<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の機械的構成について図1〜図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカ52、具体的には左側に配されたスピーカ52Lと右側に配されたスピーカ52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PY1の背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
遊技制御基板100の付近には、後述する設定値を変更するための設定値シリンダ70、および設定値スイッチ71が設けられている。設定値シリンダ70には、専用の設定鍵を挿入させる挿入穴70Aが設けられている。挿入穴70Aに設定鍵(不図示)を挿入すると、設定値シリンダ70を基準の待機状態から90度時計回りに回転させることができる。そして、後述するように、設定値シリンダ70を待機状態から90度時計回りに回転させることによって設定値スイッチ71の操作が有効になる。設定値スイッチ71は押下操作可能に構成されている。さらに、遊技制御基板100の表面には、現在の設定値を表示する設定値表示器87が搭載されている。また、設定値表示器87は、赤色7セグメント表示器で構成されている。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
さらに、遊技用RAM104には、後述する設定値を示す設定値データを記憶する設定値記憶部107が設けられている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
さらに、遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、設定値シリンダセンサ70a、および設定値スイッチセンサ71aが含まれている。
また、設定値シリンダセンサ70aは、設定値シリンダ70の回転操作を検知可能である。設定値シリンダ70の回転操作があった場合には、設定値シリンダセンサ70aが設定値シリンダ70の回転操作を検知し、設定値シリンダ70の回転操作があったことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
一方、設定値スイッチセンサ71aは、設定値スイッチ71の押下操作を検知可能である。設定値スイッチ71の押下操作があった場合には、設定値スイッチセンサ71aが設定値スイッチ71の押下操作を検知し、設定値スイッチ71の押下操作があったことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)、ならびに設定値表示器87が接続されている。これらの表示器類8および設定値表示器87の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127、および後述する設定値フラグを記憶する設定値フラグ記憶部128が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2が含まれている。回転部材用モータ55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。昇降部材用モータ55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図16を用いて説明する。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得することによって、普図抽選、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−1−2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PY1は、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得することによって、特図抽選、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)〜図10(F)に示すように、設定されている設定値ごとに設けることが可能である。すなわち、大当たり判定テーブルを、設定値に関連付けることが可能である。
設定値とは、大当たり判定で大当たりと判定される確率(以下、「大当たり確率」ともいう)に関連付けられたパラメータのような値のことである。後述するように、設定値は、遊技制御基板100の電源投入時において設定することができる。前述の設定値シリンダ70、および設定値スイッチ71の操作によって、パチンコ遊技機PY1ごとに設定値を設定することができる。
基本的な実施形態では、設定値は1〜6の6種類設定されている。具体的には、大当たり判定テーブルには、設定値が「1」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、設定値が「2」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、設定値が「3」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、設定値が「4」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、設定値が「5」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、設定値が「6」のときに用いられる大当たり判定テーブルと、がある。
そして、さらに設定値に関連付けられた大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。なお、設定値の種類は基本的な実施形態に限られず適宜に設定することができる。
設定値および遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、設定値および遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)〜図10(F)に示すように、各設定値について、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。さらに、同一の遊技状態に対して、設定値が高くになるにつれて、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。すなわち、設定値が高いほど大当たりと判定され易い。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図11(A)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄乱数の判定値(大当たり図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図11(A)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図11(A)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図11(B)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図11(B)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図12〜図13に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図12)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図13)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり図柄用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり図柄用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図12〜図13の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、およびスペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図12〜図13の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図14〜図15に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図14)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図15)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図14〜図15に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。先読み判定において「大当たり」が特定されれば大当たり図柄種別も先読み判定結果として特定される。なお、先読み判定テーブルを用いて、大当たりの当否を特定する場合は、設定されている設定値に対応する特別図柄乱数判定値が用いられる。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3−3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PY1は、例えば図16(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図16(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図16(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第6大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
さらに、図16に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3−4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PY1が制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PY1に搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PY1は、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3−5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図16(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、または大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図17〜図31を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図17(B)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図18(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図18(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図18(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ〜第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図18(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカ52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図18(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカ52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図19(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカ52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図19(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカ52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図20(A)に示すように、演出図柄を1〜9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。ここでは、数字そのものが特図抽選結果を示すための識別情報を構成する。なお、数字の1〜9で構成される演出図柄は、それぞれ数字が異なるので厳密には異なる画像である。そして、数字「1」の演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」〜数字「9」の演出図柄を演出図柄G10b〜演出図柄G10iとする。なお、便宜上、1〜9の個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」の演出図柄G10は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素として、色も設定されている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図20(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、特に特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1〜9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
また、図20(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄が数字で構成されている場合には、小図柄は演出図柄をそのまま縮小させて構成させることができる。また、演出図柄が数字とキャラクタで構成されている場合には、数字部分のみを抽出して小図柄を構成させることもできる。
なお、図20(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4−2−1.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する小図柄KZ1、小図柄KZ2、および小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図21(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図21(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
そして、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。なお、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3は、基本的に背景画像G111〜G115などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図21(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図21(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図21(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1〜EZ3が、図21(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1〜EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1〜KZ3が、演出図柄EZ1〜EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示も行われる。
なお、図21の例では、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図22(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図22(B)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始すると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始するとする。
そして、例えば図22(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図22(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
なお、図22の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間が通常変動となる。
4−2−2.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図22(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図23(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図23(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図23(C)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図23(C)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図23(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、仮停止していた演出図柄EZ1〜EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1〜KZ3が、演出図柄EZ1〜EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
4−2−3.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、NリーチおよびLリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図24(A)に示すように、SPリーチ開始時に、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチ開始時に、例えば、図24(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示され、敵キャラクタが出現し、続いて、図24(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図24(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図24(C)に示すように、主人公キャラクタと主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。SPリーチの内容は野球のピッチャーとバッターの対決シーンで構成される。ここでは、主人公キャラクタがピッチャーであり、敵キャラクタがバッターである。
その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図25(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図25(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図25(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、図25(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点(勝敗分岐点)を構成する。
この勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、図26(A−1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、図26(B−1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカ52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1〜EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
このように、対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たりを報知する演出(大当たり報知演出)を構成する。その後、図26(C−1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
一方、勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、大当たり報知演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A−2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、図26(B−2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する映像が流れるハズレ報知演出が行われる。
その後、図26(C−2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。なお、SPリーチの内容は、キャラクタ同士が野球で対決する内容に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチやNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4−3.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図27(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図27(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。そして、図27(C)に示すように、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、主人公キャラクタが表示部50aに大きく表示されているシーンが表示され、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4−4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、SPリーチにおいて勝敗分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(第1演出ボタン操作有効期間)が発生し、この第1演出ボタン操作有効期間の発生に伴って、図28(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(第1演出ボタン操作促進演出)が行われる。
第1演出ボタン操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進画像G12は、第1演出ボタン40kを表す画像(第1演出ボタン画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(第1演出ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(第1演出ボタン操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、第1演出ボタン操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が第1演出ボタン操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図28(B)は、第1演出ボタン操作有効期間が発生して、第1演出ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく第1演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図28(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に盤可動体55kの動作に伴う通常エフェクト画像G13も表示される。そして、図28(D)に示すように、通常エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり報知演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ報知演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動や通常エフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4−5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留アイコン予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留アイコン予告について説明する。
保留演出は、図29(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1〜第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2〜第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2〜4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2〜4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」〜「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該変動表示領域50eが形成されている。当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンが表示される。よって、当該変動表示領域50eに表示される変動アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと変動アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。
なお、図29(A)において保留表示領域50dおよび当該変動表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1〜第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1〜第4領域50d4、および当該変動表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1〜KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図29(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンHA1が表示されている。なお、図29(B)で表示されているアイコンHA1〜HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図29(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該変動表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該変動表示領域50eに表示される際に変動アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該変動表示領域50eに表示されているアイコンについては「変動」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが変動アイコンとして表示される。また、保留アイコンから変動アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該変動表示領域50eに移動する際に、約2倍に拡大する。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図29(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PY1は、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留アイコン予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留アイコン予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留アイコン予告の具体例について説明する。保留アイコン予告の具体例として、図29(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留アイコン予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留アイコン予告が行われる保留アイコン予告種別がある。例えば、図30(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図29(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図29(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、その直後に、図30(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図30(B)において灰色)に変化する(保留アイコン予告が行われる)。なお、図30の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留アイコン予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留アイコン予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図29(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図31(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図31(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図31(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図31(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図31(D)において灰色)に変化する(保留アイコン予告が行われる)。
また、保留アイコン予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカ52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図32〜図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
電源基板190から遊技制御基板100に電源電圧が供給されると、遊技制御用マイコン101は、遊技用ROM103から図32に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイコン101は、まず、割り込みを禁止し(S1)、次いで遊技用RAM104へのアクセスを許可に設定する(S2)。続いて、遊技制御用マイコン101は、設定値を設定する設定値設定の操作がされているか否かを判定する(S3)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、設定値シリンダ70が基準状態から回転操作され、および設定値スイッチ71が押下操作されているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値設定の操作がされていないと判定するとステップS4に進み、設定値設定の操作がされていると判定すると、ステップS7に進んで、設定値を設定する設定値設定処理を行った後にステップS8に進む。設定値設定処理については後述する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS4において、初期値を必要とする遊技用RAM104の使用領域に初期値を設定する遊技用RAM104の設定処理を行い、ステップS5において、電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信し、ステップS6において、遊技用RAM104の設定値記憶部107に記憶されている設定値データが示す設定値を設定値表示器87に表示し、ステップS10に進む。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS8において、遊技用RAM104の使用領域をクリアし、初期値を必要とする遊技用RAM104の使用領域に初期値を設定する遊技用RAM104の設定処理を行い、ステップS9においてRAMクリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS10において、使用するCTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)等を設定するCTC起動設定処理を行い、ステップS11において、割り込みを許可する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS12において、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理が終了すると、遊技制御用マイコン101は、ステップS13において、電源が遮断されたか否かを判定する。具体的には、遊技制御用マイコン101は、電源基板190の電断検出回路から電断検出信号が入力したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されていないと判定するとステップS12に進む。一方、遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されたと判定すると、ステップS14において、割り込みを禁止し、ステップS15において、遊技用RAM104へのアクセスを禁止して、遊技用RAM104に記憶されているデータをバックアップデータとして記憶してから、パチンコ遊技機PY1の電源が遮断されるのを待つ。
[設定値設定処理]
次に、図33を用いて、設定値設定処理(S7)について説明する。遊技制御用マイコン101は、設定値設定処理においてまずは、ステップS51において、遊技用RAM104にバックアップされている設定値データを設定値記憶部107に記憶して、その設定値データが示す設定値を設定値表示器87に表示する(S51)。
次いで、遊技制御用マイコン101は、ステップS52において、設定値スイッチ71への操作があったか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値スイッチ71への操作がなかったと判定すると、ステップS55に進み、設定値スイッチ71への操作があったと判定すると、ステップS53において、遊技用RAM104の設定値記憶部107に記憶されている設定値データが示す設定値を「1」増加させて新しい設定値を設定し、ステップS54において、新しい設定値を設定値表示器87に表示する。
なお、基本的な実施形態において設定値は1〜6の6段階設定されており、設定値「6」のときに設定値スイッチ71が操作されると、設定値「1」が新たに設定されることになる。設定値スイッチ71の操作による設定値の変化態様は「1」増加に限られず、「1」減少やランダムに変化などであっても良い。
ステップS55において、遊技制御用マイコン101は、設定値を確定する設定値確定の操作があったか否かを判定する。具体的に、遊技制御用マイコン101は、設定値シリンダセンサ70aに基づいて、設定値シリンダ70がOFFになっている、すなわち、設定値シリンダ70が設定状態から回転操作されて基本状態に戻ったか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値確定の操作がないと判定するとステップS52に進み、設定値確定の操作があったと判定すると、ステップS56において、遊技用RAM104の設定値記憶部107に記憶されている設定値データが示す設定値を示す設定値指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信し、設定値設定処理を終え、遊技制御メイン処理に戻る。
なお、ステップS55に係る設定値シリンダ70を設定状態から基準状態に移行させる回転操作を行うことによって、設定値設定処理が終了し、設定値が確定することから、この操作は、設定値を確定させるための操作と位置づけることできる。これに対して、ステップS3に係る設定値シリンダ70を基準状態から設定状態にする回転操作は、設定値を設定するための操作と位置づけることできる。以下において、前者の操作のことを設定値シリンダ70の「設定値確定操作」といい、後者の操作のことを設定値シリンダ70の「設定値設定操作」という。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(例えば、4msec)毎にクロックパルスが発生することで、図34に示す遊技制御側タイマ割り込み処理を実行する。
図34に示すように、遊技制御用マイコン101は、遊技制御側タイマ割り込み処理では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図32の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(遊技制御側タイマ割り込み処理の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理を終了する。その他の処理としては、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS13〜S14の処理を繰り返し実行し、クロックパルスが入力されると、再び遊技制御側タイマ割り込み処理を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35〜図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(例えば、「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(例えば、「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図15に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(例えば、「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図14に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(例えば「14」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a〜14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35〜図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の設定値に関連付けられた大当たり判定テーブルの中で、さらに遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の第1実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46〜図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留アイコン予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターン示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、ステップS4320に進む一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行う。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、または大当たり図柄Fであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
ステップS4320において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定値指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、設定値指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値指定コマンドを受信していなければ(S4320でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、設定値指定コマンドを受信していれば(S4320でYES)、設定値指定コマンドが示す設定値を表す設定値フラグを演出用RAM124にある設定値フラグ記憶部128に記憶する設定値設定処理を行い(S4321)、受信コマンド解析処理を終える。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。第1実施形態では、パチンコ遊技機PY1は、遊技領域6に進入した後に遊技領域6の外へ排出される遊技球の個数に基づいて、設定値に関わる設定値演出を実行する。なお、第1実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
基本的な実施形態で説明したように、第1始動口センサ11aや第2始動口センサ12aなどの第1始動口11や第2始動口12などに入賞した遊技球を検知するセンサが設けられている。第1実施形態では、これらのセンサのように入賞した遊技球を検知するセンサに加えて、図48に示すように、遊技領域6に進入した後に遊技領域6の外へ排出される遊技球を検知するアウトセンサ19aが設けられている。
詳細な説明は省略するが、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、および大入賞口14に入球した遊技球、およびアウト口19に入球した遊技球は、遊技球が流下可能な1つの経路(図示なし)に集められる。この経路に遊技球を検知するアウトセンサ19aが設けられている。なお、以下において、遊技領域6に進入した後に遊技領域6の外へ排出された遊技球のことを「アウト球」という。
アウトセンサ19aが設けられていることに伴って、遊技制御用マイコン101は、ステップS104のセンサ検知処理において、アウト球が発生したか否かを判定する。例えば、図49に示すように、センサ検知処理のステップS224の後に、遊技制御用マイコン101は、ステップS225として、アウト球が発生したか否か、言い換えるとアウトセンサ19aが遊技球を検知したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、アウト球が発生していないと判定すると(S225でNO)そのままセンサ検知処理を終える一方、アウト球が発生したと判定すると、ステップS226において、アウト球が発生したことを示すアウト指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、センサ検知処理を終える。遊技用RAM104の出力バッファにセットされた遊技球はステップS107における出力処理によって演出制御基板120に送信される。
そして、演出制御用マイコン121は、受信したアウト球コマンドに基づいて、発生したアウト球の個数を計数する。そして、アウト球が50000個に達した後に、大当たりに当選すると、演出制御用マイコン121は、その大当たりに係る大当たりオープニング演出で、設定値を示唆する設定値演出を実行する場合がある。例えば、設定値演出では、図50に示すように、設定値に応じた個数の花火画像G20が表示される。すなわち、表示された花火画像G20の数が設定値を示唆する。
設定値「1」が設定されていれば、設定値演出が行われていない大当たりオープニング演出に加えて、1つの花火画像G20が表示される(図50(A)参照)。同様に、設定値「2」〜設定値「6」が設定されていれば、設定値演出が行われていない大当たりオープニング演出に加えて、2〜6つの花火画像G20が表示される(図50(B)〜図50(F)参照)。
なお、第1実施形態の設定値演出を行うための処理は適宜に設定可能であるが、例えば、演出用RAM124に、アウト球を計数するアウト球カウンタが設けておく。そして、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理のステップS4321の後で、アウト球コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していると判定すると、アウト球カウンタを「1」加算する処理を行う。続いて、演出制御用マイコン121は、アウト球カウンタのカウンタ値が50000であるか否か、すなわち、50000個のアウト球が発生したか否かを判定し、アウト球カウンタのカウンタ値が50000であると判定すると、設定値演出を行うための設定値演出フラグを演出用RAM124の所定領域にセットする処理を行う。
そして、演出制御用マイコン121は、オープニング演出開始処理において、設定値演出フラグの有無を確認し、設定値演出フラグがセットされていれば、設定値フラグが示す設定値に応じた設定値演出を画像制御基板140に実行させるために、その設定値に応じた設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。設定値演出開始コマンドはステップS4004のコマンド送信処理によって、画像制御基板140に送信される。そして、画像制御基板140は、受信した設定値演出開始コマンドに基づいて、大当たりオープニング演出において、設定値に応じた個数の花火画像G20を適宜に表示する。
以上のように、アウト球の個数に基づいて設定値演出が実行されることによって、発射されたがアウト口19に入球してしまった遊技球も無駄にはならないので、遊技者の遊技意欲の減退を防いで稼働率の向上を図ると共に、遊技興趣を向上させることができる。さらには、大当たり当選することも設定値演出を実行するための条件に含まれているので、遊技者の大当たり当選に対するモチベーションを維持させることができる。
(第1実施形態の変更例)
なお、設定値演出の実行条件を構成するアウト球の個数は50000個に限らず、適宜に設定されても良い。また、設定値演出を実行するためのアウト球の個数(以下、「アウト球判定値」という)は1つに限らず複数設定されても良い。例えば、図51に示すように、設定値にアウト球判定値を対応付けても良い。図51に示すように、設定値が高くなるにつれてアウト球判定値が高くなるようにしても良い。このようにすることで、例えば、アウト球が34000個に満たないときに大当たり遊技が行われたが、設定値演出が実行されない場合、少なくとも、最も遊技者に不利な設定値「1」でないことが確定するので、遊技者に安心感を与えることができる。
また、設定値演出の実行条件を構成するアウト球判定値を40000個と60000個に設定する。そして、アウト球の個数が40000個に達して大当たりに当選したときには、設定値が1〜3の何れかか4〜6の何れか、言い換えると相対的に低い値か高い値かを示唆する第1設定値演出を行う。この場合、第1設定値演出の演出態様は2種類あり、一方の演出態様であれば、設定値が1〜3の相対的に低い値であり、他方の演出態様であれば、設定値が4〜6の相対的に高い値である。次に、アウト球判定値が60000個に達して大当たりに当選したときには、設定値が1〜3の何れかまたは4〜6の何れかを示唆する第2設定値演出を行う。この場合、第2設定値演出の演出態様は3種類あり、ある演出態様であれば、設定値が1または4の何れかであり、別のある演出態様であれば、設定値が2または5の何れかであり、残りの演出態様であれば、設定値が3または6の何れかであるようにしても良い。このように、設定値演出の実行によって設定値を段階的に示唆しても良い。
さらに、設定値演出が大当たりオープニング演出で実行されているが、設定値演出の演出時期は大当たりオープニング演出に限られず、ラウンド演出や大当たりエンディング演出にしても良い。さらに、何れの大当たり遊技の大当たりオープニング演出でも設定値演出が実行可能であるが、例えば、相対的にラウンド数の多い大当たり遊技や高確率高ベース遊技状態を伴う大当たり遊技など特定の大当たり遊技においてのみ、設定値演出を実行可能に構成しても良い。反対に、相対的にラウンド数の少ない大当たり遊技や低確率高ベース遊技状態を伴う大当たり遊技など特定の大当たり遊技においてのみ、設定値演出を実行可能に構成しても良い。
また、設定値演出を実行するための閾値であるアウト球判定値を2種類設け、アウト球判定値によって、設定値演出を実行する条件となる大当りの種類を異ならせても良い。アウト球の個数が30000個に達した後、相対的にラウンド数の多い大当たり遊技や高確率高ベース遊技状態を伴う大当たり遊技など特定の大当たり遊技に係る特定の大当たりに当選したことに基づいて設定値演出を実行可能にする。一方、アウト球の個数が60000個に達した後、相対的にラウンド数の少ない大当たり遊技や高確率高ベース遊技状態を伴う大当たり遊技など非特定の大当たり遊技に係る非特定の大当たりに当選したことに基づいて設定値演出を実行可能にする。なお、設定値演出を実行するための閾値であるアウト球の個数の大小と、設定値演出を実行するための大当りの種類を入れ替えても良い。
さらに、設定値演出は、アウト球の個数がアウト球判定値に達した後に、大当たり当選すると当該大当たり遊技で実行されるが、その大当たり当選に係る特図変動演出で設定値演出を実行しても良い。この場合、設定値演出の実行時期は限定されないが、特図変動演出の開始時、リーチ成立時、SPリーチ演出への発展時、あるいは演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示時などの特定の時期に設定しても良い。
また、設定値演出は、大当たり判定結果に関係なく、アウト球の個数がアウト球判定値に達した後に、大当たり期待度が高いことを示唆するSPリーチ、もしくは特定のSPリーチなどの特定の演出が実行されることによって実行されるようにしても良い。この場合、例えば、アウト球の個数がアウト球判定値に達した後に、SPリーチの中でも相対的に大当たり期待度が高い特定のSPリーチが実行されると、当該特定のSPリーチにおいて、設定値演出を実行しても良い。
また、設定値演出は、花火画像G20の数によって設定値を示唆しているが、設定値を示唆する演出態様は花火画像G20の数に限られず、適宜に設定しても良い。例えば、花火画像G20の大きさや色彩などの他の演出態様によって設定値演出が設定値を示唆するようにしても良い。また、設定値演出を、画像表示装置50に代えて、または画像表示装置50に加えて、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの他の演出装置を用いて実行しても良い。
さらに、設定値演出には6種類の演出態様が設定されており、各演出態様と設定値とが1対1で対応付けられているが、1つの演出態様に複数の設定値が対応付けられても良い。例えば、演出態様が3種類あり、1つ目の演出態様には設定値「1」および設定値「2」が対応付けられ、2つ目の演出態様には設定値「3」および設定値「4」が対応付けられ、3つ目の演出態様には設定値「5」および設定値「6」が対応付けられるようにしても良い。また、1つ目の演出態様には設定値「1」および設定値「6」が対応付けられ、2つ目の演出態様には設定値「2」および設定値「5」が対応付けられ、3つ目の演出態様には設定値「3」および設定値「4」が対応付けられるようにしても良い。
あるいは、演出態様が6種類あり、各演出態様に全ての設定値が対応付けられているが、その演出態様によって設定されている設定値の可能性が異なるようにしても良い。例えば、設定値演出の演出態様として、第1演出態様〜第6演出態様が設定されており、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」>設定値「5」>設定値「6」の順で、第1演出態様の設定値演出が実行される可能性が高く、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「3」>設定値「2」>設定値「1」の順で、第6演出態様の設定値演出が実行される可能性が高いというように構成しても良い。
また、設定値演出を、大当たりオープニング演出やSPリーチ演出から独立した形で実行するのではなく、大当たりオープニング演出やSPリーチ演出に組み込む形で実行しても良い。例えば、オープニング画像G1や右打ち画像G2の色彩、大きさ、または表示位置など、あるいは出現するキャラクタの種類などによって設定値を示唆する設定値演出を実行するようにしても良い。
また、第1始動口11などに入賞した遊技球は検知せずに、アウト口19に入球した遊技球のみを検知するセンサを設け、アウト口19に入球した遊技球の個数に基づいて、前述の設定値演出と同様に設定値演出を実行するようにしても良い。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態でも、パチンコ遊技機PY1は、遊技領域6に進入した後に遊技領域6の外へ排出される遊技球に基づいて、設定値に関する設定値演出を実行する。なお、第2実施形態では、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、アウトセンサ19aが設けられている。また、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理において、アウト球が発生したか否かを判定し、アウト球が発生したと判定すると、アウト指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
さらに、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理の一般入賞口賞球処理(S202)において、一般入賞口10に遊技球が入賞したことを示す一般入賞口入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理の大入賞口賞球処理(S224)において、大入賞口14に遊技球が入賞したことを示す大入賞口入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
ここで、遊技領域6に進入した遊技球は、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、またはアウト口19の何れかに入球して遊技領域6の外へ排出されることから、アウト球の個数は、正常に発射されて遊技領域6に進入できた遊技球の個数ということもできる。よって、アウト球の個数は、発射された遊技球の個数と位置づけることもできる。以下において、正常に発射された遊技球の個数のことを「発射球数」ともいう。
そして、演出制御用マイコン121は、発射球数と獲得した賞球数との差分である差分数を計数する。獲得した賞球数とは、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、および大入賞口14に入球することによって獲得した賞球の個数のことである。入賞による賞球数は適宜に設定可能であるが、前述の例示では、一般入賞口10に遊技球が入球すると3個の遊技球が賞球として払い出される。同様に、第1始動口11、または第2始動口12に遊技球が入球すると4個の遊技球が賞球として払い出される。また、大入賞口14に遊技球が入球すると14個の遊技球が賞球として払い出される。そして、発射球数を負の値で表し、賞球数を正の値で表すとする。そうすると、例えば、遊技球が12000個発射され、一般入賞口10に3個入球し、第1始動口11に150個入球し、第2始動口12に5個入球し、大入賞口14に45個入球したとする。この場合、差分数は、(3×3)+(4×150)+(4×5)+(14×45)−12000=−10741となる。
さらに、演出制御用マイコン121は、差分数が−20000個に達すると、設定値演出を実行する。第1実施形態と異なり、設定値演出は、特図変動演出、大当たり遊技演出、またはデモ演出の何れのときにも実行可能である。設定値演出では、例えば、図52に示すように、設定値に応じた高さで小型無人航空機画像G21が表示される。すなわち、小型無人航空機画像G21が表示される高さが設定値を示唆する。なお、詳細には、設定値が高くなるにつれて、小型無人航空機画像G21が表示される位置が高くなる。
例えば、特図変動演出が行われているときに、差分数が−20000個に達すると、設定値「1」が設定されていれば、設定値の中で最も低い高さで小型無人航空機画像G21が、表示部50aを右から左に横切るように、表示部50aの右端に出現して左に向かって移動し、左端から消えていく。(図52(A)参照)。同様に、設定値「6」が設定されていれば、設定値の中で最も高い高さで小型無人航空機画像G21が表示される(図52(F)参照)。また、設定値「2」〜設定値「5」が設定されていれば、設定値に応じた高さで小型無人航空機画像G21が表示される(図52(B)〜図52(E)参照)。
なお、第2実施形態の設定値演出を行うための処理は適宜に設定可能であるが、例えば、演出用RAM124に、差分数を計数する差分数カウンタを設ける。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理において、アウト球コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していると判定すると、差分数カウンタを「1」減算する処理を行う。また、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理において、一般入賞口入賞コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していると判定すると、差分数カウンタを「3」加算する処理を行う。さらに、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理において、大入賞口入賞コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していると判定すると、差分数カウンタを「14」加算する処理を行う。加えて、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理のステップS4301において、始動入賞コマンドを受信していると判定した場合、例えば、始動入賞時処理の後に、差分数カウンタを「4」加算する処理を行う。
そして、演出制御用マイコン121は、例えば10msタイマ割り込み処理(S4012)のステップS4203の後において、設定値演出判定処理を行う。演出制御用マイコン121は、設定値演出判定処理において、まずは、差分数カウンタのカウンタ値が−20000であるか否か、すなわち、差分数が−20000に達したか否かを判定する処理を行う。続いて、演出制御用マイコン121は、差分数カウンタのカウンタ値が−20000であると判定すると、設定値フラグが示す設定値に応じた設定値演出を画像制御基板140に実行させるために、その設定値に応じた設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。設定値演出開始コマンドはステップS4004のコマンド送信処理によって、画像制御基板140に送信される。そして、画像制御基板140は、受信した設定値演出開始コマンドに基づいて、設定値に応じた高さで小型無人航空機画像G21を適宜に表示する。
以上のように、アウト球が反映された差分数に基づいて設定値演出が実行されることによって、発射されたがアウト口19に入球してしまった遊技球も無駄にはならないので、遊技者の遊技意欲の減退を防いで稼働率の向上を図ると共に、遊技興趣を向上させることができる。
(第2実施形態の変更例)
なお、設定値演出の実行条件を構成する差分数は−20000個に限らず、適宜に設定されても良い。例えば、また、設定値演出を実行するための差分数(以下、「差分数判定値」という)は1つに限らず複数設定されても良い。例えば、図53に示すように、設定値に差分数判定値を対応付けても良い。図53に示すように、設定値が高くなるにつれて差分数判定値が低くなるようにしても良い。このようにすることで、例えば、差分数が−12000個に到達したが、設定値演出が実行されない場合、少なくとも、最も遊技者に不利な設定値「1」でないことが確定するので、遊技者に安心感を与えることができる。差分数が増えるということは遊技者からすると苦しい状況であるが、その状況が長期化するにつれて設定値が高いということであるので、遊技者の遊技意欲の減退を抑えることができる。
また、差分数判定値を−15000個と−30000個に設定する。そして、差分数が−15000個に達したときには、設定値が1〜3の何れかか4〜6の何れか、言い換えると相対的に低い値か高い値かを示唆する第1設定値演出を行う。この場合、第1設定値演出の演出態様は2種類あり、一方の演出態様であれば、設定値が1〜3の相対的に低い値であり、他方の演出態様であれば、設定値が4〜6の相対的に高い値である。次に、差分数が−30000個に達したときには、設定値が1〜3の何れかまたは4〜6の何れかを示唆する第2設定値演出を行う。この場合、第2設定値演出の演出態様は3種類あり、ある演出態様であれば、設定値が1または4の何れかであり、別のある演出態様であれば、設定値が2または5の何れかであり、残りの演出態様であれば、設定値が3または6の何れかであるようにしても良い。このように、設定値演出の実行によって設定値を段階的に示唆しても良い。
さらに、設定値演出は、小型無人航空機画像G21の表示位置によって設定値を示唆しているが、設定値を示唆する演出態様は小型無人航空機画像G21の表示位置に限られず、適宜に設定しても良い。例えば、小型無人航空機画像G21の大きさ、色彩、移動速度、あるいは数などの他の演出態様によって設定値演出が設定値を示唆するようにしても良い。また、設定値演出を、画像表示装置50に代えて、または画像表示装置50に加えて、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの他の演出装置を用いて実行しても良い。
また、設定値演出には6種類の演出態様が設定されており、各演出態様と設定値とが1対1で対応付けられているが、1つの演出態様に複数の設定値が対応付けられても良い。例えば、演出態様が3種類あり、1つ目の演出態様には設定値「1」および設定値「2」が対応付けられ、2つ目の演出態様には設定値「3」および設定値「4」が対応付けられ、3つ目の演出態様には設定値「5」および設定値「6」が対応付けられるようにしても良い。さらには、1つ目の演出態様には設定値「1」および設定値「6」が対応付けられ、2つ目の演出態様には設定値「2」および設定値「5」が対応付けられ、3つ目の演出態様には設定値「3」および設定値「4」が対応付けられるようにしても良い。
あるいは、演出態様が6種類あり、各演出態様に全ての設定値が対応付けられているが、その演出態様によって設定されている設定値の可能性が異なるようにしても良い。例えば、設定値演出の演出態様として、第1演出態様〜第6演出態様が設定されており、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」>設定値「5」>設定値「6」の順で、第1演出態様の設定値演出が実行される可能性が高く、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「3」>設定値「2」>設定値「1」の順で、第6演出態様の設定値演出が実行される可能性が高いというように構成しても良い。
また、設定値演出の実行条件である差分数には、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、および大入賞口14の賞球数が反映されているが、差分数に反映させる賞球の種別を一部に制限しても良い。例えば、設定値演出の実行条件である差分数に、大入賞口14への入球によって獲得した賞球のみを反映するようにしても良い。あるいは、設定値演出の実行条件である差分数に、一般入賞口10、第1始動口11、および第2始動口12への入球によって獲得した賞球のみを反映するようにしても良い。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機PY1は、前述した基本的な実施形態と異なる画像で演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示を実行することが可能である。そして、この演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示を用いて設定値を示唆する設定値演出を実行する。なお、第3実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に、設定値演出を構成する演出図柄について説明する。設定値演出に係る演出図柄として、図54(A)〜図54(C)に示すように、第1複合図柄G221、第2複合図柄G222、および第3複合図柄G223がある。第1複合図柄G221は、第1通常演出ステージの演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示で用いられる。同様に、第2複合図柄G222は、第2通常演出ステージの演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示で用いられる。第3複合図柄G223は、第3通常演出ステージの演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示で用いられる。以下において、第1複合図柄G221、第2複合図柄G222、および第3複合図柄G223のことを「複合図柄G22」と総称する。
第1複合図柄G221は、特図抽選結果を示唆するための第1抽選結果示唆部G221aと、設定値を示唆するための第1設定値示唆部G221bと、を有する。同様に、第2複合図柄G222は、特図抽選結果を示唆するための第2抽選結果示唆部G222aと、設定値を示唆するための第2設定値示唆部G222bと、を有する。また、第3複合図柄G223は、特図抽選結果を示唆するための第3抽選結果示唆部G223aと、設定値を示唆するための第3設定値示唆部G223bと、を有する。
なお、以下において、第1抽選結果示唆部G221a、第2抽選結果示唆部G222a、および第3抽選結果示唆部G223aのことを「抽選結果示唆部G22a」と総称する。また、第1設定値示唆部G221b、第2設定値示唆部G222b、および第3設定値示唆部G223bのことを「設定値示唆部G22b」と総称する。
抽選結果示唆部G22aは、役割的には、基本的な実施形態、および第1実施形態〜第2実施形態で演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示に用いられていた演出図柄G10と同一である。よって、複合図柄G22は、基本的な実施形態、および第1実施形態〜第2実施形態における演出図柄G10に設定値示唆部G22bが付加して構成されているといえる。
第1抽選結果示唆部G221aは、基本的な実施形態などと同様に、野球のボールに「1」〜「9」の数字が重なった画像で構成されている。同様に、第2抽選結果示唆部G222aは、野球のグローブに「1」〜「9」の数字が重なった画像で構成されている。また、第3抽選結果示唆部G223aは、野球の帽子に「1」〜「9」の数字が重なった画像で構成されている。
なお、図54(A)〜図54(C)に示す第1抽選結果示唆部G221a〜第3抽選結果示唆部G223aの数字部分は「1」であるが、これは数字部分が「1」である場合の第1抽選結果示唆部G221a〜第3抽選結果示唆部G223aを例示しており、基本的な実施形態などと同様に、この数字部分が「2」〜「9」で構成される第1抽選結果示唆部G221a〜第3抽選結果示唆部G223aも設けられている。また、基本的な実施形態などの場合と同様に、第1抽選結果示唆部G221a〜第3抽選結果示唆部G223aの「3」、および「7」の数字部分は赤色で構成され、第1抽選結果示唆部G221a〜第3抽選結果示唆部G223aのそれ以外の数字部分は青色で構成されている。
第1設定値示唆部G221b、第2設定値示唆部G222b、および第3設定値示唆部G223bは、上下方向に開閉することができるシャッターを表す同一画像で構成される。図54(A)〜図54(C)は、第1設定値示唆部G221b〜第3設定値示唆部G223bのシャッターが閉じている状態の第1複合図柄G221〜第3複合図柄G223を表している。ここで、第1複合図柄G221を例にすると、第1設定値示唆部G221bのシャッターが開くと、第1設定値示唆部G221bは、図54(D)〜図54(F)の何れかの状態となる。具体的には、第1設定値示唆部G221bのシャッターが開くと、第1設定値示唆部G221bに、「○」が表示される場合と(図54(D))、「△」が表示される場合と(図54(E))、「×」が表示される場合と(図54(F))、がある。
なお、第2設定値示唆部G222b、および第3設定値示唆部G223bにも、第1設定値示唆部G221bと同様に、「○」、「△」、および「×」が表示される。以下において、設定値示唆部G22bに表示される「○」のことを「第1設定値図柄G23a」と称し、設定値示唆部G22bに表示される「△」のことを「第2設定値図柄G23b」と称し、設定値示唆部G22bに表示される「×」のことを「第3設定値図柄G23c」と称する。さらに、第1設定値図柄G23a〜第3設定値図柄G23cのことを「設定値図柄G23」と総称する。
また、抽選結果示唆部G22aに表示される数字は、特図抽選結果を示唆するための識別情報を構成しているので、抽選結果示唆部G22aに表示される数字のことを「抽選結果情報」という。また、設定値示唆部G22bに表示される「○」、「△」、および「×」は、設定値を示唆するための情報を構成するので、設定値示唆部G22bに表示される「○」、「△」、および「×」のことを「設定値情報」という。
設定値示唆部G22bのシャッターは、複合図柄G22の種類に関係なく、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われたときに開く。そして、設定値示唆部G22bのシャッターが開いたときに、演出図柄EZ1〜EZ3のそれぞれの設定値示唆部G22bに表示される設定値図柄G23の組み合わせによって設定値が示唆される。すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示時に、演出図柄EZ1〜EZ3のそれぞれに設定値図柄G23が表示されることが設定値演出を構成する。
なお、複合図柄G22の種類に関係なく、設定値示唆部G22bには、第1設定値図柄G23a〜第3設定値図柄G23cの何れも表示可能である。よって、設定値演出の演出内容となる設定値図柄G23の組み合わせは、27種類となる。以下において、設定値図柄G23の組み合わせのことを「設定値図柄パターン」ともいう。
また、第3実施形態では、設定値演出は、複合図柄G22の種類に関係なく、すなわち、演出ステージの種類に関わらず、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる度に同じように実行される。すなわち、設定値演出は、特図変動演出に応じて実行される。設定値図柄パターンは、特図変動演出が実行される度に選択される。何れの設定値図柄パターンを選択するかは、設定されている設定値に基づいて決定される。そして、各設定値図柄パターンに対する選択率は、設定値によって異なる。設定値によって設定値図柄パターンに対する選択率が異なるので、実行される設定値演出の設定値図柄パターンによって設定値が示唆される。
設定値毎の各設定値図柄パターンに対する選択率を、図55に示す。ここで、図55の「設定値図柄の組み合わせ」の欄は、3つの設定値図柄G23の組み合わせを表しており、左端が左演出図柄EZ1の設定値示唆部G22bに表示される設定値図柄G23を表し、中央が中演出図柄EZ2の設定値示唆部G22bに表示される設定値図柄G23を表し、右端が右演出図柄EZ3の設定値示唆部G22bに表示される設定値図柄G23を表している。
この設定値図柄パターンの選択率は適宜に設定されるが、例えば、設定値図柄G23の組み合わせが「○・○・○」である場合、設定値「6」=設定値「5」>設定値「4」=設定値「3」>設定値「2」=設定値「1」の順序でその組み合わせに対応する設定値図柄パターン1が選択される確率が高い。すなわち、この順序でその設定値が設定されている可能性が高い。同様に、設定値図柄G23の組み合わせが「×・×・×」である場合、設定値「1」=設定値「2」>設定値「3」=設定値「4」>設定値「5」=設定値「6」の順序でその組み合わせに対応する設定値図柄パターン27が選択される確率が高い。すなわち、この順序でその設定値が設定されている可能性が高い。また、設定値図柄G23の組み合わせが「△・△・△」である場合、設定値「3」=設定値「4」>設定値「1」=設定値「2」=設定値「5」=設定値「6」の順序でその組み合わせに対応する設定値図柄パターン14が選択される確率が高い。すなわち、この順序でその設定値が設定されている可能性が高い。
ここで、設定値演出の具体例について説明する。ここでは、第1通常演出ステージにおけるリーチ無しハズレの特図変動演出で設定値演出が実行される具体例について説明する。例えば、図56(A)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が行われ、そして、図56(B)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示が行われた後、演出図柄EZ1〜EZ3の変動が停止して演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるときに、設定値演出が実行される。
具体的には、演出図演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるときに、図56(C)〜図56(E)に示すように、その前まで設定値示唆部G22bで閉じていたシャッターが開いて、演出図柄EZ1〜EZ3に係る設定値示唆部G22bに設定値図柄G23が表示される。
なお、図56では、設定値演出として、演出図柄EZ1〜EZ3に係る設定値示唆部G22bで、同一の設定値図柄G23が表示されているが、演出図柄EZ1〜EZ3に係る設定値示唆部G22bで全て異なる種類の設定値図柄G23が表示されることもある。また、演出図柄EZ1〜EZ3に係る設定値示唆部G22bの中の2つで同一種類の設定値図柄G23が表示され、残りの1つで異なる種類の設定値図柄G23が表示されることもある。
また、図56では、リーチ無しハズレの特図変動演出で設定値演出が実行されているが、リーチ有りハズレや大当たりの特図変動演出でも同様に、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる際に、設定されている設定値に基づく設定値演出が実行される。さらに、図56では、第1通常演出ステージにおいて設定値演出が実行されているが、第2通常演出ステージや第3通常演出ステージでも同様に、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるときに、設定されている設定値に基づいて設定値演出が実行される。ただし、第2通常演出ステージであれば第2複合図柄G222を用いた演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示および設定値演出が行われる。また、第3通常演出ステージであれば第3複合図柄G223を用いた演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示および設定値演出が行われる。
次に、図57に基づいて、演出制御用マイコン121が設定値図柄パターンを決定する処理について説明する。設定値図柄パターンは、前述の特図変動演出開始処理における停止図柄パターン決定処理において決定される。すなわち、第3実施形態の停止図柄パターン決定処理は、前述の基本的な実施形態の停止図柄パターン決定処理と異なる。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン決定処理において、まず、ステップS5001として、記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄種別、またはハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、何れの抽選結果情報で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行うかを判定する抽選結果情報判定を行うための抽選結果情報判定テーブルを選択する。
図58に示すように、抽選結果情報判定テーブルには、停止特図が大当たり図柄A、または大当たり図柄Dのときに用いられる抽選結果情報判定テーブル、停止特図が大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、または大当たり図柄Fのときに用いられる抽選結果情報判定テーブル、特図変動パターンがリーチ有りハズレのときに用いられる抽選結果情報判定テーブル、および、特図変動パターンがリーチ無しハズレのときに用いられる抽選結果情報判定テーブルがある。
各抽選結果情報判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連付けられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた抽選結果情報判定テーブルを1つ選択する。各抽選結果情報判定テーブルには、図58に示す選択率(%)となるように、抽選結果情報を具体的に表す演出図柄EZ1〜EZ3のそれぞれに係る抽選結果示唆部G22aに表示する数字に抽選結果情報判定用乱数の値(抽選結果情報判定値)が振り分けられている。なお、各抽選結果情報に対して、停止図柄パターンが抽選結果情報を識別する識別情報として対応付けられている。
演出制御用マイコン121は、ステップS5002において、抽選結果情報判定用乱数カウンタが示す値を抽選結果情報判定用乱数として取得し、ステップS5003において、取得した抽選結果情報判定用乱数に基づいて抽選結果情報判定を行う。抽選結果情報判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
演出制御用マイコン121は、抽選結果情報判定において、選択した抽選結果情報判定テーブルに、取得した抽選結果情報判定用乱数を照合し、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に係る抽選結果情報を決定する。そして、演出制御用マイコン121は、ステップS5004において、決定した抽選結果情報を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。なお、以下において、決定した抽選結果情報を表すデータを「抽選結果情報データ」という。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5005において、セットされている設定値フラグが示す設定値に基づいて、設定値図柄パターン判定テーブルを選択する。前述のように、設定値図柄パターン判定テーブルには、設定値「1」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブル、設定値「2」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブル、設定値「3」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブル、設定値「4」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブル、設定値「5」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブル、および設定値「6」のときに用いられる設定値図柄パターン判定テーブルがある。
各設定値図柄パターン判定テーブルは、設定値に関連付けられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、設定値に対応付けられた設定値図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各設定値図柄パターン判定テーブルには、図55に示す選択率(%)となるように、設定値図柄パターンに設定値図柄パターン判定用乱数の値(設定値図柄パターン判定値)が振り分けられている。
演出制御用マイコン121は、ステップS5006において、設定値図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を設定値図柄パターン判定用乱数として取得し、ステップS5007において、取得した設定値図柄パターン判定用乱数に基づいて設定値図柄パターン判定を行う。設定値図柄パターン判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
演出制御用マイコン121は、設定値図柄パターン判定において、選択した設定値図柄パターン判定テーブルに、取得した設定値図柄パターン判定用乱数を照合し、設定値図柄パターンを決定する。そして、演出制御用マイコン121は、ステップS5008において、決定した設定値図柄パターンを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。なお、以下において、決定した設定値図柄パターンを表すデータを「設定値図柄パターンデータ」という。
最後に、演出制御用マイコン121は、ステップS5009において、抽選結果情報パターン、および設定値図柄パターンを示す演出図柄コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、停止図柄パターン判定処理を終える。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出図柄コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて、演出図柄コマンドが示す抽選結果情報パターン、および設定値図柄パターンで演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行うと共に、当該抽選結果情報パターンで小図柄KZ1〜KZ3の停止表示を行う。
なお、図示はしないが、例えばLリーチやSPリーチが実行された場合、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3は縮小されると共に、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上隅に移動し、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上隅に移動する。そして、このとき、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3は、抽選結果示唆部G22aの数字部分のみからなり、LリーチやSPリーチへの突入前より簡素化されるようにしても良い。
以上のように、特図の可変表示に伴って実行される演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示をおいて、設定値を示唆する設定値演出が実行されるので、遊技興趣が向上すると共に、遊技に対する飽きを防止することができる。特に、この効果は、基本的にはリーチ無しハズレが繰り返し淡々と続く際に効果的である。
また、設定値演出は、演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示と同様に特図の可変表示に伴って実行されるが、演出図柄EZ1〜EZ3よりも小さい小図柄KZ1〜KZ3の可変表示においては実行されていない。このように、設定値演出が重複して実行されないことで、設定値演出が煩わしくなり、設定値演出の演出効果が低下することを抑えることができる。
(第3実施形態の変更例)
第3実施形態における設定値演出は、複合図柄G22を用いて実行されるが、複合図柄G22の構成はこれに限られず適宜に設定しても良い。例えば、設定値演出に係る設定値示唆部G22bは、抽選結果示唆部G22aの下端部に付加されているが、この設定値示唆部G22bの抽選結果示唆部G22aに対する位置は、適宜に設定しても良い。具体的には、設定値示唆部G22bを抽選結果示唆部G22aの上端部、右端部、または左端部に配置しても良い。あるいは、設定値示唆部G22bを抽選結果示唆部G22aに重ねて配置しても良い。さらに、設定値示唆部G22bは、抽選結果示唆部G22aよりも小さいが、この設定値示唆部G22bの抽選結果示唆部G22aに対する大きさは、抽選結果示唆部G22aと略同一または抽選結果示唆部G22aよりも大きいなど、適宜に設定しても良い。
また、設定値演出は、複合図柄G22を用いて実行されるが、基本的な実施形態などのように、設定値演出を示唆する設定値示唆部G22bが設けられていない画像を用いて演出図柄EZ1〜EZ3を実行し、演出図柄EZ1〜EZ3とは別の図柄を用いて設定値演出を実行しても良い。この場合、設定値演出は、表示部50aにおいて設定値演出用の領域を設け、または画像表示装置50以外の画像表示装置を設置して実行するようにしても良い。
さらに、第3実施形態の設定値演出に係る設定値図柄G23の種類は「○」、「△」、「×」であるが、これらのうちの一部で、あるいは「◇」や「□」などの他の種類を加えて設定値演出を実行するようにしても良い。または、「○」、「△」、「×」とは全く異なる画像を用いて設定値演出を実行しても良い。あるいは、設定値演出に係る設定値図柄G23の種類を1種類として、その1種類の設定値図柄G23が演出図柄EZ1〜EZ3の全ての設定値示唆部G22bで揃って表示される頻度のみで、設定値を示唆するようにしても良い。
また、第3実施形態の設定値演出に係る各設定値図柄G23が演出図柄EZ1〜EZ3の全ての設定値示唆部G22bで揃って表示される確率は、設定値「1」および設定値「2」、設定値「3」および設定値「4」、ならびに設定値「5」および設定値「6」でそれぞれ同じように、6段階の設定値を「小」、「中」、「高」に分けて設定されているが、この分け方はこれに限られず適宜に設定しても良い。例えば、各設定値図柄G23が演出図柄EZ1〜EZ3の全ての設定値示唆部G22bで揃って表示される確率は、6段階の設定値ごとに相違して設定しても良いし、6段階の設定値を設定値「1」〜設定値「3」と設定値「4」〜設定値「6」の「小」、「高」に分けて設定しても良い。
また、第3実施形態の設定値演出は、何れの特図変動演出においても実行されているが、大当たりの特図変動演出、またはLリーチおよびSPリーチの特図変動演出では実行しないなど、設定値演出の実行条件を制限しても良い。あるいは、特図変動演出の開始時に、設定値演出を実行するか否かの判定を行って、当該判定で設定値演出を実行すると判定した場合にのみ設定値演出を実行するようにしても良い。
また、第3実施形態の設定値演出は、低確率低ベース遊技状態における第1通常演出ステージ〜第3通常演出ステージの何れの通常演出ステージでも実行されているが、特定の通常演出ステージでのみ実行されるようにしても良い。あるいは、低確率低ベース遊技状態における演出ステージとして、第1通常演出ステージ〜第3通常演出ステージでは設定値演出が実行されず、設定値演出が実行可能な特定の演出ステージを第1通常演出ステージ〜第3通常演出ステージ以外に設け、特定条件が成立した場合に、特定の演出ステージに移行するようにしても良い。
特定条件は、適宜に設定可能である。例えば、特定条件を、ハズレに係る特図変動演出の終了毎に特定演出ステージに移行させるか否かの判定を行い、当該判定で特定の演出ステージに移行させると判定されることに設定しても良い。また、特定条件を、SPリーチ演出やデモ演出などの特定演出の実行に設定しても良い。そして、特定条件が成立すると、その次に開始される特図変動演出から特定の演出ステージに移行するようにしても良い。この場合、背景画像は特定の演出ステージに専用の背景画像にしても良い。あるいは、背景画像は変更されないが、演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示に用いる画像を演出図柄G10から複合図柄G22に変更するようにしても良い。
また、設定値演出は演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示時に実行されるが、設定値演出の実行時期はこれに限られず適宜に設定しても良い。例えば、設定値演出の実行時期をリーチ成立時に設定し、リーチの成立時に左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が仮停止する際に設定値示唆部G22bのシャッターが開いて、第1設定値図柄G23a、第2設定値図柄G23b、および第3設定値図柄G23cの何れかが表示され、そのときの左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3に係る設定値示唆部G22bに表示される設定値図柄G23の組み合わせによって、設定値を示唆するようにしても良い。
また、設定値演出で設定値図柄G23が表示されるまでは設定値示唆部G22bにシャッターが表示されており、設定値図柄G23は隠されているが、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示中、設定値図柄G23は視認可能であり、例えば、所謂「回胴式遊技機」のリールやルーレットのように変動表示されるようにしても良い。
また、第3実施形態の設定値演出は、低確率低ベース遊技状態においてのみ実行されているが、高確率高ベース遊技状態や低確率高ベース遊技状態でも実行可能にしても良い。あるいは、低確率低ベース遊技状態において実行されないが、高確率高ベース遊技状態や低確率高ベース遊技状態において実行されるようにしても良い。
<第4実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第4実施形態について説明する。第4実施形態では、パチンコ遊技機PY1は、前述した第1実施形態〜第3実施形態とは異なる条件で、設定値を示唆する設定値演出を実行することが可能である。具体的には、パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入された後の特図可変表示の実行回数に基づいて設定値演出が実行される。なお、第4実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に、第4実施形態の設定値演出の実行契機となる特図可変表示の実行回数について説明する。第4実施形態では、パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入された後の特図可変表示の実行回数が特定回数のときに大当たりに当選すると設定値演出が実行される。なお、以下において、パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入された後の特図可変表示の実行回数を「投入後回数」と称する。
特定回数は、所謂「ゾロ目」に関連している。特定回数には、下3桁が同一の奇数からなる投入後回数と、下3桁が同一の偶数からなる投入後回数と、下2桁が同一の奇数からなる投入後回数と、下2桁が同一の偶数からなる投入後回数と、がある。以下において、下3桁が同一の奇数からなる投入後回数のことを「第1奇数特定回数」と称し、下3桁が同一の偶数からなる投入後回数のことを「第1偶数特定回数」と称し、下2桁が同一の奇数からなる投入後回数のことを「第2奇数特定回数」と称し、下2桁が同一の偶数からなる投入後回数のことを「第2偶数特定回数」と称す。なお、第2奇数特定回数に、第1奇数特定回数は含まれない。また、第2偶数特定回数に、第1偶数特定回数は含まれない。
そして、設定値「3」、または設定値「5」が設定され、投入後回数が第1奇数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選すると、演出制御用マイコン121は、その大当たりに係る大当たり遊技において、設定値が3または5であることを示唆する設定値演出を実行する。具体的には、最終のラウンド遊技とエンディングの間に設定値演出が実行される。以下において、この設定値演出のことを「奇数高設定示唆演出」という。
設定値「4」、または設定値「6」が設定され、投入後回数が第1偶数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選すると、演出制御用マイコン121は、その大当たりに係る大当たり遊技において、設定値が4または6であることを示唆する設定値演出を実行する。具体的には、最終のラウンド遊技とエンディングの間に設定値演出が実行される。以下において、この設定値演出のことを「偶数高設定示唆演出」という。
そして、設定値「1」、設定値「3」、または設定値「5」が設定され、投入後回数が第2奇数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選すると、演出制御用マイコン121は、その大当たりに係る大当たり遊技において、設定値が1、3、または5であることを示唆する設定値演出を実行する。具体的には、オープニングと1ラウンドの間に設定値演出が実行される。以下において、この設定値演出のことを「奇数設定示唆演出」という。
そして、設定値「2」、設定値「4」、または設定値「6」が設定され、投入後回数が第2偶数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選すると、演出制御用マイコン121は、その大当たりに係る大当たり遊技において、設定値が2、4、または6であることを示唆する設定値演出を実行する。具体的には、オープニングと1ラウンドの間に設定値演出が実行される。以下において、この設定値演出のことを「偶数設定示唆演出」という。
次に、第4実施形態の設定値演出の具体例について説明する。最初に、奇数高設定示唆演出について説明する。例えば、設定値「3」、または設定値「5」が設定され、投入後回数が、555、777、1111、および1333などの第1奇数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選するとする。ここで、その大当たりに係る特図可変表示が終了すると、次に大当たり遊技が開始され、ラウンド遊技が進行して、図59(A)に示すように、最後のラウンド遊技が行われる。
そして、エンディングが開始されてラウンド演出から大当たりエンディング演出に切り替わろうとするときに、奇数高設定示唆演出が実行される。具体的には、図59(B)に示すように、表示部50aの全体に、設定値が3または5であることを示唆する画像(以下、「奇数高設定画像G31」という)がカットイン表示される。
奇数高設定画像G31には、背番号「35」が付された野球のユニフォームを着た選手の後ろ姿が含まれている。この背番号によって、設定値が3または5であることを示唆している。また、奇数高設定画像G31では、選手が両手の親指で背番号に注目するよう促している。
そして、奇数高設定画像G31のカットイン表示、すなわち奇数高設定示唆演出が3秒程度行われると、図59(C)に示すように、奇数高設定画像G31からエンディング用背景画像G202に切り替わり、奇数高設定画像G31が消去されて奇数高設定示唆演出が終了し、大当たりエンディング演出が開始される。
次に、偶数高設定示唆演出について説明する。例えば、設定値「4」、または設定値「6」が設定され、投入後回数が、666、888、1222、および1444などの第1偶数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選するとする。ここで、その大当たりに係る特図可変表示が終了すると、次に大当たり遊技が開始され、ラウンド遊技が進行して、図60(A)に示すように、最後のラウンド遊技が行われる。
そして、エンディングが開始されてラウンド演出から大当たりエンディング演出に切り替わろうとするときに、偶数高設定示唆演出が実行される。具体的には、図60(B)に示すように、表示部50aの全体に、設定値が2または4であることを示唆する画像(以下、「偶数高設定画像G32」という)がカットイン表示される。
偶数高設定画像G32には、背番号「46」が付された野球のユニフォームを着た選手の後ろ姿が含まれている。この背番号によって、設定値が4または6であることを示唆している。また、偶数高設定画像G32では、選手が両手の親指で背番号に注目するよう促している。
そして、偶数高設定画像G32のカットイン表示、すなわち偶数高設定示唆演出が3秒程度行われると、図60(C)に示すように、偶数高設定画像G32からエンディング用背景画像G202に切り替わり、偶数高設定画像G32が消去されて偶数高設定示唆演出が終了し、大当たりエンディング演出が開始される。
次に、奇数設定示唆演出について説明する。例えば、設定値「1」、設定値「3」、または設定値「5」が設定され、投入後回数が、55、77、133、および211などの第2奇数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選するとする。ここで、その大当たりに係る特図可変表示が終了すると、大当たり遊技が開始され、図61(A)に示すように、大当たりオープニング演出が行われる。
そして、1ラウンドが開始されて大当たりオープニング演出からラウンド演出に切り替わろうとするときに、奇数設定示唆演出が実行される。具体的には、図61(B)に示すように、表示部50aの全体に、設定値が1、3または5であることを示唆する画像(以下、「奇数設定画像G33」という)がカットイン表示される。
奇数設定画像G33には、背番号「135」が付された野球のユニフォームを着た選手の後ろ姿が含まれている。この背番号によって、設定値が1、3または5であることを示唆している。また、奇数設定画像G33では、選手が両手の親指で背番号に注目するよう促している。
そして、奇数設定画像G33のカットイン表示、すなわち奇数設定示唆演出が3秒程度行われると、図61(C)に示すように、奇数設定画像G33からラウンド用背景画像G201に切り替わり、奇数設定画像G33が消去されて奇数設定示唆演出が終了し、1ラウンドのラウンド演出が開始される。
次に、偶数設定示唆演出について説明する。例えば、設定値「2」、設定値「4」、または設定値「6」が設定され、投入後回数が、66、88、122、および344などの第2偶数特定回数であるときの特図可変表示で大当たりに当選するとする。ここで、その大当たりに係る特図可変表示が終了すると、大当たり遊技が開始され、図62(A)に示すように、大当たりオープニング演出が行われる。
そして、1ラウンドが開始されて大当たりオープニング演出からラウンド演出に切り替わろうとするときに、偶数設定示唆演出が実行される。具体的には、図62(B)に示すように、表示部50aの全体に、設定値が2、4または6であることを示唆する画像(以下、「偶数設定画像G34」という)がカットイン表示される。
偶数設定画像G34には、背番号「246」が付された野球のユニフォームを着た選手の後ろ姿が含まれている。この背番号によって、設定値が2、4または6であることを示唆している。また、偶数設定画像G34では、選手が両手の親指で背番号に注目するよう促している。
そして、偶数設定画像G34のカットイン表示、すなわち偶数設定示唆演出が3秒程度行われると、図62(C)に示すように、偶数設定画像G34からラウンド用背景画像G201に切り替わり、偶数設定画像G34が消去されて偶数設定示唆演出が終了し、1ラウンドのラウンド演出が開始される。
次に、図63に基づいて、演出制御用マイコン121が設定値演出を実行するか否かを決定する処理について説明する。この処理は、受信コマンド解析処理(S4201)のステップS4305で特図変動開始コマンドを受信したと判定された場合に、特図変動演出終了処理の直後に、設定値演出判定処理として実行される。
演出制御用マイコン121は、設定値演出判定処理において、まず、ステップS5101として、投入後回数を計数する投入後回数カウンタのカウンタ値を「1」加算する。投入後回数カウンタは演出用RAM124に設けられており、当該設定値演出判定処理が行われる度に「1」加算される。
次に、ステップS5102において、演出制御用マイコン121は、記憶されている特図変動開始コマンドなどに基づいて、これから大当たり変動が開始されるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大当たり変動が開始されないと判定すると設定値演出判定処理を終え、大当たり変動が開始されると判定すると、ステップS5103において、投入後回数カウンタを確認して投入後回数の下三桁が同一数字であるか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、下三桁が同一数字ではないと判定するとステップS5109に進み、下三桁が同一数字であると判定すると、ステップS5104において、投入後回数カウンタを確認して下三桁が奇数の同一数字であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、下三桁が奇数の同一数字ではないと判定するとステップS5107に進み、下三桁が奇数の同一数字であると判定すると、ステップS5105に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5105において、セットされている設定値フラグを確認して、設定値が3または5であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値が3または5の何れでもないと判定するとステップS5112に進み、設定値が3または5であると判定すると、ステップS5106において、奇数高設定示唆演出フラグを演出用RAM124の設定値演出フラグ領域にセットし、設定値演出判定処理を終える。
演出制御用マイコン121は、ステップS5107において、セットされている設定値フラグを確認して、設定値が4または6であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値が4または6の何れでもないと判定するとステップS5114に進み、設定値が3または5であると判定すると、ステップS5108において、偶数高設定示唆演出フラグを演出用RAM124の設定値演出フラグ領域にセットし、設定値演出実行判定処理を終える。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS5109において、投入後回数カウンタを確認して、投入後回数の下二桁が同一数字であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、下二桁が同一数字ではないと判定すると設定値演出判定処理を終え、下二桁が同一数字であると判定すると、ステップS5110において、投入後回数カウンタを確認して、下二桁が奇数の同一数字であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、下二桁が奇数の同一数字ではないと判定するとステップS5113に進み、下二桁が奇数の同一数字であると判定すると、ステップS5111に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5111において、セットされている設定値フラグを確認して、設定値が1、3、または5であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値が1、3、または5の何れでもないと判定すると設定値演出判定処理を終え、設定値が1、3、または5であると判定すると、ステップS5112に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5112において、奇数設定示唆演出フラグを演出用RAM124の設定値演出フラグ領域にセットし、設定値演出判定処理を終える。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS5113において、セットされている設定値フラグを確認して、設定値が2、4、または6であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値が2、4、または6の何れでもないと判定すると設定値演出判定処理を終え、設定値が2、4、または6であると判定すると、ステップS5114に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5114において、偶数設定示唆演出フラグを演出用RAM124の設定値演出フラグ領域にセットし、設定値演出判定処理を終える。
演出制御用マイコン121は、奇数高設定示唆演出フラグ、偶数高設定示唆演出フラグ、奇数設定示唆演出フラグ、または偶数設定示唆演出フラグをセットすると、セットした設定値演出フラグに基づいて、大当たり遊技において、奇数高設定示唆演出、偶数高設定示唆演出、奇数設定示唆演出、または偶数設定示唆演出を画像制御基板140に実行させる。
例えば、演出制御用マイコン121は、奇数高設定示唆演出フラグ、または偶数高設定示唆演出フラグがセットされていると、エンディング演出開始処理(S4318)において、奇数高設定示唆演出の演出内容を示す奇数高設定示唆演出開始コマンド、または偶数高設定示唆演出の演出内容を示す偶数高設定示唆演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。セットされた奇数高設定示唆演出開始コマンド、または偶数高設定示唆演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)によって画像制御基板140に送信される。
そして、画像制御基板140は、奇数高設定示唆演出開始コマンド、または偶数高設定示唆演出開始コマンドを受信すると、エンディングの開始時に、奇数高設定画像G31、または偶数高設定画像G32を表示部50aの全体に奇数高設定画像G31、または偶数高設定画像G32をカットイン表示して奇数高設定示唆演出、または偶数高設定示唆演出を実行してから、大当たりエンディング演出を行う。
また、演出制御用マイコン121は、奇数設定示唆演出フラグ、または偶数設定示唆演出フラグがセットされていると、オープニング演出開始(S4314)において、奇数設定示唆演出の演出内容を示す奇数設定示唆演出開始コマンド、または偶数設定示唆演出の演出内容を示す偶数設定示唆演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。セットされた奇数設定示唆演出開始コマンド、または偶数設定示唆演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)によって画像制御基板140に送信される。
そして、画像制御基板140は、奇数設定示唆演出開始コマンド、または偶数設定示唆演出開始コマンドを受信すると、オープニングが終了してラウンド遊技が開始する直前に、奇数設定画像G33、または偶数設定画像G34を表示部50aの全体に奇数設定画像G33、または偶数設定画像G34をカットイン表示して奇数設定示唆演出、または偶数設定示唆演出を実行してから、ラウンド遊技演出を行う。
このように、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値が奇数に設定されている場合、投入後回数の下二桁、または下三桁が奇数の同一数字のときに大当たり当選すると、奇数の設定値が設定されていることを示唆する設定値示唆演出が実行される。また、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値が偶数に設定されている場合、投入後回数の下二桁、または下三桁が偶数の同一数字のときに大当たり当選すると、偶数の設定値が設定されていることを示唆する示唆設定値演出が実行される。このように、設定値に関連性を有する投入後回数に基づいて、設定値を示唆する設定値演出が実行されるので、遊技者に投入後回数に注目させることができ、遊技興趣が向上する。
また、相対的に発生頻度の低い下三桁が同一数字となる場合に、より設定値の範囲が絞られた設定値演出が実行されるので、設定値演出にメリハリを持たすことができ、遊技興趣が向上する。
(第4実施形態の変更例)
第4実施形態における設定値演出は、奇数高設定画像G31、偶数高設定画像G32、奇数設定画像G33、および偶数設定画像G34を用いて実行されるが、画像のデザインはこれに限られず適宜に設定しても良い。なお、数高設定画像G31、偶数高設定画像G32、奇数設定画像G33、および偶数設定画像G34について「設定値示唆画像G31〜G34」と総称する。
また、設定値演出は、例えば、設定値示唆画像G31〜G34を、表示部50aの全体にカットイン表示することによって行われているが、表示形態はこれに限られず適宜に設定しても良い。例えば、表示部50aの全体ではないオブジェクト画像を表示部50aに表示することによって設定値演出を実行しても良い。また、オープニング用背景画像G200、ラウンド用背景画像G201、およびエンディング用背景画像G202の特定要素、例えばキャラクタの種類、色彩、大きさ、および形状を用いて設定値演出を実行しても良い。さらには、画像表示装置50に代えて、または画像表示装置50に加えて、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの他の演出装置を用いて設定値演出を実行しても良い。さらには、4つの設定値演出の演出内容を全て同一にしても良い。この場合、投入後回数のみが設定値演出が示唆する設定値を特定する手掛かりとなるので、遊技興趣が向上する。
さらに、第4実施形態の設定値演出は、大当たり遊技において、詳細には、奇数高設定示唆演出、および偶数高設定示唆演出は、ラウンド演出と大当たりエンディング演出の間に実行され、奇数設定示唆演出、および偶数設定示唆演出は、大当たりオープニング演出とラウンド演出の間に実行されているが実行時期はこれらに限られず適宜に実行しても良い。また、4つの設定値演出の実行時期を、全て同一の時期に設定しても、全て異なる時期に設定しても良い。あるいは、設定値演出の実行可能な時期を複数設定しておき、所定の抽選で実行時期を決定しても良い。
また、第4実施形態の設定値演出は、特定の投入後回数で大当たりに当選した場合、当該大当たりに係る大当たり遊技で実行されているが、当該大当たりに係る特図可変表示において実行するようにしても良い。例えば、当該大当たりに係る演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時、リーチ成立時、SPリーチ発展時、あるいは、特図変動演出の特定のタイミングなどで設定値演出を実行するようにしても良い。
また、第4実施形態の設定値演出を実行するための条件に大当たりの当選が含まれているが、大当たりの当選に代えて、SPリーチや相対的に大当たり期待度の高い特定のSPリーチなど、特定の演出の実行を第4実施形態の設定値演出を実行するための条件にしても良い。この場合、その特定の演出が実行される特図変動演出の特定のタイミングなどで設定値演出を実行するようにしても良い。
また、投入後回数の下二桁、または下三桁が同一の数字であることが、第4実施形態の設定値演出を実行するための条件に含まれているが、条件はこれに限られず、適宜に設定しても良い。例えば、投入後回数の各位を足した値が奇数であることや偶数であることを設定値演出の実行条件にしても良い。そして、例えば、設定値が奇数である場合、投入後回数の各位を足した値が奇数であるときに大当たりに当選すると、設定値が奇数であることを示唆する設定値演出を実行し、設定値が偶数である場合、投入後回数の各位を足した値が偶数であるときに大当たりに当選すると、設定値が偶数であることを示唆する設定値演出を実行しても良い。
さらには、設定値演出を実行するための投入後回数の条件を投入後回数の下二桁、または下三桁の何れか一方にしても良い。さらには、設定値演出を実行するための投入後回数の条件を投入後回数の下四桁、または下五桁がゾロ目となった場合には、設定値を報知する演出を行っても良い。また、投入後回数の上二桁、または上三桁を、設定値演出を実行するための投入後回数の条件としても良い。
また、設定値演出の種類は、設定値が1、3、または5であることを示唆する奇数設定示唆演出、設定値が3、または5であることを示唆する奇数高設定示唆演出、設定値が2、4、または6であることを示唆する偶数設定示唆演出、および設定値が4、または6であることを示唆する偶数高設定示唆演出であるが、これに限られず適宜に設定しても良い。例えば、これらの設定値演出の種類の一部のみが実行可能であっても良い。また、例えば、これらに、設定値が1、または3であることを示唆する奇数低設定示唆演出、および設定値が2、または4であることを示唆する偶数低設定示唆演出を実行可能にしても良い。
さらに、設定値演出実行判定処理において、ステップS5105で設定値が3または5ではないと判定すると、ステップS5112に進み、奇数設定示唆演出を実行することとなっている。また、ステップS5107で設定値が4また6ではないと判定すると、ステップS5114に進み、偶数設定示唆演出を実行することとなっている。しかしながら、ステップS5105で設定値が3または5ではないと判定すると、または、ステップS5107で設定値が4また6ではないと判定すると、設定値演出判定処理を終え、奇数設定示唆演出、または偶数設定示唆演出を実行しないようにしても良い。
また、第4実施形態では、電源投入後における特図の可変表示の実行回数に基づいて設定値演出が実行されているが、電源投入後における大当たり遊技の実行回数に基づいて設定値に関する演出を実行しても良い。あるいは、電源投入後における特定の大当たり遊技の実行回数に基づいて設定値に関する演出を実行しても良い。ここでの特定の大当たり遊技として、当該大当たり遊技の後に高確率高ベース遊技状態にて遊技が制御される大当たり遊技や、当該大当たり遊技の後に高確率状態にて遊技が制御される大当たり遊技や、当該大当たり遊技の後に時短状態にて遊技が制御される大当たり遊技に設定しても良い。
この場合の設定値に関する演出の実行タイミングは適宜に設定できるが、その大当たり遊技において、設定値に関する演出を実行しても良いし、その後の確変モードや時短モードにおいて設定値に関する演出を実行しても良い。もしくはその後の最初のデモ演出において設定値に関する演出を実行しても良い。さらには、その大当たり遊技が行われる前の特図変動演出において、設定値に関する演出を実行しても良い。
なお、一般的に、大当たり遊技の実行回数は、特図の可変表示の実行回数に比べて非常に少ないので、設定値に関する演出として、大当たり遊技や特定の大当たり遊技の実行回数が2桁以上であり、下二桁が同一の数字である場合には、第1実施形態のような設定されている設定値と1対1対応である設定値を示唆する設定値演出を実行しても良い。あるいは、設定値が1〜3であれば相対的に低い設定値であることを示唆する低設定示唆演出を実行し、設定値が4〜6であれば相対的に低い設定値であることを示唆する高設定示唆演出を実行するようにしても良い。
また、設定値に関する演出の実行条件として、電源投入後における大当たり遊技や特定の大当たり遊技の実行回数が10回、20回などの特定回数であることに設定しても良い。さらに、設定値に関する演出の実行条件として、所謂「連チャン回数」が10回、20回などの特定回数であることに設定しても良い。また、所謂「連チャン回数」の下二桁が同一の数字であることに設定しても良い。なお、連チャン回数は、大当たり遊技が実行された後、通常遊技状態になることなく大当たり遊技が連続的に実行される回数とし、所謂「引き戻し」を含む。ただし、連チャン回数に、引き戻しを含まないようにすることもできる。
<第5実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第5実施形態について説明する。第5実施形態では、パチンコ遊技機PY1は、通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を用いて、設定値を示唆する設定値演出を実行することができる。なお、第5実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第5実施形態では、基本的な実施形態と同一の演出図柄G10を用いて演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示が行われる。しかしながら、通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示については、設定値演出を兼ねた通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示と、設定値演出を兼ねない通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示と、がある点で基本的な実施形態と異なる。
最初に、設定値演出を兼ねた通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を実行するか否かを判定する処理を含む停止図柄パターン判定処理の一例を図64を用いて説明する。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン決定処理において、まず、ステップS5201として、記憶した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが通常変動であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常変動でなければステップS5206に進み、通常変動であればステップS5202において、設定値演出実行判定用乱数カウンタが示す値を設定値演出実行判定用乱数として取得し、ステップS5203において、取得した設定値演出実行判定用乱数に基づいて設定値演出実行判定を行う。設定値演出実行判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
設定値演出実行判定は、設定値演出実行判定テーブルを用いて実行される。図65に示すように、設定値演出実行判定テーブルには、特図変動パターンが通常Aハズレ変動のときに用いられる設定値演出実行判定テーブルと、特図変動パターンが通常Bハズレ変動のときに用いられる設定値演出実行判定テーブルと、特図変動パターンが通常Cハズレ変動のときに用いられる設定値演出実行判定テーブルと、がある。すなわち、設定値演出実行判定テーブルは、通常変動に係る特図変動パターンに関連付けられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、設定値演出実行判定の際に、特図変動パターンに対応付けられた設定値演出実行判定テーブルを1つ選択する。
各設定値演出実行判定テーブルには、図65に示す選択率(%)となるように、設定値演出の実行の可否に設定値演出実行判定用乱数の値(設定値演出実行判定値)が振り分けられている。なお、設定値演出実行判定テーブルは、演出用ROM123に格納されている。
演出制御用マイコン121は、設定値演出実行判定において、選択した設定値演出実行判定テーブルに、取得した設定値演出実行判定用乱数を照合し、設定値演出の実行の可否を決定する。そして、演出制御用マイコン121は、ステップS5204において、設定値演出実行判定の結果、設定値演出を実行するか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値演出を実行すると判定した場合、ステップS5205に進み、設定値演出を実行しないと判定した場合、ステップS5206に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5205において、設定値演出を兼ねたリーチ無しハズレの演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行うための設定値演出用停止図柄パターン判定テーブルを選択する。また、演出制御用マイコン121は、ステップS5206において、設定値演出を兼ねない演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行うための通常用停止図柄パターン判定テーブルを選択する。
図66に示すように、設定値演出用停止図柄パターン判定テーブルは、設定値に対応付けられている。具体的には、設定値演出用停止図柄パターン判定テーブルには、設定値「1」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、設定値「2」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、設定値「3」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、設定値「4」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、設定値「5」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、および設定値「6」のときに用いられる停止図柄パターン判定テーブルがある。よって、演出制御用マイコン121は、ステップS5205において、設定値に対応付けられた設定値図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。
各設定値演出用停止図柄パターン判定テーブルには、図66に示す選択率(%)となるように、停止図柄パターンに停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。
また、図67〜図68に示すように、通常用停止図柄パターン判定テーブルは、停止図柄、および特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、通常用停止図柄判定テーブルには、停止特図が大当たり図柄A、または大当たり図柄Dのときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、停止特図が大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、または大当たり図柄Fのときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、特図変動パターンがリーチ有りハズレのときに用いられる停止図柄パターン判定テーブル、および、特図変動パターンがリーチ無しハズレのときに用いられる停止図柄パターン判定テーブルがある。よって、演出制御用マイコン121は、ステップS5206において、図柄指定コマンドが示す停止図柄、または特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応付けられた通常用停止図柄パターン判定テーブルを選択する。
各通常用停止図柄パターン判定テーブルには、図67〜図68に示す選択率(%)となるように、停止図柄パターンに停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。
演出制御用マイコン121は、ステップS5207において、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、ステップS5208において、取得した停止図柄パターン判定用乱数を、ステップS5205、またはステップS5206で選択した停止図柄パターン判定テーブルに照合して停止図柄パターンを決定する停止図柄パターン判定を行う。なお、停止図柄パターン判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ステップS5209において、決定した停止図柄パターンを表す停止図柄パターンデータを演出用RAM124の所定領域にセットし、ステップS5210において、決定した停止図柄パターンを表す停止図柄パターンコマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、停止図柄パターン判定処理を終える。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた演出図柄コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出図柄G10を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて、停止図柄パターンコマンドが示す停止図柄パターンで演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行うと共に、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示を行う。
ここで、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を用いた設定値演出について説明する。図66に示すように、設定値演出に係る停止図柄パターンは、停止図柄パターン61〜停止図柄パターン66の6種類設定されている。この6つの停止図柄パターンで行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が設定値演出を兼ねる。
停止図柄パターン61は、1(青)・3(赤)・5(青)の停止図柄からなる。停止図柄パターン61を構成する演出図柄G10に含まれる数字は全て奇数であることから、停止図柄パターン61で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、設定値が奇数であることを示唆する。
停止図柄パターン62は、2(青)・4(青)・6(青)の停止図柄からなる。停止図柄パターン62を構成する演出図柄G10に含まれる数字は全て偶数であることから、停止図柄パターン62で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、設定値が偶数であることを示唆する。
停止図柄パターン63は、1(青)・2(青)・3(赤)の停止図柄からなる。停止図柄パターン63を構成する演出図柄G10に含まれる数字は、全て設定値の中で相対的に低い設定値を表すことから、停止図柄パターン63で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、低設定の設定値であることを示唆する。
停止図柄パターン64は、4(青)・5(青)・6(青)の停止図柄からなる。停止図柄パターン64を構成する演出図柄G10に含まれる数字は、全て設定値の中で相対的に高い設定値を表すことから、停止図柄パターン64で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、高設定の設定値であることを示唆する。
停止図柄パターン65は、6(青)・5(青)・1(青)の停止図柄からなる。停止図柄パターン65を構成する演出図柄G10に含まれる数字は、左から読むと、「む(6)ご(5)い(1)」という「いたましい」ことを意味する語呂になっていることから、停止図柄パターン65で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、遊技者に最も不利な設定値「1」であることを示唆する。
停止図柄パターン66は、3(青)・1(青)・5(青)の停止演出図柄からなる。停止図柄パターン66を構成する演出図柄G10に含まれる数字は、左から読むと、「さ(3)い(1)こう(5)」という「程度が一番高いこと」を意味する語呂になっていることから、停止図柄パターン66で行われる演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示は、遊技者に最も有利な設定値「6」であることを示唆する。
そして、設定値「1」の場合、60%の確率で停止図柄パターン61が選択され、35%の確率で停止図柄パターン63が選択され、5%の確率で停止図柄パターン65が選択される。設定値「2」の場合、55%の確率で停止図柄パターン62が選択され、45%の確率で停止図柄パターン63が選択される。設定値「3」の場合、45%の確率で停止図柄パターン61が選択され、55%の確率で停止図柄パターン63が選択される。設定値「4」の場合、40%の確率で停止図柄パターン62が選択され、60%の確率で停止図柄パターン64が選択される。設定値「5」の場合、35%の確率で停止図柄パターン61が選択され、65%の確率で停止図柄パターン64が選択される。設定値「6」の場合、25%の確率で停止図柄パターン62が選択され、70%の確率で停止図柄パターン64が選択され、5%の確率で停止図柄パターン66が選択される。
なお、設定値演出を兼ねない通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に係る停止図柄パターンと、設定値演出を兼ねた通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に係る停止図柄パターンと、は重複していない。以下において、設定値演出を兼ねた通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に係る停止図柄パターンのことを「特定停止図柄パターン」という。また、設定値演出を兼ねない通常変動の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に係る停止図柄パターンのことを「非特定停止図柄パターン」という。
以上のように、リーチ無しハズレの演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示において、演出図柄EZ1〜EZ3の表示内容、具体的には演出図柄G10に含まれる数字部分によって設定値演出が実行されるので、遊技者にとっても最も関心を抱きにくいリーチ無しハズレの演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に注目させ、遊技に対する飽きを防止すると共に、遊技興趣を向上させることができる。
また、設定値「2」〜設定値「5」については、設定値「1」や設定値「6」に対する停止図柄パターン65や停止図柄パターン66のように、設定値を直接的に示唆する停止図柄パターンが設定されていないが、出現する停止図柄パターンの組み合わせによって、設定値を推測することができる。このように出現する停止図柄パターンの組み合わせによっても設定値が示唆されているので、遊技興趣がさらに向上する。
また、停止図柄パターン61については、設定値「1」>設定値「3」>設定値「5」の順番で選択率が高い。さらに、停止図柄パターン62については、設定値「2」>設定値「4」>設定値「6」の順番で選択率が高い。また、停止図柄パターン63については、設定値「3」>設定値「2」>設定値「1」の順番で選択率が高い。さらに停止図柄パターン64については、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」の順番で選択率が高い。このように、所定の停止図柄パターンが複数の設定値で出現可能であり、設定値によって選択率が異なるので、停止図柄パターンの出現頻度によって設定値を推測することができる。よって、遊技興趣が向上する。
(第5実施形態の変更例)
特定停止図柄パターンを構成する停止演出図柄は、図66に示す停止演出図柄に限らず適宜に設定しても良い。また、リーチ無しハズレ以外にも、リーチ有りハズレや大当たりに係る演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示で設定値演出を実行しても良い。また、設定値演出は、設定値演出判定によって設定値演出を実行すると判定された場合に行われているが、設定値演出の実行条件はこれに限られず、適宜に設定しても良い。例えば、SPリーチハズレ変動の後、所定回数、例えば、10回の特図変動演出が実行される間などの特定期間においてリーチ無しハズレの特図変動演出が行われることを設定値演出の実行条件にしても良い。
<第6実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第6実施形態について説明する。第6実施形態では、設定値が高い場合、設定値が低いときには出現しない演出内容の演出が行われる。その一例として、設定値が高い場合は、設定値が低いときには大当たりにならない演出内容で大当たりすることがある。なお、第6実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
前述したように、例えば、SPリーチの内容が野球のピッチャーとバッターの対決シーンで構成される場合、当該特図変動演出に係る特図変動パターンがSPハズレ変動であれば、SPリーチが進んで勝敗分岐点を迎えた後、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、主人公キャラクタがマウンド上で落胆するハズレ報知演出が行われてから、そのまま、ハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる(図26(A−2)、図26(B−2)、図26(C−2))。そして、特図保留がある場合は、直ぐに次の特図変動演出が実行される。
ここで、第6実施形態では、設定値が5または6である場合、大当たりに係るSPリーチにおいて、勝敗分岐点を迎えると(図69(A))、その後に敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し(図69(B))、主人公キャラクタがマウンド上で落胆するハズレ報知演出が行われてから(図69(C))、そのまま、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われて(図69(D))、大当たり遊技のオープニング演出に突入する(図69(E))。
このように、設定値が5または6に設定されているときに、設定値が5または6以外では、ハズレに係る特図変動演出でのみ出現する演出内容で大当たりになることによって、設定値が5または6に設定されることが示唆される。以下において、このように演出内容が逆転して大当たりになる演出のことを「成否逆転演出」という。そして、成否逆転演出は、設定値が相対的に高い設定値5、または設定値6であることを示唆する設定値演出を構成している。
なお、第6実施形態では、設定値が5または6に設定されているときに大当たりする場合、必ず成否逆転演出が実行されるのではなく、所定の確率で成否逆転演出が実行される。すなわち、設定値が5または6に設定されている場合、成否逆転演出が実行されて大当たりするときと、成否逆転演出が実行されず通常通りに大当たりするときとがある。第6実施形態では、成否逆転演出はSPリーチまたはLリーチで実行されることがある。
第6実施形態では、SPリーチには、SPリーチA〜SPリーチCの3種類のSPリーチが設定されている。さらに、Lリーチには、LリーチA〜LリーチCの3種類のLリーチが設定されている。各SPリーチ、および各Lリーチには、勝敗や成否に関わる演出内容が設定されている。そして、基本的に、大当たりの場合は最終的に勝利し、または成功する一方、ハズレの場合は最終的に敗北し、または失敗する。ここで、「基本的に」となっているのは成否逆転演出が行われる場合もあるからである。
図70に示すように、SPリーチAの演出内容は、ピッチャーである主人公キャラクタと敵チーム○○のバッターAとの対決である。SPリーチBの演出内容は、ピッチャーである主人公キャラクタと敵チーム△△のバッターBとの対決である。SPリーチCの演出内容は、ピッチャーである主人公キャラクタと敵チーム××のバッターCとの対決である。
そして、SP大当たり変動である場合の通常のSPリーチAでは、最終的に主人公キャラクタがバッターAを三振に打ち取って対決に勝利する。同様に、SP大当たり変動である場合の通常のSPリーチBでは、最終的に主人公キャラクタがバッターBを三振に打ち取って対決に勝利する。また、SP大当たり変動である場合のSPリーチCでは、最終的に主人公キャラクタがバッターCを三振に打ち取って対決に勝利する。
一方、SPハズレ変動である場合の通常のSPリーチAでは、最終的に主人公キャラクタがバッターAにホームランを打たれて対決に敗北する。同様に、SPハズレ変動である場合の通常のSPリーチBでは、最終的に主人公キャラクタがバッターBにホームランを打たれて対決に敗北する。SPハズレ変動である場合のSPリーチCでは、最終的に主人公キャラクタがバッターCにホームランを打たれて対決に敗北に勝利する。ここで、「通常の」SPリーチA〜SPリーチCとなっているのは、成否逆転演出が行われる場合もあるからである。
また、LリーチAの演出内容は、主人公キャラクタの新技習得のための特訓である。LリーチBの演出内容は、主人公キャラクタの好きな女性への告白である。LリーチCの演出内容は、生徒会長への立候補である。
そして、SP大当たり変動である場合の通常のLリーチAでは、新技習得に成功する。同様に、SP大当たり変動である場合の通常のLリーチBでは、最終的に告白に成功する。SP大当たり変動である場合のLリーチCでは、生徒会長へ当選する。
一方、SPハズレ変動である場合の通常のLリーチAでは、新技習得に失敗する。同様に、SPハズレ変動である場合の通常のLリーチBでは、最終的に告白に失敗する。SPハズレ変動である場合のLリーチCでは、生徒会長に落選する。ここで、「通常の」LリーチA〜LリーチCとなっているのは、成否逆転演出が行われる場合もあるからである。
このように、大当たりのSPリーチやLリーチは、最終的に勝利し、または成功する演出内容である。一方、ハズレのSPリーチやLリーチは、最終的に敗北し、または失敗する演出内容である。よって、大当たりの場合に成否逆転演出が実行されると、最終的に敗北し、または失敗した後に、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示によって突然且つ不意に大当たりが報知される。
具体的には、SPリーチAであれば、主人公キャラクタとバッターAとの対決で、最終的にバッターAにホームランを打たれて主人公キャラクタが対決に敗北して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる(図69参照)。同様に、SPリーチBでは、主人公キャラクタとバッターBとの対決で、最終的にホームランをバッターBに打たれて主人公キャラクタが対決に敗北して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。SPリーチCでは、主人公キャラクタとバッターCとの対決で、最終的にバッターCにホームランを打たれて主人公キャラクタが対決に敗北して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。
また、LリーチAでは、新技習得の特訓で、最終的に新技を習得できずに主人公キャラクタが特訓に失敗して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。同様に、LリーチBであれば、好きな女性への告白で、最終的に好きな女性にフラれて主人公キャラクタが告白に失敗して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。LリーチCでは、生徒会長の選挙で、最終的に生徒会長に落選して主人公キャラクタが選挙に失敗して落胆した後、大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。
ここで、SPリーチA〜SPリーチC、およびLリーチA〜LリーチCが選択される確率(図70において「選択率」)は、図70に示すように設定されている。図70に示す選択率となるように各種演出に特図変動パターン判定用乱数の値(特図変動パターン判定値)が適宜に振り分けられている。
大当たりの場合は、SPリーチA>SPリーチB>SPリーチCの順番で選択率が高い。一方、ハズレの場合は、SPリーチC>SPリーチB>SPリーチAの順番で選択率が高い。よって、SPリーチA>SPリーチB>SPリーチCの順番で大当たりになる可能性が高い。
また、大当たりの場合は、LリーチA>LリーチB>LリーチCの順番で選択率が高い。一方、ハズレの場合は、LリーチC>LリーチB>LリーチAの順番で選択率が高い。よって、LリーチA>LリーチB>LリーチCの順番で大当たりになる可能性が高い。
次に、成否逆転演出を実行するか否かを決定する処理の一例を図71を用いて説明する。以下において、この処理のことを成否逆転演出判定処理という。成否逆転演出判定処理として、例えば、図71に示す処理を、演出制御用マイコン121がステップS4306の特図変動演出開始処理において、特図変動演出パターンを表す特図変動演出パターンコマンドを演出用RAM124の所定領域にセットした後に行うことができる。
演出制御用マイコン121は、成否逆転演出判定処理において、まず、ステップS5301として、記憶した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP大当たり変動、またはL大当たり変動であるか否か、すなわちこれから大当たりのSPリーチ演出、または大当たりのLリーチ演出を実行するか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動パターンがSP大当たり変動、またはL大当たり変動でないと判定すると、成否逆転演出判定処理を終えて特図変動演出開始処理に戻り、特図変動パターンがSP大当たり変動、またはL大当たり変動であると判定すると、ステップS5302に進む。
ステップS5302において、演出制御用マイコン121は、設定値フラグを確認して、設定値が「5」、または「6」に設定されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値が「5」、または「6」に設定されていないと判定すると、成否逆転演出判定処理を終えて特図変動演出開始処理に戻り、設定値が「5」、または「6」に設定されていると判定するとステップS5303に進む。
ステップS5303において、演出制御用マイコン121は、成否逆転演出判定テーブルを選択する。成否逆転演出判定テーブルは、成否逆転演出を実行するか否かを判定する成否逆転演出判定を行うときに用いるデータテーブルである。図72に示すように、成否逆転演出判定テーブルは、まず設定値に関連付けられている。さらに、設定値に関連付けられた成否逆転演出判定テーブルは演出の種類、具体的にはSPリーチの種類、またはLリーチの種類に関連付けられている。
よって、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に記憶している設定値フラグ、および特図変動演出パターンデータを参照して、設定値および演出の種類を確認し、当該設定値および演出の種類に関連付けられた成否逆転演出実行判定テーブルを選択する。
各成否逆転演出実行判定テーブルには、図72に示す選択率(%)となるように、成否逆転演出の実行の可否に成否逆転演出判定用乱数の値(成否逆転演出判定値)が振り分けられている。なお、成否逆転演出判定テーブルは、演出用ROM123に格納されている。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5304において、成否逆転演出判定用乱数カウンタが示す値を成否逆転演出判定用乱数として取得し、ステップS5305において、取得した成否逆転演出判定用乱数を、ステップS5303で選択した成否逆転演出判定テーブルに照合することで成否逆転演出判定を行う。成否逆転演出判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
続いて、演出制御用マイコン121は、ステップS5306において、成否逆転演出判定の結果、成否逆転演出を実行するか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、成否逆転演出を実行しないと判定するとそのまま成否逆転演出判定処理を終えて特図変動演出開始処理に戻る一方、成否逆転演出を実行すると判定するとステップS5307において、成否逆転演出の実行を示す成否逆転演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、成否逆転演出実行判定処理を終えて、特図変動演出開始処理に戻る。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた成否逆転演出コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、LリーチやSPリーチを行う際に、本来であればハズレで行う演出内容のLリーチやSPリーチに係る画像を表示部50aに表示することで成否逆転演出を実行し、最終的には大当たりを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を行う。
なお、第6実施形態に係る成否逆転演出判定テーブルによれば、各演出の種類について、設定値「5」よりも設定値「6」の場合の方が、成否逆転演出の実行に対する選択率が高く設定されている。よって、成否逆転演出が実行された場合、設定値「5」よりも設定値「6」をより一層期待することができる。また、各設定値について、SPリーチC>SPリーチB>SPリーチAの順番で成否逆転演出が実行される可能性が高く設定されている。同様に、LリーチC>LリーチB>LリーチAの順番で成否逆転演出が実行される可能性が高く設定されている。これらの順番は、同一のリーチ演出に対してハズレの場合に選択される確率の順番に一致している。すなわち、成否逆転演出の実行に対する選択率の傾向と、同一のリーチ演出に対するハズレの期待度の傾向とが一致している。よって、リーチ演出の本来の機能が損なわれることを極力抑えつつ、成否逆転演出によって遊技興趣が向上する。
このように、第6実施形態では、成否逆転演出を実行することによって通常のセオリーとは異なるセオリーで大当たりが演出されるので、遊技者に驚きを与えて、新鮮味を体感させることができる。さらにその中で、設定値が示唆されるので遊技興趣が向上する。また、設定値が相対的に高い「5」、「6」が設定されているときに成否逆転演出が実行されるので、遊技者の気分を高揚させることもできる。さらに、大当たりのときに成否逆転演出が実行されるので、遊技者の遊技意欲の減退を防ぐことができる。
(第6実施形態の変更例)
成否逆転演出は、SPリーチやLリーチで実行されることがあるが、成否逆転演出が実行される演出の種類は限定されずに適宜に設定しても良い。成否逆転演出はSPリーチでのみ実行されるようにしても良い。また、成否逆転演出はLリーチでのみ実行されるようにしても良い。さらに、成否逆転演出は例えば、SPリーチAやLリーチAなど一部の種類のSPリーチやLリーチで実行されるようにしても良い。また、成否逆転演出はSPリーチやLリーチ以外の演出で実行されるようにしても良い。
また、成否逆転演出は、設定値「5」、または「6」のときに実行されることがあるが、成否逆転演出が実行される設定値は限定されずに適宜に設定しても良い。例えば、成否逆転演出は設定値「6」など特定の1つの設定値でのみ実行されるようにしても良い。また、成否逆転演出は、設定値「6」と「1」など、最も高い設定値と最も低い設定値のときに実行されるようにしても良い。
さらに、成否逆転演出の具体的な演出内容は、図69に示した演出内容に限られずに適宜に設定しても良い。また、前述の成否逆転演出のようにストーリー性のある演出内容で設定値を示唆する演出を実行するのではなく、例えば、設定値「5」、または「6」のときにのみ出現する発光態様で枠ランプ53は発光させるようにしても良い。同様に、設定値「5」、または「6」のときにのみ出現する動作態様で盤可動装置55を動作させるようにしても良い。さらには、設定値「5」、または「6」のときにのみ出現する音声をスピーカ52から出力させるようにしても良い。これらは、特図変動演出に限られず、大当たり遊技演出やデモ演出で行っても良い。
さらに、成否逆転演出が特図変動演出で行われ、成否逆転演出として、敗北や失敗するなど基本的にはハズレを示唆する機能を有する演出が行われた後に、大当たり遊技が行われているが、成否逆転演出の適用場面はこれに限られない。例えば、所謂「ランクアップボーナス」のラウンド遊技が行われ、このラウンド遊技において、さらにラウンド遊技が継続するか否かの分岐点で、成功や勝利するという演出内容であるとラウンド遊技が継続し、失敗や敗北するという演出内容であるとラウンド遊技が終了するとする。そして、設定値「5」、または「6」が設定されている場合、この場面で成否逆転演出が実行され、失敗や敗北するが、ラウンド遊技が継続することができるようにしても良い。
また、大当たり遊技において、最終的に成功や勝利するという演出内容であると大当たり遊技後に高確率状態が設定され、最終的に失敗や敗北するという演出内容であると大当たり遊技後に高確率状態が設定されないとする。そして、設定値「5」、または「6」が設定されている場合、この場面で成否逆転演出が実行され、最終的に失敗や敗北するという演出内容であるが、大当たり遊技の後に高確率状態を設定することができるようにしても良い。
さらに、大当たり遊技後に同一の演出モードで高確率状態が設定される場合の高確率規定回数が複数種類設けられており、高確率状態で特図可変表示が実行され続ける状況で、ある高確率規定回数に係る特図可変表示が実行されているときに、高確率状態が継続するか否かの分岐点として、高確率状態が継続するか否かの演出が実行されるとする。この演出は、所定の対決やミッションであるとする。そして、基本的には、高確率状態が継続する場合は対決で勝利し、またはミッションで成功する。一方、高確率状態が継続しない場合は対決で敗北し、またはミッションで失敗する。そして、設定値「5」、または「6」が設定されている場合、この場面で成否逆転演出が実行され、対決で敗北し、またはミッションで失敗するが、高確率状態が継続することができるようにしても良い。
また、成否逆転演出をハズレ変動を用いて行っても良い。例えば、本来であれば、対決に敗北してハズレとなるが、対決に勝利してハズレる成否逆転演出を行うことで、設定値が「5」、または「6」であることを示唆しても良い。この場合、ハズレはしたものの設定値が高いことが分かるので、遊技者の遊技意欲の減退を抑えることができる。また、成否逆転判定において、成否逆転演出を実行すると判定する確率の傾向も適宜に設定しても良い。例えば、設定値「5」の場合と設定値「6」の場合とで、演出の種類毎に成否逆転演出を実行すると判定する確率を同一に設定しても良い。また、設定値、および演出の種類に関係なく成否逆転演出を実行すると判定する確率を一定に設定しても良い。さらに、各設定値について、SPリーチA>SPリーチB>SPリーチCの順番で、およびLリーチA>LリーチB>LリーチCの順番で、成否逆転演出を実行すると判定する確率が高くなるように設定しても良い。すなわち、リーチ演出の種類が示す大当たり期待度の傾向と、成否逆転演出を実行すると判定する確率の傾向とが一致するようにしても良い。
<第7実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第7実施形態について説明する。第7実施形態では、大当たりに当選しないで特図可変表示が実行され続ける回数が所定回数に達すると、設定値を示唆する設定値演出が実行される。この所定回数は複数設定されており、所定回数が大きくなるにつれて、設定されている設定値が判別し易くなる。なお、以下において、大当たりに当選しないで特図可変表示が実行され続ける回数のことを「ハマり回数」という。また、第7実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
前述したように、パチンコ遊技機PY1においては、様々な演出モードが設定され、表示部50aでは、演出モードに応じて様々な背景画像が表示される。例えば、通常演出モードが設定されているときは、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112、または第3通常用背景画像G113の何れかが表示部50aに表示される。
第7実施形態では、通常演出モードが設定されているときに、このような通常用背景画像G111〜G113に加えて、設定値示唆背景画像G140が表示されることがある。設定値示唆背景画像G140が表示されていることを「設定値示唆ゾーンに滞在する」ともいう。設定値示唆背景画像G140は、ハマり回数が所定回数に達したときに表示される。すなわち、ハマり回数が所定回数に達したときに設定値示唆ゾーンに突入する。なお、設定値示唆背景画像G140が表示されることによって、言い換えると、設定値示唆ゾーンに突入して滞在することによって、当該パチンコ遊技機PY1で設定されている設定値が示唆される。以下において、設定値示唆背景画像G140が表示されること、および設定値示唆ゾーンに滞在することを、設定値演出の実行ともいう。
具体的には、ハマり回数が500回、750回、および1000回に達すると、そのときに表示されていた第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112、または第3通常用背景画像G113から設定値示唆背景画像G140に切り替わる。なお、設定値示唆背景画像G140は、設定値演出の専用の背景画像であり、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112、第3通常用背景画像G113、確変用背景画像G120、および時短用背景画像G130などの何れの背景画像とも異なる。
設定値示唆背景画像G140の表示は、大当たり当選することなく所定回数の特図可変表示が実行されるまで、または、所定回数の特図可変表示が実行される前に大当たり当選するまで継続して実行される。すなわち、大当たり当選することなく所定回数の特図可変表示が実行されると、または、所定回数の特図可変表示が実行される前に大当たり当選すると、設定値示唆ゾーンから抜ける。所定回数として、1〜6回が設定されている。なお、以下において、この所定回数のことを「継続回数」という。
継続回数を何回にするかは、継続回数を何回にするかを判定する継続回数判定で決定される。継続回数判定は、演出制御用マイコン121が継続回数判定テーブルを用い行う。継続回数判定テーブルは、演出用ROM123に格納されている。
図73に示すように、継続回数判定テーブルは、ハマり回数に関連付けられている。すなわち、ハマり回数によって継続回数判定で用いられる継続回数判定テーブルが異なる。さらに、ハマり回数に関連付けられた継続回数判定テーブルは、設定値にも関連付けられている。すなわち、継続回数判定で用いられる継続回数判定テーブルは設定値によっても異なる。
このように継続回数判定テーブルはハマり回数、および設定値に関連付けられている。そして、ハマり回数と設定値の組み合わせによって、各継続回数(1〜6)の選択率が設定されている。
継続回数判定テーブルによると、ハマり回数が500回のとき、継続回数が1回と選択される確率は、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」>設定値「5」>設定値「6」の順番で高くなる。すなわち、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が1回のみ行われると、この順序でその設定値である可能性が高い。
また、ハマり回数が500回のとき、継続回数が6回と選択される確率は、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「3」>設定値「2」>設定値「1」の順番で高くなる。すなわち、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が6回行われると、この順序でその設定値である可能性が高い。
さらに、ハマり回数が500回のとき、継続回数が2回と選択される確率は、設定値「2」である場合が最も高く、設定値「5」または設定値「6」である場合が最も低い。すなわち、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が2回行われると、設定値「2」の可能性が最も高く、設定値「5」または設定値「6」の可能性が最も低い。
あるいは、ハマり回数が500回のとき、継続回数が4回と選択される確率は、設定値「4」である場合が最も高く、設定値「1」または設定値「2」である場合が最も低い。すなわち、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が4回行われると、設定値「4」の可能性が最も高く、設定値「1」または設定値「2」の可能性が最も低い。
さらに、ハマり回数が500回のとき、継続回数が5回と選択される確率は、設定値「5」である場合が最も高く、設定値「1」または設定値「2」である場合が最も低い。すなわち、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が5回行われると、設定値「5」の可能性が最も高く、設定値「1」または設定値「2」の可能性が最も低い。
なお、ハマり回数が500回のとき、設定値「6」であると、継続回数「1回」に対する選択率は0%である。よって、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が1回のみ行われると、設定値「6」である可能性はない。同様に、ハマり回数が500回のとき、設定値「1」であると、継続回数「6回」に対する選択率は0%である。よって、ハマり回数が500回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が6回行われると、設定値「1」である可能性はない。
また、ハマり回数が750回のとき、設定値「3」〜設定値「6」であると、継続回数「1回」または「2回」に対する選択率は0%である。よって、ハマり回数が750回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が1回または2回行われると、設定値「3」〜設定値「6」である可能性はなく、設定値「1」または設定値「2」の何れかが設定されているということになる。ただし、継続回数が1回である場合は、設定値「1」である可能性の方が高い一方、継続回数が2回である場合は、設定値「2」である可能性の方が高い。
また、ハマり回数が750回のとき、設定値「5」〜設定値「6」であると、継続回数「3回」に対する選択率は0%である。よって、ハマり回数が750回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が3回行われると、設定値「5」〜設定値「6」である可能性はなく、設定値「1」〜設定値「4」の何れかが設定されているということになる。ただし、この場合は、設定値「3」である可能性が最も高く、設定値「1」である可能性が最も低い。
また、ハマり回数が750回のとき、設定値「1」〜設定値「6」の何れであっても、継続回数「4回」に対する選択率は0より高い。よって、ハマり回数が750回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が4回行われると、設定値「1」〜設定値「6」の何れも設定されている可能性があるということになる。ただし、この場合は、設定値「4」である可能性が最も高く、設定値「1」である可能性が最も低い。
さらに、ハマり回数が750回のとき、設定値「1」〜設定値「2」であると、継続回数「5回」または「6回」に対する選択率は0%である。よって、ハマり回数が750回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が5回または6回行われると、設定値「1」〜設定値「2」である可能性はなく、設定値「3」〜設定値「6」の何れかが設定されているということになる。ただし、継続回数が5回である場合は、設定値「5」である可能性が高く、設定値「3」である可能性が最も低い。一方、継続回数が6回である場合は、設定値「6」である可能性が高く、設定値「3」である可能性が最も低い。
このように、ハマり回数が500回、および750回の場合は、1つの継続回数に対して複数の設定値である可能性があり、設定値によって選択率が異なるので、継続回数によって設定値が示唆されることになる。これに対して、ハマり回数が1000回の場合は、1つの継続回数に対して1つの設定値しか対応付けられていないので、継続回数によって設定値が報知されることになる。
具体的には、ハマり回数が1000回であるとき、設定値「2」〜設定値「6」が設定されていると、継続回数「1回」に対する選択率は0%であり、設定値「1」が設定されていると、継続回数「1回」に対する選択率が100%である。したがって、ハマり回数が1000回のときから設定値示唆ゾーンで特図可変表示が1回のみ行われると、設定値「2」〜設定値「6」である可能性はなく、設定値「1」が設定されているということになる。同様に、ハマり回数が1000回であるとき、設定値示唆ゾーンの継続回数が、2回・3回・4回・5回・6回である場合、設定値「2」・設定値「3」・設定値「4」・設定値「5」・設定値「6」が設定されていることになる。
このように、演出制御用マイコン121は、継続回数判定テーブルに基づいて継続回数判定を行うが、継続回数判定を、特図の停止表示、すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示の際に行うことができる。そして、演出制御用マイコン121は、継続回数判定によって継続回数を決定すると、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示の終了時に設定値演出を開始し、それまで表示されていた通常用背景画像G111〜G113から設定値示唆背景画像G140に切り替える。その後、設定値演出は、大当たりに当選することなく特図可変表示が継続回数実行されるまで継続して実行される。そして、継続回数目の特図可変表示が終了するときに設定値演出が終了し、設定値示唆背景画像G140から、当該設定値演出が実行される直前の通常用背景画像G111〜G113に切り替わる。
次に、設定値演出の具体例について説明する。例えば、図74(A)に示すように、ハマり回数が500回目の特図変動演出が実行されているとする。なお、このとき、表示部50aに第1通常用背景画像G111が表示されている。また、この500回目の特図変動表示の特図変動パターンはハズレ変動であるとする。そして、ハマり回数が500回目の特図変動演出において、図74(B)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われたとする。
ここで、継続回数判定が行われ、継続回数が決定されると、図74(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が終了して、次の特図変動演出が開始されるときに、設定値演出が開始し、第1通常用背景画像G111から設定値示唆背景画像G140に切り替わる。
なお、ハマり回数が500回目の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が終了するときに、特図保留数が「0」である場合は、次の特図可変表示、および特図変動演出が開始されずに、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が継続して実行されるが、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が開始されてから特図確定時間が経過したことに応じて、すなわち、特図保留が存在した場合の次の特図変動演出が開始されるタイミングで、設定値演出が開始し、第1通常用背景画像G111から設定値示唆背景画像G140に切り替わる。
そして、図75(A)〜図75(C)に示すように、設定値演出が、大当たりに当選することなく設定値演出継続回数の特図可変表示が実行されるまで実行され、設定値演出継続回数目の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、図75(D)に示すように、設定値演出が終了して設定値示唆背景画像G140から、設定値演出の実行前の第1通常用背景画像G111に切り替わる。
図74〜図75では、ハマり回数が500回に達したことによる設定値演出を例示したが、ハマり回数が750回、および1000回に達したときも同様に設定値演出が実行される。
次に、第7実施形態において、演出制御用マイコン121が設定値演出を実行するために行う設定値演出処理の一例を図76〜図77を用いて説明する。例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4307で特図変動停止コマンドを受信したと判定した場合のステップS4308の特図変動停止処理の後に図76〜図77に示す設定値演出処理を行うことができる。
演出制御用マイコン121は、設定値演出処理において、まず、ステップS5401として、通常演出モードが設定されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常演出モードが設定されていないと判定すると、設定値演出処理を終え、通常演出モードが設定されていると判定すると、ステップS5402に進む。
ステップS5402において、演出制御用マイコン121は、ハマり回数を計数するハマり回数カウンタのカウンタ値を「1」加算する。このように、ハマり回数カウンタのカウンタ値は、通常演出モードにおいて、特図変動表示が終了するたびに「1」加算される。なお、ハマり回数カウンタは、演出用RAM124の所定領域に設けられている。また、ハマり回数カウンタは、大当たり遊技の実行に伴ってクリアされる。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5403において、後述する設定値演出残り回数が1以上であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値演出残り回数が1以上であると判定すると、ステップS5416に進み、設定値演出残り回数が1以上ではない、すなわち0であると判定すると、ステップS5404に進む。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5404において、ハマり回数カウンタを確認して、ハマり回数が500回であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、ハマり回数が500回ではないと判定すると、ステップS5406に進み、ハマり回数が500回であると判定すると、ステップS5405に進んで、ハマり回数500回用の継続回数判定テーブルを選択してステップS5410に進む。
ステップS5406において、演出制御用マイコン121は、ハマり回数カウンタを確認して、ハマり回数が750回であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、ハマり回数が750回ではないと判定すると、ステップS5408に進み、ハマり回数が750回であると判定すると、ステップS5407に進んで、ハマり回数750回用の継続回数判定テーブルを選択してステップS5410に進む。
ステップS5408において、演出制御用マイコン121は、ハマり回数カウンタを確認して、ハマり回数が1000回であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、ハマり回数が1000回ではないと判定すると、設定値演出処理を終え、ハマり回数が1000回であると判定すると、ステップS5409に進んで、ハマり回数1000回用の継続回数判定テーブルを選択してステップS5410に進む。
ステップS5410において、演出制御用マイコン121は、選択したハマり回数が500回、750回、または1000回用の継続回数判定テーブルの中からさらに、設定値フラグを確認して、設定値に関連付けられた継続回数判定テーブルを選択する。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5411において、継続回数判定用乱数カウンタが示す値を継続回数判定用乱数として取得し、ステップS5412において、取得した継続回数判定用乱数を、ステップS5410で選択した継続回数判定テーブルに照合することで継続回数判定を行う。
なお、各継続回数判定テーブルには、図73に示す選択率(%)となるように、継続回数に継続回数判定用乱数の値(継続回数判定値)が振り分けられている。また、継続回数判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
演出制御用マイコン121は、ステップS5413において、継続回数判定の結果である継続回数を設定値演出残り回数カウンタにセットし、ステップS5414において、現在の通常演出ステージを示す通常演出ステージデータを演出用RAM124の所定領域にセットし、ステップS5415において、設定値演出の演出内容を示す設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、設定値演出処理を終える。
設定値演出残り回数カウンタのカウンタ値は、設定値演出が実行可能な特図可変表示の残り回数を示す。後述するように、当該設定値演出において、設定値演出残り回数カウンタが1以上である限り、当該設定値演出処理が行われるたびに「1」減算される。なお、以下において、設定値演出が実行可能な特図変動表示の残り回数のことを「設定値演出残り回数」という。
また、演出用RAM124の出力バッファにセットされた設定値演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、演出図柄EZ1〜EZ3を停止してから特図確定時間が経過したときに、現在の通常用背景画像G111〜G113から設定値示唆背景画像G140に切り替える。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5416において、設定値演出残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、ステップS5417において、設定値演出残り回数が「0」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値演出残り回数が「0」ではないと判定すると、このまま設定値演出処理を終え、設定値演出残り回数が「0」であると判定すると、ステップS5418において、通常演出ステージデータを確認して、設定値演出の実行前の通常演出ステージを示すと共に、設定値演出を終了させることを示す設定値演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、設定値演出処理を終える。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた設定値演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、設定値示唆背景画像G140から、設定値演出の実行前の通常用背景画像G111〜G113に切り替えて、設定値演出を終了させる。
以上のように、第7実施形態では、ハマり回数に基づいて、設定値を示唆または報知することが可能な設定値演出が実行されるので、遊技興趣が向上し、大当たり当選できずに遊技意欲が衰退する中でも、遊技に興味を持たせることができる。さらに、ハマり回数が増加していくにつれて、可能性のある設定値が絞れて、設定値を推測し易くなるので、設定値演出の演出効果が向上する。
(第7実施形態の変更例)
第7実施形態では、表示部50aに設定値示唆背景画像G140を表示することによって設定値演出が実行されたが、設定値演出の演出態様として、画像の種類は、設定値示唆背景画像G140に限られず適宜に設定しても良い。また、設定値演出の演出態様として、画像に代えて、または画像に加えて、スピーカ52、枠ランプ53、盤可動装置55などの他の演出装置を用いて設定値演出を実行しても良い。
また、第7実施形態では、設定値演出の継続回数によって、設定値を示唆または報知しているが、示唆または報知できるための要素は継続回数に限られず適宜に設定しても良い。例えば、設定値演出に係る画像の種類を複数設定しておき、ハマり回数が所定回数のときに出現する画像の種類によって設定値を示唆または報知するようにしても良い。
さらに、設定値演出が実行されるハマり回数や、設定値演出の継続回数、各設定値に対する継続回数の選択率なども適宜に設定しても良い。
また、第7実施形態では、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示の開始時に継続回数判定が実行されて、演出図柄EZ1〜EZ3が停止してから特図確定時間が経過した時に設定値演出が開始されるが、継続回数判定の実行タイミング、および設定値演出の開始タイミングは適宜に設定しても良い。例えば、継続回数判定が実行された後、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示するときに設定値演出を開始させ、設定値示唆ゾーンに突入するようにしても良い。また、リーチ成立時など演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の途中から設定値演出を開始させ、設定値示唆ゾーンに突入するようにしても良い。
また、第7実施形態では、設定値演出を実行するためのハマり回数に係る特図変動表示は通常演出モードのときの特図変動表示のみカウントされているが、確変演出モードや時短演出モードのときの特図変動表示もカウントするようにしても良い。
<第8実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第8実施形態について説明する。第8実施形態では、最も遊技者に有利な設定値が設定されているとき、すなわち、大当たり確率が最も高い設定値が設定されているときに、ラウンド数が最も多い大当たり遊技において、その設定値が設定されていることを示唆する設定値演出が実行されることがある。なお、第8実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
基本的な実施形態で説明したように、パチンコ遊技機PY1においては、様々な種類の大当たり図柄が設けられている。第8実施形態では、図78に示すように、特図2に係る大当たり図柄として、大当たり図柄D〜大当たり図柄Iの6種類の大当たり図柄が設けられている。
そして、図79に示すように、大当たり図柄Dに係る大当たり遊技のラウンド数は10回であり、大当たり図柄Eに係る大当たり遊技のラウンド数は10回であり、大当たり図柄Fに係る大当たり遊技のラウンド数は8回であり、大当たり図柄Gに係る大当たり遊技のラウンド数は6回であり、大当たり図柄Hに係る大当たり遊技のラウンド数は4回であり、大当たり図柄Iに係る大当たり遊技のラウンド数は6回である。
なお、以下において、大当たり図柄Dに係る大当たり遊技を「第4大当たり遊技」、大当たり図柄Eに係る大当たり遊技を「第5大当たり遊技」、大当たり図柄Fに係る大当たり遊技を「第6大当たり遊技」、大当たり図柄Gに係る大当たり遊技を「第7大当たり遊技」、大当たり図柄Hに係る大当たり遊技を「第8大当たり遊技」、大当たり図柄Iに係る大当たり遊技を「第9大当たり遊技」、
また、第4大当たり遊技〜第9大当たり遊技のラウンド遊技における大入賞口14の開放時間は29.5秒、閉鎖時間は2.0秒に設定されている。また、図80に示すように、第4大当たり遊技〜第8大当たり遊技の後に設定される遊技状態は高確率高ベース遊技状態であり、高確率規定回数は160回、時短規定回数は160回に設定されている。一方、第9大当たり遊技の後に設定される遊技状態は低確率高ベース遊技状態であり、時短規定回数は100回に設定されている。
そして、第4大当たり遊技においては、ラウンド数が10回であることを示唆し、第5大当たり遊技専用の大当たり遊技演出が実行される。一方、第5大当たり遊技〜第9大当たり遊技においては、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれる大当たり遊技演出が実行される。ランクアップボーナスでは、例えば、ラウンド遊技の回数、換言すると、遊技者が獲得できる最大賞球数を大当り遊技の開始前には分からないようにし、大当たり遊技中に、ラウンド遊技がさらに継続して最大賞球数がランクアップするか(増加するか)否かの演出を行うことで、遊技者の興趣を向上させることができるというものである。
第5大当たり遊技〜第9大当たり遊技のラウンド数は、4回、6回、8回、10回であり、4ラウンドの終盤に、4ラウンド以降もラウンド遊技が継続するか否かの演出が行われる。そして、第5大当たり遊技〜第7大当たり遊技、第9大当たり遊技であれば、6ラウンドの終盤で、6ラウンド以降もラウンド遊技が継続するか否かの演出が行われる。第5大当たり遊技〜第6ラウンド遊技であれば、8ラウンドの終盤で、8ラウンド以降もラウンド遊技が継続するか否かの演出が行われる。
例えば、第5大当たり遊技〜第9大当たり遊技のラウンド遊技が開始すると、図81(A)に示すように、表示部50aにラウンド用背景画像G201として主人公キャラクタの好きな歌手が曲Aを歌う映像が表示され、スピーカ52から曲Aが流れる。そして、4ラウンドが終了するときに、図81(B)に示すように、歌手が曲Aを歌い終わって余韻に浸る。この余韻に浸っている場面が、ラウンド遊技が継続するか否かの演出を構成している。
そして、第8大当たり遊技であれば、ここでラウンド遊技が終了するので、図81(C)に示すように、少し間をおいてから、エンディングに突入すると共に、図81(D)に示すように、歌手がお辞儀をしてラウンド遊技が終了したことを示唆してから、図81(E)に示すように、前述のエンディング画像G5や総賞球数画像G6が表示される。一方、第5大当たり遊技〜第7大当たり遊技、および第9大当たり遊技であれば、ラウンド遊技が継続するので、少し間をおいた後に、ラウンド5が開始すると共に、図82(A)に示すように、歌手が別の曲Bを歌い始める。
また、5ラウンドから6ラウンドにかけても、1ラウンドから4ラウンドの場合と同様に、歌手が曲Bを歌う映像が流れ、6ラウンドが終了するときに、図82(B)に示すように、歌手が曲Bを歌い終わって余韻に浸る。そして、第7大当たり遊技、および第9大当たり遊技であれば、ここでラウンド遊技が終了するので、第8大当たり遊技の場合と同様に、少し間をおいた後に、図82(C)に示すように、エンディングが行われる。一方、第5大当たり遊技〜第6大当たり遊技であれば、ラウンド遊技が継続するので、少し間をおいた後に、ラウンド7が開始されると共に、図82(D)に示すように、歌手がまた別の曲Cを歌い始める。
さらに、7ラウンドから8ラウンドにかけても同様に、歌手が曲Cを歌う映像が流れ、8ラウンドが終了するときに、図83(A)に示すように、歌手が曲Cを歌い終わって余韻に浸る。そして、第6大当たり遊技であれば、ここでラウンド遊技が終了するので、第8大当たり遊技などの場合と同様に、少し間をおいた後に、図83(B)に示すように、エンディングが行われる。一方、第5大当たり遊技であれば、ラウンド遊技が継続するので、少し間をおいた後に、ラウンド9が開始されると共に、図83(C)に示すように、歌手がまた別の曲Dを歌い始める。その後、10ラウンドが終了するときに、歌手が曲Dを歌い終わり、余韻に浸ってから少し間をおいた後に、図83(D)に示すように、第8大当たり遊技などの場合と同様にエンディングが実行される。
このように、第5大当たり遊技〜第9大当たり遊技では、歌手が曲を歌い終わって余韻に浸ってから少し間をおいた後に、お辞儀をする場合と、再び曲を歌い始める場合がある。ここで、歌手が曲を歌い終わって余韻に浸ってから少し間があく場面が、ラウンド遊技が継続するか否かの継続分岐演出を構成する。また、お辞儀をする場面がラウンド遊技が継続しないことを示唆する継続失敗演出を構成する。一方、再び歌い始める場面がラウンド遊技が継続することを示唆する継続成功演出を構成する。
なお、歌手が曲を歌い終わってからお辞儀をするまでの少し間をおいた期間、および歌手が曲を歌い終わってから別の曲を歌い始めるまでの少し間をおいた期間は、そのラウンド、具体的には、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、および10ラウンドにおける大入賞口14の開放後の閉鎖の期間となっている。そして、この期間の時間は、1ラウンドから3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンドにおける大入賞口14の開放後の閉鎖の時間よりも長くなっている。
次に、第5大当たり遊技の1ラウンドにおいて実行される祝福演出について説明する。祝福演出は、ランクアップボーナスにおいて、ラウンド数が最大であることを示唆する演出である。祝福演出の種類は3種類ある。1つ目は、何れの設定値においても実行可能な通常祝福演出である。2つ目は、設定値が4〜6の場合に実行可能であり、相対的に高い設定値であることを示唆する高設定値示唆祝福演出である。3つ目は、設定値が6の場合に実行可能であり、最も高い設定値であることを示唆する最大設定値示唆祝福演出である。
ここで、通常祝福演出、高設定値示唆祝福演出、および最大設定値示唆祝福演出の具体例について説明する。最初に通常祝福演出について説明する。例えば、図84(A)に示すように、1ラウンドにおいて、主人公キャラクタが好きな歌手が登場して、曲Aを歌い始める。
ここで、図84(B)に示すように、基本的な実施形態で説明したような第1演出ボタン操作有効期間が発生すると共に、第1演出ボタン操作促進画像G12を伴う第1演出ボタン操作促進演出が実行される。この第1演出ボタン操作有効期間において、第1演出ボタン40kが操作されると、何れかの祝福演出が実行されることがある。
通常祝福演出は、図84(C)に示すように、基本的な実施形態で説明したような可動体演出で構成される。具体的には、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、回転部材55k1が回転すると共に、表示部50aの全体に、通常エフェクト画像G13が表示される。
また、高設定値示唆祝福演出も、基本的な実施形態で説明したような可動体演出を含む構成であるが、さらに別の演出も含まれる。具体的には、図84(D)盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、回転部材55k1が回転する。さらに表示部50aの全体に、通常エフェクト画像G13が表示される他に、スピーカ52から特定効果音(例えば、「キュインキュイン」)が曲Aとは別系統で出力される。スピーカ52から特定効果音(例えば、「キュインキュイン」)が出力されている点で、通常祝福演出と異なる。
さらに、最高設定値示唆祝福演出も、基本的な実施形態で説明したような可動体演出を含む構成であるが、さらに別の演出も含まれる。具体的には、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、回転部材55k1が回転する。さらに表示部50aの全体に、特別エフェクト画像G16が表示されると共に、スピーカ52から特定効果音(例えば、「キュインキュイン」)が曲Aとは別系統で出力される。スピーカ52から特定効果音(例えば、「キュインキュイン」)が出力され、表示部50aの全体に特別エフェクト画像G16が表示されている点で、通常祝福演出と異なる。また、表示部50aの全体に特別エフェクト画像G16が表示されている点で、高設定値示唆祝福演出と異なる。
なお、通常祝福演出、高設定値示唆祝福演出、および最高設定値示唆祝福演出が実行されない場合は、第1演出ボタン操作有効期間において、第1演出ボタン40kが操作されても第1演出ボタン操作促進画像G12が消えるだけで、そのままラウンド用背景画像G201が表示される。
また、通常祝福演出、高設定値示唆祝福演出、および最高設定値示唆祝福演出は、5秒間行われる。これらの演出が終了すると、盤可動体55kが待機状態に戻り、特定効果音が消え、通常エフェクト画像G13、または特別エフェクト画像G16から、歌手が曲Aを歌うラウンド用背景画像G201に戻る。
このように、通常祝福演出、高設定値示唆祝福演出、および最高設定値示唆祝福演出が実行されることがあるが、祝福演出を実行するか否か、さらには何れの祝福演出を実行するかは、祝福演出の実行の可否、および実行する場合の祝福演出の種類を判定する祝福演出判定で決定される。祝福演出判定は、演出制御用マイコン121が祝福演出判定テーブルを用いて行う。祝福演出判定テーブルは、演出用ROM123に格納されている。
図85(A)、図85(B)、図86(A)、および図86(B)に示すように、祝福演出判定テーブルは、設定値に関連付けられている。すなわち、設定値によって祝福演出判定で用いられる祝福演出判定テーブルが異なる。さらに、設定値に関連付けられた祝福演出判定テーブルは、連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数に関連付けられている。すなわち、祝福演出判定で用いられる祝福演出判定テーブルは連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数によっても異なる。
このように祝福演出判定テーブルは設定値、および連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数に関連付けられている。そして、設定値と連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数の組み合わせによって、実行する祝福演出の種類と祝福演出の不実行の選択率が設定されている。
例えば、設定値「6」であれば、通常祝福演出の実行、高設定値示唆祝福演出の実行、最高設定値示唆縮演出の実行、および祝福演出の不実行が選択可能である。また、設定値「4」、および設定値「5」であれば、通常祝福演出の実行、高設定値示唆祝福演出の実行、および祝福演出の不実行が選択可能である。さらに、設定値「1」〜設定値「3」であれば、通常祝福演出の実行、および祝福演出の不実行が選択可能である。
そして、設定値「4」〜設定値「6」の場合は、連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数が多くになるにつれて、高設定値演出の実行に対する選択率が高くなる。さらに、設定値「6」の場合は、連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数が多くになるにつれて、最高設定値演出の実行に対する選択率が高くなる。また、同一の連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数に対しては、設定値が高くなるにつれて高設定値演出の実行に対する選択率が高くなる。
次に、第8実施形態において、演出制御用マイコン121が祝福演出を実行するために行う祝福演出処理の一例を図87を用いて説明する。例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4012の10msタイマ割り込み処理において、ステップS4203の後に図87に示す祝福演出処理を行うことができる。
演出制御用マイコン121は、祝福演出処理において、まず、ステップS5501として、第5大当たり遊技の1ラウンドが実行されているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、第5大当たり遊技の1ラウンドが実行されていないと判定すると、祝福演出処理を終え、第5大当たり遊技の1ラウンドが実行されていると判定すると、ステップS5502に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5502において、現在、第1演出ボタン操作有効期間であり、当該第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されたか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、第1演出ボタン操作有効期間ではない、または第1演出ボタン操作有効期間であるが第1演出ボタン40kが操作されていないと判定すると、祝福演出処理を終える。一方、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタン操作有効期間であり、当該第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されたと判定すると、ステップS5503に進む。
ステップS5503において、演出制御用マイコン121は、設定値フラグが示す設定値、および連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数に基づいて、これらに関連付けられた祝福演出判定テーブルを選択する。
なお、図示しないが、演出制御用マイコン121は、例えば、第5大当たり遊技に係る大当たり図柄Eを示すオープニングコマンドを受信した場合は、オープニング演出開始処理において、演出用RAM124の所定領域に設けられた第5大当たり遊技実行回数カウンタを「1」加算する。これにより、演出制御用マイコン121は、連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数を計数することができる。また、第5大当たり遊技実行回数カウンタは、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態から大当たりを介さずに低確率低ベース遊技状態に移行する際にクリアされる。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5504において、祝福演出判定用乱数カウンタが示す値を祝福演出判定用乱数として取得し、ステップS5505において、取得した祝福演出判定用乱数を、選択した祝福演出判定テーブルに照合することで祝福演出判定を行う。
なお、各祝福演出判定テーブルには、図85〜図86に示す選択率(%)となるように、各種祝福演出の実行、または祝福演出の不実行に祝福演出判定用乱数の値(祝福演出判定値)が振り分けられている。また、祝福演出判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
演出制御用マイコン121は、ステップS5506において、祝福演出判定の結果が、何れかの祝福演出の実行であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、祝福演出の実行ではないと判定するとそのまま祝福演出を終え、何れかの祝福演出の実行であると判定すると、ステップS5507において、祝福演出の種類・演出内容を示す祝福演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、祝福演出処理を終える。なお、演出制御用マイコン121は、第5大当たり遊技で1回、ステップS5503に進むと、その後は、祝福演出処理を行わない。
以上のように、第8実施形態では、ラウンド数が最大の大当たり遊技において、ラウンド数が最大であることを示唆する祝福演出を用いて、設定値が相対的に高いことを示唆する高設定値示唆祝福演出、および設定値が最高であることを示唆する最高設定値示唆祝福演出が実行されるので、遊技興趣が向上し、さらに遊技者の遊技意欲を高めることができる。さらに、連チャン中における第5大当たり遊技の実行回数が増加するにつれて、高設定値演出、および最高設定値演出が実行され易くなるので、さらに遊技者の遊技意欲を高めることができる。
(第8実施形態の変更例)
設定値演出の具体的な演出内容は第8実施形態に限られず適宜に設定しても良い。また、画像表示装置50、スピーカ52、および盤可動装置55を用いて高設定値演出、および最高設定値演出が実行されたが、画像表示装置50、スピーカ52、および盤可動装置55に代えて、または画像表示装置50、スピーカ52、および盤可動装置55に加えて、枠ランプ53などの他の演出装置を用い高設定値演出、および最高設定値演出を実行しても良い。また、高設定値演出と最高設定値演出とで、用いる演出装置の種類を代えても良い。
また、第8実施形態では、連チャン中の第5大当たり遊技の実行回数に基づいて、祝福演出判定を行っているが、第5大当たり遊技以外の大当たり遊技の実行回数も含む単なる連チャン回数に基づいて祝福演出判定を行っても良い。また、連チャン中に限られず、ラウンド遊技の実行回数が最大の大当たり遊技の実行回数に基づいて祝福演出判定を行っても良い。
さらに、高設定値演出と最高設定値演出の何れか一方のみを実行可能にしても良い。また、高設定値演出は、設定値「4」〜設定値「6」で実行可能であるが、設定値「5」〜設定値「6」の場合に実行可能にしても良い。また、設定値「1」〜設定値「3」、または設定値「1」〜設定値「2」の場合に、設定値が相対的に低いことを示唆する低設定値演出を実行することができるようにしても良い。
また、祝福演出の実行タイミングも第8実施形態に限られずに適宜に設定しても良い。例えば、2ラウンド以降のラウンド遊技中に祝福演出を実行しても良い。さらに、オープニングにおいて祝福演出を実行しても良い。また、特図変動演出において、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる前で、大当たりであることが報知された後に祝福演出を実行しても良い。さらに、祝福演出の実行タイミングは1つに限られず複数設定しても良い。また、祝福演出のパターンも1つに限られず複数設定しても良い。
<第9実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第9実施形態について説明する。第9実施形態では、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の表示態様を用いて、設定値を示唆する設定値演出が実行される。なお、第9実施形態では、主に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に、設定値演出の具体例について説明する。パチンコ遊技機PY1では、電源が投入されると、表示部50aに、予め設定された所定の組み合わせの演出図柄EZ1〜EZ3が停止状態で表示される。例えば、図88(A)に示すように、「左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3」の組み合わせが「3・2・4」であるとする。そして、この状態のときに、電源投入後の最初の特図変動表示が開始されると、それに伴って、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始される。
ここで、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の表示態様は適宜に設定可能であるが、例えば、設定値演出が行われない通常の表示態様として、図88(B)〜図88(C)に示すように、停止状態の各演出図柄EZ1〜EZ3がそのまま下方に移動するようにすることができる。以下において、この演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の表示態様を「通常開始態様」と称する。
なお、演出図柄EZ1〜EZ3が変動し始める順序は適宜に設定することができる。例えば、3つの演出図柄EZ1〜EZ3が同時に変動し始めるようにすることができる。また、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順番で変動し始めるようにすることもできる。
そして、第9実施形態では、設定値が、前回当該パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときに設定されていた設定値と同一で変化していない場合、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示において、演出図柄EZ1〜EZ3は通常開始態様で変動表示を開始する。したがって、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が通常開始態様で開始することは、設定値が、前回当該パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときに設定されていた設定値と同一で変化していないことを示唆している。なお、以下において、前回当該パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときに設定されていた設定値のことを「前回設定値」という。
一方、設定値が前回設定値と異なっている場合、すなわち、設定値が、前回当該パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときから変更されている場合、電源投入後の最初の変動表示において、演出図柄EZ1〜EZ3が、図89(A)に示すように、電源投入後の最初の停止状態から、図89(B)〜図89(C)に示すように、通常開始態様と異なる第1特殊開始態様で変動表示を開始する。具体的には、停止していた演出図柄EZ1〜EZ3が、電源投入後の最初の変動表示の開始時に、左右方向の小さな往復運動を繰り返し行った後に下方に移動する。この演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の左右方向の小さな往復運動が、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の「第1特殊開始態様」を構成する。そして、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が第1特殊開始態様で開始することは、設定値が前回から変化していることを示唆している。
また、設定値が前回設定値よりも高くなっている場合、電源投入後の最初の変動表示において、演出図柄EZ1〜EZ3が、図90(A)に示すように、電源投入後の最初の停止状態から、図90(B)〜図90(C)に示すように、通常開始態様および第1特殊開始態様と異なる第2特殊開始態様で変動表示を開始する。具体的には、停止していた演出図柄EZ1〜EZ3が、電源投入後の最初の変動表示の開始時に、左右方向および上下方向の小さな往復運動を繰り返し行った後に下方に移動する。この演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の左右方向の小さな往復運動が、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の「第2特殊開始態様」を構成する。よって、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が第2特殊開始態様で開始することは、設定値が前回設定値よりも高くなり、前回から変化していることを示唆している。
なお、演出図柄EZ1〜EZ3が第1特殊開始態様または第2特殊開始態様で変動表示を行う場合の演出図柄EZ1〜EZ3が下方に移動する順序も適宜に設定することができる。
このように、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時の表示態様が、現在の設定値と前回設定値に基づいて複数種類設定されていることによって、遊技者は、現在の設定値と前回設定値との関係を大まかに把握することができる。
また、詳細は後述するが、設定値が前回設定値から高くなっている場合、演出図柄EZ1〜EZ3が第2特殊開始態様で変動表示を開始するときと、第2特殊開始態様で変動表示を開始せずに第1特殊開始態様で開始するときと、がある。演出図柄EZ1〜EZ3が第2特殊開始態様で変動表示を開始する確率は、現在の設定値が高くなるにつれて高くなる。
なお、以下において、通常開始態様、第1特殊開始態様、および第2特殊開始態様をまとめて「演出図柄変動開始時態様」と総称する。また、第1特殊開始態様で演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を開始することを「第1設定値演出」という。また、第2特殊開始態様で演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を開始することを「第2設定値演出」という。第1設定値演出、および第2設定値演出をまとめて「設定値演出」と総称する。
また、第9実施形態では、演出図柄EZ1〜EZ3よりも小さい小図柄KZ1〜KZ3を用いて第1設定値演出、および第2設定値演出は実行されない。よって、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示は設定値が前回設定値と同一であるか否かに関わらず、同一態様で開始される。
次に、設定値演出を実行するか否かを決定する処理の一例を図91を用いて説明する。以下において、この処理のことを設定値演出判定処理という。設定値演出判定処理として、例えば、図91に示す処理を、演出制御用マイコン121がステップS4306の特図変動演出開始処理において、特図変動演出パターンを表す特図変動演出パターンコマンドを演出用RAM124の所定領域にセットした後に行うことができる。
なお、設定値演出判定処理の前提として、遊技制御用マイコン101が、遊技制御メイン処理において設定値指定コマンドの他に、バックアップデータに基づいて、前回パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときに設定されていた設定値を示す前回設定値指定コマンドを演出制御基板120に送信するものとする。そして、演出制御用マイコン121は、その前回設定値指定コマンドを受信すると、演出用RAM124に設けられた前回設定値データ領域に、当該前回設定値指定コマンドが示す設定値を示す前回設定値データを記憶するものとする。
演出制御用マイコン121は、設定値演出判定処理において、まず、ステップS5601として、これから開始される特図変動演出が電源投入後の最初の特図変動演出であるか否か、具体的には後述する特図変動演出実行済みフラグがONされているか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、電源投入後の最初の特図変動演出でない、すなわち、特図変動演出実行済みフラグがONされていると判定すると、設定値演出判定処理を終えて特図変動演出開始処理に戻る。一方、演出制御用マイコン121は、電源投入後の最初の特図変動演出である、すなわち、特図変動演出実行済みフラグがONされていないと判定すると、ステップS5602に進む。
ステップS5602において、演出制御用マイコン121は、電源投入後の最初の特図変動演出を実行したこと示す特図変動演出実行済みフラグを演出用RAM124の所定領域にセットし、ステップS5603に進む。
ステップS5603において、演出制御用マイコン121は、設定値フラグと前回設定値データを確認して、現在の設定値が前回設定値と同一であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、現在の設定値が前回設定値と同一であると判定すると、設定値演出判定処理を終えて特図変動演出開始処理に戻る。一方、演出制御用マイコン121は、現在の設定値が前回設定値と同一ではないと判定するとステップS5604に進む。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5604において、設定値フラグと前回設定値データを確認して、現在の設定値が前回設定値より高くなったか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、現在の設定値が前回設定値より高くなっていないと判定すると、ステップS5610に進む一方、現在の設定値が前回設定値より高くなったと判定するとステップS5605に進む。
ステップS5605において、演出制御用マイコン121は、第2設定値演出判定テーブルを選択する。第2設定値演出判定テーブルは、第2設定値演出を実行するか否かを判定する第2設定値演出判定を行うときに用いるデータテーブルである。図92に示すように、第2設定値演出判定テーブルは、設定値に関連付けられている。よって、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に記憶している設定値フラグを参照して、設定値に関連付けられた第2設定値演出判定テーブルを選択する。
各第2設定値演出判定テーブルには、図92に示す選択率(%)となるように、第2設定値演出の実行の可否に第2設定値演出判定用乱数の値(第2設定値演出判定値)が振り分けられている。図92に示すように、設定値が高くなるにつれて第2設定値演出を実行すると判定される確率が高くなっている。なお、第2設定値演出判定テーブルは、演出用ROM123に格納されている。また、設定値「1」である場合、前回設定値よりも高くなっていることはあり得ないので、第2設定値演出の実行に対する選択率が0%となっている。
次に、演出制御用マイコン121は、ステップS5606において、第2設定値演出判定用乱数カウンタが示す値を第2設定値演出判定用乱数として取得し、ステップS5607において、取得した第2設定値演出判定用乱数を、ステップS5605で選択した第2設定値演出判定テーブルに照合することで第2設定値演出判定を行う。第2設定値演出判定用乱数カウンタは演出用RAM124に設けられており、ステップS4003の乱数シード更新処理で適宜に更新される。
続いて、演出制御用マイコン121は、ステップS5608において、第2設定値演出判定の結果、第2設定値演出を実行するか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、第2設定値演出を実行しないと判定するとステップS5610に進む一方、第2設定値演出を実行すると判定するとステップS5609に進む。
演出制御用マイコン121は、ステップS5609において、第2設定値演出の演出内容を示す第2設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、設定値演出判定処理を終えて、特図変動演出開始処理に戻る。一方、演出制御用マイコン121は、ステップS5610において、第1設定値演出の演出内容を示す第1設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、設定値演出判定処理を終えて、特図変動演出開始処理に戻る。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第2設定値演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時に第2設定値演出を実行する。具体的には、画像用CPU141は、第2特殊開始態様で演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を開始させる。
また、演出用RAM124の出力バッファにセットされた第1設定値演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時に第1設定値演出を実行する。具体的には、画像用CPU141は、第1特殊開始態様で演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を開始させる。
なお、設定値と前回設定値とが同一であった場合は、第1設定値演出コマンド、または第2設定値演出コマンドが画像制御基板140に送信されない。よって、画像制御基板140の画像用CPU141は、電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を通常開始態様で開始させる。
このように、設定値演出が実行されることがあることによって、遊技者は現在の設定値が前回設定値に対してどのような状態であるかを認識することができる。すなわち、前回当該パチンコ遊技機PY1に電源電圧が投入されていたときから設定値が変更されたか否かを推測することができる。基本的には、その遊技店の営業終了時にパチンコ遊技機PY1の電源電圧を遮断し、翌日の営業開始前にパチンコ遊技機PY1の電源電圧を投入する。そのため、設定値演出の実行の有無によって、前日の設定値とその日の設定値とを比較することができる。そして、設定値演出の実行の有無によって、設定値に関する情報を知得することができるので、遊技者に電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時に注目させ、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の演出効果を向上させることができる。
さらに、設定値演出には、第1設定値演出と第2設定値演出の2種類の設定値演出があり、それぞれ異なる機能を有し、設定値に関する異なる情報を示唆しているので、さらに遊技者に電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時に注目させ、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の演出効果を向上させることができる。
(第9実施形態の変更例)
第1設定値演出、および第2設定値演出の演出態様、すなわち第1特殊開始態様、および第2特殊開始態様は第9実施形態に限られず適宜に設定しても良い。第1特殊開始態様、および第2特殊開始態様とは異なる態様で演出図柄EZ1〜EZ3を変動表示させても良い。また、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の開始時ではなく、例えば、リーチ成立時や停止時の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の表示態様を用いて、設定値に関する情報を提供する設定値演出を実行しても良い。
また、設定値演出を電源投入後の最初の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示以外の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示で行っても良い。例えば、パチンコ遊技機PY1に電源電圧を投入した後、例えば、電源投入後の最初の10回など所定回数の演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を用いて設定値演出を実行しても良い。この回数は1つ、または複数設定しても良い。また、パチンコ遊技機PY1に電源電圧を投入した後、所定の時間が経過した後の所定期間において演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を用いて設定値演出を実行しても良い。
さらには、設定値の前日設定値からの変更量に基づいて設定値演出を実行しても良い。例えば、第1設定値演出を実行する場合、前日設定値から変更量が大きくなるにつれて、左右方向の移動幅を大きくする、移動速度を早くする、または移動回数を多くするなど、変更量に関連付けて第1設定値演出を実行しても良い。また、第2設定値演出を実行する場合、前日設定値から変更量が大きくなるにつれて、左右方向および上下方向の少なくとも何れか一方の移動幅を大きくする、移動速度を早くする、または移動回数を多くするなど、変更量に関連付けて第2設定値演出を実行しても良い。
また、第9実施形態では、画像表示装置50を用いて設定値演出が実行されているが、画像表示装置50に加えて、または画像表示装置50に代えて、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて設定値演出を実行しても良い。画像表示装置50以外の演出装置を用いるのは第1設定値演出、および第2設定値演出の何れも、または何れか一方のみであっても良い。さらに、第1設定値演出、および第2設定値演出の何れも画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行する場合、画像表示装置50以外の演出装置の演出態様は、第1設定値演出と第2設定値演出で同一であるようにしても異なるようにしても良い。
また、第9実施形態では、第1設定値演出、および第2設定値演出は、演出図柄EZ1〜EZ3を用いて実行されているが、これに代えて小図柄KZ1〜KZ3を用いて実行されても良い。あるいは、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3を用いて第1設定値演出、および第2設定値演出を実行するようにしても良い。さらに、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の何れか一方を用いて第1設定値演出、および第2設定値演出の何れか一方を実行し、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の何れか他方を用いて第1設定値演出、および第2設定値演出の何れか他方を実行するようにしても良い。
<第10実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第10実施形態について説明する。第10実施形態では、基本的な実施形態では設けられていなかった小当たりが設けられている。小当たりは、大当たり判定の判定結果の1つである。すなわち、大当たり判定で、大当たり、小当たり、およびハズレの何れかが選択される。そして、結果的には、設定値によって、ハズレの確率が異なり、ハズレの発生頻度によって設定値が示唆されることになる。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に、大当たり判定で用いられる大当たり判定テーブルについて説明する。第10実施形態の大当たり判定テーブルは、基本的な実施形態で示した大当たり判定テーブルとは異なる。図93(A)〜図93(C)、および図94(A)〜図94(C)に示すように、第10実施形態の大当たり判定テーブルは、設定値に関連付けられている。
さらに、設定値に関連付けられた大当たり判定テーブルは、大当たり判定が起因する入賞が行われた始動口の種類、すなわち大当たり判定に基づいて行われる可変表示の対象となる特図の種類にも関連付けられている。なお、以下において、特図1に関連付けられた大当たり判定テーブルを「第1大当たり判定テーブル」と称し、特図2に関連付けられた大当たり判定テーブルを「第2大当たり判定テーブル」と称する。
また、第1大当たり判定テーブル、および第2大当たり判定テーブルは、遊技状態にも関連付けられている。すなわち、各第1大当たり判定テーブルには、通常確率状態で用いられる第1大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる第1大当たり判定テーブルと、がある。一方、各第2大当たり判定テーブルには、通常確率状態で用いられる第2大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる第2大当たり判定テーブルと、がある。
そして、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果としての、大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数判定値が適宜に割り振られている。大当たり判定テーブルにおける大当たり、小当たり、およびハズレの選択率の詳細については後述する。
また、第10実施形態における大当たり遊技後に設定される遊技状態も基本的な実施形態の場合と異なっている。具体的には、図95に示すように、大当たり図柄Aに係る大当たり遊技後の遊技状態は、高確率高ベース遊技状態であり、このときの高確率規定回数は160回、時短規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄Bに係る大当たり遊技後の遊技状態は、高確率低ベース遊技状態であり、このときの高確率規定回数は160回である。一方、大当たり図柄Cに係る大当たり遊技後の遊技状態は、低確率低ベース遊技状態である。すなわち、大当たり図柄Cに当選すると、大当たり遊技が実行される以外に遊技者に有利な遊技状態にならない。
大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後の遊技状態は、高確率高ベース遊技状態であり、このときの高確率規定回数は160回、時短規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄Fに係る大当たり遊技後の遊技状態は、低確率高ベース遊技状態であり、このときの時短規定回数は100回である。
また、第10実施形態における大当たり遊技後に設定される演出モードも基本的な実施形態の場合と一部異なっている。基本的な実施形態の場合と少し異なっている点は、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに係る大当たり遊技後に、高確率低ベース遊技状態、または低確率低ベース遊技状態が設定されているときに、高確率低ベース遊技状態、または低確率低ベース遊技状態の何れか設定されているのか判別させ難くする潜伏モードが設定されるということである。
潜伏モードは、最長で、高確率低ベース遊技状態が設定されてから大当たりに当選することなく、大当たり図柄Bに係る高確率規定回数の特図可変表示が実行されるまで、または低確率低ベース遊技状態が設定されてから大当たりに当選することなく大当たり図柄Bに係る高確率規定回数の特図可変表示が実行されるまで継続される。
また、小当たりが設けられたことによって特図変動パターン判定テーブルも基本的な実施形態の場合と異なる。小当たりに係る特図変動パターンは適宜に設定可能であるが、例えば、図96〜図97に示すように、小当たりの場合は、ハズレの場合と同様な特図変動パターンが選択され得る。小当たりに当選すると、ハズレの場合と同様にリーチ判定が行われ、リーチの有無によって特図変動パターン判定テーブルが区別される。
具体的には、小当たり用の特図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態に係るリーチ有り小当たり用の特図1変動パターン判定テーブル、非時短状態に係るリーチ無し小当たり用の特図1変動パターン判定テーブル、時短遊技状態に係る小当たり用の特図2変動パターン判定テーブル、非時短状態に係るリーチ有り小当たり用の特図2変動パターン判定テーブル、非時短状態に係るリーチ無し小当たり用の特図2変動パターン判定テーブル、時短遊技状態に係る小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルがある。
さらに、非時短状態に係るリーチ有り小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルには、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無し小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無し小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、非時短状態に係るリーチ有り小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルにも、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無し小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無し小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
非時短状態の特図1抽選で小当たりに当選し、リーチ有りと判定された場合は、SPハズレ変動、Lハズレ変動、およびNハズレ変動と特図変動時間、および演出フローが同じ、SP小当たり変動、L小当たり変動、およびN小当たり変動の何れかが選択される。
さらに、非時短状態の特図1抽選で小当たりに当選し、リーチ無しと判定された場合は、通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、および通常Cハズレ変動と特図変動時間、および演出フローが同じ、通常A小当たり変動、通常B小当たり変動、および通常C小当たり変動の何れかが選択される。
また、時短状態の特図2抽選で小当たりに当選すると、リーチの有無に関わらず、短縮Bハズレ変動と特図変動時間、および演出フローが同一の短縮B小当たり変動が選択される。これは、後述するように、特図2抽選での小当たり確率はハズレに比べてとても低いからである。
そして、小当たりに当選すると、最終的に、特図可変表示にて、小当たりを示す特図の停止表示が行われる。小当たりを示す態様で特図が停止してから確定時間が開始すると小当たり遊技が行われる。なお、小当たりを示す態様で停止した特図が、小当たり図柄であり、その役割は大当たり図柄、およびハズレ図柄に対応する。次に、小当たり遊技について説明する。なお、第10実施形態では、小当たり図柄は1種類のみ設けられているが、複数種類設定しても良い。
小当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う開放遊技と、小当たり遊技が開始してから初回の開放遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回の開放遊技が終了してから小当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各開放遊技は、オープニングの終了又は前の開放遊技の終了によって開始し、次の開放遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、OPやEDについては、設けないようすることが可能である。
そして、第10実施形態のパチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技を制御する。なお、第10実施形態では、小当たり遊技は1種類のみ設けられているが、複数種類の小当たり図柄に対応付けて複数種類設定しても良い。
図98に示すように、小当たり遊技制御テーブルには、小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放遊技の回数、各開放遊技が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。なお、小当たり遊技の種別が複数ある場合、小当たり遊技の種別毎に、小当たり遊技構成要素を設定することが可能である。
図98に示す第10実施形態の小当たり遊技では、開放遊技が2回行われる。そして、各開放遊技では、0.2秒にわたって大入賞口14が開放する。なお、各開放遊技間の大入賞口14の閉鎖時間は2.0秒である。また、小当たり遊技が開始されてから最初の開放遊技が開始されるまでの間、0.5秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後の開放遊技が終了してから小当たり遊技が終了するまでの間、0.5秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
次に、小当たりが設けられていることによって、遊技制御用マイコン101が行う処理で基本的な実施形態と異なる点を説明する。第10実施形態において遊技制御用マイコン101が行う処理として、主に、特別動作処理、特図1判定処理、特図1変動パターン判定処理、特図2判定処理、特図2変動パターン判定処理、および特別図柄確定処理が基本的な実施形態と異なる。最初に、特別動作処理について説明する。
特別動作処理では、小当たり遊技制御処理が含まれている。小当たり遊技制御処理は、特別動作ステータス「6」に対応付けられ、特別動作ステータス「6」がセットされているときに、ステップS1507として行われる。なお、「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。また、特別動作ステータスを「6」にセットする処理は後述する。
遊技制御用マイコン101が、小当たり遊技制御処理を行うことによって、前述の小当たり遊技制御テーブルに応じた小当たり遊技を行う。なお、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技制御処理において、小当たり遊技で全ての開放遊技が終了してエンディングを開始させる際に、当該小当たり遊技に係る小当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技制御処理において、小当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「1」に変更する。
次に、特図1判定処理について説明する。特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の設定値および遊技状態に応じた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、小当たり、またはハズレの何れであるかの判定を行う。
前述の通り、大当たり判定テーブルは、設定値に関連付けられているので、遊技制御用マイコン101は、設定されている現在の設定値に関連付けられた第1大当たり判定テーブルを選択する。さらに、第1大当たり判定テーブルは遊技状態にも関連付けられているので、遊技制御用マイコン101は、設定値に関連付けられた第1大当たり判定テーブルの中の通常確率状態に関連付けられた第1大当たり判定テーブルか、高確率状態に関連付けられた第1大当たり判定テーブルを選択する。そして、遊技制御用マイコン101は、選択した第1大当たり判定テーブルに特別図柄乱数を照合する大当たり判定を行う。
ここで、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が大当たりであれば、さらに大当たり図柄乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。あるいは、大当たり判定の結果が「小当たり」であれば、小当たりを表す小当たり図柄データを特図バッファにセットすると共に、小当たりを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理について図100を用いて説明する。図100は、第10実施形態における特図1変動パターン判定処理である。図100のステップS1651〜ステップS1654、ステップS1658〜ステップS1661、およびステップS1664〜ステップS1667は、基本的な実施形態のステップS1651〜ステップS1654、ステップS1655〜ステップS1658、およびステップS1659〜ステップS1662と同一である。以下に、第10実施形態の特図1変動パターン判定処理の基本的な実施形態と異なる点について説明する。
第10実施形態の特図1変動パターン判定処理では、遊技制御用マイコン101は、ステップS1654において大当たり判定結果が「大当たり」ではないと判定すると(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たり判定結果が「小当たり」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、ステップS1655において大当たり判定結果が「小当たり」ではないと判定すると(S1655でNO)、ステップS1658に進んでハズレに係るリーチ判定を行う。
一方、遊技制御用マイコン101は、ステップS1655において大当たり判定結果が「小当たり」であると判定すると(S1655でYES)、ステップS1656に進んでハズレに係るリーチ判定の場合と同様に、小当たりに係るリーチ判定を行う。なお、小当たりに係るリーチ判定と、ハズレに係るリーチ判定では同一のリーチ判定テーブルが用いられる。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1657において、リーチ判定結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、リーチ判定結果が「リーチ有り」ではないと判定すると(S1657でNO)、ステップS1662に進んでリーチ無し小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1665に進む。一方、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定結果が「リーチ有り」であると判定すると(S1657でYES)、ステップS1663に進んでリーチ有り小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1665に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1665に進んだ後は、基本的な実施形態と同様な処理を行う。
また、特図2判定処理は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、特別図柄確定処理について図101を用いて説明する。図101は、第10実施形態における特別図柄確定処理である。図100のステップS1751〜ステップS1761、およびステップS1765は、基本的な実施形態のS1751〜ステップS1761、およびステップS1762と同一である。以下に、第10実施形態の特別図柄確定処理の基本的な実施形態と異なる点について説明する。
第10実施形態の特別図柄確定処理では、遊技制御用マイコン101は、ステップS1758において、大当たり図柄が停止したと判定すると(S1758でNO)、ステップS1762に進み、小当たり図柄が停止したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において小当たり図柄が停止していないと判定すると(S1762でNO)、ステップS1765に進んで特別動作ステータスを「1」に変更して、特別図柄確定処理を終える。
一方、遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において小当たり図柄が停止したと判定すると(S1762でYES)、ステップS1763に進んで小当たり遊技準備処理を行い、ステップS1764において特別動作ステータスを「6」に変更して、特別図柄確定処理を終える。
遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技準備処理において、小当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、小当たり遊技のオープニング中であることを示す小当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、小当たり遊技のオープニング時間(小当たり遊技が開始されてから最初の開放遊技を開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、小当たりのオープニングを示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
次に、大当たり判定テーブルにおける大当たり、小当たり、およびハズレの選択率について説明する。前述の通り、大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果である大当たり、小当たり、およびハズレに特別図柄判定値が適宜に割り振られている。その結果、各大当たり判定テーブルにおける大当たり、小当たり、およびハズレの選択率は図102のようになる。以下において、大当たりの選択率のこと「大当たり確率」、小当たりの選択率のこと「小当たり確率」、ハズレの選択率のこと「ハズレ確率」と称する。
図102に示すように、大当たり確率は、各設定値において、同一の遊技状態であれば大当たり判定に係る特図の種類による違いはない。しかし、各設定値において、同一の特図の種類であっても通常確率状態と高確率状態とで大当たり確率が異なる。具体的には、何れの設定値であっても通常確率状態よりも高確率状態のときの方が、大当たり確率が高く設定されている。そして、何れの大当たり確率状態であっても、設定値が高くなるにつれて大当たり確率が高くなっている。
また、小当たり確率は、各設定値において、同一の特図の種類であれば遊技状態による違いはない。しかし、各設定値において、同一の特図の種類であっても大当たり判定に係る特図の種類によって小当たり確率が異なる。具体的には、何れの設定値であっても特図2よりも特図1のときの方が、小当たり確率が高く設定されている。そして、設定値に関係なく、小当たり確率は特図の種類毎にほとんど同一に設定されている。
さらに、各設定値において、遊技状態によって異なる。そして、特図1のハズレ確率は、何れの遊技状態であっても、設定値が高くなるにつれて、低くなっていく。また、特図1のハズレ確率は、何れの設定値においても、高確率状態よりも通常確率状態の方が高い。すなわち、高確率状態の方がハズレになり難い。さらに、そのハズレの確率が低くなっていく度合いは、通常確率状態よりも高確率状態の方が大きい。一方、特図2のハズレ確率は、通常確率状態と、高確率状態とで略同一である。そして、特図2のハズレ確率は、何れの遊技状態であっても、設定値に関係なく略同一である。
また、何れの設定値においても、ハズレの選択率は、通常確率状態・高確率状態の特図2>通常確率状態の特図1>高確率状態の特図1という関係を示している。
ここで、特図1について、高確率状態でのハズレ確率は、設定値によって非常に差がある。一方、特図1について、通常確率状態でのハズレ確率は、何れの設定値であっても高確率状態よりも高いが、ハズレ確率の設定値による差は、高確率状態より小さい。また、特図2でのハズレ確率は、何れの設定値であっても、特図1に係るハズレ確率よりも高い。しかしながら、特図2に係る通常確率状態でのハズレ確率の設定値による差、および特図2に係る高確率状態でのハズレ確率の設定値による差は、特図1に係る通常確率状態でのハズレ確率の設定値による差よりも圧倒的に小さい。
よって、基本的には、第2始動口12へ遊技球を入賞させて特図2の可変表示を行うことで遊技全体が進行する高ベース遊技状態では、ハズレの発生頻度によって設定値を推測することが難しい。一方、第1始動口11へ遊技球を入賞させて特図1の可変表示を行うことで遊技全体が進行する低ベース遊技状態では、ハズレの発生頻度によって設定値を推測することは、高ベース遊技状態に比べて容易である。低ベース遊技状態の中でも、高確率状態のときの方が、ハズレ確率の設定値による差が大きいので、その分、ハズレの発生頻度によって設定値を推測することが容易である。
このように、遊技者に望まれないハズレの発生頻度に基づいて設定値が示唆されるので、遊技者をハズレに注目させることができる。その結果、遊技者の遊技への飽きを軽減すると共に、遊技興趣を向上させることができる。さらに、遊技状態によって、設定値を示唆する精度が異なるので、遊技の単調化を防止し、遊技全体的にメリハリをつけることができる。特に、相対的に特図可変表示を実行させ難い低ベース遊技状態のときの方が、ハズレの発生頻度に基づく設定値の示唆に対する精度が高いので、効果的に遊技への飽きを防止することができる。また、相対的に特図可変表示を実行させ易い高ベース遊技状態のときの方が、ハズレの発生頻度に基づく設定値の示唆に対する精度が低いので、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、各設定値において、特図1に係るハズレの確率は、通常確率状態のときと高確率状態のときとで異なるので、大当たり図柄B、または大当たり図柄Cに係る大当たり遊技が行われた後、同一の潜伏モードで遊技が行われているときに、ハズレの発生頻度によって遊技状態を推測することもできる。これにより、遊技興趣が向上する。
(第10実施形態の変更例)
大当たり確率、小当たり確率、およびハズレ確率の具体的な値は第10実施形態に限られず適宜に設定しても良い。また、各設定値におけるハズレ確率の大小関係は第10実施形態に限られず適宜に設定しても良い。例えば、各設定値において、特図1の高確率状態>特図1の通常確率状態>特図2の通常確率状態・高確率状態という順番で、ハズレ確率が高くなるように設定しても良い。
また、ハズレ確率の設定値による差の度合いの大小関係も、第10実施形態に限られず適宜に設定しても良い。例えば、特図1の通常確率状態>特図1の高確率状態>特図2の通常確率状態・高確率状態という順番で、ハズレの確率の設定値による差の度合いが大きくなるように設定しても良い。
<第11実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第11実施形態について説明する。第11実施形態では、設定値をランダムに設定することができる。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第11実施形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値をランダムに設定するための設定値設定方法切替スイッチ74が設けられている。設定値設定方法切替スイッチ74は5接点のスライドスイッチで構成され、図103に示すように、設定値スイッチ71の近傍に設けられている。
設定値設定方法切替スイッチ74によって、設定値をランダムに設定しない「ランダム設定OFF」、設定値をランダムに設定する「ランダム設定A」、「ランダム設定B」、「ランダム設定C」、および「ランダム設定D」の何れかに切り替えることができる。具体的には、設定値設定方法切替スイッチ74の操作部を構成するつまみ74kを5段階でスライド操作することが可能であり、このつまみ74kのスライド操作によって、「ランダム設定OFF」、「ランダム設定A」、「ランダム設定B」、「ランダム設定C」、および「ランダム設定D」の何れかに切り替えることができる。
「ランダム設定A」、「ランダム設定B」、「ランダム設定C」、および「ランダム設定D」の詳細は後述するが、「ランダム設定A」と、「ランダム設定B」と、「ランダム設定C」と, 「ランダム設定D」とで設定値の選択率が異なる。なお、以下において、「ランダム設定OFF」、「ランダム設定A」、「ランダム設定B」、「ランダム設定C」、および「ランダム設定D」は、設定値を設定する方法であり、以下において「設定値設定方法」と総称する。
また、設定値設定方法切替スイッチ74には、つまみ74kのスライド操作、すなわち、設定値設定方法の切替操作を検知可能な設定値設定方法切替スイッチセンサ74aが接続されている。図104に示すように、設定値設定方法切替スイッチセンサ74aは遊技制御基板100に接続されている。
つまみ74kのスライド操作があった場合には、設定値設定方法切替スイッチセンサ74aがつまみ74kの位置を検知し、その位置を示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。このつまみ74kの位置は各設定値設定方法に対応付けられている。よって、つまみ74kの位置を示す検知信号は、実質的には選択されている設定値設定方法を示す。
また、第11実施形態では、特別図柄乱数、大当たり図柄乱数、および特図変動パターン乱数と同様に、設定値乱数が設けられている。設定値乱数は、後述の設定値設定方法判定において用いられる乱数(判定情報)である。遊技用RAM104には、設定値乱数を示す設定値乱数カウンタが設けられている。
遊技制御用マイコン101は、ステップS12の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理において、設定値乱数カウンタのカウンタ値を1加算して更新する。設定値乱数カウンタのカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、設定値乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第11実施形態では、0〜65535に設定されている。また、設定値乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS103の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理においても、普図関連判定情報や特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理と同様に、設定値乱数カウンタのカウンタ値を1加算して更新する。遊技制御側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(遊技制御側タイマ割り込み処理の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方で行われている。なお、設定値乱数カウンタのカウンタ値を1加算して更新する処理は、ステップS12またはステップS103の何れか一方のみであっても良い。
次に、第11実施形態の設定値設定処理について図105を用いて説明する。図105は、第11実施形態における設定値設定処理である。図105のステップS51、ステップS53〜ステップS56、およびステップS63は、基本的な実施形態のステップS51、ステップS52〜ステップS55、およびステップS56と同一である。
第11実施形態の設定値設定処理では、遊技制御用マイコン101は、ステップS51で設定値を設定値表示器87に表示した後、ステップS52において、設定値設定方法切替スイッチ74で設定値設定方法として「ランダム設定OFF」が選択されているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、「ランダム設定OFF」が選択されていると判定すると、ステップS53に進み、「ランダム設定OFF」が選択されていないと判定すると、ステップS57に進む。ステップS53に進んだ場合の処理は、基本的な実施形態におけるステップS52〜ステップS56と同一であるので、説明を省略する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS57において、設定値設定方法切替スイッチ74で選択されている設定値設定方法、具体的には、選択されているランダム設定A〜ランダム設定Dの何れかに関連付けられた設定値判定テーブルを選択する。ここで、設定値判定テーブルについて説明する。
設定値判定テーブルは、設定値を判定する設定値判定で用いられるデータテーブルである。設定値判定テーブルには、ランダム設定Aが選択されているときに用いられる設定値判定テーブル(第1設定値判定テーブル)、ランダム設定Bが選択されているときに用いられる設定値判定テーブル(第2設定値判定テーブル)、ランダム設定Cが選択されているときに用いられる設定値判定テーブル(第3設定値判定テーブル)、およびランダム設定Dが選択されているときに用いられる設定値判定テーブル(第4設定値判定テーブル)がある。言い換えると、設定値判定テーブルは設定値設定方法に関連付けられている。なお、これらの設定値判定テーブルは、遊技用ROM103に格納されている。
各設定値判定テーブルは、各設定値が所定の選択率で選択されるように構成されている。具体的には、例えば、図106に示すように、各設定値判定テーブルにおいて、各設定値に、設定値乱数の判定値(設定値乱数判定値)が図106に示す選択率で適宜に割り振られている。設定値設定方法(つまり、ランダム設定A〜ランダム設定D)によって、各設定値が選択される確率が異なるように設定値判定テーブルが構成されている。
第1設定値判定テーブルでは、設定値が高くなるにつれて、その設定値に対する選択率が低くなる。そして、設定値「6」に対する選択率は「0」に設定されている。すなわち、ランダム設定Aが選択されているときは、設定値「6」が選択されることはない。一方、第4設定値判定テーブルでは、設定値が高くなるにつれて、その設定値に対する選択率が高くなる。そして、設定値「1」に対する選択率は「0」に設定されている。すなわち、ランダム設定Dが選択されているときは、設定値「1」が選択されることはない。
また、第2設定値判定テーブル、および第3設定値判定テーブルでは、設定値「1」と設定値「2」に対する選択率が同一であり、設定値「3」と設定値「4」に対する選択率が同一であり、設定値「5」と設定値「6」に対する選択率が同一である。そして、第2設定値判定テーブルの場合は、設定値が高くなるにつれて、その設定値に対する選択率が低くなる。一方、第3設定値判定テーブルの場合は、設定値が高くなるにつれて、その設定値に対する選択率が高くなる。
なお、第2設定値判定テーブル、および第3設定値判定テーブルでは、第1設定値判定テーブル、および第4設定値判定テーブルの場合と異なって、何れの設定値も選択可能に構成されている。また、第2設定値判定テーブル、および第3設定値判定テーブルでは、第1設定値判定テーブル、および第4設定値判定テーブルに比べて、設定値によって選択率の差が小さくなるよう構成されている。
説明を設定値設定処理に戻す。遊技制御用マイコン101は、ステップS57で設定値判定テーブルを選択すると、次に、ステップS58において、遊技用RAM104にバックアップデータとしてバックアップされている設定値乱数カウンタのカウンタ値をロードして設定値乱数を取得し、ステップS59において、そのカウンタ値が示す設定値乱数をステップS57で選択した設定値判定テーブルに照合して設定値判定を行う。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS60において、設定値判定で判定された設定値を示す設定値データを、遊技用RAM104の設定値記憶部107に記憶して新しい設定値を設定し、ステップS61において、その設定値を設定値表示器87に表示し、ステップS62において設定値確定の操作があるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値確定の操作があると判定するまで、同処理を繰り返し実行する。そして、遊技制御用マイコン101は、設定値確定の操作があると判定すると、ステップS63に進み、設定値データが示す設定値指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットして、演出制御基板120に送信する。
このように、第11実施形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値をランダムに設定することができるので、遊技店の店員が多数のパチンコ遊技機PY1に対して設定値スイッチ71を操作して設定値を変更する労力を軽減させつつ、設定値を変更して遊技興趣を向上することができる。また、設定値設定方法切替スイッチ74でランダム設定OFFを選択することによって設定値を任意に設定することも可能であるので、パチンコ遊技機PY1の機能性が向上する。さらに、設定値をランダムに設定する設定値設定方法が複数設けられているので、さらに、設定値の偏りを軽減することができる。
(第11実施形態の変更例)
第11実施形態では、設定値をランダムに設定することができるが、そのための機構や処理は第11実施形態に限られず適宜に設定しても良い。例えば、設定値設定方法切替スイッチ74は、スライドスイッチで構成されているが、ロータリースイッチやディップスイッチなどの他の機構からならスイッチを用いても良い。
また、設定値をランダムに設定する設定値設定方法の種類や各設定値判定テーブルにおける設定値の選択率も適宜に設定しても良い。さらには、設定値判定と異なる方法で設定値をランダムに設定しても良い。
<第12実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第12実施形態について説明する。第12実施形態では、第1実施形態と同様に、アウト球が検知される。また、特図2に係る大当たり判定で小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されることがある。そして、一度、大当たりに当選した後、通常遊技状態が設定されるまでの間に、大当たり遊技、および小当たり遊技において払い出された遊技球の個数と、当該通常遊技状態が設定された後に発生するアウト球の個数に基づいて、設定値を示唆する設定演出が実行される。なお、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に、大当たり判定で用いられる大当たり判定テーブルについて説明する。第12実施形態の大当たり判定テーブルは、図107(A)〜図107(C)、および図108(A)〜図108(C)に示すように、設定値に関連付けられている。
さらに、設定値に関連付けられた大当たり判定テーブルは、大当たり判定が起因する入賞が行われた始動口の種類、すなわち大当たり判定に基づいて行われる可変表示の対象となる特図の種類にも関連付けられている。なお、以下において、特図1に関連付けられた大当たり判定テーブルを「第1大当たり判定テーブル」と称し、特図2に関連付けられた大当たり判定テーブルを「第2大当たり判定テーブル」と称する。
また、第1大当たり判定テーブル、および第2大当たり判定テーブルは、遊技状態にも関連付けられている。すなわち、各第1大当たり判定テーブルには、通常確率状態で用いられる第1大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる第1大当たり判定テーブルと、がある。一方、各第2大当たり判定テーブルには、通常確率状態で用いられる第2大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる第2大当たり判定テーブルと、がある。
そして、第1大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果としての、大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数判定値が適宜に割り振られている。すなわち、特図1に係る大当たり判定では、小当たりに当選することはない。一方、第2大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果としての、大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数判定値が適宜に割り振られている。すなわち、特図2に係る大当たり判定では、小当たりに当選することがある。なお、小当たりの当選確率は、設定値、および遊技状態に関係なく同一に設定されている。
また、第12実施形態では、小当たり図柄の種類は1つであり、1種類の小当たり遊技が設けられている。図109(A)に示すように、小当たり遊技では、開放遊技が2回行われる。そして、開放遊技では、0.9秒にわたって大入賞口14が開放する。なお、各開放遊技間の大入賞口14の閉鎖時間は2.0秒である。また、小当たり遊技が開始されてから最初の開放遊技が開始されるまでの間、0.5秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後の開放遊技が終了してから小当たり遊技が終了するまでの間、0.5秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
さらに、第12実施形態における大当たり遊技後に設定される遊技状態も基本的な実施形態の場合と異なっている。具体的には、図109(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後の遊技状態は、高確率低ベース遊技状態である。この遊技状態の終了条件は、特図可変表示の実行回数「160回」である。一方、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに係る大当たり遊技後の遊技状態は、低確率高ベース遊技状態である。この遊技状態の終了条件は、特図可変表示の実行回数「100回」である。
また、大当たり遊技後に設定される演出モードとしては、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後の高確率低ベース遊技状態では確変演出モードが設定され、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに係る大当たり遊技後の低確率高ベース遊技状態では時短演出モードが設定される。
さらに、特図1変動パターン判定テーブルは、基本的な実施形態と同一である。一方、特図2変動パターン判定テーブルは、基本的な実施形態と異なる。具体的には、図110に示すように、小当たりが設けられたことによって特図変動パターン判定テーブルも基本的な実施形態の場合と異なる。特図2変動パターン判定テーブルには、低確率低ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブル、高確率低ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブル、および低確率高ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブルがある。
さらに、当たり判定に係る当選確率、普図変動時間、および補助遊技に係る電チュー12Dの開放パターンも基本的な実施形態と異なる。図111(A)に示すように、非時短状態では、65533/65535の確率で当たりに当選する。一方、時短状態では、65534/65535の確率で当たりに当選する。また、図111(B)に示すように、非時短状態における普図変動時間は1.1秒となる。一方、時短状態における普図変動時間は1.0秒となる。さらに、図111(C)に示すように、非時短状態における補助遊技に係る電チュー12Dの開放パターンは1.0秒の1回開放となる。一方、時短状態における補助遊技に係る電チュー12Dの開放パターンは1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放となる。
このように、第12実施形態では、非時短状態は、電チュー23Dの開放に関して時短状態と近い遊技状態である。よって、非時短状態でも、右打ちを行って電チュー23Dを狙って、特図2抽選を行わせる遊技を実行することができる。ただし、特図2変動パターン判定テーブルに示すように、低確率低ベース遊技状態では、特図2変動時間が非常に長く設定されている。よって、第12実施形態のパチンコ遊技機PY1は、基本的には、低確率低ベース遊技状態で左打ちを行い、高確率低ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態で右打ちを行う遊技性である。
次に、遊技制御用マイコン101が行う処理について説明する。第12実施形態でも、第1実施形態と同様に、アウト球を検知するアウトセンサ19aが設けられている。そして、アウトセンサ19aがアウト球を検知すると、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S19)において、アウト指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S226、図49参照)、演出制御基板120に送信する。さらに、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理の大入賞口賞球処理(S224)において、遊技球が大入賞口14に入賞したことを示す大入賞口入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、演出制御基板120に送信する。
また、センサ検知処理の他に、特別動作処理、特図2判定処理、特図2変動パターン判定処理、および特別図柄確定処理が基本的な実施形態と異なる。ただし、特別動作処理、特図2判定処理、および特別図柄確定処理は、第10実施形態と同様であるので、説明を省略する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2変動パターン判定テーブルに基づいて行われる。前述のように、特図2変動パターン判定テーブルには、低確率低ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブル、高確率低ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブル、および低確率高ベース遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブルがある。よって、遊技制御用マイコン101は、特図2変動パターン判定処理において、まずは遊技状態を確認し、遊技状態に関連付けられた特図2変動パターン判定テーブルを選択する。
次に、遊技状態に関連付けられた各特図2変動パターン判定テーブルには、大当たり用の特図2変動パターン判定テーブルと、小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルと、ハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、があるので、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果に関連付けられた特図2変動パターン判定テーブルをさらに選択する。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果がハズレであると、リーチ判定を行って、リーチ判定結果に関連付けられた特図2変動パターン判定テーブルを選択する。さらに、リーチ判定の結果が「リーチ無し」であると、特図2保留数を確認し、特図2保留数に関連付けられた特図2変動パターン判定テーブルを選択する。
そして、遊技制御用マイコン101は、基本的な実施形態の場合と同様に、最終的に選択した特図2変動パターン判定テーブルに基づいて特図2変動パターン判定を行い、特図2変動パターンに応じた特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、特図変動時間を特別動作用タイマにセットして、特図2の変動表示を開始させる。
次に、設定値演出について説明する。演出制御用マイコン121は、通常遊技状態おける大当たり判定で大当たりに当選し、大当たり遊技が実行されると、次に、遊技者に有利な通常遊技状態が設定されるまでの間に、大当たり遊技、および小当たり遊技における大入賞口14への入賞によって払い出された遊技球の個数、すなわち遊技者が獲得した要求の個数(以下、「特定獲得数」という)を計数する。そして、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態が設定され、遊技者に有利な遊技状態を抜けた後に発生したアウト個数(以下、「特定アウト数」という)が特定獲得数に達すると、設定されている設定値を示唆する設定値演出を実行する。なお、以下において、特定アウト数が特定獲得数に達することを「設定値演出条件の成立」という。
ここで、大当たり遊技が行われてから設定値演出が実行されるまでの具体例について説明する。例えば、通常遊技状態であり、通常演出モードが設定されているときに、大当たりに当選し、図112(A)に示すように、大当たり遊技が開始し、オープニング演出が実行されたとする。そして、大当たり遊技が進行して、エンディングを迎えると、図112(B)に示すように、エンディング演出が行われる。基本的な実施系形態と同様に、エンディング演出において、当該大当たり遊技において大入賞口14への入賞に基づいて払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される。そして、大当たり遊技の終了に伴って、高確率低ベース遊技状態が設定されると共に、確変演出モードが設定されるとする。
図112(C)は、確変演出モードが設定された直後の表示部50aを表している。確変演出モードが設定されると、表示部50aの全体に確変用背景画像G120が表示され、例えば表示部50aの所定位置に、特定獲得数を表す特定獲得数画像G40が確変用背景画像G120の上から表示される。通常遊技状態であり、通常演出モードが設定されているときの大当たり当選に係る大当たり遊技の直後は、特定獲得数画像G40は、その大当たり遊技での大入賞口14への入賞に基づいて払い出された遊技球の個数の総数を表す。なお、確変演出モード中は、右打ちを促す右打ち画像G41が表示部50aの右上に表示される。
高確率低ベース遊技状態で右打ちが行われるので、小当たり遊技が実行されることがある。高確率低ベース遊技状態において、小当たり遊技が実行されて、大入賞口14に入賞し、遊技球が払い出されると、入賞の度に、払い出された遊技球の個数(15個)が特定獲得数画像G40に加算され、特定獲得数画像G40が示す特定獲得数が増えていく(図112(D)〜図112(E)参照)。
そして、高確率低ベース遊技状態、且つ確変演出モードにおいて、特図可変表示が実行され続けて、再度大当たりに当選したとする。すると、大当たり遊技が行われて、最終的には図113(A)に示すように、エンディング演出が実行される。このエンディング演出で表示される総賞球数画像G6は、今回の大当たり遊技、最初の大当たり遊技、および高確率低ベース遊技状態で行われた小当たり遊技において大入賞口14に入賞したことにより払い出された遊技球の個数、すなわちそのときまでの特定獲得数を表している。
続いて、再度、高確率低ベース遊技状態が設定されると共に、確変演出モードが設定されると、その後も、小当たり遊技が実行され、特定獲得数が増加していく(図113(B)参照)。そして、その高確率低ベース遊技状態の終了条件が成立したとする。具体的には、高確率低ベース遊技状態が設定されてから大当たり当選することなく、160回の特図可変表示が実行されたとする。すると、その160回目の特図可変表示に応じた特図変動演出が終了する間際に、図113(C)に示すように、高確率低ベース遊技状態の終了を示唆する黒色の特殊な背景画像(特殊背景画像G121)が表示されると共に、確変演出モードが終了することを示唆する確変モード終了示唆画像G42、および最終的な特定獲得数(最終特定獲得数)を表す最終特定獲得数画像G43が表示される。
なお、特殊背景画像G121の表示、並びに確変演出モード終了示唆画像G42、および最終特定獲得数画像G43の表示は、遊技者に有利な遊技状態が終了して通常遊技状態に戻ることを示唆する有利遊技状態終了演出を構成する。また、特定獲得数画像G41は特殊背景画像G121が表示されるときに消去される。
そして、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるときに、低確率低ベース遊技状態、すなわち通常遊技状態が設定されると共に、確変演出モードから通常演出モードに切り替わる。通常演出モードに切り替わると、図114(A)に示すように、表示部50aの全体に第1通常用背景画像G111が表示され、表示部50aの所定位置に設定値演出カウント画像G44が表示される。設定値演出カウント画像G44は、数字と数字を囲う横長長方形の枠で構成されており、数字部分は、特定獲得数から特定アウト数を減算した値を表す。以下において、この値を、「設定値演出カウント数」という。なお、設定値演出カウント画像G44が表示されたときに表す設定値演出カウント数は、最大特定獲得数に一致する。
通常遊技状態が設定された後は、アウト球が発生し、アウト球が検知される度に、設定値演出カウント画像G44が表す設定値演出カウント数が1つずつ減算していく。そして、図114(B)〜図114(C)に示すように、通常遊技状態において、遊技の進行に応じて、設定値演出カウント画像G44が表す設定値演出カウント数が減算していき、最終的に、図114(D)に示すように、設定値演出カウント画像G44が表す設定値演出カウント数が「0」になると、設定値演出が実行される。
設定値演出の演出内容は、遊技者が設定値を認識可能な範囲で適宜に設定できるが、例えば、表示部50aにおいて、設定値示唆画像G46を表示することで設定値演出を実行しても良い。設定値示唆画像G46は、主人公キャラクタと主人公キャラクタの仲間キャラクタがキャッチボールをする画像で構成される。
設定値演出カウント数が「0」になると、図115(A)に示すように、表示部50aの右下に主人公キャラクタが出現し、表示部50aの左下に仲間キャラクタが出現する。続いて、設定値演出カウント画像G44に係る数字の「0」がボールに変化して、図115(B)に示すように、落下した後、主人公キャラクタがボールをキャッチする。なお、このボールも設定値示唆画像G46を構成する。そして、図115(C)に示すように、主人公キャラクタが仲間キャラクタに向かってボールを投げて、図115(D)に示すように、仲間キャラクタがボールをキャッチする。
ここで、設定値が「1」であれば、図116(A−1)に示すように、主人公キャラクタ、および仲間キャラクタがお辞儀をして、設定値演出が終了することを示唆してから図116(B−1)に示すように、設定値示唆画像G46が消える。一方、設定値が「2」以上であれば、図116(A―2)に示すように、仲間キャラクタが主人公キャラクタに向かってボールを投げて、図116(B−2)に示すように、主人公キャラクタがボールをキャッチする。
そして、設定値が「3」であれば、図116(A−1)〜図116(B−1)に示すように、主人公キャラクタ、および仲間キャラクタがお辞儀をして、消える。設定値が「3」以上であれば、再度、図115(C)に示すように、主人公キャラクタが仲間キャラクタに向かってボールを投げて、図115(D)に示すように、仲間キャラクタがボールをキャッチする。このように、設定値演出では、設定値に応じた回数のキャッチボールが行われる。
なお、図115(B)に示すような、設定値演出カウント画像G44が設定値示唆画像G46の一部に変化することによって、設定値示唆画像G46の表示が、所謂「予告演出」などの大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出ではなく、設定値を示唆する演出であることを暗示している。この設定値演出カウント画像G44から設定値示唆画像G46への変化を「設定値示唆暗示演出」という。
次に、設定値演出を実行するための処理の一例を説明する。例えば、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態が設定され、通常演出モードが設定されているときに、オープニングコマンドを受信すると、ステップS4314のオープニング演出開始処理において、演出用RAM124の所定領域に、特定獲得数カウントフラグをONする。演出制御用マイコン121は、特定獲得数カウントフラグがONされているときに、特定獲得数を計数する。
特定獲得数を計数するために、演出用RAM124に設定値演出カウンタ129が設けられている(図117参照)。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理において、始動入賞コマンドの場合と同様に、大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大入賞口入賞コマンドを受信したと判定すると、特定獲得数カウントフラグがONしているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特定獲得数カウントフラグがONしていると判定すると、大入賞口14への入賞に基づいて払い出される賞球の個数に応じた「15」を設定値演出カウンタ129に加算する。
特定獲得数カウントフラグは、通常演出モードが設定されるときにOFFされる。演出制御用マイコン121は、確変演出モードが設定されてから大当たりに当選することなく160回の特図可変表示が実行されると通常演出モードを設定する。あるいは、演出制御用マイコン121は、時短演出モードが設定されてから大当たりに当選することなく100回の特図可変表示が実行されると通常演出モードを設定する。すなわち、演出制御用マイコン121は、例えば、確変演出モードが設定されてから、または時短演出モードが設定されてから、大当たりを示す特図変動開始コマンドを受信することなく、160個、または100個の特図変動開始コマンドを受信した後、その特図変動開始コマンドに応じた特図変動終了コマンドを受信すると、ステップS4308の特図変動演出終了処理において、通常演出モードを設定する。演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の所定領域にセットされている確変演出モードを示す演出モードフラグ、または時短演出モードを示す演出モードフラグを、通常演出モードを示す演出モードフラグに変更することで通常演出モードを設定する。
したがって、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態から、大当たり遊技状態、高確率低ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態が含まれる遊技者に有利な有利遊技状態に移行した後、当該有利遊技状態を抜けて通常遊技状態に戻るまでの間(以下、「有利遊技状態滞在期間」という)に獲得した遊技球の個数である特定獲得数を計数することができる。
また、演出制御用マイコン121は、特定獲得数カウントフラグがONされているときは、演出モード設定処理(S4319)において、設定値演出カウンタ129のカウンタ値である特定獲得数を示す特定獲得数表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、画像制御基板140に送信する。
画像制御基板140は、特定獲得数表示コマンドを受信すると、当該特定獲得数表示コマンドが示す特定獲得数を表す特定獲得数画像G40を表示する。画像制御基板140は、確変演出モード、または時短演出モードが設定され、確変用背景画像G120、または時短用背景画像G130を表示するときに、特定獲得数を表す特定獲得数画像G40を表示する。
演出制御用マイコン121は、また、大入賞口入賞コマンドを受信して、設定値演出カウンタ129を更新すると、すなわち「15」加算すると、更新後の設定値演出カウンタ129のカウンタ値、すなわち特定獲得数を示す特定獲得数表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、特定獲得数画像G40を表示しているときに、特定獲得数表示コマンドを受信すると、当該特定獲得数表示コマンドが示す特定獲得数を表す特定獲得数画像G40に変更する。
そして、演出制御用マイコン121は、通常演出モードを設定する直前の特図変動演出が終了する所定時間(例えば、2秒)前に、大当たり判定結果に応じた演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示を実行させると共に、有利遊技状態終了演出を実行する。そのために、演出制御用マイコン121は、有利遊技状態終了演出開始コマンド、およびそのときの特定獲得数である最終特定獲得数を示す最終特定獲得数表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、画像制御基板140に送信する。
画像制御基板140は、有利遊技状態終了演出開始コマンド、および最終特定獲得数表示コマンドを受信すると、大当たり判定結果に応じた演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示を行うと共に、有利遊技状態終了演出を実行する。具体的には、特殊背景画像G121を表示すると共に、確変演出モード終了示唆画像G42、および最終特定獲得数画像G43を表示する。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4308の特図変動演出終了処理において、通常演出モードを設定するときに、特定獲得数カウントフラグをOFFすると共に、演出用RAM124の所定領域に、アウト球カウントフラグをONする。演出制御用マイコン121は、アウト球カウントフラグがONされているときに、アウト球に基づいて、設定値演出へ向けたカウントダウンを行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理において、アウト球カウントフラグがONしているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、アウト球カウントフラグがONしていると判定すると、アウト指定コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、アウト指定コマンドを受信したと判定すると、アウト球の発生に応じて設定値演出カウンタ129を「1」に減算する。続いて、演出制御用マイコン121は、設定値演出カウンタ129のカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、設定値演出カウンタ129のカウンタ値が「0」であると判定すると、設定値演出を実行すると共に、アウト球カウントフラグをOFFする。
演出制御用マイコン121は、設定値演出を実行するために、設定値フラグに基づいて設定値を示す設定値演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、設定値演出開始コマンドを受信すると、表示部50aにおいて、設定値演出カウント画像G44の数字を「0」にしてから、設定値示唆暗示演出を行った後に、設定値演出開始コマンドが示す設定値を示唆する前述の設定値演出を実行する。
また、演出制御用マイコン121は、設定値演出カウンタ129のカウンタ値が「0」ではないと判定した場合は、設定値演出カウント画像G44が表す数字を「1」減算させるために、設定値演出カウンタ129のカウンタ値を示す設定値演出カウント画像変更コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、設定値演出カウント画像変更コマンドを受信すると、設定値演出カウント画像G44の数字を当該設定値演出カウント画像変更コマンドが示すカウンタ値に変更し、設定値演出カウント画像G44を変更する。
このように、第12実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、アウト球の個数が大当たり遊技や小当たり遊技で獲得した遊技球の個数に達すると、設定値を示唆する設定値演出が実行される。よって、遊技球の獲得数が少ないほど、設定値演出までの期間が短くなり易く、遊技球の獲得数が多いほど、設定値演出までの期間が長くなり易い。設定値演出が実行されると、遊技者は設定値を認識することができるので、設定値演出が実行されることは実行されないことよりも遊技者に有利である。ここで、遊技球の獲得数が少ないことは遊技者にとって不利なことではあるが、不利なほど遊技者に有利な設定値演出が早期に実行され易くなり、遊技者にとって不利な部分が補填される。よって、遊技者のがっかり感を抑えると共に、遊技興趣が向上する。
また、設定値演出は、有利遊技状態を抜けて通常遊技状態に戻った後に実行される。よって、遊技者は、遊技を継続しているとそのうち設定値を認識することができる。そのため、通常遊技状態に戻った後の遊技意欲の減退を抑えると共に、遊技興趣が向上する。
(第12実施形態の変更例)
第12実施形態では、有利遊技状態滞在期間において、大当たり遊技および小当たり遊技で大入賞口14に入賞したことにより払い出された遊技球の個数を特定獲得数とし、設定値演出を実行するための基準値(以下、「設定値演出基準値」という)に設定しているが、この閾値の設定方法は適宜に設定しても良い。例えば、有利遊技状態滞在期間で行われる大当たり遊技において大入賞口14に入賞したことにより払い出された遊技球の個数を設定値演出基準値に設定しても良い。反対に、有利遊技状態滞在期間で行われる小当たり遊技において大入賞口14に入賞したことにより払い出された遊技球の個数を設定値演出基準値に設定しても良い。
さらに、大入賞口14に入賞したことにより払い出された遊技球だけでなく、大当たり遊技や小当たり遊技が実行されているときに、始動口11、12や一般入賞口10に入賞したことにより払い出された遊技球も設定値演出基準値に加算させても良い。
また、第12実施形態では、大当たり遊技によって払い出された遊技球の個数と、小当たり遊技によって払い出された遊技球の個数に基づいて、1つの設定値演出が実行されているが、大当たり遊技によって払い出された遊技球の個数に基づく設定値演出と、小当たり遊技によって払い出された遊技球の個数に基づく設定値演出と、を分けて行っても良い。ここで、基本的には、大当たり遊技によって払い出される遊技球の個数の方が多い。すなわち、有利遊技状態を抜けて通常遊技状態に戻った後、小当たり遊技に係る設定値演出の方が早く実行される可能性が高い。よって、小当たり遊技に係る設定値演出では、設定値が「1」〜「3」で相対的に低い低設定値か、設定値が「4」〜「6」で相対的に高い高設定値かを示唆し、大当たり遊技に係る設定値演出では、設定値を特定可能に示唆するようにしても良い。
さらに、第12実施形態では、第1始動口11などに入賞した遊技球がアウト球に含まれているが、第1始動口11などに入賞した遊技球は検知せずに、アウト口19に進入した遊技球のみを検知するセンサを設け、アウト口19を通って遊技領域6から排出された遊技球の個数が最終特定獲得数に達したことを契機に設定値演出を実行するようにしても良い。
設定値演出の演出内容も第12実施形態に限られず適宜に設定しても良い。設定値示唆画像G43以外の画像を用いて設定値演出を実行しても良い。また、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動装置55などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて設定値演出を実行しても良い。例えばスピーカ52を用いて設定値演出を実行する場合は、設定値毎に設定された音声を出力することで設定値を示唆しても良い。
さらに、設定値演出の演出内容は、設定値に1対1で対応しているが、複数の演出内容を設定し、1つの演出内容で複数の設定値である可能性があるようにし、演出内容によってある設定値である可能性が高いというように構成しても良い。
また、確変演出モードや時短演出モードにおいて、特定獲得数画像G40や最終特定獲得数画像G43を表示しているが、何れもあるいは何れか一方は表示しないようにしてもよい。さらに、設定値演出を行う前に設定値示唆暗示演出を実行しているが、設定値示唆暗示演出を実行しないようにしても良い。すなわち、設定値演出が実行される際に、設定値演出カウント画像G44と設定値示唆画像G46とが連動しないようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY1に係る基本的な遊技性(所謂「スペック」)も第12実施形態に限られず、適宜に設定しても良い。例えば、大当たり判定で小当たりに当選し得るが、小当たりが設けられていない遊技性であっても良い。また、パチンコ遊技機PY1は、特図1可変表示が実行されているときは特図2可変表示が実行されることはなく、特図2可変表示が実行されているときは特図1可変表示が実行されることはないように構成されているが、所謂「同時変動」を行うように構成し、特図1可変表示と特図2可変表示が同時に実行されるようにしても良い。
また、大当たり遊技が終了した後からアウト球の個数を計数し、そのアウト球の個数が当該大当たり遊技において獲得した遊技球の個数に達したことを契機に設定値演出を実行しても良い。
さらに、設定値演出を実行するための条件を、特定獲得数、および特定アウト数以外の事項に設定しても良い。例えば、有利遊技状態滞在期間において行われたラウンド遊技の総数、大当たり遊技の実行回数、または高確率状態の発生回数を設定値演出を実行するための条件に設定しても良い。この場合、有利遊技状態滞在期間において行われたラウンド遊技の総数、大当たり遊技の実行回数、または高確率状態の発生回数が遊技者に不利になるほど、設定値演出が実行されるまでの期間が早くなるように、これらの条件と設定値演出が実行されるまでの期間を対応付ける。
例えば、有利遊技状態滞在期間において行われたラウンド遊技の総数、大当たり遊技の実行回数、または高確率状態の発生回数と、特図可変表示の実行回数や時間とを関連付けることができる。特図可変表示の実行回数であれば、有利遊技状態滞在期間において行われたラウンド遊技の総数、大当たり遊技の実行回数、または高確率状態の発生回数が遊技者に不利になるにつれて、特図可変表示の実行回数が少なくなるように設定する。例えば、設定値演出を実行するための条件を大当たり遊技の実行回数に関連付けた場合、1回の大当たり遊技に対して30回の特図可変表示を対応付け、大当たり遊技の回数×30回の特図可変表示が実行されると設定値演出を実行するようにしても良い。あるいは、時間であれば、有利遊技状態滞在期間において行われたラウンド遊技の総数、大当たり遊技の実行回数、または高確率状態の発生回数が遊技者に不利になるにつれて、特時間が短くなるように設定する。例えば、設定値演出を実行するための条件を大当たり遊技の実行回数に関連付けた場合、1回の大当たり遊技に対して5分の時間を対応付け、大当たり遊技の回数×5分の時間が経過すると設定値演出を実行するようにしても良い。
さらに、第12実施形態では、通常遊技状態が設定されて最終特定獲得数が確定してからアウト球に基づいて設定値演出カウント数を計数しているが、例えば、1回の目の大当たり遊技が実行された後からアウト球に基づいて設定値演出カウント数を計数しても良い。この場合、設定値演出カウント数が「0」になる前に大当たり遊技や小当たり遊技が実行されると、その時に獲得した遊技球の個数をその都度、設定値カウント値に加算するようにする。また、通常遊技状態が設定されてから所定回数の特図可変表示が実行されてからなど、通常遊技状態が設定されてから特定の条件が成立すると設定値演出カウント数を計数するようにしても良い。
7.その他の変更例
また、基本的な実施形態、および第1実施形態〜第12実施形態に係るパチンコ遊技機PY1についてのその他の変更例を以下に説明する。
設定値シリンダ70、および設定値スイッチ71の構造は特に限定されずに適宜に変更できる。例えば、設定値を変更する操作を行えるようにする機械として、設定値シリンダ70に代えて、2接点式のスライドスイッチを用いても良い。この場合、一方の位置につまみが配置されると、設定値を変更する操作を行えるようにしても良い。さらに、設定値を設定する操作を行う機械として、設定値スイッチ71に代えて、ロータリースイッチやスライドスイッチを用いても良い。この場合、つまみの位置を直接設定値に対応付けても良い。また、設定値シリンダ70、および設定値スイッチ71の位置も特に限定されずに適宜に変更しても良い。
また、設定値表示器87の構成は特に限定されずに適宜に変更できる。例えば、設定値を表示する表示器として、ドットマトリクスLED表示器など他の表示器を用いても良い。さらに、設定値表示器87の位置も特に限定されずに適宜に変更できる。例えば、遊技制御基板100の上ではない箇所に設定値表示器87を配置しても良い。
さらに、前述の実施形態では、設定値シリンダ70を操作して設定値を変更する操作を行えるようにしたことによって、遊技用RAM104がクリアされているが、遊技用RAM104をクリアするための操作手段を設けるなどして、設定値を変更する操作を行えるようにする操作を行わずに遊技用RAM104をクリアできるようにしても良い。
また、設定値確定操作も、前述の実施形態に限られず、適宜に設定しても良い。例えば、遊技制御用マイコン101がハンドル72kへの回転操作を認識可能にしておき、ハンドル72kの回転操作が行われたことによって設定値を確定するようにしても良い。あるいは、所謂「貸球ボタン」や「返却ボタン」への操作を遊技制御用マイコン101が認識できるようにしておき、これらのボタンへの操作が行われたことによって設定値を確定するようにしても良い。
さらに、設定値として、設定値「1」〜設定値「6」の6つの設定値が設けられているが、設定値の数は6つに限られず適宜に設定しても良い。また、設定値に対する識別情報も「1」〜「6」などの数字に限られず「A」〜「F」などのように文字や他の記号であっても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
さらに、パチンコ遊技機PY1では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い、
第1実施形態〜第12実施形態に係る設定値演出などは異なる場面で実行可能であるが、1つのパチンコ遊技機PY1において、第1実施形態〜第12実施形態に係る設定値演出を適宜に実行できるようにしても良い。
また、矛盾のない範囲で、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている他の発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A〜発明Jが開示されている。発明A〜発明Kの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A6の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B5の総称であり、発明Cは、以下の発明C1〜C8の総称であり、発明Dは、以下の発明D1〜D4の総称であり、発明Eは、以下の発明E1〜E6の総称であり、発明Fは、以下の発明F1〜F3の総称であり、発明Gは、以下の発明G1〜G3の総称であり、発明Hは、以下の発明H1〜H4の総称であり、発明Iは、以下の発明I1〜I5の総称であり、発明Jは、以下の発明J1〜J4の総称であり、発明Kは、以下の発明K1〜K5の総称である。
8−1−1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)に設けられ、遊技球が進入可能な始動入賞領域(始動口11、12)と、
遊技球が前記始動入賞領域に進入したことにより、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定(大当たり判定)を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率(大当たり確率)が異なり、
前記演出制御手段は、前記遊技領域の外部へ排出された遊技球(アウト球)の個数に基づいて、前記設定値が設定している前記設定値に係る特定演出(設定値演出)を実行することがあることを特徴とする。
8−1−2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記遊技領域の外部へ排出された遊技球の個数が少なくとも所定の閾値(アウト球判定値)以上であるときに、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定したことによって、前記特定演出を実行することがあることを特徴とする。
8−1−3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)が形成され、当該遊技領域に遊技球が進入可能な入賞領域(一般入賞口10、始動口11、12、大入賞口14)が設けられ、遊技球が前記入賞領域に進入すると所定個数の賞球が払い出される遊技機であって、
前記入賞領域には、始動入賞領域(始動口11、12)があり、
遊技球が前記始動入賞領域に進入したことにより、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定(大当たり判定)を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、払い出された前記賞球の個数と前記遊技領域の外部へ排出された遊技球の個数との差である差分数に基づいて、前記設定値が設定している前記設定値に係る特定演出(設定値演出)を実行することがあることを特徴とする。
8−1−4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A3に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記差分数が所定の閾値(差分数判定値)に達したことにより、前記特定演出を実行することがあることを特徴とする。
8−1−5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記特定演出は、前記設定値が設定している前記設定値を示唆する演出であることを特徴とする。
8−1−6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−2−1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、前記設定値に基づいて特定演出(設定値演出)を実行可能であり、
前記設定値によって前記特定演出の実行頻度が異なることを特徴とする。
8−2−2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
表示部(表示部50a)において、前記判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄(複合図柄G22)を変動表示させた後、当該判定結果を報知する態様で停止表示させることが可能であり、
停止表示したときの前記演出図柄で前記特定演出を実行することを特徴とする。
8−2−3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B2に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記判定手段が前記有利遊技状態にしないと判定した場合に、前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする。
8−2−4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B2または発明B3に係る遊技機であって、
前記演出図柄は、前記判定手段の判定結果に関する第1部(抽選結果示唆部G22a)と、前記設定値に関する第2部(設定値示唆部G22b)と、を有し、
停止表示した前記演出図柄の前記第1部に表示されている内容(数字)によって前記判定手段の判定結果を報知し、当該演出図柄の前記第2部に表示されている内容(〇、△、×)で前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする。
8−2−5.発明B5
発明B5に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−3−1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
表示部(特図表示器81)において、前記判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を報知する識別情報(特図)の可変表示を実行する表示制御手段(S1502、S1503、S1504を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、前記識別情報の可変表示の実行回数に基づいて、前記設定値に関する特定演出(設定値演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−3−2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記設定値は、自然数(1〜6)で構成され、
前記演出制御手段は、前記識別情報の可変表示の実行回数の連続する所定の桁数(下二桁、下三桁)が同一の数字であることを条件として、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−3−3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記所定の桁数が同一の数字であり、当該識別情報の可変表示の報知対象である前記判定結果が前記有利遊技状態にすることであることを条件として、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−3−4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C2または発明C3に係る遊技機であって、
前記特定演出には、前記設定値が奇数であることを示唆する第1特定演出(奇数設定示唆演出)と、前記設定値が偶数であることを示唆する第2特定演出(偶数設定示唆演出)と、があり、
前記演出制御手段は、
前記所定の桁数が同一の奇数の数字であることに基づいて、前記第1特定演出を実行可能であり、
前記所定の桁数が同一の偶数の数字であることに基づいて、前記第2特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−3−5.発明C5
発明C5に係る遊技機は、
発明C4に係る遊技機であって、
前記特定演出には、前記第1特定演出、および前記第2特定演出の他に、前記設定値の中で前記確率が高い奇数の設定値であることを示唆する第3特定演出(奇数高設定示唆演出)と、前記設定値の中で前記確率が高い偶数の設定値であることを示唆する第4特定演出(偶数高設定示唆演出)と、をさらに含み、
前記演出制御手段は、
前記識別情報の可変表示の実行回数の下二桁が同一の奇数の数字であることに基づいて、前記第1特定演出を実行可能であり、
前記識別情報の可変表示の実行回数の下二桁が同一の偶数の数字であることに基づいて、前記第2特定演出を実行可能であり、
前記識別情報の可変表示の実行回数の下三桁が同一の奇数の数字であることに基づいて、前記第3特定演出を実行可能であり、
前記識別情報の可変表示の実行回数の下三桁が同一の偶数の数字であることに基づいて、前記第4特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−3−6.発明C6
発明C6に係る遊技機は、
発明C1乃至発明C5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−3−7.発明C7
発明C7に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
表示部(特図表示器81)において、前記判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を報知する識別情報(特図)の可変表示を実行する表示制御手段(S1502、S1503、S1504を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、前記有利遊技状態になった回数に基づいて、前記設定値に関する特定演出(設定値演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−3−8.発明C8
発明C8に係る遊技機は、
発明C7に係る遊技機であって、
前記有利遊技状態は、所定の遊技特典を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)が実行されている状態であり、
前記判定手段は、前記所定条件の成立により、前記特別遊技を実行するか否かの判定を行い、
前記特別遊技の終了に伴って、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高確率状態、時短状態など)を設定することが可能な遊技状態制御手段(S1504、S1506を行う遊技制御用マイコン101)をさらに備え、
前記遊技状態制御手段は、所定の終了条件が成立すると前記特定遊技状態から前記通常遊技状態に設定し、
前記演出制御手段は、前記特別遊技が実行された後、前記終了条件が成立することなく前記特別遊技が実行される回数に基づいて、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−4−1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、
表示部(表示部50a)において、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数の演出図柄(演出図柄G10)を変動表示させた後、当該判定結果を報知する態様で停止表示させることが可能であり、
停止表示した前記複数の演出図柄によって、前記設定値を示唆する特定演出(設定値演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−4−2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記判定手段が前記有利遊技状態にしないと判定した場合に、前記有利遊技状態にしないことを報知する態様で停止表示した前記複数の演出図柄によって、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−4−3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記複数の演出図柄の変動表示が行われているときに、前記複数の演出図柄をリーチ状態にすることが可能であり、
前記リーチ状態が実行されない前記複数の演出図柄の変動表示が行われた場合に、前記有利遊技状態にしないことを報知する態様で停止表示した前記複数の演出図柄によって、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−4−4.発明D4
発明D4に係る遊技機は、
発明D1乃至発明D3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−5−1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記設定値には、第1の設定値(設定値1〜設定値4)と、当該第1の設定値よりも前記確率が高い第2の設定値(設定値5〜設定値6)と、があり、
前記演出制御手段が実行可能な所定の演出の演出内容として、第1演出内容(勝利や成功)と第2演出内容(敗北や失敗)とがあり、
前記第1の設定値が設定されている場合、前記演出制御手段によって前記第1演出内容の前記所定の演出が実行された後に、そのときよりも遊技者に有利な特定事象(大当たり遊技状態、ラウンド遊技の継続、高確率状態、高確率状態の継続など)が発生することがある一方、前記演出制御手段によって前記第2演出内容の前記所定の演出が実行された後に、前記特定事象が発生することはなく、
前記第2の設定値が設定されている場合、前記演出制御手段によって前記第1演出内容の前記所定の演出が実行された後に、前記特定事象が発生することがあり、前記演出制御手段によって前記第2演出内容の前記所定の演出が実行された後にも、前記特定事象が発生することがあることを特徴とする。
8−5−2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記判定手段によって前記有利遊技状態にすると判定されると、前記有利遊技状態として、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(S1505を行う遊技制御用マイコン101)をさらに備え、
前記特定事象は前記特別遊技の実行であることを特徴とする。
8−5−3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記判定手段によって前記有利遊技状態にすると判定されると、前記有利遊技状態として、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(S1505を行う遊技制御用マイコン101)をさらに備え、
前記特別遊技では、複数回の単位遊技(ラウンド遊技)が実行され、
前記特別遊技には、前記単位遊技が第1の回数実行されるときと、当該第1の回数された後にさらに第2の回数実行されるときと、があり、
前記特定事象は、前記単位遊技が前記第1の回数された後にさらに前記第2の回数実行されることであることを特徴とする。
8−5−4.発明E4
発明E4に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記判定手段によって前記有利遊技状態にすると判定されると、前記有利遊技状態として、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(S1505を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記特別遊技の終了に伴って、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高確率状態、時短状態)に設定する特定遊技状態設定手段(S1506を行う遊技制御用マイコン101)と、をさらに備え、
前記特定事象は、前記特定遊技状態の設定であることを特徴とする。
8−5−5.発明E5
発明E5に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記判定手段によって前記有利遊技状態にすると判定されると、前記有利遊技状態として、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(S1505を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記特別遊技の終了に伴って、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(高確率状態、時短状態)に設定する特定遊技状態設定手段(S1506を行う遊技制御用マイコン101)と、をさらに備え、
前記特定遊技状態は、第1期間継続できるときと、当該第1期間継続した後にさらに第2期間継続できるときと、があり、
前記特定事象は、前記特定遊技状態が前記第1期間継続した後にさらに前記第2期間継続できることであることを特徴とする。
8−5−6.発明E6
発明E6に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−6−1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
表示部(特図表示器81)において、前記判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を報知する識別情報(特図)の可変表示を実行する表示制御手段(S1502、S1503、S1504を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定することなく前記識別情報の可変表示が実行され続ける回数である特定回数(ハマり回数)に基づいて、前記設定値を示唆する特定演出(設定値演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−6−2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
前記特定演出には、第1特定演出と、第2特定演出があり、
前記演出制御手段は、前記特定回数が第1回数に達したことを契機に、前記第1特定演出を実行可能であり、前記特定回数が前記第1回数よりも多い第2回数に達したことを契機に、前記第2特定演出を実行可能であり、
前記第1特定演出よりも前記第2特定演出の方が前記設定値を認識し易いことを特徴とする。
8−6−3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F1または発明F2に係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−7−1.発明G1
発明G1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定されると、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記特別遊技を実行すると判定する確率が異なり、
前記特別遊技では、複数回の単位遊技(ラウンド遊技)が実行され、
前記特別遊技には、実行される単位遊技の回数によって複数種類の前記特別遊技(第5大当たり遊技〜第9大当たり遊技)があり、
前記演出制御手段は、
少なくとも、前記設定値の中で前記確率が最も高い設定値である最大設定値(設定値6)を含む複数の前記設定値の何れかが設定されているときに、前記単位遊技の回数が最大の前記特別遊技である最大特別遊技において、前記最大特別遊技が実行されていることを示唆する最大特別遊技示唆演出(祝福演出)を実行することがあり、
前記最大設定値が設定されているときに、前記最大特別遊技示唆演出によって、前記最大設定値が設定されていることを示唆することがあることを特徴とする。
8−7−2.発明G2
発明G2に係る遊技機は、
発明G1に係る遊技機であって、
前記最大特別遊技示唆演出には、前記最大設定値が設定されていることを示唆する第1最大特別遊技示唆演出(最高設定値示唆祝福演出)と、前記最大設定値が設定されていることを示唆しない第2最大特別遊技示唆演出(通常祝福演出)があり、
前記演出制御手段は、
前記最大設定値が設定されているとき、前記第1最大特別遊技示唆演出、または前記第2最大特別遊技示唆演出を実行可能であり、
前記最大値設定値以外の設定値が設定されているとき、前記第2最大特別遊技示唆演出を実行可能であることを特徴とする。
8−7−3.発明G3
発明G3に係る遊技機は、
発明G1または発明G2に係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−8−1.発明H1
発明H1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記演出制御手段は、
表示部において、前記判定手段による判定結果に基づいて、演出図柄(演出図柄G10)を変動表示させた後、当該判定結果を報知する態様で停止表示させることが可能であり、
前記設定値に基づいて、前記演出図柄の変動表示を開始させることが可能であることを特徴とする。
8−8−2.発明H2
発明H2に係る遊技機は、
発明H1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、当該遊技機に電源が投入された後、最初に行われる前記演出図柄の変動表示に対して、前記設定値に基づいて、前記演出図柄の変動表示を開始させることが可能であることを特徴とする。
8−8−3.発明H3
発明H3に係る遊技機は、
発明H1または発明H2に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、その日の前記設定値と前日の前記設定値とが同一である場合に前記演出図柄が変動表示を開始するときの表示態様(通常開始態様)と、その日の前記設定値と前日の前記設定値とが異なる場合に前記演出図柄が変動表示を開始するときの表示態様(第1特殊開始態様、第2特殊開始態様)と、を異ならせることがあることを特徴とする。
8−8−4.発明H4
発明H4に係る遊技機は、
発明H1乃至発明H3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−9−1.発明I1
発明I1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、所定の遊技特典(賞球)を獲得可能な第1特別遊技(大当たり遊技)、または第2特別遊技(小当たり遊技)を実行するか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記判定手段によって前記第1特別遊技を実行すると判定されると、前記第1特別遊技を実行する第1特別遊技制御手段(S1505を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記判定手段によって前記第2特別遊技を実行すると判定されると、前記第2特別遊技を実行する第2特別遊技制御手段(S1507を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記第1特別遊技の終了に伴って遊技状態(高確率状態など)を新たに設定することが可能な遊技状態設定手段(S1506を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定値設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記第1特別遊技を実行すると判定する確率が異なることを特徴とする。
8−9−2.発明I2
発明I2に係る遊技機は、
発明I1に係る遊技機であって、
前記設定値によって、前記第1特別遊技、または前記第2特別遊技の何れも実行しないと判定する確率が異なることを特徴とする。
8−9−3.発明I3
発明I3に係る遊技機は、
発明I2に係る遊技機であって、
前記設定値に関わらず、前記判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定する確率は略同一であることを特徴とする。
8−9−4.発明I4
発明I4に係る遊技機は、
発明I1乃至発明I3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定条件には、第1条件(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞)と第2条件(特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)とがあり、
前記判定手段には、前記第1条件の成立により、前記第1特別遊技、または前記第2特別遊技を実行するか否かの判定を行う第1判定手段(S1602を行う遊技制御用マイコン101)と、前記第2条件の成立により、前記第1特別遊技、または前記第2特別遊技を実行するか否かの判定を行う第2判定手段(S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、があり、
前記設定値に関わらず、前記第1判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定する確率は略同一であり、
前記設定値に関わらず、前記第2判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定する確率は略同一であり、
前記第1判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定する確率と、前記第2判定手段が前記第2特別遊技を実行すると判定する確率と、が異なることを特徴とする。
8−9−5.発明I5
発明I5に係る遊技機は、
発明I1乃至発明I4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記設定値を設定するための操作が可能な操作手段(設定値スイッチ71)をさらに備え、
前記設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−10−1.発明J1
発明J1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数<4での第1始動口11への入賞、特図2保留数<4での第2始動口12への入賞)により、通常よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)にするか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記設定値によって、前記判定手段が前記有利遊技状態にすると判定する確率が異なり、
前記設定手段は、何れの前記設定値に設定するかの判定によって前記設定値を設定することがあることを特徴とする。
8−10−2.発明J2
発明J2に係る遊技機は、
発明J1に係る遊技機であって、
複数の選択肢を切り替える操作を行うことが可能な切替操作手段(設定値設定方法切替スイッチ74)をさらに備え、
前記複数の選択肢には、少なくとも第1特定選択肢(例えば、ランダム設定A、D)と、第2特定選択肢(例えば、ランダム設定B、C)と、があり、
前記第1特定選択肢が選択されているときと、前記第2特定選択肢が選択されているときとで、前記設定手段が、前記判定で前記複数の設定値の一部または全部に対して設定すると判定する確率が異なることを特徴とする。
8−10−3.発明J3
発明J3に係る遊技機は、
発明J1に係る遊技機であって、
複数の選択肢を切り替える操作を行うことが可能な第1切替操作手段(設定値設定方法切替スイッチ74)と、
前記設定値を切り替える操作を行うことが可能な第2切替操作手段(設定値スイッチ71)と、をさらに備え、
前記複数の選択肢には、少なくとも特定選択肢(ランダム設定A〜ランダム設定D)と、非特定選択肢(ランダム設定OFF)と、があり、
前記設定手段は、
前記特定選択肢が選択されているときは、前記判定によって前記設定値を設定することが可能であり、
前記非特定選択肢が選択されているときは、前記第2切替操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であることを特徴とする。
8−10−4.発明J4
発明J4に係る遊技機は、
発明J1に係る遊技機であって、
複数の選択肢を切り替える操作を行うことが可能な第1切替操作手段(設定値設定方法切替スイッチ74)と、
前記設定値を切り替える操作を行うことが可能な第2切替操作手段(設定値スイッチ71)と、をさらに備え、
前記複数の選択肢には、少なくとも第1特定選択肢(ランダム設定A、ランダム設定D)と、第2特定選択肢(ランダム設定B、ランダム設定C)と、非特定選択肢(ランダム設定OFF)と、があり、
前記設定手段は、
前記第1特定選択肢、または前記第2特定選択肢が選択されているときは、前記判定によって前記設定値を設定することが可能であり、
前記非特定選択肢が選択されているときは、前記第2切替操作手段への操作に基づいて前記設定値を設定することが可能であり、
前記第1特定選択肢が選択されているときと、前記第2特定選択肢が選択されているときとで、前記設定手段が、前記判定で前記複数の設定値の一部または全部に対して設定すると判定する確率が異なることを特徴とする。
8−11−1.発明K1
発明K1に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)に設けられ、遊技球が進入可能な始動入賞領域(第1始動口11、第2始動口12)と、
遊技球が前記始動入賞領域に進入したことにより、所定個数の遊技球を払い出し可能な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段(S1602、S1609を行う遊技制御用マイコン101)と、
予め定められた複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちの1つの設定値に設定する設定手段(S7を行う遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記判定手段は、前記設定値に基づいて前記判定を行い、
前記演出制御手段は、前記特別遊技が行われているときに払い出された遊技球の払出個数(特定獲得数)、および当該特別遊技が行われた後に前記遊技領域の外部へ排出された遊技球の排出個数(特定アウト数)に基づいて、前記設定値手段が設定している前記設定値を示唆する特定演出(設定値演出)を実行することがあることを特徴とする。
8−11−2.発明K2
発明K2に係る遊技機は、
発明K1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記排出個数が前記払出個数に達することを条件に、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−11−3.発明K3
発明K3に係る遊技機は、
発明K1または発明K2に係る遊技機であって、
前記特別遊技には、第1特別遊技(大当たり遊技)と、第2特別遊技(小当たり遊技)があり、
前記第1特別遊技が終了した後に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(高確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態)を設定可能な有利遊技状態設定手段をさらに備え、
前記払出個数は、前記第1特別遊技、および前記第2特別遊技が行われているときに払い出された遊技球の個数であることを特徴とする。
8−11−4.発明K4
発明K4に係る遊技機は、
発明K3に係る遊技機であって、
前記通常遊技状態を設定可能な通常遊技状態設定手段をさらに備え、
前記払出個数は、前記特別遊技が実行されてから前記通常遊技状態設定手段によって前記通常遊技状態が設定されるまでの特定期間において、前記第1特別遊技、および前記第2特別遊技が行われているときに払い出された遊技球の個数であり、
前記払出個数は、当該特定期間の後に前記遊技領域の外部へ排出された遊技球の個数であることを特徴とする。