JP7278898B2 - 灌流装置 - Google Patents

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    • A01N1/0247Apparatuses, i.e. devices used in the process of preservation of living parts, such as pumps, refrigeration devices or any other devices featuring moving parts and/or temperature controlling components for perfusion, i.e. for circulating fluid through organs, blood vessels or other living parts

Description

本発明は、2種類の流入用血管を有する摘出された肝臓に対して灌流処理を行う灌流装置に関する。
肝臓移植等の移植手術では、ドナーから臓器を摘出した後、当該臓器をレシピエントへ移植するまでの間、一時的に臓器を保存する。摘出された臓器を移植可能な状態で保存するため、種々の保存方法や灌流方法が開発されている。摘出した臓器を保存するためには、例えば、細胞の代謝を抑制するために臓器内血液を低温の臓器保存液に置き換えてから、低温の保存液に浸漬する単純冷却法が知られている。また、保存している臓器内の老廃物の除去を目的として、臓器内血管網に灌流液を灌流させる灌流保存法が知られている。
臓器を体外で保存する従来の装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開平3-151303号公報
特許文献1の装置では、送液ポンプによってリザーバから吸引した灌流液を、灌流チューブを介して臓器に供給する構成が開示されている。このように、臓器の灌流処理を行う場合には、臓器に対して配管を接続して、臓器内に灌流液を供給する。
ここで、肝臓は、大きな流入用の血管を2つ有している。1つは、門脈であり、もう1つは、肝動脈である。肝臓を灌流保存する場合、これらの2つの血管の双方に、それぞれ灌流液を供給することが好ましい。
ここで、門脈は、流入血流量が多いが、静脈系であるため血圧は低く、拍動も小さい。一方、肝動脈は、流入血流量は門脈よりも少ないが、動脈系であるため血圧は高く、拍動も大きい。生体内の環境に近づけるためには、このような2種類の血管に対して、異なる条件で灌流液を供給することが好ましい。しかしながら、2系統の灌流液供給機構の条件を別々に制御すると、その制御機構が複雑化し、装置の大型化やコスト増大を招く原因となる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、肝臓の灌流保存を行う場合に、簡易な構成を採用しつつ、門脈と肝動脈とに適切な条件で灌流液を供給できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、肝臓に対して灌流処理を行う灌流装置であって、灌流液を貯留するリザーバと、上流側の端部が前記リザーバに接続され、下流側の端部が灌流処理時に前記肝臓の門脈に接続される、第1流入配管と、上流側の端部が前記リザーバに接続され、下流側の端部が灌流処理時に前記肝臓の肝動脈に接続される、第2流入配管と、前記第1流入配管内に上流側から下流側へと向かう流れを発生させる第1ポンプと、前記第2流入配管内に上流側から下流側へと向かう流れを発生させる第2ポンプと、を有し、前記第1ポンプおよび前記第2ポンプは、いずれも回転する部分により送液を行う同種のポンプであり、前記第1ポンプの前記回転する部分の径は、前記第2ポンプの前記回転する部分の径よりも大きい。
本願の第2発明は、第1発明の灌流装置であって、前記第1ポンプによって前記第1流入配管内に生じる流れにより前記第1流入配管の下流側の端部から供給される前記灌流液の流量は、前記第2ポンプによって前記第2流入配管内に生じる流れにより前記第2流入配管の下流側の端部から供給される前記灌流液の流量の1.2倍以上かつ1.5倍以下である。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の灌流装置であって、前記第1ポンプは、前記第1流入配管を第1ローラーが回転しながらしごくことで前記第1流入配管内に前記灌流液の流れを生じさせるチューブポンプであり、前記第2ポンプは、前記第2流入配管を第2ローラーが回転しながらしごくことで前記第2流入配管内に前記灌流液の流れを生じさせるチューブポンプである。
本願の第4発明は、第3発明の灌流装置であって、前記第1ポンプの有する第1ローラーの数は、前記第2ポンプの有する第2ローラーの数よりも多い。
本願の第5発明は、第1発明または第2発明の灌流装置であって、前記第1ポンプは、前記第1流入配管に介挿され、前記灌流液に回転力を与え、その遠心力により前記灌流液を送り出す遠心ポンプであり、前記第2ポンプは、前記第2流入配管に介挿された、前記遠心ポンプである。
本願の第1発明から第5発明によれば、第1ポンプと第2ポンプの回転数を同一にした場合であっても、第1流入配管における灌流液の流量と、第2流入配管における灌流液の流量との比をほぼ一定とすることができる。すなわち、特別な制御を行うことなく、門脈に流入する灌流液の流量と、肝動脈に流入する灌流液の流量との比をほぼ一定とすることができる。したがって、簡易な構成を採用しつつ、門脈と肝動脈とに適切な条件で灌流液を供給できる。
特に、本願の第2発明によれば、門脈と肝動脈とに、より適切な条件で灌流液を供給できる。
特に、本願の第3発明および第4発明によれば、チューブポンプは、液体の流れるチューブの外から圧力をかけて送液するため、ポンプ本体と灌流液とが接触しない。このため、ポンプ本体を滅菌処理する必要がなく、メンテナンスが容易である。
特に、本願の第4発明によれば、第1ローラーと第2ローラーとの数が同じ場合と比べて、第1ポンプの1回の拍動における灌流液の送液量を小さくできる。したがって、門脈へ供給する灌流液の圧力が大きくなるのを抑制できる。
特に、本願の第5発明によれば、灌流液が赤血球を含む場合であっても溶血しにくい。
第1実施形態に係る灌流装置の構成を示した概略図である。 第1実施形態に係る第1ポンプおよび第2ポンプの平面図である。 第2実施形態に係る第1ポンプおよび第2ポンプの平面図である。 第3実施形態に係る第1ポンプおよび第2ポンプの平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本願において「ドナー」および「レシピエント」は、ヒトであってもよいし、非ヒト動物であってもよい。すなわち、本願において、「肝臓」は、ヒトの肝臓であってもよいし、非ヒト動物の肝臓であってもよい。また、非ヒト動物は、マウスおよびラットを含む齧歯類、ブタ、ヤギおよびヒツジを含む有蹄類、チンパンジーを含む非ヒト霊長類、その他の非ヒトほ乳動物であってもよいし、ほ乳動物以外の動物であってもよい。
<1.第1実施形態>
<1-1.灌流装置の構成>
本発明の第1実施形態に係る灌流装置1について、図1を参照しつつ説明する。図1は、灌流装置1の構成を示した概略図である。この灌流装置1は、ドナーから摘出したの肝臓を、レシピエントへ移植するまでの間、体外で一時的に保存するための装置である。灌流装置1は、当該肝臓に灌流液を供給して灌流を行う。
灌流装置1によって灌流処理が行われる際に、肝臓9はリアクタ90内に収容される。リアクタ90は、内部に臓器保存液と、灌流装置1に接続された肝臓9とを収容する。リアクタ90には、例えば、カップ状(有底筒状)の容器が用いられる。
図1に示すように、灌流装置1は、リザーバ20、第1灌流液流入部30、第2灌流液流入部40、灌流液流出部50、および制御部10を有する。なお、本実施形態では、灌流装置1の有する灌流液流出部50が1つであるが、灌流装置1は複数の灌流液流出部50を有していてもよい。
リザーバ20は、灌流液を貯留する容器である。リザーバ20の周囲には、温度調整機構21およびガス交換機構22が備えられる。本実施形態の灌流液には、ETK液が用いられる。なお、灌流液には、UW液等のその他の種類の灌流液が用いられてもよい。
温度調整機構21は、リザーバ20内に貯留される灌流液の温度を調整する。ガス交換機構22は、リザーバ20に貯留される灌流液に、酸素等の気体を供給して、当該気体を灌流液に溶解させる。なお、ガス交換機構22は、灌流液流入部30,40の後述する流入配管31,41に介挿されてもよい。
第1灌流液流入部30は、リザーバ20から肝臓9の門脈へと灌流液を供給する。第1灌流液流入部30は、第1流入配管31、第1ポンプ32、温度調整ユニット33、脱気ユニット34および圧力計35を含む。温度調整ユニット33、脱気ユニット34および圧力計35は、第1流入配管31に介挿される。
第1流入配管31の一端は、リザーバ20に接続される。第1流入配管31の他端は、灌流処理時には、灌流対象となる肝臓9の門脈に接続される。これにより、リザーバ20から肝臓9の門脈へと灌流液が供給される。第1ポンプ32は、第1流入配管31内にリザーバ20から肝臓9へと向かう灌流液の流れを発生させる。第1ポンプ32の詳細な構成については、後述する。
温度調整ユニット33は、第1流入配管31内の灌流液の温度を調整する。温度調整ユニット33は、例えば、4℃、20℃、37℃等の設定された温度の液体内に第1流入配管31の一部を浸すことにより、第1流入配管31内の灌流液を設定された温度に調整する。脱気ユニット34は、第1流入配管31内の灌流液の気体成分を除去する。圧力計35は、第1流入配管31内の灌流液の圧力を計測する。
第2灌流液流入部40は、リザーバ20から肝臓9の肝動脈へと灌流液を供給する。第2灌流液流入部40は、第2流入配管41、第2ポンプ42、温度調整ユニット43、脱気ユニット44および圧力計45を含む。温度調整ユニット43、脱気ユニット44および圧力計45は、第2流入配管41に介挿される。
第2流入配管41の一端は、リザーバ20に接続される。第2流入配管41の他端は、灌流処理時には、灌流対象となる肝臓9の肝動脈に接続される。これにより、リザーバ20から肝臓9の肝動脈へと灌流液が供給される。第2ポンプ42は、第2流入配管41内にリザーバ20から肝臓9へと向かう灌流液の流れを発生させる。第2ポンプ42の詳細な構成については、後述する。
第2灌流液流入部40の温度調整ユニット43、脱気ユニット44および圧力計45は、第1灌流液流入部30の温度調整ユニット33、脱気ユニット34および圧力計35と同様である。なお、第1灌流液流入部30の温度調整ユニット33と第2灌流液流入部40の温度調整ユニット43とは第1流入配管31および第2流入配管41の双方について、灌流液の温度を同時に調整する1つの温度調整ユニットであってもよい。
灌流液流出部50は、肝臓9から灌流液を排出させる。灌流液流出部50は、流出配管51を有する。流出配管51の一端は、灌流処理時には、灌流対象となる肝臓9に接続される。本実施形態では、流出配管51は、肝臓9の肝上部下大静脈(SH-IVC)または肝下部下大静脈(IH-IVC)に接続される。流出配管51の他端は、リザーバ20に接続される。これにより、肝臓9の肝臓9の肝上部下大静脈(SH-IVC)または肝下部下大静脈(IH-IVC)から排出される灌流液が、リザーバ20へと還流される。流出配管51には、肝臓9からリザーバ20へと向かう灌流液の流れを発生させるポンプが介挿されてもよい。
本実施形態の灌流装置1は、肝臓9から排出された灌流液をリザーバ20へと還流させる構成であったが、本発明はこれに限られない。肝臓9から排出された灌流液は、リザーバ20へと還流させず、廃棄したり、他の容器に貯留したりしてもよい。
なお、リザーバ20、灌流液流入部30,40および灌流液流出部50の各部には、pHや、特定の成分を検出するための計測ユニットが適宜備えられていてもよい。また、流入配管31,41および流出配管51には、流量計や、連通を制御する電磁弁等が介挿されていてもよい。
制御部10は、灌流装置1内の各部を動作制御するための部位である。図1中に概念的に示したように、制御部10は、例えば、CPU等の演算処理部11、RAM等のメモリ12、および、ハードディスクドライブ等の記憶部13を有するコンピュータにより構成される。
<1-2.灌流液流入部のポンプについて>
次に、2つの灌流液流入部30,40の有するポンプ32,42について、図2を参照しつつ説明する。図2は、本実施形態の第1ポンプ32および第2ポンプ42の平面図である。第1ポンプ32および第2ポンプ42は、いずれも回転する部分により送液を行う同種のポンプである。
本実施形態の第1ポンプ32および第2ポンプ42は、所謂チューブポンプである。チューブポンプは、送液対象となる液体が満たされた弾性のあるチューブをローラーが回転しながらしごくことで、チューブ内に流れを生じさせる。チューブポンプは、ローラーで押しつぶされたチューブが元に戻るときの陰圧で液体を上流側から吸引するため、逆止弁を必要とせず、送液量を正確に調整することができる。また、チューブポンプは、液体の流れるチューブの外から圧力をかけて送液するため、ポンプ本体と液体とが接触しない。このため、灌流液を送液する場合にも、ポンプ本体を滅菌処理する必要がなく、メンテナンスが容易である。
図2に示すように、第1ポンプ32は、第1フレーム61と、第1モーター62と、2つの第1ローラー63とを有する。第1フレーム61は、第1凹部610を有する。第1凹部610の縁部は、円弧状の第1円弧部611と、第1フレーム61の端部まで開放された第1開放部612とを有する。第1ポンプ32の使用時には、図2に示すように、第1フレーム61の第1凹部610の縁部に沿って第1流入配管31が配置される。
第1モーター62は、2つの第1ローラー63を第1中心軸620を中心として回転させる。第1モーター62には、例えば、ブラシレスモーターが用いられる。図2中には、第1ローラー63の回転方向が実線矢印で示されている。また、第1流入配管31における灌流液の流れる方向が破線矢印で示されている。
2つの第1ローラー63は、第1中心軸620に対して180°回転対称に配置される。第1フレーム61の第1円弧部611は、第1中心軸620を中心とした円弧状である。また、第1中心軸620から第1円弧部611までの距離と第1中心軸620から第1ローラー63の外端部までの距離との差分は、第1流入配管31の外径よりも小さい。このため、第1ローラー63は、第1フレーム61にセットされた第1流入配管31を押圧して押しつぶしながら回転する。これにより、第1流入配管31内の灌流液が、第1ローラー63の回転方向に押し出され、第1流入配管31内に流れが生じる。
すなわち、第1ポンプ32は、第1流入配管31を第1ローラー63が回転しながらしごくことで第1流入配管31内に流れを生じさせるチューブポンプである。
同様に、第2ポンプ42は、第2フレーム71と、第2中心軸720を中心として回転する第2モーター72と、2つの第2ローラー73とを有する。第2フレーム71は、第2凹部710を有する。第2凹部710の縁部は、円弧状の第2円弧部711と、第2フレーム71の端部まで開放された第2開放部712とを有する。第2ポンプ42の使用時には、図2に示すように、第2フレーム71の第2凹部710の縁部に沿って第2流入配管41が配置される。
このように、第2ポンプ42の構成は、第1ポンプ32とほぼ同じである。第2ポンプ42は、第2流入配管41を第2ローラー73が回転しながらしごくことで第2流入配管41内に流れを生じさせるチューブポンプである。図2中には、第2ローラー73の回転方向が実線矢印で示されている。また、第2流入配管41における灌流液の流れる方向が破線矢印で示されている。
ここで、第1ポンプ32の回転する部分の径は、第2ポンプ42の回転する部分の径よりも大きい。具体的には、第1円弧部611の第1中心軸620からの距離は、第2円弧部711の第2中心軸720からの距離よりも大きい。また、第1ローラー63の外端部の第1中心軸620からの距離は、第2ローラー73の外端部の第2中心軸720からの距離よりも大きい。
これにより、第1ポンプ32の第1モーター62の回転数と第2ポンプ42の第2モーター72の回転数とを同一にした場合、第1ポンプ32によって第1流入配管31内に生じる灌流液の流れにおける灌流液の流量は、第2ポンプ42によって第2流入配管41内に生じる灌流液の流れにおける灌流液の流量よりも大きくなる。
生体内の肝臓において、血液は門脈と肝動脈とから供給される。肝動脈は動脈系であり、肝動脈内の血液の圧力は大きいものの、血流量は小さい。これに対し、門脈は静脈系であり、門脈内の血液の圧力は、肝動脈内の圧力に比べて非常に小さいものの、血流量は大きい。この灌流装置1では、第1モーター62と第2モーター72との回転数を異ならせることなく、門脈に接続する第1流入配管31における灌流液の流量を、肝動脈に接続する第2流入配管41における灌流液の流量よりも大きくできる。
このように、第1流入配管31における灌流液の流量と、第2流入配管41における灌流液の流量とを異ならせるために、同種のポンプであって、その回転する部分の径が異なるものを使用する。これにより、第1ポンプ32と第2ポンプ42の回転数を同一にした場合であっても、第1流入配管31における灌流液の流量と、第2流入配管41における灌流液の流量との比をほぼ一定とすることができる。すなわち、特別な制御を行うことなく、門脈に流入する灌流液の流量と、肝動脈に流入する灌流液の流量との比をほぼ一定とすることができる。したがって、簡易な構成を採用しつつ、門脈と肝動脈とに適切な条件で灌流液を供給できる。
肝臓の灌流保存を行う場合、門脈へ供給する灌流液の流量を、肝動脈へ供給する灌流液の流量の1.3倍程度とすることが好ましい。このため、本実施形態では、第1ポンプ32によって第1流入配管31内に生じる灌流液の流れにおける灌流液の流量は、第2ポンプ42によって第2流入配管41内に生じる灌流液の流れにおける灌流液の流量の1.2倍以上1.5倍以下とする。このようにすれば、門脈と肝動脈とに、より適切な条件で灌流液を供給できる。
<2.第2実施形態>
続いて、第2実施形態に係る灌流装置の第1ポンプ32Aおよび第2ポンプ42Aについて、図3を参照しつつ説明する。図3は、第1ポンプ32Aおよび第2ポンプ42Aの平面図である。第1ポンプ32Aおよび第2ポンプ42Aは、いずれも、第1実施形態に係る第1ポンプ32および第2ポンプ42と同種のチューブポンプである。
本実施形態に係る第1ポンプ32Aおよび第2ポンプ42Aについて、第1実施形態に係る第1ポンプ32および第2ポンプ42と同等の構成については、説明を省略する。また、説明を省略した構成について、図3中、第1実施形態と同じ符号に「A」を加えた符号を付している。
第1ポンプ32Aは、3つの第1ローラー63Aを有する。一方、第2ポンプ42Aは、2つの第2ローラー73Aを有する。3つの第1ローラー63Aは、第1中心軸620Aを中心として、120°毎に回転対称に配置される。
第1実施形態の第1ポンプ32では、第1モーター62が1回転する間に、2つの第1ローラー63が第1流入配管31をしごく。また、第2ポンプ42では、第2モーター72が1回転する間に、2つの第2ローラー73が第2流入配管41をしごく。このため、第1流入配管31および第2流入配管41では、モーター62,72の一回転周期Tの間に、2回の拍動が生じる。
これに対し、本実施形態の第1ポンプ32Aは、第1モーター62Aが1回転する間に3回、第1ローラー63Aが第1流入配管31Aをしごく。このため、第1流入配管31Aでは、第1モーター62Aの一回転周期Tの間に、3回の拍動が生じる。一方、第2ポンプ42Aは、第2モーター72Aが1回転する間に2回、第2ローラー73Aが第2流入配管41Aをしごく。このため、第2流入配管41Aでは、第2モーター72Aの一回転周期Tの間に、2回の拍動がある。
チューブポンプにおいて、ローラーの数が多い方が1回の拍動毎の送液量が小さくなるため、拍動における灌流液の圧力の変化が小さい。したがって、第1ローラー63Aの数を第2ローラー73Aの数よりも多くすることにより、第2ポンプ42Aよりも送液量の大きな第1ポンプ32Aにおいて、送液する灌流液の圧力を低減できる。その結果、門脈へ供給する灌流液の圧力を低減できる。
<3.第3実施形態>
続いて、第3実施形態に係る灌流装置の第1ポンプ32Bおよび第2ポンプ42Bについて、図4を参照しつつ説明する。図4は、第1ポンプ32Bおよび第2ポンプ42Bの平面図である。
第1ポンプ32Bおよび第2ポンプ42Bは、いずれも、血液用の遠心ポンプである。血液用の遠心ポンプは、内部を流れる血液に回転力を与え、その遠心力により血液を送り出す。具体的には、第1ポンプ32Bは、第1流入配管31Bに介挿され、灌流液に回転力を与え、その遠心力により灌流液を送り出す。第2ポンプ42Bは、第2流入配管41Bに介挿され、灌流液に回転力を与え、その遠心力により灌流液を送り出す。
なお、本実施形態の遠心ポンプは、羽根型のインペラの回転により灌流液に遠心力を生じさせる羽根型遠心ポンプである。なお、遠心ポンプには、円錐状のインペラの回転による粘性摩擦力によって灌流液に遠心力を生じさせる粘性摩擦型遠心ポンプであってもよい。
図4に示すように、第1ポンプ32Bは、灌流液が満たされる内部空間320Bと、内部空間320B内に配置された複数の羽根321Bを有する。第1流入配管31Bの上流側は、内部空間320Bの中央と連通する流入口322Bに接続される。第1流入配管31Bの下流側は、内部空間320Bの接線方向に沿って設けられた流出口323Bに接続される。なお、図4中には、羽根321Bの回転方向が実線矢印で示されている。また、第1流入配管31Bにおける灌流液の流れる方向が破線矢印で示されている。
第1ポンプ32Bの駆動源であるモーター(図示省略)の回転に伴って複数の羽根321Bが回転すると、内部空間320B内において灌流液が羽根321Bとともに回転し、内部空間320Bの外周部に接線方向の強い流れが生じる。これにより、内部空間320Bから流出口323Bを通って第1流入配管31Bの下流側へと、灌流液が送り出される。
第2ポンプ42Bの構成は、第1ポンプ32Bと同様であるため、説明を省略する。図4に示すように、第1ポンプ32Bの回転する部分の径は、第2ポンプ42Bの回転する部分の径よりも大きい。ポンプ径が大きい方が、ポンプ内部で発生する遠心力も大きくなり、送液量を大きくできる。
したがって、第1ポンプ32Bのモーターの回転数と第2ポンプ42Bのモーターの回転数が同一である場合、第1ポンプ32Bの送液量は、第2ポンプ42Bの送液量よりも大きくなる。すなわち、第1ポンプ32Bによって第1流入配管31B内に生じる流れにより第1流入配管31Bの下流側の端部から供給される灌流液の流量は、第2ポンプ42Bによって第2流入配管41B内に生じる流れにより第2流入配管41Bの下流側の端部から供給される灌流液の流量よりも大きい。
本実施形態のように、第1ポンプ32Bおよび第2ポンプ42Bに、遠心ポンプが用いられてもよい。遠心ポンプは、弁機構を持たないため、灌流液が赤血球を含む場合であっても溶血しにくいというメリットがある。一方、遠心ポンプは、前後の負荷の変化によって送液量が変動するため、正確な流量は流量計で計測する必要がある。
<4.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態において、第1流入配管と第2流入配管の太さは同じであったが、本発明はこれに限られない。より送液量の大きな第1流入配管は、第2流入配管よりも太くてもよい。このようにすれば、灌流液の流量がより大きな第1流入配管において灌流液の圧力が高まるのを抑制できる。
また、上記の実施形態では、チューブポンプを用いる場合と、遠心ポンプを用いる場合とを、別々に説明した。しかしながら、1つの灌流装置において、チューブポンプと遠心ポンプとを併用してもよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 灌流装置
9 肝臓
20 リザーバ
31,31A,31B 第1流入配管
32,32A,32B 第1ポンプ
41,41A,41B 第2流入配管
42,42A,42B 第2ポンプ
63,63A 第1ローラー
73,73A 第2ローラー
100 灌流装置

Claims (5)

  1. 肝臓に対して灌流処理を行う灌流装置であって、
    灌流液を貯留するリザーバと、
    上流側の端部が前記リザーバに接続され、下流側の端部が灌流処理時に前記肝臓の門脈に接続される、第1流入配管と、
    上流側の端部が前記リザーバに接続され、下流側の端部が灌流処理時に前記肝臓の肝動脈に接続される、第2流入配管と、
    前記第1流入配管内に上流側から下流側へと向かう流れを発生させる第1ポンプと、
    前記第2流入配管内に上流側から下流側へと向かう流れを発生させる第2ポンプと、
    を有し、
    前記第1ポンプおよび前記第2ポンプは、いずれも回転する部分により送液を行う同種のポンプであり、
    前記第1ポンプの前記回転する部分の径は、前記第2ポンプの前記回転する部分の径よりも大きい、灌流装置。
  2. 請求項1に記載の灌流装置であって、
    前記第1ポンプによって前記第1流入配管内に生じる流れにより前記第1流入配管の下流側の端部から供給される前記灌流液の流量は、前記第2ポンプによって前記第2流入配管内に生じる流れにより前記第2流入配管の下流側の端部から供給される前記灌流液の流量の1.2倍以上かつ1.5倍以下である、灌流装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の灌流装置であって、
    前記第1ポンプは、前記第1流入配管を第1ローラーが回転しながらしごくことで前記第1流入配管内に前記灌流液の流れを生じさせるチューブポンプであり、
    前記第2ポンプは、前記第2流入配管を第2ローラーが回転しながらしごくことで前記第2流入配管内に前記灌流液の流れを生じさせるチューブポンプである、灌流装置。
  4. 請求項3に記載の灌流装置であって、
    前記第1ポンプの有する前記第1ローラーの数は、前記第2ポンプの有する前記第2ローラーの数よりも多い、灌流装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の灌流装置であって、
    前記第1ポンプは、前記第1流入配管に介挿され、前記灌流液に回転力を与え、その遠心力により前記灌流液を送り出す遠心ポンプであり、
    前記第2ポンプは、前記第2流入配管に介挿された、前記遠心ポンプである、灌流装置。
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