JP7258860B2 - 抗生物質治療をモニタリングするためのマーカーとしてのpctおよびpro-adm - Google Patents

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Description

説明
本発明は、感染症を患っており、1つ以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための方法に関する。具体的には、方法は、当該患者から第1の試料を単離することと、第1の試料を単離し、抗生物質治療の開始後に当該患者から第2の試料を単離することと、第1および第2の試料中のプロカルシトニン(PCT)またはその断片(複数可)のレベルを決定することと、少なくとも第2の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)またはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、当該第1および第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルが、1つ以上の抗生剤での治療に変更が必要かどうかを示す。本発明の好ましい実施形態では、方法は、加えて、第1および第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することを含む。本発明の好ましい実施形態では、第1および第2の試料間のproADMおよびPCTレベルの変化は、抗生物質治療を変更するか、あるいは維持する必要性を示す。さらに、本発明はまた、本発明の方法を実行するためのキットにも関する。
診断および予防措置の有意な改善にもかかわらず、敗血症の発生率は入院患者で急速にエスカレートし続けており(1)、疾患重症度レベル、使用する臓器機能障害の定義、および国固有の発生率(2、3)によっては死亡率は10%~54%の範囲である。したがって、診断試験および治療戦略に関する迅速かつ信頼できる決定を下すために、ならびに後の段階で臨床的回復の存在下の患者の管理、治療のモニタリング、退院の決定を信頼して誘導するために、全体的な病態生理学的宿主反応の観点から、敗血症の初期段階で感染負荷および疾患重症度の両方の早期かつ正確な評価が非常に重要である。
したがって、現在敗血症の黄金律的診断試験が存在しないことは、驚くべきことである(4)。抗生物質ガイダンスの分野での観察的および介入データを用いるプロカルシトニン(PCT)の使用は、感染負荷評価に関するこの満たされていないニーズを部分的に満たしている(5~7)。ただし、疾患重症度の正確な尺度は、未だ示されていない。
そのため、連続的臓器不全評価(Sequential Organ Failure Assessment)(SOFA)、急性生理学的および長期的健康評価(Acute Physiological and Chronic Health Evaluation)(APACHE)II、ならびに簡易急性生理学(Simplified Acute Physiological)(SAPS)IIスコアなどの重症度スコアの使用を含む、多数のバイオマーカーおよび臨床スコアがその結果提案されているが、ただしこれらは、各スコアに関連する比較的高い複雑さおよび時間資源の必要性に起因して、ありふれた様式で日々計算されることはほとんどない。新規バイオマーカーの使用は、この満たされていない臨床的ニーズを満たすことができるが、ただし可能であったとしても、広く普及した臨床ルーチンに首尾よく用いられるものはほとんどない(8)。
これらのバイオマーカーのうち、中間領域プロ-アドレノメジュリン(MR-proADM)-微小循環を安定させ、内皮透過性およびその結果生じる臓器不全から保護するために複数の組織によって生成されるペプチド(9~16)は、特に、敗血症(17)、下気道感染(18~21)、肺移植(22)、および胸部手術(23)の分野において相当な有望性を示している。実際、内皮および微小循環は、主に重要な各臓器内の血流の調節および分配(25)と共に、敗血症に対する病態生理学的宿主反応において重要な役割を果たすこと(24、25)が広く認められており、したがって、個々の臓器機能障害のスコアと比較して、総合的な宿主反応の重症度に関する代替的な指標を提供し得る。
したがって、本発明は、(i)診断の24時間以内、およびICU療法の最初の10日間など診断後短時間内で疾患重症度の正確な評価を行うために、(ii)ICUを早期退室して段階を下げた環境に移る対象となり得る低リスク患者を識別するために、ならびに(iii)感染負荷が減少しているにもかかわらず、死亡または他の有害事象リスクが高いかまたは増加し続け、緊急の追加の診断的および療法的介入を必要とし得る患者を識別するために、広範なバイオマーカー(PCT、ラクテート、C反応性タンパク質、MR-proADM)および臨床スコア(SOFA、APACHE II、およびSAPS II)を用いる
したがって、MR-proADMは、抗生物質療法の変更など、代替的な診断的および療法的介入を必要とし得る高重症度の患者、ならびにICU固有の療法を伴わず早期ICU退室の対象となり得る可能性のある、かつ/あるいは同じ抗生剤での治療を継続し得る可能性のある低重症度の患者を識別するためのツールとして使用することができる。
敗血症患者などの感染症を患っている患者の治療の分野では、治療の開始後の療法をモニタリングするための追加の手段、ならびに抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための手段に対する必要性が存在する。
従来技術における困難に照らして、本発明の根底にある技術的問題は、感染症を患っている患者または抗生物質治療を受けている敗血症患者における療法をモニタリングするための手段、ならびに特に治療の開始後の短時間枠内での抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための手段の提供である。
したがって、本発明は、抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための手段、ならびに患者からの試料中で決定されたプロアドレノメジュリン(proADM)レベルに基づいて、そのような患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための手段を含む、感染症を患っている患者の療法をモニタリングするための方法、キット、およびさらには手段を提供することを目的とする。したがって、本発明の1つの目的は、治療、特に抗生物質治療を受けたことがあるかあるいは受けている、感染症または敗血症を患っている高い有害事象リスクを有する重篤患者および/または患者を、感染症または敗血症を患っている低い有害事象リスクを有する重篤患者および/または患者とは区別するためのバイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせの使用である。
本発明の技術的問題の解決策は、独立請求項に提供されている。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に提供されている。
本発明は、感染症を患っており、1つ以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための方法であって、
-第1の試料を当該患者から単離することと、
-第1の試料を単離後および抗生物質治療の開始後の時点で、当該患者から第2の試料を単離することと、
-第1および第2の試料中のプロカルシトニン(PCT)またはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-少なくとも第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、
-当該第1および第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルが、1つ以上の抗生剤での治療に変更が必要であるかどうかを示す、方法に関する。
本明細書に記載の、感染症を患っており、1つ以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための方法の好ましい実施形態では、第1の試料は、当該患者の感染症の症状の決定前、決定時点、または決定後に単離される。
本発明の方法の患者は、感染症を患っていると既に診断されており、既に抗生物質治療を受けている。したがって、本発明の方法は、開始されたそれぞれ1つ以上の抗生剤での抗生物質治療の成果をモニタリングするために使用することができる。PCTまたはその断片およびproADMまたはその断片の決定されたレベルは、継続中の抗生物質治療に変更が必要かどうかを示す。言い換えれば、マーカーPCTまたはその断片およびproADMまたはその断片のレベルは、それぞれの抗生物質治療の成果の可能性の指標として使用することができ、患者の健康状態に有効である/健康状態を改善する可能性があるため治療を継続するべきかどうか、あるいは変更するべきかどうかを決定することができる。
本発明の文脈において、患者の抗生物質治療の変更は、用量、投与経路もしくはレジメン、または抗生物質治療の他のパラメータの変更を伴い得るが、変更された治療は、当初使用されていた同じ1つ以上の抗生剤を依然として包含してもよい。さらに、抗生物質治療の変更はまた、患者の治療に使用する1つ以上の抗生剤の変更にも関し得る。したがって、変更は、さらなる抗生物質の追加、または1つ以上の抗生剤を1つ以上の他の薬剤と置き換えることに関し得る。
いくつかの実施形態では、抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御は、好ましくは、将来の有害事象の可能性に関しても、継続中の抗生物質療法の成果または有効性の予測を伴う。
感染症を患っており、抗生物質療法を受けている患者を治療する医師または医療従事者は、好ましくはポイントオブケア形式などの病院環境、または集中治療室(ICU)で、本発明の方法を用いることができる。方法は、感染症の患者に対して開始された療法の効果をモニタリングするのに非常に有用であり、抗生物質治療を変更させ得る、治療下にある患者が強化された医療的観察下にあるべき高リスク患者であるかどうか、あるいは患者が、開始された治療が患者の状態を首尾よく改善する可能性があるため、抗生物質治療の変更を必要としない場合がある、安定しているかあるいは健康状態の改善さえある低リスク患者であるかどうか、を判断するのに使用することができる。感染症を患っている患者の当初の抗生物質治療は、患者の健康における有害事象の可能性に対して直接的な影響を有し得る。そのため、将来の有害事象のリスク/予後診断の評価は、開始された療法の有効性に関するフィードバックを提供する。
その後の有害事象発生の可能性は、参照レベル(閾値もしくはカットオフ値、および/または集団平均など)と比較した第1および/または第2の試料中のPCTもしくはその断片のレベルおよび/またはproADMもしくはその断片のレベルの比較で評価することができ、参照レベルは、健康な患者または感染症と診断された患者のproADMもしくはその断片および/またはPCTもしくはその断片に相当し得る。
したがって、本発明の方法は、抗生物質治療の帰結、および/または患者の健康におけるその後の有害事象の可能性を予測するのを助けることができる。これは、本発明の方法が、合併症を患う可能性がより高いか、あるいは継続中の抗生物質療法にもかかわらず将来的に状態がより重篤になるであろう高リスク患者を、患者の死、またはある特定の療法的措置を必要とし得る患者の臨床症状もしくは徴候の悪化などの有害事象を患うであろうことが予想されないため、健康状態が安定しているかあるいは改善さえしている低リスク患者から区別することができることを意味している。
本発明の方法の具体的な利点は、本発明の方法の手段によって、抗生物質療法に変更を必要としないか、あるいは1つ以上の抗生剤を少なくとも変更しない低リスク患者として識別された感染症患者を、ICUからより迅速に退室させることができることである。また、低リスク患者の場合、患者の健康状態の観察の度合いおよび/または頻度を減少させることができる。したがって、患者を担当する病院または他の医療機関は、どの患者が集中治療および観察を必要とするかをより効率的に決定することができる。その結果、例えば、それぞれの病院または機関は、高リスク患者が用いるICUベッドをより効率的に使用することができる。これは、医療従事者がそのような患者に焦点を当てることができるため、低リスク患者をICUから退室させることができる一方、高リスク患者に対する医療ケアの改善につながるであろう。これはまた、さもなければ低リスク患者に適用されたであろう不必要な措置のための費用を回避することから、有意な利益をもたらすであろう。本発明の好ましい実施形態では、当該第1および第2の試料中の当該PCTまたはその断片(複数可)のレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルは、診断および治療の開始後28日以内の当該患者の健康におけるその後の有害事象を示す。本発明のさらに好ましい実施形態では、当該第1および第2の試料中の当該PCTまたはその断片(複数可)のレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルは、診断および治療の開始後90日以内の当該患者の健康におけるその後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態は、感染症を患っており、1つ以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための方法であって、
-当該患者の感染症の症状を決定する際に、当該患者から第1の試料を単離することと、
-当該症状の最初の決定および抗生物質治療の開始後、当該患者から第2の試料を単離することと、
-第1および第2の試料中のプロカルシトニン(PCT)またはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-少なくとも第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、
-当該第1および第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルが、1つ以上の抗生剤での治療に変更が必要であるかどうかを示す、方法に関する。
感染症の症状を決定する際の単離は、感染症の症状の決定直後の単離に関し、感染症の症状の決定時点とも称され得る。
患者が重篤であると診断された時点、または感染症の症状が決定され、最初の治療措置が開始された時点は、「時点0」または第1の試料として定義され、後の第2の試料の単離時点の基準とすることができる。患者の診断または感染症の症状の決定および治療の開始が同時に行われない場合、時点0は、診断/症状の決定および医療的治療の開始の2つの事象のうちの遅い方の時点で発生する。典型的には、感染症の重篤患者の診断および/または症状の決定は、療法の開始直後であるか、あるいはそれに付随する。典型的には、第1の試料は、この時点でまたはこの時点前に取得される。
患者からの後の試料中のproADMまたはその断片のレベルが、継続中の抗生物質療法の成果および/または当該患者の健康におけるその後の有害事象の発生の可能性に関する重要な情報を提供することができることは、まったく驚くべきことであった。感染症を患っている患者の症状の診断/決定および治療の開始後のproADMまたはその断片の単回測定が、継続中の治療の成果および患者の健康状態の予後診断の可能性に関するそのような関連情報を提供することができるということは示されてこなかった。
(第2の試料中の)proADMまたはその断片の決定を、当該患者から単離され、時点0で感染症を患っていると当該患者を診断するために使用することができる早期の試料(第1の試料)中のPCTまたはその断片の決定と、好ましくはproADMまたはその断片も決定されるのと同じ時点である、診断/症状の決定および治療の開始後のある特定の時点で単離された第2の試料中のPCTまたはその断片のレベルを決定することと、を組み合わせることが特に有利である。
これにより、第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することが可能になる。以下のデータによって示されるように、第1の試料と比較して、第2の試料中のPCTまたはその断片のレベルの差の決定により、第2の試料中のproADMまたはその断片のレベルから得られた情報に追加情報が追加される。この組み合わせた情報に基づいて、継続中の抗生物質治療が患者の健康状態の安定化または改善に関して成果を上げるかどうかを、より高い確率で予測することが可能であり得る。敗血症用のバイオマーカーは、典型的には相乗的または相補的ではなく、単なる代替的な診断マーカーを表すものであるため、これは驚くべき結論を表している。
proADMまたはその断片の決定とPCTまたはその断片の決定との組み合わせは、同じ試料中であろうと異なる時点で得られた試料であろうと、その後の有害事象のリスクを決定する正確性および信頼性に関して相乗効果を提供する。これらの相乗効果は、proADMまたはその断片と、ラクテート、CRP、SOFA、SAPS II、APACHE IIなどの他のマーカーもしくは臨床スコア、または他の臨床評価との組み合わせた評価に対して存在する。
本発明の好ましい実施形態では、第2の試料は、感染症の症状の決定および抗生物質治療の開始後30分以内、または当該診断および抗生物質治療の開始から少なくとも30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間後、4日、7日、もしくは10日後に当該患者から単離される。他の実施形態では、第2の試料は、感染症の症状の決定および抗生物質治療の開始から12~36時間および/または3~5日後に当該患者から単離される。
本発明の方法の好ましい実施形態では、当該試料は、当該診断および抗生物質治療の開始から、約30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、60時間、72時間、84時間、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日後に当該患者から単離される。
他の実施形態では、第2の試料は、当該診断および抗生物質治療の開始から、30分~12時間、12~36時間、3~5日、7~14日、8~12日、または9~11日後の時点で単離される。
任意の所与の上記の値の間の範囲を用いて、試料を得る時点を定義することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、加えて、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することを含む。
感染症の症状の決定および治療の開始から約30分後という短い時点でのproADMまたはその断片のレベルが、そのような情報を提供することができるという事実は、完全に予想外であった。
第1および第2の試料中のproADMまたはその断片のレベルを決定することにより、第1の試料中のproADMまたは断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することが可能である。これにより、抗生物質治療の過程にわたり、proADMのレベルの変化の決定を可能にする。
感染症の症状の診断/決定および治療の開始時点から、後の時点までのproADMまたはその断片のレベルの変化の決定が、抗生物質治療の成果および/または患者の健康における将来の有害事象の発生に関する追加情報を提供することができることは驚くべきことであった。本発明のこの実施形態の大きな利点は、時点0でPCTまたはその断片のレベルを決定するために使用された同じ試料が、proADMまたはその断片のベースラインレベルを決定するためにも使用することができることであり、これは診断および治療の開始後時点後でのproADMまたはその断片のレベルと比較することができる。患者の治療過程にわたるproADMまたはその断片のレベルの変化を決定することにより、抗生物質治療の成果および/または患者の健康における有害事象の発生を予測する正確性をさらに増加することができる。
本発明の好ましい実施形態では、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)は、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示す。
本発明によれば、「1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示す」という文脈における「示す」という用語は、それぞれの1つ以上の抗生剤での継続中の抗生物質治療の成果の可能性の尺度を意図する。好ましくは、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることの「指標」は、それぞれの1つ以上の抗生剤で継続中の抗生物質療法が、患者の健康状態の改善または安定化の成果が上がっていない可能性の増加を指すことを意図する。したがって、患者における有害事象の発生を防ぐために、抗生剤の変更を考慮するべきである。
本発明の文脈において、感染症を患っている患者の抗生物質療法で使用される1つ以上の抗生剤の変更の必要性の指標は、患者の健康における将来の有害事象の発生の可能性の増加に関連する。1つ以上の抗生剤の変更の必要の指標は、抗生物質療法の有効性の評価を意図し、典型的には、抗生物質治療の絶対的な成果または失敗を明確に指摘するように限定的な様式で解釈されるものではない。
ただし、上記を念頭において、proADMおよびPCTの重症度レベルの決定は、本明細書に開示のカットオフ値を使用すると抗生物質の変更が必要かどうかを決定することに関して非常に信頼できるため、その後の有害事象の評価に基づくリスクについての判定は、医療専門家による適切な行為を確実に可能にする。
proADMまたはその断片のレベルの変化に基づいて、継続中の抗生物質治療の成果および/または患者の健康における有害事象の発生の可能性を確信を持って予測することが可能であることは驚くべきことであった。感染症の症状の決定および治療の開始時点からのproADMまたはその断片のレベルまたは重症度レベルの増加は、有害事象が発生するであろう可能性があるため、抗生物質1つ以上の抗生剤の変更が必要であり得ることを示す。したがって、治療過程にわたるproADMまたはその断片の変化に基づいて、医師は、患者の治療を変更または修正するか、あるいは当初の治療を貫くかを決定することができる。
本発明の文脈において、患者は敗血症および/または敗血症性ショックを患っていると診断されていることが好ましい。本明細書に提示されるデータに照らして、これらの患者グループの試料中のproADMの予後診断値は、これらの患者における有害事象の可能性の予測、および継続中の抗生物質治療に変更が必要かどうかを示すのに特に正確である。
さらに、本発明の方法は、好ましくは、MR-proADMのレベルを決定することを含む。本明細書に記載の任意の所与の実施形態では、MR-proADMの決定を用いることが好ましく、したがって、各実施形態の文脈において、これが考慮され得る。好ましい実施形態では、「ADM断片」は、MR-proADMであると見なされ得る。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および
-第2の試料中の中程度または高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
-中程度重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、4nmol/l超、好ましくは3nmol/l超、より好ましくは2.7nmol/l超かつ6.5nmol/l未満、好ましくは6.95nmol/l未満、より好ましくは10.9nmol/l未満であり、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および
-第2の試料中の高重症度レベルのproADMもしくはその断片(複数可)、または低重症度レベルから中程度もしくは高重症度レベルへの、もしくは中程度重症度レベルから高重症度レベルへの上昇などの、第1の試料と比較して上昇した重症度レベルの第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)が、
-1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であり、
-中程度重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、4nmol/l超、好ましくは3nmol/l超、より好ましくは2.7nmol/l超かつ6.5nmol/l未満、好ましくは6.95nmol/l未満、より好ましくは10.9nmol/l未満であり、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である。
症状の決定および治療が開始された日から治療の開始後時点後までのPCTレベルの減少は、患者の抗生物質治療に用いる抗生剤の変更の必要性を示し得ることは、まったく驚くべきことであった。具体的には、高重症度レベルのproADMまたはその断片が決定されると、このリスクの上昇は明らかである。
PCTは、敗血症などの感染症用のマーカーであると考えられている。したがって、治療過程にわたるPCT値の減少は、患者の健康状態の改善を示すと見なされる。ただし、本明細書に開示のように、PCT値の減少にもかかわらず、後の時点でのproADMまたはその断片のレベルが高重症度であるか、あるいは重症度レベルのproADMまたはその断片が、抗生物質治療の過程にわたり増加している場合、患者は、将来の有害事象のリスクがあることが明らかになっている。したがって、治療する医師は、proADMまたは断片を決定せずに高リスク患者として識別されなかったであろう、そのような患者の治療を調節することができる。
proADMまたはその断片のレベルが、抗生物質治療で使用される1つ以上の抗生剤の変更の必要性と相関し得ることは、まったく驚くべきことであった。
本発明の感染症患者からの試料中のproADMレベルは、好ましくは、proADMの3つの異なる重症度レベルに割り当てることができる。高レベルのproADMは高重症度レベルを示し、中程度レベルは中程度重症度レベルを示し、低レベルは低重症度レベルを示す。それぞれの重症度レベルのカットオフ値を決定するそれぞれの濃度は、本発明の方法および当該試料中のproADMまたはその断片のレベルを決定するために使用される方法の、患者の診断および治療の開始後の試料単離の時点などの複数のパラメータに依存する。
本明細書に開示のカットオフ値は、好ましくは、Thermo Scientific BRAHMS KRYPTORアッセイの手段によって、患者から得られた血漿試料中のproADMまたはその断片のタンパク質レベルの測定値を指す。したがって、本明細書に開示の値は、用いられる検出/測定方法に応じてある程度変動し得、本明細書に開示の特定の値は、他の方法によって決定される対応する値を読み取ることも意図している。
本発明のある特定の実施形態では、低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、1.5nmol/lと4nmol/lとの範囲のカットオフ値未満である。これらの範囲内の任意の値は、低重症度レベルのproADMまたはその断片の適切なカットオフ値と見なすことができる。例えば、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、3.0、3.05、3.1、3.15、3.2、3.25、3.3、3.35、3.4、3.45、3.5、3.55、3.6、3.65、3.7、3.75、3.8、3.85、3.9、3.95、4.0nmol/l。
本発明の実施形態では、高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、6.5nmol/l~12nmol/lの範囲のカットオフ値超である。これらの範囲内の任意の値は、高重症度レベルのproADMまたはその断片の適切なカットオフ値と見なすことができる。例えば、6.5、6.55、6.6、6.65、6.7、6.75、6.8、6.85、6.9、6.95、7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35、7.4、7.45、7.5、7.55、7.6、7.65、7.7、7.75、7.8、7.85、7.9、7.95、8.0、8.05、8.1、8.15、8.2、8.25、8.3、8.35、8.4、8.45、8.5、8.55、8.6、8.65、8.7、8.75、8.8、8.85、8.9、8.95、9.0、9.05、9.1、9.15、9.2、9.25、9.3、9.35、9.4、9.45、9.5、9.55、9.6、9.65、9.7、9.75、9.8、9.85、9.9、9.95、10.0、10.05、10.1、10.15、10.2、10.25、10.3、10.35、10.4、10.45、10.5、10.55、10.6、10.65、10.7、10.75、10.8、10.85、10.9、10.95、11.0、11.05、11.1、11.15、11.2、11.25、11.3、11.35、11.4、11.45、11.5、11.55、11.6、11.65、11.7、11.75、11.8、11.85、11.9、11.95、12.0nmol/l。
proADMまたはPCTなどのマーカーまたはバイオマーカーのレベルに関する本明細書に開示のすべてのカットオフ値は、ある特定のカットオフ「以上」、またはある特定のカットオフ「以下」と理解されるものである。例えば、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満のproADMまたはその断片(複数可)のレベルに関する実施形態は、4nmol/l以下、好ましくは3nmol/l以下、より好ましくは2.7nmol/l以下のproADMまたはその断片(複数可)のレベルに関すると理解されるものである。逆に、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超のproADMまたはその断片(複数可)のレベルに関する実施形態は、6.5nmol/l以上、好ましくは6.95nmol/l以上、より好ましくは10.9nmol/l以上のproADMまたはその断片(複数可)のレベルに関すると理解されるものである。
本明細書に記載の実施形態では、重症度レベルは、好ましくは、低、中程度、または高重症度レベルの間の境界を表すカットオフ値によって定義される。したがって、カットオフを表す任意の実施形態は、2つの重症度レベル間の境界として単一のカットオフ値の形式、または各重症度レベルの単一のカットオフレベルを使用してもよい。
いくつかの実施形態では、低~中程度重症度レベルの間のproADMカットオフ値は、
2.7nmol/l±20%、または2.7nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%であり、
中程度~高重症度レベルの間では、
10.9nmol/l±20%、または10.9nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%である。
これらのカットオフ値は、ベースラインでの、言い換えれば診断および/もしくは療法の開始の際、ならびに/または入院の際のproADMの重症度レベルの評価に関連することが好ましい。
いくつかの実施形態では、低~中程度重症度レベルの間のproADMカットオフ値は、
2.80nmol/l±20%、または2.80nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%であり、
中程度~高重症度レベルの間では、
9.5nmol/l±20%、または9.5nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%である。
これらのカットオフ値は、1日後、言い換えればベースラインのおよそ24時間後、言い換えれば診断および/もしくは療法の開始ならびに/または入院のおよそ1日後のproADMの重症度レベルの評価に関連することが好ましい。例えば、proADMが療法の開始から1日後に測定される実施形態では、1日目のカットオフ値を用いてもよい。上記から明らかなように、中程度~高のカットオフは、ベースラインよりもやや低い、すなわち、時間の経過と共に、やや低い(が依然として比較的高い)レベルでさえも高リスクに関連付けられ、高重症度レベルに分類される。
いくつかの実施形態では、低~中程度重症度レベルの間のproADMカットオフ値は、
2.80nmol/l±20%、または2.80nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%であり、
中程度~高重症度レベルの間では、
7.7nmol/l±20%、または7.7nmol/l±15%、または±12%、±10%、±8%、または±5%である。
これらのカットオフ値は、4日後、言い換えればベースラインのおよそ4日後、言い換えれば診断および/もしくは療法の開始ならびに/または入院のおよそ4日後のproADMの重症度レベルの評価に関連することが好ましい。例えば、proADMが療法の開始から4日後に測定される実施形態では、4日目のカットオフ値を用いてもよい。上記から明らかなように、中程度~高の間のカットオフは、ベースラインまたは1日目よりもやや低い、すなわち、時間の経過と共に、やや低い(が依然として比較的高い)レベルでさえも高リスクに関連付けられ、高重症度レベルに分類される。
いくつかの実施形態では、上記の実施形態で用いられるカットオフレベルは、測定が行われる日に応じて適切なレベルに従って調節してもよい。カットオフ値の各々は、当業者によって予想され得るような一般的な変動に起因して、何らかの変動を受ける。関連するカットオフレベルは、以下に提示される広範なデータに基づいて決定されるが、すべての可能性のある実施形態では、最終的な値または正確な値であることを意図しない。列挙されたものと同様のカットオフを使用することにより、すなわち、±20%、±15%、±12%、±10%、±8%、または±5%内で、当業者が決定し得るのと同様の結果を予想することができる。
所与のカットオフ値の±20%を列挙する任意の実施形態は、±15%、±12%、±10%、±8%、または±5%も開示すると見なしてもよい。
1日目または4日目のベースラインの特定のカットオフ値を列挙する任意の実施形態は、他の日の対応するカットオフ値も開示すると見なすことができ、例えば、ベースラインカットオフ値を列挙する一実施形態は、1日目または4日目のカットオフ値を列挙する同じ実施形態にも関すると見なしてもよい。
本発明の方法の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して50%超低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および
-第1の試料中の低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)と比較して中程度重症度レベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)が、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示す。
第2の試料に対する第1の試料中のPCTレベルの相対的な変化の程度が、継続中の抗生物質治療の有効性および成果の可能性に関する予測値を追加することができることは、まったく驚くべきことであった。以下のデータに示されているように、時点0から第2の試料の単離時点までの、PCTレベルの50%超の減少と一緒に、重症度レベルのproADMまたはその断片の、低から中程度重症度レベルへの増加は、継続中の抗生物質治療の失敗と関連している可能性がある。したがって、治療する医師または医療関係者は、現在使用している抗生剤のうちの1つ以上の変更を考慮するべきである。50%超のPCTレベルの強い/急激な減少でさえ、治療の失敗に関連し得るため、これは特に驚くべきことである。
本発明の方法の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して50%未満低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および
-第1の試料中の中程度重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)と比較して高重症度レベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)は、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示す。
低または中程度重症度レベルから高重症度レベルへの、proADMまたはその断片の重症度レベルの増加と関連している場合、50%未満のPCTまたはその断片のレベルの減少は、抗生物質治療の失敗を示すことは、驚くべきことであった。
さらに、本介入の方法の文脈において、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および第2の試料中の中程度または高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示すことが好ましい。
驚くべきことに、PCTレベルが抗生物質治療の過程にわたり増加している場合、第2の試料中の重症度レベルのproADMまたはその断片が中程度または高い場合にのみ、使用される抗生剤の変更を示し得る。低重症度レベルのproADMの場合、抗生物質治療の担当者は、PCTレベルの増加にもかかわらず、1つ以上の抗生剤が患者の状態の安定化または改善に有効である可能性を考慮するべきである。代わりに、使用する1つ以上の抗生剤の組み合わせを変更せずに、用量の修正、投与経路、または抗生物質治療の他の修正を考慮するべきである。
好ましくは、本発明の方法の第1および第2の試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、および/または尿試料からなる群から選択される。
一実施形態では、本発明は加えて、本明細書に記載の診断方法の結果を患者に知らせることを含む。
加えて、本発明の方法のさらに好ましい実施形態は、
-第1および第2の試料中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーまたはその断片(複数可)のレベルを決定することを含み、少なくとも1つの追加のバイオマーカーが、好ましくはラクテートおよび/またはC反応性タンパク質であり、
-当該第1および第2の試料中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーのレベル、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルが、継続中の抗生物質治療に変更が必要かどうかを示す。
加えて、本明細書に記載の感染症を患っており、抗生物質治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、療法の層別化および/または制御のための方法の好ましい実施形態は、
-第1の試料の単離の時点および第2の試料の単離の時点で少なくとも1つの臨床スコアを決定することを含み、少なくとも1つの臨床スコアが、好ましくはSOFA、APACHE II、および/またはSAPS IIであり、
-第1および第2の試料の単離の時点での少なくとも1つの臨床スコア、ならびに第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルが、継続中の抗生物質治療の変更が必要かどうかを示す。
本明細書に記載の方法のさらなる実施形態では、加えて、方法は、感染を検出するための当該患者からの試料の分子分析を含む。感染を検出するための分子分析に使用される試料は、好ましくは血液試料である。好ましい実施形態では、分子分析は、病原体に由来する1つ以上の生体分子を検出することを目的とする方法である。当該1つ以上の生体分子は、核酸、タンパク質、糖、炭水化物、脂質、およびまたはグリコシル化タンパク質などのそれらの組み合わせ、好ましくは核酸であり得る。当該生体分子は、好ましくは、1つ以上の病原体(複数可)に特異的である。好ましい実施形態によれば、そのような生体分子は、PCR、qPCR、RT-PCR、qRT-PCRなどの核酸増幅方法、または等温増幅、質量分析、酵素活性の検出、および免疫アッセイに基づく検出方法を含む群から選択される、生体分子の分析のための1つ以上の方法によって検出される。分子分析のさらなる方法は、当業者に既知であり、本発明の方法に含まれる。
本発明はさらに、感染症を患っており、抗生物質治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、療法の層別化および/または制御のための方法であって、
-感染症の症状を決定する際に当該患者から第1の試料を単離し(時点0)、当該症状の最初の決定および治療の開始後、当該患者から第2の試料を単離することと、
-少なくとも1つのバイオマーカーが、プロカルシトニン(PCT)、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質であり、少なくとも1つの臨床スコアが、SOFA、APACHE II、および/またはSAPS IIである、第1および第2の試料中の少なくとも1つのバイオマーカーもしくはその断片(複数可)のレベルを決定すること、ならびに/または第1の試料の単離の時点および第2の試料の単離の時点で少なくとも1つの臨床スコアを決定することと、
-少なくとも第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、
-当該第1および第2の試料間の少なくとも1つのバイオマーカーのレベル、ならびに/または少なくとも1つの臨床スコア、ならびに第2の試料中のproADMもしくはその断片(複数可)のレベルの変化」が、継続中の抗生物質治療に変更が必要かどうかを示す、方法に関する。
本発明はまた、感染症を患っており、記載の抗生物質治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、療法の層別化および/または制御のための方法を実行するためのキットであって、キットが、
-対象からの試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための、および任意選択的に加えてPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための検出試薬と、
-proADMの重症度レベル、および任意選択的にPCTレベルに対応する参照レベルなどの参照データであって、当該参照データが、好ましくは、コンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/あるいはproADMまたはその断片(複数可)の決定されたレベル、および任意選択的に加えてPCTまたはその断片(複数可)の決定されたレベルを当該参照データと比較するために構成されているコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、参照データと、を含む、キットに関する。
proADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための検出試薬は、好ましくは、方法を実施するのに必要なもの、例えばproADMに指向されている抗体、蛍光標識などの好ましい標識、好ましくはKRYPTORアッセイでの用途に好適な2つの別個の蛍光標識、試料収集チューブから選択される。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、proADMまたはその断片(複数可)および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルは、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、即時免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイ、ならびに自動化されたシステム/分析器からなる群から選択される方法を使用して決定される。
本発明による方法は、均質な方法としてさらに具体化することができ、検出される抗体/複数の抗体、およびマーカー、例えば、proADMまたはその断片によって形成されているサンドイッチ複合体が、液相中で懸濁されたままである。この場合、2つの抗体が使用されると、両方の抗体が検出システムの一部で標識され、それが、両方の抗体が単一のサンドイッチに統合されている場合にシグナルの発生またはシグナルの誘発をもたらすことが好ましい。
そのような技術は、特に蛍光増強または蛍光消光検出方法として具体化されるべきである。特に好ましい態様は、例えば、US4882 733A、EP-B10180492、またはEP-B10 539477、およびそれらで引用された従来技術に記載されているものなど、対で使用される検出試薬の使用に関する。このようにして、反応混合物中の単一の免疫複合体中に直接両方の標識成分を含む反応生成物のみが検出される測定が可能になる。
例えば、そのような技術は、上記で引用された出願の教示を実装する、商標名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)、またはKRYPTOR(登録商標)の下で提供されている。したがって、特に好ましい態様では、本明細書で提供される方法を実行するために診断デバイスが使用される。例えば、proADMタンパク質もしくはその断片のレベル、および/または本明細書で提供される方法の任意のさらなるマーカーのレベルが決定される。特に好ましい態様では、診断デバイスは、KRYPTOR(登録商標)である。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、方法は、アッセイが均質相または不均質相中で実施される、イムノアッセイである。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、第1の抗体および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在し、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合し、当該標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合し、これにより、検出される両方の抗体の当該proADMまたはその断片への結合後、測定溶液中で得られたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、標識系が、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせた希土類クリプテートまたはキレートを含む。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、方法は、加えて、proADMまたはその断片(複数可)の決定されたレベルを、重篤な病気/感染症を患っていると診断され、医療的治療下にある患者のproADMまたはその断片に対応する参照レベル、閾値、および/または集団平均と比較することを含み、当該比較が、コンピュータで実行可能なコードを使用してコンピュータプロセッサで実行される。
本発明の方法は、部分的にコンピュータで実行され得る。例えば、検出されたマーカー、例えばproADMまたはその断片のレベルを参照レベルと比較するステップは、コンピュータシステムで実施することができる。コンピュータシステムでは、診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のために示されるスコアを計算するために、マーカー(複数可)の決定されたレベルを、対象の他のマーカーレベルおよび/またはパラメータと組み合わせることができる。例えば、決定された値は、コンピュータシステムに入力されてもよい(医療従事者によって手動で、またはそれぞれのマーカーレベル(複数可)が決定されたデバイス(複数可)から自動で、のいずれか)。コンピュータシステムは、ポイントオブケア(例えば、ICU、またはED)に直接あってもよく、またはコンピュータネットワークを介して(例えばインターネット、または任意選択的に病院情報システム(HIS)などの他のITシステムもしくはプラットホームと組み合わせた特化された医療クラウドシステムを介して)接続される遠隔地にあってもよい。典型的には、コンピュータシステムは、値(例えば、マーカーレベル、もしくは年齢、血圧、体重、性別などのパラメータ、またはSOFA、qSOFA、BMIなどの臨床スコアシステム)をコンピュータ可読媒体に記憶し、事前に定義および/または事前に記憶された参照レベルまたは参照値に基づきスコアを計算するであろう。得られたスコアは、ユーザ(通常は医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷される。あるいは、または加えて、関連する予後診断、診断、評価、治療ガイダンス、患者管理ガイダンスまたは層別化は、ユーザ(典型的には医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷されるであろう。
本発明の一実施形態では、好ましくは電子健康記録(EHR)からのデータを使用して、機械学習アルゴリズムが敗血症、重症敗血症および敗血症性ショックのリスクがある入院患者を識別することが明らかであるソフトウェアシステムを用いることができる。機械学習アプローチは、患者からのEHRデータ(ラボ、バイオマーカーの発現、バイタル、人口統計など)を使用して、ランダムフォレスト分類器でトレーニングすることができる。機械学習は、単純なルールに基づくシステムとは異なり、明示的にプログラムされなくても、コンピュータにデータの複雑なパターンを学習する能力を提供する一種の人工知能である。以前の研究では、電子健康記録データを使用して警告を誘発して、一般的な臨床的悪化を検出していた。本発明の一実施形態では、proADMレベルの処理は、既存のデータセットとの比較のために適切なソフトウェアに組み込むことができ、例えば、proADMレベルは、有害事象の発生の診断または予後診断を支援する機械学習ソフトウェアで処理することができる。
PCTまたはCRPなどの別のバイオマーカーと組み合わせたproADMまたはその断片の組み合わせを用いることにより、単一の多重アッセイで、または患者からの試料で行われる2つの別個のアッセイのいずれかで実現することができる。試料は、同じ試料に関係しても、異なる試料に関係してもよい。proADMおよび例えばPCTの検出および決定に用いられるアッセイはまた、同じであっても異なっていてもよく、例えば、上記のマーカーのうちの1つの決定にイムノアッセイを用いてもよい。好適なアッセイのより詳細な説明を以下に提供する。
重篤であると診断され、治療下にある患者におけるproADMまたはその断片のカットオフ値および他の参照レベルは、先述の方法によって決定してもよい。例えば、参照値および/またはカットオフを確立するために、定量アッセイの変動性を評価する際に変動係数を使用するための方法は、当業者に既知である(George F.Reed et al.,Clin Diagn Lab Immunol.2002;9(6):1235-1239)。
加えて、確立された技法に従って参照レベルまたはカットオフとして使用するための統計的に有意な値を示すために、機能アッセイの感度を決定することができる。研究所は、臨床的に関連するプロトコルによって、アッセイの機能的感度を独立して確立することが可能である。「機能的感度」は、変動係数(CV)が20%(またはいくつかの他の所定の%CV)を生じる濃度と見なすことができ、したがって低分析物レベルでのアッセイの精度の尺度である。したがって、CVは、標準偏差(SD)の標準化であり、少なくともアッセイのほとんどの有効範囲で、分析物の濃度の大きさに関係なく変動性の概算値を比較することを可能にする。
さらに、ROC分析に基づく方法を使用して、2つの臨床患者グループ間の統計的に有意な差を決定することができる。受信者動作特性(ROC)曲線は、モデルの適合確率の並べ替え効率を測定して、応答レベルを並べ替える。ROC曲線はまた、診断試験の基準点の設定にも役立つ。対角線からの曲線が高いほど、適合度が高い。ロジスティック適合が3つ以上の応答レベルを有する場合、一般化されたROC曲線を生成する。そのようなプロットには、各応答レベルの曲線があり、これは、他のすべてのレベルに対するそのレベルのROC曲線である。例えば、SASのJMP12、JMP13、Statistical Discoveryなど、好適な参照レベルおよびカットオフを確立するために、この種類の分析を可能にすることが可能なソフトウェアが利用可能である。
PCTについても同様にカットオフ値を決定することができる。適切なカットオフを決定するために、当業者は文献を利用可能であり、例えばPhilipp Schuetz et al.(BMC Medicine.2011;9:107)は、0.1ng/mLのカットオフで、PCTは感染を排除する非常に高い感度を有したと記載している。Terence Chan et al.(Expert Rev.Mol.Diagn.2011;11(5),487.496)は、感度および特異度に基づいて計算される正および負の尤度比などの指標はまた、診断試験の強度の評価に有用であると記載している。一般的に、値は、複数のカットオフ値(CV)に対する受信者動作特性曲線としてグラフ化される。曲線下の面積の値を使用して、診断上最も妥当なCVを決定する。この文献は、CV(アッセイおよび研究デザインによるカットオフ値)の変動、およびカットオフ値を決定するための好適な方法について記載している。
proADMまたはその断片の集団平均レベルはまた、参照値、例えば平均proADM集団値として使用することができ、それにより、対照グループが好ましくは10人超、20、30、40、50人、またはそれ以上の対象を含む対照集団と重篤と診断された患者とを比較することができる。
本発明の一実施形態では、PCTのカットオフレベルは、例えば、Luminex MAC Pix E-Bioscience AssayまたはBRAHMS PCT-Kryptor Assayを使用すると、血清試料中の0.01~100.00ng/mLの範囲の値であり得る。好ましい実施形態では、PCTのカットオフレベルは、0.01~100、0.05~50、0.1~20、または0.1~2ng/mL、最も好ましくは>0.05~0.5ng/mLの範囲であり得る。これらの範囲内の任意の値は、適切なカットオフ値と見なすことができる。例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ng/mLが用いられ得る。いくつかの実施形態では、健康な対象のPCTレベルは、およそ0.05ng/mLである。
本発明はさらに、本明細書に記載の医療的徴候の治療方法に関し、治療される患者集団は、本明細書に記載の方法を使用して識別、層別化、モニタリング、予後診断、診断、または評価される。方法の好適な治療についてが本明細書に開示されている。したがって、本発明は、有害事象を有するリスクが増加している患者を識別し、予防的またはリスクを低減する治療を開始するか、あるいは任意の所与の医療的状態、好ましくは重篤な病気と理解されるものの存在に対処する治療を開始するのに特に有利である。
敗血症患者などの重篤患者の1つ以上の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの決定に関する本発明の実施形態
さらに、本発明は、患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を含む療法をモニタリングするための方法であって、
-当該患者の試料を提供することであって、患者が重篤であると診断され、医療的治療が開始されており、試料が、診断および治療の開始後に患者から単離される、試料を提供することと、
-当該試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、
-当該proADMまたはその断片(複数可)のレベルが、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する、方法に関する。
本発明の方法の患者は、既に重篤であると診断されており、既に治療を受けている。したがって、本発明の方法は、その後の有害事象の可能性を決定することに基づいて、開始された治療または療法の成果をモニタリングするために使用することができる。療法モニタリングは、好ましくは、有害事象の予後診断、および/または将来の有害事象に関する患者のリスク層別化またはリスク評価を伴い、このリスク評価および当該リスクの決定は、開始された治療をモニタリングする手段として考慮されるものである。
本発明の実施形態では、重篤という用語は、感染症を患っている患者と互換的に使用され得る。
proADMは、PCT、CRP、ラクテートなどの他のマーカー、またはSOFA、SAPS II、APACHE IIなどの臨床スコアと比較して、有害事象の予測においてより正確であるため、本発明の実施形態における単一パラメータとしてのproADMまたはその断片の使用は、バイオマーカーまたは臨床スコアなどの他の単一パラメータの使用を上回って有利である。
ある特定の実施形態では、本発明は、マーカー、バイオマーカー、臨床スコアなどの追加のパラメータの決定を含む。本発明の別の好ましい実施形態では、患者は、バイオマーカーであるプロカルシトニン(PCT)、ラクテート、およびC反応性タンパク質のうちの少なくとも1つ、ならびに/または臨床スコアSOFA、APACHE II、およびSAPS IIのうちの少なくとも1つを使用して診断されている。
本発明の一実施形態では、重篤患者は、感染症と診断された患者、感染症および1つ以上の既存の臓器不全(複数可)と診断された患者、敗血症、重症敗血症、もしくは敗血症性ショックと診断された患者、ならびに/または外傷後もしくは手術後の患者である。本明細書に提示されるデータに照らして、これらの患者グループの試料中のproADMの予後診断値は、これらの患者における有害事象の可能性の予測に特に正確である。
本発明の好ましい実施形態では、当該患者の健康における有害事象は、死、好ましくは診断および治療の開始後28~90日以内の死、新たな感染、臓器不全、ならびに/または病巣洗浄手順、血液製剤の注輸、コロイドの注入、緊急手術、侵襲的機械的換気、ならびに/または腎もしくは肝代替を必要とする臨床症状の悪化である。
本発明の好ましい実施形態では、当該proADMまたはその断片(複数可)のレベルは、診断および治療の開始後28日以内の当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する。本発明のさらに好ましい実施形態では、当該proADMまたはその断片(複数可)のレベルは、診断および治療の開始後90日以内の当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する。
本発明のある特定の実施形態では、患者が受ける治療は、抗生物質治療、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、腎代替療法、昇圧剤使用、輸液療法、アフェレーシス、および/または臓器保護のうちの1つ以上を含む。
本発明の好ましい実施形態では、試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、および/または尿試料からなる群から選択される。
好ましくは、いくつかの実施形態では、方法は、proADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することにより実行され、proADMの当該決定は、試料中のMR-proADMのレベルを決定することを含む。本明細書に記載の任意の所与の実施形態では、MR-proADMの決定を用いることが好ましく、したがって、各実施形態の文脈において、これが考慮され得る。好ましい実施形態では、「ADM断片」は、MR-proADMであると見なされ得る。
本発明のさらなる実施形態では、proADMまたはその断片(複数可)のレベルは、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する。好ましい実施形態では、proADMまたはその断片(複数可)のレベルは、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と正に相関する。言い換えれば、決定されたproADMのレベルが高いほど、その後の有害事象の可能性が高い。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示すか、あるいはその後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であるか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示すか、あるいはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満のproADMまたはその断片(複数可)のレベルは、その後の有害事象が存在しないことを示すか、あるいはその後の有害事象の低リスクを示すか、あるいは
-6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超のproADMまたはその断片(複数可)のレベルは、その後の有害事象を示すか、あるいはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.7nmol/l未満であるか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、10.9nmol/l超である。
本発明のこの実施形態は、患者の診断および治療の開始の日、特に診断および治療の開始から約30分後に単離された試料中でproADMまたはその断片のレベルが決定されると、特に有利である。これは、実施例3に提供される分析から明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.7nmol/l未満であるか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、10.9nmol/l超であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始の日に単離された試料中で決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.8nmol/l未満であるか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、9.5nmol/l超である。
本発明のこの実施形態は、表12から明らかであるように、当該診断および治療の開始から1日後に単離された試料中でproADMまたはその断片のレベルが決定されると、特に有利である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.8nmol/l未満であるか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、9.5nmol/l超であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始から1日後に単離された試料中で決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.25nmol/l未満である。
低重症度レベルのこのカットオフ値は、いくつかの実施形態では、試料が当該診断および治療の開始後4日目、7日目または10日目に患者から単離されたものであると、proADMまたはその断片の低重症度レベル~中程度重症度レベルの間の最適なカットオフ値として決定されているため、特に有利である。これは、表12に提供される分析から明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.25nmol/l未満であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始から4日または7日後に単離された試料中で決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、7.7nmol/l超である。
高重症度レベルのこのカットオフ値は、いくつかの実施形態では、試料が当該診断および治療の開始後4日目に患者から単離されたものであると、proADMまたはその断片の中程度重症度レベル~高重症度レベルの間の最適なカットオフ値として決定されているため、特に有利である。これは、表12に提供される分析から明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、7.7nmol/l超であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始から4日後に単離された試料中で決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、6.95nmol/l超である。
高重症度レベルのこのカットオフ値は、いくつかの実施形態では、試料が当該診断および治療の開始後7日目に患者から単離されたものであると、proADMまたはその断片の中程度重症度レベル~高重症度レベルの間の最適なカットオフ値として決定されているため、特に有利である。これは、表12に提供される分析から明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、6.95nmol/l超であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始から7日後に単離された試料中で決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、7.45nmol/l超である。
高重症度レベルのこのカットオフ値は、試料が当該診断および治療の開始後10日目に患者から単離されたものであると、proADMまたはその断片の中程度重症度レベル~高重症度レベルの間の最適なカットオフ値として決定されているため、特に有利である。これは、表12に提供される分析から明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、7.45nmol/l超であり、
-proADMまたはその断片のレベルが、診断および治療の開始から10日後に単離された試料中で決定される。
好ましくは、本発明の患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、ICUからの当該患者の退室を示すか、あるいは
-高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)が、ICUでの患者の治療の修正を示す。
本発明の特定の利点は、proADMまたはその断片の決定されたレベルの分類に基づいて、ICU患者の健康における将来の有害事象の発生確率を評価することが可能であることである。この評価に基づいて、次の治療オプションおよび決定を調節することが可能である。
例えば、proADMまたはその断片のレベルが、低重症度レベルのproADMのカテゴリに分類される場合、当該患者の健康における有害事象は、好ましくは次の28日以内、より好ましくは次の90日以内に発生するであろう可能性が低いため、治療する医師は、ICUから当該患者を退室させることをより自信を持って決定することができる。したがって、この患者をICUにとどめる必要はない場合がある。有害事象のリスクの測定によって評価されるように、継続中の治療が、患者の健康状態を首尾よく改善していると結論付けることも可能であり得る。
対照的に、当該ICU患者のproADMまたはその断片のレベルの決定が、高重症度レベルのproADMまたはその断片を示す場合、治療する医師は、患者をICUにとどめるべきである。加えて、現在の治療が、患者の健康状態を改善していない可能性があり、そのため患者が将来に有害事象を患う可能性がより高いため、患者の治療を調節することを考慮するべきである。
本発明の意味での治療の修正には、限定されないが、継続中の薬物の用量または投与レジメンの調節が含まれるであろう。継続中の治療の異なる治療への変更、継続中の治療にさらなる治療オプションの追加、または継続中の治療の中止。本発明の文脈において患者に適用され得る異なる治療は、本特許明細書の詳細な説明に開示されている。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、低重症度レベルは2.25nmol/l未満であり、当該試料は、当該診断および治療の開始から1日以上後にICU患者から単離され、低重症度レベルのproADMまたは断片(複数可)は、ICUからの当該患者の退室を示す。
本発明はさらに、患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を含む療法をモニタリングするための方法であって、
-当該患者の試料を提供することであって、患者が集中治療室(ICU)患者であり、医療的治療が開始されており、試料が、ICUへの入室および治療の開始後に患者から単離される、試料を提供することと、
-当該試料中のアドレノメジュリン(ADM)またはその断片(複数可)のレベルを決定することと、を含み、
-当該proADMまたはその断片(複数可)のレベルが、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する、方法に関する。
(重篤であると診断された患者の代わりに)ICU患者に関する本発明の方法の文脈において、proADMまたはその断片を決定するために使用される試料の単離時点についての言及は、患者がICUに入室し、最初の治療措置が開始される時点(時点0)である。この時点は、重篤であると診断された患者に関する本発明の方法における診断および治療の開始時点に相当する。
重篤であると診断された患者に関する本発明の方法のすべての好ましい実施形態は、本明細書のICU患者に関する本発明の方法の文脈においても開示されている。
重篤患者の第1および第2の試料(または第1および第2の試料の単離時点)における、PCTおよび/または他のバイオマーカー(または臨床スコア)のレベルを加えて決定することに関する本発明の実施形態
本発明の好ましい実施形態は、患者から単離された試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを加えて決定することを含む。好ましい実施形態では、PCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための試料は、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される。
試料中のproADMまたはその断片の決定を、PCTまたはその断片の決定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを決定するために使用される試料は、PCTを検出するために使用されるのと同じかまたは異なる試料であってもよい。
proADMまたはその断片の決定とPCTまたはその断片の決定との組み合わせは、同じ試料中であろうと異なる時点で得られた試料であろうと、その後の有害事象のリスクを決定する正確性および信頼性に関して相乗効果を提供する。これらの相乗効果は、proADMまたはその断片と、ラクテート、CRP、SOFA、SAPS II、APACHE IIなどの他のマーカーもしくは臨床スコア、または他の臨床評価との組み合わせた評価に対して存在する。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される、第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該患者から単離された第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、第2の試料が、第1の試料の後、好ましくは第1の試料の単離後30分以内、または第1の試料の単離から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離される、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
患者から単離された試料中のproADMまたはその断片の決定と、第1の試料中のPCTまたはその断片の決定と、第1の試料後に単離された第2の試料中のPCTまたはその断片のレベルの決定とを組み合わせることが特に有利であり、proADMまたはその断片の決定に使用される試料が、PCTまたはその断片の決定に使用される第1の試料または第2の試料と同じであっても異なっていてもよい。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-診断および治療の開始後、好ましくは当該診断および治療の開始後30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
(第2の試料中の)proADMまたはその断片の決定を、当該患者から単離され、時点0で重篤であると当該患者を診断するために使用され得る早期の試料(第1の試料)中のPCTまたはその断片の決定と、好ましくはproADMまたはその断片も決定されるのと同じ時点である、診断および治療の開始後のある特定の時点で単離された第2の試料中のPCTまたはその断片のレベルを決定することと、を組み合わせることが特に有利である。以下のデータによって示されるように、第1の試料と比較して、第2の試料中のPCTまたはその断片のレベルの差の決定により、第2の試料中のproADMまたはその断片のレベルから得られた情報に追加情報が追加される。この組み合わせられた情報に基づいて、第2の試料中のproADMまたはその断片のレベルについての情報に純粋に基づいて、有害事象の可能性を予測するのに比べて、当該患者の健康における有害事象が発生するかどうかを、より高い確率で予測することが可能であり得る。敗血症用のバイオマーカーは、典型的には相乗的または相補的ではなく、単なる代替的な診断マーカーを表すものであるため、これは驚くべき結論を表している。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のラクテートのレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、第1の試料中のラクテートのレベルを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のラクテートのレベルを決定することと、
-第1の試料中のラクテートのレベルと比較して、第2の試料中のラクテートのレベルの差を決定することと、を含む
本発明の好ましい実施形態は、患者から単離された試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルを加えて決定することを含む。好ましい実施形態では、CRPまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための試料は、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される。
試料中のproADMまたはその断片の決定を、CRPまたはその断片(複数可)の決定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを決定するために使用される試料は、CRPまたはその断片(複数可)を検出するために使用されるのと同じかまたは異なる試料であってもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される、第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該患者から単離された第2の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、第2の試料が、第1の試料の後、好ましくは第1の試料の単離後30分以内、または第1の試料の単離から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離される、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のラクテートのレベルと比較して、第2の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、第1の試料中のPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のCRPまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
本発明の好ましい実施形態は、加えてSOFAを決定することを含む。好ましい実施形態では、SOFAは、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定される。
proADMまたはその断片の決定を、SOFAの決定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを決定するための試料単離の時点が、SOFAの決定時点と同じでも異なっていてもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-第1のSOFAを、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定することと、
-第1のSOFAの決定後30分以内、または第1のSOFAの決定から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に第2のSOFAを決定することと、
-2つの決定されたSOFAの差を決定することと、を含む。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-診断および治療の開始時点(時点0)またはその前にSOFAを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後にSOFAを決定することと、
-当該診断および治療の開始後に決定されたSOFAと、時点0で決定されたSOFAとの差を決定することと、を含む。
本発明の好ましい実施形態は、加えて、SAPS IIを決定することを含む。好ましい実施形態では、SAPS IIは、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定される。
proADMまたはその断片の決定を、SAPS IIの決定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを決定するための試料単離の時点が、SAPS IIの決定時点と同じでも異なっていてもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-第1のSAPS IIを、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定することと、
-第1のSOFAの決定後30分以内、または第1のSAPS IIの決定から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に第2のSAPS IIを決定することと、
-2つの決定されたSAPS IIの差を決定することと、を含む。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-診断および治療の開始時点(時点0)またはその前にSAPS IIを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後にSAPS IIを決定することと、
-当該診断および治療の開始後に決定されたSAPS IIと、時点0で決定されたSAPS IIとの差を決定することと、を含む。
本発明の好ましい実施形態は、加えて、APACHE IIを決定することを含む。好ましい実施形態では、APACHE IIは、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定される。
proADMまたはその断片の決定を、APACHE IIの決定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを決定するための試料単離の時点が、APACHE IIの決定時点と同じでも異なっていてもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-第1のAPACHE IIを、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に決定することと、
-第1のAPACHE IIの決定後30分以内、または第1のAPACHE IIの決定から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に第2のAPACHE IIを決定することと、
-2つの決定されたAPACHE IIの差を決定することと、を含む。
本明細書に記載の方法の好ましい実施形態では、加えて、
-診断および治療の開始時点(時点0)またはその前にAPACHE IIを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後にAPACHE IIを決定することと、
-当該診断および治療の開始後に決定されたAPACHE IIと、時点0で決定されたAPACHE IIとの差を決定することと、を含む。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満である)は、その後の有害事象が存在しないことを示すか、あるいは
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である)は、その後の有害事象を示す。
本発明の文脈において、第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のマーカーを決定することは、開始された治療過程にわたる患者におけるそれぞれのマーカーのレベルの減少を示し得る。逆に、第1の試料と比較して上昇した第2の試料中のレベルは、治療過程にわたるマーカーのレベルの増加を示し得る。
PCTは、患者の、特に敗血症患者の重篤な病気のマーカーであると考えられている。したがって、治療過程にわたるPCT値の減少は、患者の健康状態の改善を示すと見なされる。ただし、本明細書で開示のように、後の時点でのproADMまたはその断片のレベルが高重症度レベルである場合、PCT値の減少は、将来の有害事象の発生を示し得ることが明らかになった。したがって、治療する医師は、第2の試料中のproADMまたはその断片を決定せずに高リスク患者として識別されなかったであろう、そのような患者の治療を調節することができる。
一方、医師は、治療過程にわたりPCTのレベルが減少しながら、第2の試料中のproADMまたはその断片のレベルが、低重症度レベルのproADMまたはその断片であると、有害事象が発生する可能性は低いと確信することができる。したがって、そのような患者は低リスク患者であると識別することができる。重篤患者の治療過程にわたるPCTレベルの変化の決定と、後の時点でのproADMレベルの決定との組み合わせは、改善された治療モニタリング、患者の健康における将来の有害事象の発生の予後診断、およびリスク評価をもたらすことは、まったく驚くべきことであった。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および低重症度レベルproADMまたはその断片(複数可)(低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満である)は、その後の有害事象が存在しないことを示すか、あるいは
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である)は、その後の有害事象を示す。
一実施形態では、本発明は加えて、本明細書に記載の診断方法の結果を患者に知らせることを含む。
重篤患者の第1および第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの決定に関する本発明の実施形態
本発明の方法の好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該患者から単離された第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第2の試料が、第1の試料の後、かつ診断および治療の開始時点後、好ましくは第1の試料の単離後30分以内、または第1の試料の単離から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離される、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差が明らかであるかどうかを決定することと、を含む。
proADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するために使用される第1および第2の試料は、PCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定するために使用される第1および第2の試料と同じであっても異なっていてもよい。
本発明の方法の好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離された第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差が明らかであるかどうかを決定することと、を含む。
本発明の方法の好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、当該患者が重篤であると診断する(時点0)ために使用される、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することであって、当該第1の試料が、当該患者が重篤であると診断する(時点0)ために使用される、第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および任意選択的にPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定することと、
第1の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルと比較して、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルの差を決定することと、を含む。本明細書に記載の方法の一実施形態では、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示す。
本発明の方法の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片(複数可)、および上昇したレベルのPCTまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示し、かつ/あるいは
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のProADMまたはその断片(複数可)、および低レベルのPCTまたはその断片(複数可)は、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片は、上昇した重症度レベルのproADMまたはその断片に関係する。逆に、本発明の好ましい実施形態では、第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片は、第1の試料と比較して低重症度レベルの、第2の試料中のproADMまたはその断片を指す。
重篤患者における本発明のさらなる実施形態
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満である)は、当該患者のICUからの退室を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である)は、患者のICU治療の修正を示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および低重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満である)は、当該患者のICUからの退室を示すか、あるいは
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTまたはその断片(複数可)、および高重症度レベルのproADMまたはその断片(複数可)(高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である)は、患者のICU治療の修正を示す。
さらなる態様では、本発明は、本発明の方法を実行するためのキットであって、キットが、
-対象からの試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための、ならびに任意選択的に加えてPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(複数可)のレベルを決定するための検出試薬と、
-低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であり、高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である、高および/または低重症度レベルのproADM、ならびに任意選択的にPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質レベルに対応する参照レベルなどの参照データであって、当該参照データが、好ましくはコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/あるいはproADMまたはその断片(複数可)の決定されたレベル、ならびに任意選択的に加えてPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(複数可)の決定されたレベルを当該参照データと比較するために構成されているコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、参照データと、を含む、キットに関する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の方法を実行するためのキットであって、キットが、
-対象からの試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための、および任意選択的に加えてPCTまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための検出試薬と、
-低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であり、高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である、高および/または低重症度レベルのproADM、ならびに任意選択的にPCTレベルに対応する参照レベルなどの参照データであって、当該参照データが、好ましくはコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/あるいはproADMまたはその断片(複数可)の決定されたレベル、ならびに任意選択的に加えてPCTまたはその断片(複数可)の決定されたレベルを当該参照データと比較するために構成されているコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、参照データと、を含む、キットに関する。
本発明は、感染症を患っており、1つ以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生物質療法のガイダンス、層別化、および/または制御のための方法に関する。本明細書に提示されるデータから明らかなように、患者の健康における有害事象の有無の可能性は、抗生物質治療の変更の可能性に関する情報を提供するproADMまたはその断片(複数可)のレベルによって示される。
本発明は、本発明の方法およびキットが、重篤患者の療法をモニタリングするために、従来の方法を上回って迅速、客観的であり、使いやすく、正確である、という利点を有する。本発明の方法およびキットは、ありふれた様式で得られる血液試料もしくはさらなる生体液、または対象から得られる試料中のproADM、PCT、ラクテート、C反応性タンパク質、SOFA、APACHE II、SAPS IIのレベルを決定することができるので、病院で、ありふれた方法で容易に測定可能であるマーカーおよび臨床スコアに関する。
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」は、脊椎動物であり得る。本発明の文脈において、「対象」という用語は、ヒトおよび動物の両方、特に哺乳動物、および他の生物を含む。
本発明の文脈において、「患者の健康における有害事象」は、合併症または患者の健康状態の悪化を示す事象に関する。そのような有害事象には、限定されないが、患者の死、診断および治療の開始後28~90日以内の患者の死、感染または新たな感染の発生、臓器不全、ならびに低血圧または高血圧、頻脈または徐脈などの、患者の一般的な臨床徴候または症状の悪化が含まれる。さらに、有害事象の例には、臨床症状の悪化が、病巣洗浄手順、血液製剤の注輸、コロイドの注入、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、緊急手術、腎または肝代替などの臓器代替療法、および昇圧剤療法などの療法的措置の必要性を示す状況が含まれる。
「重篤」であると診断された本明細書に記載の患者は、集中治療室(ICU)患者、自身の健康状態の常時および/または強化された観察を必要とする患者、敗血症、重症敗血症または敗血症性ショックと診断された患者、感染症および1つ以上の既存の臓器不全(複数可)と診断された患者、手術前または手術後の患者、外傷後患者、事故患者、火傷患者、1つ以上の開放病変を有する患者などの外傷患者であると診断され得る。本明細書に記載の対象は、救急部門もしくは集中治療室、または救急車などの緊急輸送機関などの他のポイントオブケア環境、または当該症状の患者に対面する一般開業医に存在し得る。SIRSを患っていると疑われる患者は、必ずしも重篤であると見なされない。
「ICU患者」患者という用語は、限定されないが、集中治療室に入室している患者に関する。集中治療室は、集中療法ユニット、または集中治療ユニット(ITU)、または重篤治療室(critical care unit)(CCU)とも称され得、集中治療医療を提供する病院または医療施設の特別部門である。ICU患者は通常、重症かつ生命を脅かす病気および傷害を患い、正常な身体機能を確保するために、専門の設備および医薬品による常時綿密なモニタリングおよびサポートを必要とする。ICU内で治療される一般的な状態には、限定されないが、急性または成人呼吸迫症候群(ARDS)、外傷、臓器不全、および敗血症が含まれる。
本明細書で使用される場合、本発明の文脈における「診断」は、感染症に関連する対象の臨床状態の認識および(早期)検出に関する。感染症の重症度の評価もまた、「診断」という用語によって包含され得る。
「予後診断」は、感染症に基づく対象の帰結または特定のリスクの予測に関する。これはまた、前述の対象についての回復の見込みまたは有害な帰結の見込みの推定を含み得る。
本発明の方法はまた、モニタリングに使用され得る。「モニタリング」とは、例えば、疾患の進行、または重篤患者の疾患の疾患進行または患者の感染症に対する特定の治療または療法の影響を分析するために、既に診断された感染症、障害、合併症、またはリスクを追跡し続けること関する。
本発明の文脈における「療法モニタリング」または「療法制御」という用語は、例えば、療法の有効性に対するフィードバックを得ることによる、当該対象の療法的処置のモニタリングおよび/または調節を指す。
本発明において、「リスク評価」および「リスク層別化」という用語は、さらなる予後に従って対象を異なるリスクグループに分類することに関する。リスク評価はまた、予防的および/または治療的措置を適用するための層別化にも関する。リスク層別化の例は、本明細書に開示の低、中程度、高リスクレベルである。
本明細書で使用される場合、「治療ガイダンス」という用語は、1つ以上のバイオマーカーの値および/または臨床パラメータおよび/または臨床スコアに基づく特定の療法または医学的介入の適用を指す。
本発明の文脈において、「proADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定する」などは、proADMまたはその断片を決定する任意の手段を指すことが理解される。断片がproADMまたはその断片のレベルの明白な決定を可能にする限り、断片は任意の長さ、例えば少なくとも約5、10、20、30、40、50、または100アミノ酸を有し得る。本発明の特に好ましい態様において、「proADMのレベルを決定すること」は、中間領域のプロアドレノメジュリン(MR-proADM)のレベルを決定することを指す。MR-proADMは、proADMの断片および/または領域である。
ペプチドアドレノメジュリン(ADM)は、ヒト褐色細胞腫(phenochromocytome)から単離された、52個のアミノ酸を含む血圧降下ペプチドとして発見された(Kitamuraら、1993)。アドレノメジュリン(ADM)は、185個のアミノ酸を含む前駆体ペプチド(「プレプロアドレノメジュリン」または「プレproADM」)としてコードされる。AMDの例示的なアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。
配列番号1:プレpro-ADMのアミノ酸配列:
1.MKLVSVALMY LGSLAFLGAD TARLDVASEF RKKWNKWALS RGKRELRMSS
51.SYPTGLADVK AGPAQTLIRP QDMKGASRSP EDSSPDAARI RVKRYRQSMN
101.NFQGLRSFGC RFGTCTVQKL AHQIYQFTDK DKDNVAPRSK ISPQGYGRRR
151.RRSLPEAGPG RTLVSSKPQA HGAPAPPSGS APHFL
ADMはプレproADMアミノ酸配列の95~146位を含み、それらのスプライス生成物である。「プロアドレノメジュリン」(「proADM」)は、シグナル配列を有さないプレproADM(アミノ酸1~21)、すなわちプレproADMのアミノ酸残基22~185を指す。「中間領域プロアドレノメジュリン」(「MR-proADM」)は、プレ-proADMのアミノ酸42~95を指す。MR-proADMの例示的なアミノ酸配列は、配列番号2に示されている。
配列番号2:MR-pro-ADMのアミノ酸配列(プレpro-ADMのAS45~92):
ELRMSSSYPT GLADVKAGPA QTLIRPQDMK GASRSPEDSS PDAARIRV
プレproADMまたはMRproADMのペプチドおよびその断片を本明細書に記載の方法に使用できることも本明細書では想定されている。例えば、ペプチドまたはその断片は、プレproADMのアミノ酸22~41(PAMPペプチド)、またはプレproADMのアミノ酸95~146(bio-ADMとしても知られている生物学的に活性な形態を含む、成熟アドレノメジュリン)を含み得る。proADMのC末端断片(プレproADMのアミノ酸153~185)はアドレノテンシンと呼ばれる。proADMペプチドの断片またはMR-proADMの断片は、例えば、少なくとも約5、10、20、30、またはそれ以上のアミノ酸を含み得る。したがって、proADMの断片は、例えば、MR-proADM、PAMP、アドレノテンシンおよび成熟アドレノメジュリンからなる群から選択することができ、好ましくは本明細書では断片はMR-proADMである。
これらの様々な形態のADMまたはproADMおよびそれら断片の決定は、例えば、分子の特定の部分に指向された抗体または他の親和性試薬を用いることによって、あるいは質量分析を使用してタンパク質の一部分を測定することによる分子の存在および/または量を決定することによって、これらの分子の特定のサブ領域を測定および/または検出することも包含する。
本明細書に記載の「ADMペプチドまたは断片」のうちの任意の1つ以上を本発明で用いることができる。したがって、本発明の方法およびキットはまた、proADMに加えて、少なくとも1つのさらなるバイオマーカー、マーカー、臨床スコア、および/またはパラメータを決定することも含み得る。
本明細書で使用される場合、パラメータは、特定のシステムを定義するのを助けることができる特性、特徴、または測定可能な要因である。パラメータは、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは臓器機能障害(複数可)などの健康および生理学に関する評価にとって重要な要素である。さらに、パラメータは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療的介入に対する薬理学的反応の指標として客観的に測定および評価される特性として定義される。例示的なパラメータは、急性生理学および長期的健康評価II(APACHE II)、簡易急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、クイック連続的臓器不全評価スコア(quick sequential organ failure assessment score)(qSOFA)、連続的臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、肥満度指数、体重、年齢、性別、IGS II、水分摂取量、白血球数、ナトリウム、カリウム、体温、血圧、ドーパミン、ビリルビン、呼吸数、酸素分圧、世界脳神経外科連合(WFNS)評価、ならびにグラスゴーコーマスケール(GCS)からなるグループから選択することができる。
本明細書で使用される場合、「マーカー」、「代理」、「予後診断マーカー」、「因子」、または「バイオマーカー」もしくは「生物学的マーカー」などの用語は、互換的に使用され、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは有害事象などの健康および生理学に関係する評価の指標として機能する測定可能かつ定量化可能な生物学的マーカー(例えば、特定のタンパク質もしくは酵素濃度もしくはその断片、特定のホルモン濃度もしくはその断片、または生物学的物質もしくはその断片の存在)に関する。マーカーまたはバイオマーカーは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または療法的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定および評価され得る特徴として定義される。バイオマーカーは、試料中で(血液、血漿、尿、または組織検査として)測定され得る。
当該対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータは、当該試料中のラクテートのレベル、当該試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、当該対象の連続的臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、当該対象の簡易急性生理学スコア(SAPSII)、当該対象の急性生理学および長期的健康評価II(APACHE II)スコア、ならびに可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(sFlt-1)、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、ヒストンH4、カルシトニン、エンドセリン-1(ET-1)、アルギニンバソプレシン(AVP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)、トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C反応性タンパク質(CRP)、膵石タンパク質(PSP)、骨髄細胞に発現するトリガー受容体1(TREM1)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-1、インターロイキン-24(IL-24)、インターロイキン-22(IL-22)、インターロイキン(IL-20)、他のIL、プレセプシン(sCD14-ST)、リポ多糖結合タンパク質(LBP)、アルファ-1-アンチトリプシン、マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)、メタロプロテイナーゼ2(MMP8)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP9)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP7、胎盤増殖因子(PlGF)、クロモグラニンA、S100Aタンパク質、S100Bタンパク質および腫瘍壊死因子α(TNFα)、ネオプテリン、アルファ-1-アンチトリプシン、プロアルギニンバソプレシン(AVP、proAVP、またはコペプチン)、プロカルシトニン、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、pro-ANP)、エンドセリン-1、CCL1/TCA3、CCL11、CCL12/MCP-5、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17/TARC、CCL18、CCL19、CCL2/MCP-1、CCL20、CCL21、CCL22/MDC、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL3L3、CCL4、CCL4L1/LAG-1、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CX3CL1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CXCL2/MIP-2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7/Ppbp、CXCL9、IL8/CXCL8、XCL1、XCL2、FAM19A1、FAM19A2、FAM19A3、FAM19A4、FAM19A5、CLCF1、CNTF、IL11、IL31、IL6、レプチン、LIF、OSM、IFNA1、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA2、IFNA4、IFNA7、IFNB1、IFNE、IFNG、IFNZ、IFNA8、IFNA5/IFNaG、IFNω/IFNW1、BAFF、4-1BBL、TNFSF8、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、EDA-A1、TNFSF14、LTA/TNFB、LTB、TNFa、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF15、TNFSF4、IL18、IL18BP、IL1A、IL1B、IL1F10、IL1F3/IL1RA、IL1F5、IL1F6、IL1F7、IL1F8、IL1RL2、IL1F9、IL33、またはそれら断片のレベルからなる群から選択され得る。
本明細書で使用される場合、「プロカルシトニン」または「PCT」は、プロカルシトニンペプチドの、アミノ酸残基1~116、2~116、3~116、またはそれらの断片におよぶペプチドに関する。PCTは、カルシトニンホルモンのペプチド前駆体である。したがって、プロカルシトニン断片の長さは、少なくとも12アミノ酸、好ましくは50アミノ酸以上、より好ましくは110アミノ酸以上である。PCTは、グリコシル化、脂質化、または誘導体化などの翻訳後修飾を含み得る。プロカルシトニンは、カルシトニンおよびカタカルシンの前駆体である。したがって、通常の条件下では、循環中のPCTレベルは、非常に低い(約0.05ng/mL未満)。
対象の試料中のPCTのレベルは、本明細書に記載されるようにイムノアッセイによって決定することができる。本明細書で使用される場合、「プロカルシトニン」または「PCT」をコードするリボ核酸またはデオキシリボ核酸のレベルも決定してもよい。例えばThermo Fisher Scientific/B・R・A・H・M・S GmbHから得られる製品を使用することによるPCTを決定するための方法は、当業者に既知である。
ラクテート、または乳酸(lactic acid)は、血液を含む体液中に生じる、式CH3CH(OH)COOHを有する有機化合物である。ラクテートの血液試験は、体内の酸塩基恒常性の状態を決定するために実施される。乳酸は、細胞が十分な酸素を欠いており(低酸素症)、エネルギー生成手段の効率を低下させる必要があると、または状態によってラクテートの過剰生成もしくはクリアランスの減少が生じると蓄積され得る細胞代謝生成物である。乳酸アシドーシスは、例えば、ショック、敗血症性ショック、またはうっ血性心不全など、細胞および組織に送達される酸素量の減少に至り得る状態を有する場合、細胞および組織の酸素量が不十分なこと(低酸素症)によって生じ得、ラクテート試験を使用して、低酸素症および乳酸アシドーシスの重症度の検出および評価を助けることができる。
C反応性タンパク質(CRP)は、五量体タンパク質であり、血漿などの体液に見ることができる。CRPレベルは、炎症に応答して上昇し得る。CRP値の測定およびチャート化は、疾患の進行または治療の有効性の決定に有用であることを実証することができる。
本明細書で使用されるとき、「連続的臓器不全評価スコア」または「SOFAスコア」は、集中治療室(ICU)に滞在中の患者の状態を追跡するために使用される1つのスコアである。SOFAスコアは、人の臓器機能の程度または不全率を決定するためのスコアリングシステムである。スコアは、6つの異なるスコアに基づき、各1つが呼吸器系、心血管系、肝臓系、凝固系、腎臓系、および神経系に対する。平均および最高の両方のSOFAスコアが帰結の予測因子である。ICUにおける最初の24~48時間のSOFAスコアの増加により、少なくとも50%~最大95%の死亡率が予測される。9未満のスコアは33%で予測死亡率を与え、一方14を超えると95%に近いかまたは95%を超え得る。
本明細書で使用される場合、「クイックSOFAスコア」(qSOFAスコア」)は、患者の臓器機能障害または死亡リスクを示すスコアリングシステムである。スコアは、1)精神状態の変化、2)100mmHg未満の収縮期血圧の減少、3)毎分22呼吸超の呼吸数、の3つの基準に基づく。これらの状態のうちの2つ以上を有する患者は、臓器機能障害を有するかあるいは死亡する、より高いリスクにある。
本明細書で使用される場合、「APACHE II」または「急性生理学および慢性健康評価II」は、重症度分類の採点システムである(Knausら、1985)。それは、集中治療室(ICU)への患者の入室から24時間以内に適用することができ、AaDO2またはPaO2(FiO2に依存)、体温(直腸)、平均動脈圧、動脈pH、心拍数、呼吸数、ナトリウム(血清)、カリウム(血清)、クレアチニン、ヘマトクリット、白血球数、グラスゴーコーマスケールの、12種の異なる生理学的パラメータに基づいて決定することができる。
本明細書で使用する場合、「SAPS II」または「簡易急性生理スコアII」は、疾患または障害の重症度を分類するためのシステムに関する(Le Gall JRら、ヨーロッパ/北米の多施設共同研究に基づく、A new Simplified Acute Physiology Score (SAPS II)。JAMA.1993; 270(24):2957-63を参照されたい)。SAPS IIスコアは、12種の生理学的変数および3種の疾患関連変数で構成されている。ポイントスコアは、12種のありふれた生理学的測定値、以前の健康状態に関する情報、およびICUへの入室時に得られたいくつかの情報から計算される。SAPS IIスコアはいつでも、好ましくは2日目に決定することができる。「最悪の」測定値は、最高の点数に相関する尺度として定義される。SAPS IIスコアは、0~163点の範囲である。分類システムは、以下のパラメータ、年齢、心拍数、収縮期血圧、体温、グラスゴーコーマスケール、機械的換気またはCPAP、PaO2、FiO2、尿量、血中尿素窒素、ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、ビリルビン、白血球、慢性疾患、および入室の種類を含む。死亡率と合計SAPS IIスコアとの間にはS字形相関がある。対象の死亡率は、29点のSAPSIIスコアで10%であり、死亡率は、40点のSAPSIIスコアで25%であり、死亡率は、52点のSAPSIIスコアで50%であり、死亡率は、64点のSAPSIIスコアで75%であり、死亡率は、77点のSAPSIIスコアで90%である(Le Gall loc.cit.)。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、患者または対象から得られるかあるいは単離される、生物学的試料である。「試料」は、本明細書で使用される場合、例えば、患者などの関心対象の診断、予後診断、または評価の目的で得られた体液または組織の試料を指し得る。好ましくは、試料は、本明細書では、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、胸水、細胞、細胞抽出物、組織試料、組織生検、便試料などの体液の試料である。特に、試料は、血液、血漿、血清、または尿である。
本発明の実施形態は、第1の試料の単離および第2の試料の単離について言及している。本発明の方法の文脈において、「第1の試料」および「第2の試料」という用語は、本発明の方法で用いられる試料の単離の順序の相対的な決定に関する。本方法を特定する際に第1の試料および第2の試料という用語が使用されるとき、これらの試料は、採取された試料の数の絶対的な決定として見なされるものではない。したがって、第1および/もしくは第2の試料の単離前、最中または後に、または第1もしくは第2の試料間で、患者から追加の試料を単離してもよく、これらの追加の試料は、本発明の方法で使用されてもされなくてもよい。したがって、第1の試料は、以前に得た任意の試料と見なしてもよい。第2の試料は、任意のさらなる試料またはその後の試料と見なしてもよい。
本発明の文脈における「血漿」は、遠心分離後に得られる抗凝固剤を含有する血液の実質的に無細胞の上清である。抗凝血剤の例には、EDTAまたはクエン酸塩などのカルシウムイオン結合化合物、およびヘパリン酸塩またはヒルジンなどのトロンビン阻害剤が含まれる。無細胞血漿は、抗凝固処理された血液(例えば、クエン酸塩処理された、EDTAまたはヘパリン処理された血液)を、例えば、2000~3000gで少なくとも15分間遠心分離することによって得ることができる。
本発明の文脈における「血清」は、血液を凝固させた後に収集される全血の液体画分である。凝固した血液(血餅)が遠心分離されると、血清が上清として得られ得る。
本明細書で使用される場合、「尿」は、排尿(または排尿)と呼ばれる過程を通して腎臓によって分泌され、尿道を通して排泄される体の液体生成物である。
本発明の好ましい実施形態では、患者は敗血症を患っていると診断されている。より詳細には、患者は、重症敗血症および/または敗血症性ショックを患っていると診断されている場合がある。
本発明の文脈における「敗血症」は、感染に対する全身性反応を指す。あるいは、敗血症は、SIRSと確認された感染プロセスまたは感染との組み合わせとして見られ得る。敗血症は、感染および全身性炎症反応の両方の存在によって定義される臨床症候群として特徴付けられ得る(Levy MM et al.2001 SCCM/ESICM/ACCP/ATS/SIS International Sepsis Definitions Conference.Crit Care Med.2003 Apr;31(4):1250-6)。本明細書で使用される「敗血症」という用語は、これらに限定されないが、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショックを含む。
本明細書で使用される「敗血症」という用語は、これらに限定されないが、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショックを含む。重症敗血症は、臓器機能障害、低灌流異常、または敗血症誘発性低血圧に関連する敗血症を指す。低灌流異常には、乳酸アシドーシス、乏尿症、および精神状態の急激な変化が含まれる。敗血症誘発性低血圧は、低血圧の他の原因(例えば、心原性ショック)が存在しない場合の、約90mm Hg未満の収縮期血圧の存在またはベースラインから約40mm Hg以上のその低減によって定義される。敗血症性ショックは、低灌流異常または臓器機能不全の存在と共に、適切な輸液蘇生法にもかかわらず持続する敗血症誘発性低血圧を伴う重症敗血症として定義される(Boneら、CHEST 101(6):1644-55、1992)。
あるいは、敗血症という用語は、感染に対する調節機能障害の宿主の応答によって引き起こされる、生命を脅かす臓器の機能障害として定義することができる。臨床的操作主義では、臓器機能障害は、好ましくは連続的臓器不全評価(SOFA)スコアの2ポイント以上の増加によって表すことができ、10%超の院内死亡率に関連している。敗血症性ショックは、敗血症のサブセットとして定義され得、特に重度の循環器、細胞、および代謝の異常は、敗血症単独よりも高い死亡リスクに関連している。敗血症性ショックの患者は、血液量減少が存在しない場合の、65mm Hg以上の平均動脈圧および2mmol/L超(>18mg/dL)の血清ラクテートレベルを維持するための昇圧剤の必要性によって臨床的に識別することができる。
本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症の発症におけるすべての可能な段階に関する。
「敗血症」という用語には、SEPSIS-2の定義に基づく重症敗血症または敗血症性ショックも含まれる(Bone et al.,2009)。「敗血症」という用語には、SEPSIS-3の定義内に入る対象も含まれる(Singer et al.,2016)。本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症の発症におけるすべての可能な段階に関する。
本明細書で使用される場合、本発明の範囲内の「感染」は、病原性または潜在的に病原性の薬剤/病原体、生命体および/または微生物による、通常は無菌の組織または体液への侵入によって引き起こされる病理学的プロセスを意味し、好ましくは細菌、ウイルス、真菌、および/または寄生虫による感染(複数可)に関する。したがって、感染症は、細菌感染症、ウイルス感染症、および/または真菌感染症であり得る。感染症は、局所感染症または全身感染症であり得る。本発明の目的では、ウイルス感染は、微生物による感染と見なしてもよい。
さらに、感染症を患っている対象は、同時に2つ以上の感染源(複数可)を患っている可能性がある。例えば、感染を患っている対象は、細菌感染およびウイルス感染、ウイルス感染および真菌感染、細菌感染および真菌感染、ならびに細菌感染、真菌感染、およびウイルス感染を患っているか、あるいは潜在的な重複感染、例えば1つ以上のウイルス感染および/または1つ以上の真菌感染に加えて1つ以上の細菌感染を含む、本明細書に列挙されている感染のうちの1つ以上を含む混合感染を患っている場合がある。
本明細書で使用される場合、「感染症」は、細菌および/またはウイルスおよび/または真菌感染に関連するすべての疾患または障害を含む。
一実施形態では、検出または試験される感染は、Bordetella pertussisなどのBordetella、Borrelia burgdorferiなどのBorrelia、Brucella abortus、Brucella canis、Brucella melitensisまたはBrucella suisなどのBrucella、Campylobacter jejuni、などのCampylobacter、Chlamydia pneumonia、Chlamydia trachomatis、Chlamydophila psittaciなどのChlamydiaおよびChlamydophila、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Clostridium tetaniなどのClostridium、Corynebacterium diphtheriaなどのCorynebacterium、Enterococcus faecalis、Enterococcus faeciumなどのEnterococcus、Escherichia coliなどのEscherichia、Francisella tularensisなどのFrancisella、Haemophilus influenzaなどのHaemophilus、Helicobacter pyloriなどのHelicobacter、Legionella pneumophilaなどのLegionella、Leptospira interrogansなどのLeptospira、Listeria monocytogenesなどのListeria、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium ulceransなどのMycobacterium、Mycoplasma pneumoniaなどのMycoplasma、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidesなどのNeisseria、Pseudomonas aeruginosaなどのPseudomonas、Rickettsia rickettsiaなどのRickettsia、Salmonella typhi、Salmonella typhimuriumなどのSalmonella、Shigella sonneiなどのShigella、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophyticusなどのStaphylococcus、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pneumonia、Streptococcus pyogenesなどのStreptococcus、Treponema pallidumなどのTreponema、Vibrio choleraなどのVibrio、Yersinia pestis、Yersinia enterocoliticaまたはYersinia pseudotuberculosisなどのYersiniaの種から選択され得る。
病原性真菌は、ヒトまたは他の生命体に疾患を引き起こす真菌である。Candida種は、免疫不全の宿主(例えば、移植患者、AIDS患者、癌患者)で日和見感染を引き起こすことで最も知られている重要なヒト病原体である。感染は治療が困難であり、非常に深刻になり得、全身感染のうちの30~40%が死に至る。Aspergillosisは、別の潜在的な真菌病原体である。Aspergillusは、マイコトキシンの生成を通じて、アレルギー反応の誘導を通じて、および局所または全身感染を介しての3つの主要な方式で疾患を引き起こし得る。後者の2つの分類では、宿主の免疫状態は、重要である。最も一般的な病原種は、Aspergillus fumigatusおよびAspergillus flavusである。Aspergillus flavusは、毒素および発癌性物質の両方であるアフラトキシンを生成し、潜在的に食物を汚染し得る。Aspergillus fumigatusおよびAspergillus clavatusは、疾患を引き起こし得る。Cryptococcus neoformansは、ヒトに疾患を引き起こし得る。Cryptococcus neoformansは、ヒトおよび動物の主要な病原体である。Cryptococcus laurentiiおよびCryptococcus albidusは、免疫力が低下したヒト患者に中度から重度の疾患を時折引き起こすことが知られている。Cryptococcus gattiiは、アフリカ大陸およびオーストラリア大陸の熱帯地域の風土病であり、疾患を引き起こし得る。Histoplasma capsulatumは、ヒト、イヌ、およびネコにhistoplasmosisを引き起こし得る。Pneumocystis jirovecii(またはPneumocystis carinii)は、未熟児、高齢者、およびAIDS患者など、免疫系が低下した人々に肺炎の形式を引き起こし得る。Stachybotrys chartarumまたは「黒カビ」は、呼吸器の損傷および重症の頭痛を引き起こし得る。
一実施形態では、検出または試験される感染は、Acinetobacter baumannii、Klebsiella pneumoniae、Acinetobacter lwoffii、Listeria monocytogenes、Aeromonas caviae、Morganella morganii、Aeromonas hydrophila、Neisseria gonorrhoeae、Aspergillus flavus、Neisseria meningitidis、Aspergillus nidulans、Pasteurella multocida、Aspergillus niger、Pasteurella pneumotropica、Aspergillus terreus、Propionibacterium acnes、Bacillus anthracis、Proteus mirabillis、Bacillus cereus、Providencia rettgeri、Bacillus subtilis、Pseudomonas aeruginosa、Bacteroides fragilis、Salmonella choleraesuis、Brucella melitensis、Serratia liquefaciens、Burkholderia cepacia、Serratia marcescens、Candida albicans、Staphylococcus aureus、Candida dubliniensis、Staphylococcus epidermidis、Candida glabrata、Staphylococcus haemolyticus、Candida krusei、Staphylococcus hominis、Candida parapsilosis、Staphylococcus saccharolyticus、Candida tropicalis、Staphylococcus warn-eri、Capnocytophaga canimorsus、Stenotrophomonas maltophilia、Citrobacter braakii、Streptococcus agalactiae、Citrobacter freundii、Streptococcus anginosus、Clostridium perfringens、Streptococcus bovis、Corynebacterium jeikeium、Streptococcus constellatus、Enterobacter aerogenes、Streptococcus dysgalactiae、Enterobacter cloacae、Streptococcus mutans、Enterobacter sakazakii、Streptococcus pneumoniae、Enterococcus faecalis、Streptococcus pyogenes、Enterococcus faecium、Streptococcus salivarius、Escherichia coli、Streptococcus sanguinis、Shigella sp.、Streptococcus suis、Gemella haemolysans、Vibrio vulnificus、Gemella morbillorum、Yersinia enterocolitica、Haemophilus influenzae、Yersinia pestis、Kingella kingae、Yersinia pseudotuberculosis and; Klebsiella oxytocaから選択され得る。
本発明によれば、敗血症患者などの重篤患者は、生命機能および/または臓器保護のモニタリングに関して非常に厳しい制御を必要とし得、医療的治療下にあり得る。
本発明の文脈において、「医療的治療」または「治療」という用語は、限定されないが、抗炎症戦略、療法的抗体などのADM拮抗薬、si-RNAもしくはDNAの投与、体外血液浄化、またはアフェレーシス、透析、サイトカインストームを防ぐ吸着剤を介する有害物質の除去、炎症性メディエーターの除去、血漿アフェレーシス、ビタミンCなどのビタミンの投与、身体に十分な酸素を提供するための機械的換気および非機械的換気のような換気、例えば、病巣洗浄手順、血液製剤の注輸、コロイドの注入、腎もしくは肝代替、抗生物質治療、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、腎代替療法、昇圧剤使用、輸液療法、アフェレーシス、ならびに臓器保護のための措置を含む、様々な治療および療法的戦略を含む。
本発明のさらなる治療は、例えば正常血液量に達するために、および血液量増加または血液量減少を防ぐかあるいは治療するために、幹細胞、血液、または血漿のような細胞または細胞製剤の投与、ならびに患者の循環の安定化、および例えば最適な輸液管理戦略を介した内皮性グリコカリクスの保護を含む。さらに、昇圧剤、または例えばカテコールアミン、ならびに未分画ヘパリンまたはN-脱硫酸化再-N-アセチル化ヘパリンを介したアルブミンまたはヘパラナーゼの阻害は、循環および内皮層をサポートするのに有用な治療である。
加えて、本発明の医療的治療は、限定されないが、血液凝固の安定化、iNOS阻害剤、ヒドロコルチゾンのような抗炎症剤、鎮静剤および鎮痛剤、ならびにインスリンを含む。
「腎代替療法」(RRT)は、腎臓の正常な血液濾過機能を代替するために用いられる療法に関する。腎代替療法とは、透析(例えば、血液透析または腹膜透析)、血液濾過、および血液透析濾過を指し得る。そのような技法は、血液を機械に通し、洗浄し、次いで身体に戻す様々な方式である。腎代替療法はまた、腎移植を指し得、古い腎臓がドナーの腎臓に置き換えられるという点で、究極の形式の代替である。血液透析、血液濾過、および血液透析濾過は、持続的または間欠的であり得、動静脈経路(血液が動脈から出て静脈を介して戻る)または静静脈経路(血液が静脈から出て静脈を介して戻る)を使用することができる。これにより、様々な種類のRRTが得られる。例えば、腎代替療法は、限定されないが、持続的腎代替療法(CRRT)、持続的血液透析(CHD)、持続的動静脈血液透析(CAVHD)、持続的静静脈血液透析(CVVHD)、持続的血液濾過(CHF)、持続的動静脈血液濾過(CAVHまたはCAVHF)、持続的静静脈血液濾過(CVVHまたはCVVHF)、持続的血液透析濾過(CHDF)、持続的動静脈血液透析濾過(CAVHDF)、持続的静静脈血液透析濾過(CVVHDF)、間欠的腎代替療法(IRRT)、間欠的血液透析(IHD)、間欠的静静脈血液透析(IVVHD)、間欠的血液濾過(IHF)、間欠的静静脈血液濾過(IVVHまたはIVVHF)、間欠的血液透析濾過(IHDF)、および間欠的静静脈血液透析濾過(IVVHDF)の群から選択され得る。
人工的および機械的換気は、適切な気体交換および換気を向上し、重症低酸素血症時の救命を目的とする効果的なアプローチである。人工的換気は、対象の呼吸を補助または刺激することに関する。人工的換気は、機械的換気、用手的換気、体外式膜型人工肺(ECMO)、および非侵襲的換気(NIV)からなる群から選択され得る。機械的換気は、自発呼吸を機械的に補助または代替する方法に関する。これは、ベンチレーターと呼ばれる機械を伴い得る。機械的換気は、高頻度振動換気または部分的液体換気であり得る。
「輸液管理」とは、対象の輸液状態のモニタリングおよび制御、ならびに、例えば経口、経腸または静脈内輸液投与による循環または臓器活力を安定化させるための輸液の投与を指す。それは、輸液および電解質バランスの安定化、または血液量増加もしくは血液量減少の予防もしくは修正、ならびに血液製剤の供給を含む。
対象が医療的緊急事態にあり、生存または健康状態の保全のために、即時手術的介入が必要とされ得る場合、手術的緊急事態/緊急手術が必要とされる。緊急手術を必要とする対象は、急性外傷、活動性の制御されない感染、臓器移植、臓器保護もしくは臓器安定化手術、または癌を患っている対象からなる群から選択され得る。
洗浄手順は、対象の感染、特に院内感染を防ぐための衛生的な方法であり、例えば皮膚、病室の物体、医療デバイス、診断デバイス、または部屋の空気など、患者と接触し得るすべての有機および無機質表面の消毒を含む。洗浄手順には、マウスガード、ガウン、手袋、または衛生的ロックなどの防護服およびユニットの使用、ならびに患者の訪問制限のような対策が含まれる。さらに、洗浄手順は、患者自身、および衣服または患者の洗浄を含む。
敗血症または重症感染症などの重篤な病気の場合、最適な療法および管理を見出すために、早期診断、ならびに予後診断および患者の帰結のリスク評価を行うことが非常に重要である。療法的アプローチは非常に個人的であり、症例ごとに異なる必要がある。療法的モニタリングは、ベストプラクティス療法に必要であり、治療のタイミング、併用療法の使用、および薬物投与の最適化によって影響される。誤ったまたは省略された療法または管理は、死亡率を時間単位で増加させるであろう。
本発明の医療的治療は抗生物質治療であり得、感染が診断された場合、または感染症の症状が決定された場合に1つ以上の「抗生物質」または「抗生剤」が投与され得る。
本発明による抗生物質または抗生剤はまた、診断された感染または敗血症を治療するために使用される抗真菌または抗ウイルス化合物を潜在的に包含する。病原体を分類別に分けると、任意の所与の感染の治療に一般的に適用される抗生剤は以下のとおりである。
グラム陽性菌適用範囲:ペニシリン、(アンピシリン、アモキシシリン)、ペニシリナーゼ耐性、(ジクロキサシリン、オキサシリン)、セファロスポリン(第1世代および第2世代)、マクロライド(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)、キノロン(ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン)、バンコマイシン、スルホンアミド/トリメトプリム、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、リネゾリド、シネルシド。
グラム陰性適用範囲:広範囲ペニシリン(チカルシリン、クラブラン酸、ピペラシリン、タゾバクタム)、セファロスポリン(第2、第3、および第4世代)、アミノグリコシド、マクロライド、アジスロマイシン、キノロン(シプロフロキサシン)、モノバクタム(アゼトレオナム)、スルホンアミド/トリメトプリム、カルバペネム(イミペネム)、クロラムフェニコール。
Pseudomonas適用範囲:シプロフロキサシン、アミノグリコシド、一部の第3世代セファロスポリン、第4世代セファロスポリン、広範囲ペニシリン、カルバペネム。
真菌治療:アリルアミン、アムホテリシンB、フルコナゾールおよび他のアゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、エキノカンジン、フルシトシン、ソルダリン(sordarin)、キチンシンターゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、リポペプチド、プラジミシン、リポゾーム製剤ナイスタチン、ボリコナゾール、エキノカンジン、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ポリエン。
抗ウイルス治療:アバカビル、アシクロビル(Acyclovir)(アシクロビル(Aciclovir))、活性化カスパーゼオリゴマー化薬(oligomerizer)、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル(アゲネラーゼ(Agenerase))、アンプリゲン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラビル(Balavir)、シドフォビル、コンビビル、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、二本鎖RNA、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エコリエベル(Ecoliever)、ファムシクロビル、固定用量の組み合わせ(抗レトロウイルス)、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、ガンシクロビル、イバシタビン、イミノビル(Imunovir)、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロンIII型、インターフェロンII型、インターフェロンI型、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリデ、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、モルフォリノ、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル(Nexavir)、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノビル、オセルタミビル(タミフル)、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤(薬理学)、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リボザイム、リファンピシン、リマンタジン、リトナビル、RNase H、プロテアーゼ阻害剤、ピラミジン、サキナビル、ソホスブビル、スタブジン、相乗的エンハンサー(抗レトロウイルス)、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、トルバダ(Truvada)、バラシクロビル(バルトレックス)、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン(Viramidine)、ザルシタビン、ザナミビル(リレンザ)、ジドブジン。
さらに、抗生剤は、細菌感染の治療のためのバクテリオファージを含み、合成抗微生物ペプチドまたは鉄拮抗薬/鉄キレート剤を使用することができる。また、抗VAP抗体、抗耐性クローンワクチン接種、インビトロ刺激もしくは改変Tエフェクター細胞などの免疫細胞の投与のような、病原性構造に対する療法的抗体または拮抗薬は、敗血症患者などの重篤患者の治療オプションを表す抗生剤である。感染に対する、または新たな感染の予防のためのさらなる抗生剤/治療または療法的戦略には、消毒薬、除染製品、リポソームのような抗ウイルス剤、衛生、創傷手当、手術の使用が含まれる。
先述の抗生剤または治療戦略のうちのいくつかを組み合わせることも可能である。
本発明によれば、proADM、ならびに任意選択的にPCTおよび/もしくは他のマーカー、または臨床スコアは、重篤であると診断された患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、予後診断、リスク評価およびリスク層別化を含む療法をモニタリングするためのマーカーとして用いられる。
当業者は、上記のproADM分子、またはその断片もしくは変異体のうちのいずれか1つ、ならびに標準分子の生物学的実践に従った本発明の他のマーカーの識別、測定、決定、および/または定量化のための手段を得るかあるいは開発することが可能である。
proADMまたはその断片のレベル、ならびに本発明の他のマーカーのレベルは、マーカーの濃度を信頼して決定する任意のアッセイによって決定することができる。特に、質量分析(MS)および/またはイムノアッセイを添付の実施例に例示されているように用いることができる。本明細書で使用される場合、イムノアッセイは、抗体もしくは抗体結合断片もしくは免疫グロブリンの使用を通して溶液中の巨大分子/ポリペプチドの存在または濃度を測定する生化学的試験である。
本発明の文脈において使用されるproADM、またはPCTなどの他のマーカーを決定する方法は、本発明において意図される。例として、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、即時免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイ、ならびに自動化されたシステム/分析器からなる群から選択される方法を用いることができる。
抗体認識に基づいたproADMおよび任意選択的な他のマーカーの決定は、本発明の好ましい実施形態である。本明細書で使用される場合、用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原と特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含有する分子を指す。本発明によると、抗体は、モノクローナル抗体ならびにポリクローナル抗体であってもよい。特に、少なくともproADMまたはその断片に特異的に結合する抗体が使用される。
目的の分子、例えばADMまたはその断片に対するその親和性が、目的の分子を含有する試料中に含まれる他の分子に対するよりも、少なくとも50倍高い、好ましくは100倍高い、最も好ましくは少なくとも1000倍高い場合、抗体は特異的であると見なされる。所与の特異性を有する抗体をどのように開発しそして選択するかは、当該技術分野において周知である。本発明の文脈において、モノクローナル抗体が好ましい。抗体または抗体結合断片は、本明細書に定義されたマーカーまたはその断片に特異的に結合する。特に、抗体または抗体結合断片は、本明細書で定義されたペプチドのADMに結合する。したがって、本明細書に定義されたペプチドはまた、抗体が特異的に結合するエピトープであり得る。さらに、本発明の方法およびキットでは、ADMまたはproADM、特にMR-proADMに特異的に結合する抗体または抗体結合断片が使用される。
さらに、本発明の方法およびキットでは、proADMまたはその断片、および任意選択的にPCTなどの本発明の他のマーカーに特異的に結合する抗体または抗体結合断片が使用される。例示的なイムノアッセイは、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイであってもよい。さらに、ポイントオブケア試験および例えば免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験形式に適したアッセイを用いることができる。KRYPTORアッセイなどの自動化されたイムノアッセイも、意図される。
あるいは、抗体の代わりに、proADMを特異的および/または選択的に認識する他の捕捉分子または分子足場が、本発明の範囲に包含され得る。本明細書では、「捕捉分子」または「分子足場」という用語は、試料からの標的分子または目的の分子、すなわち分析物(例えば、proADM、proADM、MR-proADM、およびPCT)を結合するために使用され得る分子を含む。したがって、捕捉分子は、空間的にも、表面電荷、疎水性、親水性、ルイス供与体および/または受容体の存在または非存在などの表面の特徴に関しても適切に成形され、標的分子または目的の分子に特異的に結合する必要がある。これにより、結合は、例えば、イオン、ファンデルワールス力、パイ-パイ、シグマ-パイ、疎水性もしくは水素結合相互作用、または捕捉分子もしくは分子足場と標的分子もしくは目的の分子との間の先述の相互作用または共有結合性相互作用のうちの2つ以上の組み合わせによって媒介され得る。本発明の文脈において、捕捉分子または分子足場は、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、ペプチド、および糖タンパク質からなる群から選択され得る。捕捉分子または分子足場は、例えば、アプタマー、DARピン(Designed Ankyrin Repeat Protein)を含む。アフィマーなどが含まれる。
本発明のある特定の態様では、方法は、
a)試料を
i.当該proADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および
ii.当該proADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体と接触させるステップと、
b)2つの抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体の、当該proADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである。
好ましくは、一方の抗体を標識し、他方の抗体を固相に結合させるか、または固相に選択的に結合させることができる。アッセイの特に好ましい態様では、抗体のうちの一方が標識される一方で、他方の抗体は、固相に結合されるか、または固相に選択的に結合され得るかのいずれかである。第1の抗体および第2の抗体が、液体反応混合物中に分散して存在し得、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合し、当該標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合し、これにより、検出される両方の抗体の当該proADMまたはその断片への結合後、測定溶液中の得られたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する。標識系は、希土類クリプテートまたはキレートを、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせて含むことができる。
好ましい実施形態では、この方法は異種サンドイッチイムノアッセイとして実施され、ここで抗体の1つは任意に選択された固相、例えば被覆試験管(例えばポリスチロール試験管;被覆管; CT)またはマイクロタイター上に固定される。他の抗体は、検出可能な標識に似ているかまたは標識への選択的結合を可能にする基を有し、そして形成されたサンドイッチ構造の検出に役立つ。適切な固相を用いた一時的な遅延またはその後の固定化も可能である。
本発明による方法は、均質な方法としてさらに具体化することができ、検出される抗体/複数の抗体、およびマーカー、proADMまたはその断片によって形成されているサンドイッチ複合体が、液相中で懸濁されたままである。この場合、2つの抗体が使用されるとき、両方の抗体が検出系の一部で標識され、それが、両方の抗体が単一のサンドイッチに統合される場合にシグナルの発生またはシグナルの誘発をもたらすことが好ましい。そのような技術は、特に蛍光増強または蛍光消光検出方法として具体化されるべきである。特に好ましい態様は、例えば、US4882733、EP0180492、またはEP0539477、およびそれらで引用された従来技術に記載のものなど、対で使用される検出試薬の使用に関する。このようにして、反応混合物中の単一の免疫複合体中に直接両方の標識成分を含む反応生成物のみが検出される測定が可能になる。例えば、そのような技術は、上記で引用された出願の教示を実装する、商標名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)、またはKRYPTOR(登録商標)の下で提供されている。したがって、特に好ましい態様では、本明細書で提供される方法を実行するために診断デバイスが使用される。例えば、proADMもしくはその断片のレベル、および/またはPCTなど、本明細書で提供される方法の任意のさらなるマーカーのレベルが決定される。特に好ましい態様において、診断デバイスはKRYPTOR(登録商標)である。
本発明のマーカー、例えばproADMもしくはその断片、PCTもしくはその断片、または他のマーカーのレベルは、質量分析(MS)に基づく方法によっても決定することができる。そのような方法は、当該生物学的試料または例えば当該試料からのタンパク質消化物(例えばトリプシン消化物)中の例えばproADMまたはPCTのうちの1つ以上の修飾または未修飾断片ペプチドの存在、量または濃度を検出すること、ならびに任意選択的にクロマトグラフィ方法を用いて試料を分離し、調製され任意選択的に分離された試料にMS分析を施すことを含み得る。例えば、特にproADMまたはその断片の量を決定するために、選択反応モニタリング(SRM)、多重反応モニタリング(MRM)または並列反応モニタリング(PRM)質量分析をMS分析に使用することができる。
本明細書において、「質量分析」または「MS」という用語は、化合物をそれらの質量によって同定するための分析技術を指す。質量分析の質量分解および質量決定能力を向上するために、試料は、MS分析前に処理され得る。したがって、本発明は、免疫濃縮技術、試料調製に関する方法および/またはクロマトグラフィ法、好ましくは液体クロマトグラフィ(LC)、より好ましくは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、もしくは超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)と組み合わせることができるMS検出法に関する。試料調製方法は、溶解、分画、ペプチドへの試料の消化、枯渇、濃縮、透析、脱塩、アルキル化、および/またはペプチド還元のための技術を含む。ただし、これらのステップは任意選択的である。分析物イオンの選択的検出は、タンデム質量分析(MS/MS)を用いて行うことができる。タンデム質量分析は、質量選択ステップ(本明細書で使用される場合、「質量選択」という用語は、特定のm/zまたは狭い範囲のm/zを有するイオンの単離を意味する)、続いて選択されたイオンの断片化、および得られた生成物(断片)イオンの質量分析によって特徴付けられる。
当業者は、質量分析法によって試料中のマーカーのレベルをどのように定量化するかを知っている。例えば、相対定量化「rSRM」または絶対定量化を上記のように用いることができる。
さらに、レベル(参照レベルを含む)は、相対的定量を決定する方法または目的のタンパク質もしくはその断片の絶対定量を決定する方法などの質量分析に基づく方法によって決定することができる。
相対定量化「rSRM」は、以下によって達成され得る。
1.試料中で検出された所与の標的断片ペプチドからのSRM(選択反応モニタリング)シグネチャーピーク面積を、少なくとも第2、第3、第4、またはそれ以上の生体試料中の標的断片ペプチドの同じSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の増加または減少した存在を決定する。
2.試料中で検出された所与の標的ペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と、異なる別個の生物学的供給源に由来する他の試料中の他のタンパク質からの断片ペプチドから生じたSRMシグネチャーピーク面積とを比較することによって標的タンパク質の存在の増減を決定し、ペプチド断片についての2つの試料間のSRMシグネチャーピーク面積比較は、例えば各試料中で分析されたタンパク質の量に対して正規化される。
3.ヒストンタンパク質のレベルの、様々な細胞条件下でそれらの発現レベルを変化させない他のタンパク質のレベルへの変化を正規化するために、所与の標的ペプチドについてのSRMシグネチャーピーク面積を、同じ生体試料内の異なるタンパク質に由来する他の断片ペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の増加または減少した存在を決定する。
4.これらのアッセイは、非修飾断片ペプチドおよび標的タンパク質の修飾断片ペプチドの両方に適用することができ、修飾には、リン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(モノ、ジ、トリ)、シトルリン化、ユビキチン化が含まれる。修飾ペプチドの相対レベルは、未修飾ペプチドの相対量を決定するのと同じ方法で決定される。
所与のペプチドの絶対定量化は、以下によって達成され得る。
1.個々の生体試料中の標的タンパク質からの所与の断片ペプチドについてのSRM/MRMシグネチャーピーク面積を、生体試料からタンパク質溶解物中にスパイクされた内部断片ペプチド標準のSRM/MRMシグネチャーピーク面積と比較する。内部標準は、調べられている標的タンパク質からの断片ペプチドの標識合成バージョンまたは標識された組換えタンパク質であり得る。この標準は、消化前(組換えタンパク質にとって必須)または後に既知量で試料中にスパイクされ、生体試料中の内部断片ペプチド標準および天然断片ペプチドの両方について別個にSRM/MRMシグネチャーピーク面積が決定され得、両方のピーク面積の比較が後に続く。これは未修飾断片ペプチドおよび修飾断片ペプチドに適用することができ、ここで修飾はリン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(例えばモノ、ジ、またはトリメチル化)、シトルリン化、ユビキチン化、ここで、修飾ペプチドの絶対レベルは、未修飾ペプチドの絶対レベルを決定するのと同じ方法で決定することができる。
2.ペプチドはまた、外部較正曲線を使用して定量化され得る。正規曲線アプローチは、内部標準として一定量の重いペプチド、および試料中にスパイクされた様々な量の軽い合成ペプチドを使用する。マトリックス効果を説明するための標準曲線を構築するために、試験試料のものと同様の代表的なマトリックスが使用される必要がある。その上、逆曲線法は、マトリックス中の内因性分析物の問題を回避し、一定量の軽いペプチドは、内因性分析物の上にスパイクされて内部標準を作り出し、様々な量の重いペプチドは、スパイクされて一組の濃度標準を作り出す。正規曲線または逆曲線のいずれかと比較される試験試料は、較正曲線を作り出すために使用されるマトリックス中にスパイクされた内部標準と同じ量の標準ペプチドでスパイクされる。
本発明はさらに、キット、キットの使用、およびそのようなキットが使用される方法に関する。本発明は、本明細書の上記および下記に提供される方法を実施するためのキットに関する。本明細書に提供される定義、例えば方法に関して提供される定義はまた、本発明のキットにも適用される。特に、本発明は、患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、またはリスク層別化を含む療法をモニタリングするためのキットであって、当該キットが、
-対象からの試料中のproADMまたはその断片(複数可)のレベルを決定するための、ならびに任意選択的に加えてPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(複数可)のレベルを決定するための検出試薬と、当該対象の当該試料中のproADMの当該レベルを決定するための検出試薬と、
-低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であり、高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である、高および/または低重症度レベルのproADM、ならびに任意選択的にPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質レベルに対応する参照レベルなどの参照データであって、当該参照データが、好ましくはコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/あるいはproADMまたはその断片(複数可)の決定されたレベル、ならびに任意選択的に加えてPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(複数可)の決定されたレベルを当該参照データと比較するために構成されているコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、参照データと、を含む、キットに関する。
本明細書で使用される場合、「参照データ」は、proADMおよび任意選択的にPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質の参照レベル(複数可)を含む。対象の試料中のproADM、ならびに任意選択的にラクテート、および/またはC反応性タンパク質のレベルは、キットの参照データに含まれる参照レベルと比較することができる。参照レベルは本明細書において上記に記載されており、添付の実施例においても例示されている。参照データはまた、proADM、および任意選択的にPCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質のレベルが比較される参照試料を含んでもよい。参照データはまた、本発明のキットの使用方法の取扱説明書を含み得る。
加えて、キットは、血液試料などの試料を得るのに有用な物品を含んでもよく、例えば、キットは、容器を含んでもよく、当該容器は、当該容器をカニューレまたはシリンジに取り付けるための、例えば、所定量の試料を当該容器に引き込むのに好適であるように大気圧未満の内圧を呈する、血液単離に好適なシリンジであるデバイスを含み、かつ/あるいは加えて、洗剤、カオトロピック塩、リボヌクレアーゼ阻害剤、グアニジニウムイソチオシアネート、グアニジニウム塩酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのキレート剤、RNAse阻害タンパク質、およびそれらの混合物、ならびに/またはニトロセルロース、シリカマトリックス、強磁性球体、受皿(cup retrieve spill over)、トレハロース、フルクトース、ラクトース、マンノース、ポリ-エチレン-グリコール、グリセロール、EDTA、TRIS、リモネン、キシレン、ベンゾイル、フェノール、鉱油、アニリン、ピロール、クエン酸塩、およびそれらの混合物を収容する濾過システムを含む。
本明細書で使用される場合、「検出試薬」などは、本明細書に記載の、例えば、proADM、PCT、ラクテート、および/またはC反応性タンパク質のマーカー(複数可)を決定するのに好適な試薬である。そのような例示的な検出試薬は、例えば、本明細書に記載のマーカーのペプチドまたはエピトープに特異的に結合するリガンド、例えば抗体またはその断片である。そのようなリガンドは、上記のようにイムノアッセイに使用することができる。マーカー(複数可)のレベルを決定するためにイムノアッセイで用いられるさらなる試薬もキットに含まれ得、本明細書において検出試薬と見なされる。検出試薬はまた、MSに基づく方法によってマーカーまたはその断片を検出するために用いられる試薬にも関係し得る。したがって、そのような検出試薬はまた、MS分析のために試料を調製するために使用される試薬、例えば酵素、化学物質、緩衝剤などであり得る。質量分析計も検出試薬と見なすことができる。本発明による検出試薬はまた、例えば、マーカー(複数可)のレベルを決定および比較するために用いられ得る較正溶液(複数可)であり得る。
診断試験および/または予後試験の感度および特異性は、試験の分析の「品質」だけに依存するのではなく、それらはまた、異常な結果を構成するものの定義にも依存する。実際には、受信者動作特性曲線(ROC曲線)は、典型的には、「正常」集団(すなわち、感染を有さない明らかに健康な個人)、および「疾患」集団、例えば感染を有する対象における、その相対頻度に対する変数の値をプロットすることによって計算される。(ADMのような)任意の特定のマーカーについて、疾患/状態の有無にかかわらず対象についてのマーカーレベルの分布は重複する可能性があるであろう。そのような条件下では、試験は、正常と疾患を100%の正確性で完全に区別することはなく、重複の領域は、試験が正常と疾患を区別できない場所を示している可能性がある。それより下では試験が異常であると見なされ、それより上では試験が正常であると見なされ、またはそれを下回るかあるいは上回ると試験が特定の条件、例えば感染を示す、閾値が選択される。ROC曲線の下の面積は、知覚された測定値が状態の正しい識別を可能にするであろう確率の尺度である。試験結果が必ずしも正確な数を与えない場合でも、ROC曲線を使用することができる。結果をランク付けできる限り、ROC曲線を作成することができる。例えば、「疾患」試料に関する試験の結果は、程度に応じてランク付けされ得る(例えば、1=低い、2=正常、および3=高い)。このランク付けは、「正常な」集団の結果と相関し得、ROC曲線が作成され得る。これらの方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Hanley et al.1982.Radiology 143:29-36を参照されたい。好ましくは、閾値は、約0.5より大きい、より好ましくは約0.7より大きい、さらにより好ましくは約0.8より大きい、さらにより好ましくは約0.85より大きい、最も好ましくは約0.9より大きいROC曲線面積を提供するように選択される。この文脈における「約」という用語は、所与の測定値の+/-5%を指す。
ROC曲線の横軸は(1-特異性)を表し、これは偽陽性の割合と共に増加する。曲線の縦軸は、感度を表し、これは真陽性率と共に増加する。したがって、選択された特定のカットオフについて、(1-特異性)の値が決定され得、そして対応する感度が得られ得る。ROC曲線下面積は、測定されたマーカーレベルが疾患または状態の正確な識別を可能にするであろう確率の尺度である。したがって、ROC曲線下面積は試験の有効性を決定するために使用することができる。
したがって、本発明は、本明細書に記載の方法によって得られた情報に基づいた治療に好適な抗生物質の投与を含む。
本明細書で使用される場合、「備える」および「含む」という用語またはその文法的変化形は、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものとして解釈されるべきであるが、1つの以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外するものではない。この用語に、「からなる」および「から本質的になる」という用語を包含する。
したがって、「含む」/「含む」/「有する」という用語は、任意のさらなる構成要素(または同様に特徴、整数、ステップなど)が存在し得ることを意味する。「からなる」という用語は、さらなる構成要素(または同様の特徴、整数、ステップなど)が存在しないことを意味する。
「から本質的になる」という用語またはその文法的変化形は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外しないが、それらの追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群が、特許請求されている組成物、デバイス、または方法の基本的で新規な特徴を実質的に変化させない場合のみである。
したがって、「から本質的になる」という用語は、特定のさらなる成分(または同様に特徴、整数、ステップなど)が存在し得ること、すなわち組成物、デバイスまたは方法の本質的な特徴に実質的に影響を及ぼさないものを意味する。言い換えれば、「から本質的になる」という用語(本明細書では「実質的に含む」という用語と互換的に使用することができる)は、必須の構成要素(または同様の特徴)に加えて組成物、デバイスまたは方法における他の構成要素の存在を可能にする。ただし、デバイスまたは方法の本質的な特徴は他の構成要素の存在によって実質的に影響されない。
「方法」という用語は、所与のタスクを達成するための方法、手段、技術および手順を指し、これらに限定されないが、化学、生物学および生物物理学的分野の専門家に知られているこれらの方法、手段、技術および技法を含むか、または既知の方法、手段、化学、生物学および生物物理学的分野の専門家による技術および手順から容易に開発されたこれらの方法、手段、技法および手順を含む。
以下の非限定的な実施例を参照することにより本発明をさらに説明する。
方法の実施例:
研究デザインおよび患者:
本研究は、2009年11月から2013年2月までドイツ全土で33か所の学際的な集中治療室(ICU)で実施された、重症敗血症(SISPCT)における亜セレン酸ナトリウムおよびプロカルシトニン誘導抗微生物療法のプラセボ-対照トライアルの二次分析である(26)。適格基準は、ACCP/SCCMコンセンサス会議委員の敗血症-1の定義に従い、さらに2016年の定義(SEPSIS-3および敗血症性ショック-3)(4)に従って分類された、≧18才の、新しく重症敗血症または敗血性ショックの発症を(≦24時間に)提示している成人患者を含んだ。研究デザイン、データ収集、および管理の詳細は、以前説明した(26)。Jena大学病院および他のすべてのセンターの倫理委員会から研究を承認され、必要に応じて書面によるインフォームドコンセントを得た。
バイオマーカー測定値:
患者は、重症敗血症または敗血症性ショックの診断後最大24時間までに登録し、その直後にPCT、CRP、およびラクテートを測定した。PCTは、0.02~5000ng/mlの測定範囲、ならびにそれぞれ少なくとも0.06ng/mlおよび0.02ng/mlの機能アッセイ感度および検出下限を有するデバイスで測定した。すべての患者から追加の血液試料を収集し、-80°CでJenaの中央研究室に保管した。MR-proADM血漿濃度は、0.05nmol/Lの検出限界で遡及的に測定した(Kryptor(登録商標)、Thermo Fisher Scientific、ドイツ)。研究登録の際に、連続的臓器不全評価(SOFA)、急性生理学的および長期的健康評価(APACHE)II、および簡易急性生理学(SAPS)IIスコアを含む臨床重症度スコアを取得した。
統計分析:
28日死亡率に関する人口統計学的特性および臨床的特徴の差は、分布の正規性に応じて、カテゴリ変数についてはχ2検定を、連続変数についてはスチューデントt検定またはMann-Whitney U検定を使用して評価した。正規および非正規分布変数は、それぞれ平均(標準偏差)および中央値[第1四分位-第3四分位]と表した。すべての時点での死亡率と各バイオマーカーおよび臨床スコアとの関連性は、年齢、ならびに併存疾患および敗血症性ショックの存在に基づいて修正した多変量解析を用いて、受信者動作特性曲線(AUROC)の下の面積およびCox回帰分析を使用して評価した。患者はさらに、各時点での各バイオマーカーおよび臨床スコアの合計集団にわたり、所定の感度および90%に近い特異性を用いて、2つのAUROCカットオフの計算に基づいて、3つの重症度サブグループ(低、中程度、高)に分類した。その後、ICU関連の手順または合併症(病巣洗浄手順、緊急手術、新たな感染の出現、血液製剤の注輸、コロイドの注入、侵襲的機械的換気、腎/肝代替、または昇圧剤療法、ならびに患者の一般的な臨床徴候および症状を含む)の存在しない、臨床的に安定したサブグループの患者を識別し、以前の測定以降増加が見られなかった、対応する低MR-proADM濃度でさらなるグループを識別した。死亡率および平均滞在期間は、両方のグループで計算し、特定の各時点で退室させた患者グループと比較した。
最後に、(この期間にわたり観察された平均PCT減少に基づくベースラインから1日目で)20%のPCT変化、および(以前に構築されたモデル(26)に基づくベースラインから4日目で)50%のPCT変化を有する患者を層別化する、2つのモデルを構築した。その後、MR-proADMの重症度レベルに基づいて、患者サブグループを識別し、それぞれの死亡率を計算した。各サブグループ内の死亡リスクは、Cox回帰分析によって計算し、Kaplan-Meier曲線によって示した。ベースラインから4日目モデルで、新たな感染発生の予測されるリスク、および4~7日目にわたる病巣洗浄手順および緊急手術の必要性を、その後調査した。すべてのデータは、統計ソフトウェアR(バージョン3.1.2)を使用して分析した。
実施例1:患者の特徴
研究登録時の患者の特徴を表1に要約する。
重症敗血症(13.0%)または敗血症性ショック(87.0%)のいずれかを有する合計1089人の患者を分析し、445人(41.3%)および633人(58.7%)の患者はまた、敗血症-3および敗血症性ショック-3の基準をそれぞれ満たしていた。登録患者の平均年齢は65.7(13.7)歳で、平均SOFAスコアは10.0(3.3)ポイントであった。全死因の28日死亡率(N=1076人)は26.9%(敗血症-3:20.0%、敗血症性ショック-3:32.1%)で、病院死亡率は33.4%(敗血症-3:24.4%、敗血症性ショック-3:40.4%)であった。単一病巣に起因する感染は、836人の患者(77.7%)で見られ、呼吸器系(N=324人、30.1%)、腹腔内(N=252人、23.4%)、泌尿生殖器(N=57人、5.3%)、骨/軟部組織(N=50人、4.6%)由来が最も一般的であった。対応する死亡率は、それぞれ26.5%、24.6%、22.8%、および28.0%であった。240人(22.3%)の患者に複数の感染源が見られた。最も一般的な死因には、敗血症誘発性多臓器不全(N=132人、45.7%)、難治性敗血症性ショック(N=54人、18.7%)、既存の病気による死(N=35人、12.1%)、および急性呼吸不全(N=17人、5.9%)が含まれた。心原性および出血性ショック、肺塞栓症、脳浮腫、心筋梗塞、および不整脈などの他の原因は、合計で死亡率の8.6%を占めた。患者のうちの3.4%に、療法の制限を適用した。
実施例2:ベースラインのバイオマーカーおよび臨床スコアと、死亡率との関連性
単変量および多変量のCox回帰分析により、MR-proADMは、合計患者集団、ならびに敗血症-3および敗血症性ショック-3サブグループ内の28日死亡率と、最も強い関連性を有することが見出された(表2)。対応するAUROC分析により、APACHE II(敗血症-3患者サブグループ)を除き、MR-proADMとすべてのバイオマーカーおよび臨床スコアとの比較において、有意な差が見られた。
同様の結果は、7日、90日、ICUおよび病院死亡率予測(表3)でも見られ、バイオマーカーおよび臨床スコアのすべての可能性のある組み合わせにMR-proADMを加えると(N=63人)、予後診断能力が有意に増加した(表4)。
実施例3:高リスク患者の識別
既存のSOFA重症度レベル、ならびに各サブグループで評価した28日死亡率を予測するバイオマーカーおよび臨床スコアの性能に従って、合計患者集団をさらに層別化した。MR-proADMは、低(SOFA≦7)および中程度(8≦SOFA≦13)重症度のSOFAサブグループにおいて、すべてのパラメータで最も高い正確性を示した(表5、表6)。
2つの対応するMR-proADMカットオフをその後計算して、低(≦2.7nmol/L)および高(>10.9nmol/L)重症度サブグループをベースラインで識別した。SOFAと比較して、低(MR-proADM対SOFA:N=265人対232人、死亡率9.8%対13.8%)、および高(MR-proADM対SOFA:N=161人対155人、55.9%対41.3%)の重症度カットオフの両方で、より正確な再分類を行うことができた(表7)。
高MR-proADM濃度を有し、対応する低または中程度SOFAを有する94人の患者(9.3%)のサブグループでは、28日および90日死亡率が、低および中程度SOFA値を有する残りの患者集団での19.8%および30.8%と比較して、それぞれ57.4%および68.9%であった。同様のパターンは、それぞれSAPS II、APACHE II、およびラクテートに見ることができた(表8~10)
実施例4:ICU滞在中の低リスク患者の識別
研究コホートは、病巣洗浄手順、緊急手術、新たな感染、血液製剤の注輸、コロイドの注入、侵襲的機械的換気、腎/肝代替、患者の一般的な臨床徴候および症状の悪化などのICUに関係する手順または合併症に直面しなかった、臨床的に安定した患者のサブセットで構成される。
臨床的に安定した患者のこのグループは、低リスク患者として分類した。
MR-proADMは、その後のすべての時点にわたり、28日死亡率と最も強い関連性を示し(表11)、低リスク患者集団の識別における≦2.25nmol/Lの安定したカットオフを提供することができ、その結果、他のバイオマーカーおよび臨床スコアと比較して低い死亡率を有する患者がより多数分類された(表12)。したがって、4日目に290人の低MR-proADMの重症度の患者を識別することができ、そのうち79人(27.2%)は臨床的に安定しており、MR-proADM濃度は前回の測定から増加していなかった(表13)。継続的な低MR-proADM濃度が、51人(64.6%)の患者に見ることができ、中程度から低レベルの重症度レベルへの減少が、28人(35.4%)の患者で観察することができた。平均ICU滞在期間は、8[7~10]日間であり、それぞれ0.0%および1.4%の、28日および90日死亡率を有した。それに比べて、4日目にICUから実際に退室させた患者は43人のみであり、28日および90日死亡率は、2.3%および10.0%であった。この患者グループ内のMR-proADM濃度の分析は、それぞれ低、中程度、高重症度濃度を有する患者が、20人(52.6%)、16人(42.1%)、および2人(5.3%)の範囲の値を示した。同様の結果が、7および10日目にICUに残留している患者で見られた。
≦2.25nmol/Lの安定したカットオフでのMR-proADMは、他のバイオマーカーおよび臨床スコアと比較して低い死亡率を有する低リスク患者をより多数識別することができた。その結論に基づいて、ADMを使用しない分類と比較して、より多くの患者をICUから退室させることができた。より多くの患者を退室させることにより、病院は、ICUのベッドをより効率的に使用し、コスト回避から利益を得ることができる。
実施例5:プロカルシトニン誘導療法に対するMR-proADMの追加の影響
時間依存的なコックス回帰分析により、1日目にMR-proADMベースライン値についての予後診断情報で、最も早い有意な追加の増加が観察され、その後の単回または累積測定により、28日死亡率との有意に強い関連性が生じることが示された(表14)。したがって、2つのPCT誘導アルゴリズムモデルを構築して、ベースラインから1日目または4日目のいずれかのPCT変化を調査し、MR-proADMの重症度分類に基づいて、対応するサブグループ分析を行った。
ベースラインから1日目でPCT濃度が≧20%減少した患者(表15および表16)、またはベースラインから4日目で≧50%減少した患者(表17および表18)が、それぞれ18.3%(N=458人)および17.1%(N=557人)の28日死亡率を有することが見出された。患者が継続的に低MR-proADMレベルを有すると、これは5.6%(N=125人)および1.8%(N=111人)に減少したが、継続的に高MR-proADM値(HR[95%CI]:19.1[8.0~45.9]および43.1[10.1~184.0])を有する患者では、66.7%(N=27人)および52.8%(N=39)人に増加した。
さらに、≧50%(ベースラインから4日目)のPCT値が減少したが、継続的に高または中程度MR-proADM濃度を有する患者は、その後の院内感染を発症する有意により高いリスクを有した(HR[95%CI]:高濃度3.9[1.5~10.5]、中程度濃度2.4[1.1~5.1]対継続的に低濃度、中程度濃度2.9[1.2~6.8]))を有する患者)、対中程度から低濃度へ減少した)かあるいは緊急手術が必要な患者(HR[95%CI]:中程度濃度2.0[1.1~3.7]対中程度から低濃度に減少した患者)。逆に、中程度から高濃度に増加した患者は、継続的に中程度(HR[95%CI]:3.2[1.3-7.6])または減少した(HR[95%CI]:中程度から低8.7[3.1~24.8])、高から中程度4.6[1.4~14.5])値を有する患者と比較して、感染に起因する洗浄が必要になる可能性がより高い。PCTレベルを≧50%減少できないと、MR-proADM濃度が継続的に高(HR[95%CI]:5.7[1.5~21.9])または中程度(HR[95%CI]:4.2[1.3~13.2])レベルのいずれかの場合、連続的に低い場合とは反対に、緊急手術を必要とするリスクの有意な増加が観察された。
実施例6:ベースラインのバイオマーカーおよび臨床スコアと、死亡率との関連性
MR-proADMは、感染源に関係なく、肺炎および腹腔内感染症の患者、ならびにグラム陽性菌感染の患者で、最も強い関連性を示した(表19~20)。緊急手術、非緊急手術、および待機的手術の履歴に従って患者をグループ分けしてICUに入室させると、MR-proADMは、すべてのグループで、28日死亡率と最も強く最もバランスの取れた関連性を提供した(表21)。
実施例7:バイオマーカーおよび臨床スコアと、ベースラインおよび1日目のSOFAとの相関性
MR-proADMは、ベースラインですべてのバイオマーカーおよびSOFAスコアと最大の相関性を有し、ベースライン値が1日目のSOFAスコアと相関すると有意に増加した。最大の相関性は、10日目のMR-proADMとSOFAとの間に見ることができ、個々のSOFAサブスコアとの差が全体に見られた(表22~24)。
実施例8:高リスク患者の識別
同様の結果は、高MR-proADM濃度と、低または中程度SAPS II値(高MR-proADMサブグループ[死亡率54.8%および65.6%]、残りのSAPS II集団[死亡率19.7%および30.0%])のいずれかを有する124人(12.0%)の患者のサブグループ、ならびに低または中程度APACHE II値(高MR-proADMサブグループ[死亡率56.9%および66.7%]、残りのAPACHE II集団[死亡率19.5%および30.3%])のいずれかを有する109人(10.6%)の患者に見ることができた。
実施例9:PCTとADMとの組み合わせによるプロカルシトニン(PCT)誘導療法の改善
2つのPCT誘導アルゴリズムモデルを構築して、ベースラインから1日目または4日目のいずれかPCTの変化を調査し、MR-proADMの重症度分類に基づいて、対応するサブグループ分析を行った(表25~30)。
以前の実施例は、<20%または<50%のPCT減少を有する患者、ならびにPCTが≧20%または≧50%減少した患者におけるADMで塁算値を示した。ただし、追加の分析は、PCTの減少またはさらには増加の%に関係なく、ADMが塁算され得ることを示している。PCT値の減少は、抗生物質治療が有効であるように見える患者を反映し得、したがって、臨床医は、抗生物質治療が生存に良い方法であると考える(すなわち、敗血症の根本原因である細菌を死滅させることにより、患者に回復をもたらすはずである)。
例えば、一部の患者は、ベースライン(入室日)から1日目までで減少したPCTレベルを有し、28日死亡率は19%である。加えてADMを測定することにより、低ADMを有する患者がはるかに高い生存の可能性を有するか、あるいははるかに低い死亡する可能性を有すると結論付けることができる(表25の、減少するPCTのみでの死亡率19%とPCT+低ADMでの死亡率5%とを比較されたい)。低減した死亡リスクを有することにより、より自信を持って患者はICUから退室することができるか、あるいは診断試験をほとんど必要としない(すなわち、回復へ向かっていると知ることができる)。
一方、高いADM値を有する患者には、新たな措置を考慮する必要がある。死亡率に関しては、はるかに高いリスクを有する(減少するPCTのみでの死亡率19%とPCT+高ADMでの死亡率58.8%を比較されたい)。医師は、PCT値の減少に基づいて患者は回復に向かっていると考えるが、実際にはADM濃度は同じままである。したがって、ISNT治療は有効であり、できるだけ早く適合させる必要があると結論付けることができる)。
同様に、ADMは、増加しているPCT値を有する患者を層別化するのを助けることができる(表25)。
新たな感染の発症
PCTおよびMR-proADMの変化は、ベースラインから1日目、またはベースラインから4日目の2つのモデルのいずれかで分析した。患者は、全体的なPCTの変化およびMR-proADMの重症度レベルに従ってグループ分けした。
その後、1、2、3、および4日目にわたる(表26)、ならびに4、5、6、および7日目にわたる(表27)新たな感染数を、それぞれ1日目または4日目に存在した各患者で計算した。場合によっては、観察期間中に患者を退室させた。退室後に新たな感染は発生しなかったと想定する。観察期間にわたり重複感染した患者は、単一の新たな感染としてカウントした。
臨床的結果として、高MR-proADM濃度を有する患者は、新たな感染の発症を止めるために、ICU入室時に他の薬剤と併用して広範囲抗生物質で治療する可能性があるはずである。これらの患者は新たな感染にかかる感受性が高いため、特別なケアを行うべきである。
病巣洗浄の必要性
PCTおよびMR-proADMの変化は、ベースラインから1日目、またはベースラインから4日目の2つのモデルのいずれかで分析した。患者は、全体的なPCTの変化およびMR-proADMの重症度レベルに従ってグループ分けした。
その後、1、2、3、および4日にわたる(表28)、ならびに4、5、6、および7日にわたる(表29)病巣洗浄事象の数を、それぞれ1日目または4日目に存在した各患者で計算した。場合によっては、観察期間中に患者を退室させた。
緊急手術の必要性
PCTおよびMR-proADMの変化は、ベースラインから1日目、またはベースラインから4日目の2つのモデルのいずれかで分析した。患者は、全体的なPCTの変化およびMR-proADMの重症度レベルに従ってグループ分けした。
その後、1、2、3、および4日にわたる(表30)緊急手術の必要性の数を、1日目に存在した各患者で計算した。場合によっては、観察期間中に患者を退室させた。
実施例10:抗生物質の変更または修正の必要性
PCT誘導抗生物質アルゴリズム内で組み合わせると、MR-proADMは、抗生物質療法の将来の変更または修正を必要とするであろう患者とそうでない患者とを層別化することができる。
PCTおよびMR-proADMの変化は、ベースラインから1日目、またはベースラインから4日目の2つのモデルのいずれかで分析した。患者は、全体的なPCTの変化およびMR-proADMの重症度レベルに従ってグループ分けした。
その後、4日目の抗生物質の変更が必要な各患者グループの割合を計算した(表31および32)。
≧50%減少しているPCT値を有する患者の場合
低から中程度重症度レベルの、増加しているMR-proADM濃度を有する患者は、継続的に低レベルであった患者よりも4日目に抗生物質療法の修正を必要とする可能性がより高かった(オッズ比[95%CI]:1.5[0.6~4.1])。
<50%減少しているPCT値を有する患者の場合
中程度から高重症度レベルに増加しているMR-proADM濃度、または継続的に高濃度を有する患者はまた、継続的に低MR-proADM濃度を有する患者よりも4日目に抗生物質療法の変更を必要とする可能性がより高かった(オッズ比[95%CI]:それぞれ5.9[1.9~18.1]および2.9[0.8~10.4])。
おわりに
ベースラインから1日目、またはベースラインから4日目のいずれかでのPCT濃度の増加にもかかわらず、継続的に低MR-proADM濃度を有する患者は、継続的に中程度または高濃度の患者よりも、処方された抗生物質治療に対する修正が有意に低かった。
臨床的結果として、PCT濃度の増加に直面すると、医師は、抗生物質の変更を決定する前に患者のMR-proADMレベルを確認するべきである。低MR-proADM濃度を有する患者は、変更を考慮する前に、同じ抗生物質の用量の増加、または強度の増加のいずれかを考慮するべきである。高MR-proADM濃度を有する患者は、早期の(4日目とは対照的に1~3日目に)抗生物質の変更を考慮するべきである。
実施例の考察
疾患重症度の正確かつ迅速な評価は、最も早い機会に最も適切な治療を開始するために重要である。実際、治療が遅れる、あるいは不十分であると、患者の臨床状態が全般的な悪化に至り得、結果的に将来の治療の効果が低下し、全体的な帰結が悪化する可能性が高くなる(8、27)。その結果、この満たされていない臨床的ニーズを満たすために多数のバイオマーカーおよび臨床的重症度スコアが提案されており、現在、連続的臓器不全評価(SOFA)スコアが最も適切なツールとして強調されており、2016年の敗血症-3の定義における中心的な役割をもたらしている(4)。SISPCTトライアルのこの二次分析(26)は、重症敗血症および敗血症性ショックを患う大規模な患者集団において、初めて、ラクテート、プロカルシトニン(PCT)、およびSOFAなどの、従来のバイオマーカーおよび臨床スコアの連続的測定を、微小循環機能障害マーカー、MR-proADMの測定と比較した。
本発明者らの結果は、敗血症診断後最初の24時間以内にMR-proADMを最初に使用すると、他のすべてのバイオマーカーまたはスコアと比較して、短期、中期、および長期的な死亡率と最も強い関連性が得られたことを示している。以前の研究により、本発明者らの結論は大部分が確認されたが(17、28、29)、ただし矛盾する結果(30)は、より小さな試料サイズでの分析、ならびに微生物種、感染源、および敗血症の発症に先行する過去の手術歴など、この研究で強調された他の要因によって一部説明することができ、これらのすべてがバイオマーカーの性能に影響し得、したがって小規模な研究集団における結果が変動する可能性が加わる。さらに、本発明者らの研究はまた、以前の調査の結果も厳密に確認しており(17)、低および中程度の臓器機能障害重症度患者におけるMR-proADMの優れた性能を強調している。実際、Andaluz-Ojeda et al.(17)が、低レベルの臓器機能障害を有する患者グループを大いに重要視しているのは、「このグループは、敗血症、および/または低重症度の形態の疾患のいずれかの提示を臨床的過程で最も早期に表す」ためである。それにもかかわらず、敗血症-3および敗血症性ショック-3基準に従って定義された両方の患者グループにわたる場合でもある、死亡率予測に関するすべての重症度グループにわたり、相当な性能が維持される場合があった。
敗血症の発症後に行われた連続的測定の分析により、疾患重症度に基づいて特定の患者グループを識別することが可能になった。低および高リスク患者の両方を識別することが、本発明者らの分析において大きな目的であった。多くのICUでは、ICUのベッドに対するニーズが定期的に可用性を超える場合があり、不適切なトリアージ、資源の配分、およびその後の正しいICU入室の可能性の減少に至り得る。(32~35)。結果的に、ICUから段階を下げたユニットへ早期に退室させる対象となり得る、低い病院死亡のリスクを有する患者の正確な評価は、有意な利益となり得る。本発明者らの研究内で測定した各時点で、MR-proADMは、ICU、病院、28日間死亡率が最も低い、より多数の低重症度患者を識別することができた。低重症度を有し、さらなるICU特有の療法を行わない患者グループのさらなる分析は、バイオマーカー測定が行われた後の各時点で、追加で4日間のICU滞在が観察されたことを示した。各時点で実際に退室させた患者集団と比較すると、低重症度の患者を正確に識別するためのバイオマーカーによるアプローチは、28日および90日死亡率の減少をもたらした。低、中程度、および高重症度の様々なMR-proADM濃度を有する実際、退室させた患者は、その後高い死亡率を反映した。ただし、このグループ内の多数の患者が、非微小循環、生命を脅かさない問題のためにさらなるICU治療を依然として必要としたのか、あるいは段階を下げたユニットのベッドが利用可能であったのかは不明である。それにもかかわらず、臨床医の判断に加えて、ICU退室に対するそのようなバイオマーカーによるアプローチは、臨床的利益およびコスト削減の可能性と共に、患者の正しい層別化を改善することができる。
逆に、その後の臨床的悪化を防ぐために早期かつ目的を絞った治療を必要とし得る高リスク患者の識別は、さらに大きく臨床的に関連し得る。SISPCT研究および他のトライアル(26、36、37)でPCT誘導アルゴリズムの後、大幅なコスト削減および抗生物質使用の低減が既に観察されているが、ただし、PCT値が着実に減少しているように見えるときでさえ、比較的高い死亡率が依然として観察され得る。本発明者らの研究により、PCTモデルにMR-proADMを追加することにより、その後のICUでの日数が減少し、低、中程度、および高リスク患者グループの識別が可能になり、MR-proADMの重症度レベルのベースラインから1日目の増減が、治療の成功に関する高感度かつ早期の指標を提供することが、明らかになった。加えて、将来の病巣洗浄または緊急手術の必要性の予測、ならびに新たな感染の発症に対する感度は、追加の療法的および介入的戦略の開始に実質的に有益であり得、したがって、任意の将来の臨床的合併症を早期段階で防ぐことを企図することができる。
本発明者らの研究の強みには、無作為化したトライアルのデータベースから低および高疾患重症度を有するいくつかの異なるサブグループの徹底的な検査、潜在的な交絡因子の調節、SEPSIS1および3の両方の定義によって特徴付けられる敗血症患者の最大試料サイズの包含、ならびにMR-proADMの動態に関する情報が含まれる。
結論として、MR-proADMは、初期診断時およびICU治療過程の両方において、敗血症患者における死亡リスクを識別する能力が、他のバイオマーカーおよび臨床的重症度スコアよりも優れている。したがって、MR-proADMは、代替的な診断的および療法的介入を必要とし得る高重症度の患者、ならびにICU固有の療法を伴わず早期ICU退室の対象となり得る可能性のある、低重症度の患者を識別するためのツールとして使用することができる。

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Claims (14)

  1. 敗血症、重度敗血症又は敗血症性ショックのいずれかにより重篤であると診断された患者であって、1以上の抗生剤で治療を受けている患者における抗生剤療法のガイダンス、層別化、および/または制御のためのインビトロの方法であって、
    -前記患者から単離した第1の試料を提供する工程、
    -前記第1の試料の単離後かつ抗生剤治療の開始後の時点で前記患者から単離した第2の試料を提供する工程、
    前記第1及び第2の試料中のプロカルシトニン(PCT)または1以上のその断片のレベルを決定する工程
    -少なくとも前記第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片のレベルを決定する工程、を含み、
    前記第1の試料中及び前記第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片のレベルを、参照レベルと及び/又は互いに比較して、第1の試料中のPCTまたはその1以上のその断片のレベルに対する第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片のレベルの変化を決定し、及び
    前記第2の試料中のPCT又は1以上のその断片の決定されたレベルが、前記第1の試料中のPCT又は1以上のその断片の決定されたレベルと比較して上昇しており、及び前記第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片の決定されたレベルが、2.25nmol/lの低重症度レベルを超えるとき、1つ以上の抗生剤での治療に変更が必要であることを示す、前記方法。
  2. 前記第2の試料が、敗血症、重度敗血症又は敗血症性ショックのいずれかによる重篤の症状の決定後かつ抗生剤治療の開始後30分以内、または敗血症、重度敗血症又は敗血症性ショックのいずれかによる重篤の症状の決定後かつ抗生剤治療の開始から少なくとも30分、1時間、2時間、6時間、および/もしくは12時間後に前記患者から単離されたものである、請求項に記載の方法。
  3. 前記第2の試料が、敗血症、重度敗血症又は敗血症性ショックのいずれかによる重篤の症状の決定および抗生剤治療の開始から12~36時間および/または3~5日後に前記患者から単離されたものである、請求項に記載の方法。
  4. 前記proADMまたは1以上のその断片のレベルがMR-proADMのレベルである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. -前記第1の試料と比較して上昇したレベルの、前記第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片、および
    -前記第2の試料中の中程度または高重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、前記1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
    -中程度重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l以上であって、6.5nmol/l以下であり、
    -高重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、6.5nmol/l超である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  6. 加えて、前記第1の試料中のproADMまたは1以上のその断片のレベルを決定することと、
    -前記第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片のレベルを、参照レベルまたは前記第1の試料中のproADMまたは1以上のその断片のレベルと比較して、第1の試料中のproADMまたはその1以上のその断片のレベルと第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片のレベルとの間の変化を決定することとを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の試料と比較して上昇したレベルの、前記第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片が、前記1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示す、請求項に記載の方法。
  8. -前記第1の試料と比較して低レベルの、前記第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片、および
    -第2の試料中の高重症度レベルのproADMもしくは1以上のその断片、または第1の試料と比較して上昇した重症度レベルの第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片が、
    前記1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
    -低重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l未満であり、
    -中程度重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l以上であって、6.5nmol/l以下であり、
    -高重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、6.5nmol/l超である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. -前記第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片のレベルが、第1の試料のレベルに対して50%未満であり、および
    -前記第1の試料中の低重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片と比較して中程度重症度レベルの、前記第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片が、
    前記1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
    -低重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l未満であり、及び中程度重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l以上かつ6.5nmol/l以下である、
    請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. -前記第2の試料中のPCTまたは1以上のその断片のレベルが、前記第1の試料のレベルに対して50%より大きく、かつ100%以下であり、および
    -第1の試料中の中程度重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片と比較して高重症度レベルの、第2の試料中のproADMまたは1以上のその断片は、
    1つ以上の抗生剤の変更が必要であることを示し、
    -中程度重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、4nmol/l以上かつ6.5nmol/l以下であり、及び高重症度レベルのproADMまたは1以上のその断片が、6.5nmol/l超である、
    請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1および前記第2の試料が、血液試料、血清試料、血漿試料、および/または尿試料からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 加えて、
    -前記第1および前記第2の試料中の、ラクテート又はC反応性タンパク質から選ばれる少なくとも1つの追加のバイオマーカーまたは1以上のその断片のレベルを決定することを含み、
    -前記第1および第2の試料中の前記少なくとも1つの追加のバイオマーカーのレベル、ならびに前記第2の試料中の前記proADMまたは1以上のその断片のレベルが、継続中の抗生剤治療に変更が必要かどうかを示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 加えて、
    -前記第1の試料の単離の時点および前記第2の試料の単離の時点で、連続的臓器不全評価(SOFA)、急性生理学的および長期的健康評価(APACHEII)、又は簡易急性生理学(SAPS)IIから選ばれる少なくとも1つの臨床スコアを決定することを含み、
    -前記第1および第2の試料の単離の時点での前記少なくとも1つの臨床スコア、ならびに前記第2の試料中の前記proADMまたは1以上のその断片のレベルが、継続中の抗生剤治療の変更が必要かどうかを示す、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行するためのキットであって、
    -対象からの試料中の前記proADMまたは1以上のその断片のレベルを決定するための検出試薬、および前記PCTまたは1以上のその断片のレベルを決定するための検出試薬と、
    参照データを格納したコンピュータ可読媒体と、
    を含み、
    前記参照データが、proADMの高および/または低重症度レベルに対応する参照レベルとPCTレベルに対応する参照レベルとを含む参照データであり、前記低重症度レベルが、4nmol/l未満であり、および高重症度レベルが、6.5nmol/l超であり、かつ
    前記参照データが、proADMまたは1以上のその断片の決定されたレベル、およびPCTまたは1以上のその断片の決定されたレベルと比較するために構成されたコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、
    前記キット。
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