコントローラ14614は、モジュール式構成要素14110、14120が係合位置に位置するまで外科的機能を阻止することができ、また、例えば、モジュール式構成要素14110、14120が部分的に係合されているときに外科的機能を阻止することができる。更に、マイクロコントローラ14614は、係合センサによって検出された情報をディスプレイに通信することができる。例えば、ディスプレイは、モジュール式構成要素14110、14120の係合、部分係合及び/又は非係合を描写することができる。更に、様々な例において、ディスプレイは、例えば、外科用器具の係合解除された及び/又は部分的に係合された構成要素14110、14120を適切に取り付け、連結し、かつ/又は係合する方法に関する指示及び/又は案内を提供することができる。
様々な例において、外科用器具は、例えば、メモリチップ又はメモリユニットと信号通信し得る、マイクロプロセッサ14604(図114A及び図114B)又は14614(図115A及び図115B)などのマイクロプロセッサを含むことができる。マイクロプロセッサは、例えば、外科用器具の様々なセンサ、プログラム、及び/又は回路によって検出及び/又は算出されたデータ及び/又はフィードバックをメモリチップに通信することができる。様々な例において、記録されたデータは、例えば、外科的処置の時間及び/又は持続時間、並びに外科的処置の様々な働き及び/若しくは部分の時間及び/又は持続時間に関連し得る。追加的に又は代替的に、記録されたデータは、例えば、治療部位の状態及び/又は外科用器具内の状態に関連し得る。特定の例において、データの記録は自動的であってもよく、他の例では、マイクロプロセッサは、データを記録するように指示されない限り、かつ/又はデータを記録するように指示されるまでデータを記録しなくてもよい。例えば、外科処置中にデータを記録し、記録されたデータをメモリチップ内に維持若しくは記憶し、かつ/又は記録されたデータをセキュアなサイトに転送することが好ましい場合がある。他の状況では、例えば、外科的処置中にデータを記録し、記録されたデータをその後に削除することが好ましい場合がある。
外科用器具及び/又はそのマイクロコントローラは、データ記憶プロトコルを備えてもよい。データ記憶プロトコルは、例えば、データを記録、処理、記憶、転送、及び/又は削除するためのルールを提供することができる。様々な例において、データ記憶プロトコルは、外科用器具のライフサイクル中に予めプログラム及び/又は更新され得る。様々な例において、データ記憶プロトコルは、外科的機能及び/又は外科的手術の完了後に記録されたデータの削除を指令することができ、他の例では、データ記憶プロトコルは、既定の時間期間の経過後に、記録されたデータの削除を指令することができる。例えば、記録されたデータは、データ記憶プロトコルに従って、手術機能から1分後、1時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後、又は1年後に削除されてもよい。所定の時間期間は、状況によって許容される任意の適当かつ適切な期間であり得る。
特定の状況では、データ記憶プロトコルは、例えば、発射行程など、既定の数の外科的機能後に、記録されたデータの削除を指令し得る。更に他の例では、データ記憶プロトコルは、外科用器具が電源オフされたときに、記録されたデータの削除を指令することができる。例えば、図117を参照すると、外科用器具が電源オフされている場合、マイクロコントローラは工程14709に進むことができ、ここでマイクロコントローラは、外科的処置の間に、器具、構成要素、又はサブシステムの障害などのエラー又は大きな問題が発生したかどうかを判定することができる。様々な例において、エラーが検出された場合、マイクロコントローラは工程14713に進むことができ、ここでデータは、例えば、メモリチップに記憶され得る。更に、特定の例において、エラーが検出されない場合、マイクロコントローラは工程14711に進むことができ、ここで、例えば、データが削除されてもよい。他の例では、データ記憶プロトコルは、工程14709を含まなくてもよく、データ記憶プロトコルは、例えば、主なエラー又は障害をチェックすることなく継続することができる。
更に他の例では、データ記憶プロトコルは、所定の期間にわたって外科用器具が非アクティブ又は静止した後に、記録されたデータの削除を指令することができる。例えば、外科用器具が設置及び/又は保管される場合、データ記憶プロトコルは、外科用器具が所定の時間期間にわたって静止するか又はアイドル状態となった後に、記録されたデータの削除を指令することができる。必要な静止期間は、例えば、1分、1時間、1日、1週間、1ヶ月、又は1年であり得る。所定の静止期間は、状況によって許容される任意の適当かつ適切な期間であり得る。様々な例において、外科用器具は、例えば、外科用器具の移動及び静止を検出し得る加速度計を含むことができる。再び図117を参照すると、工程14701において外科用器具が電源オフされていないとき、加速度計は、外科用器具の移動を検出するように設定され得る。工程14707で既定のアイドル期間が経過する前に、工程14703で移動が検出された場合、既定のアイドル時間カウントが、工程14705で再開され得る。逆に、工程14707で所定のアイドル期間が経過する前に、加速度計によって移動が検出されなかった場合、マイクロプロセッサは、例えば、工程14709に進むことができる。他の状況では、マイクロプロセッサは、例えば、器具エラー又は故障をチェックすることなく、データ記憶プロトコルに応じて、工程14711又は工程14713に直接進むことができる。
本明細書に記載されるように、データ記憶プロトコルは、記録されたデータを削除するためのより多数のデフォルトルールのうちの1つを含むことができる。しかしながら、特定の例において、デフォルトルール又は手順をオーバーライドすることが望ましい場合がある。例えば、研究及び/又は開発の目的では、記録されたデータをより長い時間期間にわたって保存することが望ましい場合がある。追加的に又は代替的に、記録されたデータを教示及び/又は調査の目的で保存することが望ましい場合がある。更に、様々な例において、データ記憶プロトコルは、エラー検査工程を含まなくてもよく、そのような例では、例えば、操作者が外科的処置の間にエラー及び/若しくは異常を検出したか又は疑ったときに、データ記憶プロトコルをオーバーライドし、データの保存を確実にすることが望ましい場合がある。復元されたデータは、例えば、手順のレビュー及び/又はエラーの原因の判定を容易にすることができる。様々な例において、標準的なデータ記憶プロトコルを克服又はオーバーライドするために、キー又は入力が必要とされ得る。様々な例において、キーは、外科用器具及び/又は遠隔記憶装置に入力されてよく、例えば、外科用器具の操作者及び/又はユーザによって入力されてもよい。
様々な例において、外科用システムは、ユーザ又は器具の操作者に、外科的処置又は機能ごとに、データ削除又はデータ記憶のいずれかを選択するように促すことができる。例えば、データ記憶プロトコルは、ユーザからの指示の要請を発することができ、ユーザの指示に従って後続の処置を命令することができる。外科用システムは、例えば、器具の電源切断、既定の時間期間の経過、又は特定の外科的機能の完了など、特定のトリガ事象の発生時にユーザからの指示を求め得る。
特定の例では、外科用システムは、例えば、外科用器具が電源を切断されたときにユーザからの入力を要求することができる。図116を参照すると、例えば、工程14801において、ユーザが外科用器具の電源をオフにし始めたとき、外科用システムは、ユーザからデータ記憶の指示を要求することができる。例えば、工程14803において、外科用システムのディスプレイは、「KEEP DATA Y/N?」(データを保持するか:Y/N?)と質問することができる。様々な例において、外科用システムのマイクロコントローラは、工程14805でユーザ入力を読み取ることができる。ユーザがデータの記憶を要求した場合、マイクロコントローラは工程14809に進むことができ、ここでデータは外科用システムのメモリユニット又はメモリチップ内に記憶される。ユーザがデータの削除を要求した場合、マイクロコントローラはステップ14811に進むことができ、ここでデータは消去される。様々な例において、ユーザは入力しない場合がある。そのような例では、データ記憶プロトコルは、工程14813で特定のプロセスを指令することができる。例えば、データ記憶プロトコルは、例えば、「プロセスI」、「プロセスII」、又は代替プロセスを指令することができる。特定の例では、例えば、「プロセスI」は、工程14813(a)でデータの削除を命令することができ、「プロセスII」は、工程14813(b)でデータの記憶を命令することができる。様々な状況において、ユーザは、例えば、指示を求められる前に、外科用器具に指示を与えることができる。追加的に又は代替的に、外科用システムに関連付けられたディスプレイは、例えば、外科的機能を開始する前に、かつ/又は器具の使用中の異なる時間に、ユーザからの指示を要求することができる。
データが外科用器具のメモリに記憶される場合、そのデータは安全に記憶され得る。例えば、記憶されたデータにアクセスするためにコード又はキーが必要とされてもよい。特定の例では、アクセスキーは識別コードを含むことができる。例えば、識別コードは、外科用器具の操作者、ユーザ、又は所有者に固有であり得る。そのような例では、許可された人物のみがライセンス識別コードを取得することができ、したがって、許可された人員のみが、記憶されたデータにアクセスすることができる。追加的に又は代替的に、アクセスキーは、例えば、器具に固有であってもよく、かつ/又は製造業者のコードであってもよい。特定の例では、例えば、アクセスキーはセキュアサーバを含むことができ、データは、承認されたBluetooth及び/又は無線周波数(RF)送信によって転送及び/又はアクセスされ得る。更に他の状況では、アクセスキーは、メモリキー及び/又はデータ交換ポートコネクタなどの物理的キーを含むことができ、これは、外科用器具のデータ交換ポートに物理的に結合され得るものである。そのような例では、アクセスキーは、例えば、セキュアなデータへのアクセスを取得するように、またデータをセキュアに記憶及び/又は転送するように事前にプログラムされ得る。様々な状況において、アクセスキーは、例えば、特定の外科用器具に対応することができる。
様々な例において、外科用器具のメモリデバイスからのデータ抽出は、様々なセキュリティ対策によって制限され得る。特定の例では、外科用器具のメモリデバイスは、セキュアデータ接続又はデータ交換ポートを含み得る。例えば、データ交換ポートは、独自の幾何学的配置又は形状を有することができ、認可された人員のみが、例えば、独自の幾何学的配置又は形状に適合するように設計及び構造化された対応するポートキーを取得することができる。様々な例において、データ交換ポートは、例えばプラグ、複数のピン、及び/又は複数のバネを含み得る機械的ロックを備えてもよい。様々な例において、物理的キー又は抽出デバイスは、データ交換ポートの機械的ロックをロック解除することができる。例えば、物理的キーは、複数のピンに接触し、複数のバネを変形させ、かつ/又はプラグをロックされている向きからロックが解除される向きへと付勢して、データ交換ポートをロック解除することができる。
様々な例において、データ交換ポートは、少なくとも1つの接続ピンを備えることができ、この接続ピンは、第1の位置に付勢及び/又は保持され得る。物理的キーがデータ交換ポート内に挿入され、かつ/又はデータ交換ポートに係合すると、物理的キーは、例えば、接続ピンを第1の位置から第2の位置へと付勢することができる。様々な例において、第1の位置は、例えば後退位置を含むことができ、第2の位置は、例えば、伸長位置を含むことができる。更に、接続ピンが第2の位置に移動されると、接続ピンは、例えば物理的キー内のデータ接続ポートと動作可能にインターフェースすることができる。したがって、メモリデバイスのデータ交換ポートは、例えば接続ピンを介して物理的キーのデータ交換ポートとの信号通信へと移行することができ、その結果、データがそれらの間で交換及び/又は転送され得る。様々な例において、物理的キーは、例えば、モジュール式外科用器具に取り外し可能に取り付けるように構成され得るモジュール式構成要素を含むことができる。特定の例では、物理的キーは、外科用器具14100のモジュール式構成要素14110、14120に置き換えるか又はそれを模倣することができる(図109及び図110)。例えば、物理的キーは、ハンドル14120内のメモリデバイスからのデータの転送のために、例えば、シャフトアタッチメント14120の代わりにハンドル14110の取り付け部分に取り付けられ得る。
追加的に又は代替的に、キー又は抽出デバイスは、セキュリティトークンを含むことができる。様々な例において、データ交換ポートは、例えば、暗号化されてもよく、かつ/又は、キーは、データ交換ポートに情報又はコードを提供して、キーがデータ交換ポートからデータを抽出することを許可及び/又は承認されていることを証明することができる。特定の状況では、キーは、例えば、専用のデータ読取機を含むことができ、データは、例えば、光データ伝送構成を介して転送され得る。
ここで図118A~図118Cを参照すると、提案されたデータ読取機にデータアクセスが付与されるためにはその前に、データ読取機が、外科用器具によって検証及び/又は確認されることが必要となり得る。例えば、提案されたデータ読取機は、工程14821で外科用器具のチェックサム値を要求し、読み取ることができる。図118Cに示される外科用器具フローチャートに示されるように、外科用器具はまず、工程14841で、提案されたデータ読取機要求を受信することができ、次いで、工程14843で、提案されたデータ読取機にチェックサム値を送信することができる。再び図118Aを参照すると、工程14823において、提案されたデータ読取機は、外科用器具によって提供されたチェックサム値に基づいて、適切な復帰コードを算出又は決定することができる。提案されたデータ読取機は、例えば、コードテーブルへのアクセスを有することができ、また、提案されたデータ読取機が適切にデータにアクセスしようと試みている場合、適切な復帰コードは、コードテーブル内で利用可能であり得る。そのような例において、提案されたデータ読取機は、工程14823で復帰コードを引くか又は算出することができ、工程14825で復帰コードを外科用器具に送ることができる。再び図118Cを参照すると、工程14845で、提案されたデータ読取機から復帰コードを受信すると、外科用器具は、工程14847で、復帰コードが正しいことを検証することができる。コードが正しくない場合、外科用器具のマイクロプロセッサは、例えば、工程14849に進むことができ、また、外科用器具は遮断されてもよく、又は記憶されたデータへのアクセスが別様に拒否されてもよい。しかしながら、コードが正しい場合、マイクロプロセッサは、例えば工程14851に進むことができ、外科用器具は、提案されたデータ読取機へのデータアクセスを提供することができる。例えば、工程14851でデータをデータ読取機にセキュアに転送することができる。その後、工程14827(図118A)において、提案されたデータ読取機は、例えば、外科用器具からデータを読み取ることができる。様々な例において、転送されたデータは、例えば、暗号化されてもよく、データ読取機は、例えば、読み取り前に理解できないデータを復号することが必要となり得る。
主に図118Bを参照すると、代替的なデータ抽出セキュリティ方法は、例えば、図118Aに示される方法と同様であってもよく、また、読取機固有コードを考慮することも必要となり得る。読取機は工程14831でデバイスのチェックサムを読み取ることができ、復帰コードはチェックサムに基づいたものであってよいが、様々な状況において、提案されたデータ読取機は、読取機固有コードを有することがあり、コードテーブルからの適切な復帰コードは、読取機固有コードに基づいたものであってよい。例えば、提案されたデータ読取機は、工程14832において読取機固有コードを考慮することができ、例えば、工程14833で、読取機固有コード及びコードテーブルに基づいて、適切な復帰コードを決定することができる。提案されたデータ読取機は、例えば、工程14835において、読取機固有コード及び復帰コードを外科用器具に提供することができる。このような例において、再び図118Cを参照すると、外科用器具のマイクロコントローラは、工程14845において、復帰コード及び読取機固有コードを検証することができる。更に、これらのコードが正しい場合、外科用器具は、提案されたデータ読取機へのアクセスを提供することができる。その後、工程14827において、提案されたデータ読取機は、例えば、外科用器具からデータを読み取ることができる。コードの一方又は両方が正しくない場合、外科用器具は、読取機がデータを読み取ることを阻止することができる。例えば、外科用器具は、読取機へのデータの転送を遮断するか、ないしは別の方法で制限することができる。
ここで図119を参照すると、様々な例において、外科用システムは、複数のモジュール式構成要素から形成され得る外科用器具21600を備えることができる。本明細書でより詳細に記載されるように、ハンドル構成要素は、例えば、複数の異なるシャフト構成要素と適合することができ、ハンドル構成要素及び/又はシャフト構成要素は、例えば再使用可能であり得る。更に、外科用器具21600のマイクロコントローラは、例えば、ロック回路を含むことができる。様々な例において、ロック回路は、例えば、ロック回路がロック解除されるまで、外科用器具の作動を阻止することができる。様々な状況において、操作者は、例えば、マイクロコントローラのロック回路をロック解除するために、一時的アクセスコードを外科用システムに入力することができる。
様々な状況において、操作者は、外科用システムに入るための一時的アクセスコードを購入するか、ないしは別の方法で取得することができる。例えば、器具製造業者又は流通業者は販売用のアクセスコードを提供することができ、そのようなアクセスコードは、外科用器具21660をロック解除するために、したがって使用するために必要となり得る。様々な例において、アクセスコードは、所定の時間期間にわたって、ロック回路をロック解除することができる。器具製造業者又は流通業者は、購入用に様々な使用期間を提供することができ、ユーザは、所望の又は好ましい使用期間を選択し、購入又は取得することができる。例えば、ユーザは、10分間の使用、1時間の使用、又は1日の使用を獲得し得る。他の例では、販売又は認可のために、追加及び/又は異なる好適な使用期間が提供され得る。様々な例において、取得された使用期間が満了した後、ロック回路が再ロックされ得る。他の例では、アクセスコードは、所定数の外科的機能のためにロック回路をロック解除することができる。例えば、ユーザは、例えば、単一の器具発射又は複数回の発射を購入するか、ないしは別の方法で取得することができる。更に、ユーザが器具を購入又は認可された回数発射した後、ロック回路は再ロックされ得る。更に他の例では、アクセスコードは、例えば、ロック回路を永続的にロック解除することができる。
様々な例において、操作者は、キーパッド又は他の好適な入力装置を介して、一時的アクセスコードを外科用システムに直接入力することができる。他の例では、ロック回路は、不揮発性メモリユニットを外科用器具21600に連結することによってロック解除され得るが、その不揮発性メモリユニットは、予めプログラムされたアクセスコードを備えるものである。様々な例において、不揮発性メモリユニットは、例えば、外科用器具21660の電池21650に装填され得る。更に、不揮発性メモリユニットは、再ロード及び/又は交換されてもよい。例えば、ユーザは、交換用の不揮発性メモリユニットを購入することができる。追加的に又は代替的に、例えば、以前に取得されたアクセスコードが期限切れとなるか又は失効した後に、新しいコードが購入されるか、又は不揮発性メモリユニットにアップロードされてもよい。様々な例において、例えば、電池1650が電力源及び/又は外部コンピュータ21670に連結されているとき、新しいコードが不揮発性メモリユニットにロードされ得る。
他の例では、一時的アクセスコードは、表示画面、コンピュータ、及び/又はヘッドアップディスプレイなどの外部又はリモートアクセスコード入力部に入力され得る。例えば、一時的アクセスコードは、コンピュータ21660を介して購入されてもよく、また、コンピュータ21660に連結された無線周波数(RF)デバイス21680に送信されてもよい。様々な例において、外科用器具21600は、例えば、無線周波数デバイス21680と信号通信し得る受信機又はアンテナを備えてもよい。そのような例では、無線周波数デバイス21680は、例えば、取得された一時的アクセスコードを外科用器具21600の受信機に送信することができる。したがって、ロック回路はロック解除され得、操作者は、例えば、購入した時間期間及び/又は外科的機能だけ、外科用器具21600を使用することができる。
様々な例において、モジュール式外科用器具は、外科用器具からのデータ及び/又はフィードバックを描写するための外部ディスプレイと互換性があってもよい。例えば、外科用器具は、外科手術からのフィードバックを表示するための器具ディスプレイを備えてもよい。様々な例において、器具ディスプレイは、例えば、器具のハンドル上に配置されてもよい。特定の例では、器具ディスプレイは、例えば、内視鏡から見たビデオフィードを描写することができる。追加的に又は代替的に、ディスプレイは、例えば、外科用器具、外科手術、及び/又は手術部位の感知、測定、概算、及び/又は算出された特性を検出することができる。様々な例において、フィードバックを外部ディスプレイに送信することが望ましい場合がある。外部ディスプレイは、例えば、複製及び/又は再現されたフィードバックの拡大図を提供することができ、これにより、複数の操作者及び/又は補助者が同時にフィードバックを見ることが可能となり得る。様々な例において、例えば、外部ディスプレイに接続するために外科用器具を選択することが望ましく、他の例では、外科用器具の選択は自動的であってもよい。
図120を参照すると、外部ディスプレイ21700は、例えば、外科用器具のエンドエフェクタ21720及び/又は手術部位を描写することができる。外部ディスプレイ21700はまた、例えば、外科用器具によって感知及び/又は測定されたフィードバック及び/又はデータも描写することができる。様々な例において、外部ディスプレイ21700は、外科用器具のディスプレイ上に提供されるフィードバックを複製することができる。特定の状況では、外科用器具は、例えば、外部ディスプレイ21700、及び/又は外部若しくは手術室のディスプレイ21700と信号通信する無線受信機と自動的に接続することができる。そのような例では、複数の外科用器具が外部ディスプレイ21700に接続しようと試みている場合、操作者に通知され得る。本明細書に記載されるように、操作者は、例えば、外部ディスプレイ21700上のメニューから所望の外科用器具を選択することができる。更に他の例では、操作者は、外科用器具への入力を提供することによって、所望の外科用器具を選択することができる。例えば、操作者は、コマンド、制御シーケンスを発行するか又はコードを入力して外科用器具を選択することができる。様々な例において、操作者は、外科用器具を用いた特定の制御シーケンスを完了して、その外科用器具を選択してもよい。例えば、操作者は、外科用器具の電源をオンにし、既定の時間期間内に、例えば外科用器具を選択するために、既定の期間にわたってリバースボタンを押さえてもよい。器具が選択されると、選択された器具のディスプレイ上のフィードバックが、例えば、外部ディスプレイ21700上に再ブロードキャスト又は複製され得る。
特定の例において、外科用システムは接近センサを含んでもよい。例えば、外部ディスプレイ及び/又は無線受信機は、外科用器具がその既定の範囲内にあることを検知し得る近接センサを備えてもよい。主に図121及び図122を参照すると、ディスプレイ21700及び/又は無線受信機が外科用器具を検出すると、ディスプレイはユーザに通知することができる。特定の状況において、ディスプレイ及び/又は無線受信機は、複数の外科用器具を検出することができる。図121を参照すると、ディスプレイ21700は、例えば、外科用器具又は複数の外科用器具がディスプレイ21700付近で検出されたことをユーザに伝達し得る、控えめな通知21704を含むことができる。したがって、例えば、コンピュータなど、ディスプレイ21700の制御装置を使用すると、ユーザは、通知21704をクリックして器具選択のメニュー21706を開くことができる(図122)。メニュー21706は、例えば、利用可能な外科用器具を描写することができ、ユーザは、ディスプレイ21700上でブロードキャストするために好ましい外科用器具を選択することができる。例えば、メニュー21706は、利用可能な外科用器具のシリアル番号及び/又は名称を描写することができる。
特定の例では、選択された外科用器具は、その選択を確認するために、操作者にフィードバックを提供することができる。例えば、選択された外科用器具は、例えば聴覚又は触覚フィードバックを提供することができる。更に、選択された外科用器具は、そのフィードバックの少なくとも一部分を外部ディスプレイ21700にブロードキャストすることができる。特定の例では、操作者は複数の外科用器具を選択することができ、ディスプレイ21700は、選択された外科用器具によって共有され得る。追加的に又は代替的に、手術室は複数のディスプレイを含むことができ、少なくとも1つの外科用器具が、例えば、各ディスプレイに対して選択され得る。様々な外科用システムの機構及び/又は構成要素が、2013年8月23日出願の米国特許出願第13/974,166号、発明の名称「FIRING MEMBER RETRACTION DEVICES FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在の米国特許第9,700,310号に更に記載されており、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
再び図8~図12に示されるシャフト組立体200を参照すると、シャフト組立体200は、例えば、エンドエフェクタ300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ300との間で信号を通信するように構成されたスリップリング組立体600を備えている。スリップリング組立体600は、シャーシ240から延在するシャーシフランジ242に装着される近位コネクタフランジ604、それに加えて、シャフトハウジング202、203に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジ601を備える。近位コネクタフランジ604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備える。コネクタ607は、遠位コネクタフランジ601の近位側に装着され、複数の接点を有してもよく、各接点は、導体602のうちの1つに対応し、それと電気的に接触している。かかる構成により、近位コネクタフランジ604と遠位コネクタフランジ601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ604は、例えば、シャフトシャーシ240に装着されたシャフト回路基板610と信号通信させて導体602を配置する電気コネクタ606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ606とシャフト回路基板610との間に延在することができる。電気コネクタ606は、シャーシ装着フランジ242内に画定されたコネクタ開口部243を通って近位に延在するが、任意の好適な配置が用いられてよい。
シャフト組立体200の代替的な実施形態が図123~図136に示されている。これらの実施形態は、図123及び図124のシャフト組立体25200と、図126~図129のシャフト組立体26200と、図131~図133のシャフト組立体27200と、図134~図136のシャフト組立体28200とを含む。シャフト組立体25200、26200、27200、及び28200は、多数の点でシャフト組立体200に類似しており、類似点の大部分は、本明細書において簡潔にするため、議論されていない。更に、シャフト組立体25200、26200、27200及び28200とシャフト組立体200との違いをより明確に示すために、特定の構成要素が図123~図136から省かれている。
シャフト組立体25200は、関節運動駆動システムと、エンドエフェクタ閉鎖システムと、ステープル留め発射システムとを備える。上記と同様に、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムと選択的に係合可能である。関節運動駆動システムがステープル発射システムと動作可能に係合されているとき、ステープル発射システムは、関節運動駆動システムを駆動し、エンドエフェクタを関節運動させるために使用され得る。関節運動部がステープル発射システムと動作可能に係合されていないとき、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムによって駆動可能ではなく、ステープル発射システムは、ステープル発射行程を実行するために使用され得る。
上述したように、図123及び図124に示されるシャフト組立体25200は、図8~図12に示されるシャフト組立体200と多くの点で類似している。図示されていないが、シャフト組立体25200は、図10に示されるノズルハウジング203を備える。シャフト組立体25200は、回転可能なスイッチドラム25500と、ねじりばね25420と、シャーシ装着フランジ25242と、を更に備える。スイッチドラム25500は、シャーシ装着フランジ25242に対して第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。以下でより詳細に説明するように、ねじりばね25420は、スイッチドラム25500及びノズルハウジング203に装着される。ねじりばね25420は、スイッチドラム25500をその第1の位置へと付勢するように構成されている。スイッチドラム25500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合される。したがって、スイッチドラム25500がその第1の位置にあるとき、発射駆動システムは、関節運動駆動システムを駆動して、シャフト組立体25200のエンドエフェクタを関節運動させてもよい。スイッチドラム25500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。したがって、スイッチドラム25500がその第2の位置にあるとき、発射駆動システムは関節駆動システムを駆動しない。
ねじりばね25420は、第1の端部25421と第2の端部25423とを備えている。スイッチドラム25500は、その上に形成されたシャフトボス25504を有する中空のシャフトセグメント25502を備える。ねじりばね25420の第1の端部25241は、ノズルハウジング203と係合され、ねじりばね25420の第2の端部25423は、スイッチドラム25500上のボス25504と係合される。スイッチドラム25500が第1の位置から第2の位置へと回転されて、関節運動駆動システムをステープル発射システムから分離するとき、ねじりばね25420の第1の端部25241は、ノズルハウジング203に対して静止したままであるのに対し、ねじりばね25420の第2の端部25423は、スイッチドラム25550と共に移動する。ねじりばね25420の第1の端部25421に対する第2の端部25423の変位により、ねじりばね25420が伸張され、結果として、ねじりばね25420のインダクタンスが減少する。後述のように、スイッチドラム25500が第1の位置へと回転して戻ると、結果として、ねじりばね25420の弾性収縮と、ねじりばね25420のインダクタンスの増加が生じる。
第1のワイヤ25422及び第2のワイヤ25424は、ねじりばね25420の第1の端部25241及び第2の端部25423にそれぞれ電気的に接続されている。以下でより詳細に説明するように、第1のワイヤ25422、第2のワイヤ25424、及びねじりばね25420は、シャフト組立体25200の動作状態又はモードを監視するために使用される電気回路を形成する。電気回路は、シャフト組立体25200内に位置付けられた回路基板25610と通信する。様々な例において、シャフト回路基板25610は、インダクタンス-デジタルコンバータ(LDC)25612を備えているが、これは電気回路の一部であり、ねじりばね25420のインダクタンスの変化を監視するように構成されたものである。
電気回路を介して監視され得る例示的な動作状態は、関節運動状態である。上述のように、関節運動駆動システムは、スイッチドラム25500がその第1の位置にあるときにエンドエフェクタが関節運動され得るように、発射駆動システムと動作可能に係合される。それに対応して、関節運動駆動システムは、スイッチドラム25500がその第2の位置にあるときに、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。図123は、スイッチドラム25500がその第1の位置にあるときのシャフト組立体25200を表す。スイッチドラム25500の第1の位置において、ねじりばね25420は、伸張されないか又は部分的にのみ伸張される。図124のシャフト組立体25200の描写は、その第2の位置にあるスイッチドラム25500を示し、ねじりばね25420は、顕著に伸張されている。伸張されたねじりばね25420は、伸張されていないねじりばね25420とは異なるインダクタンスを有する。更に、伸張されたねじりばね25420は、あまり伸張されていないねじりばね25420とは異なるインダクタンスを有する。LDC25612は、ねじりばね25420内のインダクタンスの変化を検出し、したがって、関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されているか、あるいは発射駆動システムから係合解除されているかを判定することができる。様々な例において、LDC25612は算出を実行することができ、他の実施形態では、LDC25612と信号通信する別個のマイクロプロセッサが算出を実行してもよい。
図125は、スイッチドラム25500の角度位置とねじりばね25420のインダクタンスとの間の関係を表すグラフ25900を示す。関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されているとき、ねじりばね25420のインダクタンスは高く、スイッチドラム25500の角度位置は低くなる。スイッチドラム25500が方向R(図124)に回転されると、ねじりばね25420が伸張され、ねじりばね25420のインダクタンスが減少する。ばねのインダクタンスがより低くなると、関節運動駆動システムが発射駆動システムから係合解除されていることがLDC25612に示される。そのような構成により、関節運動状態と発射状態との間の切り替えが純粋に機械的なシステムに頼ることなく生じたことが確かめられ得る。
上記の説明は、ねじりばねの回転によるインダクタンスの監視について記載しているが、例えば、シャフト組立体の関節運動状態が、例えば、ねじりばねの線形圧縮、圧縮の伸張、及び/又は張力を測定することによって決定又は検証され得ることも想定される。更に、上述のインダクション監視システムは、例えば、閉鎖及び/又はステープル発射駆動システムの状態を監視することなど、外科用器具のシャフト及びハンドル全体の他の形態の検出に適合され得ることも想定される。
図126~図129は、図8~図12に示されるシャフト組立体200と多くの点で類似しているシャフト組立体26200を示す。シャフト組立体26200は、関節運動駆動システムと、エンドエフェクタ閉鎖システムと、ステープル留め発射システムとを備える。上記と同様に、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムと選択的に係合可能である。関節運動駆動システムがステープル発射システムと動作可能に係合されているとき、ステープル発射システムは、関節運動駆動システムを駆動し、エンドエフェクタを関節運動させるために使用され得る。関節運動部がステープル発射システムと動作可能に係合されていないとき、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムによって駆動可能ではなく、ステープル発射システムは、ステープル発射行程を実行するために使用され得る。
シャフト組立体26200は、図10に示されるノズルハウジング203と同様のノズルハウジング26201を備える。シャフト組立体26200は、回転可能なスイッチドラム26500と、ねじりばね26420と、シャーシ装着フランジ26242と、を更に備える。スイッチドラム26500は、シャーシ装着フランジ26242に対して第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。以下でより詳細に説明するように、ねじりばね26420は、スイッチドラム26500及びノズルハウジング26201に装着される。ねじりばね26420は、スイッチドラム26500をその第1の位置へと付勢するように構成されている。スイッチドラム26500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合される。したがって、スイッチドラム26500がその第1の位置にあるとき、発射駆動システムは、関節運動駆動システムを駆動して、シャフト組立体26200のエンドエフェクタを関節運動させてもよい。スイッチドラム26500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。したがって、スイッチドラム26500がその第2の位置にあるとき、発射駆動システムは関節駆動システムを駆動しない。
ねじりばね26420は、第1の端部26421と第2の端部26423とを備えている。スイッチドラムは、その上に形成されたシャフトボス26504を有する中空のシャフトセグメント26502を備える。ねじりばね26420の第1の端部26421は、ノズルハウジング26201と係合され、ねじりばね26420の第2の端部26423は、スイッチドラム26500上のボス26504と係合される。スイッチドラム26500が第1の位置から第2の位置へと回転されて、関節運動駆動システムをステープル発射システムから分離するとき、ねじりばね26420の第1の端部26421は、ノズルハウジング203(図10)に対して静止したままであるのに対し、ねじりばね26420の第2の端部26423は、スイッチドラム26550と共に移動する。ねじりばね26420の第1の端部26421に対する第2の端部26423の変位により、ねじりばね26420は弾性的に伸張される。
スイッチドラム26500は、スイッチドラム26500の外側表面に取り付けられた導電性板ばね26700を更に備える。以下でより詳細に説明するように、導電性板ばね26700は、シャフト組立体26200の動作状態又はモードを監視するために使用される電気回路の一部を形成する。主に図129を参照すると、シャーシ装着フランジ26242は、第1の環状段差部26244と第2の環状段差部26246とを備えている。第1の環状段差部26244は、第2の環状段差部26246の遠位に配置され、第1の環状段差部26244は、第2の環状段差部26246の直径よりも小さい直径を有するが、しかしながら、任意の適切な配置構成が用いられ得る。第1の環状段差部26244は、第1の環状段差部26244の外周に巻き付けられるか又はその上に画定された第1の導電トレース26245を備える。第2の環状段差部26246は、第2の環状段差部26246の外周に巻き付けられるか又はその上に画定された第2の導電トレース26247を備える。第1の導電トレース26245及び第2の導電トレース26247は、好適な導体によってシャフト回路基板26610に電気的に接続される。以下でより詳細に説明するように、第1の導電トレース26245及び第2の導電トレース26247は、導電性板バネ26700と共に電気回路の一部を形成する。
図127及び図128に示されるように、ノズル26201は、第1の内向き突出部26210及び第2の内向き突出部26220など、複数の内向きに延在する突出部を備える。第1の電気接点26215は、シャーシ装着フランジ26242の第1の環状段差部26244と位置合わせされる第1の内向き突出部26210の最も内側の表面上に画定される。第2の電気接点26225は、シャーシ装着フランジ26244の第2の環状段差部26246と整列される第2の内向き突出部26220の最も内側の表面上に画定される。図127のシャフト組立体26200の描写に示されるように、スイッチドラム26500がその第1の位置にあるとき、スイッチドラム26500の導電性板ばね26700は、第1のノズル突出部26210及び第2のノズル突出部26220上の第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225の一方又は両方と整列しない。したがって、導電性板ばね26700が第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225の両方と電気的接続性を有さないので、回路は、スイッチドラムがその第1の位置にあるときに開放される。スイッチドラム26500がその第2の位置にあるとき、導電性板ばね26700は、第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225と電気的に接触し、電気回路が閉鎖される。そのような例において、第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225は、例えば、第1の導電トレース26245及び第2の導電トレース26247並びにシャフト回路基板26610を含む回路を信号電流が通過することを可能にし得る。シャフト回路基板26610上のマイクロプロセッサは、電気回路が開放されているか又は閉鎖されているかに基づいて、シャフト組立体26200の動作状態又はモードを監視するように構成されている。
電気回路を介して監視され得る例示的な動作状態は、関節運動状態である。上述のように、スイッチドラム26500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合され、スイッチドラム26500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。図127は、スイッチドラム26500がその第1の位置にあるときのシャフト組立体26200を表す。スイッチドラム26500の第1の位置では、導電性板ばね26700は、ノズル26201の第1の内向き突出部26210及び第2の内向き突出部26220上の第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225の一方又は両方と整列しない。この状態では、電気回路は開放されている。図128のシャフト組立体25200の描写は、第2の位置にあるスイッチドラム25500を示し、導電性板ばね26700は、第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225と整列及び接触している。この状態では、電気回路は閉鎖されている。上述のように、電気信号はここで、導電性板ばね26700と、第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225と、第1の導電トレース26245及び第2の導電トレース26247との間を通過することが可能となる。シャフト回路基板26610上のマイクロコントローラは、電気回路が開放されているか又は閉鎖されているかに基づいて、関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されているか又は発射駆動システムから係合解除されているかを決定するように構成されている。
図130は、上述の電気回路の状態と、関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されてるか又は発射駆動システムから係合解除されているかとの間の関係を詳述するチャート26900を示す。関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されているとき、導電性板ばね26700がノズル26201の第1の内向き突出部26210及び第2の内向き突出部26220上の第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225の一方又は両方と位置合わせされていないため、電気回路は開放される。関節運動駆動システムが発射駆動システムから係合解除されているとき、導電性板ばね26700がノズル26201の第1の内向き突出部26210及び第2の内向き突出部26220上の第1の電気接点26215及び第2の電気接点26225と位置合わせされ接触するため、電気回路は閉鎖される。
上述のシステムは関節運動駆動システムの状態を監視するが、上述のシステムが、例えば、閉鎖及び/又はステープル発射駆動システムの状態を監視することなど、外科用器具のシャフト及びハンドル全体の他の形態の検出に適合され得ることも想定される。
図131~図133に示されるシャフト組立体27200は、図8~図12に示されるシャフト組立体200と多くの点で類似している。シャフト組立体27200は、関節運動駆動システムと、エンドエフェクタ閉鎖システムと、ステープル留め発射システムとを備える。上記と同様に、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムと選択的に係合可能である。関節運動駆動システムがステープル発射システムと動作可能に係合されているとき、ステープル発射システムは、関節運動駆動システムを駆動し、エンドエフェクタを関節運動させるために使用され得る。関節運動部がステープル発射システムと動作可能に係合されていないとき、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムによって駆動可能ではなく、ステープル発射システムは、ステープル発射行程を実行するために使用され得る。
図示されていないが、シャフト組立体27200は、図10に示されるノズルハウジングを備える。シャフト組立体27200は、回転可能なスイッチドラム27500と、シャーシ装着フランジ27242と、を更に備える。スイッチドラム27500は、シャーシ装着フランジ27242に対して第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。スイッチドラム27500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合される。したがって、スイッチドラム27500がその第1の位置にあるとき、発射駆動システムは、関節運動駆動システムを駆動して、シャフト組立体27200のエンドエフェクタを関節運動させてもよい。スイッチドラム27500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。したがって、スイッチドラム27500がその第2の位置にあるとき、発射駆動システムは関節駆動システムを駆動しない。
シャフト組立体27200は、ある振動周波数で駆動されるように構成された感知フォーク27700を更に備える。主に図132及び図133を参照すると、スイッチドラム27500は複数の内向き突出部27502を備えている。図132に示されるように、スイッチドラム27500がその第1の位置にあるとき、内向き突出部27502は、感知フォーク27700の歯と接触しない。換言すれば、空隙が、内向き突出部27502と感知フォーク27700とを分離している。このような場合、スイッチドラム27500は、感知フォーク27700を振動に関して減衰させない。図133に示すように、スイッチドラム27500が、スイッチドラム27500の第2の位置へと方向Rに回転されると、内向き突出部27502は、感知フォーク27700の歯と接触する。この第2の位置では、内向き突出部27502と感知フォーク27700との間の接触が、感知フォーク27700を振動に関して減衰させる。
主に図131を参照すると、シャフト組立体27200は、振動を発するように構成された出力アクチュエータを備えるシャフト回路基板27610を更に備えている。様々な例において、出力アクチュエータは、電気信号を機械音響波に変換し、機械音響波を感知フォーク27700に伝達するトランスデューサを備える。このような音波は、感知フォーク27700を振動させ、また、感知フォーク27700の機械的特性により、放出される信号は、感知フォーク27700内で変化し得る。シャフト回路基板27610の遠位端は、感知フォーク27700内の振動周波数を検出し、この周波数内の任意の変化を監視するように構成された入力トランスデューサ27602を備える。入力トランスデューサ27602が感知フォーク27700の振動周波数を検出すると、入力トランスデューサ27602は、検出された周波数を、帰還信号を放出信号と比較するように構成されたシャフト回路基板27610との通信のための電気信号に再び変換する。様々な例において、わずかに減衰した感知フォーク27700は、放出信号と帰還信号との間に、存在するとしてもわずかな変化をもたらし得るが、大いに減衰した感知フォーク27700は、放出信号と帰還信号との間に大きな変化をもたらし得る。シャフト回路基板27610上のマイクロプロセッサは、感知フォーク27700の検出された周波数に基づいて、周波数の変化を監視し、シャフト組立体27200の動作状態又はモードを評価するように構成されている。
電気回路を介して監視され得る例示的な動作状態は、関節運動状態である。上述のように、スイッチドラム27500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合され、スイッチドラム27500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。図132は、スイッチドラム27500がその第1の位置にあるときのシャフト組立体27200を示す。スイッチドラム27500がその第1の位置にあるとき、感知フォーク27700は、スイッチドラム27500の内向き突出部27502との接触による振動減衰を受けていないので、より高い周波数で振動する。感知フォーク27700が出力アクチュエータによって駆動されているとき、入力トランスデューサ27602は、感知フォーク27700の周波数を検出し、その後、シャフト回路基板27610と通信して、関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されていると判定する。図133は、スイッチドラム27500がその第2の位置にあるときのシャフト組立体27200を示す。スイッチドラム27500がその第2の位置にあるとき、感知フォーク27700は、スイッチドラム27500の内向き突出部27502との接触に起因する振動減衰を受けているので、より低い周波数で振動する。感知フォーク27700が出力アクチュエータによって駆動されているとき、入力トランスデューサ27602は、感知フォーク27700の周波数を検出し、その後、シャフト回路基板27610と通信して、関節運動駆動システムが発射駆動システムから係合解除されていると判定する。
上述のシステムは関節運動駆動システムの状態を監視するが、上述のシステムが、例えば、閉鎖及び/又はステープル発射駆動システムの状態を監視することなど、外科用器具のシャフト及びハンドル全体の他の形態の検出に適合され得ることも想定される。
上述したように、図134~図136に示されるシャフト組立体28200は、図8~図12に示されるシャフト組立体200と多くの点で類似している。シャフト組立体28200は、関節運動駆動システムと、エンドエフェクタ閉鎖システムと、ステープル留め発射システムとを備える。上記と同様に、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムと選択的に係合可能である。関節運動駆動システムがステープル発射システムと動作可能に係合されているとき、ステープル発射システムは、関節運動駆動システムを駆動し、エンドエフェクタを関節運動させるために使用され得る。関節運動部がステープル発射システムと動作可能に係合されていないとき、関節運動駆動システムは、ステープル発射システムによって駆動可能ではなく、ステープル発射システムは、ステープル発射行程を実行するために使用され得る。
図示されていないが、シャフト組立体28200は、図10に示されるノズルハウジング203と同様のノズルハウジング28201を備える。シャフト組立体28200は、回転可能なスイッチドラム28500及びシャーシ装着フランジ28242を更に備える。スイッチドラム28500は、シャーシ装着フランジ28242に対して第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。スイッチドラム28500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合される。したがって、スイッチドラム28500がその第1の位置にあるとき、発射駆動システムは、関節運動駆動システムを駆動して、シャフト組立体28200のエンドエフェクタを関節運動させてもよい。スイッチドラム28500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。したがって、スイッチドラム28500がその第2の位置にあるとき、発射駆動システムは関節駆動システムを駆動しない。
主に図134を参照すると、スイッチドラム28500は、その近位端上に位置するスイッチドラムカラー28505を備えている。スイッチドラムカラー28505は、1つ以上のスイッチカラーウィンドウ28510を備える。スイッチカラーウィンドウ28510は、スイッチドラムカラー28505に沿って環状パターンで配置される。スイッチカラーウィンドウ28510は、均等に離間されているが、任意の好適な配置が用いられ得る。ノズル28201は、スイッチドラムカラー28505の遠位に位置付けられた環状の内側突出部28205を備える。内側突出部28205の近位表面は、1つ以上の暗色マーキング28210を含む。暗色マーキング28210は、内側突出部28205の近位表面に沿って環状パターンで配置される。暗色マーキング28210は、スイッチカラーウィンドウ28510の間隔に対応する距離を置いて離間されているが、任意の好適な配置を用いられ得る。暗色マーキング28210は、レーザーエッチングされ、インクで印刷され、かつ/又は内側突出部28205の近位表面上の任意の好適な材料から形成され得る。
シャフト組立体28200は、スイッチカラーウィンドウ28510内の暗色マーキング28210の有無を検出するように構成されたバーコード走査要素28612を備えるシャフト回路基板28610を更に備える。バーコード走査要素28612は、スイッチカラーウィンドウ28510内の暗色マーキング28210の総数を電気信号に変換する。シャフト回路基板28610上のマイクロプロセッサは、バーコード走査要素28612から電気信号を受信するように構成されており、また、後述するように、スイッチカラーウィンドウ28510内の検出された暗色マーク28210の総数に基づいて、シャフト組立体28200の動作状態又はモードを監視するように構成されている。
バーコード走査要素28612を通して監視され得る例示的な動作状態は、関節運動状態である。上述のように、スイッチドラム28500がその第1の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合され、スイッチドラム28500がその第2の位置にあるとき、関節運動駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除される。図135は、スイッチドラム28500がその第1の位置にあるときのシャフト組立体28200を示す。スイッチドラム28500がその第1の位置にあるとき、暗色マーキング28210は、スイッチカラーウィンドウ28510を通して視認可能ではない。そのような例において、バーコードスキャナ要素28612は、暗色マーキング28210の非存在を検出し、続いて、関節運動駆動システムが発射駆動システムと係合されていると判定し得るシャフト回路基板28610と通信する。図136は、スイッチドラム28500がその第2の位置にあるときのシャフト組立体28200を示す。スイッチドラム28500がその第2の位置にあるとき、暗色マーキング28210は、スイッチカラーウィンドウ28510を通して視認可能である。そのような例において、バーコードスキャナ要素28612は、暗色マーキング28210の存在を検出し、続いて、関節運動駆動システムが発射駆動システムから係合解除されていると判定し得るシャフト回路基板28610と通信する。
上記に加えて、シャフト回路基板28610は、例えば、シャフト組立体28200の状態を評価するように構成されたマイクロプロセッサなどのプロセッサを備える。場合によっては、スイッチドラム28500は、その第1の位置又はその第2の位置に完全には位置しない。そのような例では、暗色マーキング28210の一部分のみが、スイッチカラーウィンドウ28510内で視認可能である。バーコード走査要素28612は、この部分的な重なりを検出するように構成されており、マイクロプロセッサは、スイッチドラム28500が関節運動駆動システムをステープル発射システムから係合解除するように十分に回転されているかどうかを推定するために、バーコード走査要素28612による信号出力を評価するように構成されている。様々な例において、マイクロプロセッサは、この決定を行うために閾値を利用することができる。一例として、例えば、スイッチカラーウィンドウ28510の少なくとも半分が暗色マーキング28210によって暗色化されているとき、マイクロプロセッサは、シャフト組立体28200が十分に切り替えられており、関節運動駆動システムがもはやステープル発射システムと係合していないことを推定及び検証することができる。閾値未満が暗色化されている場合、マイクロプロセッサは、関節運動駆動システムがステープル発射システムから十分に分離されていないと判定することができる。
上述のように、シャフト組立体のプロセッサ又はコントローラは、シャフト組立体がエンドエフェクタの関節運動状態からステープル発射状態へと切り替えられていることを検証又は確認するために使用され得る。シャフト組立体が切り替えられていることを、他のセンサが示唆していても、プロセッサ又はコントローラが検証又は確認することができない場合、プロセッサ又はコントローラは、外科用システムのユーザに警告すること及び/又はシャフト組立体の使用を阻止することが可能である。そのような例において、ユーザは、この問題を解決するか、又はシャフト組立体を交換することができる。
上述のシステムは関節運動駆動システムの状態を監視するが、上述のシステムが、例えば、閉鎖及び/又はステープル発射駆動システムの状態を監視することなど、外科用器具のシャフト及びハンドル全体の他の形態の検出に適合され得ることも想定される。
図137~図141は、図1に示される外科用器具10と多くの点で類似している、外科用切断及び締結器具29010を示す。器具29010は、臨床医によって把持、操作、及び作動されるように構成されているハンドル29014を備える。ハンドル29014は、フレーム29020及びハウジング29012を含み、交換式シャフト組立体29200に動作可能に取り付けられるように構成されている。シャフト組立体29200は、外科用エンドエフェクタ300(図1)、又は1つ以上の外科的タスク若しくは処置を実行するように構成された任意の他の好適なエンドエフェクタを含む。以下で更に詳しく記載されるように、ハンドル29014は、内部に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体29200に対して、様々な制御モーションを生成及び伝達するように構成されている。
上記に加えて、ハンドル29014は、複数の駆動システムを支持するフレーム29020を含む。少なくとも1つの形態において、フレーム29020は、発射モーションをシャフト組立体29200に伝達するように構成された発射駆動システムを支持する。発射駆動システムは、電気モータ82(図4)、又は長手方向駆動部材29120を近位及び/又は遠位方向に軸方向に駆動するように構成された任意の他の好適な電気モータを備える。代替的に、ハンドル29014は、駆動部材29120を手動で駆動及び/又は後退させるために使用されるトリガを備えることができる。いずれにしても、駆動部材29120は、シャフト組立体29200のシャフト発射部材29220の一部分を受け入れるように構成された、その遠位端29125に画定された取り付けクレードル29126を備える。主に図138及び図139を参照すると、シャフト発射部材29220は、その近位端上に形成された取り付けラグ29226を備えている。シャフト組立体29200がハンドル29014に連結されると、取り付けラグ29226は取り付けクレードル29126内に受け入れられる。取り付けラグ29226は、シャフト発射部材29220の長手方向本体29222の直径よりも大きい直径を備えており、シャフト発射部材29220と発射シャフト取り付けクレードル29126との係合を容易にしている。
シャフト組立体29200は、ハンドルフレーム29020の遠位端上に画定された取り付けフランジ29700に固定的に装着可能なシャフトフレーム29240を備える。シャフトフレーム29240はその上に形成された1つ以上のテーパ付き取り付け部分29244を含んでおり、このテーパ付き取り付け部分は、ハンドルフレーム29020の取り付けフランジ29700内に画定された対応するダブテールスロット29702内に受け入れられるように適合されている。各ダブテールスロット29702は、取り付け部分29244を着座によって中に受け入れるように、テーパ付きにされるか、あるいはいくぶんかV字形状にされている。シャフト組立体29200をハンドル29014に連結するために、臨床医は、シャフトフレーム29240に画定されたテーパ付き取り付け部分29244がハンドルフレーム29020のダブテールスロット29702と整列されるように、シャフト組立体29200のフレーム29240をハンドルフレーム29020の取り付けフランジ29700の上方に、又はそれに隣接して配置することができる。臨床医は次いで、シャフト軸線SA-SAに垂直な導入軸線IA-IAに沿ってシャフト組立体29200を移動させて、取り付け部分29244を対応するダブテールスロット29702に着座させることができる。そうすることで、シャフト発射部材29220上に画定されたシャフト取り付けラグ29226もまた、ハンドル駆動部材29120内に画定された発射シャフト取り付けクレードル29126内に着座されることになる。
シャフト組立体29200は、シャフト組立体29200をハンドル29014に解放可能に連結するように構成されたラッチシステム29710を更に含む。主に図137を参照すると、ラッチシステム29710はハウジングラッチ29712を備え、このハウジングラッチは、ハンドルハウジング29012と係合し、シャフト組立体29200がハンドル29014から取り外されるのを解放可能に防止するように構成されている。外科用器具10のハウジングラッチと同様に、シャフト組立体29200がハンドル29014から分解され得るように、ハウジングラッチ29712は、押し下げられてシャフト組立体29200をハンドル29014からロック解除することができる。ラッチシステム29710は、シャフト組立体29200がハンドル29014に組み付けられる前、及び/又はハンドル29014へのシャフト組立体29200組み付けの間に、シャフト発射部材29220を定位置に保持するように構成された発射ラッチ29720を更に含む。発射ラッチ29720は、枢動部29722によってシャフトフレーム29240に移動可能に連結される。シャフト組立体29200がハンドル29014に取り付けられていないとき、主に図138及び図140を参照すると、発射ラッチ29720がシャフト発射部材29220と係合される。より具体的には、発射ラッチ29720の端部は、発射部材29220の長手方向本体29222内に画定された凹部29221の中へと付勢部材29730によって付勢され、それにより、ラッチ29720の端部は、ラグ29226上に画定された遠位ショルダ29223の前方に位置付けられる。付勢部材29730は、例えばばねを備え、そのばねは、シャフトフレーム29420内に画定された空洞29731内に位置付けられ、シャフトフレーム29420と発射ラッチ29720との間で圧縮される。発射ラッチ29720が図138に示されるようにラグ29226の前方に位置付けられると、発射ラッチ29720は、発射部材29220が不注意で遠位に前進されるのを防止する。
シャフト組立体29200がハンドル29014に取り付けられているとき、主に図139及び図141を参照すると、発射ラッチ29720はハンドル駆動部材29120と接触し、上向きに回転して、シャフト発射部材29220内に画定された凹部29221から抜け出す。その結果、発射ラッチ29720の端部は、もはやラグ29226の遠位ショルダ29223の前方に位置付けられていない。そのような例において、シャフト発射部材29220が遠位側に移動するのを発射ラッチ29720がもはや防止できないので、シャフト発射部材29220は、ロック解除されている。特に、シャフト発射部材29220は、シャフト発射部材29220がロック解除されたときにハンドル駆動部材29120と動作可能に係合され、そのため、シャフト発射部材29220はハンドル駆動部材29210によって長手方向に移動され得る。様々な例において、シャフト発射部材29220は、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29210と動作可能に係合されるのと同時にロック解除されるが、しかしながら、シャフト発射部材29220は、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29210と動作可能に連結される直前にロック解除されてもよい。いずれの場合も、ロック解除され、ハンドル駆動部材29210と係合されると、シャフト発射部材29220は、シャフト組立体29200のエンドエフェクタ300を関節運動させかつ/又はステープル発射行程を実行するために使用され得る。
上述のように、発射ラッチ29270がハンドル駆動部材29210と接触するとき、発射ラッチ29720は、ロック解除位置からロック位置へと移動される。様々な代替的な実施形態において、ハンドルフレーム29020は、例えば、シャフト組立体29200がハンドル29014に組み付けられる際に発射ラッチ29720をそのロック解除位置へと回転させ得るショルダを備えることができる。
シャフト組立体29200がハンドル29014から分解されると、ラッチ29720は移動されてハンドル駆動部材29210との接触から外れる。そのような例において、付勢部材29730は、発射ラッチ29720を付勢してそのロック位置に戻し、シャフト組立体29200がハンドル29104から取り外されている間、及び/又はシャフト組立体29200が完全に取り外された後に、シャフト発射部材29220がその定位置に戻されたと仮定して(図138及び図139)、シャフト発射部材29220を定位置に保持することができる。様々な例において、上記に加えて、シャフト組立体29200及び/又はハンドル29014は、シャフト発射部材29220がそのホーム位置に復帰されていない限り、シャフト組立体29200がハンドル29014から取り外され得ないように構成されている(図138及び図139)。そのような例において、外科用器具29010の全体がそのホーム状態にリセットされた後、シャフト組立体29200が取り外され得るが、その結果、それにより、臨床医が別のシャフト組立体をハンドル29014に組み付けることがより便利になる。したがって、外科用器具29010がそのホーム状態に復帰される前に、シャフト組立体29200がハンドル29014から取り外され得る様々な実施形態が想定されるが、しかしながら、そのような例において、発射ラッチ29720は、シャフト組立体29200がハンドル29014に取り付けられていない間、シャフト発射部材29220を定位置に保持しない場合もある。
図142~図147は、多くの点でシャフト組立体29200と類似したシャフト組立体30200を示す。上記と同様に、シャフト組立体30200は、シャフト組立体30200がハンドル29014に取り付けられておらず、かつ/又はハンドル29014に取り付けられようとしている間にシャフト発射部材29220を定位置に保持するように構成されているが、シャフト組立体30200がハンドル29014に組み付けられるとシャフト発射部材29220を解放するように構成されているラッチシステム30710を備える。主に図143及び図146を参照すると、ラッチシステム30710は、発射ロック30720を含んでいる。発射ロック30720は、中央把持部分30721及び横方向装着部分30722を備える。中央把持部分30721は、シャフト発射部材29220の凹部29221と弾性的に係合するか、又はそれを把持するように構成された横方向側壁30723を備える。横方向側壁30723間の距離は、シャフト発射部材29220が中央把持部分30721内にぴったりと嵌合するように、凹部29221の直径と同じか又はそれより小さい。横方向装着部分30722は、シャフトフレーム29240内に固定的に埋め込まれており、これにより、横方向装着部分30722は、シャフトフレーム29240に対して移動しないか、又は少なくとも実質的に移動しない。これにより、発射ロック30720の他の部分は、以下でより詳細に説明するように、シャフト組立体30200がハンドル29014に組み付けられたときに移動及び/又は偏向するように構成される。
上記に加えて、再び図143及び図146を参照すると、発射ロック30720は、シャフト発射部材29220の凹部29221と解放可能に係合可能である。そのような例において、中央把持部分30721は、発射ロック30720がシャフト発射部材29220と係合されたときに、ラグ29226の遠位ショルダ29223と凹部29221の遠位端壁29225との中間に位置付けられる。更に、そのような例において、発射ロック30720は、シャフト発射部材29220がハンドル29014に組み付けられる前に近位側及び/又は遠位側に移動することを防止する。発射ロック30720の中央把持部分30721は、ラグショルダ29223と遠位端壁29225との間に緊密に受け入れられるように寸法決め及び構成される。その結果、発射ロック30720がシャフト発射部材29220と係合されているとき、シャフト発射部材29220と発射ロック30720との間の相対運動は、あるとしても非常に小さなものとなる。シャフト組立体30200がハンドル29014に組み付けられると、発射ロック30720はハンドル駆動部材29120に接触し、次いで図144及び図147に示されるように偏向する。そのような例において、発射ロック30720は、シャフト発射部材29220から係合解除される。
上記に加えて、発射ロック30720は、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29120と動作可能に連結される際に、シャフト発射部材29220を解放又はロック解除する。しかしながら、シャフト発射部材29220は、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29210と動作可能に連結される直前にロック解除されてもよい。いずれの場合も、ロック解除され、ハンドル駆動部材29210と係合されると、シャフト発射部材29220は、図145に示すように、シャフト組立体29200のエンドエフェクタ300を関節運動させかつ/又はステープル発射行程を実行するために使用され得る。特筆すべきことに、シャフト発射部材29220及びハンドル駆動部材29120は、ステープル発射行程の間も静止したままである発射ロック30720に対して移動する。シャフト組立体30200がハンドル29014から分解されると、発射ロック30720は移動されてハンドル駆動部材29210との接触から外れる。そのような例において、発射ロック30720は、図143及び図146に示されるように、その元のロック構成に弾性的に復帰する。シャフト組立体30200がハンドル29014から分解されるとき、シャフト発射部材29220がそのホーム位置に復帰されていると仮定すると(図143及び図144)、発射ロック30720は、いったんシャフト発射部材29220を定位置に保持することができる。
上述のように、外科用器具の交換式シャフト組立体がハンドルに取り付けられ、かつ/又はハンドルから取り外されるときに、外科用器具の作動システムをホーム状態にすることが望ましい場合がある。様々な例において、例えば、臨床医がシャフト組立体のステープル発射サブシステムをハンドルのステープル発射サブシステムと適切に接続することは、それらがホーム状態にない限り、困難であり得る。いくつかのそのような例において、対応するステープル発射サブシステムが適切に接続されていないとしても(臨床医には容易に明らかとならないこともある状態である)、シャフト組立体はハンドルに取り付けられ得る。様々な実施形態において、外科用器具は、シャフト組立体がハンドルに取り付けられると、そのシャフト組立体の状態を評価するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、外科用器具は、マイクロプロセッサと、ソフトウェアモジュールを実行するように構成されたメモリデバイスとを含むコントローラを備え、このソフトウェアモジュールはとりわけ、シャフト組立体がハンドルに適切に接続されているか否かを評価するものである。
図148は、例えば、本明細書に開示されるコントローラのいずれかなどの交換式シャフト組立体のコントローラと共に使用するための例示的なソフトウェアモジュール31100を示す。様々な例において、上述の交換式シャフト組立体29200及び30200は、そのようなコントローラを備える。コントローラは、例えば、1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリユニットを備えてよく、そのメモリユニットは、モジュール31100などの複数のソフトウェアモジュールを記憶し得るものである。交換式シャフト組立体及び外科用器具ハンドルの特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの若しくはより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されるであろう。更に、様々な例が、説明を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記載される場合があるが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、例えばプロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタなどの1つ以上のハードウェアコンポーネント、及び/若しくは、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックなどのソフトウェアコンポーネント、並びに/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
交換式シャフト組立体29200を例えばハンドル29014に連結すると、インターフェースは、コントローラとメモリとの間の通信を容易にしてモジュール31100を実行することができる。再び図148を参照すると、交換式シャフト組立体29200をハンドル29014に連結した後、モジュール31100は、ハンドル29014内の駆動部材29120の位置を検出するように構成される。例えば、コントローラと信号通信するホール効果センサなどのセンサを含む1つ以上のセンサ回路が、ハンドル駆動部材29120の位置を検出するために使用され得る。ハンドル駆動部材29120がそのホーム位置にない場合、外科用器具の1つ以上の機能が無効化される。一例として、エンドエフェクタの関節運動、エンドエフェクタの閉鎖、及び/又はステープル発射行程の実行が防止され得る。これらのシステムの1つ以上の非活性化又はロックアウトは、例えば、そのようなシステムへの電力を分断することによって達成され得る。ソフトウェアモジュール31100は、そのホーム位置にあると判定されるまで、長手方向駆動部材29120の位置をルーチン的に検出し、したがって、ロックアウト状態を取り除く機会を外科用器具及び/又は臨床医に提供する。ハンドル駆動部材29120がそのホーム位置にあるとして検出された場合、ソフトウェアモジュール31100は、以下でより詳細に説明するように、シャフト発射部材29220の位置を検出する。
上述のように、シャフト組立体29200がハンドル29014に組み付けられるとき、シャフト発射部材29220はハンドル駆動部材29120に動作可能に連結される。任意の好適な連結構成が用いられ得るが、ハンドル駆動部材29120は、シャフト発射部材29220の一部分を受け入れるように構成された取り付けクレードル29126を備える。例えば、取り付けクレードル29126内のシャフト発射部材29220の存在を検出するために、近接センサなどのセンサを含む1つ以上のセンサ回路が用いられ得る。モジュール31100が、発射部材29220が取り付けクレードル29126内にないと判定した場合、外科用器具の1つ以上の機能が無効化される。一例として、エンドエフェクタの関節運動、エンドエフェクタの閉鎖、及び/又はステープル発射行程の実行が防止され得る。これらのシステムの1つ以上の非活性化又はロックアウトは、例えば、そのようなシステムへの電力を分断することによって達成され得る。シャフト発射部材29220の位置及び/又は適切な取り付けを検出するための他のシステムが用いられてもよい。ソフトウェアモジュール31100は、発射部材29220がシャフト駆動部材29120に適切に取り付けられていると判定するまで、発射部材29220をルーチン的に監視する。
ソフトウェアモジュール31100が、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29120に適切に連結されていると判定すると、ソフトウェアモジュール31100は次いで、関節運動スイッチが活性化されているかどうかを判定する。関節運動スイッチは、関節運動システムがステープル発射システムに動作可能に連結されているかどうか、現在、ステープル発射システムに連結されているかどうか、及び/又はステープル発射システムによって駆動されているかどうかを評価する。このような情報は、シャフト組立体及び/又はハンドル内のメモリデバイスに記憶され得る。関節運動駆動システムがステープル発射システムと係合されているかどうかを判定するために、例えば、ソフトウェアモジュール31100は、メモリデバイスを解析する。関節運動駆動システムがステープル発射システムと一度も係合されておらず、関節運動スイッチも一度も活性化されていない場合、ソフトウェアモジュール31100は、外科用器具の1つ以上の機能を無効にするように構成される。一例として、エンドエフェクタの関節運動、エンドエフェクタの閉鎖、及び/又はステープル発射行程の実行が防止され得る。これらのシステムの1つ以上の非活性化又はロックアウトは、例えば、そのようなシステムへの電力を分断することによって達成され得る。関節運動駆動システムが以前にステープル発射システムと係合されているか、又は係合されていると感知された場合、ソフトウェアモジュール31100は、例えば、エンドエフェクタを関節運動させること、ステープル発射行程を実行すること、及び/又はエンドエフェクタを閉鎖することなど、外科用器具の所望の動作機能にユーザが進むことを可能にする。
上記に加えて、他のソフトウェアモジュールが使用されてもよい。一例として、ソフトウェアモジュール31100は、上記の工程のうちの2つ以上を同時に実行することができる。少なくとも1つのそのような例において、ソフトウェアモジュール31100は、例えば、ハンドル駆動部材29120の位置、シャフト発射部材29220がハンドル駆動部材29120に適切に連結されているかどうか、及び/又はエンドエフェクタ関節運動システムが、ステープル発射システムによって以前に駆動されたかどうかを同時に評価することができる。
以下の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、
2006年2月21日に発行された米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、
2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、
2008年12月16日に発行された米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、
2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、
2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、
2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、
米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は米国特許第7,845,537号、
2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、
2008年2月15日に出願された米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、現在は米国特許第7980443号、
米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、現在は米国特許第8,210,411号、
米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は米国特許第8,608,045号、
2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、現在は米国特許第8220688号、
2012年9月29日に出願された米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、現在は米国特許第8,733,613号、
2011年2月28日に出願された米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、現在は米国特許第8,561,870号、
米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号、
2012年6月15日に出願された米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は米国特許第9,101,358号、
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許第9,345,481号、
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、
2006年1月31日に出願された米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、及び、
2010年4月22日に出願された米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」。
様々な実施形態によれば、本明細書に記載する外科用器具は、様々なセンサに結合された1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えてもよい。加えて、プロセッサに対して、記憶装置(動作論理を有する)及び通信インターフェースが互いに連結されている。
プロセッサは、動作論理を実行するように構成されてもよい。プロセッサは、当該技術分野で知られている多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。記憶装置は、動作論理の永久及び一時(ワーキング)コピーを記憶するように構成された、揮発性及び不揮発性記憶媒体を備えてもよい。
様々な実施形態において、上で述べられるように、動作論理は、ユーザの動作データに関連付けられる収集済みのバイオメトリクスを処理するように構成され得る。様々な実施形態では、動作論理は、初期の処理を行い、アプリケーションをホストするコンピュータにデータを送信して、命令を判断し生成するように構成されてもよい。これらの実施形態の場合、動作論理は、ホストコンピュータから情報を受信し、ホストコンピュータにフィードバックを提供するように更に構成されてもよい。代替実施形態では、動作論理は、情報を受信し、フィードバックを判断する際のより大きな役割を負うように構成されてもよい。いずれの場合も、それ自体で判断するか、ホストコンピュータからの命令に応答するかに関わらず、動作論理は、ユーザに対するフィードバックを制御し提供するように更に構成されてもよい。
様々な実施形態では、動作論理は、プロセッサの命令セットアーキテクチャ(ISA)によってサポートされた命令の形で、又は高水準言語の形で実装され、サポートされたISAにコンパイルされてもよい。動作論理は、1つ以上の論理ユニット又はモジュールを含んでもよい。動作論理は、オブジェクト指向の方式で実装されてもよい。動作論理は、マルチタスキング及び/又はマルチスレッド方式で実行されるように構成されてもよい。他の実施形態では、動作論理は、ゲートアレイなどのハードウェアの形で実装されてもよい。
様々な実施形態では、通信インターフェースは、周辺デバイスとコンピューティングシステムとの間の通信を容易にするように構成されてもよい。通信は、ユーザの身体部位の位置、姿勢、及び/又は運動データと関連付けられる、収集された生体データをホストコンピュータに送信すること、並びに触覚フィードバックと関連付けられるデータをホストコンピュータから周辺装置に送信することを含んでもよい。様々な実施形態では、通信インターフェースは、有線又は無線通信インターフェースであってもよい。有線通信インターフェースの一例としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースが挙げられ得るが、それに限定されない。無線通信インターフェースの一例としては、Bluetoothインターフェースが挙げられ得るが、それに限定されない。
様々な実施形態に関して、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてもよい。様々な実施形態において、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてシステムインパッケージ(SiP)を形成してもよい。様々な実施形態では、プロセッサは、同じダイ上で動作論理と一体化されてもよい。様々な実施形態では、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてシステムオンチップ(SoC)を形成してもよい。
様々な実施形態が、本明細書において、プロセッサによって実行されているソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンなど、コンピュータ実行可能命令の一般的文脈で記載され得る。一般に、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定の動作を行うか、又は特定の抽象データタイプを実装するように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定のタスクを行うか、又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンコンポーネント並びに技術の実装例は、何らかの形態のコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/又はそれを介して伝達されてもよい。これに関して、コンピュータ可読媒体は、情報を記憶しコンピューティング装置がアクセスできるように使用可能な、任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態はまた、通信ネットワークを通して結合された1つ以上の遠隔処理デバイスによって動作が行われる、分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、メモリ記憶装置を含むローカル及び遠隔両方のコンピュータ記憶媒体に配置されてもよい。情報とプロセッサによって実行される命令とを記憶するため、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメモリが用いられてもよい。メモリはまた、プロセッサによって命令が実行される間、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態は、様々な動作を行う機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールを備えるものとして例示され、記載され得るが、かかるコンポーネント又はモジュールは、1つ以上のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、及び/又はそれの組み合わせによって実現されてもよいことが理解され得る。機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールは、例えば、論理装置(例えば、プロセッサ)によって実行される論理(例えば、命令、データ、及び/又はコード)によって実装されてもよい。かかる論理は、1つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体上の論理装置の内部で又は外部で記憶されてもよい。他の実施形態では、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールなどの機能コンポーネントは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含み得るハードウェア要素によって実現されてもよい。
ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、機械プログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、語、値、記号、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。一実施形態がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を使用して実装されているか否かの判断は、所望の計算率、電力レベル、耐熱性、処理サイクル予算、入力データレート、出力データレート、メモリリソース、データバス速度、及び他の設計又は性能上の制約など、任意の数の要因にしたがって変動することがある。
本明細書に記載するモジュールのうちの1つ以上は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の埋め込みアプリケーションを含んでもよい。本明細書で説明したモジュールのうちの1つ以上が、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)など、様々な実行可能モジュールを含み得る。ファームウェアは、ビットマスクされた読み取り専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ内など、不揮発性メモリ(NVM)を含み得るコントローラ2016及び/又はコントローラ2022のメモリ内に記憶されてもよい。様々な実装形態では、ファームウェアをROMに記憶することにより、フラッシュメモリが保存され得る。不揮発性メモリ(NVM)は、例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、又は、バッテリバックアップ型のランダムアクセスメモリ(RAM)、例えばダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)などを含め、他の種類のメモリを含み得る。
いくつかの例において、様々な実施形態は、製造物品として実現されてもよい。製造物品は、1つ以上の実施形態の様々な動作を行うための論理、命令、及び/又はデータを記憶するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。様々な実施形態において、例えば、製造物品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行するのに好適なコンピュータプログラム命令を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又はファームウェアを含んでもよい。しかしながら、実施形態は、この文脈に限定されない。
本明細書に開示する実施形態に関連して記載される様々な機能的要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子の機能は、処理装置によって実行されるソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールなど、コンピュータ実行可能命令の一般的文脈で実施され得る。一般に、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定の動作を行うように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定の作業を行うか又は特定の抽象データ型を実現する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。ソフトウェア、制御モジュール、論理、並びに/又は論理モジュール及び技術の実装例は、何らかの形態のコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/又はそれを介して伝達されてもよい。これに関して、コンピュータ可読媒体は、情報を記憶しコンピューティング装置がアクセスできるように使用可能な、任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態はまた、通信ネットワークを通して結合された1つ以上の遠隔処理デバイスによって動作が行われる、分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、メモリ記憶装置を含むローカル及び遠隔両方のコンピュータ記憶媒体に配置されてよい。
加えて、本明細書に記載される実施形態は、例示的な実装形態を示すものであり、機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子は、記載される実施形態と矛盾しない他の様々な方式で実装され得ることが理解されるべきである。更に、かかる機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子によって実施される動作は、所与の実装例に対して結合及び/又は分離されてもよく、より多い又はより少ない数の要素又はモジュールによって行われることができる。本開示を読むことによって当業者には明白となるように、本明細書に記載し例示される個々の実施形態はそれぞれ、本開示の範囲から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれかの機構から容易に分離されるか、又はそれらの特性と組み合わされ得る、別個の構成要素及び機構を有する。説明したいずれの方法も、説明した事象の順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
特筆すべきこととして、「一実施形態」又は「ある実施形態」に対するあらゆる言及は、その実施形態に関連して記載する特定の特性、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態では」又は「一態様では」という句が本明細書に出現するが、これは必ずしも同じ実施形態を指すものではない。
特段の具体的な規定がない限り、「処理する(processing)」、「計算する(computing)」、「算出する(calculating)」、「判断する(determining)」などの用語は、レジスタ及び/又はメモリ内の物理量(例えば、電子)として表されるデータを、メモリ、レジスタ、又はその他のかかる情報記憶、送信、若しくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び/又は変換する、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又はその他のプログラマブル論理装置、個別のゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア要素、又は本明細書に記載した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなど、コンピュータ若しくはコンピューティングシステム、又は類似の電子コンピューティング装置の動作及び/又はプロセスを指すものであると理解されてよい。
特筆すべきこととして、いくつかの実施形態は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語とともに使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを表すために、「接続された」及び/又は「連結された」という用語を使用して記載され得る。しかしながら、「連結された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することもある。例えばソフトウェア要素に関しては、「結合された」という用語は、インターフェース、メッセージインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、交換メッセージなどを指し得る。
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載された開示内容は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
開示される実施形態は、従来の内視鏡及び開放的手術器具における応用性、並びにロボット支援手術における応用性を有する。
本明細書に開示されるデバイスの実施形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又はそれらは複数回使用されるように設計することができる。実施形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスの実施形態は、分解されてもよく、またデバイスの任意の数の特定の部片若しくは部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか又は取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスの実施形態は、再調整用の設備において、又は外科手技の直前に外科チームによって、後の使用のために再組立されてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
単なる例として、本明細書に記載される実施形態は、手術前に処理されてもよい。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで、器具を滅菌してよい。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなどの、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管してよい。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
本明細書に記載される要素(例えば、動作)、デバイス、目的、及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されよう。それゆえ、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、そのクラスを代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、デバイス、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
本明細書における実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
本明細書に記載する主題はときに、異なる他の構成要素の中に含められた、又はそれらと結合された異なる構成要素を示す。そのように表現したアーキテクチャは単なる例であり、実際に、同じ機能性を達成する多数の他のアーキテクチャが実現され得ることを理解されたい。構想の意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書における任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いに「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能であることの特定の例としては、物理的に適合可能な及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は無線式で相互作用可能な及び/若しくは無線式で相互作用する構成要素、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの態様は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又はそれ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又はそれ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することもある。
場合によっては、1つ以上の構成要素が、本明細書において、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「ように動作可能である/動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「ように適合可能である/適合される(conformable/conformed to)」などと言及されることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
本明細書に記載される主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載される主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われてもよく、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記載される主題の真の範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該クレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
加えて、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、一般的に、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の実施形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の実施形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な実施形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1.ハンドルと、シャフトと、ステープルカートリッジを備えるエンドエフェクタであって、シャフトに対して関節運動可能であるエンドエフェクタと、を備える、外科用器具。外科用器具は、外科用器具の状態を検出するように構成された第1のセンサと、状態を検出するように構成された第2のセンサとを更に備え、状態は、エンドエフェクタ関節運動モード及びステープル発射動作モードのうちの1つを含む。外科用器具はプロセッサを更に備え、第1のセンサ及び第2のセンサはプロセッサと信号通信しており、プロセッサは、第1のセンサから第1の信号を受信し、プロセッサは、第2のセンサから第2の信号を受信し、プロセッサは、状態を判定するために第1の信号及び第2の信号を利用するように構成されており、プロセッサは、状態を考慮して外科用器具に指示を通信するように構成されている。
実施例2.第1のセンサはホール効果センサを含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例3.第1のセンサは水分センサを含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例4.第1のセンサは加速度計を含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例5.第1のセンサは化学物質曝露センサを含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例6.ステープルカートリッジは、内部に取り外し可能に格納されたステープルを含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例7.外科手術で使用するように構成された外科用器具であって、ハウジングと、外科用器具の状態を検出するように構成された第1のセンサと、状態を検出するように構成された第2のセンサと、を備える、外科用器具。外科用器具はプロセッサを更に備え、プロセッサはハウジング内に設置されており、第1のセンサ及び第2のセンサはプロセッサと信号通信しており、プロセッサは、第1のセンサから第1の信号を受信し、プロセッサは、第2のセンサから第2の信号を受信し、プロセッサは、状態を判定するために第1の信号及び第2の信号を利用するように構成されており、プロセッサは、外科手術の間、状態を考慮して外科用器具に指示を通信するように構成されている。
実施例8.第1のセンサはホール効果センサを含む、実施例7に記載の外科用器具。
実施例9.第1のセンサは水分センサを含む、実施例7に記載の外科用器具。
実施例10.第1のセンサは加速度計を含む、実施例7に記載の外科用器具。
実施例11.第1のセンサは化学物質曝露センサを含む、実施例7に記載の外科用器具。
実施例12.外科用器具はステープルカートリッジを更に備える、実施例7に記載の外科用器具。
実施例13.内部ハウジングを含むハウジングと、第1のセンサシステムと、第2のセンサシステムと、ハウジングの内容積部内に配置されたコントローラと、を備える、外科用器具。第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムは、コントローラと信号通信しており、コントローラは、第1のセンサシステムから第1の信号を受信するように構成されており、コントローラは、第2のセンサシステムから第2の信号を受信するように構成されており、コントローラは、外科用器具の状態を判定するために、第1の信号及び第2の信号を利用するように構成されており、コントローラは、状態に応じて外科用器具に指示を通信するように構成されている。
実施例14.第1のセンサシステムはホール効果センサを備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例15.第1のセンサシステムは水分センサを備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例16.第1のセンサシステムは加速度計を備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例17.第1のセンサシステムは化学物質曝露センサを備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例18.外科用器具はステープルカートリッジを更に備える、実施例13に記載の外科用器具。
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
ハンドルと、
シャフトと、
ステープルカートリッジを備えるエンドエフェクタであって、前記シャフトに対して関節運動可能であるエンドエフェクタと、
前記外科用器具の状態を検出するように構成された第1のセンサであって、前記状態は、エンドエフェクタ関節運動動作モード及びステープル発射動作モードのうちの1つを含む、第1のセンサと、
前記状態を検出するように構成された第2のセンサと、
プロセッサと、を備え、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは前記プロセッサと信号通信しており、前記プロセッサは、前記第1のセンサから第1の信号を受信し、前記プロセッサは、前記第2のセンサから第2の信号を受信し、前記プロセッサは、前記状態を判定するために前記第1の信号及び前記第2の信号を利用するように構成されており、前記プロセッサは、前記状態を考慮して前記外科用器具に指示を通信するように構成されている、外科用器具。
(2) 前記第1のセンサはホール効果センサを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記第1のセンサは水分センサを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記第1のセンサは加速度計を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記第1のセンサは化学物質曝露センサを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(6) 前記ステープルカートリッジは、内部に取り外し可能に格納されたステープルを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 外科手術で使用するように構成された外科用器具であって、
ハウジングと、
前記外科用器具の状態を検出するように構成された第1のセンサと、
前記状態を検出するように構成された第2のセンサと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサは前記ハウジング内に配置されており、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは前記プロセッサと信号通信しており、前記プロセッサは、前記第1のセンサから第1の信号を受信し、前記プロセッサは、前記第2のセンサから第2の信号を受信し、前記プロセッサは、前記状態を判定するために前記第1の信号及び前記第2の信号を利用するように構成されており、前記プロセッサは、前記外科手術の間、前記状態を考慮して前記外科用器具に指示を通信するように構成されている、外科用器具。
(8) 前記第1のセンサはホール効果センサを含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記第1のセンサは水分センサを含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 前記第1のセンサは加速度計を含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(11) 前記第1のセンサは化学物質曝露センサを含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(12) 前記外科用器具はステープルカートリッジを更に備える、実施態様7に記載の外科用器具。
(13) 外科用器具であって、
内容積部を備えるハウジングと、
第1のセンサシステムと、
第2のセンサシステムと、
前記ハウジングの前記内容積部内に配置されたコントローラと、を備え、前記第1のセンサシステム及び前記第2のセンサシステムは、前記コントローラと信号通信しており、前記コントローラは、前記第1のセンサシステムから第1の信号を受信するように構成されており、前記コントローラは、前記第2のセンサシステムから第2の信号を受信するように構成されており、前記コントローラは、前記外科用器具の状態を判定するために、前記第1の信号及び前記第2の信号を利用するように構成されており、前記コントローラは、前記状態に応じて前記外科用器具に指示を通信するように構成されている、外科用器具。
(14) 前記第1のセンサシステムはホール効果センサを備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記第1のセンサシステムは水分センサを備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(16) 前記第1のセンサシステムは加速度計を備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(17) 前記第1のセンサシステムは化学物質曝露センサを備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(18) 前記外科用器具はステープルカートリッジを更に備える、実施態様13に記載の外科用器具。