JP7263406B2 - タッチパネル、タッチパネルの製造方法及びそのデバイス - Google Patents

タッチパネル、タッチパネルの製造方法及びそのデバイス Download PDF

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Description

本開示は、タッチパネル、タッチパネルの製造方法及び前述のタッチパネルを含むデバイスに関する。
透明導電体は光を透過し、適切な導電性を提供することができるため、近年、透明導電体は多くのディスプレイ又はタッチ関連デバイスにしばしば適用されている。一般に、透明導電体は、酸化インジウムスズ(ITO)膜、酸化インジウム亜鉛(IZO)膜、酸化カドミウムスズ(CTO)膜、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)膜等の各種金属酸化物からなる膜とすることができる。しかしながら、これらの金属酸化物膜は、ディスプレイデバイスの柔軟性要件を満たすことができない。このため、例えばナノスケールの材料からなる透明導電体など、様々なフレキシブル透明導電体が開発されている。
しかし、上記ナノスケール材料の処理技術には依然として解決すべき多くの問題がある。例えば、ナノワイヤを用いてタッチ電極を製造する場合、タッチ電極は周辺領域の金属トレースに接続する必要があり、タッチ電極とトレースとが接続される重複領域により、周辺領域のサイズを小さくすることができない。その結果、周辺領域の幅が大きすぎて、狭幅ベゼルのディスプレイの条件を満たすことができない。別の例として、光学的効果の考慮に起因して、抵抗性容量性負荷(resistive capacitive loading, RC負荷)値はナノワイヤからなるタッチ電極についてより大きくなり、これは、一般的な用途には都合が悪い。
本開示のいくつかの実施形態によると、タッチパネルは、基板、周辺トレース、及び第1のタッチ感知電極を含む。基板は、可視領域及び周辺領域を有し、並びに、曲げ領域及び非曲げ領域を有する。周辺トレースは、基板の周辺領域上に配置される。第1のタッチ感知電極は、基板の可視領域上に配置され、曲げ領域上に配置された第1の部分を有し、非曲げ領域上に配置された第2の部分を有する。第1のタッチ感知電極は、周辺トレースに電気的に接続され、複数の細線が織り合わされたメッシュパターンを有する。周辺トレース及び第1のタッチ感知電極は、各々、複数の導電性ナノ構造と、導電性ナノ構造上に付加された膜層とを備え、第1のタッチ感知電極の周辺トレース内及び第2の部分内の、導電性ナノ構造の各々と膜層との間の界面は、実質的に被覆構造を有する。
本開示のいくつかの実施形態において、被覆構造はめっき層を備え、めっき層は、導電性ナノ構造の各々と膜層との間の界面を完全に被覆する。
本開示のいくつかの実施形態において、膜層は、隣り合う導電性ナノ構造の間に充填され、膜層は、単独で存在する被覆構造を有さない。
本開示のいくつかの実施形態において、導電性ナノ構造の各々は、金属ナノワイヤを含み、被覆構造は、金属ナノワイヤと膜層との間の界面を完全に被覆し、被覆層は、金属ナノワイヤと膜層との間の界面上に均一に形成される。
本開示のいくつかの実施形態において、被覆構造は、導電性材料からなる、層状構造、島状突出構造、ドット状突出構造、又はこれらの組み合わせである。
本開示のいくつかの実施形態において、導電性材料は、銀、金、銅、ニッケル、白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、又はそれらの合金を含む。
本開示のいくつかの実施形態において、被覆構造は、単一の金属材料若しくは合金材料からなる単層構造、又は2つ以上の金属材料若しくは合金材料からなる二層構造若しくは多層構造である。
本開示のいくつかの実施形態において、被覆構造は、無電解銅めっき層、電気めっき銅層、無電解銅-ニッケルめっき層、無電解銅-銀めっき層、又はこれらの組み合わせである。
本開示のいくつかの実施形態において、導電性ナノ構造の各々及び膜層は、第1の細線の各々に位置する。
本開示のいくつかの実施形態において、導電性ナノ構造の各々、膜層、及び被覆構造は、第1のタッチ感知電極の第2の部分の第1の細線の各々に位置する。
本開示のいくつかの実施形態において、境界は曲げ領域と非曲げ領域との間にあり、境界を横切る第1の細線の各々の線幅が、境界から遠いものから境界に近いものへと徐々に増加する。
本開示のいくつかの実施形態において、境界を横切る第1の細線の各々は、境界から遠い第1の部分と境界に近い第2の部分とを有し、第1の部分の線幅は1μm~5μmであり、第2の部分の線幅は5μm~30μmである。
本開示のいくつかの実施形態において、境界は、曲げ領域の可視領域と周辺領域との間にあり、境界に隣接する第1の細線の各々の線幅が、境界から遠いものから境界に近いものまで徐々に増加する。
本開示のいくつかの実施形態において、境界に隣接する第1の細線の各々は、境界から遠い第1の部分と境界に近い第2の部分とを有し、第1の部分の線幅は1μm~5μmであり、第2の部分の線幅は5μm~30μmである。
本開示のいくつかの実施形態において、基板は、互いに反対側に向いた第1の表面と第2の表面とを有し、第1のタッチ感知電極は、基板の第1の表面上に配置される。タッチパネルはさらに、基板の第2の表面上及び可視領域上に配置された第2のタッチ感知電極を備え、第2のタッチ感知電極は、複数の第2の細線が織り合わされたメッシュパターンを有する。
本開示のいくつかの実施形態において、第2のタッチ感知電極は、曲げ領域上に第1の部分、非曲げ領域上に第2の部分を有する。第2のタッチ感知電極は、導電性ナノ構造と、導電性ナノ構造の各々の上に付加された膜層とを含み、第2のタッチ感知電極の第2の部分内にある導電性ナノ構造の各々と膜層との界面は、実質的に被覆構造を有する。
本開示のいくつかの実施形態において、第1の細線によって織り合わされたメッシュパターンは、第2の細線が織り合わされたメッシュパターンと完全には重なっていない。
本開示のいくつかの他の実施形態によると、タッチパネルの製造方法は、以下の工程を含む。可視領域及び周辺領域を有し、並びに、曲げ領域及び非曲げ領域を有する基板を準備する。導電層を形成するために、可視領域上及び周辺領域上に複数の導電性ナノ構造を配置する。導電層上に膜層を付加し、膜層を予備硬化状態又は不完全硬化状態にする。パターニング工程を行う。非曲げ領域上の周辺トレース内及びタッチ感知電極内の、導電性ナノ構造の各々と膜層との界面が実質的に被覆構造を有するように、周辺領域及び非曲げ領域上に位置する導電性ナノ構造の表面上に被覆構造を形成する、修飾工程を行う。上述のパターニング工程は、以下の工程を含む。複数の細線が織り合わされたメッシュパターンを有するタッチ感知電極を形成するために、曲げ領域上及び非曲げ領域の可視領域上の導電層及び膜層をパターニングする工程と、周辺トレースを形成するために、周辺領域の導電層と膜層をパターニングする工程。
本開示のいくつかの実施形態において、パターニング工程は、修飾工程の前に行われる。
本開示のいくつかの実施形態において、導電層及び膜層のパターニングは、非曲げ領域内及び周辺領域内の可視領域上において同じプロセスで行われる。
本開示のいくつかの実施形態において、タッチパネルの製造方法は、修飾工程の前に、曲げ領域内の可視領域をシールドする工程をさらに含む。
本開示のいくつかの実施形態において、修飾工程は、無電解めっき液が膜層に浸透して導電性ナノ構造に接触し、導電性ナノ構造の各々の表面上に金属が析出するように、無電解めっき液に膜層及び導電性ナノ構造を浸漬する工程を含む。
本開示のいくつかの実施形態において、被覆構造は、導電性ナノ構造の各々の表面に沿って形成され、導電性ナノ構造の各々と膜層との間の界面上に位置する。
本開示のいくつかの実施形態において、導電層上への膜層の付加は、導電層上へポリマーをコーティングすることと、ポリマーが予備硬化状態又は不完全硬化状態に達するように硬化条件を制御することを含む。
本開示のいくつかの実施形態において、導電層上への膜層の付加は、導電層上にポリマーをコーティングすることと、ポリマーが予備硬化状態又は不完全硬化状態に達するように硬化条件を制御することを含み、予備硬化状態又は不完全硬化状態の膜層は第1層領域と第2層領域とを有し、第2層領域の硬化状態は、第1層領域の硬化状態よりも大きい。
本開示のいくつかの実施形態において、第1層領域では、被覆構造は導電性ナノ構造の各々の表面に沿って形成され、導電性ナノ構造の各々と膜層との間の界面上に位置する。
本開示のいくつかの実施形態において、硬化条件を制御することは、ガスを導入することと、第1層領域におけるガスの濃度及び第2層領域におけるガスの濃度を制御することを含む。
本開示のいくつかの実施形態において、修飾工程は、無電解めっき工程、電気めっき工程、又はこれらの組合せを含む。
本開示のいくつかの他の実施形態によると、デバイスは、上述のタッチパネルを含む。
本開示のいくつかの実施形態において、デバイスは、ディスプレイ、携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、自動車デバイス、ノートパソコン、又はポラライザーを含む。
本開示の前述の実施形態によると、本開示のタッチパネルにおいて、周辺領域に位置する周辺トレースと、可視領域に位置するタッチ感知電極の一部とが、修飾された金属ナノワイヤで形成されるため、タッチパネルの導電性を高めるためにタッチパネルの表面抵抗を効果的に低減することができ、タッチパネルの抵抗性容量性負荷値を低減することができる。さらに、曲げ領域に被覆構造が存在しないため、タッチパネルの屈曲性を良好に維持することができる。一方、可視領域上のタッチ感知電極は、複数の細線が織り合わされたメッシュパターンを有するため、タッチ感知電極は、可視領域の光透過率が修飾された金属ナノワイヤによって影響を受けることを防止できる。その結果、タッチパネルの可視領域は良好な光学特性を有する。さらに、周辺トレースとタッチ感知電極は、堆積工程及びパターニング工程を通して同一の製造プロセスで製造できるため、重複工程や重なりによって占められるスペースを省略することができ、それにより、タッチパネルの周辺領域の幅を小さくすることができ、狭幅ベゼルのディスプレイの条件を満たすことができる。
添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細な説明を読むことによって、本開示をより完全に理解することができる。
本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程における金属ナノワイヤの修飾方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程における金属ナノワイヤの修飾方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程における金属ナノワイヤの修飾方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係るタッチパネルを示す概略平面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る図2Aの線2B-2Bに沿うタッチパネルを示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る図2Aのタッチパネルの領域R1を示す概略部分拡大図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る図2Aのタッチパネルの領域R2を示す概略部分拡大図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程におけるタッチパネルの製造方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程におけるタッチパネルの製造方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程におけるタッチパネルの製造方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程におけるタッチパネルの製造方法を示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係るタッチパネルを示す概略断面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係るタッチパネルを示す概略平面図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る線5B~5Bに沿う、図5Aのタッチパネルを示す概略断面図である。
以下、添付の図面に例示されている本開示の実施形態を詳細に参照する。可能な限り、図面及び説明において同一の符号を使用して同一又は類似の部分を参照する。
さらに、例えば「下方、下部」又は「底、底部」、及び「上方、上部」又は「最上部」などの相対的な用語を本明細書で使用して、図に示されるように、ある要素と別の要素との間の関係を記載することができる。相対的な用語は、図に示されているもの以外のデバイスの異なる向きを含むことが意図されることを理解されたい。例えば、ある図のデバイスを反転すると、他の要素の「下方」側にあると記載された要素は、他の要素の「上方」側に方向付けられる。したがって、例示的な用語「下方」は、図面の特定の向きに応じて、「下方」及び「上方」の向きを含み得る。同様に、ある図のデバイスを反転すると、「下方」と記載された要素は、他の要素の「~の上」に方向付けられる。したがって、例示的な用語「下方」は、「~の上」及び「下方」の向きを含むことができる。
さらに、本明細書で使用される場合、「おおよそ(around)」、「約(about)」、又は「おおよそ(approximately)」は、一般に、所定の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味するものとする。本明細書に記載されている数値はおおよそのものであり、「おおよそ(around)」、「約(about)」、又は「おおよそ(approximately)」という用語は、明示的に記載されていない場合は、推測することができることを意味する。
本開示において使用される「導電性ナノ構造」は、一般的にナノ構造を含む層又は膜を指し、導電性ナノ構造の表面抵抗は、約500Ω/□未満、好ましくは約200Ω/□未満、より好ましくは約100Ω/□未満とできることが理解されるべきである。上述の「ナノ構造」とは、一般に、ナノメートルサイズの構造を指す。例えば、ナノ構造は、ナノスケールの少なくとも一方向の寸法(例えば、ワイヤの直径、長さ、幅、厚さなど)を有している。また、例えば、ナノ構造は、ナノスケールの線状構造、柱状構造、シート構造、メッシュ構造、管状構造、又はこれらの組み合わせである。
本開示は、導電性ナノ構造(例えば、金属ナノワイヤ)の修飾方法、及び修飾された導電性ナノ構造を用いて製造されたタッチパネル及びデバイスを提供する。説明を明瞭かつ簡便にするために、本開示では、導電性ナノ構造の修飾方法を最初に説明し、一例として金属ナノワイヤを取り上げる。
図1A~図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る異なる工程における金属ナノワイヤの修飾方法を示す概略断面図である。図1Aを参照する。金属ナノワイヤ層120を形成するため、まず、基板110が設けられ、基板110の表面上に金属ナノワイヤ122がコーティングされる。金属ナノワイヤ層120は、例えば、限定されるものではないが、銀ナノワイヤ層、金ナノワイヤ層、又は銅ナノワイヤ層とすることができる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤ122を基板110の表面に付着させ、基板110上に配置された金属ナノワイヤ層120を形成するように、金属ナノワイヤ122を含む分散体又はスラリーを基板110上にコーティングし、硬化/乾燥させることができる。上述の硬化工程/乾燥工程の後、分散液又はスラリーの溶媒は揮発し、金属ナノワイヤ122を基板110の表面上にランダムに分布させることができ、又は好ましくは、金属ナノワイヤ122を基板110の表面上に脱落することなく固定し、金属ナノワイヤ層120を形成することができる。金属ナノワイヤ層120の金属ナノワイヤ122は、導電性ネットワークを形成するために、互いに接触して連続的な電流経路を提供する。すなわち、金属ナノワイヤ122は、その交差(重なり)位置において互いに接触し、電子を移動させる経路を形成する。銀ナノワイヤを例にとると、1つの銀ナノワイヤともう1つの銀ナノワイヤは、それらの交差位置で直接接触を形成し、電子を移動させるための低抵抗経路を形成することができる。いくつかの実施形態において、領域又は構造の表面抵抗が約10Ω/□超のとき、その領域又は構造は電気的に絶縁されていると考えることができ、好ましくは約10Ω/□超、約3000Ω/□超、約1000Ω/□超、約350Ω/□超、又は約100Ω/□超である。いくつかの実施形態において、銀ナノワイヤから形成される銀ナノワイヤ層の表面抵抗は、約100Ω/□未満である。
図1Bを参照する。次に、膜層130が金属ナノワイヤ122を覆うように配置され、膜層130の硬化度が制御される。いくつかの実施形態において、流体状態/特性を有するポリマーが金属ナノワイヤ122に浸透してフィラーを形成できるように、適切なポリマーを金属ナノワイヤ122上にコーティングすることができる。その結果、金属ナノワイヤ122は、膜層130内に埋め込まれ、複合構造220を形成する。一方、ポリマーのコーティング又は硬化条件(例えば、温度及び/又は光硬化パラメータ)は、ポリマーが予備硬化状態又は不完全硬化状態に達するように、又はさらに膜層130が異なる硬化度を有するように制御することができる。例えば、下部領域(すなわち、基板110に近接する領域)における膜層130の硬化度が、上部領域(すなわち、基板110より遠位の領域)における膜層130の硬化度よりも大きくなるように調整することができ、上部領域は、前述の予備硬化状態又は不完全硬化状態となる。換言すると、この工程では、膜層130が金属ナノワイヤ122上に付加され、金属ナノワイヤ122が予備硬化状態又は不完全硬化状態で膜層130内に埋め込まれて複合構造220を形成するように、ポリマーがコーティングされる。
いくつかの実施形態において、膜層130は、絶縁材料を含むことができる。例えば、絶縁材料は、非導電性樹脂又は他の有機材料、例えば、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリ(シリコン-アクリル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(スチレンスルホン酸)、又はセラミック材料であってもよいが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、膜層130は、スピンコーティング、スプレーコーティング、印刷又はそれらの組合せによって形成することができる。いくつかの実施形態において、膜層130の厚さは、約20nm~約10μm、約50nm~約200nm、又は約30nm~約100nmとすることができる。例えば、膜層130の厚さは、約90nm又は100nmとすることができる。本開示を簡潔かつ明確に説明するために、金属ナノワイヤ層120及び膜層130は、図1Bにおいて全体構造層として示されるが、本開示は、この点に関して限定されないことを理解されたい。金属ナノワイヤ層120及び膜層130はまた、他のタイプの構造層(例えば、積層構造)と組み合わされてもよい。
いくつかの実施形態において、ポリマーの硬化度を制御する方法は、異なるエネルギーの硬化条件を利用して、膜層130を予備硬化状態又は不完全硬化状態にすることによって行うことができる。膜層130の硬化度は、硬化中の膜層130の接着の変化に基づいて決定することができる。すなわち、膜層の硬化度は、膜層130の接着強度と完全硬化した膜層130の接着強度との比(本実施形態においてパーセンテージで表される)として定義することができる。例えば、市販品の膜材料では、完全硬化を達成するためには、低酸素環境で約500mJの光エネルギーを約4分間用いる必要がある。しかし、本実施形態は、低酸素環境下で約500mJの光エネルギーを約2分間用いており、赤外分光法で測定した接着強度は完全硬化した膜層130の接着強度の約95%であり、膜層の硬化度が全硬化量の約95%に達していることを示している。したがって、この硬化条件で得られる膜層130の硬化状態は、全硬化量の約95%と定義される。
いくつかの実施形態において、膜層130は、異なる深さ(すなわち、厚さ)で異なる硬化状態を有するように制御することができる。具体的には、膜層130の硬化中に、膜層130の上下でガス濃度が異なるガスを導入することにより、膜層130の上部での硬化反応中に「ガスが硬化を止める」現象が生じ、膜層130が硬化度の異なる第1層領域と第2層領域とを有するようになる。例えば、第2層領域は、膜層130の底部に位置し、より硬化度の高い領域とすることができ、第1層領域は、膜層130の最上部に位置し、より硬化度の低い領域とすることができる。いくつかの実施形態において、硬化中に、導入されたガス(例えば酸素)の濃度及び/又は所定の硬化エネルギーを制御して、膜層130が異なる深さで異なる硬化状態を有するように制御することができる。いくつかの実施形態において、ガスの濃度は、例えば、約20%、約10%、約3%又は約1%未満とすることができ、硬化エネルギーは、膜層130の材料に従って選択することができ、例えば、約250mJ~約1000mJの紫外線エネルギーである。いくつかの実施形態において、ガスの濃度が高いほど、「酸素が硬化を止める」現象が膜層130の最上部においてより顕著に生じる。その結果、第1層領域の厚さがより厚くなり、第2層領域の厚さがより薄くなる。例えば、第1層領域の厚さに対応する導入ガスの濃度は、大から小へ順に約20%、約10%、約3%、約1%未満である。いくつかの実施形態において、導入された酸素の濃度が約20%であり、加えられた硬化エネルギーが約500mJである場合、第1層領域の硬化度は約60%であり、第1層領域の厚さは約23.4nmであり(すなわち、第1層領域の厚さは、膜層130の全厚さの約12%である)、第2層領域の硬化度は約99%~約100%であり、第2層領域の厚さは約168.1nmである(すなわち、第2層領域の厚さは、膜層130の全厚さの約88%である)。いくつかの実施形態において、導入された酸素の濃度が約20%であり、加えられた硬化エネルギーが約1000mJである場合、第1層領域の厚さは約8.8nmであり(すなわち、第1層領域の厚さは、膜層130の全厚さの約5%である)、第2層領域の厚さは約195.9nmである(すなわち、第2層領域の厚さは、膜層130の全厚さの約95%である)。
本開示は、金属ナノワイヤ122上に付加される膜層130に焦点を合わせ、また、膜層130の硬化度又は硬化深さを制御することに焦点を合わせ、これにより、被覆構造140(図1Bには示されていないが、代わりに図1Cに示されている)を金属ナノワイヤ122の表面に沿って成長させ、金属ナノワイヤ122と膜層130との間の界面上に形成させることができる(以下に詳述する)ことは注目に値する。金属ナノワイヤ122を含む分散体又はスラリーをコーティングする前述の工程において、分散体又はスラリーは、ポリマー及び類似の組成物も含むことができるが、これは本開示のキーポイントではない。いくつかの実施形態において、膜層130の硬化度は、約0%、約30%、約60%、約75%、約95%、約98%、約0%~約95%、約0%~約98%、約95%~約98%、約60%~約98%、又は約60%~約75%で制御することができる。以上のように、本開示における「予備硬化又は不完全硬化」とは、「膜層の接着強度が完全硬化した膜層の接着強度と異なること」と定義することができる。すなわち、膜層の接着強度と完全硬化した膜層の接着強度との比が100%でない場合は、本開示の範囲に入る。
図1Cを参照する。次に、修飾工程が行われ、複数の修飾された金属ナノワイヤ122を含む金属ナノワイヤ層120が形成される。詳細には、修飾後、最初の金属ナノワイヤ122の少なくとも一部は、その表面上に被覆構造140が形成されるように修飾され、それによって、修飾された金属ナノワイヤ122を形成する。図1B及び図1Cでは、修飾の前後の金属ナノワイヤ122を表すためにそれぞれ異なるパターンが使用され、図1B及び図1Cに示されるパターンは、修飾の前後の金属ナノワイヤ122をそれぞれ表すために、以下の図において直接使用されることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、被覆構造140は、無電解めっき/電気分解によって形成することができ、被覆構造140は、例えば、層状構造、島状突出構造、ドット状突出構造、又は導電性材料を含むそれらの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態において、導電性材料は、銀、金、白金、ニッケル、銅、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、これらの材料を含む合金、又はこれらの材料を含まない合金を含むことができる。いくつかの実施形態において、被覆構造140の被覆率は、金属ナノワイヤ122の総表面積の約80%超、約90%~約95%、約90%~約99%、又は約90%~100%とすることができる。被覆構造140の被覆率が100%であると言われる場合、それは、最初の金属ナノワイヤ122の表面が完全に露出していないということを意味することを理解されたい。いくつかの実施形態において、被覆構造140は、無電解銅めっき層、電気めっき銅層又は無電解銅-ニッケル合金めっき層のような単一の導電性材料で構成された単層構造であってもよい。又は、被覆構造140は、二層、又は2以上の導電材料からなる多層構造であってもよく、例えば、最初に無電解銅めっき層を形成し、その後に無電解銀めっき層を形成する。
いくつかの実施形態において、無電解銅めっき液(銅イオン溶液、キレート剤、アルカリ剤、還元剤、緩衝剤、安定剤などを含む)を調整することができ、金属ナノワイヤ122及び膜層130を無電解銅めっき液に浸漬することができる。無電解銅めっき液は、予備硬化又は不完全硬化された膜層130に浸透し、毛細管現象により金属ナノワイヤ122の表面に接触することができる。同時に、金属ナノワイヤ122は、触媒点又は核形成点として作用して銅の析出を促進することができ、したがって、無電解銅めっき層が金属ナノワイヤ122上に堆積されて被覆構造140が形成される。被覆構造140は、金属ナノワイヤ122の各々の初期形状に応じて実質的に成長し、修飾時間が長くなるにつれて、金属ナノワイヤ122の各々を被覆する構造を形成する。対照的に、金属ナノワイヤ122が存在しない複合構造220では銅の析出はない。すなわち、うまく制御することによって、被覆構造140全体が、各金属ナノワイヤ122と膜層130との間の界面に形成され、膜層130は、金属ナノワイヤ122の表面に接触せずに単独で存在する被覆構造140を有さない。したがって、修飾工程の後、導電性ネットワークの各金属ナノワイヤ122は、被覆構造140によって覆われ、被覆構造140は、各金属ナノワイヤ122及び膜層130によって形成される界面上に位置する。換言すると、被覆構造140は、各金属ナノワイヤ122と膜層130との間にある。被覆構造140と、被覆構造140によって被覆される各金属ナノワイヤ122とは、全体とみなすことができ、全体の間のギャップは、膜層130の材料によって満たされる。
いくつかの実施形態において、膜層130及び無電解めっき液/電解液は、互いに適合する材料を含むことができる。例えば、非アルカリ耐性ポリマーを用いて膜層130を形成する場合には、無電解めっき液をアルカリ溶液とすることができる。したがって、この工程では、前述した膜層130の予備硬化状態又は不完全硬化状態を利用することに加えて、無電解めっき液をさらに利用して、予備硬化状態又は不完全硬化状態の膜層130を攻撃(エッチングと似ている)し、前述した修飾工程を容易にすることができる。
以下、修飾工程の原理について説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。金属ナノワイヤ122及び膜層130が無電解めっき液/電解液に浸漬される初期期間において、溶液は、まず、予備硬化された又は不完全硬化された膜層130を攻撃する。溶液が金属ナノワイヤ122に接触すると、金属イオン(例えば銅イオン)は、金属ナノワイヤ122(例えば、銀ナノワイヤ)を種結晶として成長を開始することによって成長を開始し、浸漬時間が増加するにつれて、金属ナノワイヤ122の表面上の前述の被覆構造140内にさらに成長する。一方、膜層130は、上述の反応プロセスにおいて、制御層又は制限層として作用して、各金属ナノワイヤ122と膜層130との間の界面上の被覆構造140の成長を制限し、被覆構造140が均一に成長するように制御することができる。このようにして、本開示の修飾された金属ナノワイヤ122は、信号を感知/送信する際に、より良好な一致性を有することができる。
いくつかの実施形態において、その後、硬化工程を行い、光、熱、又は他の方法を使用して膜層130を完全に硬化させることができる。上述した修飾工程では、被覆構造140は、各金属ナノワイヤ122の表面上に形成され、各金属ナノワイヤ122の表面全体を被覆して外側に成長する。いくつかの実施形態において、高導電性材料を採用して、被覆構造140を形成することができる。例えば、銅は、銀ナノワイヤの表面を覆う被覆構造140の材料として採用され、被覆構造140は、各銀ナノワイヤと膜層130との間の界面上に位置する。銀の導電率は銅の導電率よりも高いが、銀ナノワイヤの各々のサイズ及びそれらの接触状態などの要因により、銀ナノワイヤ層全体の導電率はより低い(しかし、抵抗は電気信号を伝達するのに依然として十分低い)ことは注目に値する。修飾工程の後、被覆構造140(すなわち、修飾された金属ナノワイヤ122)によって被覆された銀ナノワイヤの導電率は、修飾されていない銀ナノワイヤの導電率よりも高い。換言すると、修飾された金属ナノワイヤ層120は、低抵抗導電層を形成することができる。未修飾の金属ナノワイヤ層120と比較して、修飾された金属ナノワイヤ層120の表面抵抗は、約100倍から約10,000倍に低減することができる。上述の導電層は、可撓性分野における導電性基板、ワイヤレス充電コイル、又はアンテナ構造などの様々な用途のための電極構造を作製するために使用することができる。具体的には、電極構造は、金属ナノワイヤ122と、金属ナノワイヤ122をさらに被覆する膜層130とを少なくとも含むことができ、各金属ナノワイヤ122の表面の少なくとも一部又は全体(すなわち、金属ナノワイヤ122の、膜層130に対応する界面)は、被覆構造140(すなわち、被覆層)を有する。被覆層を導入することにより、金属ナノワイヤ層120の導電性を高めることができる。いくつかの実施形態において、銅材料は、各金属ナノワイヤ122の表面に沿って成長する(すなわち、金属ナノワイヤ122の、膜層130に対応する界面)ため、観察される銅の形状は、めっき後の各金属ナノワイヤ122の初期形状(例えば、線形構造)と極めて類似しており、銅は、均一に成長して、類似のサイズ(例えば、厚さ)を有する外層構造を形成する。
本開示の前述の方法は、ディスプレイと一体化されたタッチパネルのようなタッチパネルの製造に適用することができるが、これに限定されるものではない。より具体的には、図2A及び図2Bを参照する。図2Aは、本開示のいくつかの実施形態に係るタッチパネル100を示す概略平面図であり、図2Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る線2B-2Bに沿う図2Aのタッチパネル100を示す概略断面図である。いくつかの実施形態において、タッチパネル100は、基板110、周辺トレース150、及びタッチ感知電極170を含むことができる。基板110は、周辺トレース150及びタッチ感知電極170を支持するように構成され、例えば、硬質透明基板又は可撓性透明基板であってもよい。いくつかの実施形態において、基板110の材料は、ガラス、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、無色ポリイミド、又はそれらの組合せなどの透明材料を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、基板110の表面上に前処理工程を行うことができ、例えば、表面修飾処理を行うか、又は接着層若しくは樹脂層を基板110の表面上に追加的にコーティングして、基板110と金属ナノワイヤ122との間の接着性を高める。
いくつかの実施形態では、基板110は可視性によって定義される可視領域VAと周辺領域PAとを有することができ、周辺領域PAは、可視領域VAの横に配置されている。可視領域VAは、ユーザーが見ることができる領域を示し、周辺領域PAは、ユーザーが見ることができない領域を示し、境界B2は、可視領域VAと周辺領域PAとの接合部に位置する。例えば、周辺領域PAは、可視領域VAの周囲(すなわち、可視領域VAの右側、左側、上側及び下側を含む)に配置された枠状の領域とすることができる。別の例としては、周辺領域PAは、可視領域VAの左側及び下側に配置されたL字状の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、基板110が、屈曲性によって定義される曲げ領域BRと非曲げ領域NRとを有する場合、曲げ領域BRは非曲げ領域NRに挟まれてもよく(例えば、曲げ領域BRは非曲げ領域NRによって上下から挟まれる)、曲げ領域BRと非曲げ領域NRとの接合部に境界B1が位置する。本明細書に記載の曲げ領域BRは、例えば、タッチパネル100をフレキシブルデバイスに組み込んだときのフレキシブルデバイスの設計によって規定される屈曲可能領域であってもよい。一般に、曲げ領域BRの面積は、非曲げ領域NRの面積よりも小さい。周辺領域PAの一部の領域と可視領域VAの一部の領域とが曲げ領域BRに重なり、周辺領域PAの一部の領域と可視領域VAの一部の領域とが非曲げ領域NRに重なる。
いくつかの実施形態において、タッチ感知電極170は、ほぼ可視領域VA上に位置し、タッチ感知電極170の一部は、曲げ領域BR上に位置し、タッチ感知電極170の別の部分は、非曲げ領域NR上に位置する。いくつかの実施形態において、タッチ感知電極170は、織り合わされず配置される。例えば、タッチ感知電極170は、第1の方向D1に沿って延びる帯状電極であってもよく、複数の帯状電極は、第2の方向D2に沿って等距離に配置されてもよく、第1の方向D1と第2の方向D2とは互いに直交している。しかしながら、タッチ感知電極170の形状や配置はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、タッチ感知電極170は、他の適切な形状及び配置を有してもよい。いくつかの実施形態において、1つの帯状電極は、曲げ領域BR及び非曲げ領域NRに渡ってもよく(例えば、図2Aの最も上の帯状電極)、完全に曲げ領域BRに位置してもよく(例えば、図2Aの中央の帯状電極)、又は完全に非曲げ領域NRに位置してもよい(例えば、図2Aの最も下の帯状電極)。いくつかの実施形態において、タッチ感知電極170は単層構成を採用し、タッチパネル100は、各タッチ感知電極170のキャパシタンスの変化を検出することによってタッチ位置を取得することができる。
いくつかの実施形態において、周辺トレース150は、ほぼ周辺領域PA上に位置し、周辺トレース150とタッチ感知電極170とは、可視領域VAと周辺領域PAとの間のほぼ境界(境界B2)で互いに接触し、互いに電気的に接続されて、可視領域VAと周辺領域PAを横切る電子移動経路を形成する。
いくつかの実施形態において、非曲げ領域NR上の周辺トレース150及びタッチ感知電極170は、修飾された金属ナノワイヤ122を含む(本明細書で参照される「修飾された金属ナノワイヤ122」は、金属ナノワイヤ122と、その表面を覆う被覆構造140とを含む)。詳細には、非曲げ領域NR上の各周辺トレース150及びタッチ感知電極170は、金属ナノワイヤ122及び金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130を含み、各金属ナノワイヤ122と膜層130との間の界面は、実質的に被覆構造140を有する。具体的には、上述した修飾された金属ナノワイヤ122と、修飾された金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130とをパターニングして、非曲げ領域NR上に周辺トレース150とタッチ感知電極170とを形成する。被覆構造140を金属ナノワイヤ122と膜層130との間の界面に形成することにより、修飾された金属ナノワイヤ122を形成する。修飾された金属ナノワイヤ122を用いて、周辺トレース150及びタッチ感知電極170を、タッチパネル100の非曲げ領域NR上に製造することにより、タッチパネル100の表面抵抗を効果的に低減して、タッチパネル100の導電性を高めることができ、タッチパネル100の抵抗性容量性負荷(RC負荷)値を効果的に低減することができる。いくつかの実施形態において、未修飾の金属ナノワイヤ122からなる(すなわち、金属ナノワイヤ122は、その表面上に被覆構造140を有さない)タッチ感知電極170と比較して、修飾された金属ナノワイヤ122からなるタッチ感知電極170の抵抗性容量性負荷値は、約10%~約50%減少する。
いくつかの実施形態において、曲げ領域BR上に位置するタッチ感知電極170は、未修飾の金属ナノワイヤ122を含む。詳細には、曲げ領域BR上のタッチ感知電極170は、最初の金属ナノワイヤ122と、最初の金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130とを含む。具体的には、未修飾の金属ナノワイヤ122及び未修飾の金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130は、曲げ領域BR上にタッチ感知電極170を形成するようにパターニングされる。未修飾の金属ナノワイヤ122(例えば、銀ナノワイヤ)は、修飾された金属ナノワイヤ122(例えば、銅金属材料によって被覆された銀ナノワイヤ)よりも優れた屈曲性を有することができることは注目に値する。したがって、未修飾の金属ナノワイヤ122を用いて曲げ領域BR上にタッチ感知電極170を製造することにより、タッチパネル100は良好な屈曲性を維持することができる。一方、修飾された金属ナノワイヤ122からなるタッチ感知電極170は、未修飾の金属ナノワイヤ122から作製されるタッチ感知電極170よりも低い抵抗性容量性負荷値を有するが、タッチ感知電極170は、タッチ感知電極170が修飾された金属ナノワイヤ122からなるか、又は、未修飾の金属ナノワイヤ122からなるかにかかわらず、タッチ感知信号を送信するのに十分な導電性を有することができる。
いくつかの実施形態において、タッチ感知電極170は、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンを有する。詳細には、非曲げ領域NR上では、修飾された金属ナノワイヤ122及び修飾された金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130がパターニングされて、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンが形成され、形成されたメッシュパターンが、タッチ感知電極170の電極パターンである。曲げ領域BR上では、未修飾の金属ナノワイヤ122及び未修飾の金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130がパターニングされて、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンが形成され、形成されたメッシュパターンが、タッチ感知電極170の電極パターンである。換言すると、修飾された金属ナノワイヤ122及び修飾された金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130は、非曲げ領域NR上のタッチ感知電極170の各細線Lに存在し、未修飾の金属ナノワイヤ122及び未修飾の金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130は、曲げ領域BR上のタッチ感知電極170の各細線Lに存在する。一つのタッチ感知電極170が、曲げ領域BRと非曲げ領域NRの境界B1を横切るとき、境界B1を横切る細線Lは、未修飾の金属ナノワイヤ122及び修飾された金属ナノワイヤ122の両方を含むことができる。より詳細には、一本の細線Lにおける一つの金属ナノワイヤ122が、曲げ領域BRと非曲げ領域NRとの間の境界B1を横切る場合、境界B1を横切る一つの金属ナノワイヤ122は部分的に修飾されてもよく、すなわち、金属ナノワイヤ122の一部は被覆構造140によって被覆されてもよく(すなわち、修飾されている)、一方、金属ナノワイヤ122の別の部分は、被覆構造140によって被覆されない(すなわち、修飾されていない)。
修飾された金属ナノワイヤ122は被覆構造140を有するため、未修飾の金属ナノワイヤ122の光透過率及びヘイズよりも低い光透過率(すなわち、約400nm~約700nmの波長を有する可視光の透過率)及びより高いヘイズを有することは注目に値する。タッチ感知電極170をパターニングして、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンを形成することにより、修飾された金属ナノワイヤ122がタッチ感知電極170の光透過率及びヘイズに影響を与えることを防止し、したがって、タッチパネル100の可視領域VAは良好な光学特性を維持することができる。具体的には、本開示のメッシュパターンを有するタッチ感知電極170は、タッチパネル100の可視領域VAを、ユーザのニーズを満たす約88%超の光透過率にすることができる。一方、本開示のメッシュパターンを有するタッチ感知電極170は、タッチパネル100の可視領域VAを約3.0未満、好ましくは約2.5未満、約2.0未満、又は約1.5未満のヘイズを有するようにすることができる。
いくつかの実施形態において、タッチ感知電極170のより良好な光透過性及びパターニングの利便性を提供するため、各細線Lの線幅W1は約1μm~約10μmである。具体的には、各細線Lの線幅W1が約10μm超である場合、タッチ感知電極170の光線透過率が悪くなり、タッチパネル100の可視領域VAの光学特性に影響を及ぼし得る。各細線Lの線幅W1が1μm未満である場合、パターニングの難易度が高くなり得、製造工程に不都合が生じ得る。いくつかの実施形態において、隣接する細線L間の距離X1(すなわち、線間隔X1)は、約1μm~約10μmであり、タッチ感知電極170に良好な光透過率及び導電性を提供する。具体的には、線間隔X1が約10μm超である場合、メッシュパターンの配置が疎になりすぎて、電子移動経路が不十分となり、タッチ感知電極170の表面抵抗が大きくなりすぎ、導電性が低くなりすぎる。線間隔X1が約1μm未満である場合、メッシュパターンの配置が密になりすぎて、タッチ感知電極170の光透過率が低くなり、タッチパネル100の可視領域VAが示す光学特性に影響を及ぼす。いくつかの実施形態において、細線Lは等間隔に配置されてもよい。つまり、各メッシュは同じサイズにすることができる(例えば、長さと幅)。いくつかの実施形態において、各メッシュの形状は、例えば、矩形、正方形、菱形、又は他の適切な形状とすることができる。以上の構成により、本開示のタッチ感知電極170は、光透過性が良好であるだけでなく、導電性も良好である。具体的には、非曲げ領域NR上の修飾された金属ナノワイヤ122からなるメッシュパターンを有するタッチ感知電極170の表面抵抗は、約8Ω/□~約42Ω/□である。曲げ領域BR上に、未修飾の金属ナノワイヤ122からなるメッシュパターンを有するタッチ感知電極170の表面抵抗と比較して、非曲げ領域NR上に、修飾された金属ナノワイヤ122からなるメッシュパターンを有するタッチ感知電極170の表面抵抗は、約20%~約30%低減される。
いくつかの実施形態において、曲げ領域BRの境界B1とタッチ感知電極170の非曲げ領域NRとを横切る細線Lは、不均一な線幅W1を有してもよい。詳細には、本開示のいくつかの実施形態に係る図2Aのタッチパネル100の領域R1を示す概略部分拡大図である、図2Cを参照する。図2Cに示すように、曲げ領域BRと非曲げ領域NRとの境界B1を横切る細線Lは、境界B1から遠い第1の部分L1と、境界B1に近い第2の部分L2とを有し、第1の部分L1と第2の部分L2とが接続され、第1の部分L1の線幅W11は、第2の部分L2の線幅W12よりも小さい。より詳細には、第1の部分L1の線幅W11は1μm~5μmであり、第2の部分L2の線幅W12は5μm~30μmである。曲げ領域BRには未修飾の金属ナノワイヤ122が設けられ、非曲げ領域NRには修飾された金属ナノワイヤ122が設けられているため、細線Lの不均一な線幅W1の設計は、複数回の屈曲後に曲げ領域BRと非曲げ領域NRとの間で回路(細線L)が開くことを回避することができ、可視領域VAが良好な光学特性(例えば、高い光透過率)を有することを確実にすることができる。いくつかの実施形態において、境界B1を横切る細線Lの線幅W1は、徐々に増加し、所定の範囲で徐々に減少する、すなわち、線形漸次設計が採用される。より詳細には、境界B1を横切る細線Lの線幅W1は、曲げ領域BR上において、境界B1から遠いものから境界B1に近いものへと徐々に増加し、非曲げ領域NR上において、境界B1に近いものから境界B1から遠いものへと徐々に減少する。したがって、境界B1を横切る細線Lの線幅W1は、境界B1に接する位置で最も大きくなる。細線Lの線幅W1が所定の範囲で減少(又は増加)するため、線幅W1の急激な減少(又は急激な増加)による細線Lの開きを防止することができる。一方、境界B1を横切らない細線Lは、(図2Aに示すように)一定の線幅W1を有していてもよい。
図2Aに戻る。可視領域VAと周辺領域PAとの間の境界B2に隣接するタッチ感知電極170内の細線Lも、不均一な線幅W1を有してもよい。詳細には、本開示のいくつかの実施形態に係る図2Aのタッチパネル100の領域R2を示す概略部分拡大図である図2Dを参照されたい。図2Dに示すように、曲げ領域BRにおいて、可視領域VAと周辺領域PAとの境界B2に隣接する細線Lは、境界B2からより遠い第1の部分L1と、境界B2により近い第2の部分L2とを有し、第1の部分L1と第2の部分L2とが接続され、第1の部分L1の線幅W11は、第2の部分L2の線幅W12よりも小さい。より詳細には、第1の部分L1の線幅W11は1μm~5μmであり、第2の部分L2の線幅W12は5μm~30μmである。曲げ領域BRの可視領域VAには未修飾の金属ナノワイヤ122が設けられ、曲げ領域BRの周辺領域PAには修飾された金属ナノワイヤ122が設けられているため、細線Lの不均一な線幅W1の設計は、複数回の屈曲後に可視領域VAと周辺領域PAとの間で曲げ領域BR上の回路(細線L)が開くことを回避することができ、可視領域VAが良好な光学特性(例えば、高い光透過率)を有することを確実にすることができる。いくつかの実施形態において、境界B2に隣接する細線Lの線幅W1は、所定の範囲で徐々に増加する、すなわち、線形漸次設計が採用される。より詳細には、境界B2に隣接する周辺領域PA上の細線Lの線幅W1は、境界B2から遠いものから境界B2に近いものまで徐々に増加し、細線Lは境界B2まで延びて周辺トレース150に接続され、境界B2に接する位置(すなわち、細線Lが周辺トレース150に接続される位置)で細線Lの線幅W1が最大となる。細線Lの線幅W1が所定の範囲で減少(又は増加)するため、線幅W1の急激な減少(又は急激な増加)による細線Lの開きを防止することができる。一方、境界B2に隣接しない細線Lは、一定の線幅W1を有していてもよい。
図2A及び図2Bを参照する。周辺トレース150の線幅W2は約8μm~約10μmであり、したがって、周辺トレース150は良好な導電性を有し、パターニングの利便性を提供する。詳細には、周辺トレース150の線幅W2が約8μm未満である場合、周辺トレース150の表面抵抗が大きくなりすぎ、導電率が低くなりすぎ、線幅W2が約8μm未満である場合、パターニングが困難になり得、製造工程に不都合が生じる。いくつかの実施形態において、周辺トレース150の線幅W2は、タッチ感知電極170の細線L(境界B1、B2に隣接しない細線L)の一部の線幅W1と同じになるように設計することができる。いくつかの実施形態において、隣接する周辺トレース150間の距離X2(すなわち、線間隔X2)は、約5μm~約20μm、好ましくは3μm~約20μmである。その結果、従来のタッチパネルと比較して、本開示のタッチパネル100は、ベゼルサイズ(例えば、周辺領域PAの幅)を約20%以上低減し、したがって、ディスプレイの狭幅ベゼルの条件が達成される。具体的には、本開示におけるタッチパネル100の周辺領域PAの幅は、約2mm未満とすることができる。以上の構成により、本開示の周辺トレース150は良好な導電性を有することができる。具体的には、本開示の周辺トレース150は、タッチパネル100の周辺領域PAの表面抵抗を約0.10Ω/□~約0.13Ω/□の間とすることができる。未修飾の金属ナノワイヤ122によって形成されたタッチパネルの周辺領域PAの表面抵抗と比較して、修飾された金属ナノワイヤ122によって形成されたタッチパネル100の周辺領域PAの表面抵抗は、約20%~約50%減少する。
図3A~図3Dを参照すると、これらは、本開示のいくつかの実施形態に係る異なるステップにおけるタッチパネル100の製造方法を示す概略断面図であり、その断面の位置は図2Bの場合と同じである。タッチパネル100の製造方法は、ステップS10からステップS16を含み、ステップS10からステップS16までを連続して行うことができる。ステップS10では、所定の周辺領域PA及び所定の可視領域VA並びに所定の曲げ領域BR及び所定の非曲げ領域NRを有する基板110が設けられ、未修飾の金属ナノワイヤ122が基板110上に配置されて、周辺領域PA上及び可視領域VA上(曲げ領域BR及び非曲げ領域NRを含む)に金属ナノワイヤ層120が形成される。ステップS12において、膜層130は、未修飾の金属ナノワイヤ122上に配置され、したがって膜層130は未修飾の金属ナノワイヤ122を被覆し、膜層130は予備硬化状態又は不完全硬化状態である。ステップS14では、パターニング工程を行ってパターニングされた金属ナノワイヤ層120を形成し、周辺領域PA上に位置する金属ナノワイヤ層120をパターニングして周辺トレース150を形成し、可視領域VA上に位置する金属ナノワイヤ層120(曲げ領域BR及び非曲げ領域NRを含む)をパターニングしてタッチ感知電極170を形成する。ステップS16では、修飾工程を行い、金属ナノワイヤ122の一部に被覆構造140を形成し、周辺領域PA上に位置する周辺トレース150及び非曲げ領域NR上に位置するタッチ感知電極170が修飾された金属ナノワイヤ122を含み、曲げ領域BR上に位置するタッチ感知電極170が未修飾の金属ナノワイヤ122を含むようにする。以下の説明では、上述のステップについてより詳細に説明する。
図3Aを参照する。金属ナノワイヤ層120(例えば、銀ナノワイヤ層、金ナノワイヤ層、又は銅ナノワイヤ層)は、少なくとも金属ナノワイヤ122を含み、基板110の周辺領域PA及び可視領域VA(曲げ領域BR及び非曲げ領域NRに位置する領域を含む)上にコーティングされる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤ122を有する分散体又はスラリーを、コーティングによって基板110上に形成し、硬化/乾燥させて、金属ナノワイヤ122を基板110の表面に付着させ、基板110上に配置された金属ナノワイヤ層120を形成することができる。上述の硬化/乾燥工程の後、分散液又はスラリーの溶媒は揮発し、金属ナノワイヤ122は、基板110の表面上にランダムに分布され得る。又は、好ましくは、金属ナノワイヤ122は、脱落することなく基板110の表面上に固定され、金属ナノワイヤ層120を形成することができる。金属ナノワイヤ層120の金属ナノワイヤ122は、互いに接触して連続的な電流経路を提供し、導電性ネットワークを形成することができる。換言すると、金属ナノワイヤ122は、その交差位置において互いに接触し、電子を移動させる経路を形成する。銀ナノワイヤを例にとると、一方の銀ナノワイヤと他方の銀ナノワイヤは、それらの交差位置(すなわち、銀-銀接触界面)で直接接触を形成し、低抵抗の電子移動経路を形成することができる。その後の修飾工程は、上述した「銀-銀接触」の低抵抗構造に影響を与えたり、変化させたりすることはないが、金属ナノワイヤ122の表面上に高い導電性を有する被覆構造140をさらに被覆して、最終生成物の電気特性を改善する。
いくつかの実施形態において、分散液又はスラリーは溶媒を含み、金属ナノワイヤ122が溶媒中に均一に分散する。具体的には、溶媒は、例えば、水、アルコール、ケトン、エーテル、炭化水素、芳香族溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、分散体は、金属ナノワイヤ122と溶媒との間の親和性及び溶媒内の金属ナノワイヤ122の安定性を改善するために、添加剤、界面活性剤、及び/又は結合剤をさらに含んでもよい。具体的には、添加剤、界面活性剤及び/又は結合剤は、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース、フルオロ界面活性剤、スルホコハク酸スルホネート、サルフェート、ホスフェート、ジスルホネート、又はそれらの組み合わせであってもよい。金属ナノワイヤ122を含む分散体又はスラリーは、限定されるものではないが、スクリーン印刷、スプレーコーティング、又はローラーコーティングなどの工程の任意の方法で、基板110の表面上に形成することができる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤ122を含む分散体又はスラリーが、連続的に供給される基板110の表面上にコーティングされるように、ロール・ツー・ロール法を行ってもよい。
本明細書で使用される用語「金属ナノワイヤ」は集合名詞であり、複数の金属要素、金属合金、又は金属化合物(金属酸化物を含む)を含む金属ワイヤの集合を指し、その中に含まれる金属ナノワイヤの数は、本開示の範囲に影響を及ぼさないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、単一の金属ナノワイヤの断面サイズ(例えば、断面の直径)は、500nm未満、好ましくは100nm未満、より好ましくは50nm未満とすることができる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤは、大きいアスペクト比(すなわち、長さ:断面の直径)を有する。具体的には、金属ナノワイヤのアスペクト比は、10~100,000とすることができる。より詳細には、金属ナノワイヤのアスペクト比は10超、好ましくは50超、より好ましくは100超とすることができる。さらに、絹、繊維、又は管のような他の用語も、同様に本開示の範囲内に入る上述の断面寸法及びアスペクト比を有する。
いくつかの実施形態において、導電性を高めるために、金属ナノワイヤ122上に後処理をさらに実施し、金属ナノワイヤ122の交差位置における接触特性を改善することができる(例えば、接触面積の増加)。後処理は、加熱、プラズマ供給、コロナ放電、紫外線供給、オゾン供給、又は加圧などの工程を含むことができるが、これらに限定されるものではない。具体的には、金属ナノワイヤ層120を硬化/乾燥させることによって形成した後、ローラーを用いて加圧してもよい。いくつかの実施形態において、一以上のローラーを使用して、金属ナノワイヤ層120上に圧力を加えることができる。いくつかの実施形態において、加えられる圧力は、約50psi~約3400psi、好ましくは約100psi~約1000psi、約200psi~約800psi、又は約300psi~約500psiとすることができる。いくつかの実施形態において、後処理の加熱工程及び加圧工程は、金属ナノワイヤ122上で同時に実施することができる。例えば、約10psi~約500psiの圧力(又は好ましくは約40psi~約100psiの圧力)をローラーを通して加えることができ、また、ローラーを約70℃~約200℃(又は好ましくは約100℃~約175℃)まで加熱して、金属ナノワイヤ122の導電性を高めることができる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤ122は、後処理のために還元剤に曝されてもよい。例えば、銀ナノワイヤを含む金属ナノワイヤ122は、好ましくは、後処理のために銀還元剤に曝されてもよい。いくつかの実施形態において、銀還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素、ジメチルアミンボランなどのホウ素窒素化合物、又は水素などのガス還元剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、曝露時間は、約10秒~約30分、好ましくは約1分~約10分とすることができる。上述の後処理を通して、金属ナノワイヤ122の交差位置における接触強度又は面積を強化して、金属ナノワイヤ122の交差位置における接触面が、修飾処理の影響を受けないようにすることができる。
次に、図3Bを参照する。膜層130は未修飾の金属ナノワイヤ122上に配置され、膜層130は未修飾の金属ナノワイヤ122を覆う。いくつかの実施形態において、コーティング後の膜層130内のポリマーは、金属ナノワイヤ122に浸透してフィラーを形成することができ、金属ナノワイヤ122は膜層130に埋め込まれて、複合構造220を形成する。換言すると、未修飾の金属ナノワイヤ122は膜層130に埋め込まれて、複合構造220を形成する。いくつかの実施形態において、膜層130は、非導電性樹脂又は他の有機材料などの絶縁材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、膜層130は、スピンコーティング、スプレーコーティング又は印刷によって形成することができる。いくつかの実施形態において、膜層130の厚さは、約20nm~約10μm、約50nm~約200nm、又は約30nm~約100nmとすることができる。その後の修飾工程を効果的に実施するために、ポリマー(すなわち、膜層130)は前述したように、予備硬化状態又は不完全硬化状態となる。
次に、図3Cを参照する。周辺領域PA上及び可視領域VA上に位置する複合構造220のパターンを画定するためにパターニング工程が行われ、周辺領域PA上及び可視領域VA上に位置する導電構造を形成する。いくつかの実施形態において、周辺領域PA上のパターニングされた複合構造220は、周辺トレース150を形成することができ、可視領域VA上のパターニングされた複合構造220は、タッチ感知電極170を形成することができる。周辺トレース150とタッチ感知電極170は、周辺領域PAと可視領域VAとの間の信号伝送のために互いに電気的に接続することができる。いくつかの実施形態において、可視領域VA上に位置する複合構造220を、複数の織り合わされた細線Lを有するメッシュパターンにパターニングすることで、可視領域VAが良好な光透過率を有することができる。パターニング工程の後、周辺トレース150及びタッチ感知電極170は、少なくとも、未修飾の金属ナノワイヤ122から形成される金属ナノワイヤ層120を含むことができる。
いくつかの実施形態において、複合構造220をエッチングによってパターニングすることができる。いくつかの実施形態において、周辺領域PA上及び可視領域VA上に位置する複合構造220を同時にエッチングすることができ、エッチングマスク(例えばフォトレジスト)を使用して、周辺領域PA上及び可視領域VA上にパターニングされた複合構造220を同時に同じ処理で作製することができる。いくつかの実施形態において、複合構造220の金属ナノワイヤ層120が銀ナノワイヤ層である場合、銀をエッチングできる成分を、エッチング溶液として選択することができる。例えば、エッチング溶液の主成分は、HPO(約55重量%~約70重量%の比率で)及びHNO(約5重量%~約15重量%の比率で)とすることができ、同じ処理で銀材料を除去することができる。他の実施形態において、エッチング溶液の主成分は、塩化第二鉄/硝酸、又はリン酸/過酸化水素であってもよい。
次に、図3Dを参照する。周辺領域PA上に複数の修飾された金属ナノワイヤ122を含む金属ナノワイヤ層120を形成し、非曲げ領域NRに可視領域VAを形成する、修飾工程が行われている。この修飾工程において、曲げ領域BRの可視領域VAを覆うためにフォトレジスト、剥離性接着剤又は同様の材料層を採用することができ、曲げ領域BRの可視領域VA上の金属ナノワイヤ層120がシールドされ、周辺領域PA上及び非曲げ領域NR上の金属ナノワイヤ層120上のみに修飾工程が行われる。詳細には、修飾工程の後、周辺領域PA上及び非曲げ領域NR上に位置する金属ナノワイヤ層120の金属ナノワイヤ122の少なくとも一部を修飾し、金属ナノワイヤの122一部の表面上に被覆構造140を形成し、これにより、修飾された金属ナノワイヤ122が形成される。いくつかの実施形態において、被覆構造140は無電解めっきによって形成することができ、すなわち、予備硬化された又は不完全硬化された膜層130に浸透するために無電解めっき液が使用され、無電解めっき液中の反応性金属イオンが酸化還元反応によって金属ナノワイヤ122の表面上に析出し、被覆構造140を形成する。被覆構造140は、導電性材料からなる層状構造、島状突出構造、ドット状突出構造、又はこれらの組み合わせであってもよい。又は、被覆構造140は、単一の材料又は複数の材料からなる単層又は多層構造であってもよい。又は、被覆構造140は、合金材料からなる単層又は多層構造であってもよい。
修飾工程は、金属ナノワイヤ122の表面に沿って行われるため、被覆構造140の形状は、各金属ナノワイヤ122の形状に従って実質的に成長することは注目に値する。修飾工程では、被覆構造140(例えば、無電解めっき時間及び/又は無電解めっき液の成分濃度)の成長条件を、被覆構造140が金属ナノワイヤ122の表面のみを被覆し、過剰成長しないように制御することができる。さらに、上述のように、予備硬化又は不完全硬化した膜層130は、成長を制限又は制御する役割も果たすことができる。このように、修飾工程により形成された被覆構造140は、金属ナノワイヤ122に接触することなく膜層130上に単独で析出/成長することはないが、各金属ナノワイヤ122の表面と膜層130との間に形成される。いくつかの実施形態において、膜層130はさらに、隣り合う金属ナノワイヤ122の間に充填される。これに対し、無電解めっき/電解めっきにより形成される被覆構造140は、高密度である。周辺トレース150及びタッチ感知電極170の細線Lのサイズ(例えば、線幅は約10μm)と比較して、被覆構造140の欠陥サイズは、周辺トレース150及びタッチ感知電極170の細線Lのサイズの約0.01倍~約0.001倍である。したがって、被覆構造140に欠陥があっても、周辺トレース150とタッチ感知電極とが断線することはない。いくつかの実施形態において、予備硬化又は不完全硬化された膜層130が完全に硬化された状態に達するように、修飾工程の後にさらに硬化工程が実施されてもよい。
以上の工程を経て、図2Aに示すようなタッチパネル100を形成することができる。一般に、周辺領域PA上に位置する周辺トレース150は、少なくとも、修飾された金属ナノワイヤ122から形成される金属ナノワイヤ層120を含んでもよく、非曲げ領域NR上に位置するタッチ感知電極170もまた、少なくとも、修飾された金属ナノワイヤ122から形成される金属ナノワイヤ層120を含んでもよい。すなわち、周辺トレース150の金属ナノワイヤ122及び非曲げ領域NR上のタッチ感知電極170はすべて被覆構造140で覆われ、被覆構造140は金属ナノワイヤ122と同一又は類似の構造外観を有してもよく、膜層130は、隣り合う金属ナノワイヤ122の間に充填される。
図2A及び図2Bを参照する。いくつかの実施形態において、非導電性領域180が、周辺領域PA上の隣り合う周辺トレース150の間、及び可視領域VA上の隣り合うタッチ感知電極170の間に存在して、隣り合う周辺トレース150及び知なりあうタッチ感知電極170を電気的に絶縁してもよい。いくつかの実施形態において、非導電性領域180は、実質的にギャップであってもよい。いくつかの実施形態において、上述のエッチング方法を利用して、周辺トレース150間及びタッチ感知電極170間に位置するギャップを形成することができる。
いくつかの実施形態において、タッチパネルは、保護層をさらに含むことができる。具体的には、図4を参照すると、本開示の他の実施形態によるタッチパネル100aを示す概略断面図であり、その断面の位置は図2Bと同じである。タッチパネル100aは保護層190を含み、保護層190の材料は上述の膜層130の材料と同じとすることができる。いくつかの実施形態において、保護層190は、タッチパネル100を完全に覆う。すなわち、保護層190は、周辺トレース150及びタッチ感知電極170を覆う。保護層190は、隣り合う周辺トレース150間の非導電性領域180にさらに充填されて、隣り合う周辺トレース150を電気的に絶縁することができ、又は保護層190は、隣り合うタッチ感知電極170間の非導電性領域180に充填されて、隣り合うタッチ感知電極170を電気的に絶縁することができる。
図5Aは、本開示の他の実施形態によるタッチパネル100bを示す概略平面図である。図5Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る図5Aのタッチパネル100bの線5B~5Bに沿う概略断面図である。図5A及び図5Bを参照すると、タッチパネル100bは両面単層タッチパネル100bである。説明の明確さ及び便宜のために、図5A及び図5Bの実施形態において、第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174を用いて、タッチ感知電極の構成を示す。第1のタッチ感知電極172は、基板110の第1の表面上(例えば上面)に配置され、第2のタッチ感知電極174は、基板110の第2の表面上(例えば、下面)に配置され、第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174は、互いに電気的に絶縁される。いくつかの実施形態において、第1のタッチ感知電極172は、第2の方向D2に沿って延びる複数の帯状電極を含み、複数の帯状電極は、第1の方向D1に沿って等距離に配置されてもよい。第2のタッチ感知電極174は、第1の方向D1に沿って延びる複数の帯状電極を含み、複数の帯状電極は、第2の方向D2に沿って等距離に配置されてもよい。第1の方向D1と第2の方向D2とは垂直である。換言すると、第1のタッチ感知電極172と第2のタッチ感知電極174とが延びる方向は異なっており、互いに織り合わされている。第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174は、それぞれ、制御信号を送信し、タッチ感知信号を受信することができる。このように、第1のタッチ感知電極172と第2のタッチ感知電極174との間の信号変化(例えば、キャパシタンスの変動)を検出することにより、タッチ位置を取得することができる。
いくつかの実施形態において、第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174の各々は、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンを有し、修飾された金属ナノワイヤ122によって形成された金属ナノワイヤ層120を含む。上述したように、修飾された金属ナノワイヤ122及び修飾された金属ナノワイヤ122上に付加された膜層130は、複数の細線Lが織り合わされたメッシュパターンを形成するようにパターニングされ、形成されたメッシュパターンは、第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174の電極パターンである。いくつかの実施形態において、第1のタッチ感知電極172の細線Lと第2のタッチ感知電極174の細線Lとは、完全には重なり合っていない。具体的には、上(すなわち、図5Aで見えている角度)から見た場合に、第2のタッチ感知電極174の2つの細線Lの交点は、第1のタッチ感知電極172の細線Lによって形成されるメッシュのまさに中心に位置することができる。同様に、第1のタッチ感知電極172の2つの細線Lの交点を、第2のタッチ感知電極174の細線Lによって形成されるメッシュのまさに中心に位置することもできる。しかしながら、本開示は、この点において限定されない。他の実施形態において、第1のタッチ感知電極172の細線Lは、第2のタッチ感知電極174の細線Lと完全に重なってもよい。第1のタッチ感知電極172は、対応する周辺トレース150に電気的に接続され、第2のタッチ感知電極174もまた、対応する周辺トレース150に電気的に接続される。
前述の実施形態と同様に、周辺トレース150、非曲げ領域NR上の第1のタッチ感知電極172、及び非曲げ領域NR上の第2のタッチ感知電極174は、すべて、修飾された金属ナノワイヤ122及び膜層130を含み、曲げ領域BR上の第1のタッチ感知電極172、及び曲げ領域BR上の第2のタッチ感知電極174は、すべて、未修飾の金属ナノワイヤ122及び膜層130を含む。換言すると、上述した方法により、被覆構造140は周辺トレース150の金属ナノワイヤ122の表面上、非曲げ領域NR上の第1のタッチ感知電極172の表面上、及び非曲げ領域NR上の第2のタッチ感知電極174の表面上に形成することができる。一方、第1のタッチ感知電極172及び第2のタッチ感知電極174の細線Lの線幅W1及び線間隔X1、並びに周辺トレース150の線幅W2及び線間隔X2については、上述した説明を参照することができ、以下では繰り返さない。
図5A及び図5Bに示す両面単層タッチパネル100bの製造方法は、ステップS30~ステップS36を含む。ステップS30では、所定の周辺領域PA及び可視領域VA、並びに、所定の曲げ領域BR及び所定の非曲げ領域NRを有する基板110が設けられ、未修飾の金属ナノワイヤ122が基板110の2つの反対側の表面上に配置されて、基板110の2つの反対側の表面の周辺領域PA上及び可視領域VA上(曲げ領域BR及び非曲げ領域NRを含む)に金属ナノワイヤ層120が形成される。ステップS32では、膜層130は未修飾の金属ナノワイヤ122上に配置され、膜層130は基板110の2つの反対側の表面上の未修飾の金属ナノワイヤ122を覆い、膜層130は予備硬化状態又は不完全硬化状態である。ステップS34では、両面パターニング工程が行われてパターニングされた金属ナノワイヤ層120が形成され、基板110の2つの反対側の表面の周辺領域PA上に位置する金属ナノワイヤ層120がパターニングされて周辺トレース150が形成され、基板110の2つの反対側の表面の可視領域VA上(曲げ領域BR及び非曲げ領域NRの領域を含む)の金属ナノワイヤ層120がパターニングされてタッチ感知電極170が形成される。ステップS36では、周辺トレース150が基板110の2つの反対側の表面の周辺領域PA上に位置し、基板110の2つの反対側の表面の非曲げ領域NR上に位置するタッチ感知電極170が修飾された金属ナノワイヤ122を含み、曲げ領域BR上に位置するタッチ感知電極が未修飾の金属ナノワイヤ122を含むように、両面修飾工程を実行して基板110の2つの反対側の表面の金属ナノワイヤ122上に被覆構造140を形成する。両面単層タッチパネル100bの製造方法は、上述した片面タッチパネル100の製造方法と同様であるので、以後繰り返さない。
本開示における金属ナノワイヤの修飾方法は、これらに限定されるものではないが、ノートパソコンのタッチパネル、アンテナ構造、及びワイヤレス充電用コイルなど、光透過率を必要としない感知電極の製造にも適用することができる。いくつかの実施形態において、感知電極は配線に接続し、信号を送信するための外部回路に接続することができる。いくつかの実施形態において、配線は、修飾された金属ナノワイヤも含む、上述の周辺トレースと同等のものであってもよい。
本開示のタッチパネルは、タッチ機能付きディスプレイのような他の電子デバイスと組み合わせることができる。例えば、基板をディスプレイデバイス(例えば、液晶ディスプレイデバイス又は有機発光ダイオードディスプレイデバイス)に結合することができ、光学接着剤又は他の接着剤を使用してそれらの間を結合することができる。タッチ感知電極は、光学接着剤を介して外側カバー層(例えば、保護ガラス)と結合されてもよい。本開示のタッチパネル及びアンテナは、携帯電話、タブレット、ノートパソコン等の電子デバイスに適用することができ、フレキシブル製品にも適用することができる。本開示のタッチパネルは、ポラライザーにも適用することができる。本開示の電極は、ウェアラブルデバイス(例えば、時計、眼鏡、スマート衣類、スマートシューズ)及び自動車デバイス(例えば、ダッシュボード、ドライビングレコーダ、バックミラー、ウインドウ)に適用することができる。
本開示の前述の実施形態によると、本開示のタッチパネルにおいて、周辺領域に位置する周辺トレースと、可視領域に位置するタッチ感知電極の一部とが、修飾された金属ナノワイヤで形成されるため、タッチパネルの導電性を高めるためにタッチパネルの表面抵抗を効果的に低減することができ、タッチパネルの抵抗性容量性負荷値を低減することができる。さらに、曲げ領域に被覆構造が存在しないため、タッチパネルの屈曲性を良好に維持することができる。一方、可視領域上のタッチ感知電極は、複数の細線が織り合わされたメッシュパターンを有するため、タッチ感知電極は、可視領域の光透過率が修飾された金属ナノワイヤによって影響を受けることを防止できる。その結果、タッチパネルの可視領域は良好な光学特性を有する。さらに、周辺トレースとタッチ感知電極は、堆積工程及びパターニング工程を通して同一の製造プロセスで製造できるため、重複工程や重なりによって占められるスペースを省略することができ、それにより、タッチパネルの周辺領域の幅を小さくすることができ、狭幅ベゼルのディスプレイの条件を満たすことができる。
本開示は、その特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、本開示の構造に対して様々な修飾及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。前述のことを考慮して、本開示は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることを条件として、本開示の修飾及び変形をカバーすることが意図されている。
100、100a、100b タッチパネル
110 基板
120 金属ナノワイヤ層
122 金属ナノワイヤ
130 膜層
140 被覆構造
150 周辺トレース
170 タッチ感知電極
172 第1のタッチ感知電極
174 第2のタッチ感知電極
180 非導電性領域
190 保護層
220 複合構造
B1、B2 境界
BR 曲げ領域
L 細線
L1 第1の部分
L2 第2の部分
NR 非曲げ領域
PA 周辺領域
VA 可視領域
W1、W2、W11、W12 線幅

Claims (12)

  1. 可視領域及び周辺領域を有し、並びに、曲げ領域及び非曲げ領域を有する基板と、
    前記基板の前記周辺領域上に配置された周辺トレースと、
    前記基板の前記可視領域上に配置され、前記曲げ領域上に第1の部分を有し、前記非曲げ領域上に第2の部分を有する第1のタッチ感知電極と、を備え、
    前記第1のタッチ感知電極は、前記周辺トレースに電気的に接続され、複数の第1の細線が織り合わされたメッシュパターンを有し、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の各々は、前記基板上に配置された膜層と、前記膜層に分布し、埋め込まれた複数の金属ナノワイヤと、を備え、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の前記第2の部分の各々は、さらに前記金属ナノワイヤの表面を覆うように構成された被覆構造と、前記被覆構造で被覆された隣り合う前記金属ナノワイヤの間に充填された前記膜層と、を備え、
    前記第1のタッチ感知電極の第1の部分は、前記被覆構造を備えず、
    前記被覆構造は、導電性金属である、
    タッチパネル。
  2. 可視領域及び周辺領域を有し、並びに、曲げ領域及び非曲げ領域を有する基板と、
    前記基板の前記周辺領域上に配置された周辺トレースと、
    前記基板の前記可視領域上に配置され、前記曲げ領域上に第1の部分を有し、前記非曲げ領域上に第2の部分を有する第1のタッチ感知電極と、を備え、
    前記第1のタッチ感知電極は、前記周辺トレースに電気的に接続され、複数の第1の細線が織り合わされたメッシュパターンを有し、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の各々は、前記基板上に配置された膜層と、前記膜層に分布し、埋め込まれた複数の金属ナノワイヤと、を備え、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の前記第2の部分の各々は、さらに前記金属ナノワイヤの表面を覆うように構成された被覆構造と、前記被覆構造で被覆された隣り合う前記金属ナノワイヤの間に充填された前記膜層と、を備え、
    前記被覆構造は、導電性金属であ
    前記曲げ領域と前記非曲げ領域との間に境界があり、前記境界を横切る前記第1の細線の各々の線幅が、前記境界から遠いものから前記境界に近いものへと徐々に増加する、
    タッチパネル。
  3. 可視領域及び周辺領域を有し、並びに、曲げ領域及び非曲げ領域を有する基板と、
    前記基板の前記周辺領域上に配置された周辺トレースと、
    前記基板の前記可視領域上に配置され、前記曲げ領域上に第1の部分を有し、前記非曲げ領域上に第2の部分を有する第1のタッチ感知電極と、を備え、
    前記第1のタッチ感知電極は、前記周辺トレースに電気的に接続され、複数の第1の細線が織り合わされたメッシュパターンを有し、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の各々は、前記基板上に配置された膜層と、前記膜層に分布し、埋め込まれた複数の金属ナノワイヤと、を備え、
    前記周辺トレース及び前記第1のタッチ感知電極の前記第2の部分の各々は、さらに前記金属ナノワイヤの表面を覆うように構成された被覆構造と、前記被覆構造で被覆された隣り合う前記金属ナノワイヤの間に充填された前記膜層と、を備え、
    前記被覆構造は、導電性金属であ
    前記曲げ領域の前記可視領域と前記周辺領域との間に境界があり、前記境界に隣接する前記第1の細線の線幅の各々が、前記境界から遠いものから前記境界に近いものへと徐々に増加する、
    タッチパネル。
  4. 前記境界を横切る前記第1の細線の各々は、前記境界から遠い第1の部分と前記境界に近い第2の部分とを有し、前記第1の部分の線幅は1μm~5μmであり、前記第2の部分の線幅は5μm~30μmである、請求項に記載のタッチパネル。
  5. 前記境界に隣接する前記第1の細線の各々は、前記境界から遠い第1の部分と前記境界に近い第2の部分とを有し、前記第1の部分の線幅は1μm~5μmであり、前記第2の部分の線幅は5μm~30μmである、請求項に記載のタッチパネル。
  6. 前記被覆構造はめっき層を備え、前記めっき層は、前記金属ナノワイヤの各々を完全に被覆する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  7. 記被覆構造は、前記金属ナノワイヤを完全に被覆し、被覆層は、前記金属ナノワイヤに均一に形成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  8. 前記被覆構造は、単一の金属材料若しくは合金材料からなる単層構造、又は2つ以上の金属材料若しくは合金材料からなる二層構造若しくは多層構造である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  9. 前記被覆構造は、無電解銅めっき層、電気めっき銅層、無電解銅-ニッケルめっき層、無電解銅-銀めっき層、又はこれらの組み合わせである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  10. 前記基板は、互いに反対側に向いた第1の表面と第2の表面とを有し、前記第1のタッチ感知電極は、前記基板の前記第1の表面上に配置され、前記タッチパネルはさらに、前記基板の前記第2の表面上及び前記可視領域上に配置された第2のタッチ感知電極を備え、前記第2のタッチ感知電極は、複数の第2の細線が織り合わされたメッシュパターンを有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  11. 前記第2のタッチ感知電極は、前記曲げ領域上に第1の部分、前記非曲げ領域上に第2の部分を有し、前記第2のタッチ感知電極は、前記基板上に配置された膜層と、前記膜層に分布し、埋め込まれた複数の金属ナノワイヤと、を備え、前記第2のタッチ感知電極の前記第2の部分は、さらに前記金属ナノワイヤの表面を覆うように構成された被覆構造と、前記被覆構造で被覆された隣り合う前記金属ナノワイヤの間に充填された前記膜層と、を備える、請求項10に記載のタッチパネル。
  12. 前記第1の細線によって織り合わされた前記メッシュパターンは、前記第2の細線が織り合わされた前記メッシュパターンと完全には重なっていない、請求項10又は11に記載のタッチパネル。
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