JP7260390B2 - 容量式電磁流量計および計測制御方法 - Google Patents

容量式電磁流量計および計測制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、測定管の外周面に形成した面電極に発生する起電力に基づいて、測定管内を流れる流体の流量を計測する容量式電磁流量計で用いられる計測制御技術に関する。
従来、電磁流量計の1つとして、測定管の外周面に形成した面電極に発生する起電力に基づいて、測定管内を流れる流体の流量を計測する容量式電磁流量計が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。図11は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す正面図である。図12は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す側面図である。図13は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す上面図である。
図11~図13に示すように、従来の容量式電磁流量計50は、測定管51の外周面に互いに対向して形成した一対の面電極52A,52Bを備え、一対の励磁コイル53A,53Bに流す励磁電流の極性を交互に切り替えながら、面電極52A,52B間に発生する起電力を検出することにより、測定管51内を流れる流体の流量を計測する。
特開2018-077118号公報
前述した従来の容量式電磁流量計において、測定管51は樹脂やセラミックなどの誘電性材料からなり、電気を蓄える性質を持つ誘電体であるため、測定管51の外周面に次のような3種類の帯電を起こす場合がある。
[流体温度変化による帯電]
測定管51内を流れる流体の温度が短時間に大きく変化すると、焦電効果によって測定管51の外周面に帯電を起こす場合がある。焦電効果とは、誘電体結晶を加熱すると、結晶構造が変化して、表面に焦電気と呼ばれる電荷が現れる現象である。この加熱には、例えば人体から出る赤外線による加熱も含まれ、このような僅かな加熱であっても、焦電効果により電荷が発生する場合もある。発生した電荷は、通常、表面に付着した空気中のイオンなどにより中和されるが、流体の温度が短時間に大きく変化すると多くの電荷が発生して、測定管51の外周面に帯電することになる。
[流体圧力変化による帯電]
測定管51内を流れる流体の圧力が変化すると、測定管51に歪みが発生し、圧電効果によって測定管51の外周面に帯電を起こす場合がある。圧電効果とは、誘電体に圧力が加わると、結晶構造が変化して分極し、表面に圧電気と呼ばれる電荷が現れる現象である。発生した電荷は、測定管51の外周面に帯電することになる。
[流体摩擦による帯電]
測定管51内に超純水のような低導電率の流体を流すと、測定管51の内周面と流体との摩擦によって静電気が発生し、測定管51の外周面に帯電することになる。
これら帯電は、測定管51の外周面に発生するため、面電極52A,52Bの電極間(さらには配線パターン間)に、直流電圧(電位差)となって現れる場合がある。また、このとき発生する直流電圧は、条件によっては数十mV以上となる場合がある。一方、流体の流速に応じて面電極52A,52Bの間に発生する起電力(交流電圧信号)は、数mV(p-p)以内である。このため、帯電によって面電極52A,52B間に発生した直流電圧の影響を受けて、面電極52A,52B間に発生した起電力から計算した流量がドリフトを起こしてしまう恐れがある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、測定管の外周面に発生した帯電による流量計測への影響に対応できる計測制御技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる容量式電磁流量計は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅回路と、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出回路と、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理回路と、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶回路とを備え、前記演算処理回路は、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するようにしたものである。
また、本発明にかかる他の容量式電磁流量計は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅回路と、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出回路と、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理回路と、前記流量信号の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶回路とを備え、前記演算処理回路は、前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記容量式電磁流量計の一構成例は、前記流量ドリフトモデルが、前記直流バイアス電圧と前記流量のドリフト量からなる前記指標値との関係を示すモデルからなり、前記演算処理回路は、前記流量ドリフトモデルから前記指標値として取得した前記ドリフト量を前記流量に加減算することにより前記流量を補正するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記容量式電磁流量計の一構成例は、前記流量ドリフトモデルが、前記直流バイアス電圧と前記流量のドリフト係数からなる前記指標値との関係を示すモデルからなり、前記演算処理回路は、前記流量ドリフトモデルから前記指標値として取得した前記ドリフト係数を前記流量に乗除算することにより前記流量を補正するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記容量式電磁流量計の一構成例は、前記演算処理回路が、前記直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれていない場合、前記測定管の外周面に帯電が発生したと判定するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記容量式電磁流量計の一構成例は、前記演算処理回路が、前記直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれる場合にのみ、前記指標値に基づき前記流量を補正するようにしたものである。
また、本発明にかかる他の容量式電磁流量計は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅回路と、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出回路と、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理回路とを備え、前記演算処理回路は、前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、または前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれていない場合、前記測定管の外周面に帯電が発生したと判定するようにしたものである。
また、本発明にかかる計測制御方法は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力に基づいて、前記流体の流量を計算する処理回路とを備える容量式電磁流量計で用いられる計測制御方法であって、前記処理回路が、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅ステップと、前記処理回路が、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出ステップと、前記処理回路が、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理ステップと、前記処理回路が、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶ステップとを備え、前記演算処理ステップは、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するステップを含むものである。
また、本発明にかかる他の計測制御方法は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力に基づいて、前記流体の流量を計算する処理回路とを備える容量式電磁流量計で用いられる計測制御方法であって、前記処理回路が、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅ステップと、前記処理回路が、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出ステップと、前記処理回路が、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理ステップと、前記処理回路が、前記流量信号の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧の際に発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶ステップとを備え、前記演算処理ステップは、前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するステップを含むものである。
また、本発明にかかる他の計測制御方法は、計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力に基づいて、前記流体の流量を計算する処理回路とを備える容量式電磁流量計で用いられる計測制御方法であって、前記処理回路が、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅ステップと、前記処理回路が、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出ステップと、前記処理回路が、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理ステップとを備え、前記演算処理ステップは、前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、または前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれていない場合、前記測定管の外周面に帯電が発生したと判定するステップを含むものである。
本発明によれば、流量計測時、検出信号または流量信号の直流バイアス電圧に基づいて、流量が自動的に補正されることになる。このため、計算により得られた流量が、測定管の外周面に発生した帯電によりドリフト量が含まれていても、帯電が発生していない状況と近しい流量を得ることが可能となる。したがって、計測して得られた流量を利用する際、帯電による流量計測への影響が抑制された流量を用いることができ、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することが可能となる。
図1は、第1の実施の形態にかかる容量式電磁流量計の回路構成を示すブロック図である。 図2は、図1の要部を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態にかかる流量ドリフトモデルの構成例を示す説明図である。 図4は、第1の実施の形態にかかる測定管の外周面に生じた帯電による影響を示す信号波形図である。 図5は、第1の実施の形態にかかる計測制御処理を示すフローチャートである。 図6は、第2の実施の形態にかかる容量式電磁流量計の回路構成を示すブロック図である。 図7は、図6の要部を示すブロック図である。 図8は、第2の実施の形態にかかる流量ドリフトモデルの構成例を示す説明図である。 図9は、第2の実施の形態にかかる測定管の外周面に生じた帯電による影響を示す信号波形図である。 図10は、第2の実施の形態にかかる計測制御処理を示すフローチャートである。 図11は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す正面図である。 図12は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す側面図である。 図13は、従来の容量式電磁流量計の検出器を示す上面図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
次に、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる容量式電磁流量計100について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる容量式電磁流量計の回路構成を示すブロック図である。図2は、図1の要部を示すブロック図である。
[容量式電磁流量計]
容量式電磁流量計100は、励磁コイルから印加した磁束により、測定管内を流れる計測対象である流体に生じた起電力を、測定管の外周面に設けられた面電極で、流体と電極との間の静電容量を介して検出し、得られた起電力を増幅した後、サンプリングして信号処理することにより、電極を流体に接液させることなく、流体の流量を計測する。
図1および図2に示すように、容量式電磁流量計100は、主な回路部として、検出器20、信号増幅回路21、信号検出回路22、励磁回路23、記憶回路24、伝送回路25、設定・表示回路26、および演算処理回路(CPU)27を備えている。また、演算処理回路27は、CPUとその周辺回路を備え、予め設定されているプログラムをCPUで実行して、ハードウェアとソフトウェアを協働させることにより、励磁制御部27Aや流量計算部27Bなどの各種処理部を実現する。
本発明では、これら回路部のうち、信号増幅回路21、信号検出回路22、励磁回路23、記憶回路24、伝送回路25、設定・表示回路26、および演算処理回路27をまとめて処理回路という場合がある。
検出器20は、主な構成として、測定管2、励磁コイル3A,3B、および面電極10A,10B(第1および第2の面電極)を備えている。測定管2は、円筒形状をなすセラミックや樹脂などの絶縁性および誘電性に優れた材料からなり、測定管2の外側には、一対の励磁コイル3A,3Bが測定管2を挟んで対向配置されている。一方、測定管2の外周面2Aには、励磁コイル3A,3B間に発生する磁束の方向と直交する方向に、薄膜導体からなる一対の面電極10A,10Bが対向配置されている。
これにより、測定管2内の流路1を流れる流体に、流速に応じた起電力が発生し、この起電力により面電極10A,10Bのそれぞれに生じた電極電圧Ea,Ebが検出器20から出力される。
信号増幅回路21は、検出器20から出力された電極電圧Ea,Ebを増幅し、得られた検出信号Va,Vb(第1および第2の検出信号)の減算結果を流量信号Vfとして出力する機能を有している。
信号増幅回路21は、主な回路部として、プリアンプ回路21Aと減算回路21Bとを備えている。
プリアンプ回路21Aは、検出器20から出力された電極電圧Ea,Ebを、オペアンプUA,UBで個別に増幅し、得られた検出信号Va,Vbを出力する回路である。
減算回路21Bは、プリアンプ回路21Aから出力された検出信号Va,Vbを、オペアンプUCにより減算処理し、得られた減算結果Va-Vbを流量信号Vfとして出力する回路である。
信号検出回路22は、信号増幅回路21から出力された流量信号Vfを交流増幅してサンプルホールドすることにより、流体の流量に応じた直流の流量電圧Vshを検出する機能を有している。
信号検出回路22は、主な回路部として、交流増幅回路22Aとサンプル・ホールド回路22Bとを備えている。
交流増幅回路22Aは、信号増幅回路21から出力された流量信号Vfを、容量素子(カップリング・コンデンサ)Cacで直流成分をカットした後、オペアンプUacで増幅し、交流増幅出力Vacとして出力する回路である。
サンプル・ホールド回路22Bは、交流増幅回路22Aから出力された交流増幅出力Vacを、検出タイミングに同期してスイッチSWを短絡することにより、容量素子Cshで保持し、直流の流量電圧Vshとして出力する回路である。
記憶回路24は、検出信号Va,Vbのいずれか一方または両方の直流バイアス電圧Da,Dbと、当該直流バイアス電圧Da,Dbに応じて発生する流量Qfのドリフト量ΔQを示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する機能を有している。
図3は、第1の実施の形態にかかる流量ドリフトモデルの構成例を示す説明図である。図3には、検出信号Va,VbをA/D変換して得られた直流バイアス電圧(データ)Da,Dbの組み合わせごとに、指標値として流量のドリフト量ΔQがデータベースとして登録されている。
なお、流量ドリフトモデルは図3のデータベースで構成した場合に限定されるものではなく、直流バイアス電圧Da,Dbとドリフト量ΔQとの関係を示す関数で構成してもよく、他の公知のモデルで構成してもよい。
また、指標値については、流量Qfのドリフト量ΔQに限定されるものではなく、流量Qfのドリフト率を示すドリフト係数Kqであってもよい。
流量計算部27Bは、信号検出回路22からの流量電圧Vshに基づいて流体の流量を算出し、流量計測結果を伝送回路25へ出力する機能と、検出信号Va,Vbのいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧(データ)Da,Dbに基づいて、記憶回路24の流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき流量Qfを補正する機能とを有している。
指標値がドリフト量ΔQを示す場合、流量Qfに対してドリフト量ΔQを加減算することにより、流量Qfを補正できる。一方、指標値がドリフト係数Kqを示す場合、流量Qfに対してドリフト係数Kqを乗除算することにより、流量Qfを補正できる。
なお、流量電圧Vshに基づいて流体の流量を算出する際に用いる流量算出過程については、公知の手法を用いればよく、個々での詳細な説明は省略する。
励磁制御部27Aは、励磁コイル3A,3Bの励磁切替を制御するための励磁制御信号Vexを励磁回路23へ出力する機能を有している。
励磁回路23は、励磁制御部27Aからの励磁制御信号Vexに基づいて、交流の励磁電流Iexを励磁コイル3A,3Bへ供給する機能を有している。
伝送回路25は、伝送路Lを介して上位装置との間でデータ伝送を行うことにより、演算処理回路27で得られた流量計測結果や異常発生などの各種の処理情報を上位装置へ送信(報知)する機能を有している。
設定・表示回路26は、例えば作業者の操作入力を検出して、流量計測、伝導率測定、空状態判定などの各種動作を演算処理回路27へ出力する機能と、演算処理回路27から出力された、流量計測結果や異常発生などの各種の処理情報をLEDやLCDなどの表示回路で表示(報知)する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかる容量式電磁流量計100の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる測定管の外周面に生じた帯電による影響を示す信号波形図である。図5は、第1の実施の形態にかかる計測制御処理を示すフローチャートである。
[帯電による流量計測への影響]
まず、図4を参照して、測定管2の外周面2Aに生じた帯電による流量計測への影響について説明する。
図4に示すように、期間T0において、測定管2を流れる流体の流量Qfと、流体の流体温度Tfとを一定に保った状態とする。この状態では、測定管2の外周面2Aに帯電が生じておらず、面電極10A,10Bからは、流体に発生した起電力を示す電極電圧Ea,Ebが検出されて出力される。
これにより、信号増幅回路21のプリアンプ回路21Aで電極電圧Ea,Ebが増幅されて、ほぼ等しい直流成分を含む検出信号Va,Vbが出力され、減算回路21Bから安定した流量信号Vfが出力される。
したがって、信号検出回路22の交流増幅回路22Aから、流量Qfに応じた振幅Vac0を有する交流増幅出力Vacが出力され、これがサンプル・ホールド回路22Bでサンプリングされ、直流の流量電圧Vshが演算処理回路27へ出力される。
この後、期間T1において、流体温度Tfが低下すると、焦電効果によって測定管2の外周面2Aに帯電が発生し、面電極10A,10Bで検出される電極電圧Ea,Ebの直流成分が変化し、プリアンプ回路21Aから出力される検出信号Va,Vbの直流成分すなわち直流バイアス電圧Da,Dbも大きく変化する。
ここで、プリアンプ回路21Aは、図2に示すように、同相信号に対してオペアンプUA,UBがバッファアンプとして動作し、差動信号に対して抵抗比で決定される増幅率に基づいて増幅動作を行う。このため、増幅率をある程度大きくすれば、高いCMRR(Common Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)を得ることができる。したがって、電極電圧Ea,Ebが同相モード(コモンモード)で変化しても、検出信号Va,Vbには影響しないことになる。しかし、電極電圧Ea,Ebの直流バイアス電圧Da,Dbが差動モード(ノーマルモード)で大きく変化した場合、検出信号Va,Vbが飽和して流量計測不能となる恐れがある。
図4の例では、検出信号Vaの直流バイアス電圧Daが期間T0より上昇し、検出信号Vbの直流バイアス電圧Dbが期間T0より低下しており、これにより、Va,Vbの電位差が拡大して、減算回路21Bから出力される流量信号Vfの直流成分すなわち直流バイアス電圧Dfも上昇する。
このため、交流増幅回路22Aからの交流増幅出力Vacの振幅が期間T0より低下し、この後の期間T2において、流体温度Tfが下げ止まった場合、交流増幅出力Vacの振幅Vac2は、期間T0の振幅Vac0より大きく低下する。
したがって、この交流増幅出力Vacをサンプリングして得られた流量電圧Vshに基づき計算した期間T2の流量Qf2は、図4の破線で示すように、期間T0の流量Qf0より低い値を示すことになる。
実際の帯電時には、期間T0,T1,T2,T3,T4における交流増幅出力をVac0,Vac1,Vac2,Vac3,Vac4とした場合、Vac0≧Vac1≧Vac2であって、Vac2≦Vac3≦Vac4(=Vac0)という大小関係で推移する。
本発明は、このような測定管2の外周面2Aに生じた帯電による検出信号Va,Vbの直流バイアス電圧Da,Dbの増大に応じて、流量Qfに発生するドリフト量ΔQが増大するという関係に着目し、予め計測した直流バイアス電圧Da,Dbとドリフト量ΔQとの関係を示す流量ドリフトモデルを作成しておき、流量計測時に得られた検出信号Va,Vbの直流バイアス電圧Da,Dbに基づき流量ドリフトモデルから取得したドリフト量ΔQに基づいて、その検出信号Va,Vbから得られた流量Qfを補正するようにしたものである。
[計測制御動作]
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかる容量式電磁流量計100の流量計測における計測制御動作について説明する。
演算処理回路27の流量計算部27Bは、予め設定された流量計測タイミングの到来に応じて、図5の計測制御処理を実行する。なお、記憶回路24には、前述の図3に示したような、流量ドリフトモデルが予め登録されているものとする。
図5に示すように、流量計算部27Bは、まず、信号検出回路22のサンプル・ホールド回路22Bから出力された流量電圧VshをA/D変換して、流量電圧データDshを取得し(ステップS100)、得られた流量電圧データDshに基づいて、流体の流量Qfを計算して、記憶回路24に日時とともに記録する(ステップS101)。
また、流量計算部27Bは、信号増幅回路21のプリアンプ回路21Aから出力された検出信号Va,VbをA/D変換して、直流バイアス電圧Da,Dbを取得する(ステップS102)。A/D変換については、例えば演算処理回路27のCPUに搭載されているA/D変換回路を利用すればよい。
次に、流量計算部27Bは、直流バイアス電圧Daと、記憶回路24に予め登録されている直流バイアス電圧Da,Dbの正常範囲Vlimとを比較する(ステップS103)。正常範囲Vlimは、図4に示したように、上限値VlimHと下限値VlimLとから構成されている。
直流バイアス電圧Daが正常範囲Vlimに含まれていない場合(ステップS103:NO)、流量計算部27Bは、後述するステップS107へ移行して異常処理を実行する。
直流バイアス電圧Daが正常範囲Vlimに含まれている場合(ステップS103:YES)、流量計算部27Bは、直流バイアス電圧Dbと正常範囲Vlimとを比較する(ステップS104)。
直流バイアス電圧Dbが正常範囲Vlimに含まれていない場合(ステップS104:NO)、流量計算部27Bは、後述するステップS107へ移行して異常処理を実行する。
直流バイアス電圧Dbが正常範囲Vlimに含まれている場合(ステップS104:YES)、流量計算部27Bは、記憶回路24の流量ドリフトモデルを参照し、直流バイアス電圧Da,Dbに対応するドリフト量ΔQを取得し(ステップS105)。得られたドリフト量ΔQをステップS101で計算した流量Qfに加算(減算)することにより、流量Qfを補正して、日時さらには補正内容を示す補正データとともに記憶回路24に記録する(ステップS106)、一連の流量計測処理を終了する。
これにより、図4に示すように、流量Qfは、破線が示す値から実線が示す値に補正されることになる。
また、ステップS107において、流量計算部27Bは、直流バイアス電圧Da,Dbのいずれか一方または両方が正常範囲Vlimに含まれていないことから、測定管2の外周面2Aに帯電が発生したと判定し、帯電による流量計測不良が発生したことを、日時とともに記憶回路24に記録し、設定・表示回路26で表示(報知)し、あるいは、伝送回路25から伝送路Lを介して上位装置へ報知するという異常処理を実行し(ステップS107)、一連の流量計測処理を終了する。
これにより、ステップS101で計算した流量Qfが、帯電による流量計測不良時に計測した不正な値であることが識別できる。したがって、流量Qfを利用する際、流量計測不良時の流量Qfを除外するなど、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することができる。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、記憶回路24で、検出信号Va,Vbのいずれか一方または両方の直流バイアス電圧Da,Dbと、当該直流バイアス電圧Da,Dbに応じて発生する流量Qfのドリフト量ΔQを示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶しておき、演算処理回路27が、検出信号Va,Vbのいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧Da,Dbに基づいて、流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき流量Qfを補正するようにしたものである。
具体的には、流量ドリフトモデルとして、直流バイアス電圧Da,Dbと流量Qfのドリフト量ΔQからなる指標値との関係を示すモデルを用い、演算処理回路27が、流量ドリフトモデルから指標値として取得したドリフト量ΔQを流量Qfに加減算することにより流量Qfを補正するようにしたものである。
あるいは、流量ドリフトモデルとして、直流バイアス電圧Da,Dbと流量Qfのドリフト係数Kqからなる指標値との関係を示すモデルを用い、演算処理回路27が、流量ドリフトモデルから指標値として取得したドリフト係数Kqを流量Qfに乗除算することにより流量Qfを補正するようにしたものである。
これにより、流量計測時、検出信号Va,Vbの直流バイアス電圧Da,Dbに基づいて、流量Qfが自動的に補正されることになる。このため、計算により得られた流量Qfが、測定管2の外周面2Aに発生した帯電によりドリフト量ΔQが含まれていても、帯電が発生していない状況と近しい流量Qfを得ることが可能となる。したがって、計測して得られた流量Qfを利用する際、帯電による流量計測への影響が抑制された流量Qfを用いることができ、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することが可能となる。
また、本実施の形態において、演算処理回路27が、直流バイアス電圧Da,Dbが予め設定されている正常範囲Vlimに含まれていない場合、測定管2の外周面2Aに帯電が発生したと判定するようにしてもよい。
これにより、帯電による流量計測不良が発生したことを、日時とともに記憶回路24に記録し、設定・表示回路26で表示(報知)し、あるいは、伝送回路25から伝送路Lを介して上位装置へ報知するという異常処理を実行することができる。したがって、計算した流量Qfが、帯電による流量計測不良時に計測した不正な値であることが識別でき、流量Qfを利用する際、流量計測不良時の流量Qfを除外するなど、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することができる。
また、本実施の形態において、演算処理回路27が、直流バイアス電圧Da,Dbが予め設定されている正常範囲Vlimに含まれる場合にのみ、指標値に基づき流量Qfを補正するようにしてもよい。
これにより、直流バイアス電圧Da,Dbが正常範囲Vlimに含まれていて、適正に補正可能な場合にのみ、流量Qfが補正されることになる。このため、直流バイアス電圧Da,Dbが正常範囲Vlimに含まれておらず、適正な補正が実施できない場合であるにも関わらず、流量Qfが補正されて、不適正な流量Qfが記録されることを回避でき、流量計測の信頼性を高めることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる容量式電磁流量計100について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる容量式電磁流量計の回路構成を示すブロック図である。図7は、図6の要部を示すブロック図である。
第1の実施の形態では、流量Qfのドリフト量ΔQを特定するための変数として、検出信号Va,Vbのいずれか一方または両方の直流バイアス電圧Da,Dbを用いる場合を例として説明した。この際、前述の図4で示したように、帯電発生時における流量信号Vfの変化は、検出信号Va,Vbとほぼ同様に変化していることが分かる。本実施の形態では、図6および図7に示すように、流量Qfのドリフト量ΔQを特定するための変数として、検出信号Va,Vbの減算結果である流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfを用いる場合について説明する。
すなわち、本実施の形態において、記憶回路24は、信号増幅回路21の減算回路21Bから出力された流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfと、当該直流バイアス電圧Dfに応じて発生する流量Qfのドリフト量ΔQを示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する機能を有している。
図8は、第2の実施の形態にかかる流量ドリフトモデルの構成例を示す説明図である。図8には、流量信号VfをA/D変換して得られた直流バイアス電圧(データ)Dfの組み合わせごとに、指標値として流量のドリフト量ΔQがデータベースとして登録されている。
なお、流量ドリフトモデルは図8のデータベースで構成した場合に限定されるものではなく、直流バイアス電圧Dfとドリフト量ΔQとの関係を示す関数で構成してもよく、他の公知のモデルで構成してもよい。
また、指標値については、流量Qfのドリフト量ΔQに限定されるものではなく、流量Qfのドリフト率を示すドリフト係数Kqであってもよい。
また、流量計算部27Bは、流量信号Vfから抽出した直流バイアス電圧(データ)Dfに基づいて、記憶回路24の流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき流量を補正する機能を有している。
本実施の形態にかかる容量式電磁流量計100のその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態にかかる容量式電磁流量計100の動作について説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる測定管の外周面に生じた帯電による影響を示す信号波形図である。図10は、第2の実施の形態にかかる計測制御処理を示すフローチャートである。
[帯電による流量計測への影響]
まず、図9を参照して、測定管2の外周面2Aに生じた帯電による流量計測への影響について説明する。
図9に示すように、期間T0において、測定管2を流れる流体の流量Qfと、流体の流体温度Tfとを一定に保った状態とする。この状態では、測定管2の外周面2Aに帯電が生じておらず、面電極10A,10Bからは、流体に発生した起電力を示す電極電圧Ea,Ebが検出されて出力される。
これにより、信号増幅回路21のプリアンプ回路21Aで電極電圧Ea,Ebが増幅されて、ほぼ等しい直流成分を含む検出信号Va,Vbが出力され、減算回路21Bから安定した流量信号Vfが出力される。
したがって、信号検出回路22の交流増幅回路22Aから、流量Qfに応じた振幅Vac0を有する交流増幅出力Vacが出力され、これがサンプル・ホールド回路22Bでサンプリングされ、直流の流量電圧Vshが演算処理回路27へ出力される。
この後、期間T1において、流体温度Tfが低下すると、焦電効果によって測定管2の外周面2Aに帯電が発生し、面電極10A,10Bで検出される電極電圧Ea,Ebの直流成分が変化し、プリアンプ回路21Aから出力される検出信号Va,Vbの直流成分すなわち直流バイアス電圧Da,Dbも大きく変化する。
ここで、プリアンプ回路21Aは、図7に示すように、同相信号に対してオペアンプUA,UBがバッファアンプとして動作し、差動信号に対して抵抗比で決定される増幅率に基づいて増幅動作を行う。このため、増幅率をある程度大きくすれば、高いCMRR(Common Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)を得ることができる。したがって、電極電圧Ea,Ebが同相モード(コモンモード)で変化しても、検出信号Va,Vbには影響しないことになる。しかし、電極電圧Ea,Ebの直流バイアス電圧Da,Dbが差動モード(ノーマルモード)で大きく変化した場合、検出信号Va,Vbが飽和して流量計測不能となる恐れがある。
図9の例では、検出信号Vaの直流バイアス電圧Daが期間T0より上昇し、検出信号Vbの直流バイアス電圧Dbが期間T0より低下しており、これにより、Va,Vbの電位差が拡大して、減算回路21Bから出力される流量信号Vfの直流成分も上昇する。
このため、交流増幅回路22Aからの交流増幅出力Vacの振幅が期間T0より低下し、この後の期間T2において、流体温度Tfが下げ止まった場合、交流増幅出力Vacの振幅Vac2は、期間T0の振幅Vac0より大きく低下する。
したがって、この交流増幅出力Vacをサンプリングして得られた流量電圧Vshに基づき計算した期間T2の流量Qf2は、図9の破線で示すように、期間T0の流量Qf0より低い値を示すことになる。
実際の帯電時には、期間T0,T1,T2,T3,T4における交流増幅出力をVac0,Vac1,Vac2,Vac3,Vac4とした場合、Vac0≧Vac1≧Vac2であって、Vac2≦Vac3≦Vac4(=Vac0)という大小関係で推移する。
本発明は、このような測定管2の外周面2Aに生じた帯電による流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfの増大に応じて、流量Qfに発生するドリフト量ΔQが増大するという関係に着目し、予め計測した直流バイアス電圧Dfとドリフト量ΔQとの関係を示す流量ドリフトモデルを作成しておき、流量計測時に得られた流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfに基づき流量ドリフトモデルから取得したドリフト量ΔQに基づいて、その流量信号Vfから得られた流量Qfを補正するようにしたものである。
[計測制御動作]
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態にかかる容量式電磁流量計100の流量計測における計測制御動作について説明する。
演算処理回路27の流量計算部27Bは、予め設定された流量計測タイミングの到来に応じて、図10の計測制御処理を実行する。なお、記憶回路24には、前述の図8に示したような、流量ドリフトモデルが予め登録されているものとする。
図10に示すように、流量計算部27Bは、まず、信号検出回路22のサンプル・ホールド回路22Bから出力された流量電圧VshをA/D変換して、流量電圧データDshを取得し(ステップS200)、得られた流量電圧データDshに基づいて、流体の流量Qfを計算して、記憶回路24に日時とともに記録する(ステップS201)。
また、流量計算部27Bは、信号増幅回路21の減算回路21Bから出力された流量信号VfをA/D変換して、直流バイアス電圧Dfを取得する(ステップS202)。A/D変換については、例えば演算処理回路27のCPUに搭載されているA/D変換回路を利用すればよい。
次に、流量計算部27Bは、直流バイアス電圧Dfと、記憶回路24に予め登録されている直流バイアス電圧Dfの正常範囲Vlimとを比較する(ステップS203)。正常範囲Vlimは、図9に示したように、上限値VlimHと下限値VlimLとから構成されている。
直流バイアス電圧Daが正常範囲Vlimに含まれていない場合(ステップS203:NO)、流量計算部27Bは、後述するステップS206へ移行して異常処理を実行する。
直流バイアス電圧Daが正常範囲Vlimに含まれている場合(ステップS203:YES)、流量計算部27Bは、記憶回路24の流量ドリフトモデルを参照し、直流バイアス電圧Dfに対応するドリフト量ΔQを取得し(ステップS204)。得られたドリフト量ΔQをステップS201で計算した流量Qfに加算(減算)することにより、流量Qfを補正して、日時さらには補正内容を示す補正データとともに記憶回路24に記録する(ステップS205)、一連の流量計測処理を終了する。
これにより、図9に示すように、流量Qfは、破線が示す値から実線が示す値に補正されることになる。
また、ステップS206において、流量計算部27Bは、直流バイアス電圧Da,Dbのいずれか一方または両方が正常範囲Vlimに含まれていないことから、測定管2の外周面2Aに帯電が発生したと判定し、帯電による流量計測不良が発生したことを、日時とともに記憶回路24に記録し、設定・表示回路26で表示(報知)し、あるいは、伝送回路25から伝送路Lを介して上位装置へ報知するという異常処理を実行し(ステップS206)、一連の流量計測処理を終了する。
これにより、ステップS201で計算した流量Qfが、帯電による流量計測不良時に計測した不正な値であることが識別できる。したがって、流量Qfを利用する際、流量計測不良時の流量Qfを除外するなど、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することができる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、記憶回路24で、流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfと、当該直流バイアス電圧Dfに応じて発生する流量Qfのドリフト量ΔQを示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶しておき、演算処理回路27が、流量信号Vfから抽出した直流バイアス電圧Dfに基づいて、流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき流量Qfを補正するようにしたものである。
具体的には、流量ドリフトモデルとして、直流バイアス電圧Dfと流量Qfのドリフト量ΔQからなる指標値との関係を示すモデルを用い、演算処理回路27が、流量ドリフトモデルから指標値として取得したドリフト量ΔQを流量Qfに加減算することにより流量Qfを補正するようにしたものである。
あるいは、流量ドリフトモデルとして、直流バイアス電圧Dfと流量Qfのドリフト係数Kqからなる指標値との関係を示すモデルを用い、演算処理回路27が、流量ドリフトモデルから指標値として取得したドリフト係数Kqを流量Qfに乗除算することにより流量Qfを補正するようにしたものである。
これにより、流量計測時、流量信号Vfの直流バイアス電圧Dfに基づいて、流量Qfが自動的に補正されることになる。このため、計算により得られた流量Qfが、測定管2の外周面2Aに発生した帯電によりドリフト量ΔQが含まれていても、帯電が発生していない状況と近しい流量Qfを得ることが可能となる。したがって、計測して得られた流量Qfを利用する際、帯電による流量計測への影響が抑制された流量Qfを用いることができ、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することが可能となる。
また、本実施の形態において、演算処理回路27が、直流バイアス電圧Dfが予め設定されている正常範囲Vlimに含まれていない場合、測定管2の外周面2Aに帯電が発生したと判定するようにしてもよい。
これにより、帯電による流量計測不良が発生したことを、日時とともに記憶回路24に記録し、設定・表示回路26で表示(報知)し、あるいは、伝送回路25から伝送路Lを介して上位装置へ報知するという異常処理を実行することができる。したがって、計算した流量Qfが、帯電による流量計測不良時に計測した不正な値であることが識別でき、流量Qfを利用する際、流量計測不良時の流量Qfを除外するなど、帯電による流量計測への影響に対して適切に対応することができる。
また、本実施の形態において、演算処理回路27が、直流バイアス電圧Dfが予め設定されている正常範囲Vlimに含まれる場合にのみ、指標値に基づき流量Qfを補正するようにしてもよい。
これにより、直流バイアス電圧Dfが正常範囲Vlimに含まれていて、適正に補正可能な場合にのみ、流量Qfが補正されることになる。このため、直流バイアス電圧Dfが正常範囲Vlimに含まれておらず、適正な補正が実施できない場合であるにも関わらず、流量Qfが補正されて、不適正な流量Qfが記録されることを回避でき、流量計測の信頼性を高めることができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
例えば、図2および図7に示したプリアンプ回路21Aは、増幅率が1倍のバッファアンプであっても良く、この場合は、後段の減算回路21B、または交流増幅回路22Aの増幅率を大きくすれば良い。
100…容量式電磁流量計、1…流路、2…測定管、3A,3B…励磁コイル、10A,10B…面電極、20…検出器、21…信号増幅回路、21A…プリアンプ回路、21B…減算回路、22…信号検出回路、22A…交流増幅回路、22B…サンプル・ホールド回路、23…励磁回路、24…記憶回路、25…伝送回路、26…設定・表示回路、27…演算処理回路、27A…励磁制御部、27B…流量計算部、UA,UB,UC,Uac…オペアンプ、Cac,Csh…容量素子、SW…スイッチ、L…伝送路、Vex…励磁制御信号、Iex…励磁電流、Ea,Eb…電極電圧、Va,Vb…検出信号、Vf…流量信号、Vac…交流増幅出力、Vsh…流量電圧、Da,Db,Df…直流バイアス電圧。

Claims (8)

  1. 計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、
    前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、
    前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅回路と、
    前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出回路と、
    前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理回路と、
    前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶回路とを備え、
    前記演算処理回路は、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正する
    ことを特徴とする容量式電磁流量計。
  2. 計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、
    前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、
    前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅回路と、
    前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出回路と、
    前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理回路と、
    前記流量信号の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶回路とを備え、
    前記演算処理回路は、前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正する
    ことを特徴とする容量式電磁流量計。
  3. 請求項1または請求項2に記載の容量式電磁流量計において、
    前記流量ドリフトモデルは、前記直流バイアス電圧と前記流量のドリフト量からなる前記指標値との関係を示すモデルからなり、
    前記演算処理回路は、前記流量ドリフトモデルから前記指標値として取得した前記ドリフト量を前記流量に加減算することにより前記流量を補正する
    ことを特徴とする容量式電磁流量計。
  4. 請求項1または請求項2に記載の容量式電磁流量計において、
    前記流量ドリフトモデルは、前記直流バイアス電圧と前記流量のドリフト係数からなる前記指標値との関係を示すモデルからなり、
    前記演算処理回路は、前記流量ドリフトモデルから前記指標値として取得した前記ドリフト係数を前記流量に乗除算することにより前記流量を補正する
    ことを特徴とする容量式電磁流量計。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の容量式電磁流量計において、
    前記演算処理回路は、前記直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれていない場合、前記測定管の外周面に帯電が発生したと判定することを特徴とする容量式電磁流量計。
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載の容量式電磁流量計において、
    前記演算処理回路は、前記直流バイアス電圧が予め設定されている正常範囲に含まれる場合にのみ、前記指標値に基づき前記流量を補正することを特徴とする容量式電磁流量計。
  7. 計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力に基づいて、前記流体の流量を計算する処理回路とを備える容量式電磁流量計で用いられる計測制御方法であって、
    前記処理回路が、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅ステップと、
    前記処理回路が、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出ステップと、
    前記処理回路が、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理ステップと、
    前記処理回路が、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶ステップとを備え、
    前記演算処理ステップは、前記第1および第2の検出信号のいずれか一方または両方の検出信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するステップを含む
    ことを特徴とする計測制御方法。
  8. 計測対象となる流体が流れる誘電体の測定管と、前記測定管を挟んで前記測定管の外周面に互いに対向して配置されて、前記流体に生じた起電力を検出する第1および第2の面電極と、前記起電力に基づいて、前記流体の流量を計算する処理回路とを備える容量式電磁流量計で用いられる計測制御方法であって、
    前記処理回路が、前記起電力により前記第1および第2の面電極のそれぞれに生じた電
    極電圧を増幅し、得られた第1および第2の検出信号の減算結果を流量信号として出力する信号増幅ステップと、
    前記処理回路が、前記流量信号を交流増幅してサンプルホールドすることにより、前記流体の流量に応じた直流の流量電圧を検出する信号検出ステップと、
    前記処理回路が、前記流量電圧をA/D変換して得られた流量電圧データに基づいて前記流体の流量を計算する演算処理ステップと、
    前記処理回路が、前記流量信号の直流バイアス電圧と、当該直流バイアス電圧に応じて発生する前記流量のドリフト量を示す指標値との関係を示す、流量ドリフトモデルを記憶する記憶ステップとを備え、
    前記演算処理ステップは、前記流量信号から抽出した直流バイアス電圧に基づいて、前記流量ドリフトモデルから対応する指標値を取得し、当該指標値に基づき前記流量を補正するステップを含む
    ことを特徴とする計測制御方法。
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