JP7264498B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
パチンコ機やスロットマシン等に代表される遊技機には、演出ボタンを3D画像で構成し、その態様によって大当り当選期待度を示唆するものがある(例えば、特許文献1)。
また、演出ボタンを操作するタイミングに応じて行われる演出によって大当り当選期待度を示唆するものがある(例えば、特許文献2)。
特開2019-115451号公報 特開2014-094958号公報
何れも演出ボタンに関連する演出によって大当り当選期待度を示唆しているが、遊技の興趣を高める観点において依然として改良の余地がある。
さらに、演出に裸眼での立体視が可能な画像を用いる場合、遊技の興趣を高めるはずの立体視画像の表示方法に種々の問題点があり依然として改良の余地がある。
よって、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大当りに係る期待度を示唆する演出態様の表示内容、表示方法を改良することで遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供するものである。
本発明によれば、右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、前記表示制御手段は、特定の操作手段への操作を促す画像であり且つ前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像を表示させることが可能であり、前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像となる表示態様が少なくとも含まれ、前記表示制御手段は、さらに、前記視差画像である所定の視差画像を表示させることが可能であり、前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、前記画像表示手段に前記視差画像を表示させていない状態において前記所定の視差画像を表示させ、更に、当該所定の視差画像の表示を開始させた第一タイミングより後の第二タイミングに前記視差画像となる表示態様の前記特定報知画像を表示させ、前記視差画像となる表示態様の前記特定報知画像の表示期間を、前記所定の視差画像の表示期間の一部と重複させ、前記第二タイミングの後に、前記特定の操作手段への操作受付期間が開始され、前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像を表示させることが可能であり、前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像が前記視差画像と重ねて表示されない、ことを特徴とする遊技機が提供される。
所定の視差画像の表示により、視差画像となる特定報知画像を認識させ易くすることができ、さらに、立体視を伴わない別報知画像を認識させ易くすることができる。
図1は、遊技機の正面図である。 図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置を示す図である。 図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図である。 図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 図5は、メイン表示部のディスプレイの構造を示す図である。 図6は、遊技機の背面図である。 図7は、遊技機が備える制御構成を示すブロック図である。 図8は、遊技機が備える機能構成を示すブロック図である。 図9(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを、図9(b)は、特図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを、図9(c)は、特図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図10(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図変動パターン導出用の抽選テーブルを、図10(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図11(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図11(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。 図12(a)及び図12(b)は、メイン表示部81の表示領域に、演出ボタンの操作を促す際の画面イメージを示す図である。 図13は、本実施形態に係る裸眼立体視の原理を示す図である。 図14-1は、メイン表示部81の画面イメージを示す図である。 図14-2は、メイン表示部81の画面イメージを示す図である。 図15は、演出内容決定処理の処理フローを示す図である。 図16(a)は、会話予告を行うか否かの決定用抽選テーブルを、図16(b)は、ボタン操作演出を行うか否かの決定用抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図17(a)は、会話予告(1)の内容決定用抽選テーブルを、図17(b)は、会話予告(2)の内容決定用抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図18は、ボタン操作演出のボタン態様の決定用抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図19(a)は、ボタン操作演出でボタン操作があった場合の表示態様の決定用抽選テーブルを、図19(b)は、ボタン操作演出でボタン操作がなかった場合の表示態様の決定用抽選テーブルを、模式的に示す図である。 図20は、ボタン操作演出でボタン操作があった場合のタイミングチャートを示す図である。 図21は、ボタン操作演出でボタン操作がなかった場合のタイミングチャートを示す図である。 図22は、別操作要求演出でボタン操作があった場合のタイミングチャートを示す図である。 図23は、別操作要求演出でボタン操作がなかった場合のタイミングチャートを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球(遊技媒体)の獲得量(遊技球の払い出しに限らず、メダルの払い出しを含む)に関して有利であることを指す。
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
第一の本発明は、
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像(例えば、ボタン画像2bgまたはボタン画像3bgが相当)を表示させることが可能であり、
前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像(例えば、ボタン画像3bgが相当)となる表示態様(例えば、ボタン画像3bgが相当)が少なくとも含まれ、
前記表示制御手段は、さらに、
前記視差画像でありかつ前記視差画像となる前記特定報知画像よりも表示される表示領域が広い所定の視差画像(例えば、キャラクタ画像3cgが相当)を表示させることが可能であり、
前記視差画像となる前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、当該特定報知画像を前記所定の視差画像の手前に重ねて表示させ(例えば、図14-2(f)が相当)、
前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像(例えば、図14-1(b)~(d)が相当)を表示させることが可能であり、
前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像が前記視差画像と重ねて表示されない、
ことを特徴とする遊技機である。
第一の本発明によれば、所定の視差画像の表示により、視差画像となる特定報知画像を立体的に認識させ易くすることができ、さらに、立体視を伴わない別報知画像を認識させ易くすることができる。
第二の本発明は、
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像(例えば、ボタン画像2bgまたはボタン画像3bgが相当)を表示させることが可能であり、
前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像(例えば、ボタン画像3bgが相当)となる表示態様が少なくとも含まれ、
前記表示制御手段は、さらに、
前記視差画像である所定の視差画像(例えば、キャラクタ画像3cgが相当)を表示させることが可能であり、
前記視差画像となる前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、当該特定報知画像の表示開始前に前記所定の視差画像の表示を開始させ(例えば、図20が相当)、
前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像(例えば、図14-1(b)~(d)が相当)を表示させることが可能であり、
前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像の表示開始前に前記視差画像が表示されない、
ことを特徴とする遊技機である。
第二の本発明によれば、所定の視差画像を先に表示させることで、視差画像を立体的に見える状況にした上で視差画像となる特定報知画像を視認させ易くすることができ、さらに、立体視を伴わない別報知画像を認識させ易くすることができる。
ここで、後述する本実施形態において、メイン表示部81に表示する画像として、平面状に表示する画像を『平面画像』または『2D画像』と表現することがある。また、特に言及せず画像と記載している場合は、平面状に表示する画像である。
一方、メイン表示部81に表示する画像として、立体的に表示する画像を『視差画像』、『立体画像』または『3D画像』と表現することがある。また、立体的に表示する画像は詳細は後述するが、視差バリアを用いた方式等、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させる方式であれば、いずれの方式を採用してもよい。
ここで、後述する本実施形態において、特定報知画像は、演出ボタンの操作を促す2Dで表示されたボタン画像(ボタン画像2bg)または演出ボタンの操作を促す3Dで表示されたボタン画像(ボタン画像3bg)としたがこれに限らない。例えば、演出ボタンの操作有効時間を示す2Dで表示されたメータ画像(メータ画像2mg)または演出ボタンの操作有効時間を示す3Dで表示されたメータ画像(メータ画像3mg)でもよい。また、演出ボタンに関する画像ではなく、保留表示画像、予告画像などメイン表示部81に表示される演出画像であれば他の画像でもよい。
ここで特定報知画像によって報知される大当りに係る期待度には、報知対象となる図柄変動において大当りに当選する期待度に限られず、当該大当りが確変大当りである期待度、当該大当りの出玉数(ラウンド数の大小)に係る期待度、報知対象となる図柄変動が大当りであることに加えて保留されている図柄変動の中に大当りに当選するものが更に含まれる期待度(いわゆる保留連に係る期待度)、なども含まれる。
後述する本実施形態において、所定の視差画像はキャラクタ画像(キャラクタ画像3cg)が相当し、当該キャラクタ画像を表示させた後に視差画像となる特定報知画像(ボタン画像3bg)を表示するとしたがこれに限らない。すなわち、視差画像となる特定報知画像が表示されているときと重なるタイミングに所定の視差画像が表示されれば足り、所定の視差画像と特定報知画像の表示が開始されるタイミングの前後は問わない。
また、後述する本実施形態において、所定の視差画像(キャラクタ画像3cg)の手前に視差画像となる特定報知画像(ボタン画像3bg)を重ねて表示するとしたがこれに限らない。すなわち、視差画像となる特定報知画像が、所定の視差画像に重ならない(表示位置が異なる)表示態様や、所定の視差画像の奧方に重なる表示態様、であることを許容する。
さらに、後述する本実施形態では、パチンコ機に本発明を適用した例を示すが、本発明は、所定数のメダルを使用することで複数のリールを回転させる遊技(図柄変動)を実行し、当該遊技において遊技演出(変動演出)を実行し、当該遊技の結果(当該複数のリールの停止態様)に基づいてメダルを払い出すスロットマシンに適用することも可能である。
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
<遊技機10の構造について>
まず、図1~図6を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、図6は、遊技機10の背面図である。
なお、図1から図6に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれても良い。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
なお、図1~図6において図示は省略するが、中枠17には、中枠17が外枠15に対して開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する中枠開扉センサ76と、中枠17に対して前枠20が開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する前枠開扉センサ77と、を有している。本実施形態において、これらの開扉センサは、いずれも、開放状態でONとなり、閉鎖状態でOFFとなる。ただし、これらの開扉センサは、開放状態でOFFとなり、閉鎖状態でONとなるように構成されてもよい。
これにより、遊技機10が、中枠17の外枠15に対する開閉状態、および前枠20の中枠17に対する開閉状態の双方を検知することができる。
また、図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(上カーソルボタン38a、下カーソルボタン38b、左カーソルボタン38c、右カーソルボタン38d、中カーソルボタン38e)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上カーソルボタン38aおよび下カーソルボタン38bは、スピーカ33から出音される音声の音量を調整するために、左カーソルボタン38cおよび右カーソルボタン38dは、枠ランプ35および演出表示装置80等の輝度を調整するために、中カーソルボタン38eは、演出モードを切り替えるために操作される。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ枠ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や枠ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声の出音または点灯若しくは消灯することができる。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cについては、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
ここで、図5を用いてメイン表示部81について説明する。
図5において、メイン表示部81のディスプレイを、左右方向の切断面であるIV-IVで切断した断面を模式的に示したIV-IV断面図に示す通り、メイン表示部81のディスプレイは、背面にバックライトBLを有する液晶パネルLCDの表面に、上下方向に延在する凸レンズが左右方向に連続的に並んだレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。これにより、本実施形態では、レンチキュラー方式による裸眼立体視を実現している。なお、本実施形態に係る裸眼立体視の原理は後述する。
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の画面領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
ここで、仮に、サブ表示部82において裸眼立体視を実現しようとすると、裸眼立体視を得られる範囲が変化し、狙った裸眼立体視を遊技者が得られない虞が大きい。そのため、本実施形態において、サブ表示部82のそれぞれには、液晶の表面にレンチキュラーレンズを設けず、当該表示部において裸眼立体視を実現していない。
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
遊技盤50の前面には、図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応づけられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。
なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。
ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて特別電動役物65が開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が大入賞口55に入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応づけられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
なお、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えている。
また、遊技盤50には、上述したセンサの他に、不正に賞球を受ける不正行為を防止するために、磁気を検知するための磁気検知センサおよび電波を検知するための電波検知センサ(いずれも図示省略)が設けられている。
図5において、メイン表示部81のディスプレイを、左右方向の切断面であるIV-IVで切断した断面を模式的に示したIV-IV断面図に示す通り、メイン表示部81のディスプレイは、背面にバックライトBLを有する液晶パネルLCDの表面に、上下方向に延在する凸レンズが左右方向に連続的に並んだレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。これにより、本実施形態では、レンチキュラー方式による裸眼立体視を実現している。なお、本実施形態に係る裸眼立体視の原理は後述する。
遊技盤50の背面には、図6に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、および払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、主制御基板100には、RAMクリアスイッチ43が設けられている。
また、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
また、図6に示すように、第1副制御基板200上には、音量調整のために操作される音量調整部83、および輝度調整のために操作される輝度調整部84が設けられている。そして、第1副制御基板ケース209は、音量調整部83および輝度調整部84を外部に露出するように第1副制御基板200を格納し、開閉カバー45は、音量調整部83および輝度調整部84を避けるように取り付けられている。そのため、図6に示す状態、すなわち、第1副制御基板ケース209に第1副制御基板200が格納され、かつ開閉カバー45が取り付けられている状態で、音量調整部83および輝度調整部84の操作が可能となっている。
音量調整部83および輝度調整部84は、いわゆるロータリースイッチであり、本実施形態では、音量調整部83を、音量大、音量中、音量小の3段階のうちのいずれかの段階に調整することが可能であり、輝度調整部84を、輝度高、輝度中、輝度低の3段階のうちのいずれかの段階に調整することが可能である。なお、音量調整部83および輝度調整部84は、ロータリースイッチに限らず、スライド式のスイッチを採用してもよい。また、音量調整部83および輝度調整部84は、第1副制御基板200と電気的に接続されてさえいれば、第1副制御基板200とは異なる基板に設けられたスイッチであってもよい。さらに、遊技盤50の背面側に設けられてさえいれば、その設置位置についても問わない。
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
<遊技機10の制御構成について>
次に、図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図7は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図7に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図7で図示しない制御構成を備えていてもよい。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態または遊技可能状態)、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)がバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76、前枠開扉センサ77等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。なお、図示は省略するが、これらのセンサ以外に、主制御基板100は、満タン検知センサ、磁気検知センサ、および電波検知センサとも電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39やRAMクリアスイッチ43に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ表示させる画像を指示する画像制御コマンド、輝度の調整を指示する輝度調整コマンド、音声制御基板310へ出力させる音声を指示する音声制御コマンド、音量の調整を指示する音量調整コマンド、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、および可動装飾体22やサブ表示部82等の可動体の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300および音声制御基板310と双方向通信が可能に接続されており、各制御コマンド(画像制御コマンド、輝度調整コマンド、音声制御コマンド、音量調整コマンド)が第1副制御基板200から第2副制御基板300または音声制御基板310へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が各制御基板(第2副制御基板300、音声制御基板310)から第1副制御基板200へ送信される。
また、第1副制御基板200は、枠ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、枠ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
ランプ制御データは、輝度調整部84、左カーソルボタン38c、右カーソルボタン38dの操作による調整結果に基づいて決定された輝度にしたがって生成される。そのため、本実施形態では、当該調整結果に基づいて決定された輝度で、枠ランプ35を点灯させることができる。本実施形態における輝度は、輝度1~輝度10の10段階の範囲で設定可能であり、この順にしたがって輝度が高くなる。また、第1副制御基板200は、輝度が調整されるごとに、当該調整後の輝度を特定するデータ(以下、「輝度特定データ」と称する)を含む輝度調整コマンドを、第2副制御基板300に向けて送信する。なお、調整された輝度は、表示される画像の輝度にも反映される。
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを、メイン表示部81やサブ表示部82へ送信する。また、このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。
音声制御基板310は、第1副制御基板200からの音声制御コマンドに基づき音声演出に関する各種の演算処理を行うCPU311と、音声制御プログラムや音声データ等を記憶したROM312と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM313と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート314とを備えており、CPU311がROM312に記憶された制御プログラムに従って音声演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。したがって、音声制御基板310は、第1副制御基板200から受信した音声制御コマンドに応じて、ROM312に記憶された音声データを読み込み、読み込んだ音声データを合成し、合成後の最終的な音声データを、増幅器を介してスピーカ33に送信し、スピーカ33に音声を出音させることができる。
より具体的には、RAM313には、複数の音声再生チャネル(本実施形態では、音声再生チャネルCH1~音声再生チャネルCH32の計32)のそれぞれに対応する記憶領域、および合成後の音声データ(後述する単位音声データ)を記憶する記憶領域が設けられている。各音声再生チャネルに対応する記憶領域は、ROM312から読み出した音声データ、当該音声再生チャネルの音量を特定するデータ(以下、「音量特定データ」と称する)、当該音声再生チャネルの再生回数(ループ再生を含む)を特定するデータ(以下、「再生回数特定データ」と称する)、および当該音声再生チャネルの再生状態(再生中、一時停止、再生停止)を特定するデータ(以下、「再生状態特定データ」と称する)を記憶する記憶領域で構成される。なお、本実施形態における音量は、音量1~音量10の10段階の範囲で設定可能であり、この順にしたがってスピーカ33から出音される音量が大きくなる。また、RAM313に記憶されている各音声再生チャネルに対応する各データは、第1副制御基板200が必要に応じて読み取り可能に構成されている。
上述の音声制御コマンドは、音声再生チャネルごとの音声制御データで構成され、各音声制御データは、当該音声再生チャネルに対応する各種データの有無を特定するデータ、再生させる音声データを指示する(特定する)データ(以下、「音声指示データ」と称する)、当該音声データの音量を指示するデータ(以下、「音量指示データ」と称する)、当該音声データの再生回数を指示するデータ(以下、「再生回数指示データ」と称する)、再生状態を指示するデータで構成されている。そして、CPU311は、音声制御コマンドを受信した場合に、音声再生チャネルごとに、音声制御データの有無を確認するとともに、音声制御データがある場合には、当該音声制御データにしたがって、当該音声制御データに対応する音声再生チャネルの各種データを更新する。
音声データは、1フレーム(本実施形態では、24ミリ秒)ごとに区切られた単位音声データが連続的に配置されたデータであり、CPU311は、1フレームごとに、各音声再生チャネルの再生状態特定データを参照するとともに、再生状態特定データによって再生中と特定される音声再生チャネルの現在の再生位置にある単位音声データを、当該音声再生チャネルに対応する音量特定データにしたがって合成し、合成後の単位音声データを、対応する記憶領域に記憶させる。
また、CPU311は、受信した音声制御コマンドに、再生停止を指示する再生状態指示データを含む音声制御データが含まれていた場合には、当該音声制御データに対応する音声再生チャネルの各種データを削除するとともに、当該音声再生チャネルの再生状態特定データに再生停止を示すデータを設定し、当該音声再生チャネルに係る音声の再生を停止させる。
よって、遊技機10において、音声を出音する音声出音手段(スピーカ33)と、音声出音手段を制御する出音制御手段(音声制御基板310)と、を備え、出音制御手段は、一の音声を再生可能な音声再生チャネルを複数有し、音声再生チャネルで再生されている音声を合成し、合成した音声を音声出音手段に出音させることで、複数種類の音声を並行して音声出音手段に出音させることが可能である、と換言できる。
なお、本実施形態における音声の出音とは、スピーカ33から音声が出力され、実際に遊技者等が聴覚で認識できることを指す。一方、音声の再生とは、当該音声に係る音声再生チャネルに対応する記憶領域に、各種データ(音声データ、音量特定データ、再生回数特定データ、および再生状態特定データ)が記憶されていることを指し、当該音声が実際に出音されているか否かまで問わない。
また、上述の通り、第1副制御基板200は、音声制御コマンドの他に、音量調整コマンドを生成可能、かつ音量調整コマンドを音声制御基板310に送信可能に構成されている。この音量調整コマンドは、音声再生チャネルごとに、当該音声再生チャネルに対応する音量指示データの有無を特定するデータ、および音量指示データで構成されている。そして、CPU311は、音量調整コマンドを受信した場合に、音声再生チャネルごとに、音量指示データの有無を確認するとともに、音量指示データがある場合には、当該音量指示データにしたがって、当該音声再生チャネルの音量特定データを更新する。
このように、本実施形態において、第1副制御基板200は、音声制御基板310を介して、スピーカ33に出音させる音声を制御し、かつ再生させる音声(音声再生チャネル)ごとの音量を制御することができる。
なお、スピーカ33に出音させる音声や音量の制御方法は、本実施形態の方法に限らず、いかなる方法を採用してもよい。また、音声制御基板310を第2副制御基板300と双方向通信可能に接続し、音声制御基板310が、第2副制御基板300を介して第1副制御基板200からの音声制御コマンドや音量調整コマンドに相当するコマンドを受信可能に構成してもよい。また、音声制御基板310が有する機能を、第1副制御基板200また第2副制御基板300に設けるようにしてもよい。
払出制御基板400は、CPU、ROMおよびRAM(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路(いずれも図示省略)で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
<遊技機10の機能構成について>
次に、図8を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図8は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図8に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図8で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて図9~図11を参照することとする。
主制御基板100は、図8に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、および電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、図7を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図停止図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
なお、乱数回路105は、自身が更新している複数種類の乱数が正常に更新されているか否かを監視し、乱数が正常に更新されない更新異常が発生した場合には、乱数回路105が有する特定の記憶領域に当該異常が発生したことを示す情報が書き込まれる。そのため、CPU101は、乱数回路105の更新異常が発生したことを把握可能となっている。
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、および普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特図2および普図に関しても、特図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特図2の保留カウンタを特図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図1または特図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特図1保留カウンタおよび特図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、さらに、本実施形態では、後述する普図高確中に特図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定が規制されるため、当該事前判定に対応する事前判定コマンドの送信も規制される。
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特図1および特図2のいずれも図柄変動中でないこと、特図1および特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
ここで、図9(a)~図9(c)、図10(a)、および図10(b)は、主制御基板100で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「-」や「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「-」や「0」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図9(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特図1および特図2で共通して用いられる。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0~65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、230/65536(約1/284.9)の確率で大当りが導出される。
同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、499/65536(約1/131.3)の確率で大当りが導出される。
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図9(b)は、特図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~99である。そのため、特図1で大当りが導出された場合には、50/100(1/2)の確率で図柄A、40/100(1/2.5)の確率で図柄B、10/100(1/10)の確率で図柄Cが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ後述する普図高確となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数が9であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。さらに、図柄Cは、ラウンド数が16であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄である。よって、図柄Cは、ラウンド数において図柄Bよりも有利な図柄であり、図柄Bおよび図柄Cは、ラウンド数およびその後の特図抽選状態の双方において図柄Aよりも有利な図柄であると言える。
図9(c)は、特図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特図1停止図柄抽選と同様に、0~99である。そのため、特図2で大当りが導出された場合には、65/100(約1/1.53)の確率で図柄a、35/100(約1/2.85)の確率で図柄bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が4であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄aは、ラウンド数およびその後の特図抽選状態の双方において図柄bよりも有利な図柄であると言える。
なお、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特図1のハズレ時は図柄D、特図2のハズレ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
また、本実施形態は、特図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(65/100)とが異なっている(特図1の図柄変動よりも特図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域を通過した場合(V入賞領域に設けられたセンサが遊技球を検知した場合)に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、V入賞領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態と今回の特図当否判定の結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。
なお、遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCが存在する。そして、上述の特図変動パターンの決定方法は、特図変動パターン導出状態PAでは特図1の図柄変動で採用され、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCでは特図2の図柄変動で採用され、各特図変動パターン導出状態における他方の特図の図柄変動は、特図当否判定の結果に応じてあらかじめ定められた一の特図変動パターンが決定される。
図10(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~999である。そのため、特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、52/1000(約1/19.2)の確率で特図変動パターンHRP、13/1000(約1/76.9)の確率でHSP1-A、11/1000(約1/90.9)の確率でHSP1-B、9/1000(約1/111)の確率でHSP2-A、7/1000(1/143)の確率でHSP2-B、5/1000(1/200)の確率でHSP3-A、3/1000(約1/333)の確率でHSP3-Bが決定される。なお、当該場合には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cが決定されることはない。また、詳細は図10(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、図柄変動開始時の特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、90/1000(約1/11.1)の確率で特図変動パターンASP1-A、110/1000(約1/約9.09)の確率で特図変動パターンASP1-B、135/1000(約1/7.41)の確率で特図変動パターンASP2-A、165/1000(約1/約6.06)の確率で特図変動パターンASP2-B、180/1000(約1/5.56)の確率で特図変動パターンASP3-A、220/1000(約1/4.56)の確率で特図変動パターンASP3-B、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンASP3-Cが決定される。なお、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP3-Bが決定されることはない。
なお、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、2つの特図変動パターンを、「~」を挟んで記載した場合、図10(a)に記載した順序に従って、手前に記載された特図変動パターンと、後に記載された特図変動パターンとの間に存在する特図変動パターンの記載を省略したものとする。
また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCにおいても、特図変動パターン導出状態PA時と同様に、特図当否判定の結果に応じて特図変動パターンを抽選する。
図10(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、上述の通り、当該抽選では、特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
まず、図10(b)に示す通り、特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP-A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP-B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP-C、変動時間が11200msの特図変動パターンHNP-Dがあり、この順に変動時間が長い。
そして、この抽選で用いられる乱数(図10(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。そのため、特図1保留カウンタ=3(保3)である場合には、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Aが決定さる。同様に、特図1保留カウンタ=2(保2)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Bが決定され、特図1保留カウンタ=1(保1)である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンHNP-Cが決定され、特図1保留カウンタ=0(保0)である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンHNP-Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Dが決定される。
このように、特図変動パターンHNPが決定された場合には、特図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、特図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(特図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
なお、このような特図変動パターン(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PBや特図変動パターン導出状態PCにおいても存在し、対応する基本特図変動パターンの種類やそれぞれの長さは異なるが、その傾向(保留カウンタ(特図変動パターン導出状態PBと特図変動パターン導出状態PCでは、特図2保留カウンタの値)の値と決定され易い特図変動パターン(変動時間)の関係性)は特図変動パターン導出状態PAと同様である。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、および普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定でハズレとなった場合には、特図1、特図2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、および大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
図柄表示制御手段145は、特図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特図1および特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
また、電動役物制御手段150は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とする。
また、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、図11(a)および図11(b)を参照しながら説明する。なお、図11(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図11(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。
図11(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態は、特図低確かつ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PB、および特図低確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PCで構成され、大当り遊技中を除いて特図抽選状態および普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA~特図変動パターン導出状態PC間の遷移条件には、遷移条件(i)~遷移条件(iii)がある。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は100回目の図柄変動の終了となる。なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて通常大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCが設定される(遷移条件(iii)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。
また、図11(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCのそれぞれの平均変動時間(当該特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンの変動時間に対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される、任意の図柄変動において発生し得る確率)を掛け算することで導出される変動時間の総和)は、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PC、特図変動パターン導出状態PBの順に短くなる。これは、主に、各特図変動パターン導出状態において最も選択される割合が高い基本特図変動パターンの変動時間の長さの差に起因する。
さらに、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAの平均変動時間と特図変動パターン導出状態PCの平均時間の差は、特図変動パターン導出状態PCの平均変動時間と特図変動パターン導出状態PBの差よりも大きい。
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、および特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー状態を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
本実施形態において、メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態には、例えば、上述の更新異常の発生に基づく主基板エラー、磁気検知センサによる磁気検知に基づく磁気エラー、電波検知センサによる電波検知に基づく電波エラー、ゲートセンサ74による遊技球の検知に基づく右打ちエラー、中枠開扉センサ76による中枠17の開放の検知または前枠開扉センサ77による前枠20の開放の検知に基づく扉開放エラー、満タン検知センサによる遊技球の検知に基づく満タンエラーなどがある。なお、本実施形態に係るエラー状態の発生有無については、後述する遊技可能状態中に監視される。
これらのエラーの一部の発生条件を整理すると、主基板エラーは、上述の通り、乱数回路105の更新異常を示すエラー状態であり、当該更新異常が発生した場合に発生する。続いて、磁気エラーは、磁気検知センサによる磁気検知が500ms連続で発生した場合に発生するエラー状態であり、電波エラーは、電波検知センサによる電波検知回数(直前の電源投入からの累計回数)が計5回発生した場合に発生するエラー状態である。また、右打ちエラーは、通常時(特図低確かつ普図低確)にゲートセンサ74が遊技球を3回検知した場合(当該検知回数は、最後の検知から1000ms経過でリセットされる)に発生するエラー状態であり、満タンエラーは、満タン検知センサがONとなっている場合、すなわち、満タン検知センサによって遊技球が検知されている場合に発生するエラー状態である。
また、本実施形態では、これらのエラー状態のうち、主基板エラー、磁気エラー、電波エラーを相対的に重要度が高いエラー状態(以下、単に「重要度が高いエラー状態」と称する)として扱っている。そのため、メインエラー制御手段165は、これらの重要度が高いエラー状態が発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理に加え、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等の遊技を進行させないための遊技進行規制処理を実行する。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過する前にセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。なお、本実施形態では、磁気エラーおよび電波エラーが発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理を実行するも、払出制御基板400に上述の遊技進行規制処理を実行しないようにしてもよい。
また、これらの重要度が高いエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能な報知演出が実行される。
さらに、これらの重要度が高いエラー状態は、電断復電によってのみ解除可能(当該エラー状態を終了させることが可能)であり、当該エラー状態に係るセキュリティ信号は、電断によりOFFの状態となる(電断までONの状態が維持される)。
なお、上述の重要度が高いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、他のエラー状態を設けてもよい。
一方、相対的に重要度が低いエラー状態(以下、単に「重要度が低いエラー状態」と称する)となる右打ちエラー、扉開放エラー、および満タンエラーは、遊技球の発射は規制されず、遊技の進行が可能な状態が維持される。なお、これらのエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能な報知演出が実行される。
また、右打ちエラーは、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了し、扉開放エラーは、中枠開扉センサ76による中枠17の閉鎖状態の検知、または前枠開扉センサ77による前枠20の閉鎖状態の検知によって終了し、満タンエラーは、満タン検知センサによって遊技球が検知されなくなることで終了する。なお、これらのエラー状態の終了条件が充足された場合には、当該終了条件が充足されたことを示す演出制御コマンド(復帰コマンド)がメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納される。
また、上述の重要度が低いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、大当り遊技中の大入賞口55が閉鎖状態となってから所定の時間が経過した以降に大入賞口センサ72によって遊技球が検知された場合に発生する異常入賞エラー等、他のエラー状態を設けてもよく、これらのエラー状態を設けた場合には、当該エラー状態に係る報知演出を実行する。なお、異常入賞エラーは、上述の右打ちエラーと同様に、当該エラー状態に係る報知演出の実行が終了したことで終了させればよい。
なお、本実施形態において、重要度が高いエラー状態は、上述の重要度が低いエラー状態よりも優先して実行される。したがって、重要度が高いエラー状態が発生している状態では、後述する扉開放報知が実行されることがなく、開放報知抑制期間も存在しない。
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176および遊技可能状態移行手段179を備える。
復帰状態設定手段176は、復電時にRAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて、復帰状態を設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態および遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)がある。
具体的には、復電時にRAM103に異常がある場合には、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態および中枠開扉センサ76の状態に関わらず、遊技停止状態が設定される。また、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がON(押下された状態)であれば、復電時の中枠開扉センサ76がONであることを条件にRAMクリア処理が実行されて遊技可能状態が設定され(復電時の中枠開扉センサ76がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される)、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がOFF(押下されていない状態)であれば、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、特図低確および普図低確が設定されることとなる。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態である。そして、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、およびデバイスの初期設定が実行される。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
第1副制御基板200は、図8に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段245、音量調整手段250、輝度調整手段255、サブ情報記憶手段260、およびサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、図7を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
ここで、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドを受信した場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード、特図変動パターン導出状態PCには低確時短モードが対応する。
つぎに、図12を用いて、本実施形態において、演出ボタンの操作を促す画像がメイン表示部81に表示された場合の画面イメージを説明する。
図12(a)に示すように、メイン表示部81には、演出ボタン37を用いたボタン操作演出の演出タイミングになると、演出ボタン37を模した画像であるボタン画像2bgが表示される。なお、本実施形態では、演出ボタン37を操作することを促す表示であるため、ボタン画像2bgは、演出ボタン37を模した画像であるが、カーソルボタン38を操作することを促す場合には、カーソルボタン38を模した画像にすることが好ましい。
ここで、図12(a)は、演出ボタン37を平面の画像(2D画像)で表現した場合を示している。また、演出ボタン37を模した2D画像であるボタン画像2bgとともに、遊技者に演出ボタン37の操作有効期間を示す平面のメータ画像であるメータ画像2mgをボタン画像2bgの下方に配置表示する。なお、ボタン画像およびメータ画像の形状、表示態様はこれに限らず、数値を更新するものなどでもよい。
次に、図12(b)に示すように、メイン表示部81には、演出ボタン37を用いたボタン操作演出の演出タイミングになると、演出ボタン37を模した立体画像であるボタン画像3bgが表示される。なお、本実施形態では、演出ボタン37を操作することを促す表示であるため、ボタン画像3bgは演出ボタン37を模した画像であるが、カーソルボタン38を操作することを促す場合には、カーソルボタン38を模した画像にすることが好ましい。
ここで、図12(b)は、演出ボタン37を立体画像(3D画像)で表現した場合を示している。また、演出ボタン37を模した3D画像であるボタン画像3bgとともに、遊技者に演出ボタン37の操作有効期間を示す3Dのメータ画像であるメータ画像3mgをボタン画像3bgの下方に配置表示する。なお、ボタン画像およびメータ画像の形状、表示態様はこれに限らず、数値を更新するものなどでもよい。
さらに、図12(b)に示すように、演出ボタン37を模した3D画像であるボタン画像3bgを表示する際には、当該画像と重なる表示領域に宇宙人を模した3D画像であるキャラクタ画像3cgを表示する。このようにボタン画像3bgの背面側にキャラクタ画像3cgを表示することにより、ボタン画像3bgを立体的に認識させ易くすることができる。
なお、本実施形態において、演出ボタンを模した2D画像であるボタン画像2bg、および、3D画像であるボタン画像3bgが特定報知画像に相当し、宇宙人を模した3D画像であるキャラクタ画像3cgが所定の視差画像である。
また、本実施形態において、所定の視差画像であるキャラクタ画像3cgは、3D画像であればアニメーション画像でも静止画でもよい。
さらに、本実施形態では、所定の視差画像であるキャラクタ画像3cgの表示領域に3D画像であるボタン画像3bgの表示領域が完全に重なっているが、これに限らず、一部領域が重なるようでもよく、当該重なる領域が30%以上、より好ましくは50%以上であると、3D画像であるボタン画像3bgを立体的により認識させ易くすることができる。
続いて、図13を用いて、本実施形態に係る裸眼立体視の原理を説明する。
図5を用いて説明した通り、メイン表示部81のディスプレイは、液晶パネルLCDの表面に、上下方向に延在する凸レンズが左右方向に連続的に並んだレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。なお、図13では、図5と同様に、メイン表示部81のディスプレイを左右方向に切断した断面が模式的に示されており、バックライトBLの図示は省略している。
図13に示す通り、本実施形態では、液晶パネルLCDの隣接する2つのサブピクセルの鉛直方向(上下方向)の列に対し、レンチキュラーレンズLLを構成する1つの凸レンズが対応するように、液晶パネルLCDの表面にレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。
これにより、メイン表示部81の正面の裸眼立体視が可能な範囲内からメイン表示部81を視認した場合に、サブピクセルの鉛直方向の列である、1R、2R、3R、・・・(以下、「右目用画面領域」と称する場合がある)から出射された光が右目に入射し、サブピクセルの鉛直方向の列である、1L、2L、3L、・・・(以下、「左目用画面領域」と称する場合がある)から出射された光が、左目に入射することとなる。そのため、前者のサブピクセルに右目用の画像を表示し、後者のサブピクセルに左目用の画像を表示することで、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させ、裸眼立体視が可能となる画像(以下、「立体画像」と称する場合があり、立体画像としての画像表示を、単に「立体視」と表現する場合がある)をメイン表示部81に表示させることができる。
よって、遊技機10は、右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段(メイン表示部81)と、画像表示手段を制御する表示制御手段(VDP(図示しない))と、画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段(CGROM(図示しない))と、を備えていると換言できる。
なお、「あらかじめ記憶する」とは、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMに記憶されることではなく、データの保持に電源を必要としないROMに記憶されていることを指す。
なお、本実施形態において、右目用画面領域に表示させる画像と、左目用画面領域に表示される画像と、で視差を発生させなければ、立体視とならない画像(以下、「平面画像」と称するとともに、平面画像としての画像表示を、単に「平面視」と表現する場合がある)をメイン表示部81に表示させることができる。
次に、図14-1及び図14-2を用いて、特定報知画像および所定の視差画像を表示する演出ボタンを用いた演出時の演出態様について説明する。図14-1及び図14-2は、演出ボタンを用いた演出時のメイン表示部81の画面イメージを示す図である。
図14-1は、装飾図柄の変動が開始された直後に実行され得る会話予告(1)と会話予告(2)についてメイン表示部81の画面イメージを示している。
図14-1(a)は、装飾図柄の変動が開始されたことを示す図である。
次に、図14-1(b)は、図14-1(a)の次のシーンを示す図である。図14-1(b)では男の子のキャラクタであるキャラクタ画像CA1がメイン表示部81に表示され、会話予告(1)が行われることがある。会話予告(1)の詳細については後述するが、会話予告(1)で表示される会話としては、「・・・?」、「何かある?」、および、「期待!」の3種類であり、何れの会話が表示されるかは、特図変動パターンの種類に応じて後述する演出内容決定手段225によって決定される。
図14-1(c)は、図14-1(b)の次のシーンを示す図である。図14-1(c)に示すように、遊技者が演出ボタン37を操作することを促すボタン画像2bgとボタン操作有効期間を示すメータ画像2mgと、がメイン表示部81に表示される。
そして、遊技者によって演出ボタン37が操作される、または、演出ボタン37が操作されずに操作有効期間が経過すると、図14-1(d)のシーンとなる。
図14-1(d)には、図14-1(c)の次のシーンを示す図である。図14-1(d)では、女の子のキャラクタ画像CA2がメイン表示部81に表示され、会話予告(2)が行われることがある。会話予告(2)の詳細は後述するが、会話予告(2)で表示される会話としては、「チャンスかも?」、「リーチ?」、および、「やったね!」の3種類であり、何れの会話が表示されるかは、特図変動パターンの種類に応じて後述する演出内容決定手段225によって決定される。
なお、本実施形態では、演出ボタン37が操作されずに操作有効期間が経過した場合も、後述する図17(b)会話予告(2)の内容決定テーブルに基づき決定された何れかの会話が表示されることとしているが、演出ボタン37が操作されなかった場合は何れの会話も表示されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の会話予告に対する興趣を向上することができる。
図14-2は、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)になった直後(発展演出に発展した際)に実行され得る演出についてメイン表示部81の画面イメージを示している。
図14-2(e)は、装飾図柄がリーチ状態になったことを示す図である。また、図14-2(e)では、装飾図柄の前面には宇宙人を模したキャラクタ画像3cgがメイン表示部81に表示される。
図14-2(f)は、図14-2(e)の次のシーンを示す図である。図14-2(f)ではキャラクタ画像3cgの後方にリーチ状態の装飾図柄、当該キャラクタ画像3cgの前方に遊技者が演出ボタン37を操作することを促す青色の3Dのボタン画像3bgとボタン操作有効期間を示す青色の3Dのメータ画像3mgと、がメイン表示部81に表示される。詳細は後述するが、リーチ状態の装飾図柄が表示されているときに表示されるボタン画像とメータ画像には、「青色の2D画像」、「青色の3D画像」、および、「赤色の3D画像」があり、大当りの当選期待度が「青色の2D画像」<「青色の3D画像」<「赤色の3D画像」となっている。したがって、何れのボタン画像とメータ画像が表示されるのか、遊技者の関心を高めることができる。また、以降、リーチ状態の装飾図柄が表示された後、遊技者に演出ボタン37の操作を促す演出を「ボタン操作演出」と称することがある。
ここで、遊技者によって演出ボタン37が押下された場合と、押下されなかった場合とで、メイン表示部81に表示される表示態様が異なり得る。
例えば、図14-2(g)に示すように、遊技者によって演出ボタン37が押下された場合には、その押下を契機として、ボタン画像3bgおよびメータ画像3mgがメイン表示部81から消去され、リーチ状態を構成した装飾図柄の前面側に「チャンス」の文字が表示され得る。
一方で、図14-2(g´)に示すように、遊技者によって演出ボタン37が押下されなかった場合には、操作有効期間が経過すると、ボタン画像3bgおよびメータ画像3mgがメイン表示部81から消去され、リーチ状態を構成した装飾図柄の前面側に「激熱」の文字が表示され得る。
このような現象は、当該演出の内容を決定する為の演出抽選において、演出ボタン37が押下される場合と押下されない場合とで互いに異なる演出抽選テーブルを参照することに起因する。この演出抽選については、後述する。
また、本実施形態において、演出ボタン37が押下された場合、または、演出ボタン37が押下されず操作有効期間が経過した場合に表示される「チャンス」や「激熱」などの文字は、2D画像としている。これは、図14-2(g)および図14-2(g´)に示したように「チャンス」や「激熱」などの文字は、所定の視差画像であるキャラクタ画像3cgがメイン表示部81から消去された後であるため、「チャンス」や「激熱」などの文字を視差画像(3D画像)としても立体的に認識させ易くできないためである。
ただし、「チャンス」や「激熱」などの文字を3D画像としてもよい。このようにすることで、立体的な視認のし易さは所定の視差画像が表示されているときよりは劣るが、メイン表示部81に表示されている他の画像(例えば、リーチ状態を構成した装飾図柄)と表示態様が異なることにより、「チャンス」や「激熱」などの文字を遊技者に把握させやすくなる。
以上のように、本実施形態では、装飾図柄の変動が開始されると、図14-1(b)に示したように会話予告(1)が行われ、その後、図14-1(c)に示したように、遊技者が演出ボタン37を操作する演出が行われる。そして、図14-1(d)に示したように会話予告(2)が行われ、その後、装飾図柄がリーチ状態になると、図14-2(f)に示したように、遊技者が演出ボタン37を操作するボタン操作演出が行われ、遊技者が演出ボタン37を操作したか否かによって表示される演出画像が異なる。ここで、図14-2(f)で表示されるボタン画像とメータ画像は、大当り当選期待度に応じて異なる態様となるため、どのようなボタン画像とメータ画像が表示されるのか遊技者の関心を高めることができる。
なお、図14に示した各表示態様はあくまでも一例であり、また、必ず、全ての演出が行われなくてもよい。さらに、図14-1(b)に示した会話予告(1)、図14-1(c)に示した演出ボタン37を操作する演出、および、図14-1(d)に示した会話予告(2)は、各疑似変動の開始タイミングに合わせて行われてもよい。
また、図14-2(e)、図14-2(f)に表示されるキャラクタ画像3cgは、本発明において所定の視差画像に相当する。図14-2(f)に表示される3Dのボタン画像3dg画像は、本発明において特定報知画像に相当し、特に視差画像となる特定報知画像に相当する。
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドが送信された場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
本実施形態では、図10(a)および図10(b)で示した特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そして、これらの演出ルートは、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(大当りではないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態となった以降に、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出を指し、本実施形態では、互いに内容が異なる発展演出A~発展演出Cの3種類が存在する。これらの発展演出は、大当り演出ルートにおいても実行される。以下、各特図変動パターンに対応する演出ルートの内容を説明する。
ハズレ演出ルートに対応する発展演出A、発展演出Bでは、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、発展演出の一演出としてボタン操作演出が行われ、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りでないことが報知される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出A~発展演出Cでは、ハズレ演出ルートに対応する発展演出と同様に、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、発展演出の一演出としてボタン操作演出が行われ、すなわち、発展演出A~発展演出Cは、いずれも、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りあるか否かを報知する演出と言える。
本実施形態では、一の特図変動パターンに対して一の演出ルートが対応する。そのため、以降の説明では、特図変動パターンに対する演出ルートを、単に、特図変動パターンで表現する場合がある。ただし、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、決定された特図変動パターンに対応する複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dおよび特図変動パターンHRPに対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dには、装飾図柄がリーチ状態とならずに装飾図柄がバラケ目(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止されていない状態)で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、同一の装飾図柄とは、同一の数字を模した装飾図柄を指し、装飾図柄を構成する数字以外の部分(後述するキャラクタ画像等)が異なる態様であってもよい。同様に、異なる装飾図柄とは、異なる数字を模した装飾図柄を指す。
特図変動パターンHRPには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、後述する発展演出が実行されずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、疑似変動とは、発展演出が開始される前の期間において、一定のルールに基づいた装飾図柄の停止(例えば、「5図柄-7図柄-6図柄」のように、真ん中の図柄列に7図柄が停止した態様となる装飾図柄の停止)等で区切られる期間を指す。したがって、疑似変動の回数が2回となって初めて疑似変動が発生するとも言える。すなわち、リーチ状態を構成するまでの装飾図柄の変動が1回の場合には、疑似変動が発生しないと言うこともできるし、当該場合には、1回の疑似変動が実行されるとも言える。なお、本実施形態における疑似変動の最大回数は3回であるが、疑似変動の最大回数は、これに限らず、2以上の回数であれば、いずれの回数を採用してもよい。
特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP3-Bには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP1-Aおよび特図変動パターンHSP1-Bには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。なお、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP1-Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP1-Bには、上述の発展演出Bが対応する。
特図変動パターンHSP2-Aおよび特図変動パターンHSP2-Bには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。なお、特図変動パターンHSP1-Aおよび特図変動パターンHSP1-Bと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP2-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP2-Bには発展演出Bが対応する。
特図変動パターンHSP3-Aおよび特図変動パターンHSP3-Bには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。なお、特図変動パターンHSP1-Aおよび特図変動パターンHSP1-Bと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP3-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP3-Bには発展演出Bが対応する。
特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃い(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止された状態)で停止表示される演出ルートが対応する。なお、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP1-Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP1-Bには、上述の発展演出Bが対応する。
特図変動パターンASP2-Aおよび特図変動パターンASP2-Bには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。なお、特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP2-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP2-Bには発展演出Bが対応する。
特図変動パターンASP3-Aおよび特図変動パターンASP2-Bには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。なお、特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP3-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP3-Bには発展演出Bが対応する。
特図変動パターンASP3-Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出Cが実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
このように、本実施形態では、同一の発展演出を対応させることで、特図変動パターンHSP1-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1-Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2-Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3-Bに対応する演出ルートを、対応づけている。これにより、対応づけられた演出ルートの演出同士の内容が開始から当該演出ルートに係るボタン操作演出の終了間際まで一致することとなる。そのため、発展演出Aおよび発展演出Bが実行される図柄変動において、遊技者に大当り当選の期待感を抱かせることができる。また、発展演出Aおよび発展演出Bが実行される演出ルートが決定される上述の特図変動パターンは、大当りを期待させる特図変動パターンとも言うこともできる。
なお、特図変動パターンASP3-Cには、対応する発展ハズレ演出ルートが存在しない。そのため、図柄変動において発展演出Cが実行された時点で、遊技者に大当り当選を確定的に認識させることができる。したがって、当該特図変動パターンに対応する演出ルートは、大当り当選が確定する演出ルートであると言えるし、当該特図変動パターンは、大当り当選が確定する特図変動パターンであるとも言える。
また、図10(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-B)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-B)の順に決定され易くなる。そして、上述の通り、発展演出Cは、大当り当選時にのみ実行される。
そのため、発展演出A、発展演出B、発展演出Cの順に大当り当選の期待感を高めることができる。
さらに、図10(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動が発生しない演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP3-A)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動が発生しない演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP3-A)の順に決定され易くなる。
そのため、疑似変動が実行される回数が多くなるにつれて大当り当選の期待感を高めることができる。
また、上述の通り、特図変動パターンHSP1-A、特図変動パターンHSP1-B、特図変動パターンHSP-C、特図変動パターンASP1-A、特図変動パターンASP1-B、および特図変動パターンASP-Cでは、疑似変動を介さずにリーチ状態となり、特図変動パターンHSP2-A、特図変動パターンHSP2-B、特図変動パターンASP2-A、および特図変動パターンASP2-Bでは、2回の疑似変動でリーチ状態となり、特図変動パターンHSP3-A、特図変動パターンHSP3-B、特図変動パターンASP3-A、特図変動パターンASP3-B、特図変動パターンASP3-Cでは、3回の疑似変動でリーチ状態となる。
そのため、リーチ状態となるまでの時間は、疑似変動を介さずにリーチ状態となる特図変動パターン、2回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターン、3回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターンの順に長くなる。
また、発展演出A~発展演出Cの実行中には、それぞれの発展演出に対応する態様で、メイン表示部81による画像の表示、スピーカ33による音声(BGM)の出音、および枠ランプ35によるランプの点灯が実行される。なお、詳細は後述するが、発展演出に係る遊技の興趣向上を目的として、当該特図当否判定の結果が大当りであることに対する期待度を示唆するボタン操作演出が実行される。ボタン操作演出では、当該演出に対応する態様でメイン表示部81による画像の表示、スピーカ33による音声の出音、および枠ランプ35によるランプの点灯が実行される。
また、図柄変動が開始されてから各発展演出が開始されるまで、すなわち、図柄変動が開始されてから装飾図柄がリーチ状態を構成するまでの期間では、いずれの発展演出中とも異なる態様で、メイン表示部81による画像の表示、スピーカ33による音声(BGM)の出音、および枠ランプ35によるランプの点灯が実行される。
サブ保留制御手段223は、保留コマンドを受信した場合(以下、単に、保留入賞の発生と表現する場合がある)に、当該コマンドに含まれる特図1保留カウンタと特図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当りの当選期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
なお、本実施形態における保留画像の態様は、当該画像の色の違いで表現される。そして、保留画像の色は、保留コマンドに続けて送信される事前判定コマンドに含まれる事前判定の結果、すなわち、当該保留画像に対応する図柄変動における特図当否判定において大当りと判定されるか否かを参照した抽選によって決定される。具体的には、決定され得る色として、白色、青色、緑色、赤色、虹色の計5色が存在し、この順で大当り当選期待度が高い。特に、虹色は、大当り当選が確定する態様である。
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドを受信した場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、例えば、後述するボタン操作演出の種別を決定する抽選等、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
なお、演出の内容を決定するタイミングとしては、例えば、疑似変動の開始時(図柄変動の開始時を含む)があり、一の図柄変動において疑似変動の開始が複数回ある場合には、各疑似変動の開始時に当該抽選を実行する。
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドを受信した場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、図柄B、図柄C、および図柄aには奇数図柄揃いを、図柄Aと図柄bには偶数図柄揃いを、図柄Dと図柄cにはバラケ目を、対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出の内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。さらに、読み出した演出データに音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて音響に関する音声制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
特に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、RAMクリア処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。
なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、エラー演出は、図柄変動に係る変動演出よりも優先して実行される(エラー演出の実行によって変動演出の実行が規制される)。ここで、エラー演出が優先して実行されるとは、エラー演出の実行に係るデバイスと変動演出の実行に係るデバイスが同一のデバイスである場合に、当該デバイスにおいてエラー演出のみが実行される場合に限らず、当該デバイスにおいてエラー演出が変動演出よりも認識され易い態様で実行されることを含む。
また、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
ランプ制御手段240は、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、例えば、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに枠ランプ35に対応する演出データがある場合には、ランプ制御手段240は、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを、枠ランプ35へ送信する。
可動役物制御手段245は、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてROM202から可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22およびサブ表示部82へ送信し、可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御する。
音量調整手段250は、音量を調整する音量調整処理、および上述の音量調整コマンドを生成する音量調整コマンド生成処理を実行する。
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させる、また、サブコマンド管理手段270は、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。さらに、サブコマンド管理手段270は、当該格納領域に音声制御コマンドまたは音量調整コマンドが記憶されている場合には、これらのコマンドを音声制御基板310に向けて送信される。なお、これらのコマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
以上説明した通り、本実施形態に係る遊技機10は、発展演出に係る遊技の興趣向上を目的として、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示されること、すなわち、当該特図当否判定の結果が大当りであることに対する期待度を示唆するボタン操作演出を実行する。そして、ボタン操作演出を実行するにあたり、種々の機能を有している。以下、当該機能の詳細を説明する。
<ボタン操作演出について>
ボタン操作演出が行われる際のメイン表示部81の表示態様は、図14-2に示した通りである。
ここでは、図15~図19を用いて、演出内容決定手段225によって行われる演出内容決定処理について説明する。演出内容決定処理では、ボタン操作演出の内容を演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。
図15は、演出内容決定処理の処理フローである。
まず、ステップS201では、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判定し、変動開始コマンドであれば、ステップS202へ進み、変動開始コマンドでなければ、本処理を終了する。なお、変動開始コマンドには、特図変動パターン導出手段133によって決定された特図変動パターンに関する情報も含まれている。
次に、ステップS202では、会話予告を行うか否かの抽選を行う。会話予告を行うか否かの抽選は、図16(a)に示した会話予告を行うか否かを決定する際に用いる抽選テーブルを用いて行われる。
図16(a)に示すように、特図変動パターンに対応して、会話予告を行うか否かに抽選値が割り振られている。特図変動パターンがHSP1-Aの場合、70/100の確率で会話予告が行われ、30/100の確率で会話予告が行われない。特図変動パターンがHSP1―Bの場合、70/100の確率で会話予告が行われ、30/100の確率で会話予告が行われない。同様に、各特図変動パターンに対し、会話予告が行われる確率と会話予告が行われない確率について設定されている。
次に、ステップS203は、ステップS202で会話予告を行うと判定された場合に行う処理であり、会話予告の内容を図17に示す、(a)会話予告(1)の内容決定テーブルと(b)会話予告(2)の内容決定テーブルに基づき決定する。
会話予告(1)には、「・・・?」、「何かある?」、および、「期待!」の3種類あり、図17(a)に示すように、特図変動パターンに対応して、何れの会話が選択されるか抽選値が割り振られている。ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP1-A、HSP1-B、HSP2-A、HSP2-B、HSP3-A、HSP3-Bの場合、70/100の確率で「・・・?」に決定され、25/100の確率で「何かある?」に決定され、5/100の確率で「期待!」に決定される。
また、大当りに対応する特図変動パターンであるASP1-A、ASP1-B、ASP2-A、ASP2-B、ASP3-A、ASP3-Bの場合、50/100の確率で「・・・?」に決定され、35/100の確率で「何かある?」に決定され、15/100の確率で「期待!」に決定され、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-Cの場合、50/100の確率で「・・・?」に決定され、30/100の確率で「何かある?」に決定され、20/100の確率で「期待!」に決定される。
そして、図17(a)から明らかなように、会話予告(1)として表示される会話の種類によって大当りに係る期待度を遊技者に示唆することが可能である。
会話予告(2)には、「チャンスかも?」、「リーチ?」、および、「やったね!」の3種類あり、図17(b)に示すように、特図変動パターンに対応して、何れの会話が選択されるか抽選値が割り振られている。ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP1-A、HSP1-B、HSP2-A、HSP2-B、HSP3-A、HSP3-Bの場合、70/100の確率で「チャンスかも?」に決定され、25/100の確率で「リーチ?」に決定され、5/100の確率で「やったね!」に決定される。
また、大当りに対応する特図変動パターンであるASP1-A、ASP1-B、ASP2-A、ASP2-B、ASP3-A、ASP3-Bの場合、50/100の確率で「チャンスかも?」に決定され、30/100の確率で「リーチ?」に決定され、20/100の確率で「やったね!」に決定され、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-Cの場合、50/100の確率で「チャンスかも?」に決定され、25/100の確率で「リーチ?」に決定され、25/100の確率で「やったね!」に決定される。
そして、図17(b)から明らかなように、会話予告(1)として表示される会話の種類によって大当りに係る期待度を遊技者に示唆することが可能である。
なお、本実施形態では、会話予告(1)と会話予告(2)の内容を個々に抽選したが、会話予告(1)と会話予告(2)をセットで抽選するようにしてもよい。
また、本実施形態において、会話予告(1)で表示される、「・・・?」、「何かある?」、「期待!」のセリフ画像、および、会話予告(2)で表示される「チャンスかも?」、「リーチ?」、「やったね!」のセリフ画像の内容は特図変動パターンを参照して決定されるものであるため大当りに係る期待度を報知し、且つ、当該セリフ画像は平面画像である(視差画像ではない)ので「別報知画像」に相当する。当該セリフ画像が表示されるにあたって、視差画像(キャラクタ画像3cg、3Dのボタン画像3dg、及び3Dのメータ画像3mg等)と重ねて表示されることがないので、視差画像との関係において互いに視認性を阻害させることがなく、別報知画像を認識させやすくすることができる。
次に、ステップS204では、ボタン操作演出を行うか否か抽選を行う。ボタン操作演出を行うか否かの抽選は、図16(b)に示したボタン操作演出を行うか否かを決定する際に用いる抽選テーブルを用いて行われる。
図16(b)に示すように、特図変動パターンに対応して、ボタン操作演出を行うか否かに抽選値が割り振られている。特図変動パターンがHSP1-Aの場合、40/100の確率でボタン操作演出が行われ、60/100の確率でボタン操作演出が行われない。特図変動パターンがHSP1―Bの場合、40/100の確率でボタン操作演出が行われ、60/100の確率でボタン操作演出が行われない。同様に、各特図変動パターンに対し、ボタン操作演出が行われる確率とボタン操作演出が行われない確率について設定されている。
ここで、図16(a)に示したように、別報知画像である会話予告は、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP1-A、HSP1-Bの場合、70/100の確率で行われ、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP2-A、HSP2-Bの場合、75/100の確率で行われ、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP3-A、HSP3-Bの場合、80/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP1-A、ASP1-Bの場合、85/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP2-A、ASP2-Bの場合、90/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-A、ASP3-Bの場合、95/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-Cの場合、100/100の確率で行われる。
一方、図16(b)に示したように、特定報知画像が表示されることとなるボタン操作演出は、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP1-A、HSP1-Bの場合、40/100の確率で行われ、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP2-A、HSP2-Bの場合、45/100の確率で行われ、ハズレに対応する特図変動パターンであるHSP3-A、HSP3-Bの場合、50/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP1-A、ASP1-Bの場合、85/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP2-A、ASP2-Bの場合、90/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-A、ASP3-Bの場合、95/100の確率で行われ、大当りに対応する特図変動パターンであるASP3-Cの場合、100/100の確率で行われる。
上述してきたように、ボタン操作演出が行われると決定された場合は、特定報知画像であるボタン画像(ボタン画像2bg、ボタン画像3bg)が必ず表示され、会話予告が行われると決定された場合は、別報知画像であるセリフ画像が必ず表示される。
そして、図16に示すように、ボタン操作演出は、会話予告と比べて、大当りに対応する特図変動パターンの場合に実行される割合は同じである一方、ハズレに対応する特図変動パターンの場合には実行されがたくなるように抽選値が割り振られているため、特定報知画像(ボタン操作演出に係るボタン画像)は、別報知画像(会話予告のセリフ画像)よりも大当りに係る期待度が高いと言える。したがって、ボタン操作演出におけるボタン画像の表示態様に対する遊技者の関心を、会話予告のセリフ画像の表示態様と比べて強めることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。特に、ボタン操作演出に係るボタン画像のうち視差画像となるもの(ボタン画像3dg)については、視差画像とならないもの(ボタン画像2dg)に比べて大当りに係る期待度が高くなっているため、上記の効果がより強いものと言える。
次に、ステップS205は、ステップS204でボタン操作演出を行うと判定された場合に行う処理であり、図18に示したボタン操作演出のボタン態様決定テーブルに基づき、ボタン操作演出で表示するボタン画像の表示態様を決定する。
図18に示すように、ボタン画像の表示態様には、図12に示した演出ボタン37を摸した2D画像であるボタン画像2bgとメータ画像であるメータ画像2mgが青色の場合の「2D青」、演出ボタン37を摸した3D画像であるボタン画像3bgとメータ画像であるメータ画像3mgが青色の場合の「3D青」、および、演出ボタン37を摸した3D画像であるボタン画像3bgとメータ画像であるメータ画像3mgが赤色の場合の「3D赤」の3種類ある。そして、図18に示すように、特図変動パターンに対応して、何れのボタン画像が選択されるか抽選値が割り振られている。特図変動パターンがHSP1-Aの場合、70/100の確率で「2D青」に決定され、20/100の確率で「3D青」に決定され、10/100の確率で「3D赤」に決定される。特図変動パターンがHSP1―Bの場合、60/100の確率で「2D青」に決定され、20/100の確率で「3D青」に決定され、20/100の確率で「3D赤」に決定される。同様に、各特図変動パターンに対し、各表示態様が選択される確率について設定されている。
ここで、図18から明らかなように、ハズレに対応する特図変動パターンHSP1-A、HSP1-B、HSP2-A、HSP2-B、HSP3-A、HSP3-Bは、何れの特図変動パターンの場合も、抽選値の数が「2D青」>「3D青」>「3D赤」の関係となっている。これに対して、大当りに対応する特図変動パターンは、ASP1-A、ASP1-B、ASP2-A、ASP2-B、ASP3-A、ASP3-B、ASP3-Cは、何れの特図変動パターンの場合も、抽選値の数が「2D青」<「3D青」<「3D赤」の関係となっている。したがって、ボタン画像の表示態様によって、大当りに係る期待度を示唆することが可能となる。
そして、図18から明らかなように、演出ボタンの表示態様によって示される大当りの当選期待度は、「2D青」<「3D青」<「3D赤」である。したがって、何れのボタン画像の表示態様が表示される遊技者の関心を高めることができる。
次に、ステップS206は、演出ボタン37の操作があった場合と操作がなかった場合それぞれの場合について、図19(a)、および、図19(b)のボタン操作演出の内容を決定する抽選テーブルを用いて、メイン表示部81に表示される表示態様を決定する。
ボタン操作演出では、遊技者が演出ボタン37を操作する、もしくは、操作有効期間が経過すると、「チャンス」、「激熱」、「勝利」の何れかの文字がメイン表示部81に表示される。そして、特図変動パターンに基づき、何れの文字をメイン表示部81に表示するかを図19(a)、図19(b)に示す抽選テーブルを用いて予め決定する。なお、「勝利」の文字は、大当りの特図変動パターンASP3‐Cの場合のみ表示される。したがって、遊技者は「勝利」の文字が表示されたことにより、大当りとなることを把握することができる。
図19(a)は、演出ボタン37の操作があった場合に、メイン表示部81に表示される表示態様の決定に用いられる抽選テーブルを模式的に示した図である。
図19(a)に示されたように、ハズレに対応する特図変動パターンHSP1-A、HSP1-B、HSP2-A、HSP2-B、HSP3-A、HSP3-Bの場合は、それぞれ、60/100の確率で「チャンス」に決定され、40/100の確率で「激熱」に決定される。また、大当りに対応する特図変動パターンASP1-A、ASP1-B、ASP2-A、ASP2-B、ASP3-A、ASP3-Bは、それぞれ、40/100の確率で「チャンス」に決定され、60/100の確率で「激熱」に決定される。なお、大当りに対応する特図変動パターンASP3-Cの場合は、必ず、「勝利」に決定される。
図19(b)は、演出ボタン37の操作がなかった場合に、メイン表示部81に表示される表示態様の決定に用いられる抽選テーブルを模式的に示した図である。
図19(b)に示されたように、ハズレに対応する特図変動パターンHSP1-A、HSP1-B、HSP2-A、HSP2-B、HSP3-A、HSP3-Bの場合は、それぞれ、80/100の確率で「チャンス」に決定され、20/100の確率で「激熱」に決定される。また、大当りに対応する特図変動パターンASP1-A、ASP1-B、ASP2-A、ASP2-B、ASP3-A、ASP3-Bは、それぞれ、80/100の確率で「チャンス」に決定され、20/100の確率で「激熱」に決定される。
ここで、ボタン操作演出が行われた際にメイン表示部81に表示される表示態様について整理する。
ボタン操作演出が行われる場合、メイン表示部81に図14-2(f)に示したようなボタン画像3dg画像とメータ画像3mgが表示される。そして、遊技者によって演出ボタン37が操作されると、図14-2(g)に示すように、「チャンス」の文字が表示される。また、操作有効期間が経過するまでの間に遊技者によって演出ボタン37が操作されなかった場合、図14-2(g´)に示すように、「激熱」の文字が表示される。
本実施形態において、遊技者によって演出ボタンが操作され、表示される演出(図14-2(g))が「第一演出」に相当し、遊技者によって演出ボタンが操作されず、操作有効期間が経過したことにより表示される演出(図14-2(g´))が「第二演出」に相当する。
そして、図19(a)、および、図19(b)に示したように、大当りの場合に、「激熱」に当選する確率を「チャンス」に当選する確率より高く設定したので、ボタン操作演出によって「激熱」が表示されると、「チャンス」が表示されたときよりも大当りの当選期待度が高いかも?という印象を遊技者に与えることができる。
さらに、図19(a)、および、図19(b)に示したように、遊技者によって演出ボタン37が操作されない場合の方が、遊技者によって演出ボタン37が操作された場合に比べて「激熱」と「チャンス」の抽選値の差を大きく設定したため、第一演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度と、第二演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度では、第二演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度のほうが高くなっている。言い換えれば、第二演出は、第一演出に比べて、遊技者にとって大当りの当選/非当選を絞り込みやすい(特定しやすい)演出になっている。したがって、発展演出の冒頭に高い精度で大当りの当選/非当選を絞り込みたい遊技者は、演出ボタン37を操作しなければよく、発展演出の冒頭に大当りの当選/非当選の絞り込むことを好まない(発展演出の終盤までドキドキハラハラ感を維持したい)遊技者は演出ボタン37を操作しなければよい。
上述した本実施形態のように、表示態様によって大当りの当選期待度を示唆する場合において、大当りの当選期待度を示唆する精度が高いとは、本実施形態の態様(大当りに当選しているときに比較対象となる表示態様が決定される割合と、ハズレであるときにおいて当該表示態様が決定される割合の差が一方の態様よりも他方の態様が大きくなっている態様)に限られず、結果として大当りの当選期待度を示唆する精度が高く(大当りに当選しているかを推測しやすく)なれば、その要因は問わない。例えば、ボタン操作をしなかった場合には、大当りの当選期待度を示唆する精度が高い表示態様のみを用いて、精度が低い表示態様を用いない(本実施形態に倣っていえば、大当り確定である「勝利」だけボタン操作演出の結果として表示させ、それ以外の表示態様は表示させない)などの要因によっても、大当りの当選期待度を示唆する精度を高めることができる。
また、実行確率によって大当りの当選期待度を示唆する機能を少なくとも有する演出において、大当りの当選期待度を示唆する精度が高いとは、表示態様によって大当りの当選期待度を示唆する場合と同様に、結果として大当りの当選期待度を示唆する精度が高く(大当りに当選しているかを推測しやすく)なれば、その要因は問わない。例えば、ボタン操作演出の内容を決定する抽選の選択肢として「表示しない(実行しない)」ことが含まれる変形例において、「表示しない(実行しない)」とする割合について、ボタン操作なしの方がボタン操作ありの場合より小さいなどの要因によっても、大当りの当選期待度を示唆する精度を高めることができる。
図20は、ボタン操作演出において遊技者によって演出ボタン37が操作された場合のタイミングチャートを示す。また、図21は、ボタン操作演出において操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン37が操作されなかった場合のタイミングチャートを示す。なお、図20、図21に示したタイミングt11より前のタイミングに、装飾図柄の変動が開始され、会話予告(1)および(2)などが行われたものとする(図14-1(a)~図14-1(d)については行われたものとする)。
図20のタイミングt11から発展演出が開始されると、本実施形態における所定の視差画像(図14-2(e)に示したキャラクタ画像3cg)が表示される。そして、タイミングt12になると特定報知画像(2Dのボタン画像2dgと2Dのメータ画像2mg、または、3Dのボタン画像3dgと3Dのメータ画像3mg)が図14-2(f)に示したように、所定の視差画像の前面側(手前側)に表示される。
ここで、視差画像をメイン表示部81に表示させてすぐは、遊技者の目が慣れていないため、視差画像が立体的に見えにくいことがある。そこで、特定報知画像をメイン表示部81に表示させる前に所定の視差画像を表示することで、遊技者の目を視差画像に慣しておく。
このように、特定報知画像を表示開始前に所定の視差画像の表示を開始させることで、視差画像を立体的に見える状況にした上で視差画像となる特定報知画像を視認させ易くすることができる。
なお、所定の視差画像が表示されてから特定報知画像が表示されるまでの期間(タイミングt11~タイミングt12)は、遊技者の目が視差画像に慣れるために必要な時間である必要がある。さらに、当該期間が長すぎると所定の視差画像が表示され何かがおこるかも?という遊技者の興趣を維持できず、また、短すぎると遊技者の目が視差画像に慣れる前に特定報知画像が表示されてしまうため、演出内容を考慮して必要な時間を設けることが好ましい。加えて、特定報知画像は大当りに係る期待度を表示態様によって報知する画像であるため、操作受付期間が開始されるときには、遊技者が特定報知画像の表示態様を正確に把握できていることが望ましく、よって、特定報知画像が表示されてから操作受付期間が開始されるタイミング(タイミングt13)までに所定期間設けられることが好ましい。
次に、タイミングt13になると、演出ボタン37の操作を受け付けることが可能となる操作有効期間が開始される。なお、メイン表示部81に表示された2Dのメータ画像2mg、または、3Dのメータ画像3mgは、タイミングt13からメータの減少が開始される。なお、2Dのメータ画像2mg、または、3Dのメータ画像3mgをタイミング12ではメイン表示部81には表示せず、タイミングt13(操作有効期間の減少を開始するタイミング)に表示してもよい。また、本実施例では、タイミングt17までが遊技者が演出ボタン37を操作しなかった場合の操作有効期間であるものとする。
次に、操作有効期間の中盤であるタイミングt14に遊技者が演出ボタン37を操作したものとする。演出ボタン37が操作された後のタイミングt15に、操作受付期間が終了するとともに、所定の視差画像(図14-2(e)に示したキャラクタ画像3cg)がメイン表示部81から消去される。その後、タイミングt16に特定報知画像(2Dのボタン画像2dgと2Dのメータ画像2mg、または、3Dのボタン画像3dgと3Dのメータ画像3mg)がメイン表示部81から消去されるとともに、結果画像(図14-2(g)に示した「チャンス」の文字)がメイン表示部81にタイミングt19まで表示される。その後、ボタン操作演出以外の発展演出が行われた後、タイミングt20に装飾図柄がメイン表示部81に確定表示される。なお、タイミングt18は、本タイミングチャートでは特徴的なタイミングではないが、図21に示す、ボタン操作演出において操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン37が操作されなかった場合のタイミングチャートと比較する際に必要となるタイミングであるため、図示してある。
次に、図21に示すボタン操作演出において操作有効期間内に遊技者によって演出ボタン37が操作されなかった場合のタイミングチャートについて説明する。なお、タイミングt11、タイミングt12、タイミングt13については、図20と同様であるため、説明は省略する。
そして、遊技者が演出ボタン37を操作しないまま操作有効期間終了タイミングであるタイミングt17になると、メイン表示部81から所定の視差画像(図14-2(e)に示したキャラクタ画像3cg)がメイン表示部81から消去される。その後、タイミングt18に特定報知画像(2Dのボタン画像2dgと2Dのメータ画像2mg、または、3Dのボタン画像3dgと3Dのメータ画像3mg)がメイン表示部81から消去されるとともに、結果画像(図14-2(g´)に示した「激熱」の文字)がメイン表示部81にタイミングt19まで表示される。その後、ボタン操作演出以外の発展演出が行われた後、タイミングt20に装飾図柄がメイン表示部81に確定表示される。なお、タイミングt14、タイミングt15、および、タイミングt16は、本タイミングチャートでは特徴的なタイミングではないが、図20に示した、遊技者によって演出ボタン37が操作された場合のタイミングチャートと比較する際に必要となるタイミングであるため、図示してある。
図20、および、図21から明らかなように、第一演出が行われる期間は、タイミングt16~タイミングt19に対し、第二演出が行われる期間は、タイミングt18~タイミングt19であるため第二演出が行われる期間の方が短い。そして、前述したように、第一演出よりも第二演出のほうが大当り当選期待度の示唆精度が高いため、言い換えると、大当り当選期待度の示唆精度の高い方が演出実行期間が短いため、遊技者の遊技に対する集中力を高めることができ、興趣を向上できる。
また、操作有効期間が経過するまでの間に遊技者によって演出ボタン37が操作されなかった場合、図14-2(g´)に示すように、「激熱」の文字が表示される。
本実施形態において、遊技者によって演出ボタンが操作され、表示される演出(図14-2(g))が「第一演出」に相当し、遊技者によって演出ボタンが操作されず、操作有効期間が経過したことにより表示される演出(図14-2(g´))が「第二演出」に相当する。
次に、図22および図23に示すタイミングチャートを用いて、発展演出の終盤に行われる別操作要求演出について説明する。
図20および図21に示したように、本実施形態の場合、発展演出の冒頭(リーチ状態が形成された直後に)ボタン操作演出が開始され得る。そして、ボタン操作演出によって「チャンス」や「激熱」が表示された場合には、遊技者は或る程度の精度で大当りとなるか否かを推定することができ、「勝利」が表示された場合には大当りの当選確定であるものの、その大当りの有利度合いについては未だ把握できていない。
そこで、本実施形態では、発展演出の終盤(ボタン操作演出が終了した後のタイミング)に、ボタン操作演出とは異なる別操作要求演出が行われ、別操作要求演出に係る操作有効期間中に演出ボタン37の操作を受け付けることを少なくとも実行条件に含む別演出が行われ得るものとする。
ここで、別演出の実行条件は、上記のものに限らず、本実施形態では、有利な大当り(本実施形態では、確変大当りである図柄Bの大当り又は確変大当りであり且つラウンド数が最大である図柄Cの大当りの少なくとも一方)に当選していること、が更に含まれるものとする。また、別演出の演出態様は、発展演出を阻害しない態様(例えば、発展演出の視認性を下げない表示領域に特定の演出表示がなされる、遊技領域50aの外側のデバイスが特定の態様になる(枠ランプ35が特定色に発光する)等)であることが好ましい。
図22には、別操作要求演出の際に、遊技者が演出ボタン37を操作した場合のタイミングチャートを示し、図23には、別操作要求演出の際に、遊技者が演出ボタン37を操作した場合のタイミングチャートを示す。
図22に示すように、操作ボタン演出が終了したタイミングt19の後、所定時間が経過したタイミングt21になると、別操作要求演出に係る操作有効期間が開始されることを報知する操作受付報知演出が行われる。操作受付報知演出は、例えば、装飾図柄が特定の図柄となった場合でもよいし、操作受付報知演出用の画像が表示されてもよい。本実施形態では、操作受付報知演出として、特定の報知音が出音されることとしている。そして、操作受付報知演出が終わった(特定の報知音の出音が停止された)タイミングt22になると、別操作要求演出に係る操作有効期間が開始される。なお、タイミングt25までが遊技者が演出ボタン37を操作しなかった場合の操作有効期間であるものとする。また、本実施形態では、操作受付報知演出に相当する特定の報知音は、遊技者に演出ボタン37の操作を積極的に知らせる内容になっていない(特定の報知音が出音されれば操作有効期間が開始されることをあらかじめ知っている遊技者だけが操作できる演出になっている)。
タイミングt23になると遊技者が演出ボタン37を操作したことにより、タイミングt23からタイミングt26までの間、別演出が実行されることなる。そして、タイミングt20に発展演出が終了することとなる。
図23に示すように、操作ボタン演出が終了したタイミングt19の後、所定時間が経過したタイミングt21になると、別操作要求演出に係る操作有効期間が開始されることを報知する操作受付報知演出が行われる。なお、別操作要求演出については図22と同じであるため説明を省略する。そして、操作受付報知演出が終わった(特定の報知音の出音が停止された)タイミングt22になると、別操作要求演出に係る操作有効期間が開始される。そして、操作有効期間の終了タイミングであるタイミングt25までに遊技者が演出ボタン37を操作しなかったため、別演出が実行されず、発展演出の終了タイミングt20となっている。
これまで述べたように、本実施形態に係る遊技機10は、演出ボタン37の操作が要求される3通りの演出(会話予告、ボタン操作演出、別操作要求演出)を、同一の図柄変動中に実行できる構成になっており、全て実行される場合には、会話予告、ボタン操作演出、別操作要求演出の順に実行される。
会話予告は、図16(a)に示すとおり、発展演出が行われる特図変動パターンの場合には実行される割合が高く(当該場合の全てにおいて70%以上の実行確率になっている。また、会話予告は、図17(a)及び(b)に示すとおり、大当り確定となるセリフ画像の態様がない。
ボタン操作演出は、図16(b)に示すとおり、発展演出が行われる特図変動パターンのうち、大当りに対応する特図変動パターンの場合には会話予告と同様の実行割合となっているが、ハズレに対応する特図変動パターンの場合の実行割合は低くなっている(当該場合の全てにおいて50%以下の実行確率になっている)。また、ボタン操作演出は、図18に示すとおり、ボタン画像の態様によって(視差画像であるかないかによって)、大当りの当選期待度が異なっている。更に、図19(a)及び(b)に示すとおり、ボタン操作の有無によって大当りの当選期待度に係る精度が異なり、且つ、ボタン操作の有無に関わらず大当り確定となる文字態様を有している。
別操作要求演出は、上述したように、有利な大当りに当選していることを実行条件に含んでいる。言い換えれば、別操作要求演出に応じた操作によって別演出が実行される場合には、大当り確定であると共に有利度合いの高い大当りであることを遊技者に認識させることができる。
各々の演出が上記のようになっていることをあらかじめ知っている遊技者は、図柄変動の序盤で会話予告に基づいて発展演出の有無(低い精度で大当りの当選期待度)を推定でき、図柄変動の中盤でボタン操作をしないことによってより高い精度で大当りの当選期待度を推定でき、図柄変動の終盤で(発展演出の結果を待たずに)有利な大当りであるか否かを知ることができる。
一方で、各々の演出について無知である遊技者は、発展演出が実行されるまでその実行を察知することができず、ボタン操作演出において要求されるままにボタン操作をするのであればより低い精度で大当りの当選期待度を推定することになり、別操作要求演出の機会が巡ってきたことも認識できないまま発展演出の結果によって大当りの当選を知ることになる。
従って、前者の遊技者が、後者の遊技者に比べて、大当りに係る期待度を推定しやすいという点において有利になっているものと言える。
しかしながら、後者の遊技者が、必ずしも損しているという訳ではなく、純粋に演出を楽しむ(発展演出の結果が出るまで大当りに対する期待感を維持できる)という点においては、演出の要求に素直に従う(ボタン操作演出においてボタン操作を行い、別操作要求演出においてボタン操作を行わない)方が良いとの見方もできる。
整理すれば、本実施形態の遊技機10は、遊技者の熟練度や好みに応じて、多様な楽しみ方ができる演出構成を備えており、遊技興趣の向上を図っているものと言える。
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
本実施形態において、図19(a)および図19(b)に示したように、第一演出の場合でも第二演出の場合でも実行態様は「チャンス」、「激熱」、「勝利」の同じ3種類で一致していたが、これに限らない。
例えば、第一演出の場合に実行される実行態様は、「チャンス」、「激熱」、「勝利」の3種類に対し、第二演出の場合に実行される実行態様は「チャンス」、「激熱」、「勝利」の3種類に加え、「ハズレ」の4種類にしてもよい。ここで、「ハズレ」は、ハズレに対応する特図変動パターンである場合にのみ決定される表示態様とする。このようにすることで、演出ボタン37が操作されなかった場合に行われる第二演出として「ハズレ」が表示された場合は、ハズレとなること(大当りではないこと)を遊技者は確定的に知ることができるため、演出ボタン37の操作の有無により大当りの当選期待度に係る精度を異なるようにすることができる。
或いは、第一演出の場合に実行される実行態様は、「チャンス」、「激熱」、「勝利」の3種類に対し、第二演出の場合に実行される実行態様は「チャンス」、「激熱」、「勝利」の3種類に加え、「大勝利」の4種類にしてもよい。ここで、「大勝利」は、大当りに対応する特図変動パターンが導出されており且つ表示態様の判定時(本実施形態では、当該特図変動パターンが導出された図柄変動の開始時)に保留されている図柄変動の中に更に大当りであるものが含まれる場合(すなわち保留連である場合)にのみ決定される表示態様とする。このようにすることで、演出ボタン37が操作されなかった場合に行われる第二演出として「大勝利」が表示された場合は、保留連であることを遊技者は確定的に知ることができるため、演出ボタン37の操作の有無により大当りの当選期待度に係る精度を異なるようにすることができる。但し、ここで大当りの当選期待度には、保留連である期待度も包含されるものとする。
本実施形態において、第一演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度よりも第二演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度の方が高くなるようにしたが、これに限らず、第一演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度のほうが、第二演出によって示唆される大当りの当選期待度に係る精度よりも高くしてもよい。
このようにすることで、大当りの当選期待度に係る精度の高い第一演出を見るために、遊技者がボタン操作演出に積極的に参加するようにすることができる。
本実施形態において、ボタン操作をしなかった場合には、大当りの当選期待度を視差する表示態様のみを用いて、精度が低い表示態様を用いないことによって大当りの当選期待度を示唆する精度を高めることを記載したが、これに限らない。例えば、ボタンを操作しなかった場合には、大当りの当選期待度を示唆する精度が高い表示態様が選択される割合を高くして、精度が低い表示態様が選択される割合を低くする(本実施形態に倣っていえば、大当り確定である「勝利」を高い割合でボタン操作演出の結果として表示させ、それ以外の表示態様は低い割合で表示させる)などの要因によっても、大当り当選期待度を示唆する精度を高めることができる。
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像を表示させることが可能であり、
前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像となる表示態様が少なくとも含まれ、
前記表示制御手段は、さらに、
前記視差画像でありかつ前記視差画像となる前記特定報知画像よりも表示される表示領域が広い所定の視差画像を表示させることが可能であり、
前記視差画像となる前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、当該特定報知画像を前記所定の視差画像の手前に重ねて表示させ、
前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像を表示させることが可能であり、
前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像が前記視差画像と重ねて表示されない、
ことを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記視差画像となる前記特定報知画像を前記所定の視差画像の手前に重ねて表示させるにあたり、当該特定報知画像の表示開始前に前記所定の視差画像の表示を開始させる、
ことを特徴とする遊技機。
(3)
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像を表示させることが可能であり、
前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像となる表示態様が少なくとも含まれ、
前記表示制御手段は、さらに、
前記視差画像である所定の視差画像を表示させることが可能であり、
前記視差画像となる前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、当該特定報知画像の表示開始前に前記所定の視差画像の表示を開始させ、
前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像を表示させることが可能であり、
前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像の表示開始前に前記視差画像が表示されない、
ことを特徴とする遊技機。
(4)
上記(3)に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記視差画像となる前記特定報知画像の表示期間を、前記所定の視差画像の表示期間の一部と重複させる、
ことを特徴とする遊技機。
(5)
上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記所定の視差画像の表示を終了させた後に、前記視差画像となる前記特定報知画像の表示を終了させる、
ことを特徴とする遊技機。
(6)
上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の遊技機であって、
前記視差画像となる前記特定報知画像は、遊技操作を促す画像である、
ことを特徴とする遊技機。
10 遊技機
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
34a、34b 左右側枠部
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38 カーソルボタン
38a 上カーソルボタン
38b 下カーソルボタン
38c 左カーソルボタン
38d 右カーソルボタン
38e 中カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
43 RAMクリアスイッチ
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
54 保護部材
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
75 アウト球センサ
76 中枠開扉センサ
77 前枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
83 音量調整部
84 輝度調整部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
245 可動役物制御手段
250 音量調整手段
255 輝度調整手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
310 音声制御基板
311 CPU
312 ROM
313 RAM
314 I/Oポート
400 払出制御基板
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
X 第1流路
Y 第2流路
bg ボタン画像
cg キャラクタ画像
CA1 キャラクタ画像
CA2 キャラクタ画像
mg メーター画像

Claims (1)

  1. 右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする視差画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
    前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
    を備え、
    図柄変動の開始に伴って大当りに当選するか否かを判定し、前記大当りに当選した場合には、当該図柄変動の終了後に大当り遊技を開始可能な遊技機であって、
    前記表示制御手段は、特定の操作手段への操作を促す画像であり且つ前記大当りに係る期待度を表示態様によって報知する特定報知画像を表示させることが可能であり、
    前記特定報知画像の表示態様には、前記特定報知画像が前記視差画像となる表示態様が少なくとも含まれ、
    前記表示制御手段は、さらに、
    前記視差画像である所定の視差画像を表示させることが可能であり、
    前記特定報知画像を表示させる場合の少なくとも一部で、前記画像表示手段に前記視差画像を表示させていない状態において前記所定の視差画像を表示させ、更に、当該所定の視差画像の表示を開始させた第一タイミングより後の第二タイミングに前記視差画像となる表示態様の前記特定報知画像を表示させ、
    前記視差画像となる表示態様の前記特定報知画像の表示期間を、前記所定の視差画像の表示期間の一部と重複させ、
    前記第二タイミングの後に、前記特定の操作手段への操作受付期間が開始され、
    前記視差画像ではなくかつ前記大当りに係る期待度を報知する別報知画像を表示させることが可能であり、
    前記別報知画像が表示されるにあたっては、当該別報知画像が前記視差画像と重ねて表示されない、
    ことを特徴とする遊技機。
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