以下の詳細な説明は、添付図面を参照している。添付図面は、本開示によって説明された具体的な実施例を示している。異なる構造及び工程を有する他の実施例が本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号は、異なる図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表わし得る。
本開示による主題の例示的且つ非網羅的な実施例が以下に提供される。これらは特許請求されるか或いはされないこともある。
図1は、航空機200の例示である。例示では、航空機200が固定翼機である。航空機200は、胴体202、一組の翼214(個別に翼214ということがある)、及び推進システム216を含む。航空機200は、電気システム226、油圧システム228、及び/又は環境システム230などであるがこれらに限定されない複数の高レベルシステムも含む。任意の数の他のシステムが含まれてよい。
胴体202は航空機200の主要本体であり、乗務員、一以上の乗客、及び/又は貨物を保持するように構成された、任意の適切な中央構造を含む。例示では、胴体202は長細く、概して円筒形の胴体である。胴体202は、胴体202の前端における機首部分と、胴体202の後端における機尾部分とを含む。本書で用いる語「前(forward)」及び「後(aft)」は当業者に知られた通常の意味であり、航空機200の移動方向に対する位置をいう。機尾部分は、垂直安定板240と水平安定板238も含み得る。
胴体202は、内部224を画定する機体222を含み、内部224は客室及び/又は貨物室を含み得る。翼フェアリング構造220(例えば、胴体/翼フェアリング)が、胴体202と翼214との間の各境界に設けられてもよく、胴体202の近傍(胴体202又はその近位)から関連付けられた翼214の近傍まで延びていてもよい。
翼214は、航空機200に揚力をもたらすように構成された任意の適切な翼型構造を含む。例示では、翼214が、胴体202の下方部分から延びる長細い構造であり、スウェプト翼でテーパ状の平面形状である。他の例では、翼214が直線又はデルタ形状である。更に別の例では、翼214が、台形、定形、楕円、半楕円、又は当技術分野で知られている他の構成である。
例示では、推進システム216は、例えばパイロンで翼214に取り付けられた2つのターボファンエンジンを含む。一例では、各エンジンがナセルに収容されており、吸気口とノズルを含む。他の例では、エンジンが胴体202又は他の航空機構造、例えば機尾部分に取り付けられ得る。他の様々な例では、推進システム216がより多いか或いは少ないエンジンを含んでいてもよく、他のタイプのエンジン(例えば、ターボプロップエンジン)が用いられていてもよい。
航空機200は様々な 飛行操縦翼面232を含む。飛行操縦翼面232は、航空機200の飛行及び空力特性を調整、制御するのに用いられる任意の枢動式空力装置を含む。飛行操縦翼面232の例としては、翼214の後端に位置する胴体側フラップ208及び/又は機外側フラップ218、水平安定板238の後端に位置する昇降舵234、垂直安定板240の後端に位置するラダー236、並びにその他の操縦翼面、例えば前端フラップ、エルロン、及びスポイラなどがある。本書で用いる語「胴体側(inboard)」及び「機外側(outboard)」は当業者に知られた通常の意味を有し、航空機200の中心線に対する位置をいう。
一例では、胴体側フラップ208(集合的に胴体側フラップ208ということがある)及び/又は機外側フラップ218(集合的に機外側フラップ218ということがある)が、翼214の後縁に取り付けられて、翼214に対して枢動、回転、及び/又は並進(例えば、前方に後方に)するように構成された、任意の適切な構造物を含む。胴体側フラップ208及び/又は機外側フラップ218は、翼214の揚力特性を変化させるように構成されている。胴体側フラップ208及び/又は機外側フラップ218は、少なくとも、上げ(収容、格納、又は「フラップアップ」)位置と、下げ(展開、拡張、又は「フラップダウン」)位置との間で可動である。一例では、胴体側フラップ208及び/又は機外側フラップ218が、一定の軸周りを枢動可能である。一例では、胴体側フラップ208及び/又は機外側フラップ218が、一般に弧状の湾曲した所定の経路に沿って枢動する。
一例では、航空機200がフラップアクチュエータ260も含む。フラップアクチュエータ260は、胴体側フラップ208を作動させるために、各翼214に関連付けられている。一例では、フラップアクチュエータ260が、胴体202又は翼フェアリング構造220内に位置するか収容されたモータ駆動アームを含む。
一例では、トルク部材210がフラップアクチュエータ260を、関連する胴体側フラップ208に連結し、作動/非作動(例えば、下げ/上げ)力を、フラップアクチュエータ260から関連する胴体側フラップ208へと伝達する。トルク部材210は、航空機200の開口206(例えば、胴体202又は翼フェアリング構造220の開口206)を通って延びている。航空機200の開口206は、胴体側フラップ208が上げ下げされる際のトルク部材210の移動経路を収容するような寸法形状である。
図2は翼214の例示である。翼214は様々な翼構造のいずれであってもよく、翼本体258を含む。翼本体258は、上方翼板246、下方翼板248、上方翼板246と下方翼板248との間で延びる複数の翼桁250、並びに上方翼板246と下方翼板248の間で延びる複数の翼リブ252を含むがこれらに限定されない様々な構造部材で形成されている。これらの構造部材は、様々な種類のファスナによる連結、共硬化、又は一体成形を含むがこれらに限定されない様々な方法のうち任意のものによって、互いに連結されている。翼桁250は、翼214の翼付け根254と翼214の翼先端256との間で翼長方向に延びている。翼リブ252は、翼214の前縁244と翼214の後縁242との間で翼弦方向に延びている。翼214は、翼フラップ100を更に含む。本開示の翼フラップ100の一例は翼214に、翼214の後縁242において翼付け根254の近傍で可動に連結されている。
図3-19を参照すると、翼フラップ100の様々な例が示されている。本開示の翼フラップ100は、フラップ本体164と、フラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されたトルク部材108とを含む。トルク部材108は、フラップ本体164の胴体側端部124から胴体側方向に延びている。本書で用いる句「一体に成形」は、部品(例えば、構成要素やコンポーネント)が一体物の部分であるか、部分に関連しているか、或いは部分に属していることをいう。そのような部分は、単に相互連結された部分というより、形成中に有機的に結びつくか或いは繋がって一体物を形成する。
一例では、トルク部材108が、フラップ本体164の少なくとも1つの構造部材198(図6及び7)と一体に成形されている。本書で用いる句「構造部材」は、翼フラップ100を部分的に形成している複数の構造部材198のうちの任意のものについて、翼フラップ100に加わる荷重を担持するか或いは応力に反応するように構成された耐荷要素をいう。翼フラップ100を部分的に形成する構造部材198は一般に、桁、リブ、ストリンガなどを含むがこれらに限定されない。例えば、フラップ本体164とトルク部材108が、例えば翼フラップ100に沿って翼長方向に延びる桁106などの構造部材198を共有することがある。一例では、フラップ本体164が外板(例えば、上方外板102と下方外板104)及び複数の桁106を含み、トルク部材108が、フラップ本体164から胴体側方向に延びる複数の桁106のうちの少なくとも1つの一部分によって一体に成形されている。したがって、下記で詳述するように、翼フラップ100は上方外板102と下方外板104を含む。翼フラップ100は、上方外板102と下方外板104との間で延びる複数の桁106を更に含む。
トルク部材108がフラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されていることで、フラップ本体164の既存の構造の一部分を用いてトルク部材108の少なくとも一部分を形成するので、翼フラップ100のコスト、複雑さ、及び/又は重量が低減され得る。一例として、トルク部材108がフラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されていることで、典型的には、トルク部材、例えば従来型のトルクチューブを航空機翼の胴体側フラップに連結することに関する複雑さやコストが低減され得る。例えば、翼フラップ100の既存の構造部材198(例えば桁106)の一部分からトルク部材108を形成すれば、金属(例えば、チタンや鋼)のトルクチューブを製造するのに比べてコストが抑えられ、金属製トルクチューブを翼フラップに組み付けたり接合したりするよりも部品や時間を削減でき、なおかつジョイント部分にできる荷重集中部位を減らすことができる。
別の例として、トルク部材108がフラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されることで航空機翼の重量が減り、航空機翼及び/又は航空機の製造に関わるコストが削減される。例えば、翼フラップ100の既存の構造部材198(例えば桁106)の一部分からトルク部材108を形成すれば、金属製トルクチューブを翼フラップに連結するよりもジョイントが少なくて済む。別の例として、既存の炭素繊維製の構造部材198の一部分からトルク部材108を形成すれば、腐食の可能性が減り、金属製トルクチューブよりも耐久性が向上する。更に別の例として、フラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されたトルク部材108は、翼フラップに連結された金属製トルクチューブよりも剛性が高く、構造上の撓みが抑えられるので有利である。
翼フラップ100は航空機200の翼214の胴体側フラップ208の一例であり、トルク部材108は胴体側フラップ208(図1)のトルク部材210の一例である。他の例では、本開示の教示が、航空機200の一以上の他の飛行操縦翼面232に適用され得る。
一例では、翼フラップ100が、翼214の後縁242において翼214の翼本体258(図1及び2)に取り付けられるか或いはその他の方法で可動に連結された、任意の適切な枢動構造を含む。一例では、翼フラップ100が、航空機200の胴体202の翼フェアリング構造220に隣接して位置する。翼フラップ100の作動中、翼の揚力特性を変化させるために、翼フラップ100は少なくとも上げ(収容、格納、又は「フラップアップ」)位置と下げ(展開、拡張、又は「フラップダウン」)位置との間で可動である。
図3を参照すると、フラップ本体164は、胴体側端部124と、胴体側端部124に対向する機外側端部126とを含む。フラップ本体164は、前端112と前端112に対向する後端116とを含む。トルク部材108は、胴体側端部180と、胴体側端部180に対向する機外側端部178とを含む。一例では、トルク部材108がフラップ本体164の胴体側端部124と一体であり、フラップ本体164の胴体側端部124から外へ胴体側方向に延びている。
一例では、トルク部材108が、フラップ本体164の前端112の方向或いはその近傍(例えば、前端112に或いはその近位に)位置する。一例では、トルク部材108が、フラップ本体164の後端116の方向或いはその近傍に位置する。一例では、トルク部材108が、フラップ本体164の前端112と後端116との間、例えばフラップ本体164の中間部分の近傍に位置する。
一例では、トルク部材108が、胴体側端部124から見たときのフラップ本体164の断面形状に少なくとも部分的に一致する、即ち一部分に一致する、断面形状を有する。トルク部材108の断面形状が、フラップ本体164の胴体側端部124においてフラップ本体164の断面形状と少なくとも部分的に一致することで、トルク部材108のフラップ本体164への連結に関する複雑さが低減し、翼フラップ100及び/又は航空機200の空力特性に及ぼすトルク部材108の影響が削減され得る。本書で用いる、少なくとも部分的に一致する断面形状を有した複数の構成要素とは、サイズ及び/又は寸法形状が一致するものであり得るが、そうでなくともよい。
一例では、トルク部材108が非円形の断面形状を有する。一例として、トルク部材108が多角形の断面形状を有する。例示では、トルク部材108が矩形の断面形状を有する。他の例示的な実施例では、トルク部材108が、直線状の辺と弧状の辺の組み合わせを含む断面形状を有する。例えば、3つの実質的に直線状の辺と、2つの直線状の辺を繋ぐ4つの弧状の辺とを有し、概して矩形の断面形状を形成している。
一例では、トルク部材108が、前壁156、前壁156に対向する後壁158、上壁160、及び上壁160に対向する下壁162を含むか、或いはこれらで少なくとも部分的に形成されている。前壁156、後壁158、上壁160、及び下壁162のうちの少なくとも1つがフラップ本体164と一体に成形されている。一例では、上壁160と下壁162のうちの少なくとも1つが、胴体側端部124から見たときにフラップ本体164の一部分に一致する外形を有する。
壁156、後壁158、上壁160、及び下壁162の各々の外形は、胴体側端部124から見たトルク部材108の断面形状を画定する。一例では、前壁156、後壁158、上壁160、及び下壁162のうちの一以上の外形が平面状である。一例では、前壁156、後壁158、上壁160、及び下壁162のうちの一以上の外形が湾曲している。
図4を参照すると、翼フラップ100のフラップ本体164は、胴体202に形成された開口206を通って延びるトルク部材108によって、上げ位置と下げ位置との間で作動又は動かされる。開口206は、トルク部材108及び関連付けられたフラップ本体164の作動中の全範囲の動きを可能するように構成されている。一例では、フラップアクチュエータ260が、フラップキャリッジ機構ともよく称されるフラップ支持機構212と、フラップ支持機構212に作動可能に連結されたモータ駆動アクチュエータ(図示せず)とを含む。一例では、トルク部材108の胴体側端部180がフラップ支持機構212に連結される。
図4は、概して上げ位置にある翼フラップ100を示しており、トルク部材108が、胴体202の開口206を通って延びておりフラップ支持機構212に連結されている。一例では、トルク部材108が、回転軸184周りで回転するように構成されているか、或いは回転させられるように構成されており、フラップ本体164を翼214に対して枢動又は回転させる。これに代えて或いは加えて、一例では、トルク部材108が、移動経路186に沿って前方か後方に並進するように構成されているか、或いは並進させられるように構成されおり、フラップ本体164を前方/上げ位置と後方/下げ位置との間で動かす。一例では、移動経路186が弧状であり、したがって開口206が長細い弧状であることで、作動中の翼フラップ100(トルク部材108、及び関連づけられているフラップ本体164)全範囲の動きが可能となる。トルク部材108の回転により、翼フラップ100の作動中にフラップ本体164が回転軸184周りで枢動することができる。一例では、回転軸184がトルク部材108の中心の長手方向軸である。
一例では、トルク部材108が、トルク部材108の機外側端部178に位置しフラップ支持機構212に連結されるように構成された、取り付けフランジ182も含む。一例では、フラップ支持機構212が、キャリアビームともよく称されるキャリア機構262を含む。キャリア機構262はトルク部材108の胴体側端部180に連結され、フラップ支持機構212の作動中に動きをトルク部材108に伝達する。一例では、キャリア機構262が、取り付けフランジ182に枢動可能に連結されてトルク部材108の回転及び並進の動きを可能にし、トルク部材108の瞬間回転中心が移動経路186に沿って変化する、一以上のリンク部材を含む。
図5を参照すると、一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164の胴体側端部124の近傍でフラップ本体164に連結された胴体側フラップフェアリング190を含む。翼フラップ100の作動中、胴体側フラップフェアリング190は、翼フラップ100と共に胴体202に対して動く。一例では、翼フラップ100が、トルク部材108に連結されたドア188も含む。ドア188は、翼フラップ100の作動中にトルク部材108と共に動き、ドア188が胴体202の開口206(図4)の少なくとも一部分を覆うように、胴体202に対して位置している。
図6-8を参照すると、一例では、翼フラップ100が、上方外板102(上方外板102は図7及び8では図示せず)、上方外板102に対向する下方外板104、及び、上方外板102と下方外板104との間で延びる複数の桁106(個別に桁106、集合的に桁106ともいう)を含む。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの少なくとも1つと一体に成形されている。一例では、トルク部材108が、上方外板102及び下方外板104のうちの少なくとも一方と一体に成形されている。
一例では、上方外板102及び/又は下方外板104が、桁106に恒久的に連結されている。例として、上方外板102及び下方外板104の一方又は双方が、様々な種類のファスナ(図示せず)で桁106に接続されるか、桁106が上方外板102及び/又は下方外板104の一方又は双方と共硬化されるか、桁106が上方外板102及び/又は下方外板104の一方又は双方と構造的に接合(例えば、接着接合)されるか、又はそれらの組み合わせであり得る。
図6を参照すると、一例では、桁106の各々が、上桁キャップ170、上桁キャップ170に対向する下桁キャップ172、及び上桁キャップ170と下桁キャップ172との間で延びる桁ウェブ174を含む。上桁キャップ170は上方外板102に連結され、下桁キャップ172は下方外板104に連結されている。桁106の各々は、上桁キャップ170、下桁キャップ172、及び桁ウェブ174の相対的な構成によって定められる様々な断面形状のうちの1つを有する。一例では、桁106のうちの少なくとも1つが、桁106の長手軸に沿って一定の断面形状を有する。一例では、桁106のうちの少なくとも1つが、桁106の長手軸に沿って変化するか或いは一定でない断面形状を有する。
桁106の一例で、桁ウェブ174の一端は上桁キャップ170の端部に接続され、桁ウェブ174の他端は桁キャップ172の端部に接続され、上桁キャップ170と下桁キャップ172の双方が、桁ウェブ174(断面がC字形状又はU字形状を有するとされる)の同じ側から突出する。
桁106の一例で、桁ウェブ174の一端は上桁キャップ170の中間部分(例えば、上桁キャップ170の端部間)に接続され、桁ウェブ174の他端は、下桁キャップ172の中間部分(例えば、下桁キャップ172の端部間)に接続され、上桁キャップ170と下桁キャップ172の双方が、桁ウェブ174の両側から突出する(断面がI字形状又はH字形状を有するとされる)。
図7及び8を参照すると、本開示の翼フラップ100のトルク部材108は、翼フラップ100の少なくとも1つの構造部材198(図7)の一体に成形された延長部によって、少なくとも部分的に形成されている。構造部材198はフラップ本体164も少なくとも部分的に形成する。一例では、桁106のうちの少なくとも1つが、桁主要部分148と、桁主要部分148から同軸に延びる桁延長部分150とを含む。フラップ本体164は、桁106のうちの少なくとも1つの桁主要部分148によって部分的に形成されており、トルク部材108は、桁106のうちの少なくとも1つの桁延長部分150によって部分的に形成されている。一例では、桁主要部分148と桁延長部分150が同じ断面形状及び同じ寸法形状を有する。一例では、桁主要部分148と桁延長部分150が種々の同じ断面形状及び/又は異なる寸法形状を有する。
一例では、桁主要部分148が、フラップ本体164の機外側端部126とフラップ本体164の胴体側端部124との間で翼長方向に延びる。桁主要部分148は、フラップ本体164の構造部材又は耐荷要素である。桁延長部分150は、フラップ本体164の胴体側端部124から胴体側方向に延びる。桁延長部分150は、トルク部材108の構造部材又は耐荷要素である。
桁主要部分148と桁延長部分150は、桁106の一体構造すなわち本体を形成する単一の部品又は単一のピースとして、一体に成形されている。桁106は任意の適切な構造材で形成され得る。一例では、桁106が金属材料で形成される。一例では、桁106が複合材で形成される。複合材の一例は、繊維(例えば、ガラス、炭素、アラミドなど)で強化されたポリマーマトリクス(例えば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性ポリマー)を含む繊維強化ポリマーである。一例として、複合材は、炭素繊維強化ポリマーである。
一例では、上方外板102と下方外板104のうちの少なくとも一方が、外板主要部分152と、外板主要部分152から延びる外板延長部分154とを含む。フラップ本体164は外板主要部分152によって部分的に形成され、トルク部材108は外板延長部分154によって部分的に形成されている。
一例では、外板主要部分152が、フラップ本体164の機外側端部126と胴体側端部124との間で翼長方向に、フラップ本体164の前端112と後端116との間で翼弦方向に延びている。外板延長部分154は、フラップ本体164の胴体側端部124から胴体側方向に延びている。
外板主要部分152と外板延長部分154は、上方外板102及び/又は下方外板104の一体構造を形成する単一の部品又は単一のピースとして、一体に成形される。上方外板102及び/又は下方外板104は、任意の適切な構造材で形成され得る。一例では、上方外板102及び/又は下方外板104が金属材料で形成される。一例では、上方外板102及び/又は下方外板104が複合材で形成される。複合材の一例は、繊維(例えば、ガラス、炭素、アラミドなど)で強化されたポリマーマトリクス(例えば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性ポリマー)を含む繊維強化ポリマーである。一例として、複合材は炭素繊維強化ポリマーである。
一例では、トルク部材108が、桁106のうちの1つの桁の桁延長部分150で形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの2つの桁の桁延長部分150で形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの3つの桁の桁延長部分150で形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの1つの桁の桁延長部分150と、フラップ本体164に連結された延長部材146(図14)とで形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの2つの桁の桁延長部分150と、延長部材146とで形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの2つの桁の桁延長部分150と、桁106のうちの2つの桁の桁延長部分150に連結された少なくとも1つの延長リブ176(図13)とで形成される。一例では、トルク部材108が、桁106のうちの1つの桁延長部分150、桁延長部分150、及び少なくとも1つの延長リブ176で形成される。これらの例のうちいずれかで、トルク部材108が、上方外板102及び/又は下方外板104のうちの少なくとも一方の外板延長部分154で形成されてもよい。
一例では、図3で最もよく示されているように、桁106のうちの第1の桁の桁延長部分150が、トルク部材108の前壁156を形成し、桁106のうちの第2の桁の桁延長部分150がトルク部材108の後壁158を形成し、上方外板102の外板延長部分154がトルク部材108の上壁160を形成し、下方外板104の外板延長部分154がトルク部材108の下壁162を形成する。桁106のうちの第1の桁及び桁106のうちの第2の桁(図3では見えないが)の桁主要部分148と、上方外板102の及び下方外板104の外板延長部分154が、フラップ本体164のフラップ構造を少なくとも部分的に形成している。
図8を参照すると、一例では、フラップ本体164が追加の構造要素も含む。一例では、フラップ本体164が、フラップ本体164の機外側端部126と胴体側端部124との間で延びている追加の桁106も含む。一例では、フラップ本体164が、上方外板102と下方外板104との間で延びている複数のリブ166(個別にリブ166ともいう)も含む。一例では、リブ166が、桁106の隣り合うペアの間を翼弦方向に延びる。
図9-18を参照すると、一例では、複数の桁106が、フラップ本体164の前端112の近傍に位置する前桁110を含む。一例では、複数の桁106が、翼フラップ100の後端116の近傍に位置する後桁114も含む。一例では、複数の桁106が、前桁110と後桁114と間に位置する中間桁118も含む。図9-18で上方外板102は図示されていない。
図9-14を参照すると、本開示の翼フラップ100の例で、前桁110は、前桁主要部分120と、前桁主要部分120から同軸に胴体側方向に延びる前桁延長部分122とを含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延び、前桁延長部分122が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。前桁110を、トルク部材108をフラップ本体164と一体に成形する翼フラップ100の共通の構造部材として用いることで、トルク部材108は当然ながらフラップ本体164の前端112の方向に或いはその近傍に配置される。
図9を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延び、前桁延長部分122が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、中間桁118が、中間桁主要部分132と、中間桁主要部分132から同軸に胴体側方向に延びる中間桁延長部分134とを含む。フラップ本体164は、中間桁主要部分132によって部分的に形成されている。トルク部材108は、中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、中間桁主要部分132が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、後桁114及び/又は任意の付加的な桁106が、フラップ本体164の胴体側端部124で終端する。一例では、後桁114が、フラップ本体164の機外側端部126と胴体側端部124との間で延びており、フラップ本体164の胴体側端部124で終端する。フラップ本体164は、後桁114よって部分的に形成されている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164の胴体側端部124に位置する一以上の胴体側リブ168(個別に胴体側リブ168ということがある)も含む。胴体側リブ168は、リブ166(図8)のうちの1つの一例である。一例では、胴体側リブ168が、隣り合う桁106のペアの間で延びている。一例では、胴体側リブ168が、隣り合う桁106のペアの桁主要部分148と桁延長部分150との間の移行部の近傍に位置する。胴体側リブ168は、桁106間の荷重を再分配するように構成されている。
一例では、翼フラップ100が、前桁110と中間桁118との間で延び且つこれらに連結された、胴体側リブ168のうちの第1の胴体側リブを含む。例えば、胴体側リブ168のうちの第1の胴体側リブは、一端が、前桁主要部分120と前桁延長部分122との移行部の近傍に位置し、対向端が、中間桁主要部分132と中間桁延長部分134との移行部の近傍に位置する。一例では、翼フラップ100が、中間桁118と後桁114との間で延び且つこれらに連結された、胴体側リブ168のうちの第2の胴体側リブも含む。例えば、胴体側リブ168のうちの第2の胴体側リブは、一端が、中間桁主要部分132と中間桁延長部分134との移行部の近傍に位置し、対向端が、後桁114の終端(例えば、フラップ本体164の胴体側端部124)の近傍に位置する。
一例では、桁106のうちの2つ以上が互いに対して平行である。一例では、隣り合う桁106のペアが互いに対して平行である。本書で用いる語「平行」は当業者に知られた通常の意味を有し、桁106のうちの1つを通って長手方向に延びる第1の線と、桁106のうちの別の1つを通って長手方向に延びる第2の線とが共通の平面を有しており、第1の線と第2の線の互いに対する距離が等しい、という状態をいう。本書で用いる語「平行」は、厳密な平行とほぼ平行(すなわち、平行に近く、所望の機能が果たされるか或いは所望の結果が達成される状態)を含む。
図10及び11を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120と中間桁主要部分132によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122と中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120及び中間桁主要部分132が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122及び中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、後桁114が、後桁主要部分128と、後桁主要部分128から同軸に延びる後桁延長部分130とを含む。フラップ本体164は、後桁主要部分128によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、後桁主要部分128が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130が、トルク部材108の機外側端部178から胴体側端部180まで延びている。
一例では、桁106のうちの2つ以上が互いに対して平行でない。一例では、隣り合う桁106のペアが互いに対して平行でない。一例では、桁106のうちの2つ以上が、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で(例えば、胴体側端部180で又はその近位で)互いに向かって集束している。例えば、前桁110、中間桁118、及び後桁114のうちの少なくとも2つが、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で、互いに向かって集束している。
一例では、前桁110、中間桁118、及び後桁114が、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で互いに向かって集束している。前桁110、中間桁118、及び後桁114が互いに向かって集束することで、フラップ本体164の胴体側端部124において、且つトルク部材108の胴体側端部180において、前桁110と中間桁118との間の距離が短くなり、中間桁118と後桁114との間の距離が短くなる。前桁110と中間桁118との間の距離が短くなることで、胴体側リブ168が前桁110と中間桁118との間で延びている(図9)必要がなくなり得る。中間桁118と後桁114との間の距離が短くなることで、胴体側リブ168が中間桁118と後桁114との間で延びている(図9)必要がなくなり得る。
図10を参照すると、一例では、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で、中間桁118が前桁110の方に向けられるよう、中間桁118が、前桁110に直角であり且つ前桁110から延びる線に対して鋭角に向いている。トルク部材108の胴体側端部180の近傍で後桁114が中間桁118の方に向けられるよう、後桁114は、中間桁118に直角であり且つ中間桁118から延びる線に対して鋭角に向いている。
図11を参照すると、一例では、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で、中間桁118が前桁110の方に向けられるよう、中間桁118が、前桁110に直角であり且つ前桁110から延びる線に対して鋭角に向いている。後桁114の第1の区域114Aは、前桁110に対して平行に向けられている。トルク部材108の胴体側端部180の近傍で、後桁114の第2の区域114Bが中間桁118の方に向けられるよう、後桁114の第2の区域114Bは、中間桁118に直角でありかつ中間桁118から延びる線に対して鋭角に向いている。
一例では、図10及び11に示すように、桁106がフラップ本体164の前端112に向かって集束している。他の例では、桁106がフラップ本体164の後端116に向かって集束する。
一例では、翼フラップ100が前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120、中間桁118、及び後桁主要部分128によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122及び後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120、中間桁118、及び後桁主要部分132が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122及び後桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。前桁110及び後桁114が、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で互いに向かって集束している。前桁110及び後桁114が互いに向かって集束することで、フラップ本体164の胴体側端部124において、且つトルク部材108の胴体側端部180において、前桁110と後桁114との間の距離が短くなる。
一例では、翼フラップ100が前桁110と後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120と後桁主要部分128によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122及び後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120及び後桁主要部分128が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122及び後桁延長部分130が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。一例では、前桁110及び後桁114が、トルク部材108の胴体側端部180の近傍で互いに向かって集束している。前桁110及び後桁114が互いに向かって集束することで、フラップ本体164の胴体側端部124において、且つトルク部材108の胴体側端部180において、前桁110と後桁114との間の距離が短くなる。
図12を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120、中間桁主要部分132、及び後桁114によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122と中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120、中間桁主要部分132、及び後桁114が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122及び中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164に連結されて前桁110の前桁延長部分122と中間桁118の中間桁延長部分134との間に位置する、延長部材146も含む。トルク部材108は延長部材146によって部分的に形成されている。
一例では、延長部材146が、フラップ本体164の胴体側端部124から外へ、トルク部材108の胴体側端部180へ胴体側方向に延びている。延長部材146は、フラップ支持機構212(図1)からトルク部材108を介してフラップ本体164へ作動力を伝達するのに十分な任意の適切な方式で、フラップ本体164に連結されている。
一例では、延長部材146が、前桁110と中間桁118との間で延び且つこれらに連結された、胴体側リブ168に連結されている。一例では、胴体側リブ168が、垂直に向き且つ胴体側リブ168の胴体側の面に位置する、スティフナ又はフランジを含む。延長部材146は、胴体側リブ168のスティフナに締結(例えばボルト留め)される。延長部材146の機外側端部を胴体側リブ168に連結するのに任意の他の適切なジョイントが用いられてよい。延長部材146と胴体側リブ168は任意の適切な構造材で形成され得る。一例では、延長部材146と胴体側リブ168の一方又は両方が金属材料で形成される。一例では、延長部材146及び胴体側リブ168の一方又は両方が複合材(例えば、炭素繊維強化ポリマー)で形成されている。
図13を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120、中間桁主要部分132、及び後桁114によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122と中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120、中間桁主要部分132、及び後桁114が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122及び中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、前桁110の前桁延長部分122と中間桁118の中間桁延長部分134との間で延び且つこれらに連結された、延長リブ176も含む。トルク部材108は延長リブ176によって部分的に形成されている。
一例では、延長リブ176が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間の様々な位置のうち任意のものに位置する。延長リブ176は、翼フラップ100の作動中、前桁110の前桁延長部分122と中間桁118の中間桁延長部分134との間で荷重を再分配するように構成されている。一例では、延長リブ176は、上方外板102と下方外板104の間で延びており、且つ/或いは、上方外板102及び/又は下方外板104に連結されている。
一例では、図13に示すように、翼フラップ100が複数の延長リブ176を含む。一例では、延長リブ176が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間でトルク部材108に沿って等間隔にある。延長リブ176の数は、例えば、トルク部材108に加わる荷重、トルク部材108のフェイルセーフ要件、及びトルク部材108に求められる剛性に応じて異なり得る。一例では、延長リブ176のうちの1つが、トルク部材108の胴体側端部180の近傍に位置する。一例では、少なくとも1つの別の延長リブ176が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間、例えば、トルク部材108の胴体側端部180に位置する延長リブ176のうちの当該1つと胴体側リブ168との間に位置する。
図14を参照すると、一例では、翼フラップ100は前桁110と後桁114を含む。フラップ本体164は、前桁主要部分120と後桁114によって部分的に形成されている。トルク部材108は、前桁延長部分122によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分120及び後桁114が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、前桁延長部分122が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164の胴体側端部124において、前桁110と後桁114との間で延びる胴体側リブ168も含む。一例では、翼フラップ100が、胴体側リブ168に連結された延長部材146も含む。トルク部材108は延長部材146によって部分的に形成されている。
図14では図示していないが、一例では翼フラップ100が、前桁110の前桁延長部分122と延長部材146との間で延びている少なくとも1つの延長リブ176(図13)も含む。トルク部材108は延長リブ176と延長部材146によって部分的に形成されている。
図15‐18を参照すると、本開示の翼フラップ100の例で、後桁114は、後桁主要部分128、及び後桁主要部分128から同軸に胴体側方向に延びる後桁延長部分130を含む。フラップ本体164は、後桁主要部分128によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、後桁主要部分128が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。後桁114を、トルク部材108をフラップ本体164と一体に成形する翼フラップ100の共通の構造部材として用いることで、トルク部材108は当然ながらフラップ本体164の後端116の方向に或いはその近傍に配置される。
図15を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、後桁主要部分128によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、後桁主要部分128が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、中間桁118は、中間桁主要部分132から同軸に胴体側方向に延びる、中間桁主要部分132及び中間桁延長部分134を含む。フラップ本体164は、中間桁主要部分132によって部分的に形成されている。トルク部材108は、中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、中間桁主要部分132が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、前桁110、及び/又は、桁106のうちの任意の更なる桁が、フラップ本体164の胴体側端部124で終端する。一例では、前桁110が、フラップ本体164の機外側端部126と胴体側端部124との間で延び、フラップ本体164の胴体側端部124で終端する。フラップ本体164は前桁110によって部分的に形成されている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164の胴体側端部124に位置する胴体側リブ168のうちの一以上も含む。一例では、翼フラップ100が、後桁114と中間桁118との間で延び且つこれらに連結された、胴体側リブ168のうちの第1の胴体側リブを含む。例えば、胴体側リブ168のうちの第1の胴体側リブは、一端が、後桁主要部分128と後桁延長部分130の移行部の近傍に位置し、対向端が、中間桁主要部分132と中間桁延長部分134の移行部の近傍に位置する。一例では、翼フラップ100が、中間桁118と前桁110との間で延び且つこれらに連結された、胴体側リブ168のうちの第2の胴体側リブも含む。例えば、胴体側リブ168のうちの第2の胴体側リブは、一端が、中間桁主要部分132と中間桁延長部分134との移行部の近傍に位置し、対向端が、前桁110の終端(例えば、フラップ本体164の胴体側端部124)の近傍に位置する。
図16を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、後桁主要部分128、中間桁主要部分132、及び前桁110によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130と中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、後桁主要部分128、中間桁主要部分132、及び前桁110が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130及び中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164に連結されて後桁114の後桁延長部分130と中間桁118の中間桁延長部分134との間に位置する、延長部材146も含む。トルク部材108は延長部材146によって部分的に形成されている。
一例では、延長部材146が、フラップ本体164の胴体側端部124から外へ、トルク部材108の胴体側端部180へ胴体側方向に延びている。一例では、延長部材146は、後桁114と中間桁118との間で延び且つこれらに連結された胴体側リブ168に連結されている。延長部材146は、フラップ支持機構212(図1)からトルク部材108を介してフラップ本体164へ作動力を伝達するのに十分な任意の適切な方式で、フラップ本体164に連結されている。
図17を参照すると、一例では、翼フラップ100が、前桁110、中間桁118、及び後桁114を含む。フラップ本体164は、後桁主要部分128、中間桁主要部分132、及び前桁110によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130と中間桁延長部分134によって部分的に形成されている。一例では、後桁主要部分128、中間桁主要部分132、及び前桁110が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130及び中間桁延長部分134が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、後桁114の後桁延長部分130と中間桁118の中間桁延長部分との間で延び且つこれらに連結された、延長リブ176も含む。トルク部材108は延長リブ176によって部分的に形成されている。
一例では、延長リブ176は、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間の様々な位置のうち任意のものに位置する。延長リブ176は、翼フラップ100の作動中、後桁114の後桁延長部分130と中間桁118の中間桁延長部分134との間で荷重を再分配するように構成されている。一例では、図17に示すように、翼フラップ100が複数の延長リブ176を含む。一例では、延長リブ176が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間でトルク部材108に沿って等間隔にある。
図18を参照すると、一例では、翼フラップ100は前桁110と後桁114を含む。フラップ本体164は後桁主要部分128と前桁110によって部分的に形成されている。トルク部材108は、後桁延長部分130によって部分的に形成されている。一例では、前桁主要部分128及び後桁110が、フラップ本体164の胴体側端部124と機外側端部126との間で延びており、後桁延長部分130が、トルク部材108の機外側端部178と胴体側端部180との間で延びている。
一例では、翼フラップ100が、フラップ本体164の胴体側端部124において前桁110と後桁114との間で延びる胴体側リブ168も含む。一例では、翼フラップ100が、胴体側リブ168に連結された延長部材146も含む。トルク部材108は延長部材146によって部分的に形成されている。
図18では図示していないが、一例では、翼フラップ100が、延長部材146の後桁延長部分130と後桁114との間で延びる少なくとも1つの延長リブ176(図17)も含む。トルク部材108は、延長リブ176と延長部材146によって部分的に形成されている。
図9、12、及び13に示す例では、前桁110の前桁延長部分122がトルク部材108の前壁156(図3)を形成し、中間桁118の中間桁延長部分134がトルク部材108の後壁158(図3)を形成する。図10及び11に示す例では、前桁110の前桁延長部分122がトルク部材108の前壁156を形成し、後桁114の後桁延長部分130がトルク部材108の後壁158を形成する。図14に示す例では、前桁110の前桁延長部分122がトルク部材108の前壁156を形成し、延長部材146がトルク部材108の後壁158を形成する。
図15-17に示す例では、後桁114の後桁延長部分130がトルク部材108の後壁158(図3)を形成し、中間桁118の中間桁延長部分134がトルク部材108の前壁156(図3)を形成する。図18に示す例では、後桁114の後桁延長部分130がトルク部材108の後壁を形成し、延長部材146がトルク部材108の前壁156を形成する。
図9-18に示す例では、上方外板延長部分ともいう上方外板102(図では見えない)の外板延長部分154が、トルク部材108の上壁160(図3)を形成し、下方外板延長部分ともいう下方外板104の外板延長部分154が、トルク部材108の下壁162を形成する。上方外板主要部分ともいう上方外板102の外板主要部分152がフラップ本体164の上方外板パネルを形成し、下方外板主要部分ともいう下方外板104の外板主要部分152が、フラップ本体164の下方外板パネルを形成する。
図19を参照すると、一例では、上方外板102及び/又は下方外板104の一方又は両方が、フラップ本体164のみを部分的に形成している。一例では、上方外板102及び/又は下方外板104の一方又は両方が、フラップ本体164の機外側端部126と胴体側端部124との間で延び、フラップ本体164の胴体側端部124で終端する。
一例では、翼フラップ100が、上方外板延長部分に取って代わる上方外板延長部材194も含む。一例では、上方外板延長部材194が、トルク部材108の胴体側端部180と機外側端部178との間で延びており、桁106のうちの少なくとも1つ、例えば隣り合う桁106のペア、又は桁106の桁延長部分150と延長部材146とに連結されている。トルク部材108は上方外板延長部材194によって部分的に形成されている。
一例では、翼フラップ100が、下方外板延長部分に取って代わる下方外板延長部材196も含む。一例では、下方外板延長部材196が、トルク部材108の胴体側端部180と機外側端部178との間で延びており、桁106のうちの少なくとも1つ、例えば隣り合う桁106のペア、又は桁106と延長部材146の桁延長部分150とに連結されている。トルク部材108は下方外板延長部材196によって部分的に形成されている。
図示の例では、上方外板102及び下方外板104の外板延長部分154、上方外板延長部材194、及び下方外板延長部材196が、トルク部材108の胴体側端部180まで延びてそこで終端する。他の例では、上方外板102及び下方外板104の外板延長部分154、上方外板延長部材194、及び/又は下方外板延長部材196のうちの一以上が、トルク部材108の胴体側端部180より手前で終端する。一例では、上方外板102及び下方外板104の外板延長部分154、上方外板延長部材194、及び/又は下方外板延長部材196が、トルク部材108の、トルク部材108が開口206(図4)を通って胴体202に入る点まで少なくとも延びる。
幾つかの航空宇宙用途では、安全な飛行と着陸を確保するためにフェイルセーフ手段が有益であり得る。フェイルセーフ手段の一例は、主要な荷重経路が不具合を起こすまで利用されない冗長的な荷重経路を備えることである。フェイルセーフ手段の別の例は、2つ以上の荷重経路を有することである。荷重経路のうちの任意の1つに不具合が生じたら他方の荷重経路に負荷を再分配する。各荷重経路は全荷重に応答することができる。フェイルセーフ手段の別の例では、所与の荷重経路を定めている各構造部材が適切な予備的耐荷能力を有することで、構造部材のうちの1つに不具合、損傷、又はその他の不良が生じた後でも、荷重経路が全荷重に応答できる。
幾つかの例、例えば図10-12及び16に示す例示的な実施例では、本開示の翼フラップ100のトルク部材108がフェイルセーフ構成を含む。一例では、隣り合う2つの桁106の桁延長部分150が、冗長な荷重経路を形成し得る。一例では、延長部材146、及び隣接する桁106の桁延長部分150が、冗長な荷重経路を形成し得る。ある例(図10及び11)では、前桁延長部分122と中間桁延長部分134が第1の荷重経路を画定し、中間桁延長部分134後桁延と長部分130が第2の荷重経路を画定し、前桁延長部分122と後桁延長部分130が第3の荷重経路を画定する。ある例(図12)では、前桁延長部分122と延長部材146が第1の荷重経路を画定し、延長部材146と後桁延長部分130が第2の荷重経路を画定し、前桁延長部分122と後桁延長部分130が第3の荷重経路を画定する。ある例(図16)では、中間桁延長部分134と延長部材146が第1の荷重経路を画定し、延長部材146と後桁延長部分130が第2の荷重経路を画定し、中間桁延長部分134と後桁延長部分130が第3の荷重経路を画定する。これらの例で、荷重経路の各々は、翼フラップ100に加わる全荷重に応答することができ、荷重経路の1つに(例えば、桁106のうちの1つが損傷した結果)生じた不具合は他の荷重経路に再分配され得る。一例では、冗長的な荷重経路のうちの1つに負荷がかかり、冗長的な荷重経路のうちの別の1つには負荷がかからない。負荷がかかっている荷重経路に不具合が生じると、負荷がかかっていない荷重経路に、負荷が再分配される。一例では、冗長的な荷重経路の各々に負荷がかかり、負荷がかかっている荷重経路のうちのいずれもが、他に不具合が生じると全荷重に応答できる。
ある例では、例えば図9、13‐15、17、及び18に示す例示的な実施例で、本開示の翼フラップ100のトルク部材108がフェイルセーフ構成も含み得る。一例では、各桁106の桁延長部分150が、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。一例では、桁106の桁延長部分150と延長部材146とがそれぞれ、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。ある例(図9及び13)では、前桁延長部分122と中間桁延長部分134が、荷重経路を画定する。前桁延長部分122と中間桁延長部分134の各々が、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。ある例(図15及び17)では、中間桁延長部分134と後桁延長部分130が荷重経路を画定し、中間桁延長部分134と後桁延長部分130の各々が、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。ある例(図14)では、前桁延長部分122と延長部材146が荷重経路を画定し、前桁延長部分122と延長部材146の各々が、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。ある例(図18)では、後桁延長部分130と延長部材146が荷重経路を画定し、後桁延長部分130と延長部材146の各々が、翼フラップ100に加わる全荷重を超える予備的耐荷能力を有する。
図20を参照すると、例示的な方法1000も示されている。一例では、方法1000が、翼フラップ100の形成に用いられる。一例では、方法1000が、トルク部材108をフラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形して、翼フラップ100を形成するステップ(ブロック1002)を含む。フラップ本体164は、航空機200の翼214に可動に連結されるように構成される。トルク部材108は、航空機200のフラップアクチュエータ260に連結されるよう構成される。
一例では、方法1000が、下方外板104、上方外板102、及び複数の桁106を提供するステップを含む(ブロック1004)。本書で用いる語「提供する(providing)」では、設けられるアイテムが送達されるか或いは受け取られることを特に必要としない。用語「設ける」はむしろ、用いられるか或いはその他の方式で容易に利用できる状態や状況にあるアイテムについて言及するのに用いられる。複数の桁106のうちの少なくとも1つは、桁主要部分148、及び桁主要部分148から延びる桁延長部分150を含む。
一例では、方法1000が、下方外板104、上方外板102、及び複数の桁106を接合するステップを含む(ブロック1006)。上方外板102、及び複数の桁106を接合するのに、締結、共硬化、接着、又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な方法や工程が用いられ得る。
一例では、方法1000が、複数の桁106のうちの第1の桁の桁主要部分148で、フラップ本体164を部分的に形成するステップ(ブロック1008)、及び、複数の桁106のうちの第1の桁の桁延長部分105で、トルク部材108を部分的に形成するステップ(ブロック1010)を含む。
一例では、方法1000が、複数の桁106のうちの第2の桁の桁主要部分148で、フラップ本体164を部分的に形成するステップ(ブロック1012)、及び、複数の桁106のうちの第2の桁の桁延長部分105で、トルク部材108を部分的に形成するステップ(ブロック1014)を含む。或いは、方法1000が、複数の桁106のうちの第3のもので、フラップ本体164を部分的に形成するステップ(ブロック1016)、及び、フラップ本体164に連結された延長部材146で、トルク部材108を部分的に形成するステップ(ブロック1020)を含む。一例では、方法1000が、フラップ本体164を、複数の桁106のうちの第4のもので部分的に形成するステップを含む。
一例では、方法1000が、フラップ本体164を、上方外板102の外板主要部分152で部分的に形成するステップ(ブロック1022)、及び、トルク部材108を上方外板102の外板延長部分154で部分的に形成するステップ(ブロック1024)を含む。或いは、方法1000が、フラップ本体164を上方外板102で部分的に形成するステップ(ブロック1026)、及び、トルク部材108を上方外板延長部材194で部分的に形成するステップ(ブロック1028)を含む。
一例では、方法1000が、フラップ本体164を、下方外板104の外板主要部分152で部分的に形成するステップ(ブロック1030)、及び、トルク部材108を下方外板104の外板延長部分154で部分的に形成するステップ(ブロック1032)を含む。或いは、方法1000が、フラップ本体164を、下方外板104で部分的に形成するステップ(ブロック1034)、及び、トルク部材108を下方外板延長部材196で部分的に形成ステップ(ブロック1036)を含む。
一例では、方法1000が更に、航空機200の翼214の形成に用いられる。一例では、方法1000が、翼フラップ100のフラップ本体164を翼214の翼本体258に、翼214の後縁242において可動に連結するステップ(ブロック1038)を含む。方法1000によれば、翼214の製造中に翼フラップ100が翼214に連結される。或いは、方法1000によれば、航空機200の従来型の胴体側フラップが、例えば航空機200の保守や修復中に翼フラップ100に交換され得る。
一例では、方法1000が更に、航空機200の形成に用いられる。一例では、方法1000が、翼214を航空機200の胴体202に連結するステップを含む(ブロック1040)。一例では、方法1000が、トルク部材108の胴体側端部180をフラップアクチュエータ260に作動可能に連結するステップを含む(ブロック1042)。一例では、トルク部材108が、胴体202の開口206を通って胴体202内に延びる。
一例では、方法1000が翼フラップ100の操作にも用いられる。一例では、方法1000が、上げ位置と下げ位置との間で翼フラップ100を作動させるステップを含む(ブロック1044)。一例では、フラップアクチュエータ260が、トルク部材108を介して、翼フラップ100のフラップ本体164を翼214に対して枢動且つ/又は並進させる。
本開示の翼フラップ100及び方法1000の例は、潜在的に様々な用途、特に、例えば航空宇宙用途を含む輸送業に用いられ得る。ここで図1及び21を参照すると、翼フラップ100及び方法1000の例は、図21に示す航空機の製造及び保守方法1100、並びに図1に示す航空機200に関して使用され得る。本開示の実施例の航空機での用途は、翼フラップ100の形成、及び翼フラップ100の航空機200の飛行操縦翼面としての使用を含み得る。
図21に示すように、製造前の段階において、例示的な方法1100は、航空機200の仕様及び設計(ブロック1102)と、材料調達(ブロック1104)とを含み得る。航空機200の製造段階では、航空機200の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)と、航空機200のシステムインテグレーション(ブロック1108)とが行われ得る。その後、航空機200は認可及び納品(ブロック1110)を経て運航(ブロック1112)される。本開示の翼フラップ100及び方法1000は、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)及び/又はシステムインテグレーション(ブロック1108)の一部を形成し得る。定期的な保守及び点検(ブロック1114)は、例えば胴体側翼フラップの修復及び/又は交換など、航空機200の一又は複数のシステムの修正、再構成、改修などを含み得る。
例示的な方法のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又は顧客などのオペレータによって実行又は実施され得る。本の明細書の解釈上、システムインテグレータは、非限定的に、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含み得、第三者は、非限定的に、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
本書で図示又は開示されている翼フラップ100及び方法1000の例は、図21で示すフロー図の製造及び保守方法1100のうちの任意の一以上の段階において利用され得る。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)に対応する、翼フラップ100や翼214などの構成要素又はサブアセンブリは、航空機200の運航(ブロック1112)期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方式で、製作又は製造され得る。また、翼フラップ100、方法1000、又はこれらの組み合わせの一以上の例が、システムインテグレーション(ブロック1108)、及び/又は、認可及び納品(ブロック1110)中に利用されてもよい。同様に、翼フラップ100、方法1000、又はこれらの組み合わせの一又は複数の実施例が、例えば非限定的に、航空機200の運航(ブロック1112)中や整備及び保守(ブロック1114)中に利用され得る。
航空宇宙産業の例を示したが、本書で開示されている原理は、自動車産業のような他の産業にも適用され得る。そのため、本書で開示されている原理は、航空機に加え、他の輸送体、例えば陸上輸送体、海洋輸送体、宇宙用輸送体などにも適用され得る。
本開示は、下記の例示的かつ非網羅的な例を更に含むが、これらは特許請求されることもされないこともある。
例1
フラップ本体164、及び
フラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形された、トルク部材210
を備える、翼フラップ100。
例2
トルク部材210が非円形の断面形状を有する、例1に記載の翼フラップ100。
例3
上方外板102、
上方外板102に対向する下方外板104、及び
上方外板102と下方外板104との間で延びる複数の桁106
を更に含み、
トルク部材210が複数の桁106のうちの少なくとも1つと一体に成形されている、例1又は2に記載の翼フラップ100。
例4
複数の桁106のうちの少なくとも1つが、桁主要部分148、及び桁主要部分148から延びる桁延長部分150を備え、
フラップ本体164が桁主要部分148によって部分的に形成されており、
トルク部材210が桁延長部分150によって部分的に形成されている、
例3に記載の翼フラップ100。
例5
トルク部材210が、上方外板102及び下方外板104のうちの少なくとも一方と一体に成形されている、例3又は4に記載の翼フラップ100。
例6
複数の桁106が前桁110を備え、前桁110は、前桁主要部分120と、前桁主要部分120から延びる前桁延長部分122とを備え、
フラップ本体164は前桁主要部分120によって部分的に形成されており、
トルク部材210は前桁延長部分122によって部分的に形成されている、
例3から5の何れか1つに記載の翼フラップ100。
例7
複数の桁106が中間桁118を更に備え、中間桁118は、中間桁主要部分132と、中間桁主要部分132から延びる中間桁延長部分134とを備え、
フラップ本体164が中間桁主要部分132によって部分的に形成されており、
トルク部材210が中間桁延長部分134によって部分的に形成されている、
例6に記載の翼フラップ100。
例8
複数の桁106が後桁114を更に備え、後桁114は、後桁主要部分128と、後桁主要部分128から延びる後桁延長部分130とを備え、
フラップ本体164が後桁主要部分128によって部分的に形成されており、
トルク部材210が後桁延長部分130によって部分的に形成されている、
例7に記載の翼フラップ100。
例9
前桁110、中間桁118、及び後桁114のうちの少なくとも2つが、トルク部材210の胴体側端部の近傍で互いに向かって集束している、例8に記載の翼フラップ100。
例10
フラップ本体164に連結され且つ前桁110の前桁延長部分122と中間桁118の中間桁延長部分134との間に位置する、延長部材146を更に備え、トルク部材210が延長部材146によって部分的に形成されている、例7又は8に記載の翼フラップ100。
例11
前桁110の前桁延長部分122と中間桁118の中間桁延長部分134との間で延びる延長リブ176を更に含み、トルク部材210が延長リブ176によって部分的に形成されている、例7から10の何れか1つに記載の翼フラップ100。
例12
複数の桁106が後桁114を備え、
翼フラップ100が、
前桁110と後桁114との間でフラップ本体164の胴体側端部で延びている胴体側リブ168、及び
胴体側リブ168に連結された延長部材
を更に備え、
フラップ本体164は後桁114によって部分的に形成されており、
トルク部材210は延長部材146によって部分的に形成されている、
例6から11の何れか1つに記載の翼フラップ100。
例13
複数の桁106が後桁114を備え、後桁114は、後桁主要部分128と、後桁主要部分128から延びる後桁延長部分130とを備え、
フラップ本体164が後桁主要部分128によって部分的に形成されており、
トルク部材210が後桁延長部分130によって部分的に形成されている、
例3から12の何れか1つに記載の翼フラップ100。
例14
複数の桁106が中間桁118を更に備え、中間桁118は、中間桁主要部分132と、中間桁主要部分132から延びる中間桁延長部分134とを備え、
フラップ本体164が中間桁主要部分132によって部分的に形成されており、
トルク部材210が中間桁延長部分1によって部分的に形成されている、
例13に記載の翼フラップ100。
例15
フラップ本体164に連結され且つ後桁114の後桁延長部分130と中間桁118の中間桁延長部分134との間に位置する延長部材146を更に備え、トルク部材210が延長部材146によって部分的に形成されている、
例14に記載の翼フラップ100。
例16
後桁114の後桁延長部分130と中間桁118の中間桁延長部分134との間で延びている延長リブ176を更に備え、トルク部材210が延長リブ176によって部分的に形成されている、例14又は15に記載の翼フラップ100。
例17
複数の桁106が前桁110を備え、
翼フラップ100が、
前桁110と後桁114との間でフラップ本体164の胴体側端部で延びている胴体側リブ168、及び
胴体側リブ168に連結された延長部材146
を更に備え、
フラップ本体164は前桁110によって部分的に形成されており、
トルク部材210は延長部材146によって部分的に形成されている、
例13から16の何れか1つに記載の翼フラップ100。
例18
航空機の翼であって、
翼本体258と、
翼本体258に可動に連結されたフラップ本体164、及び
フラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形されたトルク部材210
を含む、翼フラップ100と
を備える、翼。
例19
翼フラップ100が、
上方外板102、
上方外板102に対向する下方外板104、及び
上方外板102と下方外板104との間で延びる複数の桁106
を更に含み、
トルク部材210が複数の桁106のうちの少なくとも1つと一体に成形されている、例18に記載の翼。
例20
翼フラップ100を形成する方法であって、
トルク部材210をフラップ本体164の少なくとも一部と一体に成形して翼フラップ100を形成することを含み、
フラップ本体164は航空機の翼に可動に連結されるように構成され、
トルク部材210は航空機のフラップアクチュエータ260に連結されるように構成される、方法。
本書でいう「例」とは、これら例との関連で記載された一以上の特徴、構造、要素、構成要素、特性及び/又は工程ステップが、本開示による主題の少なくとも1つの実施形態及び又は実装形態に含まれることを意味する。ゆえに、本開示全体において「一例(one example)」及び類似の文言は、同一の例を指していることもあるが、そうでない場合もある。更に、任意の一例を特徴づける主題が、任意の他の例を特徴づける主題を含みうるが、そうでない場合もある。
本明細書において、特定の機能を実施するように「構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、任意の変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、さらなる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。言い換えると、特定の機能を実施するように「構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択、創出、実装、利用、プログラミング、且つ/又は設計される。本明細書において、「ように構成/設定された(configured to)」という表現は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる改変なしで特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を意味する。この開示において、特定の機能を実施するように「構成/設定されている」と説明されたシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合している(adapted to)」、且つ/又は「動作可能である(operative to)」と説明してもよい。
別途示されない限り、「第1」「第2」などの語は、本書では単に符号として使用され、それらの語が表すアイテムに順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図していない。更に、「第2の」アイテムへの言及は、より低い番号のアイテム(例えば「第1の」アイテム)及び/又はより高い番号のアイテム(例えば、「第3の」アイテム)の存在を要求せず且つ除外しない。
本書で用いる「連結された」、「連結する」、及び同様の語は、2つ以上の要素が、接合する、繋ぐ、締結する、接続する、連通させるか、或いはその他の方法で(例えば、機械的、電気的、流動的、光学的、電磁的に)互いに関連付けられることをいう。様々な例で、要素は直接的に又は間接的に関連付けられ得る。一例として、要素Aが要素Bに直接関連する。別の例として、要素Aが要素Bに間接的に、例えば、他の要素Cを介して関連する。記載されている様々な要素間のすべての関連が必ずしも表現されていないことが理解されよう。そのため、図示されている以外の連結も存在し得る。
本明細書で用いる、アイテムの列挙と共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数の種々の組み合わせが用いられ、且つ列挙された各アイテムのうちの一つだけがあれば必要であり得るということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば非限定的に、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。他の例として、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば非限定的に、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、並びに他の適切な組み合わせを含む。
上記の図20及び21では、ブロックは動作及び/又はその一部を表すことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、動作又はその一部のいかなる特定の順番又は依存性も暗示しない。破線で示されるブロックは、代替的な工程及び/又はその一部を表す。様々なブロックを接続する破線が存在する場合、それらは工程又はその一部の代替的な従属関係を表す。開示されている様々な工程間のすべての従属関係が必ずしも表わされている訳ではないことが、理解されよう。本書に記載の方法の実施を説明する、図20及び21並びにこれらに付随する記載は、必ずしも、動作が実行されるシーケンスを決定すると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順番が示されていても、工程の配列は、適切な場合には改変され得ると理解されたい。したがって、図示されている工程には改変、追加、及び/又は省略が行われてよく、特定の複数の工程は、異なる順序で、又は同時に、実施され得る。加えて、記載されている全ての工程を実行する必要はないことを、当業者は認識しよう。
本開示のアンテナ、航空宇宙ビークル、及び方法の様々な実施形態及び/又は実施例を示し、説明してきたが、本書に触れた当業者には変更態様が想起され得る。本願はこうした変更態様を包含し、特許請求の範囲によってのみ限定される。