JP7267403B2 - 射出装置、射出システム及び梱包体 - Google Patents

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Description

本発明は、射出装置、射出システム及び梱包体に関する。
国際宇宙ステーションにおいては、様々な機能を有する小型衛星を放出する活動が行われている(非特許文献1)。この活動では、小型人工衛星を補給船によって地上から国際宇宙ステーションに設けられた実験棟「きぼう」に搬送し、ロボットアームで小型人工衛星を把持してエアロックから宇宙空間に移動させる。その後、ロボットアームに設けられたバネ機構によって、小型人工衛星を宇宙空間に放出している。
「JEMペイロードアコモデーションハンドブック -Vol.8- 超小型衛星放出インタフェース管理仕様書 Rev.C」、2017年12月、宇宙航空研究開発機構、2018年12月5日検索、URL:http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/jssod/images/jx-espc-101132-c.pdf
しかし、上述の放出機構では小型人工衛星の放出にバネ機構を用いているため、小型人工衛星に与える速度には限界がある。そのため、人工衛星の放出軌道は国際宇宙ステーションの近傍などに限られてしまい、所望の軌道に人工衛星を投入することは困難である。また、バネ機構では人工衛星の速度を精密に制御することが難しいという欠点も有する。さらに、宇宙で使用される機材は小型化が要求されるため、大きな速度を実現するためのバネ機構の大型化も制約されてしまう。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明は簡易な構成で物体を射出できる射出装置、射出システム及び梱包体を提供することを目的とする。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態にかかる射出装置は、射出対象物である物体の射出方向に沿った軸を中心とする電機子と、前記電機子と少なくとも電気的に接触する第1の導電性部材と、前記第1の導電性部材よりも前記電機子の中心に近い位置で前記電機子と機械的かつ電気的に接続された第2の導電性部材と、前記第1及び第2の導電性部材を保持する絶縁部材と、を有し、前記第1及び第2の導電性部材を介して前記電機子に電流が流れることで作用する電磁力によって前記電機子が前記軸の方向に沿って移動することで、前記物体を加速して射出するものである。
一実施の形態にかかる射出システムは、上記の射出装置と、前記射出装置に電流を供給する電源装置と、前記電源装置からの前記電流の供給を制御する制御装置と、を有するものである。
一実施の形態にかかる梱包体は、上記の射出システムに搭載される梱包体であって、前記射出装置と、前記射出装置に取り付けられた前記物体と、前記射出装置と前記物体とを収納するケースと、を有し、前記射出システムに設けられた送り出し機構によって、前記射出システムに設けられた、前記ケース内の前記射出装置から前記物体を発射可能に構成された台座に送り出されるものである。
一実施の形態によれば、簡易な構成で安全に物体を射出できる射出装置、射出システム及び梱包体を提供することができる。
実施の形態1にかかる射出装置を含む射出システムの構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる射出システムが人工衛星に搭載される例を示す図である。 実施の形態1にかかる射出装置のY-Z断面における構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる射出装置のX-Y断面の構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる射出装置でのY-Z断面におけるパルス電流Idとパルス電流Idにより生じる磁場とを示す図である。 実施の形態1にかかる射出装置でのX-Y断面におけるパルス電流Idとパルス電流Idにより生じる磁場とを示す図である。 実施の形態2にかかる射出装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態2にかかる射出装置のX-Y断面の構成を模式的に示す図である。 制動部の他の例の断面構成を模式的に示す図である。 実施の形態3にかかる射出装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態3にかかる導電性伸縮機構の構成を示す図である。 実施の形態3にかかる射出装置でのパルス電流Idの流れを示す図である。 導電性伸縮機構が伸びきった場合の実施の形態3にかかる射出装置300を示す図である。 緩衝部材が設けられた導電性伸縮機構の構成を模式的に示す図である。 緩衝部材が設けられた導電性伸縮機構が伸びきった場合の構成を模式的に示す図である。 導電性伸縮機構の部材間を電気的に接触させる接触部の構成を模式的に示す図である。 実施の形態4にかかる射出装置の構成を模式的に示す図である。 導電性伸縮機構が伸びきった場合の実施の形態4にかかる射出装置を示す図である。 実施の形態5にかかる射出装置の構成を模式的に示す図である。 2つの導電性伸縮機構が伸びきった場合の実施の形態5にかかる射出装置を示す。 人工衛星に複数の梱包体を貯蔵する場合の構成を模式的に示す図である。 人工衛星にカートリッジ送出機構を設けた場合の構成を模式的に示す図である。 実施の形態7にかかる射出装置700をX方向に沿って見た場合の外観を模式的に示す図である。 実施の形態7にかかる射出装置700のX-Y断面の構成を模式的に示す図である。 実施の形態8にかかる射出装置をX方向に沿って見た場合の外観を模式的に示す図である。 実施の形態8にかかる射出装置のX-Y断面の構成を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
実施の形態1にかかる物体の射出装置について説明する。図1に、実施の形態1にかかる射出装置100を含む射出システム1000の構成を模式的に示す。射出システム1000は、射出装置100、電源装置101及び制御装置102を有する。
射出装置100は、導体からなる電機子にパルス電流Id(第1の電流とも称する)を供給し、それによって電機子に作用する電磁力(ローレンツ力)によって電機子を加速する。射出対象物は電機子に押されることで加速され、その結果、射出口から射出される。
電源装置101(第1の電源とも称する)は、射出装置100と接続される射出用電源装置であり、射出装置100にパルス電流Idを供給可能に構成される。
制御装置102は、例えばコンピュータなどで構成され、制御信号CONを与えることで電源装置101の動作を制御することができる。例えば、制御装置102は、電源装置101が射出装置100へパルス電流Idを供給するタイミングや期間、パルス電流Idの電流値などを制御することができる。これにより、制御装置102は、射出装置100から射出対象物が射出されるタイミングや射出対象物の射出速度を制御することができる。
射出システム1000は、例えば、人工衛星に搭載することが可能である。図2に、射出システムが人工衛星に搭載される例を示す。この例では、図2に示すように、射出システム1000に衝撃吸収装置103が追加された射出システム2000が人工衛星3000に搭載される。電源装置101は、人工衛星3000の電源であってもよい。また、電源装置101は、人工衛星3000の電源システムに結合され、人工衛星3000に設けられた太陽電池104などによって充電されてもよい。制御装置102は、人工衛星3000の制御装置に含まれていてもよいし、人工衛星3000の制御装置とは別の制御装置として設けられていてもよい。
衝撃吸収装置103は、射出装置100から物体PRが射出されるときの衝撃を緩和する装置である。衝撃吸収装置103は、ショックアブソーバなどを組み合わせた機構であってもよいし、物体の射出方向と反対方向にガスを噴射する装置であってもよい。
射出システム2000は、人工衛星3000に格納された物体を宇宙空間に射出することができる。例えば、複数の小型の人工衛星を人工衛星3000に予め格納しておき、必要に応じて、所定の方角に所定の速度で人工衛星(物体PR)を射出することができる。
次いで、射出装置100の構成及び動作について説明する。図3に、実施の形態1にかかる射出装置100のY-Z断面における構成を模式的に示す。図3では、紙面水平方向に平行なZ軸の正方向(紙面右方向、第1の方向とも称する)を物体PRの射出方向とする。また、Z方向に垂直な紙面鉛直方向をY方向(第3の方向とも称する)、Y方向及びZ方向に垂直な方向をX方向(第2の方向とも称する)とする。
射出装置100は、筒状部材1、導電ワイヤ2、絶縁板3、導電板4及び電機子5を有する。
筒状部材1(第1の導電性部材とも称する)は、例えばZ方向を軸方向とする円筒形状の導電性部材として構成される。本構成では、筒状部材1は電源装置101の正極と接続される。但し、筒状部材1は、円筒形状に限られるものではない。すなわち、筒状部材1の断面(図3のX-Y断面)形状は、円形に限られるものではなく、楕円形や、四角形を含む多角形などの、各種の形状としてもよい。また、筒状部材1を構成する部材には、軽量化のための孔などを設けてもよい。
筒状部材1の底部(Z(-)側の端部)には、絶縁板3(絶縁部材とも称する)が設けられる。図4に、図3に示すIV-IV線における射出装置100のX-Y断面の構成を模式的に示す。図4に示すように、X-Y断面においては、絶縁板3はリング形状の板状部材として構成され、絶縁板3の外周面は筒状部材1の内面に接している。
絶縁板3の中央の中空部には、導電板4(第3の導電性部材とも称する)が設けられている。導電板4は中央に導電ワイヤ2を挿通可能な孔が設けられた板状部材として構成され、導電板4の外周面は絶縁板3の内周面に接している。導電板4の中央部の孔には、導電ワイヤ2(第2の導電性部材とも称する)がZ方向に貫通するように挿通されている。これにより、導電ワイヤ2がZ方向に移動した場合でも、導電ワイヤ2と導電板4とは電気的な接触が維持されたままとなる。
なお、換言すれば、絶縁板3及び導電板4は、筒状部材1の中心軸を中心とするリング状部材として配置され、導電ワイヤ2は、筒状部材1の中心軸を軸としてZ方向に延在する導電性部材として構成される。
また、上記したように、筒状部材1と導電板4との間には絶縁板3が挿入されているので、筒状部材1と導電板4との間は電気的に絶縁されている。本構成では、導電板4は電源装置101の負極と接続される。
電機子5は、筒状部材1の内部に挿入される導電性部材であり、筒状部材1の中心軸を中心として筒状部材1の内面と接触する断面形状(X-Y断面)を有する。電機子5の射出口1A側(Z(+)側)の面には、射出対象の物体PRが配置される。電機子5の反対側(Z(-)側)の面には、導電ワイヤ2の端部が接続される。
次いで、射出装置100の動作について説明する。電源装置101から、パルス電流Idが射出装置100に供給されると、筒状部材1から電機子5を通じて導電ワイヤ2へパルス電流Idが流れる。図5に、Y-Z断面における射出装置100でのパルス電流Idとパルス電流Idにより生じる磁場Bとを示す。図6に、図5に示したVI-VI線のX-Y断面における射出装置100でのパルス電流Idとパルス電流Idにより生じる磁場とを示す。また、図5及び6では、図面を見やすくするため、電機子5については断面を示すハッチングを省略している。
この例では、パルス電流Idは、筒状部材1から電機子5を経て、X-Y断面の中心に位置する導電ワイヤ2に流れ込む。図5及び6では、簡略化のため、電機子5をY方向に沿って流れるパルス電流Idに注目して説明する。
図5及び6に示すように、パルス電流Idは、筒状部材1を流れ、電機子5へ流れ込む。そして、パルス電流Idは、導電ワイヤ2ではZ(-)方向へ流れる。このとき、導電ワイヤ2に流れるパルス電流Idにより、導電ワイヤ2の周囲(図6では時計回り)に磁場Bが発生する。
電機子5では、パルス電流Idが導電ワイヤ2の方向へ流れているので、電機子5にはパルス電流Idと磁場Bの磁場ベクトルとの外積ベクトルの方向であるZ(+)方向に、電磁力(ローレンツ力)Fが作用する。これにより、電機子5は、射出方向であるZ(+)方向へ加速される。
換言すれば、電機子5では、パルス電流Idは電機子5の中心軸に向かって流れ、かつ、磁場Bはパルス電流Idと常に直交することとなる。よって、パルス電流Idと磁場Bとの外積ベクトルの方向はZ(+)方向となる。つまり、電機子5に作用する電磁力(ローレンツ量)の方向は、電機子5を流れるパルス電流Idの方向にかかわらずZ(+)方向となる。
本構成では、電機子5の射出口1A側には、射出対象物である物体PRが配置される。ここでは、物体PRは、例えば小型の人工衛星である。射出装置100にパルス電流Idを供給すると、図5及び6を参照して説明したように、電機子5は初期位置SPから射出口1Aへ向けて加速される。これにより、物体PRは電機子5に押されて加速され、射出口1Aから射出される。
以上、本構成によれば、電磁力により物体を射出する射出装置を簡易な構成で実現することが可能である。本構成では、筒状部材1に磁場の発生と電機子のガイドとの両方を行わせることができるので、一般的な電磁力による射出装置のように、電機子に電流を供給する導電レールと導電レールを保持する筐体とを別々に設ける必要がない。また、本構成では、単純な構造の導電ワイヤを用いるだけで済む。よって、射出装置の構成を簡素化することが可能である。
また、パルス電流Idを制御することで、物体PRの射出速度を容易に調整することができる。よって、例えば射出装置100から人工衛星を射出する場合に、所望の周回軌道に向かって正確に人工衛星を投入することができる。
実施の形態2
実施の形態2にかかる物体の射出装置について説明する。射出装置は、射出対象物である物体のみを射出することが求められることが考え得る。例えば、宇宙空間に人工衛星などの物体を射出する場合、物体とともに電機子を射出してしまうと、電機子はスペースデブリとなるおそれが有る。また、宇宙空間でなくとも、射出された電機子による危害を防止することが求められる。そのため、電機子は射出装置から射出されることなく留まることが望ましい。
そこで、本実施の形態にかかる射出装置200では、筒状部材1の射出口1A側の内面には、射出口1A側へ向けて移動する電機子5を制動するための制動部が設けられる。
図7に、実施の形態2にかかる射出装置200の構成を模式的に示す。図7に示すように、制動部10は、筒状部材1の射出口1A側の内面から、筒状部材1の中心軸に向かって径方向に沿って突き出した制動部材10A及び10Bで構成される。よって、電機子5が射出口1A側へ向けて移動して制動部10に接触することで、電機子5が停止する。これにより、電機子5が射出口1Aから射出されることを確実に防止することができる。
制動部10は、電機子5を制動するときの衝撃を緩和するための緩衝機構を有してもよい。例えば、制動部10は、ゴム等の弾性を有する部材で構成してもよいし、バネ等の弾性体を含む機構によって電機子5を受け止める機構を有してもよい。これにより、電機子5を緩やかに減速し、電機子5が破損するおそれを低減することができる。
次いで、制動部10についてより詳細に説明する。図8に、図7に示したVIII-VIII線での射出装置200のX-Y断面の構成を模式的に示す。この例では、制動部10は、筒状部材1の内側の上下(Y方向)に設けられた制動部材10A及び10Bで構成される。制動部材10A及び10Bは、筒状部材1の内側の面から筒状部材1の中心軸へ向けて突き出している。これにより、電機子5が制動部10へ到達したときに制動部材10A及び10Bが電機子5を受け止め、電機子5が射出口1Aから飛び出すことを防止できる。
次に、制動部10の他の例ついて説明する。図9に、制動部10の他の例の断面構成を模式的に示す。この例では、制動部10は、筒状部材1の内面から筒状部材1の中心軸へ向けて突き出したリング状の部材として構成される。これにより、電機子5が制動部10へ到達したときに電機子5をより確実に受け止め、電機子5が射出口1Aから飛び出すことを防止できる。
以上、本構成によれば、制動部10によって電機子5を受け止めて、物体PRのみを安全に射出することができる。
また、電機子5は射出されないため、再利用が可能である。すなわち、射出対象物を再度筒状部材1に装填することで、射出装置200から連続的に物体を射出することが可能である。特に、物体の自動装填装置を射出装置200に取り付けることで、自動的かつ連続的に物体を射出することも可能である。
実施の形態3
実施の形態3にかかる物体の射出装置について説明する。図10に、実施の形態3にかかる射出装置300の構成を模式的に示す。射出装置300は、射出装置100の導電ワイヤ2及び導電板4を、導電性伸縮機構6(第2の導電性部材とも称する)に置換した構成を有する。
導電性伸縮機構6は、例えば、直径が異なる複数の相似形の筒状部材を組み合わせたテレスコピック構造として構成されてもよい。ここでは、導電性伸縮機構6が、直径が異なる3つの部材からなるテレスコピック構造を有する例について説明する。
図11に、実施の形態3にかかる導電性伸縮機構6の構成を示す。導電性伸縮機構6は、円筒部材61、円筒部材62及び心材63で構成される。
円筒部材61は、Z方向を軸とする円筒部材であり、Z(-)側の端部が、射出装置300の底部の絶縁板3によって保持されている。円筒部材61のZ(+)側の端部の内面からは、中心軸へ向けて返し61Aが突出している。
円筒部材62は、円筒部材61の内径よりも小さな外径を有する、Z方向を軸とする円筒部材である。円筒部材62のZ(+)側の端部の内面からは、中心軸へ向けて返し62Aが突出している。円筒部材62のZ(-)側の端部の外面からは、円筒部材61の内面へ向けて返し62Bが突出している。
心材63は、円筒部材62の内径よりも小さな外径を有する、Z方向を軸とする円筒部材又は断面が円形の棒状部材である。心材63のZ(-)側の端部の外面からは、円筒部材62の内面へ向けて返し63Bが突出している。心材63のZ(+)側の端部は、電機子5と電気的かつ機械的に接続される。
本構成では、返し61Aが円筒部材62の外面と機械的に接触し、返し62Bが円筒部材61の内面と機械的に接触することで、円筒部材62が円筒部材61によって保持され、かつ、円筒部材61と円筒部材62とが電気的に接触している。また、返し62Aが心材63の外面と機械的に接触し、返し63Bが円筒部材62の内面と機械的に接触することで、心材63が円筒部材62によって保持され、かつ、円筒部材62と心材63とが電気的に接触している。
次いで、射出装置300の動作について説明する。初めに、導電性伸縮機構6は、縮んだ状態となっており、図11に示すように、円筒部材62及び心材63の大部分は円筒部材61に収納されている。このときの電機子5の位置を初期位置SPとする。
図12に、実施の形態3にかかる射出装置300でのパルス電流Idの流れを示す。射出装置300にパルス電流Idが供給されると、パルス電流Idは筒状部材1をZ(+)方向へ流れ、その後電機子5の中心軸に向かって流れ、更にその後心材63に流れ込む。導電性伸縮機構6では、円筒部材61と円筒部材62との間と、円筒部材62と心材63との間とでは、パルス電流IdがY方向に沿って流れる箇所は有るものの、パルス電流Idは概ねZ(-)方向へ流れる。これにより、実施の形態1及び2にかかる射出装置と同様に、電機子5は、射出方向であるZ(+)方向へ加速される。
電機子5が加速されて移動すると、心材63は電機子5によってZ(+)方向に引っ張られる。よって、電機子5が移動するにつれて円筒部材62及び心材63が引き出され、導電性伸縮機構6が伸びることとなる。図13に、導電性伸縮機構6が伸びきった場合の射出装置300を示す。導電性伸縮機構6のテレスコピック構造が伸びきると、Z方向で対向する返しが機械的に接触する。本構成では、返し61Aと返し61Bとが接触し、返し62Aと返し63Bとが接触する。これにより、隣接する部材間の相対的な移動が停止するので、導電性伸縮機構6の伸びが停止する。その結果、導電性伸縮機構6に制動されて電機子5の移動が停止し、物体PRが射出される。
このときの機械的衝撃を緩和して導電性伸縮機構6の破損を防止するため、導電性伸縮機構6に設けられた返しには、緩衝部材を設けることが望ましい。また、2つの部材間の電気的接触を確実にするための部材を返しに設けることが望ましい。
図14に、緩衝部材が設けられた導電性伸縮機構6の構成を模式的に示す。図14に示すように、返し61A及び62AのZ(-)側の面には、それぞれ緩衝部材61C及び62Cが設けられている。返し62B及び63BのZ(+)側の面には、それぞれ緩衝部材62D及び63Dが設けられている。
図15に、緩衝部材が設けられた導電性伸縮機構6が伸びきった場合の構成を模式的に示す。緩衝部材61C、62C、62D及び63Dは、ゴムやZ方向を軸として配置されたバネなどの弾性体により構成される。導電性伸縮機構6が伸びて返し61Aと返し62Bとが接近した場合に、その間に設けられた緩衝部材61Cと緩衝部材62Dとが接触することで、伸びきったときの衝撃を緩和する。また、導電性伸縮機構6が伸びて返し62Aと返し63Bとが接近した場合に、その間に設けられた緩衝部材62Cと緩衝部材63Dとが接触することで、伸びきったときの衝撃を緩和する。これにより、機械的衝撃を緩和して導電性伸縮機構6の破損を防止することが可能となる。
また、円筒部材61と円筒部材62との間及び円筒部材62と心材63との間を確実に電気的に接触させるための機構を、導電性伸縮機構6に設けてもよい。図16に、導電性伸縮機構6の部材間を電気的に接触させる接触部の構成を模式的に示す。図16では、円筒部材61の返し61Aの先端に接触部64が設けられる。
接触部64は、円筒部材61の返し61AにY方向に穿たれた孔部64Aと、孔部64Aの長手方向(Y方向)を軸として配置されたバネ64Bと、バネ64Bの先端に設けられた導電プレート64Cと、を有する。
導電プレート64Cの端部は孔部64Aの内面と接触しており、かつ、導電プレート64Cはバネ64Bによって円筒部材62の外周面に押しつけられる。これにより、円筒部材61と円筒部材62との間の相対的位置が変化したとしても、導電プレート64Cは常に円筒部材61と円筒部材62と接触することとなる。その結果、円筒部材61と円筒部材62との間の電気的接触が確保される。
ここでは、返し61Aに接触部64が設けられる場合について説明したが、他の返し62A、62B及び63Bにも同様に接触部64を設けてもよいことは、言うまでもない。
以上、本構成によれば、実施の形態1及び2と同様に、電磁力により物体を射出する射出装置を簡易な構成で実現することができる。
また、本構成では、電機子5の位置が導電性伸縮機構6の伸縮範囲に限定される。そのため、導電性伸縮機構6が伸びきったときの位置で電機子5が停止する。これにより、実施の形態2で説明した制動部を設けることなく、射出装置300から射出対象の物体のみを射出することが可能となる。
本構成では、実施の形態1及び2にかかる射出装置と異なり、導電ワイヤ2が射出装置の底部(絶縁板3)よりもZ(-)側に突き出すことはない。そのため、本構成は射出装置の射出方向(Z方向)の寸法を削減できるので、射出装置を小型することが可能である。
実施の形態4
実施の形態4にかかる射出装置について説明する。実施の形態3では、導電性伸縮機構6は、絶縁板3側の部材の外径が大きく、電機子5側の部材の外径が小さいテレスコピック構造を有している例について説明した。これに対し、本実施の形態にかかる射出装置は、絶縁板3側の部材の外径が小さく、電機子5側の部材の外径が大きいテレスコピック構造により導電性伸縮機構が構成されるものである。
図17に、実施の形態4にかかる射出装置400の構成を模式的に示す。射出装置400は、射出装置300の導電性伸縮機構6を導電性伸縮機構7に置換した構成を有する。導電性伸縮機構7は、心材71、円筒部材72及び73で構成される。
心材71は、Z方向を軸とする円筒部材又が断面が円形の棒状部材である。心材71のZ(+)側の端部の外面からは、径方向に返し71Aが突出している。心材71のZ(-)側の端部は、射出装置400の底部の絶縁板3によって保持されている。
円筒部材72は、Z方向を軸とする、心材71の外径よりも大きな内径を有する円筒部材である。円筒部材72のZ(+)側の端部の外面からは、径方向に返し72Aが突出している。円筒部材72のZ(-)側の端部の内面からは、中心軸へ向けて径方向に返し72Bが突出している。
円筒部材73は、Z方向を軸とする、円筒部材72の外径よりも大きな内径を有する円筒部材である。円筒部材73のZ(+)側の端部は、電機子5と電気的かつ機械的に接続される。円筒部材73のZ(-)側の端部の内面からは、中心軸へ向けて径方向に返し73Bが突出している。
本構成では、返し71Aが円筒部材72の内面と機械的に接触し、返し72Bが心材71の外面と機械的に接触することで、円筒部材72が心材71によって保持され、かつ、心材71と円筒部材72とが電気的に接触している。また、返し72Aが円筒部材73の内面と機械的に接触し、返し73Bが円筒部材72の外面と機械的に接触することで、円筒部材73が円筒部材72によって保持され、かつ、円筒部材72と円筒部材73とが電気的に接触している。
また、導電性伸縮機構7は、導電性伸縮機構6と同様に、それぞれの返しに緩衝部材が取り付けられてもよい。本構成では、返し71A及び72AのZ(-)側の面には、それぞれ緩衝部材71C及び72Cが設けられている。返し72B及び73BのZ(+)側の面には、それぞれ緩衝部材72D及び73Dが設けられている。緩衝部材71C、72C、72D及び73Dは、ゴムやZ方向を軸として配置されたバネなどの弾性体により構成される。
次いで、射出装置400の動作について説明する。初めに、導電性伸縮機構7は、図17に示すように、縮んだ状態となっている。このときの電機子5の位置を初期位置SPとする。
射出装置400にパルス電流Idが供給されると、パルス電流Idは、筒状部材1ではZ(+)方向へ流れ、その後電機子5の中心軸の方向に流れ、更にその後円筒部材73に流れ込む。導電性伸縮機構7では、心材71と円筒部材72との間と、円筒部材72と円筒部材73との間とでは、パルス電流IdがY方向に沿って流れる箇所は有るものの、パルス電流Idは概ねZ(-)方向へ流れる。これにより、実施の形態1~3にかかる射出装置と同様に、電機子5は、射出方向であるZ(+)方向へ加速される。
電機子5が加速されて移動すると、円筒部材73は電機子5によってZ(+)方向に引っ張られる。よって、電機子5が移動するにつれて円筒部材72及び73が引き出され、導電性伸縮機構7が伸びることとなる。
図18に、導電性伸縮機構7が伸びきった場合の射出装置400を示す。導電性伸縮機構7が伸びて返し71Aと返し72Bとが接近した場合に、その間に設けられた緩衝部材71Cと緩衝部材72Dとが接触することで、伸びきったときの衝撃を緩和する。また、導電性伸縮機構6が伸びて返し72Aと返し73Bとが接近した場合に、その間に設けられた緩衝部材72Cと緩衝部材73Dとが接触することで、伸びきったときの衝撃を緩和する。これにより、機械的衝撃を緩和して導電性伸縮機構7の破損を防止しつつ、導電性伸縮機構7の伸びを停止させることができる。
なお、導電性伸縮機構7に設けられた返しのそれぞれには、導電性伸縮機構6と同様に、部材間を確実に電気的に接触させるための接触部64を設けてもよいことは言うまでもない。
以上、本構成によれば、実施の形態1~3と同様に、電磁力により物体を射出する射出装置を簡易な構成で実現することができる。
本構成では、実施の形態3と同様に、電機子5の位置が導電性伸縮機構7の伸縮範囲に限定される。そのため、導電性伸縮機構7が伸びきったときの位置で電機子5が停止する。これにより、実施の形態2で説明した制動部を設けることなく、射出装置400から射出対象の物体のみを射出することが可能となる。
また、本構成では、導電性伸縮機構7は、絶縁板3側の部材の径が小さく、電機子5の側の部材の径が大きな構成を有している。そのため、導電性伸縮機構7が伸びるにつれて、電機子5に作用するローレンツ力が小さくなる。よって、電機子5の制動を考慮すると、実施の形態3にかかる射出装置300に比べて、より容易に電機子5を停止させることができる。
本構成では、実施の形態3と同様に、導電ワイヤ2が射出装置の底部(絶縁板3)よりもZ(-)側に突き出すことはない。そのため、本構成は射出装置の射出方向(Z方向)の寸法を削減できるので、射出装置を小型することが可能である。
なお、本実施の形態では、導電性伸縮機構60は、絶縁板3側の部材の外径が小さく、電機子5側の部材の外径が大きいテレスコピック構造を有しているがこれは例示に過ぎない。導電性伸縮機構60は、導電性伸縮機構7と同様に、絶縁板3側の部材の外径が大きく、電機子5側の部材の外径が小さいテレスコピック構造を有していてもよい。また、導電性伸縮機構7に代えて、導電性伸縮機構6を設けてもよい。
実施の形態5
実施の形態5にかかる射出装置について説明する。実施の形態5にかかる射出装置は、実施の形態4にかかる射出装置の変形例として構成される。実施の形態3及び4では、射出装置がテレスコピック構造を有する伸縮可能な導電性伸縮機構を有する構成について説明した。これに対し、本実施の形態では。導電性の筒状部材を、テレスコピック構造を有する伸縮可能な導電性伸縮機構に置き換えた構成を有する射出装置について説明する。
図19に、実施の形態5にかかる射出装置500の構成を模式的に示す。射出装置500は、実施の形態4にかかる射出装置400の筒状部材1を、導電性伸縮機構60(第2の導電性部材)に置換した構成を有する。
導電性伸縮機構60は、導電性伸縮機構6の変形例として構成される。導電性伸縮機構60は、導電性伸縮機構6と同様に、円筒部材61、円筒部材62及び心材63の順で径が小さくなるテレスコピック構造を有している。導電性伸縮機構60では、円筒部材61、円筒部材62及び心材63の径が、導電性伸縮機構7の外径よりも大きくなるように構成されている。すなわち、心材63の内径が、導電性伸縮機構7の円筒部材73の外径よりも大きくなるように構成される。その結果、導電性伸縮機構60の各部材が、導電性伸縮機構7の外側に配置されることとなる。つまり、射出装置500は、導電性伸縮機構60が導電性伸縮機構7を内包する構成を有する。
換言すれば、射出装置500は、外側の導電性伸縮機構60と内側の導電性伸縮機構7とを組み合わせた伸縮機構によってその本体が構成される。
次いで、射出装置500に動作について説明する。パルス電流Idが供給されると、導電性伸縮機構60では、上述の実施の形態にかかる筒状部材1と同様に、概ねZ(+)方向にパルス電流が流れる。そのため、実施の形態1で説明したのと同様の磁場Bが生成される。これにより、射出装置500にパルス電流Idが供給されると、電機子5には射出方向(Z(+)方向)にローレンツ力が作用し、物体PRを加速することができる。
図20に、導電性伸縮機構60及び導電性伸縮機構7が伸びきった場合の射出装置500を示す。導電性伸縮機構60及び導電性伸縮機構7が射出方向(Z(+)方向)に伸びきると、電機子5の移動が停止する。その結果、物体PRは、射出方向(Z(+)方向)に射出されることとなる。
なお、本実施の形態では、説明の簡略化のため、実施の形態4で説明した緩衝部材及び接触部については説明を省略したが、実施の形態4と同様の緩衝部材及び接触部を射出装置500に設けてもよいことは、言うまでもない。
本構成によれば、射出装置の小型を実現することが可能となる。上述の実施の形態では、射出装置の軸方向(Z方向)の寸法は、電機子をガイドする筒状部材1の軸方向(Z方向)の寸法よりも小さくすることは原理的に困難である。これに対し、射出装置500では、軸方向に沿って伸縮可能な導電性伸縮機構60によって筒状部材1を置き換えている。そのため、導電性伸縮機構60及び導電性伸縮機構7を折りたたんだ状態とすることで、射出装置500の軸方向(Z方向)の寸法を上述の実施の形態にかかる射出装置と比べて小さくすることができる。
特に、射出装置500を人工衛星などの宇宙空間で用いる機器に搭載する場合、小型化による利点が大きいことが理解できる。
実施の形態6
実施の形態6にかかる射出システムについて説明する。実施の形態6にかかる射出システムは、上述の実施の形態にかかる射出装置を用い物体を連続的に射出する連射機能を有するものとして構成される。
上述したように、上述の実施の形態にかかる射出装置は比較的簡易な構成を有するため、例えば電機子に射出対象の物体を取り付けた状態で、ケースに梱包した梱包体として保管することが可能である。図21に、人工衛星に複数の梱包体を貯蔵する場合の構成を模式的に示す。図21に示す人工衛星6000は、図2に示した人工衛星3000の射出システム2000に台座105と収納部106とを追加した射出システム2001を有する。
台座105は、衝撃吸収装置103を含むものとして構成される。収納部106は、複数の梱包体600が収納されている。梱包体600のそれぞれには、1つの射出装置と、射出対象となる小型人工衛星などの物体とが予め格納されている。ここでは、梱包体600に射出装置100が格納されている例を示している。なお、梱包体600には、射出装置100以外の上述の実施の形態にかかる他の射出装置が格納されてもよいことは、言うまでもない。
梱包体600のそれぞれは、必要に応じて、様々な種類の物体を予め取り付けた射出装置を格納することが可能である。これにより、収納部106には異なる種類の物体が取り付けられた複数の梱包体600を収納することが可能となる。そして、物体の射出が必要になったときに、射出対象の種類の物体が格納された梱包体のケースを開梱し、射出システムの台座に設置して電源を接続することで、射出装置100から物体を発射可能な状態にすることができる。
以上、射出装置ごと交換を行うことで、比較的繁雑な物体の再装填を行うことなく、物体を連続的に射出することができる。
また、射出装置をケースに梱包してカートリッジ(上記の梱包体に対応)を構成し、複数のカートリッジが装填されたカートリッジ送出機構を設けてもよい。図22に、人工衛星にカートリッジ送出機構を設けた場合の構成を模式的に示す。図22に示す人工衛星6001は、図21に示した射出システム2001の収納部106をカートリッジ送出機構107に置換した射出システム2002を有する。
カートリッジ送出機構107は、射出装置100及び射出対象の物体が格納されたカートリッジ601が複数収納されている。カートリッジ送出機構107は、制御信号CONにより、動作が制御されてもよい。また、カートリッジ601には、射出装置100以外の上述の実施の形態にかかる他の射出装置が格納されてもよいことは、言うまでもない。
本構成では、カートリッジ送出機構107が、カートリッジ排出機構を有する台座105にカートリッジ601を送出する。カートリッジ601は、台座に保持された後に電源装置101と接続される。カートリッジ601の射出装置100から物体が射出された後、台座105は射出後のカートリッジ601を排出する。次いで、カートリッジ送出機構107が次のカートリッジ601を台座105へ送出することで、物体を連続的かつ自動的に射出することが可能となる。
本構成によれば、小型の人工衛星などの物体を任意の方角及び任意の速度で射出することができる、これにより、所望の機能を有する人工衛星を様々な軌道に適時に投入することができる。人工衛星から小型の人工衛星を宇宙空間に射出するのに要するエネルギーは、地上から小型衛星を打ち上げるエネルギーと比べて大幅に小さい。そのため、衛星投入のコストを削減することが可能である。
また、衛星打ち上げに比べて容易に小型衛星を射出できるため、小型衛星が必要となった適切な時期に、短時間の準備時間のみで人工衛星が格納された梱包体又はカートリッジを選択して、様々な機能を有する人工衛星を投入することができる。また、既存の衛星が故障するなどの不定期のイベントが生じた場合でも、バックアップ用の小型衛星を投入できるので、衛星システムの維持管理を容易にすることも可能である。
また、1回の打ち上げで複数の梱包体又はカートリッジを人工衛星に搬送して貯蔵することができるので、射出される人工衛星あたりの運用コストをさらに削減することが可能である。
また、例えば梱包体又はカートリッジを宇宙ステーションなどの有人施設に貯蔵する場合には、射出前に人工衛星を点検したり、用途に応じて人工衛星の設定などを変更することができる。よって、射出後の人工衛星の故障を防止でき、かつ、人工衛星の運用の柔軟性を向上させることができる。
実施の形態7
実施の形態7にかかる射出装置について説明する。実施の形態7にかかる射出装置700は、実施の形態1にかかる射出装置100の変形例であり、電機子の復座ないしは制動を行う機能が付加されたものである。図23に、実施の形態7にかかる射出装置700をX方向に沿って見た場合の外観を模式的に示す。図24に、図23に示すXXIV-XXIV線における射出装置700のX-Y断面の構成を模式的に示す。
射出装置700は、射出装置100の筒状部材1を筒状部材8に置換した構成を有する。筒状部材8は、軸方向(すなわち、射出方向又はZ方向)に延在する2本の切り欠き部81及び82が設けられている。切り欠き部81及び82は、筒状部材8の中心軸を挟んで対向するように設けられる。この例では、切り欠き部81がY(+)側に設けられ、切り欠き部82がY(-)側に設けられている。
切り欠き部81及び82には、それぞれ、筒状部材8の軸方向に延在する導電レール83及び84(それぞれ、第1及び第2の導電レールとも称する)が、筒状部材8の内側の電機子5と接触可能に設けられている。導電レール83及び84は、筒状部材8とは電気的に絶縁されている。導電レール83及び84と筒状部材8とを電気的に絶縁するには、導電レール83及び84と筒状部材8とを空間的に離隔させてもよいし、導電レール83及び84と筒状部材8との間に絶縁部材を挿入することで実現してもよい。また、導電レール83と導電レール84とは、互いに電気的に絶縁されている。
導電レール83の射出口8A側の端部は電源装置101とは別の電源装置(第2の電源とも称する)の正極と接続され、導電レール84の射出口8A側の端部は電源装置101とは別の電源装置(第2の電源)の負極と接続される。これにより、導電レール83及び84と電機子5とが接触している場合には、導電レール83から電機子を経て導電レール83に至る経路にパルス電流Ir(第2の電流とも称する)を流すことが可能となる。
射出装置700の動作について説明する。射出装置700は、言うまでもないが、筒状部材8から電機子5を経て導電ワイヤ2に至る経路にパルス電流Id(第1の電流)を流すことで、電機子5を加速して物体PRを射出口8Aから射出することができる。
その後、本構成では、加速用のパルス電流Id(第1の電流)の供給を停止した後、減速用のパルス電流Ir(第2の電流)を導電レール83及び84と電機子5とに流して、電機子5に射出方向とは逆の方向の電磁力Fを作用させることができる。以下、そのメカニズムについて説明する。
パルス電流Ir(第2の電流)を供給する電源装置(第2の電源)の電極は導電レール83及び84の射出口8A側の端部と接続されているので、パルス電流Ir(第2の電流)を流すと筒状部材8内の磁場Bの方向は図23の紙面の奥から手前に向かう方向(X(-)方向)となり、電機子5には射出方向とは逆方向(Z(-)方向)の電磁力Fが作用する。
これにより、パルス電流Id(第1の電流)の供給を停止した後に電機子5が射出口8Aへ向かって移動している場合には、パルス電流Ir(第2の電流)を供給することで、電機子5を制動することができる。これにより、電機子5が射出口8Aの外部へ飛び出すことを防止できる。
また、電機子5が停止している場合又は電機子5を制動して停止させた場合には、パルス電流Ir(第2の電流)を供給することで、電機子5を初期位置SPへ復座させることができる。その後、他の物体を電機子5に取り付けることで、再度物体を射出することも可能となる。
以上、本構成によれば、射出口の端部が電源装置と接続された2本の導電レールにパルス電流を供給することで、電機子に射出方向とは反対方向の電磁力を作用させることができる。これにより、電機子を制動し、又は復座させることが可能となる。
実施の形態8
実施の形態8にかかる射出装置について説明する。実施の形態8にかかる射出装置800は、実施の形態1にかかる射出装置100の変形例であり、電機子の復座ないしは制動を行う機能が付加されたものである。図25に、実施の形態8にかかる射出装置800をX方向に沿って見た場合の外観を模式的に示す。図26に、図25に示すXXVI-XXVI線における射出装置800のX-Y断面の構成を模式的に示す。
射出装置800は、射出装置100の筒状部材1を筒状部材9に置換した構成を有する。筒状部材9は、軸方向(すなわち、射出方向又はZ方向)に延在する複数の切り欠き部90が設けられており、これにより、筒状部材9の位置BPから射出口9Aまでの筒状部材9は複数の電極に分割されることとなる。この例では、筒状部材9は、位置BPから射出口9Aまでの間では、X-Y断面において、最もX(+)側の位置から時計回り方向の円周上に配列された16本の電極E1~E16に分割されている。
そして、1以上の電極からなる第1の電極の組の射出口9A側の端部が電源装置101とは別の電源装置(第2の電源とも称する)の正極及び負極の一方と接続される。第1の電極の組に対向する位置に配置された1以上の電極からなる第2の電極の組の射出口9A側の端部が電源装置101とは別の電源装置(第2の電源)の正極及び負極の他方と接続される。
図26においては、Y(+)側に配置された電極E4~E6が電源装置101とは別の電源装置(第2の電源)の正極と接続され、Y(-)側に配置された電極E12~E14が電源装置101とは別の電源装置(第2の電源)の負極と接続されている。
射出装置800の動作について説明する。射出装置800は、言うまでもないが、筒状部材9から電機子5を経て導電ワイヤ2に至る経路にパルス電流Id(第1の電流)を流すことで、電機子5を加速して物体PRを射出口9Aから射出することができる。
その後、本構成では、加速用のパルス電流Id(第1の電流)の供給を停止した後、減速用のパルス電流Ir(第2の電流)を電極E4~E6及びE12~E14と電機子5とに流して、電機子5に射出方向とは逆の方向の電磁力Fを作用させることができる。以下、そのメカニズムについて説明する。
パルス電流Ir(第2の電流)を供給する電源装置(第2の電源)の電極は電極E4~E6及びE12~E16の射出口9A側の端部と接続されているので、パルス電流Ir(第2の電流)を流すと筒状部材9内の磁場Bの方向は図25の紙面の奥から手前に向かう方向(X(-)方向)となり、電機子5には射出方向とは逆方向(Z(-)方向)の電磁力Fが作用する。
なお、Y(+)側に配置された電極E4~E6とY(-)側に配置された電極E12~E14とは、筒状部材9の基部91、すなわち位置BPにおいて連結されているので、互いに絶縁されてはいない。しかしながら、電極E4~E6及びE12~E16にパルス電流を供給すれば、電極E4~E6から筒状部材の基部91を介して電極E12~E16に漏れ出す電流を抑制することができる。その結果、パルス電流Irは、実質的に電極E4~E6から電機子5を経て電極E12~E16に至る経路を流れることとなる。
これにより、パルス電流Id(第1の電流)の供給を停止した後に電機子5が射出口9Aへ向かって移動している場合には、パルス電流Ir(第2の電流)を供給することで、電機子5を制動することができる。これにより、電機子5が射出口9Aの外部へ飛び出すことを防止できる。
また、電機子5が停止している場合又は電機子5を制動して停止させた場合には、パルス電流Ir(第2の電流)を供給することで、電機子5を初期位置SPへ復座させることができる。その後、他の物体を電機子5に取り付けることで、再度物体を射出することも可能となる。
以上、本構成によれば、射出口の端部が電源装置と接続された分割電極にパルス電流を供給することで、電機子に射出方向とは反対方向の電磁力を作用させることができる。これにより、電機子を制動し、又は復座させることが可能となる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態では、物体PRの例として小型衛星を挙げたが、物体PRはこの例に限られない。
射出装置は、宇宙空間だけでなく、地上ないしは大気中において用いることも可能である。例えば、射出装置から離れた位置に物体を運搬するために用いてもよい。例えば、射出装置に、コンテナや袋に食料や日用品等の各種の物品を収めた物体を装填して射出することも可能である。また、射出された物体に、射出後に展開するパラシュート等を取り付けてもよい。この場合、例えば、自然災害等により孤立した場所に、離隔した位置から当該場所へ向けて、上記したような物品が収められた物体を容易に送り届けることができる。さらに、上記したように、上述の実施の形態にかかる射出装置は、連続的な物体の射出が可能であるので、広範囲に複数の物体を迅速に散布することも可能である。
また、電源が確保できるならば、上述の実施の形態にかかる射出装置は、屋外、建物の内部や屋上、車両、船舶及び航空機などの移動体など、任意の場所に設置することが可能である。
物体を射出した後の電機子は、導電レールに直流電流を流して、電機子に射出時とは反対方向の電磁力(ローレンツ力)を作用させることで、容易に初期位置SPへ復座させることが可能であるのは、言うまでもない。
射出装置としては、バネなどの弾性体によって物体を射出する機構も考えうる。しかし、弾性体を用いる場合には、物体を射出した後に、弾性体を復座させる際に大きな力を要することとなり、専用の機構を設ける必要がある。これに対し、上述の実施の形態にかかる射出装置では、電機子を容易に復座させることができる点で、有利である。
上述の実施の形態では、導電ワイヤ2を有する構成について説明したが、導電ワイヤ2に代えて、Z方向に延在する導電性の柱状部材を用いてもよい。柱状部材を用いることで物体の出射速度が高速である場合でも対応することが可能となる。
上述の実施の形態では、導電性伸縮機構が円筒部材又は円形断面の柱状部材で構成されるものとして説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、導電性伸縮機構は、円筒部材以外の断面形状を有する筒状部材又は柱状部材で構成されてもよい。また、ラチス構造や蛇腹構造などの他の構造を用いて導電性伸縮機構を構成してもよい。
上述の実施の形態では、射出装置にパルス電流が流れるものとして説明したが、電流はパルス電流に限定されるものではない。射出装置には、例えば直流電流を流してもよい。
実施の形態3及び4では、Z方向に対向するように配置された2つの緩衝部材のペアを設ける構成について説明したが、これは例示に過ぎない。所望の緩衝機能を確保できるならば、導電性伸縮機構に複数設けられた2つの緩衝部材のペアの一部又は全部について、いずれか一方の緩衝部材のみを配置する構成としてもよい。
上述の実施の形態3~5では、導電性伸縮機構が3段階テレスコピック構造を有する底について説明したが、これは例示に過ぎず、2段階又は4段階以上のテレスコピック構造を適用してもよい。4段階以上のテレスコピック構造を適用する場合には、例えば、単一の部材である円筒部材62及び円筒部材72を、円筒部材62及び円筒部材72と相似する形状を有する2以上の部材で構成された2段階以上のテレスコピック構造に置換すればよい。
上述の実施の形態では、制動部を設けることにより、及び、導電性伸縮機構が伸びきることにより電機子を制動する例について説明したが、電機子の制動はこれに限られない。例えば、電機子が移動を開始してから所定時間経過後、パルス電流の向きを反転させて電機子に作用する電磁力の方向を反転させることで、電機子を制動してもよい。
上述の実施の形態1~5では、物体を射出した後、電機子を初期位置に復座させ、かつ、物体を再度電機子に取り付けることで、すなわち物体を再装填することで、物体を複数回射出することが可能であることは、言うまでもない。
実施の形態6では、射出装置及び物体と梱包体又はカートリッジに収納され、物体が射出されるごとに射出装置ごと交換を行う例について説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、梱包体から取り出して射出システムに設置した射出装置から物体を射出した後、再度物体を射出装置の電機子に取り付けて、すなわち物体を再装填して、再び物体を射出することも可能である。また、射出システムに射出装置を固定的に配置し、物体の射出を行うたびに物体を電機子に取り付ける、すなわち物体を装填してもよいことは、言うまでもない。
実施の形態7では、筒状部材の中心軸に対して対向配置された2本の導電レール84及び84が設けられるものとして説明したが、この構成に限られるものではない。すなわち、筒状部材の切り欠き部をさらに設け、かつ、対向配置された2本の導電レール83及び84からなる導電レール対を複数設ける構成としてもよい。
実施の形態7にかかる射出装置700は実施の形態1にかかる射出装置100の変形例として説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、実施の形態2~4にかかる射出装置において、筒状部材1に代えて、実施の形態7にかかる導電性レール83及び84と筒状部材8とを設けて、電機子5を制動又は復座させる構成を実現できることは言うまでもない。また、これらの射出装置を、射出装置100の代わりに実施の形態6にかかる人工衛星6000及び6001に搭載してもよいことも、言うまでもない。
実施の形態8では、筒状部材が16本の電極に分割される例について説明したが、分割数はこの例に限られず、16本以外の複数の電極に分割してもよい。但し、対向して配置される電極の組を少なくとも2つ設ける必要があるため、筒状部材は4本以上の偶数本の電極に分割されることが望ましい。
実施の形態8にかかる射出装置800は実施の形態1にかかる射出装置100の変形例として説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、実施の形態2~4にかかる射出装置において、筒状部材9のように複数の電極に分割して、電機子5を制動又は復座させる構成を実現できることは言うまでもない。また、これらの射出装置を、射出装置100の代わりに実施の形態6にかかる人工衛星6000及び6001に搭載してもよいことも、言うまでもない。
1、8 筒状部材
1A、8A 射出口
2 導電ワイヤ
3 絶縁板
4 導電板
5 電機子
6、7、60 導電性伸縮機構
10 制動部
10A 部材
60 導電性伸縮機構
61、62、72、73 円筒部材
61A、62A、62B、63B、71A、72A、72B、73B 返し
61C、62C、62D、63D、71C、72C、72D、73D 緩衝部材
63、71 心材
64 接触部
64A 孔部
64B バネ
64C 導電プレート
81、82、90 切り欠き部
83、84 導電性レール
91 基部
100、200、300、400、500、700、800 射出装置
101 電源装置
102 制御装置
103 衝撃吸収装置
104 太陽電池
105 台座
106 収納部
107 カートリッジ送出機構
600 梱包体
601 カートリッジ
1000、2000、2001、2002 射出システム
3000、6000、6001 人工衛星
B 磁場
CON 制御信号
E1~E16 電極
Id、Ir パルス電流
PR 物体
SP 初期位置

Claims (30)

  1. 射出対象物である物体と独立して設けられた、前記物体の射出方向に沿った軸を中心とする電機子と、
    前記電機子と少なくとも電気的に接触する第1の導電性部材と、
    前記第1の導電性部材よりも前記電機子の中心に近く、かつ、前記電機子を挟んで前記物体と対向する位置で前記電機子と機械的かつ電気的に接続された第2の導電性部材と、
    前記第1及び第2の導電性部材を保持する絶縁部材と、を備え、
    前記第1及び第2の導電性部材を介して前記電機子に第1の電流が流れることで作用する電磁力によって前記電機子が前記軸の方向に沿って移動することで、前記電機子が前記物体を前記軸の方向に押すことで、前記物体を加速して射出する、
    射出装置。
  2. 前記第1の導電性部材は、前記第1の電流を供給する第1の電源の正極及び負極の一方と電気的に接続され、
    前記第2の導電性部材は、前記第1の電源の正極及び負極の他方と電気的に接続される、
    請求項1に記載の射出装置。
  3. 前記第1の導電性部材は、前記軸の方向に延在する筒状部材として構成され、
    前記電機子が前記筒状部材の内面と接触することで、前記筒状部材が前記電機子の前記軸の方向に沿った移動をガイドする、
    請求項2に記載の射出装置。
  4. 前記筒状部材の軸を挟んで対向するように前記筒状部材に設けられた、前記筒状部材の軸方向に延在する2本の切り欠き部と、
    前記2本の切り欠き部の一方に配置された、前記筒状部材の軸方向に延在する第1の導電レールと、
    前記2本の切り欠き部の他方に配置された、前記筒状部材の軸方向に延在する第2の導電レールと、を備え、
    前記第1及び第2の導電レールを介して前記電機子に第2の電流が流れることで、前記電機子には、前記第1及び第2の導電性部材を介して前記電機子に前記第1の電流が流れることで作用する前記電磁力とは反対方向の電磁力が作用する、
    請求項3に記載の射出装置。
  5. 前記物体が射出される射出口の側の前記第1の導電レールの端部は、前記第2の電流を供給する第2の電源の正極及び負極の一方と接続され、
    前記第2の導電レールの前記射出口の側の端部は、前記第2の電源の正極及び負極の他方と接続される、
    請求項4に記載の射出装置。
  6. 前記筒状部材は、前記物体が射出される射出口の側の端部から前記筒状部材の軸方向に沿って延在する複数の切り欠き部が設けられることで、前記筒状部材の軸方向に沿って延在する複数の電極に分割され、
    前記複数の電極のうちの1以上の電極からなる第1の電極の組と、
    前記第1の電極の組に対して前記筒状部材の軸を挟んで対向する、前記複数の電極のうちの1以上の電極からなる第2の電極の組と、が構成され、
    前記第1及び第2の電極の組を介して前記電機子に第2の電流が流れることで、前記電機子には、前記第1及び第2の導電性部材を介して前記電機子に前記第1の電流が流れることで作用する前記電磁力とは反対方向の電磁力が作用する、
    請求項3に記載の射出装置。
  7. 前記第1の電極の組に含まれる電極の前記射出口の側の端部は、前記第2の電流を供給する第2の電源の正極及び負極の一方と接続され、
    前記第2の電極の組に含まれる前記射出口の側の端部は、前記第2の電源の正極及び負極の他方と接続される、
    請求項6に記載の射出装置。
  8. 前記第1の電流の供給が停止した後に、前記第2の電流が供給される、
    請求項4乃至7のいずれか一項に記載の射出装置。
  9. 前記絶縁部材に保持された第3の導電性部材、をさらに備え、
    前記第2の導電性部材は、前記軸を中心軸として前記軸の方向に沿って延在する導電性部材として構成され、
    前記第2の導電性部材は、前記第3の導電性部材によって前記軸の方向に移動可能に保持され、かつ、前記第3の導電性部材を介して前記第1の電源と電気的に接続される、
    請求項3乃至8のいずれか一項に記載の射出装置。
  10. 前記電磁力によって移動する前記電機子を制動する制動部、をさらに備える、
    請求項3乃至9のいずれか一項に記載の射出装置。
  11. 前記制動部は、
    前記物体が射出される前記筒状部材の内面から前記筒状部材の中心軸へ向かって突き出した制動部材を備え、
    前記電機子が前記制動部材に機械的に接触することで、前記電機子が制動される、
    請求項10に記載の射出装置。
  12. 前記制動部材は、前記電機子と接触したときの衝撃を緩和する緩衝機構を備える、
    請求項11に記載の射出装置。
  13. 前記第1の導電性部材は、一端が前記絶縁部材に固定され、他端が前記電機子と機械的及び電気的に接続される、前記軸の方向に沿って伸縮可能な部材として構成される、
    請求項1又は2に記載の射出装置。
  14. 前記第1の導電性部材は、前記軸を中心軸として設けられた互いに径が異なる複数の部材で構成される、前記軸の方向に沿って伸縮可能なテレスコピック構造を有し、
    前記複数の部材のうちで最大の径を有する部材及び最小の径を有する部材の一方が前記絶縁部材に固定され、他方が前記電機子と機械的及び電気的に接続される、
    請求項13に記載の射出装置。
  15. 前記第1の導電性部材の前記複数の部材のそれぞれは前記軸を中心軸とする筒状部材として構成され、又は、前記最小の径を有する部材は前記軸を中心軸とする柱状部材として構成され、かつ、他の部材のそれぞれは前記軸を中心軸とする筒状部材として構成される、
    請求項14に記載の射出装置。
  16. 前記第1の導電性部材を構成する前記複数の部材のそれぞれは、前記軸の方向と直交する方向に突き出した返しを有し、
    前記第1の導電性部材が伸びるときに隣接する2つの前記部材に設けられた2つの前記返し同士が機械的に接触することで、前記隣接する2つの部材の間の相対的な移動が停止する、
    請求項14又は15のいずれか一項に記載の射出装置。
  17. 前記2つの返しの一方又は両方には、機械的接触による衝撃を緩和する緩衝部材が設けられ、
    前記第1の導電性部材が伸びるときに、前記2つの返しの一方と前記2つの返しの他方に設けられた前記緩衝部材とが機械的に接触することで、又は、前記2つの返しの一方に設けられた前記緩衝部材と前記2つの返しの他方に設けられた前記緩衝部材とが機械的に接触することで、前記隣接する2つの部材の間の相対的な移動が停止する、
    請求項16に記載の射出装置。
  18. 前記第1の導電性部材の前記複数の部材のそれぞれに設けられた前記返しには、当該返しが設けられた部材に電気的に接触している導電性部材を、隣接する部材に押しつけて電気的に接触させる接触部が設けられる、
    請求項16又は17に記載の射出装置。
  19. 前記第2の導電性部材は、一端が前記絶縁部材に固定され、他端が前記電機子と機械的及び電気的に接続される、前記軸の方向に沿って伸縮可能な部材として構成される、
    請求項1乃至8及び13乃至18のいずれか一項に記載の射出装置。
  20. 前記第2の導電性部材は、前記軸を中心軸として設けられた互いに径が異なる複数の部材で構成される、前記軸の方向に沿って伸縮可能なテレスコピック構造を有し、
    前記複数の部材のうちで最大の径を有する部材及び最小の径を有する部材の一方が前記絶縁部材に固定され、他方が前記電機子と機械的及び電気的に接続される、
    請求項19に記載の射出装置。
  21. 前記第2の導電性部材の前記複数の部材のそれぞれは前記軸を中心軸とする筒状部材として構成され、又は、前記最小の径を有する部材は前記軸を中心軸とする柱状部材として構成され、かつ、他の部材のそれぞれは前記軸を中心軸とする筒状部材として構成される、
    請求項20に記載の射出装置。
  22. 前記第2の導電性部材を構成する前記複数の部材のそれぞれは、前記軸の方向と直交する方向に突き出した返しを有し、
    前記第2の導電性部材が伸びるときに隣接する2つの前記部材に設けられた2つの前記返し同士が機械的に接触することで、前記隣接する2つの部材の間の相対的な移動が停止する、
    請求項20又は21に記載の射出装置。
  23. 前記2つの返しの一方又は両方には、機械的接触による衝撃を緩和する緩衝部材が設けられ、
    前記第2の導電性部材が伸びるときに、前記2つの返しの一方と前記2つの返しの他方に設けられた前記緩衝部材とが機械的に接触することで、又は、前記2つの返しの一方に設けられた前記緩衝部材と前記2つの返しの他方に設けられた前記緩衝部材とが機械的に接触することで、前記隣接する2つの部材の間の相対的な移動が停止する、
    請求項22に記載の射出装置。
  24. 前記第2の導電性部材の前記複数の部材のそれぞれに設けられた前記返しには、当該返しが設けられた部材に電気的に接触している導電性部材を、隣接する部材に押しつけて電気的に接触させる接触部が設けられる、
    請求項22又は23に記載の射出装置。
  25. 前記電機子が前記軸の方向に沿って移動を開始してから所定時間経過後、前記第1の電流の向きを反転させることで、前記電機子を制動する、
    請求項1乃至24のいずれか一項に記載の射出装置。
  26. 請求項1乃至25のいずれか一項に記載の射出装置と、
    前記射出装置に電流を供給する電源装置と、
    前記電源装置からの前記電流の供給を制御する制御装置と、を備える、
    射出システム。
  27. 前記射出装置と前記物体とは、前記射出装置と前記物体とがケースに収納された梱包体として前記射出システムに搭載される、
    請求項26に記載の射出システム。
  28. 前記梱包体を、前記梱包体に収納された前記射出装置から前記物体を発射可能に構成された台座と、
    前記台座に前記梱包体を送り出す梱包体送り出し機構と、を有する、
    請求項27に記載の射出システム。
  29. 前記射出装置は、1つの物体を射出した後に、他の物体を前記電機子に取り付け可能に構成される、
    請求項26に記載の射出システム。
  30. 請求項26に記載の射出システムに搭載される梱包体であって、
    前記射出装置と、
    前記射出装置に取り付けられた前記物体と、
    前記射出装置と前記物体とを収納するケースと、を備え、
    前記射出システムに設けられた送り出し機構によって、前記射出システムに設けられた、前記ケース内の前記射出装置から前記物体を発射可能に構成された台座に送り出される、
    梱包体。
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