JP7278032B2 - フュージョンフュエルを製造するための改質剤を生成する改質剤生成装置およびそれを収納しているコンテナ - Google Patents

フュージョンフュエルを製造するための改質剤を生成する改質剤生成装置およびそれを収納しているコンテナ Download PDF

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Description

本発明は、石油燃料の改質(の結果としてフュージョンフュエル(fusion fuel)を製造するため)に好適な材料(または剤)の生成装置に関する。より詳細には、本発明は、原油から精製された石油燃料と化学反応させるための、改質剤(reforming agent;石油燃料と同じく必須の、フュージョンフュエルの原料)の生成装置に関する。
科学技術上の成果を人間社会に利用するためには、エネルギー生産が不可欠である。近年、エネルギーは、自然界(自然現象および天然資源)から、あらゆる手段によって生産されている。全世界において消費されるエネルギーの生産を主に担っているのは、エネルギー生産手段の多様化と関係なく、かつ前世紀と変わることなく、地殻から採取された地下資源(特に、原油から精製される石油燃料)である。したがって、地下資源の枯渇を先延ばしにするために、地下資源の消費量の低減(同時の、エネルギー生産量の維持または向上)は、重要な課題である。当該低減を実現する技術は前世紀から研究されている。
米国特許第5,437,693号(1995年8月1日公開)
しかし、現在までに提案されている上記技術は、上記低減の実現に寄与していない。当該技術は、水および石油燃料の混合物を生成する技術である。この混合物は、その燃焼によるカロリーにおいて石油燃料のみとほぼ同じである。この混合物に含まれている水は、従来の燃焼室における石油燃料の燃焼を妨げたり、当該燃焼室を故障させたりする。つまり、この混合物は、単独の石油燃料を従来の燃焼室において燃焼させるときの費用対効果(費用に対するエネルギー生産効率)と比べて、低い費用対効果を示す。
したがって、本発明の目的は、石油燃料を出発物質として用いる新たな人工燃料(フュージョンフュエル)にとっての、石油燃料以外の材料を生成することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る改質剤生成装置は、石油燃料の改質に使用される改質剤を、水から生成し、かつ当該水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させるプラズマ生成槽を備えている。
本発明の一側面によれば、エネルギー生産における石油燃料の消費を大幅に抑制し得る。
本発明の一実施形態に係る装置の構成を示す概略図である。 本発明の一実施例に係る改質剤を用いて改質された燃料、水および石油燃料の混合物、ならびに水の外観を比較する図である。
〔1.用語および表現の意味〕
本発明のいくつかの実施形態を説明するために本明細書に用いられている用語および表現の意味を、以下に説明する。
用語「石油燃料」は、本明細書に使用されるとき、常温において液体の炭化水素(またはそれらの混合物)を意味する。当該炭化水素(またはそれらの混合物)は、(i)原油の採取、および当該原油からの分留、(ii)原油または原油からの分留生成物の、人工的な化学誘導、ならびに(iii)固体の炭化水素(例えば石炭)の融解または気体の炭化水素(例えば天然ガス)の凝縮によって生成され得る。ここで、炭化水素は、異種原子(例えばN、OまたはS)を部分的に含み得る。つまり、上記石油燃料は、天然資源から得られる、任意の炭化水素化合物である。石油燃料の具体例としては、軽油、重油、ガソリン(高オクタン価または低オクタン価を有している)、灯油およびナフサなどが挙げられる。
用語「改質」は、本明細書に使用されるとき、石油化学工業の分野において使用される当該用語の広い意味を有しており、石油燃料を構成している炭化水素における原子の組成比(主に炭素:水素:酸素の比)を変化させる化学反応を意味する。したがって、改質は、石油燃料の有しているオクタン価の向上を必ずしも生じない。改質は、それによって炭化水素における原子の組成比が変化するので、例えば、採取されたときに、常温において固体または気体であった炭化水素を、常温において液体の炭化水素に変換し得る。
用語「改質剤(reforming agent)」は、本明細書に使用されるとき、改質水(reforming water)と交換可能に用いられ、上述されている改質の意味にしたがって、石油燃料および改質剤の混合によって、石油燃料を改質するための剤(agent)を意味する。当該混合のみが石油燃料の改質を生じ得るし、当該混合および続く任意の処理(例えば加圧および紫外線照射など)の組合せが石油燃料の改質を生じ得る。後述する通り、改質剤は、高電圧の印加によって、少なくとも部分的にプラズマ化された水である。したがって、改質剤および水(材料)のそれぞれに含まれている成分は、実質的に同じである。
用語「フュージョンフュエル(fusion fuel)」は、本明細書に使用されるとき、石油燃料に含まれている炭化水素の組成を化学的に変化させることによって、当該石油燃料から新たに生成される人工燃料を意味する。フュージョンフュエルの主な原料は、石油燃料および改質剤である。したがって、フュージョンフュエルは、原料である石油燃料における平均の原子組成比(特に炭素:水素:酸素の比)と、異なる組成(特に、炭素原子数に対する、水素原子数および酸素原子数の、上昇した比)を有している。つまり、本明細書に使用されるとき、「フュージョン」は、異なる分子(炭化水素および水)の化学的な結合(またはその結果物)を意味し、異なる分子の単なる混合(またはその結果物)を意味しない。
用語「原水」は、本明細書に使用されるとき、改質剤生成装置を設置した地域において、精製なしに、多量かつ容易に入手可能な水を意味する。したがって、原水(の成分または種類)は、地域ごとに異なる。原水の種類は、後ほど説明される。
用語「精製水」は、本明細書に使用されるとき、不純物(特に無機不純物)を取り除く任意の処理を受けた後の原水を意味する。したがって、精製水は、当該処理を受ける前の原水より、不純物を少なく含んでいる水である。精製水としては、純水が特に好ましい。純水は、実質的に水分子のみからなる液体を意味する。純水は、不純物を実質的に含んでいない。したがって、純水は、水の電離度にほぼ等しい電離度を有している、電離度の非常に低い液体である。
本明細書に使用されるとき、用語「無機不純物」は、シリコン化合物(特にシリカ)または金属(Ca、Mg、Zn、FeまたはCu)を意味する。
原水または精製水に含まれている不純物の量を表すために本明細書に使用されるとき、表現「実質的に含んでいない」は、水が非常に微量の不純物を含んでいる状態、または水が不純物を完全に含んでいない状態を意味する。したがって、例えば、当該表現は、0.1質量%(すなわち、1gの不純物(の総量)を1Lの原水または精製水が含んでいる)、0.01質量%、0.001質量%、0.0001質量%またはそれ以下の不純物を原水または精製水が含んでいる(ここで、原水または精製水の質量を100質量%とする)ことを意味する。具体的な不純物、および原水におけるその含有量の対応関係を、項目を改めて後述する。
〔2.改質剤生成装置〕
本発明の一側面は、フュージョンフュエルを石油燃料から製造するための改質剤を、水から生成する改質剤生成装置である。当該改質剤生成装置は、上記原水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させるプラズマ生成槽を備えている。上記改質剤生成装置の一実施形態が、図1を参照して、以下に説明される。図1は、本発明の一実施形態に係る装置の構成を示す概略図である。
図1に示されているように、改質剤生成装置10は、プラズマ処理タンク(プラズマ生成槽)1を備えている。プラズマ処理タンク1は、コンテナ5に収納されている。したがって、本実施形態に係る改質剤生成装置10は、改質剤の生成に必要とされる構成要素を、コンテナ5の内部に備えている改質剤生成ユニット(項目を改めて説明する)として機能する。改質剤生成装置10に備えられている各要素を説明する。
(プラズマ処理タンク1)
プラズマ処理タンク1は、水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させる処理を実行するタンクである。プラズマ処理タンク1には、高電圧印加用の電極(少なくとも一対)が挿入されている。プラズマ処理タンク1の本体(のうち少なくとも内表面)は、絶縁材料によって作製されている。例えば、プラズマ処理タンク1は、約1000Lの用量を有しているステンレス(SUS304)製のタンクである。当該タンクの側面には、内部を視認するための円形の窓が設けられている。
プラズマ処理タンク1には、水の通る管7aおよび改質剤の通る管7bが接続されている。管7aおよび7bには、水もしくは改質剤を流すためのポンプ、および流量の調節するためのバルブが設けられている。当該バルブが流体の流れを遮断することによって、電圧印加中のプラズマ処理タンク1の内部は、外部と気密に遮断される。プラズマ処理タンク1には、その内部の液体を均質にするための攪拌機が備えられている。
(水)
プラズマ処理タンク1に供給される水(この項目では「材料」と記載する)は、改質剤生成装置10を設置した地域において、多量かつ容易に入手可能な水である。したがって、上記材料の一般的な例は、当該地域の原水(多くの場合に、精製なしに、陸上で多量に入手できる淡水(例えば、上水(水道水)、河川および湖沼にある水、ならびに地下水))である。上記材料には、不純物(特に無機物)を、少なく含んでいる水、または不純物を実質的に含んでいない水が、好ましく使用される。したがって、不純物の含有量に応じて、原水は、上記材料として使用される前に、当業者に周知の方法(例えば蒸留およびろ過)によって精製水(例えば純水)に変えられ得る。
上記材料は、飲料水(特に飲用の水道水)、または純水であることが好ましい。飲用の水道水は、良好な水質、安定した供給量、および取水設備を要しないことから、上記材料として特に好ましい。プラズマ処理タンク1における適切な処理という観点から、以下の基準を満たしている水が、上記材料として好ましい。括弧内の値は、1Lの水を1kgの水とみなして算出されている。
カルシウム:<300mg/L(0.03質量%)
シリカ:<300mg/L(0.03質量%)
マグネシウム:<300mg/L(0.03質量%)
亜鉛:<1.0mg/L(0.0001質量%)
アルミニウム:<0.2mg/L(0.00002質量%)
鉄:<0.3mg/L(0.00003質量%)
銅:<1.0mg/L(0.0001質量%)
TOC:<3mg(0.0003質量%)。
〔3.改質剤生成ユニット〕
改質剤生成装置10は、コンテナ5に収納されている一体型の改質剤生成ユニットとして、形成されている。当該改質剤生成ユニットは、例えば、図1に示されている管7aおよび7bを取り外すことによって、輸送用のコンテナと同様に扱われ得る。したがって、当該改質剤生成ユニットがコンテナ5に収納されていることによって、当該ユニットの、製造地域から稼働地域への輸送、稼働地域における設置および稼働開始が容易である。さらに、改質剤生成ユニットの増設は容易である。新たなユニットの増設作業は、新たなユニットを、設置済のユニットに載置または並置することによって終わる。
ここで、コンテナ5の内部には、プラズマ処理タンク1ならびに管7aおよび7bの動作を制御するコントロールボックスが、設置されている(図1には示さず)。つまり、改質剤生成ユニットは、コントロールボックスからの内部制御によって、独立して運転可能である。複数の改質剤生成ユニットを稼働地域に設置することは、改質剤の安定供給を、長期にわたって保証する。改質剤生成ユニットの保全作業および交換が容易だからである。
〔4.改質剤生成方法〕
本発明の一側面は、フュージョンフュエルを石油燃料から製造するための改質剤を、水から生成する方法に関する。当該方法は、上記水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させる工程を含んでいる。当該工程は、例えば、改質剤生成装置10を用いて実施される。
改質剤生成装置10の最大処理能力を約2500L/時間(後述する連続処時)に設定したときの、改質剤生成装置10を用いた改質剤生成方法を以下に説明する。上記工程は、プラズマ処理タンク1によって主に実施される。したがって、材料として使用する水の水質に応じた、プラズマ処理タンク1の運転条件が、改質剤生成の成否を決める。改質剤生成装置10の運転条件を決める要素としては、プラズマ処理タンク1に供給される水に印加される電圧、および当該電圧の印加時間が挙げられる。なお、上記最大処理能力を発揮するために、プラズマ処理タンク1は、約1000Lの容量(800~900Lの水を1時間に3回にわたって処理する)を備えている。
改質剤生成装置10は、空のプラズマ処理タンク1に約1000Lの水を満たし、比較的に長い時間(例えば2~4時間)にわたるバッチ処理を、運転開始時に(保全作業のために、運転を停止させ、かつプラズマ処理タンク1を空にした場合には、運転再開時にも)実施する。当該バッチ処理の後に、改質剤生成装置10は、改質剤(一部)の取出しおよび水の供給と、プラズマ処理タンク1内への電圧印加とを繰り返す連続処理を実施する。したがって、上記工程は、バッチ処理および連続処理から、実質的に構成されている。特に断りがない限り、以下に説明されている運転条件は、バッチ処理および連続処理に共通である。
プラズマ処理タンク1において、水に印加される電圧は、3000~80000V(より詳細には8000~60000V、10000~50000V、15000~40000Vまたは20000~35000V)の範囲である。上記範囲のうち、10000~50000Vの電圧は、不純物の多い水からでも改質剤を生成可能であるので、好ましい。
実施例2に示す通り、プラズマ処理タンク1に供給される水の水質が高い(例えば人間の飲用に適している)とき、プラズマ処理タンク1において水に印加される電圧は、3000Vに設定される。一方で、プラズマ処理タンク1に供給される水の水質が低い(例えば不純物がやや多い)とき、上記電圧は、3000Vを大きく超える値(例えば30000V)に設定される。実施例1に示す通り、上記電圧を30000Vに設定した場合、改質剤生成装置10は、不純物の多い水(多くの国および地域で容易に入手できる水)から改質剤を生成可能である。同時に、30000V以下の上記電圧は、改質剤生成装置10の安全性を高め得る。改質剤生成装置10の運転時には電磁波が生じる。当該電磁波は、周囲(人間または物)に悪影響(例えば、通信機器の破損)を及ぼすが、上記電圧が30000V以下であるときの、改質剤生成装置10が生じさせる電磁波は、適切な設計(改質剤生成装置10またはその付加的な設備の)によって遮断され得る。
多量に入手できる淡水をプラズマ処理タンク1において処理する限り、上記電圧として極めて高い値(例えば、60000または80000V)を採用する必要は少ない。したがって、当該必要が生じた場合には、最大で30000Vの電圧を印加可能な電極(1つの電源に接続されている一対の電極)を、2組または3組、準備すればよい。
プラズマ処理タンク1は、上述の通り、連続処理の前にバッチ処理を行う。バッチ処理では、空のプラズマ処理タンク1に1000Lの水を満たした後に、2~4時間にわたって水に電圧を印加する。飲用に適している水を材料として使用するとき、3000Vの電圧による2時間、または6000Vの電圧による4時間の、バッチ処理が、1000Lの水から1000Lの改質剤を生成可能である。
バッチ処理に続いて、プラズマ処理タンク1は、1時間あたり約2500Lの改質剤を生成する処理を行う。当該処理では、1時間に以下の(1)~(3)を3回、実施する。当該処理を継続させることによって、プラズマ処理タンク1は、1時間あたり2500Lを超える(例えば、2550L:850L×3)改質剤を、管7bに送り出すことができる。
(1)上記バッチ処理または(3)によって生成された改質剤の一部(850L)を、管7bを通して、プラズマ処理タンク1から送り出す(5分間)。
(2)管7aから水(850L)をプラズマ処理タンク1に入れる(5分間)。
(3)プラズマ処理タンク1における水および改質剤の混合物に3000Vの電圧を印加する(数分~10分間)。
(3)に要する時間は、実際に処理する水の水質にしたがって、変更され得る。当該水質が高ければ、当該時間は5分間未満であり、当該水質が低ければ、当該時間は10分間である。
上記改質剤生成方法では、改質剤生成装置10が、以上に記載されているように改質剤を生成する。後述する実施例に証明されている通り、改質剤生成装置10を用いることによって、1時間あたり2500Lの改質剤が、継続的に生成され得る。
なお、改質剤生成装置10の処理能力は、(1)~(3)を繰り返す、1時間あたりの回数を減らすこと、(1)、(2)もしくは(3)の時間を延長すること、または(1)~(3)に加えて休止期間を設けること、などによって、上記最大処理能力の範囲内で調節可能である。2500L/時間を超える処理能力が求められる場合には、例えば、上記改質剤生成ユニットを増設すればよい。
なお、改質剤生成装置10の最大処理能力(2500L/時間)を向上させることは、プラズマ処理タンク1の容量を大きくすること、または電圧を上昇させることなどによって、可能である。改質剤の、石油燃料との反応性(上記工程の精度)、改質剤生成装置10の安全性、および/または改質剤生成装置10の耐久性を考慮すると、改質剤生成装置10の最大処理能力を2500L/時間に設定することが、発明者らの経験から、改質剤生成装置10の性能を最大限に引き出し得る。
(水質試験)
上記改質剤生成ユニットは、世界中のあらゆる地域に設置され得る。管7aからプラズマ処理タンク1に供給される水の水質は、当該ユニットの設置される地域ごとにまったく異なる。当該水質の良否が、プラズマ処理タンク1の運転条件をほぼ決める。当該ユニットの設置を予定している地域において多量かつ容易に入手可能な水の水質をあらかじめ試験することが、上記改質剤生成方法にとって好ましい。水質の試験方法は周知なので、詳述しない。
(水の精製)
例えば上記水質試験の結果として、ある地域において多量かつ容易に入手可能な水が、改質剤の生成に支障を来す(特に、項目(水)に記載の基準のいずれかを満たさない)と分かったとき、当該水は精製される。つまり、改質剤生成方法において、精製水が、プラズマ処理タンク1に供給される。水の精製方法は周知なので、詳述しない。
〔5.改質剤の利用〕
項目4および5に述べられている装置および方法によって生成された改質剤は、油(石油燃料)と混合される。一例として、改質剤および軽油の混合物(1:1の容積比)から、実施例に証明されている通り、当該混合物とほぼ同じ容積を有している、JIS規格に準ずる「軽油」(水を実質的に含んでいない)が生成される。したがって、上記改質剤は、その名称の通り、石油燃料を改質することができる。
〔6.まとめ〕
上述の具体的な実施形態をまとめると、本発明に係る側面のそれぞれは、以下のように表され得る。
(1)石油燃料からフュージョンフュエルを製造するための改質剤を、水から生成する改質剤生成装置であって、上記水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させるプラズマ生成槽を備えている、改質剤生成装置。
(2)上記電圧が3000~80000Vである、(1)に記載の改質剤生成装置。
(3)上記水が、原水または精製水である、(1)または(2)に記載の改質剤生成装置。
(4)上記水が、300mg/L未満のカルシウム、300mg/L未満のシリカおよび300mg/L未満のカルシウムを含んでいる、(1)~(3)のいずれかに記載の改質剤生成装置。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の改質水の生成装置をその内部に収納している、コンテナ。
(6)フュージョンフュエルを石油燃料から製造するための改質剤を、水から生成する方法であって、上記水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させる工程を含んでいる、方法。
(実施例1)
上述の改質剤生成装置10を用いて、水から改質剤を生成した。生成された改質剤を、市販の軽油(半透明の黄緑)と混合(1:1の容積比)し、フュージョンフュエルの製造を試みた。改質剤生成装置10の運転条件は、以下の通りである。
原水:精製水(不純物含量:カルシウム<300mg/L;シリカ<300mg/L;マグネシウム<300mg/L;亜鉛<1.0mg/L;アルミニウム<0.2mg/L;鉄0.3mg/L;銅<1.0mg/L;TOC<3mg/L)
原水の量:(1段階目、単回のバッチ処理)1000L/バッチ、(2段階目、連続処理)2500L/h(800~900L/20m×3)
印加電圧:30000V
処理時間:(1段階目)2h、(2段階目)1h。
改質剤(1段階目の処理後)および軽油の混合物を、十分に撹拌し、撹拌した混合物に外部から圧力を加えた。圧力を加えてからの時間の経過にともなって、生成された液体は、均質な単層の液体(半透明の明るい黄緑)として安定した(図2の上段)。
上記生成された液体(ろ過および精製などの後処理なし)の定性的分析を、第3者の協会(日本海事検定協会)に依頼した。当該協会からもたらされた結果を以下にまとめる。
Figure 0007278032000001
表1から明らかな通り、上記生成された液体は、JIS規格における「軽油」に該当した(水をほとんど含んでいなかった)。本実施例の改質剤(水を材料としている)が、市販の軽油を構成している炭化水素と化合することによって、分子としての水は、上記生成された液体から、検出されなくなったと考えられる。
なお、改質剤生成装置10が2段階目の処理を開始してから得られた改質剤を用いて、フュージョンフュエルの製造を試みた結果は、1段階目の処理において得られた改質剤を用いた場合と同様であった。
(実施例2)
実施例1の条件のうち、原水を水道水(供給元:東京都水道局)に、印加電圧を3000Vに変更し、改質剤生成装置10を用いて、水から改質剤を生成した。実施例1と同様に、1段階目および2段階目の処理から得られた改質剤は、軽油との混合によって、半透明な「軽油」に該当する液体を生じた。
(比較例1)
改質剤生成装置10を用いて、原水を処理した。処理した原水を市販の軽油と混合(1:1の容積比)し、フュージョンフュエルの製造を試みた。改質剤生成装置10の運転条件は、以下の通りである。
原水:水道水(供給元:東京都水道局)に、500mg/Lのカルシウムを添加した水
原水の量:500L/バッチ
印加電圧:3000V
処理時間:4h。
処理した原水および軽油の混合物を、十分に撹拌し、撹拌した混合物(濁っていた)に外部から圧力を加えた。圧力を加えてからの時間の経過にともなって、混合物は、次第に2層(上層:黄色、下層:透明)に分離した(図2の下段、左)。当該混合物は、水および軽油のエマルションに過ぎなかった。
(比較例2)
改質剤生成装置10を用いて、原水を処理した。処理した原水を市販の軽油と混合(1:1の容積比)し、フュージョンフュエルの製造を試みた。改質剤生成装置10の運転条件は、以下の通りである。
原水:水道水(供給元:東京都水道局)に、500mg/Lのシリカを添加した水
原水の量:500L/バッチ
印加電圧:8000V
処理時間:4h。
処理した原水および軽油の混合物を、十分に撹拌し、撹拌した混合物(濁っていた)に外部から圧力を加えた。圧力を加えてからの時間の経過にともなって、混合物は、次第に2層に分離した(図2の下段、中央)。当該混合物は、水および軽油のエマルションに過ぎなかった。
(まとめ)
実施例1のフュージョンフュエルおよび軽油の外観(上部)、ならびに水、比較例1および比較例2の外観(下部)を図2に示す。図2の上部に示す通り、フュージョンフュエルおよび軽油は、その外観からほとんど区別できない。フュージョンフュエルの色は改質前の軽油よりやや薄いことが、フュージョンフュエルおよび軽油を並べたときに初めて、判別できる。フュージョンフュエルの外観は、表1の結果と一貫している。図2の下部に示す通り、比較例1および2(左および中央)は、しばらく放置されると、水および油に相分離した。したがって、比較例1および2は、単なる水および油の混合物に過ぎなかった。
本発明は、以上に述べられている実施形態および実施例のそれぞれによって限定されないし、特許請求の範囲に規定されている発明の範囲を超えない種々の変更を受け入れ得る。したがって、本発明は、上記実施形態および実施例に説明されている要素または手順のそれぞれを必要に応じて組み合わせることによって得られるさらなる実施形態を、発明のの範囲に包含している。
本発明は、エネルギー生産およびエネルギー利用に関するあらゆる分野に利用され得る。
1 プラズマ処理タンク(プラズマ生成槽)
5 コンテナ
7a 管
7b 管
10 改質剤生成装置

Claims (5)

  1. フュージョンフュエルを石油燃料から製造するための改質剤を、水から生成する改質剤生成装置であって、
    上記水に電圧を印加することによって液体の水分子の一部を電離させるプラズマ生成槽を備え、
    前記プラズマ生成槽は、外部と気密に遮断されたタンクと、該タンク内に挿入された少なくとも一対の電極と、
    前記タンクに接続され、該タンク内に上記水(但し、プラズマ分解された水は除く)を供給するための管と、
    前記タンクに接続され、該タンクから改質剤を送り出すための管と、
    を備えている、改質剤生成装置。
  2. 上記電圧が3000~80000Vである、請求項1に記載の改質剤生成装置。
  3. 上記水が、原水または精製水である、請求項1または2に記載の改質剤生成装置。
  4. 上記水が、300mg/L未満のカルシウム、300mg/L未満のシリカおよび300mg/L未満のカルシウムを含んでいる、請求項1~3のいずれか1項に記載の改質剤生成装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の改質剤生成装置をその内部に収納している、コンテナ。
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