JP7257485B2 - 分離膜付き燃料タンク - Google Patents

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Description

本開示は、分離膜付き燃料タンクに関するものである。
自動車などの内燃機関に使用される燃料(原燃料)には、オクタン価が高く、耐ノック性のよい高オクタン価燃料(HRON)と、オクタン価が低く、始動時等の着火性がよい低オクタン価燃料(LRON)が含まれている。したがって、高負荷運転時には高オクタン価燃料を使用し、始動時や低負荷運転時には低オクタン価燃料を使用することが好ましい。
しかし、市販されている燃料は1つのオクタン価しか有していない。そこで、特許文献1は、車両に給油される未分離燃料(原燃料)をヒーターで加熱した後、分離膜と真空ポンプを用いて高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離し、それぞれ別個のタンクに貯蔵する燃料分離装置を備えた車載型燃料分離システムを開示している。すなわち、通常のガソリンなどの原燃料から、低オクタン価燃料を分離することにより、低オクタン価燃料を別途補給することなく通常のガソリンから低オクタン価燃料を得ることができ、この低オクタン価燃料を用いて機関の始動性と冷間運転時の排気性状を向上させることが可能となっている。
米国特許出願公開第2012/0132576号明細書
本開示の分離膜付き燃料タンクは、高分子量成分および低分子量成分を含む車両用の原燃料を導入する導入口と、第1吐出口とを有する第1室、該第1室の下部に配置され、第2吐出口を有する第2室、前記第1室と前記第2室とを区画する隔壁、および該隔壁に配置され、前記原燃料から前記低分子量成分を分離して前記第2室に導入する少なくとも1つの分離膜を備え、前記分離膜は、アルミナセラミック多孔質体から成る支持体と、前記支持体の表面に設けられ、前記支持体の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有する厚さ5μm~10μmのアルミナ中間層と、前記アルミナ中間層の表面に設けられた厚さ0.2μm~2μmのガラス状炭素膜と、を含む。
燃料タンクの第1実施形態を示す概略断面図である。 燃料タンクの第2実施形態を示す概略断面図である。 燃料タンクの第3実施形態を示す概略断面図である。 燃料タンクの第4実施形態を示す概略断面図である。 複数の分離膜を備える隔壁の平面図である。 燃料タンクの第5実施形態を示す概略断面図である。 燃料タンクの第6実施形態を示す概略断面図である。 第6実施形態の隔壁の斜視図である。 燃料タンクの第7実施形態を示す概略断面図である。 第7実施形態の変更例を示す概略断面図である。 第7実施形態の変更例を示す概略断面図である。 第7実施形態の変更例を示す概略断面図である。 燃料タンクの第8実施形態を示す概略断面図である。
燃料タンク21は、図1に示すように、略直方体状の第1室21aと、第1室21aの下部に配置された第2室21bとを備えている。第1室21aは、燃料の導入口27と、第1吐出口(第1サクションパイプ)22aを有している。燃料の導入口27は、車両の給油口から燃料(原燃料)を第1室21a内に導入する。第1吐出口22aは、第1室21aから図示しない内燃機関(エンジン)に燃料(原燃料)を供給する。第2室21bは、第1室21aの下側に配置され、第2吐出口(第2サクションパイプ)22bを備えている。第2吐出口22bは、第2室21b内から図示しない内燃機関に燃料を供給する。第1吐出口22a、第2吐出口22bには、いずれもモーター駆動による燃料ポンプ(第1ポンプ23a、第2ポンプ23b)が配置され、燃料が内燃機関に供給される。第1ポンプ23a、第2ポンプ23bの燃料取入口には、燃料タンク21内に異物が混入した場合に燃料ポンプ23a、23bの損傷を防ぐフィルター(図示せず)がそれぞれ設けられている。燃料タンク21は、ガソリンタンクの水抜きや油抜きのためにガソリンタンク21の底に設けられたドレーン26、ガソリンタンク21に燃料を供給する導入パイプ27をさらに備えている。
なお、燃料タンク21は、上記の各部品に加え、図示はしないが、バッフルプレート、フロート、リターンパイプ、フューエルベーパーバルブなど、種々の部品を具備している。バッフルプレートは、加速時や減速時に燃料が片寄らないようにする部品であり、フロートは燃料の残量を計測する。リターンパイプは使われなかった燃料を燃料タンク21に戻す部品である。フューエルベーパーバルブは、燃料タンク21本体にある一定以上の圧力がかかった場合に圧力を解放する部品で、燃料蒸気による圧力が上昇した場合に燃料タンク21本体の損傷を防ぐ。
図1に示すV方向は鉛直方向であり、V方向に垂直な面を水平面とする。また、図の鉛直上向きを単に上、鉛直下向きを単に下という場合もある。
第2室21bは、たとえば第1室21aより下に配置されていてもよい。また、第1室21aの鉛直方向の長さの半分より下で、直方体状の第1室21aの外側の側方に配置されてもよい。さらに、第2室21bは、第1室21aの鉛直方向の長さの半分より下の位 置で直方体状の一部を構成してもよい。
第1室21aと第2室21bとは隔壁31で区画され、隔壁31は、少なくとも1つの分離膜32を備える。
第1室21a内の原燃料には、分子量が相対的に高い高分子量成分と、分子量が相対的に低い低分子量成分とが含まれている。本実施形態の燃料タンク21では、原燃料に含まれる低分子量成分が、白抜き矢印で示すように、分離膜32を通して第2室21bに導入される。
第2室21b内に導入された低分子量成分(低分子量燃料)は、始動時等の着火性がよい成分である。低分子量燃料は、第2吐出口22bから、始動時や低負荷の運転時に必要に応じ内燃機関に供給される。なお、本開示における低分子量成分とは、具体的にはメチルヘキセン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルヘプタンおよびトルエンを指す。原燃料には、低分子量成分である上記のメチルヘキセン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルヘプタンおよびトルエンのほか、飽和炭化水素、エチルベンゼン、キシレン、イソプロピルベンゼン、プロピルベンゼン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、メチルスチレン、エチルキシレン、プロピルトルエン、メチルプロピルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルプロペニルベンゼン、フェニルブテン、ジエチルベンゼン、ナフタレン、メチルメチルプロペニルベンゼン、ジメチルインダン、メチルナフタレン等が含まれている。
本実施形態では、原燃料が貯蔵される第1室21aの下側に、分離膜32を介して第2室21bが配置されていることから、第1室21a内の原燃料に含まれる低分子量成分が重力により分離膜32を透過して第2室21bに導入される。従って、原燃料を強制的に分離膜32に移送する加圧ポンプや、低分子量成分に分離膜32を強制的に透過させる真空ポンプ、分離後の各成分を貯蔵するタンクなど(以下、総じて燃料分離用の付帯装置という)を別途設けることなく、燃料タンク21内で原燃料から低分子量成分を分離することができる。本実施形態では、このように燃料分離用の付帯装置を別途設ける必要がないため、車体重量の増加や居室内容積の減少を伴うことなく、原燃料から低分子量成分を分離でき、燃費の低減を図ることができる。
<分離膜>
分離膜32として、炭素膜を用いてもよい。炭素膜は耐薬品性が高く、耐水性、耐酸性にも優れている。特にガラス状炭素膜は、明確な粒界を有さず、ピンホールなどの欠陥が形成されにくく、欠陥の少ない膜を容易に作製できる。
また、従来は、原燃料を分溜または浸透気化(パーベーパレーション)膜を用いて各成分に分離するために、原燃料を加熱・気化し、分離後に熱交換装置などを用いて冷却する必要があった。一方、ガラス状炭素膜を分離膜32として用いると、液体の原燃料を加熱気化することなく低分子量成分を分離することができる。なお、低分子量成分が分離膜32を透過する透過速度を向上するため、分離膜32を加熱してもよい。分離膜32の加熱手段としては、たとえば内燃機関や排気ガスの排熱を利用すればよい。
分離膜32は、たとえばセラミック多孔質体である支持体の表面に炭素膜が設けられた炭素膜付き多孔質セラミックを用いてもよい。支持体の材料としては、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、マグネシア、炭化珪素、窒化珪素などを用いてもよい。これらのセラミック材料は、炭素膜との熱膨張差、耐熱性、機械的強度、耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐薬品性、耐蝕性などに優れている。具体的には、たとえば平均細孔径が0.2μm~1.2μmのアルミナ多孔質体を支持体として用いてもよい。このような支持体の表面に、平均細孔径が0.01μm~0.04μmのアルミナ中間層を形成し、当該中間層の表面に炭素膜を形成することで、炭素膜付き多孔質セラミックを得ることができる。このとき、中間層の厚さは、多孔質の支持体の表面に存在する凹凸を覆うことができる厚さ、たとえば5μm~10μmとすればよい。炭素膜の厚さはたとえば0.2μm~2μmとすればよい。支持体の表面にアルミナ中間層を形成し、当該中間層の表面に炭素膜を形成することによって、アルミナセラミック多孔質体から成る支持体と、のアルミナ中間層を介しての密着力が向上するとともに、炭素膜とアルミナ中間層との接触面積が増大し、炭素膜と支持体との結合力が増大する結果、分離膜の耐久性がより向上するという有利な効果を奏する。
炭素膜付き多孔質セラミックの分離膜32は、具体的には、たとえば以下のようにして作製すればよい。支持体として、平均細孔径が0.2μm~1.2μmの細孔を有するアルミナ多孔質体を準備する。アルミナ多孔質体の形状は、第2室21bの形状や隔壁31の形状に応じて適宜選択すればよい。
このアルミナ多孔質体の少なくとも一方の表面に、アルミナ中間層を形成する。まず、平均粒径が0.17μm~0.23μmのαアルミナ粉末を、親水性の分散剤を用いて水に分散させ、αアルミナ粉末のスラリー(αアルミナスラリー)を作製する。得られたαアルミナスラリーを、例えばディップコート法(浸漬塗布法)などの塗布手段を用いて支持体(アルミナ多孔質体)の表面に塗布する。塗布したαアルミナスラリーを乾燥した後、たとえば大気中1080℃~1120℃の最高温度で8分~15分焼成することで、中間層が形成される。
得られた中間層の表面に、炭素膜の前駆体を塗布し、乾燥する。炭素膜の前駆体を塗布した支持体を、非酸化性雰囲気中または真空中で、550℃~850℃の温度で熱処理することにより、炭素膜付き多孔質セラミックが得られる。炭素膜の前駆体としては、たとえば、芳香族ポリイミド、ポリピロロン、ポリフルフリルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、リグニン誘導体、木タール、竹タール、石油ピッチ、石炭ピッチ等からなるものが挙げられる。これらの原料を単独または2種以上併用して用いる事もできる。また、シランやアミン、メトキシドを添加して用いる事もできる。
このようにして得られた炭素膜は、耐水性が高く、原燃料に不純物として含まれる水分が分離膜に吸着する事による分離性能劣化の影響が少ないため、燃料の分離を安定して行うことができる。
<第1実施形態>
第2室21bは、図1に示すように燃料タンク21の本体である第1室21aより下に設ける場合、第1室21aの下部底面の一部に開口部を設け、当該開口部に分離膜32を備える平板状の隔壁31と、第2室21bとを接続する。この場合、隔壁31および第2室21bは、第1室21aの外側に着脱可能に接続されており、分離膜32および第2室21bのメンテナンスおよび交換が容易にできる。
<第2実施形態>
また、図2に示すように、燃料タンク21の本体の上部を第1室21aとし、下部を第2室21bとしてもよい。この場合、燃料タンク21本体の内側に分離膜32を備える隔壁31を設け、隔壁31の上側に位置する部分を第1室21a、隔壁31の下側に位置する部分を第2室21bとする。この場合、第1室21aと第2室21bとが一体となって燃料タンク21本体を構成する。
<第3、第4実施形態>
図3、図4に示すように、第2室21bは、第1室21aの直方体状の一部を切り欠いて設けられていてもよい。この場合、第2室21bは第1室21aの下部の切り欠き部に配置される。図3に示す第3実施形態では、たとえば第2室21bを燃料タンク21の下部側面からはめ込む構造とすることができる。図4に示す第4実施形態では、たとえば、第2室21bを燃料タンク21の下部底面からはめ込む構造とすることができる。
このとき、第2吐出口22bは第2室21bを第1室21aにはめ込む方向に合わせて変更してもよい。たとえば、図3に示すように燃料タンク21の側面に設けてもよいし、図4に示すように燃料タンク21の底面に設けてもよい。なお、燃料タンクは通常車両の下部に配置されることから、第2吐出口22bは、燃料タンク21の側面に配置されてもよい。たとえば図4の配置で第2吐出口22bを燃料タンク21の側面に配置する場合、第2吐出口22bは第1室21aの壁部を貫通するように設けられていてもよい。また、第2室21bの隔壁31のうち、鉛直方向に沿う壁面を構成する部位は、分離膜32であってもよいが、第2室32の強度や取扱いの面から、燃料タンク21の壁面を構成する材料と同じ材料により構成してもよい。なお、鉛直方向に沿うとは鉛直方向に対し30°未満の角度をなすことをいう。また水平方向に沿うとは水平方向に対し30°未満の角度をなすことをいう。
隔壁31は、2つ以上の分離膜32を備えてもよい。たとえば、図5に示すように、フレーム33に9個の分離膜32が配置され、隔壁31を構成してもよい。このように隔壁31に2つ以上の分離膜32を配置することで、分離膜32の一部に劣化または不具合が発生しても、その劣化または不具合が発生した一部の分離膜32だけを交換すればよい。また、分離膜32の一部にクラック等の破壊が発生しても、その破壊が他の分離膜32に及ぶことがない。なお、図5ではフレーム33に9個の分離膜32を配置した隔壁31を示したが、分離膜32の数および配置はこれに限定されるものではなく、適宜変更できる。
<第5実施形態>
図1~5では、平板状の分離膜32を、その面が水平方向に沿うように配置した場合について示したが、分離膜32の面は、図6に示すように傾斜していてもよい。すなわち燃料タンク21の水平面に対して分離膜32の面のなす角が、30°以上であってもよい。分離膜32の面が燃料タンク21の水平面に対して30°以上の角度をなしていることで、第1室21a内の原燃料が少量であっても、分離膜32が第1室21a内に残った少量の原燃料と接触することができ、原燃料から低分子量成分を分離することができる。燃料タンク21の水平面に対して分離膜32の面のなす角が、60°以下であってもよい。分離膜32の面が燃料タンク21の水平面に対して60°以下の角度をなしていることで、原燃料に接する分離膜32の面積を十分確保することができる。
分離膜32の面を傾斜させる場合、一方向に傾斜させるのではなく、第1室21aの側壁面近傍における分離膜32の位置に対し、第1ポンプの燃料取入口近傍における分離膜32の位置が下側となるように傾斜していてもよい。換言すれば、分離膜32の面は、すり鉢状または凹面の曲面状の形状を有し、その底部が第1吐出口22aの燃料取入口付近に位置するように配置してもよい。なお、図6に示す燃料タンク21の下部の左右に示す第2室21bは、それぞれ個別の室ではなく、つながっている。
<第6実施形態>
図7、図8に示す第6実施形態では、隔壁31が平板状ではなく、凹部および/または凸部を有している。図8は、第6実施形態の隔壁31の斜視図である。図8に示す隔壁31は、額縁状の枠を組合せたフレーム33に平板状の分離膜32を10個配置し、凹凸形状としたものである。隔壁31を、このように凹部および/または凸部を有する形状とすることで、限られた容積でも分離膜32の表面積を増大させることができ、良好な分離性能を得ることができる。また、第1室内の原燃料が少量であっても、分離膜32が隔壁31の凹部に残った少量の原燃料と接触することができ、燃料を分離することができる。第6実施形態においても、燃料タンク21の水平面に対して分離膜32の面のなす角を30°以上60°以下とすることで、分離膜32の表面積を効率よく増大させることができる。
<第7実施形態>
図9に示す第7実施形態では、隔壁31が、隔壁本体33と筒状部とを備えている。隔壁本体33は貫通孔を有している。筒状部は2つの端部を有する筒状の分離膜32である。分離膜32の一方の端部は開口した開口部34であり、もう一方の端部は封止された封止部35である。分離膜32の開口部34は貫通孔に接続されている。
図9では、第1室21aの下部の側面に隔壁31を設け、その外側に第2室21bが配置されている。筒状の分離膜32は隔壁本体33から第1室21aに水平方向に沿ってのび、分離膜32と封止部35とが第1室21a内に配置されている。筒状の分離膜32の内側は開口部34で第2室21bにつながっている。図9では、筒状の分離膜32の外表面に接した原燃料から、低分子量成分が分離膜32の内側に透過し、開口部34を通って第2室21b内に導入される。隔壁本体33には、1つの筒状の分離膜32が接続されていてもよいし、2つ以上の筒状の分離膜32が接続されていてもよい。
第7実施形態の筒状の分離膜32は平板状の場合より高い強度を有する。そのため、分離膜32の耐久性が向上し、たとえば分離性能を高めるために原燃料を加圧することができる。
図10~12は第7実施形態の変更例である。図10では、図9と異なり、第1室21aの下部底面の一部に隔壁本体33を設け、その下側に第2室21bが配置されている。図10では、筒状の分離膜32は隔壁本体33から第1室21aに鉛直方向に沿ってのび、分離膜32と封止部35とが第1室21a内に配置されている。筒状の分離膜32の内側は開口部34で第2室21bにつながっている。筒状の分離膜32が鉛直方向に沿ってのびていると、落下などによる鉛直方向の衝撃に対する耐久性が高くなる。図10でも、筒状の分離膜32の外表面に接した原燃料から、低分子量成分が分離膜32の内側に透過し、開口部34を通って第2室21b内に導入される。
図11では、図10と異なり、筒状の分離膜32は隔壁本体33から第2室21bに鉛直方向に沿ってのび、分離膜32と封止部35とが第2室21b内に配置されている。筒状の分離膜32の内側は開口部34で第1室21aにつながっている。図11では、図9、10とは異なり、開口部34を通って分離膜32の内表面に接した原燃料から、低分子量成分が分離膜32の外側に透過し第2室21b内に導入される。
図12では、第2室21bが第1室21aの直方体状の一部を切り欠いて燃料タンク21の下部側面からはめ込まれている。分離膜32は水平方向に沿う隔壁本体33から第2室21bに鉛直方向に沿ってのび、分離膜32と封止部35とが第2室21b内に配置されている。筒状の分離膜32の内側は開口部34で第1室21aにつながっている。図12でも、開口部34を通って分離膜32の内表面に接した原燃料から、低分子量成分が分離膜32の外側に透過し第2室21b内に導入される。
第7実施形態の筒状の分離膜32は、封止部35を有さなくてもよい。たとえば、筒状の分離膜32の両端が開口部34であり、両方の開口部34が隔壁本体33の貫通孔にそれぞれ接続されていてもよい。筒状の分離膜32は直線状でもよいし、屈曲していてもよい。
<第8実施形態>
分離膜付き燃料タンクは、第1室21a内に原燃料を加圧する加圧部材を備えていてもよい。図13に示す第8実施形態は、第1室21a内に加圧部材として加圧板41およびばね42を備えている。加圧板41は、第1室21aの内部を2つの空間に仕切っている。加圧板41で仕切られた空間の一方には、少なくとも導入口27、第1吐出口22aの燃料取入口、隔壁31および分離膜32が配置され、原燃料が導入される。もう一方の空間には、ばね42が配置されている。加圧板41は原燃料の液面を覆っており、第1室21a内の原燃料の量により第1室21a内を移動可能である。第8実施形態では、加圧板41およびばね42により原燃料が加圧され、分離膜32の分離効率を高めることができる。図13では、水平な平板状の加圧板41により鉛直方向に加圧する例を示したが、加圧板41の形状、加圧方向は特に限定されない。
加圧板41の材料は、原燃料に含まれる成分を透過せず、原燃料により腐食されにくい材料であれば特に限定されない。このような材料としては、たとえば、亜鉛めっき鋼板、亜鉛-錫めっき鋼板、アルミめっき鋼板等のめっき鋼板、およびSUS304等のステンレス等が挙げられる。また、加圧板41の少なくとも第1室21aの壁面に接する部位は、壁面の形状に応じて変形可能な弾性を有する材料であってもよい。弾性を有する材料としては、たとえばニトリルゴム、フッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、テトラフルオロエチレン-パーフルオロビニルエーテル系ゴム等が挙げられる。
ばね42は、たとえばコイルばね、板ばね、渦巻きばね、竹の子ばねなどを用いることができ、種類は特に限定されない。また、ばね42の材料としては、たとえばSUS302、SUS304、およびSUS316等のステンレス等が挙げられるが、特に限定されない。
また、加圧部材として加圧板41およびばね42に替えて、ニトリルゴム等の材質で形成された伸縮可能なバッグに気体を導入して用いてもよい。導入する気体の圧力を制御する事により原燃料を加圧する事ができる。
以上、本実施形態の分離膜付き燃料タンクについて具体例を挙げて説明したが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、第1室21aの形状を略直方体状として説明したが、これに限定するものではなく、たとえば略円柱状、鞍型状など、種々の形状に適用できる。
下記のような分離膜32を実際に作成し、図9に示す第7実施形態に準ずる燃料分離試験を行った。
中間層の原料であるアルミナ粉末(平均粒径0.2μm)とポリビニルアルコール(PVA)とを水に分散させてスラリーを作製した。作製したスラリー中に、アルミナ多孔質管(外径12mm、内径9mm、長さ200mm、平均細孔径1μm)の一方の開口部を封止して浸漬した後、引き上げることで、アルミナ多孔質管の外表面にアルミナ粉末からなる中間層となる被膜を形成し、乾燥してアルミナ多孔質基体を作製した。
フェノール樹脂粉末をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して、炭素膜前駆体溶液を作製した。この炭素膜前駆体溶液に、アルミナ多孔質基体を浸漬し、一定速度で引き上げて、外表面にフェノール樹脂の被膜を形成した。得られたフェノール樹脂の被膜をアルミナ多孔質基体とともに乾燥した後、窒素雰囲気下で熱処理を行い、炭素膜付き多孔質セラミック(分離膜)を作製した。熱処理条件は最高温度を550℃~850℃とし、最高温度での保持時間を10分~120分とした。炭素膜の厚みは炭素膜前駆体溶液から引き上げる速度を調整することにより、0.2μm~0.7μmに制御した。
作製した分離膜32を用いて、ガソリンの透過分離試験を行った。原燃料としては、市販レギュラーガソリン(出光石油製)を用いた。
10Lの容器を第1室21aとし、その下部に貫通孔を形成した。分離膜32を封止部35から貫通孔を通して第1室21a内に挿入して、分離膜32の開口部34と容器の貫通孔とをシール材を用いて固定した。第2室21bとして1Lの容器を用い、分離膜32の開口部34と1Lの容器とをチューブで接続した。第2室21bを第1室21aの貫通孔より下に配置し、第1室21aに10Lのガソリンを注入して、20℃で24時間静置した。静置後、第2室21b内に、分離膜32を透過した成分が得られた。
静置後に、ガスクロマトグラフQP2010Plus(島津製作所製)を用いて第2室21b内の成分を測定した結果、透過成分の80%以上が低分子量成分、すなわちメチルヘキセン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルヘプタンおよびトルエンにより構成されており、ガソリンから低分子量成分を分離することができた。
21:燃料タンク(ガソリンタンク)
21a:第1室
21b:第2室
22:サクションパイプ
22a:第1吐出口
22b:第2吐出口
23:燃料ポンプユニット
23a:第1ポンプ
23b:第2ポンプ
26:ドレーン
27:燃料導入パイプ
31:隔壁
32:分離膜
33:フレーム、隔壁本体
34:筒状の分離膜の開口部
35:筒状の分離膜の封止部
41:加圧板
42:ばね

Claims (6)

  1. 高分子量成分および低分子量成分を含む車両用の原燃料を導入する導入口と、第1吐出口とを有する第1室、
    該第1室の下部に配置され、第2吐出口を有する第2室、
    前記第1室と前記第2室とを区画する隔壁、
    および該隔壁に配置され、前記原燃料から前記低分子量成分を分離して前記第2室に導入する少なくとも1つの分離膜を備え、
    前記分離膜は、
    アルミナセラミック多孔質体から成る支持体と、
    前記支持体の表面に設けられ、前記支持体の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有する厚さ5μm~10μmのアルミナ中間層と、
    前記アルミナ中間層の表面に設けられた厚さ0.2μm~2μmのガラス状炭素膜と、を含む分離膜付き燃料タンク。
  2. 前記分離膜の加熱手段を有する、請求項1に記載の分離膜付き燃料タンク。
  3. 前記隔壁が、平板状の前記分離膜を保持する複数のフレームを凹凸形状としたものであり、前記分離膜の面が、水平面に対して30°以上の角度をなしている、請求項1または2に記載の分離膜付き燃料タンク。
  4. 前記隔壁は、隔壁本体と筒状部とを備え、
    前記隔壁本体は、貫通孔を有し、
    前記筒状部は、少なくとも一方の端部に開口部を有する分離膜であるとともに、前記開口部が前記貫通孔に接続されている、請求項1または2に記載の分離膜付き燃料タンク。
  5. 前記隔壁が、2つ以上の前記分離膜を備える、請求項1~のいずれかに記載の分離膜付き燃料タンク。
  6. 前記第1室に、該第1室内の原燃料を加圧する加圧部材を備える、請求項1~のいずれかに記載の分離膜付き燃料タンク。
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