JP7254100B2 - カンナビノイド関連障害の処置における使用のための3β-(4-メトキシベンジルオキシ)プレグン-5-エン-20-オン - Google Patents
カンナビノイド関連障害の処置における使用のための3β-(4-メトキシベンジルオキシ)プレグン-5-エン-20-オン Download PDFInfo
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Description
1.これらは食物摂取を減少し、このことは全般的な報酬系の混乱を示す;
2.これらは、動物において不安関連行動を、ヒトにおいて不安を誘導する;
3.これらは、動物において抑うつ関連行動を、ヒトにおいて抑うつを誘導する;
4.これらは、対象のホルモン状態の障害を誘導する、グルココルチコイドの分泌を増大する。特に、グルココルチコイドの増大は、カンナビノイドを含む乱用薬物の報酬作用を媒介するドーパミン作動系の活性を増大しうる。増大したグルココルチコイドの分泌は、次いで、カンナビノイド関連障害に対するCB1阻害剤の治療作用を妨害しうる、カンナビノイドの報酬作用に対する増大した感受性をもたらしうる;
5.これらは、THC依存動物において離脱を促進する;
6.これらは、GLP安全性薬理及び毒性試験において、痙攣及び一般行動及び臨床的障害を誘導する;
7.これらは、肝毒性作用を有する。
a.中毒又は所望の作用を達成するための、著しく増大した量のカンナビノイドの必要性。
b.同量のカンナビノイドの継続される使用での、著しく減退した作用。
a.カンナビノイドについての特徴的な離脱症候群。
b.離脱症状を緩和する又は避けるために、カンナビノイド(又は密接に関連する物質)を摂取する。
1.結膜充血。
2.食欲の増大。
3.口渇。
4.頻脈。
1.易刺激性、怒り、又は攻撃性。
2.神経過敏又は不安。
3.睡眠の困難さ(例えば、不眠症、不穏な夢)。
4.食欲の減退又は体重減少。
5.不穏状態。
6.抑うつ気分。
7.以下の著しい不快感を引き起こす身体症状の少なくとも1つ:腹痛、震え/振戦、発汗、発熱、悪寒、又は頭痛。
1.妄想。
2.幻覚。
1.カンナビノイド中毒又は離脱の最中若しくは直後、又は薬物療法への曝露後に発現する、基準Aにおける症状。
2.関与するカンナビノイドは、基準Aにおける症状をもたらすことが可能である。
症状がカンナビノイドの使用の開始に先行する;症状が急性離脱若しくは重度の中毒の停止後の実質的な時間(例えば、約1ヶ月)の期間持続する:又は独立した非物質/薬物療法誘導性精神病性障害の他のエビデンス(例えば、非物質/薬物療法関連エピソードの再発歴)が存在する。
1.カンナビノイド中毒若しくは離脱の最中若しくは直後、又はカンナビノイドへの曝露後に発現する、基準Aにおける症状。
2.関与するカンナビノイドは、基準Aにおける症状をもたらすことが可能である。
1.カンナビノイド中毒中若しくは直後、又はカンナビノイドからの離脱若しくはカンナビノイドへの曝露後に発現する、基準Aにおける症状。
2.関与するカンナビノイドは、基準Aにおける症状をもたらすことが可能である。
3pMBPの合成、調製及び製剤化
3pMBPの調製を、図1及び以下に記載する。
段階1を、1つのバッチ内で実行する。エチレングリコール(11.676kg)、プレグネノロン(6.992kg)、及びパラ-トルエンスルホン酸(0.840kg、4.42mol、0.2当量)を、リアクター中に仕込んだ。反応混合物を、15℃から25℃との間の温度で25分撹拌した。オルトギ酸トリエチル(20.939kg)を3回に分けて添加し、混合物を少なくとも1時間、15℃から25℃の間の温度で撹拌した。完了したら、反応混合物を収集し、炭酸水素ナトリウム溶液(水35.5l中、2.943kg)に、0℃から10℃の間でゆっくりと注いだ。添加の終了時、反応混合物を、0℃から10℃の間で1時間撹拌し、次いで、反応混合物を濾過し、水(12l)で洗浄した。濾液も、2-プロパノール(12l)で洗浄し、真空下、窒素流下で乾燥した。乾燥した固体を収集し、リアクター中に2-プロパノール(35l)とともに仕込んだ。懸濁液を、2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を0℃から10℃の間に冷却し、次いで、2時間撹拌した。固体を濾過し、2-プロパノール(12l)で洗浄し、次いで真空下、窒素流下で乾燥した。式(IV)の化合物(8.031kg)を、収率100.8%(未修正の収率)で得た。
式(IV)の化合物(3.460kg)及びテトラヒドロフラン(THF)(69l)を、リアクター中に仕込んだ。反応混合物を、20℃から25℃の間の温度で80分撹拌した。反応混合物を濾過し、THF中の式(IV)の化合物の溶液をリアクター中に仕込んだ。t-BuOK(2.835kg)を、THF中の式(IV)の化合物の溶液に、20℃から25℃の間の温度で少しずつ添加した。添加の終了時、式(III)のパラ-メトキシベンジルクロリド(2.832kg)及びTHF(4l)を滴下漏斗を介して反応混合物に添加した。反応混合物を、38℃から42℃の間で加熱した。TBAI(1.555kg)を、反応混合物に、38℃から42℃の間の温度で少しずつ仕込んだ。反応混合物を、55℃から60℃の間で16時間30分加熱した。
式(II)の化合物(2.448kg)及びジクロロメタン(10l)を、リアクター中に仕込んだ。溶液を、20分撹拌した。1M塩酸(4.9l)を、15℃から25℃の間で溶液に添加した。反応混合物を、完了まで15℃から25℃の間で撹拌した。ジクロロメタン(8l)を(どの沈殿物も完全に溶解するために)添加し、相を分離させた。有機層を水(5l)で2回洗浄した。有機層を収集し、2-プロパノール(24.5l)とともにリアクター中に、15℃から25℃の間で仕込んだ。反応混合物を、真空下で40℃を下回る温度で濃縮した。完了すると、反応混合物を加熱還流した。2-プロパノール(40l)を、透明溶液が観察されるまで添加した。反応混合物を室温に冷却し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を0℃から10℃の間に冷却し、1時間、0℃から10℃の間で撹拌した。固体を濾過し、2-プロパノール(5l)で洗浄し、次いで、フィルターを35℃から45℃の間で20時間加熱しながら、窒素流速を備えた真空下で乾燥した。式(I)(1.907kg)の化合物を、収率85.8%で得た。
3β-(4-メトキシベンジルオキシ)プレグン-5-エン-20-オンは、トウモロコシ油中の3β-(4-メトキシベンジルオキシ)プレグン-5-エン-20-オンの溶液を含有するカプセル剤形として製剤化することができる。この剤形の組成物を、table 2(表2)に記載する。
3pMBPによるCB1受容体の活性の特異的阻害
本発明の化合物である3pMBPのCB1受容体の活性に対する作用の理解を、3pMBPの、THCによるCB1受容体の活性化により誘導される以下の細胞作用に対する作用を試験することにより探求した。3pMBPのCB1受容体に対する作用の特異度を、この化合物の他の85種の受容体の結合に対する作用を分析することにより試験した。
3pMBPの、MAPKリン酸化のTHC誘導性の増大に対する作用
この試験の目的は、ヒトCB1(hCB1)受容体を安定又は一過性トランスフェクトしたヒト胎児由来腎臓293(HEK-293)細胞において、3pMBPの、THC投与により誘導される、一般的にMAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)と呼ばれるErk1/2MAPKのリン酸化における増大に対する作用を評価することであった。
この試験の目的は、ヒトCB1受容体であるCHO-hCB1を安定して発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、3pMBPの、THC投与によるcAMPの低減に対する作用を評価することである。
この試験の目的は、ヒトCB1受容体(hCB1)を一過性トランスフェクトしたHEK-293細胞において、3pMBPの、THC(1μM)により誘導された細胞呼吸の阻害に対する作用を検査することであった。
この一連のアッセイは、3pMBPの結合特異度を、プレグネノロンのプロファイルと比較して評価することを目的とした。
3pMBPは、eCB1-SSiであるプレグネノロンに類似するプロファイルを有する。3pMBPは、hCB1を安定又は一過性トランスフェクトしたHEK-293細胞において、THC誘導性のMAPKリン酸化の増大(図2A及び図2B)、並びにTHC誘導性の細胞呼吸の低減(IC50=1.2-11nM)を阻害する(図2D)。
したがって、3pMBPはインビトロで、CB1のシグナル伝達特異的阻害剤(CB1-SSi)として作用する。よって、3pMBPは、ヒトCB1受容体(hCB1)を発現している細胞株において、THC誘導性のMAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)リン酸化の増大及びTHC誘導性の細胞呼吸の低減を阻害した。対照的に、3pMBPは、THC誘導性のcAMP(環状アデノシン一リン酸)の低減を阻害しなかった。
カンナビノイド関連障害の処置としての3pMBPの前臨床評価
以下の前臨床試験では、3pMBPを、ヒトにおいて安全に使用することができる長鎖トリグリセリド植物油であるトウモロコシ油中に溶解した。この脂質製剤を、液体として、強制栄養による経口投与で投与した。
3pMBPの経口投与による。カンナビノイド関連障害に関連する、以降に記載するTHCの無条件の行動及び神経化学的作用の阻害を試験した。
a.THC誘導性の摂食の増大;
b.THC誘導性の精神刺激の増大;
c.THC誘導性のプレパルス阻害の障害;
d.THC誘導性の記憶障害;
e.THC誘導性の社会的相互作用の障害;
f.THC誘導性の現実検討の障害;
g.THC誘導性の強硬症;
h.THC誘導性の大口開け行動;
i.THC誘導性の側座核におけるドーパミン放出。
これらの実験は、マウスにおいて、3pMBPの、THC投与により誘導された摂食の増大を阻害する能力を評価することを目的とした。大麻使用者において、薬物消費の直後に過食症の傾向及び味の良い食物の嗜好を伴う摂食行動の混乱が存在する(Kirkham、2005年)ため、この行動を選択した。
THCの摂食に対する作用を、CB1f/f雄マウスにおける絶食-再給食モデル(fasting-refeeding model)(Bellochioら、2010年)を使用して試験した。THCの30分後に再給食した24時間摂食制限したマウスにおいて、3つの用量(5、15及び50μg/kg)の3pMBPの作用を、THC(1mg/kg;腹腔内)により誘導された摂食の増大について検査した。摂食を1時間測定した。独立した動物の群(少なくとも群あたりn=8)を、各処置条件について使用した。3pMBPを、THCの投与の3時間前に投与した。
図3Aで記載したように、マウスにおいて、3pMBPは、THC(1mg/kg)により誘導された摂食の増大を阻害した(ID50≒15及びID100≒50μg/kg)。
これらの実験は、マウスにおいて、3pMBPの、THC投与により誘導された精神刺激の増大を阻害する能力を評価することを目的とした。精神刺激の増大は、大麻の使用がきっかけとなりうる精神病様症状の代替として考えられる(Wileyら、2008年;DSM第5版、2013年)ため、この行動を選択した。
THC誘導性の精神刺激を、C57BL/6N雄マウスにおいて、碁盤目状の床を有するオープンフィード中の自発運動活性を測定することにより試験した。自発運動を、THCの45分後に、5分、横断した四角の数を数えることにより評価し、ビヒクル処置した対照のパーセンテージとして表した。
マウスにおいて、3pMBPは、THC(0.3mg/kg)により誘導された精神刺激を阻害した(ID50≒0.0004及びID100≒0.0015mg/kg)(図3B)。
これらの実験は、プレパルス阻害(PPI)検査により試験されたように、マウスにおいて、3pMBPの、THC投与により誘導された感覚ゲーティングの障害を阻害する能力を評価することを目的とした。この行動は、THCにより誘導されることが示されている(Nagai、2006年)、精神病において観察される感覚-運動ゲーティングの障害のモデルである(DSM第5版、2013年;Kedziorら、2006年)ため、この行動を選択した。
C57BL/6N雄マウスにおいて、5つの用量(0.0005、0.0015、0.015、0.03及び0.05mg/kg)の3pMBPの作用を、THC(10mg/kg)により誘導されたPPIの障害について検査した。3pMBPを、THCの投与の3時間前に投与した。
マウスにおいて、3pMBPは、THC(10mg/kg)により誘導されたプレパルス阻害の障害を阻害した(ID50≒0.005及びID100≒0.015mg/kg)。図3Cは、82dBのプレパルスを用いた3pMBPの作用を示す。
これらの実験では、3pMBPの、2つの記憶検査でTHCにより誘導された障害に対する作用を試験した:a.作業記憶及びb.長期記憶。作業記憶は、一時的に情報を保存し処理する能力である。作業記憶は、毎日の生活の活動、例えば、会話をすること、推理すること、読解力を実行するために必要とされる。作業記憶の欠損は、現在の抗精神病薬により改善されない、精神病において核となる認知症状の1つである(Pratt ら、2012年)。作業記憶の障害は、ヒト及び動物の両方において、THCの急性投与の典型的な結果でもある(D'Souza、2007年)。長期記憶は、学習した情報を、学習が発生した長い時間の後にそれを思い出すことを可能とする、安定した記憶コンパートメント中に保存する能力である。長期記憶の障害も、THC投与の典型的な作用である。
THCにより誘導された作業記憶の障害
マウスでは、作業記憶は、動物が新規の及び過去に獲得した情報を処理して、隠された逃避プラットフォームの位置を探す必要のある空間的な記憶課題である、遅延場所合わせ(matching-to-place)版のモリス水迷路で評価することができる。
マウスでは、長期記憶は、1つの特定の物体の記憶を24時間後に評価する、物体認識試験を使用して評価することができる。この特定の実験について、CD1-SWISS雄マウスに、3pMBP(0.005mg/kg)又はトウモロコシ油(5ml/kg)ビヒクルの急性経口投与、続いて3時間後にTHC(6mg/kg;10ml/kg)の腹腔内(腹腔内)注入を受けさせた。THC注入の10分前に、マウスに、「L」型迷路中の2つの同一の物体を探索させた。翌日、1つの物体を新規のものに換えた。自発的な新奇性の嗜好により、マウスはより長く新規の物体を探索する(Ennaceur、2010年)。見慣れた及び新規の物体を探索するのに費やした時間の比較を、見慣れたものと新規性との間の識別の指数として使用した。したがって、このパラメーターを、物体認識成績を評価するために使用する。
3pMBPは、THC誘導性の物体認識障害を0.005mg/kgで完全に阻害し(図4B)、ID50は<0.005mg/kgであった。同様に、0.015;0.15又は0.45mg/kgで投与した3pMBPは、THC(5mg/kg)により誘導される作業記憶成績の障害を、0.15mg/kgのID100で用量依存的に阻止した(図4A)。
精神病における社会的離脱は、社会的相互作用を有することへの無関心又は欲望の欠如として定義される(Wilson及びKoenig、2014年)。社会的相互作用は、マウスにおいて、非社会的な出会いと比較した、同種との出会いについてのマウスの自発的な嗜好を測定することにより評価することができる。この範例では、THC(3mg/kg)の急性投与は、社会的嗜好を減少し(Busquets-Garciaら、2017年、図4C)、精神病における社会的離脱の中間形質の信頼できるモデルを提供する。
マウスを、2つのプラスチック容器(臭気の相互作用のための孔を有する直径8cmのプラスチックの円筒)を2つの向かい合う角に配置し、それらの1つはマウス(8~10週齢の成体雄C57BL/6-N)を入れ、その一方で他方の容器は空のままとする、オープンフィールド(35×35cm)中で検査した。各角を、容器の周囲の8センチの区域として、「社会的」及び「非社会的」区域と定義した。各実験群について、マウスのいる容器の位置を釣り合わせた。実験マウスをオープンフィールドの中央に置き、5分探索させ、カメラに写した。動物の4本の足すべてが引いた線の中にあるときに動物が1つの区域にいるものと考えて、両方の区域において費やした時間を数えた。社会的指数を、以下のように算出した。
社会的指数=「社会的区域」で費やした時間/両方の区域で費やした合計時間
0.005;0.015又は0.05mg/kgで投与した3pMBPは、THCにより誘導される社会的相互作用の減少を、0.015mg/kgでのID100で用量依存的に阻止した(図4C)。
知覚と現実との間の不一致をもたらす心的表象における刺激の変化は、精神病状態の陽性症状の重要な特性である(Busquets-Garciaら、2017年)。齧歯類では、「現実検討」の課題は、刺激(臭気又は味覚)の内部表象と彼らが予測する現実との潜在的な不一致を評価する。
現実検討は、異なるペアリング(ペアリングは、同時の2つの刺激の関連づけを指す)を用いた、馴化(3日間)、前条件づけ(6つのペアリングの臭気/味覚、12日間)、条件づけ(すなわち、3つのペアリングの臭気/不調を誘導する薬剤であるLiClの注入、6日間)、回復日(水とともに1日)、及び最終的に検査(媒介された嫌悪及び直接嫌悪の検査)の4つのフェーズから構成される。
嫌悪指数=(C-の消費-C+の消費)/総消費
生理食塩水の注入後、条件づけ中に前に臭気と関連づけられた味覚への嫌悪を示さなかった動物は、LiClにより誘導される不調を予測する特質を獲得する(図4D)。味覚は不快な刺激(LiClの注入)と直接関連づけられていないため、これは正しい解釈である。対照的に、THCは、動物が外部刺激を誤解していることを示す行動反応である、同一の味覚への嫌悪を誘導する(図4D)。0.015又は0.05mg/kgで投与した3pMBPは、THC(1mg/kg)により誘導されたこの誤解を、0.015mg/kgでのID100で完全に阻止した(図4D)。
これらの実験は、マウスにおいて、3pMBPの、THC誘導性の強硬症を阻害する能力を評価することを目的とした。強硬症は、カンナビノイド薬物の使用後にある特定の対象において観察される緊張病状態のモデルとして考えることができる(Khanら、2016年)ため、これを試験した。
4つの用量(5ml/kgのトウモロコシ油中、0.0015、0.005、0.015又は0.05mg/kg)の3pMBPの作用を、この種の検査のために日常的に使用される系統であるC57BL6/J雄マウス(Valleeら、2014年)(24.8±0.1g、平均±SEM、実験の開始時)において、THC(2%エタノール及び3% Tween80を含有する10ml/kgの0.9%NaCl中、10mg/kg)により誘導された強硬症について試験した。THCを、3pMBPに続き、3時間00分注入した。THCにより誘導された強硬症の測定を、THC注入の30分後に開始した。
3pMBPは、THC(10mg/kg)により誘導された強硬症を、ID50≒0.005及びID100≒0.05mg/kgで(50%)阻害した(図5A)。
THC誘導性の大口開けを、カンナビノイド悪阻症候群のモデルとして、ここで使用した。よって、ラットは嘔吐が可能ではないが、彼らは、前に催吐薬と組み合わされた風味への再曝露中、深刻な条件づけられた大口開け反応を示す。この頑健な学習は、単回の試行中に、新規の風味の消費と催吐処置との間に長期の遅延(時間)を伴って、発生する。条件づけられた大口開け反応は、一貫して催吐薬によりもたらされ、抗催吐薬によって予防され、これらは薬物によって誘導される不調及び悪心の頑健な尺度であることを示す。
挿管手術の3日後、ラットを味覚反応性チャンバー(taste reactivity chamber)に適合させた。ラットを個別に、ラットのカニューレを注入ポンプに接続して味覚反応(TR)チャンバーに置き、水をラットの口腔内に1ml/分の速度で2分の期間にわたり注入し、次いでラットのホームケージに戻した。適応試行の3日後に、ラットに3つの毎日の条件づけ試行の1つ目を受けさせた。ラットを、3pMBP 0.015mg/kg(n=8)、3pMBP 0.005mg/kg(n=8)、ビヒクル0mg/kg(n=8)の前処置薬条件に、無作為に割り付けた。ラットに、条件づけの3時間前に、栄養管を介して、前処置薬を受けさせた。ラットを、次いで、TRチャンバーに置き、0.1%サッカリン溶液を1ml/分の速度で2分注入し、一方で口腔顔面反応を記録した。サッカリン注入の直後に、ラットに10mg/kgTHC又はVEHを注入(経口)し、ラットのホームケージに戻した。24時間後、ラットに、薬物を使用しない検査試行を受けさせ、ラットをTRチャンバーに置き、0.1%サッカリン溶液を1ml/分の速度で2分注入し、口腔顔面反応を記録した。
10mg/kg THCで条件づけたとき、ラットは条件づけ試行中よりも、検査試行中により大口を開けた。図5Bにおいて見られるように、両方の用量の3pMBP(0.005及び0.015mg/kg)を用いた前処置は、大口開け反応の平均数を減少することにより、条件づけられた大口開けの確立を妨害した(ビヒクルと3pMBPとの間の差、0.005mg/kg、p=0.023、ビヒクルと3pMBPとの間の差、0.015mg/kg、p=0.029)。
これらの実験は、微量透析技術により測定された、3pMBPの、自由行動ラットの側座核(Nac)においてTHCにより誘導されたドーパミン(DA)放出の増大を阻害する能力を評価することを目的とした。DAは、THCを含む乱用薬物の中毒性の主要な生体基質であると考えられるため、NacにおけるDA放出を試験した。
雄Sprague-Dawleyラットにおいて、3つの用量の3pMBP(0.005、0.015又は0.05mg/kg、経口)の作用を、THC(1mg/kg)により誘導されたNacにおけるDA放出の増大に対して検査した。THCを、対照ビヒクル(VEHTHC)にも使用された、エタノール(2%)及びTween80(2%)を含有する0.9% NaClに溶解し、1ml/kgの容量で腹腔内投与した。
3pMBPは、ラットにおいて、1mg/kgのTHCにより誘導された側座核においてドーパミン放出の増大を阻害した(ID50≒0.005及びID100≒0.015mg/kg)(図5C及び5D)。
3pMBPの経口投与によるカンナビノイド関連障害に関連する、以降に記載するCB1アゴニスト及びTHCの条件づけられた薬力学的作用の阻害を試験した。
a.CB1アゴニストであるWIN 55, 212-2の静脈内自己投与;
b.THCの静脈内自己投与及びTHC探求の復活;
これらの実験は、マウスにおいて、3pMBPの、薬物の増強作用を測定するための至適基準であると考えられる静脈内自己投与検査により試験されたような、CB1アゴニストであるWIN 55, 212-2(WIN)の増強作用を阻害する能力を評価することを目的とした。
3pMBPの静脈内(iv)自己投与に対する作用を、雄CD1-Swissマウスにおいて測定した。
マウスにおいて、3pMBPは、WIN 55,212-2の静脈内自己投与を阻害した(ID50≒0.005及びID100≒0.015mg/kg)(図6)。
これらの実験は、動物において大麻嗜癖及び再発を試験するための至適基準モデルであると考えられる非ヒト霊長類(リスザル)において、3pMBPの、THCの増強作用を阻害する能力を評価することを目的とした。2つの実験モデルを使用した。
・THC媒介性の静脈内自己投与
・THC先行刺激媒介性のTHC探求の増強
すべての実験について、検査の4時間前に、3pMBPを、ブドウ中に、0.1mlのトウモロコシ油の容量で経口投与した。
3pMBPは、非ヒト霊長類(リスザル)において、THCの静脈内自己投与を阻害する(ID50≒0.005及びID100≒0.015mg/kg)(図7A及び7B)。3pMBPは、非ヒト霊長類(リスザル)においてTHC先行刺激により誘導されたTHC探求の復活も阻害した(ID100≦0.0015mg/kg)が、ビヒクル先行刺激に対する作用を有しなかった(図7C及び7D)。
3pMBPの、THCの条件づけられた及び無条件の作用に対する作用を評価した実験の結果を、以降の表(Table 4(表4))で報告する。この表は、3pMBPが、カンナビノイドの使用後に出現するいくつかの障害に関連する広範囲のTHCの作用の阻害において非常に強力であることを、明らかに示す。結果として、3pMBPは、カンナビノイド関連障害の一般的な処置であると考えられる。
3pMBPは、オルソステリックCB1アンタゴニストの行動的及び内分泌学的な副作用のいずれも有しない
3pMBPとオルソステリックCB1アンタゴニストであるリモナバンの、薬学的プロファイル及び有害作用に関連する表現型に対する作用を比較した。オルソステリックCB1アンタゴニスト、例えばAcomplia(登録商標)は、有害作用のために市場から撤退した。結果として、CB1を阻害する治療的手段については、ヒトにおいて実用性のあるものとするために、オルソステリックCB1アンタゴニストの周知の有害作用を有すべきではない。
これらの実験は、食事誘導性肥満(DIO)マウスモデルにおいて3pMBPでの反復処置が摂食及び体重を低減する能力を評価し、これらの作用をCB1オルソステリックアンタゴニストであるリモナバンの作用と比較することを目的とした。体重及び摂食は、マウスとヒトの両方においてCB1オルソステリックアンタゴニストでの反復処置により低減されるため(Wileyら、2005年;Mazierら、2015年;Bermudez-SilvaFJら、2012年)、体重及び摂食を試験した。CB1アンタゴニストの作用は痩せたマウスよりも肥満マウスでより大きく増幅されるため、DIOマウスを使用した。
雄C57BL/6Jマウスに、薬学的処置の開始前8週間、高脂肪食(HFD)を自由摂食させた。薬学的処置中、HFDを維持し、摂食及び体重を毎日測定した。消費された食物を、最初の事前に加重した量からホッパー内に残った食物を減じることにより算出した。
3pMBPは、検査された用量のいずれについても、全体の実験期間(4週間について0.005、0.015及び0.05mg/kg、及び2週間について5及び15mg/kg)、摂食又は体重を修正しなかった。対照的に、CB1アンタゴニストであるリモナバンは、摂食及び体重の両方を低減した(図8A及び8B)。
これらの実験は、慢性的にTHCで処置されたマウスにおいて、3pMBPの、離脱を促進する能力を評価することを目的とした。離脱の促進はカンナビノイド依存対象においてTHC阻害剤の潜在的な副作用の構成要素であるため、離脱の促進を試験した。例えば、オルソステリックCB1アンタゴニストであるリモナバンは、慢性的にTHCで処置されたマウスにおいて離脱を促進することが周知である。
これらの実験において使用された慢性的THC投与計画(20mg/kg、1日2回)は、重度のマリファナの使用を模倣し(Cookら、1998年)、マウスにおける大麻依存のモデルとして考えられる(Cutandoら、2013年;Hutchesonら、1998年)ため、これを選択した。
3pMBPは、マウスにおいて離脱を促進しなかった。対照的に、同一の実験条件で、CB1オルソステリックアンタゴニストであるリモナバンの投与後、離脱の徴候が現れた(図8C及び図8D)。
これらの実験は、3pMBPでの反復処置の、マウスにおいて不安及び抑うつ関連行動を増大する能力を評価すること、並びにこれらの潜在的な作用をオルソステリックCB1アンタゴニストであるリモナバンの作用と比較することを目的とした。不安及び抑うつの増大は、齧歯類及びヒトの両方におけるCB1オルソステリックアンタゴニストでの反復処置の結果である(Bellocchioら、2013年、Patelら、2006年、Moreiraら、2009年、Tzavaraら、2003年)ため、不安及び抑うつ関連行動を試験した。高架式十字迷路(EPM)は、齧歯類において薬学的化合物の推測上の不安惹起及び抗不安作用を評価するために広く使用される(Walfら、2007年)ため、不安様行動をこのモデルで試験した。抑うつ関連行動を、抑うつの主要な症状の1つである無快感症のモデルとして主に使用されるスクロース嗜好検査を使用して試験した。
EPM装置を、十字の配置で配列された4つの上昇したアームから作製し、2つの対向するアームは壁により囲まれ、他の2つのアームは開いている。すべての実験について、適切な処置を受けさせた後、マウスをEPMの中心に置き、5分、自由に迷路を探索させた。オープンアーム及びクローズドアームで過ごした時間並びにそれらに入った数を、自動ビデオトラッキングシステムにより測定した。オープンアーム中への訪問のパーセンテージ及び/又はオープンアームで過ごした時間の低減は、不安レベルの増大の指数と考えられる。
3pMBPは、それぞれEPM(図9A及び図9B)及びスクロース嗜好検査(図9C)で測定された、不安及び抑うつ関連行動に対する作用を有しなかった。対照的に、EPMのオープンアーム中で過ごした時間の低減(図9A)及びオープンアーム中への訪問のパーセンテージ(図9B)及びスクロースの嗜好の低減(図9D)により示されるように、リモナバンは不安及び抑うつ関連行動を増大した。
これらの実験は、マウスにおいて、3pMBPの、ヒトにおけるコルチゾールに対応する、齧歯類における副腎により産生される主要なグルココルチコイドであるコルチコステロンの血漿濃度に対する作用を評価することを目的とした。オルソステリックCB1アンタゴニストであるリモナバンは血漿コルチコステロン濃度を増大する(Steinerら、2008年)ため、3pMBPのコルチコステロンレベルに対する作用を試験した。
3pMBP(0.3及び10mg/kg)又はビヒクル(VEH)の血漿コルチコステロンレベルに対する作用を、雄及び雌CD-1 Swissマウスにおいて試験した。血液サンプリングを、投薬(性別あたり、用量あたり及びサンプリング時間あたりn=3)の2、5、8及び24時間後に実施した。血液サンプリングについて、マウスをイソフルラン下で麻酔し、血液を心臓穿刺により収集した。血液を遠心分離し、血漿を取り、-80℃で、他で記載されている検証済みのGC-MS法(Valleeら、2014年; Valleeら、2000年;Georgeら、2010年)を使用するGC-MS/MS(ガスクロマトグラフィー-タンデム質量分析法)によるコルチコステロンの定量化まで冷凍した。
0.3及び10mg/kgの3pMBPは、雄(図10A)及び雌(図10B)マウスにおいて、グルココルチコイドの分泌を増大しなかった。
Table 5(表5)において、リモナバンの有害作用を3pMBPの作用と比較する。
3pMBPは、マウスにおいて自発的な行動に対する作用を有しない。
オルソステリックCB1アンタゴニストの同じ有害な行動作用を有しないことに加えて、3pMBPは、マウスにおける15mg/kgでの3pMBPの投与後24時間中の、ホームケージ中の自発的な行動のビデオ分析により示されるように、齧歯類において行動それ自体に対する検出可能な作用を有しなかった。
3pMBPは、ヒトにおいて気分及び認知機能に対する作用を有しない。
これらの実験は、多数の検証済みの検査を使用して、単回及び反復漸増用量の3pMBPの、ヒトにおいて気分、認知及び自殺傾向に対する作用を評価するために設計された。
2つの試験を実施した。第1の試験では、健常志願者の独立したコホートに、3つの漸増用量(0.2、0.6;2mg/対象)の1つの3pMBP又はプラセボの単回投与を受けさせた。各用量コホートでは、二重盲験手順を使用して、6名の対象に割り当てられた用量の3pMBPを受けさせ、2名の対象にプラセボを受けさせた。第2の試験では、健常志願者の独立したコホートに、0.6mg/対象の3pMBP(1日1回、7日間)の反復投与を受けさせた。各用量コホートでは、二重盲験手順を使用して、6名の対象に割り付けた用量の3pMBPを受けさせ、2名の対象にプラセボを受けさせた。0.2mg/対象の用量は、齧歯類におけるTHC行動作用の阻害についての最も観察されたED100(0.015mg/kg)で観察されたものの範囲内で、3pMBPの血漿濃度の増大を誘導する。
Bond及びLader視覚的アナログ尺度(Bond and Lader Visual Analogue Scale)(Bond及びLader、1974年)は、16の、2つの対向する形容詞の間にある100mm長の線の二極間の自己評定から構成される。この検査は計算機で支援される。対象は、マウスを使用して、各線上で、検査時に対象がどのように感じているか示す必要がある。反応を、線の左末端と対象の印との間のmm単位の距離を測定することによりスコア付けする。スコアは、覚醒度、満足(ウェルビーイング)及び落ち着きの、3つの派生した因子サブスコアから構成される。スコアが高いほど、より高い覚醒度、満足及び落ち着きを示す。
この自記入式及び計算機支援型質問票は、49の項目から構成される。各質問を、スクリーンに1つずつ現す。マウスを使用して、対象は各項目に対して、対象が項目を読んでいるときに対象が感じたことに関して、「偽」又は「真」をクリックしなければならない。次いで、PCAG(ペントバルビタールクロルプロマジンアルコール群尺度(Pentobarbital Chlorpromazine Alcohol Group Scale))、BG(ベンゼドリン群(Benzedrine group))、AG(アンフェタミン群尺度(Amphetamine Group Scale))、LSD(LSD群尺度(LSD Group Scale))及びMBG(モルヒネベンゼドリン群尺度(Morphine Benzedrine Group Scale))(Martinら、1971年)の、5つのスコアを導出する。
Profile Mood Scaleは、多様な気分感情を記載する65の形容詞から構成される(Mc Nairら、1992年;Cayrouら、2000年;Cayrouら、2003年)。
CNSに進入する医薬と自殺傾向の潜在性(自殺念慮及び行動)との間の関係性は、近年、規制当局、例えばFDAにより高い注目を受けており、臨床試験におけるより一貫し且つ厳格なデータ収集の機構を積極的に実装する必要性が上昇している。
ここで検査されたすべての3pMBP用量について、対象の一般行動における修正はなく、実施された心理測定検査のいずれについての修正もなかった。特に、ARCI-49試験において修正がないことは、対象が、彼らが精神活性物質を受けたことを知ることが不可能であることを示す。
リモナバンと比較した、3pMBPの安全性薬理及び毒性
1. 3pMBPのGLP安全性薬理評価
材料及び方法
3pMBPの、安定トランスフェクトしたHEK-293細胞中のhERG電流に対する作用の評価
この試験の目的は、3pMBPの、安定トランスフェクトしたしHEK-293細胞中のhERGテール電流に対する任意の可能性のある作用を評価することであった。試験をGLPの総則に従って実行し、試験の設計は、安全性薬理についてのICH S7A guidelines(2001年)に従う。
この試験の目的は、3pMBPの、ラットにおいて単回経口投与に続く任意の潜在的な神経行動作用及び体温に対する作用を評価することであった。
この試験の目的は、3pMBPの単回経口投与の、覚醒ラットにおける全身プレチスモグラフィー法により測定した、呼吸パラメーター(呼吸速度、最大吸気及び最大呼気速度、吸気及び呼気時間、気道抵抗指数、一回換気量及び分時換気量)に対する任意の可能性のある作用を評価することであった。
この試験の目的は、3pMBPの、覚醒イヌへの単回経口投与後の血圧、心拍数、体温及び心電図に対する任意の可能性のある作用を評価することであった。
3pMBPは、GLP安全性薬理検査に対するいかなる有害作用も示さなかった:
材料及び方法
3pMBPの細胞毒性、変異原性及び遺伝毒性作用を、検査系について許容される最大濃度まで、すなわち74から100μMの間で、検査した。
インビトロ試験
3pMBPは、検査した最も高い濃度(74から100μMの間)でさえ、細胞毒性、遺伝毒性及び変異原性のいずれも示さなかった。74及び100μMの3pMBPの濃度は、CB1依存性MAPKリン酸化の阻害についての3pMBPのIC50よりも7400~10000倍高い。
毒性実験の結果に基づいて、3pMBPは、TI>7200を有する好ましい毒性プロファイルを示す。このような大きなTIは、3pMBPの2つの特徴の結果でありうる。
3pMBPの、薬物動態、吸収、分布、代謝及び排泄試験
1.動物における3pMBPの薬物動態及び吸収
材料及び方法
血漿中の3pMBPの薬物動態(PK)を、雄及び雌のマウス、ラット、及びイヌにおいて、強制栄養による経口投与(トウモロコシ油中)の後に試験した。脳内の3pMBPの分布を、マウス及びラットで試験した。イヌにおいて、3pMBPをまた、シクロデキストリン中に可溶化した後に静脈内投与した。血漿及び脳の両方において、3pMBPの濃度を、タンデム質量分析法と連結した液体クロマトグラフィー(LC/MS-MS)を使用して測定した。
マウス(0.3、4及び10mg/kg、経口)、ラット(1.6mg/kg、経口)及びイヌ(0.7mg/kg、経口及び静脈内)への投与後、雄と雌との間で、血漿中の3pMBPのPKパラメーターに差異はなかった。Table 8(表8)(雄及び雌の動物からの結果を累計する)に記載されているように、3pMBPの単回投与後の血漿中のAUCの増大は、マウスにおいて試験された3つの用量(0.3、4及び10mg/kg)にわたり直線状であった。マウス、ラット及びイヌにおいて、3pMBPのtmaxは同様(≒3時間)であり、3pMBPの吸収について同程度であることを示唆した。3pMBPの半減期は、イヌ(28.0時間、経口;35.9、静脈内)で最も長く、続いてマウス(17.8~18.3時間)、及びラットで最も短かった(8~13.9時間)。経口投与後のAUC/用量比は、イヌ(2074)で最も高く、続いてマウス(848~1132)、及びラットで最も低かった(661)。
材料及び方法
この試験では、健常志願者の独立したコホートに、3つの漸増用量(0.2、0.6;2mg/対象)の1つの3pMBP又はプラセボの単回投与を受けさせた。各用量コホートでは、二重盲験手順を使用して、6名の対象に割り付けた用量の3pMBPを受けさせ、2名の対象にプラセボを受けさせた。
3pMBPの経口投与は、体表面比の変換を使用して動物におけるPK試験により予測された血漿濃度の範囲である、薬物の血漿濃度を誘導し、ヒトにおいて良好な3pMBPの吸収を確認した。0.2mg/対象の用量は、齧歯類におけるTHC行動作用の阻害についての最も観察されたED100(0.015mg/kg)で観察されたものの範囲内で、3pMBPの血漿濃度の増大を誘導した。
材料及び方法
ヒト、ラット、マウス及びイヌの肝ミクロソームにおける3pMBPの代謝安定性
マウス(MLM)、ラット(RLM)、イヌ(DLM)及びヒト(HLM)に由来する肝ミクロソーム(LM)に対して調査を実施した。
代謝プロファイルを、血漿中、尿中及び糞便中で評価し、放射標識した代謝産物を、ラジオ-HPLC分析を使用して、それらの保持時間により特定した。結果を、すべての検出されたピーク領域の合計の%として表す。
3pMBPの下流ステロイドへの変換を、マウスにおいて、プレグネノロン代謝産物の最初の2工程である、プレグネノロンの下流ステロイドであるプロゲステロン及び17α,OHプレグネノロンを測定することにより、試験した。3pMBPの下流ステロイドへの変換を、ラット及びイヌにおいても、2、9及び36mg/kgの化合物の投与後に、テストステロン、DHEA及びアロプレグナノロンを測定することにより試験した。最終的に、下流ステロイド(DHEA、アロプレグナノロン及びテストステロン)への変換を、ヒトにおいて、3つの用量(0.2、0.6、及び2mg/対象)の1つの3pMBPの急性投与後に試験した。すべてのこれらの試験では、ステロイドの血漿濃度を、ガスクロマトグラフィー-タンデム質量分析法(GC/MS-MS)により測定した。
肝ミクロソーム(LM)における代謝安定性
3pMBPは、ヒト及びラットLMにおいて低いクリアランス(それぞれ、固有クリアランス=3.38及び12.3μl/分/mg;半減期=410及び113分)並びにイヌ及びマウスLMにおいて中等度のクリアランス(それぞれ、固有クリアランス=26.0及び29.7μl/分/mg並びに半減期=53.4及び46.6分)を有した。
インビボで、[3H]-3pMBPは、血漿中にいかなる主要な代謝産物ももたらさなかった。化合物は、一般に糞便を介して排泄され、これは代謝産物の大半で起こるようである。血漿中、[3H]3pMBPの経口投与の3及び6時間後に、すべての統合されたピークのそれぞれ100%(3時間)及び78%(6時間)を占める、3pMBPと対応する1つのみの大きいピークが観察された。24時間目では、3pMBPは血漿中に存在せず、微量の1つの代謝産物のみが存在した。尿中では、各時間間隔で、3pMBPはほぼ検出されなかった(0.5%用量未満)。0~6時間間隔では、3pMBPに対応する1つを含む、3つの大きなピークが検出された(各≒30%)。6~24時間及び24~48時間では、3pMBPは尿中に検出されず、2つの他のピークのみが存在した。排泄された用量の大半は糞便中で発見され、3pMBPに加えて、各々が統合されたピークの30から10%の間を占める、7つの他のピークが発見された。
0.3及び10mg/kgの3pMBPの経口投与は、雄及び雌のマウスにおいて3pMBPの投与後2、5、8又は24時間で測定した、プレグネノロン代謝産物の最初の2工程であるプロゲステロン及び17-OH-プレグネノロンの血漿濃度を増大しなかった。同様に、雄及び雌のラット及びイヌでは、投薬前及び次いで投薬後1時間、2時間、4時間、8時間及び24時間で測定された、急性又は反復(28日間)の3pMBP(2、9、及び36mg/kg)の投与の、テストステロン、DHEA及びアロプレグナノロンの血漿濃度に対する作用は存在しなかった。最終的に、ヒトにおいて、検査されたすべての3pMBPの用量について、活性なステロイドにおいて変化は観察されなかった。
材料及び方法
3pMBPによるいくつかのCYPアイソザイム(1A、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A)の活性の潜在的阻害を、インビトロでヒト肝ミクロソームを使用して検査した。
3pMBPは、10μMでは、CYPアイソザイム(1A、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A)の活性の有意な阻害を誘導せず、10nM、100nM及び1μMでは、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4の発現を増大しなかった。
全体として3pMBPは、雄と雌との間で異ならず、イヌ及びヒトにおける他の2つの種よりも長い半減期及び高いAUCを除き、マウス、ラット、イヌ、及びヒトの間で類似した好ましい吸収/分布/代謝/排泄特徴を示す。3pMBPはまた、良好なバイオアベイラビリティ(イヌにおいて68%)を有する。
Claims (19)
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド使用障害;カンナビノイド中毒;カンナビノイド離脱;他のカンナビノイド誘導性障害;不特定のカンナビノイド関連障害;カンナビノイド悪阻症候群;カンナビノイド誘導性緊張病の中から選択される、請求項1に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド使用障害である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド中毒である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド離脱である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド誘導性不安障害、カンナビノイド誘導性精神病性障害、カンナビノイド誘導性睡眠障害、カンナビノイド中毒譫妄の中から選択される、他のカンナビノイド誘導性障害である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、不特定のカンナビノイド関連障害である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド悪阻症候群である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記カンナビノイド関連障害が、カンナビノイド誘導性緊張病である、請求項1又は2に記載の使用のための薬学的組成物。
- カンナビノイドが、アサ植物に由来する、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- カンナビノイドが、CB1アゴニスト活性を有する合成化合物である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、経口経路により対象へ投与される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、非経口経路により、すぐに吸収される又はデポ型の製剤のいずれかを用いて対象へ投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、静脈内経路又は皮下経路又は筋肉内経路により対象へ投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、鼻腔内若しくは吸入又は舌下若しくは局所若しくは経皮により、又は坐薬若しくは膣坐薬の形態で投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、1μgから1000mgの間に含まれる用量で対象へ投与される、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記化合物が、油性ビヒクルで投与される、請求項1から16のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記油性ビヒクルが、長鎖トリグリセリド植物油である、請求項17に記載の使用のための薬学的組成物。
- 前記長鎖トリグリセリド植物油が、トウモロコシ油である、請求項18に記載の使用のための薬学的組成物。
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