JP7256326B1 - GaAsウエハ、GaAsウエハ群及びGaAsインゴットの製造方法 - Google Patents

GaAsウエハ、GaAsウエハ群及びGaAsインゴットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいGaAsウエハを提供する。【解決手段】1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であることを特徴とする、GaAsウエハである。【選択図】図3

Description

本発明は、GaAsウエハ、GaAsウエハ群及びGaAsインゴットの製造方法の製造方法に関する。
GaAs単結晶ウエハ(以下、GaAsウエハともいう。)を得るためのGaAs結晶(インゴット)の製造方法として、引き上げ(LEC)法、横型ボート(HB)法、縦型温度傾斜(VGF)法及び縦型ブリッジマン(VB)法が知られている。単結晶の種結晶を起点とし、これらの製造方法により結晶成長させた単結晶の直胴部を有する塊がインゴットであり、そのインゴットの直胴部からウエハが切り出される。同一のGaAsインゴットからは、複数のGaAsウエハが得られ、これら複数のウエハはウエハ群ともいわれる。
中でも、縦型温度傾斜(VGF)法及び縦型ブリッジマン(VB)法は低転位密度化が可能な方法として知られている。
例えば、特許文献1には、VGF法又はVB法を利用して作成されたn型ヒ化ガリウム基板であって、100cm-2未満の平均転位密度と、5×1016cm-3以上で5×1017cm-3未満のシリコン濃度を有するn型ヒ化ガリウム基板が開示されている。
また、特許文献2には、VGF法又はVB法を利用して作成されたn型GaAsインゴットが開示されている。このn型GaAsインゴットは、キャリア濃度が1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下の電荷キャリア濃度と、5×1017cm-3以上のボロン濃度と、を有し、結晶軸に垂直な断面におけるエッチピット密度が、1500個/cm以下であって、近赤外線域での非常に低い光吸収係数を実現しようとするものである。
特開2011-148693号公報 特開2015-78122号公報
近年、半導体レーザーの中でも、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザー)をはじめとる面発光レーザーの活用が活発に進められ、光通信、光センシング等に応用されている。これらの用途では、素子基板としてシリコンドープ型のGaAsウエハが用いられ、GaAsウエハには、キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることが求められる。
加えて、GaAsウエハの転移密度は、これらの用途においては特性に大きな影響を及ぼすため、影響を排除するため、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域が大きいことが望ましい。
本発明では、キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいGaAsウエハ及びGaAsウエハ群の提供を目的とし、さらにこのGaAsウエハ及びGaAsウエハ群を得ることのできるGaAsインゴットの製造方法の提供を目的とする。
本発明者等は、上述の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、GaAsインゴットの製造における結晶成長方向のシリコン濃度に着目し、以下に述べる本発明を完成させた。
本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、
3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、
2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、
キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、
ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であり、
ここで、前記ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面からウエハ面の外周から中心に向かって3mm幅の円環状の部分を除いた領域を1mm角のエリアに分割し、各エリアの全範囲を顕微鏡で観察してエッチピットをカウントした場合に、全エリア数に占めるエッチピットのカウント数が0のエリア数の割合で示されることを特徴とする、GaAsウエハ。
(2)平均転位密度が250個/cm以下であり、
ここで、前記平均転位密度は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面に対して等間隔に69点又は37点に直径3mmのエリアを設定して、各エリアを視野直径1.73mmとなる顕微鏡で観察して、最もエッチピットが多く観察される視野を探してエッチピットをカウントし、カウント数を単位面積当たり(個/cm)に換算した換算値を求め、各エリアの換算値を平均した値で示される、(1)のGaAsウエハ。
(3)ウエハのサイズが3インチ以上である、(1)又は(2)のGaAsウエハ。
(4)同一のGaAsインゴットの直胴部から得られる複数のGaAsウエハにより構成されるGaAsウエハ群であって、
前記複数のGaAsウエハのそれぞれが、
1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、
3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、
2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、
キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、
ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であり、
ここで、前記ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面からウエハ面の外周から中心に向かって3mm幅の円環状の部分を除いた領域を1mm角のエリアに分割し、各エリアの全範囲を顕微鏡で観察してエッチピットをカウントした場合に、全エリア数に占めるエッチピットのカウント数が0のエリア数の割合で示されることを特徴とする、GaAsウエハ群。
(5)前記複数のGaAsウエハのそれぞれが250個/cm以下の平均転位密度を有し、
ここで、前記平均転位密度は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面に対して等間隔に69点又は37点に直径3mmのエリアを設定して、各エリアを視野直径1.73mmとなる顕微鏡で観察して、最もエッチピットが多く観察される視野を探してエッチピットをカウントし、カウント数を単位面積当たり(個/cm)に換算した換算値を求め、各エリアの換算値を平均した値で示される、(4)のGaAsウエハ群。
(6)前記複数のGaAsウエハが、前記GaAsインゴットの直胴部の中央部から得られ、2.0×1017cm-3未満のキャリア濃度を有するウエハを含む、(5)のGaAsウエハ群。
(7)前記複数のウエハが、前記同一のGaAsインゴットの直胴部から得られるウエハの全枚数の半数以上である、(4)~(6)のいずれかのGaAsウエハ群。
(8)前記複数のウエハが、前記同一のGaAsインゴットの直胴部のシード側からテイル側までの間から得られるウエハの全枚数である、(7)のGaAsウエハ群。
(9)縦型温度傾斜法又は縦型ブリッジマン法により、ドーパントとしてシリコン及びインジウムを使用し、封止剤として酸化ホウ素を使用するGaAsインゴットの製造方法において、
前記GaAsインゴットの直胴部のシード側におけるシリコン濃度よりも直胴部の中央部におけるシリコン濃度が低くなるように前記酸化ホウ素を撹拌して、結晶成長させることを特徴とする、GaAsインゴットの製造方法。
(10)炉内にチャージするGaAsの量に対して、チャージする前記シリコンの量が110wtppm以上150wtppm以下であり、チャージする前記インジウムの量が1000wtppm以上5000wtppm以下である、(9)のGaAsインゴットの製造方法。
(11)前記チャージするシリコンの量が120wtppm以上140wtppm以下であり、前記酸化ホウ素が2モル%以下のシリコンを含有する、(9)又は(10)のGaAsインゴットの製造方法。
(12)前記撹拌の撹拌速度を前記直胴部のシード側からテイル側に向けて増加させ、前記撹拌速度の最大値を6rpm以上とする、(9)~(11)のいずれかのGaAsインゴットの製造方法。
(13)前記直胴部のシード側におけるシリコン濃度が7.0×1017cm-3以上であり、前記直胴部の中央部におけるシリコン濃度が6.0×1017cm-3以下である、(9)~(12)のいずれかのGaAsインゴットの製造方法。
(14)前記GaAsインゴットの直胴部のシード側のキャリア濃度が直胴部のテイル側のキャリア濃度よりも大きい、(9)~(13)のいずれかのGaAsインゴットの製造方法。
(15)前記GaAsインゴットの直胴部の中央部が2.0×1017cm-3未満のキャリア濃度である部分を有する、(9)~(14)のいずれかのGaAsインゴットの製造方法。
本発明によれば、キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいGaAsウエハ及びGaAsウエハ群が提供される。さらにこのGaAsウエハ及びGaAsウエハ群を得ることのできるGaAsインゴットの製造方法の提供がされる。
本発明のGaAsインゴットの模式図である。 平均転位密度の測定のため、6インチウエハに69点のエリアを設定した模式図である。 本発明のGaAsインゴットの製造に用いられる製造装置の断面模式図である。 本発明のGaAsインゴットの製造に用いられるルツボ3の断面模式図であり、結晶成長開始前の原料等を充填した状態に対応する。
実施形態の説明に先立ち、本発明を説明するための部位名及び物性測定方法を説明する。
<GaAsインゴット>
(GaAsインゴットのシード側、中央部及びテイル側)
本発明に従うGaAsウエハ及びGaAsウエハ群は、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法により得られるGaAsインゴットを切り出すことにより得ることができる。図1は、本発明の製造方法に従い得られるGaAsインゴットの模式図である。GaAsインゴットは種結晶6から増径する領域19(コーン部ともいう)を介して直径が略同一の直胴部18を有する。コーン部から直胴部に変わる位置15から直胴部が終わる位置17までの長さを100%として、前者の位置15を0%、後者の位置17を100%とした場合、1~5%の範囲を直胴部のシード側(以下、単にシード側ともいう)、40~60%の範囲を直胴部の中央部(以下、単に中央部ともいう)、80~92%の範囲を直胴部のテイル側(以下、単にテイル側ともいう)という。図1に、位置15と位置17の中間(50%)の位置16を示す。コーン部から直胴部に変わる位置15から直胴部が終わる位置17までの長さを100%として、各ウエハの位置が直胴部のシード側から何パーセントの位置かを示したものを、「直胴シードからの位置」とも記載する。
本発明に従うGaAsウエハ及びGaAsウエハ群のシリコン(Si)濃度、インジウム(In)濃度、ボロン(B)濃度、キャリア濃度、平均転位密度、最大転位密度、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合及び940nmの波長における吸収係数の各測定値は、GaAsインゴットの直胴部18から得られるウエハに対する測定を行うことで得ることができる。
本発明におけるウエハのサイズは、SEMI規格にて定められるウエハサイズである。ウエハのサイズは、GaAsインゴットの直胴部18の径により、適宜選択することができ、例えば2インチ(直径50mm±0.1mm)以上とすることができ、3インチ(直径76mm±0.1mm)以上が好ましい。面発光レーザー用途に好適である点から、6インチ(直径150mm±0.1mm)以上が好ましい。ウエハサイズの上限は特に限定されず、例えば8インチ(直径200mm±0.1mm)以下とすることができる。
GaAsインゴットのシード側、中央部、テイル側の評価は、それぞれの範囲から切り出したウエハで評価することができる。
測定においては、ウエハの上下2つの面のいずれも測定に使用することができる。
次に、キャリア濃度、平均転位密度、最大転位密度、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合、吸収係数並びにSi濃度、In濃度及びB濃度の各種測定値の測定方法について説明する。
(キャリア濃度の測定方法)
キャリア濃度は、抜き取ったウエハからウエハ中心部の10mm×10mmのサイズを割り取り、インジウム電極を四隅に付けて330~360℃に加熱した後、Van der Pauw法によるホール測定により測定した値とする。
(平均転位密度の測定方法)
平均転位密度は、エッチピット密度(EPD:Etch Pit Density)の測定によるものであり、抜き取ったウエハの表面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させ、この数を計測することにより行う。エッチピットは、閃亜鉛鉱型結晶特有の六角形にみえる形状からなり長径(中心を通る対角線の長さ)が20μm以上のものを計測対象とする。
エッチピット密度の計測は、ウエハ上の69点又は37点に直径3mmのエリアを設定し、各エリアを顕微鏡で観察して発生させたエッチピットをカウントすることにより行う。
69点又は37点のエリアはウエハ全面にまんべんなく分布させることとする。
6インチウエハの場合は、69点のエリアを15mm間隔で均しく分散させた位置に設定し、3インチウエハの場合は、37点のエリアを10mm間隔で均しく分散させた位置に設定する。
69点のエリアを等しく分散させた位置に設定する場合、各エリアは、2インチウエハの場合は5mm間隔、4インチウエハは10mm間隔、8インチウエハの場合は20mm間隔になる。
図2に、6インチウエハに69点のエリアを設定した模式図を示す。
各エリアの観察には、視野直径1.73mmとなる10倍対物レンズを使用する。全エリアについて、それぞれのエリアの中で最もピットが多く観察される視野を探してエッチピットをカウントし、エッチピットのカウント数を単位面積当たり(個/cm)に換算する。各エリアのエッチピットのカウント数の換算値を平均した値を平均転位密度とする。エッチピットは、閃亜鉛鉱型結晶特有の六角形にみえる形状からなり長径(中心を通る対角線の長さ)が20μm以上のものを計測対象とする。
(ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合及び最大転位密度の測定方法)
ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、上記と同様にしてエッチピットを発生させ、このエッチピットの分布を測定することにより求める。
エッチピットの分布は、ウエハ全面から、ウエハ面の外周から中心に向かって3mm幅の円環状の部分を除いた領域を1mm角のエリアに分割し、10倍対物レンズを使用した顕微鏡で観察し、各エリア中のエッチピットをカウントする。3mm幅の円環状の部分を除いた領域の外周線と1mm角のエリアとが重なる(外周線が1mm角を横断する)位置においては、1mm角のうち外周線内の測定領域に入る面積が大きい場合は当該1mm角の全エリアを測定し、1mm角のうち外周線内の測定領域に入る面積が小さい場合は当該1mm角の全エリアを測定しないものとして、外周線で囲まれる面積に対する1mm角で囲まれる面積が、誤差±2%以内(好ましくは誤差±1.5%以内)となるようにする。例えば、本実施形態において、ウエハ全面での測定する1mm角のエリアの有効数は、3インチウエハ(直径76mm)で3881、4インチウエハ(直径100mm)で6849、6インチウエハ(直径150mm)で16529とすることができる。10倍対物レンズを備えたカメラで各エリアを撮影し、エリア中のエッチピットをカウントしてもよい。全エリア数に占める、エッチピットの数が0のエリア数の割合を、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合とする。
また、各エリアのエッチピットのカウント数のうち、最も大きいカウント数を最大転位密度(個/mm)とする。
(吸収係数の測定方法)
吸収係数を測定する際には、抜き取ったウエハの裏面及び表面の両方を鏡面加工によりダメージフリーの状態とする。この際、ワイヤーソーによりスライシングされたウエハであれば両面合わせて70μm以上研磨し鏡面加工するのが望ましい。吸収係数は、このように鏡面加工が施され、加工後の厚みを計測したGaAsウエハの中央付近から20mm×20mmサイズで切り出したサンプルを使って分光光度計(株)日立ハイテクサイエンス製UH5700)により透過率測定を実施した値とする。測定条件は以下のとおりである。
ベースライン設定:エア校正
開始波長:1300nm
終了波長:850nm
サンプリング間隔:1nm
測定回数:1回
スキャンスピード:60nm/min
スリット幅:2nm
分光光度計で測定した透過率から両面反射モデルを用いて下記式[1]、[2]に従い吸収係数αを求めた。なお、各波長に対する屈折率の算出には”Refractive Index of GaAs_Journal of Applied Physics 1964”に記載の文献値を採用した。
Figure 0007256326000002
Figure 0007256326000003
ただし、Iは入射前の光強度であり、Iはウエハ透過後の光強度であり、Tは透過率であり、Rは反射率であり、αは吸収係数であり、dはウエハ厚さであり、nはウエハ屈折率である。
(Si濃度、In濃度、B濃度の測定方法)
Si濃度、In濃度及びB濃度は、抜き取ったウエハの表面をエッチング液(NHOH:H:HO=1:1:10(体積比))により5μmの深さまでエッチングし、純水洗浄後に乾燥したウエハを二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により分析した値とする。
具体的には、SiとBについては、セシウムイオンによるSIMS分析により、イオンエネルギー14.5keVの設定で表面から0.5~1μmの深さまで測定する。Inについては、酸素イオンによるSIMS分析により、イオンエネルギー5.5keVの設定で表面から3μmの深さまで測定する。
<GaAsインゴットの製造方法>
次に、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法を説明する。本製造方法では、縦型温度傾斜(VGF)法又は縦型ブリッジマン(VB)法により、ドーパントとしてシリコン(Si)及びインジウム(In)を使用し、封止剤として酸化ホウ素(B)を使用し、GaAsインゴットのシード側におけるシリコン濃度よりも中央部におけるシリコン濃度が低くなるように、酸化ホウ素(B)を撹拌して結晶成長させる。
本発明に従うGaAsインゴットの製造方法では、ドーパントとしてSiの他にInをさらに添加して、得られるGaAsインゴットの低転位密度化を図る。
縦型温度傾斜(VGF)法又は縦型ブリッジマン(VB)法によるGaAsインゴットの製造においては、種結晶側の端部から、その反対側の端部に向けて、固液界面が移動して結晶成長が進行する。コーン部を過ぎると、通常、偏析現象(GaAs中へのSiの偏析係数(0.14))により、SiのGaAs融液への濃縮が生じ、Si濃度はテイル側に向けて上昇する。この結晶成長に伴うSi濃度の上昇を抑制し、GaAsインゴットのシード側におけるSi濃度よりも、中央部のSi濃度を低くすることが、転位密度ゼロの領域の面積の割合を大きくするために有利であり、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法では、Si濃度を以下のようにして制御する。
GaAsインゴットの製造において、SiはGaAs融液中に溶解しているが、Bとの界面では、以下の反応が生ずる。
3Si(融液中)+2B ←→ 3SiO(B中へ)+4B(融液中)
本発明に従うGaAsインゴットの製造方法では、結晶成長中にBを撹拌することによって、融液との界面に、Siの含有量が小さいBを供給し、Bと融液中のSiの反応を促進させ、上記反応を右に進行させてSi濃度の上昇を抑制する。その際に、GaAsインゴットのシード側におけるSi濃度よりも、中央部のSi濃度を低くなるように撹拌を行う。Inをドーパントとして使用しGaAs融液中にInが存在する状態で、予め融液にSiを多く含ませておいた状態でシードからのコーン部の結晶成長を行い、直胴部の結晶成長からはSiが偏析してSi濃度が上昇しないように融液中のSiを効率良く大量にB内に取り込ませることで、キャリア濃度が抑制され、低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいウエハを得ることができる。なお、融液中のSiをB内に多く取り込ませることで、融液中にBが多く供給される。
これにより、Inをドーパントとして添加する効果と相俟って、転位密度ゼロ領域の面積の割合が大きく、キャリア濃度の低いウエハをより多く得ることができるGaAsインゴットを製造することができる。
また、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法では、ドーパントとして添加されるシリコンの活性化率を低下させることができ、キャリア濃度、ひいては吸収係数も制御することができる。
以下、図3及び図4を参照して本製造方法をより詳細に説明する。
(製造装置と温度制御)
図3は、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法で使用するための製造装置の一例について、断面図を模式的に示したものである。
図3に示す製造装置は、外部より真空排気及び雰囲気ガス充填が可能な気密容器7と、気密容器7内の中央に配置されたルツボ3と、ルツボ3を収容保持するルツボ収納容器(サセプタ)2と、ルツボ収納容器(サセプタ)2を昇降及び/又は回転させる機構14(昇降・回転ロッドのみ図示する)と、気密容器7内においてルツボ収納容器(サセプタ)2を取り囲むように装備されたヒーター1を備えている。
ルツボ3上部には、回転及び上下移動可能な撹拌翼20を取り付けた上部ロッド21が配置されている。撹拌翼20と上部ロッド21は撹拌手段を形成するが、撹拌翼20は上部ロッド21から取り外し可能であり、上部ロッド21には封止剤収納容器や、他の部材を取り付けることができる。
ルツボ3は、熱分解窒化ホウ素(PBN:Pyrolytic Boron Nitride)よりなるものを用いることができる。図3では、ルツボ3には、種結晶6、化合物半導体原料5、封止剤(B)4が充填され、気密容器7内は一例として不活性ガス8が充填された状態となっている。
図4は、本発明に従うGaAsインゴットの製造方法で使用するためのルツボの一例について、断面図を模式的に示したものであり、結晶成長開始前の原料等を充填した状態に対応する。図4に示すルツボ3の中には、種結晶6とGaAs多結晶原料9と、ドーパント(シリコン)10、ドーパント(インジウム)11、封止剤(B)4が充填される。図4では、GaAs多結晶原料9は、GaAs多結晶の破砕物(9A)、円筒状のGaAs多結晶の容器(9B)、円板状のGaAs多結晶(9C)として配置されているが、このような態様に限定されず、例えばGaAs多結晶の破砕物のみを充填してもよい。
これらの充填が終了した後、不活性ガスを充填した成長炉内において、種結晶6が融解しないように、種結晶6側の温度が低くなるようにPID制御されたヒーターにより温度傾斜をかけながら、GaAs多結晶原料9をGaAsの融点の1238℃以上まで昇温させて、GaAs多結晶原料9、封止剤(B)4を融解させて、GaAs融液にドーパント(シリコン)及びドーパント(インジウム)11を溶解させる。次いで、種結晶6付近の温度を上昇させ種結晶6の上部が融解したところで、温度傾斜をかけながら全体の温度を徐々に下げることで、GaAsインゴットを得ることができる。この際、降温速度は10℃/h以下とすることが好ましい。
(撹拌)
本発明に従うGaAsの製造方法においては、結晶成長中に封止剤(B)4を撹拌する。その際、GaAsインゴットのシード側におけるSi濃度よりも、中央部のSi濃度が低くなるように撹拌行う。直胴部のシード側において結晶成長が開始する時点から中央部に至るまでの間(直胴シードからの位置が1~40%まで)で撹拌を開始していることが好ましく、より好ましくは直胴シードからの位置が1~20%の時点で撹拌を開始していることである。その前から撹拌を開始していてもよく、例えば、コーン部の途中からや、コーン部から直胴部に切り替わる部分での結晶成長が開始する時点(直胴シードからの位置が0%付近)で撹拌を開始してもよい。撹拌は、直胴部のテイル側の結晶成長が終わるまで継続することが好ましく、結晶成長が終了するまで継続してもよい。
撹拌は、撹拌手段を封止剤(B)4内に配置して回転することにより行うことが好ましい。回転数は、Si濃度の変化を緩やかに調整できるように、少ない回転数から徐々に増やしながら調整することが好ましい。回転数は、階段状に変化させてよく、また、連続的に変化させてもよい。到達する最大の回転数は、反応促進の点から、6rpm以上が好ましく、より好ましくは10rpm以上である。回転数は、例えば20rpm以下とすることができる。
撹拌手段は、撹拌翼が回転軸の周囲に取り付けられた形状であることができる。
撹拌翼の形状は、特に限定されず、所定形状の板状部材からなることができ、例えば、2~8枚の略四角形状の板状部材からなるものが挙げられ、素材としてカーボン、BN等が挙げられる。板状部材は、GaAsの融液とBが静止状態で形成する界面に対して、45°以上135°以下の傾斜角度で取り付けられていることが好ましい。
撹拌翼は、撹拌手段を回転したときの回転軌跡が形成する面積が、GaAsの融液とBが静止状態で形成する界面の面積の30%以上となる大きさであることが好ましく、より好ましくは70%以上である。
撹拌翼の下端と、GaAsの融液とBが静止状態で形成する界面との距離は2mm未満であることが好ましく、好ましくは1mm以下である。ただし、界面に撹拌翼の下端が接触しないようにすることが好ましい。
(種結晶)
種結晶6のサイズは、特に制限されないが、ルツボ3の内径を径とする断面積に対して、例えば1~20%の断面積を有していればよく、3~17%の断面積を有していることが好ましい。成長しようとする結晶の径が100mmを超える場合には、種結晶6の断面積は、ルツボ内径を径とする断面積に対して2~10%とすることができる。
(ルツボ内径とウエハサイズ)
ルツボ3の内径は、目的とするウエハサイズよりも僅かに大きいことが好ましい。目的とするウエハサイズは、例えば2インチ以上とすることができ、3インチ以上が好ましく、6インチ以上がさらに好ましい。ウエハサイズの上限は特に限定されず、例えば8インチ以下とすることができる。
(ドーパント)
ドーパントとしてシリコン(Si)及びインジウム(In)を使用する。ドーパント(シリコン)10は、高純度Siのショットや高純度Si基板を破砕するなどして所望の濃度となる重量をGaAs多結晶原料9中に添加する。また、ドーパント(インジウム)11は、高純度In、インジウム化合物(例えば、高純度ヒ化インジウム(InAs)等)を使って所望の濃度となる重量をGaAs多結晶原料9中に添加する。
結晶成長の初期である種結晶付近からコーン部にかけては、Si濃度が高く良好な結晶性を有することが、低転位密度化の上では有利であるため、シリコンチャージ量は、通常のシリコンドープ型のGaAsインゴットの製造に用いられる量以上であることが好ましい。
例えば、シリコンチャージ量は、GaAs多結晶原料に対して110wtppm以上150wtppm以下であることができ、好ましくは120wtppm以上140wtppm以下であり、より好ましくは130wtppm以上140wtppm以下である。なお、シリコンチャージ量には、Bに含まれているシリコンの量は含めない。
シリコンチャージ量は、Bを撹拌しないこと以外は同条件でGaAsインゴットを製造したとき、直胴部のシード側のシリコン濃度が7.0×1017cm-3以上となる量とすることができる。特に、6インチなどの4インチ以上の大口径では、直胴部のシード側のシリコン濃度を7.0×1017cm-3以上とすることで、少なくとも直胴部の中央部のウエハが低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいウエハを得ることができる。ただし、後述するインジウムをチャージしていないと、直胴部のシード側のシリコン濃度を7.0×1017cm-3以上としても転位密度ゼロの領域の面積の割合は小さく、91.0%以上にならない。
インジウムチャージ量は、GaAs多結晶原料に対して100wtppm以上5000wtppm以下であることができ、好ましくは500wtppm以上4000wtppm以下であり、より好ましくは1000wtppm以上2000wtppm以下である。Inを添加するために高純度ヒ化インジウム(InAs)を添加する場合、InAs原料のチャージ量からインジウムチャージ量を換算すればよい。Inの融点は156℃、InAsの融点は942℃であるため、GaAsの融点である1238℃よりかなり低い。GaAs結晶成長開始前に、先に溶けたInが種結晶6の周りに付着すると単結晶化を阻害するため、ドーパント(インジウム)11は種結晶6から離れた位置に入れるか、あるいはGaAs多結晶原料9の配置を工夫して容易に種結晶6の周りに付着しないようにする工夫が必要である。
上記の工夫としては、以下のうち1つ以上を用いることが好ましい。図4はその態様の一例である。
ドーパント(インジウム)11を、ルツボの中央(インゴットの中央部に相当する位置)よりも上に配置する。
ドーパント(インジウム)11を、GaAs結晶またはGaAs多結晶により製造された容器(GaAs容器)の中に入れて、GaAs容器が融ける温度まで中のドーパントが容器の外に出ないようにする。
なお、ドーパント(シリコン)10は、ルツボの中央(インゴットの中央部に相当する位置)よりも下(種結晶側)に配置することが好ましい。ドーパント(シリコン)10をGaAs容器に入れて、GaAs容器が融ける温度まで中のドーパントが容器の外に出ないようにしてもよい。シリコンはGaAsよりも密度が低いため、融液中、ドーパント(シリコン)が浮き上がってしまい、種結晶側のGaAs融液中のシリコン濃度が低くなって、GaAsインゴットのシード側のシリコン濃度が低くなるおそれがあるが、GaAs容器の使用は、そのような事態を回避する上で有効である。
Inが容易に種結晶6の周りに付着しないようにするためにも、種結晶6のサイズは上記の範囲内とすることが好ましい。
シリコンとインジウム以外のドーパントとして考えられる元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、炭素(C)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、窒素(N)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、さらには、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、アンチモン(Sb)が挙げられるが、これらの元素は、不可避的に混入される量は許容されるが、意図して添加されていないことが好ましい。
(封止剤(B))
封止剤(B)4は、シリコンとの反応促進のため、シリコンの含有量が低減したものを使用することが好ましい。例えば、B中のシリコン濃度は2モル%以下であることができ、好ましくは1モル%以下であり、0モル%であってもよい。B中のシリコン濃度が小さい方が活性化率が低くなる傾向がある。また、1モル%以下とすることで、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きいウエハをインゴットから多く得ることができる。
シリコンは、Si酸化物の形態でBに含まれていてもよい。
上記に加えて、結晶成長中にSi、In、BがGaAsインゴット中へ取り込まれる濃度及びキャリア濃度、平均転位密度、吸収係数を調整するために、従来公知な方法を追加してもよい。
本発明に従うGaAsインゴットの製造方法によれば、GaAsインゴットのシード側、中央部、テイル側の少なくともいずれかの位置において、1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、2.5×1018cm-3以上のボロン濃度とを有し、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域が91.0%以上である部分を有することができる。
少なくとも直胴部の中央部がこのような部分を有することが好ましく、より好ましくは、直胴部のシード側、中央部及びテイル側の全てがこのような部分を有することである。
当該部分は、加えて、平均転位密度が250個/cm以下であることができ、また、940nmの波長における吸収係数が3.5cm-1以上7.0cm-1以下であることができる。
<GaAsウエハ>
本発明に従うGaAsインゴットの製造方法により得られたGaAsインゴットのシード側、中央部、テイル側の少なくともいずれかの位置からウエハを切り出すことにより、本発明に従うGaAsウエハを得ることができる。本発明に従うGaAsウエハは、好ましくは中央部から得ることができ、さらに好ましくはシード側、中央及びテイル側の全てから得ることができる。
本発明に従うGaAsウエハは、1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域が91.0%以上である。このGaAsウエハは、平均転位密度が250個/cm以下であることができ、また、940nmの波長における吸収係数が3.5cm-1以上7.0cm-1以下であることができる。
以下、本発明に従うGaAsウエハのSi濃度、In濃度、B濃度、平均転位密度、最大転位密度、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合、キャリア濃度、吸収係数等の範囲について説明する。
(Si濃度の範囲)
過剰なSi濃度はフリーキャリア吸収の原因になることと、キャリア濃度の制御の観点から、本発明に従うGaAsウエハのSi濃度は1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満とする。
(In濃度の範囲)
In添加による転位密度低減の効果を確実に得る一方、過剰なIn濃度となることでGaAs結晶の格子定数やバンドギャップのズレを発生させることを防止する点から、本発明に従うGaAsウエハのIn濃度は3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満とする。
(B濃度の範囲)
本発明に従うGaAsウエハは、VGF法又はVB法によるGaAsインゴットの結晶成長において、封止剤(B)とドーパントであるSiの反応促進により有利に得ることができるため、B濃度は2.5×1018cm-3以上であり、B濃度は3.0×1018cm-3以上であることが好ましい。B濃度の上限は特に制限されないが、B濃度は3.0×1019cm-3以下であることができる。
(上記以外の元素及びそれらの濃度)
封止剤として使用するBによってGaAsインゴット中に混入するB及び酸素(O)を除き、SiとIn以外の元素が、GaAs以外には添加されていないことが好ましく、ドーパントとして添加されるのはSiとInのみであり、それ以外はドーパントとして意図して添加されていないことが好ましい。
シリコンとインジウム以外のドーパントとして考えられる元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、炭素(C)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、窒素(N)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、さらには、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、アンチモン(Sb)が挙げられるが、これらの元素は、不可避的に混入される量は許容されるが、意図して添加されていないことが好ましい。
例えば、SIMS分析によるGaAs中のAl、C及びZnの各濃度は3×1016cm-3以下(ゼロを含む)であることが好ましい。それ以外のBe、Mg、Ge、Sn、N、S、Se、Te、Cd、Cr及びSbの各濃度は5×1015cm-3以下(ゼロを含む)であることが好ましい。さらにNの濃度は1×1015cm-3以下であることがより好ましい。
(平均転位密度の範囲)
本発明に従うGaAsウエハの平均転位密度の値は、250個/cm以下であることが好ましい。平均転位密度の下限は特に限定されない。平均転位密度が10個/cm以上、特に30個/cm以上の場合に、転位密度ゼロ領域の面積の割合を特定することの効果が有効に発揮される。
(ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合)
本発明に従うGaAsウエハは、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上である。これにより、GaAsウエハを半導体レーザー等の面発光レーザーに使用した場合、これらの用途における良好な特性を実現することができる。ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、100%であってもよい。
(キャリア濃度の範囲)
本発明に従うGaAsウエハは、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下である。
(吸収係数の範囲)
940nmの波長における吸収係数は、3.5cm-1以上7.0cm-1以下であることが好ましい。
<GaAsウエハ群>
本発明に従うGaAsインゴットの製造方法により得られたGaAsインゴットのシード側、中央部、テイル側の少なくともいずれかの位置から複数のウエハを切り出すことにより、本発明に従うGaAsウエハ群を得ることができる。本発明に従うGaAsウエハ群は、好ましくは中央部から得ることができ、さらに好ましくはシード側、中央及びテイル側の全てから得ることができる。
本発明に従うGaAsウエハ群は、同一のインゴットから得られる複数のウエハで構成される。複数のウエハは、2枚以上であれば、特に限定されないが、同一のインゴットから切り出すことができるウエハの全枚数の半数以上であることが好ましく、同一のインゴットの中央部から得られるウエハの全数であることがより好ましく、さらに好ましくは同一のインゴットのシード側からテイル側までの間から得られるウエハの全枚数である。シード側の種結晶側の端部から、テイル側の種結晶とは反対の端部に至るまでの間で得られるウエハの全枚数であることが特に好ましい。
複数のウエハのそれぞれは、1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域が91.0%以上である。このGaAsウエハは、平均転位密度が250個/cm以下であることができ、また、940nmの波長における吸収係数が3.5cm-1以上7.0cm-1以下であることができる。これらの好適な範囲は、本発明に従うGaAsウエハに記載のとおりである。
複数のウエハが、GaAsインゴットの直胴部の中央部から得られるウエハを含み、この中央部から得られるウエハが、さらに2.0×1017cm-3未満のキャリア濃度を有していることが好ましい。この中央部から得られるウエハのキャリア濃度は1.0×1016cm-3以上とすることができる。
本発明に従うGaAsウエハは、キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きく、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザー)をはじめとる面発光レーザーの基板に好適である。
上述したところは、本発明の代表的な実施形態の例を示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(結晶番号1)
図3に示す構成を有する製造装置を用いて、GaAsインゴットの製造を行った。撹拌翼は、カーボンやBN等、結晶特性に影響しない材質の四角形状の板状部材を4枚、ロッドに取り付けたものであり、回転したときの回転軌跡が形成する面積が、GaAsの融液とBが静止状態で形成する界面の面積の50%以上である。
<ルツボへの原料の充填>
ルツボとして内径159.9mm、シード部の内径6.0~6.5mmのPBN製のルツボ3を準備した。ルツボには、図4に示すように、6N(純度99.9999%以上)のGaと6NのAsを合成して作成したGaAs多結晶を破砕した20,000±10gのGaAs多結晶原料9Aと(100)面が結晶成長面となるように切り出したGaAs種結晶6を充填した。GaAs種結晶6の直径については、各ルツボのシード部内径より約0.5mm小さくなるように機械研削とエッチングを組み合わせて調整した大きさのものを用いた。GaAs多結晶を充填する途中で、GaAs多結晶原料に対して、ドーパント(シリコン)10として高純度Siのショットを100wtppm及びドーパント(インジウム)11として高純度InAsのショットを2000wtppm(In換算で1210wtppm)充填した。SiとIn以外に、意図して添加した不純物元素はない。なお、粒状のドーパント(シリコン)10とドーパント(インジウム)11はそれぞれ、円筒状のGaAs多結晶9Bの上下を円板状のGaAs多結晶9Cで挟んだGaAs容器の中に入れた状態で充填し、GaAs容器が融ける温度までは中のドーパントがGaAs容器の外に出ないようにした。ドーパント(インジウム)11はルツボ3の中央よりも上に配置し、ドーパント(シリコン)10は、ルツボ3の中央よりも下の種結晶6に近いところに配置した。
<結晶成長>
これらの原料を充填した後、封止剤であるB(Si濃度5モル%)4を965±10g充填した。充填後のルツボ3をルツボ収納容器(サセプタ)にセットした。図3に示す製造装置の内部を真空排気及びArガス置換を繰り返して不活性ガス雰囲気とした後、VGF法により単結晶を成長させた。
結晶成長工程では、まずGaAs種結晶が融解しないように、種結晶側の温度が低くなるようにPID制御されたヒーターにより温度傾斜をかけながらルツボ内の原料をGaAsの融点の1238℃以上まで昇温させて融液とした。その後、種結晶の上部が融解するように種結晶付近の温度を上昇させた後、温度傾斜をかけながら炉内全体の温度をヒーター制御により10℃/h以下の速度で降温していくことでSiをドーパントとしたn型のGaAsインゴットを成長させた。
コーン部が結晶成長して結晶直胴部に至る箇所までインゴットが成長した後において、封止剤であるBと結晶テイル側の界面と、撹拌翼の下端との距離が3mm以下で、かつ界面には下端が接触しないようにして、撹拌翼を回転させ、Bの撹拌を開始した。撹拌翼の回転速度は、小さい回転数から階段状に10rpmまで増やし、10rpmにてテイル側の成長完了まで撹拌を継続した。撹拌翼の回転数は、コーン部が結晶成長して結晶直胴部に至る箇所から直胴部側に25mmの位置(直胴シードからの位置が16%)から50mmの位置までを5rpm、50mmの位置(直胴シードからの位置が30%)から100mmの位置までを7.6rpm、100mmの位置(直胴シードからの位置が61%)以降で10rpmとなるように、階段状に回転数が増加するよう回転数調整を行った。
<評価>
成長させたGaAsインゴットの直胴部をワイヤーソーでスライスしてウエハ状にした。ウエハサイズは6インチ相当である。最後の切断面は、インゴットの種結晶側と反対の端から(シード側方向に)20mmの位置である。
GaAsインゴット直胴部のシード側、中央部、テイル側で得られたウエハ、並びにシード側と中央部の間、中央部とテイル側の間で得られたウエハについて、評価を行った。
後述する測定には各位置において、それぞれ少なくとも3枚のウエハを使用した。そのうち1枚のインゴットからの切り出し位置は、表1に示すとおりであり、インゴットのコーン部から直胴部に変わる位置から直胴部が終わる位置である最後の切断面まで長さを100%として、前者の位置を0%、後者の位置を100%とする。
スライスしたウエハ(又は切れ端部分)の結晶の中心を含む領域(ウエハ中心部)から、(110)面のへき開性を利用して、10mm×10mmのサイズを割り取り、前述のとおりにVan der Pauw 法によるホール測定によりキャリア濃度を測定した。
ホール測定に用いたウエハの残部を用いて、前述のとおりに前処理を行った後、CAMECA社製の装置を使ってSIMS分析によりSi濃度、In濃度及びB濃度の測定を行った。
上記ホール測定に用いたウエハと隣り合う(同じ切断面を介して対面する)ウエハの表面に対し、前述のとおりに、エッチピットをカウントし、平均転位密度(個/cm)として評価した。
なお、エッチピットの数が1000個/cm以上になった場合は、視野直径3.46mmとなる5倍対物レンズに変更してカウントを行った。
ホール測定やEPD測定に用いたウエハの近くのウエハを用いて、前述のとおりに、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合及び最大転位密度を求めた。
ホール測定やEPD測定に用いたウエハの近くのウエハを用いて、波長920nmにおける吸収係数を測定した。吸収係数の測定に際しては分光光度計(株)日立ハイテクサイエンス製 UH5700を用いて透過率を測定し、さらに前述の式[1]、[2]を用いて吸収係数を求めた。
(結晶番号2~6、結晶番号0)
表1に示す条件に変更したほかは、結晶番号1と同様にして、結晶番号2~6及び結晶番号0のGaAsインゴットを製造し、評価を行った。
(結晶番号7)
3インチ用の製造装置を使用して、結晶番号1と同様にしてGaAsインゴットを成長させた。GaAs多結晶原料に対して、ドーパント(シリコン)として高純度Siのショットを130wtppm、高純度InAsのショットを2000wtppm(In換算で1210wtppm)を用いた。成長させたGaAsインゴットの直胴部をワイヤーソーでスライスして、3インチ相当のウエハ状にしたこと以外は、結晶番号1と同様にしてウエハを得て評価を行った。
(結晶番号8)
撹拌翼の回転数を、コーン部が結晶成長して結晶直胴部に至る箇所から直胴部側に12.5mmの位置(直胴シードからの位置が8%)から50mmの位置までを5rpm、50mmの位置から100mmの位置までを7.6rpm、100mmの位置以降で10rpmとなるように、階段状に回転数が増加するよう回転数調整を行った以外は、結晶番号6と同様にして結晶番号8のGaAsインゴットを製造し、ウエハを得て評価を行った。
(結晶番号9)
表1に示す条件のように、Siチャージ量を140wtppmから130wtppmに変更し、B2O3中のSi濃度を0モル%から0.25モル%に変更した以外は、結晶番号8と同様にして、結晶番号9のGaAsインゴットを製造し、評価を行った。
Figure 0007256326000004
Figure 0007256326000005
Figure 0007256326000006
得られたGaAsインゴットは、導電型としてはn型である。GaAsインゴットの直胴部のシード側におけるシリコン濃度よりも直胴部の中央部におけるシリコン濃度が低くなるように酸化ホウ素を撹拌して、結晶成長させた結晶番号2~9から、1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、ウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であるウエハ複数枚をGaAsインゴットの少なくとも一部から得ることができた。
本発明によれば、キャリア濃度が抑制され、かつ低転位密度であることに加え、GaAsウエハ面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が大きく、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザー)をはじめとる面発光レーザーの基板に好適なGaAsウエハ及びGaAsウエハ群を提供することができる。また、本発明によれば、前記GaAsウエハ及びGaAsウエハ群が得られるGaAsインゴットの製造方法が提供することができる。
1 ヒーター
2 ルツボ収納容器(サセプタ)
3 ルツボ
4 封止剤(B
5 化合物半導体原料
6 種結晶
7 気密容器
8 不活性ガス
9 GaAs多結晶原料
10 ドーパント(シリコン)
11 ドーパント(インジウム)
14 ルツボの昇降・回転機構
15 コーン部から直胴部に変わる位置
16 位置15と位置17の半分の位置
17 直胴部が終わる位置
18 GaAsインゴットの直胴部
19 GaAsインゴットのコーン部
20 撹拌翼
21 上部ロッド
30 6インチウエハ
31 エリア

Claims (15)

  1. 1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、
    3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、
    2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、
    キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、
    ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であり、
    ここで、前記ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面からウエハ面の外周から中心に向かって3mm幅の円環状の部分を除いた領域を1mm角のエリアに分割し、各エリアの全範囲を顕微鏡で観察してエッチピットをカウントした場合に、全エリア数に占めるエッチピットのカウント数が0のエリア数の割合で示されることを特徴とする、GaAsウエハ。
  2. 平均転位密度が250個/cm以下であり、
    ここで、前記平均転位密度は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面に対して等間隔に69点又は37点に直径3mmのエリアを設定して、各エリアを視野直径1.73mmとなる顕微鏡で観察して、最もエッチピットが多く観察される視野を探してエッチピットをカウントし、カウント数を単位面積当たり(個/cm)に換算した換算値を求め、各エリアの換算値を平均した値で示される、請求項1に記載のGaAsウエハ。
  3. ウエハのサイズが3インチ以上である、請求項1又は2に記載のGaAsウエハ。
  4. 同一のGaAsインゴットの直胴部から得られる複数のGaAsウエハにより構成されるGaAsウエハ群であって、
    前記複数のGaAsウエハのそれぞれが、
    1.0×1017cm-3以上1.1×1018cm-3未満のシリコン濃度と、
    3.0×1018cm-3以上3.0×1019cm-3未満のインジウム濃度と、
    2.5×1018cm-3以上のボロン濃度と、を有し、
    キャリア濃度が1.0×1016cm-3以上4.0×1017cm-3以下であり、
    ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合が91.0%以上であり、
    ここで、前記ウエハの全面に占める転位密度ゼロの領域の面積の割合は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面からウエハ面の外周から中心に向かって3mm幅の円環状の部分を除いた領域を1mm角のエリアに分割し、各エリアの全範囲を顕微鏡で観察してエッチピットをカウントした場合に、全エリア数に占めるエッチピットのカウント数が0のエリア数の割合で示されることを特徴とする、GaAsウエハ群。
  5. 前記複数のGaAsウエハのそれぞれが250個/cm以下の平均転位密度を有し、
    ここで、前記平均転位密度は、ウエハ面を硫酸系鏡面エッチング液(HSO:H:HO=3:1:1(体積比))で前処理した後、液温320℃のKOH融液中に35分間浸積することでエッチピットを発生させたウエハ面の全面に対して等間隔に69点又は37点に直径3mmのエリアを設定して、各エリアを視野直径1.73mmとなる顕微鏡で観察して、最もエッチピットが多く観察される視野を探してエッチピットをカウントし、カウント数を単位面積当たり(個/cm)に換算した換算値を求め、各エリアの換算値を平均した値で示される、請求項4に記載のGaAsウエハ群。
  6. 前記複数のGaAsウエハが、前記GaAsインゴットの直胴部の中央部から得られ、2.0×1017cm-3未満のキャリア濃度を有するウエハを含む、請求項5に記載のGaAsウエハ群。
  7. 前記複数のGaAsウエハが、前記同一のGaAsインゴットの直胴部から得られるウエハの全枚数の半数以上である、請求項4記載のGaAsウエハ群。
  8. 前記複数のGaAsウエハが、前記同一のGaAsインゴットの直胴部のシード側からテイル側までの間から得られるウエハの全枚数である、請求項7記載のGaAsウエハ群。
  9. 縦型温度傾斜法又は縦型ブリッジマン法により、ドーパントとしてシリコン及びインジウムを使用し、封止剤として酸化ホウ素を使用するGaAsインゴットの製造方法において、
    前記GaAsインゴットの直胴部のシード側におけるシリコン濃度よりも直胴部の中央部におけるシリコン濃度が低くなるように前記酸化ホウ素を撹拌して、結晶成長させることを特徴とする、GaAsインゴットの製造方法。
  10. 炉内にチャージするGaAsの量に対して、チャージする前記シリコンの量が110wtppm以上150wtppm以下であり、チャージする前記インジウムの量が1000wtppm以上5000wtppm以下である、請求項9記載のGaAsインゴットの製造方法。
  11. ャージする前記シリコンの量が120wtppm以上140wtppm以下であり、前記酸化ホウ素が2モル%以下のシリコンを含有する、請求項9に記載のGaAsインゴットの製造方法。
  12. 前記撹拌の撹拌速度を前記直胴部のシード側からテイル側に向けて増加させ、最大の撹拌速度を6rpm以上とする、請求項9に記載のGaAsインゴットの製造方法。
  13. 前記直胴部のシード側におけるシリコン濃度が7.0×1017cm-3以上であり、前記直胴部の中央部におけるシリコン濃度が6.0×1017cm-3以下である、請求項9に記載のGaAsインゴットの製造方法。
  14. 前記GaAsインゴットの直胴部のシード側のキャリア濃度が直胴部のテイル側のキャリア濃度よりも大きい、請求項9に記載のGaAsインゴットの製造方法。
  15. 前記GaAsインゴットの直胴部の中央部が2.0×1017cm-3未満のキャリア濃度である部分を有する、請求項9~14のいずれか一項に記載のGaAsインゴットの製造方法。
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