JP7256996B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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Description

本開示は、車両の前部構造に関する。
特許文献1には、自動車のステアリング支持構造が記載されている。ステアリング支持フレームは、中空パイプから構成されて、車幅方向に延び、その中間部より運転席側にブラケットが固設されて、このブラケットにステアリングシャフトが取り付けられている。ステアリングコラムの下部は、ブラケットを介してダッシュパネルに固定され、またステアリングシャフトの下端部には自在継手が介設されている。
特開昭64-12970号公報
特許文献1に記載の自動車では、正面衝突時にダッシュパネルが車室側(後方)へ変形したときには、このダッシュパネルの変形に伴ってステアリングコラムの下部が後方へ押し込まれ、この結果ステアリング(ステアリングホイール)は前上方に変位するので、衝突時のステアリングホイールの後方(運転者に接近する方向)への移動が抑えられる。
しかし、ステアリングコラムの下部とステアリング支持フレーム(ステアリングメンバ)との上下方向の距離が大きい場合には、コラムステーの下部が後方へ押し込まれた際のステアリングホイールの前上方への移動が小さく、運転者の前方に十分なスペースを確保できない場合がある。
そこで、本開示は、車両衝突時に運転者の前方に十分なスペースを確保することが可能な車両の前部構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、車室の下方のフロアパネルと、前記車室の前方で前記フロアパネルの前端縁部に沿って起立するダッシュパネルとを有する車両の前部構造であって、ステアリングメンバとステアリングシャフトとステアリングコラムとコラムステーと荷重伝達部材とを備える。ステアリングメンバは、ダッシュパネルの後方に配置されて車幅方向に延び、車幅方向両側が車体側に支持される。ステアリングシャフトは、ステアリングメンバよりも後方且つ上方に配置されるシャフト上端部を有し、シャフト上端部からステアリングメンバよりも下方へ延びる。ステアリングコラムは、ステアリングシャフトを回転可能に支持する。コラムステーは、ステアリングメンバに支持される上側被支持部と、上側被支持部よりも下方に配置されてフロアパネルまたはダッシュパネルに支持される下側被支持部と、上側被支持部と下側被支持部との間で上下方向に延びるステー本体部と、ステアリングコラムを支持するステアリングコラム支持部とを有する。荷重伝達部材は、コラムステーのステアリングコラム支持部よりも下方且つステー本体部の前方に配置される荷重伝達部を有し、ダッシュパネルとステー本体部との間で前後方向に延びてダッシュパネル及びステー本体部の少なくとも一方に支持され、ダッシュパネルに対して前方から荷重が入力した際にダッシュパネルとステー本体部との間で突っ張って、ダッシュパネルからの荷重を荷重伝達部からステー本体部へ伝達可能である。
上記構成では、荷重伝達部材は、ダッシュパネルとコラムステーのステー本体部との間で前後方向に延び、ダッシュパネルに対して前方から荷重が入力した際にダッシュパネルとステー本体部との間で突っ張って、ダッシュパネルからの荷重を荷重伝達部から後方のステー本体部へ伝達可能である。ダッシュパネルからの荷重が荷重伝達部材を介してコラムステーのステー本体部へ伝達され、コラムステーが、上側被支持部側(ステアリングメンバ側)を軸として後方へ傾動すると、ステアリングコラムを介してステアリングシャフトも傾動し、ステアリングシャフトのシャフト上端部が前方へ傾動する。
荷重伝達部材の荷重伝達部は、コラムステーの上側被支持部と下側被支持部との間で上下方向に延びるステー本体部の前方に配置される。すなわち、荷重伝達部材の荷重伝達部は、コラムステーの下側被支持部よりも上方に配置されるので、車両の前面衝突時等にダッシュパネルが後方へ変形すると、荷重伝達部材の荷重伝達部は、コラムステーのうち下側被支持部よりも上方のステー本体部の所定の箇所を後方へ押圧する。荷重伝達部材の荷重伝達部が押圧するステー本体部の上記所定の箇所からコラムステーの上側被支持部までの距離は、コラムステーの下側被支持部から上側被支持部までの距離より短いので、ステー本体部の上記所定の箇所を後方へ所定の距離だけ移動させた際のステアリングシャフトの傾動角度は、コラムステーの下側被支持部を後方へ上記所定の距離だけ移動させた際のステアリングシャフトの傾動角度よりも大きくなる。このため、ステアリングシャフトのシャフト上端部を前方へ大きく傾動させることができるので、ステアリングホイールをシャフト上端部に取り付けた車両では、車両衝突時にステアリングホイールを前方へ大きく変位させることができ、運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の車両の前部構造であって、コラムステーのステー本体部は、前方からの荷重によって後方へ曲折変形し易い易変形部を有する。ステー本体部の易変形部は、ステアリングコラム支持部よりも下方に配置される。
上記構成では、ステー本体部のうちステアリングコラム支持部よりも下方には、前方からの荷重によって後方へ曲折変形し易い易変形部が設けられる。このため、車両の衝突時にダッシュパネルから荷重伝達部材を介してステー本体部に荷重が入力した際に、ステー本体部を容易に易変形部で曲折変形させて、ステー本体部のうち易変形部よりも上方の領域を後方へ大きく傾動させることができる。従って、ステアリングシャフトのシャフト上端部を前方へ大きく傾動させることができるので、ステアリングホイールをシャフト上端部に取り付けた車両では、車両衝突時にステアリングホイールを前方へ大きく変位させることができ、運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
また、車両衝突時にコラムステーのステー本体部を易変形部で変形させることができるので、ステー本体部の変形によって車両衝突時の衝撃を吸収することができる。
本発明の第3の態様は、上記第2の態様の車両の前部構造であって、ステー本体部は、上方の上部領域と、上部領域の下端から曲折して上部領域の仮想延長線よりも前側へ延びる下部領域とを有する。ステー本体部の易変形部は、上部領域と下部領域との間の曲折部分である。
上記構成では、ステー本体部の易変形部は、上部領域と下部領域との間の曲折部分であるので、例えば、ステー本体部に切欠部を設けて易変形部として機能させる場合とは異なり、ステー本体部を曲折成形するだけで易変形部(曲折部分)を容易に成形することができる。
本発明の第4の態様は、上記第2の態様または上記第3の態様の車両の前部構造であって、荷重伝達部材の荷重伝達部は、ステー本体部の易変形部に連結される。
上記構成では、荷重伝達部材の荷重伝達部が、ステー本体部の易変形部に連結されるので、前方からの荷重を荷重伝達部材を介してステー本体部の易変形部へ確実に伝達することができ、ステー本体部を易変形部で変形させることができる。
本発明の第5の態様は、上記第1の態様~上記第4の態様のいずれかの車両の前部構造であって、荷重伝達部材は、荷重伝達部から前方へ略水平に延びる。
上記構成では、荷重伝達部材が荷重伝達部から前方へ略水平に延びるので、傾斜している場合に比べてダッシュパネル側からの荷重をステー本体部へ効率的に伝達することができる。
本開示によれば、車両衝突時に運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両の前部の車室内からの斜視図である。 車両の前部構造の概略側面図である。 車両の前部構造の要部の斜視図である。 コラムステーの斜視図である。 コラムステーの側面図である。 図2に対応する車両の前部構造の概略側面図であって、車両衝突時にステアリングホイールが変位した状態を示す。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1~図3に示すように、本実施形態に係る車両の前部構造は、キャブ3を有する車両1に適用される。キャブ3は、上下方向と交叉して車室2の下方を区画するフロアパネル4と、前後方向と交叉して車室2の前方を区画するダッシュパネル5と、車幅方向と交叉して車室2の車幅方向両側を区画する左右のサイドパネル7とを有する。ダッシュパネル5は、フロアパネル4の前端縁部4aに沿って起立する。ダッシュパネル5の下端縁部5aは、フロアパネル4の前端縁部4aに接合される。左右のサイドパネル7は、フロアパネル4の車幅方向の両端縁部に沿って起立し、ダッシュパネル5及びフロアパネル4に対して接合される。車室2には、乗員(運転者を含む)が着座する着座シート9が設けられる。着座シート9は、下方のフロアパネル4に支持される。フロアパネル4の車幅方向の一側(本実施形態では、右側)の前部(着座シート9よりも前方)には、上下方向に貫通するシャフト挿通孔6(図3参照)が形成される。
車室2の前部(ダッシュパネル5の後方且つ着座シート9よりも前方)には、車幅方向に延びるステアリングメンバ11と、車両1の前輪(図示省略)を操舵するためのステアリングユニット10と、ステアリングユニット10を支持するコラムステー13と、コラムステー13の前方で前後方向に延びる荷重伝達部材14とが設けられる。
ステアリングメンバ11は、車室2の前部で車幅方向に延びるクロスメンバであって、コラムステー13を介してステアリングユニット10を支持する。ステアリングメンバ11の車幅方向両側の端部は、左右のサイドパネル7に固定され、車体側(キャブ3側)に支持される。
ステアリングユニット10は、車両1の前輪を操舵する際に運転者が操作するステアリングホイール15と、ステアリングホイール15から前下方へ延びてフロアパネル4のシャフト挿通孔6を挿通するステアリングシャフト8と、ステアリングシャフト8を回転可能に支持するステアリングコラム12とを有し、コラムステー13を介して、フロアパネル4及びステアリングメンバ11に支持される。運転者がステアリングホイール15を操作すると、ステアリングシャフト8を介して車両1の前輪が操舵される。
ステアリングシャフト8は、後上方から前下方へ向かって鉛直方向に対して傾斜した状態で、ステアリングメンバ11の後側で上下方向に延びる。本実施形態では、ステアリングシャフト8は、上下2つのユニバーサルジョイント16a,16bと、上側のユニバーサルジョイント16aよりも上方の上シャフト8aと、上下のユニバーサルジョイント16a,16b間の中間シャフト8bと、下側のユニバーサルジョイント16bよりも下方の下シャフト8cとによって構成される。ユニバーサルジョイント16a,16bは、2つのシャフトを(上シャフト8aと中間シャフト8bとを、または中間シャフト8bと下シャフト8cとを)角度を付けた状態で回転可能に連結する自在継手である。上シャフト8a及び中間シャフト8bは、車室2内(フロアパネル4よりも上方)に配置され、下シャフト8cは、フロアパネル4のシャフト挿通孔6を挿通する。ステアリングシャフト8の上端部17(本実施形態では、上シャフト8aの上端部17。以下、「シャフト上端部17」という。)は、ステアリングメンバ11よりも後方且つ上方に配置される。ステアリングシャフト8のシャフト上端部17には、ステアリングホイール15が取り付けられる。なお、本実施形態では、下シャフト8cをフロアパネル4のシャフト挿通孔6に挿通させたが、下シャフト8cをフロアパネル4よりも下方に配置し、中間シャフト8bの下部をフロアパネル4のシャフト挿通孔6に挿通させてもよい。また、ユニバーサルジョイント(本実施形態では、ユニバーサルジョイント16a,16b)の数、及び複数のシャフト(本実施形態では、シャフト8a,8b,8c)の数は、上記に限定されるものではない。
ステアリングコラム12は、ステアリングシャフト8(本実施形態では、上シャフト8a)を回転可能に支持する部材であって、ステアリングシャフト8の角度を調節可能にコラムステー13に支持される。
図3~図5に示すように、コラムステー13は、上下方向に延びるステー本体部20と、ステー本体部20の下端から車幅方向両側へ延びる左右のフランジ部(下側被支持部)18と、ステー本体部20の上端部に固定的に設けられる固定板部(上側被支持部)19と、ステー本体部20の上端部に形成されるコラム支持孔(ステアリングコラム支持部)21とを有する。コラムステー13は、ダッシュパネル5の後方且つステアリングシャフト8の前方に配置されてフロアパネル4及びステアリングメンバ11に対して固定され、ステアリングコラム12を支持する。
ステー本体部20は、前後方向と交叉する前板部20aと、前板部20aの左右の両端部から後方へ延びる左右の側板部20bとによって後方へ開放する断面U状に形成され、上下方向に長尺に延びる(図4参照)。ステー本体部20は、所定の高さ位置22(図5に一点鎖線22で示す位置)で曲折している。ステー本体部20は、上記所定の高さ位置22に位置する曲折部(易変形部)25と、曲折部25から上方へ延びる上部領域23と、曲折部25から下方へ延びる下部領域24とを有する。本実施形態では、ステー本体部20の上部領域23及び下部領域24の双方は、上下方向に対して傾斜して前下方から後上方へ向かって延びており、その間の曲折部25は、後方へ突出するように曲折している。ステー本体部20の上部領域23は、曲折部25から後上方へ直線状に延びる。ステー本体部20の下部領域24は、曲折部25から前下方へ直線状に延びる。ステー本体部20の下部領域24は、上部領域23の下端側から曲折し、上部領域23の下方への仮想延長線26(図5に二点鎖線26で示す)よりも前側へ延びる。ステー本体部20の上部領域23の上端部(ステー本体部20の上端部)は、ステアリングメンバ11の後方、且つステアリングメンバ11と略同じ高さ位置に配置される。ステー本体部20の上部領域23の上端部の左右の側板部20bには、前後方向に長孔状のコラム支持孔21が形成される。コラム支持孔21には、ステアリングコラム12に設けられた軸27(図2参照)が挿通される。ステー本体部20のコラム支持孔21は、ステアリングコラム12の軸27を前後に調節可能に支持する。これにより、ステアリングコラム12は、ステアリングシャフト8の角度を調節可能にコラムステー13に支持される。なお、ステー本体部20の曲折部25は、上部領域23と下部領域24との間で曲折している領域(図5に示す一点鎖線25aと一点鎖線25bとの間の曲折部分)である。
コラムステー13の左右のフランジ部18は、ステー本体部20の下部領域24の下端(本実施形態では、ステー本体部20の左右の側板部20bの下端)から車幅方向両側へ延び、フロアパネル4の前端部に対して固定される。左右のフランジ部18は、ステアリングメンバ11よりも前方に位置し(図2参照)、フロアパネル4のうちシャフト挿通孔6よりも前方の領域に固定される。
コラムステー13の固定板部19は、前後方向と交叉する板部であって、ステー本体部20の上端部(本実施形態では、前板部20aの上端部)の前面に固定的に設けられる。固定板部19は、ステー本体部20の前板部20aよりも車幅方向両側へ長く形成される。固定板部19は、ステアリングメンバ11の後方に位置し、ステアリングメンバ11に対して固定される。本実施形態では、固定板部19は、ステアリングメンバ11に一体的に設けられるブラケット28を介してステアリングメンバ11に固定される。ブラケット28は、ステアリングメンバ11から後方へ略水平に延びる。固定板部19は、ブラケット28の後端部に固定される。
図1~図3、及び図5に示すように、荷重伝達部材14は、ステアリングメンバ11よりも下方でダッシュパネル5とコラムステー13との間で前後方向に延びる部材であって、棒状に成形され、ダッシュパネル5及びコラムステー13に支持される。荷重伝達部材14は、側面視において前後方向に略水平に延びる。また、荷重伝達部材14は、上面視において、前後方向に対して並行に延びる。荷重伝達部材14の後端部(荷重伝達部)29は、コラムステー13のステー本体部20の上部領域23の下端部及び曲折部25の上端部を含む高さ位置に配置される。荷重伝達部材14の後端部29は、後端部29の後面がステー本体部20の前板部20aの前面に対向した状態(本実施形態では、面接触した状態)で、ステー本体部20に固定される。すなわち、荷重伝達部材14の後端部29は、コラムステー13のステー本体部20のコラム支持孔21よりも下方、且つステー本体部20の前方に配置され、ステー本体部20の曲折部25に連結される。荷重伝達部材14は、その後端部29から前方へ略水平に延びる。荷重伝達部材14の前端部30は、前端部30の前面がダッシュパネル5の後面に対向した状態(本実施形態では、面接触した状態)で、ダッシュパネル5に固定される。荷重伝達部材14の前端部30と後端部29とは、互いに略同じ高さ位置に配置される。具体的には、荷重伝達部材14の前端部30の前面と後端部29の後面とは、所定の高さ位置を互いに含むように配置される。
上記のように構成された車両1では、荷重伝達部材14の前端部30が、ダッシュパネル5の後面に固定され、荷重伝達部材14の後端部29が、コラムステー13のステー本体部20の前板部20aの前面に固定される。このため、ダッシュパネル5に対して前方から荷重が入力すると、荷重伝達部材14がダッシュパネル5とコラムステー13のステー本体部20との間で突っ張り、ダッシュパネル5からの荷重が荷重伝達部材14の後端部29からステー本体部20へ伝達される。ダッシュパネル5からの荷重が荷重伝達部材14を介してコラムステー13のステー本体部20へ伝達され、コラムステー13が固定板部19側(ステアリングメンバ11側)を軸として後方へ傾動すると、ステアリングコラム12を介してステアリングシャフト8も傾動し、ステアリングシャフト8のシャフト上端部17が前方へ傾動する(図6参照)。
荷重伝達部材14の後端部29は、コラムステー13のステー本体部20の上部領域23の下端部及び曲折部25の上端部を含む高さ位置に配置される。すなわち、荷重伝達部材14の後端部29は、コラムステー13の下端側の左右のフランジ部18よりも上方に配置される。このため、図6に示すように、車両1の前面衝突時等にダッシュパネル5が後方へ変形すると、荷重伝達部材14の後端部29は、コラムステー13のうち下端側の左右のフランジ部18よりも上方のステー本体部20の所定の箇所(荷重伝達部材14の後端部29が連結された箇所)を後方へ押圧し、ステー本体部20の上記所定の箇所を所定の距離だけ後方へ移動させる。ステー本体部20の上記所定の箇所からコラムステー13の固定板部19までの距離は、コラムステー13の左右のフランジ部18から固定板部19までの距離より短いので、ステアリングシャフト8の傾動角度(傾動させる前のステアリングシャフト8(図6に二点斜線で示すステアリングシャフト8)に対する角度)は、コラムステー13の下端(左右のフランジ部18側)を上記所定の距離だけ後方へ移動させた場合よりも、ステー本体部20の上記所定の箇所を上記所定の距離だけ後方へ移動させた場合の方が大きい。このように、本実施形態によれば、ステアリングシャフト8のシャフト上端部17を前方へ大きく傾動させることができるので、車両衝突時にステアリングホイール15を前方へ大きく変位させることができ、運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
また、コラムステー13は、その上端側の固定板部19がステアリングメンバ11に対して固定され、下端側の左右のフランジ部18がフロアパネル4に固定され、固定板部19と左右のフランジ部18との間のステー本体部20に曲折部25が設けられる。このため、コラムステー13は、ステー本体部20の所定の位置に後方への荷重が入力した際に、曲折部25で変形し易い。すなわち、ステー本体部20の曲折部25は、荷重の入力時に後方へ変形し易い易変形部として機能する。このように、コラムステー13は、ステー本体部20に後方への荷重が入力した際に曲折部25で変形し易いので、ダッシュパネル5からの荷重が荷重伝達部材14を介してステー本体部20に入力した際に、ステー本体部20を容易に曲折部25で曲折変形させて、ステー本体部20の上部領域23を後方へ大きく傾動させることができる。これにより、ステアリングシャフト8のシャフト上端部17を前方へ大きく傾動させることができるので、車両衝突時にステアリングホイール15を前方へ大きく変位させることができ、運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
また、荷重伝達部材14の後端部29が、コラムステー13のステー本体部20の曲折部25に連結されるので、前方からの荷重を荷重伝達部材14を介してステー本体部20の曲折部25に確実に伝達することができ、ステー本体部20を曲折部25で変形させることができる。
また、荷重伝達部材14は、前後方向に略水平に延びるので、傾斜している場合に比べてダッシュパネル5側からの荷重をコラムステー13のステー本体部20へ効率的に伝達することができる。
また、コラムステー13のステー本体部20に曲折部25を設け、曲折部25を易変形部として機能させるので、例えば、ステー本体部20の左右の側板部20bに前方へ切り欠かれた切欠部を設けて係る切欠部を易変形部として機能させる場合とは異なり、ステー本体部20を曲折成形するだけで易変形部(曲折部25)を容易に成形することができる。
また、荷重伝達部材14の後端部29は、コラムステー13に固定され、荷重伝達部材14の前端部30は、ダッシュパネル5に固定される。このため、荷重伝達部材14によってコラムステー13を支持して補強することができるので、車両1の走行時のステアリングコラム12の振動を防止して、ステアリングホイール15の振動を抑えることができる。
また、車両衝突時にコラムステー13のステー本体部20を曲折部25で変形させることができるので、ステー本体部20の変形によって車両衝突時の衝撃を吸収することができる。
なお、本実施形態では、荷重伝達部材14を前後方向に略水平に延ばしたが、これに限定されるものではなく、荷重伝達部材14を水平に対して傾斜した状態で前後方向に延ばしてもよい。
また、本実施形態では、荷重伝達部材14を、上面視において、前後方向に対して並行に延ばしたが、これに限定されるものではなく、荷重伝達部材14を、上面視において前後方向に対して傾斜した状態で延ばしてもよい。
また、本実施形態では、荷重伝達部材14の後端部29をコラムステー13のステー本体部20の曲折部25に連結したが、これに限定されるものではなく、荷重伝達部材14の後端部29をコラムステー13のステー本体部20の曲折部25の近傍(例えば、ステー本体部20の上部領域23の下端部または下部領域24の上端部)に連結してもよい。
また、本実施形態では、荷重伝達部材14の前端部30をダッシュパネル5に固定し、荷重伝達部材14の後端部29をコラムステー13のステー本体部20に固定したが、これに限定されるものではない。荷重伝達部材14は、ダッシュパネル5及びコラムステー13のステー本体部20の少なくとも一方に固定(支持)されていればよい。
また、本実施形態では、荷重伝達部材14の後端部29を、ダッシュパネル5側からの荷重をステー本体部20へ伝達する荷重伝達部として機能させたが、荷重伝達部は、コラムステー13のステー本体部20の前方に配置されてダッシュパネル5側からの荷重をステー本体部20へ伝達する部分であれば、荷重伝達部材14の後端部29に限定されるものではない。
また、本実施形態では、荷重伝達部材14を棒状に成形したが、荷重伝達部材14の形状はこれに限定されるものではない。
また、本実施形態では、コラムステー13のステー本体部20に曲折部25を設け、係る曲折部25を易変形部として機能させたが、これに限定されるものではない。例えば、ステー本体部20の左右の側板部20bに前方へ向かって切り欠いた切欠部を設け、係る切欠部を易変形部として機能させてもよい。
また、本実施形態では、コラムステー13のステー本体部20に、後方へ変形し易い易変形部(本実施形態では曲折部25)を設けたが、易変形部を設けなくてもよい。例えば、ステー本体部20は、コラムステー13の上端側の固定板部19とコラムステー13の下端側の左右のフランジ部18との間で直線状に延びる棒体状であってもよい。この場合であっても、荷重伝達部材14の後端部29が押圧するステー本体部20の上記所定の箇所からコラムステー13の固定板部19までの距離は、コラムステー13の下端側の左右のフランジ部18から固定板部19までの距離より短いので、ステー本体部20の上記所定の箇所を後方へ所定の距離だけ移動させた際のステアリングシャフト8の傾動角度は、コラムステー13の下端(左右のフランジ部18側)を後方へ上記所定の距離だけ移動させた際のステアリングシャフト8の傾動角度よりも大きくなる。このため、車両衝突時にステアリングホイール15を前方へ大きく変位させることができ、運転者の前方に十分なスペースを確保することができる。
また、本実施形態では、コラムステー13の上端側に固定板部19を設け、係る固定板部19をステアリングメンバ11に支持される上側被支持部として機能させたが、上側被支持部は、ステアリングメンバ11に支持されていればよく、固定板部19に限定されるものではない。
また、本実施形態では、コラムステー13の下端側に左右のフランジ部18を設け、係る左右のフランジ部18をフロアパネル4またはダッシュパネル5(本実施形態では、フロアパネル4)に支持される下側被支持部として機能させたが、下側被支持部は、フロアパネル4またはダッシュパネル5に支持されていればよく、左右のフランジ部18に限定されるものではない。また、本実施形態では、コラムステー13の下側被支持部をフロアパネル4に固定したが、ダッシュパネル5(例えば、ダッシュパネル5の下端部)に固定してもよい。
また、本実施形態では、コラムステー13のステー本体部20を断面U状に形成したが、ステー本体部20の断面形状はU状に限定されるものではない。
また、本実施形態では、コラムステー13にコラム支持孔21を設け、係るコラム支持孔21を、ステアリングコラム12を支持するステアリングコラム支持部として機能させたが、ステアリングコラム支持部はステアリングコラム12を支持可能であればよく、コラム支持孔21に限定されるものではない。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本開示に係る車両の前部構造は、トラックや乗用車等の様々な車両に広く適用することができる。
1:車両
2:車室
4:フロアパネル
4a:フロアパネルの前端縁部
5:ダッシュパネル
8:ステアリングシャフト
11:ステアリングメンバ
12:ステアリングコラム
13:コラムステー
14:荷重伝達部材
17:シャフト上端部
18:左右のフランジ部(下側被支持部)
19:固定板部(上側被支持部)
20:ステー本体部
21:コラム支持孔(ステアリングコラム支持部)
23:ステー本体部の上部領域
24:ステー本体部の下部領域
25:ステー本体部の曲折部(易変形部)
29:荷重伝達部材の後端部(荷重伝達部)

Claims (5)

  1. 車室の下方のフロアパネルと、前記車室の前方で前記フロアパネルの前端縁部に沿って起立するダッシュパネルとを有する車両の前部構造であって、
    前記ダッシュパネルの後方に配置されて車幅方向に延び、車幅方向両側が車体側に支持されるステアリングメンバと、
    前記ステアリングメンバよりも後方且つ上方に配置されるシャフト上端部を有し、前記シャフト上端部から前記ステアリングメンバよりも下方へ延びるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムと、
    前記ステアリングメンバに支持される上側被支持部と、前記上側被支持部よりも下方に配置されて前記フロアパネルまたは前記ダッシュパネルに支持される下側被支持部と、前記上側被支持部と前記下側被支持部との間で上下方向に延びるステー本体部と、前記ステアリングコラムを支持するステアリングコラム支持部とを有するコラムステーと、
    前記コラムステーの前記ステアリングコラム支持部よりも下方且つ前記ステー本体部の前方に配置される荷重伝達部を有し、前記ダッシュパネルと前記ステー本体部との間で前後方向に延びて前記ダッシュパネル及び前記ステー本体部の少なくとも一方に支持され、前記ダッシュパネルに対して前方から荷重が入力した際に前記ダッシュパネルと前記ステー本体部との間で突っ張って、前記ダッシュパネルからの荷重を前記荷重伝達部から前記ステー本体部へ伝達可能な荷重伝達部材と、を備えた
    ことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両の前部構造であって、
    前記コラムステーの前記ステー本体部は、前方からの荷重によって後方へ曲折変形し易い易変形部を有し、
    前記ステー本体部の前記易変形部は、前記ステアリングコラム支持部よりも下方に配置される
    ことを特徴とする車両の前部構造。
  3. 請求項2に記載の車両の前部構造であって、
    前記ステー本体部は、上方の上部領域と、前記上部領域の下端から曲折して前記上部領域の仮想延長線よりも前側へ延びる下部領域とを有し、
    前記ステー本体部の前記易変形部は、前記上部領域と前記下部領域との間の曲折部分である
    ことを特徴とする車両の前部構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両の前部構造であって、
    前記荷重伝達部材の前記荷重伝達部は、前記ステー本体部の前記易変形部に連結される
    ことを特徴とする車両の前部構造。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の車両の前部構造であって、
    前記荷重伝達部材は、前記荷重伝達部から前方へ略水平に延びる
    ことを特徴とする車両の前部構造。
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