(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るスイッチングモジュールは、例えば相電圧を出力する3つの極性端子と中性端子とを有する3相4線式の交流電源に接続されて使用されるものである。このスイッチングモジュールは、交流電源の3つの極性端子それぞれに一対一で接続される3つの第1入力端子と、中性端子に接続される第2入力端子と、3つの第1入力端子に一対一で電気的に接続される複数の第1出力端子と、第2入力端子に電気的に接続される第2出力端子と、を備える。また、スイッチングモジュールは、3つの第1入力端子それぞれに一対一で直列に接続される3つの第1開閉器と、第2入力端子と第2出力端子との間に直列に接続される第2開閉器と、第1入力端子と第2入力端子との間の第1電圧を計測する第1電圧計と、第1出力端子と第2出力端子との間の第2電圧を計測する第2電圧計と、3つの第1開閉器それぞれと第2開閉器とを制御する制御部と、を備える。そして、制御部は、3つの第1開閉器のうちのいずれか1つを開状態、その他の2つの第1開閉器を閉状態に制御し且つ第2開閉器を開状態に制御した状態で、開状態に制御した第1開閉器に接続された第1電圧計で計測される第1電圧と前述の第2電圧との差分電圧が予め設定された電圧範囲内である場合、開状態に制御した第1開閉器および第2開閉器のうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する第1の判定を行う。また、制御部は、第1の判定に加えて、3つの第1開閉器のうちのいずれか1つを開状態に制御し且つ3つの第1開閉器のうちの開状態に制御した第1開閉器を除く2つの第1開閉器および第2開閉器を閉状態に制御した状態で、開状態に制御した第1開閉器に接続された第1電圧計の第1電圧と前述の第2電圧との差分電圧が電圧範囲内である場合、開状態に制御した第1開閉器が短絡故障であると判定し、電圧範囲外であれば、第2開閉器が短絡故障であると判定する第2の判定も行う。
本実施の形態に係る電源システムは、例えばデータセンタのサーバへ電力を供給するいわゆる無停電電源システムである。例えば図1に示すように、この電源システム500は、交流電源PA1または待機系の交流電源PB1から交流電力の供給を受けて出力端子TeOに接続されたサーバ(図示せず)のような負荷へ直流電力を供給する。交流電源PA1は、3つの交流電源をY結線したものであり、U相、V相、W相の相電圧を出力する3つの極性端子teU、teV、teWと中性端子teNとを有する。交流電源PA1は、極性端子teU、teV、teWおよび中性端子teNそれぞれに接続された4本の電力線L1A、L1B、L1C、L1Dを介して電源システム500へ三相交流を供給する。また、交流電源PB1も、3つの交流電源をY結線したものであり、3つの極性端子teU、teV、teWと中性端子teNとを有する。そして、交流電源PB1も、極性端子teU、teV、teWおよび中性端子teNそれぞれに接続された4本の電力線L2A、L2B、L2C、L2Dを介して電源システム500へ三相交流を供給する。また、電源線L1A、L1B、L1C、L1D、L2A、L2B、L2C、L2Dには、それぞれ遮断器BAA、BAB、BAC、BAD、BBA、BBB、BBC、BBDが介挿されている。
電源システム500は、6つの電力変換回路201、202、203、204、205、206と、スイッチングモジュール501と、を備える。そして、スイッチングモジュール501は、2つのモジュール本体100A、100Bと、これらの動作を制御する制御部300と、を備える。電力変換回路201、202、203、204、205、206は、それぞれ、例えば図2に示すように、整流回路DBと、整流回路DBの出力端間に接続された平滑用のコンデンサC1と、コンデンサC1の両端間に生じる直流電圧を昇圧または降圧して出力するDC-DCコンバータ210と、DC-DCコンバータ210の出力端間に接続されたリップル電流軽減用のコンデンサC2と、を有する。DC-DCコンバータ210は、例えばインダクタとスイッチング素子とスイッチング素子を駆動する駆動回路とを有する。駆動回路は、制御部300から入力される出力電圧の指令値を示す指令値情報に基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)信号またはPFM(Pulse Frequency Modulation)信号をスイッチング素子へ出力することにより、DC-DCコンバータ210の出力を制御する。DC-DCコンバータ210の出力端は、電源システム500の一対の出力端子teOに接続されている。
図1に戻って、モジュール本体100Aは、入力端子te1A、te1B、te1C、te1Dと、出力端子te3A、te3B、te3C、te3Dと、を備える。ここで、入力端子te1A、te1B、te1C、te1Dには、それぞれ、交流電源PAに接続された電源線L1A、L1B、L1C、L1Dが接続される。また、出力端子te3A、te3B、te3Cには、電力変換回路201、202、203、204、205、206に接続された電源線L3A、L3B、L3C、L3Dが接続される。また、モジュール本体100Bも、入力端子te2A、te2B、te2C、te2Dと、出力端子te4A、te4B、te4C、te4Dと、を備える。入力端子te2A、te2B、te2C、te2Dには、それぞれ、待機系の交流電源PBに接続された電源線L2A、L2B、L2C、L2Dが接続される。出力端子te4A、te4B、te4C、te4Dには、電力変換回路201、202、203、204、205、206に接続された電源線L4A、L4B、L4C、L4Dが接続される。また、モジュール本体100Aは、4つの双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dと、6つの電圧計12A、12B、12C、13A、13B、13Cと、を備える。なお、モジュール本体100Bも、モジュール本体100Aと同様の構成を有し、4つの双方向スイッチ(図示せず)と、6つの電圧計(図示せず)と、を備える。
双方向スイッチ1Aは、入力端子te1Aと出力端子te3Aとの間に直列に接続されている。双方向スイッチ1Bは、入力端子te1Bと出力端子te3Bとの間に直列に接続されている。双方向スイッチ1Cは、入力端子te1Cと出力端子te3Cとの間に直列に接続されている。双方向スイッチ1Dは、入力端子te1Dと出力端子te3Dとの間に直列に接続されている。双方向スイッチ1A(1B、1C)は、図3に示すように、1つのリレーReA(ReB、ReC)と、2つのスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B、Q1C、Q2C)と、を有する。また、双方向スイッチ1Dも、1つのリレーReDと、2つのスイッチング素子Q1D、Q2Dと、を有する。リレーReA、ReB、ReCは、機械式リレー、半導体リレー等から構成される第1開閉器である。また、リレーReDは、リレーReA、ReB、ReCと同様の構成を有する第2開閉器である。ここで、リレーReA(ReB、ReC)は、入力端子te1A(te1B、te1C)と、出力端子te3A(te3B、te3C)と、の間に接続されている。
スイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B、Q1C、Q2C)は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、互いに直列に接続され且つリレーReA(ReB、ReC)に並列に接続された第1スイッチング素子である。また、スイッチング素子Q1D、Q2Dは、例えばIGBTであり、互いに直列に接続され且つリレーReDに並列に接続された第2スイッチング素子である。ここで、スイッチング素子Q1A、Q2Aは、それらのコレクタ同士およびボディダイオードのカソード同士が接続されている。また、スイッチング素子Q1Aのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、入力端子te1Aに接続され、スイッチング素子Q2Aのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、出力端子te3Aに接続されている。スイッチング素子Q1B、Q2Bおよびスイッチング素子Q1C、Q2Cも、スイッチング素子Q1A、Q2Aと同様に、入力端子te1B、te1Cおよび出力端子te3B、te3Cに接続されている。また、スイッチング素子Q1A、Q2Aは、それらのコレクタ同士およびボディダイオードのカソード同士が接続されている。また、スイッチング素子Q1Aのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、入力端子te1Aに接続され、スイッチング素子Q2Aのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、出力端子te3Aに接続されている。スイッチング素子Q1D、Q2Dは、それらのコレクタ同士およびボディダイオードのカソード同士が接続されている。また、スイッチング素子Q1Dのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、入力端子te1Dに接続され、スイッチング素子Q2Aのコレクタおよびボディダイオードのアノードが、出力端子te3Dに接続されている。
電圧計12Aは、双方向スイッチ1A、1Dの入力端I1A、I1D間に接続され、電圧計12Bは、双方向スイッチ1B、1Dの入力端I1B、I1D間に接続されている。また、電圧計12Cは、双方向スイッチ1C、1Dの入力端I1C、I1D間に接続されている。電圧計12Aは、入力端子te1Aと双方向スイッチ1Aとの間と、入力端子te1Dと双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第1電圧の電圧値を計測する第1電圧計である。電圧計12Bは、入力端子te1Bと双方向スイッチ1Bとの間と、入力端子te1Dの双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第1電圧の電圧値を計測する第1電圧計である。電圧計12Cは、入力端子te1Cと双方向スイッチ1Cとの間と、入力端子te1Dと双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第1電圧の電圧値を計測する第1電圧計である。電圧計12A、12B、12Cは、それぞれ、計測した電圧値を反映した電圧信号を継続的に制御部300へ出力する。
電圧計13Aは、双方向スイッチ1A、1Dの出力端O1A、O1D間に接続され、電圧計13Bは、双方向スイッチ1B、1Dの出力端O1B、O1D間に接続されている。また、電圧計13Cは、双方向スイッチ1C、1Dの出力端O1C、O1D間に接続されている。電圧計13Aは、出力端子te3Aと双方向スイッチ1Aとの間と、出力端子te3Dの双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第2電圧の電圧値を計測する第2電圧計である。電圧計13Bは、出力端子te3Bと双方向スイッチ1Bとの間と、出力端子te3Dと双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第2電圧の電圧値を計測する第2電圧計である。電圧計13Cは、出力端子te3Cと双方向スイッチ1Cとの間と、出力端子te3Dと双方向スイッチ1Dとの間と、の電位差に相当する第2電圧の電圧値を計測する第2電圧計である。電圧計12A、12B、12Cは、それぞれ、計測した電圧値を示す電圧信号を継続的に制御部300へ出力する。
図1に戻って、制御部300は、例えばマイコンとメモリとを有し、モジュール本体100A、100Bの動作を制御する。制御部300は、指令部301と電圧取得部302と差分算出部303と判定部304とを有する。ここで、スイッチングモジュール501は、モジュール本体100A、100Bと、制御部300と、が1つのパッケージ内に組み込まれているものであってもよいし、モジュール本体100A、100Bと、制御部300と、がそれぞれ別のパッケージ内に組み込まれているものであってもよい。或いは、モジュール本体100A、100Bと、制御部300の判定部304およびメモリと、が、1つのパッケージ内に組み込まれ、制御部300の指令部301が、別のパッケージ内に組み込まれているものであってもよい。さらには、モジュール本体100A、100Bと、制御部300の指令部301およびメモリと、が、1つのパッケージ内に組み込まれ、制御部300の判定部304が、別のパッケージ内に組み込まれているものであってもよい。
メモリには、判定部304による双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dの故障の有無の判定結果を示す判定結果情報を記憶する判定結果記憶部332と、テストケース記憶部331と、が設けられている。テストケース記憶部331は、例えば図4に示すように、双方向スイッチ1A、1B、1C、1DそれぞれのリレーReA、ReB、ReC、ReDの開閉状態およびスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dのオンオフ状態の組合せを示す8種類のテストケース情報を、識別情報ID[0]、ID[1]、・・・、ID[7]に対応づけて記憶する。
図1に戻って、指令部301は、リレーReA、ReB、ReC、ReDそれぞれを開状態にするための開指令信号または閉状態にするための閉指令信号をリレーReA、ReB、ReC、ReDへ各別に出力することによりリレーReA、ReB、ReC、ReDの開閉状態を制御する。また、指令部301は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態にするためのオン指令信号またはオフ状態にするためのオフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dへ各別に出力することによりスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dのオンオフ状態を制御する。
また、指令部301は、電源システム500への電力供給元を三相交流電源PAにする場合、モジュール本体100A、100Bへ制御信号を出力することにより、モジュール本体100Aの4つの双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dを閉状態にし、モジュール本体100Bの4つの双方向スイッチ(図示せず)を開状態にする。一方、指令部301は、電源システム500への電力供給元を待機系の三相交流電源PBにする場合、モジュール本体100A、100Bへ制御信号を出力することにより、モジュール本体100Aの4つの双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dを開状態にし、モジュール本体100Bの4つの双方向スイッチ(図示せず)を閉状態にする。指令部301は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cのゲート端子へ制御信号を出力することにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態またはオフ状態にする。更に、指令部301は、電圧取得部302から後述する検査期間開始指令情報または検査期間終了指令情報が通知される毎に、テストケース記憶部331が記憶する各テストケース情報に基づいて、リレーReA、ReB、ReC、ReDのうちの少なくとも1つの開閉状態およびスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dのうちの少なくとも1つのオンオフ状態を切り替える。
電圧取得部302は、電圧計12A、12B、12Cおよび電圧計13A、13B、13Cから入力される計測信号それぞれを予め設定されたサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングした計測信号を、電圧値を示す電圧値情報に変換して差分算出部303に通知する。ここで、電圧取得部302は、電圧取得部302が取得する電圧情報に基づいて、各相電圧のゼロクロス点に対応する時刻が到来すると、検査期間開始通知情報を指令部301および差分算出部303に通知する。ここで、電圧取得部302は、取得する電圧情報が示す相電圧の極性が負の状態からゼロクロス点を経て極性が正の状態に切り替わる場合、極性が正の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知する。一方、電圧取得部302は、取得する電圧情報が示す相電圧の極性が正の状態からゼロクロス点を経て極性が負の状態に切り替わる場合、極性が負の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知する。また、電圧取得部302は、電圧取得部302が取得する電圧情報に基づいて、各相電圧のゼロクロス点に対応する時刻から予め設定された検査期間だけ経過すると、検査期間終了通知情報を指令部301および差分算出部303に通知する。電圧取得部302は、例えば図5に示すように、電圧取得部302が取得するV相電圧の電圧情報に基づいて、V相電圧のゼロクロス点に対応する時刻T1(T2)が到来すると、検査期間開始通知情報を指令部301および差分算出部303に通知する。ここで、電圧取得部302は、時刻T1において、正の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知し、時刻T2において、負の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知する。また、電圧取得部302は、時刻T1から検査期間dT1(dT2)だけ経過したときに、検査期間終了通知情報を指令部301および差分算出部303に通知する。この検査期間dT1(dT2)の長さは、三相交流電源PA、PBから出力される交流の設定周期の1/2以下の長さに設定され、例えば6msecに設定される。そして、指令部301は、検査期間開始通知情報が通知されると、リレーReA、ReDを開状態にし、検査期間終了通知情報が通知されると、リレーReA、ReDを開状態にする。
図1に戻って、差分算出部303は、電圧取得部302から通知される電圧値情報に基づいて、電圧計12Aにより計測された電圧値と電圧計13Aにより計測された電圧値との差分電圧の絶対値を算出する。また、差分算出部302は、電圧計12Bにより計測された電圧値と電圧計13Bにより計測された電圧値との差分電圧の絶対値を算出するとともに、電圧計12Cにより計測された電圧値と電圧計13Cにより計測された電圧値との差分電圧の絶対値を算出する。ここで、差分算出部303は、電圧取得部302から検査期間開始通知情報が通知されると、電圧取得部302から、電圧計12Bにより計測された電圧値を示す電圧値情報と電圧計13Bにより計測された電圧値を示す電圧値情報とが通知される毎に、これらの電圧値情報が示す電圧の差分電圧の絶対値を算出する。そして、差分算出部302は、算出した差分電圧の絶対値を示す差分電圧情報を判定部304に通知する。一方、差分算出部303は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、差分電圧の絶対値の算出を終了する。差分算出部303は、例えば図5に示すように、検査期間開始通知情報が通知された時刻T1(T2)になると電圧計12Bにより計測されるV相電圧Vin(V相)と電圧計13Bにより計測されるV相電圧Vout(V相)との差分電圧の絶対値の算出および算出した絶対値を示す差分電圧情報の判定部304への通知を開始する。そして、差分算出部303は、時刻T1からV相交流電圧の周期の1/2の長さの検査期間dT1(dT2)だけ経過すると、差分電圧の絶対値の算出を終了する。
図1に戻って、判定部304は、後述する故障判定処理を実行することにより、双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dの故障の有無を判定する。判定部304が双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し、閉指令信号を双方向スイッチ1B、1CのリレーReB、ReCへ出力する。このとき、指令部301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する。ここで、双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDが正常である場合、図6Aに示すように、リレーReA、ReDが開状態となる。また、スイッチングモジュール1側から見た電力変換回路201、202、203、204、205、206のインピーダンスが互いに等しい場合、図7Aに示すように、電圧計13A、13B、13Cで計測されるU相電圧、V相電圧、W相電圧の電圧振幅Vo_U1、Vo_V1、Vo_W1は等しくなる。このとき、電圧計12A、12B、12Cで計測されるU相電圧、V相電圧、W相電圧の電圧振幅Vi_U、Vi_V、Vi_Wは、電圧計13A、13B、13Cで計測される電圧振幅Vo_U1、Vo_V1、Vo_W1に等しい。そして、図6Aに示すように、リレーReA、ReDが開状態且つリレーReB、ReCが閉状態の場合、図7Bに示すように、出力端子te3Dの電位が変化することにより、V相電圧、W相電圧の電圧振幅Vo_V2、Vo_W2が、電圧振幅Vo_V1、Vo_W1に比べて小さくなる。そうすると、電圧計12B、12Cで計測されるV相電圧、W相電圧の電圧振幅Vi_V、Vi_Wと、電圧計13B、13Cで計測されるV相電圧、W相電圧の電圧振幅Vo_V2、Vo_W2と、で差が生じることになる。判定部304は、この現象を利用して、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が予め設定された差分電圧閾値よりも大きい場合、開指令信号の出力先のリレーReA、ReDが開指令信号に従って正常に開状態となっており、リレーReA、ReDが正常であると判定する。差分電圧閾値は、例えば各相電圧の電圧実効値の10%以下の大きさに設定され、各相電圧の電圧実効値が200Vである場合、15V程度に設定される。ここで、判定部304は、差分電圧の絶対値が差分電圧閾値よりも大きい状態、即ち、差分電圧が予め設定された電圧範囲外の状態が予め設定された判定時間だけ継続している場合、リレーReA、ReDが正常であると判定する。この判定時間は、例えば3msecに設定される。また、前述の電圧範囲は、絶対値が差分電圧閾値に等しい負の電圧値を下限とし、絶対値が差分電圧閾値に等しい正の電圧値を上限とする電圧値の範囲に相当する。このとき、電圧計13Bで計測されるV相電圧の電圧値Vin(V相)は、例えば図5に示すように、検査期間dT1(dT2)における電圧振幅が電圧計12Bで計測されるV相電圧の電圧値Vout(V相)の電圧振幅に比べて小さくなる。
一方、判定部304は、指令部301が開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値以下である場合、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲内である場合、開指令信号の出力先のリレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが開指令信号が出力されているにも関わらず閉状態を維持しており、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する第1の判定を行う。なお、判定部304が双方向スイッチ1B、1DのリレーReB、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReB、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReA、ReCへ出力する。また、判定部304がリレーReC、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReC、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReA、ReBへ出力する。
また、判定部304が双方向スイッチ1AのリレーReAの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力する。このとき、指令部301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dへ出力する。ここで、双方向スイッチ1A、1DのリレーReAが正常である場合、図6Bに示すように、リレーReAが開状態となる。この場合、電圧計12Aで計測されるU相電圧の電圧振幅と、電圧計13Aで計測されるU相電圧の電圧振幅と、で差が生じることになる。判定部304は、この現象を利用して、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、電圧計12Aで計測される電圧振幅と電圧計13Aで計測される電圧振幅との差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値よりも大きい場合、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲外の場合、開指令信号の出力先のリレーReAが開指令信号に従って正常に開状態となっており、リレーReAが正常であると判定する。一方、判定部304は、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、電圧計12Aで計測される電圧振幅と電圧計13Aで計測される電圧振幅との差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値以下である場合、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲内の場合、開指令信号の出力先のリレーReAが、開指令信号が入力されているにも関わらず閉状態を維持する短絡故障であると判定する第2の判定を行う。
更に、判定部304がスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。これにより、図8に示すように、リレーReA、ReB、ReCが開状態となり、リレーReDが閉状態となる。このとき、指令部301は、オン指令信号を、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cの全てに出力する。そして、判定部304は、リレーReA、ReB、ReCが開状態且つリレーReDが閉状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲外であるスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cが存在する場合、そのスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cが、オン指令信号が入力されているにも関わらずオフ状態を維持するオープン故障であると判定する。
また、判定部304がリレーReA、ReB、ReCのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。これにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオフ状態になり、リレーReDが閉状態になる。このとき、指令部301は、閉指令信号を、リレーReA、ReB、ReCの全てに出力する。そして、判定部304は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオフ状態且つリレーReDが閉状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲外であるリレーReA、ReB、ReCが存在する場合、そのリレーReA、ReB、ReCが、閉指令信号が入力されているにも関わらず開状態を維持するオープン故障であると判定する。
更に、判定部304がスイッチング素子Q1D、Q2Dのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2Aへ出力する。また、指令部301は、オン指令信号をQ1D、Q2Dへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオン状態であり、スイッチング素子Q1A、Q2Aがオフ状態である。そして、リレーReB、ReCが閉状態である。そして、判定部304は、この状態において、差分算出部303から通知されるV相もしくはW相の差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える場合、即ち、差分電圧が前述の電圧範囲外である場合、スイッチング素子Q1D、Q2Dが、オン指令信号が入力されているにも関わらずオフ状態を維持するオープン故障であると判定する。
また、判定部304がリレーReDのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReAへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオン状態であり、リレーReB、ReCが閉状態である。そして、判定部304は、この状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える場合、リレーReDが、閉指令信号が入力されているにも関わらず開状態を維持するオープン故障であると判定する。判定部304は、判定結果を示す情報を判定結果記憶部332に記憶させる。
次に、本実施の形態に係る判定部304が実行する故障判定処理について、図9から図13を参照しながら説明する。なお、この故障判定処理の開始時において、双方向スイッチ1A、1B、1C、1DのリレーReA、ReB、ReC、ReDは全て閉状態であり、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dは全てオン状態であるとする。図9に示すように、まず、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[0]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS1)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値とを取得する(ステップS2)。ここで、「電圧値を取得する」とは、電圧計12A、13Aから入力される計測信号を電圧値情報に変換することを意味する。以下、同様である。続いて、差分算出部303は、電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS3)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS4)。次に、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が予め設定された差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS5:No)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS6)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS5:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS7)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。続いて、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値とを取得する(ステップS8)。その後、差分算出部303は、電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS9)。次に、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS10)。続いて、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS11:No)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS6)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS11:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[1]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS12)。ここで、指令部301は、リレーReA、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS13)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS14)。続いて、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS15)。その後、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS16:No)、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS17)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS16:Yes)。この場合、図10に示すように、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS18)。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS19)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS20)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS21)。次に、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS22:No)、図9に示すように、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS17)、故障判定処理が終了する。
一方、図10に示すように、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS22:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[2]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS23)。ここで、指令部301は、リレーReA、ReB、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Cで計測される電圧値と電圧計13Cで計測される電圧値とを取得する(ステップS24)。次に、差分算出部303は、電圧計12Cで計測される電圧値と電圧計13Cで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS25)。続いて、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS26)。その後、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS27)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS27:No)、双方向スイッチ1Cが短絡故障であると判定し(ステップS28)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS27:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS29)。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Cで計測される電圧値と電圧計13Cで計測される電圧値とを取得する(ステップS30)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Cで計測される電圧値と電圧計13Cで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS31)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS32)。次に、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS33)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS33:No)、双方向スイッチ1Cが短絡故障であると判定し(ステップS28)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS33:Yes)。この場合、図11に示すように、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[3]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS34)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS35)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS36)。続いて、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS37)。その後、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS38)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS38:No)、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS39)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS38:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS40)。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS41)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS42)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS43)。次に、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS44)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS44:No)、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS39)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS44:Yes)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[4]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS45)。ここで、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13B、13Cそれぞれで計測される電圧値とを取得する(ステップS46)。次に、差分算出部303は、電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13B、13Cで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS47)。続いて、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS48)。その後、図12に示すように、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS49)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS49:Yes)。この場合、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B、Q1C、Q2C)がオープン故障であると判定し(ステップS50)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS49:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[5]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS51)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する。また、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13B、13Cそれぞれで計測される電圧値とを取得する(ステップS52)。続いて、差分算出部303は、電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13B、13Cで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS53)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS54)。次に、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS55)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS55:Yes)。この場合、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B、Q1C、Q2C)がオープン故障であると判定し(ステップS50)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS55:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[6]に対応するテストケース情報を参照して、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS56)。ここで、指令部301は、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する。また、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13B、13Cそれぞれで計測される電圧値とを取得する(ステップS57)。続いて、差分算出部303は、電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13B、13Cで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS58)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS59)。その後、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS60)。ここで、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS60:Yes)。この場合、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のリレーReA(ReB、ReC)がオープン故障であると判定し(ステップS61)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS60:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[7]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS62)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS63)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS64)。その後、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS65)。次に、図13に示すように、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS66)。ここで、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS66:Yes)、スイッチング素子Q2Dがオープン故障であると判定し(ステップS67)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS66:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS68)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。続いて、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS69)。その後、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS70)。次に、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS71)。続いて、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が前述の差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS72)。ここで、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS72:Yes)、スイッチング素子Q1Dがオープン故障であると判定し(ステップS67)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS72:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS73)。ここで、指令部301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS74)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部304に通知する(ステップS75)。続いて、指令部301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS76)。続いて、判定部304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS77)。ここで、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS77:Yes)、リレーReDがオープン故障であると判定し(ステップS78)、故障判定処理が終了する。一方、判定部304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定すると(ステップS77:No)、双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dの全てが故障しておらず正常であると判定し(ステップS79)、故障判定処理を終了する。
ところで、本実施の形態に係るスイッチングモジュール501と同様の構成において、双方向スイッチ1Dのみが開状態であり、他の双方向スイッチ1A、1B、1Cが閉状態であるとする。この場合、例えばU相の出力端子te3Aに接続された電力変換回路201、204のインピーダンスが、V、W相の出力端子te3B、te3Cに接続された電力変換回路202、203、205、206のインピーダンスよりも大きいとする。この場合、図14に示すように、電圧計13Aで計測される電圧の電圧振幅Vo_U3が、電圧計13B、13Cで計測される電圧の電圧振幅Vo_V3、Vo_W3よりも大きくなる。このため、電圧計12A、12B、12Cで計測される電圧と電圧計13A、13B、13Cで計測される差分電圧の絶対値に基づいて、双方向スイッチ1Dの故障有無を判定することができる。しかしながら、U、V、W相の出力端子te3A、te3B、te3Cに接続された電力変換回路201、202、203、204、205、206のインピーダンスが互いに等しい場合、電圧計13A、13B、13Cそれぞれで計測される電圧の電圧振幅Vo_U3、Vo_V3、Vo_W3が、互いに等しく、前述の電圧計12A、12B、12Cそれぞれで計測される電圧の電圧振幅Vo_U1、Vo_V1、Vo_W1と等しくなる。このため、双方向スイッチ1Dの開閉状態に依らず前述の差分電圧の絶対値が変化しないため、双方向スイッチ1Dの故障有無を判定できない。
これに対して、本実施の形態に係るスイッチングモジュール501によれば、指令部301が開指令信号をリレーReA、ReDに出力し、閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力する。この状態で、判定部304が、電圧計12Bにより計測される電圧と電圧計13Bにより計測される電圧との差分電圧の絶対値が差分電圧閾値以下である場合、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する。これにより、出力端子te3A、te3B、te3Cに接続される電力変換回路201、202、203、204、205、206のインピーダンスが等しい場合であっても、リレーReDの故障有無を判定することができるので、スイッチングモジュール501に含まれるリレーReA、ReB、ReC、ReDの全てについて漏れなく故障の有無を検出できる。
また、本実施の形態に係る判定部304は、指令部301が開指令信号をリレーReAに出力し、閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、電圧計12A、13Aで計測される電圧値の差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値以下である場合、リレーReAが短絡故障であると判定する。そして、判定部304は、リレーReB、ReCについても同様にしてリレーReB、ReCが短絡故障であるか否かを判定する。これにより、リレーReA、ReB、ReCの短絡故障の有無を特定できる。
更に、本実施の形態に係る判定部304は、リレーReA、ReB、ReCが開状態であるときに、指令部301がオン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dへ出力した状態で、前述の差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超えるものが存在する場合、それがオープン故障であると判定する。これにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cのオープン故障を判別することができる。
また、本実施の形態に係る判定部304は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオン状態であるときに、指令部301が閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力した状態で、前述の差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超えるものが存在する場合、それがオープン故障であると判定する。これにより、リレーReA、ReB、ReCのオープン故障を判別することができる。
更に、本実施の形態に係る判定部304は、リレーReA、ReB、ReCが閉状態であり且つリレーReDが開状態であるときに、指令部301が、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力した状態で、スイッチング素子Q1D、Q2Dについて、前述の差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える場合、スイッチング素子Q1D、Q2Dがオープン故障であると判定する。これにより、スイッチング素子Q1D、Q2Dのオープン故障を判別することができる。
例えば、モジュール本体100A、100Bそれぞれの電源線L1D、L2Dが共通の接地線に接続されているとする。この場合、双方向スイッチ1Dが短絡故障した場合、双方向スイッチ1A、1B、1Cを開状態にすれば、交流電源PA1の出力を停止させなくても、モジュール本体100Bの双方向スイッチを閉状態にしてもよい。一方、双方向スイッチ1A、1B、1Cのいずれかが短絡故障した場合、交流電源PA1の出力を停止させずに、モジュール本体100Bの双方向スイッチを閉状態にすると、モジュール本体100Bの配線と短絡故障した双方向スイッチ1A(1B、1C)が接続された電源線L1A(L1B、L1C)とが短絡してしまい、モジュール本体100B内に大電流が流れてしまう虞がある。これに対して、本実施の形態に係るスイッチングモジュール501は、前述の一連の故障判定処理を実行することにより、双方向スイッチ1A、1B、1Cと双方向スイッチ1Dとのいずれで短絡故障が生じているか否かを判定することができるので、使用するモジュール本体100A、100Bの切替を適切に行うことが可能となる。
また、リレーReA、ReB、ReC、ReDがオープン故障している場合、それらに並列に接続されたスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dに流れる電流を制限しながら使用を継続することが要求される場合がある。これに対して、本実施の形態に係るスイッチングモジュール501は、前述の一連の故障判定処理を実行することにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dのいずれかでオープン故障が生じているか否かを判定することができるので、モジュール本体100A、100Bの継続使用の可否の判断を適切に行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係るスイッチングモジュールは、相電圧を出力する2つの極性端子と中性端子とを有する単相3線式の交流電源に接続されて使用される点で実施の形態1と相違する。
例えば図15に示すように、本実施の形態に係る電源システム2500は、交流電源PA2または待機系の交流電源PB2から交流電力の供給を受けて出力端子TeOに接続されたサーバ(図示せず)のような負荷へ直流電力を供給する。なお、図15において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。交流電源PA2は、2つの極性端子teH、teLと中性端子teNとを有する。交流電源PA2は、極性端子teH、teLおよび中性端子teNそれぞれに接続された3本の電力線L1A、L1B、L1Dを介して電源システム2500へ交流を供給する。また、交流電源PBも、2つの極性端子teH、teLと中性端子teNとを有する。そして、交流電源PBも、極性端子teH、teLおよび中性端子teNそれぞれに接続された3本の電力線L2A、L2B、L2Dを介して電源システム2500へ交流を供給する。また、電源線L1A、L1B、L1D、L2A、L2B、L2Dには、それぞれ遮断器BAA、BAB、BAD、BBA、BBB、BBDが介挿されている。
電源システム2500は、4つの電力変換回路201、202、203、204と、スイッチングモジュール501と、を備える。そして、スイッチングモジュール501は、2つのモジュール本体2100A、2100Bと、これらの動作を制御する制御部2300と、を備える。モジュール本体2100Aは、入力端子te1A、te1B、te1Dと、出力端子te3A、te3B、te3Dと、を備える。ここで、入力端子te1A、te1B、te1Dには、それぞれ、交流電源PA2に接続された電源線L1A、L1B、L1Dが接続される。また、出力端子te3A、te3B、te3Dには、電力変換回路201、202、203、204に接続された電源線L3A、L3B、L3Dが接続される。また、モジュール本体2100Bも、入力端子te2A、te2B、te2Dと、出力端子te4A、te4B、te4Dと、を備える。入力端子te2A、te2B、te2Dには、それぞれ、待機系の交流電源PB2に接続された電源線L2A、L2B、L2Dが接続される。出力端子te4A、te4B、te4Dには、電力変換回路201、202、203、204に接続された電源線L4A、L4B、L4Dが接続される。また、モジュール本体2100Aは、3つの双方向スイッチ1A、1B、1Dと、4つの電圧計12A、12B、13A、13Bと、を備える。なお、モジュール本体2100Bも、モジュール本体100Aと同様の構成を有し、3つの双方向スイッチ(図示せず)と、4つの電圧計(図示せず)と、を備える。
双方向スイッチ1A(1B)は、実施の形態1で図3を用いて説明したように、1つのリレーReA(ReB)と、2つのスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B)と、を有する。また、双方向スイッチ1Dも、1つのリレーReDと、2つのスイッチング素子Q1D、Q2Dと、を有する。電圧計12Aは、双方向スイッチ1A、1Dの入力端I1A、I1D間に接続され、電圧計12Bは、双方向スイッチ1B、1Dの入力端I1B、I1D間に接続されている。電圧計13Aは、双方向スイッチ1A、1Dの出力端O1A、O1D間に接続され、電圧計13Bは、双方向スイッチ1B、1Dの出力端O1B、O1D間に接続されている。
制御部2300は、実施の形態1の制御部300と同様のハードウェア構成を有し、モジュール本体2100A、2100Bの動作を制御する。制御部2300は、指令部2301と電圧取得部302と差分算出部303と判定部2304とを有する。メモリには、実施の形態1と同様に、判定結果記憶部332と、テストケース記憶部2331と、が設けられている。テストケース記憶部2331は、例えば図16に示すように、双方向スイッチ1A、1B、1DそれぞれのリレーReA、ReB、ReDの開閉状態およびスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dのオンオフ状態の組合せを示す7つのテストケース情報を、識別情報IDT[10]、IDT[11]、・・・、IDT[16]に対応づけて記憶する。
指令部2301は、リレーReA、ReB、ReDそれぞれを開状態にするための開指令信号または閉状態にするための閉指令信号をリレーReA、ReB、ReDへ各別に出力することによりリレーReA、ReB、ReDの開閉状態を制御する。また、指令部2301は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態にするためのオン指令信号またはオフ状態にするためのオフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dへ各別に出力することによりスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dのオンオフ状態を制御する。
判定部2304は、後述する故障判定処理を実行することにより、双方向スイッチ1A、1B、1Dの故障の有無を判定する。判定部2304が双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し、閉指令信号を双方向スイッチ1B、1CのリレーReB、ReCへ出力する。このとき、指令部2301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する。判定部2304は、指令部2301が開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が差分電圧閾値よりも大きい状態が予め設定された判定時間だけ継続している場合、リレーReA、ReDが正常であると判定する。一方、判定部2304は、指令部2301が開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、差分電圧の絶対値が差分電圧閾値以下である状態が前述の判定時間だけ継続している場合、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する。なお、判定部2304が双方向スイッチ1B、1DのリレーReB、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号をリレーReB、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReA、ReCへ出力する。
また、判定部2304が双方向スイッチ1AのリレーReAの短絡故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReDへ出力する。このとき、指令部2301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dへ出力する。判定部2304は、指令部2301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReDへ出力した状態で、電圧計12Aで計測される電圧振幅と電圧計13Aで計測される電圧振幅との差分電圧の絶対値が差分電圧閾値よりも大きい状態が判定時間だけ継続している場合、リレーReAが正常であると判定する。一方、判定部2304は、指令部2301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し且つ閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、前述の差分電圧の絶対値が予め設定された差分電圧閾値以下である場合、リレーReAが短絡故障であると判定する。
更に、判定部2304がスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bのオープン故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号をリレーReA、ReBへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。このとき、指令部2301は、オン指令信号を、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bの全てに出力する。そして、判定部2304は、リレーReA、ReBが開状態且つリレーReDが閉状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超えるスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bが存在する場合、そのスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bがオープン故障であると判定する。
また、判定部2304がリレーReA、ReBのオープン故障の有無を判定する場合、指令部2301は、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1B、Q2Bへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。これにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bがオフ状態になり、リレーReDが閉状態になる。このとき、指令部2301は、閉指令信号を、リレーReA、ReBの全てに出力する。そして、判定部2304は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bがオフ状態且つリレーReDが閉状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超えるリレーReA、ReBが存在する場合、そのリレーReA、ReBがオープン故障であると判定する。
更に、判定部2304がスイッチング素子Q1D、Q2Dのオープン故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2Aへ出力する。また、指令部2301は、オン指令信号をQ1D、Q2Dへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bがオン状態であり、リレーReBが閉状態である。そして、判定部2304は、この状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える場合、スイッチング素子Q1D、Q1Dがオープン故障であると判定する。
また、判定部2304がリレーReDのオープン故障の有無を判定する場合、指令部2301は、開指令信号をリレーReAへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部2301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1B、Q2Bがオン状態であり、リレーReBが閉状態である。そして、判定部2304は、この状態において、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値が前述の差分電圧閾値を超える場合、リレーReDがオープン故障であると判定する。判定部2304は、判定結果を示す情報を判定結果記憶部332に記憶させる。
次に、本実施の形態に係る判定部2304が実行する故障判定処理について、図17から図20を参照しながら説明する。なお、この故障判定処理の開始時において、双方向スイッチ1A、1B、1DのリレーReA、ReB、ReDは全て閉状態であり、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dは全てオン状態であるとする。図17に示すように、まず、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[10]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS201)。ここで、指令部2301は、リレーReB、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値とを取得する(ステップS202)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS203)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS204)。次に、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS205)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS205:No)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS206)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS205:Yes)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS207)。ここで、指令部2301は、リレーReB、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。続いて、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値とを取得する(ステップS208)。その後、差分算出部303は、電圧計12Aで計測される電圧値と電圧計13Aで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS209)。次に、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS210)。続いて、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS211)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS211:No)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS206)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS211:Yes)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[11]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS212)。ここで、指令部2301は、リレーReA、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS213)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS214)。続いて、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS215)。その後、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS216)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS216:No)、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS217)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS16:Yes)。この場合、図18に示すように、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS218)。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS219)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS220)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS221)。次に、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS222)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS222:No)、図17に示すように、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS217)、故障判定処理が終了する。
一方、図18に示すように、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS222:Yes)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[12]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS223)。ここで、指令部2301は、リレーReBを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2Bをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13B計測される電圧値とを取得する(ステップS224)。続いて、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS225)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS226)。次に、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS227)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS227:No)、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS228)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS227:Yes)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS229)。続いて、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS230)。その後、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS231)。次に、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS232)。続いて、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であるか否かを判定する(ステップS233)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|未満であると判定すると(ステップS233:No)、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS228)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以上であると判定したとする(ステップS233:Yes)。この場合、図19に示すように、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[13]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReBへ出力する(ステップS235)。ここで、指令部2301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13Bそれぞれで計測される電圧値とを取得する(ステップS236)。次に、差分算出部303は、電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS237)。続いて、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReBへ出力する(ステップS238)。その後、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS239)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS239:Yes)。この場合、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B)のスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B)がオープン故障であると判定し(ステップS240)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS239:No)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReBへ出力する(ステップS241)。ここで、指令部2301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bへ出力する。また、指令部2301は、リレーReDを閉状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13Bそれぞれで計測される電圧値とを取得する(ステップS242)。続いて、差分算出部303は、電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS243)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReBへ出力する(ステップS244)。次に、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS245)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS245:Yes)。この場合、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B)のスイッチング素子Q1A、Q2A(Q1B、Q2B)がオープン故障であると判定し(ステップS240)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS245:No)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[14]に対応するテストケース情報を参照して、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS246)。ここで、指令部2301は、閉指令信号をリレーReA、ReBへ出力する。また、指令部2301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と電圧計13A、13Bそれぞれ計測される電圧値とを取得する(ステップS247)。続いて、差分算出部303は、電圧計12A、12Bそれぞれで計測される電圧値と対応する電圧計13A、13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS248)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS249)。その後、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在するか否かを判定する(ステップS250)。ここで、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相が存在すると判定したとする(ステップS250:Yes)。この場合、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超える相に対応する双方向スイッチ1A(1B)のリレーReA(ReB)がオープン故障であると判定し(ステップS251)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、全ての相について差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS250:No)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[15]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS252)。ここで、指令部2301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部2301は、リレーReBを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2Bをオン状態で維持する。次に、電圧取得部302は、極性が正の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS253)。次に、図20に示すように、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS254)。その後、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS255)。次に、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS256)。ここで、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS256:Yes)、スイッチング素子Q2Dがオープン故障であると判定し(ステップS257)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS256:No)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS258)。ここで、指令部2301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部2301は、リレーReBを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2Bをオン状態で維持する。続いて、電圧取得部302は、極性が負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS259)。その後、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS260)。次に、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS261)。続いて、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS262)。ここで、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS262:Yes)、スイッチング素子Q1Dがオープン故障であると判定し(ステップS257)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部2304が、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定したとする(ステップS262:No)。この場合、指令部2301は、電圧取得部302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部2331が記憶する識別情報IDT[16]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS263)。ここで、指令部2301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。また、指令部2301は、リレーReBを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2Bをオン状態で維持する。その後、電圧取得部302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値とを取得する(ステップS264)。次に、差分算出部303は、電圧計12Bで計測される電圧値と電圧計13Bで計測される電圧値との差分電圧の絶対値を算出し、算出した差分電圧の絶対値を判定部2304に通知する(ステップS265)。続いて、指令部2301は、電圧取得部302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS266)。続いて、判定部2304は、差分算出部303から通知される差分電圧情報が示す差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えるか否かを判定する(ステップS267)。ここで、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|を超えると判定すると(ステップS267:Yes)、リレーReDがオープン故障であると判定し(ステップS268)、故障判定処理が終了する。一方、判定部2304は、差分電圧の絶対値|dV|が差分電圧閾値|dVth|以下であると判定すると(ステップS267:No)、双方向スイッチ1A、1B、1Dの全てが故障しておらず正常であると判定し(ステップS269)、故障判定処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係るスイッチングモジュール2501によれば、指令部2301が、開指令信号がリレーReA、ReDに出力し、閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力する。この状態で、判定部2304が、電圧計12Bにより計測される電圧と電圧計13Bにより計測される電圧との差分電圧の絶対値が差分電圧閾値以下である場合、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する。これにより、出力端子te3A、te3Bに接続される電力変換回路201、202、203、204のインピーダンスが等しい場合であっても、リレーReDの故障有無を判定することができるので、スイッチングモジュール2501に含まれるリレーReA、ReB、ReDの全てについて漏れなく故障の有無を検出できる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係るスイッチングモジュールは、実施の形態1に係るスイッチングモジュールと同様に、3つの第1入力端子のうちのいずれか1つと3つの第1出力端子のうちのいずれか1つとの間に直列に接続される3つの第1開閉器と、第2入力端子と第2出力端子との間に直列に接続される第2開閉器と、を備える。そして、このスイッチングモジュールは、3つの第1開閉器それぞれを流れる第1電流を計測する第1電流計と、第2開閉器を流れる第2第1電流を計測する電流計と、を備える点が実施の形態1と相違する。
例えば図21に示すように、本実施の形態に係る電源システム3500は、交流電源PA1または待機系の交流電源PB1から交流電力の供給を受けて出力端子TeOに接続されたサーバ(図示せず)のような負荷へ直流電力を供給する。なお、図21において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。電源システム3500は、6つの電力変換回路201、202、203、204、205、206と、スイッチングモジュール3501と、を備える。そして、スイッチングモジュール3501は、2つのモジュール本体3100A、3100Bと、これらの動作を制御する制御部3300と、を備える。
図21に戻って、モジュール本体3100Aは、4つの双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dと、4つの電流計312A、312B、312C、312Dと、を備える。なお、モジュール本体3100Bも、モジュール本体3100Aと同様の構成を有し、4つの双方向スイッチ(図示せず)と、4つの電流計(図示せず)と、を備える。
電流計312Aは、入力端子te1Aと双方向スイッチ1Aとの間に接続され、電流計312Bは、入力端子te1Bと双方向スイッチ1Bに接続されている。また、電流計312Cは、入力端子te1Cと双方向スイッチ1Cとの間に接続され、電流計312Dは、入力端子te1Dと双方向スイッチ1Dとの間に接続されている。電流計312Aは、双方向スイッチ1Aに流れる電流の電流値を計測する第1電流計である。電流計312Bは、双方向スイッチ1Bに流れる電流の電流値を計測する第1電流計である。電流計312Cは、双方向スイッチ1Cに流れる電流の電流値を計測する第1電流計である。電流計312Dは、双方向スイッチ1Dに流れる電流の電流値を計測する第2電流計である。電流計312A、312B、312C。312Dは、それぞれ、計測した電流値を反映した電圧信号を継続的に制御部3300へ出力する。
制御部3300は、実施の形態1の制御部300と同様のハードウェア構成を有し、モジュール本体3100A、3100Bの動作を制御する。制御部3300は、指令部301と電流取得部3302と判定部3304とを有する。メモリには、実施の形態1と同様に、判定結果記憶部332と、テストケース記憶部331と、が設けられている。
電流取得部3302は、電流計12A、12B、12C、12Dから入力される計測信号それぞれを予め設定されたサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングした計測信号を、電流値を示す電流値情報に変換して判定部3304に通知する。ここで、電流取得部3302は、電流値情報に基づいて、各相電圧のゼロクロス点に対応する時刻が到来すると、検査期間開始通知情報を指令部301および判定部3304に通知する。ここで、電流取得部3302は、取得する電流値情報が示す電流値の極性が負の状態からゼロクロス点を経て極性が正の状態に切り替わる場合、極性が正の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知する。一方、電流取得部3302は、取得する電流値情報が示す電流値の極性が正の状態からゼロクロス点を経て極性が負の状態に切り替わる場合、極性が負の検査期間の開始を通知する検査期間開始通知情報を通知する。また、電流取得部3302は、電流値情報に基づいて、各相電圧のゼロクロス点に対応する時刻から予め設定された検査期間だけ経過すると、検査期間終了通知情報を指令部301および判定部3304に通知する。
判定部3304は、後述する故障判定処理を実行することにより、双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dの故障の有無を判定する。判定部3304が双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し、閉指令信号を双方向スイッチ1B、1CのリレーReB、ReCへ出力する。このとき、指令部301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する。判定部3304は、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1A、1DのリレーReA、ReDへ出力し、閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、電流値取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値が予め設定された電流閾値よりも大きい状態、即ち、電流値が予め設定された電流範囲外の状態が予め設定された判定時間だけ継続している場合、リレーReA、ReDが正常であると判定する。ここで、前述の電流範囲は、絶対値が電流閾値に等しい負の電流値を下限とし、絶対値が電流閾値に等しい正の電流値を上限とする電流値の範囲に相当する。一方、判定部3304は、指令部301が開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し、閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力した状態で、電流値情報が示す電流値の絶対値が電流閾値以下である状態、即ち、電流値が前述の電流範囲内の状態が前述の判定時間だけ継続している場合、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する。なお、判定部3304が双方向スイッチ1B、1DのリレーReB、ReDの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReB、ReDへ出力し且つ閉指令信号をリレーReA、ReCへ出力する。また、判定部3304が双方向スイッチ1C、1Dの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReC、ReDへ出力し、閉指令信号をリレーReA、ReBへ出力する。
また、判定部3304が双方向スイッチ1Aの短絡故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し、閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力する。このとき、指令部301は、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力し、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dへ出力する。判定部3304は、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し、閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、電流計312Aで計測される電流値の絶対値が電流閾値以下の状態、即ち、電流値が前述の電流範囲内の状態が判定時間だけ継続している場合、リレーReAが正常であると判定する。一方、判定部3304は、指令部301が開指令信号を双方向スイッチ1AのリレーReAへ出力し、閉指令信号をリレーReB、ReC、ReDへ出力した状態で、電流計312Aで計測される電流値の絶対値が電流閾値よりも大きい状態、即ち、電流値が前述の電流範囲外の状態が前述の判定時間だけ継続している場合、リレーReAが短絡故障であると判定する。
更に、判定部3304がスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。このとき、指令部301は、オン指令信号を、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q1Cの全てに出力する。そして、判定部3304は、リレーReA、ReB、ReCが開状態且つリレーReDが閉状態において、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値が前述の電圧閾値未満、即ち、電流値が前述の電流範囲内であるスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cが存在する場合、そのスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオープン故障であると判定する。
また、判定部3304がリレーReA、ReB、ReCのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力し、閉指令信号をリレーReDへ出力する。これにより、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオフ状態になり、リレーReDが閉状態になる。このとき、指令部301は、閉指令信号を、リレーReA、ReB、ReCの全てに出力する。そして、判定部3304は、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオフ状態且つリレーReDが閉状態において、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値が前述の電流閾値未満、即ち、電流値が前述の電流範囲内のリレーReA、ReB、ReCが存在する場合、そのリレーReA、ReB、ReCがオープン故障であると判定する。
更に、判定部3304がスイッチング素子Q1D、Q2Dのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2Aへ出力する。また、指令部301は、オン指令信号をQ1D、Q2Dへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオン状態であり、リレーReB、ReCが閉状態である。そして、判定部3304は、この状態において、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値が前述の電流閾値未満である場合、即ち、電流値が前述の電流範囲内である場合、スイッチング素子Q1D、Q2Dがオープン故障であると判定する。
また、判定部3304がリレーReDのオープン故障の有無を判定する場合、指令部301は、開指令信号をリレーReAへ出力し、オフ指令信号をQ1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。ここで、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cがオン状態であり、リレーReB、ReCが閉状態である。そして、判定部3304は、この状態において、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値が前述の電流閾値未満の場合、即ち、電流値が前述の電流範囲内である場合、リレーReDがオープン故障であると判定する。判定部3304は、判定結果を示す情報を判定結果記憶部332に記憶ささせる。
次に、本実施の形態に係る判定部3304が実行する故障判定処理について、図22から図25を参照しながら説明する。なお、この故障判定処理の開始時において、双方向スイッチ1A、1B、1C、1DのリレーReA、ReB、ReC、ReDは全て閉状態であり、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dは全てオン状態であるとする。図22に示すように、まず、指令部301は、電圧取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[0]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS301)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電流値取得部3302は、極性が正の検査期間における電流計312Aで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS302)。ここで、「電流値を取得する」とは、電流計312Aから入力される計測信号を電流値情報に変換することを意味する。以下、同様である。続いて、指令部301は、電圧取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS303)。その後、判定部3304は、電流値取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が予め設定された電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS304:Yes)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS305)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS304:No)。この場合、指令部301は、電圧取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS306)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Aで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS307)。続いて、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS308)。その後、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS309)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS309:Yes)、双方向スイッチ1Aが短絡故障であると判定し(ステップS305)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS309:No)。この場合、指令部301は、電流値取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[1]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS310)。ここで、指令部301は、リレーReA、ReC、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電流値取得部3302は、極性が正の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS311)。続いて、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS312)。その後、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS313)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS313:Yes)、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS314)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS313:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS315)。次に、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS316)。続いて、図23に示すように、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReBへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2Bへ出力する(ステップS317)。その後、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS318)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS318:Yes)、図22に示すように、双方向スイッチ1Bが短絡故障であると判定し(ステップS314)、故障判定処理が終了する。
一方、図23に示すように、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS318:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[2]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS319)。ここで、指令部301は、リレーReA、ReB、ReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。次に、電流取得部3302は、極性が正の検査期間における電流計312Cで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS320)。続いて、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS321)。その後、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS322)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS322:Yes)、双方向スイッチ1Cが短絡故障であると判定し(ステップS323)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS322:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS324)。次に、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Cで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS325)。続いて、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReCへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS326)。その後、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS327)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS327:Yes)、双方向スイッチ1Cが短絡故障であると判定し(ステップS323)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS327:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[3]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS328)。ここで、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が正の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS329)。次に、指令部301は、電流値取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS330)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS331)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS331:Yes)、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS332)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS331:No)。この場合、図24に示すように、指令部301は、電流取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS333)。その後、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS334)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS335)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|以上であるか否かを判定する(ステップS336)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS336:Yes)、図23に示すように、双方向スイッチ1Dが短絡故障であると判定し(ステップS332)、故障判定処理が終了する。
一方、図24に示すように、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定したとする(ステップS336:Yes)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[4]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS337)。ここで、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電流値取得部3302は、極性が正の検査期間における電流計312A、312B、312Cそれぞれで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS338)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS339)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満である相が存在するか否かを判定する(ステップS340)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満となる相が存在すると判定したとする(ステップS340:Yes)。この場合、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満となる相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のスイッチング素子Q2A(Q2B、Q2C)がオープン故障であると判定し(ステップS341)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、全ての相について電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定したとする(ステップS340:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS342)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する。また、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312A、312B、312Cそれぞれで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS343)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する(ステップS344)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満である相が存在するか否かを判定する(ステップS345)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満である相が存在すると判定したとする(ステップS345:Yes)。この場合、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満である相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のスイッチング素子Q1A(Q1B、Q1C)がオープン故障であると判定し(ステップS341)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、全ての相について電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定したとする(ステップS345:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[5]に対応するテストケース情報を参照して、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS346)。ここで、指令部301は、閉指令信号をリレーReA、ReB、ReCへ出力する。また、指令部301は、リレーReDを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1D、Q2Dをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電流計312A、312B、312Cそれぞれで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS347)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cへ出力する(ステップS348)。続いて、図25に示すように、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満となる相が存在するか否かを判定する(ステップS349)。ここで、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満の相が存在すると判定したとする(ステップS349:Yes)。この場合、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満となる相に対応する双方向スイッチ1A(1B、1C)のリレーReA(ReB、ReC)がオープン故障であると判定し(ステップS350)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、全ての相について電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定したとする(ステップS349:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[6]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS351)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS352)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS353)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満であるか否かを判定する(ステップS354)。ここで、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定すると(ステップS354:Yes)、スイッチング素子Q2Dがオープン故障であると判定し(ステップS355)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定したとする(ステップS354:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、再び開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS356)。ここで、指令部301は、オン指令信号をスイッチング素子Q1D、Q2Dへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が負の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS357)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2Aへ出力する(ステップS358)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満であるか否かを判定する(ステップS359)。ここで、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定すると(ステップS359:Yes)、スイッチング素子Q1Dがオープン故障であると判定し(ステップS355)、故障判定処理が終了する。
一方、判定部3304が、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定したとする(ステップS359:No)。この場合、指令部301は、電流取得部3302から極性が正の検査期間または負の検査期間の検査期間開始通知情報が通知されると、テストケース記憶部331が記憶する識別情報IDT[7]に対応するテストケース情報を参照して、開指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS360)。ここで、指令部301は、閉指令信号をリレーReDへ出力する。また、指令部301は、リレーReB、ReCを閉状態で維持するとともに、スイッチング素子Q1B、Q2B、Q1C、Q2Cをオン状態で維持する。その後、電流取得部3302は、極性が正の検査期間または負の検査期間における電流計312Bで計測される電流値を取得し、取得した電流値を示す電流値情報を判定部3304に通知する(ステップS361)。次に、指令部301は、電流取得部3302から検査期間終了通知情報が通知されると、閉指令信号をリレーReAへ出力するとともに、オン指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力する(ステップS362)。続いて、判定部3304は、電流取得部3302から通知される電流値情報が示す電流値の絶対値|dI|が前述の電流閾値|dIth|未満であるか否かを判定する(ステップS363)。ここで、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|未満であると判定すると(ステップS363:Yes)、リレーReDがオープン故障であると判定し(ステップS364)、故障判定処理が終了する。一方、判定部3304は、電流値の絶対値|dI|が電流閾値|dIth|以上であると判定すると(ステップS363:No)、双方向スイッチ1A、1B、1C、1Dの全てが故障しておらず正常であると判定し(ステップS365)、故障判定処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係るスイッチングモジュール3501によれば、指令部301が、開指令信号がリレーReA、ReDに出力し、閉指令信号をリレーReB、ReCへ出力する。この状態で、判定部3304が、電流計312Bにより計測される電流の電流値の絶対値が電流閾値以下である場合、リレーReA、ReDのうちの少なくとも1つが短絡故障であると判定する。これにより、出力端子te3A、te3Bに接続される電力変換回路201、202、203、204のインピーダンスが等しい場合であっても、リレーReDの故障有無を判定することができるので、スイッチングモジュール2501に含まれるリレーReA、ReB、ReDの全てについて漏れなく故障の有無を検出できる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、実施の形態1、2において、判定部304、2304が、差分電圧の絶対値ではなく、正負の両方の値をとりうる差分電圧そのものが予め設定された電圧範囲内であるか否かに基づいて、リレーReA、ReB、ReC、ReDまたはスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dの短絡故障またはオープン故障を判定するものであってもよい。具体的には、電圧範囲の下限が「-14V」に設定され、上限が「15V」に設定されていてもよい。即ち、電圧範囲の下限の絶対値と上限の絶対値とが互いに異なるように、電圧範囲が設定されていてもよい。また、実施の形態3においても、判定部3304が、電流値の絶対値ではなく、正負の両方の値をとりうる電流値そのものが予め設定された電流範囲内であるか否かに基づいて、リレーReA、ReB、ReC、ReDまたはスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1B、Q2B、Q1C、Q2C、Q1D、Q2Dの短絡故障またはオープン故障を判定するものであってもよい。即ち、電流範囲の下限の絶対値と上限の絶対値とが互いに異なるように、電流範囲が設定されていてもよい。
実施の形態1において、指令部301が、開指令信号をリレーReA、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1A、Q2A、Q1D、Q2Dへ出力した状態で、電圧取得部302が、電圧計12Cで計測される電圧値と電圧計13Cで計測される電圧値とを取得してもよい。そして、判定部304が、これらの電圧値の差分電圧の絶対値に基づいて、双方向スイッチ1Dの短絡故障の有無を判定するものであってもよい。或いは、指令部301が、開指令信号をリレーReB、ReDへ出力するとともに、オフ指令信号をスイッチング素子Q1B、Q2B、Q1D、Q2Dへ出力した状態で、電圧取得部302が、電圧計12A(12C)で計測される電圧値と電圧計13A(13C)で計測される電圧値とを取得してもよい。そして、判定部304が、これらの電圧値の差分電圧の絶対値に基づいて、双方向スイッチ1Dの短絡故障の有無を判定するものであってもよい。
各実施の形態において、制御部300はスイッチングモジュールに含まれてもいてもよい。さらに、制御部300の一部(指令部301)だけを含むように構成してもよい。或いは、一つのモジュール本体と一つの制御部とをセットにしたスイッチングモジュールにしてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2021年1月7日に出願された日本国特許出願特願2021-001301号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2021-001301号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。