JP7269629B2 - ヘッドレストスティ - Google Patents
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Description
サポートの開口端に摺接する部分とは、脚部において直線状に形成された部分であって、少なくとも最上段のノッチよりも8~10cmだけ上側部分(この8~10cmとしたのは最上段ノッチから最下段ノッチの形成部の長さ範囲を意味する)である。一対の脚部のうちノッチが形成されていない脚部では、このノッチ形成脚部における最上段ノッチより8~10cmの長さに相当する範囲である。摺接する部分の範囲は、複数のノッチの最上段と最下段との間に相当する長さ範囲とする。これは、ノッチによりヘッドレストの高さ調整がなされるからである。
また、二重管とする部分については、サポート(グロメット)への摺接部分以外にも、脚部およびブリッジ部の屈曲部に対して、さらには、ヘッドレストスティを2本の直管(脚部)と逆U字形状の屈曲したブリッジ部とを接合して1本のパイプとして場合では、その突き合わせ接合部についても二重管構造とすることにより、補強することができる。なお、上記突き合わせ接合部については三重管構造とすることもできる。これは最も外力に対して弱い部分とされるからである。
なお、内管は外管(ヘッドレストスティ全体)と同一材質の金属パイプ、異なる材質のそれでも良い。カシメ加工する場合は前者が好ましい。
座席の種類、形状およびサイズも、シートバックにヘッドレストを有するものであれば任意である。
ヘッドレストスティの構造は、枕部に埋設されるブリッジ部と、ブリッジ部の両端にそれぞれ連結された左右一対の脚部とを有していれば、任意である。
ヘッドレストスティの形状は、例えば、正面視して(シートバックにヘッドレストを装着した時の)略逆U字形状であるが、略コの字形状を含む。側面視形状については任意である。
2本の脚部のうちの少なくとも1本には、複数のノッチを長さ方向に所定ピッチで形成してある。これらのノッチには、シートバックからのヘッドレストの高さを調節する調節機構の掛止爪が掛止される。
金属製パイプ素材の厚さは任意である(2mm~1.5mm)。
ここに、サポート(グロメット)は所定長さの円筒部材(樹脂)で構成され、シートバックの上部に内装されて、その上端開口がシートバックの上面に開口する。ヘッドレストスティにあって、左右一対の脚部は、このサポートに挿入されてその開口端に摺接する所定高さ範囲の部分は、開口端の摺接部に最大の外力が作用することから、二重管で補強されている。また、ブリッジ部については屈曲部が内管により補強される。
連結強度をさらに高めるため、各連結部分(スリーブ付きの場合にはスリーブごと)に、カシメまたはスポット溶接を行うこともできる。カシメ加工は、円周方向、軸方向にそれぞれ複数箇所を押圧するスポットカシメとすることができる。
すなわち、ヘッドレストスティを1本のパイプで製造するのではなく、直管2本と逆U字管1本との3分割構造とし、これらを連結した。これら3本のパイプは同一材質、同一口径のものを使用する。この場合、好ましくは突き合わせ連結部分に対して外管を嵌合した3重管構造とする。補強のためである。
このような形状に脚部とブリッジ部との連結部分を付形する方法としては、例えば、カシメ加工を採用する。
また、ブリッジ部のうち、脚部との連結側の端部は、例えば、縮径化または拡径化することで、脚部との連結が可能な直径としなければならない。
スポットカシメ加工が好ましく、例えば軸方向に複数箇所かつ周方向に複数箇所等間隔に行うことが抜け防止に対しても好適となる。
このようにして製造されたヘッドレストスティは、以下の手順によりヘッドレストの製造に使用される。
すなわち、1本の金属製の直管に所定の曲げ加工を施すことにより、所定の逆U字形状のヘッドレストスティを作製する。このヘッドレストスティは、直線状に平行に延びる左右一対の脚部とこれらを連結した逆U字形状のブリッジ部が設けられている。
そこで、このブリッジ部が埋設されるように、このブリッジ部の周囲にクッション体を設ける。すなわち、ブリッジ部を取り囲むように表皮(袋)を被せ、脚部を表皮から突出させておき、この表皮内部空間にてクッション体(発泡ウレタン)を膨張させる。
このとき、1本のパイプの所定位置、例えば屈曲部、サポート開口端摺接部(パイプの両端から所定長さ範囲の位置)には内管(同じ金属管の口径が小さくて挿入できるもの)が挿入されている。そして、挿入された内管はカシメ加工により外管と一体となるよう固定されている。
なお、二重管に限られず、特定部位については三重管構造とすることも可能である。同じく補強効果を発揮することができる。
ヘッドレストスティを3パーツへの分割タイプとすることは、それぞれの部分をメッキ、非メッキとすること、材質を変更することなどヘッドレストスティ設計上の自由度を高めることができる。
したがって、ヘッドレストスティ10は、左右一対の脚部11,12と、各脚部11,12の上端部同士を連結するステンレス製のパイプからなるブリッジ部14とを有している。また、一方の脚部12には複数のノッチ(切り欠き溝)13,13・・がその長さ方向に等間隔で形成されている。
そして、このヘッドレストスティ10にあっては、金属製パイプを外管とし、その外管の一部には内管15,15・・・が複数個挿入固定されている。内管15は全体として6個であって、直線状部分である脚部11,12の上端部(サポートへの挿入後ではサポート開口から上側部分の意)に2個、脚部11,12とブリッジ部14との境界近傍である屈曲部に2個、ブリッジ部14の90度屈曲した部分に2個、併せて6個、左右対称状態で配置固定されている。全ての内管15はカシメ加工により当該部位に固定されている。
外管であるヘッドレストスティ10が所定口径の金属パイプで、その肉厚が一定とされると、内管15は同質材で形成されその口径が外管10に密着して挿入可能な大きさに設定されている。なお、脚部11,12とブリッジ部14との連続部分(屈曲部を含む)に嵌入された内管15は直線状部分がサポートの開口端に摺接する部分となる。
同図(A),(B)においてはヘッドレストスティ10の一部のみを示す。内管15は直線状部分から屈曲部を経てさらに若干上方に延長されている。そして、この内管15は屈曲部をはさむ2カ所においてスポットカシメ加工により外管(スティ)10に対して強固に結合されている。スポットカシメ加工は、小さい加工圧力を穴状に加えて内外管同士を接合する方法で、強度のある接合が可能で、強度の異方性がなく、力の方向に左右されない特徴を有している。特に、屈曲部位の前後2カ所においてスポットカシメを行うことにより、屈曲加工における内管のずれなどを防止することができる。
22、23は、これらのスポットカシメによる複数の穴を示す。これらの穴は一例として周方向にて2カ所、軸方向に2カ所それぞれ等間隔に配置されている。すなわち、全体として4つのカシメ穴が2カ所、合計8個のカシメ穴を有して結合されている。なお、穴数、穴径、深さ、その間隔などは、これに限られない。
図4におけるサポート21は樹脂製円筒体であって、シートバックにその上端が開口するように固定される。ヘッドレストにあって下端から突出したヘッドレストスティの脚部11,12は、このサポート21に挿入されて上下動自在に支持されることとなる。その場合のヘッドレストの高さ調整はシートバックに内装された爪に上記脚部11,12の一方に形成したいずれかのノッチがかみ合うことで行われる。
すなわち、ブリッジ部32の屈曲部分(鈍角で曲げられている部分)の手前で、脚部パイプ(同径、同一材質のパイプ同士)31とブリッジ部パイプ32とが突き合わされて、この突き合わせ部分および屈曲部分には、内管33が挿入されており、かつカシメ結合されている。スポット穴34,35は、脚部側に2×2の4カ所、ブリッジ部側に同じく4カ所、形成されている。この結果、突き合わせ部分の結合と、屈曲部の補強とを同時に行う構成である。
さらに、この突き合わせ接合部分にあっては外管40が外嵌めされて全体としては三重管の構造に形成されている。この部分はカシメ加工により内管33,スティ30(31,32)および外管40が一体に固定されるため、さらなる強度向上に資するものである。なお、外管、内管、スティは同一材質とする。
なお、脚部をブリッジ部とは別体としてあるのは、脚部のみをどぶ漬けメッキ処理し、コストダウンなどに適合するものである。
さらに、真円パイプについて二重管部分を周方向から均等にスポットカシメを行うことで真円を維持でき、その断面係数の増加による補強効果を達成することができるが、カシメ加工では真円二重パイプ部分を両側から圧することで断面を長円形とすることも可能である。この場合は、長円形断面の長軸が車両前後方向にセットすることで、さらなる補強効果を発揮する。
各脚部は、直径(外径)12.7mm、厚さ2mmのステンレス製の直管である。各脚部の長さは同一である。このうち、一方の脚部の内側面(左側面)には、長さ方向に所定ピッチで複数のノッチが形成されている。これらのノッチには、スティ保持具が有する図示しない掛止爪が掛止される。
また、ブリッジ部を被包するクッション体は、発泡ウレタンフォーム製の枕状をした緩衝ブロックである。
第1に、1本の金属管(ステンレスパイプ)を所定長さに切断する。ついで、脚部相当部位に複数のノッチ加工を施す。例えば等間隔で3カ所に加工溝をプレスなどで成形する。次いで、所定長さの内管を長管である上記ステンレスパイプの所定位置、例えばノッチ形成部より奥側位置に挿入する。次に、この内管挿入位置においてスポットカシメ加工を施し、内管を外管に固定する。さらに、所定の曲げ加工を施す。これにより略逆U字形状のヘッドレストスティを得る。なお、端部面取り、メッキなども施される。
このようにして製造されたヘッドレストスティ10にあっては、ブリッジ部を表皮(プラスチックバッグ)内に挿入し、ウレタン樹脂を発泡させてクッション体と一体化し、ヘッドレストを完成する。
完成されたヘッドレストは一対の脚部が枕部分から平行に突出しており、これをシートバックのサポートに挿入することとなる。高さ調整はノッチと掛止用爪との係脱による。
なお、突き合わせ部分を二重管としたとき、この部分に外管を外嵌めした三重管構造とすることもできる。3段階の強さを有するスティを作製することも可能となり、特定部位を高強度とし、他の部位を比較的低強度とするなど、必要な強度に対応した構造のヘッドレストスティを得ることができる。
このことは、外管パイプを薄肉パイプとし、補強必要位置では二重管、さらにサポート開口部は三重管構造とすることで、その要求に耐えることができる。
そして、このヘッドレストスティの一部を二重管の構成とする。屈曲部(湾曲部)、サポート開口端の摺接部(長さ範囲はノッチ設置範囲と対応する)に、二重管構造を採用する。また、脚部をブリッジ部とは別体とした分割スティではその結合部を二重管構成とする。
金属管全体としての曲げ強度大、中、小とに分けて、適切な補強を行うこととする。これは無駄な高強度部位を廃して適切な強度を保持することを目的としたものである。
11,12 脚部、
14 ブリッジ部、
15 内管、
21 サポート。
Claims (1)
- 乗り物の座席のシートバックのヘッドレストに使用されるヘッドレストスティにおいて、
金属製の直管で作製され、前記シートバックのサポートに上下動自在に挿入される左右一対の脚部と、
金属製の直管を屈曲させることにより略逆U字形状に形成され、これら左右一対の脚部の上端部のそれぞれに連結されるブリッジ部とを備え、
上記一対の脚部にあって上記サポートに挿入されてその開口端に摺接する部分は、その内部に金属製の内管が挿入されて二重管構造に形成されるとともに、
上記一対の脚部と上記ブリッジ部とは突き合わせ状態で連結されており、この連結部には上記内管が挿入されているヘッドレストスティ。
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