JP7275412B1 - Dc/dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

DC/DCコンバータ(10)は、非同期式のDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータは、インダクタ(L1)と、スイッチング素子(Q1)と、ダイオード(D1)と、スイッチング素子(Q1)を制御する制御器(5)とを備える。スイッチング素子は、インダクタに直列に接続される。ダイオードは、電力線(PL1A,PL1B)と、ヘッドライト(1)との間に接続される。制御器は、所定の周波数帯域の上限周波数よりもスイッチング素子のスイッチング周波数が高くなるようにスイッチング素子を制御する。ダイオードは、第1容量と、第2容量とを含む。第1容量は、ダイオードの順方向電流が流れる整流経路の容量である。第2容量は、整流経路と並列に形成された電流経路の容量である。

Description

本開示は、DC/DCコンバータに関し、特に、非同期式のDC/DCコンバータに関する。
国際公開第2015/186404号(特許文献1)は、マルチフェーズ型のDC/DCコンバータを開示する。このDC/DCコンバータは、複数(N台)のコンバータ部を含む。各コンバータ部は、インダクタと、スイッチング素子と、ダイオードとを含む非同期式のコンバータである。スイッチングにより生じるノイズ(以下「スイッチングノイズ」と称する)が放送帯域(例えば、AM放送帯域)の信号に干渉しないように、各コンバータのスイッチング素子のスイッチング周波数Fと動作台数Nとの積は、上記の放送帯域の範囲外に設定される。
国際公開第2015/186404号
各DC/DCコンバータのスイッチング素子のスイッチング周波数が所定の周波数帯域(例えば上記の放送帯域)よりも低く設定される場合、スイッチング周波数Fと動作台数Nとの積が放送帯域の範囲外になるようにスイッチング周波数が設定されたとしても、スイッチング周波数Fの高調波の周波数が上記の放送帯域の周波数帯域内になることがある。その結果、スイッチングノイズが上記の放送帯域の信号に干渉する可能性がある。そのため、ノイズ低減の観点から、スイッチング周波数Fを上記放送帯域の上限周波数よりも高く設定することが考えられる。しかしながら、スイッチング周波数Fを上記の上限周波数よりも高くすると、スイッチング損失の増大に起因してDC/DCコンバータの電力変換効率が著しく低下する可能性がある。
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、非同期式のDC/DCコンバータにおいて、所定の周波数帯域内の周波数の信号へのノイズ干渉を回避しつつ電力変換効率の低下を抑制することである。
本開示のDC/DCコンバータは、非同期式のDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータは、インダクタと、スイッチング素子と、ダイオードと、スイッチング素子を制御する制御器とを備える。スイッチング素子は、インダクタに直列に接続される。ダイオードは、インダクタおよびスイッチング素子に接続される。制御器は、所定の周波数帯域の上限周波数よりもスイッチング素子のスイッチング周波数が高くなるようにスイッチング素子を制御する。ダイオードは、第1容量と、第2容量とを含む。第1容量は、ダイオードの順方向電流が流れる整流経路の容量である。第2容量は、整流経路と並列に形成された電流経路の容量である。
本開示によれば、非同期式のDC/DCコンバータにおいて、所定の周波数帯域内の周波数の信号へのノイズ干渉を回避しつつ電力変換効率の低下を抑制することができる。
実施形態に従うDC/DCコンバータを備える設備の一例として示される車両の概略図である。 DC/DCコンバータの構成の一例を示す図である。 DC/DCコンバータの負荷の構成の一例を示す図である。 図2に示したダイオードの構成の一例を示す図である。 ダイオードの等価回路を示す図である。 スイッチング素子のターンオン時におけるドレイン-ソース間の電圧の推移の一例を示す図である。 DC/DCコンバータの総損失とスイッチング素子のスイッチング周波数との関係の一例を示す図である。 DC/DCコンバータの総損失差とスイッチング素子のスイッチング周波数との関係の一例を示す図である。 DC/DCコンバータのスイッチング素子のスイッチング動作に起因して発生するノイズの周波数のスペクトルの一例を説明する図である。 変形例におけるDC/DCコンバータの構成の一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。
図1は、この実施形態に従うDC/DCコンバータを備える設備の一例として示される車両の概略図である。図1を参照して、車両100は、負荷LOADと、DC/DCコンバータ10と、バッテリ20と、ラジオ25とを備える。
負荷LOADは、ヘッドライト1を含む。ヘッドライト1は、車両100の進行方向の前方を照射する。
DC/DCコンバータ10は、負荷LOADおよびバッテリ20に接続され、バッテリ20からの電力を受けて負荷LOADを駆動する。本実施例では、DC/DCコンバータ10が昇圧コンバータであり、負荷LOADの駆動電圧は、30V~70Vである。バッテリ20は、DC/DCコンバータ10の電源として用いられる。バッテリ20の電圧は、例えば、12Vである。車両100は、ガソリン車、電気自動車またはハイブリッド車などの電動車両であり、電気自動車またはハイブリッド車の場合、バッテリ20は補機バッテリに相当する。
DC/DCコンバータ10およびバッテリ20などの構成要素の接続関係は、図1の例に限定されない。一例として、DC/DCコンバータ10およびバッテリ20は、ヘッドライト1に近い位置(例えば、エンジンルーム内)に配置されてもよい。
ラジオ25は、例えばAM放送帯域内の周波数の放送信号BS1を受信し、AM放送の番組の音声を生成するように構成される。同様に、ラジオ25は、FM放送帯域内の周波数の放送信号BS2を受信し、FM放送の番組の音声を生成するようにも構成される。本実施の形態では、AM放送帯域は、例えば0.52MHzから1.71MHzの周波数帯域とし、FM放送帯域は、例えば76MHzから108MHzの周波数帯域とする。
図2は、DC/DCコンバータ10の構成の一例を示す図である。図2を参照して、DC/DCコンバータ10は、非同期式のDC/DCコンバータであり、スイッチング素子Q1と、インダクタL1と、ダイオードD1と、キャパシタC1と、制御器5とを含む。
インダクタL1は、バッテリ20の正極ノードと、スイッチング素子Q1との間に接続されている。バッテリ20の正極ノードとインダクタL1の間には各種部品が設けられてもよい。各種部品は、例えば、バッテリ20からの電力供給用ハーネス、バッテリ20が逆極性に誤接続された場合にDC/DCコンバータ10を保護するための保護回路、または、ノイズおよび電圧変動を低減するためのフィルタ回路を含む。
スイッチング素子Q1は、この例ではMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であるが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。スイッチング素子Q1は、インダクタL1に直列に接続されている。すなわち、スイッチング素子Q1は、インダクタL1と、バッテリ20の負極ノードとの間に接続される。バッテリ20の負極ノードとスイッチング素子Q1の間には、例えばバッテリ20からの電力供給用ハーネスが設けられていてもよい。スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間の電圧は、電圧Vdsとして表される。
ダイオードD1は、電力線PL1A,PL1Bと、負荷LOADとの間に接続されている。ダイオードD1と負荷LOADのヘッドライト1との間には、降圧コンバータ(後述)、またはヘッドライト1への電力供給用ハーネス等が設けられてもよい。電力線PL1A,PL1Bの各々は、インダクタL1とスイッチング素子Q1との間に設けられ、ダイオードD1のアノードに電力線PL1Cを通じて接続されている。電力線PL1A,PL1B,PL1Cの各々は、回路基板上に形成された銅箔パターン等により形成される電路により代替されてもよい。
ダイオードD1は、トレンチ型のショットキーダイオードである。ダイオードD1の順方向電圧(電圧降下)は、順方向電圧Vfとして表される。負荷LOADの駆動電圧が30V~70Vである場合には、ダイオードD1の逆方向電圧に対する耐圧は、例えば40V~100Vである。キャパシタC1は、出力電圧Voutの平滑化のために設けられる。
制御器5は、PWM(Pulse Width Modulation)等のパルス変調信号を、ゲート駆動回路(図示なし)を通じて制御信号CSとして出力する。制御信号CSは、スイッチング素子Q1のゲ-ト端子に入力され、スイッチング制御のために用いられる。スイッチング素子Q1のスイッチング周波数は、PWM制御のキャリア周波数に従って決定される。制御器5は、スイッチング素子Q1のオン/オフのデューティ比を制御することによってDC/DCコンバータ10の出力電圧Voutを制御する。
スイッチング素子Q1がオンしている場合、DC/DCコンバータ10の入力電流Iinは、インダクタL1を通じてスイッチング素子Q1に流れる。スイッチング素子Q1のオン期間中、インダクタL1は、バッテリ20から与えられる入力電流Iinのエネルギを蓄積する。エネルギの蓄積量は、スイッチング素子Q1のオン/オフのデューティ比に依存して変化する。
他方、スイッチング素子Q1がオフしている場合に、入力電流Iinは、インダクタL1を通じてダイオードD1に流れる。スイッチング素子Q1のオフ期間中、インダクタL1は、入力電流Iinに加えて、スイッチング素子Q1のオン期間中に蓄積されたエネルギを、ダイオードD1を通じてキャパシタC1および負荷LOADに供給する。これにより、DC/DCコンバータ10の入力電圧Vinが出力電圧Voutに昇圧される(Vout≧Vin)。
このように、DC/DCコンバータ10は、バッテリ20から与えられる入力電圧Vinを昇圧し、昇圧後の電圧(Vout)および電力を負荷LOADに供給することによって負荷LOADを駆動する。この例では、入力電圧Vinは12Vであり、出力電圧Voutは30V~70Vである。
図3は、DC/DCコンバータ10の負荷LOADの構成の一例を示す図である。図3を参照して、負荷LOADは、ヘッドライト1内に配置されたLED(Light Emitting Diode)アレイ3と、LEDアレイ3に所定の電流を供給する降圧コンバータ2とを含む。降圧コンバータ2は、DC/DCコンバータ10と同じ回路基板上に配置されてもよいし、またはヘッドライト1内にLEDアレイ3と共に配置されてもよい。本実施の形態では、降圧コンバータ2とLEDアレイ3の一組をユニット23とも表す。
LEDアレイ3は、LED3A~3Zを含んで構成される。本実施の形態では、LEDアレイ3において、LED3A~3Zが直列に接続されている。LED3A~3Zの各々の明るさは、LEDアレイ3に供給される電流Idに依存して決定される。
典型的に、LEDアレイ3におけるLED3A~3Zの個数は多い。例えば、LED3A~3Zの数が8個であり、かつ、1A~1.5A程度の電流Idが供給される場合、LEDアレイ3の順方向電圧(すなわち、LED3A~3Zの各々の順方向電圧の合計)は、典型的に24V~27V程度である。したがって、多くの場合、LEDアレイ3に印加される電圧はバッテリ20の電圧(例えば12V)より高くなる。そのため、バッテリ20に接続されるDC/DCコンバータ10は、典型的には昇圧コンバータである。
降圧コンバータ2は、DC/DCコンバータ10の出力電圧Voutを降圧し、降圧電圧をLEDアレイ3に与える。降圧コンバータ2は、降圧コンバータ2の出力電流、すなわちLEDアレイ3の電流Idを電流センス抵抗を用いてモニタし、該モニタ値が所定の目標電流値(例えば1A)と一致するよう降圧電圧を制御する。これにより、一定の電流IdがLEDアレイ3に供給される。
図3に示される負荷構成の場合、DC/DCコンバータ10は、昇圧後の出力電圧(Vout)を一定に制御する。DC/DCコンバータ10において、制御器5は昇圧後の出力電圧(Vout)をモニタし、該モニタ電圧値が所定の目標電圧値(本実施の形態の場合、30V~70V)と一致するよう出力電圧Voutを制御する。これにより、一定の出力電圧Voutが負荷に供給される。
制御器5は、オペアンプおよびコンパレータを含むアナログ回路であってもよいし、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC:Analog-to-digital Converter)と、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、またはMCU(Micro Controller Unit)などの回路とを含むデジタル回路であってよい。あるいは、制御器5は、上記アナログ回路とデジタル回路との双方を含んでもよい。
制御器5は、DC/DCコンバータ10のインダクタL1またはスイッチング素子Q1の電流(MOSFETの場合、ドレイン-ソース間の電流)を電流センス抵抗を用いてモニタし、該モニタ電流をパルス変調の比較用三角波として用いてもよい(電流モード制御方式)。
なお、負荷LOADは、各々が並列に設けられた複数のユニット23を含んで構成されていてもよい。複数のユニット23における一部、または全部の降圧コンバータ2は、DC/DCコンバータ10と同じ回路基板上に配置されてもよい。
あるいは、降圧コンバータ2は除かれてもよい。降圧コンバータ2が除かれる場合、DC/DCコンバータ10は、LEDアレイ3に一定の電流Idを供給する。この場合、DC/DCコンバータ10は、DC/DCコンバータ10の出力電流、すなわちLEDアレイ3の電流Idを電流センス抵抗を用いてモニタし、該モニタ電流値が所定の目標電流値(例えば1A)と一致するよう昇圧出力電圧(Vout)を制御する。これにより、一定の電流IdがLEDアレイ3に供給される。
図4は、図2に示したダイオードD1の構成の一例を示す図である。以下の説明において、図2を適宜参照する。図4を参照して、X方向およびY方向は、互いに垂直であり、いずれもZ方向に垂直である。Z方向は、ダイオードD1の順方向電流が流れる方向、すなわち、ダイオードD1のアノードからカソードへの方向である。図4は、ダイオードD1をY方向から見た断面図である。
ダイオードD1は、プレーナ型のダイオードとは異なり、Z方向に延びるトレンチ部70を有する。理解を容易にするために、図4では1つのトレンチ部70が示されているが、実際には、ダイオードD1は、X方向に周期的に設けられる複数のトレンチ部70を有する。トレンチ部70は、X方向に幅Lxと、Y方向に幅Lyと、Z方向に深さLzとを有しているものとする。すなわち、トレンチ部70の形状は、幅Lx,Ly及び深さLzにより表される。
ダイオードD1は、アノード電極層40と、金属層50と、ポリシリコン層55と、絶縁層60と、半導体層30と、カソード電極層90とを含む。
アノード電極層40は、電力線PL1Cを通じてインダクタL1とスイッチング素子Q1とに接続される。金属層50は、アノード電極層40と半導体層30との間に形成され、半導体層30と金属層50とのショットキー接合部JPにおいてショットキー接合を形成する。
ポリシリコン層55は、トレンチ部70に埋め込まれており、導電性材料であるポリシリコンにより形成される。絶縁層60は、ポリシリコン層55と半導体層30との間に形成されており、トレンチ部70に埋め込まれている。
半導体層30は、本実施の形態では、シリコン(Si)により形成されるが、シリコンカーバイド(SiC)またはガリウムナイトライド(GaN)等のワイドギャップ半導体により形成されてもよい。半導体層30は、n型ドリフト層80と、n+基板層85とを含む。
n型ドリフト層80は、金属層50と、n+基板層85との間に形成される。n型ドリフト層80における等電位線は、等電位線EPLにより表される。
n+基板層85は、カソード電極層90に隣接するように形成されている。カソード電極層90は、負荷LOADに接続される。
なお、この例とは異なり、プレーナ型のショットキーダイオードのn型ドリフト層における電界は、ショットキー接合部に近づくほどより強くなり(等電位線の間隔がより狭くなり)、均一ではない。よって、ショットキー接合部付近における逆方向電圧が上昇し、降伏電圧が低くなる。その結果、プレーナ型のダイオードにおいては、同程度の順方向電圧Vfを有するトレンチ型のダイオードD1と比較してリーク電流が増大し易い。
他方、本実施の形態では、ダイオードD1がトレンチ部70を有し、フィールドプレートと同じように機能する。これにより、等電位線EPLの間隔は、実質的に均一となる。よって、ショットキー接合部JP付近における電界強度の上昇が抑制されるため、降伏電圧が上昇する。その結果、トレンチ型のダイオードD1は、同程度の順方向電圧Vfを有するプレーナ型のダイオードと比較してリーク電流が低減され易い。
図5は、ダイオードD1の等価回路を示す図である。図5を参照して、ダイオードD1の等価回路は、整流経路P1と、電流経路P2とを含む。
整流経路P1は、ダイオードD1に順方向電圧が印加された場合に、アノード電極層40からカソード電極層90への順方向電流が流れる経路である。整流経路P1の容量成分(寄生容量)は、容量Cd1により表される。整流経路P1の抵抗成分は、抵抗Rd1と、電流経路P2と共通の抵抗Rd2とにより表される。容量Cd1および抵抗Rd1の各々は、ダイオードD1の印加電圧の向きと大きさとに依存して変化する。ダイオードD1に順方向電圧が印加される場合、抵抗Rd1の抵抗値は小さくなる。ダイオードD1に逆方向電圧が印加される場合、抵抗Rd1の抵抗値が上昇する一方で、その値が有限であるため、前述のリーク電流が発生する。
電流経路P2は、整流経路P1と電気的に並列に形成される。電流経路P2の容量成分(寄生容量)は、容量Cs1により表される。容量Cs1は、ダイオードD1における電界分布を均一にするように(すなわち、図4の等電位線EPLの間隔を一定にするように)機能する。電流経路P2の抵抗成分は、抵抗Rs1と、整流経路P1と共通の抵抗Rd2とにより表される。
容量Cs1および抵抗Rs1は、それぞれ、ダイオードD1のトレンチ部70の容量および抵抗であり、トレンチ型のダイオードD1に固有のものである。すなわち、プレーナ型のショットキーダイオードは、容量Cs1に相当する容量成分と、抵抗Rs1に相当する抵抗成分とを有さない一方で、ダイオードD1は、容量Cs1および抵抗Rs1を含む。容量Cs1および抵抗Rs1の各々は、例えば、トレンチ部70の形状、ポリシリコン層55の導電率、および絶縁層60の材質の物性に従って決定される。
図1および図2を再び参照して、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数は、この周波数およびその高調波周波数が放送信号BS1(AM放送の信号)の帯域の信号に干渉しないように決定されることが好ましい。前述のように、ノイズ低減の観点から、スイッチング周波数は、AM放送帯域の上限周波数よりも高いことが好ましい。
本実施の形態では、AM放送帯域が所定の禁止周波数帯域として定められており、制御器5は、AM放送帯域の上限周波数(この例では、1.71MHz)よりもスイッチング周波数が高くなるようにスイッチング素子Q1を制御する。
従来、車両用ヘッドライトを駆動するDC/DCコンバータが、バッテリと接続される昇圧コンバータであり、かつ、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が上記上限周波数よりも高く設定されると、スイッチング損失の増大に起因してDC/DCコンバータ10の電力変換効率が著しく低下するという課題があった。その結果、上記上限周波数よりも高いスイッチング周波数は、使用され難かった。
スイッチング損失を低減することを目的として、スイッチング素子Q1が、シリコンカーバイド(SiC)またはガリウムナイトライド(GaN)等のワイドギャップ半導体のMOSFETにより形成されることが好ましいようにも思われる。
しかしながら、車両用ヘッドライトを駆動する昇圧コンバータにおいて、スイッチング周波数が禁止周波数帯域の上限周波数よりも高く設定される場合においては、損失低減効果の観点から全く不十分である。さらに、MOSFETの耐圧などのスペックが最適でなかったり、その故障に対する信頼性が確保され難かったりする場合、コストが大幅に増大し得るという課題もある。
発明者らは、バッテリ20と接続され、かつ、ヘッドライト1を駆動するために昇圧機能を有するDC/DCコンバータ10において、制御器5が1.71MHzよりも高いスイッチング周波数でスイッチング素子Q1を制御した場合でも、DC/DCコンバータ10の電力変換効率の過度な低下を抑制することができることを見出した。以下、この点を詳しく説明する。
図6は、スイッチング素子Q1がターンオフ状態からターンオン状態に切り替わった時の、ドレイン-ソース間の電圧Vdsの推移の一例を示す図である。この例では、スイッチング周波数は、1.8MHz以上(例えば、1.8MHz、1.9MHz、2.0MHz、2.1MHz、または2.2MHz)である。以下の説明において、図2を適宜参照する。
図6を参照して、破線200は、比較例における電圧Vdsの推移を示す。比較例は、DC/DCコンバータにおいて、トレンチ型のダイオードD1に代えて、それと同程度の順方向電圧Vfを有するプレーナ型のダイオードが用いられる点において、本実施の形態とは異なる。前述の通り、本実施の形態および比較例の双方において、ダイオードD1の半導体層30は、シリコン(Si)により形成されているものとする。
時間td1は、比較例における電圧Vdsの立ち下がり遅延時間である。時間tf1は、比較例における電圧Vdsの立ち下がり時間である。電圧Vdsの立ち下がり遅延時間とは、スイッチング素子Q1のターンオン時から、電圧Vdsが急峻かつ実質的に一定の傾きで低下し始めるまでの時間である。電圧Vdsの立ち下がり時間とは、スイッチング素子Q1のターンオン後に、前述した電圧Vdsが急峻かつ実質的に一定の傾きで低下し始める時間から、電圧Vdsが電圧V0(基準電圧)に最初に到達するまでの時間である。
実線250は、本実施の形態における電圧Vdsの推移を示す。本実施の形態では、前述のように、DC/DCコンバータ10において、トレンチ部70を有するトレンチ型のダイオードD1が用いられる。時間td2は、本実施の形態における電圧Vdsの立ち下がり遅延時間である。時間tf2は、本実施の形態における電圧Vdsの立ち下がり時間である。
時間td2は、時間td1よりも短い。本実施の形態での時間td2とtd1の時間差tdifは、数ns以下のオーダーである。時間td1がより長くなるほど、時間差tdifが例えば1nsよりもより長くなることで、比較例のDC/DCコンバータの電源効率は指数関数的に低下する。他方、本実施の形態では時間td2が短いため、時間td2が例えばサブナノ秒のオーダー程度でもより短くなると、本実施の形態のDC/DCコンバータ10の電源効率は大きく向上する。
図5を再び参照して、本実施の形態のダイオードD1のアノード-カソード間の寄生容量は、整流経路P1の容量Cd1と、電流経路P2の容量Cs1の合計である。この合計容量は、比較例のプレーナ型ダイオードの寄生容量と比較して、同程度またはそれ以上である。本実施の形態のダイオードD1の整流経路P1の容量Cd1は、比較例のプレーナ型ダイオードの寄生容量よりも小さい。すなわち、本実施の形態のダイオードD1の逆回復時間は、比較例のダイオードの逆回復時間よりも短い。逆回復時間が短いことは、DC/DCコンバータの電源効率の向上を可能にする。本実施の形態のDC/DCコンバータ10の電源効率は、前述の逆回復時間の短さに加えて、時間差tdifの発生メカニズムに起因して大きく向上する。以下、この発生メカニズムについて説明する。
図6を再び参照して、時間差tdifは、スイッチング素子Q1がターンオンした直後の、電圧Vdsの共振周波数に大きく依存する。前述した電圧Vdsの共振周波数は、DC/DCコンバータ10のスイッチング素子Q1と、キャパシタC1と、ダイオードD1において形成される電流経路上の寄生容量および寄生インダクタンスに大きく依存する。この共振周波数は、DC/DCコンバータ10の出力電圧Vout、出力電力Pout、スイッチング素子Q1のターンオフ状態からターンオン状態に切り替わる時間、およびスイッチング周波数等にも大きく依存する。
ヘッドライト1を駆動するDC/DCコンバータ10(この例では、昇圧コンバータ)において、典型的には出力電圧Voutが30V~70V程度であり、かつ、出力電力Poutが20W~200W程度である。この条件で駆動される本実施の形態に従うDC/DCコンバータ10において、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が1.71MHzよりも高く(好ましくは、1.8MHz以上)に設定され、かつ、トレンチ型のダイオードD1が用いられるため、電圧Vdsの共振周波数が比較例の場合よりも高くなる。これにより、本実施の形態での時間td2が短縮され、時間差tdifが発生するため、DC/DCコンバータ10の電源効率が向上する。
この電圧Vdsの共振周波数は、前述の電圧Vdsの立ち下がり時間にも同様に影響する。その結果、本実施の形態での時間tf2は、比較例の時間tf1よりも短くなる。そして、本実施の形態において、スイッチング素子Q1のターンオン時から、電圧Vdsが電圧V0(基準電圧)に最初に達するまでに要する時間T2(=td2+tf2)は、比較例において要する時間T1(=td1+tf1)よりも顕著に短くなる(T2<<T1)。その結果、本実施の形態では、スイッチング素子Q1におけるスイッチング損失を顕著に低減することができる。したがって、1.71MHzよりも高いスイッチング周波数(例えば1.8MHz以上)で制御器5がスイッチング素子Q1を制御しても、放送信号BS1へのノイズ干渉を回避しつつDC/DCコンバータ10の電力変換効率の過度な低下を抑制することができる。
図7は、DC/DCコンバータ10の総損失とスイッチング素子Q1のスイッチング周波数との関係の一例を示す図である。DC/DCコンバータ10の総損失は、インダクタL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1およびキャパシタC1(図2)の損失の合計である。
図7を参照して、破線300および実線350は、それぞれ、比較例および本実施の形態における、総損失Lossとスイッチング周波数fとの関係を示す。総損失差ΔLossは、比較例における総損失Loss(破線300)と、本実施の形態における総損失Loss(実線350)との差であるとする。
図8は、DC/DCコンバータの総損失差ΔLossとスイッチング周波数fとの関係の一例を示す図である。図8の関係は、図7の関係に基づいている。図8を参照して、線370は、スイッチング周波数fの上昇とともに総損失差ΔLossが変化する様子を示す。
AM放送帯域よりも低い周波数(0.52MHzよりも低い周波数)において、総損失差ΔLossは、それほど顕著ではない。AM放送帯域においては、スイッチング周波数fの上昇とともに総損失差ΔLossが顕著になり始める。AM放送帯域よりも高い周波数(例えば、2.0MHz)においては、総損失差ΔLossがより顕著になり、比較例に対する本実施の形態の利点がさらに際立つ。すなわち、比較例に対して、本実施の形態の総損失Lossは大きく低減される。
スイッチング素子Q1であるMOSFETは、半導体がシリコンにより形成され、かつ、その総電荷量(Qg)が約15nC以下の小さなものであってもよい。その結果、DC/DCコンバータ10をより安価でかつ故障に対する信頼性を高くした状態で製造することができる。さらに、放送信号BS1へのノイズ干渉を回避しつつDC/DCコンバータ10の電力変換効率の過度な低下を抑制することができる。
なお、FM放送帯域の信号へのノイズ干渉の回避の観点から、スイッチング周波数fは、少なくとも1.71MHzよりも高く(好ましくは、1.8MHz以上)かつ10.85MHz以下になるように設定される。この点については、後ほど詳しく説明する。
図9は、DC/DCコンバータ10のスイッチング素子Q1のスイッチング動作に起因して発生するノイズの周波数のスペクトルの一例を説明する図である。図9を参照して、縦軸は、ノイズの強度I(最大値がImax)を示し、横軸は、ノイズ周波数成分fnを示す。横軸のスケールは、実際の周波数成分のスケールに必ずしも一致しない。
ノイズ周波数成分fnは、DC/DCコンバータ10においてスイッチング素子Q1がオン/オフすることにより発生するノイズの周波数成分である。ノイズ周波数成分fnは、この例では入力電流Iin(図2)の伝導ノイズの周波数成分であるものとするが、DC/DCコンバータ10から発生する放射ノイズの周波数成分であってもよい。
線400は、ノイズ周波数成分fnのスペクトルを示す。このスペクトルは、入力電流Iinの高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)により導出される。このスペクトルは、バッテリ20とDC/DCコンバータ10の間に設けられたLISN(Line Impedance Stabilization Network)から得られる雑音端子電圧のFFTにより導出されてもよい。帯域Δfは、上記スペクトルにおける半値幅帯域(言い換えれば、スイッチング周波数fに相当するピーク周波数fp1の半値幅帯域)である。
この例では、スイッチング周波数fは、帯域Δfの下限周波数f1が、AM帯域の上限周波数(1.71MHz)よりも高くなるという条件(第1条件)が成立するように決定される。すなわち、制御器5は、下限周波数f1がAM帯域の上限周波数よりも高くなるようにスイッチング素子Q1を制御する。これにより、より確実にAM帯域の信号へのノイズ干渉を回避しつつ電力変換効率の低下を抑制することができる。一例として帯域Δfが狭い場合、スイッチング周波数fは、帯域Δfの下限周波数f1が1.8MHz以上になるように決定される。
帯域Δfの幅は、スイッチング素子Q1の動作中の電圧Vdsの波形によって変化する。第1条件が確実に成立するスイッチング周波数fの例として、2.0MHzが挙げられる。第1条件が成立するスイッチング周波数fは2.0MHz以上でもよく、例えば2.1MHzまたは2.2MHzであってもよい。
あるいは、スイッチング周波数fは、ピーク周波数fp1から3σを差し引いた周波数が1.71MHzよりも高くなるという条件(第2条件)が成立するように決定されてもよい。σは、スペクトルの標準偏差である。第1または第2条件を満たすスイッチング周波数fの値は、例えば実験を通じて予め決定される。
第1または第2条件が成立するようにスイッチング周波数fが決定されると、放送信号BS1に対し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に起因するノイズ干渉をより確実に防止しつつ、電力変換効率の低下を抑制することができる。
DC/DCコンバータにおいて発生するノイズは、放送信号BS1のみならず放送信号BS2(FM放送の信号)にも干渉しないことが好ましい。そのため、制御器5は、ピーク周波数fp1、すなわちスイッチング周波数fがAM放送帯域の上限周波数(1.71MHz)より高いという第1条件に加えて、ピーク周波数fp1のn次高調波成分(周波数成分fpn(n≧2))がFM放送帯域に含まれないという条件(第3の条件)が成立するようにスイッチング素子Q1を制御してもよい。
実用的には、7次高調波(n=7)がFM帯域の下限周波数(本実施の形態では76MHz)より低くなるように設定されると、FM帯域の信号へのノイズ干渉を基本的に回避することができる。そこで、制御器5は、7次高調波成分がFM放送帯域に含まれないように(より詳しくは、FM放送帯域の下限周波数よりも低くなるように)スイッチング素子を制御してもよい。具体的には、スイッチング周波数fは、1.71MHzよりも高くかつ10.85(≒76/7)MHz以下の範囲内に設定されてもよい。より好ましくは、スイッチング周波数fは、1.8MHz以上かつ10.85MHz以下の範囲内に設定される。より好ましくは、第1条件がさらに成立するように、スイッチング周波数fは、2.0MHz以上かつ10.85MHz以下の範囲内に設定されてもよい。
より確実にn次高調波成分のFM放送帯域の信号へのノイズ干渉を防止するには、14次高調波(n=14)が76MHzより低くなるように設定されてもよい。そこで、制御器5は、14次高調波成分がFM放送帯域に含まれないように(より詳しくは、FM放送帯域の下限周波数よりも低くなるように)スイッチング素子を制御してもよい。具体的には、スイッチング周波数fは、1.71MHzよりも高くかつ5.42(≒76/14)MHz以下に設定されてもよい。より好ましくは、スイッチング周波数fは、1.8MHz以上かつ10.85MHz以下の範囲内に設定される。より好ましくは、第1条件がさらに成立するように、スイッチング周波数fは、2.0MHz以上かつ5.42MHz以下の範囲内に設定されてもよい。
なお、AM放送帯域は、本開示の「第1禁止周波数帯域」の一例に相当し、FM放送帯域は、本開示の「第2禁止周波数帯域」の一例に相当する。
前述の第3の条件が成立するようにスイッチング周波数fが設定されると、放送信号BS2に対し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に起因するノイズ干渉を防止することができる。したがって、DC/DCコンバータ10は、スイッチング動作に起因するノイズが放送信号BS1、BS2のいずれにも干渉しないようにしつつ、電力変換効率の低下を抑制した状態でヘッドライト1を駆動することができる。
制御器5は、前述の第1条件に加えて、7次高調波(または14次高調波)の強度IがFM放送帯域において実質的に0になるという条件(第4条件)が成立するようにスイッチング素子Q1を制御してもよい。強度Iが実質的に0とは、例えば、強度Iが0よりも大きく、かつ、所定の正値未満の数であることを意味する。所定の正値は、強度Iがこの正値に等しい場合に、スイッチングノイズの放送信号BS2への影響が実用的な観点から無視できるように決定される。所定の正値の一例として、EMC(Electromagnetic Compatibility)の規格で定められる強度Iの限度値等が挙げられる。
以上のように、本実施の形態によれば、AM放送帯域の上限周波数よりも高いスイッチング周波数fで制御器5がスイッチング素子Q1を制御しても、放送信号BS1へのノイズ干渉を回避しつつ電力変換効率の過度な低下を抑制することができる。
さらに、スイッチング周波数がAM放送帯域よりも低いケースとは異なり、スイッチング周波数fの高調波成分が放送信号BS1に干渉する事態を回避することができる。したがって、例えばバッテリ20とDC/DCコンバータ10の間に入力ノイズフィルタ等が余分に追加される必要がない。加えて、上記のケースと比較してスイッチング周波数fが高い本実施の形態では、インダクタL1のインダクタンス値と直流成分の抵抗値とを低減できる。これにより、インダクタL1の小型化および発熱量の低減を両立することができる。その結果、DC/DCコンバータ10の製造コストを低減することができる。
本実施の形態のダイオードD1は、ショットキーダイオードであるため、高速スイッチングに適している。さらに、前述のようにリーク電流が低減され易いため、温度上昇時にも安定的に動作する。このような構成とすることにより、AM放送帯域の上限周波数よりも高いスイッチング周波数fでの高速スイッチングを適切に実行することができる。これにより、スイッチング周波数fがAM放送帯域の上限周波数よりも高い場合であっても、DC/DCコンバータ10が適切に作動することができる。
本実施の形態のダイオードD1の半導体層30は、シリコン(Si)により形成される。これにより、ダイオードD1として、その逆方向電圧が最適な製品を容易に選定または製造することができる。したがって、ダイオードD1の小型化と低コスト化とを両立することができ、さらに、ダイオードD1の故障に対する信頼性をも高くすることができる。その結果、DC/DCコンバータ10を小型化、高信頼性化しつつ低コストで製造することができる。さらに、ダイオードD1の耐圧電圧は、数10V~100Vとなるため、車両100のヘッドライト1の駆動電圧(30V~70V)に適する。
DC/DCコンバータ10は、車両100に搭載され、バッテリ20に接続される。バッテリ20の電圧に相当する入力電圧Vinは、典型的に12Vであるが、瞬間的に約6V程度に低下することがある。そのため、DC/DCコンバータ10は、ヘッドライト1を駆動するためにバッテリ20から大きな入力電流Iinを受ける。本実施の形態によれば、そのような大きな入力電流IinがDC/DCコンバータ10に供給される場合であっても、放送信号BS1(および放送信号BS2)へのノイズ干渉の回避と電力変換効率の低下の抑制とを達成しつつヘッドライト1を駆動することができる。
変形例.
上記の実施の形態では、DC/DCコンバータ10は、昇圧コンバータであるものとしたが、昇降圧コンバータにより代替されてもよい。
図10は、この変形例におけるDC/DCコンバータの構成の一例を示す図である。図10を参照して、DC/DCコンバータ10Aは、非同期式の昇降圧コンバータであり、入力電圧Vinを出力電圧Voutに昇圧可能に構成される。DC/DCコンバータ10Aは、スイッチング素子Q11と、インダクタL11と、ダイオードD11と、キャパシタC11と、制御器5とを含む。
スイッチング素子Q11は、インダクタL11に直列に接続され、制御器5により制御される。ダイオードD11は、ダイオードD1と同様にトレンチ型のダイオード(図4)であり、電力線PL11A,PL11Bと、負荷LOADとの間に接続される。電力線PL11A,PL11Bは、インダクタL11およびスイッチング素子Q11の間に設けられる。
本実施の形態では、LED3A~3Zの個数が多く、LEDアレイ3に印加される電圧はバッテリ20の電圧より高いものとする。すなわち、DC/DCコンバータ10Aは昇圧モードで動作を行う。なお、LED3A~3Zの個数が少なく、LEDアレイ3に印加される電圧がバッテリ20の電圧より低い場合は、DC/DCコンバータ10Aは、降圧モードで動作してもよい。
DC/DCコンバータ10Aにおいても、スイッチング素子Q11がターンオンした直後の、電圧Vdsの共振周波数は、仮にプレーナ型のダイオードがダイオードD11として用いられる場合の共振周波数よりも高くなる。その結果、DC/DCコンバータ10Aにおいてスイッチング周波数が1.71MHzより高く設定される場合に、前述の実施の形態と同様の利点(トレンチ型のダイオードD11の利点)が得られる。上記電圧Vdsの共振周波数は、スイッチング素子Q11と、キャパシタC11と、ダイオードD11と、入力キャパシタ(図示なし)で形成される電流経路上の寄生容量および寄生インダクタンスと、出力電圧Vout、出力電力Pout、およびスイッチング周波数等とにより決定される。
以上のことより、上記の実施の形態と同様に放送信号BS1(および放送信号BS2)へのノイズ干渉を回避しつつ電力変換効率の低下を抑制することができる。
なお、DC/DCコンバータ10Aは、Cukコンバータ、Zetaコンバータ、またはSepicコンバータ(Single Ended Primary Inductor Converter)であってもよい。
その他の変形例.
図3を再び参照して、LED3A~3Zの個数が少なく、LEDアレイ3に印加される電圧がバッテリ20の電圧より低い場合は、DC/DCコンバータ10は、非同期式の降圧コンバータにより代替されてもよい。あるいは、図3で示された定電流制御を行う降圧コンバータ2は、非同期式のコンバータであってもよい。この場合、前述の実施の形態またはその変形例が降圧コンバータ2に適用されてもよい。具体的には、降圧コンバータ2のスイッチング素子のスイッチング周波数が1.71MHzよりも高く設定され、かつ、降圧コンバータ2のダイオードにトレンチ型のダイオードが用いられてもよい。
上記の実施の形態では、半導体層30がシリコンにより形成されるものとしたが、シリコンとは異なる半導体(例えば、SiC、GaN)により形成されてもよい。
DC/DCコンバータ10は、車両100のヘッドライト1の駆動とは異なる用途のために用いられてもよい。DC/DCコンバータ10の各部の電圧、電流、電力、またはスイッチング周波数等のパラメータが車両100のヘッドライト1の駆動のためのパラメータと同等であれば、前述の実施の形態およびその変形例と同様の利点が得られる。
本開示の「第2禁止周波数帯域」は、FM放送帯域に限定されず、例えば、市民ラジオ(CB:Citizens Band Radio)放送の帯域(26.5MHz~29.7MHz)であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ヘッドライト、5 制御器、10,10A DC/DCコンバータ、20 バッテリ、25 ラジオ、100 車両、C1,C11 キャパシタ、Cd1,Cs1 容量、D1,D11 ダイオード、L1,L11 インダクタ、LOAD 負荷、P1 整流経路、P2 電流経路、Q1,Q11 スイッチング素子。

Claims (15)

  1. 非同期式のDC/DCコンバータであって、
    インダクタと、
    前記インダクタに直列に接続されるスイッチング素子と、
    前記インダクタおよび前記スイッチング素子に接続されるダイオードと、
    前記スイッチング素子を制御する制御器とを備え、
    前記制御器は、所定の周波数帯域の上限周波数よりも前記スイッチング素子のスイッチング周波数が高くなるように前記スイッチング素子を制御し、
    前記ダイオードは、
    前記ダイオードの順方向電流が流れる整流経路の容量である第1容量と、
    前記整流経路と並列に形成された電流経路の容量である第2容量とを含む、DC/DCコンバータ。
  2. 前記ダイオードは、トレンチ型のダイオードであり、
    前記第2容量は、前記ダイオードのトレンチ部の容量である、請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
  3. 前記所定の周波数帯域は、AM放送帯域である、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  4. 前記上限周波数は、1.71MHzである、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  5. 前記制御器は、前記スイッチング素子のスイッチング動作に起因して発生するノイズのスペクトルの半値幅帯域の下限周波数が前記上限周波数より高くなるように前記スイッチング素子を制御する、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  6. 前記スイッチング周波数は、1.71MHzよりも高くかつ10.85MHz以下の範囲内にある、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  7. 前記スイッチング周波数は、2.0MHz以上かつ10.85MHz以下の範囲内にある、請求項6に記載のDC/DCコンバータ。
  8. 前記ダイオードは、ショットキーダイオードである、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  9. 前記ダイオードは、半導体層を含み、
    前記半導体層は、シリコンにより形成される、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  10. 前記インダクタは、前記DC/DCコンバータの電源の正極ノードと前記スイッチング素子との間に接続され、
    前記スイッチング素子は、前記インダクタと前記電源の負極ノードとの間に接続され、
    前記インダクタと前記スイッチング素子とに前記ダイオードのアノードが接続される、請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  11. 前記DC/DCコンバータは、車両に搭載可能に構成され、
    前記電源は、前記車両のバッテリであり、
    前記DC/DCコンバータの負荷は、前記車両のヘッドライトを含んで構成される、請求項10に記載のDC/DCコンバータ。
  12. 前記制御器は、前記スイッチング周波数の7次高調波成分が、前記所定の周波数帯域としての第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域に含まれないように前記スイッチング素子を制御する、請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
  13. 前記制御器は、前記スイッチング周波数の14次高調波成分が、前記所定の周波数帯域としての第1周波数帯域よりも高い第2周波数帯域に含まれないように前記スイッチング素子を制御する、請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
  14. 前記第2周波数帯域は、FM放送帯域である、請求項12または請求項13に記載のDC/DCコンバータ。
  15. 前記第2周波数帯域は、76MHz以上かつ108MHz以下である周波数帯域を含む、請求項12または請求項13に記載のDC/DCコンバータ。
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