JP7252193B2 - 澄明化サトウキビジュース及びポリフェノール含有組成物 - Google Patents

澄明化サトウキビジュース及びポリフェノール含有組成物 Download PDF

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Description

本発明は、澄明化サトウキビジュース、澄明化サトウキビジュースの製造方法、ポリフェノール組成物の製造方法及びその利用に関する。
1.澄明化サトウキビジュース
製糖工程では、収穫したサトウキビをカッターやシュレッダーにより細かく切断した後、圧搾機によって搾汁して懸濁したサトウキビジュースを得る。この懸濁サトウキビジュースには、糖以外の多くの高分子成分が含まれているためこれらを沈殿して除く必要がある。高分子成分の沈殿は、従来、石灰乳によって行われてきた。石灰乳の添加によって生じた沈殿物を取り除き、得られた上澄み液(澄明化サトウキビジュース)を結晶化させ、原料糖を製造している。しかしながら、石灰乳のみでは十分に沈殿を生じさせることができない為、十分に澄明化したサトウキビジュースを得るために、石灰乳の他にさらに凝集剤を用いて沈殿を生じさせる、ことが一般的に行われている。
石灰乳の添加により沈殿物が取り除かれた澄明化サトウキビジュースはまた、微生物等の培養用培地原料としても使用されうる。しかしながら、サトウキビジュースを石灰乳で処理する際、微生物の培養に必要なリン酸が析出してしまうため、澄明化サトウキビジュースのリン酸の含有量が低い。そのため、微生物培養用培地に使用する場合には、改めてリン酸を別に添加する必要が生じる。また、石灰乳由来のカルシウムが、微生物等を培養した際に不純物として析出してしまうため、石灰乳処理した澄明化サトウキビジュースを微生物培養用培地に使用する場合は、カルシウムを除去する目的でもリン酸を別に添加する必要が生じる。これは石灰乳処理を経た糖蜜を使用する場合も同様である。
また、凝集剤やリン酸を添加したサトウキビジュースを製糖や微生物培養用培地の原料に使用した場合、得られた砂糖や微生物抽出エキスは、天然素材を利用した商品とはいえない。
特開2011-109956は、砂糖の製造方法を記載している。特開2011-109956に記載の製造方法は、植物を圧搾して得た糖液にエタノールを添加し、エタノール添加により生成した沈殿物を取り除き、前記沈殿物を取り除いた糖液から砂糖を結晶化させることを特徴とする、ものである。
特開平4-248999は、糖液の処理法を記載している。特開平4-248999に記載の処理法は、製糖工場における希薄糖液又は濃厚糖液から糖分を回収するにあたり、該希薄糖液又は濃厚糖液を加熱したのち、天然粘土鉱物のコロイド溶液を混和し、生じたフロック及び/又は沈殿物を除去し、次いで常法により糖分を回収することを特徴とする。当該方法は、天然粘土鉱物のコロイド溶液の利用により、希薄糖液又は濃厚糖液中に含まれる有機、無機の不純物をフロック及び/又は沈殿物としたの分離除去する、というものである(特開平4-248999の段落0004等)。段落0006には、天然粘土鉱物としては、ベントナイトを主成分とするものが好適であり、ベントナイトはモンモリロナイトを主とした粘土である、と記載されている。また、天然粘土鉱物のコロイド溶液とともに、キトサン等のカチオン性高分子凝集剤を含むことが好ましいことが記載されている(特開平4-248999の請求項4,段落0010等)。
特開2009-240326は、製糖方法を記載している。特開2009-240326に記載の製糖方法は、ロージュース(糖液)にライムミルク(石灰乳)を加え、更に炭酸ガスを吹き込んで不純物を沈降させてロージュースを清浄化する製糖方法において、帆立貝や牡蠣貝等の貝殻や風化サンゴの焼成物を粉砕して製造したライムミルクを使用する、というものである。当該文献に記載の発明は、ライムミルクを添加してロージュースを清浄化する製糖方法において、ライムミルクとなる良質な石灰原料の安定供給を図る、ことを目的とするものである(特開2009-240326の段落0012、0016等)。製糖方法に使用するロージュースの材料は、ビート(甜菜)である(特開2009-240326の段落0001、0002等)。
石灰乳、凝集剤のような非天然物質の使用を必要とせず、また、培養用培地として使用する際にもリン酸の添加が不要、又は添加量を従来法よりも抑制できる、澄明化サトウキビジュースを効率良く製造する方法の開発が求められていた。
2.ポリフェノール含有組成物
ポリフェノールは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を有する成分の総称である。ほとんどの植物に含有され、5,000種類以上が知られている。ポリフェノールは、香料や色素として古くから食品、化粧品等に使用されてきた。1990年代以降、抗酸化作用、ホルモン促進作用等が知られるようになり、健康食品、医薬品としての適用が注目されている。
サトウキビジュースもポリフェノールを含むことが報告されている。米国特許出願公開2003/0147978は、サトウキビ由来抽出物を有効成分として含む、感染に対する予防薬及び治療薬を記載している。当該文献には、サトウキビ抽出物由来の分子量1,000以下の非糖成分物質であって、420nmの波長の光に吸収特性を示す物質が記載されている。
特開2003-137803は、サトウキビの穂を醸造酒の原料に混合して醸造することを特徴とするサトウキビポリフェノールを含有する醸造酒の製造方法(請求項11)、並びに、少なくともサトウキビの穂と水と糖類とを混合し、酒酵母を加えてアルコール発酵させ、その後酢酸菌及び種酢を加えて酢酸発酵させることを特徴とするサトウキビポリフェノールを含有する食酢の製造方法(請求項12)を記載している。
特表2008-542307は、ボディマス分布を変化させるために使用する治療用調合物を記載している。当該文献の治療用調合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基と、ボディマス組成を変化させる能力とを有する有効量の1つ以上の化合物、又は生理学的に許容し得るアナログ、誘導体又はそのプロドラッグと、許容し得る担体とを含む治療用調合物を含むことを特徴し、脂肪の全体的な割合を減少、及び/又は脂肪質量に対する無脂肪質量の割合を増加することにより、ボディマス分布を変化させる(請求項1)。少なくとも1つのヒドロキシル基と、ボディマス組成を変化させる能力とを有する有効量の1つ以上の化合物の一態様として、サトウキビ由来のポリフェノールが記載されている。当該文献の実施例3には、砂糖精製プロセスの異なった工程における様々なサトウキビ製品の抽出物のポリフェノール含有量を調べた結果が記載されている。サトウキビより最初に得られる絞汁、最終絞汁、シロップ、糖蜜、低ポル糖、ミルマッド、茎頂部及び泡のカテキン当量評価が行われている。
特開2002-161046には、サトウキビ穂を水又は有機溶媒を用いて、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固することを特徴とするサトウキビポリフェノール含有物の製造方法が記載されている。当該文献にはまた、サトウキビ穂を水又は有機溶媒を用いて、含有成分を抽出し、その抽出液を濃縮乾固し、さらにその濃縮乾固物の水溶液を溶媒分画又は、カラム分画することにより精製することを特徴とするサトウキビポリフェノール含有物の製造方法が記載されている。
現在までに知られているサトウキビジュースからのポリフェノール取得法は、直接エタノール抽出、水蒸気蒸留、有機溶媒による抽出、疎水性樹脂に吸着した後、エタノール等による回収に限られている。直接エタノール抽出、水蒸気蒸留は効率が悪い。有機溶媒法や疎水性樹脂吸着法は特有の設備が必要であり、有機溶媒回収や樹脂の再生処理にコストがかかる。また、有機溶媒や樹脂を含んだ状態のままでは、医薬品や食品としての使用ができない。
特開2011-109956 特開平4-248999 特開2009-240326 米国特許出願公開2003/0147978 特開2003-137803 特表2008-542307 特開2002-161046
Human exposure and internal dose assessments of acrylamide in food. Food and Chemical Toxicology 43:365-410 European Journal of Clinical Nutrition (2010)64、S112-S120
本発明者らは、サトウキビを原材料とする製糖工程において、豆類等の抽出液を使用することにより、サトウキビジュースから糖以外の成分を効率良く除去できることを見出し、本発明を想到した。
本発明は、澄明化サトウキビジュースの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、澄明化サトウキビジュースを提供することを目的とする。本発明の澄明化サトウキビジュースは、天然の素材のみで砂糖を精製することができる。
本発明は、本発明の澄明化サトウキビジュースを含む微生物等の培養用培地を提供することを目的とする。本発明の培養用培地は微生物等の培養に必要な栄養源を豊富に含んでいるため、別添する栄養源の量を減らすことができる。また、この培養用培地は、不純物の除去に凝集剤等を使用していないことから、天然素材のみからなる培養用培地であるといえる。
本発明は、本発明の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で微生物又は細胞を培養する、ことを含む、微生物又は細胞の培養方法を提供することを目的とする。本明細書中、「微生物又は細胞」を「微生物等」と表現する場合がある。
本発明は、本発明の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で培養する、ことによって得られた微生物等を提供することを目的とする。
本発明は、本発明の微生物等より得られたエキスを提供することを目的とする。
本発明は、製糖方法を提供することを目的とする。本発明の製糖方法は、本発明の澄明化サトウキビジュースを利用するものである。
本発明者らはまた、サトウキビを原材料とする製糖工程において、豆類等の抽出液を使用することにより、サトウキビジュースからの析出物にポリフェノールが含まれることを見出し、本発明を想到した。
本発明は、ポリフェノール含有組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、サトウキビジュース析出物由来のポリフェノール含有組成物を提供することを目的とする。
限定されるわけではないが、本発明は以下の態様を含む
[態様1]
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液の上澄み液を得る
ことを含む、澄明化サトウキビジュースの製造方法。
[態様2]
豆類が、なた豆、大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される、態様1の製造方法。
[態様3]
麦類が、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される、態様1又は2に記載の方法。
[態様4]
抽出液を添加する前のサトウキビジュースのpHを3-9の範囲に調整する工程を含む、態様1-3のいずれか1項に記載の方法。
[態様5]
抽出液が3-15重量%の濃度の固形分を含む、態様1-4のいずれか1項に記載の方法。
[態様6]
工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-20容量%の抽出液を添加する、態様1-5のいずれか1項に記載の方法。
[態様7]
工程(2)の前に、工程(1)で得られた反応液を少なくとも30分間静置することを含む、態様1-6のいずれか1項に記載の方法。
[態様8]
石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、態様1-7のいずれか1項に記載の方法。
[態様9]
態様1-8のいずれか1項に記載の方法によって製造された、澄明化サトウキビジュース。
[態様10]
石灰乳に由来するカルシウムを含まない、態様9に記載の澄明化サトウキビジュース。
[態様11]
材料のサトウキビジュース中のリン酸が実質的に維持されている。態様9又は10に記載の澄明化サトウキビジュース。
[態様12]
態様9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地。
[態様13]
微生物を培養するための態様12に記載の培養用培地。
[態様14]
微生物が、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される、態様12の培養用培地。
[態様15]
態様9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で微生物又は細胞を培養する、ことを含む、微生物又は細胞の培養方法。
[態様16]
態様9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で微生物を培養する、ことを含む、微生物の培養方法。
[態様17]
微生物が、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される、態様16の方法。
[態様18]
態様9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で培養する、ことによって得られた微生物又は細胞。
[態様19]
態様9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で培養する、ことによって得られた微生物。
[態様20]
微生物が、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される、態様19の微生物。
[態様21]
態様19又は20の微生物より得られた微生物のエキス。
[態様22]
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液の上澄み液を得る、
(3)工程(2)で得られた上澄み液から糖を結晶化する、
ことを含む、製糖方法。
[態様23]
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液から上澄み液を除く
ことを含む、ポリフェノール含有組成物の製造方法。
[態様24]
豆類が、なた豆、大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される、態様23の製造方法。
[態様25]
麦類が、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される、態様23又は24に記載の方法。
[態様26]
抽出液を添加する前のサトウキビジュースのpHを3-9の範囲に調整する工程を含む、態様23-25のいずれか1項に記載の方法。
[態様27]
抽出液が3-15重量%の濃度の固形分を含む、態様23-26のいずれか1項に記載の方法。
[態様28]
工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-20容量%の抽出液を添加する、態様22-27のいずれか1項に記載の方法。
[態様29]
工程(2)の前に、工程(1)で得られた反応液を少なくとも30分間静置することを含む、態様22-28のいずれか1項に記載の方法。
[態様30]
石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、態様22-29のいずれか1項に記載の方法。
[態様31]
態様22-30のいずれか1項に記載の方法によって製造された、ポリフェノール含有組成物。
[態様32]
クマル酸及び/又はフェルラ酸を含む、態様31のポリフェノール含有組成物。
本発明は、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液の利用により、サトウキビジュースに含まれる非糖成分を効率的に除去し、澄明化サトウキビジュースを提供する。
また、本発明の一態様において、澄明化サトウキビジュースはリン酸やビタミン等の培養に必要な栄養源を豊富に含むため、微生物等の培養に好適に用いることができる。さらに、一態様において、本発明の澄明化サトウキビジュースで培養した微生物等の菌体及びそこから抽出されるエキスは、殆ど着色することがないため、添加する食品の色彩に影響を及ぼさない。そして、培養後の廃水の着色もないため、廃水コストを抑えることができる。
また、本発明の澄明化サトウキビジュースで製造される原料糖、及び培養用培地は、リン酸や凝集剤の添加量を減らすことが可能であり、製造工程が簡略化できる。さらに、これらの原料糖や培養用培地を用いることにより、天然素材のみを原料とした砂糖や微生物等からの抽出エキスを製造することが可能となる。
さらに、本発明のポリフェノール含有組成物の製造方法は、豆類、麦類等の抽出物による凝集法であり、豆類、麦類の破砕装置を必要とする以外は通常の撹拌槽で充分である。そして、析出物中にポリフェノールが特異的に蓄積することになり、取り出しが容易である。
図1は、澄明化サトウキビジュース培養と糖蜜培養による酵母培養後の比較写真である。図1の左が糖蜜培養、右が澄明化サトウキビジュース培養の写真である。写真中の沈殿物は培養菌体である。 図2は、没食子酸(gallicacid)の検量線である。換算式は、X=(y+0.0246)/0.0063である。 図3は、サトウキビジュースに小豆抽出物を添加して、上澄み液及び沈殿物を得てポリフェノール含量を分析したフローチャートである。 図4は、サトウキビジュースに脱脂大豆抽出物を添加して、上澄み液及び沈殿物を得てポリフェノール含量を分析した(1回目)フローチャートである。 図5は、サトウキビジュースに脱脂大豆抽出物を添加して、上澄み液及び沈殿物を得てポリフェノール含量を分析した(2回目)フローチャートである。 脱脂大豆抽出物を添加したサトウキビジュースから得られた沈殿物を用いて、DPPHラジカル消去活性を測定した結果である。
1.澄明化サトウキビジュースの製造方法
本発明は一態様において、澄明化サトウキビジュースの製造方法に関する。
非限定的に、澄明化サトウキビジュースの製造方法は、
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液の上澄み液を得る
ことを含む。
(1)サトウキビジュース
「サトウキビ」はイネ科サトウキビ属(Saccharum officinarum)の植物である。「サトウキビジュース」は、サトウキビから搾汁した液である。一般に、刈取りされたサトウキビの全茎又は内実部を、例えば、カッターやシュレッダー、ハンマークラッシャーにより細かく破砕した後、圧搾機によって搾汁することによって、得ることができる。
(2)抽出液
「豆類抽出液」、「麦類抽出液」は、各々、豆類、麦類から抽出された液体である。豆類抽出液又は麦類抽出液のいずれか片方、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方をサトウキビジュースに添加しうる。本明細書において、特に明記しない場合、「抽出液」は、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方を意味する。
「豆類」は、マメ科植物の種子で食用・加工用に利用可能なものの総称である。本発明における豆類は、喫食可能なマメ科植物の種子であれば特に限定されない。豆類は、一態様として、なた豆、大豆、小豆、えんどう豆、いんげん豆、ひよこ豆、空豆、緑豆、れんず豆が含まれる。一態様において、豆類は、なた豆、大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される。本発明は、2種類以上の豆類を使用する態様も含む。
「麦類」は、イネ科穀物の総称である。本発明における麦類の種類は特に限定されない。一態様において、麦類が、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される。一態様において、麦類は好ましくは小麦である。本発明は、2種類以上の麦類を使用する態様も含む。「麦類抽出液」は、麦類の植物全体又はその部分から抽出された液体である。一態様において、麦類の植物の「部分」とは、葉、茎、根、種子、芽含み、好ましくは種子である。また、本発明は麦類の2箇所以上の部分を使用する態様も含む。
豆類、麦類から液体を抽出し、「豆類抽出液」、「麦類抽出液」を得る方法は特に限定されない。使用する豆類、麦類の種類(麦類の使用部分の種類を含む)に応じて、液体を抽出するための任意の方法を使用することができる。
一態様において、乾燥した豆類又は麦類を公知の粉砕機等で粉砕する。水、公知の緩衝液等の溶媒を、乾燥物の質量に対して、5-15倍程度加える。溶媒は、好ましくは水又は天然素材由来の緩衝液であり、より好ましくは水である。
溶媒を加えた後、豆類又は麦類と溶媒との混合液を、均一に混ざるように撹拌することが好ましい。撹拌方法は、特に限定されず、当業者であれば適宜選択し得る。
溶媒の種類、pH、温度、攪拌速度等の条件は、抽出液を生成する材料の豆類又は麦類の種類に応じて、適宜適切な条件を採用可能である。
攪拌後、公知の固液分離法を用いて、混合液から沈殿物を除去し、上澄み液を得る。このような固液分離法の例として、重力沈降、遠心沈降、濾過などが挙げられる。この上澄み液を抽出液とすることができる。
(3)抽出液のサトウキビジュースへの添加
澄明化サトウキビジュースの製造方法の工程(1)において、サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加する。
工程(1)の抽出物の添加の前に、サトウキビジュースのpHを調整する工程を含んでもよい。一態様においてサトウキビジュースのpHを、好ましくは2以上、3以上、4以上とする。サトウキビジュースpHを、好ましくは9以下、8以下、7以下に調整する。一態様において、サトウキビジュースのpHの範囲は、2-9、3-9、4-9、2-8、3-8、4-8、2-7、3-7、4-7である。一態様において、溶媒のpHは3-9、3-8の範囲である。好ましいpHになるように、クエン酸、コハク酸等の公知の天然素材由来の酸、天然に採取される炭酸ナトリウム等の公知の天然素材由来の塩基、リン酸、硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤を用いてサトウキビジュースのpHを調整してもよい。pH調整剤を用いる場合、天然素材のみを使用した澄明化サトウキビジュースを製造するという観点から、天然素材由来のものがより好ましい。
一態様において、工程(1)に使用する抽出液は、1-20重量%、3-15重量%、4-10重量%、4-8重量%の濃度の固形分を含む。
一態様において、工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-30容量%、1-20容量%、10-20容量%の抽出液を添加する。
一態様において、サトウキビジュースと抽出液の混合液中の抽出液由来の固形分の濃度は、0.01-6重量%、0.1-4重量%、0.1-2重量%、0.5-1重量%である。
一態様において、サトウキビジュースに抽出液を添加した後、均一に混ざるようその混合液(反応液)を撹拌する。撹拌方法は、特に限定されず、当業者であれば適宜選択し得る。
一態様において、混合液を撹拌した後、その混合液(反応液)を静置する。静置時間は特に限定されないが、好ましくは、少なくとも30分間、1時間、1時間半、2時間である。一態様において、静置時間は、24時間以内、8時間以内、6時間以内、4時間以内、3時間以内である。静置している間の温度は、特に限定されない。
温度は、抽出液を生成する材料の豆類又は麦類の種類に応じて、適宜調整可能である。例えば、大豆(脱脂大豆を含む)に由来する抽出液を用いる場合、40℃-102℃の範囲で澄明化の際の沈殿物の量は実質的に変化しなかった。また、小豆抽出物に関しても同様の結果であった。これは、幅広い濃度範囲で澄明化の効率が変化しないことを意味する。
澄明化サトウキビジュースの製造方法は、一態様において、石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、ことを特徴の一つとする。「石灰乳」は、水に溶解度以上の過剰の消石灰(水酸化カルシウム)を水に溶解して得られる白色乳状の懸濁液、である。「凝集剤」とは、コロイド粒子を凝集させるために加える物質である。典型的な凝集剤の例は、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウムなどのアルミ系凝集剤、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリシリカ鉄などの鉄系凝集剤、を含む無機凝結剤である。主として無機凝集剤と組み合わせて使用される高分子凝集剤も、本明細書における「凝集剤」に含まれる。高分子凝集剤は、カチオン性、アニオン性、ノニオン性及び両性がある。高分子凝集剤には、ポリアミン等が含まれる。
石灰乳、凝集剤は、製糖工程において澄明化したサトウキビジュースを得るために必須と考えられてきた。澄明化サトウキビジュースの製造方法では、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を用いることにより、石灰乳、凝集剤を使用せずに澄明なサトウキビジュースを得ることを可能にした。
一態様において、工程(1)の抽出物の添加の前、あるいは、工程(1)の際に、又は工程(1)の後に、サトウキビジュースを、好ましくは、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上に加熱してもよい。
(4)上澄み液を得る
澄明化サトウキビジュースの製造方法は、工程(1)の反応液から上澄み液を得る工程を含む。工程(1)の反応液において、析出物が生じる。析出物を除くために、攪拌後、混合液から公知の固液分離法を用いて沈殿物を除去し、上澄み液を得る。このような固液分離法として、重力沈降、遠心沈降、濾過などが挙げられる。
重力沈降には、例えば、沈降濃縮装置(シックナー)を用いることができる。また、遠心沈降には、円筒型遠心分離機、分離板型遠心分離機、デカンター型遠心分離機等を用いることができる。濾過には、リーフフィルターやフィルタープレスなどの加圧濾過機、ヌッチェ型やオリバー型などの真空濾過機等を用いることができる。
また、上澄み液の回収率を上げるために、最初に重力沈降又は遠心沈降で分離した析出物の重液を再度濾過し、得られた濾液を上澄み液に混合してもよい。
こうして得られた上澄み液が澄明化サトウキビジュースである。
2.澄明化サトウキビジュース
本発明は一態様において、澄明化サトウキビジュースに関する。一態様において、澄明化サトウキビジュースは、「1.澄明化サトウキビジュースの製造方法」に記載した製造方法によって製造される。
一態様において、澄明化サトウキビジュースは、好ましくは、石灰乳に由来するカルシウムを含まない。
一態様において、澄明化サトウキビジュースは、材料のサトウキビジュース中のリン酸が実質的に維持されている。「実質的に維持されている」とは、好ましくは、澄明化サトウキビジュース中のリン酸の含量(重量%)が、材料のサトウキビジュース中の含量の80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上である、ことを意味する。
非限定的に、豆類等の抽出液の添加で得られた澄明化サトウキビジュースは、好ましくは以下の特徴(利点)を有する。
(i)従来のサトウキビジュースを石灰乳で処理した場合と比較して、凝集剤の使用が不要である。よって、石灰乳、凝集剤を添加するための工程が不要であり、効率的に製造できる。
(ii)サトウキビジュースを石灰乳で処理した場合と異なり、豆類等の抽出液の添加で得られた澄明化サトウキビジュースには、材料のサトウキビジュース中のリン酸が実質的に維持されている。よって、リン酸を豊富に含むため、培養用培地として使用する際、リン酸の添加量を減らすことができる。
(iii)従来の石灰乳処理したサトウキビジュース及びそれから得られる糖蜜は、カルシウムを豊富に含む。培養用培地として使用すると、カルシウムが不純物として析出してしまうため、カルシウムを除去する目的でリン酸を添加する必要が生じる。それに対し、豆類等の抽出液の添加で得られた澄明化サトウキビジュースは、リン酸を添加しなくてもよい。
(iv)豆類及び麦類の抽出液からビタミン類やミネラルが供給される。そのため、微生物等培養時にこれらの添加量を減らすことができる。
3.培養用培地
本発明は一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュースを含む、培養用培地に関する。
本発明の培養用培地で培養される対象は、微生物や細胞であるが、サトウキビジュースを含む培養用培地で培養可能であれば、その種類は特に限定されない。「サトウキビジュースを含む培養用培地で培養可能」とは、サトウキビジュースに含まれる成分、主として、糖分を生育のために必要とすることを意味する。
本発明は一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュースを含む、微生物を培養するための培養用培地に関する。
一態様において、微生物は、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される。
酵母の種類は、食品製造のために用いられるものであれば、特に限定されない。例えば、酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母等の慣用されている酵母を用いることができる。より具体的には、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、シゾサッカロマイセス(Shizosaccharomyces)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、ウィリオプシス(Williopsis)属、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、ガラクトマイセス(Galactomyces)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、及びジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属からなる群より選択されるいずれかである。酵母は、増殖性が良好であることから、パン製造に用いられているパン酵母、食料や飼料等の製造に用いられているトルラ酵母、ビール製造に用いられているビール酵母であることが好ましく、サッカロマイセス(Saccharomyces)に属する菌やキャンディダ(Candida)に属する菌であることがより好ましい。サッカロマイセス属の例として、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・サケ(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ベティカス(Saccharomyces beticus)が挙げられる。なお、サッカロマイセス・サケ(Saccharomyces sake)とサッカロマイセス・ベティカス(Saccharomyces beticus)は、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)の一種として分類される場合もある。キャンディダ属の例として、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポリティカ(Candida lypolitica)、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis)、キャンディダ・サケ(Candida sake)が挙げられる。より好ましくは、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・サケ(Saccharomyces sake)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等からなる群より選択されるいずれかである。食経験が豊富である観点から、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)であってもよく、研究等で知見が多い観点から、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis)であってもよい。
乳酸菌は、代謝により乳酸を酸性する細菌類の総称で、ラクトバシルス目に含まれる細菌類である。生育のために、糖類、アミノ酸、ビタミンB群、ミネラル等を必要とする。乳酸菌の種類は、食品製造のために用いられるものであれば、特に限定されない。例えば、ラクトバシルス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、リューコノストック属、ストレポトコッカス属に含まれる菌が含まれる。
枯草菌(バチルス・スブチリス)は、土壌や植物に普遍的に存在し、反芻動物やヒトの胃腸管に存在するグラム陽性のカタラーゼ陽性の真正細菌である。
藻類は、酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称である。本明細書では、その中で特に単細胞生物であるものを意味する。
また、一態様において、細胞は、多細胞生物から単離された細胞であり、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞からなる群から選択される。
本発明の培養用培地に含まれるサトウキビジュースの量は特に限定されない。一態様において、培養用培地は、糖濃度が10-50%重量/容量、20-40%重量/容量、28-38%重量/容量となるような濃度で、サトウキビジュースを含む。これは、微生物の培養用培地として使用されている糖蜜培地に含まれる糖濃度と同程度である。
「糖蜜」は、砂糖を製造する製糖工程において発生する副産物であり、高粘度で黒褐色の液体である。40-60重量%の糖分が含まれているものの、結晶化させることが難しいことから、製糖工程において副産物として除かれ、培養用培地の原料や家畜の飼料として利用されている。微生物の培養用培地としての糖蜜は製糖工程の加熱処理による着色があり、その糖蜜を培地として培養した微生物菌体や、その微生物から抽出したエキスまでもが着色されてしまう。また、そのような微生物菌体及び微生物抽出エキスを食品の原料として利用した場合、その着色が食品の色彩にも影響を与える。また、糖蜜は、継時的にメイラード反応が進み、その生成物によって微生物培養の阻害や発酵力低下をもたらすことが知られている。さらに、糖蜜を微生物培養に使用した後の廃水も着色されおり、その廃水の処理にコストがかさむことから、最終製品の売価が上昇する要因にもなっていた。
本発明の澄明化サトウキビジュースを含む培養用培地を、例えば、糖蜜培地と同一の糖濃度及びビタミン・ミネラル量を含む培地として、微生物等の培養に用いることができる。本明細書の実施例6において、本発明の培養用培地を用いた場合の培養後の培養母液の吸光度(OD420)、固形分の含量及び化学的酸素要求量(COD)を調べた。その結果、培養母液の吸光度(OD420)、固形分の含量及びCODは、各々、糖蜜を用いた場合の約4.8%、約14.3%、及び約30.5%と、廃水となる微生物培養後の培養母液の汚染度が、著しく低いことが明らかとなった。一態様において、培養用培地は、微生物等の菌体及び微生物等の抽出エキスを食品の原料として利用する場合の最終製品の着色に影響を与えず、そして、廃水処理負荷も低減しうる。
「培養用培地」は、澄明化サトウキビジュースを含むこと以外は、培養する微生物や細胞の種類に応じて、適宜調整しうる。豆類等の抽出液の添加で得られた澄明化サトウキビジュースは、豆類及び麦類の抽出液からビタミン類やミネラルが供給されうる。そのため、一態様において、好ましくは、豆類等の抽出液を用いない場合、例えば、糖蜜培地を使用する場合、あるいは、従来の石灰乳を用いて得られたサトウキビジュースを含む培地を使用する場合、と比較して、培養用培地に添加されるビタミン類やミネラルの量は少なくてすむ。
4.微生物又は細胞の培養方法
本発明は一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュースを含む、培養用培地で培養する、ことを含む、微生物又は細胞の培養方法、に関する。
本発明は一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュースを含む、培養用培地で微生物を培養する、ことを含む、微生物の培養方法、に関する。
一態様において、微生物は、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される。
「培養用培地」、「微生物」、「酵母」、「乳酸菌」、「枯草菌」、「藻類」、「細胞」の定義は、「3.培養用培地」に記載した通りである。
微生物又は細胞の培養方法は、その種類に応じて、適宜選択しうる。
5.微生物又は細胞
本発明は、一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で培養する、ことによって得られた微生物又は細胞に関する。
本発明は、一態様において、「2.澄明化サトウキビジュース」に記載した澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で培養する、ことによって得られた微生物に関する。
一態様において、微生物は、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される。
「培養用培地」、「微生物」、「酵母」、「乳酸菌」、「枯草菌」、「藻類」、「細胞」の定義は、「3.培養用培地」に記載した通りである。
微生物又は細胞の培養方法は、その種類に応じて、適宜選択しうる。
本発明の微生物又は細胞の培養に使用される培養用培地は、サトウキビジュースに豆類等の抽出液を添加して得られた澄明化サトウキビジュースを含む。一態様において、澄明化サトウキビジュースの製造には、石灰乳、凝集剤等の非天然の添加物は使用されていない。よって、そのような非天然物を含まない培養用培地を用いて培養された微生物は、非天然物を含まないものと言える。
6.微生物又は細胞のエキス
本発明は、一態様において、本発明の微生物又は細胞より得られた微生物又は細胞のエキスに関する。
エキスとは、微生物や細胞が有する様々な成分を抽出したものであり、アミノ酸やペプチド、核酸、ミネラル等が含まれている。また、微生物や細胞の種類や培養条件、抽出条件によって、各種成分の含有比を調整することができる。エキスの抽出方法は、特に限定されるものではなく、微生物等の生物原料からエキスを抽出する際に通常用いられる方法のうち、いずれの方法を用いてもよい。該抽出方法として、例えば、自己消化法、酵素分解法等がある。ここで、自己消化法とは、微生物が本来有している酵素の働きにより、微生物を可溶化し、抽出する方法であり、遊離アミノ酸含有量の多い微生物エキスを得ることができる。一方、酵素分解法とは、熱処理等により、微生物が有する酵素等を不活性化した後、分解酵素を添加して微生物を可溶化し、抽出する方法である。
一態様において、微生物は、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される。
「微生物」、「酵母」、「乳酸菌」、「枯草菌」、「藻類」、「細胞」の定義は、「3.培養用培地」「5.微生物又は細胞」に記載した通りである。
本発明の微生物は、一態様に於いて、非天然物を含まない培養用培地を用いて培養された、非天然物を含まない微生物である。また、微生物又は細胞は、一態様において、天然素材のみを用いて培養された微生物又は細胞である。このようなエキスは、食品、飲料等の生体内に取り込まれるものに使用するのに好ましい。
7.製糖方法
本発明は、一態様として、製糖方法に関する。製糖方法は、本発系の澄明化サトウキビジュースを製糖に利用するものである。非限定的に製糖方法は、
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液の上澄み液を得る、
(3)工程(2)で得られた上澄み液から糖を結晶化する、
ことを含む。
工程(2)までにおいて、本発明の澄明化サトウキビジュースが得られる。工程(3)は、サトウキビジュースから糖を結晶化するための公知の方法を用いることができる。例えば、真空濃縮して得られた濃縮液を、分蜜タンク内で結晶化させる方法を用いることができる。
8.ポリフェノール含有組成物の製造方法
本発明は、一態様において、ポリフェノール含有組成物の製造方法に関する。
非限定的に、ポリフェノール含有組成物の製造方法は、
(1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
(2)工程(1)の反応液から上澄み液を除く
ことを含む。
工程(1)については、「1.澄明化サトウキビジュースの製造方法」の「(1)サトウキビジュース」、「(2)抽出液」及び「(3)抽出液のサトウキビジュースへの添加」に記載の通りである。
ポリフェノール含有組成物の製造方法は、工程(1)の反応液から上澄み液を除く工程を含む。工程(1)の反応液において、析出物が生じる。上澄み液を除くために、工程(1)の反応液を攪拌後、混合液から公知の固液分離法を用いて液体(上澄み液)を除き、沈殿物を得る。このような固液分離法として、重力沈降、遠心沈降、濾過などが挙げられる。本明細書において「析出物」と「沈殿物」は、同義で用いる場合がある。
重力沈降には、例えば、沈降濃縮装置(シックナー)を用いることができる。また、遠心沈降には、円筒型遠心分離機、分離板型遠心分離機、デカンター型遠心分離機等を用いることができる。濾過には、リーフフィルターやフィルタープレスなどの加圧濾過機、ヌッチェ型やオリバー型などの真空濾過機等を用いることができる。
また、沈殿物の回収率を上げるために、重力沈降又は遠心沈降で分離した液体をより再度重力沈降又は遠心沈降してもよい。
ポリフェノール含有組成物の製造方法の一態様において、豆類は、なた豆、大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される。一態様において、麦類は、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される。
ポリフェノール含有組成物の製造方法の工程(1)の抽出物の添加の前に、サトウキビジュースのpHを調整する工程を含んでもよい。ポリフェノール含有組成物の製造方法の一態様において、抽出液を添加する前のサトウキビジュースのpHを3-9の範囲に調整する工程を含む。
ポリフェノール含有組成物の製造方法の一態様において、抽出液が3-15重量%の濃度の固形分を含む。
ポリフェノール含有組成物の製造方法の一態様において、工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-20容量%の抽出液を添加する。
ポリフェノール含有組成物の製造方法の一態様において、工程(2)の前に、工程(1)で得られた反応液を少なくとも30分間静置することを含む。
ポリフェノール含有組成物の製造方法は、一態様において、石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、ことを特徴の一つとする。
本発明の製造方法によって得られるポリフェノール含有組成物は、サトウキビジュースに由来するポリフェノールを含む。
一態様において、本発明の製造方法によって得られるポリフェノール含有組成物は、クマル酸及び/又はフェルラ酸を含む。
非限定的に、一態様において、本発明の製造方法によって得られる組成物は、工程(2)において上澄み液を除いた湿潤した残渣の状態で、製造方法に用いたサトウキビジュース及び豆類等の抽出物に由来するポリフェノールを15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上含有する。一態様において、サトウキビジュース及び豆類等の抽出物に由来するポリフェノールが、約15%-約40%、約25%-約40%がサトウキビジュースの析出物の組成物に移行する。
9.ポリフェノール含有組成物
本発明は、一態様において、ポリフェノール含有組成物に関する。
ポリフェノール含有組成物は、本発明のポリフェノール含有組成物の製造方法によって製造された組成物である。
ポリフェノール含有組成物は、クマル酸及び/又はフェルラ酸を含む。
非限定的に、一態様において、ポリフェノール含有組成物は、湿潤した状態で製造方法に用いたサトウキビジュース及び豆類等の抽出物に由来するポリフェノールを15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上含有する。ポリフェノール含有組成物は、湿潤した状態で、ポリフェノール含有素材として、食品等に適用しうる。また、水・エタノールで簡単にポリフェノールを抽出できる。一方、サトウキビ由来の上清もポリフェノールを含むが、上清からポリフェノールを抽出するには吸着樹脂などを用いる手間とコストがかる。
一態様において、ポリフェノール含有組成物は抗酸化活性を有する。一態様において同量の糖蜜組成物と比較して、高い抗酸化活性を有する。
ポリフェノール含有組成物は、サトウキビ、即ち、食品材料のみを原料とし、そのまま安全に食品として使用しうる。例えば、サトウキビジュースの石灰乳処理によっても、ポリフェノールを含有する析出物を得ることができるが、含有量は比較的低く、かつそのまま食品として使用することはできない。また、サトウキビ自体は高濃度の糖を含有しているが、本発明のポリフェノール含有組成物の製造方法では糖はほぼ除去される。糖除去のための別の方法を必要としない。さらに、糖蜜のような繰り返し加熱履歴を経た糖源には、アクリルアミドの存在が確認されている。アクリルアミドは変異源性が疑われており、炭水化物とアミノ酸であるアスパラギン酸がベーキング、フライイング、ロースティングのような高温にさらされたとき反応して生成する(Human exposure and internal dose assessments of acrylamide in food. Food and Chemical Toxicology 43:365-410)。それに対して、本発明のポリフェノール含有組成物の製造方法では、アクリルアミド生成の可能性が極めて少ない。
一態様において、ポリフェノール含有組成物は、さらに、同じポリフェノール含量に対する色の濃さが低い、という特徴を有している。例えば、1%溶液の420nmの波長における吸光度1に対するポリフェノール含量が、0.05以上、より好ましくは0.08以上、特に好ましくは、0.1以上である、という特徴を有してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1 豆類・麦類の抽出液とサトウキビジュースの準備
乾燥したなた豆、大豆(通常の大豆及び脱脂大豆)、小豆及びえんどう豆の各種豆類、小麦及び大麦の各種麦類、並びに、玄米及びトウモロコシをミル等粉砕機で粉砕し、得られた乾燥粉砕物25gに対して60℃の蒸留水を200ml加え、攪拌機を用いて500rpmで90分間撹拌した後、3000rpmで5分間遠心分離を行った。その後、デカンテーションで上澄み液を得た。このようにして得られた上澄み液を豆類・麦類抽出液として試験に用いた。
また、刈り取ったサトウキビを30cmほどに切断した後、洗浄し、圧搾機にかけて搾汁液を得た。このようにして得られた搾汁液をサトウキビジュースとして試験に用いた。
実施例2 サトウキビジュースへの各種豆類・麦類抽出液添加
水酸化カリウム若しくはリン酸でpHを2-9に調製したサトウキビジュース45mlに実施例1で得られた各種豆類・各種麦類、玄米及びトウモロコシの各種抽出液5mlを加え、軽く撹拌した後、60℃で1時間静置した。その後、デカンテーションで上澄み液と沈殿物を分離した。
表1 各種抽出液によるpHの違いに応じた沈殿物量の変化
Figure 0007252193000001
表1に示したように、本実施例で使用したpH2-9の幅広い範囲のpHにおいて安定して沈殿物が得られた。
実施例3 サトウキビジュースへの脱脂大豆抽出液の添加量の影響
実施例1で得られた脱脂大豆抽出液を煮沸し、固形分が13.5%になるよう調整した。濃度調整済みの脱脂大豆抽出液を以下の表2に記載の量とり、液量が2mlとなるよう加水した。ここに、実施例1で得られたサトウキビジュースを13ml加え、軽く撹拌した後、60℃で2時間静置した。その後、遠心分離器で6000rpm、5分間処理し、デカンテーションで上澄み液と沈殿物を分離した。
表2 脱脂大豆抽出液の添加量の違いによる沈殿物量の変化
Figure 0007252193000002
表2より、試験No.5が最も沈殿物量が多かった。試験No.5は、サトウキビジュースに添加する脱脂大豆抽出液は、抽出液2ml中に0.12gの固形分を含むものであり、抽出液中の固形分の濃度は6重量%であった。そして、サトウキビジュースと抽出液の混合液中の脱脂大豆抽出液由来の固形分の濃度は0.8重量%であった。添加する脱脂大豆抽出液中及び混合液中の脱脂大豆抽出液由来の固形分の濃度がこれより高い場合、沈殿物量が若干減少した。
実施例4 サトウキビジュースへの各種豆類抽出液添加時の温度影響
pH7に調製したサトウキビジュース45mlに実施例1で得られた脱脂大豆抽出液5mlを加え、軽く撹拌した後、以下の表に記載の温度で1時間静置した。その後、デカンテーションで上澄み液と沈殿物を分離した。
表3 大豆抽出液の抽出時の温度の違いによる沈殿物量の変化
Figure 0007252193000003
大豆抽出液の場合、40℃-102℃の範囲において沈殿物量はほぼ変化しなかった。
また、pH5に調製したサトウキビジュース45mlに実施例1で得られた小豆抽出液 5mlを加え、軽く撹拌した後、以下の表に記載の温度で1時間静置した。その後、デカンテーションで上澄み液と沈殿物を分離した。
表4 小豆抽出液の抽出時の温度の違いによる沈殿物量の変化
Figure 0007252193000004
小豆抽出液の場合、30℃-90℃の範囲において沈殿物量はほぼ変化しなかった。
実施例5 豆類・麦類抽出物で処理した澄明化サトウキビジュースと糖蜜の酵母培養効率比較
サトウキビジュース1700mlに対して、小豆抽出液(60℃、pH 7.5で抽出)180mlを添加し、室温(25℃-30℃)にて1時間撹拌の後静置することで、サトウキビジュースから湿重量として上記析出物を除去した澄明化サトウキビジュースを得た。
得られた澄明化サトウキビジュースを用いて、酵母培養を実施した。培養装置はBMS-03PI(エイブル社製)を使用し、常法において培養した。サトウキビジュースの糖濃度は糖蜜培地の糖濃度(33%w/v)に合わせるべく調整した。酵母はサッカロミセス・セレビジエ( Saccharomyces cerevisiae )のFT-4株(寄託番号:FERM BP-808 1)を使用した。培養して得られた酵母を常法により処理し、酵母エキスを得て、核酸の含有量を測定した。
表5 澄明化サトウキビジュースと糖蜜の培養効率の比較
Figure 0007252193000005
菌体容量:培養して得られた酵母菌体の容量。目盛付きのスピッツグラスに10mlの培養液をいれ、3000rpmで遠心した際の沈殿物の容量について目盛を読むことにより測定した。
乾燥菌体量(g):培養後の菌体を、オーブンを用いて105℃4時間の条件で乾燥させた場合の重量。
エキス固形分(g):得られた酵母エキスの乾燥重量。
エキス固形分当たりI+G(重量%):エキス固形分に含まれるイノシン酸とグアニル酸の合計重量%。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
エキス中I+G総量(g):エキス固形分に含まれるイノシン酸とグアニル酸の合計量。
表5に示した通り、本発明の澄明化サトウキビジュースを用いた培養の方が、糖蜜培養よりも多くの乾燥菌体が得られた。さらに、エキス固形分に含まれるイノシン酸とグアニル酸の総量についても、糖蜜培養時と比べて増加した。また、本発明の澄明化サトウキビジュースを用いて培養した酵母エキスと、糖蜜培養で得られた酵母エキスについて、官能評価を行ったところ、前者は、着色は低く、より純粋な酵母エキスの風味が感じられた。
実施例6 豆類・麦類抽出物で処理した澄明化サトウキビジュースと糖蜜で培養された酵母菌体の色の比較
実施例5の条件で培養後の、澄明化サトウキビジュース培養と糖蜜培養の培養母液について、吸光度(OD420nm)を測定した。また、培養母液中を、オーブンを用いて105℃4時間の条件で乾燥させ、得られた固形分の重量を測定した。表6の「固形分(%)」は、培養母液単位重量当たりに含まれる固形分の比率(%)である。さらに、培養母液の化学的酸素要求量(COD)を、定法(JIS K0102 17)により測定した。
Figure 0007252193000006
さらに、酵母培養後の比較写真を図1に示す。図1の左が糖蜜培養、右が澄明化サトウキビジュース培養の写真である。写真中の沈殿物は培養菌体である。図1に示されたように、本発明の澄明化サトウキビジュースを用いた培養の方が、澄んだ透明な培養液が得られた。
実施例7 サトウキビジュース析出物の分析
本実施例ではサトウキビジュースを各種豆類の抽出液を添加し、得られた析出物の成分を分析した。
水酸化カリウム若しくはリン酸でpHを2-9に調製したサトウキビジュース90ml(94g)に実施例1で得られた各種豆類の抽出液10mlを加え、軽く撹拌した後、25℃で10時間静置した。その後、デカンテーションで上澄み液と沈殿物を分離した。
沈殿物(析出物)に含まれる各種成分の含量について分析した。表7に示すようにその大半は炭水化物である。
Figure 0007252193000007
沈殿物(析出物)についてさらに、ポリフェノール総量、p-クマル酸及び総フェルラ酸の含量を調べた。
ポリフェノール総量は、フォーリン-チオカルト(Folin-Ciocalteu)試薬を用いた方法(以下、「フォーリン-チオカルト法」と呼称する場合がある)により測定した。フォーリン-チオカルト試薬には、リンタングステン酸が酸化剤として含まれており、フェノール性水酸基により還元されて青色に呈色することを利用し、765nmの吸光度を測定し、定量する。フォーリン-チオカルト法は、食品や植物体のポリフェノールの総量を測定する方法として周知であり、ISO(国際標準化機構)にも採用されている。本実施例では、フォーリン-チオカルト試薬としてMP Biomedicals.LLC社製のものを使用し、図2に示した没食子酸(gallicacid)の検量線を標準として換算した。
p-クマル酸の含量は以下のように測定した。先ず、サトウキビジュース析出物凍結乾燥物1gに、メタノール100mlを2回に分けて添加し、80℃、1時間×2回の加熱還流処理により抽出した。抽出物を遠心分離し、250mlで定容した。ついで、液体クロマトグラフィータンデム型質量分析により、分析した。液体クロマトグラフィータンデム型質量分析計の操作条件は以下の通りである。
カラム:InterSustain(登録商標) C18(ジーエルサイエンス株式会社)、直径2.1mmm×150mm、粒径3μm
移動相:水、アセトにトリス及び酢酸の混液
流量:0.2ml/分
カラム温度:40℃
イオン化法:エレクトロスプレー(負イオン検出モード)
設定質量数(m/z):163.0→119.0
総フェルラ酸は以下のように測定した。先ず、サトウキビジュース析出物凍結乾燥物0.4gに、水3ml、1mol/lの水酸化カリウム-エタノール溶液10mlを加え、沸騰水浴中、2時間処理することにより加水分解を行った。反応物に、水100ml、2mol/塩酸8mlを加えた。これに、酢酸エチル50mlを3回加えることにより、酢酸エチル層に転溶した。脱水乾固をし、メタノール10mlを加えた。次いで、高速液体クロマトグラフィーにより、分析した高速液体クロマトグラフィーの操作条件は以下の通りである。
カラム:COSMOSIL(登録商標) 3C18-AR-II(ナカライテスク社製)、直径4.6mm×100mm、粒径3μm
移動相:水、2-プロパノール、アセトニトリル、メタノール及び酢酸の混液
流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
測定波長:320nm
結果を表8に示す。
Figure 0007252193000008
n.a.(未測定)
表8のうち、脱脂大豆析出物1と脱脂大豆析出物2は、収穫時期が異なるサトウキビジュースを用いた結果である。トウキビジュースより豆類抽出物を用いて得られた析出物には特に多くのp-クマル酸が含まれる。
比較のため、サトウキビ以外の植物中のポリフェノール含有量について表8に記載する(例えば、European Journal of Clinical Nutrition (2010)64、S112-S120の表1より抜粋)。
Figure 0007252193000009
表9に記載の種々の食材と比較しても、豆類抽出物を用いて得られたサトウキビ析出物が高濃度でポリフェノールを含むことが理解される。
実施例8 小豆抽出物を添加したサトウキビジュースの上澄み液及び沈殿物中のポリフェノールの分析
図3に示したフローチャートに基づき、サトウキビジュースに小豆抽出物を添加し、上澄み液及び沈殿物中のポリフェノールの含量を調べた。ポリフェノールの含量は、実施例7と同様に、フォーリン-チオカルト法を用いて測定し、没食子酸の検量線を標準として換算した。
BSL 15:黒砂糖を15%w/vに溶解した砂糖溶液。
黒砂糖の調整法 サトウキビジュースを煮詰めて、発生した澱を除去しながら濃縮する。水の蒸発がなくなる5倍濃縮で煮詰め作業を終了する。種晶が形成するように白みを帯びるまで充分攪拌する。一晩冷却して固化した黒砂糖を得る。
RBE 70:小豆を70℃蒸留水で30分処理した抽出物
TPP:ポリフェノール総量
湿潤残渣(wet residue)中のポリフェノール総量は0.04182gで、湿潤残渣中へのポリフェノール回収率は36.5%であった。
実施例9 脱脂大豆抽出物を添加したサトウキビジュースの上澄み液及び沈殿物中のポリフェノールの分析
図4又は図5に示したフローチャートに基づき、サトウキビジュースに脱脂大豆抽出物を添加し、上澄み液及び沈殿物中のポリフェノールの含量を調べた。
DFSBE 70:脱脂大豆を70℃蒸留水で30分処理した抽出物
図4、図5に示したように2回の試験を行った。1回目は、湿潤残渣(wet residue)中のポリフェノール総量は0.046gで、湿潤残渣中へのポリフェノール回収率は32.81%であった。2回目は、湿潤残渣(wet residue)中のポリフェノール総量は0.021gで、湿潤残渣中へのポリフェノール回収率は15.00%であった。
実施例9 サトウキビジュースから得られた沈殿物の抗酸化活性測定
本実施例では、脱脂大豆抽出物を添加したサトウキビジュースから得られた沈殿物を用いて、DPPHラジカル消去活性により抗酸化活性を測定した。
DPPHラジカル消去活性測定では、人工のDPPHラジカル(1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル)に対する消去活性を分光光度計で測定する。DPPHラジカルは溶媒中で紫色をしているが、この溶液に抗酸化物質を含む抽出液を加えると、DPPHラジカルが消去され色が薄くなる。この色の吸光度を測定することにより抗酸化力を評価した。
先ず試薬として、以下の表10に示す通り50%エタノール溶液及び400μMのDPPH溶液を準備した。
Figure 0007252193000010
DW:蒸留水

400μMのDPPH溶液は、先ずDPPHをエタノールで十分に溶解してから(0.5時間-1時間)、蒸留水を加えた。
測定サンプルとしては、実施例3で調製した脱脂大豆抽出物を添加したサトウキビジュースから得られた沈殿物を用いた。沈殿物100mgを1mlの50%エタノール溶液に溶解後、遠心してその上清を以下の測定に用いた。対照としては、沈殿物の代わりに、糖蜜由来ポリフェノール含有組成物を用いた。糖蜜由来ポリフェノール組成物は、糖蜜から活性炭処理などにより、ポリフェノールを粗精製することにより調製したものである。
以下の表11の測定用混合物を調製し、暗所で20分間反応させ、OD520nmを測定した。なお、各試料は、50%エタノール溶液で0合わせをしてから測定した。
Figure 0007252193000011
結果を表12及び図6に示す。
Figure 0007252193000012
上記結果より、ID50(元々のDPPHラジカルを半減させるのに必要な試料の量)を算出した。
Figure 0007252193000013
DPPHラジカルを入れていないブランクの値を差し引いていないので、サンプル自身の影響がでる。この点を考慮するとしても、本実施例の結果より、本発明のサトウキビジュースから得られた沈殿物の方が、同重量の糖蜜由来ポリフェノール含有組成物よりもDPPHラジカル消去活性が高い(本実施例において、ID50が約1/3)、と判断される。即ち、同重量比較で、本発明のサトウキビジュースから得られた沈殿物の方が、糖蜜由来ポリフェノール含有組成物よりもラジカル消去活性(抗酸化活性)が強いことが示された。
実施例10 サトウキビジュースから得られた沈殿物を含む溶液の吸光度
本実施例では、サトウキビジュースから得られた沈殿物を含む溶液の黄色の濃さを示す420nmの吸光度を調べた。サトウキビジュースから得られた沈殿物として、小豆抽出物を添加したサトウキビジュースの沈殿物(RBE)及び脱脂大豆抽出物を添加したサトウキビジュースの沈殿物(DFSBE)を用いた。対照として、MSX-100(三井製糖)及びMSX-1MF(三井製糖)を用いた。いずれのサンプルも1%可溶性固形分 溶液について測定した。
RBE及びDFSBEの凍結乾燥4.5gを50%エタノール水溶液15mlで抽出した。抽出液の固形分濃度は14.76質量%(%W/W)であった。水で希釈し、固形分1%相当に調整し、小豆抽出物由来サトウキビポリフェノール組成物(可溶部分)(RBES)の1%水溶液及び脱脂大豆抽出物由来サトウキビポリフェノール組成物(可溶部分)(DFSBES)の1%水溶液を得た。MSX-100及びMSX-1MFは、は可溶性であるので、そのまま1%水溶液を調製した。
得られた各1%水溶液についてフォーリン-チオカルト法でポリフェノール総量を測定し、ポリフェノール濃度を算出した。ポリフェノール濃度は没食子酸換算で示した。
Figure 0007252193000014
各1%水溶液について、吸光度(OD420)を測定した。
Figure 0007252193000015
表15の結果から1%水溶液(1%固形分(可溶性部分)溶液)の、420nmの波長における吸光度1に対するポリフェノール含量を算出した。
Figure 0007252193000016
RBES及びDFSBESは、MSX-100及びMSX-1MFと比較して、同じ吸光度の場合のポリフェノール含量が多い、言い換えれば、同じポリフェノール濃度の場合に420nmの色の濃さが低い、ことが示された。

Claims (28)

  1. (1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
    (2)工程(1)の反応液からポリフェノールを含む析出物を除去し、糖分を含む上澄み液を得る
    ことを含む、
    ここにおいて、前記抽出液は1-20重量%の濃度の固形分を含む、
    澄明化サトウキビジュースの製造方法。
  2. 豆類が、なた豆、脱脂大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される、請求項1の製造方法。
  3. 麦類が、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 抽出液を添加する前のサトウキビジュースのpHを3-9の範囲に調整する工程を含む、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 抽出液が3-15重量%の濃度の固形分を含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-20容量%の抽出液を添加する、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(2)の前に、工程(1)で得られた反応液を少なくとも30分間静置することを含む、請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、請求項1-7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1-8のいずれか1項に記載の方法によって製造された、澄明化サトウキビジュース。
  10. 石灰乳に由来するカルシウムを含まない、請求項9に記載の澄明化サトウキビジュース。
  11. 材料のサトウキビジュース中のリン酸が実質的に維持されている。請求項9又は10に記載の澄明化サトウキビジュース。
  12. 請求項9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地。
  13. 微生物を培養するための請求項12に記載の培養用培地。
  14. 微生物が、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される、請求項12の培養用培地。
  15. 請求項9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で微生物又は細胞を培養する、ことを含む、微生物又は細胞の培養方法。
  16. 請求項9-11のいずれか1項に記載の澄明化サトウキビジュース、を含む、培養用培地中で微生物を培養する、ことを含む、微生物の培養方法。
  17. 微生物が、酵母、乳酸菌、枯草菌、藻類からなる群から選択される、請求項16の方法。
  18. (1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
    (2)工程(1)の反応液からポリフェノールを含む析出物を除去し、糖分を含む上澄み液を得る、
    (3)工程(2)で得られた上澄み液から糖を結晶化する、
    ことを含む、
    ここにおいて、前記抽出液は1-20重量%の濃度の固形分を含む、
    製糖方法。
  19. (1)サトウキビジュースに、豆類抽出液、麦類抽出液、あるいは、豆類抽出液と麦類抽出液の両方、である抽出液を添加し、
    (2)工程(1)の反応液から糖分を含む上澄み液を除き、ポリフェノールを含む析出物を得る
    ことを含む、
    ここにおいて、前記抽出液は1-20重量%の濃度の固形分を含む、
    ポリフェノール含有組成物の製造方法。
  20. 豆類が、なた豆、脱脂大豆、小豆及びえんどう豆からなる群から選択される、請求項19の製造方法。
  21. 麦類が、小麦、大麦、ライ麦及びえん麦からなる群から選択される、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 抽出液を添加する前のサトウキビジュースのpHを3-9の範囲に調整する工程を含む、請求項19-21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 抽出液が3-15重量%の濃度の固形分を含む、請求項19-22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 工程(1)において、サトウキビジュースの液量に対し、1-20容量%の抽出液を添加する、請求項18-23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 工程(2)の前に、工程(1)で得られた反応液を少なくとも30分間静置することを含む、請求項18-24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 石灰乳、凝集剤、あるいは、石灰乳と凝集剤の両方、をサトウキビジュースに添加する、ことを含まない、請求項18-25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 請求項19-26のいずれか1項に記載の方法によって製造された、ポリフェノール含有組成物。
  28. クマル酸及び/又はフェルラ酸を含む、請求項27のポリフェノール含有組成物。
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