JP7261972B2 - 灯具の取付方法、灯具の取付構造、灯具、および建築物を建設する方法 - Google Patents

灯具の取付方法、灯具の取付構造、灯具、および建築物を建設する方法 Download PDF

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本開示は、灯具の取付方法、灯具の取付構造、灯具、および建築物を建設する方法に関する。
例えばスクエア型の灯具を天井に設置する方法として、灯具本体の形状およびサイズに合わせた角穴を天井にあけ、天井構成部材である吊りボルトに照明本体を固定する方法が行われている。
特開2015-32467号公報 特開2009-231016号公報 特開2012-248308号公報
本開示は、建材に対して簡易に取付可能な灯具の取付方法、灯具の取付構造、灯具、および建築物を建設する方法を提供する。
本開示の一態様によれば、環状の取付金具を、建材に形成された取付穴に嵌め込み、前記建材の裏側において前記取付穴に重ならない位置に配置された電源ユニットの電気ケーブルを前記環状の取付金具の内側の開口に通し、前記電気ケーブルの端部に設けられた電源側コネクタを前記建材の表側に位置させ、前記取付穴の面積よりも広い領域に配置された複数の光源を有する灯具本体における発光面の反対側の裏面に設けられた嵌合アダプタの上面に固定された灯具側コネクタに、前記電源側コネクタを接続し、前記灯具側コネクタに前記電源側コネクタが接続された前記嵌合アダプタを、前記取付穴に嵌め込まれた前記取付金具の内側の前記開口に嵌め込み、前記嵌合アダプタの前記上面を前記建材の裏側の空間に露出させる灯具の取付方法が提供される。
本開示によれば、建材に対して簡易に取付可能な灯具の取付方法、灯具の取付構造、灯具、および建築物を建設する方法を提供することができる。
実施形態の灯具が天井材に取り付けられた状態を表す側面図である。 実施形態の灯具における発光面の平面図である。 図1に示す要素のうち天井材の裏側に位置する要素の斜視図である。 実施形態の灯具の裏面の斜視図である。 実施形態の光源モジュールの平面図である。 実施形態の光源モジュールおよびカバーの模式断面図である。 実施形態の光源の配光特性図である。 実施形態の取付金具の斜視図である。 天井材の取付穴に嵌め込まれた実施形態の取付金具の上面図である。 天井材の取付穴に嵌め込まれた実施形態の取付金具の下面図である。 実施形態の取付金具と嵌合アダプタとの嵌合構造を表す斜視図である。 実施形態の取付金具と嵌合アダプタとの嵌合構造を表す断面斜視図である。 実施形態の嵌合アダプタと取外し部材との連結構造を表す斜視図である。 実施形態の嵌合アダプタと取外し部材との連結構造を表す斜視図である。 実施形態の取外し部材の一端部の斜視図である。 実施形態の灯具の梱包材の分解斜視図である。 図16に示す第2保持部材に嵌合アダプタが嵌合した状態を示す斜視図である。 他の実施形態の灯具が天井材に取り付けられた状態を表す斜視図である。 他の実施形態の灯具の裏面の斜視図である。 図19に示す灯具の一部分の拡大斜視図である。 他の実施形態の灯具および天井材の斜視図である。 実施形態の光源モジュールの他の例を示す平面図である。 実施形態の光源の他の例を示す模式斜視図である。 建築物が建設されるまでの工程における照明設置の流れを説明するためのフロー図である。 実施形態に係る建築物の居室の構造の一例を記した模式図である。 実施形態に係る建築物の居室の構造の他の一例を記した模式図である。 実施形態に係る建築物の建設における天井裏空間の構造を示す図である。 実施形態に係る照明灯具の設置方法を説明するための図である。 実施形態に係る照明灯具の設置方法を説明するための図である。 第3実施形態に係る照明灯具の設置方法の他の一例を説明するための図である。 第3実施形態に係る照明灯具の設置方法の他の一例を説明するための図である。
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
図1は、実施形態の灯具100が、建材である例えば天井材300に取り付けられた状態を表す側面図である。
図2は、灯具100における主発光面31の平面図である。
図3は、図1に示す要素のうち天井材300の裏側に位置する要素の斜視図である。
図4は、灯具100の裏面の斜視図である。
灯具100は、灯具本体10と、嵌合アダプタ40とを有する。図4に示すように、ベースプレート11の裏面に、嵌合アダプタ40が設けられている。嵌合アダプタ40は、ベースプレート11の裏面に例えばねじで固定されている。嵌合アダプタ40は例えば円錐台形状に形成されている。嵌合アダプタ40の上面に、例えばソケット構造の灯具側コネクタ43が固定されている。
ベースプレート11の裏面には、灯具本体10を補強する金属ステー14が設けられている。例えば2つの金属ステー14が、四角形状のベースプレート11の一辺に沿って延在している。2つの金属ステー14は、その延在方向に直交する方向に互いに離間し、ベースプレート11の中央部に設けられた嵌合アダプタ40に対して対称配置されている。また、ベースプレート11の裏面には、クッション材13が設けられている。
灯具本体10は、さらに、光源モジュール20と透光性のカバー30とを有する。
図5は、光源モジュール20の発光面側の平面図である。
図6は、光源モジュール20およびカバー30の模式断面図である。
光源モジュール20はベースプレート11の裏面の反対側の面に取り付けられ、カバー30は光源モジュール20を覆うようにベースプレート11に取り付けられる。ベースプレート11は、例えば金属板であり、光源モジュール20の補強板および放熱板として機能する。
光源モジュール20は、基板21と、複数の光源22とを有する。基板21は、光源配置面21aと、光源配置面21aの反対側の裏面21bとを有する。複数の光源22が、基板21の光源配置面21aに周期配列されている。図5に示す例では、複数の光源22は、等ピッチで格子配列されている。
基板21は、例えば樹脂またはセラミックの絶縁性基板であり、その光源配置面21aに導体パターンが形成されている。光源22は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子23と、蛍光体層24と、樹脂部材25とを含む。発光素子23は、基板21の光源配置面21aに実装され、発光素子23の電極は基板21に形成された導体パターンと電気的に接続されている。また、基板21に形成された導体パターンは、嵌合アダプタ40の上面に設けられた灯具側コネクタ43と電気接続している。
蛍光体層24は発光素子23を覆い、さらに樹脂部材25が蛍光体層24を覆っている。樹脂部材25において発光素子23の上面の中心付近を覆う部分が凹んでおり、このような形状の樹脂部材25は、光源22にバットウイング形の配光特性を与えるレンズとして機能する。
図7は、バットウイング形の配光特性の一例を示す図である。横軸は光源22から出射される光の出射角を表し、光源22が配置される光源配置面に対して垂直な方向を0°としている。縦軸は光源22から出射される光の強度を表す。
バットウイング形の配光特性とは、出射角が0°から-90°の範囲の領域に、出射角が0°のときの強度よりも大きい第1の強度ピークを有し、出射角が0°から90°の範囲の領域に、出射角が0°のときの強度よりも大きい第2の強度ピークを有する配光特性である。
光源22はバットウイング形の配光特性をもつため、灯具本体10の薄型化にともない光源22とカバー30との間の距離が短い場合でも、輝度ムラの少ない均一発光面が得られる。また、カバー30の主発光面31を視界に入れた人が光源22を点状にまぶしく感じにくくできる。
カバー30は、光源22が発する光に対する透光性を有する。カバー30は、例えば樹脂材に酸化チタン等を分散させた光拡散性を有する乳白色に形成されている。
実施形態の灯具100は、取付金具60によって、天井材300に取り付けられる。
図8は、取付金具60の斜視図である。
取付金具60は環状に形成され、その内側に開口64を有する。取付金具60の側面には、板ばね構造の複数の取付ばね63が設けられている。取付金具60の下面には、環状のフランジ61が設けられている。フランジ61の外径は、天井材300に形成された円形の取付穴の直径よりも大きい。フランジ61の上面には、開口64の縁に沿って受け板62が設けられている。
取付金具60は、天井材300に形成された取付穴300aに嵌め込まれる。
図9は、天井材300の取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の上面図である。図9は、天井材300の裏側を表す。
図10は、天井材300の取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の下面図である。図10は、照明対象空間に面する天井材300の表側を表す。
取付金具60の側面と取付穴300aの内壁との間に、取付ばね63が自然状態から変形した状態で配置される。この取付ばね63の復元力により、取付金具60は上方に付勢され、フランジ61の上面が天井材300の表側の面に押し当たることで(図12参照)、取付金具60が取付穴300aに嵌合した状態が保持される。
取付金具60を天井材300の取付穴300aに嵌め込む前に、必要に応じて、天井材300の裏側に、図3に示す電源ユニット50が配置される。電源ユニット50は、取付穴300aから天井材300の裏側に通され、天井材300の裏側において取付穴300aに重ならない位置に配置される。
または、既に天井材300の裏側に設置済みの電源ユニット50をそのまま使う場合には、電源ユニット50を天井材300の裏側に設置する作業は不要となる。
図3に示すように、電源ユニット50は、外部電源(商用電源)と接続可能な端子台52、53を有する。電源ユニット50からは電気ケーブル51が導出されている。端子台52、53の端子は、電源ユニット50の回路基板に電気接続され、その回路基板に電気ケーブル51が電気接続されている。電気ケーブル51の端部には、電源側コネクタ51aが設けられている。
灯具本体10が天井材300に取り付けられる前の状態において、電気ケーブル51は、天井材300の取付穴300a、およびその取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の内側の開口64を通され、電源側コネクタ51aが天井材300の表側に位置する。
灯具100の取付作業を行う作業者は、灯具100を天井材300に近づけ、灯具100を片手で保持しつつ、もう一方の手で、取付穴300aから垂下する電気ケーブル51の電源側コネクタ51aをつかんで、灯具本体10の裏面に設けられた嵌合アダプタ40の上面に固定された灯具側コネクタ43に電源側コネクタ51aを接続する。
電源側コネクタ51aを灯具側コネクタ43に接続した後、嵌合アダプタ40を、天井材300の取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の内側の開口64に嵌め込む。
図11は、取付金具60と嵌合アダプタ40との嵌合構造を表す斜視図である。
図12は、取付金具60と嵌合アダプタ40との嵌合構造を表す断面斜視図である。
嵌合アダプタ40は、上ケース41と、下ケース42と、2つのスライド部材45と、2つのスライド部材45を連結するばね47とを有する。
それぞれのスライド部材45の先端には、傾斜面をもつ爪部44が設けられている。ばね47の伸縮に伴う2つのスライド部材45のスライド移動により、爪部44は上ケース41と下ケース42との間に形成された開口を通じてケース41、42の内側に引っ込んだり、ケース41、42の外側に突出することが可能となっている。
図11および図12は、爪部44がケース41、42の外側に突出して、取付金具60の受け板62の上面に乗り上がった状態を示す。図12に示すように、上ケース41から下方に突出するストッパー41aがスライド部材45の上面に形成された凹部46内に位置し、ストッパー41aと凹部46の壁面との当接により、2つのスライド部材45の互いに離間する方向への移動が規制される。
通常、爪部44はケース41、42の外側に突出している。嵌合アダプタ40を取付金具60の内側に嵌め込むときに、取付金具60のフランジ61の内周壁および受け板62の内周壁に、爪部44の傾斜面を当接させる。爪部44がフランジ61の内周壁および受け板62の内周壁から受ける力により、2つのスライド部材45はばね47を圧縮させて互いに近づくようにスライド移動する。爪部44はケース41、42の内側に引っ込み、取付金具60の内側への嵌合アダプタ40の嵌め込みを許容する。
そして、爪部44が受け板62よりも上方の位置まで移動すると、爪部44が受け板62の内周壁から受ける力が解除され、ばね47の復元力により2つのスライド部材45は互いに離間する方向に付勢される。爪部44はケース41、42の外側に突出し、爪部44の下面が受け板62の上面に乗り上げる。これにより、嵌合アダプタ40、および嵌合アダプタ40と固定された灯具本体10の、取付金具60からの落下が防止される。
嵌合アダプタ40が取付金具60に嵌合した状態において、図4に示すベースプレート11の裏面に設けられたクッション材13が、天井材300の表側の面に密着する。図1に示すように、カバー30の主発光面31は天井材300の表側の面に平行となり、天井材300の下方の空間に向けられる。
または、実施形態の灯具100は、天井材300に対する取付方法と同様の方法で、壁材に対しても取り付けることができる。灯具100が壁材に取り付けられると、カバー30の主発光面31は壁面に平行となり、壁材の側方空間に向けられる。
光源モジュール20における複数の光源22は、天井材300の取付穴300aの面積および取付金具60の開口64の面積よりも広い領域にわたって配置され、灯具本体10において嵌合アダプタ40に重なる領域にも光源22が配置されている。このため、主発光面31において、取付穴300aおよび嵌合アダプタ40に重なる領域である中央部も光らせることができ、広い面積にわたって発光面が得られる。
また、嵌合アダプタ40が取付金具60に嵌合した状態において、図3に示すように、嵌合アダプタ40の上面、および電源側コネクタ51aと灯具側コネクタ43との接続部は、天井材300裏側の空間に露出する。嵌合アダプタ40はその上面を天井材300裏側の空間に露出させ、取付金具60に固定される。電源ユニット50は、嵌合アダプタ40に重ならない位置に配置され、嵌合アダプタ40を覆っていない。このため、光源モジュール20で発生した熱を、嵌合アダプタ40を通じて、天井材300の裏側の空間に放熱することができる。
次に、天井材300からの灯具100の取外し方法について説明する。
図4に示すように、ベースプレート11の裏面には、取外し部材12が設けられている。取外し部材12の一端部12cは灯具本体10の側面に露出し、灯具本体10が天井材300に取り付けられた状態において作業者は取外し部材12の一端部12cを指または治具でつかむことができる。取外し部材12の他端部は、嵌合アダプタ40のスライド部材45に連結されている。
図13および図14は、嵌合アダプタ40と取外し部材12との連結構造を表す斜視図である。
図13は、嵌合アダプタ40の上ケース41を取り外した状態を示す。
図14は、図13においてさらに下ケース42も取り外し、取外し部材12とスライド部材45との連結構造を裏側から見た斜視図である。
取外し部材12とスライド部材45とは、2つのアーム部材48を介して連結されている。それぞれのアーム部材48は、下ケース42に設けられた軸部42aを支点に回動することができる。
それぞれのアーム部材48の一端部には貫通孔48aが形成され、その貫通孔48a内に、取外し部材12の他端に設けられたピン12aが係合している。
取外し部材12には長穴12bが形成され、その長穴12b内にねじ15が位置している。ねじ15は、ベースプレート11に取り付けられている。作業者が取外し部材12の一端部12cを例えば治具で引っ張ることで、取外し部材12の長手方向に沿って取外し部材12をスライドさせることができる。このとき、長穴12bの内壁とねじ15との当接によって、取外し部材12のスライド移動がガイドされる。
取外し部材12の一端部12cが灯具本体10からはみ出す方向に取外し部材12を引っ張ると、取外し部材12のピン12aに係合している一対のアーム部材48が軸部42aを支点に回動する。このアーム部材48の回動により、図14に示すアーム部材48の他端部48bが、スライド部材45の下面に設けられた突出部49を押す。これにより、2つのスライド部材45は、ばね47を圧縮させて互いに近づく方向にスライド移動する。
このスライド部材45のスライド移動により、爪部44が、図12に示す取付金具60の受け板62に乗り上げた状態が解除され、嵌合アダプタ40が取付金具60から外れ、灯具本体10を天井材300から取り外すことができる。
図15は、取外し部材12の一端部12cの斜視図である。
取外し部材12の一端部12cは灯具本体10の内側に折り曲げられ、その一端部12cに治具を引っ掛けることが可能になっている。取外し部材12の一端部12cの位置は、カバー30の側面32に形成された切欠に位置合わせされ、灯具本体10の側面に露出している。
取外し部材12は金属部材であり、その金属部材はカバー30の色(例えば乳白色)と同じまたは近い色に塗装されている。取外し部材12は例えば白色に塗装されている。このため、特に非点灯時において、取外し部材12の一端部12cが灯具本体10の側面で目立たず、外観の品位を損なわない。
以上説明した実施形態によれば、灯具本体10の形状およびサイズに合わせた角穴を建材にあけなくてもよく、天井材300への施工は、灯具本体10のサイズよりも小さく、嵌合アダプタ40のサイズに合わせた1つの取付穴300aをあけるだけでよい。そして、取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60に対して、嵌合アダプタ40を嵌め込むことで灯具本体10を簡単に天井材300に取り付けることができる。
灯具側コネクタ43は、ケーブルの一端に接続されてぶらぶらしているのではなく、嵌合アダプタ40の上面に固定されている。一方で、電源側コネクタ51aは電気ケーブル51によって電源ユニット50から導出されている。したがって、電源側コネクタ51aを天井材300の取付穴300aおよび取付金具60の開口64を通して天井材300の表側における作業者の手元に位置させ、作業者はその電源側コネクタ51aを片手でつかみ、もう一方の手を灯具100の発光面31に添えて灯具100を支えつつ、灯具側コネクタ43に電源側コネクタ51aを接続させることができる。灯具側コネクタ43自体を手でつかまなくてもよい。そのため、灯具本体10の平面サイズが大型化しても、1人の作業者によって、電源ユニット50と灯具100との電気接続、および灯具100の天井材300への取り付けを容易に行うことができる。
灯具100を天井材300から取り外す際にも、一方の手を灯具100の発光面31に添えて灯具100を支えつつ、前述した取り外し部材12の一端をもう片方の手でつかんで引っ張ることで嵌合アダプタ40の爪部44と取付金具60との係合が解除され、灯具100を天井材300から取り外すことができる。この後、片手で灯具100を支えた状態を維持しつつ、もう片方の手を取り外し部材12から電源側コネクタ51aに移動させて電源側コネクタ51aを引っ張って灯具側コネクタ43から引き抜くことができる。すなわち、灯具100の天井材300からの取り外し、および電源ユニット50と灯具100との電気接続の解除も1人の作業者によって容易に行うことができる。
このような実施形態によれば、多品種の灯具本体10を、これらに共通の電源ユニット50に対してワンタッチで簡単に接続できるため、手間をかけずに他種の灯具本体10への変更が可能となる。この灯具本体10の変更に際して、共通の電源ユニット50は天井材300から外す必要がない。
また、取付金具60は環状に形成され、その上方は閉塞されずに開放されている。したがって、電源側コネクタ51aを灯具側コネクタ43に接続した後、嵌合アダプタ40を取付金具60に嵌め込む際に、電気ケーブル51をどこかに挟み込んだり、引っ掛かけたりすることなく、取付金具60の上方の空間に退避させることができ、取付金具60に対する嵌合アダプタ40の嵌め込み作業が妨げられない。
次に、以上説明した実施形態の灯具100の梱包構造について説明する。
図16は、灯具100の梱包材の分解斜視図である。
灯具100は、第1保持部材201と第2保持部材203に保持された状態で、外箱200内に収容され、設置現場などに輸送される。
第2保持部材203は、主板部204と、一対の側板部207とを有する。主板部204の平面形状は例えば4つの辺をもつ四角形状である。主板部204の4つの辺のうちの互いに対向する2辺のそれぞれに側板部207が設けられている。主板部204の残りの2辺には側板部が設けられず、開放されている。
側板部207は、主板部204の上面204aよりも上方に突出している。一対の側板部207のうちの一方と、主板部204との角部(境界部)には切欠208が形成されている。主板部206の中央には円形状の穴206が形成されている。灯具100は、その嵌合アダプタ40を第2保持部材203の穴206に嵌合させた状態で、第2保持部材203に保持される。
図17は、嵌合アダプタ40が嵌合した第2保持部材203の斜視図であり、主板部204の下面204b側を見た斜視図である。
嵌合アダプタ40の上面が穴206を通じて主板部204の下面204b側に露出し、嵌合アダプタ40の爪部44が主板部204の下面204bに乗り上がって当接する。切欠208には、取外し部材12の一端部12cが露出する。
第1保持部材201は、井桁構造の枠部材202を有する。枠部材202の一部には凹部202aが形成されている。その凹部202aの底部に、第2保持部材203の主板部204が載置される。この状態において、第2保持部材203の穴206に嵌合した嵌合アダプタ40は、第1保持部材201の枠部材202の下端よりも上方で枠部材202の内側の開口内に位置する。
灯具100は第2保持部材203および第1保持部材201に保持された状態で外箱200内に収容される。輸送時に発光面に負荷をかけないように、灯具100の発光面31は外箱200内で上方に向けられている。その発光面31上にはパッド210が被せられる。パッド210の平面サイズは、外箱200の内寸サイズに合わせられ、パッド210は、第2保持部材203および第1保持部材201に保持された灯具100の全面を覆う。
第2保持部材203および第1保持部材201に保持された灯具100は、外箱200内で複数積層して収容することができる。すなわち、下から順に、第1保持部材201、第2保持部材203、灯具100、パッド210、別の第1保持部材201、別の第2保持部材203、別の灯具100、別のパッド210を積層することができる。嵌合アダプタ40は第1保持部材201の枠部材202の内側の開口内に位置し、他の灯具100に干渉しない。また、最下層の灯具100の嵌合アダプタ40は外箱200の底に当たらない。
第2保持部材203が第1保持部材201の上に載置された状態で、第2保持部材203の側板部207は立ち上がった状態が維持される。その側板部207の高さは、第1保持部材201の凹部202aの深さ(側壁の高さ)と同じである。側板部207の上端位置と、枠部材202の上端位置とが揃えられ、上に積層された別の灯具100の保持構造体が下の灯具100の保持構造体の上方への動きを規制する。すなわち、灯具100を保持した第2保持部材203が、輸送時の振動などで、第1保持部材201の凹部202a内で上下方向に動くことが規制される。
灯具100が第2保持部材203に保持された状態において、図17に示すように、取外し部材12の一端部12cが第2保持部材203に形成された切欠208から露出する。その取外し部材12の一端部12cを例えば指で引っ張ることで、嵌合アダプタ40の爪部44を引っ込ませて、嵌合アダプタ40を第2保持部材203の穴206から抜くことができる。これにより、灯具100を第2保持部材203から取り外すことができる。
図18は、他の実施形態の灯具400が天井材300に取り付けられた状態を表す斜視図である。
図19は、灯具400の裏面の斜視図である。
図20は、図19に示す灯具400の一部分の拡大斜視図である。
灯具400の外形は例えば長尺の矩形状に形成され、矩形状の発光面431を有する。灯具400は、灯具本体410と、透光性のカバー430と、取付部材460とを有する。
灯具本体410は、矩形板状のベースプレート411を有する。ベースプレート411の裏面411aに、取付部材460が設けられている。例えば、2つの取付部材460が、ベースプレート411の長手方向の中心を挟んで、ベースプレート411の長手方向に離間して設けられている。一方の取付部材460の上面に、例えばソケット構造の灯具側コネクタ443が固定されている。
灯具本体410は、図6を参照して前述した光源モジュール20と同様の構成の光源モジュール20を有する。光源モジュール20は、ベースプレート411の裏面411aの反対側の光源配置面に取り付けられている。
光源22は、前述した実施形態と同様に、LED等の発光素子23と、蛍光体層24と、透光性の樹脂部材25とを含むことができる。図19および図20に示す灯具側コネクタ443は、基板21に形成された導体パターンを通じて、光源22と電気接続している。
カバー430は、光源22が発する光に対する透光性を有する。カバー430は、例えばアクリルなどの樹脂材に酸化チタン等を分散させた光拡散性を有する乳白色に形成されている。カバー430は、光源22を覆うように、灯具本体410に支持されている。
図19および図20に示すように、取付部材460に取付ばね463が固定されている。取付ばね463は、取付部材460に例えばねじ止めされている。例えば、1つの取付部材460に2つの取付ばね463が固定されている。2つの取付ばね463は、取付部材460をベースプレート411の長手方向に挟んで位置する。
取付部材460は、2つの板状の突出部461を有する。2つの突出部461は、取付部材460をベースプレート411の長手方向に挟んで位置する。
ベースプレート411の裏面411aには、押さえ部材440が固定されている。1つの取付部材460に対して2つの押さえ部材440が設けられている。2つの押さえ部材440が、取付部材460をベースプレート411の長手方向に挟んで位置する。
押さえ部材440において取付部材460から遠い側の一端部は、ベースプレート411に対して例えばネジ止めされている。押さえ部材440においてベースプレート411に固定された部分から取付部材460に向けて延在する部分は、ベースプレート411の裏面411aから離間し、取付部材460の突出部461の上に重なっている。突出部461は、押さえ部材440と、ベースプレート411の裏面411aとの間のスペースに配置されている。
突出部461は、押さえ部材440と、ベースプレート411の裏面411aとの間に挟まれ、突出部461はベースプレート411に対して固定されていない。すなわち、取付部材460およびこれに固定された取付ばね463は、ベースプレート411に対して固定されていない。取付ばね463と灯具本体410とは、ベースプレート411の裏面411aに平行な方向に相対的に移動可能となっている。ここでの移動は、直線移動に限らず、回転移動も含む。
灯具400を天井材300に取り付ける前に、前述した実施形態と同様に、図3に示す電源ユニット50を天井材300の裏側に配置する。電源ユニット50は、図21に示す天井材300に形成された取付穴300aから天井材300の裏側に通され、天井材300の裏側において取付穴300aに重ならない位置に配置される。
または、既に天井材300の裏側に設置済みの電源ユニット50をそのまま使う場合には、電源ユニット50を天井材300の裏側に設置する作業は不要となる。
灯具400の取付作業を行う作業者は、灯具400を天井材300に近づけ、灯具400を片手で保持しつつ、もう一方の手で、取付穴300aから垂下する電源ユニット50の電気ケーブル51の電源側コネクタ51aをつかんで、灯具本体410の裏面に設けられた取付部材460の上面に固定された灯具側コネクタ443に、電源側コネクタ51aを接続する。
電源側コネクタ51aを灯具側コネクタ43に接続した後、取付部材460および取付ばね463を、取付穴300aを通して天井材300の裏側に入れる。そして、取付部材460の側面と取付穴300aの内壁との間に、取付ばね463が自然状態から変形した状態で配置される。この取付ばね463の復元力により、取付部材460は上方に付勢されつつ天井材300に対して固定され、灯具本体410は天井材300の表側の面に押し付けられるように天井材300に取り付けられる。なお、前述した実施形態と同様、灯具400は、天井材300に限らず、壁材にも取り付けることができる。
天井材300に固定された取付部材460の突出部461と、灯具本体410に固定された押さえ部材440とは互いに固定されずに相対移動可能である。すなわち、灯具本体410は、天井材300に固定された取付部材460に対して相対移動可能である。そのため、取り付け後において、灯具本体410の位置調整が必要な場合には、天井材300に対して固定された取付部材460に対して、灯具本体410を取付面(天井面)に沿う方向にスライド移動(回転も含む)させることで、灯具本体410の取付位置を調整できる。
これにより、複数の灯具本体410を並べて設置する際に、天井材300に形成した複数の取付穴300aの位置のばらつきが発生しても、複数の灯具本体410、すなわち発光面をシームレスに均等配置することが可能になる。
前述した光源モジュール20における基板21の材質は、樹脂材および/またはセラミックス材を含んで成るものであってよい。基板21の具体的な樹脂材を例示すると、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)およびポリエチレンテレフタレート(PET)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。このような樹脂材から成る基板21は、絶縁性の点から望ましいだけでなく、低コストおよび成型容易性などの点からも望ましい。樹脂材から成る基板21は、ガラス繊維および/または無機フィラー(例えば、SiO、TiO、Al)が樹脂材に混ぜられたものであってもよい。ガラス繊維および/または無機フィラーが混ぜられた樹脂材は、基板21の機械的強度を向上させ、熱膨張率を低減し、光反射率を向上させる。
一方、基板21の具体的なセラミックス材を例示すれば、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)および炭化物系(例えば、SiC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。このようなセラミックス材から成る基板21は、特に耐熱性および耐光性に優れた光源モジュール20を実現し易くなる点で望ましい。あくまでも一例にすぎないが、セラミックス材から成る基板21は、アルミナからなる又はアルミナを主成分とするセラミックスであってよい。
その他、基板21として、FR4などに代表されるガラスコンポジット基板や、CEM-3などに代表されるガラスエポキシ基板、アルミニウム基板に代表される金属基板や、サファイア基板、Ruby基板など、適宜用途に応じて用いることができる。
発光素子23としては、例えば発光ダイオード等の半導体発光素子を用いることができる。半導体発光素子は、透光性基板と、その上に形成された半導体積層体とを含むことができる。透光性基板には、例えば、サファイア(Al)、スピネル(MgAl)のような透光性の絶縁性材料や、半導体積層体からの発光を透過する半導体材料(例えば、窒化物系半導体材料)を用いることができる。
半導体積層体は、複数の半導体層を含む。半導体積層体の一例としては、第1導電型半導体層(例えばn型半導体層)、発光層(活性層)、および第2導電型半導体層(例えばp型半導体層)の3つの半導体層を含むことができる。半導体層は、例えば、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料(例えばInN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等)を用いることができる。発光素子23は、発光ピーク波長が430nm以上490nm未満の範囲にあることが好ましい。
蛍光体層(波長変換部材)24としては、発光素子23からの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO-Al-SiO)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、硫化物系蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+、(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu、Si6-ZAl8-Z:Eu(0<Z<4.2)、BaSi12:Euなどが挙げられる。
また、蛍光体層24は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料を用いることができ、例えばII-VI族、III-V族、IV-VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdSSe1-X/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。
図22は、実施形態の光源モジュール20の他の例を示す平面図である。
複数の第1光源22aおよび複数の第2光源22bが、基板21の光源配置面21aに周期配列されている。図22において、第1光源22aを斜線のハッチングで表し、第2光源22bをドットパターンで表す。
図23は、第1光源22aおよび第2光源22bの模式斜視図である。
第1光源22aおよび第2光源22bのそれぞれは、発光素子23と、蛍光体層24と、透光性の樹脂部材25とを含む。蛍光体層24は発光素子23を覆い、さらに樹脂部材25が蛍光体層24を覆っている。樹脂部材25において発光素子23の上面の中心付近を覆う部分が凹んでおり、このような形状の樹脂部材25は、光源22a、22bに前述したバットウイング形の配光特性を与えるレンズとして機能する。
第1光源22aおよび第2光源22bは同じ要素を有するが、互いに異なる相関色温度の白色光を出射する。例えば、第1光源22aが2700Kの相関色温度の白色光を、第2光源22bが5000Kの相関色温度の白色光を出射することができる。これらを調整して発光させることで、光源モジュール20は種々の相関色温度の白色光を出射することが可能となる。
図22に示すように、第1方向(図22において縦方向)に互いに近接して配置された1つの第1光源22aと1つの第2光源22bとからなる光源の組が複数組配置されている。第1方向に配列された複数組の光源は電気的に直列接続されている。第1方向に直交する第2方向(図22において横方向)に配列された複数組の光源は電気的に並列関係にある。
次に、実施形態として、オフィスビル、工場、または、商業施設などの建築物の建設に際して、上述した灯具100や灯具400などの照明灯具500が設置される工程を説明する。そこでまずは、このような建築物の建設における従来の工程を説明する。図24は、従来の建築物が建設されるまでの工程における照明設置の流れを説明するためのフロー図である。ここでは一般的なオフィスビルのように、複数階の構造を有し、通路と居室を有する建築物を対象とする。オフィスビルのような大規模な建築物の建設では、総合建設業者が建設工事の発注を請負い、種々の業者によって作業される建設工事全体の取りまとめを行う。
まず、設計士やデザイナーが建築物の設計を行う(ステップS1)。この工程において、通路や居室のレイアウトなどが決められ、建築物の全体的なデザインが設計図面に記される。また、採用する建築材料や、照明灯具などの電気設備資材についてもある程度決められ、その配置についても図面に記される。
次に、決められた設計に基づいて、建築材料や建設機械が用意され、基礎工事が行われる(ステップS2)。この工程では、杭工事や土工事により建築物の荷重に耐え得る安定した地盤を確保する。ここでは主に、土木工事を行う業者の作業員が作業を行う。なお、土木工事業者の作業員に限らず、他の業者の作業員も作業を行っている。
次に、安定した地盤の上に建築物の躯体を形成する躯体工事が行われる(ステップS3)。躯体工事としては、基礎部分や地下階を有する場合には地下階など地下の工事から始まり、地上階へと進んでいく。コンクリートの打設、柱の建込み、鉄骨の組み立てなどを行い、建築物全体の骨組みが完成する。また、外壁、屋上、各階の床等にもコンクリートが打設される。
また、躯体工事では、後の内装工事において吊りボルトを下げるために、インサートが埋め込まれる。例えば、吊りボルトを固定するための天井インサートを、上階の床スラブ(鉄筋コンクリートの床板など)の打設時にスラブの一部として固定する。ここでは主に、土木工事を行う業者の作業員や、とび・土工・コンクリート工事を行う業者の作業員などが作業を行う。次に、建築物の外装工事が行われる(ステップS4)。外壁のタイル張りや、窓サッシ、窓ガラス、カーテンウォールなどが取り付けられる。また、塗装なども行われる。
次に、内装工事が行われる(ステップS5)。内装工事では、天井、壁、床を作り上げる。天井を設置する天井工事では、ステップS3の躯体工事で設けられた天井インサートから吊りボルトを下げ、軽量鉄骨材を組み合わせた下地に、天井板や天井下地材などの天井面を構成する部材である天井材が取り付けられる。天井材の支持には、吊りボルトやハンガー等の吊り材及び斜め部材などが用いられ、これにより天井板の脱落といった危険防止措置が取られる。
例えば日本国では、建築基準法や施行令などにより、このような天井脱落を防止するための規定が設けられている。その一つに、既定の条件を満たす天井材を設けるときには吊り材等により固定を行うなどの脱落防止措置を施しておくことが規定されている。照明灯具についても、その大きさや重量などによって、吊り材に固定されずに天井に設置できるものや、吊り材による固定を有するものがある。
なお、吊りボルトを固定するための天井インサートは、コンクリートの打設の際に設置する代わりに、打設後にコンクリートにアンカーを打ち吊りボルトを固定することも可能ではある。しかし、効率面や安全面を考慮すれば事前に設置される方が好ましく、吊り材が設けられることがわかっている場所については、設計の段階で天井インサートの配置が決められ、コンクリートの打設の際に埋め込まれるのが望ましい。
また、内装工事では、天井を張る前、つまり天井材による天井の形成が完了する前に、配管や空調のダクトの吊り込みをしておき、電線などを配管内に通す作業も行われる。そのため、天井裏には、電気配線やダクト、空調機器などを設置するために必要な空間が設けられる。またさらに、照明や空調が設置される場所に合わせて天井材に開口が設けられる。ここで、天井内のダクト設置や吊り材による天井材の固定といった作業は、内装工事を行う業者の作業員などが作業を行う。一方で、電気配線を設ける作業は、感電等の危険があるため、電気工事を行うことのできる専門的な作業員によって行われる。
天井を設置する天井工事の作業者と、天井裏に電気配線を通す配線工事の作業者と、は多くの場合は別人であることが想定される。なお、日本国では、電気工事士の資格を有さない者による配線工事などの電気工事は許可されていない。このように建築物の建設は、種々の専門的な業者から作業員が派遣され、それぞれが専門的な作業を行うことで安全面に配慮している。
本明細書において、建築物の建設のために天井材を準備して天井工事を行う業者の作業員を天井設置作業者と呼ぶ。また、建築物の建設のために電気配線を準備して配線工事を行う業者の作業員を配線工事作業者と呼ぶ。なお、建築物の建設における各工程の工事は、通常複数の作業者によって行われる。従って、天井設置作業者とは一人の作業者に限らず、建築物の建設において天井工事を行う1以上の作業者を指す。配線工事作業者などについても同様である。
次に、内装工事を終え、床や壁や天井が出来上がると、設置工事が行われる(ステップS6)。設置工事では、建築物を実際に利用する際に必要になる設備が設置される。例えば、電気、ガス、水道、排水、空調、トイレ、防災、放送などのための設備や、照明、エスカレーター、エレベーターなどの設備が配置される。これらの作業は、電気工事、電気通信工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事などの事業者の作業員が行う。
照明の設置工事においても、照明灯具を電気的に接続する必要があるため電気工事士の資格者による作業を要する。なお、照明が設置される場所は天井に限らないが、天井に設置される照明灯具は、通常であれば電気工事士の資格者によって天井裏に用意された配線に接続され、電気的に接続される。空調の設備工事において天井に空調機器を設置する場合も、電気工事士の資格者によって天井裏に用意された配線に接続される。
通常では、オフィスビルのような建築物の居室において、天井に配置される大型の照明灯具や空調機器は吊り材によって固定される。従って、このような大型の照明灯具や空調機器の設置工事を行う作業員は、大型の照明灯具や空調機器を天井インサートから吊り下げられた吊り材に固定して天井に設置する作業も行うことになる。
照明の設置工事に間に合わせるように、照明灯具の製造者は建設に必要な照明灯具を製造し、電気設備資材を管理する電材商社に納品する(ステップS7)。また電材商社は、照明灯具に限らず、スイッチ、コンセント、電線、ケーブル、配電盤、アンテナなどの資材や、分電盤、インターホン、火災報知器などの資材の在庫を管理しており、工事に必要な電気設備資材を必要な分だけ供給する(ステップS8)。本明細書において、照明灯具を製造し、あるいは照明灯具を納品する業者の従業員を照明灯具供給者と呼ぶ。
なお、設置工事の工程において、照明の設置工事と、空調の設置工事とは別々に行われる。なお、同時に行うことも、あるいは、同一人が両方の設置工事を行うことも可能だが、作業効率を考慮して分担して作業を進める方が一般的である。このようにして建築物は建設される。
なお、本明細書において、設置工事の作業者と言う場合は、照明や空調などの設置工事を行う一人以上の作業者を指すものとし、上述したような同一人が照明及び空調の設置工事を行う場合も含み得るものとする。一方で、照明の設置工事の作業者と言う場合は、照明の設置工事を行う一人以上の作業者を指し、かつ、空調の設置工事は行わない作業者を指すものとする。空調の設置工事の作業者と言う場合は、空調の設置工事を行う一人以上の作業者を指し、かつ、照明の設置工事は行わない作業者を指すものとする。
次に、実施形態として、建築物を建設する工程と、この建設において照明灯具500を設置する工程と、について説明する。ここでの照明灯具500には、実施形態で説明された灯具100、または、灯具400を用いることができる。実施形態に係る建築物510は、複数階の構造を有し、通路と居室を有する。なお、一階建ての建築物であってもよい。図25及び図26は、建築物510の特定の階における居室の構造の一例を記した模式図である。
建築物510は、床520と、壁521と、天井522と、窓523と、により居室空間を形成する。なお、窓523が無く側面が壁521だけの居室であっても構わない。また、天井には、複数の照明灯具500と、複数の空調機器530とが設置されている。なお、空調機器530は一台でもよい。
ここで、天井に設置される照明灯具や空調機器などの天井設置器具には、吊り材によって直接固定される必要があるものと不要なものとがある。例えば、監視カメラや、ダウンライト、非常用照明、あるいは煙感知器センサーなど、小型の天井設置器具については、吊りボルト等の吊り材や斜め部材に直接接続されることによって固定されずに設置される。このような小型の天井設置器具は、天井材に掛かる荷重が小さいため吊り材を要さずに設置することが認められる。以下、このような天井設置器具は、吊り材による固定を要さない天井設置器具という。
一方で、天井面設置型のベース照明や、天井埋込型のベース照明、あるいは空調機器530などは、吊り材に直接繋がれることによって固定されて設置される。このような天井設置器具は、天井材に掛かる荷重が大きいため、吊り材で固定されていないと、例えば地震が起こった場合に脱落する危険性が高くなる。よって、天井材に全ての荷重を掛けるような設置構造とはせずに、天井設置器具そのものを吊り材で支えるようにする。以下、このような天井設置器具は、吊り材による固定を要する天井設置器具という。
例えば、オフィスビルのような建築物の場合、通路などの狭い空間における照明にはダウンライトなどの小型の天井設置器具が設けられ、居室などの広い空間ではベース照明などの大型の照明灯具が設けられることが考えられる。居室の一部に小型の照明灯具が設けられることはあり得るが、居室全体に設置される照明灯具の設置数で見ると、大多数は大型の照明灯具である。
本実施形態に係る照明灯具500は、照明灯具の性能としてはベース照明に相当する性能を有しており、かつ、照明の設置工事においては吊り材による固定を要さない照明灯具とすることができる。つまり、照明灯具500は、ベース照明相当として取り扱えるほど大型でありながら、吊り材を要さないほど軽量である、軽量大型照明灯具である。
ここで、本明細書における軽量大型照明灯具とは、全光束が2500lm以上であるか、床に最も近い面である発光面の面積が45000mm以上であるか、光源素子が100個以上配されているか、の少なくとも一を満たす照明灯具を指すものとする。またあるいは、これに加えて、重量が0.5kg以上から2.5kg未満であるという条件により、軽量大型照明灯具の特性をさらに特定してもよい。
軽量大型照明灯具である照明灯具500としては、例えば、縦450mm、横450mm、天井設置面から発光面までの高さが20mmの、発光面が正方形の照明灯具とすることができる。また、発光面が、縦600mm、横600mmの正方形の照明灯具であってもよい。また、発光面が、縦150mm、横600mmの長方形の照明灯具であってもよく、縦75mm、横600mmの長方形の照明灯具であってもよい。
このように、600mmや、これを自然数で割った長さで縦横の長さが設計することで、天井材300との相性がよくなる。日本国の建築基準では、天井材などの建築材料は尺単位で扱われており、天井材の縦横の長さもおよそ300mm単位で設計されている。従って、天井材300の縦幅あるいは横幅に照明灯具500の縦幅や横幅を合わせることで、照明灯具500を並べて配置するような場合でも設置がしやすくなる。
吊り材による固定を要さない照明灯具500は、天井材300に照明灯具500の荷重を掛けることになる。そのため、1の天井材300に1の照明灯具500を設置することが望ましい。また、荷重のバランスを考慮すると、照明灯具500の重心が、天井材300の中央にくるようにするのがよい。建築材料の基準に合わせて、照明灯具500の縦または横の寸法を、天井材の縦横の寸法に対応させることで、これらの設置条件を満たす設計がしやすくなる。
特に、図26に示すように、照明灯具500を連結して設置するような場合、照明灯具500の縦または横の寸法が、天井材の縦横の寸法に合っていないと、隣同士の天井材300における照明灯具500の設置個所が異なってしまう。連結される数が増えるほど、このずれが連結方向に連鎖していくことになるため荷重のバランスが悪くなる。
次に、建築物510の建設において照明灯具500が設置されるまでの工程を説明する。なお、図24を利用して既に説明した建築物が建設されるまでの工程と異なる点を詳細に説明し、重複する点については説明を簡易的にするか、あるいは省略する。
照明灯具500は、吊り材570により固定される必要がないため、ステップS1において、設計士やデザイナーは、照明灯具500の設置位置に合わせて吊り材の配置位置を決定しておく必要はない。また、天井インサートが設けられ、吊り材570の配置位置が確定した後に、従来の吊り材による固定を要するベース照明の配置位置を変更する場合は、新たに吊りボルトを設置する必要がある一方で、照明灯具500の場合はその必要がない。従って、設計士やデザイナーは、工事がある程度進んだ後でも、照明灯具500の設置場所を柔軟に変更することができる。
ステップS2~ステップS4までの工程については、既にした説明と概ね同様である。次に、ステップS5の内装工事では、天井を設ける天井工事が行われる。また、天井を張る前に、あるいは、天井を張った後に、天井裏に配される配線が天井よりも高い位置に通される。図27は、天井工事が行われた状態の天井裏の一例を示している。
図27にあるように、天井裏は、コンクリートが打設された躯体524によって上面と側面が、天井材300が配された天井522によって下面が形成された空間を有している。また、天井522を形成する各天井材300は、躯体の天井インサートに繋がれた吊り材570によって固定され、支えられている。なお、図が煩雑になるため、図27では吊り材570の表示を一部省略している。天井裏の空間には、配管を通って設けられた配線540及び配線541がある。この配線は、設計図面に基づき、天井裏に設置される照明や空調などの電気接続機器の設置台数に応じて設けられる。電気接続機器への電源供給に十分な数の配線が用意された上で、天井522は設けられる。
ここで、天井裏に配線を通す作業は、電気工事士の資格を有する配線工事作業者によって行われる。また、この作業において、照明灯具500に接続される予定の配線540については、電気工事士の資格を有する配線工事作業者によってコネクタが設けられる。コネクタは、電気接続機器を電気的に接続するための電気接続機器と配線540との接続作業において感電を防止するための、感電防止接続器具の一例である。
コネクタ等の感電防止接続器具を有していれば、照明灯具500に配線540を接続する作業は、電気工事士の資格を有する者でなくても行うことができる。図27の例では、照明灯具500に接続する予定の配線540についてはコネクタが設けられる一方で、空調機器530に接続される予定の配線541についてはコネクタ等の感電防止接続器具は設けられていない。従って、出願時点の日本国の法令に遵守すると、空調機器530に配線541を接続する作業は、電気工事士の資格を有する者によって行われる必要がある。なお、図が煩雑になるため、図27では配線540の表示を一部省略している。
このように、天井裏に配される配線を設ける作業において、天井裏に配される複数の配線のうち、天井への設置に際して吊り材による固定を有さない照明灯具500と電気的に接続するための配線として、コネクタなどの感電防止接続器具を付した配線540を設ける作業が行われる。
また、空調機器530は吊り材によって固定されるため、空調機器530を固定するための吊り材として、吊り材571が設けられている。図27の時点では、まだ空調機器530は取り付けられていないため、吊り材571は空調機器530を固定していない。
天井材300には、空調機器530や照明灯具500など、天井設置器具を設置するために開口が設けられている。図27に示される四角の開口は、空調機器530のための開口である。また、円形の開口は、照明灯具500のための取付穴300aである。図27の例では、6×3の計18枚の天井材300のうち、2枚の天井材300のそれぞれに空調機器530を設置するための開口が、12枚の天井材300のそれぞれに照明灯具500を設置するための開口が設けられている。
図27に示されるように、照明灯具500を設置するために設けられる取付穴300aは天井材300に比べて小さい。また、照明灯具500の発光面と比べても十分に小さい開口である。この点については、ダウンライトや非常用照明は対照的に、その照明灯具の大きさと同等の開口を有している。照明灯具500では、発光面の面積に対して取付穴300aを1/3以下とすることができる。またあるいは、1/5以下とすることができる。またあるいは、1/10以下とすることができる。
照明灯具500を設置するための取付穴300aは、例えば、直径10cm~15cmの円形で形成される。また、取付穴300aの形状は円形でなくてもよく、最大径が15cm以下の多角形であってもよい。また、電源アダプタ550等の大きさや形状に基づいて決定されればよい。なお、照明灯具500の取り付けのために、居室側から配線540を手に取ることが出来るように、取付穴300aは作業員の腕が通せるだけの大きさを確保するのが好ましい。
なお、天井材300は予め開口が設けられたものである必要はない。開口の無い状態の天井材300を用意し、内装工事を行う現場で作業員が天井材300に穴を空けて開口を設ける方が一般的である。開口のない天井材300に対し、適宜開口を設ける作業を行えばよい。どのような天井設置器具を設置するかによって用意すべき開口の形状も異なり得る。よって、開口は、天井材300を吊り材570で固定して天井に取り付けるときに設ければよく、あるいは、天井を形成した後で設けてもよい。
このようにして天井522が設けられた上で、ステップS6の設備工事において、照明の設置工事が行われる。図28は、コネクタ付き配線540、天井材300、電源アダプタ550、及び、照明灯具500の接続関係を表す図である。なお、照明の設置作業は、電気工事士の資格を有さない者であっても作業を行うことができる。
なお、建築物510に天井522が設けられた時点で、図25で示した居室を形成する空間である居室空間と、図27で示した天井裏を形成する空間である天井裏空間と、は区別された空間として扱うことができる。ここで、天井材300の開口の有無については考慮しない。具体的には、建築物510において開口を有さない天井材300により天井522が形成された場合に、空間を形成する一部分として天井522を有する空間であって天井522の上方にある空間を天井裏空間、空間を形成する一部分として天井522を有する空間であって天井522の下方にある空間を居室空間として区別する。
まず、居室空間に存在する作業員によって居室空間内に照明灯具500と電源アダプタ550とが準備される。照明灯具500は、例えば、図16及び図17で説明した梱包材に梱包されて届けられる。照明灯具500は、居室空間に存在する作業員が、照明灯具500の取付アダプタを電源アダプタ550に嵌め込むことで、電源アダプタ550に接続される。また、電源アダプタ550のDCハーネス580と接続することで、照明灯具500は電源アダプタ550からのDC電源の電力供給を受ける。例えば、100Vの直流電圧が供給される。DCハーネス580との接続についても、電気工事士の資格を有していない作業員が行うことができる。なお、嵌合アダプタ40及び取付部材460は、取付アダプタの一形態に相当する。また、電源ユニット50は、電源アダプタ550の一形態に相当する。また、電気ケーブル51は、DCハーネス580の一形態に相当する。
なお、配線540を介してAC電源が供給されるため、電源アダプタ550はAC/DC変換機能を有している。また、電源アダプタ550は、コネクタ付き配線540とコネクタを介して電気的に接続するための接続部としてのAC端子台560を有する。居室空間に存在する作業員は、開口に腕を通し、開口から天井裏空間に設けられたコネクタ付き配線540を引っ張って、居室空間内に引き込む。そして、居室空間においてコネクタ付き配線540のコネクタとAC端子台560とを接続する。なお、端子台52または53は、AC端子台の一形態に相当する。
なお、照明灯具500が発光の強度や色調を調節する調光機能を有する場合に備えて、電源アダプタ550は調光の制御を行う調光ドライバ装置と接続するための接続部としての調光端子台を有する。調光機能を有さない照明灯具500を使用する場合には、調光端子台は不要である。
このように、天井材300に設けられた開口を介して、形成された天井522の上方にある天井裏空間に配されたコネクタ付き配線540と、電源アダプタ550とを、コネクタ付き配線のコネクタによって接続する作業が行われる。
また、図29に示すように、居室空間に存在する作業員が、電源アダプタ550を天井材300に設置する。居室空間に存在する作業員は、コネクタ付き配線540と接続した電源アダプタ550を、接続するコネクタ付き配線540が通った開口を介して天井裏に配置する。コネクタ付き配線540も天井裏に戻り、開口からは電源アダプタ550のDCハーネス580が居室空間に飛び出す形となる。照明灯具500は、DCハーネス580と接続し、電源の供給を受ける。このように、形成された天井522の下方にある居室空間において用意された照明灯具500と、電源アダプタ550と、を電気的に接続する作業が行われる。
また、照明灯具500は、留め具590を有し、留め具590を開口に通して天井材300の天井裏に掛けることで、天井522に取り付けられる。照明灯具500の留め具63はバネ性(弾性)を有しており、これを天井面側(居室空間側)から天井材300の開口に通して貫通させる。貫通した後は、留め具63が天井材300の天井裏面に掛かり、従って荷重が天井材300に掛かるようになる。天井522に照明灯具500が取り付けられると、1の照明灯具500及び1の電源アダプタ550の荷重は、1の天井材300に掛かることとなる。なお、取付ばね463は、留め具590の一形態に相当する。また、留め具63は、バネ性を有する構造に限らず、天井材300に荷重が掛かる構造であればよい。
また、図30及び図31に示すように、照明灯具500の留め具63が天井材300の開口に取り付けられる代わりに、電源アダプタ551の留め具591が天井材300の開口に取り付けられるようにしてもよい。
なお、コネクタ付き配線540と電源アダプタ550を接続する作業と、電源アダプタ550と照明灯具500とを接続する作業と、はいずれが先であってもよい。また、電源アダプタ550を天井材300に取り付ける作業は、照明灯具500が電源アダプタ550に接続する前でも、接続した後であってもよい。
このように、コネクタ付き配線540と電気的に接続された照明灯具500が有する留め具590を天井材300の開口に通して、照明灯具500を天井材300に設置する作業が行われる。または、コネクタ付き配線540と電気的に接続された電源アダプタ550が有する留め具591を天井材300の開口に通して、照明灯具500を天井材300に設置する作業が行われる。
また、コネクタ付き配線540と、電源アダプタ550とを、コネクタ付き配線540のコネクタにより接続し、コネクタ付き配線540と電気的に接続された電源アダプタ550を天井裏空間に配置する作業が行われ、照明灯具500を天井材300に設置する作業が行われる。
なお、灯具100に係る実施形態で説明したように、留め具としての取付ばね63を有する取付金具60を介して、照明灯具500を天井材300に取り付けるようにしてもよい。この場合、コネクタ付き配線540と電気的に接続された電源アダプタ550を天井裏空間に配置する作業を行った後に、取付金具160が留め具により天井材300に設置される。
また、天井裏空間に配置された電源アダプタ550のDCハーネス580を、取付金具60の開口64を通して居室空間に引き込み、居室空間においてDCハーネス580を照明灯具500に接続することで、電源アダプタ550と照明灯具500とが電気的に接続される。また、電源アダプタ550と電気的に接続することで、照明灯具500はコネクタ付き配線540と電気的に接続する。
また、電源アダプタ550と照明灯具500とが電気的に接続された状態で、照明灯具500を取付金具60に設置する。取付アダプタとしての嵌合アダプタ40の爪部44は、照明灯具500を取付金具60に設置するための留め具に相当する。つまり、天井材300への設置には取付金具60の留め具が用いられ、取付金具60への設置には照明灯具500の留め具が用いられる。
このように、照明灯具500の留め具を取付金具60の開口64に通して、取付金具60を介した照明灯具500の天井材300への設置作業が行われる。取付金具60は照明灯具500の天井材300への設置を補助する取付補助部材の一形態と言える。取付補助部材は、例えば、取付金具60と同様の形状及び構造を有し、かつ、金属以外の材料で形成されたものであってもよい。
また、灯具400に係る実施形態で説明したように、照明灯具500が天井材300に設置された状態で移動可能となっていることで、天井材300に対する照明灯具500の位置が調整できる。
図26のように照明灯具500を連結して配置する場合、各天井材300に連結する複数の照明灯具500がそれぞれ設置された状態では、天井材300の開口の位置ずれなどから、意図した設置位置から僅かにずれてしまうことが考えられる。特に、このような連結照明は、美感の面からも、精度良く一直線に並ぶ方が好ましい。
そのため、連結する隣同士の照明灯具500(ここでは、隣り合う照明灯具500をそれぞれ第1照明灯具、第2照明灯具と呼ぶものとする)をそれぞれの天井材300に設置する作業を行った後に、第1照明灯具または第2照明灯具を移動させて、第1照明灯具と第2照明灯具との連結を調整する作業を行う。
なお、天井に設置する段階で、第1照明灯具と第2照明灯具は連結して設置されることが考えれる。一方で、この段階での連結は、意図した状態よりもずれが生じている可能性がある。そのため、この照明灯具500を連結して天井に設置する作業としては、第1照明灯具と第2照明灯具とを連結させてそれぞれの天井材300に設置する第1連結作業と、第1連結作業の後に、天井材300に設置された第1照明灯具または第2照明灯具を移動させて、第1照明灯具と第2照明灯具との連結を調整する第2連結作業と、の二段階に分けて行われることとなる。
なお、電源アダプタ550は、自ら通った開口の付近で、その開口を有する天井材300の天井裏に配置される。従って、1の照明灯具500を1の天井材300に取り付ける場合、その照明灯具210に接続する1の電源アダプタ550が、その1の天井材300に配置される。従って、第一実施形態と変わらず、1の電源アダプタ550及び1の照明灯具500が、1の天井材300に掛かる荷重となる。
なお、電源アダプタ550は、照明灯具500が取り付けられない天井材300に配置されるようにしてもよい。例えば、開口を有していない天井材300に配置されるように、電源アダプタ550を移動してもよい。こうすることで、1の天井材300に掛かる荷重を軽減することができる。例えば、図29で2枚の天井材300にそれぞれ配置されている計2つの電源アダプタ550を、開口を有していない1の天井材に配置してもよい。但し、天井材300までの距離が腕を伸ばしても届かないくらいに遠いと、電源アダプタ550を配置する作業は困難あるいは面倒になることも考えられる。
このように、照明灯具500の設置工事は、吊り材570による固定を有さないため、天井裏にあるコネクタ付き配線540を居室空間に引っ張り出せるだけの開口が設けられていればよい。言い換えると、照明灯具500を天井522に設置する作業をするには、腕が通せるサイズの開口があればよい。一方で、吊り材570で固定する作業が必要な照明灯具になると、腕が通る程度の大きさの開口だけを利用して、居室空間側から照明灯具を取り付けることは困難な作業になる。
また、照明灯具500の設置工事前に、予めコネクタ付き配線540を天井裏に用意しておくことで、電気工事士の資格を有する者でなくても照明灯具500と天井裏の配線とを電気的に接続する作業を行うことができる。従って、天井材300に穴を空けて天井の一部として設置する作業員が、そのまま照明灯具500の設置作業を行うことも可能となる。
このことはつまり、建築物510の建設において、照明灯具供給者が電材商社に照明灯具500を供給する代わりに天井設置作業者に供給し、天井設置作業者が照明灯具500の天井工事を行うことができるということである。
以上、具体例を参照しつつ、本開示の実施形態について説明した。しかし、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本開示の要旨を包含する限り、本開示の範囲に属する。その他、本開示の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本開示の範囲に属するものと了解される。
10…灯具本体、20…光源モジュール、22…光源、23…発光素子、40…嵌合アダプタ、43…灯具側コネクタ、50…電源ユニット、51…電気ケーブル、51a…電源側コネクタ、60…取付金具、100…灯具、300…天井材、400…灯具、410…灯具本体、411…ベースプレート、440…押さえ部材、443…灯具側コネクタ、460…取付部材、461…突出部、463…取付ばね、500…証明灯具、550,551…電源アダプタ

Claims (10)

  1. 建築物に照明灯具を設置する方法であって、
    複数の天井材を配して形成される天井の天井裏に配される複数の配線のうち、天井への設置に際して吊り材による固定を有さない照明灯具である軽量大型照明灯具と電気的に接続するための配線として、コネクタ付き配線を設ける工程と、
    前記コネクタ付き配線と前記軽量大型照明灯具とを電気的に接続する工程と、
    前記コネクタ付き配線と電気的に接続された前記軽量大型照明灯具を、前記天井材の開口に取り付けられた取付金具に取り付け、前記軽量大型照明灯具を前記天井材に設置する工程と、
    を有する方法。
  2. 前記コネクタ付き配線と、電源ユニットとを、前記コネクタ付き配線のコネクタにより接続し、前記コネクタ付き配線と電気的に接続された前記電源ユニットを天井裏空間に配置する工程をさらに有し、
    前記コネクタ付き配線と前記軽量大型照明灯具とを電気的に接続する工程において、前記電源ユニットの電気ケーブルを前記軽量大型照明灯具に接続して、前記コネクタ付き配線と前記軽量大型照明灯具とを電気的に接続する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記取付金具を前記天井材の開口に取り付ける工程をさらに有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 梱包材に梱包された前記軽量大型照明灯具を前記梱包材から取り出す工程をさらに有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記梱包材は、
    第1保持部材と、
    前記第1保持部材に載置され、前記軽量大型照明灯具が嵌合される穴が形成された第2保持部材と、
    前記軽量大型照明灯具の発光面に被せられるパッドと、
    前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記軽量大型照明灯具、及び、前記パッドが収容される外箱と
    を備える、請求項4に記載の方法。
  6. 前記梱包材に梱包された複数の前記軽量大型照明灯具を前記梱包材から取り出す工程をさらに有する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記梱包材は、
    複数の第1保持部材と、
    それぞれが異なる前記第1保持部材に載置され、前記軽量大型照明灯具が嵌合される穴が形成された複数の第2保持部材と、
    それぞれが前記軽量大型照明灯具の発光面に被せられる複数のパッドと、
    複数の前記第1保持部材、複数の前記第2保持部材、複数の前記軽量大型照明灯具、及び、複数の前記パッドが収容される外箱と
    を備え、
    下から前記第1保持部材、前記第2保持部材、前記軽量大型照明灯具、及び、前記パッドの順に複数積層して、複数前記軽量大型照明灯具が前記外箱に収容される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記軽量大型照明灯具は、全光束が2500lm以上であるか、床に最も近い面である発光面の面積が45000mm以上であるか、光源素子が100個以上配されているか、の少なくとも一を満たす照明灯具である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記軽量大型照明灯具は、重量が0.5kg以上から2.5kg未満である請求項8に記載の方法。
  10. 前記軽量大型照明灯具は、吊り材により固定されていない状態で、前記建築物に設置される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
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