JP7262807B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機は、遊技盤と、遊技盤に対して開閉可能に支持される前扉とを備える(特許文献1参照)。
特開号公報
近年において、一般的には、1つのパチンコ遊技機を構成する遊技盤、および前扉が同一の製造メーカーによって設計製造されるが、遊技盤と前扉が異なる製造メーカーによって設計製造されることも考えられる。その結果、例えば、遊技店などにおいて、ある遊技盤に対して、異なる機種の前扉が取り付けられる可能性もある。また、遊技盤と前扉が同一の製造メーカーによって設計製造される場合であっても、例えば、工場などにおいて、ある遊技盤に対して、異なる機種の前扉が取り付けられる可能性もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ある遊技盤に対する前扉の取付けミスを防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、
遊技盤と、前記遊技盤に対して開閉可能に支持される前扉と、を備え、
前記前扉には、複数本の端子を有する第1入出力用ポートが搭載された第1基板、および複数本の端子を有する第2入出力用ポートが搭載された第2基板が設置され、
前記遊技盤には、制御手段、および複数本の端子を有する第3入出力用ポートが搭載された第3基板が設置され、
前記第1入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第1入出力ポートに係る第1アドレスが設定され、
前記第2入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第2入出力用ポートに係る第2アドレスが設定され、
前記第3入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第3入出力用ポートに係る第3アドレスが設定され、
前記第1アドレス、前記第2アドレス、および前記第3アドレスは所定の属性を表す特定固有情報が含まれており、
前記第1入出力用ポートは、前記制御手段から前記第1アドレスを含む第1コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第1応答信号を送信可能であり、
前記第2入出力用ポートは、前記制御手段から前記第2アドレスを含む第2コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第2応答信号を送信可能であり、
前記第3入出力用ポートは、前記制御手段から前記第3アドレスを含む第3コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第3応答信号を送信可能であり、
前記制御手段は、特定期間において、前記第1応答信号、および前記第2応答信号の何れも受信しておらず、且つ、前記第3応答信号を受信した場合、特定報知を行うことがあることを特徴とする。
本発明によれば、ある遊技盤に対する前扉の取付けミスを防ぐことが可能である。
本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 (A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。 表示器類の正面図である。 本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。 遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。 (A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。 特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。 特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。 第1先読み判定テーブルの構成例である。 第2先読み判定テーブルの構成例である。 (A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。 (A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。 (A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。 (A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。 (A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。 Nリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図である。 Lリーチの一例を表す図であり、図23の続きである。 SPリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図であり、図25の続きである。 SPリーチの一例を表す図であり、図26の続きである。 可動体演出の一例を表す図である。 操作演出の一例を表す図である。 保留演出の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 保留アイコン変化予告の一例を表す図である。 遊技制御メイン処理のフローチャートである。 遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートである。 センサ検知処理のフローチャートであり、図35の続きを表す図である。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 演出制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマー割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートであり、図46の続きを表す図である。 第1実施形態に係るパチンコ遊技機を模式的に表した正面図である。 第1実施形態に係る主に遊技制御基板側、および枠制御基板側の電気的な構成を表したブロック図である。 第1実施形態に係る枠制御メイン処理の一例を表すフローチャートである。 枠制御メイン処理における電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。 第1実施形態に係る枠制御側タイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。 持球数復元処理の一例を表すフローチャートである。 発射制御処理の一例を表すフローチャートである。 発射ハンドルが操作され続けている場合の遊技球の発射制御の一例を示すタイムチャートである。 持球数管理処理の一例を表すフローチャートである。 第1実施形態に係る不正検知処理の一例を表すフローチャートである。 発射禁止処理の一例を表すフローチャートである。 遊技球進入阻止処理の一例を表すフローチャートである。 (A)は第1実施形態に係る遊技盤の正面図を表す図であり、(B)は進入阻止装置が待機状態であるときの図60(A)のA-A断面図を表す図であり、(C)は進入阻止装置が作動状態であるときの図60(A)のA-A断面図を表す図である。 第1実施形態に係る演出御基板側の電気的な構成を表したブロック図である。 第1実施形態における演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 動作確認処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る主に遊技制御基板側、および枠制御基板側の電気的な構成を表したブロック図である。 第2実施形態に係る枠制御側タイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。 第2実施形態に係る不正検知処理の一例を表すフローチャートである。 差球数管理処理の一例を表すフローチャートである。
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能な発射ハンドル72kが設けられている。発射ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、発射ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、発射ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、発射ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、1個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させる発射ハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させる発射ハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。発射ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。発射ハンドル72kには、遊技者などの人の発射ハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者による発射ハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者の発射ハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、発射ハンドル72kには、発射ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知した発射ハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、発射ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2が含まれている。回転部材用モータ55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。昇降部材用モータ55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動することをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクタがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクタが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクタが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクタの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタと、主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクタは野球のピッチャーであり、敵キャラクタは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクタが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクタの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(SyStem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「14」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマー割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマー更新処理を行う(S4104)。タイマー更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマー割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマー割り込み処理について説明する。10msタイマー割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマー割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技媒体である遊技球が内部に所定数(例えば、10000個)封入され、外部に排出されることなく内部で循環し、基本的には遊技者が遊技球に触れることができない封入式遊技機で構成される。パチンコ遊技機PY1では、賞球として遊技球を獲得可能な各種入賞口10、11、12、14に入賞した(を通過した)か、入賞せずにアウト口19を通過したかに関わらず、発射されて遊技領域6に進入して遊技領域6の中を流下する遊技球は回収され、回収された遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技が行われる。
なお、以下において、各種入賞口10、11、12、14に入賞して(を通過して)遊技領域6の外部に排出される遊技球のことを「セーフ球」と称し、入賞せずにアウト口19を通過して遊技領域6の外部に排出される遊技球のことを「アウト球」と称することもある。さらに、セーフ球とアウト球を合わせて「排出球」と称することもある。
さらに、後述するように、パチンコ遊技機PY1においては、遊技球は所定の発射位置にセット(供給)されてから発射装置72によって遊技領域6に向けて発射されるが、発射された遊技領域6に届かずに、所定の発射位置に向けて戻ってくる場合がある。この場合、所定の発射位置に向けて戻ってくる遊技球は、そのまま所定の発射位置に戻るのではなく、発射領域7に形成された所定のファール球回収口からファール球として回収される。そして、パチンコ遊技機PY1では、ファール球もセール球やアウト球(排出球)と同様に、回収された後に、再度発射される。すなわち、セーフ球、アウト球、およびファール球は、当該パチンコ遊技機PY1の内部で循環的に使用される遊技球を構成する。
また、第1実施形態において、パチンコ遊技機PY1に封入される遊技球は、全て、磁石にくっつかないステンレス製の遊技球が使用される。このステンレス製の遊技球は、従来一般的に使用される磁石にくっつく鋼製の遊技球に比べて、鉄の含有量が少ない。これは、透明板23tの外側から磁石で遊技球を誘導する不正を防止するためである。
図48は、パチンコ遊技機PY1を模式的に表した正面図である。図48に示すように、パチンコ遊技機PY1の左隣には、カードユニットCUが設置されている。カードユニットCUの正面には、記録媒体となるICカードを挿入、および取り出し可能なカード挿入口CUa1と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口CUa2とが設けられている。カードユニットCUは、カード挿入口CUa1に挿入されたICカードに対して、クレジット残高や当該ICカードで保有する持球数などの有価価値情報の読み取り及び書き換えを行い、パチンコ遊技機PY1と双方向に通信可能である。
また、パチンコ遊技機PY1が封入式遊技機で構成されているので、前扉23の構造が基本的な実施形態の場合と大きく異なる。
前扉23の正面下端部には、遊技を開始させる操作を行うことが可能なユニット表示装置300が配置されている。ユニット表示装置300は、液晶ディスプレイを有するタッチパネルからなり、図示しない遊技球を貸し出すためのボタン(貸出ボタン)や遊技球を返却するためのボタン(返却ボタン)が表示される。
なお、ユニット表示装置300は、カードユニットCUに電気的に接続されている。ユニット表示装置300に表示されている貸出ボタンや返却ボタンが操作されると、カードユニットCUは、遊技球を貸し出すことや遊技球を返却することをパチンコ遊技機PY1に伝送する。
また、前扉23におけるユニット表示装置300の真上には、前方に突出する突出台34が設けられている。パチンコ遊技機PY1は、封入式遊技機であるため、突出台34は、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PYの上皿34のように開放されておらず、密閉されており、遊技者が遊技球に接触できない構造をなしている。また、突出台34の正面には、後述する持球数を表示する持球数表示装置301が配置され、突出台34の上面には、基本的な実施形態と同様に押下操作可能に構成された第1演出ボタン40kが配置されている。
なお、基本的な実施形態のパチンコ遊技機PYに搭載されていた第2演出ボタン41k(第2演出ボタン装置41)は、パチンコ遊技機PY1には搭載されていない。また、前扉23には、基本的な実施形態とは異なる構成からなるスピーカー52、および枠ランプ53が設けられている。枠ランプ53は、上側に配された上枠ランプ53Uと、下側に配された下枠ランプ53Dとを含む。
また、パチンコ遊技機PY1の右端部には、前扉23の閉鎖状態を保持および解除する(前扉23を施錠および開錠する)ための錠302が設けられている。錠302は、シリンダー構造をなし、遊技店が所持する専用の鍵によって開錠および施錠することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、パチンコ遊技機PY1は、遊技球を内部で循環させるために、研磨装置303、および揚送装置304を備える。研磨装置303、および揚送装置304は、内枠22の下部に配置されている。一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、およびアウト口19を通過して遊技領域6の外部に排出された排出球は、全て一度、回収通路(図示なし)に回収される。
回収通路は、同時に複数の遊技球が流れ込んできた場合でも、整理されて1球ずつ順番に且つ一定の速度で安定して流下できるように、直線状または緩い曲線状に構成されている。そして、回収通路は、内部で循環する遊技球が最終的に貯留される貯留通路(図示なし)に接続されており、回収通路に回収された遊技球は、続いて貯留通路に流入する。貯留通路には、ファール球として回収された遊技球も流入する。貯留通路に流入した遊技球(排出球、およびファール球)は、研磨装置303によって研磨される。研磨された遊技球は最終的に、揚送装置304によって発射装置72に発射される所定の発射位置にセット(供給)される。
次に、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、基本的な実施形態における払出制御基板170を備えていないが、枠制御基板180を備える。枠制御基板180は、主に、遊技球の発射、研磨、および揚送などの遊技球に関する制御を行うと共に、後述する持球数(遊技球)の制御・管理を行う。図49は、主に遊技制御基板100、および枠制御基板180に係る電気的な構成を表したブロック図である。なお、図49において、遊技制御基板100に接続された各種表示装置や各種センサなどのデバイスの記載は省略している。
図49に示すように、枠制御基板180は、電源基板190に接続されており、電源基板190から電力供給される。また、枠制御基板180は遊技制御基板100と双方向通信可能に接続されている。したがって、遊技制御基板100から枠制御基板180への信号(データ・情報)の送信が可能であると共に、枠制御基板180から遊技制御基板100への信号(データ・情報)の送信が可能である。さらに、枠制御基板180は、カードユニットCUと双方向通信可能に接続されている。したがって、カードユニットCUから枠制御基板180への信号(データ・情報)の送信が可能であると共に、枠制御基板180からカードユニットCUへの信号(データ・情報)の送信が可能である。
ユニット表示装置300に表示された球貸しボタンが操作されると、ユニット表示装置300は、当該球貸しボタンの操作を検知したことを示す信号(球貸し操作検知信号)をカードユニットCUに出力する。カードユニットCUは、球貸し操作検知信号が入力すると、球貸しを要求することを示す信号(球貸し要求信号)を枠制御基板180に出力する。
ユニット表示装置300に表示された返却ボタンが操作されると、ユニット表示装置300は、当該返却ボタンの操作を検知したことを示す信号(返却操作検知信号)をカードユニットCUに出力する。カードユニットCUは、返却操作検知信号が入力すると、返却を要求することを示す信号(返却要求信号)を枠制御基板180に出力する。
また、カードユニットCUは、球貸しボタンや返却ボタンの操作に応じて、ICカードに記録されたクレジット残高を適宜に更新する。そして、カードユニットCUは、球貸しボタンが操作されたが、ICカードに記録されているクレジット残高が、1回の球貸しボタンの操作に対応付けられたクレジットに満たない場合には、球貸し操作検知信号を枠制御基板180に出力しないように構成されている。
また、枠制御基板180には、発射装置72が接続されているが、基本的な実施形態のように発射制御回路175が介されていない。詳細は後述するが、枠制御基板180が発射装置72による遊技球の発射を直接的に制御する。また、枠制御基板180には、研磨装置303、および揚送装置304が接続されている。研磨装置303による遊技球の研磨、および揚送装置304による遊技球の揚送の制御に関する説明は省略するが、枠制御基板180が適宜に研磨装置303、および揚送装置304を制御して、遊技球の研磨、および遊技球の揚送を実行する。
さらに、枠制御基板180には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類が接続されている。そのため、枠制御基板180には、各種センサ類が出力した信号が入力する。枠制御基板180に接続されている各種センサ類には、開錠検知センサ302a、扉開放検知センサ23a、排出球検知センサ310a、発射球検知センサ311a、およびファール球検知センサ312aが含まれている。
開錠検知センサ302aは、錠302が開錠していることを検知可能であり、開錠を検知すると、錠302が開錠していることを示す信号(開錠検知信号)を枠制御基板180に出力する。扉開放検知センサ23aは、前扉23が開放していることを検知可能であり、開放を検知すると、前扉23が開放していることを示す信号(扉開放検知信号)を枠制御基板180に出力する。
排出球検知センサ310aは、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、および大入賞口14、ならびにアウト口19を通過して遊技領域6の外部に排出される遊技球(排出球)をまとめて回収する回収通路に設けられている。排出球検知センサ310aは、排出球を検知可能であり、排出球を検知すると、排出球が発生したことを示す信号(排出球検知信号)を枠制御基板180に出力する。なお、セーフ球は、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、および大入賞口14を通過して遊技領域6の外部に排出された遊技球であり、アウト球は、アウト口19を通過して遊技領域6の外部に排出された遊技球のことであるので、排出球は、セーフ球とアウト球を合わせたものであり、基本的には、遊技領域6に進入した遊技球と一致する。
発射球検知センサ311aは、所定の発射位置から遊技領域6に向けて発射されて発射領域7内を遊技領域6に向けて移動中の遊技球(発射球)を検知可能であり、発射球を検知すると、発射球が発生したことを示す信号(発射球検知信号)を枠制御基板180に出力する。なお、発射球検知センサ311aは、発射されたが遊技領域6に到達できずに所定の発射位置の方へ向かって移動(逆流)する遊技球を検知しないように構成されている。
ファール球検知センサ312aは、発射されたが遊技領域6に到達できずに所定の発射位置の方へ向かって移動(逆流)して回収された遊技球(ファール球)を検知可能であり、ファール球を検知すると、ファール球が発生したことを示す信号(ファール球検知信号)を枠制御基板180に出力する。なお、詳細な説明は省略するが、ファール球は、遊技領域6と発射領域7との境界と、遊技球の発射装置7に発射される所定の発射位置との間に形成されたファール球回収口(図示なし)から回収される。ファール球回収口は、遊技領域6に向けて発射された遊技球に支障を来すことなく遊技球を遊技領域6に向けて通過させると共に、発射されたが遊技領域6に到達できずに所定の発射位置の方に戻ってきた遊技球を回収できるように構成されている。そして、ファール球検知センサ312aはファール球回収口に設けられている。
なお、排出球検知センサ310a、発射球検知センサ311a、およびファール球検知センサ312a、ならびに一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aは、磁石にくっつかない(磁性を有さない、非磁性の)ステンレス製の遊技球(非磁性体遊技球)を検知可能に構成されている。また、磁石にくっつかないステンレス製の遊技球を検知可能に構成されているために、排出球検知センサ310a、発射球検知センサ311a、およびファール球検知センサ312a、ならびに一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aは、磁石にくっつかないステンレス製の遊技球よりも鉄の含有量が多くて磁石にくっつく(磁性を有する)鋼製の遊技球(磁性体遊技球)も検知する。
また、枠制御基板180は、持球数表示装置301と双方向通信可能に接続されている。したがって、枠制御基板180から持球数表示装置301への信号(データ・情報)の送信が可能であると共に、持球数表示装置301から枠制御基板180への信号(データ・情報)の送信が可能である。
持球数表示装置301は、左右方向に並設された6個の7セグLEDからなり、持球数を表示する持球数表示器301bと、押下操作可能であり、当該操作によって持球数表示器301bに持球数を表示させる持球数表示ボタン301kと、持球数表示ボタン301kへの操作を検知する表示ボタン検知センサ301aと、持球数を記憶する表示装置側持球数BU部301dを備える。持球数表示ボタン301kの操作があった場合には、表示ボタン検知センサ301aは、持球数表示ボタン301kへの操作があったことを示す信号(表示ボタン検知信号)を枠制御基板180に出力する。
ここで、持球数について説明する。持球数とは、遊技者が遊技に利用できる遊技球の個数のことである。前述の通り、パチンコ遊技機PY1は、封入式遊技機で構成されているので、遊技者に遊技球が物理的に払い出されることはない。そこで、パチンコ遊技機PY1は、持球数の制御・管理を電子的に行う。持球数は、ユニット表示装置300に表示された球貸しボタンが操作されると、その球貸しボタン操作に対応付けられた遊技球の個数の分、加算される。この球貸しボタン操作に対応付けられた遊技球の個数は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、例えば、250個に設定されているものとする。
さらに、持球数は、遊技球が入賞する(セーフ球が発生する)と、入賞した入賞口に応じた賞球数の分、加算される。この個数も適宜に設定可能であるが、例えば、第1実施形態では、一般入賞口10が10個、第1始動口11が4個、第2始動口12が2個、大入賞口14が15個に設定されているものとする。また、持球数は、遊技球が発射される度に、1つずつ減算される。一方、持球数は、遊技球がファール球回収口から回収されてファール球が発生すると、その発生の度に1つずつ加算される。
なお、各種入賞口に対応するセンサ10a、11a、12a、14aは、入賞を検知したときに、各検知信号を遊技制御基板100に出力するが、遊技制御基板100は、入賞に係る検知信号が入力すると、センサ検知処理(S104)の各種入賞口に係る賞球処理(一般入賞口賞球処理(S202)、第2始動口賞球処理(S208)、第1始動口賞球処理(S215)、大入賞口賞球処理(S224))において、賞球数を示すコマンド(賞球数指定コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットし、セットした賞球数指定コマンドを、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)で、枠制御基板180に送信する。すなわち、賞球数に関する情報が遊技制御基板100から枠制御基板180に伝送される。
また、枠制御基板180には、プログラムに従って、遊技球に関する制御や持球数に関する制御・管理を行う枠制御用ワンチップマイコン(以下「枠制御用マイコン」)181が実装されている。よって、枠制御基板180は、遊技球の発射、および発射以外の所定事項(研磨・搬送)に関する制御や持球数に関する制御・管理を行う制御部と位置づけることができる。
枠制御用マイコン181には、遊技球の発射、および発射以外の所定事項(研磨・搬送)に関する制御や持球数に関する制御・管理を行うためのプログラムやテーブル等を記憶した枠制御用ROM183、ワークメモリとして使用される枠制御用RAM184、枠制御用ROM183に記憶されたプログラムを実行する枠制御用CPU182が含まれている。
枠制御用ROM183には、後述する枠制御メイン処理や枠制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、枠制御用ROM183は外付けであってもよい。
枠制御用RAM184には、持球数を示すデータを記憶する持球数記憶部185が設けられている。前述の通り、持球数は、球貸しボタンの操作、各種入賞口10、11、12、14への入賞、およびファール球の発生に応じた加算、ならびに発射球の発生に応じた減算によって更新されるが、この更新は、前述の球貸し要求信号、賞球数指定コマンド、ファール球検知信号、および発射球検知信号に基づいて枠制御用CPU182によって行われる。そして、枠制御用CPU182は、持球数記憶部185に記憶されている持球数を示すデータを更新する。
さらに、枠制御用RAM184には、枠制御側持球数BU部186が設けられている。枠制御側持球数BU部186は、持球数記憶部185に記憶されている持球数を示すデータをバックアップするために設けられており、枠制御用CPU182が持球数記憶部185に記憶されている持球数を示すデータを更新する際に、枠制御側持球数BU部186に記憶されている持球数を示すデータも同一内容で更新する。
また、枠制御側持球数BU部186は、第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186cを有する。第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186cのそれぞれが、持球数を示すデータをバックアップとして記憶する。枠制御側持球数BU部186(第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186c)は、枠制御基板180への電力供給が停止された場合でも、当該枠制御側持球数BU部186に記憶されているデータ(持球数)が保持されるように構成されている。枠制御用CPU182は、持球数記憶部185に記憶されている持球数を示すデータを更新する際に、同一の持球数を示すデータを第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186cのそれぞれに上書き保存(バックアップ)させる。
なお、以下において、持球数記憶部185に記憶されている持球数を示すデータを「持球数マスターデータ」と称し、枠制御側持球数BU部186に記憶されている持球数を示すデータを「枠制御側持球数BUデータ」と称することもある。また、「枠制御側持球数BUデータ」として、第1持球数BU領域186aに記憶されている持球数を示すデータを「第1枠制御側持球数BUデータ」と称し、第2持球数BU領域186bに記憶されている持球数を示すデータを「第2枠制御側持球数BUデータ」と称し、第3持球数BU領域186cに記憶されている持球数を示すデータを「第3枠制御側持球数BUデータ」と称することもある。
また、遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104には、特図保留記憶部105に加えて、持球数を示すデータを記憶する遊技制御側持球数BU部106が設けられている。以下において、遊技制御側持球数BU部106に記憶されている持球数を示すデータを「遊技制御側持球数BUデータ」と称し、表示装置側持球数BU部301dに記憶されている持球数を示すデータを「表示装置側持球数BUデータ」と称することもある。
7.枠制御用マイコン181による遊技球の制御および持球数の管理
[枠制御メイン処理]
次に図50~図60に基づいて枠制御用マイコン181による遊技球の制御および持球数の制御・管理などについて説明する。なお、以下に説明する遊技球の制御および持球数の制御・管理などを行うためのフローチャートは一例であり、各種フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下に説明する枠制御用マイコン181による遊技球の制御および持球数の管理などにおいて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、枠制御用RAM184に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」である。
枠制御用マイコン181は、電力供給されると、図50に示した枠制御メイン処理のプログラムを枠制御用ROM183から読み出して実行する。同図に示すように、枠制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S5001)を行う。ここで、電源投入時処理(S5001)について説明する。図51は、電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。
図51に示すように、電源投入時処理(S5001)では、枠制御用マイコン181は、まず枠制御用RAM184へのアクセスの許可設定を行う(S5101)。これにより、枠制御用RAM184に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、枠制御用マイコン181は、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S5102)。電源断フラグは、電断の発生(電力供給が停止されたこと)を示すフラグであり、後述する電源断監視処理でONにされるフラグである。
枠制御用マイコン181は、電源断フラグがONでなければ(S5102でNO)、正常に電力供給が停止されていない可能性があるため、ステップS5108に進む。一方、枠制御用マイコン181は、電源断フラグがONであれば(S5102でYES)、チェックサムを算出して(S5103)、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する(S5104)。なお、チェックサムは、枠制御用RAM184に記憶されている各種データを数値とみなしてその合計が算出されたものである。枠制御用マイコン181は、チェックサムの値が一致しなければ(S5104でNO)、枠制御用RAM184の記憶内容が正常ではない(異常である)と判断し、ステップS5108に進む。これに対して、枠制御用マイコン181は、チェックサムの値が一致すれば(S5104でYES)、枠制御用RAM184の記憶内容が正常であると判断し、ステップS5105に進む。
枠制御用マイコン181は、ステップS5105では、復電(電力供給の開始)時における枠制御用RAM184の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、枠制御用マイコン181は、枠制御用ROM183から復電時情報を読み出し、この復電時情報を枠制御用RAM184の作業領域にセットする。その後、枠制御用マイコン181は、電源断フラグをOFFして(S5106)、ステップS5107に進む。
枠制御用マイコン181は、ステップS5108において、枠制御側持球数BU部186に記憶されている持球数(枠制御側持球数BUデータ)の正異判定を行う。具体的に、枠制御側持球数BU部186に記憶されている枠制御側持球数BUデータとして、第1枠制御側持球数BUデータ(第1枠制御側持球数BU領域186aに記憶されている持球数)、第2枠制御側持球数BUデータ(第2枠制御側持球数BU領域186bに記憶されている持球数)、および第3枠制御側持球数BUデータ(第3枠制御側持球数BU領域186cに記憶されている持球数)があるが、枠制御用マイコン181は、正異判定として、これらのデータが示す持球数が全て一致しているか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、枠制御側持球数BU部186が正常ではない、言い換えると、持球数が全て一致していなければ(S5108でNO)、枠制御側持球数BU部186に記憶されていた枠制御側持球数BUデータ(枠制御側持球数BU部186の記憶内容)が正常ではない(異常である)と判断し、ステップS5114に進む。これに対して、枠制御用マイコン181は、枠制御側持球数BU部186が正常である、言い換えると、持球数が全て一致していれば(S5108でYES)、枠制御側持球数BU部186に記憶されていた枠制御側持球数BUデータ(枠制御側持球数BU部186の記憶内容)が正常であると判断し、ステップS5110に進む。
枠制御用マイコン181は、ステップS5110において、第1枠制御側持球数BUデータ、第2枠制御側持球数BUデータ、および第3枠制御側持球数BUデータの全てが示す持球数を持球数の正常値として、持球数記憶部185に保存(復元)する。続いて、枠制御用マイコン181は、ステップS5111において、枠制御用RAM184の中の持球数記憶部185、および枠制御側持球数BU部186以外の領域をクリアする。
さらに、枠制御用マイコン181は、ステップS5112において、枠制御用RAM184の作業領域の初期設定を行い、ステップS5113において、枠制御用RAM184に正常ではないことを報知する枠制御用RAM異常報知を実行し、ステップS5007に進む。
ステップS5112の枠制御用RAM184の作業領域の初期設定では、枠制御用ROM183から読み出された初期設定情報が枠制御用RAM184の作業領域にセットされる。また、枠制御用マイコン181は、枠制御用RAM異常報知を画像表示装置50を用いて実行する。ただし、枠制御基板180と画像表示装置50は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、枠制御用RAM異常報知を実行することを要求する枠制御用RAM異常報知要求信号を遊技制御基板100に出力する。遊技制御用マイコン101は、枠制御用RAM異常報知要求信号が入力すると、枠制御用RAM異常報知を実行することを指定する枠制御用RAM異常報知指定コマンドを演出制御基板120に送信する。
演出制御用マイコン121は、枠制御用RAM異常報知指定コマンドを受信すると、枠制御用RAM異常報知として、枠制御用RAM184が異常であることを示す画像を画像表示装置50に表示させる。なお、枠制御用RAM184が異常であることを示す画像の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、枠制御用RAM184が異常であることを示す画像は、例えば、枠制御用RAM184が異常であることを示す説明文「枠制御用RAMが異常です。店員をお呼び下さい」で構成される。
また、枠制御用マイコン181は、ステップS5114において、持球数データ要求コマンドを遊技制御基板100に送信する。これは、枠制御側持球数BU部186の記憶内容が正常でなかった(異常であった)ことから、遊技制御基板100でバックアップしていた持球数を示すデータ(遊技制御側持球数BUデータ)を確認するためである。なお、詳細な説明は省略するが、遊技制御用マイコン101は、持球数データ要求コマンドを受信すると、前述の遊技制御側持球数BU部106に記憶していた持球数を示すコマンド(遊技制御側持球数指定コマンド)を枠制御基板180に送信する。遊技制御側持球数指定コマンドを受信した場合の処理については後述する。
続いて、枠制御用マイコン181は、ステップS5115において、枠制御用RAM184をクリアし、ステップS5112に進む。
また、枠制御用マイコン181は、ステップS5107において、その他の初期設定として、例えば枠制御用CPU182の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、電源投入時処理を終える。
説明を枠制御メイン処理(図50)に戻す。枠制御用マイコン181は、電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S5002)、出力処理(S5003)を実行する。枠制御用マイコン181は、出力処理では、枠制御基板180の枠制御用RAM184内の出力バッファに格納されている各種のコマンド・信号を、遊技制御基板100、カードユニットCU、持球数表示装置301、または発射装置72に送信する。
枠制御用マイコン181は、出力処理(S5003)を終えると、割り込みを許可する(S5004)。割り込み許可中は、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)の実行が可能となる。枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)は、枠制御用CPU182に所定周期(第1実施形態では、4m秒周期)で繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)は4m秒周期で実行される。
[枠制御側タイマ割り込み処理]
次に、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)について説明する。図52は、枠制御側タイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。図52に示すように、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)では、枠制御用マイコン181は、まず入力処理(S5201)を実行する。入力処理(S5201)では、枠制御用マイコン181は、各種検知信号や各種コマンドを取り込み、各種検知信号や各種コマンドが示す情報を枠制御用RAM184に設けられた入力バッファに記憶する。
枠制御用マイコン181は、入力処理(S5201)に次いで持球数復元処理(S5202)を実行する。持球数復元処理(S5202)は、電源投入時処理(S5001)の正異判定で正常ではない(S5109でNO)と判定された場合に、持球数に関するデータを復元するために行われる処理である。持球数復元処理(S5202)については後述する。
枠制御用マイコン181は、持球数復元処理(S5202)に次いで発射制御処理(S5203)を実行する。発射制御処理(S5203)は、遊技球を発射させることができるか否かを判断し、発射させることができる場合には発射装置72に遊技球を発射させる処理である。発射制御処理(S5203)については後述する。
枠制御用マイコン181は、発射制御処理(S5203)に次いで持球数管理処理(S5204)を実行する。持球数管理処理(S5204)は、遊技の進行状況などに応じて持球数を更新し、電子的に持球数を制御・管理するための処理である。持球数管理処理(S5204)については後述する。
枠制御用マイコン181は、持球数管理処理(S5204)に次いで不正検知処理(S5205)を実行する。不正検知処理(S5205)は、当該パチンコ遊技機PY1に鉄製の遊技球を混入する不正が行われていることを検知するための処理である。不正検知処理(S5205)については後述する。
枠制御用マイコン181は、不正検知処理(S5205)に次いで発射禁止処理(S5206)を実行する。発射禁止処理(S5206)は、錠302が開錠されているか否かを検知し、開錠の有無に応じて、遊技球の発射禁止の実行・発射禁止の解除を行うための処理である。発射禁止処理(S5206)については後述する。
枠制御用マイコン181は、発射禁止処理(S5206)に次いで遊技球進入阻止処理(S5207)を実行する。遊技球進入阻止処理(S5207)は、前扉23が開放されているか否かを検知し、開放の有無に応じて、遊技球の遊技領域6への進入阻止の実行・進入阻止の解除を行うための処理である。遊技球進入阻止処理(S5207)については後述する。
枠制御用マイコン181は、遊技球進入阻止処理(S5207)に次いでその他の処理(S5208)を実行して、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)を終了する。その他の処理(S5208)としては、電力供給が断たれる際の電源断監視処理、および枠制御用RAM184に設けられているタイマの更新などが行われる。
枠制御用マイコン181は、電源断監視処理として、まずは電源断信号が入力したか否かを判定する。電源断信号は、電源電圧を監視する電源基板190が、電力供給の停止により電源電圧が低下し始めたときに枠制御基板180に向けて出力する信号である。枠制御用マイコン181は、電源断信号が入力したと判定すると、枠制御用RAM184に記憶されているデータに基づいてチェックサムを算出して枠制御用RAM184の所定の記憶領域に格納すると共に、電源断フラグをONする。そして、枠制御用マイコン181は、枠制御用RAM184へのアクセスの禁止設定を行う。これにより、枠制御用RAM184に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後は枠制御側タイマ割り込み処理に戻ることなくループ処理を行う。
また、枠制御用マイコン181は、枠制御用RAM184に設けられているタイマの更新として、後述する枠制御用RAM184に設けられている各種タイマを適宜に4msec分、更新する。
次に、枠制御側タイマ割り込み処理における各種処理(S5202~S5207)について説明する。
最初に、持球数復元処理(S5202)について説明する。図53は、持球数復元処理の一例を表すフローチャートである。図53に示すように、持球数復元処理(S5202)において、枠制御用マイコン181は、まずは持球数を示す遊技制御側持球数指定コマンドを受信したか否かを判定する(S5301)。前述したように、遊技制御側持球数指定コマンドは、ステップS5113において持球数データ要求コマンドが遊技制御基板100に送信された場合に、当該送信に応じて遊技制御用マイコン101が枠制御基板180に送信するコマンドである。
後述するように、枠制御用マイコン181は、持球数管理処理(S5203)において持球数を更新する度に、持球数のバックアップとして、更新した持球数を示すコマンド(持球数更新指定コマンド)を遊技制御基板100に送信する。遊技制御用マイコン101は、持球数更新指定コマンドを受信すると、当該コマンドが示す持球数を、遊技制御側持球数BUデータとして、遊技用RAM104に設けられた遊技制御側持球数BU部106に上書き保存(バックアップ)する。そして、遊技制御用マイコン101は、持球数データ要求コマンドを受信すると、遊技制御側持球数BU部106に記憶された遊技制御側持球数BUデータが示す持球数を示す持球数指定コマンドを枠制御基板180に送信する。
枠制御用マイコン181は、持球数指定コマンドを受信したと判定すると(S5301でYES)、持球数指定コマンドが示す持球数が0より大きいか否かを判定する(S5302)。枠制御用マイコン181は、持球数指定コマンドが示す持球数が0より大きいと判定すると(S5302でYES)、ステップS5303において、当該持球数を持球数記憶部185、および枠制御側持球数BU部186(第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186c)に記憶する。これは、電源投入時において持球数指定コマンドが示す持球数が0より大きいということは、電源断時に遊技制御基板100に保存されていたデータが正常であったと考えられることから、遊技制御基板100が記憶していた遊技制御側持球数BUデータも正常であると考えられ、当該持球数を正常値として枠制御基板180において復元させるためである。
枠制御用マイコン181は、続いて、ステップS5304において、持球数を示すデータを演出制御基板120に送信することを要求するコマンド(持球数情報送信要求コマンド)を枠制御用RAM184の出力バッファにセットし、当該持球数復元処理(S5203)を終える。ステップS5304に処理が進んでいるということは、枠制御用RAM異常報知が実行されているので(S5113)、遊技店の店員が当該パチンコ遊技機PY1の所に駆けつけてくる可能性があるところ、遊技店の店員が簡易的に持球数を確認できるようにするためである。
なお、枠制御用RAM184の出力バッファにセットされた持球数情報送信要求コマンドは、出力処理(S5003)によって遊技制御基板100に送信される。遊技制御基板100が、持球数情報送信要求コマンドを受信すると、遊技制御用マイコン101は、持球数を示すデータを演出制御基板120に送信する。演出制御基板120は、持球数を示すデータを受信すると、当該持球数を示すデータを演出用RAM124に設けられた演出制御側持球数記憶部(図示なし)に記憶する。
なお、演出制御用マイコン121は、遊技が実行されていないときに、第1演出ボタン40kが第1特定操作(例えば、5秒の長押し操作)を受けることにより、演出制御側持球数記憶部に記憶されているデータが示す持球数を表示部50aに表示させる。また、演出制御用マイコン121は、表示部50aに持球数が表示されているときに、第1演出ボタン40kが第2特定操作(例えば、通常の1回の押し操作)を受けることにより、表示部50aに持球数を消去させる。
一方、枠制御用マイコン181は、遊技制御側持球数指定コマンドが示す持球数が0より大きくない、すなわち持球数=0と判定すると(S5302でNO)、ステップS5305において、表示装置側持球数データ要求信号を持球数表示装置301に出力して、当該持球数復元処理(S5202)を終える。これは、電源投入時において遊技制御側持球数指定コマンドが示す持球数が「0」ということは、電源断時に遊技制御基板100に保存されていたデータが異常であり、遊技用RAM104がクリアされたと考えられることから、後述するように持球数のさらなるバックアップとして持球数表示装置301に保存させておいた持球数に関するデータ(表示装置側持球数BUデータ)を要求するためである。
また、後述するように、枠制御用マイコン181は、持球数管理処理(S5203)において持球数を更新する度に、持球数を示すデータのバックアップとして、更新した持球数を示す信号(持球数更新指定信号)を持球数表示装置301に出力する。持球数表示装置301は、持球数更新指定信号が入力すると、当該信号が示す持球数を、表示装置側持球数BUデータとして、表示装置側持球数BU部301dに上書き保存する。そして、持球数表示装置301は、表示装置側持球数データ要求信号が入力すると、表示装置側持球数BU部301dに記憶されている表示装置側持球数BUデータが示す持球数を示す持球数指定信号を枠制御基板180に送信する。
また、枠制御用マイコン181は、持球数指定コマンドを受信していないと判定すると(S5301でNO)、持球数指定信号が入力したか否かを判定する(S5306)。枠制御用マイコン181は、表示装置側持球数指定信号が入力していないと判定すると(S5306でNO)、持球数復元処理(S5202)を終え、持球数指定信号が入力したと判定すると(S5306でYES)、持球数指定信号が示す持球数が0より大きいか否かを判定する(S5307)。
枠制御用マイコン181は、持球数指定信号が示す持球数が0より大きいと判定すると(S5307でYES)、ステップS5308において、当該持球数を持球数記憶部185、および枠制御側持球数BU部186(第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186c)に記憶し、当該持球数復元処理(S5202)を終える。これは、持球数指定信号が示す持球数が0より大きいということは、持球数表示装置301が記憶していた表示装置側持球数BUデータが正常であると考えられることから、当該持球数を正常値として枠制御基板180において復元させるためである。
一方、枠制御用マイコン181は、表示装置側持球数指定信号が示す持球数が0より大きくない、すなわち持球数=0と判定すると(S5306でNO)、ステップS5309において、持球数が異常であることを報知する持球数エラー報知を実行して、当該持球数復元処理(S5203)を終える。これは、表示装置側持球数指定信号が示す持球数が「0」ということは、持球数表示装置301が記憶していた表示装置側持球数BUデータが異常であると考えられ、持球数のさらなるバックアップはないことから、持球数に異常が発生したとして、当該異常を報知する持球数エラー報知を実行するためである。
持球数エラー報知は、持球数表示装置301の持球数表示器301bにおいて実行される。そのため、枠制御用マイコン181は、ステップS5309において、持球数エラー報知の実行を要求する信号(持球数エラー報知要求信号)を枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた持球数エラー報知要求信号は出力処理(S5003)にて持球数表示装置301に出力され、持球数表示装置301は持球数エラー報知要求信号が入力すると持球数エラー報知を実行する。
なお、持球数エラー報知の演出内容は適宜に設計可能であるが、第1実施形態では、例えば、6つの7セグメントLEDで構成される下5桁部分で、エラーを表す語句「ERROR」が表示される。また、枠制御用マイコン181は、表示部50aにおける画像表示やスピーカー52からの所定の音声および警告音の出力によって持球数エラー報知を実行するようにしても良い。
また、枠制御用マイコン181は、ステップS5309において、持球数エラー報知の実行を要求するコマンドを枠制御用RAM184の出力バッファにセットしても良い。出力バッファにセットされたコマンドは出力処理(S5003)にて遊技制御基板100に送信され、遊技制御基板100は当該コマンドを受信すると、持球数エラー報知の実行を指定するコマンドを演出制御基板120に送信し、演出制御基板120は当該コマンドを受信すると、適宜に画像表示装置50やスピーカー52に持球数エラー報知を実行させるようにしても良い。
次に、発射制御処理(S5203)について説明する。図54は、発射制御処理の一例を表すフローチャートである。図54に示すように、発射制御処理(S5203)では、枠制御用マイコン181は、持球数マスターデータが示す持球数が「0」より大きいか否かを判定する(S5301)。持球数は、遊技者が遊技に利用できる遊技球の個数であるので、持球数が「0」より大きくなければ、遊技を実行できないからである。
枠制御用マイコン181は、持球数が「0」より大きくない、すなわち、持球数=「0」と判定すると(S5401でNO)、ステップS5419に進み、持球数が「0」より大きいと判定すると(S5401でYES)、錠302が開錠されているか否か、言い換えると、後述する錠302が開錠されていることにより遊技球の発射が禁止されている状態であることを示す発射禁止フラグがONされているか否かを判定する(S5402)。これは、錠302が開錠されていると、前扉23が開放されて、発射された遊技球がパチンコ遊技機PY1の外部に飛び出して、遊技球を紛失するおそれがあるので、遊技球の発射を禁止させる必要があるからである。なお、発射禁止フラグは、基本的には錠302が開錠されているときに、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。
枠制御用マイコン181は、錠302が開錠されていると判定すると(S5402でYES)、ステップS5419に進み、錠302が開錠されていないと判定すると(S5402でYES)、発射ハンドル72kが遊技者に接触されているか否か、言い換えると、タッチスイッチ72aからの検知信号が入力しているか否かを判定する(S5403)。これは、遊技者が発射ハンドル72kを操作することを、遊技球を発射させるための条件とし、硬貨や所定の器具を用いて発射ハンドル72kを固定することを防止するためである。
枠制御用マイコン181は、発射ハンドル72kが遊技者に接触されていないと判定すると(S5403でNO)、ステップS5419に進み、発射ハンドル72kが遊技者に接触されていると判定すると(S5403でYES)、発射ハンドル72kが操作されているか否か、言い換えると、発射ボリュームのつまみ72bからの検知信号が入力しているか否かを判定する(S5404)。これは、発射ハンドル72kが操作されることによって遊技球を発射させることができるからである。
枠制御用マイコン181は、発射ハンドル72kが操作されていないと判定すると(S5404でNO)、ステップS5419に進み、発射ハンドル72kが操作されていると判定すると(S5404でYES)、発射遅延の実行中であるか否か、言い換えると、後述する発射遅延フラグがONされているか否かを判定する(S5405)。
発射遅延とは、発射ハンドル72kが操作され続けている状態において、単位時間(60秒などの一定時間)当たりの遊技球の発射個数が所定値になるように調整するために、所定の単位発射制御の開始を遅延(周期をN球に1回遅れ)させて、局所的な単位発射制御に対して遊技球の発射に係る周期を変更し、大局的な遊技球の発射に係る周期を調整する制御(発射周期変更制御)のことである。すなわち、単位発射制御とは、1回の遊技球の発射に係る制御であり、単位時間当たりの遊技球の発射個数が所定値になるように調整するために、遊技球の1回の発射と、当該発射の後、次に遊技球を発射させることが可能となるまで発射を待機させるインターバル(発射待機)とで構成され、所定周期で実行される。発射遅延(発射周期変更制御)、および単位発射制御の詳細については後述する。なお、発射遅延フラグは、発射遅延(発射周期変更制御)が実行されている間(発射遅延の実行中)、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。また、詳細は後述するが、第1実施形態においては、発射遅延(発射周期変更制御)は1回の枠制御用タイマ割り込み処理に要する時間と同一時間、実行される。
枠制御用マイコン181は、発射遅延の実行中であると判定すると(S5405でYES)、発射遅延を解除し、具体的には発射遅延フラグをOFFし(S5418)、発射遅延の実行中ではないと判定すると(S5405でNO)、発射待機の実行中であるか否か、言い換えると、後述する発射待機フラグがONされているか否かを判定する(S5406)。
発射待機の実行とは、発射ハンドル72kが操作され続けている状態において、単位時間当たりの遊技球の発射個数が所定値になるように調整するために、1回の遊技球の発射に係る単位発射制御において遊技球の発射を待機させることである。発射待機の詳細については後述する。なお、発射待機フラグは、発射待機が実行されている間(発射待機の実行中)、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。
枠制御用マイコン181は、発射待機の実行中であると判定すると(S5406でYES)、ステップS5412に進み、発射待機の実行中ではないと判定すると(S5406でNO)、これから開始される遊技球の発射(単位発射制御)が、ユニット発射制御の開始に該当するか否か、言い換えると、後述する発射遅延発動カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する(S5407)。
ユニット発射制御とは、発射ハンドル72kが操作され続けている状態において、単位時間当たりの遊技球の発射個数が所定値になるように調整するためになされる遊技球の発射に係る制御であり、所定回数(第1実施形態では、4回)の単位発射制御と所定回数(第1実施形態では、1回)の発射遅延(発射周期変更制御)で構成され、全体として所定周期で実行される。詳細は後述するが、ユニット発射制御では、1回の遊技球の発射に係る単位発射制御を複数回(第1実施形態では、4回)繰り返し実行した後に、発射遅延(発射周期変更制御)を所定回数(第1実施形態では、1回)実行する。そして、発射遅延発動カウンタは、1回のユニット発射制御における遊技球の発射回数の残り回数を計数し、枠制御用RAM184の所定領域に設けられている。発射遅延発動カウンタのカウンタ値が「0」であるときの遊技球の発射がユニット発射制御の開始を構成する。
枠制御用マイコン181は、ユニット発射制御を開始させると判定すると(S5407でYES)、これからユニット発射制御を開始させることから、1回のユニット発射制御において発射される遊技球の個数(ユニット発射個数)を発射遅延発動カウンタにセットして(S5408)、ステップS5409に進み、ユニット発射制御を開始させないと判定すると(S5407でNO)、ユニット発射制御の途中であることから、そのままステップS5409に進む。なお、第1実施形態において、ユニット発射個数は4個に設定されている。
枠制御用マイコン181は、ステップS5409において、発射装置72に発射ハンドル72kの操作に応じた発射強度で遊技球を発射させるために、発射ボリュームのつまみ72bからの検知信号に応じて発射装置72に遊技球を発射せる。続いて、枠制御用マイコン181は、当該遊技球の発射の後には遊技球を発射させないインターバルを設けるために、発射待機を実行し(S5410)、当該発射待機の実行期間を設定し(S5411)、当該発射制御処理を終える。
発射待機の実行は、発射待機フラグを枠制御用RAM184の所定領域にONすることで行われる。また、発射待機の実行期間の設定は、発射待機カウンタを用いて行われる。発射待機カウンタは、枠制御用RAM184の所定領域に設けられており、発射待機を実行する期間に相当する枠制御用タイマ割り込み処理の実行回数(第1実施形態では、150回)を発射待機カウンタにセットすることで、発射待機の実行期間の設定が行われる。
なお、枠制御用タイマ割り込み処理は4m秒ごとに実行されるので、次回の遊技球の発射までのインターバル、言い換えると、1回の単位発射制御に要する時間は、600m秒(4m秒×150回)ということになる。
また、枠制御用マイコン181は、ステップS5412において、発射待機の実行期間の残り期間(発射待機残り期間)の更新を行い、ステップS5413において、発射待機を終了させるか否かを判定する。発射待機残り期間の更新は、発射待機カウンタのカウンタ値を「1」減算することで行われる。また、発射待機を終了させるか否かの判定は、発射待機カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを確認することで行われる。
枠制御用マイコン181は、発射待機を終了しないと判定した場合、すなわち発射待機カウンタのカウンタ値が「0」ではない場合(S5413でNO)、1回の単位発射制御に係る発射待機(インターバル)の途中であることから、そのまま当該発射制御処理を終える。一方、枠制御用マイコン181は、発射待機を終了すると判定した場合、すなわち発射待機カウンタのカウンタ値が「0」である場合(S5413でYES)、1回の単位発射制御に係る発射待機(インターバル)を終えることから、発射待機を終了し(S5414)、発射遅延を実行するまでの残り期間(発射遅延実行残り期間)を更新し(S5415)、発射遅延を開始させるか否かを判定する(S5416)。
発射待機の終了は、発射待機フラグをOFFにすることで行われる。発射遅延実行残り期間の更新は、発射遅延発動カウンタのカウンタ値を「1」減算することで行われる。また、発射遅延を開始させるか否かの判定は、発射遅延発動カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを確認することで行われる。
枠制御用マイコン181は、発射遅延を開始しないと判定した場合、すなわち発射遅延発動カウンタのカウンタ値が「0」ではない場合(S5416でNO)、発射遅延を行う前に遊技球を発射させることから、S5409に進み、発射遅延を開始すると判定した場合、すなわち発射遅延発動カウンタのカウンタ値が「0」である場合(S5416でYES)、発射遅延を開始させて(S5417)、当該発射制御処理を終える。発射遅延の実行は、発射遅延フラグをONにすることで行われる。
また、枠制御用マイコン181は、ステップS5418において、発射制御処理に係るリセット処理を行うと、当該発射制御処理を終える。なお、発射制御処理に係るリセット処理では、当該発射制御処理に係るフラグやカウンタをリセットすることで行われる。これにより、単位発射制御、およびユニット発射制御は停止されて、再度遊技球が発射されるときは、単位発射制御、およびユニット発射制御は最初から実行されることになる。
次に、遊技球の発射が許可されている状況で発射ハンドル72kが操作され続けているときの枠制御用マイコン181による遊技球の発射制御について説明する。発射ハンドル72kが操作され続けている限り、枠制御用マイコン181による発射制御処理(S5204)、特にステップS5405~ステップS5417が実行されることによって、断続的な遊技球の発射が行われる。そして、この断続的な発射が行われているときが、単位時間当たりに発射される遊技球の個数(特定発射個数)が最も多く、枠制御用マイコン181は、1分間に発射される遊技球の個数(遊技球の発射球数)が約99.83個となるように、遊技球の発射を制御する。これは、所定規則によって、1分間における遊技球の発射球数が100個未満となるように定められているが、単位時間当たりの遊技球の発射球数が極端に少なくなると、遊技店側が不利益を被るおそれがあるところ、上限値を越えない範囲で単位時間当たりの遊技球の発射球数を適度にするためである。ただし、枠制御用マイコン181に枠制御側タイマ割り込み処理を行わせるクロックは、常温偏差・周波数温度特性による水晶振動子の周波数変化によって変動するおそれがあることから、1分間における遊技球の発射個数が限りなく100に近づけるようにすることが適度となるわけではない。
ここで、発射ハンドル72kが操作され続けている場合の遊技球の発射制御の一例を示すタイムチャートを図55に示す。前述した通り、遊技球の発射制御として、単位発射制御とユニット発射制御がある。
単位発射制御は、1回の遊技球の発射に係る制御の基本単位であり、遊技球の発射によって開始され、当該発射から600m秒経過すると終了する。したがって、単位発射制御によって、1回の遊技球の発射に係る周期(発射サイクル)が形成される。1回の単位発射制御において、最初に遊技球が発射されてから600m秒経過するまでの期間は発射待機となり、遊技球を発射させないインターバル期間を構成する。なお、インターバルに係る600m秒は、発射制御処理(S5203)が含まれる枠制御側タイマ割り込み処理が4m秒ごとに実行されることから、発射制御処理(枠制御側タイマ割り込み処理)150回分の期間ということになる。したがって、枠制御用マイコン181は、発射制御処理(枠制御側タイマ割り込み処理)において遊技球を発射させると、その後、150回の発射制御処理(枠制御側タイマ割り込み処理)では遊技球を発射させずに、遊技球の発射待機を行う。
ユニット発射制御は、4回の遊技球の発射に係る制御の基本単位であり、4回の連続した単位発射制御と、1回の発射遅延(発射周期変更制御)で構成される。発射制御処理(枠制御側タイマ割り込み処理)は4m秒ごとに実行されることから、発射遅延(発射周期変更制御)を行うことなく、単位発射制御を実行し続けると、1分間における遊技球の発射個数が100個になり、100個未満という規定が満たされない。そこで、単位発射制御を4回連続実行した後に、1回の発射遅延(発射周期変更制御)を実行してから、次の単位発射制御を開始させることにより、1分間における遊技球の発射球数が100個未満となるようにする。そして、この4回の連続した単位発射制御と、それに続く1回の発射遅延(発射周期変更制御)で1つのユニット発射制御を構成させ、大局的には、このユニット発射制御を1セットとして繰り返し実行していく。その結果、1分間における遊技球の発射球数が約99.83個となる。なお、1回の発射遅延(発射周期変更制御)に要する時間は4m秒である。すなわち、1回の発射遅延(発射周期変更制御)は、発射制御処理(枠制御側タイマ割り込み処理)の1回分の期間ということになる。
次に、持球数管理処理(S5204)について説明する。図56は、持球数管理処理の一例を表すフローチャートである。図56に示すように、持球数管理処理(S5204)では、枠制御用マイコン181は、まずはユニット表示装置300に表示された球貸しボタンの操作があったか否かを判定する(S5501)。前述の通り、球貸しボタンが操作されると、ユニット表示装置300は、当該操作を検知したことを示す球貸し操作検知信号をカードユニットCUに出力する。カードユニットCUは、球貸し操作検知信号が入力すると、球貸しを要求することを示す信号(球貸し要求信号)を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5501において、球貸し要求信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、球貸しボタンの操作がなかったと判定すると(S5501でNO)、ステップS5504に進み、球貸しボタンの操作があったと判定すると(S5501でYES)、球貸しに応じた遊技球数(第1実施形態では、250個)を持球数に加算し(S5502)、持球数が更新されたことを示す更新フラグをONし(S5503)、ステップS5504に進む。
ステップS5502における持球数の加算は、持球数記憶部185に記憶されている持球数マスターデータが示す持球数に、球貸しに応じた遊技球数を加算することで行われる。また、更新フラグは、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。
枠制御用マイコン181は、ステップS5504において、入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)への入賞(セーフ球の発生)があったか否かを判定する。前述の通り、各種入賞口への入賞(セーフ球の発生)があると、遊技制御用マイコン101は、当該入賞に応じた賞球数を示すコマンド(賞球数指定コマンド)を枠制御基板180に送信する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5504において、賞球数指定コマンドを受信したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)への入賞(セーフ球の発生)がなかったと判定すると(S5504でNO)、ステップS5507に進み、入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)への入賞があったと判定すると(S5504でYES)、賞球数に応じた賞球数を持球数に加算し(S5505)、更新フラグをONし(S5506)、ステップS5507に進む。
ステップS5505における持球数への加算は、持球数記憶部185に記憶されている持球数マスターデータが示す持球数に、賞球数指定コマンドが示す賞球数を加算することで行われる。なお、第1実施形態では、一般入賞口10への入賞に基づく賞球数は10個であり、第1始動口11への入賞に基づく賞球数は4個であり、第2始動口12への入賞に基づく賞球数は2個であり、大入賞口14への入賞に基づく賞球数は15個である。
枠制御用マイコン181は、ステップS5507において、ファール球があったか否かを判定する。前述の通り、ファール球が発生すると、ファール球検知センサ312aは、ファール球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5507において、ファール球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、ファール球がなかったと判定すると(S5507でNO)、ステップS5510に進み、ファール球があったと判定すると(S5507でYES)、ファール球に応じた遊技球の個数(1個)を持球数に加算し(S5508)、更新フラグをONし(S5509)、ステップS5510に進む。ステップS5508における持球数の加算は、持球数記憶部185に記憶されている持球数マスターデータが示す持球数に、「1」を加算することで行われる。ファール球は1球ずつ検知され、ファール球が発生したことによって持球数が1つ増えるからである。
枠制御用マイコン181は、ステップS5510において、発射球があったか否かを判定する。前述の通り、発射球が発生すると、発射球検知センサ311aは、発射球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5510において、発射球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、発射球がなかったと判定すると(S5510でNO)、ステップS5513に進み、発射球があったと判定すると(S5510でYES)、発射球に応じた遊技球の個数(1個)を持球数から減算し(S5511)、更新フラグをONし(S5512)、ステップS5513に進む。ステップS5511における持球数からの減算は、持球数記憶部185に記憶されている持球数マスターデータが示す持球数に、「1」を減算することで行われる。発射球は1球ずつ検知され、発射球が発生したことによって持球数が1つ減るからである。
枠制御用マイコン181は、ステップS5513において、更新フラグがONされているか否か、言い換えると、持球数の加算または減算(更新)が行われたか否かを判定する。枠制御用マイコン181は、更新フラグがONされていないと判定すると(S5513でNO)、ステップS5518に進む。一方、枠制御用マイコン181は、更新フラグがONされていると判定すると(S5513でYES)、持球数が更新されたことによって持球数のバックアップを行うために、枠制御用持球数バックアップ処理を行い(S5514)、遊技制御用持球数バックアップ処理を行い(S5515)、表示装置用持球数バックアップ処理を行い(S5516)、ステップS5518に進む。
枠制御用持球数バックアップ処理は、持球数マスターデータが示す持球数を、第1持球数BU領域186aに記憶されている第1枠制御側持球数BUデータ、第2持球数BU領域186bに記憶されている第2枠制御側持球数BUデータ、第3持球数BU領域186cに記憶されている第3枠制御側持球数BUデータに反映(上書き保存)することで行われる。
遊技制御用持球数バックアップ処理は、持球数マスターデータが示す持球数を示す持球数更新指定コマンドを枠制御用RAM184の出力バッファにセットすることで行われる。出力バッファにセットされた持球数更新指定コマンドは出力処理(S5003)によって遊技制御基板100に送信される。なお、図示しないが、遊技制御用マイコン101は、持球数更新指定コマンドを受信すると、当該コマンドが示す持球数を、遊技制御側持球数BU部106に記憶されている遊技制御側持球数BUデータに反映(上書き保存)する。これにより、遊技制御基板100がバックアップしている持球数に関するデータが更新される。
表示装置用持球数バックアップ処理は、持球数マスターデータが示す持球数を示す持球数更新指定信号を枠制御用RAM184の出力バッファにセットすることで行われる。出力バッファにセットされた持球数更新指定信号は出力処理(S5003)によって持球数表示装置301に送信される。なお、図示しないが、持球数表示装置301は、持球数更新指定信号が入力すると、当該信号が示す持球数を、持球数記憶領域301dに記憶されている表示装置側持球数BUデータに反映(上書き保存)する。これにより、持球数表示装置301がバックアップしている持球数に関するデータが更新される。
枠制御用マイコン181は、ステップS5518において、ユニット表示装置300に表示された返却ボタンの操作があったか否かを判定する。前述の通り、返却ボタンが操作されると、ユニット表示装置300は、当該操作を検知したことを示す返却操作検知信号をカードユニットCUに出力する。カードユニットCUは、返却操作検知信号が入力すると、返却を要求することを示す信号(返却要求信号)を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5518において、返却要求信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、返却ボタンの操作がなかったと判定すると(S5518でNO)、当該持球数管理処理を終え、返却ボタンの操作があったと判定すると(S5518でYES)、返却ボタンの操作に応じて持球数に関する情報をクリアするために、枠制御用持球数クリア処理を行い(S5519)、遊技制御用持球数クリア処理を行い(S5520)、表示装置用持球数バックアップ処理を行い(S5521)、持球数マスターデータが示す持球数を示す持球数信号を枠制御用RAM184の出力バッファにセットし(S5522)、当該持球数管理処理を終える。
枠制御用持球数クリア処理は、持球数記憶部185、および枠制御側持球数BU部186をクリアする他、持球数に係る各種データをクリアする。
遊技制御用持球数クリア処理は、持球数に係るデータをクリアすることを指示する持球数クリア指定コマンドを枠制御用RAM184の出力バッファにセットすることで行われる。出力バッファにセットされた持球数クリア指定コマンドは出力処理(S5003)によって遊技制御基板100に送信される。なお、図示しないが、遊技制御用マイコン101は、持球数クリア指定コマンドを受信すると、遊技制御側持球数BU部106に記憶されている遊技制御側持球数BUデータをクリアする。これにより、遊技制御基板100が記憶している持球数に関するデータが消去される。
表示制御用持球数クリア処理は、持球数に係るデータをクリアすることを指示する持球数クリア指定信号を枠制御用RAM184の出力バッファにセットすることで行われる。出力バッファにセットされた持球数クリア指定信号は出力処理(S5003)によって持球数表示装置301に出力される。なお、図示しないが、持球数表示装置301は、持球数クリア指定信号が入力すると、表示装置側持球数BU部301dに記憶されている表示装置側持球数BUデータをクリアする。これにより、持球数表示装置301が記憶している持球数に関するデータが消去される。
また、ステップS5522で枠制御用RAM184の出力バッファにセットされた持球数信号は出力処理(S5003)によってカードユニットCUに出力される。カードユニットCUは、持球数信号が入力すると、ICカードに記録されている持球数を、持球数信号が示す持球数に更新する。
なお、返却ボタンが操作された後に、セーフ球、アウト球、ファール球、および発射球が発生することによって、ICカードに記録された持球数と、現実の持球数とが異なるようになることを防ぐために、返却ボタンの操作は、遊技が行われていない状態に制限されるようにしても良い。
次に、不正検知処理(S5205)について説明する。図57は、不正検知処理の一例を表すフローチャートである。図57に示すように、不正検知処理(S5205)では、枠制御用マイコン181は、まずは、排出球があったか否か、言い換えると、排出球検知センサ310aからの排出球検知信号を入力したか否かを判定する(S5601)。前述の通り、排出球検知センサ310aは、各種入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)を通過して遊技領域6の外部へ排出された遊技球(セーフ球)とアウト口19を通過して遊技領域6の外部へ排出された遊技球(アウト球)を回収して1つに集めた回収通路に設置されている。すなわち、遊技領域6に進入した遊技球は必ず最終的には排出球として回収通路を通過する。
枠制御用マイコン181は、排出球があったと判定すると(S5601でYES)、排出球検知時間の計測中であるか否か、言い換えると、排出球検知時間を計測していることを示す排出球検知時間計測フラグがONしているか否かを判定する(S5602)。排出球検知時間計測フラグは、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。なお、排出球検知時間は、排出球検知センサ310aが排出球検知信号を出力している時間、言い換えると、排出球検知センサ310aが磁石にくっつく鋼製の遊技球、またはステンレス製の遊技球を検知している時間である。
枠制御用マイコン181は、排出球検知時間を計測していないと判定すると(S5602でNO)、排出球検知時間の計測を開始して(S5603)、当該不正検知処理(S5206)を終える。排出球検知時間の計測の開始は、排出球検知時間計測フラグを枠制御用RAM184の所定領域にONすることによって行われる。なお、ステップS5602で排出球検知時間を計測していないと判定されるということは、排出球検知信号がOFFからONになったことを意味する。排出球検知信号がOFF(未検知)からON(検知)になったことを契機に排出球検知時間の計測を開始するからである。
枠制御用マイコン181は、排出球検知時間を計測していると判定すると(S5602でYES)、排出球検知時間を更新して(S5604)、当該不正検知処理(S5206)を終える。排出球検知時間の計測は、枠制御用RAM184に設けられた排出球検知時間タイマに、当該枠制御用タイマ割り込み処理の1回分の時間(4m秒)を加算することで行われる。なお、ステップS5602で排出球検知時間を計測していると判定されることは、排出球検知信号が継続してONしていることを意味する。排出球検知信号がONされている間、排出球検知時間を計測するからである。したがって、排出球検知時間タイマは、排出球検知信号がONされている時間を示す。
また、枠制御用マイコン181は、排出球がなかったと判定すると(S5601でNO)、排出球検知時間の計測中であるか否か、言い換えると、排出球検知時間計測フラグがONしているか否かを判定する(S5605)。枠制御用マイコン181は、排出球検知時間を計測していないと判定すると(S5605でNO)、そのまま当該不正検知処理(S5205)を終える。
枠制御用マイコン181は、排出球検知時間を計測していると判定すると(S5605でYES)、排出球検知時間、言い換えると、排出球検知時間タイマが示す値が所定の不正指定時間(例えば、12m秒)よりも大きいか否かを判定する(S5606)。枠制御用マイコン181は、排出球検知時間が所定の不正指定時間(例えば、12m秒)よりも大きくないと判定すると(S5606でNO)、ステップS5608に進み、排出球検知時間が所定の不正指定時間(例えば、12m秒)よりも大きいと判定すると(S5606でYES)、不正報知を行う(S5607)。
ここで、排出球検知センサ310aについて説明する。前述の通り、排出球検知センサ310aは、磁石にくっつかないステレス製の遊技球を検知するが、ステンレス製の遊技球よりも鉄の含有量が多くて磁石にくっつく従来の一般的な鋼製の遊技球も検知する。そして、排出球検知センサ310aの仕様として、排出球検知センサ310aは、通過する遊技球に対して、磁石にくっつかないステンレス製よりも磁石にくっつく鋼製の方が長い時間検知してON状態になる。そこで、ステンレス製と鋼製の違いを見極められるように不正指定時間が設けられている。逆に言うと、磁石にくっつかないステンレス製の遊技球が排出球検知センサ310aを通過した場合、排出球検知センサ310aが不正指定時間、排出球検知信号をONし続けることはない。したがって、排出球検知時間が所定の不正指定時間(例えば、12m秒)よりも大きいということは、磁石にくっつく従来の一般的な鋼製の遊技球が排出球検知センサ310aを通過した、言い換えると、当該パチンコ遊技機PY1に磁石にくっつく従来の一般的な鋼製の遊技球が混入されているということになる。なお、例えば、排出球検知センサ310aは、磁石にくっつかないステンレス製の1つの遊技球が排出球検知センサ310aを通過する場合には、第1時間(t1)ON状態になり、ステンレス製の遊技球よりも鉄の含有量が多くて磁石にくっつく従来の一般的な鋼製の1つの遊技球が同一速度で排出球検知センサ310aを通過する場合には、第1時間(t1)よりも長い第2時間(t2)ON状態になるという仕様であったとすると、不正指定時間は、第1時間(t1)と第2時間(t2)の間に設定される。また、排出球検知センサ310aは、磁石にくっつかないステンレス製の遊技球が2つ続いて通過した場合には2つの通過を区別して検知可能であるが、磁石にくっつく鋼製の遊技球が2つ続いて通過した場合には2つの通過を区別して検知できないように構成されている。なお、不正指定時間の具体的な値は適宜に設定可能である。
また、ステップS5607の不正報知は、スピーカー52による所定の警報音の出力によって行われる。枠制御基板180と演出制御基板120は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、ステンレス製の遊技球よりも鉄の含有量が多くて磁石にくっつく鋼製の1つの遊技球が当該パチンコ遊技機PY1に混入されている(検知された)ことを示す所定の警報音を出力する(不正報知を実行する)ことを要求する不正報知要求コマンドを枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。セットされた不正報知要求コマンドは、出力処理(S5003)によって遊技制御基板100に送信される。遊技制御用マイコン101は、不正報知要求コマンドを受信すると、不正報知を実行することを指定する不正報知指定コマンドを演出制御基板120に送信する。演出制御用マイコン121は、不正報知指定コマンドを受信すると、適宜に不正報知を実行する。
枠制御用マイコン181は、ステップS5608において、排出球検知時間の計測を終了して、当該不正検知処理(S5206)を終える。排出球検知時間の計測の終了は、排出球検知時間計測フラグのOFF、および排出球検知時間タイマのリセットによって行われる。
次に、発射禁止処理(S5206)について説明する。図58は、発射禁止処理の一例を表すフローチャートである。図58に示すように、発射禁止処理(S5206)では、枠制御用マイコン181は、まずは、錠302が開錠しているか否かを判定する(S5701)。前述の通り、開錠検知センサ302aは、錠302が開錠されていることを検知可能に構成され、錠302が開錠しているときに、開錠検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5701において、開錠検知センサ302aからの開錠検知信号が入力しているか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、錠302が開錠していると判定すると(S5701でYES)、遊技球の発射を禁止している(発射禁止中である)か否かを判定する(S5702)。枠制御用マイコン181は、発射禁止中ではないと判定すると(S5702でNO)、そのまま当該発射禁止処理(S5702)を終える。一方、枠制御用マイコン181は、発射禁止中であると判定すると(S5702でYES)、遊技球の発射の禁止(発射禁止)を実行し(S5703)、発射禁止であることを報知する発射禁止報知演出を実行し(S5704)、当該発射禁止処理(S5207)を終える。
なお、ステップS5702で発射禁止中ではないと判定されるということは、開錠検知信号がOFFからONになったこと、言い換えると錠302が施錠されている状態から開錠されたことを意味する。開錠検知信号がOFFからONになったことを契機に発射禁止を開始するからである。また、錠302が施錠されている状態から開錠されたということは、前扉23が開放される可能性あり、前扉23が開放されると、遊技球が当該パチンコ遊技機PY1の外部へ飛び出して紛失するおそれがあるので、発射禁止が実行される。発射禁止は、発射禁止フラグのONによって行われる。発射禁止フラグは、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。そして、この発射禁止(発射)は、前述の発射制御処理(S5203)における遊技球の発射を禁止する条件(ステップS5402)を構成する。具体的には、ステップS5402において「発射が禁止されている」(S5402でYES)と判定されることになる。
また、発射禁止報知演出は、ユニット表示装置300で行われる。枠制御基板180とユニット表示装置300は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、発射禁止であることを報知する発射禁止報知演出を実行することを要求する発射禁止報知演出要求信号を枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた発射禁止報知演出要求信号は出力処理(S5003)によってカードユニットCUに出力される。カードユニットCUは、発射禁止報知演出要求信号が入力すると、発射禁止報知演出として、発射禁止であることを示す画像をユニット表示装置300に表示させる。なお、発射禁止であることを示す画像の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、発射禁止であることを示す画像は、例えば、発射禁止であることを示す説明文「遊技球の発射ができない状態になりました」で構成される。
枠制御用マイコン181は、錠302が開錠していないと判定すると(S5701でNO)、遊技球の発射を禁止している(発射禁止中である)か否かを判定する(S5705)。枠制御用マイコン181は、発射禁止中ではないと判定すると(S5705でNO)、そのまま当該発射禁止処理(S5206)を終え、発射禁止中であると判定すると(S5705でYES)、発射許可状態への待機中であるか否かを判定する(S5706)。
発射許可状態への待機中とは、発射禁止から遊技球の発射を許可する状態への移行期間である。このような移行期間が設けられているのは、ステップS5705で発射禁止中であると判定されることは、開錠検知信号がONからOFFになったこと、言い換えると錠302が開錠されている状態から施錠されたことを意味するが、例えば遊技店の店員が施錠されてから当該パチンコ遊技機PY1について最終確認するための猶予期間が必要なこともあるからである。また、発射許可状態への待機中も、遊技球の発射は禁止されている。
なお、発射許可状態への待機の開始は、後述する発射許可状態待機フラグのONによって行われる。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5706において、発射許可状態待機フラグがONされているか否かを判定する。発射許可状態待機フラグは、枠制御用RAM184の所定領域にONされる。
枠制御用マイコン181は、発射許可状態への待機中ではないと判定すると(S5706でNO)、発射許可状態への待機を開始し(S5707)、すなわち、枠制御用RAM184の所定領域に発射許可状態待機フラグをONし、発射許可状態まで待機することを報知する発射許可待機報知演出を実行し(S5708)、発射許可状態までの待機を終了するまでの残り時間(発射許可待機残り時間)の計測を開始し(S5709)、当該発射禁止処理(S5206)を終える。
発射許可待機報知演出は、ユニット表示装置300で行われる。枠制御基板180とユニット表示装置300は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、発射が許可されるまで待機することを報知する発射許可待機報知演出を実行することを要求する発射許可待機報知演出要求信号を枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた発射許可待機報知演出要求信号は出力処理(S5003)によってカードユニットCUに出力される。カードユニットCUは、発射許可待機報知演出要求信号が入力すると、発射許可待機報知演出として、発射が許可されるまで待機することを示す画像をユニット表示装置300に表示させる。なお、発射が許可されるまで待機することを示す画像の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、発射が許可されるまで待機することを示す画像は、例えば、発射が許可されるまで待機することを示す説明文「発射できるまでもう少しお待ち下さい」で構成される。
また、発射許可待機残り時間は、発射許可待機時間タイマを用いて行われる。発射許可待機時間タイマは、枠制御用RAM184の所定領域に設けられており、所定の発射許可状態まで待機する時間(例えば、30秒)を発射許可待機時間タイマにセットすることで、発射許可待機残り時間の計測が開始される。なお、発射許可待機時間タイマは、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)のその他の処理(S5208)で、4m秒分、減算される。
枠制御用マイコン181は、発射許可状態への待機中であると判定すると(S5706でYES)、発射許可状態への待機を終了するか否かを判定する(S5710)。発射許可状態への待機の終了は、発射許可状態への待機を開始してから発射許可待機時間が経過すること、言い換えると、発射許可待機時間タイマの値が「0」になることによって行われる。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5710において、発射許可待機時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、発射許可状態への待機を終了しない、すなわち発射許可待機時間タイマの値が「0」ではないと判定すると(S5710でNO)、そのまま当該発射禁止処理(S5206)を終了する。一方、枠制御用マイコン181は、発射許可状態への待機を終了する、すなわち発射許可待機時間タイマの値が「0」であると判定すると(S5710でYES)、発射許可状態への待機を終了し(S5711)、遊技球の発射が許可されたことを報知する発射許可報知演出を実行し(S5712)、発射禁止を終了し(S5714)、当該発射禁止処理(S5207)を終了する。
なお、発射許可状態への待機の終了は、発射許可状態待機フラグをOFFすることによって行われる。さらに、発射禁止の終了は、発射禁止フラグをOFFすることによって行われる。これにより、ステップS5402では「発射が禁止されていない」(S5402でNO)と判定されることになる。
また、発射許可報知演出は、ユニット表示装置300で行われる。枠制御基板180とユニット表示装置300は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、発射が許可されたことを報知する発射許可報知演出を実行することを要求する発射許可報知演出を枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた発射許可報知演出要求信号は出力処理(S5003)によってカードユニットCUに出力される。カードユニットCUは、発射許可報知演出要求信号が入力すると、発射許可報知演出として、発射が許可されたことを示す画像をユニット表示装置300に表示させる。なお、発射が許可されたことを示す画像の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、発射が許可されたことを示す画像は、例えば、発射が許可されたことを示す説明文「発射できるようになりました。ご協力ありがとうございました」で構成される。
次に、遊技球進入阻止処理(S5207)について説明する。図59は、遊技球進入阻止処理の一例を表すフローチャートである。図59に示すように、遊技球進入阻止処理(S5207)では、枠制御用マイコン181は、まずは、前扉23が開放しているか否かを判定する(S5801)。前述の通り、扉開放検知センサ23aは、前扉23が開放していることを検知可能に構成され、前扉23が開放しているときに扉開放検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5801において、扉開放検知センサ23aからの前扉開放検知信号が入力しているか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、前扉23が開放していると判定すると(S5801でYES)、進入阻止装置76が作動中であるか否かを判定する(S5802)。
ここで、進入阻止装置76について説明する。進入阻止装置76は、作動可能な進入阻止可動部76kと、進入阻止可動部76kを駆動する駆動部(図示なし)を備える。なお、進入阻止可動部76kを駆動する駆動部は、枠制御基板180に接続されている。
図60は、進入阻止装置76を説明する説明図である。図60(A)は、遊技盤1の正面図を表す図、図60(B)は進入阻止装置76が待機状態であるときの図60(A)のA-A断面図を表す図、図60(C)は進入阻止装置76が作動状態であるときの図60(A)のA-A断面図を表す図である。
図60(A)~図60(B)に示すように、進入阻止可動部76kは、発射領域7の遊技領域6側端部、言い換えると、発射領域7における遊技領域6と発射領域7との境界付近に配置されている。進入阻止可動部76kは、矩形平板状の舌片部材で構成され、待機状態において、長辺方向が発射領域7に垂直な方向と平行になり、短辺方向および表面が遊技球の発射領域6へ向けた移動方向と略垂直になるように、且つ、先端が発射領域7と滑らかな面一になるように、先端以外の長辺方向全体が発射領域7の後方に収納されている。
また、図60(B)に示すように、遊技盤1における発射領域7は、内レール63と外レール62で区画されているが、進入阻止可動部76kの短辺方向長さは、発射領域7および遊技球の発射方向(紙面の奥に向かう方向)に垂直な断面において進入阻止可動部76kの設置位置の内レール63と外レール62とで挟まれた距離よりも少し短い長さに構成されている。
さらに、進入阻止可動部76kは前後方向に直線運動が可能に構成されており、作動状態になると前方に移動し、図60(C)に示すように、発射領域7に垂直に突出する状態で保持される。進入阻止可動部76kが作動状態で保持されているとき、遊技領域6に向けて発射された遊技球は、進入阻止可動部76kに衝突するので、遊技球の遊技領域6への進入が阻止される。なお、進入阻止可動部76kに待機状態に戻るときは後方に向けて移動する。
説明を遊技球進入阻止処理(S5207)に戻す。枠制御用マイコン181は、進入阻止装置76が作動中であると判定すると(S5802でYES)、そのまま当該遊技球進入阻止処理(S5207)を終える。一方、枠制御用マイコン181は、進入阻止装置76が作動中でないと判定すると(S5802でNO)、進入阻止装置76を作動状態にして(S5803)、当該遊技球進入阻止処理(S5207)を終える。
進入阻止装置76を作動状態にするとは、先端が遊技領域6と面一な状態で先端以外の長辺方向全体が遊技領域6の後方に収納されている進入阻止可動部76kを前方に向けて移動させて突出した状態で保持することである。また、枠制御用マイコン181は、ステップS5803において、進入阻止装置76が作動状態であることを示す進入阻止装置作動フラグを枠制御用RAM184の所定領域にONする。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5802においては、進入阻止装置作動フラグがONしているか否かを判定する。
なお、ステップS5802で進入阻止装置76が作動中ではないと判定されるということは、扉開放検知信号がOFFからONになったこと、言い換えると前扉23が閉鎖されている状態から開放されたことを意味する。また、ステップS5802で進入阻止装置76が作動中であると判定されるということは、扉開放検知信号のONが継続していること、言い換えると前扉23が開放され続けていることを意味する。
枠制御用マイコン181は、前扉23が開放していないと判定すると(S5801でNO)、進入阻止装置76が作動中であるか否か、言い換えると、進入阻止装置作動フラグがONしているか否かを判定する(S5804)。枠制御用マイコン181は、進入阻止装置76が作動中ではない、言い換えると、進入阻止装置作動フラグがONしていないと判定すると(S5804でNO)、そのまま当該遊技球進入阻止処理(S5207)を終える。一方、枠制御用マイコン181は、進入阻止装置76が作動中である、言い換えると、進入阻止装置作動フラグがONしていると判定すると(S5804でYES)、進入阻止装置76を待機状態にして(S5805)、当該遊技球進入阻止処理(S5207)を終える。
進入阻止装置76を待機状態にするとは、発射領域7から突出された状態で保持されている進入阻止可動部76kを後方に向けて移動させて、先端が発射領域7と面一な状態で先端以外の長辺方向長さ全体を発射領域7の後方に収納させることである。進入阻止装置76が待機状態に戻ったことにより、遊技領域6に向けて遊技球に発射された遊技球は、遊技領域6に進入することができる。なお、枠制御用マイコン181は、ステップS5805において、進入阻止装置作動フラグをOFFする。
なお、ステップS5804で進入阻止装置76が作動中であると判定されるということは、扉開放検知信号がONからOFFになったこと、言い換えると前扉23が開放されている状態から閉鎖されたことを意味する。また、ステップS5804で進入阻止装置76が作動中ではないと判定されることは、前扉開放検知信号のOFFが継続していること、言い換えると前扉23が閉鎖され続けていることを意味する。
次に、パチンコ遊技機PY1の演出制御基板120側の電気的構成について説明する。図61は、主に演出制御基板120に係る電気的な構成を表したブロック図である。図61に示すように、演出制御基板120は、上枠ランプ用ドライバ基板162を介して上枠ランプ53Uに接続され、下枠ランプ用ドライバ基板163を介して下枠ランプ53Dに接続され、盤可動装置用ドライバ基板164を介して回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2に接続され、演出ボタン用中継基板165を介して演出ボタンセンサ40aに接続されている。
なお、上枠ランプ53U、下枠ランプ53D、および演出ボタン40kは前扉23に設置されており、それに応じて上枠ランプ用ドライバ基板162、下枠ランプ用ドライバ基板163、および演出ボタン用中継基板165も前扉23の所定箇所に設置されている。一方、盤可動体55k(昇降部材55k2、および回転部材55k1)は遊技盤1に設置されており、それに応じて盤可動装置用ドライバ基板164も遊技盤1の所定箇所に設置されている。
また、第1実施形態では、第1演出ボタン40kは振動可能に構成されている。そして、突出台34の内部には、第1演出ボタン40kを振動させるための駆動源となる演出ボタン用モータ40mが搭載されている。演出ボタン用モータ40mは、演出ボタン用中継基板165を介して演出制御基板120に接続されている。
また、上枠ランプ用ドライバ基板162には、信号の入出力を行う入出力ポート(上枠ランプ用入出力ポート162a)が搭載されている。同様に、下枠ランプ用ドライバ基板163にも、信号の入出力を行う入出力ポート(下枠ランプ用入出力ポート163a)が搭載されている。さらに、盤可動装置用ドライバ基板164にも、信号の入出力を行う入出力ポート(盤可動装置用入出力ポート164a)が搭載されている。また、演出ボタン用中継基板165にも、信号の入出力を行う入出力ポート(演出ボタン用入出力ポート165a)が搭載されている。
上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aは、多数のピンを具備しており、各入出力ポート162a、163a、164a、165aには、当該ピンを用いてアドレスを特定する情報(アドレス情報)が設定されている。各入出力ポート162a、163a、164a、165aに係るアドレス情報は、上位の4ビットで構成されるメーカー識別情報と、下位の3ビットで構成されるデバイス識別情報とで構成される。
メーカー識別情報は、当該パチンコ遊技機PY1の製造メーカー(第1実施形態において、会社A)を特定する情報である。したがって、上枠ランプ用入出力ポート162aに設定されているメーカー識別情報(上枠ランプメーカー識別情報)と、下枠ランプ用入出力ポート163aに設定されているメーカー識別情報(下枠ランプメーカー識別情報)と、盤可動装置用入出力ポート164aに設定されているメーカー識別情報(盤可動装置メーカー識別情報)と、演出ボタン用入出力ポート165aに設定されているメーカー識別情報(演出ボタンメーカー識別情報)とは同一である。一方、デバイス識別情報は、当該パチンコ遊技機PY1においてデバイス(装置)を特定する情報である。したがって、上枠ランプ用入出力ポート162aに設定されているデバイス識別情報(上枠ランプデバイス識別情報)と、下枠ランプ用入出力ポート163aに設定されているデバイス識別情報(下枠ランプデバイス識別情報)と、盤可動装置用入出力ポート164aに設定されているデバイス識別情報(盤可動装置デバイス識別情報)と、演出ボタン用入出力ポート165aに設定されているデバイス識別情報(演出ボタンデバイス識別情報)とは相互に異なる。
各メーカー識別情報、および各デバイス識別情報の具体的な内容は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、当該パチンコ遊技機PY1の製造メーカー(会社A)に対応付けられたメーカー識別情報(上枠ランプメーカー識別情報、下枠ランプメーカー識別情報、盤可動装置メーカー識別情報、演出ボタン装置メーカー識別情報)は、上位側から「1・0・1・0」に設定されている。なお、第1実施形態では、会社Aとは異なるパチンコ遊技機の製造メーカーを示すメーカー識別情報として、会社Bに対応付けられたメーカー識別情報は、上位側から「0・0・1・0」に設定され、会社Cに対応付けられたメーカー識別情報は、上位側から「0・0・0・1」に設定され、会社Dに対応付けられたメーカー識別情報は、上位側から「0・1・0・1」に設定されているとする。このように、各製造メーカーを表すメーカー識別情報は相互に異なる。
また、上枠ランプデバイス識別情報は上位側から「0・0・1」に設定され、下枠ランプデバイス識別情報は上位側から「0・1・0」に設定され、盤可動装置デバイス識別情報は上位側から「1・0・0」に設定され、演出ボタンデバイス識別情報は上位側から「0・1・1」に設定されている。
また、演出制御基板120には、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aに接続され、演出制御用マイコン121とこれらの入出力ポート162a、163a、164a、165aとの間のインターフェースとして機能するコントローラー128が搭載されている。なお、コントローラー128は、マイコンで構成されている。また、コントローラー128は、所定のハーネスなどの通信ケーブルによって入出力ポート162a、163a、164a、165aに接続されている。
コントローラー128と、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aとは、同期式シリアル通信で接続可能に構成されており、コントローラー128がマスタ側となり、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aがスレーブ側となっている。詳細な説明は省略するが、マスタ側からスレーブ側にクロックを出力し、クロックに同期して、マスタ側によるデータの送信および受信が行われる。
コントローラー128は、演出制御用マイコン121からの指示に基づいて、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aに対して、データを送信して、上枠ランプ53U、下枠ランプ53D、回転部材用モータ55m1(回転部材55k1)、および昇降部材用モータ55m2(昇降部材55k2)、ならびに演出ボタン用モータ40m(第1演出ボタン40k)を作動させる。
コントローラー128は、上枠ランプ53Uを発光させるときには、上枠ランプ用入出力ポート162aに、上枠ランプ用入出力ポート162aに係るアドレス情報、および上枠ランプ53Uの発光態様を示す情報を含むデータを送信する。上枠ランプ用ドライバ基板162は、上枠ランプ用入出力ポート162aに係るアドレス特定情報を含むデータを受信すると、そのデータに含まれている上枠ランプ53Uの発光態様を示す情報に基づいて、上枠ランプ53Uを発光させる。
コントローラー128は、下枠ランプ53Dを発光させるときには、下枠ランプ用入出力ポート163aに、下枠ランプ用入出力ポート163aに係るアドレス情報、および下枠ランプ53Dの発光態様を示す情報を含むデータを送信する。下枠ランプ用ドライバ基板163は、下枠ランプ用入出力ポート163aに係るアドレス情報を含むデータを受信すると、そのデータに含まれている下枠ランプ53Dの発光態様を示す情報に基づいて、下枠ランプ53Dを発光させる。
コントローラー128は、昇降部材55k2を昇降させるとき、および回転部材55k1を回転させるときには、盤可動装置用入出力ポート164aに、盤可動装置用入出力ポート164aに係るアドレス情報、ならびに昇降部材55k2の動作態様(昇降部材用モータ55m2の動作態様)、および回転部材55k1の動作態様(回転部材用モータ55m1の動作態様)を示す情報を含むデータを送信する。盤可動装置用ドライバ基板164は、盤可動装置用入出力ポート164aに係るアドレス情報を含むデータを受信すると、そのデータに含まれている昇降部材55k2の動作態様、および回転部材55k1の動作態様を示す情報に基づいて、昇降部材55k2(昇降部材用モータ55m2)、および回転部材55k1(回転部材用モータ55m1)を動作させる。
コントローラー128は、第1演出ボタン40kを振動させるときには、演出ボタン用入出力ポート165aに、演出ボタン用入出力ポート165aに係るアドレス情報、および第1演出ボタン40kの動作態様(演出ボタン用モータ40mの動作態様)を示す情報を含むデータを送信する。演出ボタン用中継基板165は、演出ボタン用入出力ポート165aに係るアドレス情報を含むデータを受信すると、そのデータに含まれている第1演出ボタン40kの動作態様(演出ボタン用モータ40mの動作態様)を示す情報に基づいて、第1演出ボタン40k(演出ボタン用モータ40m)を動作させる。
なお、コントローラー128は、上枠ランプ53Uを発光させる場合、下枠ランプ53Dを発光させる場合、昇降部材55k2(昇降部材用モータ55m2)、および回転部材55k1(回転部材用モータ55m1)を動作させる場合、第1演出ボタン40k(演出ボタン用モータ40m)を振動させる場合、各種入出力ポート162a、163a、164a、165aに係るアドレス情報を含むデータを各種入出力ポート162a、163a、164a、165aに送信するが、以下においては特に言及しなくても当然に各種入出力ポート162a、163a、164a、165aに係るアドレス情報を含むデータを各種入出力ポート162a、163a、164a、165aに送信しているものとする。
また、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aのそれぞれは、コントローラー128からのデータを受信すると、コントローラー128にACK(ACKnowledge)を送信して肯定的な応答を行う。コントローラー128は、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aに、各対応するデバイス(上枠ランプ53U、下枠ランプ53D、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2、ならびに演出ボタン用モータ41m)を作動させるためのデータを送信した場合、送信先からACK(ACKnowledge)を受信したか否かを判定する。コントローラー128は、送信先からのACKを受信していないと判定した場合は、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aへの送信エラーが発生したことを示すデータ(ドライバ基板送信エラーデータ)を演出用CPU122に送信する。ドライバ基板送信エラー信号は、何れかの入出力ポート162a、163a、164a、165aへの送信エラーが発生したことのみを示し、送信エラーが発生した入出力ポートの種類までは示さない。また、コントローラー128は、ドライバ基板送信エラーデータを演出用CPU122に送信する際に、コントローラー128の内部に設けられたレジスタ(図示なし)に、送信エラーが発生した入出力ポート162a、163a、164a、165aを示すデータを記憶する。
なお、第1実施形態において、スピーカー52は、音声制御回路161を介して画像用CPU141に接続されており、音声に関する制御は画像用CPU141によって行われる。また、音声に係るデータは画像用ROM142に格納されている。また、演出制御基板120には、時間を計測可能なRTC(Real Time Clock)129が搭載されている。
次に、第1実施形態に係る演出制御メイン処理について説明する。図62は、第1実施形態における演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図62に示すように、演出制御用マイコン121は、電源投入時処理(S4001)の後、割り込み禁止(S4003)を行う前に、各種演出装置に係る動作確認処理(S4002)を行う。なお、ステップS4003の割り込み禁止、ステップS4004の乱数シード更新処理、ステップS4005のコマンド送信処理、およびステップS4006の割り込み許可についてはステップ番号が基本的な実施形態と異なっているが、制御内容は基本的な実施形態と同一である。
ここで、図63を用いて動作確認処理(S4002)について説明する。図63は、動作確認処理の一例を示すフローチャートである。図63に示すように、動作確認処理では、演出制御用マイコン121は、最初に、ステップS4051において、動作確認正常判断時間の計測を開始する。動作確認正常判断時間は、作動可能な各種演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53(上枠ランプ53U、下枠ランプ53D)、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40)に係る動作確認を行った結果、正常であると判断するための時間であり、当該動作確認処理を開始してからの経過時間で構成される。動作確認正常判断時間の具体的な時間は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では60秒に設定されている。
なお、動作確認処理(S4002)が行われているときに、基本的な実施形態で説明した1msタイマ割り込み処理(S4011)はまだ実行されていないので、1msタイマ割り込み処理(S4011)に含まれるタイマ更新処理(S4104)もまだ実行されていないことから、演出制御用マイコン121は、RTC129に基づいて適宜に動作確認正常判定時間の計測を実行する。
演出制御用マイコン121は、動作確認正常判断時間の計測を開始した後は、各種演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53(上枠ランプ53U、下枠ランプ53D)、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40)に係る動作確認を順次実行する(S4052~S4057)。
演出制御用マイコン121は、ステップS4052において、画像表示装置50、およびスピーカー52の動作確認(画像音声動作確認)を行うために、その動作確認の内容を示すコマンド(画像音声動作確認開始コマンド)を画像制御基板140に送信する。
画像制御基板140の画像用CPU141は、画像音声動作確認開始コマンドを受信すると、当該画像音声動作確認開始コマンドに基づいて、VDP144に所定時間(30秒)で構成される動作確認用の画像(動画)を表示部50aに適宜に表示させる。また、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像音声動作確認開始コマンドを受信すると、当該画像音声動作確認開始コマンドに基づいて、所定時間(30秒)で構成される動作確認用の音声を音声制御回路161を介して適宜にスピーカー52から出力する。
演出制御用マイコン121は、ステップS4053において、盤可動装置55(昇降部材55k2、および回転部材55k1)の動作確認(盤可動体動作確認)を行うために、その動作確認の内容を示すコマンド(盤可動体動作確認開始コマンド)をコントローラー128に送信する。
コントローラー128は、盤可動体動作確認開始コマンドを受信すると、当該盤可動体動作確認開始コマンドに基づいて、所定時間(15秒)で構成される動作確認用の昇降部材55k2、および回転部材55k1の動作を適宜に盤可動装置55(昇降部材用モータ55m2、および回転部材用モータ55m1)に実行させる。
演出制御用マイコン121は、ステップS4054において、枠ランプ53(上枠ランプ53U、および下枠ランプ53D)の動作確認(枠ランプ動作確認)を行うために、その動作確認の内容を示すコマンド(枠ランプ動作確認開始コマンド)をコントローラー128に送信する。
コントローラー128は、枠ランプ動作確認開始コマンドを受信すると、当該枠ランプ動作確認開始コマンドに基づいて、所定時間(20秒)で構成される動作確認用の発光を適宜に枠ランプ53(上枠ランプ53U、および下枠ランプ53D)に実行させる。詳細には、コントローラー128は、最初に上枠ランプ53Uを所定の動作確認用の発光態様で発光させ、次に、下枠ランプ53Dを所定の動作確認用の発光態様で発光させる。
演出制御用マイコン121は、ステップS4055において、第1演出ボタン装置40(第1演出ボタン40k)の動作確認(演出ボタン動作確認)を行うために、その動作確認の内容を示すコマンド(演出ボタン動作確認開始コマンド)をコントローラー128に送信する。
コントローラー128は、演出ボタン動作確認開始コマンドを受信すると、当該演出ボタン動作確認開始コマンドに基づいて、所定時間(10秒)で構成される動作確認用の第1演出ボタン40kの振動を適宜に第1演出ボタン装置40に実行させる。
なお、当該動作確認処理のスローチャートでは、画像音声動作確認、盤可動体動作確認、枠ランプ動作確認、および演出ボタン動作確認は順次行われていうるように見えるが、これは開始タイミングがこの順番で行われているだけで、実際はほとんど同時に開始されて実行されている。
演出制御用マイコン121は、各種動作確認を終えると、ステップS4056において、動作確認正常判断時間が経過したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、動作確認正常判断時間が経過していないと判定すると、ステップS4056に進む。すなわち、演出制御用マイコン121は、動作確認正常判断時間が経過したと判定されるまで、当該ステップS4056を繰り返し行う。一方、演出制御用マイコン121は、動作確認正常判断時間が経過したと判定すると、ステップS4057に進む。
ここで、前述したように、コントローラー128が、上枠ランプ53U、および下枠ランプ53Dを発光させるとき、盤可動体55k(回転部材55k1、昇降部材55k2)を作動させるとき、ならびに第1演出ボタン40kを振動させるとき、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、および演出ボタン用入出力ポート165aのそれぞれはコントローラー128からのデータを受信すると、ACKをコントローラー128に送信するが、コントローラー128がACKを受信していない場合、その入出力ポート162a、163a、164a、165aに対応する上枠ランプ53U、および下枠ランプ53D、盤可動体55k(回転部材55k1、昇降部材55k2)、ならびに第1演出ボタン40kは作動していないことになる。そして、コントローラー128が、上枠ランプ53Uを発光させるためのデータ、下枠ランプ53Dを発光させるためのデータ、盤可動体55k(回転部材55k1、昇降部材55k2)を作動させるためのデータ、および第1演出ボタン40kを振動させるためのデータを送信したがその送信に対してACKを受信しない場合は、その入出力ポートからのACKを受信していないことを示すデータを、当該コントローラー128に搭載されているレジスタに記憶する。
そこで、演出制御用マイコン121は、ステップS4057において、コントローラー128を確認して、盤可動体動作確認、枠ランプ動作確認、および演出ボタン動作確認について、盤可動体55k(回転部材55k1、昇降部材55k2)、上枠ランプ53U、および下枠ランプ53D、ならびに第1演出ボタン40kを作動させることができなかったエラー(動作異常エラー)があったか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、動作異常エラーがなかったと判定すると、当該動作確認処理を終えて、演出制御メイン処理に戻る。一方、演出制御用マイコン121は、動作異常エラーがあったと判定すると、ステップS4058に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS4058において、枠不適合エラーがあったか否かを判定する。枠不適合エラーとは、遊技盤1に対する前扉23の組み合わせが不適合であること、すなわち、遊技盤1と前扉23との整合が取れていないことである。前扉23に設置されている上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの全てからのACKを受信していないことを示すデータが記憶され、遊技盤1に設置されている盤可動装置用入出力ポート164aからのACKを受信していないことを示すデータが記憶されていない場合に、枠不整合エラーと判定される。
上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの何れか一部からのACKを受信していない場合は、その入出力ポートが破損・故障しているとが考えられるが、盤可動装置用入出力ポート164aからのACKは受信しているにもかかわらず、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの全てからのACKを受信していないとなると、入出力ポート162a、163a、165aに設定されているメーカー識別情報が、コントローラー128から送信されたデータに含まれるメーカー識別情報に一致していないと考えられる。これは、当該パチンコ遊技機PY1に取り付けられている前扉23が他の製造メーカーのものである可能性が高いことを意味している。
演出制御用マイコン121は、ステップS4058で枠不適合エラーであると判定すると、ステップS4059において、枠不適合エラーが発生していることを報知する枠不適合エラー報知を行う。枠不適合エラー報知の演出態様は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、表示部50aにおける枠不適合エラーが発生していることを示す画像(枠不適合エラー報知画像)の表示で構成されている。枠不適合エラー報知画像の具体的な表示内容は、遊技店の店員が枠不適合エラーが発生していることを認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、枠不適合エラーが発生していることを示す説明文「前扉が合っていないおそれがあります。確認して下さい。」で構成されている。
演出制御用マイコン121は、ステップS4059において、枠不適合エラー報知の演出内容を示すコマンド(枠不適合エラー報知開始コマンド)を画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、枠不適合エラー報知開始コマンドを受信すると、枠不適合エラー報知開始コマンドに基づいて、枠不適合エラー報知を実行する。第1実施形態では、画像制御基板140は、表示部50aに枠不適合エラー報知画像(説明文「前扉が合っていないおそれがあります。確認して下さい。」)を表示する。なお、枠不適合エラー報知を開始するタイミングで表示部50aに何らかの画像を表示している場合は、当該画像に重畳的に枠不適合エラー報知画像を表示しても、当該画像に消去して枠不適合エラー報知画像を表示しても良い。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4058で枠不適合エラーではないと判定すると、ステップS4060において、ACKが送信されていない入出力ポートの種類に応じた動作異常エラー報知を行う。動作異常エラー報知の演出態様は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、表示部50aにおける動作異常エラーが発生していることを示す画像(動作異常エラー報知画像)の表示で構成されている。
動作異常エラー報知の具体的な表示内容は、遊技店の店員が、ACKが送信されていない入出力ポートの種類に応じた動作異常エラーが発生していることを認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、ACKが送信されていない入出力ポートの種類に応じた動作異常エラーが発生していることを示す説明文で構成されている。例えば、上枠ランプ用入出力ポート162aのみからACKが送信されていない場合の説明文は、「上枠ランプ関係が異常です。確認して下さい。」で構成され、下枠ランプ用入出力ポート163aのみからACKが送信されていない場合の説明文は、「下枠ランプ関係が異常です。確認して下さい。」で構成され、演出ボタン用入出力ポート165aのみからACKが送信されていない場合の説明文は、「演出ボタン関係が異常です。確認して下さい。」で構成される。また、上枠ランプ用入出力ポート162a、および下枠ランプ用入出力ポート163aからACKが送信されていない場合の説明文は、「上枠ランプ関係と下枠ランプ関係が異常です。確認して下さい。」で構成され、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aからACKが送信されていない場合の説明文は、「下枠ランプ関係と演出ボタン関係が異常です。確認して下さい。」で構成され、演出ボタン用入出力ポート165a、および上枠ランプ用入出力ポート162aからACKが送信されていない場合の説明文は、「演出ボタン関係と上枠ランプ関係が異常です。確認して下さい。」で構成される。
演出制御用マイコン121は、ステップS4060において、動作異常エラー報知の演出内容を示すコマンド(動作異常エラー報知開始コマンド)を画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、動作異常エラー報知開始コマンドを受信すると、動作異常エラー報知開始コマンドに基づいて、動作異常エラー報知を実行する。
なお、演出制御用マイコン121は、ステップS4059、およびステップS4060の後は何れの処理にも進まず、演出制御メイン処理には進まない。したがって、演出制御基板120による遊技に応じた演出を行うことができない。これは、演出に係るエラーが発生している状態で遊技に応じた演出が実行されることを阻止するためである。したがって、この後は、例えば、遊技店の店員などによってエラーが解消されて再度電源投入されると、ステップS4057で動作異常エラーがないと判定されて、演出制御メイン処理に進み、遊技に応じた演出が実行可能になる。また、枠不適合エラー報知、および動作異常エラー報知は、開始された後は電断されるまで継続して実行されるものとする。ただし、枠不適合エラー報知、および動作異常エラー報知の何れも、または何れかは、開始後所定時間が経過すると終了するようにしても、第1演出ボタン40kが操作されると終了するようにしても良い。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、遊技球に関する制御(所定の制御)を実行可能な枠制御基板180(制御手段)と、所定のデータを記憶可能な枠制御用RAM184(記憶手段)とを備え、枠制御用RAM184(記憶手段)は、持球数記憶部185(第1記憶部)、および枠制御側持球数BU部186(第2記憶部)を含み、持球数記憶部185は、持球数(特定事項)を表すデータを持球数マスターデータ(主データ)として記憶し、枠制御側持球数BU部186は、持球数(特定事項)を表すデータを枠制御側持球数BUデータ(副データ)として3つ(複数個)記憶し、枠制御基板180は、枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致せずに枠制御用RAM184が異常であると判断した場合、3つの枠制御側持球数BUデータが全て一致している(所定条件が成立している)か否かを判定し、全て一致していると判定すると、3つの枠制御側持球数BUデータに基づいて、持球数マスターデータを新たに生成して持球数記憶部185に記憶する。枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致していないが、3つの枠制御側持球数BUデータが全て一致しているということは、枠制御側持球数BU部186は正常に保たれている可能性が高い。そして、その枠制御側持球数BUデータを用いて持球数マスターデータを新たに生成することで、持球数を表すデータを記憶する枠制御用RAM184の何れかに異常が発生した場合であっても、持球数を表すデータを生成して、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、枠制御基板180は、当該枠制御基板180に電力が供給されたときに行われる枠制御メイン処理の電源投入時処理(S5001)で、枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致しているか否か、言い換えると、枠制御用RAM184が異常であるか否かを判断するので、遊技者が被る不利益が拡大することを抑えることができる。さらに、持球数という遊技で使用可能な遊技球の個数を表すデータを確保することができるので、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。さらに、枠制御側持球数BUデータが全て一致していることを持球数マスターデータを新たに生成するための条件としているので、持球数マスターデータの信頼性を高めることができる。
パチンコ遊技機PY1は、遊技の進行に応じて変化し得る持球数(所定事項)に関する制御を行う枠制御基板180(特定制御手段)と、枠制御基板180と異なる遊技制御基板100(非特定制御手段)とを備え、枠制御基板180は、持球数を表す持球数マスターデータ(第1データ)を記憶する持球数記憶部185(特定記憶部)を有し、遊技制御基板100は、持球数を表す遊技制御側持球数BUデータ(第2データ)を記憶する遊技制御側持球数BU部106(非特定記憶部)を有し、枠制御基板180は、持球数マスターデータを更新する(所定条件が成立する)ことによって、持球数マスターデータが表す持球数を表す持球数指定コマンド(第3データ)を遊技制御基板100に送信し、遊技制御基板100は、持球数指定コマンドを受信すると、当該持球数指定コマンドに基づいて遊技制御側持球数BU部106に記憶している遊技制御側持球数BUデータを更新する。したがって、遊技制御基板100でも、持球数を表すデータを保存することができ、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、枠制御基板180は、枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致せずに枠制御用RAM184が異常であると判断した場合、遊技制御側持球数BUデータに基づいて持球数マスターデータを新たに生成して持球数記憶部185に記憶することがある。したがって、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。さらに、枠制御基板180は、当該枠制御基板180に電力が供給されたときに行われる枠制御メイン処理の電源投入時処理(S5001)で、枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致しているか否か、言い換えると、枠制御用RAM184が異常であるか否かを判断し、異常である場合に直ぐに持球数データ要求コマンドを遊技制御基板100に送信するので、遊技者が被る不利益が拡大することを抑えることができる。また、枠制御基板180は、遊技の進行に応じて持球数記憶部185に記憶されてる持球数マスターデータを更新可能であり、当該更新を持球数指定コマンドを送信するための条件としているので、遊技制御側持球数BUデータの信頼性を高めることができる。
さらに、パチンコ遊技機PY1は、持球数(遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数)に関する制御を行う枠制御基板180(特定制御手段)と、画像表示装置50(表示手段)とを備え、枠制御基板180は、持球数を示す表す持球数マスターデータを記憶する枠制御用RAM184(特定記憶部)を有し、枠制御基板180は、枠制御用RAM184に係るチェックサムが一致せずに枠制御用RAM184に異常が生じたか否かを判断することがあり、画像表示装置50(表示手段)は、枠制御基板180が枠制御用RAM184に異常が生じたと判断した場合に、持球数を表示可能である。したがって、枠制御用RAM184に異常が生じた場合でも、遊技店の店員や遊技者などが持球数を確認することができるので、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、第1演出ボタン40k(操作手段)が長押し(所定操作)されたことを条件に、画像表示装置50が持球数を表示するので、持球数を必要なときにだけ表示することができて、利便性が向上する。さらに、遊技が行われていない期間(所定期間)に当該第1演出ボタン40k(操作手段)の長押し(所定操作)を受け付け可能であるので、遊技に支障を来して遊技者の遊技意欲が減退することを防ぐことができる。また、画像表示装置50は、遊技の進行に応じて更新される遊技制御側持球数BUデータに基づいて、持球数を表示するので、画像表示装置50に表示される持球数の信頼性を高めることができる。
さらに、パチンコ遊技機PY1によれば、持球数(遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数)に関する制御を行う枠制御基板180(特定制御手段)と、持球数表示装置301(表示手段)とを備え、枠制御基板180は、持球数を表す持球数マスターデータ(第1個数データ)を記憶する枠制御用RAM184(特定記憶部)を有し、持球数表示装置301は、持球数を表す表示装置側持球数BUデータ(第2個数データ)を記憶する表示装置側持球数BU部301d(非特定記憶部)を有し、持球数表示装置301は、表示装置側持球数BU部301dに記憶されている表示装置側持球数BUデータが示す持球数を表示可能である。したがって、枠制御用RAM184に異常が生じた場合でも、遊技店の店員や遊技者などが持球数を確認することができるので、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、枠制御基板180は、持球数マスターデータを更新する(所定条件が成立する)ことによって、持球数マスターデータが表す持球数を表す持球数更新指定信号(特定データ)を持球数表示装置301に送信し、持球数表示装置301は、持球数更新指定信号が入力すると、当該持球数更新指定信号に基づいて表示装置側持球数BU部301dに記憶している表示装置側持球数BUデータを更新する。表示装置側持球数BUデータの信頼性を高めることができる。また、持球数マスターデータは遊技の進行に応じて更新可能であり、当該更新を持球数更新指定信号を出力するための条件としているので、表示装置側持球数BUデータの信頼性を高めることができる。
さらに、前述の通り、磁石がくっつく鋼製の遊技球が排出球検知センサ310aを通過する場合と、ステンレス製の遊技球が排出球検知センサ310aを通過する場合とで、排出球検知センサ310aが検知する時間(排出球検知時間)が異なる。具体的には、磁石がくっつく鋼製の遊技球が排出球検知センサ310aを通過する場合の方が排出球検知時間が長い。そして、パチンコ遊技機PY1は、基本的には、ステンレス製の遊技球を遊技領域6に流下させることで遊技を行う遊技機であって、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知する排出球検知センサ310a(検知センサ)と、枠制御基板180とを備え、排出球検知センサ310aは、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知すると当該検知を示す排出球検知信号を枠制御基板180に向けて出力し、枠制御基板180は、排出球検知信号が入力すると、排出球検知信号が入力している時間を計測する。したがって、磁石がくっつく鋼製の遊技球が排出球として排出球として遊技領域6の外に排出されたことを認識することができる。加えて、枠制御基板180は、排出球検知信号が入力している時間が不正指定時間(12m秒)より長い場合に、磁石にくっつく鋼製の遊技球が検知されたことを示す不正報知(特定報知)を行うので、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されたことを遊技店側に認知させることができる。また、排出球検知センサ310aは、遊技領域6に進入した遊技球が回収されて通過可能な遊技領域6の外部に形成された回収通路に設置されているので、磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知する性能が向上する。
また、パチンコ遊技機PY1では、発射された遊技球が流下可能な遊技領域6と、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7とが形成された遊技機であって、発射領域7には、待機状態と作動状態とで切り替え可能な進入阻止可動部76k(可動部)が設けられ、進入阻止可動部76kは、待機状態では遊技領域6へ向かって移動する遊技球を通過させ、作動状態では遊技領域6へ向かって移動する遊技球を通過させない。したがって、前扉23が開放されているような場合に、遊技球が遊技領域6へ進入して転々と転動し、遊技球が当該パチンコ遊技機PY1の外部へ飛び出してしまうことを防ぐことができる。
さらに、パチンコ遊技機PY1は、遊技球を発射させる発射装置72(発射手段)をさらに備え、発射装置72と、進入阻止可動部76kとの間には、遊技領域6側から発射装置72へ向かって移動する遊技球をファール球として回収するファール球回収口(回収口)が形成されているので、進入阻止可動部76kによって遊技領域6への進入が阻止されて発射装置72の方へ移動する(戻る)遊技球をそのままファール球として回収することができる。その結果、遊技球の当該パチンコ遊技機PY1の外部への飛び出しを確実に防ぐことができる。また、パチンコ遊技機PY1は、枠状の内枠22と、遊技領域6が形成され、内枠に形成された開口部1A(嵌合孔)に嵌合された遊技盤1と、を備え、発射装置72は内枠22に設置され、発射装置72は、内枠22と遊技盤1にわたって形成されており、進入阻止可動部76kは、発射領域7の内枠22に形成されている部分であって内枠22と遊技盤1との境界付近に配置されている。したがって、遊技球の当該パチンコ遊技機PY1の外部への飛び出しを確実に防ぐことができる。さらに、遊技領域6、および発射領域7の前面側で内枠22に開閉可能に支持された前扉23をさらに備え、進入阻止可動部76kは、前扉23が開放されたことに応じて、待機状態から作動状態に切り替わる。したがって、より一層遊技球の当該パチンコ遊技機PY1の外部への飛び出しを防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が流下可能な遊技領域6の前面側で開閉可能に支持された前扉23と、前扉23が開放されたことを検知する扉開放検知センサ23a(検知手段)とを備えた遊技機であって、扉開放検知センサ23aによって前扉23の開放が検知されていないとき、遊技球の遊技領域6への進入を可能にし、扉開放検知センサ23aによって前扉23の開放が検知されたとき、遊技球の遊技領域6への進入を阻止する。したがって、前扉23が開放しているときに遊技球が当該パチンコ遊技機PY1の外部へ飛び出すことを防ぐことができる。
さらに、パチンコ遊技機PY1は、遊技球の発射に対して遊技領域6よりも下流側に、遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7が形成され、扉開放検知センサ23aによって前扉23の開放が検知されていないとき、発射領域において遊技領域6へ向かって移動している遊技球の遊技領域6への進入を可能にし、扉開放検知センサ23aによって前扉23の開放が検知されたとき、発射領域7において遊技領域6へ向かって移動している遊技球の遊技領域6への進入を阻止する。したがって、前扉23が開放しているときに、遊技球が当該パチンコ遊技機PY1の外部へ飛び出すことをより一層防ぐことができる。また、発射領域7には、遊技領域6へ向かって移動する遊技球を通過させる待機状態と、遊技領域6へ向かって移動する遊技球を通過させない作動状態とで切り替え可能な進入阻止可動部76kが設けられ、進入阻止可動部76kは、通常は待機状態で保持され、扉開放検知センサ23aによって前扉23の開放が検知されたときに待機状態から作動状態に切り替わるので、遊技球の当該パチンコ遊技機PY1の外部への飛び出しをより確実に防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が流下可能な遊技領域6の前面側で開閉可能に支持された前扉23を備えた遊技機であって、前扉23には、当該前扉23の閉鎖を保持し、当該閉鎖を解除させることが可能な錠302が設けられ、錠302による閉鎖の解除を検知する開錠検知センサ302a(検知手段)が設けられ、開錠検知センサ302aによって閉鎖の解除が検知されていないとき、遊技球の発射を可能にし、開錠検知センサ302aによって閉鎖の解除が検知されたとき、遊技球の発射を阻止する。したがって、遊技球が当該パチンコ遊技機PY1の外部へ飛び出してしまうことを防ぐことができる。さらに、パチンコ遊技機PY1は、遊技球を発射させる動作を実行可能な発射装置72(発射手段)をさらに備え、開錠検知センサ302aによって閉鎖の解除が検知されていないとき、発射装置72は遊技球を発射させる動作を実行可能な状態に保持され、開錠検知センサ302aによって閉鎖の解除が検知されたとき、発射装置72は遊技球を発射させる動作を実行不可能な状態に保持される。したがって、遊技球の当該パチンコ遊技機PY1の外部への飛び出しをより確実に防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機PY1は、複数本の端子を有する入出力用ポート(上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、盤可動装置用入出力ポート164a、演出ボタン用入出力ポート165a)が搭載された基板(上枠ランプ用ドライバ基板162、下枠ランプ用ドライバ基板163、演出ボタン用中継基板165)を備えた遊技機であって、複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該入出力ポートに係るアドレスが設定され、アドレスには、所定の属性を表す特定固有情報(メーカー識別情報)が含まれている。したがって、当該入出力用ポートが搭載された基板を用いて、当該パチンコ遊技機PY1の属性を特定することで、当該パチンコ遊技機PY1に対する不正の有無を調べることもできるので、遊技店および遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。しかも、その所定の属性は、当該パチンコ遊技機PY1を製造した会社であるので、製造会社側も開発を容易に行うことができるいう利点をことになる。
さらに、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1と、遊技盤1に対して開閉可能に支持される前扉23と、演出制御基板120(制御手段)とをさらに備え、基板(上枠ランプ用ドライバ基板162、下枠ランプ用ドライバ基板163、演出ボタン用中継基板165)は前扉23に設置され、演出制御基板120は遊技盤1に設置され、演出制御基板120には、所定の属性を表す基本固有情報(メーカー識別情報)が記憶され、演出制御基板120は、基本固有情報が表す所定の属性と、特定固有情報が表す前記所定の属性とが異なる場合、遊技盤1と前扉23との整合が取れていない(遊技盤1に対する前扉23の組み合わせが不適合である)ことを示唆する特定報知(枠不適合エラー報知)を実行可能である。したがって、遊技盤1に対して、演出装置が搭載された前扉23が取り付け間違われているという不具合を防止することができる。これは、例えば、遊技盤1の製造メーカーは様々であるが、前扉23の製造メーカーは、遊技盤1の製造メーカーと異なり、且つ共通している場合に特に有効である。加えて、パチンコ遊技機PY1では、基板(上枠ランプ用ドライバ基板162、下枠ランプ用ドライバ基板163、演出ボタン用中継基板165)が複数個搭載され、アドレスには、特定固有情報と、各基板に対応付けられた個別情報(デバイス識別情報)が含まれているので、アドレスによって、容易に基板を相互に識別することができる。
また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球を発射させる発射装置(発射装置72)と、発射装置による遊技球の発射に関する制御、および遊技球の発射以外の所定事項(持球数や不正報知など)に関する制御を行う制御手段(枠制御基板180)と、を備え、制御手段は、1回の遊技球の発射に係る単位制御(単位発射制御)を所定周期(600m秒)で実行可能であり、単位制御は、遊技球の発射と、当該発射の後の次の遊技球の発射まで遊技球を発射させない発射待機とで構成されている。したがって、遊技球の発射を制御する制御手段が汎用化されて、遊技球の発射を行う制御手段について省スペース化を図ると共に、コストを抑えることができると共に、単位時間当たりの遊技球の発射個数を適正に調整することができる。さらに、パチンコ遊技機PY1では、単位制御の終了に応じて、発射待機とは別の遊技球の発射が行われない発射遅延(発射周期変更制御)を実行することがあるので、さ単位時間当たりの遊技球の発射個数をより一層適正に調整することができる。しかも、発射遅延(発射周期変更制御)に係る時間は、単位制御に係る所定周期に係る時間よりも短いので、単位時間当たりの遊技球の発射個数が少なくなって遊技店側が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機PY1では、所定の最小時間間隔(4m秒ごと)で制御を実行可能であり、発射遅延(発射周期変更制御)に係る時間(4m秒)、および単位制御に係る所定周期に係る時間(600m秒)は、当該制御の時間間隔(最小時間間隔)で除算することができるので、枠制御基板180による遊技球の発射に関する制御が容易となる。
さらに、パチンコ遊技機PY1では、枠制御基板180は、複数回の遊技球の発射に係る特定制御(ユニット発射制御)を周期的(2404m秒ごと)に実行可能であり、各特定制御において、少なくとも2以上の第1回数(4回)の単位制御と、第2回数(1回)の発射遅延(発射周期変更制御)とが含まれる。したがって、枠制御基板180による単位時間当たりの遊技球の発射個数を適正に行う制御を容易にすることができる。また、パチンコ遊技機PY1では、遊技球を発射させる特定操作(回転操作)を受け付け可能な操作手段(発射ハンドル72k)をさらに備え、発射装置は操作手段が受ける特定操作に応じて遊技球を発射させ、制御手段は、特定操作を受け付けていることを条件として、特定制御を周期的に実行可能である。したがって、遊技者が発射に係る操作を行う場合であっても、単位時間当たりの遊技球の発射個数を容易に且つ適正に調整することができる。
また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球を発射させる発射装置72と、発射装置72による遊技球の発射を含む所定事項に関する制御を行う枠制御基板180(制御手段)と、を備え、枠制御基板180は、4m秒間隔(所定の時間間隔)で制御を実行可能であり、4m秒に150(2以上の第1の整数)を乗じた600m秒間(第1特定期間)において4個(n個)の遊技球を発射装置72に発射させるユニット発射制御(特定単位発射制御)を実行可能であり、あるユニット発射制御と、その次のユニット発射制御との間に、4m秒に1(1以上の第2の整数)を乗じた4m秒間(第2特定期間)をおく。したがって、枠制御基板180による制御によって、単位時間当たりの遊技球の発射個数を適正に調整することができる。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第1実施形態では、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)は4m秒周期で実行されているが、この周期に係る時間は特に限定されず、適宜に変更しても良い。したがって、枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)を1m秒周期や2m秒周期などの4m秒周期よりも短い時間の周期で実行しても、6m秒周期や10m秒周期などの4m秒周期よりも長い時間の周期で実行しても良い。また、第1実施形態に係る遊技球の発射に係る制御について、具体的には、単位発射制御、およびユニット発射制御についても適宜に変更しても良い。また、単位時間当たりの遊技球の発射個数も適宜に変更しても良い。
例えば、4m秒周期で枠制御側タイマ割り込み処理が行われる場合、600m秒で1個の遊技球を発射させる単位発射制御を行い、ユニット発射制御を1回の単位発射制御で構成し、ユニット発射制御間の時間間隔を4m秒とするようにし、単位時間当たりの遊技球の発射個数が約99.338となるようにしても良い。また、4m秒周期で枠制御側タイマ割り込み処理が行われる場合、600m秒で1個の遊技球を発射させる単位発射制御を行い、ユニット発射制御を16回の単位発射制御で構成し、当該ユニット発射制御において、単位発射制御を構成しない時間帯が12m秒確保され、言い換えると、単位発射制御後の発射遅延(発射周期変更制御)が3回行われるようにし、単位時間当たりの遊技球の発射個数が約99.875となるようにしても良い。この場合、ユニット発射制御における3回の発射遅延(発射周期変更制御)に係る割り当ては適宜に設定しても良い。例えば、5回目の単位発射制御、10回目の単位発射制御、および16回目の単位発射制御に1回の発射遅延(発射周期変更制御)が行われ、ユニット発射制御において発射遅延(発射周期変更制御)がなるべく均等に配置されるようにしても良い。あるいは、16回目の単位発射制御に3回の発射遅延(発射周期変更制御)が連続的に行われ、ユニット発射制御において発射遅延(発射周期変更制御)がまとめて配置されるようにしても良い。
また、2m秒周期で枠制御側タイマ割り込み処理を行い、600m秒で1個の遊技球を発射させる単位発射制御を行い、ユニット発射制御を2回の単位発射制御で構成し、ユニット発射制御間の時間間隔を2m秒とするようにし、単位時間当たりの遊技球の発射個数が約99.834となるようにしても良い。また、2m秒周期で枠制御側タイマ割り込み処理を行い、600m秒で1個の遊技球を発射させる単位発射制御を行い、ユニット発射制御を8回の単位発射制御で構成し、当該ユニット発射制御において、単位発射制御を構成しない時間帯が6m秒確保され、言い換えると、単位発射制御後の発射遅延(発射周期変更制御)が3回行われるようにし、単位時間当たりの遊技球の発射個数が約99.875となるようにしても良い。この場合、ユニット発射制御における3回の発射遅延(発射周期変更制御)に係る割り当ては適宜に設定しても良い。例えば、2回目の単位発射制御、5回目の単位発射制御、および8回目の単位発射制御に1回の発射遅延(発射周期変更制御)が行われ、ユニット発射制御において発射遅延(発射周期変更制御)がなるべく均等に配置されるようにしても良い。あるいは、8回目の単位発射制御に3回の発射遅延(発射周期変更制御)が連続的に行われ、ユニット発射制御において発射遅延(発射周期変更制御)がまとめて配置されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、枠制御基板180において、枠制御側持球数BU部186は、持球数記憶部185を含む枠制御用RAM184の中に形成されているが、枠制御用RAM184と別の記憶装置(部品、電子媒体)に形成されるようにしても良い。さらに、第1実施形態では、枠制御側持球数BU部186には第1持球数BU領域186a、第2持球数BU領域186b、および第3持球数BU領域186cがあり、3つの持球数を表すバックアップデータが記憶されているが、この記憶させておく持球数を表すバックアップデータの個数は3つに限らずに適宜に変更しても良い。
また、第1実施形態では、第1枠制御側持球数BUデータが表す持球数、第2枠制御側持球数BUデータが表す持球数、および第3枠制御側持球数BUデータが表す持球数の全てが一致している場合に、枠制御基板180における持球数を表すバックアップデータが正常であると判断されるが、この正常であるか否かの判断基準はこれに限られず適宜に変更しても良い。例えば、枠制御基板180における持球数を表すバックアップデータが示す持球数の中で半分以上、もしくは2/3以上などの半分以上の所定割合で一致した場合、枠制御基板180における持球数を表すバックアップデータが正常であると判断するようにしても良い。この場合、半分以上の所定割合で一致している持球数を持球数マスターデータとして復元(新たに持球数記憶部185に記憶)するようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、枠制御メイン処理の電源投入時処理(S5001)において、チェックサムの値が一致しない、言い換えると枠制御用RAM184に異常が生じたと判断された場合、枠制御側持球数BUデータを用いて持球数マスターデータを復元(新たに持球数記憶部185に記憶)しているが、枠制御基板180に枠制御側持球数BU部186が設けられておらず枠制御側持球数BUデータが記憶されておらず、最初から遊技制御側持球数BUデータ、および表示装置側持球数BUデータの何れか一方、または双方を用いて持球数マスターデータを復元(新たに持球数記憶部185に記憶)するようにしても良い。何れか一方を用いる場合は、その持球数BUデータが表す持球数を持球数マスターデータとして復元(新たに持球数記憶部185に記憶)するようにしても良い。一方、双方を用いる場合は、遊技制御側持球数BUデータが表す持球数と、表示装置側持球数BUデータが表す持球数が一致するか否かを判定し、一致と判定されると、それらの値が正常であるとして、その一致した持球数を持球数マスターデータとして復元(新たに持球数記憶部185に記憶)するようにしても良い。
また、第1実施形態では、第1枠制御側持球数BUデータが表す持球数、第2枠制御側持球数BUデータが表す持球数、および第3枠制御側持球数BUデータが表す持球数の全てが一致しておらず、枠制御側持球数BU部186が異常であると判断された場合、遊技が行われておらず、且つ第1演出ボタン40kが第1特定操作(例えば、5秒の長押し操作)を受けるという条件が成立すると、表示部50aに持球数が表示される。しかし、この条件は適宜に変更化可能である。例えば、遊技が行われていないときに、音量や光量などの各種設定事項を表すメニュー画面が表示され、そこに、持球数を表示することを指定するメニューが含まれ、そのメニューを選択する操作が行われることを条件に、表示部50aに持球数が表示されるようにしても良い。また、第1演出ボタン40kに対する操作の有無に関わらず、遊技が行われていないことを条件に表示部50aに持球数が表示されるようにしても良い。あるいは、遊技の実行の有無に関わらず、第1演出ボタン40kが第1特定操作を受けることを条件に、表示部50aに持球数が表示されるようにしても良い。さらに、第1特定操作の内容も適宜に変更しても良い。
また、第1実施形態では、表示部50aに持球数が表示されているときに、第1演出ボタン40kが第2特定操作(例えば、通常の1回の押し操作)を受けることにより、表示部50aに持球数が消去されるが、第2特定操作の内容は適宜に変更しても良い。あるいは、表示部50aに持球数が表示された後、第1演出ボタン40kの操作に有無に関わらず、表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過すると持球数が消去されるようにしても良い。また、遊技が開始されるまで持球数が表示され続けるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、持球数表示装置301は、持球数表示ボタン301kが操作されると、持球数表示器301bに持球数を表示するが、持球数表示ボタン301kが搭載されておらず、電力が供給された後は、持球数を表示し続けるようにしても良い。
また、第1実施形態では、持球数マスターデータが更新されることに応じて、枠制御側持球数BUデータ、遊技制御側持球数BUデータ、および表示装置側持球数BUデータも更新されるが、この更新タイミングは適宜に変更しても良い。例えば、枠制御側タイマ割り込み処理が行われる度に、枠制御側持球数バックアップ処理、遊技制御側持球数バックアップ処理、および表示装置側バックアップ処理を実行し、各種持球数BUデータが更新されるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、遊技領域6の外部に形成された回収通路に設置された排出球検知センサ310aからの排出球検知信号に基づいて、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かが判断されているが、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かを判断するための検知センサの設置位置は適宜に変更しても良い。例えば、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知する検知センサを発射領域7に設置し、その検知センサから出力される検知信号に基づいて磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かを判断するようにしても良い。加えて、排出球検知時間の比較対象であり、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かの基準値(閾値)となる不正指定時間の具体的な時間も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
また、パチンコ遊技機PY1には、進入阻止装置76が搭載されているが、進入阻止装置76を構成する進入阻止可動部76kの形状・作動態様・設置個所は、進入阻止可動部76kが待機状態で支障なく遊技球を通過させ、且つ、作動状態で遊技領域6へ向かって移動する遊技球の遊技領域6への進入を防ぐことができる範囲で適宜に変更しても良い。例えば、矩形平板状の進入阻止可動部76kが、待機状態では表面が発射領域7と面一状態になり、且つ長辺方向が遊技球の移動方向と平行になるように配置され、作動状態になると、発射装置72側の端部を回転軸として、遊技領域6側の先端が起き上がるように回転するように構成しても良い。
さらには、発射領域7を区画する外レール62の一部分(例えば、1~2cm程度)が、その部分の形状が保持されたまま別の部品からなる可動部で構成され、当該可動部は、作動状態になると、発射装置72側の端部を回転軸として、遊技領域6側の先端が内レール63側に傾倒するように回転するように構成しても良い。あるいは、発射領域7を区画する内レール63の一部分(例えば、1~2cm程度)が、その部分の形状が保持されたまま別の部品からなる可動部で構成され、当該可動部は、作動状態になると、発射装置72側の端部を回転軸として、遊技領域6側の先端が外レール62側に傾倒するように回転するように構成しても良い。
また、第1実施形態では、進入阻止可動部76kは、発射領域7の遊技領域6側端部、言い換えると、発射領域7における遊技領域6と発射領域7との境界付近に配置されているが、発射領域7におけるファール球回収口から遊技領域6側の範囲であれば、適宜に変更しても良い。例えば、発射領域7の遊技盤1に形成された部分の遊技球の移動方向に沿った中央辺りに進入阻止可動部76kを配置しても良い。あるいは、発射領域7の内枠22に形成されている部分であって内枠22と遊技盤1との境界付近、言い換えると遊技領域6側端部に進入阻止可動部76kを配置しても良い。
さらに、第1実施形態では、進入阻止可動部76kは、前扉23が開放したときに待機状態から作動状態に切り替わり、遊技領域6に向かって移動する遊技球を通過させないようにしているが、このタイミングは、遊技領域6に向かって移動する遊技球を通過させないようにすることができる範囲で適宜に変更しても良い。例えば、前扉23が開放していなくても、錠302が開錠したときに進入阻止可動部76kが待機状態から作動状態に切り替わるようにしても良い。または、前扉23が開放していなくても、錠302が開錠してから所定時間(例えば、3秒)経過したときに進入阻止可動部76kが待機状態から作動状態に切り替わるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、錠302が開錠したときに、発射装置72による遊技球の発射が禁止されるが、このタイミングは、前扉23が開放されたときに遊技領域6に向かって移動する遊技球がパチンコ遊技機PY1の外部へ出てしまうことを防ぐことができる範囲で適宜に変更しても良い。例えば、前扉23が開放するときに、発射装置72による遊技球の発射を禁止するようにしても良い。または、錠302が開錠してから所定時間(例えば、3秒)経過したときに発射装置72による遊技球の発射を禁止するようにしても良い。また、第1実施形態では、枠制御用マイコン181が発射禁止フラグをONにし、発射禁止フラグがONの間は、遊技球の発射を実行する処理(S5409)に到達できないようにすることで遊技球の発射を禁止しているが、この禁止にさせる方法も適宜に変更可能であり、例えば、タッチスイッチ72aからの検知信号や発射ボリュームのつまみ72bからの検知信号を無効あるいは入力不可能にすることで遊技球の発射を禁止するようにしても良い。または、発射ハンドル72kが初期位置で固定される、あるいは発射装置72が作動しなくなることで遊技球の発射を禁止するようにしても良い。
また、第1実施形態では、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aに設定されているメーカー識別情報に基づいて、遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かが判定されているが、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの何れか1つ、または何れか2つに設定されているメーカー識別情報に基づいて、遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かが判定されるようにしても良い。ただし、1つのメーカー識別情報で判定する場合、その入出力ポート単体の故障である可能性もあるので、判定に係る入出力ポートは少なくとも2つ以上ある方が好ましい。さらに、入出力ポートの故障であるか遊技盤1と前扉23との整合が取れていないかを見極める精度を向上させる観点からは、判定に係る入出力ポートが多くなる方が好ましい。
また、前扉23には、前扉23に取り付けられているスピーカー52を制御する基板が搭載され、当該基板の入出力ポートには、メーカー識別情報とデバイス情報を含むアドレス情報が設定されており、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの何れか1つもしくは2つに代えて、あるいは上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aに加えて、スピーカー52に係る入出力ポートも用いて遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かが判定されるようにしても良い。
さらに、盤可動装置55のように動作可能な可動装置などスピーカー52、上枠ランプ53U、下枠ランプ53D、および第1演出ボタン40kと異なる演出装置が前扉23に取り付けられ、当該演出装置を制御する基板に搭載された入出力ポートには、メーカー識別情報とデバイス情報を含むアドレス情報が設定されており、上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aの何れか1つもしくは2つに代えて、あるいは上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、および演出ボタン用入出力ポート165aに加えて、当該演出装置に係る入出力ポートも用いて遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かが判定されるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、入出力ポート162a、163a、165aに設定されたアドレス情報に、遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かを判定するためのメーカー識別情報が含まれているが、製造メーカーを識別するメーカー識別情報に代えて、または加えて、機種を特定する識別情報(機種識別情報)、または機種に係るシリーズを特定する識別情報(機種シリーズ識別情報)をアドレス情報に含めるようにしても良い。このように、アドレス情報に機種識別情報や機種シリーズ識別情報を含めることで、同一の製造メーカーに係るパチンコ遊技機についても、遊技盤1と前扉23との整合が取れているか否かを判定することができる。
また、第1実施形態では、コントローラー128は、演出制御基板120において演出制御用マイコン121とは別部品として搭載されているが、演出制御用マイコン121に内蔵されるように構成しても良い。さらに、コントローラー128と、各種入出力ポート162a、163a、164a、165aとはシリアル通信で接続されているが、パラレル通信で接続されるようにしても良い。また、第1実施形態では、各種入出力ポート162a、163a、164a、165aは、データを受信すると、ACKをコントローラー128に送信するが、送信しない仕様でも良い。この場合、コントローラー128は、所定方法で送信エラーを検知できるように構成しても良い。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、基本的な実施形態、および第1実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態、および第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
図64は、第2実施形態に係る主に遊技制御基板100、および枠制御基板180に係る電気的な構成を表したブロック図である。図64に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機PY2は、ステンレス製の遊技球よりも鉄分が多く含まれ、磁石に引っ付く遊技球を直接的に検知するセンサとして、不正球検知センサ313aが搭載されている。前述の通り、ステンレス製よりも鉄分が多く含まれる遊技球を用いて不正が行われることがあるが、不正球検知センサ313aは、ステンレス製の遊技球を検知せず、ステンレス製の遊技球よりも鉄分が多く含まれ、磁石に引っ付く遊技球を検知可能に構成されている。なお、以下において、ステンレス製の遊技球よりも鉄分が多く含まれ、磁石に引っ付く遊技球を「不正球」と称する。
不正球検知センサ313aは、不図示の回収通路であって排出球検知センサ310aの下流側付近に設けられている。不正球検知センサ313aは、不正球を検知すると、不正球を検知したことを示す信号(不正球検知信号)を枠制御基板180に出力する。
次に、第2実施形態に係る枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)について説明する。図65は、枠制御側タイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。図65に示すように、ステップS5201~ステップS5208は、第1実施形態と同一のサブルーティン処理が行われる。ただし、後述するようにステップS5206の不正検知処理の制御内容は第1実施形態と異なる。
そして、第2実施形態では、ステップS5209において、第1実施形態では行われていない差球数管理処理が行われる。差球数管理処理は、遊技領域6に進入した遊技球の個数(進入球数)と、遊技領域6から排出された遊技球の個数(排出球数)との差(差球数)を管理するための処理である。なお、第2実施形態におけるステップS5210のその他の処理は、第1実施形態におけるステップS5209のその他の処理と同一の制御内容である。
次に、第2実施形態に係る不正検知処理(S5206)について説明する。図66は、不正検知処理(S5206)の一例を表すフローチャートである。図66に示すように、不正検知処理(S5206)では、枠制御用マイコン181は、まずは、不正球があったか否か、言い換えると、不正球検知センサ313aからの不正球検知信号を入力したか否かを判定する(S5601)。
枠制御用マイコン181は、不正球がなかったと判定すると(S5601でNO)、そのまま当該不正検知処理(S5206)を終え、不正球があったと判定すると(S5601でYES)、ステップS5602において、前述と同様に不正報知を行い、当該不正検知処理(S5206)を終える。不正報知の演出内容は、不正が発生したことを認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、第1実施形態と同一に構成されている。
第1実施形態では、回収通路において排出球検知センサ310aが設けられていたが、排出球検知センサ310aは不正球の他に、ステンレス製の遊技球も検知可能であるため、第1実施形態の不正検知処理(図58)に係る制御によって、不正球を検知する必要があった。しかし、第2実施形態では、ステンレス製の遊技球を検知せずに不正球を検知する不正球検知センサ313aが回収通路に設けられているので、不正球検知センサ313aが検知したか否かで直接的に不正球が存在するか否かを判定することができる。
次に、第2実施形態に係る差球数管理処理(S5209)について説明する。図67は、差球数管理処理(S5209)の一例を表すフローチャートである。なお、持球数記憶部185には、差球数を計数する差球数カウンタが設けられており、演出制御用マイコン121は、差球数カウンタを用いて差球数の管理を行う。したがって、不正が行われていない場合は、差球数カウンタのカウンタ値がそのときの差球数を示す。なお、差球数は、不正が行われていない状況で、進入球数が排出球数よりも多いときに「+」を示し、進入球数が排出球数よりも少ないときに「-」を示す。
図65に示すように、演出制御用マイコン121は、差球数管理処理(S5209)でまずは、ステップS5901において、発射球があったか否かを判定する。前述の通り、発射球が発生すると、発射球検知センサ311aが、発射球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5901において、発射球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、発射球がなかったと判定すると(S5901でNO)、そのままステップS5903に進み、発射球があったと判定すると(S5901でYES)、ステップS5902において、差球数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、管理する差球数を「1」加算して、ステップS5903に進む。発射球があったと判定されて差球数が「1」加算されるのは、遊技球が発射されたということは、当該遊技球が遊技領域6に進入する可能性があるからである。
演出制御用マイコン121は、ステップS5903において、ファール球があったか否かを判定する。前述の通り、ファール球が発生すると、ファール球検知センサ312aが、ファール球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5903において、ファール球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、ファール球がなかったと判定すると(S5903でNO)、そのままステップS5905に進み、ファール球があったと判定すると(S5903でYES)、ステップS5904において、差球数カウンタのカウンタ値を「1」減算することで、管理する差球数を「1」減算して、ステップS5905に進む。ファール球があったと判定されて差球数が「1」減算されるのは、遊技球が発射されたことで差球数が「1」加算されたが、遊技領域6に進入することなくファール球として回収されたので、その「1」の加算分を帳消しにする必要があるからである。
演出制御用マイコン121は、ステップS5905において、排出球があったか否かを判定する。前述の通り、排出球が発生すると、排出球検知センサ310aが、排出球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5905において、排出球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、排出球がなかったと判定すると(S5905でNO)、そのままステップS5907に進み、排出球があったと判定すると(S5905でYES)、ステップS5906において、差球数カウンタのカウンタ値を「1」減算することで、管理する差球数を「1」減算して、ステップS5907に進む。排出球があったと判定されて差球数が「1」減算されるのは、遊技領域6に進入した遊技球が遊技領域6から排出されたからである。
演出制御用マイコン121は、ステップS5907において、不正球があったか否かを判定する。前述の通り、不正球が発生すると、不正球検知センサ313aが、不正球検知信号を枠制御基板180に出力する。したがって、枠制御用マイコン181は、ステップS5907において、不正球検知信号が入力したか否かを判定する。
枠制御用マイコン181は、不正球がなかったと判定すると(S5907でNO)、そのままステップS5909に進み、不正球があったと判定すると(S5907でYES)、ステップS5908において、差球数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、管理する差球数を「1」加算して、ステップS5909に進む。不正球があったと判定されて差球数が「1」加算されるのは、不正球が検知されたということは、当該パチンコ遊技機PY2で正当に循環する遊技球とは別の遊技球が当該パチンコ遊技機PY2に投入されて排出球としてカウントされたことになるので、その分を帳消しにするためである。
演出制御用マイコン121は、ステップS5909において、差球数が所定の過剰閾値(例えば、+30)より多いか否かを判定する。所定の過剰閾値(例えば、+30)は、遊技球が普通に発射され続けながらも、遊技領域6に進入した遊技球が遊技領域6から正常に排出されている場合に遊技領域6に残存可能な遊技球の個数を適度に越える値に設定されており、そのことを適切に示せる範囲で適宜に設定可能である。差球数が所定の過剰閾値を越えているということは、多数の遊技球がくぎなどに詰まる状況や前扉23が開放されて遊技球が当該パチンコ遊技機PY2の外部に出て行ったが出て行った分戻ってきていない状況が発生していることが想定される。
枠制御用マイコン181は、差球数が所定の過剰閾値を越えていないと判定すると(S5909でNO)、そのまま差球数管理処理(S5209)を終えて枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)に戻り、差球数が所定の過剰閾値を越えていると判定すると(S5909でYES)、ステップS5910において、差球数が異常であること(差球数異常エラー)を報知する差球数異常報知を行ってから差球数管理処理(S5209)を終えて枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)に戻る。
ステップS5910の差球数異常報知は、差球数異常が発生していることを示す画像を表示部50aに表示することによって行われる。枠制御基板180と演出制御基板120は直接的に接続されていないので、枠制御基板180は、差球数異常が発生していることを示す画像(差球数異常報知画像)を表示部50aに表示する(差球数異常報知を実行する)ことを要求する差球数異常報知要求コマンドを枠制御用RAM184の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた差球数異常報知要求コマンドは出力処理(S5003)によって遊技制御基板100に送信される。遊技制御用マイコン101は、差球数異常報知要求コマンドを受信すると、差球数異常報知を実行することを指定する差球数異常報知指定コマンドを演出制御基板120に送信する。演出制御用マイコン121は、差球数異常報知指定コマンドを受信すると、差球数異常報知を実行することを示すコマンド(差球数異常報知開始コマンド)を画像制御基板140に送信する。
画像制御基板140は差球数異常報知開始コマンドを受信すると、差球数異常報知画像を所定時間(例えば、10秒)表示部50aに表示する。なお、差球数異常報知画像の具体的な表示内容は、差球数異常が発生していることを認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、差球数異常が発生していることを示す説明文「差球数異常です。解除してください。」で構成されている。
以上のように、パチンコ遊技機PY2は、ステンレス製の遊技球を遊技領域6に流下させることで遊技を行う遊技機であって、磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知するが、ステンレス製の遊技球を検知しない不正球検知センサ313a(特定検知センサ)と、枠制御基板180(制御手段)とを備え、不正球検知センサ313aは、磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知すると当該検知を示す不正球検知信号(特定検知信号)を枠制御基板180に向けて出力し、枠制御基板180は、不正球検知信号が入力したことに基づいて不正報知(特定報知)を実行可能である。したがって、基本的にはステンレス製の遊技球を遊技領域6に流下させることで遊技を行う仕様において、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入していることを簡単な制御で遊技店側に報知することができる。また、パチンコ遊技機PY2は、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知する排出球検知センサ310a(非特定検知センサ)をさらに備え、排出球検知センサ310aは、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知すると当該検知を示す排出球検知信号(非特定検知信号)を枠制御基板180に向けて出力し、枠制御基板180は、排出球検知信号が入力したことに基づいて、差球数(遊技球に関する所定事項)に関する制御を実行可能である。したがって、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入していることを監視しながら、遊技球に関する所定事項、具体的には差球数に関する制御も実行し、遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機PY2では、不正球検知センサ313a、および排出球検知センサ310aは、遊技球が通過可能な特定箇所の付近で近接した状態で取り付けられているので、正確に磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入していることを監視しながら、遊技球に関する所定事項、具体的には差球数に関する制御も実行することができる。しかも、その特定箇所は、遊技領域6に進入した遊技球が回収されて通過可能な遊技領域6の外部に形成された回収通路に位置するので、より一層正確に磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入していることを監視しながら、遊技球に関する所定事項、具体的には差球数に関する制御も実行することができる。さらに、不正報知は、磁石にくっつく鋼製の遊技球が検知されたことを示す報知であるので、遊技店の店員は磁石にくっつく鋼製の遊技球が検知されたことを容易に理解することができる。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第2実施形態では、遊技領域6の外部に形成された回収通路に設置された不正球検知センサ313aからの不正球検知信号に基づいて、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かが判断されているが、磁石にくっつく鋼製の遊技球が混入されているか否かを判断するための検知センサの設置位置は適宜に変更しても良い。例えば、磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知するが、ステンレス製の遊技球を検知しない不正球検知センサ313aを発射領域7に設置しても良い。
また、第2実施形態では、排出球検知センサ310aが回収通路に設置されているが、パチンコ遊技機PY2は、排出球検知センサ310aを搭載していない構成にしても良い。さらに、第2実施形態では、排出球検知センサ310aに基づいて、差球数に関する制御・管理が行われているが、差球数に代えて、または差球数に加えて、差球数以外の遊技球に関する所定事項に関する制御・管理が行われるようにしても良い。ここで、排出球検知センサ310aが不正球を検知したことにより、当該遊技球に関する所定事項に関する制御・管理に不具合が生じたり支障を来すが、不正球検知信号に基づいて、その不具合や支障を是正できる場合は、枠制御用マイコン181は、不正球検知信号に基づいて、適宜に当該不具合や支障を是正する処理を行っても良い。
さらに、第2実施形態では、排出球検知センサ310aと不正球検知センサ313aとは近接した状態で取り付けられているが、近接しておらず、ある程度離間した状態(例えば、5~10cm程度離間した状態)で取り付けられるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY2では、差球数が計数されるが、例えば、遊技球が発射されておらず、遊技領域6に遊技球がない状況で、差球数が「+」を示す場合、その数の分だけ不正球がパチンコ遊技機PY2に流入されている可能性があることになる。したがって、ユニット表示装置300または表示部50aに差球数を表示可能に構成しても良い。このように構成することで、不正球をパチンコ遊技機PY2に流入する不正が行われたことを確認することができる。さらには、ユニット表示装置300または表示部50aに表示される差球数と、不正報知の有無とを複合して判断することで、より正確にパチンコ遊技機PY2に不正球を流入する不正が行われたか否かの判断を行うことができる。
(第1実施形態、および第2実施形態に共通する変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1、および第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2に共通する変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。また、パチンコ遊技機PY1、およびパチンコ遊技機PY2のことを「パチンコ遊技機PY1など」と称する。
パチンコ遊技機PY1などは、封入式遊技機で構成されているが、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PYのように遊技者が遊技球に触れることができる遊技機で構成しても良い。特に、枠制御用マイコン181は、パチンコ遊技機PYのように遊技者が遊技球に触れることができる遊技機で構成されている場合であっても、第1実施形態、および第2実施形態の場合と同様に、枠制御メイン処理、電源投入時処理(S5001)、および枠制御側タイマ割り込み処理(S5005)を実行することが可能である。
また、パチンコ遊技機PY1などは、発射球、およびファール球に基づいて持球数を計数(制御・管理)しているが、排出球に基づいて持球数を計数(制御・管理)しても良い。この場合、枠制御用マイコン181は、排出球を検知すると、持球数を「1」減算する。
さらに、パチンコ遊技機PY1などでは、持球数表示ボタン301kを操作することによって、そのときの持球数が持球数表示器301bに表示されるが、持球数表示ボタン301kが搭載されておらず、基本的にはそのときの持球数が持球数表示器301bに表示されるようにしても良い。また、それに代えて、あるいはそれに加えて、表示部50aの所定領域に持球数を表示可能に構成しても良い。この場合の持球数を表示する条件は適宜に設定可能であるが、例えば、通常変動中に、または常時、持球数を表示可能にしても、第1演出ボタン40kが操作されたことに応じて持球数を表示可能にしても良い。さらには、ユニット表示装置300に持球数を表示可能に構成しても良い。この場合の持球数を表示する条件は適宜に設定可能であるが、例えば、カードユニットCUにICカードが挿入されているときは、ユニット表示装置300に持球数を表示するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY1などでは、基本的には磁石にくっつかないステンレス製の遊技球が使用されるが、完全に磁石にくっつかないわけではないが、磁石の種類などによっては磁石にくっつくステンレス製の遊技球が使用されても良い。
8.その他の変更例
次に、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PY、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1、および第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2についてのその他の変更例を以下に説明する。以下、パチンコ遊技機PY、パチンコ遊技機PY1、およびパチンコ遊技機PY2について「パチンコ遊技機PYなど」という。
パチンコ遊技機PYなどでは、特図抽選結果を報知するために表示部50aを用いて演出図柄EZ1~EZ3の可変表示を行っているが、画像表示装置に代えて、所謂「回胴式遊技機(スロットマシーン)」のように図柄が表示されたドラムを配設し、当該ドラムを可変表示することによって特図抽選結果を報知してもよい。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Kが開示されている。発明A~発明Kの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A6の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B5の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C4の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D4の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E3の総称であり、発明Fは、以下の発明F1~F5の総称であり、発明Gは、以下の発明G1~G3の総称であり、発明Hは、以下の発明H1~H4の総称であり、発明Iは、以下の発明I1~I3の総称であり、発明Jは、以下の発明J1~J2の総称であり、発明Kは、以下の発明K1~K5の総称である。
なお、発明Aによれば、特開2019-181256号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して、遊技球の発射を行う制御手段について省スペース化を図ると共に、コストを抑えることができるという効果を奏する。特開2019-181256号公報に記載の遊技機では、遊技球を発射させる発射装置専用の発射制御基板によって、遊技球が所定周期で遊技領域に向けて発射されている。しかしながら、遊技球の発射に係る専用の発射制御基板を搭載する場合は、その基板の設置場所を確保する必要がある。また、接続用のハーネスなど必要な部品点数が増加してコストが掛かってしまう。そこで、課題1とするところは、遊技球の発射を行う制御手段について省スペース化を図ると共に、コストを抑えることができる遊技機を提供することである。
また、発明B、および発明Cによれば、特開2019-181256号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して、記憶されていたデータが異常になった場合に、当該データを復元することができるという効果を奏する。特開2019-181256号公報に記載の遊技機では、所定の制御を実行するCPU(Central Processing Unit)などの処理措置やデータを記憶するRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を含むマイクロコンピュータが搭載されている。しかしながら、マイクロコンピュータは何らかの影響で初期化したり破損したりする可能性がある。その結果、マイクロコンピュータに記憶されていたデータが異常になることがある。そこで、課題2とするところは、記憶されていたデータが異常になった場合に、当該データを復元することができる遊技機を提供することである。
また、発明D、および発明Eによれば、特開2013-192613号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して、遊技で使用可能な遊技球の個数(持球数)の管理を電子的に行う制御装置に異常が生じた場合、持球数を認識することができるという効果を奏する。特開2013-192613号公報に記載の遊技機では、持球数の管理が電子的に行われる場合があった。しかしながら、持球数の管理を電子的に行う制御装置に異常が生じて、実際の持球数が分からなくなってしまうと、遊技者は損害を被ることになる。そこで、課題3とするところは、持球数の管理を電子的に行う制御装置に異常が生じた場合、遊技球数を認識することができる遊技機を提供することである。
また、発明F、および発明Gによれば、特開2017-209224号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して、パチンコ遊技機に使用される正規の材料の遊技球を検知すると共に、鋼製の遊技球も検知ことができるという効果を奏する。特開2017-209224号公報に記載の遊技機では、鋼製の遊技球が使用されていた。しかしながら、例えば、鋼製の遊技球を磁石で誘導して始動口に入賞させるなど遊技球の材質を利用した様々な不正が行われているという問題があった。そこで、遊技球の材料を変更することが考えられる。しかしながら、遊技球の材料を変更しても、鋼製の遊技球をパチンコ遊技機内に混入させる不正が行われることも想定される。また、パチンコ遊技機で遊技を行う上では、パチンコ遊技機に使用させる正規の鋼製以外の材料の遊技球を検知することも必要である。そこで、課題4とするところは、パチンコ遊技機に使用される正規の材料の遊技球を検知すると共に、鋼製の遊技球も検知ことができる遊技機を提供することである。
また、発明H、発明I、および発明Gによれば、特開2013-192613号公報に記載の遊技機について次に説明する課題5に対して、前扉が開放されたときに、発射された遊技球が外部に飛び出すことを防ぐことができるという効果を奏する。特開2013-192613号公報に記載の遊技機では、発射された遊技球が進入可能な遊技領域は、パチンコ遊技機の内部に配置されている。そして、遊技領域よりも前面側には開閉可能な前扉が取り付けられており、前扉によってパチンコ遊技機が閉鎖された状態で遊技が行われる。前扉によってパチンコ遊技機が閉鎖されているとき、遊技領域と外部とは前扉によって遮断されているので、発射された遊技球が外部に飛び出ることはない。しかしながら、何らかの事情によって前扉が開放されたとき、発射された遊技球が外部に飛び出して紛失するおそれがある。そこで、課題5とするところは、前扉が開放されたときに、発射された遊技球が外部に飛び出すことを防ぐことができる遊技機を提供することである。
また、発明Kによれば、特開2013-192613号公報に記載の遊技機について次に説明する課題6に対して、ある遊技盤に対する前扉の取付けミスを防ぐことができるという効果を奏する。特開2013-192613号公報に記載の遊技機では、遊技盤と、遊技盤に対して開閉可能に支持される前扉とを備える。近年において、一般的には、1つのパチンコ遊技機を構成する遊技盤、および前扉が同一の製造メーカーによって設計製造されるが、遊技盤と前扉が異なる製造メーカーによって設計製造されることも考えられる。その結果、例えば、遊技店などにおいて、ある遊技盤に対して、異なる機種の前扉が取り付けられる可能性もある。また、遊技盤と前扉が同一の製造メーカーによって設計製造される場合であっても、例えば、工場などにおいて、ある遊技盤に対して、異なる機種の前扉が取り付けられる可能性もある。そこで、課題6とするところは、ある遊技盤に対する前扉の取付けミスを防ぐことができる遊技機を提供することである。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技球を発射させる発射装置(発射装置72)と、
前記発射装置による遊技球の発射に関する制御、および遊技球の発射以外の所定事項(持球数など)に関する制御を行う制御手段(枠制御基板180)と、を備え、
前記制御手段は、1回の遊技球の発射に係る単位制御を所定周期(600m秒)で実行可能であり、
前記単位制御は、遊技球の発射と、当該発射の後の次の遊技球の発射まで遊技球を発射させない発射待機とで構成されていることを特徴とする遊技機。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
請求項1に記載の遊技機であって、
前記単位制御の終了に応じて、前記発射待機とは別の遊技球の発射が行われない発射周期変更制御を実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記発射周期変更制御に係る時間は、前記所定周期に係る時間よりも短いことを特徴とする遊技機。
8-1-4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A2または発明A3に係る遊技機であって、
前記制御手段は、所定の最小時間間隔(4m秒)で制御を実行可能であり、
前記発射周期変更制御に係る時間、および前記所定周期に係る時間は、前記最小時間間隔で除算することができることを特徴する遊技機。
8-1-5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A2乃至発明A4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記制御手段は、複数回の遊技球の発射に係る特定制御(ユニット発射制御)を周期的に実行可能であり、
各特定制御において、少なくとも2以上の第1回数(4回)の前記単位制御と、第2回数(1回)の発射周期変更制御とが含まれることを特徴する遊技機。
8-1-6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A5に係る遊技機であって、
前記遊技球を発射させる特定操作(回転操作)を受け付け可能な操作手段(発射ハンドル72k)をさらに備え、
前記発射装置は前記操作手段が受ける前記特定操作に応じて遊技球を発射させ、
前記制御手段は、前記特定操作を受け付けていることを条件として、前記特定制御を周期的に実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
所定の制御を実行可能な制御手段(枠制御基板180)と、所定のデータを記憶可能な記憶手段(枠制御用RAM184)とを備えた遊技機において、
前記記憶手段は、第1記憶部(持球数記憶部185)、および第2記憶部(枠制御側持球数BU部185)を含み、
前記第1記憶部は、特定事項(持球数)を表すデータを主データ(持球数マスターデータ)として記憶し、
前記第2記憶部は、前記特定事項を表すデータを副データ(枠制御側持球数BUデータ)として複数個記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段が異常であると判断した場合、前記複数個の副データについて所定条件が成立しているか否か(枠制御側持球数BUデータが示す持球数が全て一致しているか否か)を判定し、当該所定条件が成立していると判定すると、当該複数個の副データに基づいて、前記主データを新たに生成して前記第1記憶部に記憶することがあることを特徴とする遊技機。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記制御手段は、当該遊技機に電力が供給されたときに前記記憶手段が異常であるか否かを判断することがあることを特徴とする遊技機。
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記特定事項は、遊技に使用可能な遊技媒体の個数(持球数)であることを特徴とする遊技機。
8-2-4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記第2記憶部は前記副データを3個以上記憶し、
前記所定条件は、前記副データが表す内容が全て一致することであり、
前記制御手段は、前記副データの全てで一致している内容を表すデータを前記主データとして前記第1記憶部に記憶することを特徴とする遊技機。
8-2-5.発明B5
発明B5に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記第2記憶部は前記副データを3個以上記憶し、
前記所定条件は、前記副データが表す内容が当該副データの個数の半数以上の所定個数で一致することであり、
前記制御手段は、前記副データの個数の半数以上の所定個数で一致している内容を表すデータを前記主データとして前記第1記憶部に記憶することを特徴とする遊技機。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
遊技の進行に応じて変化し得る所定事項(持球数)に関する制御を行う特定制御手段(枠制御手段180)と、
前記特定制御手段と異なる非特定制御手段(遊技制御手段100)とを備え、
前記特定制御手段は、前記所定事項を表す第1データ(持球数マスターデータ)を記憶する特定記憶部(枠制御用RAM184)を有し、
前記非特定制御手段は、前記所定事項を表す第2データ(遊技制御側持球数BUデータ)を記憶する非特定記憶部(遊技用RAM104)を有し、
前記特定制御手段は、所定条件が成立(持球数が更新)することによって、前記第1データが表す前記所定事項を含む第3データ(持球数更新指定コマンド)を前記非特定制御手段に送信し、
前記非特定制御手段は、前記第3データを受信すると、当該第3データに基づいて前記非特定記憶部に記憶している前記第2データを更新することを特徴とする遊技機。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記特定制御手段は、前記特定記憶部が異常であると判断された場合に、前記第2データに基づいて前記第1データを新たに生成して前記特定記憶部に記憶することがあることを特徴とする遊技機。
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記特定制御手段は、当該遊技機に電力が供給されたときに前記特定記憶部が異常であるか否かを判断することがあるを特徴とする遊技機。
8-3-4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C1乃至発明C3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定事項は、遊技に使用可能な遊技媒体の個数(持球数)であることを特徴とする遊技機。
8-3-5.発明C5は、
発明C1乃至発明C4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記特定制御手段は、遊技の進行に応じて前記特定記憶部に記憶されてる前記第1データを更新可能であり、
前記所定条件には、前記特定制御手段が前記第1データを更新することが含まれることを特徴とする遊技機。
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数(持球数)に関する制御を行う特定制御手段(枠制御基板180)と、
表示手段(画像表示装置50)とを備え、
前記特定制御手段は、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を示すデータを記憶する特定記憶部(枠制御用RAM184)を有し、前記特定記憶部に異常が生じたか否かを判断することがあり、
前記表示手段は、前記特定制御手段が前記特定記憶部に異常が生じたと判断した場合に、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表示可能であることを特徴とする遊技機。
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
操作可能な操作手段(第1演出ボタン40k)をさらに備え、
前記表示手段は、前記操作手段が所定操作(長押操作)されたことを条件に、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表示可能であることを特徴とする遊技機。
8-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記所定操作は、遊技が実行されていない所定期間に実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-4-4.発明D4
発明D4に係る遊技機は、
発明D1乃至発明D3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記特定制御手段と異なる非特定制御手段(遊技制御手段100)を備え、
前記非特定制御手段は、遊技に関する制御を実行可能であり、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を示すデータを記憶する非特定記憶部(遊技用RAM104)を有し、
前記表示手段は、前記非特定制御手段による遊技に応じた表示演出を実行可能であり、
前記特定制御手段は、所定条件が成立する(持球数が更新される)ことによって、前記特定記憶部に記憶されているデータが表す遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を含む特定データ(持球数更新指定コマンド)を前記非特定制御手段に送信し、
前記非特定制御手段は、前記特定データを受信すると、当該特定データに基づいて前記非特定記憶部に記憶されている遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数をデータを更新し、
前記表示手段は、前記非特定記憶部に記憶されている遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数をデータに基づいて、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表示可能であることを特徴とする遊技機。
8-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数(持球数)に関する制御を行う特定制御手段(枠制御基板180)と、
表示手段(持球数表示装置300)とを備え、
前記特定制御手段は、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表す第1個数データ(持球数マスターデータ)を記憶する特定記憶部(枠制御用RAM184)を有し、
前記表示手段は、遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表す第2個数データ(表示装置側持球数BUデータ)を記憶する非特定記憶部(表示装置側持球数BU部301d)を有し、前記非特定記憶部に記憶されている前記第2個数データが示す遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を表示可能であることを特徴とする遊技機。
8-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記特定制御手段は、所定条件が成立する(持球数が更新される)ことによって、前記第1個数データが表す遊技者が遊技で使用可能な遊技媒体の個数を含む特定データ(持球数更新指定信号)を前記表示手段に送信し、
前記表示手段は、前記特定データを受信すると、当該特定データに基づいて前記非特定記憶部に記憶している前記第2個数データを更新することを特徴とする遊技機。
8-5-3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E2に係る遊技機であって、
前記特定制御手段は、遊技の進行に応じて前記特定記憶部に記憶されてる前記第1個数データを更新可能であり、
前記所定条件には、前記特定制御手段が前記第1個数データを更新することが含まれていることを特徴とする遊技機。
8-6-1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
ステンレス製の遊技球を遊技領域(遊技領域6)に流下させることで遊技を行う遊技機であって、
磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知するが、ステンレス製の遊技球を検知しない特定検知センサ(不正球検知センサ313a)と、
制御手段(枠制御基板180)とを備え、
前記特定検知センサは、磁石にくっつく鋼製の遊技球を検知すると当該検知を示す特定検知信号(不正球検知信号)を前記制御手段に向けて出力し、
前記制御手段は、前記特定信号が入力したことに基づいて特定報知(不正報知)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-6-2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知する非特定検知センサ(排出球検知センサ310a)をさらに備え、
前記非特定検知センサは、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知すると当該検知を示す非特定検知信号(排出球検知信号)を前記制御手段に向けて出力し、
前記制御手段は、前記非特定信号が入力したことに基づいて、遊技球に関する所定事項(差球数)に関する制御を実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-6-3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F2に係る遊技機であって、
前記特定検知センサ、および前記非特定検知センサは、遊技球が通過可能な特定箇所の付近で近接した状態で取り付けられていることを特徴とする遊技機。
8-6-4.発明F4
発明F4に係る遊技機は、
発明F3に係る遊技機であって、
前記特定箇所は、前記遊技領域に進入した遊技球が回収されて通過可能な前記遊技領域の外部に形成された通路(回収通路)に位置することを特徴とする遊技機。
8-6-5.発明F5
発明F5に係る遊技機は、
発明F1乃至発明F4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記特定報知は、磁石にくっつく鋼製の遊技球が検知されたことを示す報知であることを特徴とする遊技機。
8-7-1.発明G1
発明G1に係る遊技機は、
ステンレス製の遊技球を遊技領域(遊技領域6)に流下させることで遊技を行う遊技機であって、
磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知する検知センサ(排出球検知センサ310a)と、
制御手段(枠制御基板180)とを備え、
前記検知センサは、磁石にくっつく鋼製の遊技球、およびステンレス製の遊技球を検知すると当該検知を示す検知信号(排出球検知信号)を前記制御手段に向けて出力し、
前記制御手段は、前記検知信号が入力すると、前記検知信号が入力している時間を計測することを特徴とする遊技機。
8-7-2.発明G2
発明G2に係る遊技機は、
発明G1に係る遊技機であって、
前記制御手段は、前記検知信号が入力している時間が所定値(不正指定時間)よりも長い場合、磁石にくっつく鋼製の遊技球が検知されたことを示す特定報知(不正報知)を行うことを特徴とする遊技機。
8-7-3.発明G3
発明G3に係る遊技機は、
発明G1または発明G2に係る遊技機であって、
前記検知センサは、前記遊技領域に進入した遊技球が回収されて通過可能な前記遊技領域の外部に形成された通路(回収通路)に設置されていることを特徴とする遊技機。
8-8-1.発明H1
発明H1に係る遊技機は、
発射された遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)と、発射された遊技球が前記遊技領域へ向かうために通過可能な発射領域(発射領域7)とが形成された遊技機であって、
前記発射領域には、待機状態と作動状態とで切り替え可能な可動部(進入阻止可動部76k)が設けられ、
前記可動部は、前記待機状態では前記遊技領域へ向かって移動する遊技球を通過させ、作動状態では前記遊技領域へ向かって移動する遊技球を通過させないことを特徴とする遊技機。
8-8-2.発明H2
発明H2に係る遊技機は、
発明H1に係る遊技機であって、
遊技球を発射させる発射手段(発射装置7)をさらに備え、
前記発射手段と、前記可動部との間には、前記遊技領域側から前記発射手段へ向かって移動する遊技球をファール球として回収する回収口が形成されていることを特徴とする遊技機。
8-8-3.発明H3
発明H3に係る遊技機は、
発明H1または発明H2に係る遊技機であって、
枠状の内枠(内枠22)と、前記遊技領域が形成され、前記内枠に形成された開口部(開口部1A)に嵌合された遊技盤1と、を備え、
前記発射手段は前記内枠に設置され、
前記発射領域は、前記内枠と前記遊技盤にわたって形成されており、
前記可動部は、前記発射領域の前記内枠に形成されている部分であって前記内枠と前記遊技盤との境界付近に配置されていることを特徴とする遊技機。
8-8-4.発明H4
発明H4に係る遊技機は、
発明H1乃至発明H3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記遊技領域、および前記発射領域の前面側で前記内枠に開閉可能に支持された前扉(前扉23)をさらに備え、
前記可動部は、前記前扉が開放されたことに応じて、前記待機状態から前記作動状態に切り替わることがあることを特徴とする遊技機。
8-9-1.発明I1
発明I1に係る遊技機は、
発射された遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)の前面側で開閉可能に支持された前扉(前扉23)と、前記前扉が開放されたことを検知する検知手段(扉開放検知センサ23a)とを備えた遊技機であって、
前記検知手段によって前記前扉の開放が検知されていないとき、遊技球の前記遊技領域への進入を可能にし、前記検知手段によって前記前扉の開放が検知されたことに応じて、遊技球の前記遊技領域への進入を阻止することがあることを特徴とする遊技機。
8-9-2.発明I2
発明I2に係る遊技機は、
発明I1に係る遊技機であって、
遊技球の発射に対して前記遊技領域よりも下流側に、遊技球が前記遊技領域へ向かうために通過可能な発射領域(発射領域7)が形成され、
前記検知手段によって前記前扉の開放が検知されていないとき、前記発射領域において前記遊技領域へ向かって移動している遊技球の前記遊技領域への進入を可能にし、前記検知手段によって前記前扉の開放が検知されたことに応じて、前記発射領域において前記遊技領域へ向かって移動している遊技球の前記遊技領域への進入を阻止することがあることを特徴とする遊技機。
8-9-3.発明I3
発明I3に係る遊技機は、
発明I2に係る遊技機であって、
前記発射領域には、前記遊技領域へ向かって移動する遊技球を通過させる待機状態と、前記遊技領域へ向かって移動する遊技球を通過させない作動状態とで切り替え可能な可動部(進入阻止可動部76k)が設けられ、
前記可動部は、通常は前記待機状態で保持され、前記検知手段によって前記前扉の開放が検知されたことに応じて前記待機状態から前記作動状態に切り替わることがあることを特徴とする遊技機。
8-10-1.発明J1
発明J1に係る遊技機は、
発射された遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)の前面側で開閉可能に支持された前扉(前扉23)を備えた遊技機であって、
前記前扉には、当該前扉の閉鎖を保持し、当該閉鎖を解除させることが可能な錠(錠302)が設けられ、
前記錠による前記閉鎖の解除を検知する検知手段(開錠検知センサ302a)が設けられ、
前記検知手段によって前記閉鎖の解除が検知されていないとき、遊技球の発射を可能にし、前記検知手段によって前記閉鎖の解除が検知されたことに応じて、遊技球の発射を禁止することがあることを特徴とする遊技機。
8-10-2.発明J2
発明J2に係る遊技機は、
発明J1に係る遊技機であって、
遊技球を発射させる発射手段(発射装置72)をさらに備え、
前記検知手段によって前記閉鎖の解除が検知されていないとき、前記発射手段は前記遊技球を発射させることが可能であり、前記検知手段によって前記閉鎖の解除が検知されたことに応じて、前記発射手段は前記遊技球を発射させることができないことを特徴とする遊技機。
8-11-1.発明K1
発明K1に係る遊技機は、
複数本の端子を有する入出力用ポート(上枠ランプ用入出力ポート162a、下枠ランプ用入出力ポート163a、演出ボタン用入出力ポート165a)が搭載された基板(上枠ランプ用ドライバ基板162、下枠ランプ用ドライバ基板163、演出ボタン用中継基板165)を備えた遊技機であって、
前記複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該入出力ポートに係るアドレスが設定され、
前記アドレスには、所定の属性(製造メーカー)を表す特定固有情報(メーカー識別情報)が含まれていることを特徴とする遊技機。
8-11-2.発明K2
発明K2に係る遊技機は、
発明K1に係る遊技機であって、
前記所定の属性は当該遊技機を製造した会社であることを特徴とする遊技機。
8-11-3.発明K3
発明K3に係る遊技機は、
発明K2に係る遊技機であって、
前記所定の属性は当該遊技機に係る機種であることを特徴とする遊技機。
8-11-4.発明K4
発明K4に係る遊技機は、
発明K1乃至発明K3の何れか1つに係る遊技機であって、
遊技盤(遊技盤1)と、前記遊技盤に対して開閉可能に支持される前扉(前扉23)と、制御手段(演出制御基板120)とをさらに備え、
前記基板は前記前扉に設置され、
前記制御手段は前記遊技盤に設置され、
前記制御手段には、前記所定の属性を表す基本固有情報が記憶され、
前記制御手段は、前記基本固有情報が表す前記所定の属性と、前記特定固有情報が表す前記所定の属性とが異なる場合、前記遊技盤と前記前扉との整合が取れていないことを示唆する特定報知(枠不適合エラー報知)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-11-5.発明K5
発明K5に係る遊技機は、
発明K1乃至発明K4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記アドレスには、前記特定固有情報と、各基板に対応付けられた個別情報(デバイス識別情報)が含まれていることを特徴とする遊技機。
PY,PY1,PY2…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
7…発射領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
14…大入賞口
14a…大入賞口センサ
22…内枠
23…前扉
23a…扉開放検知センサ
40…第1演出ボタン装置
40k…第1演出ボタン
40m…演出ボタン用モータ
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
53U…上枠ランプ
53D…上枠ランプ
72…発射装置
72a…タッチスイッチ
72b…発射ボリュームのつまみ
72k…発射ハンドル
72m…発射モータ
76…進入阻止装置
76k…進入阻止可動部
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
104…遊技用RAM
106…遊技制御側持球数BU部
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
128…コントローラー
129…RTC
140…画像制御基板
180…枠制御基板
181…枠制御用マイコン
182…枠制御用CPU
183…枠制御用ROM
184…枠制御用RAM
185…持球数記憶部
186…枠制御側持球数BU部
186a…第1持球数BU部
186b…第2持球数BU部
186c…第3側持球数BU部
162…上枠ランプ用ドライバ基板
162a…上枠ランプ用入出力ポート
163…下枠ランプ用ドライバ基板
163a…下枠ランプ用入出力ポート
165…演出ボタン用中継基板
165a…演出ボタン用入出力ポート
190…電源基板
300…ユニット表示装置
301…持球数表示装置
301a…表示ボタン検知センサ
301b…持球数表示器
301d…表示制御側持球数BU部
301k…持球数表示ボタン
302…錠
302a…開錠検知センサ
310a…排出球検知センサ
311a…発射球検知センサ
312a…ファール球検知センサ
313a…不正球検知センサ
CU…カードユニット

Claims (1)

  1. 遊技盤と、前記遊技盤に対して開閉可能に支持される前扉と、を備え、
    前記前扉には、複数本の端子を有する第1入出力用ポートが搭載された第1基板、および複数本の端子を有する第2入出力用ポートが搭載された第2基板が設置され、
    前記遊技盤には、制御手段、および複数本の端子を有する第3入出力用ポートが搭載された第3基板が設置され、
    前記第1入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第1入出力ポートに係る第1アドレスが設定され、
    前記第2入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第2入出力用ポートに係る第2アドレスが設定され、
    前記第3入出力用ポートに係る複数本の端子のうちの一部の複数の端子によって、当該第3入出力用ポートに係る第3アドレスが設定され、
    前記第1アドレス、前記第2アドレス、および前記第3アドレスは所定の属性を表す特定固有情報が含まれており、
    前記第1入出力用ポートは、前記制御手段から前記第1アドレスを含む第1コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第1応答信号を送信可能であり、
    前記第2入出力用ポートは、前記制御手段から前記第2アドレスを含む第2コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第2応答信号を送信可能であり、
    前記第3入出力用ポートは、前記制御手段から前記第3アドレスを含む第3コマンドを受信した場合、前記制御手段に、当該受信に応じた第3応答信号を送信可能であり、
    前記制御手段は、特定期間において、前記第1応答信号、および前記第2応答信号の何れも受信しておらず、且つ、前記第3応答信号を受信した場合、特定報知を行うことがあることを特徴とする遊技機。
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