JP7262928B2 - ライナーリングを備えたポンプのケーシングの補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浸食防止構造を備えたライナーリング、およびそのようなライナーリングを備えたポンプに関するものである。また、本発明は、ポンプのケーシングの補修に使用されるテンプレートに関し、特にケーシングの浸食された部位を補修するときに使用される治具に関する。
通常のポンプの連続運転範囲では、キャビテーションやジェット噴流(以下、「キャビテーション等」という)は発生しにくく、問題とならないが、少水量域運転時や大水量域運転時にポンプ流路内にキャビテーション等が発生する場合がある。これは、羽根車に一旦入った水の一部が旋回を伴って高流速で逆流し、その逆流はジェット噴流となり羽根車入口部のケーシングまで到達する。このジェット噴流とキャビテーションとの複合的要因により、ポンプ羽根車入口付近のケーシングに浸食が発生すると考えられる。
実開昭61-19697号公報 特開2013-227970号公報
一般に、その浸食された部位を補修するために、その浸食された部位を機械加工で除去し、特殊なライナーリングを機械加工された部分に嵌め込む作業が行われる。しかしながら、この方法は、機械加工を実施するために、ポンプを工場に搬送する必要があり、補修に長い時間がかかる。そこで、機械加工を伴わない補修方法として、金属充填剤(金属パテ)を用いた方法がある。この方法によれば、ポンプの設置場所で、金属充填剤を浸食された部位に充填することで補修作業が完了する。しかしながら、補修後のポンプ運転中に、金属充填剤が脱落し、浸食が再度発生することがあった。
そこで、本発明は、ケーシングの浸食された部位に充填された金属充填剤(金属パテ)の脱落を防止し、ケーシングの浸食の再発を防止することができるライナーリングを備えたポンプのケーシングの補修方法を提供する。
一態様では、回転軸と、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラを収容するケーシングと、前記インペラの液体入口の周囲に配置されたライナーリングを備えたポンプのケーシングの補修方法であって、前記インペラの液体入口の周囲に位置する前記ケーシングの浸食された部位に金属充填剤充填次いで、前記インペラを収容する前記ケーシングの取付面に嵌合される円筒部と、前記円筒部の吸込側から半径方向外側に突出した保護フランジを備えたライナーリングを、前記保護フランジ前記金属充填剤を覆うように前記インペラの液体入口の周囲に配置する、ポンプのケーシングの補修方法が提供される。
一態様では、前記保護フランジは、前記ケーシングの外面に対向する背面を有し、前記背面は前記ケーシングの前記外面に沿った形状を有する。
一態様では、前記背面は湾曲している。
一態様では、前記保護フランジは、前記円筒部の吸込側端面に接続された前面を有している。
一態様では、前記ライナーリングは、前記円筒部の吸込側から半径方向内側に突出した内側フランジをさらに備える。
参考例では、ポンプのインペラが収容されるケーシングを金属充填剤を用いて補修するときに使用されるテンプレートであって、前記ケーシングの外面に沿った形状の端面を有する整形プレートと、前記整形プレートが固定されたガイドリングを備えたテンプレートが提供される。
参考例では、前記ケーシングは、ライナーリングが嵌合される取付面を有しており、前記ガイドリングは、前記取付面に嵌合可能な形状を有している。
参考例では、前記端面は、前記ガイドリングから半径方向外側に突出している。
参考例では、前記端面は湾曲している。
参考例では、ポンプのインペラが収容されるケーシングの浸食された部位を補修する方法であって、前記浸食された部位に金属充填剤を充填し、上記テンプレートを前記ケーシングの取付面に嵌合させ、前記金属充填剤の表面形状が前記テンプレートの前記端面の形状に合うまで、前記金属充填剤の表面を切削工具を用いて切削し、上記ライナーリングを前記ケーシングの取付面に取り付ける方法が提供される。
ライナーリングの保護フランジは、ケーシングの浸食された部位に充填された金属充填剤を覆うことができる。保護フランジは、金属充填剤をキャビテーションやジェット噴流から保護することができ、金属充填剤の脱落を防止することができる。
また、上記テンプレートを用いることで、金属充填剤の表面形状が、ケーシングの外面の本来の形状となるまで、金属充填剤の表面を研削することができる。特に、上記テンプレートを用いることで、金属充填剤の除去不足および過剰な除去を防ぐことができるので、結果として、短い時間で金属充填剤の表面研削を完了することができる。
ポンプの一例を示す断面図である。 図1におけるライナーリングおよびケーシングの一部を拡大した図である。 金属充填剤を用いてケーシングを補修するときに使用されるテンプレートの上面図である。 図3のA-A線断面図である。 図3に示すテンプレートの底面図である。 図3乃至図5に示す整形プレートの斜視図である。 ライナーリングをケーシングから取り外した状態を示す図である。 浸食された部位に金属充填剤を充填する様子を示す図である。 テンプレートのガイドリングがケーシングの取付面に嵌合された状態を示す図である。 金属充填剤の表面形状がケーシングの外面の本来の形状となるまで、金属充填剤の表面が研削された状態を示す図である。 ライナーリングの一実施形態を示す縦断面図である。 図11の矢印Bで示す方向から見た図である。 図11および図12に示すライナーリングがケーシングの取付面に取り付けられた状態を示す断面図である。 ケーシングの浸食された部位を補修する方法を説明するフローチャートである。 ライナーリングの他の実施形態を示す縦断面図である。 ライナーリングの他の実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、ポンプの一例を示す断面図である。図1に示すポンプ1は、両吸込渦巻きポンプと呼ばれる形式のものである。ただし、本発明は、両吸込渦巻きポンプのみならず、片吸込渦巻きポンプにも適用可能である。ポンプ1は、ケーシング3と、ケーシング3内を延びる回転軸7と、当該回転軸7に固定されたインペラ9とを備えている。インペラ9はケーシング3内に配置されている。ケーシング3は、上ケーシング3Aと、下ケーシング3Bとを備えており、これら両ケーシング3A,3Bが図示しない締結具(ねじ、またはボルトおよびナットなど)によって互いに締結されている。
本実施形態のポンプ1は、インペラ9の両側から液体を吸い込む形式の両吸込渦巻きポンプである。このため、ケーシング3は、吸込側流路11と吐出側流路13を隔てる隔壁15を備えている。
ポンプ1の回転軸7は、図示しない電動モータなどの原動機に連結されており、この原動機の駆動力によりインペラ9を回転させるようになっている。本実施形態のポンプ1では、回転軸7は水平に配置されている。一実施形態では、回転軸7は鉛直方向やそれ以外の角度で設置してもよい。回転軸7は、ケーシング3の両側に設けられた軸受14A,14Bに回転可能に支持されている。ポンプ1は、ケーシング3内の液体が漏れることを防ぐ軸封装置8A,8Bを備えている。
ポンプ1は両吸込渦巻きポンプであるので、インペラ9は、2つの液体入口9aと、1つの液体出口9bを具備した両吸込型インペラである。2つの液体入口9aはインペラ9の両側にあり、反対方向を向いている。ケーシング3内には、インペラ9の2つの液体入口9aに連通する吸込側流路11と、インペラ9の液体出口9bに連通する吐出側流路13とが形成されている。吸込側流路11は隔壁15の外側に位置し、吐出側流路13は隔壁15の内側に位置している。インペラ9の2つの液体入口9aの周囲には、2つのライナーリング19がそれぞれ配置されている。これらのライナーリング19はケーシング3に保持されている。
ケーシング3の隔壁15には環状の取付面3aが形成されており、ライナーリング19は、この取付面3aに取り付けられている。ライナーリング19は、上ケーシング3Aと下ケーシング3Bとの間に挟まれている。取付面3aの上半分は上ケーシング3Aに形成され、取付面3aの下半分は下ケーシング3Bに形成されている。
図2は、図1におけるライナーリング19およびケーシング3の一部を拡大した図である。図2に示すケーシング3は上ケーシング3Aであるが、以下の説明では、上ケーシング3Aを単にケーシング3という。環状の取付面3aには、その周方向に延びる環状溝3bが形成されている。ライナーリング19は、その周方向に延びる環状突起21を有している。環状突起21はライナーリング19の外周面19aに形成されており、環状突起21は環状溝3bに係合している。環状突起21が環状溝3bに係合した状態で、ライナーリング19は取付面3aに嵌合している。
ライナーリング19の環状突起21には、半径方向に延びる挿入穴21aが形成されている。この挿入穴21aには、ロックピン22の一部が挿入されている。ケーシング3の環状溝3bには、半径方向に延びるロック穴3eが形成されている。ロックピン22の他の部分は、ロック穴3eに挿入されている。このロックピン22とロック穴3eとの係合により、インペラ9が回転しているときのライナーリング19自体の回転を防止することができる。
ライナーリング19は、単一の部材から構成されており、耐摩耗性を有するステンレス鋼、鋳鋼などの金属から構成されている。ただし、ケーシング3の材質よりも耐摩耗性の高い材料であれば、ステンレス鋼、鋳鋼でなくともよい。
インペラ9の液体入口9aの周囲に位置するケーシング3の部位20は、キャビテーションやジェット噴流に起因して、浸食されやすい部位である。ケーシング3の浸食が発生した場合、その浸食された部位20に金属充填剤(金属パテ)が充填される。金属充填剤は、粘性のある充填材料に硬化剤を混合させることで、硬質の材料となる性質を有する。このような金属充填剤は、接着剤の一種であり、市場で入手することができる。硬化する性質を有するものであれば、金属充填剤の種類は特に限定されない。金属充填剤が硬化した後、以下に説明するテンプレート25および研削工具を用いて金属充填剤の表面形状を整える。
図3は、金属充填剤を用いてケーシング3を補修するときに使用されるテンプレート25の上面図であり、図4は、図3のA-A線断面図であり、図5は、図3に示すテンプレート25の底面図である。テンプレート25は、ケーシング3の外面3c(図2参照)に沿った形状の端面29を有する整形プレート28と、整形プレート28が固定されたガイドリング32を備えている。本実施形態では、2つの整形プレート28が互いに直交するように配置されている。各整形プレート28は、ガイドリング32の径方向に延びている。一実施形態では、1つの整形プレート28のみが設けられてもよい。
図6は、図3乃至図5に示す整形プレート28の斜視図である。端面29は、整形プレート28の両側に位置しており、ガイドリング32の外周面32aから半径方向外側に突出している。各端面29は、ケーシング3の外面3c(図2参照)の形状、より具体的には、隔壁15の外面3cの形状に沿った形状を有している。ケーシング3の外面3cは、図2に示す浸食しやすい部位20の表面であり、本実施形態では、湾曲面である。よって、整形プレート28の各端面29は、浸食しやすい部位20の外面3cに沿って湾曲している。
ガイドリング32の外周面32aは、図2に示すケーシング3の取付面3aの直径よりもわずかに小さい直径を有している。さらに、ガイドリング32は、その外周面32aに、ケーシング3の環状溝3bに係合する環状突起33を有している。ガイドリング32の環状突起33の大きさおよび形状は、上述したライナーリング19の環状突起21の大きさおよび形状と同じである。したがって、ガイドリング32の環状突起33が環状溝3bに係合した状態で、ガイドリング32の外周面32aをケーシング3の取付面3aに接触させることができる。整形プレート28は、ガイドリング32を横切って延びており、ガイドリング32の直径よりも長い。このように構成されたテンプレート25の材料は、特に限定されないが、例えば、テンプレート25はステンレス鋼などの金属から構成される。
次に、テンプレート25の使用方法について説明する。ケーシング3の部位20が浸食した場合、まず、上ケーシング3Aを下ケーシング3Bから取り外し、さらに、回転軸7とインペラ9とライナーリング19を下ケーシング3Bから取り外す。そして、ライナーリング19をインペラ9から取り外す。図7は、ライナーリング19をケーシング3A,3Bから取り外した状態を示す図である。
次に、図8に示すように、浸食された部位20に金属充填剤40を充填する。金属充填剤40が硬化した後、図9に示すように、ガイドリング32の環状突起33を上ケーシング3Aの環状溝3bに係合させ、テンプレート25のガイドリング32を上ケーシング3Aの取付面3aに嵌合させる。このとき、ガイドリング32の外周面32aは、上ケーシング3Aの取付面3aに接触する。そして、金属充填剤40の表面形状が、整形プレート28の端面29の形状に合うまで、金属充填剤40の表面を切削工具を用いて切削する。具体的には、作業員は、グラインダーまたはヘラなどの研削工具を用いて、余分な金属充填剤40を取り除く。作業員は、テンプレート25を、その軸心を中心に少しずつ回転させながら、金属充填剤40の表面形状がテンプレート25の端面29の形状に適合しているか否かを検査することができる。すなわち、テンプレート25を回転させたときに、テンプレート25の端面29が金属充填剤40に接触しなくなるまで、金属充填剤40が研削される。
同様に、ガイドリング32の環状突起33を下ケーシング3Bの環状溝3bに係合させ、テンプレート25のガイドリング32を下ケーシング3Bの取付面3aに嵌合させる。このとき、ガイドリング32の外周面32aは、下ケーシング3Bの取付面3aに接触する。そして、金属充填剤40の表面形状が、整形プレート28の端面29の形状に合うまで、金属充填剤40の表面を切削工具を用いて切削する。
このようにテンプレート25を用いることで、金属充填剤40の除去不足および過剰な除去を防ぐことができる。結果として、短い時間で金属充填剤40の表面研削を完了することができる。
図10に示すように、テンプレート25を用いることで、金属充填剤40の表面形状がケーシング3の外面3cの本来の形状となるまで、金属充填剤40の表面を研削することができる。金属充填剤40の表面形状の整形が終了した後、次に説明するライナーリング50がケーシング3の取付面3aに取り付けられる。
図11は、ライナーリング50の一実施形態を示す縦断面図であり、図12は、図11の矢印Bで示す方向から見た図である。図11および図12に示すライナーリング50は、ポンプ1のインペラ9の液体入口9aの周囲に配置される。このライナーリング50は、ケーシング3の取付面3aに嵌合される円筒部51と、円筒部51の吸込側から半径方向外側に突出した保護フランジ55を備えている。円筒部51は、その周方向に延びる環状突起58を有している。環状突起58は円筒部51の外周面51aに形成されており、環状突起58はケーシング3の環状溝3b(図10参照)に係合可能な形状を有している。環状突起58には、半径方向に延びる挿入穴58aが形成されている。
保護フランジ55は、環状の形状を有している。保護フランジ55は、ケーシング3の外面3c(図10参照)に対向する背面55aを有する。この背面55aはケーシング3の外面3cに沿った形状を有している。本実施形態では、ケーシング3の外面3c(浸食が発生しやすい部位の表面)は、湾曲しているので、保護フランジ55の背面55aは、ケーシング3の外面3cに沿って湾曲している。保護フランジ55の断面は、テーパー形状を有している。金属充填剤40が塗布された部分の全体を覆うために、保護フランジ55はある程度の大きさを有する。具体的には、保護フランジ55の半径方向の幅L1は、円筒部51の半径方向の厚みL2よりも大きい。
保護フランジ55は、円筒部51の吸込側端面51bに接続された前面55bを有している。本実施形態では、円筒部51の吸込側端面51bは、テーパー面から構成されている。このテーパー面からなる吸込側端面51bは、インペラ9に流入する液体の流れを乱さないために設けられている。
図13は、図11および図12に示すライナーリング50がケーシング3の取付面3aに取り付けられた状態を示す断面図である。円筒部51の環状突起58が環状溝3bに係合した状態で、ライナーリング50は取付面3aに嵌合される。ライナーリング50の挿入穴58aには、ロックピン22の一部が挿入されている。ロックピン22の他の部分は、ケーシング3のロック穴3eに挿入されている。このロックピン22とロック穴3eとの係合により、インペラ9が回転しているときのライナーリング50自体の回転を防止することができる。
ライナーリング50は、単一の部材から構成されており、耐摩耗性を有するステンレス鋼、鋳鋼などの金属から構成されている。ただし、ケーシング3の材質よりも耐摩耗性の高い材料であれば、ステンレス鋼、鋳鋼でなくともよい。
保護フランジ55は、ケーシング3の取付面3aから半径方向外側に突出し、ケーシング3の浸食された部位に充填された金属充填剤40を覆う。保護フランジ55の背面55aと、金属充填剤40の表面を含むケーシング3の外面3cとの間には、微小な隙間が形成されている。金属充填剤40の表面形状は、既にテンプレート25を用いて整えられているので、均一かつ微小な隙間が保護フランジ55の背面55aとケーシング3の外面3cとの間に形成される。
保護フランジ55は、ポンプの運転中に発生しうるキャビテーションやジェット噴流から金属充填剤40およびケーシング3を保護することができる。ポンプの運転中には、インペラ9の回転によって昇圧された液体は、ライナーリング50の外周面とケーシング3の取付面3aとの間の隙間を低圧側(吸込側)に流れる。この隙間は極めて小さいので、液体の流量は低い。したがって、液体の流れに起因した金属充填剤40の脱落が防止される。
図14は、ケーシング3の浸食された部位を補修する方法を説明するフローチャートである。ステップ1では、既に設置されているライナーリング19をケーシング3から取り外す(図7参照)。より具体的には、上ケーシング3Aを下ケーシング3Bから取り外し、さらに、回転軸7とインペラ9とライナーリング19を下ケーシング3Bから取り外す。そして、ライナーリング19をインペラ9から取り外す。
ステップ2では、図8に示すように、浸食された部位20に金属充填剤40を充填する。ステップ3では、金属充填剤40が硬化した後、図9に示すように、ガイドリング32の環状突起33を上ケーシング3Aの環状溝3bに係合させ、テンプレート25のガイドリング32を上ケーシング3Aの取付面3aに嵌合させる。ステップ4では、金属充填剤40の表面形状が、テンプレート25の端面29の形状に合うまで、上ケーシング3A上の金属充填剤40の表面を切削工具(例えばグラインダーまたはヘラなど)を用いて切削する。
ステップ5では、ガイドリング32の環状突起33を下ケーシング3Bの環状溝3bに係合させ、テンプレート25のガイドリング32を下ケーシング3Bの取付面3aに嵌合させる。ステップ6では、金属充填剤40の表面形状が、テンプレート25の端面29の形状に合うまで、下ケーシング3B上の金属充填剤40の表面を切削工具(例えばグラインダーまたはヘラなど)を用いて切削する。一実施形態では、ステップ5,6をステップ3,4の前に行ってもよい。さらに、一実施形態では、複数のテンプレート25および複数の切削工具を用いて、ステップ3,4とステップ5,6を同時に行ってもよい。
ステップ7では、図11および図12に示すライナーリング50を、インペラ9及び回転軸7とともに、下ケーシング3Bに設置する。ライナーリング50の下半分は、下ケーシング3Bの取付面3aに嵌合される。ステップ8では、上ケーシング3Aが下ケーシング3Bに締結され、同時に、ライナーリング50の上半分は、上ケーシング3Aの取付面3aに嵌合される。これにより、ライナーリング50のケーシングの取付面3aへの取り付けが完了する。
本実施形態によれば、従来の補修とは異なり、浸食された部位を機械加工で除去する必要がないので、ポンプを工場に搬送する必要がなく、短時間に補修作業を完了することができる。また、機械加工された部分に嵌合可能な特殊なライナーリングを用意する必要がないので、補修費用を下げることができる。
図15は、ライナーリング50の他の実施形態を示す縦断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図11および図12に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態のライナーリング50は、円筒部51の吸込側から半径方向内側に突出する環状の内側フランジ60を有している。保護フランジ55の前面55bと、円筒部51の吸込側端面51bと、内側フランジ60の前面60aは、同一平面内に位置している。この内側フランジ60は、インペラ9に向かう液体の流れを整えるために設けられている。
図16は、ライナーリング50の他の実施形態を示す縦断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図15に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、内側フランジ60には、複数の通孔60bが形成されている。これらの通孔60bは、ライナーリング50の周方向に沿って等間隔に配列されている。通孔60bは、インペラ9に向かう液体の流れを整えるために設けられている。
ケーシング3の補修において、図11および図12に示すライナーリング50に代えて、図15に示すライナーリング50、または図16に示すライナーリング50をケーシング3の取付面3aに取り付けてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 ポンプ
3 ケーシング
3a 取付面
3b 環状溝
3c 外面
3e ロック穴
3A 上ケーシング
3B 下ケーシング
7 回転軸
8A,8B 軸封装置
9 インペラ
9a 液体入口
9b 液体出口
11 吸込側流路
13 吐出側流路
14A,14B 軸受
15 隔壁
19 ライナーリング
19a 外周面
20 浸食されやすい部位
21 環状突起
21a 挿入穴
22 ロックピン
25 テンプレート
28 整形プレート
29 端面
32 ガイドリング
32a 外周面
33 環状突起
40 金属充填剤
50 ライナーリング
51 円筒部
51a 外周面
51b 吸込側端面
55 保護フランジ
55a 背面
55b 前面
58 環状突起
58a 挿入穴
60 内側フランジ
60a 前面
60b 通孔

Claims (5)

  1. 回転軸と、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラを収容するケーシングと、前記インペラの液体入口の周囲に配置されたライナーリングを備えたポンプのケーシングの補修方法であって、
    前記インペラの液体入口の周囲に位置する前記ケーシングの浸食された部位に金属充填剤充填
    次いで、前記インペラを収容する前記ケーシングの取付面に嵌合される円筒部と、前記円筒部の吸込側から半径方向外側に突出した保護フランジを備えたライナーリングを、前記保護フランジ前記金属充填剤を覆うように前記インペラの液体入口の周囲に配置する、ポンプのケーシングの補修方法。
  2. 前記保護フランジは、前記ケーシングの外面に対向する背面を有し、前記背面は前記ケーシングの前記外面に沿った形状を有する、請求項1に記載のポンプのケーシングの補修方法。
  3. 前記背面は湾曲している、請求項2に記載のポンプのケーシングの補修方法。
  4. 前記保護フランジは、前記円筒部の吸込側端面に接続された前面を有している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポンプのケーシングの補修方法。
  5. 前記ライナーリングは、前記円筒部の吸込側から半径方向内側に突出した内側フランジをさらに備えた、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポンプのケーシングの補修方法。
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