JP7259043B2 - 弾性ガイドデバイス、位置決めデバイス、ブレード及びリソグラフィ装置 - Google Patents

弾性ガイドデバイス、位置決めデバイス、ブレード及びリソグラフィ装置 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
[001] 本願は2019年1月11日に提出された欧州出願第19151307.6号及び2019年10月8日に提出された欧州出願第19201930.5号の優先権を主張するものであり、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[002] 本発明は、弾性ガイドデバイスと、位置決めデバイスと、そのような位置決めデバイスを備えるリソグラフィ装置と、に関する。
[003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[004] 位置決めデバイスは、対象物、例えば基板を、プロセシングツール、例えばリソグラフィ装置又はeビームインスペクションツールの内部に位置決めするために用いられ得る。一実施形態においては、位置決めデバイスは、対象物を支持するための可動ステージを備える。ステージ及びその上に支持された対象物を基準に対して水平の移動方向で移動させるために、アクチュエータが提供されてもよい。基準とアクチュエータとの間には、バランス・マスが配置され得る。そのようなバランス・マスは、アクチュエータから基準への反力の伝達を低減させるために提供される。バランス・マスは、バランス・マスと基準との間に配置された支持デバイスと共に基準上に支持されてもよい。
[005] バランス・マスは、典型的には、ステージの移動方向とは反対の移動方向に移動する。つまり、ステージが例えば水平方向に沿って正の方向に移動するとき、バランス・マスは同じ水平方向の負の方向に移動するであろう。また、バランス・マスは典型的にはステージの質量よりも実質的に高い質量を有し、例えば5:1の質量比が適用され得る。こうした質量の差の結果、移動方向におけるバランス・マスの変位とステージの変位との比は逆になり、したがってバランス・マスの変位はステージと比べて小さくなるが、依然として基準への反力の伝達は低減させる。例えば、バランス・マスとステージとの質量比が5:1であれば、移動方向の変位比は1:5になるであろう。
[006] バランス・マスを支持するための支持デバイスは、基準とバランス・マスとの間に配置された複数の板バネを備え得る。バランス・マスの通常動作の間、板バネは、垂直方向の十分な剛性を提供して、重力に打ち勝つように垂直方向でバランス・マスを支持する。板バネは更に、板バネの剛性によって引き起こされるバランス・マスの移動方向における板バネの撹乱効果を低減させるために、ステージの水平の移動方向には相対的に低い剛性を有するように設計される。
[007] また、板バネの到達可能なストロークは、位置決めデバイスの通常動作の際に発生する板バネの材料の応力及び疲労に起因して限定され得る。この応力及び疲労はバランス・マスの質量の低減によって低減され得るが、このバランス・マスの質量の低減の結果、ステージの移動に追従するためにバランス・マスに要求されるストロークが大きくなるであろう。より大きなストロークは、それ自体、より高い応力及び潜在的な疲労の問題に繋がり得る。
[008] 増大された質量を支持すること及び/又は増大されたストロークに対応することのできる改良された弾性ガイドデバイス、例えば板バネデバイスを提供することが、本発明の目的である。
[009] 本発明の一態様によれば、
第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
第2の平面内に延伸する第2のブレードと、
を備える、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供され、
第1の平面及び第2の平面はいずれも支持方向に延伸し、
第1のブレードの第1の側はベースに接続されており、第1のブレードの第1の側とは反対の第1のブレードの第2の側は第2のブレードの第1の側に接続されており、第2のブレードの第1の側とは反対の第2のブレードの第2の側は質量に接続されており、
第1のブレードは少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、少なくとも1つの板バネ要素は第1のブレードの全長にわたって支持方向に延伸し、第2のブレードは少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、少なくとも1つの板バネ要素は第2のブレードの全長にわたって支持方向に延伸し、
第1のブレードの第2の側はクロスフレクシャによって第2のブレードの第1の側に接続されている。
[010] 本発明の一態様によれば、
第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
第2の平面内に延伸する第2のブレードと、
を備える、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供され、
第1の平面及び第2の平面はいずれも支持方向に延伸し、
第1のブレードの第1の側はベースに接続されており、第1のブレードの第1の側とは反対の第1のブレードの第2の側は第2のブレードの第1の側に接続されており、第2のブレードの第1の側とは反対の第2のブレードの第2の側は質量に接続されており、
第1のブレードと第2のブレードとのうち少なくとも一方は、いずれも第1のブレード及び/又は第2のブレードのそれぞれ全長にわたって支持方向に延伸する第1の不撓性要素及び第2の不撓性要素と、各々が第1の不撓性要素と第2の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの平行な板バネ要素とを備えている。
[011] 本発明の一態様によれば、少なくとも1つの板バネ要素を備える、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供され、
少なくとも1つの板バネ要素は支持方向に延伸し、
少なくとも1つの板バネ要素は支持方向に底端と天端とを備え、
底端と天端とのうち少なくとも一方は、少なくとも1つの板バネ要素の材料における応力ピークを底端及び天端でそれぞれ低減させるための丸みを帯びた凹部を備えている。
[012] 本発明の一態様によれば、
支持方向に延伸する支持ロッドと、
中間支持要素であって、支持ロッドの上端が質量に接続され支持ロッドの下端が中間支持要素上に支持される、中間支持要素と、
ベースに取り付けられると共に中間支持要素を吊り下げるように及び少なくとも支持方向に垂直な第1の方向での中間支持要素の移動を可能にするように配置された吊り下げデバイスと、
を備える、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供される。
[013] 本発明の一態様によれば、弾性支持デバイスにおいて用いられるブレードが提供され、ブレードは、平面内に延伸すると共に、
ブレードを第1の構造に接続するための第1のインターフェイスと、
ブレードを第2の構造に接続するための第2のインターフェイスと、
第1の板バネ要素と、不撓性要素と、第2の板バネ要素と、を備えており、
第1の板バネは第1のインターフェイスを不撓性要素の第1の側に接続するように配置され、
第2の板バネは第2のインターフェイスを不撓性要素の反対の第2の側に接続するように配置され、
板バネのうち少なくとも1つは弾性支持デバイスの支持方向に対して非ゼロの角度にわたって傾斜した縦軸を有する。
[014] 本発明の一態様によれば、
対象物を支持するためのステージと、
ステージを基準に対して移動方向で移動させるためのアクチュエータと、
アクチュエータから基準への反力の伝達を低減させるためにアクチュエータと基準との間に配置されたバランス・マスと、
バランス・マスを支持するために基準とバランス・マスとの間に配置された支持デバイスであって、本発明による少なくとも1つの弾性ガイドデバイスを備える、支持デバイスと、
を備える、対象物を変位させるように構成された位置決めデバイスが提供される。
[015] 本発明の一態様によれば、本発明による位置決めデバイスを備えるリソグラフィ装置が提供される。
[016] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
内部に本発明の実施形態が提供され得るリソグラフィ装置を図示する。 位置決めデバイスの一実施形態を概略的に図示する。 バランス・マス及びバランス・マスを支持する弾性ガイドデバイスの上面図を概略的に示す。 弾性ガイドデバイスの第1の実施形態の側面図を示す。 図4の第1の実施形態の上面図を示す。 弾性ガイドデバイスの第2の実施形態の側面図を示す。 図6の第2の実施形態の上面図を示す。 図6の第2の実施形態の断面A-Aを示す。 図6の第2の実施形態の断面B-Bを示す。 弾性ガイドデバイスの第3の実施形態の側面図を示す。 図10の第3の実施形態の上面図を示す。 弾性ガイドデバイスの第4の実施形態の第1の側面図を示す。 図12の第4の実施形態の第2の側面図を示す。 図12の第4の実施形態の断面C-Cを示す。 図12の第4の実施形態の断面D-Dを示す。 本発明の一実施形態による断面A-Aを示す。 本発明の更なる一実施形態の側面図を示す。 当該技術分野において既知のブレードの側面図を示す。 当該技術分野において既知のブレードの上面図を示す。 本発明の一実施形態によるブレードを示す。
[017] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示している。本装置は、照明システムIL、支持構造MT、基板テーブルWT及び投影システムPSを備える。
[018] 照明システムILは、放射ビームBを調整するように構成される。支持構造MT(例えばマスクテーブル)は、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続される。基板テーブルWT(例えばウェーハテーブル)は、基板W(例えばレジストコートウェーハ)を保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続される。投影システムPSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成される。
[019] 照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[020] 本明細書で使用する「放射ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[021] 支持構造MTは、パターニングデバイスMAを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた手法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスMAを保持することができる。支持構造MTは、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
[022] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように、放射ビームBの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームBに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板Wのターゲット部分Cにおける所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分Cに生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[023] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームBを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームBにパターンを付与する。
[024] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。
[025] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過型マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射型マスクを使用する)反射タイプでもよい。
[026] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。1つ以上の基板テーブルWTに加え、リソグラフィ装置は、基板テーブルWTがその位置から離れているときに投影システムPSの下の位置にあるように配置される測定ステージを備えていてもよい。基板Wを支持する代わりに、測定ステージには、リソグラフィ装置の特性を測定するためのセンサが設けられていてもよい。例えば、投影システムは、画質を決定するために、測定ステージ上のセンサに画像を投影してもよい。
[027] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板Wの少なくとも一部が相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばパターニングデバイスMAと投影システムPSとの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすために当技術分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板Wなどの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムPSと基板Wとの間に液体が存在するというほどの意味である。
[028] 図1を参照すると、照明システムILは放射源SOから放射ビームBを受ける。放射源SO及びリソグラフィ装置は、例えば、放射源SOがエキシマレーザである場合、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームBは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOから照明システムILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[029] 照明システムILは、放射ビームBの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、照明システムの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、照明システムILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。照明システムILを用いて放射ビームBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[030] 放射ビームBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイスMTに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は静電容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールの助けにより実現できる。ロングストロークモジュールは、広い範囲の動きにわたってショートストロークモジュールの粗動位置決めを提供できる。ショートストロークモジュールは、狭い範囲の動きにわたってロングストロークモジュールに対して支持構造MTの微動位置決めを提供できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現できる。ロングストロークモジュールは、広い範囲の動きにわたってショートストロークモジュールの粗動位置決めを提供できる。ショートストロークモジュールは、狭い範囲の動きにわたってロングストロークモジュールに対して基板テーブルWTの微動位置決めを提供できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらはターゲット部分Cの間の空間に位置付けることも可能である(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークM1、M2をダイ間に配置してもよい。
[031] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[032] 第1のモード、いわゆるステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[033] 第2のモード、いわゆるスキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[034] 第3のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[035] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[036] 図2は、位置決めデバイス10の一実施形態を概略的に図示している。この位置決めデバイス10は、対象物1、例えば基板又はウェーハを支持するように配置されたステージ11を備える。ステージ11と、それと共に対象物1と、を基準20に対して水平移動方向yで移動させるために、アクチュエータ12が設けられている。
[037] ステージ11は、リニア又は平面ベアリング13、例えば永久磁石又は電磁石を有する磁気ベアリング、エアベアリング、又はローラベアリングによって支持される。平面ベアリング13は、移動方向yの剛性なしに又は相対的に非常に低い剛性をもって、ステージ11を垂直方向(z方向)で支持する。
[038] アクチュエータ12と基準20との間には、アクチュエータ12から基準20への反力の伝達を低減させるために、バランス・マス14が配置される。基準20は、例えば、リソグラフィ装置のベースフレーム又はメトロロジフレームなどのフレームである。
[039] ステージ11がアクチュエータ12によってステージ11を正のy方向(例えば図2の右)に移動させるように作動されると、バランス・マス14は、アクチュエータ12の反力によって、負のy方向(例えば図2の左)に移動するであろう。典型的には、バランス・マス14の質量はステージ11の質量よりも実質的に大きく、例えば5:1の質量比である。こうした質量の差の結果、バランス・マス14の負のy方向での変位は、ステージ11の正のy方向での変位よりも実質的に小さくなるであろう。例えば、バランス・マス14の質量とステージ11の質量との質量比が5:1であれば、バランス・マス14の変位とステージ11の変位との変位比は1:5になるであろう。
[040] バランス・マス14は、バランス・マス14と基準20に取り付けられたベース21との間に複数の弾性ガイドデバイス30を備える支持システムによって支持されている。図3は、バランス・マス14及びバランス・マス14を支持する弾性ガイドデバイス30の上面図を示す。
[041] 複数の弾性ガイドデバイス30は、バランス・マス14を垂直なz方向で支持するように構築されている。すなわち、複数の弾性ガイドデバイス30は、バランス・マス14に作用する重力を相殺するための重力支持力を提供する。通常動作の際に垂直なz方向の揚力を提供するために、弾性ガイドデバイス30はz方向に適当な剛性を有している。
[042] 移動方向yでのバランス・マス14の移動に対応するために、弾性ガイドデバイス30は、移動方向yでのバランス・マス14の変位を許容すべきである。したがって、弾性ガイドデバイス30は、バランス・マス14の移動方向yには相対的に低い剛性を有するように設計されている。この、弾性ガイドデバイス30の水平移動方向の相対的に低い剛性は、アクチュエータ12の移動方向の反力を基準20に最小限に伝達するために提供される。もっとも、弾性ガイドデバイス30は、移動方向yにいくらかの剛性は有するであろう。
[043] y方向の剛性を移動方向yの変位で乗算すると、バランス・マス14にかかる静的撹乱力が求められる。バランス・マス14を必要なときに移動範囲内の位置に維持するため、特に、弾性ガイドデバイス30のこの静的撹乱力の結果としてバランス・マス14が中央位置に戻るのを防止するために、バランス・マス・アクチュエータ15が提供されてもよい。バランス・マス・アクチュエータ15は、典型的には、バランス・マス14の移動方向yに全く剛性を有さないか又は非常に低い剛性を有するアクチュエータ、例えばローレンツアクチュエータである。
[044] バランス・マス14のx方向の移動に対応するために、弾性ガイドデバイス30は、バランス・マス14のx方向の変位も許容し得る。したがって、弾性ガイドデバイス30は、x方向にも相対的に低い剛性を有するように設計されている。
[045] バランス・マス14を適切に支持するために、弾性ガイドデバイス30のz方向の十分な剛性を有することには一般的な必要があるが、バランス・マス14の質量が低減されるときには、弾性ガイドデバイス30のz方向の高い剛性の必要は低減され得る。しかしながら、バランス・マス14のそのような低減された質量は、ステージ11の変位に反応して、より大きな変位を必要とするであろう。それによって、より大きなストロークは、弾性ガイドデバイス30におけるより高い応力及び潜在的な疲労にも繋がるであろう。
[046] バランス・マス14の質量の低減が望ましくない、又はバランス・マス14の質量の増大さえ必要であり得るときには、弾性ガイドデバイス30のz方向の剛性も増大される必要があり得る。弾性ガイドデバイス30のx方向及び/又はy方向の剛性は、x方向及び/又はy方向の剛性がバランス・マスの移動の性能に対して悪影響を有することを避けるために、弾性ガイドデバイス30のz方向の剛性を増大させるときには増大すべきではなく、又は、少なくともある特定の最大剛性レベルを下回ったままであるべきである。よって、弾性ガイドデバイス30のz方向の剛性とx方向及び/又はy方向の剛性との剛性比は、増大させるのが望ましいであろう。
[047] 図4及び図5は、それぞれ本発明の一態様による弾性ガイドデバイス30の第1の実施形態の側面図及び上面図を示す。図4及び図5に示される弾性ガイドデバイス30は、y-z平面内に延伸する第1のブレード31と、x-z平面内に延伸する第2のブレード32と、を備えている。図4及び図5において、弾性ガイドデバイス30は非ロード状態で示されており、この状態では、第1のブレード31及び第2のブレード32は直交する平面内に延伸し、弾性ガイドデバイス30には何の力も作用していない。弾性ガイドデバイス30に力が作用すると、第1のブレード31及び/又は第2のブレード32は曲がり得る。その結果、第1のブレード31と第2のブレード32との間の角度も、互いに対して例えば85度と95度との間で変化し得る。
[048] 図4及び図5の図示される実施形態は、バランス・マス14の2つの対向する角、例えば図3の右上と左下の角に配置されるように構成されているが、2つの他の角における弾性ガイドデバイス30の構成は、図4及び図5に示される実施形態に関しては、x-z平面に鏡像反転されるであろう。
[049] 第1のブレード31の第1の側33はベース21に取り付けられるように構成されており、第1の側33とは反対の第1のブレード31の第2の側34は第2のブレード32の第1の側35に接続されている。第1の側34とは反対の第2のブレード32の第2の側36は、バランス・マス14に取り付けられるように構成されている。
[050] 第1のブレード31は、その第1の側33に第1の板バネ要素37を、及びその第2の側34に第2の板バネ要素38を備えている。第1の板バネ要素37と第2の板バネ要素38との間には、第1の不撓性板要素39が提供されている。第1の板バネ要素37、第2の板バネ要素38、及び第1の不撓性板要素39は、第1のブレード31の全高にわたって、すなわち第1のブレード31のz方向の全長にわたって、延伸している。
[051] 第2のブレード32は、その第1の側35に、第1のブレード31の第2の板バネ要素38に接続された第2の不撓性板要素40を備えている。第2のブレード32の第2の側36には、第2の不撓性板要素40に接続されると共にバランス・マス14に取り付けられるように構成された第3の板バネ要素41が提供されている。第3の板バネ要素41及び第2の不撓性板要素40は、第2のブレード32の高さの少なくとも一部にわたって、すなわち第1のブレード32のz方向の長さの少なくとも一部にわたって、延伸している。第3の板バネ要素41及び第2の不撓性板要素40は、第2のブレード32の全高にわたって、すなわち第1のブレード32のz方向の全長にわたって、延伸していてもよい。
[052] 弾性ガイドデバイス30は1つ以上の板バネ要素を備えているので、弾性ガイドデバイス30は板バネデバイスとも表示され得る。弾性ガイドデバイス30は、z方向、例えば垂直方向にはバランス・マス14を支持するための相対的に高い剛性を提供し、x方向及びy方向にはこれらの水平方向での移動を許容するための相対的に低い剛性を提供するように構築される。バランス・マス14の移動の範囲は、例えば、x方向では20から80mm及びy方向では40から160mmである。これらの移動は弾性ガイドデバイス30によって促進されなければならない。
[053] 第1の不撓性板要素39及び第2の不撓性板要素40などの不撓性板要素は、6自由度の全てにおいて高い剛性を提供するように設計される。第1の板バネ要素37、第2の板バネ要素38、及び第3の板バネ要素41などの板バネ要素は、板要素が延伸する平面内では相対的に高い剛性を提供し、板要素が延伸する平面に垂直な方向では相対的に低い剛性を提供する板要素として設計されてもよい。
[054] 第3の板バネ要素41はz方向に底端42及び天端43を備えており、底端42及び天端43の各々は、第3の板バネ要素41の材料における応力ピークを底端42及び天端43でそれぞれ低減させるための丸みを帯びた凹部を備えている。底端42及び天端43のこれらの丸みを帯びた凹部によって、第3の板バネ要素41の応力レベルは、特に底端42及び天端43において、実質的に低減され得る。その結果、弾性ガイドデバイス30の信頼性が高まり、すなわち、疲労による第3の板バネ要素41の故障のリスクが実質的に低減される。
[055] 一実施形態においては、第1の板バネ要素37及び第2の板バネ要素38も、底端42及び/又は天端43に、底端42及び/又は天端43のそれぞれにおいて応力レベルを低減させるように設計された、丸みを帯びた凹部を備え得る。
[056] 図4及び図5に示される弾性ガイドデバイス30は更に、第1の板バネ要素37に関連付けられたねじれ補強要素44を備える。ねじれ補強要素44は、第1の板バネ要素37のねじれを少なくとも部分的に防止するために配置される。ねじれ補強要素44は互いに対して鋭角で接続された2枚の薄板を備えており、一方の薄板が第1の板バネ要素37の一方の側に取り付けられると共に、他方の薄板が第1板バネ要素37の他方の側に取り付けられている。ねじれ補強要素44は、ねじれ効果に対する第1の板バネ要素37の耐性を向上させる。
[057] 各板バネ要素のねじれを少なくとも部分的に防止するために、同様のねじれ補強要素が他の板バネ要素38,41と共に用いられてもよい。図4及び図5に示されるねじれ補強要素44は、第1の板バネ要素37の高さのうち低い部分にのみ延伸している。他の実施形態においては、ねじれ補強要素44は、板バネ要素の全高にわたって、又は各板バネ要素の他の部分にわたって延伸していてもよい。
[058] 図6及び図7は、それぞれ本発明の一態様による弾性ガイドデバイス30の第2の実施形態の非ロード状態での側面図と上面図とを示す。弾性ガイドデバイス30は、第1のブレード31であってその第1のブレード31の第1の側33と第2の側34との間に延伸する第1のブレードと、第2のブレード32であってその第2のブレード32の第1の側35と第2の側36との間に延伸する第2のブレードとを備える。第1のブレード31の第1の側33はベース21に取り付けられるように構成されており、第2のブレード32の第2の側36はバランス・マス14に接続されるように構成されている。
[059] 第1のブレード31は、その第1の側33に、図4及び図5の実施形態の第1の板バネ要素37と同様の第1の板バネ要素37を備えている。第2のブレード32は、その第2の側36に、図4及び図5の実施形態の第3の板バネ41と同様の第2の板バネ要素41を備えている。第1の板バネ要素37は第1のブレード31の第1の不撓性板要素39に接続されており、第2の板バネ要素41は第2のブレード32の第2の不撓性板要素40に接続されている。
[060] 第1のブレード31と第2のブレード32とはクロスフレクシャ50によって互いに接続されている。クロスフレクシャ50は、上板バネ要素51、中板バネ要素52、及び下板バネ要素53を備えている。
[061] 図8は弾性ガイドデバイス30のこの第2の実施形態の断面A-Aを示し、図9は断面B-Bを示す。断面A-Aは中板バネ要素52と交差し、断面B-Bは下板バネ要素53と交差している。
[062] 上板バネ要素51及び下板バネ要素53は第1のブレード31に配置され、したがってy-z平面内に延伸している。中板バネ要素52は第2のブレード32に配置され、x-z平面内に延伸している。上板バネ要素51、中板バネ要素52、及び下板バネ要素53は、第1のブレード31の第1の不撓性板要素39と第2のブレード32の第2の不撓性板要素40との間に配置されている。第1の不撓性板要素39及び第2の不撓性板要素40には、上板バネ要素51、中板バネ要素52,及び下板バネ要素53を収容するための凹部が配置されている。
[063] 弾性ガイドデバイス30にクロスフレクシャ50を設けることは、z方向の剛性を、x方向及び/又はy方向の剛性の対応する増大なしに、実質的に増大させることがわかっている。
[064] 図6から図9のクロスフレクシャ50は、第1の不撓性板要素39と第2の不撓性板要素40との間に配置された3つの板バネ要素51,52,53を備えている。より一般的には、クロスフレクシャとは、2つの本体、例えば2つの不撓性本体が、少なくとも2つの板バネ要素によって互いに接続されたフレクシャ構造である。すなわち、両方の板バネ要素が、一方の側では一方の本体に接続され他方の側では他方の本体に接続されており、その少なくとも2つの板バネ要素は2つの異なる方向、例えば直交する2方向に延伸している。2つの本体が直交する2方向に延伸している一実施形態においては、クロスフレクシャは、例えば、一方の本体が延伸する方向に平行な一方の板バネ要素と、他方の本体が延伸する方向に平行な他方の板バネ要素とを備え得る。
[065] 図10及び図11は、それぞれ本発明の一態様による弾性ガイドデバイス30の第3の実施形態の非ロード状態での側面図と上面図とを示す。弾性ガイドデバイス30は、y-z平面内で第1の側33と第2の側34との間に延伸する第1のブレード31と、x-z平面内で第1の側35と第2の側36との間に延伸する第2のブレード32と、を備える。第1のブレード31と第2のブレード32とは、第1のブレード31の第2の側34と第2のブレード32の第1の側35との間のノッチフレクシャ60によって互いに接続されている。ノッチフレクシャ60は第1のブレード31と第2のブレード32との間に相対的に薄い確実な接続を提供し、これはz方向で弾性ガイドデバイス30の略全高にわたって延伸している。ノッチフレクシャ60は、第1のブレード31と第2のブレード32との間のz軸まわりの回転Rzを可能にする。ノッチフレクシャ60によって提供される回転の範囲は、例えば、Rz方向において0.5度から4度であってもよい。
[066] 第1のブレード31は、その第1の側33には第1の不撓性要素61を、その第2の側34には第2の不撓性要素62を備えている。第1の不撓性要素61と第2の不撓性要素62との間には、各々が第1の不撓性要素61及び第2の不撓性要素62に接続された2つの平行な板バネ要素63a,63bが配置されている。これに対応して、第2のブレードの第1の側35には第3の不撓性要素64が配置され、第2のブレード32の第2の側36には第4の不撓性要素65が配置されている。第3の不撓性要素64と第4の不撓性要素65との間には、各々が第3の不撓性要素64及び第4の不撓性要素65に接続された2つの平行な板バネ要素66a,66bが配置されている。
[067] 平行な板バネ要素の利点は、平行な板バネ要素63a,63b及び66a,66bは、板バネ要素が延伸する平面内では相対的に大きな剛性を提供し、板バネ要素が延伸する平面に垂直な方向では相対的に低い剛性を提供するということである。つまり、第1のブレード31の板バネ要素63a,63bは、z方向及びy方向では高い剛性を提供し得るが、x方向では低い剛性を提供し得る。これに対応して、第2のブレード32の平行な板バネ要素66a,66bは、z方向及びx方向では相対的に高い剛性を提供し得るが、y方向では低い剛性を提供し得る。
[068] したがって、図10及び図11の弾性ガイドデバイス30の平行な板バネ要素は、XY移動についてはより低い剛性レベルを提供し、所与のストローク及び所与の最小限の垂直剛性/平面内剛性についてはより低い平面外剛性を提供する。後者はBM質量及び動的性能に関係する。
[069] 図10及び図11の実施形態においては、第1のブレード31及び第2のブレード32の各々が2つの平行な板バネ要素を備えている。代替的な実施形態においては、第1のブレード31と第2のブレード32とのうち一方のみに平行な板バネ要素が設けられてもよい。また、板バネ要素の平面内の剛性と板バネ要素の平面に垂直な剛性との比を更に向上させるために、板バネ要素のブレードのうち1つ以上に、3つ以上の平行な板バネ要素が設けられてもよい。更に、平行な板バネ要素63a,63b及び66a,66bは、y方向及びx方向のそれぞれに沿って変化する厚さを有し得ることが指摘できる。特に、板バネ要素は、例えば下記で図16において説明するように変化する厚さを有する断面を有し得る。代替的には、適用される平行な板バネ要素の厚さは、板バネ要素の中央部がより厚くてもよい。そのようにすることで、板バネ要素をより頑丈にすることができる。y方向又はx方向に沿った厚さの変化は、連続的であってもよく、又は不連続的、すなわち段階的であってもよい。更に、ブレード31及び32のようなブレードを形成するための平行な板バネ要素の適用は、図2から図9の実施形態において有利に適用され得ることが指摘できる。特に、上述した不撓性板要素39及び40は、2つ以上の平行な板バネ要素を備える平行な板バネ配置によって置換され得る。そのような配置においては、平行な板バネ要素は、例えば、要素61,62,64,又は65のような不撓性要素によって離されていてもよい。そのような配置においては、板バネ要素37,38,又は41のような板バネ要素が、不撓性要素61をベースに接続するために、不撓性要素62と64とを接続するために、そして不撓性要素65をバランス・マスに接続するために、それぞれ適用され得る。
[070] 図2から図15に記載される実施形態には、図16に示されるような板バネ要素を設けることができる。図16は、(A-A)に沿った第1の板バネ要素37の断面を示す。断面は、本実施形態においてはz方向である支持方向に垂直である。断面は、中央部162と2つの端部164A及び164Bとを有する。中央部162は2つの端部164A及び164Bの間にある。中央部162は2つの端部164A,164Bよりも薄い。つまり、中央部162における板バネ要素37の厚さは2つの端部164A,164Bにおける板バネ要素37の厚さよりも薄い。例えば、中央部162の厚さは、2つの端部164A,164Bの厚さの0.5又は0.3又は0.1又は0.01であってもよい。中央部162は、2つの端部164A,164Bの一方から2つの端部164A,164Bの他方まで延伸していてもよい。端部164Aは第1の不撓性板要素39に連結されていてもよい。端部164Bは第1の側33に隣接していてもよい。図16に示されるように、中央部162は湾曲している。湾曲は、第1の板バネ要素37における応力を低減させるのに役立ち得る。中央部162は円の一部の形状に湾曲していてもよい。代替的には、中央部162は、放物線又は楕円の形状に湾曲していてもよい。図16には第1の板バネ要素37が示されている。しかしながら、この断面及び湾曲した中央部162は、第1の板バネ要素37、第2の板バネ要素38、第3の板バネ要素41、上板バネ要素51、中板バネ要素52、下板バネ要素53、又は任意の他の板バネ要素のうち1つ以上に適用され得る。本発明の一実施形態においては、適用される1つ又は複数の板バネ要素はこのように変化する厚さを有し得る。特に、厚さは、板バネ要素の中央部の厚さが板バネ要素の端部におけるよりも小さくなるように変化し得る。1つよりも多くの板バネ要素が適用される場合には、各板バネ要素の厚さ及び/又は厚さ変化は異なってもよい。一例として、図5に示される実施形態の板バネ要素37,38,及び41は、各々が専用の厚さ及び厚さ変化を有し得る。
[071] 第1の板バネ要素37は、図17に示されるように、複数のサブ要素に分割されてもよい。サブ要素は支持方向(z)に沿って配置される。サブ要素37A,37B,37Cは、支持方向に沿って互いに分離されている。第1の板バネ要素37は3つのサブ要素37A,37B,37Cに分割される。一実施形態においては、2つのサブ要素があるか、又は3つよりも多くのサブ要素がある。第1の板バネ要素37を複数のサブ要素37A,37B,37Cに分割することによって、板バネ要素37にかかる応力は低減され得る。サブ要素37A,37B,37Cの片側は第1の側33にある。反対側では、サブ要素37A,37B,37Cは第1の不撓性板要素39に連結されている。1つ以上の端部において、サブ要素37A,37B,37Cは、1つ以上の中間体を介して互いに連結されていてもよい。中間体のうち1つは第1の不撓性板要素39に接続されていてもよい。第1の板バネ要素37と同様に、第2の板バネ要素38は、複数のサブ要素38A,38B,38Cに分割され得る。サブ要素38A,38B,38Cは支持方向(z)に沿って配置される。サブ要素38A,38B,38Cは、支持方向に沿って互いに分離されている。第2の板バネ要素38は3つのサブ要素38A,38B,38Cに分割される。一実施形態においては、2つのサブ要素があるか、又は3つよりも多くのサブ要素がある。
[072] 図17には第1の板バネ要素37及び第2の板バネ要素38が示されている。しかしながら、サブ要素は、第1の板バネ要素37、第2の板バネ要素38、第3の板バネ要素41、上板バネ要素51、中板バネ要素52、下板バネ要素53、又は任意の他の板バネ要素のうち1つ以上に適用され得る。更に、複数のサブ要素を備える板バネ要素が適用される場合には、それらのサブ要素は異なる寸法又は材料特性を有し得ることが指摘できる。特に、サブ要素は同じ高さ又は幅又は厚さを有する必要はなく、同じ材料から作製される必要もない。更に、隣接するサブ要素間の間隙も同じ寸法を有する必要はないことが指摘できる。したがって、図17を参照すると、サブ要素37Aとサブ要素37Bとの間のz方向の間隙は、サブ要素37Bとサブ要素37Cとの間のz方向の間隙と同じである必要はない。本発明による弾性ガイドデバイスが複数の細分割された板バネ要素を含む場合、適用される細分割は、異なる板バネ要素については異なっていてもよい。
[073] 図12及び図13は、本発明の一態様による弾性ガイドデバイス70の第4の実施形態の2つの側面図を示す。図14は弾性ガイドデバイス70の断面C-Cを示し、図15は断面D-Dを示す。
[074] 本実施形態においては、質量、例えばバランス・マスを少なくとも部分的に支持方向で支持するために、逆振り子が用いられる。支持方向は、図示される実施形態においては、z方向である。弾性ガイドデバイス70は、支持方向に延伸する支持ロッド71を備えている。弾性ガイドデバイス70は更に、板状の中間支持要素72を備えている。支持ロッド71の上端は質量、例えばバランス・マスに接続されるように配置される。支持ロッド71の下端は中間支持要素72上に支持される。支持ロッド71の上端に接続された質量を支持するように且つ少なくともx方向及びy方向での中間支持要素の移動を可能にするように中間支持要素72を吊り下げ位置に保持するために、吊り下げデバイス73が提供される。
[075] 弾性ガイドデバイス70によって形成される逆振り子は低い安定性を有し得るので、弾性ガイドデバイス70の安定性を高めるために、受動又は能動拘束不足エリミネータのような安定化要素が提供されてもよい。
[076] 吊り下げデバイス73は、ベース21に取り付けられる吊り下げフレーム74を備えている。吊り下げデバイス73は更に、第1対の板バネ要素75及び第2対の板バネ要素76と、穴を有する支持板77と、を備えており、支持ロッド71はその穴を通って延伸している。
[077] 第1対の板バネ要素75の板バネ要素はx-z平面内に延伸しており、第2対の板バネ要素76の板バネ要素はy-z平面内に延伸している。第1対の板バネ要素75は吊り下げフレーム74から吊り下げられており、支持板77は第1対の板バネ要素75の下端に取り付けられている。第2対の板バネ要素76は支持板77から吊り下げられており、中間支持要素72は第2対の板バネ要素76の下端に取り付けられている。
[078] 図12から図15に示される弾性ガイドデバイス70の利点は、支持ロッドのx方向及び/又はy方向の移動によって引き起こされる支持ロッド71の屈曲に起因する支持ロッド71の上端のたるみが、吊り下げデバイス73によって、少なくとも部分的に補償され得るということである。支持ロッド71のx方向及び/又はy方向の移動は、中間支持要素72のx方向及び/又はy方向の移動をもたらすであろう。この中間支持要素72のx方向及び/又はy方向の移動は、吊り下げフレーム74に対する中間支持要素72の上昇をもたらすであろう。この中間支持要素72の上昇は、少なくとも支持ロッドの下端も上昇させ、それによって支持ロッド71の上端のたるみを少なくとも部分的に補償するであろう。
[079] 支持ロッド71の上端には、上板78、中板79、及び下板80が配置されている。上板78と中板70との間には、第1のノッチフレクシャ81が設けられている。第1のノッチフレクシャ81はx方向に延伸しており、したがって、x方向に延伸する第1の回転軸(Rx)を中心とした回転を可能にする。中板79と下板80との間には、第2のノッチフレクシャ82が設けられている。第2のノッチフレクシャ82はy方向に延伸しており、したがって、y方向に延伸する第2の回転軸(Ry)を中心とした回転を可能にする。Rx及び/又はRy回転方向の可撓性が不要である場合には、第1のノッチフレクシャ81及び/又は第2のノッチフレクシャ82は省略されてもよい。
[080] 更に、支持ロッド71は、z方向に延伸する回転軸(Rz)まわりの回転における弾性ガイドデバイス70の応力を低減させるために、支持ロッドの縦軸まわりのいくらかのねじれを許容するように構築され得る。
[081] 上述した板バネデバイスのような弾性ガイドデバイスの実施形態においては、適用されるブレードの板バネは、支持方向、例えば垂直方向に平行な軸まわりの回転を可能にするように配置される。そうするために、適用される板バネ、例えば図4及び図5の板バネ37,38,41は、それらの縦軸が支持方向、例えば垂直方向に延伸するように構築される。そうすることによって、ブレードの不撓性要素は、支持方向まわりに旋回し得る。
[082] しかしながら、支持方向に平行な軸まわりの回転を可能にする板バネの適用は、支持される対象物又は質量の支持方向での望ましくない変位ももたらし得ることが観察されている。これは以下のように説明され得る。
[083] ブレードが、基準、例えばベースフレームに対して質量を支持するために適用されると想定する。そのような配置が図18に概略的に示されている。図18は、対象物1800とベース又はベースフレーム1810とを概略的に示しており、質量はブレード1820を介してベースフレーム1810によって支持され、ブレード1820は、ベース1810に接続された第1の板バネ要素1822と、対象物1800に接続された第2の板バネ要素1824とを備えている。第1の板バネ要素1822と第2の板バネ要素1824との間には、第1の不撓性板要素1826が設けられている。本発明の意味においては、不撓性要素とは、概して板バネ又は板バネ要素よりも大きい又は実質的に大きい剛性を有する要素又はコンポーネントを指す。不撓性要素又は不撓性板要素は、本発明の意味においては、6自由度の全てにおいて高い剛性を有するであろうが、その一方で板バネ要素は、少なくとも1自由度で低い剛性を有するであろう。言い換えると、「不撓性」という特徴は、ブレードが、変形するように、例えば支持方向に垂直な平面内で歪むように作製される場合、その変形は、ブレードの不撓性要素においてではなく主に板バネ要素において生じることを指して用いられる。そのような不撓性要素は、補強要素とも称され得る。実用では、全ての機械的コンポーネントはある程度変形可能であり得、したがって絶対的な意味で不撓性ではないことが認識できる。ブレード1820の上面図を示す図19に見られるように、板バネ要素1822及び1824は、不撓性又は補強板要素1826と比較して減少された厚さを有しており、このことは、不撓性又は補強板要素1826が垂直軸又はZ方向まわりに旋回することを可能にする。なお、一実施形態においては、板バネ1822及び/又は1824は、図16に概略的に示されるような断面を有し得る。図18及び図19において、参照番号1830は、ブレード1820がベースフレーム1810及び対象物1800に接続されることを可能にする、ブレード1820のインターフェイス1830を指している。なお、そのようなインターフェイスは、ブレードと一体の部分であってもよいし、又は板バネの厚くなった端部であってもよい。図示される実施形態においては、第1の板バネ要素1822、第2の板バネ要素1824、及び第1の不撓性板要素1826は、ブレード1820の全高Hにわたって、すなわち第1のブレード1820の支持方向、すなわちZ方向の全長にわたって、延伸している。言い換えると、図示される配置においては、板バネ1822,1824の縦軸1822.1,1824.1は、支持方向に延伸するか、又は支持方向、すなわちZ方向に平行である。
[084] なお、図18に概略的に示されるブレード1820の構造は、図4及び図5に示されるブレード31の構造に実質的に対応している。
[085] ブレード1820が質量又は対象物1800を垂直方向で支持するために用いられるとき、ブレード1820は垂直方向で変形するであろうことが観察され得る。対象物1800の重さに起因して、ブレードは、対象物1800が下降するように変形するであろう。図示される実施形態においては、ブレード1820は、例えば、垂直方向では、左側で、すなわちベースフレーム1810との接続で固定されていると考えられてもよく、その一方で、右側では対象物1800の重さに対応する力がブレードに作用する。また、ブレードが水平面内でも歪むときには、ブレードの垂直方向の変形は一定のままではないことが、シミュレーションによって観察されている。
[086] 一例として、およそ400mmの長さとおよそ200mmの高さを有するブレードが、例えば2000Nの対象物を支持するものと考える。そのような負荷は、水平面内で歪みがないときには、垂直方向で例えば70μmの変形を引き起こし得るが、その一方で、負荷が水平方向でも歪む、例えば水平方向で40mmを超えて歪むときには、垂直方向で例えば90μmの歪みを引き起こし得る。このように、対象物1800とベースフレーム1810との間の水平方向において40mmを超える歪みが適用されるときには、およそ20μmの垂直変位の増大が起こる。
[087] 図19は、対象物1800がベースフレーム1810に対して水平方向、特に表示されるX方向で変位されるときの、ベースフレーム1810と対象物1800との間に接続されたブレード1820の上面図を概略的に示す。ブレードが点線xxで示される公称位置にあるときの位置と比べて、ブレードが水平面内で歪むときには、ブレード1820の垂直方向の変形は大きくなる。よって、対象物1800、例えばセンサ又はカメラ又はステージは、水平方向で変位されるとき、直線に沿って変位するのではなく、垂直方向で放物線様の軌道を辿るであろう。本発明の意味において、水平方向の変位によって引き起こされる垂直方向又は支持方向の変化する変位は、寄生変形と称される。
[088] ブレード1820のそのような変化する変形は、水平面内での歪みに応じた対象物の可変垂直位置をもたらすので、望ましくないであろうことが指摘できる。
[089] また、変化する垂直変形は、ブレードが水平面内で移動する際のブレードの変化する剛性によって引き起こされることが指摘できる。
[090] 上記で挙げた例については、ブレード1820の剛性は、公称位置では2000N/70μmであり、ブレード1820が水平面内で40mmを超えて歪められるときには2000N/90μmである。
[091] 本発明の一態様によれば、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供され、弾性ガイドデバイスは、前述の悪影響を緩和することを可能にするブレードを含む。特に、本発明の一態様によれば、ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスが提供され、弾性ガイドデバイスは第1の平面内に延伸するブレードを含み、ブレードは板バネ要素を有し、板バネ要素は支持方向に対して非ゼロの角度にわたって傾斜した縦軸を有する。
[092] 一実施形態においては、縦軸は、ブレードが第1の平面に垂直な方向に歪むとき、支持方向のブレードの寄生変形を補償するように傾斜している。一実施形態においては、本発明は、弾性支持デバイスにおいて用いられるブレードを提供し、ブレードは、ブレードを第1の構造に接続するための第1のインターフェイスと、ブレードを第2の構造に接続するための第2のインターフェイスと、を備えている。ブレードは更に、第1の板バネ要素と、不撓性要素と、第2の板バネ要素と、を備えており、第1の板バネは第1のインターフェイスを不撓性要素の第1の側に接続するように配置され、第2の板バネは第2のインターフェイスを不撓性要素の反対の第2の側に接続するように配置され、板バネのうち少なくとも1つは弾性支持デバイスの支持方向に対して非ゼロの角度にわたって傾斜した縦軸を有する。
[093] そのようなブレードが図20に概略的に示されている。図20は、弾性支持デバイスにおいて用いられるブレード2000を概略的に示す。図示される実施形態において、ブレード2000は、図18及び図19に示されるブレード1820と同じように、ベースフレーム1810と対象物1800との間に配置されている。図示される実施形態においては、ブレード2000は、ブレード2000を第1の構造、すなわちベース又はベースフレーム1810に接続するための第1のインターフェイス2010と、ブレード2000を第2の構造、すなわち支持される対象物1800に接続するための第2のインターフェイス2020と、を備えている。ブレードは更に、第1の板バネ要素2030と、不撓性要素2040と、第2の板バネ要素2050と、を備えており、第1の板バネ2030は第1のインターフェイス2010を不撓性要素2040の第1の側に接続するように配置され、第2の板バネ2050は第2のインターフェイス2020を不撓性要素2040の反対の第2の側に接続するように配置され、板バネのうち少なくとも1つは弾性支持デバイスの支持方向、特に図示されるZ方向に対して非ゼロの角度にわたって傾斜した縦軸2060を有する。
[094] 支持方向に対する板バネの縦軸の非ゼロの角度の適当な選択によって、対象物1800がベースフレーム1810に対して水平方向で変位されるときに発生する寄生変形が緩和又は軽減され得ることが、発明者によって観察されている。
[095] 図示される実施形態においては、板バネ2030及び2050の両方が、支持方向に対して非ゼロの角度αにわたって傾斜している、すなわちそれらの縦軸2060を傾斜させている。所与のブレード及びベースフレーム1810に対する対象物1800の必要な水平変位について、発生するであろう寄生変形を実質的に軽減する角度αが決定され得ることが観察されている。上記で挙げたおよそ400mmの長さを有するブレード及びおよそ40mmの必要な水平変位の例については、0.09度、又は1.62mradの傾斜を選択することによって、寄生変形、すなわちおよそ20μmの増大された垂直変位が実質的に軽減され得ることが観察されている。よって、上記の傾斜が適用されるとき、対象物1800は、放物線様の軌道を辿るのではなく、水平面内で変位するときの略直線状の線に沿って変位させることができる。
[096] 本発明の好適な一実施形態においては、本発明によるブレードにおいて適用される両方の板バネが、縦軸と支持方向との間で略同じ非ゼロの角度を有する。
[097] 例えば上述したもののような本発明によるブレードは、本発明による弾性ガイドデバイス又は位置決めデバイスにおいて有利に適用され得る。そのような位置決めデバイスにおける本発明によるブレードの適用は、上述したブレードと、ひいては位置決めされる対象物との寄生変形を緩和又は回避することを可能にする。本発明による位置決めデバイスを用いて位置決めすることのできる対象物の例は、ステージ、センサ、バランス・マス、又は質量一般を含む。
[098] 一実施形態においては、本発明による位置決めデバイスは、例えば、位置決めデバイスのアクチュエータから基準又は基準フレームへの反力の伝達を低減させるためのバランス・マス配置を有し得る。そのような実施形態においては、位置決めデバイスは更に、バランス・マスを支持するための支持デバイスを備えていてもよく、支持デバイスは、本発明によるブレードを含む少なくとも1つの弾性ガイドデバイスを備える。
[099] 有利なことには、そのような位置決めデバイスは、リソグラフィ装置、又は検査装置、例えば粒子ビーム装置など、他の装置において適用されてもよい。後者の一例としては、電子ビーム検査装置が挙げられる。よって、そのような電子ビーム検査装置において、位置決めデバイスは、バランス・マスと、バランス・マスを支持するための支持デバイスと、を含み得る。
[0100] 以上には、質量を支持するためのz方向、例えば垂直方向の相対的に高い剛性を、x方向の移動を可能にするためのこの水平方向の相対的に低い剛性と組み合わせて提供するように構築された、板バネデバイスなど、弾性ガイドデバイスの様々な実施形態が記載されている。弾性ガイドデバイスは、位置決めデバイス、例えばリソグラフィ装置において基板を位置決めするための位置決めデバイスの、バランス・マスの支持に関して記載されている。弾性ガイドデバイスは、第1の方向、例えばz方向の相対的に大きな剛性と、少なくとも1つの他の方向、例えばx方向の相対的に低い剛性とが必要であるときに、任意の他の質量を支持するためにも用いられ得る。なお、記載される実施形態のうちいくつかは、y方向にも相対的に低い剛性を有し、この水平方向の移動も可能にしている。
[0101] また、図4及び図5の実施形態に関して記載されるねじれ補強要素44は、弾性ガイドデバイスの他の実施形態、例えば本願において示され記載される他の実施形態でも、そのようなねじれ補強要素に関連付けられた各板バネ要素のねじれを少なくとも部分的に防止するために、適用され得る。
[0102] 本発明の他の態様は、以下の条項に従って記載される。
1.ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
第2の平面内に延伸する第2のブレードと、を備えており、
第1の平面及び第2の平面は、いずれも支持方向に延伸し、
第1のブレードの第1の側は、ベースに接続されており、
第1のブレードの第1の側とは反対の第1のブレードの第2の側は、第2のブレードの第1の側に接続されており、
第2のブレードの第1の側とは反対の第2のブレードの第2の側は、質量に接続されており、
第1のブレードは、少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、
少なくとも1つの板バネ要素は、第1のブレードの全長にわたって支持方向に延伸し、
第2のブレードは、少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、
少なくとも1つの板バネ要素は、第2のブレードの全長にわたって支持方向に延伸し、
第1のブレードの第2の側は、クロスフレクシャによって第2のブレードの第1の側に接続されている、弾性ガイドデバイス。
2.クロスフレクシャは、第1のブレードに配置された第1の板バネ要素及び第2の板バネ要素と、第2のブレードにおける第3の板バネ要素と、を備えており、
支持方向で見ると、第3の板バネ要素は、第1の板バネ要素と第2の板バネ要素との間に配置されている、条項1に記載の弾性ガイドデバイス。
3.第1の平面及び第2の平面は、互いに対して略垂直である、条項1又は2に記載の弾性ガイドデバイス。
4.支持方向は、垂直方向である、条項1から3の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
5.弾性ガイドデバイスは、板バネ要素のうちの1つに関連付けられると共に各板バネ要素のねじれを少なくとも部分的に防止するように配置された少なくとも1つのねじれ補強要素を備える、条項1から4の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
6.板バネ要素は、支持方向に底端及び天端を備えており、
底端及び天端のうち少なくとも一方は、板バネ要素の材料における応力ピークを底端及び天端でそれぞれ低減させるための丸みを帯びた凹部を備える、条項1から5の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
7.ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
第2の平面内に延伸する第2のブレードと、を備えており、
第1の平面及び第2の平面は、いずれも支持方向に延伸し、
第1のブレードの第1の側は、ベースに接続されており、
第1のブレードの第1の側とは反対の第1のブレードの第2の側は、第2のブレードの第1の側に接続されており、
第2のブレードの第1の側とは反対の第2のブレードの第2の側は、質量に接続されており、
第1のブレード及び第2のブレードのうち少なくとも一方は、いずれも第1のブレード及び/又は第2のブレードのそれぞれ全長にわたって支持方向に延伸する第1の不撓性要素及び第2の不撓性要素と、各々が第1の不撓性要素と第2の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの平行な板バネ要素と、を備えている、弾性ガイドデバイス。
8.第1のブレードは、いずれも第1のブレードの全長にわたって支持方向に延伸する第1の不撓性要素及び第2の不撓性要素と、各々が第1の不撓性要素と第2の不撓性との間に延伸する少なくとも2つの第1の板バネ要素と、を備えており、
第2のブレードは、いずれも第2のブレードの全長にわたって支持方向に延伸する第3の不撓性要素及び第4の不撓性要素と、各々が第3の不撓性要素と第4の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの第2の板バネ要素と、を備えている、条項7に記載の弾性ガイドデバイス。
9.第1のブレードの第2の側は、支持方向に延伸するノッチフレクシャによって、第2のブレードの第1の側に接続されている、条項7又は8に記載の弾性ガイドデバイス。
10.第1の平面及び第2の平面は、互いに対して略垂直である、条項7から9の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
11.支持方向は、垂直方向である、条項7から10の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
12.弾性ガイドデバイスは、板バネ要素のうちの1つに関連付けられると共に各板バネ要素のねじれを少なくとも部分的に防止するように配置された少なくとも1つのねじれ補強要素を備える、条項7から11の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
13.板バネ要素は、支持方向に底端及び天端を備えており、
底端及び天端のうち少なくとも一方は、板バネ要素の材料における応力ピークを底端及び天端でそれぞれ低減させるための丸みを帯びた凹部を備える、条項7から12の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
14.ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、少なくとも1つの板バネ要素を備えており、
少なくとも1つの板バネ要素は、支持方向に延伸し、
少なくとも1つの板バネ要素は、支持方向に底端と天端とを備え、
底端及び天端のうち少なくとも一方は、少なくとも1つの板バネ要素の材料における応力ピークを底端及び天端でそれぞれ低減させるための丸みを帯びた凹部を備えている、弾性ガイドデバイス。
15.板バネ要素のうち少なくとも1つは、支持方向に垂直な断面を有しており、
断面は、中央部と2つの端部とを有しており、
中央部は、2つの端部の間にあり、
中央部は、2つの端部よりも薄い、条項1から14の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
16.中央部は、湾曲している、条項15の弾性ガイドデバイス。
17.中央部は、円の一部、放物線、又は楕円の形状に湾曲している、条項16の弾性ガイドデバイス。
18.板バネ要素のうち少なくとも1つは、複数のサブ要素に分割され、
サブ要素は、支持方向に沿って配置され、
サブ要素は、支持方向に沿って互いに分離されている、条項1から17の何れか一項の弾性ガイドデバイス。
19.板バネ要素のうち少なくとも1つは、3つのサブ要素に分割される、条項18の弾性ガイドデバイス。
20.ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
支持方向に延伸する支持ロッドと、
中間支持要素であって、支持ロッドの上端が質量に接続され支持ロッドの下端が中間支持要素上に支持される、中間支持要素と、
ベースに取り付けられると共に中間支持要素を吊り下げるように及び少なくとも支持方向に垂直な第1の方向での中間支持要素の移動を可能にするように配置された吊り下げデバイスと、
を備える、弾性ガイドデバイス。
21.吊り下げデバイスは、少なくとも第1の方向及び支持方向の両方に垂直な第2の方向での中間支持要素の移動を可能にするように配置されている、条項20に記載の弾性ガイドデバイス。
22.支持ロッドの上端は、支持方向に垂直な第1の方向に延伸する第1のノッチフレクシャを備える、条項20又は21に記載の弾性ガイドデバイス。
23.支持ロッドの上端は、第1の方向及び支持方向の両方に垂直な第2の方向に延伸する第2のノッチフレクシャを備える、条項22に記載の弾性ガイドデバイス。
24.支持方向は、垂直方向である、条項20から23の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
25.対象物を変位させるように構成された位置決めデバイスであって、
対象物を支持するためのステージと、
ステージを基準に対して移動方向で移動させるためのアクチュエータと、
アクチュエータから基準への反力の伝達を低減させるためにアクチュエータと基準との間に配置されたバランス・マスと、
バランス・マスを支持するために基準とバランス・マスとの間に配置された支持デバイスであって、少なくとも1つの条項1から24の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイスを備える、支持デバイスと、
を備える、位置決めデバイス。
26.条項25の位置決めデバイスを備える、リソグラフィ装置。
27.弾性支持デバイスにおいて用いられるブレードであって、ブレードは、平面内に延伸すると共に、
ブレードを第1の構造に接続するための第1のインターフェイスと、
ブレードを第2の構造に接続するための第2のインターフェイスと、
第1の板バネ要素と、不撓性要素と、第2の板バネ要素と、を備えており、
第1の板バネは、第1のインターフェイスを不撓性要素の第1の側に接続するように配置され、
第2の板バネは、第2のインターフェイスを不撓性要素の反対の第2の側に接続するように配置され、
板バネのうち少なくとも1つは、弾性支持デバイスの支持方向に対して非ゼロの角度にわたって傾斜した縦軸を有する、ブレード。
28.両方の板バネが大体同じ非ゼロの角度傾斜している、条項27に記載のブレード。
29.非ゼロの角度は、ブレードの寄生変形を少なくとも部分的に補償するように構成されている、条項27又は28に記載のブレード。
30.ブレードの寄生変形は、第1の構造が第2の構造に対して平面に垂直な方向で変位されるときのブレードの支持方向の変形を備える、条項29に記載のブレード。
31.ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
条項27から30の何れか一項に記載の少なくとも1つのブレードを備えており、
ベースは、第1の構造を備え、
質量は、第2の構造を備える、弾性ガイドデバイス。
32.対象物を変位させるように構成された位置決めデバイスであって、
対象物を支持するためのステージと、
ステージを基準に対して移動方向で移動させるためのアクチュエータと、
アクチュエータから基準への反力の伝達を低減させるためにアクチュエータと基準との間に配置されたバランス・マスと、
バランス・マスを支持するために基準とバランス・マスとの間に配置された支持デバイスであって、少なくとも1つの条項31に記載の弾性ガイドデバイスを備える、支持デバイスと、
を備える、位置決めデバイス。
33.条項32に記載の位置決めデバイスを備える、粒子ビーム装置。
34.粒子ビーム装置は、電子ビーム装置である、条項33に記載の粒子ビーム装置。
[0103] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0104] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0105] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
    第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
    第2の平面内に延伸する第2のブレードと、を備えており、
    前記第1の平面及び前記第2の平面は、いずれも前記支持方向に延伸し、
    前記第1のブレードの第1の側は、前記ベースに接続されており、
    前記第1のブレードの前記第1の側とは反対の前記第1のブレードの第2の側は、前記第2のブレードの第1の側に接続されており、
    前記第2のブレードの前記第1の側とは反対の前記第2のブレードの第2の側は、前記質量に接続されており、
    前記第1のブレードは、少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、
    前記少なくとも1つの板バネ要素は、前記第1のブレードの全長にわたって前記支持方向に延伸し、
    前記第2のブレードは、前記少なくとも1つの不撓性要素と少なくとも1つの板バネ要素とを備え、
    前記少なくとも1つの板バネ要素は、前記第2のブレードの全長にわたって前記支持方向に延伸し、
    前記第1のブレードの前記第2の側は、クロスフレクシャによって前記第2のブレードの前記第1の側に接続されている、弾性ガイドデバイス。
  2. 前記クロスフレクシャは、前記第1のブレードに配置された第1の板バネ要素及び第2の板バネ要素と、前記第2のブレードにおける第3の板バネ要素と、を備えており、
    前記支持方向で見ると、前記第3の板バネ要素は、前記第1の板バネ要素と前記第2の板バネ要素との間に配置されている、請求項1に記載の弾性ガイドデバイス。
  3. 前記第1の平面及び前記第2の平面は、互いに対して略垂直である、請求項1又は2に記載の弾性ガイドデバイス。
  4. 前記支持方向は、垂直方向である、請求項1から3の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
  5. 前記弾性ガイドデバイスは、前記板バネ要素のうちの1つに関連付けられると共に前記各板バネ要素のねじれを少なくとも部分的に防止するように配置された少なくとも1つのねじれ補強要素を備える、請求項1から4の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
  6. ベースに対して支持方向で質量を支持するための弾性ガイドデバイスであって、
    第1の平面内に延伸する第1のブレードと、
    第2の平面内に延伸する第2のブレードと、を備えており、
    前記第1の平面及び前記第2の平面は、いずれも前記支持方向に延伸し、
    前記第1のブレードの第1の側は、前記ベースに接続されており、
    前記第1のブレードの前記第1の側とは反対の前記第1のブレードの第2の側は、前記第2のブレードの第1の側に接続されており、
    前記第2のブレードの前記第1の側とは反対の前記第2のブレードの第2の側は、前記質量に接続されており、
    前記第1のブレード及び前記第2のブレードのうち少なくとも一方は、いずれも前記第1のブレード及び/又は第2のブレードのそれぞれ全長にわたって支持方向に延伸する第1の不撓性要素及び第2の不撓性要素と、各々が前記第1の不撓性要素と前記第2の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの平行な板バネ要素と、を備えている、弾性ガイドデバイス。
  7. 前記第1のブレードは、いずれも前記第1のブレードの全長にわたって支持方向に延伸する前記第1の不撓性要素及び前記第2の不撓性要素と、各々が前記第1の不撓性要素と前記第2の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの第1の板バネ要素と、を備えており、
    前記第2のブレードは、いずれも前記第2のブレードの全長にわたって支持方向に延伸する第3の不撓性要素及び第4の不撓性要素と、各々が前記第3の不撓性要素と前記第4の不撓性要素との間に延伸する少なくとも2つの第2の板バネ要素と、を備えている、請求項6に記載の弾性ガイドデバイス。
  8. 前記第1のブレードの前記第2の側は、前記支持方向に延伸するノッチフレクシャによって、前記第2のブレードの前記第1の側に接続されている、請求項6又は7に記載の弾性ガイドデバイス。
  9. 前記板バネ要素のうち前記少なくとも1つは、前記支持方向に垂直な断面を有しており、
    前記断面は、中央部と2つの端部とを有しており、
    前記中央部は、前記2つの端部の間にあり、
    前記中央部は、前記2つの端部よりも薄い、請求項1からの何れか一項に記載の弾性ガイドデバイス。
  10. 前記中央部は、湾曲している、請求項の弾性ガイドデバイス。
  11. 前記中央部は、円の一部、放物線、又は楕円の形状に湾曲している、請求項10の弾性ガイドデバイス。
  12. 前記板バネ要素のうち少なくとも1つは、複数のサブ要素に分割され、
    前記サブ要素は、前記支持方向に沿って配置され、
    前記サブ要素は、前記支持方向に沿って互いに分離されている、請求項1から11の何れか一項の弾性ガイドデバイス。
  13. 前記板バネ要素のうち前記少なくとも1つは、3つのサブ要素に分割される、請求項12の弾性ガイドデバイス。
  14. 対象物を変位させるように構成された位置決めデバイスであって、
    前記対象物を支持するためのステージと、
    前記ステージを基準に対して移動方向で移動させるためのアクチュエータと、
    前記アクチュエータから前記基準への反力の伝達を低減させるために前記アクチュエータと前記基準との間に配置されたバランス・マスと、
    前記バランス・マスを支持するために前記基準と前記バランス・マスとの間に配置された支持デバイスであって、少なくとも1つの請求項1から13の何れか一項に記載の弾性ガイドデバイスを備える、支持デバイスと、
    を備える、位置決めデバイス。
  15. 請求項14の位置決めデバイスを備える、リソグラフィ装置。
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