JP7253322B2 - 外皮の退色診断方法 - Google Patents

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本発明は、カメラなどの撮像装置を用いて、建物の外皮の退色を診断する外皮の退色診断方法に関する。
従来から建物の外皮の退色などの劣化を診断する際に、撮像装置を用いて診断されることがある。例えば、特許文献1の技術では、建物の外皮(外壁材)に、画像を補正するための補正ツールを配置し、標準板を用いた建物の外皮を、撮像装置で撮像することにより、外皮の退色診断(劣化診断)が行われている。具体的には、この退色診断では、建物の外皮とともに、所定の色が付された標準板を撮像し、撮像した外皮の画像の色数値から、外皮の退色診断を行っている。
特許第5893593号公報
ここで、例えば、特許文献1の技術のように、撮像された画像の明度は、実際に色差計で測定される明度とは異なることがあり、例えば、撮像された画像の明度に対して、γ補正などの補正がされることが一般的である。しかしながら、発明者らの経験によれば、このような明度の補正を行ったとしても、実際に撮像される環境等の撮像条件が異なれば、依然として、補正を行った明度と、色差計で測定した明度との誤差が大きいことがわかった。これにより、補正を行った明度に基づいて、建物の外皮の退色を正確に診断することができないことがわかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、撮像装置により撮像された建物の外皮の画像から、より正確に外皮の明度を特定し、この明度から外皮の劣化を正確に診断することができる建物の外皮の退色診断方法を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明は、建物の外皮の退色を診断する退色診断方法であって、第1建物の第1外皮の明度と、単色の標準板の明度とを、実測明度として色差計で実測する明度実測工程と、複数の異なる撮像条件で、前記第1外皮とともに前記標準板を撮像装置で撮像し、撮像した画像から、前記第1外皮の明度と前記標準板の明度とを、画像明度として算出する明度算出工程と、前記標準板の実測明度と、前記撮像条件ごとの前記標準板の画像明度とから、前記第1外皮の画像明度を補正する画像明度補正工程と、補正した前記第1外皮の画像明度と、前記第1外皮の実測明度とから、前記撮像条件ごとの前記第1外皮の画像明度の補正係数を算出し、算出した前記補正係数と前記標準板の画像明度とから、前記標準板の画像明度を変数とした前記補正係数の関数を算出する関数算出工程と、により、前記退色診断方法は、前記補正係数の関数を構築し、前記第1建物と異なる第2建物の第2外皮の退色診断を行うものであり、前記退色診断方法は、前記第2外皮とともに前記標準板を、前記撮像装置で撮像し、撮像した画像から、前記第2外皮の明度と、前記標準板の明度とを、評価明度として算出する評価明度算出工程と、前記標準板の評価明度を前記補正係数の関数に代入し、得られた補正係数で、前記第2外皮の評価明度を補正する評価明度補正工程と、補正後の前記第2外皮の評価明度から、前記第2外皮の退色を診断する診断工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、明度実測工程から関数算出工程までを、第1建物の第1外皮に対して行い、これらの一連の工程で得られた第1外皮の画像明度の補正係数の関数を構築する。この構築した補正係数の関数により、第2建物の第2外皮を撮像した評価明度を補正し、第2外皮の退色診断をより正確に行うことができる。
具体的には、明度実測工程において、第1外皮の実測明度と標準板の実測明度を色差計で実測する。次に、明度算出工程において、複数の異なる撮像条件下で、撮像装置で撮像した画像から、第1外皮の画像明度と標準板の画像明度を算出する。
画像明度補正工程において、標準板の実測明度および複数の異なる撮像条件ごとに得られた標準板の画像明度から、対応する撮像条件ごとの第1外皮の画像明度を補正する。しかしながら、発明者らの実験によれば、このような補正だけでは、補正後の外皮の画像明度が、実際の外皮の明度とは大きく乖離することがある。これは、標準板の実測明度と標準板の画像明度から、外皮の画像明度を補正すると、撮像環境に起因した明度の誤差を減らすことができるが、発明者らの知見によれば、撮像装置の特性に起因した明度の誤差は、このような補正をしてもなくならないと考えられる。このような点を鑑みて、発明者らは、以下の外皮の明度に対する補正係数の関数を求めた。
具体的には、関数算出工程において、補正された第1外皮の画像明度と、実際に色差計で実装された第1外皮の実測明度から、標準板の画像明度を変数とした第1外皮の画像明度の補正係数の関数を算出する。発明者らによれば、この補正係数は、撮像装置に依存した撮像特性に固有の補正係数であり、例えば、撮像装置自体の撮像素子の特性、撮像装置内の信号処理等に依存するものであると考えられる。このようにして得られた補正係数の関数を構築し、同じ撮像装置で撮像した他の画像に対して、その明度をより正確に補正することができる。
そこで、本発明では、前記第1建物と異なる第2建物の第2外皮の退色診断を行う。まず、評価明度算出工程において、撮像装置で撮像した第2外皮と標準板の画像から、第2外皮の評価明度と標準板の評価明度を算出する。
評価明度補正工程において、標準板の評価明度を補正係数の関数に代入し、得られた第2外皮の評価明度の補正係数で、第2外皮の評価明度を補正する。これにより、撮像装置の固有の特性に起因した明度の誤差を低減することができる。このように補正された第2外皮の評価明度により、第2外皮の退色診断をより正確に行うことができる。
さらに本発明では、関数算出工程における補正係数の関数の算出時、および、評価明度補正工程における補正係数の算出時に、共通の標準板を撮像することにより得られた明度を用いるため、より精度の高い補正を行うことができる。
より好ましい態様としては、前記評価明度補正工程において、前記補正係数による補正とともに、前記標準板の実測明度と前記標準板の評価明度とから、前記第2外皮の評価明度を補正する。この態様によれば、標準板の実測明度と標準板の評価明度とから、これらを加味して第2外皮の評価明度を補正するので、撮像環境に起因した明度の誤差を低減することができる。
より好ましい態様としては、前記明度算出工程において、前記第1外皮の上に、前記標準板を配置した状態で、前記撮像装置による撮像を行い、前記評価明度算出工程を、前記第2外皮の上に、前記標準板を配置した状態で、前記撮像装置による撮像を行う。この態様によれば、標準板の撮像される表面と、第1外皮または第2外皮の撮像される表面とを、撮像装置に対して、同じ方向に向けることができるため、外皮の退色診断をより正確に行うことができる。
さらに好ましい態様としては、前記標準板の単色は、黒色である。この態様によれば、標準板を黒色とすることにより、明るさが異なる環境下において、標準板の表面の光の反射を低減することができる。これにより、より正確に標準板の画像明度および評価明度を得ることができ、外皮の退色診断をより正確に行うことができる。特に、外皮が屋根である場合には、太陽光が標準板に反射し易いところ、本実施形態では、このような反射を抑えることができる。
さらに好ましい態様としては、前記第1外皮は、前記第1建物の屋根であり、前記第2外皮は、前記第2建物の屋根である。天候等によって撮像条件が変化し易いため、屋根の評価明度を正確に算出し難いところ、この態様によれば、上述した一連の工程により、第2建物の屋根の評価明度を精度よく補正することができる。
さらに好ましい態様としては、前記明度算出工程および前記評価明度算出工程において、前記撮像装置による撮像を、前記撮像装置を搭載した無人航空機から行う。この態様によれば、撮像のために第1および第2建物に対して足場を作ることなく、無人航空機から、第1建物の屋根と第2建物の屋根を、これらの上空の所望の位置から簡単に撮像することができる。また、明度算出工程では、無人航空機の高度を変更することにより、複数の異なる撮像条件を簡単に設けることができる。
本発明によれば、撮像装置により撮像された建物の外皮の画像から、より正確に外皮の明度を特定し、この明度から外皮の劣化を正確に診断することができる。
本発明の実施形態に係る建物の外皮の退色診断方法を実施するための装置概略図である。 本発明の実施形態に係る建物の外皮の退色診断方法のフロー図である。 (a)は、第1建物の屋根を上空から見た平面図であり、(b)は、第1建物の屋根の撮像した写真を説明するための模式図である。 図2に示す関数算出工程を説明するためのグラフである。 (a)は、第2建物の屋根を上空から見た平面図であり、(b)は、第2建物の屋根の撮像した写真を説明するための模式図である。 図2に示す二次補正工程を説明するためのグラフである。 実際に測定した標準板の明度と、補正係数との関係を示したグラフである。 第2建物の第2屋根の二次補正された明度を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る建物の外皮の退色診断方法を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る建物の外皮の退色診断方法を実施するための装置概略図である。図2は、本発明の実施形態に係る建物の外皮の退色診断方法のフロー図である。
1.建物の外皮の退色を診断する診断装置1について
本実施形態に係る退色診断方法では、外皮として建物の屋根を診断する。図1に示すように、建物10の屋根11において、標準板9を使用して補正係数の関数を構築し、構築した補正係数の関数と、標準板9とを用いて建物20、30、40の屋根21、31、21の退色を診断する。建物20の屋根21に対する診断方法は、他の建物30、40の屋根31、41でも同様に行うため、以下に建物20の屋根21をその診断対象として説明し、その他の屋根31、41の診断の説明を省略する。なお、以下に「10」を第1建物、「11」を第1屋根(第1外皮)、「20」を第2建物、「21」を第2屋根(第2外皮)と称する。
この診断方法では、図1に示す撮像装置6を搭載した無人航空機(UAV)5と、処理装置7と、色差計8とを用いて、第2屋根21の退色を診断する。本実施形態では、撮像装置6で撮像する際には、標準板9が用いられる。
1-1.撮像装置6を搭載した無人航空機(UAV)5について
無人航空機(UAV)5は、いわゆるドローンであり、無人航空機5は、無線コントローラ(図示)により、第1建物10等の上空まで操作される。無人航空機5には、撮像装置6が搭載されており、無線コントローラの操作により、対象物を撮像することができる。
無人航空機5に搭載された撮像装置6は、カラーのデジタル画像が撮影できる装置であり、後述する工程において、第1建物10の第1屋根11、第2建物20の第2屋根211等を標準板9とともに撮像する装置である。撮像装置6としては、たとえば、デジタルカメラ(いわゆるデジカメ)、カメラ機能を有する通信端末等を挙げることができる。
1-2.処理装置7について
処理装置7は、入力装置71、表示装置72、演算装置(CPU)73、および記憶装置(例えばRAM等)74を備えている。処理装置7は、パーソナルコンピュータまたはスマートフォン、タブレット端末等の形態端末である。記憶装置74には、図2に示す明度算出工程S22、評価明度算出工程S31において明度の算出を行う明度算出プログラム74Aと、一次補正工程S32および二次補正工程S33等の明度を補正する補正プログラム74Bと、診断工程S34を行う診断プログラム74C等が記憶されている。なお、記憶装置74には、OS(オペレーションプログラム)(図示せず)が記憶され、これらのプログラム74A~74Cは、アプリケーションプログラムとしてインストールされている。
入力装置71は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力機器であり、USB規格等のインタフェースなどの入出力ポート(図示せず)を介して、演算装置73および記憶装置74に接続される。入力装置71により、たとえば、修正された各プログラム74A~74C、各工程の処理条件、実測した屋根の明度および処理内容が入力される。なお、撮像装置6で撮像された画像は、例えば無線により入出力ポートを介して、演算装置73に入力される。表示装置72は、液晶表示装置等の画像を表示可能な出力機器であり、撮像した画像、算出した明度、補正係数等が出力される。
1-3.色差計8と標準板9について
色差計8は、市販された色差計であり、Lab表色系において、明度Lを測定することができるのであれば、特にその装置構成は限定されない。標準板9は、0.5mm程度のプラスチック板などの板状の部材であり、本実施形態では、標準板9は、単色の表面を有しており、その色は特に限定されないが、より好ましくは、L値が黒色(より好ましくは漆黒)である。
この態様によれば、標準板を黒色とすることにより、明るさが異なる環境下において、標準板9の表面の光の反射を低減することができる。これにより、撮像した画像から標準板9の画像明度および評価明度を得ることができ、後述する第2屋根21の退色診断をより正確に行うことができる。特に、一般的に屋根は太陽光が照射され、屋根に標準板9を載置すると、標準板9に太陽光が反射し易いところ、本実施形態では、このような反射を抑えることができる。
2.第2建物20の第2屋根21の退色診断方法について
以下に、第2屋根21の退色診断方法を図2~図8を参照しながら説明する。この退色診断方法では、第1建物10の第1屋根11に対して、図2に示す明度実測工程S21~関数算出工程S24の一連の工程を行うことにより、外皮の明度に関する補正係数の関数を構築する。
そして、診断対象となる第2建物20の第2屋根21に対して、図2に示す評価明度算出工程S31~診断工程S34までの一連の工程を行うことにより、第2屋根21の退色を診断する。このように、明度実測工程S21~関数算出工程S24の一連の工程は、第2屋根21の退色を診断するための準備工程である。以下に、まず、明度実測工程S21~関数算出工程S24の一連の工程を説明する。
2-1.明度実測工程S21について
まず、明度実測工程S21を行う。この工程では、第1建物10の屋根11の明度と、単色の標準板9の明度とを、実測明度として色差計8で実測する。これにより、第1屋根11の実測明度と、標準板9の実測明度を得ることができる。
2-2.明度算出工程S22について
次に、明度算出工程S22を行う。この工程では、明度実測工程S21において、複数の異なる撮像条件下で、図3(a)に示すように、第1建物10の第1屋根11とともに標準板9を、撮像装置6で撮像する。この際、無人航空機5を第1建物10の上空に飛行させて、上方から第1屋根11を撮像装置6で撮像する。ここで、複数の異なる撮像条件としては、晴れ、曇り、雨などの天候が異なる条件、日中、夕方など外部の明るさが異なる条件、さらに、異なる高度の条件、などを挙げることができる。ここで、無人航空機5で撮像すれば、異なる高度で撮像できるため、より簡単かつ迅速にこの工程を実施することができる。
撮像した画像は、処理装置7に送信され、処理装置7で、撮像した画像から、第1屋根11の明度と標準板9の明度とを、画像明度として算出する。具体的には、図3(b)に示すように、撮像した画像11Aから、第1屋根11の部分の画像15Aを抽出し、画像15Aからの第1屋根11の画像明度を、Lab表色系に従って算出する。同様に、撮像した画像11Aから、標準板9の画像9Aを抽出し、画像9Aから、標準板9の画像明度を、Lab表色系に従って算出する。
このようにして、複数の異なる撮像条件下で、第1屋根11の画像明度と、第1屋根11の上に配置された標準板9の画像明度を得ることができる。本実施形態では、明度実測工程S21と明度算出工程S22とをこの順に実行しているが、これらを同時に行ってもよく、明度算出工程S22後に、明度実測工程S21を行ってもよく、これらの工程の順序は問わない。
2-3.画像明度補正工程S23について
次に、画像明度補正工程S23を行う。この工程では、標準板9の実測明度と、撮像条件ごとの標準板9の画像明度とから、撮像条件ごとの第1屋根11の画像明度を補正する。処理装置7では、第1建物10の第1屋根11の画像明度の一次補正係数γを算出する。本実施形態では、その補正の一例として、画像処理におけるγ補正を挙げ、このγ補正では、まず以下の数1に示すγ補正の補正係数を、一次補正係数γ’として算出する。なお、数1のlogの底はeである。
Figure 0007253322000001
このようにして、複数の異なる撮像条件ごとに、標準板9を基準とした第1屋根11の画像明度の一次補正係数γ’を得ることができる。次に、一次補正係数γ’を用いて、第1屋根11の画像明度を補正する。具体的には、以下の数2に従って、第1屋根11の画像明度を補正する。
Figure 0007253322000002
しかしながら、発明者らの実験によれば、このようなγ補正だけでは、補正後の第1屋根11の画像明度が、実際の第1屋根11の明度とは大きく乖離することがある。そこで、以下に示す、第1屋根11の画像明度に対する補正係数の関数を算出する。この補正係数は、撮像装置6の特性に寄与した補正係数である。
2-4.関数算出工程S24について
関数算出工程S24では、複数の異なる撮像条件ごとに、補正された第1屋根11の画像明度と、第1屋根11の実測明度とから、標準板9の画像明度を変数として、第1屋根11の画像明度の補正係数Kの関数Fを算出する。具体的には、まず、以下に示す数3により、撮像条件ごとに補正された第1屋根11の画像明度と、第1屋根11の実測明度とから、補正係数Kを算出する。
Figure 0007253322000003
次に、図4に示すように、標準板9の画像明度と、算出された補正係数Kとを、横軸を標準板9の画像明度とし、縦軸を補正係数Kとして、グラフにプロットする。プロットされたデータから、例えば直線近似式、多項式近似式、指数近似式等により、近似関数を算出する。得られた近似関数は、標準板9の画像明度を変数とした、第1屋根11の画像明度の補正係数Kの関数Fである。本実施形態では関数Fは、以下の数4に示すような指数関数により近似した関数である。数4のa、bは定数である。
Figure 0007253322000004
発明者らの経験によれば、補正係数Kは、撮像環境に依存した撮像装置6の撮像特性に固有の補正係数(カメラ補正係数)である。このようにして得られた補正係数Kの関数Fを用いて、同じ撮像装置6で撮像した画像の明度を、より正確に補正することができる。以下に、診断対象となる第2建物20の第2屋根21に対して、図2に示す評価明度算出工程S31~診断工程S34の工程を行う。
2-5.評価明度算出工程S31について
まず、評価明度算出工程S31を行う。この工程では、図5(a)に示すように、第2建物20の第2屋根21とともに標準板9を、撮像装置6で撮像する。この際、無人航空機5を、第2建物20の上空に飛行させて、第2屋根21の上方から、これらを撮像装置6で撮像する。第2屋根21を撮像する撮像装置6は、明度実測工程S21で測定した撮像装置6と実質的に同じ撮像装置を用いる。実質的に同じとは、たとえば、撮像環境の明るさに依存して、撮像された画像の明度の変化特性が同じものである。したがって、例えば、同じ撮像装置6に限られず、同じメーカの型番の撮像装置または同じメーカの同じシリーズの撮像装置などである。なお、撮像装置6で撮像する方法は、明度算出工程S22で行った方法と同様の方法である。
撮像した画像は、処理装置7に送信され、処理装置7で、撮像した画像から、第2屋根21の明度と標準板9の明度とを、評価明度として算出する。具体的には、図5(b)に示すように、撮像した画像21Aから、第2屋根21の部分の画像25Aを抽出し、画像25Aからの第2屋根21の評価明度を、Lab表色系に従って算出する。同様に、撮像した画像21Aから、標準板9の画像9Aを抽出し、画像9Aから、標準板9の評価明度を、Lab表色系に従って算出する。このようにして、第2屋根21の評価明度と、第2屋根21の上に配置された標準板9の評価明度を得ることができる。
2-6.一次補正工程S32について
次に、一次補正工程S32を行う。この工程では、明度実測工程S21実測した標準板9の実測明度と、評価明度算出工程S31で算出した標準板9の評価明度とから、処理装置7で、第2建物20の第2屋根21の評価明度の一次補正係数を算出する。本実施形態では、その補正の一例として、γ補正を挙げ、このγ補正では、数5に示すγ補正の補正係数を、一次補正係数γとして算出する。なお、数1のlogの底はeである。
Figure 0007253322000005
一次補正係数γにより第2屋根21の評価明度を補正する。具体的には、以下の数6に従って、第2屋根21の画像明度を補正する。
Figure 0007253322000006
2-7.二次補正工程S33について
次に、二次補正工程S33を行う。この工程では、第2屋根21とともに撮像された標準板9の評価明度と、関数算出工程S24で算出された補正係数Kの関数Fから、第2屋根21の評価明度の補正係数KBを算出する。
具体的には、図6に示すように、第2屋根21とともに撮像された標準板9の評価明度を補正係数Kの関数Fに代入して、第2屋根21の評価明度に対する補正係数KBを算出する。算出した補正係数KBを、第2屋根21の評価明度に乗じて二次補正を行う。このように、二次補正を行うことにより、第2屋根21の評価明度がより精度良く補正される。なお、一次補正工程S32と二次補正工程S33が、本発明でいう「評価明度補正工程」に相当する。ここで、本実施形態では、一次補正工程S32、二次補正工程S33の順に、第2屋根21の評価明度の補正を行ったが、これらの補正を同時に行ってもよく、二次補正工程S33による補正を行った後、一次補正工程S32による補正を行ってもよい。
2-8.診断工程S34について
最後に、診断工程S34を行う。この工程では、二次補正した第2屋根21の評価明度から、第2屋根21の退色を診断する。
このように、本実施形態では、関数算出工程S24における補正係数Kの関数Fの算出時、および、二次補正工程S33における補正係数KBの算出時に、標準板9の明度を用いるため、得られた補正係数KBにより、精度の高い明度補正を行うことができる。補正係数KBで、第2屋根21の評価明度を二次補正すれば、評価対象(退色診断の対象)である第2屋根21の明度をより正確に算出することができる。
例えば、補正された評価明度の値から、第2屋根21の屋根材の明度の基準値(たとえば、カタログ値)を減算した明度差を算出し、第2屋根21の退色を診断することができる。明度差が、例えば、0~1の場合には、第2屋根21の退色がなく、明度差が1~3の場合には、第2屋根21の退色が進行しはじめていると診断することができる。さらに、明度差が、例えば、12以上の場合には、第2屋根21の退色が大きいため、屋根材の貼り替え時期と診断することができる。
本実施形態では、第1屋根11、第2屋根21の上に標準板9を配置したので、標準板9の撮像される表面と、第1屋根11、第2屋根21の撮像される表面とを、同じ方向に向けることができる。このため、撮像された画像から、より正確な明度を算出することができる。なお、たとえば、第1屋根11、第2屋根21とともに標準板9を撮像することができるのであれば、これらの近傍、第1建物10または第2建物20の近傍の地面に標準板9を配置してもよい。
<確認試験>
発明者らは、以下の確認試験を行った。具合的には、漆黒の標準板を用いて、天候と、無人航空機(UAV)の飛行高度(第1建物(A棟)の第1屋根から高度10~20mの範囲)とを、で組み合わせて、8つ条件下で、上述した明度実測工程S21~関数算出工程S24の工程を行った。これらの条件における標準板の画像明度と、算出した補正係数Kの関係から、指数近似した関数Fを算出した。この結果を図7に示す。
さらに、図4で得られた補正係数Kの関数Fから、第2建物(B棟)の第2屋根に対して、評価明度算出工程S31~診断工程S34までの一連の工程を、異なる8つの撮像条件下で行った。二次補正工程S33において補正された第2建物の第2屋根の画像明度と、実際に実測した第2屋根の明度の実測値とを図8に示す。
図7に示すように、標準板の画像明度と、算出した補正係数Kとには、相関性があることがわかった。そして、この補正係数Kの関数Fを用いて、第2建物の第2屋根の画像明度を二次補正すると、図8に示すように、実測明度に対して誤差が10%未満であり、精度の高い第2屋根の画像明度を得ることができ、精度の高い退色診断ができると言える。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、本実施形態では、建物の外皮として、屋根を例示したが、たとえば、その外皮が、建物の外壁であってもよい。
1:診断装置、5:無人航空機(UAV)、6:撮像装置、7:処理装置、8:色差計、9:標準板、10:第1建物、11:第1屋根(第1外皮)、20:第2建物、21:第2屋根(第2外皮)、S21:明度実測工程、S22:明度算出工程、S23:画像明度補正工程、S24:関数算出工程、S31:評価明度算出工程、S32:一次補正工程、S33:二次補正工程、S34:診断工程

Claims (5)

  1. 建物の外皮の退色を診断する退色診断方法であって、
    第1建物の第1外皮の明度と、単色の標準板の明度とを、実測明度として色差計で実測する明度実測工程と、
    複数の異なる撮像条件で、前記第1外皮とともに前記標準板を撮像装置で撮像し、撮像した画像から、前記第1外皮の明度と前記標準板の明度とを、画像明度として算出する明度算出工程と、
    前記標準板の実測明度と、前記撮像条件ごとの前記標準板の画像明度とから、前記第1外皮の画像明度を補正する画像明度補正工程と、
    補正した前記第1外皮の画像明度と、前記第1外皮の実測明度とから、前記撮像条件ごとの前記第1外皮の画像明度の補正係数を算出し、算出した前記補正係数と、前記補正係数に対応した前記撮条件ごとの前記標準板の画像明度とから、前記標準板の画像明度を変数とした前記補正係数の関数を算出する関数算出工程と、により、
    前記退色診断方法は、前記補正係数の関数を構築し、前記第1建物と異なる第2建物の第2外皮の退色診断を行うものであり、
    前記退色診断方法は、前記第2外皮とともに前記標準板を、前記撮像装置で撮像し、撮像した画像から、前記第2外皮の明度と、前記標準板の明度とを、評価明度として算出する評価明度算出工程と、
    前記標準板の実測明度と前記標準板の評価明度とから、前記第2外皮の評価明度を補正する1次補正を行うとともに、前記標準板の評価明度を前記補正係数の関数に代入し、得られた補正係数で、前記第2外皮の評価明度を補正する2次補正を行う評価明度補正工程と、
    補正後の前記第2外皮の評価明度から、前記第2外皮の退色を診断する診断工程と、を含み
    前記関数算出工程において、
    前記撮像条件ごとの前記第1外皮の画像明度の前記補正係数は、前記第1外皮の実測明度を、前記画像明度補正工程で補正した前記第1外皮の画像明度で除算することにより求め、
    前記補正係数の関数は、前記撮像条件ごとの前記補正係数と、前記第1外皮とともに撮像した前記標準板の画像明度とをプロットしたグラフから算出された近似関数であり、前記標準板の画像明度を変数とした以下の式(1)に示す近似関数であることを特徴とする建物の外皮の退色診断方法。
    F=a×exp(b×前記標準板の画像明度)…(1)
    ただし、
    F:補正係数の関数
    a、b:は定数
    である。
  2. 前記明度算出工程において、前記第1外皮の上に、前記標準板を配置した状態で、前記撮像装置による撮像を行い、
    前記評価明度算出工程を、前記第2外皮の上に、前記標準板を配置した状態で、前記撮像装置による撮像を行うことを特徴とする請求項1に記載の建物の外皮の退色診断方法。
  3. 前記標準板の単色は、黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載の建物の外皮の退色診断方法。
  4. 前記第1外皮は、前記第1建物の屋根であり、前記第2外皮は、前記第2建物の屋根であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の建物の外皮の退色診断方法。
  5. 前記明度算出工程および前記評価明度算出工程において、前記撮像装置による撮像を、前記撮像装置を搭載した無人航空機から行うことを特徴とする請求項4に記載の建物の外皮の退色診断方法。
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