JP7273345B2 - 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム - Google Patents

映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7273345B2
JP7273345B2 JP2021554059A JP2021554059A JP7273345B2 JP 7273345 B2 JP7273345 B2 JP 7273345B2 JP 2021554059 A JP2021554059 A JP 2021554059A JP 2021554059 A JP2021554059 A JP 2021554059A JP 7273345 B2 JP7273345 B2 JP 7273345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
visual
background image
movement
visual object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021554059A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021079550A1 (ja
Inventor
建 井阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Publication of JPWO2021079550A1 publication Critical patent/JPWO2021079550A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7273345B2 publication Critical patent/JP7273345B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
    • H04N9/3179Video signal processing therefor
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B30/00Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images
    • G02B30/50Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images the image being built up from image elements distributed over a 3D volume, e.g. voxels
    • G02B30/56Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images the image being built up from image elements distributed over a 3D volume, e.g. voxels by projecting aerial or floating images
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09GARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
    • G09G5/00Control arrangements or circuits for visual indicators common to cathode-ray tube indicators and other visual indicators
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/346Image reproducers using prisms or semi-transparent mirrors
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/363Image reproducers using image projection screens

Description

本発明は、映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラムに関する。
特許文献1および非特許文献1,2に開示されているように、表示装置の映像をハーフミラーまたは透明板などの光学素子を用いて屈折して空中像を表示する技術が知られている。空中像は、2D画像でありながら物理的装置から離れた空間中の虚像面に表示されるため、モニタに表示する2D画像と比べると、空中像が平面であると観察者に知覚させる手がかりが少ないという特徴をもつ。この特徴を利用すると、実空間のある位置に視対象が存在するという空間定位の知覚を簡便に提供できる。
特開2017-49354号公報
N. Koizumi and T. Naemura, "Passive Mid-air Display," In Proceedings of the 13th International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology, Article No. 39, 2016. H. Katsumoto, H. Kajita, and T. Naemura, "HoVerTable PONG: Playing Face-to-face Game on Horizontal Tabletop with Moving Vertical Mid-air Image," In Proceedings of the 13th International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology, Article No. 39, 2016.
視対象(空中像)を表示する虚像面は、光学系の構成によって位置が制限されてしまうため、視対象を移動可能な方向は虚像面内に限定されてしまうという問題がある。言い換えると、視対象を虚像面の法線方向に移動しているように知覚させることは困難である。透明スクリーンに視対象を投影する場合も、透明スクリーンの法線方向に視対象を移動させることは困難である。
特許文献1は、光学素子までの距離が異なる複数のスクリーンを用意し、表示したい位置に応じて視対象を投影するスクリーンを切り替えることで、視対象を虚像面の法線方向に移動させている。しかしながら、特許文献1では、視対象の離散的な空間定位しか表現できないという問題がある。視対象を投影するモニタを物理的に移動して虚像面を連続的に移動させることで、視対象の連続的な空間定位を表現できるが、モニタを移動するための大掛かりな移動機構が必要であり、ハードウェアコストが高いという問題がある。
非特許文献2は、空中像の光源となっているモニタを物理的に動かすことにより、連続的な視対象の奥行方向への移動を表現可能である。しかしながら、非特許文献2では、虚像面の奥行位置が視対象の奥行位置となるので、同時に表現可能な視対象の奥行移動は1つに限定される。つまり、観察者に対して手前から奥へ移動する視対象と奥から手前へ移動する視対象といった相異なる複数の奥行移動を同時に表現することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易な構成により、視対象の連続的な空間定位を表現することを目的とする。
本発明の一態様の映像処理装置は、表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理装置であって、前記視対象を取り囲む背景映像と、前記背景映像を取り囲む第2の背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動し、前記背景映像の移動方向と同じ方向に前記第2の背景映像を移動し、前記第2の背景映像の移動量を前記背景映像の移動量よりも大きくする制御部を備える。
本発明の一態様の映像処理装置は、表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理装置であって、前記視対象を取り囲む背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動させる制御部を備え、前記制御部は、前記視対象の移動方向に基づいて前記背景映像の各部分の移動量を異ならせる。
本発明の一態様の映像処理装置は、表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に奥行方向への移動を知覚させる映像を出力する映像処理装置であって、前記視対象の位置に対応させた映像を前記表示装置に出力する出力部と、前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記映像を移動させる制御部を備え、前記視対象は、空中像出力装置が前記表示装置の表示面の上の虚像面に表示したものであり、前記映像は、前記視対象の影であり、前記出力部は、前記視対象の影を前記表示装置に出力するとともに、前記視対象の映像を前記空中像出力装置に出力し、前記制御部は、前記視対象の奥行位置を知覚させたい位置に前記視対象の影を移動し、視点位置と前記視対象の奥行位置に応じて前記視対象の大きさと高さを変化させる。
本発明の一態様の表示システムは、複数の表示装置と表示装置と映像処理装置を備える表示システムであって、前記複数の表示装置のそれぞれは、前記表示装置の表示面の上の投影面であって、前記投影面のそれぞれが交差する位置に視対象を表示し、前記映像処理装置は、前記視対象を取り囲む背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、前記視対象を移動させたい方向の反対方向に前記背景映像を移動させる制御部と、を備える。
本発明によれば、簡易な構成により、視対象の連続的な空間定位を表現することができる。
図1は、第1の実施形態の表示システムの構成を示す図である。 図2Aは、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された背景映像の表示例を示す図である。 図2Bは、図2Aの背景映像を移動した表示例を示す図である。 図3Aは、図2Aの状態において観察者が見る視対象と背景映像を示す図である。 図3Bは、図2Bの状態において観察者が見る視対象と背景映像を示す図である。 図4は、映像処理装置の構成を示す図である。 図5は、映像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図6Aは、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された2つの背景映像の表示例を示す図である。 図6Bは、図6Aの2つの背景映像を移動した表示例を示す図である。 図7Aは、図6Aの状態において観察者が見る視対象と2つの背景映像を示す図である。 図7Bは、図6Bの状態において観察者が見る視対象と2つの背景映像を示す図である。 図8は、背景映像の一部を移動した例を示す図である。 図9は、第4の実施形態の表示システムの構成を示す図である。 図10Aは、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された影の表示例を示す図である。 図10Bは、図10Aの表示状態の観察者からの見え方を示す図である。 図11Aは、視対象オブジェクトを奥行方向に移動したときの視対象と影の表示例を示す図である。 図11Bは、図11Aの表示状態の観察者からの見え方を示す図である。 図12は、映像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図13Aは、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された影の表示例を示す図である。 図13Bは、図13Aの表示状態の観察者からの見え方を示す図である。 図14Aは、視対象オブジェクトを奥行方向に移動したときの視対象と影の表示例を示す図である。 図14Bは、図14Aの表示状態の観察者からの見え方を示す図である。 図15Aは、表示システムでの視対象の見え方の一例である。 図15Bは、図15Aとは視対象の奥行位置を異ならせたときの視対象の見え方の一例である。 図16Aは、複数の視対象の奥行位置を異ならせたときの視対象の見え方の一例である。 図16Bは、図16Aとは視対象の奥行位置を異ならせたときの視対象の見え方の一例である。 図17は、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された影の表示例を示す図である。 図18は、図17の表示状態の右側の観察者からの見え方を示す図である。 図19は、虚像面に表示される視対象とスクリーンに投影された影の表示例を示す図である。 図20は、図19の表示状態の右側の観察者からの見え方を示す図である。 図21Aは、スポットライトで視対象の上部を照射して表示したときの正面からの見え方の一例である。 図21Bは、スポットライトで視対象の上部を照射して表示したときの右側からの見え方の一例である。 図22Aは、スポットライトで複数の視対象の上部を照射して表示したときの正面からの見え方の一例である。 図22Bは、スポットライトで複数の視対象の上部を照射して表示したときの右側からの見え方の一例である。 図23は、映像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図1に示す表示システム1は、映像処理装置10、背景映像出力装置21、スクリーン22、空中像出力装置23、および光学素子24を備える。表示システム1は、空中像出力装置23と光学素子24によって虚像面30に空中像(以下、「視対象」と称する)を表示するとともに、表示された視対象がスクリーン22に投影した背景映像内を移動しているように知覚させる。具体的には、表示システム1は、暗室条件下において、観察者100から見て奥行き方向または手前方向に視対象が移動しているように知覚させる。暗室条件とは、表示システム1および観察者を取り囲む周辺光量が少ない環境であり、周囲の装置が見えないことが望ましい。
スクリーン22は、地面に対して平行に配置される。背景映像出力装置21は、背景映像をスクリーン22に投影する。背景映像出力装置21は、いずれの方向から映像を投影してもよい。
光学素子24を約45度傾斜させて配置し、空中像出力装置23を光学素子24の上方または下方に配置する。空中像出力装置23の出力した映像は、光学素子24により観察者100の方向へ反射し、虚像面30において空中像を形成する。虚像面30がスクリーン22の法線方向と平行となるようにスクリーン22と光学素子24を配置する。空中像出力装置23から光学素子24までの距離d1を変えることで、光学素子24から虚像面30までの距離d2を調節することができる。距離d1が短くなれば距離d2が短くなる。本実施形態では、虚像面30がスクリーン22の中央付近となるように空中像出力装置23を配置した。虚像面30の位置はスクリーン22の中央に限らず、任意の位置に設定してよい。空中像出力装置23および光学素子24の位置は固定されてよい。
空中像出力装置23および光学素子24は、スクリーン22の上方に空中像を表示できればよく、上記の構成に限定するものではない。また、視対象は必ずしも空中に浮かんでいるように表示する必要はなく、スクリーン22の表示面に接地しているように表示してもよい。もしくは、スクリーン22を上方に配置し、スクリーン22に表示した背景映像に視対象がぶら下がっているように表示してもよい。
なお、空中像出力装置23および光学素子24で空中像を表示する代わりに、スクリーン22上に透明スクリーンを配置し、透明スクリーンに投影した映像を視対象としてもよい。あるいは、スクリーン22上に実物体を配置し、その実体物を視対象としてもよい。透明スクリーンおよび実物体の位置は固定されてよい。
映像処理装置10は、視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を背景映像出力装置21に供給する。具体的には、映像処理装置10は、視対象の移動方向の逆方向に背景映像を移動させて、視対象に誘導運動を生じさせる。誘導運動とは、静止物体に運動知覚を与える錯覚現象である。誘導運動を生じさせる背景映像とは、観察者100の視点から見たときに視対象を取り囲む映像である。本実施形態では、視対象の移動範囲を表す床面を背景映像として、床面上を視対象が移動しているように知覚させる。
図2Aに、虚像面30に表示される視対象51とスクリーン22に投影された背景映像52の表示例を示す。図2Aは、図1のスクリーン22を上方から見た図である。観察者100は、図上で下方向にいるものとする。視対象51は虚像面30に投影されるが、図2Aでは視対象51が表示される位置を円で表現している。背景映像52は、視対象51を取り囲む床面または地面などの映像である。背景映像52の形、模様、色は任意に設定できる。背景映像52の外側には何も表示せずに真っ暗な状態とする。
図2Bは、図2Aの状態から背景映像52を図上で上方向、つまり観察者100から見て奥側に移動させたときの表示例である。視対象51の表示位置は移動させていない。視対象51は、背景映像52を基準にすると下方向に移動している。表示システム1が設置された環境が明るく、スクリーン22の枠や周辺の装置など、実空間内での背景映像52の位置がわかる物体が見える場合、観察者100は、背景映像52が移動していることを知覚してしまう。
暗室条件下では、図3Aおよび図3Bに示すように、観察者100は、視対象51と背景映像52のみを注視することになる。背景映像52を移動させたとき、観察者100は、図3Bに示すように、実際は背景映像52が移動しているのだが、視対象51が移動しているように知覚する。すなわち、暗室条件下において、視対象51を取り囲む背景映像52を移動させることにより、背景映像52内の任意の位置に視対象51が移動したように空間定位させることが可能になる。
図4を参照し、映像処理装置10の構成について説明する。同図に示す映像処理装置10は、設定部11、制御部12、および出力部13を備える。
設定部11は、実空間での視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に視対象を表す視対象オブジェクトと背景映像となる床面オブジェクトを初期位置に配置する。例えば、設定部11は、視対象オブジェクトが床面オブジェクトの中心付近に立っているように、床面オブジェクトを配置する。床面オブジェクトは視対象オブジェクトの移動範囲を示す平面図形である。
設定部11は、仮想空間内に、スクリーン22に投影する映像を撮影するための背景用の仮想カメラを配置する。背景用の仮想カメラは、床面オブジェクトを含む領域を撮影する。背景用の仮想カメラの撮影した映像がスクリーン22に投影される。仮想カメラの位置を固定したまま仮想空間内で床面オブジェクトを移動させると、スクリーン22に投影された背景映像が移動する。
設定部11は、視対象オブジェクトを撮影する視対象用の仮想カメラを配置してもよい。視対象用の仮想カメラは、横方向から視対象オブジェクトを撮影する。空中像出力装置23は、視対象用の仮想カメラの撮影した映像を光学素子24に投影し、視対象を虚像面30に表示する。
制御部12は、視対象オブジェクトの移動量に基づき、床面オブジェクトを移動する。例えば、視対象を手前方向に距離v移動させたい場合、制御部12は、床面オブジェクトを奥行き方向に距離v移動させる。つまり、制御部12は、床面オブジェクトのみを移動させて、視対象オブジェクト、視対象用の仮想カメラ、および背景用の仮想カメラを移動させない。あるいは、制御部12は、床面オブジェクトを移動させずに、視対象オブジェクト、視対象用の仮想カメラ、および背景用の仮想カメラを同じ方向に同じ移動量で移動させてもよい。いずれの場合も、床面オブジェクトを移動させると、背景用の仮想カメラで撮影した映像内での床面オブジェクトの写る位置が移動する。
視対象が虚像面30内を自由に移動できる場合、制御部12は、虚像面30の法線方向のみに背景映像52を移動させてもよい。例えば、図2Aに示す例において、視対象51が虚像面30に沿って左右方向に移動するときは背景映像52を移動させない。視対象51が図2Aの上下方向に移動するときに、視対象51の上下方向の移動量に合わせて背景映像52を移動させる。
出力部13は、視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトを含む映像を空中像出力装置23へ出力する。出力部13は、背景用の仮想カメラで撮影した床面オブジェクトを含む映像を背景映像出力装置21へ出力する。
図5のフローチャートを参照し、映像処理装置10の動作について説明する。
ステップS11にて、設定部11は、実空間での視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に床面オブジェクトを初期位置に配置するとともに、床面オブジェクトを撮影する仮想カメラを配置する。設定部11は、仮想空間内に視対象オブジェクトおよび視対象用の仮想カメラを配置してもよい。
ステップS12にて、制御部12は、視対象の1フレーム分の移動量に基づき、床面オブジェクトの1フレーム分の移動量を計算し、計算した移動量に応じて床面オブジェクトを移動する。
ステップS13にて、出力部13は、仮想カメラで床面オブジェクトを含む平面を撮影した背景映像を背景映像出力装置21へ出力する。出力部13は、視対象用の仮想カメラで視対象オブジェクトを撮影した映像を空中像出力装置23へ出力してもよい。
1フレームごとに、ステップS12,S13の処理が実施される。
以上説明したように、本実施形態によれば、視対象51を取り囲む背景映像52をスクリーン22に表示し、視対象51を移動させたい方向の反対方向に背景映像52を移動させることで、観察者100に、視対象51が背景映像52上を移動しているように知覚させることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の表示システムについて説明する。第2の実施形態の表示システムの構成は、第1の実施形態の表示システムと同じである。
一般に誘導運動は、表示システムおよび観察者を取り囲む周辺光量が少ない暗室条件下で生じる現象である。実環境下では、施設内の光量を制御して表示システムの周囲を完全に真っ暗にすることは難しい。また、視対象の表示による光、視対象を照らす照明光、または視対象自身が出す光などによって、周囲の装置が照らされて観察者に見えてしまう場合が想定される。その結果、周囲の装置と背景映像の位置関係に基づいて、観察者が背景映像の移動を知覚するおそれがある。
第2の実施形態では、図6Aに示すように、背景映像52を取り囲む誘導用の背景映像53を表示し、背景映像52,53を移動することで、薄暗い環境下においても視対象51に誘導運動を生じさせる。第2の実施形態の表示環境条件は、薄暗ければ、周囲の装置が完全に見えない状態でなくてもよい。
第2の実施形態の映像処理装置10は、第1の実施形態と同様に、設定部11、制御部12、および出力部13を備える。
設定部11は、視対象オブジェクトと床面オブジェクトに加えて、床面オブジェクトを取り囲む誘導用オブジェクトを仮想空間内の初期位置に配置する。例えば、設定部11は、背景映像53が視対象51を照らすスポットライトのように表示される誘導用オブジェクトを配置する。
図6Aに、虚像面30に表示される視対象51とスクリーン22に投影された背景映像52,53の例を示す。図6Aは、スクリーン22を上方から見た図である。背景映像52は、第1の実施形態と同様の、視対象51を取り囲む床面または地面などの映像である。背景映像53は、背景映像52を取り囲む図形であり、形、模様、色は任意に設定できる。本実施形態では、背景映像53を円形として、視対象51を照らすスポットライトのような図形とした。
制御部12は、床面オブジェクトの移動量に基づき、誘導用オブジェクトを移動する。具体的には、制御部12は、床面オブジェクトの移動方向と同じ方向であって、誘導用オブジェクトの移動量が床面オブジェクトの移動量よりも大きくなるように、誘導用オブジェクトを移動する。例えば、床面オブジェクトの移動量をvとすると、誘導用オブジェクトの移動量を2vとする。誘導用オブジェクトの移動量は床面オブジェクトの移動量よりも大きければよい。
図6Bは、図6Aの状態から背景映像52,53を図上で上方向に移動させたときの表示例である。視対象51の表示位置は移動させていない。背景映像53の移動量を背景映像52の移動量よりも大きくすることで、背景映像52は背景映像53に対して相対的に逆向き(背景映像52の移動方向の反対方向)に誘導される。その結果、背景映像52は、表示位置を移動した物理運動と誘導運動とが互いに相殺し合うように知覚されて、静止しているように知覚される。
観察者および表示システムの周囲が薄暗い場合であっても、図7Aおよび図7Bに示すように、背景映像52,53が移動されても、観察者は、背景映像52と背景映像53とを対比し、背景映像52が静止し、視対象51が移動しているように知覚する。
なお、背景映像53の移動は知覚されるので、移動していても観察者が違和感を抱かないものと認識できる態様で背景映像53を表示するとよい。例えば、背景映像53を視対象51を照らすスポットライトの態様で表示することで、背景映像53の存在に対して違和感を低減する効果が期待できる。
出力部13は、背景用の仮想カメラで撮影した床面オブジェクトと誘導用オブジェクトを含む映像を背景映像出力装置21へ出力する。
第2の実施形態の映像処理装置10の動作は、基本的に図5のフローチャートと同様である。
ステップS11にて、設定部11は、視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、床面オブジェクトと誘導用オブジェクトを初期位置に配置する。
ステップS12にて、制御部12は、視対象の1フレーム分の移動量に基づき、床面オブジェクトと誘導用オブジェクトの1フレーム分の移動量を計算し、計算した移動量に基づいて床面オブジェクトと誘導用オブジェクトを移動する。
ステップS13にて、出力部13は、仮想カメラで床面オブジェクトと誘導用オブジェクトを含む平面を撮影した背景映像を背景映像出力装置21へ出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、視対象51を取り囲む背景映像52と背景映像52を取り囲む誘導用の背景映像53をスクリーン22に表示し、誘導用の背景映像53の移動量が背景映像52の移動量よりも大きくなるように、視対象51を移動させたい方向の反対方向に背景映像52,53を移動させることで、薄暗い環境下において、観察者100に、視対象51が背景映像52上を移動しているように知覚させることができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の表示システムについて説明する。第3の実施形態の表示システムの構成は、第1、第2の実施形態の表示システムと同じである。
視対象を速く移動させるために視対象を取り囲む背景映像の移動量を大きくすると、背景映像の移動が知覚されてしまうおそれがある。
第3の実施形態では、背景映像の全体を移動するのではなく、図8に示すように、背景映像の一部を動かすことで、背景映像の移動が知覚されることを抑制する。
第3の実施形態の映像処理装置10は、第1の実施形態と同様に、設定部11、制御部12、および出力部13を備える。
設定部11は、第1の実施形態と同様に床面オブジェクトを仮想空間内の初期位置に配置する。第2の実施形態と同様に、床面オブジェクトを取り囲む誘導用オブジェクトを配置してもよい。
制御部12は、視対象51の移動量に基づき、背景映像52つまり床面オブジェクトの各部分の移動量を異ならせて移動させる。図8の例では、視対象51の移動方向の背景映像52を速く移動させ、移動方向から離れるに従って遅く移動させている。誘導用オブジェクトを配置した場合、制御部12は、誘導用オブジェクトを第2の実施形態と同様に移動する。
背景映像52を矩形とした場合の背景映像52の移動例を具体的に説明する。床面オブジェクトを矩形とし、矩形の4辺それぞれに外接する円を想定する。制御部12は、視対象51の移動方向の逆方向に円を移動する。このとき、床面オブジェクトの角は固定しておいてもよいし、円の移動量よりも少ない移動量で移動させてもよい。制御部12は、視対象51の移動方向の床面オブジェクトの辺が移動後の円に接触するように辺を変形する。制御部12は、向かい合う辺に対しても同じ変形を施す。
背景映像52の辺の変形を目立たなくするために、背景映像52の辺をぼかしてもよい。
また、背景映像52を点の集まりで構成した場合、制御部12は、例えば、点の存在する方向が視対象51の移動方向に近い点を速く移動させ、点の存在する方向が移動方向と異なる点はゆっくり移動させる。
出力部13は、仮想カメラで撮影した床面オブジェクトを背景映像出力装置21へ出力する。
第3の実施形態の映像処理装置10の動作は、基本的に図5のフローチャートと同様である。
ステップS11にて、設定部11は、視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、床面オブジェクトを初期位置に配置する。
ステップS12にて、制御部12は、視対象の1フレーム分の移動量に基づき、床面オブジェクトの各部分の移動量を計算し、計算した移動量に基づいて床面オブジェクトの各部分を移動する。
ステップS13にて、出力部13は、仮想カメラで床面オブジェクトを含む平面を撮影した背景映像を背景映像出力装置21へ出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、視対象51を速く移動させたいときに、視対象51の移動方向に基づいて背景映像52の各部分の移動量を異ならせて背景映像52を移動することにより、背景映像52の移動知覚を抑制できる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の表示システムについて説明する。第4の実施形態の表示システムは、2つ以上の異なる方向から観察できる視対象を表示する。
図9を参照し、第4の実施形態の表示システムについて説明する。図9は、第4の実施形態の表示システムを上からみた図である。第1ないし第3の実施形態と同様に、スクリーン22を配置し、背景映像出力装置21が背景映像52をスクリーン22に投影する。
映像処理装置10は、視対象51に誘導運動を生じさせる背景映像52を背景映像出力装置21に供給する。映像処理装置10は、背景映像52の供給に際して、第1ないし第3の実施形態のいずれの形態を用いてもよい。
第4の実施形態では、4組の空中像出力装置23と光学素子24を備えて、異なる4方向からスクリーン22の上方に空中像を投影する。対向する装置の虚像面の位置が一致するように空中像出力装置23と光学素子24を配置する。具体的には、図9の図上で下方向に配置した空中像出力装置23と光学素子24の形成する虚像面30Aと上方向に配置した空中像出力装置23と光学素子24の形成する虚像面30Cの位置を一致させる。また、図9の図上で左方向に配置した空中像出力装置23と光学素子24の形成する虚像面30Bと右方向に配置した空中像出力装置23と光学素子24の形成する虚像面30Dの位置を一致させる。
空中像出力装置23のそれぞれは、虚像面30A,30Cと虚像面30B,30Dが交差する位置に、各方向から見た視対象51を表示する。これにより、視対象51を全周囲から観察することができる。なお、虚像面30A~30Dがスクリーン22の法線方向と平行となり、虚像面30A,30Cと虚像面30B,30Dが直角に交わるように、空中像出力装置23と光学素子24のそれぞれを配置するとよい。
なお、光学素子24の代わりに、図9に示した虚像面30A,30Cと虚像面30B,30Dのそれぞれの位置に対応させて透明スクリーンを配置し、異なる4方向から透明スクリーンに視対象51を投影してもよい。
視対象51を投影する方向は4方向に限らず、2方向でも3方向でもよい。いずれの場合も投影面が交差する位置に視対象51を投影する。
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーン22の上の虚像面30A~30Dのそれぞれが交差する位置に視対象51を表示し、スクリーン22に背景映像52を表示し、視対象51を移動させたい方向の反対方向に背景映像52を移動させることで、全周囲から視対象51が背景映像52上を移動しているように知覚させることができる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態の表示システムについて説明する。第5の実施形態の表示システム1の構成は、図1に示した第1の実施形態の表示システム1の構成と同じであり、表示システム1は、映像処理装置10、背景映像出力装置21、スクリーン22、空中像出力装置23、および光学素子24を備える。なお、背景映像出力装置21とスクリーン22は、後述の視対象の影を表示できる平面状もしくは平面に近い形状の表示装置であればよい。
図1の表示システム1では、虚像面30の位置は空中像出力装置23と光学素子24との位置関係によって決められる。虚像面30に投影する視対象は、虚像面30内では自由に移動できるが、奥行方向へ移動できない。
観察者100の視点が視対象の位置よりも高いとき、視対象の大きさおよび虚像面30内での表示位置を変化させれば、観察者100は視対象の奥行方向への移動を知覚できる。さらに、視対象の足元に影を付与することで、床面上の絶対的な視対象の位置を知覚させることができる。
第5の実施形態では、視対象の大きさと位置を変え、床面に影を表示することで、視対象の奥行方向への移動を知覚させる。なお、第5の実施形態は、第1~第4の実施形態とは異なり、誘導運動を生じさせるものではないので、暗室条件下でなくてもよい。
第5の実施形態の映像処理装置10は、第1の実施形態と同様に、設定部11、制御部12、および出力部13を備える。
設定部11は、実空間での虚像面30(視対象)とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に視対象を表す視対象オブジェクトと視対象オブジェクトの下の床面オブジェクトを初期位置に配置する。また、設定部11は、視対象オブジェクトの上に、視対象オブジェクトを上から照らす平行光源を配置する。平行光源により床面オブジェクトに視対象の影が表示される。視対象オブジェクトが仮想空間内で移動すると影も移動する。
設定部11は、仮想空間内に、スクリーン22に投影する映像を撮影するための背景用の仮想カメラを配置する。背景用の仮想カメラは、床面オブジェクト上に表示された影を含めて床面オブジェクトを撮影する。背景用の仮想カメラの撮影した映像がスクリーン22に投影される。
設定部11は、仮想空間内に、視対象オブジェクトを撮影する視対象用の仮想カメラを配置する。仮想空間内での仮想カメラと視対象オブジェクトとの位置関係は、実空間での観察者100の視点と虚像面30内の視対象との位置関係と等しくしておき、撮影方法を透視投影法に設定しておく。
制御部12は、仮想空間内で視対象オブジェクトを移動する。視対象オブジェクトの影は、視対象オブジェクトの位置に応じて移動する。背景用の仮想カメラで撮影した映像では、視対象オブジェクトの影が仮想空間内の視対象オブジェクトの位置に応じて移動する。視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトは、透視投影法により、撮影された映像内での大きさと位置が奥行方向への移動量に応じて変化する。
出力部13は、視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトを含む映像を空中像出力装置23へ出力し、背景用の仮想カメラで撮影した床面オブジェクトと影を含む映像を背景映像出力装置21へ出力する。
図10Aに、虚像面30に表示された視対象51とスクリーン22に投影された影62の例を示す。図10Aは、スクリーン22を上方から見た図である。観察者100は、図上で下方向のスクリーン22の中央正面にいるものとし、観察者100の視点は、視対象51よりも高い位置で、スクリーン22を俯瞰して見る位置とする。視対象51はスクリーン22に対して垂直な虚像面30に投影されるが、図10Aでは視対象51が表示される位置を円で表現している。
図10Aは、初期状態の一例であり、仮想空間内の視対象オブジェクトは、床面オブジェクトの中央であって、奥行方向の位置は実空間の虚像面30に対応する位置に存在している。影62は、虚像面30に表示された視対象51の下に表示される。視対象51は、空中に浮いているように表示されてもよいし、スクリーン22上に接地しているように表示されてもよい。
図10Bに、図10Aの表示状態の観察者100からの見え方を示す。図10Bに示すように、虚像面30に視対象51が表示され、視対象51の下のスクリーン22に影62が表示されるので、観察者100は、視対象51のスクリーン22上における絶対的な位置を知覚できる。
仮想空間内で視対象オブジェクトが奥行方向に移動すると、床面オブジェクト上に表示される視対象オブジェクトの影も奥行方向に移動する。図11Aに示すように、影62は奥行方向に移動した位置に表示される。虚像面30の位置は動かないので、視対象51が表示される奥行方向の位置は変わらない。
視対象用の仮想カメラは視対象オブジェクトを透視投影法により撮影するので、視対象オブジェクトが奥行方向へ移動すると、視対象51は、観察者100の視点位置と観察者100に知覚させたい視対象51の奥行位置に応じた大きさと高さで虚像面30に表示される。
図11Bに、図11Aの表示状態の観察者100からの見え方を示す。図11Aのようにスクリーン22を上方から見ると視対象51と影62が離れているが、図11Bに示すように、観察者100から見ると視対象51の下に影62が存在するように見える。視対象51は、視対象オブジェクトの奥行方向への移動に応じて、虚像面30での大きさおよび位置が変化し、影62は視対象51に追従するように移動する。観察者100は、影62の位置を視対象51の奥行き位置として知覚できる。
図12のフローチャートを参照し、映像処理装置10の動作について説明する。背景映像出力装置21、スクリーン22、空中像出力装置23、および光学素子24は、スクリーン22上の所望の位置に直立した視対象51を表示するように設定されている。なお、これらの設定は、視対象51の空中像表示の一例であり、これに限るものではない。
ステップS21にて、設定部11は、実空間の視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に視対象オブジェクトと床面オブジェクトを初期位置に配置し、視対象オブジェクトの上方に平行光源を配置する。設定部11は、仮想空間内に、視対象を撮影する仮想カメラを観察者100の視点位置に対応させて配置し、床面オブジェクトを撮影する仮想カメラを配置する。
ステップS22にて、制御部12は、仮想空間内で視対象オブジェクトを移動する。仮想空間内では、視対象オブジェクトの真下に影が表示される。
ステップS23にて、出力部13は、視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトを含む映像を空中像出力装置23へ出力し、背景用の仮想カメラで撮影した床面オブジェクトと影を含む映像を背景映像出力装置21へ出力する。虚像面30に視対象51が表示され、スクリーン22に床面と影62が表示される。
1フレームごとに、ステップS22,S23の処理が繰り返し実施される。
なお、視対象オブジェクトの上方に平行光源ではなくスポットライトを配置してもよい。この場合、図13Aに示すように、スポットライトの照射範囲63内の視対象51の下に影62が表示される。図13Bに観察者100からの見え方を示す。
仮想空間内で視対象オブジェクトが奥行方向へ移動すると、視対象オブジェクトの移動に合わせてスポットライトも移動させる。視対象オブジェクトがスポットライトの照射範囲であればスポットライトは移動させなくてもよい。床面オブジェクト上に表示される視対象オブジェクトの影も奥行方向に移動する。図14Aに示すように、影62およびスポットライトの照射範囲63は奥行方向に移動した位置に表示される。
視対象オブジェクトが奥行方向へ移動すると、視対象オブジェクトは、図13Aの状態とは異なる大きさと位置で撮影されて、虚像面30に表示される。
図14Bに、図14Aの表示状態の観察者100からの見え方を示す。図14Aのようにスクリーン22を上方から見ると視対象51と影62が離れているが、図14Bに示すように、観察者100から見ると視対象51の下に影62が存在するように見える。
図15Aおよび図15Bに、視対象の奥行方向の位置を異ならせて表示した例を示す。図15Aおよび図15Bのいずれもスクリーン22に対する虚像面30の位置は同じであり、実空間での視対象の奥行方向の表示位置は同じである。視対象51の大きさと虚像面30内の表示位置を変えて、視対象51の足元に影62を表示することで、図15Aの視対象51が図15Bの視対象51よりも奥側に存在するように知覚できる。
図16Aおよび図16Bに、複数の視対象の位置を異ならせて表示した例を示す。図16Aおよび図16Bのいずれもスクリーン22に対する虚像面30の位置は同じであり、実空間での視対象51の奥行方向の表示位置は同じである。複数の視対象が存在する場合も同様の処理を行うことで、同時に複数の視対象の異なる奥行移動を表現できる。
以上説明したように、本実施形態の映像処理装置10は、実空間での虚像面30とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に視対象オブジェクトと床面オブジェクトを初期位置に配置するとともに、視対象オブジェクトを照らす平行光源を配置し、スクリーン22に投影する映像を撮影するための背景用の仮想カメラと視対象オブジェクトを撮影するための仮想カメラを配置する。映像処理装置10は、視対象オブジェクトの移動に合わせて、影62を視対象51の奥行位置を知覚させたい位置に移動し、観察者100の視点位置と視対象51の奥行位置に応じて視対象51の大きさと高さを変化させる。これにより、視対象51のスクリーン22上での奥行方向への移動を知覚させることができる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態の表示システムについて説明する。第6の実施形態は、仮想空間において、視対象オブジェクトの横方向の斜め上に光源を配置する点で第5の実施形態と異なる。その他の点は、第5の実施形態と同様である。
第5の実施形態では、観察者100がスクリーン22の正面から視対象51を見ることを前提としていた。観察者100が正面から左右に移動したり、複数の観察者100が左右方向に並んだりした場合、視対象51と影62が離れてしまい、不自然な見え方となるという問題がある。
第6の実施形態では、視対象オブジェクトの横方向の斜め上に光源を配置し、横長の影を表示する。
第6の実施形態の映像処理装置10は、第5の実施形態と同様に、設定部11、制御部12、および出力部13を備える。
設定部11は、第5の実施形態と同様に、実空間での視対象とスクリーン22の位置関係に基づき、仮想空間内に視対象を表す視対象オブジェクトと床面オブジェクトを初期位置に配置し、床面オブジェクト上に表示された影を含めて床面オブジェクトを撮影する背景用の仮想カメラと、視対象オブジェクトを撮影する視対象用の仮想カメラを配置する。
設定部11は、視対象オブジェクトと同じ奥行位置にあって、横方向の斜め上から視対象オブジェクトを照らす平行光源を配置する。平行光源により床面オブジェクトに視対象の横長の影が表示される。
制御部12は、第5の実施形態と同様に仮想空間内で視対象オブジェクトを移動する。視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトは、透視投影法により、撮影された映像内での大きさと位置が奥行方向への移動量に応じて変化する。
出力部13は、第5の実施形態と同様に視対象用の仮想カメラで撮影した視対象オブジェクトを含む映像を空中像出力装置23へ出力し、背景用の仮想カメラで撮影した床面オブジェクトと影を含む映像を背景映像出力装置21へ出力する。
第6の実施形態の映像処理装置10の処理の流れは、図12を用いて説明した第5の実施形態の映像処理装置10の処理の流れと同じである。
図17に、スクリーン22を上方から見たときの、虚像面30に表示された視対象51とスクリーン22に投影された影62の例を示す。観察者100は、図上で下方向のスクリーン22の右側に存在する。光源を図上で左側に配置したので、床面オブジェクト上には右側に伸びた横長の影62が表示される。右側の観察者100からは、図18に示すように、視対象51から右側に伸びた影62が存在するように見える。
なお、図17の表示状態において、観察者100がスクリーン22の正面中央から見た場合も、視対象51と影62が離れて表示されることなく、視対象51の真下に横方向の影62が表示される。
平行光源ではなく視対象オブジェクトの上部を照射するスポットライトを配置してもよい。スポットライトの照射範囲外は視対象オブジェクトの影が区別できない程度に暗くしておく。この場合、図19に示すように、スポットライトの照射範囲63内に視対象オブジェクトの上部の影62のみが表示される。図20に観察者100からの見え方を示す。
図20に示すように、視対象51の足元と影62とが離れているか否かが区別しにくくなる。横方向から光を照射すると、影62の奥行位置がそのまま視対象51の奥行位置と知覚できる。
図21Aおよび図21Bに、視対象オブジェクトの横の斜め上に上部を照射するスポットライトを配置して視対象を表示したときの、正面および右側から視対象を見た例を示す。図21Aおよび図21Bのいずれにおいても、照射範囲63内に表示された視対象51の上部の影62により奥行方向の位置を知覚できる。また、視対象51の足元が影62と離れているか否かが区別しにくいので、視対象51と影62とが不自然な見え方になっていない。
図22Aおよび図22Bに、複数の視対象オブジェクトを配置し、視対象オブジェクトの横の斜め上に上部を照射するスポットライトを配置して視対象を表示したときの、正面および右側から視対象を見た例を示す。複数の視対象が存在する場合も同様の処理を行うことで、不自然な見え方を解消できる。
以上説明したように、本実施形態の映像処理装置10は、視対象オブジェクトの横方向の斜め上に光源を配置し、横方向に伸びる影62を表示する。これにより、観察者100の視対象51を見る角度が異なる場合も、視対象51と影62とが離れて見えることを抑制できる。
本実施形態の映像処理装置10は、視対象オブジェクトの横方向の斜め上にスポットライト光源を配置し、スポットライトの照射範囲内に視対象51の上部の影62を表示する。これにより、視対象51の足元と影62とが離れているか否かが区別しにくくなる。
なお、第6の実施形態の映像処理方法を第4の実施形態の虚像面を4面有する表示システムに適用してもよい。これにより、全周囲の観察者に対して視対象の奥行移動を表現することができる。
上記説明した映像処理装置10には、例えば、図23に示すような、中央演算処理装置(CPU)901と、メモリ902と、ストレージ903と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906とを備える汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、映像処理装置10が実現される。このプログラムは磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを介して配信することもできる。
1…表示システム
10…映像処理装置
11…設定部
12…制御部
13…出力部
21…背景映像出力装置
22…スクリーン
23…空中像出力装置
24…光学素子
30,30A,30B,30C,30D…虚像面
51…視対象
52,53…背景映像
62…影
63…照射範囲
100…観察者

Claims (11)

  1. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理装置であって、
    前記視対象を取り囲む背景映像と、前記背景映像を取り囲む第2の背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動し、前記背景映像の移動方向と同じ方向に前記第2の背景映像を移動し、前記第2の背景映像の移動量を前記背景映像の移動量よりも大きくする制御部を備える
    映像処理装置。
  2. 請求項に記載の映像処理装置であって、
    前記第2の背景映像の表示の態様は、前記視対象を照らすスポットライトである
    映像処理装置。
  3. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理装置であって、
    前記視対象を取り囲む背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動させる制御部を備え
    前記制御部は、前記視対象の移動方向に基づいて前記背景映像の各部分の移動量を異ならせる
    映像処理装置。
  4. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に奥行方向への移動を知覚させる映像を出力する映像処理装置であって、
    前記視対象の位置に対応させた映像を前記表示装置に出力する出力部と、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記映像を移動させる制御部を備え
    前記視対象は、空中像出力装置が前記表示装置の表示面の上の虚像面に表示したものであり、
    前記映像は、前記視対象の影であり、
    前記出力部は、前記視対象の影を前記表示装置に出力するとともに、前記視対象の映像を前記空中像出力装置に出力し、
    前記制御部は、前記視対象の奥行位置を知覚させたい位置に前記視対象の影を移動し、視点位置と前記視対象の奥行位置に応じて前記視対象の大きさと高さを変化させる
    映像処理装置。
  5. 請求項に記載の映像処理装置であって、
    前記視対象の影は、前記視対象の奥行位置において横方向に伸びる影である
    映像処理装置。
  6. 請求項に記載の映像処理装置であって、
    前記出力部は、前記視対象の上部を横方向からスポットライトで照らした態様で照射範囲を示す映像を出力し、前記視対象の上部に対応する前記視対象の影を前記照射範囲を示す映像内に表示する
    映像処理装置。
  7. 複数の表示装置と表示装置と映像処理装置を備える表示システムであって、
    前記複数の表示装置のそれぞれは、前記表示装置の表示面の上の投影面であって、前記投影面のそれぞれが交差する位置に視対象を表示し、
    前記映像処理装置は、
    前記視対象を取り囲む背景映像を前記表示装置に出力する出力部と、
    前記視対象を移動させたい方向の反対方向に前記背景映像を移動させる制御部と、を備える
    表示システム。
  8. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理方法であって、
    コンピュータが実行する、
    前記視対象を取り囲む背景映像と、前記背景映像を取り囲む第2の背景映像を前記表示装置に出力するステップと、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動し、前記背景映像の移動方向と同じ方向に前記第2の背景映像を移動し、前記第2の背景映像の移動量を前記背景映像の移動量よりも大きくするステップを有する
    映像処理方法。
  9. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に誘導運動を生じさせる背景映像を出力する映像処理方法であって、
    コンピュータが実行する、
    前記視対象を取り囲む背景映像を前記表示装置に出力するステップと、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記背景映像を移動させるステップを有し、
    前記背景映像を移動させるステップでは、前記視対象の移動方向に基づいて前記背景映像の各部分の移動量を異ならせる
    映像処理方法。
  10. 表示装置の表示面の上において奥行方向への移動が固定された視対象に奥行方向への移動を知覚させる映像を出力する映像処理方法であって、
    コンピュータが実行する、
    前記視対象の位置に対応させた映像を前記表示装置に出力するステップと、
    前記視対象の奥行方向への移動を知覚させる方向に応じて前記映像を移動させるステップを有し、
    前記視対象は、空中像出力装置が前記表示装置の表示面の上の虚像面に表示したものであり、
    前記映像は、前記視対象の影であり、
    前記映像を前記表示装置に出力するステップでは、前記視対象の影を前記表示装置に出力するとともに、前記視対象の映像を前記空中像出力装置に出力し、
    前記映像を移動させるステップでは、前記視対象の奥行位置を知覚させたい位置に前記視対象の影を移動し、視点位置と前記視対象の奥行位置に応じて前記視対象の大きさと高さを変化させる
    映像処理方法。
  11. 請求項1ないしのいずれかに記載の映像処理装置の各部としてコンピュータを動作させるプログラム。
JP2021554059A 2019-10-21 2020-05-25 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム Active JP7273345B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/041295 WO2021079402A1 (ja) 2019-10-21 2019-10-21 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム
JPPCT/JP2019/041295 2019-10-21
PCT/JP2020/020564 WO2021079550A1 (ja) 2019-10-21 2020-05-25 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021079550A1 JPWO2021079550A1 (ja) 2021-04-29
JP7273345B2 true JP7273345B2 (ja) 2023-05-15

Family

ID=75620547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021554059A Active JP7273345B2 (ja) 2019-10-21 2020-05-25 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20220360753A1 (ja)
JP (1) JP7273345B2 (ja)
WO (2) WO2021079402A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115004237A (zh) * 2020-01-23 2022-09-02 索尼集团公司 信息处理装置、信息处理方法以及程序
WO2024028929A1 (ja) * 2022-08-01 2024-02-08 日本電信電話株式会社 空中像表示システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017163373A (ja) 2016-03-10 2017-09-14 日本電信電話株式会社 装置、投影装置、表示装置、画像生成装置、それらの方法、プログラム、およびデータ構造
JP2018040882A (ja) 2016-09-06 2018-03-15 日本電信電話株式会社 虚像表示システム
JP2019087864A (ja) 2017-11-07 2019-06-06 日本電信電話株式会社 空間像移動方向決定装置、空間像表示装置、空間像移動方向決定方法及び空間像移動方向決定プログラム
WO2019198570A1 (ja) 2018-04-11 2019-10-17 日本電信電話株式会社 映像生成装置、映像生成方法、プログラム、およびデータ構造

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2744394B2 (ja) * 1993-02-08 1998-04-28 日本電信電話株式会社 臨場感画像表示装置および臨場感画像入出力装置
JP5834423B2 (ja) * 2011-02-21 2015-12-24 辰巳電子工業株式会社 端末装置、表示方法、およびプログラム
JP2014059691A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Sony Corp 画像処理装置および方法、並びにプログラム
JP6167308B2 (ja) * 2014-12-25 2017-07-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 投影装置
JP6496172B2 (ja) * 2015-03-31 2019-04-03 大和ハウス工業株式会社 映像表示システム及び映像表示方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017163373A (ja) 2016-03-10 2017-09-14 日本電信電話株式会社 装置、投影装置、表示装置、画像生成装置、それらの方法、プログラム、およびデータ構造
JP2018040882A (ja) 2016-09-06 2018-03-15 日本電信電話株式会社 虚像表示システム
JP2019087864A (ja) 2017-11-07 2019-06-06 日本電信電話株式会社 空間像移動方向決定装置、空間像表示装置、空間像移動方向決定方法及び空間像移動方向決定プログラム
WO2019198570A1 (ja) 2018-04-11 2019-10-17 日本電信電話株式会社 映像生成装置、映像生成方法、プログラム、およびデータ構造

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021079550A1 (ja) 2021-04-29
JPWO2021079550A1 (ja) 2021-04-29
WO2021079402A1 (ja) 2021-04-29
US20220360753A1 (en) 2022-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10621785B2 (en) Blended reality systems and methods
Kim et al. Mario: Mid-air augmented reality interaction with objects
CN113711109A (zh) 具有直通成像的头戴式显示器
CN110609622A (zh) 结合3d与虚拟现实技术实现多人交互方法、系统及介质
JP2009521005A (ja) 投影装置及び投影方法
US20150348326A1 (en) Immersion photography with dynamic matte screen
JP7273345B2 (ja) 映像処理装置、表示システム、映像処理方法、およびプログラム
US20160266543A1 (en) Three-dimensional image source for enhanced pepper's ghost illusion
KR101080040B1 (ko) 공간 증강 현실 기반 인터랙티브 디스플레이 방법
JP2023511733A (ja) 相関効果拡張現実システム及び方法
US9967554B2 (en) Multi-viewer autostereoscopic tabletop display with dynamic parallax barrier and directional backlight
JP6977731B2 (ja) 没入型ディスプレイエンクロージャ
Broll Augmented reality
Osato et al. Compact optical system displaying mid-air images movable in depth by rotating light source and mirror
GB2532234B (en) Image display system
US20210374982A1 (en) Systems and Methods for Illuminating Physical Space with Shadows of Virtual Objects
KR20170008896A (ko) 실감형 인터랙티브 콘텐츠에 기반한 운동시스템의 증강된 가상 운동공간 제공 장치 및 그 방법
US20210082174A1 (en) Image processing apparatus, image processing method, and storage medium
KR102235679B1 (ko) 시각 효과를 가지는 객체를 디스플레이하는 장치 및 방법
RU2664781C1 (ru) Устройство для формирования объёмного изображения в трёхмерном пространстве с реальными объектами
US10488665B2 (en) Display apparatus and method of displaying using means for providing visual cues
US20240146893A1 (en) Video processing apparatus, video processing method and video processing program
JP7260862B2 (ja) 表示システムおよび撮影システム
JP6601392B2 (ja) 表示制御装置、表示制御方法、及び、プログラム
WO2022185536A1 (ja) 映像処理装置、映像処理方法、および映像処理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7273345

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150