JP7277337B2 - 直流送電システムの保護制御装置及び方法 - Google Patents

直流送電システムの保護制御装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、再生可能エネルギー電源などの発電システムを、電力変換器および直流送電線を介して交流系統に連系する直流送電システムの保護制御装置及び方法に関する。
長距離送電や、海底送電の高効率化のために、直流送電システム(HVDC:High Voltage Direct Current)が用いられる。
一般の電力系統は交流系統であるので、直流送電システムでは、交流系統の電力を交直変換器で直流に変換して送電する。
直流送電システムに用いられる交直変換器は、古くはサイリスタを用いた他励式交直変換器が主流であったが、近年は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いた自励式交直変換器の導入が増加しており、自励式直流送電システムを形成している。
自励式直流送電システムに用いる交直変換器は、高調波が少なく、大容量化や高電圧化に適した方式として、モジュラーマルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)を適用する事例が増加している。
また、直流送電システムの送電形態として、従来は、2つの地点を1対1でつなぐ1対1送電が主流であったが、近年、直流送電システムの大規模化、大容量化が進み、送電形態も、3つの地点以上を接続する、多端子直流送電システムが注目を浴びている。
係る直流送電システムにおける事故発生時に、事故区間を同定し選択的に切り離し保護するための保護制御装置として、特許文献1が知られている。特許文献1の方法では、直流線路の両端の電流を監視し、両電流検出器の電流検出値の電流差が規定値を超えたときに、直流線路事故を判定する。
特開2006-288099号公報
多端子直流送電システムの運用上の課題として、直流線路事故時におけるシステム全体の運転継続がある。
直流線路事故時における、システム全体の運転継続の基本的な考え方は、従来の交流系統と同様であり、事故区間を選択的かつ高速に切り離し、残る健全部分で運転継続を図るものである。
交流系統と異なり、多端子直流送電システムは、交直変換器を介して、相互接続する。係る交直変換器の過電流・過電圧保護および事故波及防止のため、一般に、事故発生から数ms程度で、事故区間を選択的に切り離す必要がある。
しかしながらこの点に関して、特許文献1の方法は、直流線路の両端の電流を監視する必要があり、事故発生から数ms程度で、事故区間を選択的に切り離すことを実現するためには、高速かつ同期をとった通信手段が必要となり、高コストであることを免れない。
また、特許文献1は、直流線路の事故についてのみ言及しており、直流母線での事故検出方法については言及されていない。
以上のことから本発明においては、自端情報のみで、線路事故と母線事故を区別して検出し、かつ、線路事故の場合には、事故線路を同定できる直流送電システムの保護制御装置及び方法を提供することを目的とする。
そこで本発明では、交流を直流に変換する自励式変換装置と、自励式変換装置の直流端子に接続される直流母線と、直流母線と複数の直流線路を接続するための複数の直流遮断器と、自励式変換装置の交流端子と交流系統を接続するための交流遮断器を含み対称単極構成の直流送電システムの保護制御装置であって、直流母線の正又は負の各端子に流入する電流の和から直流母線の正又は負の端子における母線事故を検知して前記複数の直流遮断器と前記交流遮断器を開放し、前記直流線路の正又は負の各端子における対地電位から前記直流線路の線路事故を検知して事故検知した直流線路の直流遮断器を開放することを特徴とする。
本発明によれば、自端情報のみで、線路事故と母線事故を区別して検出し、かつ、線路事故の場合には、事故線路を同定できる直流送電システムの保護制御装置及び方法を提供することができる。
本発明の実施例における直流送電変換所の構成例を示す図。 本発明の実施例における直流母線の電気的な接続構成例を示す図。 本発明の実施例における交直変換器の構成例を示す図。 本発明の実施例における単位変換器の構成例を示す図。 本発明の実施例における直流線路事故の検出方法および保護制御を示す図。 直流母線事故の発生時における直流母線107周りの電気回路を示す図。 本発明の実施例における直流母線事故検出部の構成例を示す図。 直流線路事故の発生時における直流線路周りの電気回路を示す図。 直流線路事故の発生時における対地電位の時間変化の概念を示す図。 本発明の実施例における直流線路事故検出部の構成例を示す図。 本発明の実施例における直流遮断器制御部の構成例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下の実施例は本発明の一形態を示すものであり、本発明は要旨を逸脱しない限り、他の形態を含むものである。
以下の説明で、特に断りがない限り、「交流」は三相交流を指す。また、以降の説明で、説明を簡単にするために、電圧の値について、数値を用いて説明する。電圧の値は、全て任意単位(arbitrary unit)にて表記し、単位は[a.u.]である。なお、数値については、本発明の実施の一例を示すために使用するものであり、本発明の実施例について、その数値を限定するものではない。
本発明の実施例を図1から図11を用いて説明する。まず図1について説明する。
図1は、本発明を適用可能な直流送電システムにおける主たる構成部としての直流送電変換所の構成例であり、直流送電変換所102において、1つの交流系統101と複数回線(図1は2回線を例示)の直流線路103X、103Yが、交直変換器106を介して接続される場合を例に示している。
本発明の実施例における直流送電変換所102は、一般に対称単極構成と呼ばれる構成であり、直流側の2本の線路(103Xについて103Xpと103Xn、103Yについて103Ypと103Yn)のうち、片方(103Xについて103Xp、103Yについて103Yp)の対地電位を大略1.0[a.u.]になるよう制御し、もう片方(103Xについて103Xn、103Yについて103Yn)の対地電位を大略-1.0[a.u.]になるよう制御する方式である。
以降、本明細書では、直流側の2本の線路のうち、大略1.0[a.u.]に保たれる線路、および、当該線路に接続される機器などを「正側」の線路や機器と呼称して記号pを付し、大略-1.0[a.u.]に保たれる線路、および、当該線路に接続される機器などを「負側」の線路や機器と呼称して記号nを付して区別表記するものとする。また本明細書では、2回線の一方を回線X、他方を回線Yとして説明する。
図1の直流送電システムは、交流系統101、直流送電変換所102、直流回線103X、直流回線103Yから構成される。
直流送電変換所102は、交流母線104、交流遮断器105、交直変換器106、直流母線107、直流リアクトル108、直流遮断器109(直流回線Xの正側直流遮断器109Xp、直流回線Xの負側直流遮断器109Xn、直流回線Yの正側直流遮断器109Yp、直流回線Yの負側直流遮断器109Yn)から構成される。
直流回線103Xは、正側線路103Xpと負側線路103Xnから構成され、直流回線103Yは、正側線路103Ypと負側線路103Ynから構成される。
本発明の実施例における直流遮断器109は、外部から遮断器の開放指令ないし投入指令を受けて、遮断器を開放ないし投入させることが可能な機器であり、例えば、半導体素子と抵抗から構成される半導体直流遮断器が適用可能である。
なお図1内の記号表記に関して、交直変換器106と直流母線107の電気的な接続点のうち、正側の接続点をBpと表記し、負側の接続点をBnと表記し、直流母線107と直流リアクトル108の電気的な接続点のうち、直流回線Xの正側線路103Xpに接続される電気的な接続点をLxp0と表記し、直流回線Xの負側線路103Xnに接続される電気的な接続点をLxn0と表記し、直流回線Yの正側線路103Ypに接続される電気的な接続点をLyp0と表記し、直流回線Yの負側線路103Ynに接続される電気的な接続点をLyn0と表記し、直流回線Xの正側直流遮断器109Xpと直流回線Xの正側線路103Xpの電気的な接続点をLxpと表記し、直流回線Xの負側直流遮断器109Xnと直流回線Xの負側線路103Xnの電気的な接続点をLxnと表記し、直流回線Yの正側直流遮断器109Ypと直流回線Yの正側線路103Ypの電気的な接続点をLypと表記し、直流回線Yの負側直流遮断器109Ynと直流回線Yの負側線路103Ynの電気的な接続点をLynと表記するものとする。
また、図1内の電流および電圧に関する記号として、接続点Bpを流れる電流をIbpと表記し、接続点Bnを流れる電流Ibnと表記し、接続点Lxp0を流れる電流をIxpと表記し、接続点Lxn0を流れる電流をIxnと表記し、接続点Lyp0を流れる電流をIypと表記し、接続点Lyn0を流れる電流をIynと表記し、接続点Lypの対地電位をVypと表記し、接続点Lynの対地電位をVxnと表記する。
図2に直流母線107の電気的な接続構成を示す。これによれば直流母線107は正側の直流母線107Pと負側の直流母線107Nで構成され、正負の各母線に複数の直流回線103X、103Yが接続されている。図2内の記号は、図1の記号と同様である。なおキルヒホッフ則より、IbpはIxpとIypの和と等しく、IbnはIxnとIynの和と等しい。
次に、本発明の実施例における交直変換器106の構成例を、図3を用いて説明する。図3における交直変換器の構成例は、一般にモジュラーマルチレベル変換器と呼ばれる構成である。
図3の交直変換器は単位変換器301、アーム302、リアクトル303、A相交流接続端304a、B相交流接続端304b、C相交流接続端304c、直流正側接続端305a、直流負側接続端305bから構成される。なお直流正側接続端305aは図2の接続点Bpに対応し、直流負側接続端305bは図2の接続点Bnに対応している。
交直変換器には、図3の電力変換器の他に、遮断器や変圧器など、本発明の実施形態を逸脱しない範囲で、他の電気設備や保護装置を備えていてもよい。またアーム302は単位変換器301の直列接続回路であり、図2では、単位変換器301をN個直列接続した場合を例にあげている。
図3では、アーム302を6組構成し、そのうち3組の一端をそれぞれ異なるリアクトル303に電気的に接続し、もう一端を直流正側接続端305aに電気的に接続する。この3つのリアクトルをリアクトル第1組と呼称する。残りの3組の一端をそれぞれ異なるリアクトル303に電気的に接続し、もう一端を直流負側接続端305bに電気的に接続する。この3つのリアクトルをリアクトル第2組と呼称する。
リアクトル第1組とリアクトル第2組を、電気的に1対1に接続し、3つの接続点とA相交流接続端304a、B相交流接続端304b、C相交流接続端304cをそれぞれ電気的に接続する。
次に本発明の実施例における単位変換器301の構成例と動作を、図4を用いて説明する。図4の単位変換器は、H側スイッチング回路401、L側スイッチング回路402、コンデンサ403、H側接続端404、L側接続端405から構成される。
図4内の記号について、iはアーム302内における単位変換器301の番号であり、1からNまでの整数である。VCiは、i番目の単位変換器301のコンデンサ印加電圧であり、VOiは、i番目の単位変換器301の出力電圧であり、SWHi、SWLiはi番目の単位変換器201における、H側スイッチング回路401およびL側スイッチング回路402のオンオフ信号である。
H側スイッチング回路401およびL側スイッチング回路402は、SWHi、SWLiに合わせて、スイッチング回路の両端を短絡もしくは開放状態に切り替える機能を有する。スイッチング回路は、自己消弧素子やダイオードなどを用いて実現可能である。
モジュラーマルチレベル変換器は、単位変換器の出力電圧を個別制御することで、機器構成および運用の許す範囲で、任意の交流電圧および直流電圧を出力可能である。
次に本発明の実施例における、直流線路事故の検出方法および保護制御の考え方について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の実施例における、直流送電システムの保護制御装置の構成図であり、直流母線事故検出部501(正側直流母線事故検出部501pと負側直流母線事故検出部501n)、直流線路事故検出部502(X回線側直流線路事故検出部502XとY回線側直流線路事故検出部502Y)、変換所保護制御部503と、直流遮断器制御部504から構成される。
図5内の記号として、Fbpは直流母線正側の事故検出フラグであり、Fbnは直流母線負側の事故検出フラグであり、Flxは、直流線路Xでの事故検出フラグであり、Flyは直流線路Yでの事故検出フラグである。いずれの事故検出フラグも、事故を検出した場合には1を、そうでない場合は0である。
以降、直流母線事故検出部501、直流線路事故検出部502、変換所保護制御部503と、直流遮断器制御部504について説明する。
なお図5に示す事故検出と保護制御を通じて、母線107における事故の場合には直流送電変換所102は、交流系統と直流系統の双方から遮断分離され、直流線路103における事故の場合には当該回線の直流線路のみが遮断分離されることが期待される。
以下、直流母線事故検出部501について、図6と図7を用いて説明する。なお直流母線事故検出部501は、正側直流母線事故検出部501pと負側直流母線事故検出部501nで構成されているが、これらは入力および出力が正側母線か負側母線かという点において相違するのみで同一回路構成とされている。まず、直流母線事故検出の基本思想について、図6を用いて説明する。
図6は、直流母線事故の発生時における、直流母線107周りの電気回路図である。図6では、直流母線の正側107pで地絡事故601が発生した場合を例に図示している。図6内の記号として、地絡事故点601に流れる電流をIbfと表記する。
図2と比較すると、正側の線路107pでは、地絡事故電流Ibfの発生により、IbpはIxpとIypの和と等しくならない。なお地絡事故点を含まない負側の線路ではIbnはIxnとIynの和と等しいことは言うまでもない。
本発明の実施例における直流母線事故検出は、交直変換所から直流母線に流入する電流と、直流母線から各直流線路に流入する電流の総和に差が生じることを利用して、直流母線事故を検出する。以上が図6の説明である。
次に、直流母線事故検出の基本思想を実現する直流母線事故検出部の構成例について図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施例における直流母線事故検出部の構成例であり、加算器701、減算器702、絶対値回路703、直流母線事故判定回路704から構成される。加算器701と減算器702において母線の正側、負側ごとに各端子電流のベクトル和を算出し、絶対値回路703で求めた絶対値の大きさが所定値以上であることを直流母線事故判定回路704で判断する。
図7内の記号として、|ΔIb|は、交直変換所から直流母線に流入する電流Ibと、直流母線から各直流線路に流入する電流の総和Ix+Iyの差分の絶対値を取った値である。既に述べたように、|ΔIb|は、直流母線事故が発生していない場合は、大略0となるが、直流母線事故が発生した場合には、0にはならない。本発明の実施例では、|ΔIb|が、予め定められたしきい値Ibthより上回った場合に、直流母線事故と判定する。
図7内の記号として、Fbは直流母線事故の事故検出フラグであり、直流母線事故が起きていると判定された場合は1を、そうでない場合は0となる。
以上が図7の説明である。以上が、直流母線事故検出部501の説明である。
次に、直流線路事故検出部502について、図8から図10を用いて説明する。まず、直流線路事故検出の基本思想について、図8と図9を用いて説明する。
図8は、直流線路事故の発生時における、直流線路周りの電気回路図である。図8は直流線路801とリアクトル802から構成される。図8では、直流線路801のF点で地絡事故が発生した場合を例に図示している。図8内の記号として、F点での対地電位をVFと表記し、直流線路801とリアクトル802の電気的な接続点Xでの対地電位をVLと表記する。
なお事故は直流線路の任意地点で発生するので、この点の電位を直接計測することが事実上困難であるため、一般には直流送電変換所102内の計測点である接続点Xで対地電位を計測している。
図9は、図8中のF点で、時刻t0で地絡事故が起きた場合の、事故点電位VFと計測点電位VLの時間変化の概念図である。
まず、時刻t0で地絡事故が起きると事故点電位VFは0近傍まで低下する。事故点電位VFの低下は、事故点Fを起点に伝搬し、電位の低下が直流送電変換所102内の計測点である接続点Xまでたどり着いた時点(時刻t1)で計測点電位VLは低下する。
またこの場合に、直流リアクトルと直流線路のインピーダンスが異なるため、事故点Xで電位の反射が発生する。以降、事故点Fと計測点Xの間で、電位の反射と伝搬が繰り返される。さらに現実の直流線路には抵抗成分があるため、計測点電位VLは徐々に減衰し、最終的に0近傍に収束する。
つまり、直流線路事故に伴う対地電位の変化は、事故点Fを起点に伝搬し、事故点Fの両端の電位が最初に変化する。言い換えると、事故点Fの両端の直流送電変換所が、原理的に一番早く直流事故を検出できるため、該当区間のみを選択的に開放できる。以上が、直流線路事故検出の基本思想である。
次に、直流線路事故検出の基本思想を実現する直流線路事故検出部の構成例について図10を用いて説明する。なお直流線路事故検出部502は、X回線側直流線路事故検出部502XとY回線側直流線路事故検出部502Yで構成されているが、これらは入力および出力がX回線かY回線かという点において相違するのみで同一回路構成とされている。
図10の直流線路事故検出部502は、移動平均部1001、減算器1002、絶対値1003、比較器1004、直流線路事故判定部1005から構成されている。この回路構成によれば、移動平均部1001において入力とする正側電圧Vpと負側電圧Vnの夫々の時間平均値を求め、減算器1002において平均値と現在値の差を求めることで時間変化分を算出し、絶対値回路1003において絶対値とし、比較器1004において差分の絶対値が大きい側の値を求め、直流線路事故判定部1005において大きさが所定地以上であることをもってその直流回線における直流線路事故と判定する。なお上記構成は、いわゆる不足電圧継電器を構成したものであるが、不足電圧の変化率を監視する不足電圧変化率継電器としてもよい。
ここで、図10内のΔVp、ΔVnは、Vp、Vnそれぞれから、移動平均部1001にて計算される移動平均値の差を取った値である。図10内の|ΔVL|は、ΔVp、ΔVnそれぞれの絶対値を取った値を比較し、大きいほうの値である。|ΔVL|は、直流線路事故発生前は、大略0となるが、直流線路事故の発生時には、VpないしVnが急変するため、0とならない。本発明の実施例では、|ΔVL|が、予め定められたしきい値VLthより上回った場合に、直流母線事故と判定する。
また図10内の記号として、FLは直流母線事故の事故検出フラグであり、直流母線事故が起きていると判定された場合は1を、そうでない場合は0となる。以上が図10の説明である。
なお、本発明の実施例では、VpないしVnの急変を検出するため、|ΔVL|を計算するのに移動平均を用いて計算したが、|ΔVL|の計算方法としては、ハイパスフィルタや、その他の信号処理技術を用いてもよい。以上が、直流母線事故検出部502の説明である。
次に、変換所保護制御部503と直流遮断器制御部504について、説明する。本発明の実施例において、直流送電変換所102は、保護機器として、各直流線路103に直流遮断器109を備え、交直変換器106の交流端に交流遮断器105を備える構成である。
このため、直流線路事故時には、事故線路の直流遮断器を開放し、残る健全な直流線路で、送電を継続することが可能である。
一方、直流母線事故時には、直流遮断器の動作のみでは、事故点と直流送電変換所を切り離すことができないため、直流送電変換所の保護のため、当該直流送電変換所に接続されるすべての直流遮断器を開放し、交直変換器をゲートブロックし、交流遮断器を開放し、交流系統から直流母線事故点に向って流れる事故電流を遮断する必要がある。
以上のことから、図5に例示した変換所保護制御部503では、直流母線事故検出部501が直流母線事故を検出して直流母線事故検出信号Fbp、Fbnを与えた時に、交直変換器106にゲートブロック指令を送信し、かつ交流遮断器105に開放指令を送信する。具体的には、FbpとFbnの論理和が1の場合に、交直変換器にゲートブロック指令を送信し、交流遮断器に開放指令を送信する。
ただし、ここまでの処置は交流系統側における対策であることから、さらに図5に例示した直流遮断器制御部504に対しても直流母線事故検出信号Fbp、Fbnを与える。直流母線事故検出信号Fbp、Fbnを与えられた直流遮断器制御部504は、後述するように直流線路のすべてを開放すべく、すべての直流遮断器を開放する。これにより、母線107における事故の場合には直流送電変換所102は、交流系統と直流系統の双方から遮断分離されることになる。
本発明の実施例における直流遮断器制御部504の構成例を図11に示す。
図11に示すように、論理和計算部1101にて、FbpとFbnとFLxの論理和が1の場合には、直流線路Xに備えられた直流遮断器103Xpと103Xnに開放指令を与え、FbpとFbnとFLyの論理和が1の場合には、直流線路Yに備えられた直流遮断器103Ypと103Ynに開放指令を与える。
これにより、図5に示す事故検出と保護制御を通じて、母線107における事故の場合には直流送電変換所102は、交流系統と直流系統の双方から遮断分離され、直流線路103における事故の場合には当該回線の直流線路のみが遮断分離されることになる。
変換所保護制御部503と直流遮断器制御部504によって、直流母線事故時ないし直流線路事故時に、それぞれに対応した保護機器に指令を与え、動作させることが可能となる。以上が、変換所保護制御部503と直流遮断器制御部504の説明である。
なお、本発明の実施例の説明においては、直流送電変換所は、直流線路が2回線である構成を例に説明したが、直流線路は1回線でも、3回線以上であってもよく、本発明は適用可能である。
上記した本発明の直流送電システムの保護制御装置及び方法によれば、直流送電変換所内で検知する電圧、電流のみから事故検知し、かつ直流送電変換所内外の事故を区分することができる。かつ内外の区分に応じて適切な遮断範囲、従って一部継続運転を可能とすることができる。さらに、直流送電変換所内で検知する電圧、電流のみから事故検知することで、外部設備からの情報について通信を介して得る必要がないので、高速な保護処理に貢献している。




























101:交流系統
102:直流送電変換所
103X:直流回線X
103Y:直流回線Y
103Xp:直流回線Xの正側線路
103Xn:直流回線Xの負側線路
103Yp:直流回線Yの正側線路
103Yn:直流回線Yの負側線路
104:交流母線
105:交流遮断器
106:交直変換器
107:直流母線
108:直流リアクトル
109Xp:直流回線Xの正側直流遮断器
109Xn:直流回線Xの負側直流遮断器
109Yp:直流回線Yの正側直流遮断器
109Yn:直流回線Yの負側直流遮断器
301:単位変換器
302:アーム
303:リアクトル
304a:A相交流接続端
304b:B相交流接続端
304c:C相交流接続端
305a:直流正側接続端
305b:直流負側接続端
401:H側スイッチング回路
402:L側スイッチング回路
403:コンデンサ
404:H側接続端
405:L側接続端
501:直流母線事故検出部
502:直流線路事故検出部
503:変換所保護制御部
504:直流遮断器制御部
601:地絡事故
701:加算器
702:減算器
703:絶対値回路
704:直流母線事故判定
801:直流線路
802:リアクトル
1001:移動平均部
1002:減算器
1003:絶対値回路
1004:比較器
1005:直流線路事故判定部
1101:論理和計算部

Claims (5)

  1. 交流を直流に変換する自励式変換装置と、自励式変換装置の直流端子に接続される直流母線と、直流母線と複数の直流線路を接続するための複数の直流遮断器と、自励式変換装置の交流端子と交流系統を接続するための交流遮断器を含み対称単極構成の直流送電システムの保護制御装置であって、
    前記直流母線の正又は負の各端子に流入する電流の和から前記直流母線の正又は負の端子における母線事故を検知して前記複数の直流遮断器と前記交流遮断器を開放し、前記直流線路の正又は負の各端子における対地電位から前記直流線路の線路事故を検知して事故検知した直流線路の前記直流遮断器を開放することを特徴とする直流送電システムの保護制御装置。
  2. 請求項1に記載の直流送電システムの保護制御装置であって、
    前記直流母線の正又は負の端子における母線事故を検知したときに、前記自励式変換装置をゲートブロックすることを特徴とする直流送電システムの保護制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の直流送電システムの保護制御装置であって、
    前記直流線路の正又は負の各端子における対地電位から前記直流線路の線路事故を検知するに際し、対地電位の絶対値の低下又は対地電位の絶対値の変化率を監視することを特徴とする直流送電システムの保護制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の直流送電システムの保護制御装置であって、
    前記直流母線の正又は負の端子における母線事故を検知するに際し、前記自励式変換装置から前記直流母線に流入する第1の電流と、前記直流遮断器と前記直流線路の接続点の第2の電流を検出し、第1の電流と第2の電流の差分に基づいて、前記直流母線での事故を検出することを特徴とする直流送電システムの保護制御装置。
  5. 交流を直流に変換する自励式変換装置と、自励式変換装置の直流端子に接続される直流母線と、直流母線と複数の直流線路を接続するための複数の直流遮断器と、自励式変換装置の交流端子と交流系統を接続するための交流遮断器を含み対称単極構成の直流送電システムの保護制御方法であって、
    前記直流母線の正又は負の各端子に流入する電流の和から前記直流母線の正又は負の端子における母線事故を検知して前記複数の直流遮断器と前記交流遮断器を開放し、前記直流線路の正又は負の各端子における対地電位から前記直流線路の線路事故を検知して事故検知した直流線路の前記直流遮断器を開放することを特徴とする直流送電システムの保護制御方法。
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