JP7252141B2 - 官能化ポリエステルを製造する方法 - Google Patents

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Description

本出願は、官能化ポリエステルを製造する方法に関する。より具体的には、本出願は、環状カーボネート官能化ポリエステルを製造する方法、およびコーティング、接着剤またはシーラント組成物における前記ポリエステルの使用に関する。
コーティング、接着剤およびシーラント配合物へのポリウレタンの使用は周知であり、長く確立されている。このようなポリウレタンは、所定の位置で硬化して接着層を形成する前駆体材料を含有する:従来、硬化性化合物は、1つ以上のポリイソシアネート化合物と、1つ以上のポリオールなどのイソシアネート反応性化合物とを含む。これらの硬化性化合物の選択に応じて、室温または一定の物理化学的条件にさらされると硬化するように、所与のポリウレタンコーティング、接着剤またはシーラントを配合できる。
このような従来のポリウレタン配合物中に存在するイソシアネートは、毒物学的リスクとなる。一方では、イソシアネートが通常、高い毒性および高いアレルゲン可能性を有するので、これはその使用中のこれらの材料の処理に関する。他方では、フレキシブル基板では、不完全に反応した芳香族イソシアネートが基板を通して移動し、湿気含有または含水成分によって発癌性芳香族アミンに加水分解されるリスクがある。
したがって、理想的には室温でさえ、良好な硬化特性を有する硬化性コーティング組成物用の、イソシアネートを含まない一成分系(1K)および二成分系(2K)が望ましい。また、室温でアミンと反応してウレタンを形成することができる環状カーボネートが、上記イソシアネート/ポリオール反応によるポリウレタン形成の重要な代替物となり得ることは、当技術分野で既に認識されている。しかしながら、NCOを含まないポリウレタン(NIPU)を生成するための環状カーボネートのより広範な使用に対する障害が知られている:i)環状カーボネートは、典型的にはアミジン、グアニジンおよびチオ尿素などの触媒の存在下でさえ、反応性が制限されており;ii)環状カーボネートの開環反応は選択性が低く、結果として安定な第二級アルコールと安定性の低い第一級アルコールの混合物が形成され、iii)結果として、形成されるポリウレタンは低分子量である傾向があり、その有用性が制限される。
Tomitaら Reactivity comparison of five- and six-membered cyclic carbonates with amines:Basic evaluation for synthesis of poly(hydroxyurethane) Journal of Polymer Science、第39巻、第1号、2001年1月1日、162~168頁は、5-(2-プロペニル)-1,3-ジオキサン-2-オン(1)および4-(3-ブテニル)-1,3-ジオキソラン-2-オン(2)とヘキシルアミンおよびベンジルアミンの反応性が制限されていることを特に言及した。しかしながら、その著者は、これらの環状カーボネートの反応性が、その4位に配置された置換基(R)に依存していることも発見した。例えば、R:Me<H<フェニル<CHOPh<CFの順に反応性が増加する。これは有益であったが、このようなフッ化化合物は容易に入手できず、高価であり、潜在的に毒性である。さらに、モノマー環状化合物は、コーティング、接着剤またはシーラント配合物へのバインダーとしての使用には適していない。
Lamarzelleら Activated lipidic cyclic carbonates for non-isocyanate polyurethane synthesis Polymer Chemistry、2016、7、1439~1451は、エステルまたはエーテル部分を含む電子求引基をβ位に組み込んでアミンに対するその反応性を高めることにより、環状カーボネート環を活性化する方法を記載している。この引用自体は、その商業的用途で制限されている:二官能性エステル-環状カーボネート材料を調製するために使用される合成手順および触媒は、高コストのために工業的に実行可能ではなく、また、合成により室温で結晶性材料が得られる。さておき、本発明者らは、エステル基が5員環状カーボネート基のβ位に配置されている高分子量環状カーボネート官能性ポリエステルを開発するという可能性を認識した。
国際公開第2016/124518号パンフレット(Evonik Degussa GMBH)は、環状カーボネート含有ポリマー、特に環状カーボネート含有ポリエステルを調製するプロセスを記載している。後者の実施形態では、ポリエステルが二段階プロセスで得られる。最初に、カルボキシル末端ポリエステルが合成される。第2の工程では、そのカルボキシル末端ポリエステルが、グリセリンカーボネートを使用してエステル化される。この第2の工程は、典型的には、最終生成物からの除去を必要とし、最終生成物を暗くすることもできるルイス酸またはメタンスルホン酸などの強酸の存在下で実施される。さらに、第2の工程の例示的な実施形態では、グリセリンカーボネートが安定でない180℃以上の反応温度が使用される。
国際公開第2012/007254号パンフレット(Total Petrochemical Res.Feluyら)は、a)第1の触媒系の存在下および共開始剤と連鎖移動剤の両方として作用する1つ以上のジオールまたはポリオールの存在下で、任意に官能基を有する、第1の5員、6員もしくは7員環状カーボネートまたは環状エステルもしくはジエステルを開環重合する工程と;b)第2の触媒系の存在下で、ヒドロキシル鎖末端基をカルボキシル基に化学修飾する工程と;c)第3の触媒系の存在下で、カルボキシル部分とのカップリングを可能にする少なくとも1つの官能基を有する、少なくとも2当量の第2の5員、6員または7員環状カーボネートとカップリング反応する工程と;d)工程c)の第2の末端5員、6員または7員環状カーボネートの開環を介してジアミンまたはポリアミンを重付加する工程と;e)ポリ(カーボネート-ウレタン)またはポリ(エステル-ウレタン)を回収する工程とを含む、ポリ(カーボネート-ウレタン)またはポリ(エステル-ウレタン)を調製するプロセスを記載している。
欧州特許第2582687号明細書(Construction Research&Technology GMBH)は、環状カーボネート官能性ポリエステルを調製するための二段階プロセスを記載している。第1の工程は、以下の例示的反応スキームによる5員環状カーボネートの形成を提供する:
Figure 0007252141000001
第2の工程では、誘導環状カーボネートがポリオールにより、但しエキゾチックな触媒、より具体的には酵素触媒または酸性陽イオン交換体の必要な存在下でエステル交換される。この引用による代表的な第2の工程を以下に例示する:
Figure 0007252141000002
国際公開第2016/124518号パンフレット 国際公開第2012/007254号パンフレット 欧州特許第2582687号明細書
上記の引用を考慮すると、ポリエステル基がβ位に配置されている5員環状カーボネート官能化オリゴマーまたはポリマーを合成するための単純で、費用効果が高く、工業的に実行可能な方法を提供することが当技術分野で依然として必要とされている。
本発明の第1の態様によると、環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する方法であって、グリセリンカーボネートを無水物と反応させて付加物(A)を形成すること、および、前記付加物(A)を少なくとも1つのポリエポキシド化合物と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を形成することを含む方法が提供される。
反応物質無水物は通常、マレイン酸;フマル酸;シトラコン酸;イタコン酸;グルタコン酸;フタル酸;イソフタル酸(IA);テレフタル酸;シクロヘキサンジカルボン酸;アジピン酸;セバシン酸(SeA);アゼライン酸(azealic acid);マロン酸;コハク酸;アルキルコハク酸;アルケニルコハク酸;グルタル酸;アルキルグルタル酸;アルケニルグルタル酸;およびこれらの混合物からなる群から選択される酸の無水物である。好ましくは、反応物質無水物は、マレイン酸無水物;アジピン酸無水物;コハク酸無水物;アルキルコハク酸無水物;アルケニルコハク酸無水物;グルタル酸無水物;アルキルグルタル酸無水物;アルケニルグルタル酸無水物;およびこれらの混合物からなる群から選択される。
グリセリンカーボネートと前記無水物の反応-本明細書の以下のある実施形態では段階Aと呼ばれる-は、典型的には、以下の制限の少なくとも1つの下で実施される:i)2:1~0.8:1の範囲、好ましくは1.2:1~0.8:1の範囲、より好ましくは1.1:1~0.9:1の範囲の無水物:グリセリンカーボネートモル比;ii)60℃~180℃、好ましくは80℃~150℃の範囲の温度;およびiii)無水条件。完全を期するために、これらのプロセス制限は相互に排他的ではなく、制限のうちの1つ、2つまたは3つを行ってもよいことに留意されたい。
付加物(A)と少なくとも1つのポリエポキシド化合物の反応を行う場合、元々存在する全てのエポキシ基が反応したことを確実にすべきである。よって、化合物を少なくとも1:1のカルボキシル基とエポキシ基の当量比で、例えば(1.0~1.2):1または(1.0~1.1):1の当量比で反応させてもよいだろう。
本発明の重要な実施形態では、環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する方法であって、A)グリセリンカーボネートを無水物と反応させて付加物(A)を形成する段階;B)ポリカルボン酸を提供する段階;C)前記ポリカルボン酸を少なくとも1つのジグリシジルエーテルと反応させてエポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)を形成する段階;および、D)前記エポキシ官能性ポリエステルを前記付加物(A)と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を形成する段階を含む方法が提供される。
好ましくは、段階Bで提供されるポリカルボン酸がジカルボン酸またはトリカルボン酸であり、ジカルボン酸が特に望ましい。代替的ではあるが相互に排他的ではない好ましい表現では、提供されるポリカルボン酸が一般に、50~1200mgKOH/gの酸価(Av)を特徴とすべきであり、好ましくは80~1100mgKOH/gの酸価(Av)を特徴とする。
重要な実施形態では、ポリカルボン酸がカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)である。段階Bでこのようなカルボキシル官能性ポリエステルを製造または提供する手段は特に制限されない。しかしながら、提供されるカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)が、50~500mgKOH/g、好ましくは80~430mgKOH/gの酸価(Av)を特徴とすることが望ましい。
例示的なプロセスでは、段階Bのカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシル-PES)が、i)2つ以上のヒドロキシル基を有するポリエステルを提供する工程と、ii)前記ヒドロキシル官能性ポリエステルをカルボン酸またはその無水物と反応させる工程とによって提供される。このように提供されるヒドロキシル官能性ポリエステルは、好ましくは、50~300mgKOH/g、好ましくは80~150mgKOH/gのヒドロキシル価を有することを特徴としてもよい。
代替プロセスでは、段階Bのカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)が、触媒量のエステル化触媒の存在下での化学量論的に過剰のジカルボン酸と少なくとも1つのジオールの反応によって提供される。
上に定義されるプロセスの段階Cでは、前記または各ジグリシジルエーテルが、100~700g/当量、好ましくは120~320g/当量のエポキシ当量を有することが好まれる。しかしながら、これとは別に、段階Cでは、ジグリシジルエーテル化合物とポリカルボン酸-該当する場合、カルボキシル官能性ポリエステル-のモル比が1.5:1~3:1、好ましくは1.8:1~2.2:1であることが好まれる。
カルボキシル基とエポキシ基の前記当量比は、段階Dでの、付加物(A)と特定されたポリエポキシド化合物であるエポキシ官能性ポリエステルの反応に適用可能なままである。実例として、段階D反応で、付加物(A)とエポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)のモル比が、2:1~3:1、好ましくは2:1~2.5:1であってもよい。
本発明による有効なプロセスは、i)40℃~180℃、好ましくは60℃~170℃の温度範囲で;および/またはii)触媒量の塩基性触媒の存在下での、段階Cと段階Dの両方の実施を含むことに留意されたい。このような温度範囲は、段階Dの反応で、付加物の5員環状カーボネート環が開くのを防ぐことができる温和な条件と等しい。
本発明のプロセスが、段階B~Dが1つの容器で連続的に、中間体生成物を分離することなく行われた場合に有効に実施されたことにさらに留意されたい。この「ワンポット」ソリューションにより、本発明が実施するのが極めて単純になる。
本発明の方法は、5員環状カーボネート基で官能化されたオリゴマーおよびポリマー化合物を提供する;ポリエステル基は、環状カーボネートに対してβ位に配置されているので、5員環状カーボネート環の反応性を高めるのに役立つ電子求引基として作用する。さらに、本方法は、広範囲の分子量を有する官能化化合物の合成を提供する:ある実施形態では、提供されるカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)の分子量および構造が、環状カーボネート官能性ポリエステルの分子量および構造を実質的に決定する。
本発明の第2の態様によると、本明細書にておよび添付の特許請求の範囲で定義される方法によって得られる環状カーボネート官能性ポリエステルが提供される。好ましくは、前記環状カーボネート官能性ポリエステルが、400~2500g/当量、好ましくは500~1500g/当量の環状カーボネート当量;500~5000g/mol、好ましくは800~3000g/molの数平均分子量(Mn);および50~300mgKOH/g、好ましくは100~200mgKOH/gのOH価の少なくとも1つを特徴とする。
本発明の第3の態様によると、上に定義される環状カーボネート官能性ポリエステルと;第一級アミノ基;第二級アミノ基;ヒドロキシ基;ホスフィン基;ホスホネート基;およびメルカプタン基からなる群から選択される少なくとも2つの官能基(F)を有する少なくとも1つの多官能性化合物(H)とを含む硬化性コーティング、接着剤またはシーラント組成物が提供される。
定義
本明細書中で用いる場合、単数形「a」「an」(ある)、および「the」(該)は、文脈が明瞭にそうでないことを指示するのでなければ、複数の指示対象を含む。
本明細書中で用いられる用語「comprising」(含んでいる)、「comprises」(含む)および「comprised of」(含んでなる)は、「including」(包含している)、「includes」(包含する)、「containing」(含有している)または「contains」(含有する)と同義であって、包括的であるか、または非限定的であって、追加の記載されていない部材、エレメントまたは方法工程を排除しない。
量、濃度、寸法およびその他のパラメーターが範囲、好ましい範囲、上限値、下限値または好ましい上限および限界値の形で表現される場合、任意の上限または好ましい値を任意の下限または好ましい値と組み合わせることによって得られる任意の範囲も、得られる範囲が文脈で明確に言及されているかどうかにかかわらず、具体的に開示されていると理解されるべきである。
用語「preferred」(好まれる)、「preferably」(好ましくは)、「desirably」(望ましくは)、「in particular」(特に)および「particularly」(特に)は、一定の状況下で特定の利益をもたらしてもよい本開示の実施形態を指すために本明細書中で頻繁に使用される。しかしながら、1つ以上の好ましいまたは好まれる実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを意味せず、それらの他の実施形態を本開示の範囲から除外することを意図しない。
本明細書で示される分子量は、特に明記しない限り、数平均分子量(Mn)を指す。全ての分子量データは、特に明記しない限り、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって得られた値を指す。
「acid value」(酸価)または「acid number」(酸価)は、化合物中に存在する遊離酸の量の尺度である:酸価は、物質1グラム中に存在する遊離酸の中和に必要な水酸化カリウムのミリグラム数である(mgKOH/g)。本明細書で示される任意の測定された酸価は、ドイツ規格DIN 53402に従って決定されている。
本明細書で示されるOH価は、Deutsche (DGF) Einheitsmethoden zur Untersuchung von Fetten, Fettprodukten, Tensiden und verwandten Stoffen(Gesamtinhaltsverzeichnis 2016)C-V 17b(53)に従って得られた。
本明細書で用いる場合、室温は23℃+または-2℃である。
本明細書で用いる場合、用語「equivalent(eq.)」(当量)は、化学表記法で通常であるように、反応物中に存在する反応基の相対数に関し;用語「milliequivalent」(meq)(ミリ当量)は、化学当量の1000分の1(10-3)である
本明細書で用いられる用語「equivalent weight」(当量)は、分子量÷関係する官能基の数を指す。よって、「epoxy equivalent weight」(エポキシ当量)(EEW)は、1当量のエポキシを含有する樹脂の重量(g)を意味する。
本明細書で用いる場合、「aliphatic group」(脂肪族基)は、飽和または不飽和の直鎖(すなわち、直鎖状)、分岐、環状(二環式を含む)有機基を意味する:したがって、用語「aliphatic group」(脂肪族基)は「alicyclic group」(脂環式基)を包含し、後者は脂肪族基の特性に似た特性を有する環状炭化水素基である。用語「aromatic group」(芳香族基)は、単または多環芳香族炭化水素基を意味する。
本明細書で用いる場合、「alkyl group」(アルキル基)は、アルカンの基であり、置換されていても非置換であってもよい直鎖および分岐有機基を含む一価基を指す。用語「alkylene group」(アルキレン基)は、アルカンの基であり、置換されていても非置換であってもよい直鎖および分岐有機基を含む二価基を指す。
具体的には、本明細書で用いる場合、「C-C alkyl」(C~Cアルキル)基は、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基を指し、アルキル基の例としては、それだけに限らないが、メチル;エチル;プロピル;イソプロピル;n-ブチル;イソブチル;sec-ブチル;tert-ブチル;n-ペンチル;およびn-ヘキシルが挙げられる。本発明では、このようなアルキル基は非置換であってもよいし、またはハロ、ニトロ、シアノ、アミド、アミノ、スルホニル、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミドおよびヒドロキシなどの1つ以上の置換基で置換されていてもよい。上に列挙される代表的な炭化水素基のハロゲン化誘導体を、特に、適切な置換アルキル基の例として挙げてもよい。しかしながら、一般的には、1~6個の炭素原子を含有する非置換アルキル基(C~Cアルキル)-例えば、1~4個の炭素原子(C~Cアルキル)または1個もしくは2個の炭素原子(C~Cアルキル)を含有する非置換アルキル基が好ましいことに留意すべきである。
本明細書で用いる場合、「C-C20 alkenyl」(C~C20アルケニル)基は、4~20個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含有する脂肪族炭素基を指す。前記アルキル基と同様に、アルケニル基は直鎖または分岐であることができ、任意に置換されていてもよい。「alkenyl」(アルケニル)という用語は、当業者に理解されるように、「シス」および「トランス」配置、あるいは「E」および「Z」配置を有する基も包含する。但し、一般に、4~18個(C4~18)または4~12個(C2~12)の炭素原子を含有する非置換アルケニル基が好ましいことに留意すべきである。また、C~C20アルケニル基の例としては、それだけに限らないが、2-ブテニル;4-メチルブテニル;1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-ヘプテニル、1-オクテニルおよびn-ドデセニルが挙げられる。
本明細書で用いる場合、「polycarboxylic acid」(ポリカルボン酸)は、1個超のカルボン酸官能基を有する任意の有機構造を含む。具体的には、この用語は、少なくとも2つのカルボキシル官能基を有するポリマーを包含し、よって、具体的には、カルボキシル官能性ポリエステル樹脂;カルボキシル官能性ポリアクリレート樹脂;カルボキシル官能性ポリメタクリレート樹脂;カルボキシル官能性ポリアミド樹脂;カルボキシル官能性ポリイミド樹脂;およびカルボキシル官能性ポリオレフィン樹脂を包含する。
本明細書で用いる場合、「polyol」(ポリオール)とは、2つ以上のヒドロキシル基を含む任意の化合物を指す。よって、この用語は、ジオール、トリオールおよび4つ以上の-OH基を含有する化合物を包含する。
用語「epoxide compound」(エポキシド化合物)は、モノエポキシド化合物、ポリエポキシド化合物およびエポキシド官能性プレポリマーを示す。よって、用語「polyepoxide compound」(ポリエポキシド化合物)は、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシド化合物を示すことを意図している。よって、さらに、用語「diepoxide compound」(ジエポキシド化合物)は、2つのエポキシ基を有するエポキシド化合物を示すことを意図している。
本明細書で用いる場合、用語「catalytic amount」(触媒量)は、反応物質に対する触媒の準化学量論的量を意味する。
用語「essentially free」(本質的に含まない)は、本明細書において、適用可能な基、化合物、混合物または成分が、定義された組成物の重量基準で、0.1重量%未満を構成することを意味することを意図している。
その最も広い表現では、本発明は、環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する方法であって、グリセリンカーボネートを無水物と反応させて付加物(A)を形成することと;前記付加物(A)を少なくとも1つのポリエポキシド化合物と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を形成することとを含む方法を提供する。
付加物(A)の調製
上で定義されるプロセスの第1の段階-本明細書の以下では段階Aと呼んでもよい-では、前記グリセリンカーボネートを多官能性無水物と反応させる。このエステル化反応により、カルボン酸基を有する付加物(A)が得られ、この付加物では、本明細書の以下に例示されるように、エステル基がベータ(β)位に配置されている。
反応物質グリセリンカーボネートは、4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソラン-2-オンとして代わりに特定されてもよい。この化合物は、Huntsman Corporationによって製造されるJeffsol(登録商標)として市販されている。あるいは、該化合物は、グリセリンと、ホスゲンなどの炭酸源、ジアルキルカーボネート、もしくはアルキレンカーボネートの反応;グリセリンと尿素、二酸化炭素および酸素の反応;または二酸化炭素とグリシドールの反応を含む、当技術分野で既知の方法によって合成することができる。以下の文書は、このような合成方法に関して有益である:米国特許第2,915,529号明細書;米国特許第6,025,504号明細書;欧州特許第1,156,042号明細書;および米国特許第5,359,094号明細書。
前記反応物質多官能性無水物を制限する特定の意図はないが、マレイン酸;フマル酸;シトラコン酸;イタコン酸;グルタコン酸;フタル酸;イソフタル酸(IA);テレフタル酸;シクロヘキサンジカルボン酸;アジピン酸;セバシン酸(SeA);アゼライン酸;マロン酸;コハク酸;アルキルコハク酸;アルケニルコハク酸;グルタル酸;アルキルグルタル酸;アルケニルグルタル酸;およびこれらの混合物からなる群から選択される酸の無水物が最も適切である。
多官能性無水物は、好ましくはマレイン酸無水物;アジピン酸無水物;コハク酸無水物;アルキルコハク酸無水物;アルケニルコハク酸無水物;グルタル酸無水物;アルキルグルタル酸無水物;アルケニルグルタル酸無水物;およびこれらの混合物からなる群から選択される無水物である。より好ましくは、多官能性無水物は、マレイン酸無水物;アジピン酸無水物;コハク酸無水物;グルタル酸無水物;およびこれらの混合物からなる群から選択される無水物である。
完全を期するために、最も適切なアルキルコハク酸無水物は、以下の一般式Aによって定義されるものである:
Figure 0007252141000003
式中、R、R、RおよびRは、水素およびC~Cアルキル基から独立に選択される。
最も適切なアルケニルコハク酸無水物は、一般式Bによって定義されるものである:
Figure 0007252141000004
式中、R、RおよびRは、水素およびC~Cアルキル基から独立に選択され;
はC~C20アルケニル基である。
結果として、最も適切なアルキルグルタル酸無水物は、以下の一般式Cによって定義されるものである:
Figure 0007252141000005
式中、R、R、R、R、RおよびRは、水素およびC~Cアルキル基から独立に選択される。
最も適切なアルケニルグルタル酸無水物は、一般式Dによって定義される3-グルタル酸誘導体である:
Figure 0007252141000006
式中、R、R、R、R11およびR12は、水素およびC~Cアルキル基から独立に選択され;
10はC~C20アルケニル基である。
多官能性無水物に対するグリセリンカーボネートの相対量はかなり広範囲にわたって変化することができるが、この反応物質は高価で、回収および再利用が困難になることができるため、有意に過剰な無水物は望ましくない。好ましくは、無水物:グリセリンカーボネートモル比が2:1~0.8:1であり、より好ましくは前記モル比が1.2:1~0.8:1の範囲内にあり、最も好ましくは前記比が1.1:1~0.9:1の範囲内にある。
本発明の第1の段階を、米国特許第4,310,708号明細書(Stregeら)に記載される容器を含む、使用される反応物質、生成物および任意の溶媒を含有するよう設計された任意の既知の適切な容器で行ってもよい。当然、容器の材料は、プロセス段階中に使用される条件下で不活性であるべきである。
これらの条件を考慮して、このプロセス段階を任意の適切な温度で実施してもよい。反応にとって最適な操作温度は、実験を通じて当業者が決定してもよいが、60℃~180℃の適切な温度範囲を挙げてもよく、好まれる温度範囲は80~150℃である。
プロセス圧力は重要ではない。よって、反応を、低大気圧、大気圧または超大気圧で実行することができるが、大気圧以上の圧力が好まれる。
第1の段階の反応を無水条件下で実施する場合に、良好な結果が得られた。所望であれば、反応容器に不活性で乾燥したガスブランケットを提供することによって、大気中の水分への暴露を回避してもよい。乾燥窒素、ヘリウムおよびアルゴンをブランケットガスとして使用してもよいが、一般的な窒素ガスをブランケットとして使用する場合は、このような窒素はその水分吸込に対する感受性のために十分に乾燥しなくてよいので、注意を払うべきである;窒素は本明細書における使用前に追加の乾燥工程を要してもよい。
第1の反応段階は、無溶媒条件下で実施することもでき、実際、これが望ましい。使用する場合、適切な溶媒は不活性であるべきである:適切な溶媒は出発化合物と反応する官能基を含有すべきでない。よって、芳香族炭化水素、実例としてトルエンまたはベンゼン;ヘプタン、ヘキサンまたはオクタンなどの5~12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランなどのエーテル;ならびに酢酸エチル、酢酸アミルおよびギ酸メチルなどのエステルを挙げてもよい。これらの溶媒のうち、潜在的な毒性の関係から、芳香族溶媒は最も好まれない。
この反応工程で触媒を使用する必要はなく、実際、無触媒条件が望ましい。しかしながら、触媒の使用は除外されず、適切な触媒-チタン、ジルコニウムおよびスズ触媒、例えばチタン、ジルコニウムおよびスズアルコラート、カルボキシレートおよびキレートを含む-が、特に米国特許第3,056,818号明細書(Werber);および米国特許第5,969,056号明細書(Nava)で特定されている。さらに適切な触媒には、アルカリまたはアルカリ土類金属の酢酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、酸化物、水酸化物またはこれらの混合物が含まれる:炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムおよび酢酸カリウムが、安価で、容易に入手可能で、有効であるために好ましいことが議論されている。使用する場合、触媒の量は、反応化合物の総量基準で、好ましくは0.05~5重量%または0.05~3重量%である。
反応物質無水物の適切な変換を得るための反応時間は、温度、触媒の種類および多官能性無水物の種類などの種々の因子に依存する。反応は、反応物質混合物の酸価(Av)を経時的に分析することによって監視することができ、決定された酸価が理論的な酸価に近い値で一定になったら、反応を停止することができる。一般に、反応が起こるのに十分な時間は2~20時間、例えば4~8時間または4~7時間である。
無水物反応の好まれる実施形態を考慮して、特許請求されるプロセスの第1の工程の例示的反応スキームは以下の通りであり、nは1、2または3である:
Figure 0007252141000007
本発明の第1の段階によって製造される付加物(A)は、そのまま使用してもよいし、または当技術分野で既知の方法を使用して単離および精製してもよい:これに関して、抽出、蒸発、蒸留およびクロマトグラフィーを挙げてもよい。
前記付加物(A)と少なくとも1つのポリエポキシド化合物の反応
誘導された付加物(A)を、少なくとも1つのポリエポキシド化合物と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を形成する。ポリエポキシド化合物の選択にかかわらず、この反応は、カルボキシル基とエポキシ基の当量比が少なくとも1:1であり、好ましくは(1.0~1.2):1または(1.0~1.1):1の範囲内にあることを特徴とすべきである。
エポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)-本明細書の以下に記載される段階B)およびC)から誘導可能である-を反応物質として選択することが好ましいと一般的に認められるが、この反応段階で、単独でまたは前記エポキシ官能性ポリエステルと組み合わせて他のポリエポキシドを使用してもよい。
このような適切な他のポリエポキシド化合物は、液体、固体、または溶媒中の溶液であってもよい。さらに、このようなポリエポキシド化合物は、100~700g/当量、例えば120~320g/当量のエポキシ当量を有するべきである。また一般的に、500未満、さらには400未満のエポキシ当量を有するジエポキシド化合物が好まれる:これは、その製造において、低分子量エポキシ樹脂が精製でより制限された処理を必要とするため、主にコストの観点からである。
適切なジグリシジルエーテル化合物は、本質的に芳香族、脂肪族または脂環式であってもよく、よって、二価フェノールおよび二価アルコールから誘導することができる。また、このようなジグリシジルエーテルの有用なクラスは、1,2-エタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,12-ドデカンジオール、シクロペンタンジオールおよびシクロヘキサンジオールなどの脂肪族および脂環式ジオールのジグリシジルエーテル;ビスフェノールA系ジグリシジルエーテル;ビスフェノールFジグリシジルエーテル;ジグリシジルo-フタレート、ジグリシジルイソフタレートおよびジグリシジルテレフタレート;ポリアルキレングリコール系ジグリシジルエーテル、特にポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル;ならびにポリカーボネートジオール系グリシジルエーテルである。挙げてもよい他の適切なジエポキシドには、二重不飽和脂肪酸C1~C18アルキルエステルのジエポキシド;ブタジエンジエポキシド;ポリブタジエンジグリシジルエーテル;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;およびリモネンジエポキシドが含まれる。
例示的なポリエポキシド化合物には、それだけに限らないが、グリセロールポリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル;ジグリセロールポリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル;およびソルビトールポリグリシジルエーテルが含まれる。
本発明を制限することを意図するものではないが、極めて好まれるポリエポキシド化合物の例としては、DER(登録商標) 331およびDER(登録商標) 383などのビスフェノールAエポキシ樹脂;DER(登録商標)354などのビスフェノールFエポキシ樹脂;DER(登録商標) 353などのビスフェノールA/Fエポキシ樹脂ブレンド;DER(登録商標)736などの脂肪族グリシジルエーテル;DER(登録商標)732などのポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル;DER(登録商標)661およびDER(登録商標)664 UEなどの固体ビスフェノールAエポキシ樹脂;DER(登録商標)671-X75などのビスフェノールA固体エポキシ樹脂の溶液;DEN(登録商標)438などのエポキシノボラック樹脂;ならびにDER(登録商標)542などの臭化エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基とカルボキシル基の反応は、触媒の非存在下で進行することができるが、ここでは、許容される反応速度と所望の反応生成物の両方を達成するために、塩基性触媒作用が必要である。適切な塩基性触媒の例としては、それだけに限らないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートおよびナトリウムブチラートなどのナトリウムアルコラート;ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウムヒドロキシド;ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリカプリルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリドおよびテトラ-n-オクチルアンモニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのアンモニウム塩;ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリドおよびトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのホスホニウム塩;ならびに強塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。当業者は、このような化合物の適切かつ最適な触媒量を決定できるが、触媒の典型的な量は、反応化合物の総量基準で、0.05~5重量%または0.05~3重量%であると提示される。
プロセスのこの段階にとって最適な操作温度は、実験を通じて当業者が決定してもよいが、40℃~180℃の適切な温度範囲を挙げてもよく、好まれる温度範囲は60℃~170℃または160℃でさえある。プロセス圧力は重要ではない:よって、反応を、低大気圧、大気圧または超大気圧で実行することができるが、大気圧以上の圧力が好まれる。
この段階を無水条件下で実施し、反応容器に、例えば乾燥窒素、ヘリウムまたはアルゴンの不活性で乾燥したガスブランケットを提供した場合に、良好な結果が得られた。また、この反応段階を望ましくは無溶媒条件下で実施すべきであることにも留意されたい。使用する場合、適切な溶媒は不活性であるべきである:適切な溶媒は出発化合物と反応する反応性基を含有すべきでない。
反応の進行は、反応物質混合物の酸価(Av)を経時的に分析することによって監視することができる:酸価が1mgKOH/g未満の値であると決定されたら、反応を停止してもよい。一般に、反応がその点に達するのに十分な時間は0.5~20時間、例えば1~8時間または2~6時間である。
反応生成物(CC-PES)を、当技術分野で既知の方法を使用して分離および精製してもよい:これに関して、抽出、蒸発、蒸留およびクロマトグラフィーを再度挙げてもよい。製造時に環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を保管することを意図する場合、ポリエステルを気密および防湿シール付きの容器に配置すべきである。
発明の様式の詳細な説明
重要な実施形態では、環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する方法が、A)本明細書の上に記載される、グリセリンカーボネートを無水物と反応させて付加物(A)を形成する段階と;B)ポリカルボン酸を提供する段階と;C)前記ポリカルボン酸を少なくとも1つのジグリシジルエーテルと反応させてエポキシ官能性ポリエステルを形成する段階と;D)前記エポキシ官能性ポリエステルを前記付加物(A)と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステルを形成する段階とを含む。
反応段階B~Dを1つ以上の適切な容器で独立に実施してもよいことに留意されたい。この例では、段階BおよびCの後に形成される中間体反応生成物を、それぞれ、抽出、蒸発、蒸留およびクロマトグラフィーなどの当技術分野で既知の方法を使用して単離および/または精製してもよい。しかしながら、この方法論は好まれない。望ましくは、段階B~Dを1つの容器で連続的に行う;この「ワンポット」ソリューションにより、中間体の分離および精製工程の必要性が除去される。さらに、段階B~Dをそれぞれ、溶媒を本質的に含まない条件下で実施することが好まれる。
段階B
本発明のこの様式の段階Bは、ポリカルボン酸を提供することからなる。一般に、飽和もしくは不飽和、脂肪族、芳香族もしくは脂環式であってもよい、または2つ以上の脂肪族、芳香族もしくは脂環式部分を有してもよい二価炭化水素基によってカルボン酸基が分離された任意のポリカルボン酸を使用することができる。ジカルボン酸およびトリカルボン酸が好ましいと言及してもよく、前者が特に好まれる。さらに、好まれるポリカルボン酸は一般に、50~1200mgKOH/g、例えば80~1100mgKOH/gの酸価(Av)を特徴とすべきである。
代表的な適切なジカルボン酸には、フタル酸;イソフタル酸(IA);テレフタル酸;オルトフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;1,3-および1,4-シクロヘキサンジカルボン酸;p-フェニレン二酢酸;セバシン酸(SeA);ブラシル酸;マレイン酸;フマル酸;シュウ酸;コハク酸;イタコン酸;アジピン酸;β-メチルアジピン酸;トリメチルアジピン酸、グルタル酸;アゼライン酸;マロン酸;スベリン酸;ピメリン酸;ドデカン二酸;ダイマー脂肪酸;ならびにこれらの混合物が含まれる。
代表的な適切なトリカルボン酸には、クエン酸;アコニット酸;1,3,5-ペンタントリカルボン酸;1,2,3-プロパントリカルボン酸;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸;1,2,4-ベンゼントリカルボン酸;および1,3,5-ベンゼントリカルボン酸が含まれる。
本発明の特に好まれる実施形態では、段階Bのポリカルボン酸がカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)であり、このポリマーが、好ましくは50~500mgKOH/g、好ましくは80~430mgKOH/gの酸価(Av)を特徴としてもよい。
この実施形態のカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)は、(i)少なくとも1つの芳香族、脂肪族もしくは脂環式ジカルボン酸またはその無水物;ii)少なくとも1つのジオール化合物、より具体的には、それぞれ独立に第一級または第二級ヒドロキシル基でもよい2つの脂肪族ヒドロキシル基を有する化合物の反応によって得ることができる。
適切なジカルボン酸には、飽和、不飽和、脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸および/または無水物が含まれる。代表的なジカルボン酸は、フタル酸;イソフタル酸;テレフタル酸;オルトフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;1,3-および1,4-シクロヘキサンジカルボン酸;p-フェニレン二酢酸;セバシン酸;ブラシル酸;マレイン酸;フマル酸;コハク酸;イタコン酸;アジピン酸;β-メチルアジピン酸;トリメチルアジピン酸、グルタル酸;アゼライン酸;マロン酸;スベリン酸;ドデカン二酸ならびにこれらの混合物である。好ましくは、ジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物が4~12個の炭素原子を有する。
2つの脂肪族ヒドロキシル基を有する適切なジオールは、62~5000の分子量を有してもよく、エーテル基、エステル基および/またはカーボネート基を任意に含有していてもよい。代表的な脂肪族ジオールは、エチレングリコール;1,2-プロパンジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-および1,4-ブタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;ネオペンチルグリコール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリコール;トリプロピレングリコール;テトラプロピレングリコール;ポリカーボネートジオール;ポリエステルジオール;ダイマー脂肪アルコール;ならびにこれらの混合物である。
カルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)の誘導におけるさらなる反応物質の使用は排除されず、これに関して、iii)各ヒドロキシル基が独立に、第一級または第二級ヒドロキシルであってもよいジヒドロキシモノカルボン酸;iv)それぞれ独立に、第一級または第二級ヒドロキシル基であってもよい3つ4つの脂肪族ヒドロキシル基をそれぞれ含む、三官能性および/または四官能性ヒドロキシ化合物、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールまたはペンタエリスリトールを挙げてもよい。
前記反応物質からカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)を合成する複数の代替方法があり、それ自体、本発明をそれらの方法のただ1つに制限する意図がないことは当業者に明らかであろう。しかしながら、一定の好ましい合成方法を、本明細書の以下に論じる。
第1の方法では、ヒドロキシル官能性ポリエステルをカルボン酸またはその無水物と反応させてカルボキシル官能性ポリエステルを形成してもよい。この第1の方法を二段階プロセスによって構成してもよい:第1の段階では、ジカルボン酸とジオールを水除去のための条件下で反応させてヒドロキシル官能性プレポリマーを形成する;第2の段階では、そのプレポリマーをカルボン酸またはその無水物と反応させる。水除去のための条件は、典型的には、120℃~250℃の温度;真空の印加;および共沸蒸留を促進するための溶媒の使用のうちの1つ以上によって構成される。
使用される酸または無水物試薬の量は、二段階プロセスの場合、ポリエステルまたは中間体プレポリマーのヒドロキシル価によって決定され、ヒドロキシル価は、望ましくは50~300mgKOH/g、好ましくは80~150mgKOH/gである。ポリエステルのヒドロキシル官能基の全てをキャッピングするのに必要な化学量論的量の一般的に80~100%を一般的に添加する。試薬をヒドロキシル官能性ポリエステルまたはプレポリマーに添加し、所望の酸価(Av)が得られるまでエステル化を続ける。通常、総反応時間は5~15時間となる。
エステル化反応を促進するための従来の触媒を、(エンドキャッピング)反応で、また、該当する場合、第1および第2の段階の一方または両方で使用することができる。反応物質の合わせた重量基準で、0.01~1重量%、例えば0.01~0.5重量%の量で使用してもよい触媒は、典型的にはスズ、アンチモン、チタンまたはジルコニウムの化合物である。これに関して、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトライソプロピル(TIPT)、チタン酸テトラn-プロピル、チタン酸テトラn-ブチル、チタン酸テトラ(2-エチルヘキシル)、チタン酸イソプロピルブチル、チタン酸テトラステアリル、ジイソプロポキシ-ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-n-ブトキシ-ビス(トリエタノールアミノアト)チタン、トリブチルモノアセチルチタネートトリイソプロピルモノアセチルチタネートおよびテトラ安息香酸チタネートなどのチタンアルコキシドおよびその誘導体;アルカリチタンオキサレートおよびマロネート、カリウムヘキサフルオロチタネートなどのチタン錯塩、ならびに酒石酸、クエン酸または乳酸などのヒドロキシカルボン酸とのチタン錯体;二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈殿物;水和アルカリ含有二酸化チタン;ならびに対応するジルコニウム化合物を挙げてもよい。
カルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)を合成する第2の望ましい方法によると、化学量論的に過剰のジカルボン酸を、触媒量の上記の触媒などのエステル化触媒の存在下で、少なくとも1つのジオールと反応させる。化学量論的に過剰のジカルボン酸は、所望のエステル結合を達成し、追加のカルボキシル基を有して末端カルボキシル基を生成するのに十分であるべきである。さらに、このような重縮合反応は、水除去のための条件下で実施すべきである。
段階C
本発明のプロセスのこの段階では、ポリカルボン酸-該当する場合はカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)である-を1つ以上のジグリシジルエーテル化合物と反応させてエポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)を得る。概して、適切なジグリシジルエーテル化合物は、液体、固体、または溶媒中の溶液であってもよい。前記ジグリシジルエーテル化合物は、本質的に芳香族、脂肪族または脂環式であってもよく、よって、二価フェノールおよび二価アルコールから誘導することができる。また、このようなジグリシジルエーテル(エポキシ樹脂)の有用なクラスは、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,12-ドデカンジオール、シクロペンタンジオールおよびシクロヘキサンジオールなどの脂肪族および脂環式ジオールのジグリシジルエーテル;ビスフェノールA系ジグリシジルエーテル;ビスフェノールFジグリシジルエーテル;ポリアルキレングリコール系ジグリシジルエーテル、特にポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル;ならびにポリカーボネートジオール系グリシジルエーテルである。
ジグリシジルエーテル化合物は、100~700g/当量、例えば120~320g/当量のエポキシ当量を有することが好まれる。一般的に、500未満、さらには400未満のエポキシ当量を有するジグリシジルエーテル化合物が好まれる:これは、その製造において、低分子量エポキシ樹脂が精製でより制限された処理を必要とするため、主にコストの観点からである。
本発明を制限することを意図するものではないが、適切なエポキシ樹脂の例としては、DER(登録商標) 331およびDER(登録商標) 383などのビスフェノールAエポキシ樹脂;DER(登録商標)354などのビスフェノールFエポキシ樹脂;DER(登録商標) 353などのビスフェノールA/Fエポキシ樹脂ブレンド;DER(登録商標)736などの脂肪族グリシジルエーテル;DER(登録商標)732などのポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル;DER(登録商標)661およびDER(登録商標)664 UEなどの固体ビスフェノールAエポキシ樹脂;DER(登録商標)671-X75などのビスフェノールA固体エポキシ樹脂の溶液;DEN(登録商標)438などのエポキシノボラック樹脂;ならびにDER(登録商標)542などの臭化エポキシ樹脂が挙げられる。
ジグリシジルエーテル化合物とカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)とのモル比は、好ましくは1.5:1~3:1、より好ましくは1.8:1~2.2:1であるべきである。
エポキシ基とカルボキシル基の反応は、触媒の非存在下で進行することができるが、ここでは、許容される反応速度と所望の反応生成物の許容される収率の両方を達成するために、塩基性触媒作用が必要である。段階Cのための適切な塩基性触媒の例としては、それだけに限らないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートおよびナトリウムブチラートなどのナトリウムアルコラート;ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウムヒドロキシド;ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリカプリルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリドおよびテトラ-n-オクチルアンモニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのアンモニウム塩;ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリドおよびトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのホスホニウム塩;ならびに強塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。当業者は、このような化合物の適切かつ最適な触媒量を決定できるが、触媒の典型的な量は、反応化合物の総量基準で、0.05~5重量%または0.05~3重量%であると提示される。
プロセスの段階Cにとって最適な操作温度は、実験を通じて当業者が決定してもよいが、40℃~180℃の適切な温度範囲を挙げてもよく、好まれる温度範囲は60℃~170℃または160℃でさえある。プロセス圧力は重要ではない:よって、反応を、低大気圧、大気圧または超大気圧で実行することができるが、大気圧以上の圧力が好まれる。
この段階を無水条件下で実施し、反応容器に、例えば乾燥窒素、ヘリウムまたはアルゴンの不活性で乾燥したガスブランケットを提供した場合に、良好な結果が得られた。また、この反応段階を望ましくは無溶媒条件下で実施すべきであることにも留意されたい。使用する場合、適切な溶媒は不活性であるべきである:適切な溶媒は出発化合物と反応する反応性基を含有すべきでない。
エポキシ化反応の進行は、反応物質混合物の酸価(Av)を経時的に分析することによって監視することができる:酸価が1mgKOH/g未満の値であると決定されたら、反応を停止してもよい。一般に、エポキシ化反応が起こるのに十分な時間は0.5~20時間、例えば1~8時間または2~6時間である。
エポキシ化反応の好ましい実施形態を考慮して、特許請求されるプロセスの第1の工程の例示的反応スキームは以下の通りである:
Figure 0007252141000008
式中、Rは二価フェノールまたは二価アルコールの残基であり;Yはポリエステル(PES)またはポリカルボン酸の残基である。
段階D
プロセスのこの段階では、段階Aの付加物(A)を、段階Cから得られたエポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)と反応させる。この反応を通して、末端環状カーボネート基を有するポリエステル(CC-PES)が得られる。
付加物を、カルボン酸基とエポキシ基の当量比が少なくとも1:1となるのを確実にするのに十分な量で反応媒体に添加すべきである。これは、付加物(A)とエポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)のモル比が2:1~3:1、より好ましくは2:1~2.5:1の範囲内にあるのと等しくてもよい。
エポキシ基とカルボキシル基の反応は、触媒の非存在下で進行することができるが、ここでは、許容される反応速度と所望の反応生成物の両方を達成するために、塩基性触媒作用が必要である。段階Dのための適切な塩基性触媒の例としては、それだけに限らないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートおよびナトリウムブチラートなどのナトリウムアルコラート;ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウムヒドロキシド;ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリカプリルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリドおよびテトラ-n-オクチルアンモニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのアンモニウム塩;ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリドおよびトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドなどの相間移動触媒としてのホスホニウム塩;ならびに強塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。当業者は、このような化合物の適切かつ最適な触媒量を決定できるが、触媒の典型的な量は、反応化合物の総量基準で、0.05~5重量%または0.05~3重量%であると提示される。
プロセスの段階Dにとって最適な操作温度は、実験を通じて当業者が決定してもよいが、40℃~180℃の適切な温度範囲を挙げてもよく、好まれる温度範囲は60℃~170℃または160℃でさえある。プロセス圧力は重要ではない:よって、反応を、低大気圧、大気圧または超大気圧で実行することができるが、大気圧以上の圧力が好まれる。
この段階を無水条件下で実施し、反応容器に、例えば乾燥窒素、ヘリウムまたはアルゴンの不活性で乾燥したガスブランケットを提供した場合に、良好な結果が得られた。また、この反応段階を望ましくは無溶媒条件下で実施すべきであることにも留意されたい。使用する場合、適切な溶媒は不活性であるべきである:適切な溶媒は出発化合物と反応する反応性基を含有すべきでない。
反応の進行は、反応物質混合物の酸価(Av)を経時的に分析することによって監視することができる:酸価が1mgKOH/g未満の値であると決定されたら、反応を停止してもよい。一般に、反応がその点に達するのに十分な時間は0.5~20時間、例えば1~8時間または2~6時間である。
好ましい実施形態を考慮して、特許請求されるプロセスのこの工程の例示的反応スキームは以下の通りである:
Figure 0007252141000009
式中、Rは二価フェノールまたは二価アルコールの残基であり;Yはポリエステル(PES)またはポリカルボン酸の残基であり;nは1、2または3である。
段階Dの生成物(CC-PES)を、当技術分野で既知の方法を使用して分離および精製してもよい:これに関して、抽出、蒸発、蒸留およびクロマトグラフィーを再度挙げてもよい。
製造時に環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を保管することを意図する場合、ポリエステルを気密および防湿シール付きの容器に配置すべきである。
コーティング、シーラントおよび接着剤組成物
前記のように、本発明のプロセスを使用して得られる環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)は、硬化性コーティング、接着剤またはシーラント組成物の反応性成分として使用することができる。このような組成物のさらなる反応物質は、一般に、第一級アミノ基;第二級アミノ基;ヒドロキシ基;ホスフィン基;ホスホネート基;およびメルカプタン基からなる群から選択される少なくとも2つの官能基(F)を有する1つ以上の多官能性化合物(H)である。官能基(F)がブロックされているが、特定の物理化学的条件下で活性化される潜在化合物も、コーティング、接着剤またはシーラント組成物のための適切なさらなる反応物質として想起される。
(活性化)化合物(H)が有する官能基(F)の数に特定の制限は課せられない:例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の官能基を有する化合物を使用してもよい。さらに、反応物質化合物(H)は低分子量物質-すなわち、その分子量が500g/mol未満である-または500gを超える数平均分子量(Mn)を有するオリゴマーもしくはポリマー物質であることができる。また、当然、化合物(H)の混合物-例えば、アルコール性硬化剤とアミン硬化剤の混合物-を使用してもよい。
重要な実施形態では、化合物(H)の官能基(F)が、脂肪族ヒドロキシル基;脂肪族第一級アミノ基;脂肪族第二級アミノ基;脂肪族ホスフィン基;脂肪族ホスホネート基;脂肪族メルカプタン基;およびこれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、化合物(H)が、アミン(もしくはアミン系)またはアルコール性化合物を含むまたはからなり、より具体的には、化合物(H)の官能基(F)が、脂肪族ヒドロキシル基;脂肪族第一級アミノ基;脂肪族第二級アミノ基;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明を制限することを意図するものではないが、環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を含有する硬化性組成物に含めるのに適した代表的なアミン系化合物(H)は:
a)エチレンジアミン、1,2-および1,3-プロパンジアミン、ネオペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1-(3-アミノプロピル)-3-アミノプロパン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)プロパンおよび4-エチル-4-メチルアミノ-1-オクチルアミンなどの脂肪族ポリアミン;
b)1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-、1,3-および1,4-ビス(アミノ-メチル)シクロヘキサン、1-メチル-2,4-ジアミノシクロヘキサン、N-シクロヘキシルプロピレン-1,3-ジアミン、4-(2-アミノプロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘキサン-1-アミン、イソホロンジアミン、4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン(Dicykan)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,8-ジアミノ-トリシクロ[5.2.1.0]デカン、ノルボルナンジアミン、メンタンジアミンおよびメンテンジアミンなどの脂環式ジアミン;
c)トルイレンジアミン、キシリレンジアミン、特にメタキシリレンジアミン(MXDA)、ビス(4-アミノフェニル)メタン(MDAまたはメチレンジアニリン)およびビス(4-アミノ-フェニル)スルホン(DADS、DDSまたはDapsoneとしても知られている)などの芳香族ジアミン;
d)ピペラジンおよびN-アミノエチルピペラジンなどの環状ポリアミン;
e)ポリエーテルアミン、特にポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレンオキシド、ポリ(1,4-ブタンジオール)、ポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)またはポリペンチレンオキシドに基づく二官能性および三官能性第一級ポリエーテルアミン;
f)ダイマー脂肪酸(例えば、ダイマーリノール酸)を、ジエチレントリアミン、1-(3-アミノプロピル)-3-アミノプロパンもしくはトリエチレンテトラミンなどの低分子量ポリアミン、または上記脂肪族もしくは脂環式ジアミンなどの他のジアミンと反応させることによって得ることができるポリアミドアミン(アミドポリアミン);
g)アミン、特にジアミンを欠乏のエポキシ樹脂または反応性希釈剤と反応させることによって得られる付加物、好ましくはエポキシ基の約5~20%がアミン、特にジアミンと反応した反応物が使用される;
h)エポキシド化学から知られているフェナルカミン;および
i)典型的にはポリアミン、好ましくはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、2,2,4-または2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、1,3-および1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドおよび少なくとも1つのアルデヒド反応性コア部位を有する一価または多価フェノール、例えば、種々のクレゾールおよびキシレノール、p-tert-ブチルフェノール、レゾルシノール、4,4’-ジヒドロキシ-ジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル-2,2-プロパン、但し好ましくはフェノールの縮合によって調製してもよいマンニッヒ塩基である。
アルコール性硬化剤は、第一級または第二級アルコール官能基と1,3-ジオキソラン-2-オン基の反応により炭酸ジエステルを形成し、架橋してカーボネートポリマーを形成する。よって、本発明で使用するための好ましいアルコール性硬化剤は、1分子当たり平均で少なくとも2つの第一級または第二級ヒドロキシ基を有する;これに関して、1分子当たり2つ、3つまたは4つの第一級または第二級ヒドロキシ基を有するアルコール性硬化剤を挙げてもよい。
概して、アルコール性化合物(H)を、主に低分子量および高分子量の脂肪族および脂環式アルコールから選択してもよい。本発明を制限することを意図するものではないが、環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)を含有する硬化性組成物に含めるのに適した代表的な低分子量アルコール性化合物(H)は、1,4-ブタンジオール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;ネオペンチルグリコール;1,3-プロパンジオール;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;グリセロール;ジグリセロール;ペンタエリスリトール;ジペンタエリスリトール;ならびにソルビトールおよびマンニトールなどの糖アルコールである。代表的な高分子量ポリマーポリオールには、それだけに限らないが、ポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリエーテルポリオール;ポリアクリレートポリオール;およびポリビニルアルコールが含まれる。これらのポリマーポリオール化合物(H)は、典型的には、以下の特性のうちの1つ以上を特徴とすべきである:i)少なくとも1.5mol、好ましくは少なくとも1.8の平均OH官能価、例えば1.5~10または1.8~4の範囲のOH官能価、ここで、前記平均OH官能価は、ポリマー鎖1つ当たりのOH基の平均数であると理解される;ii)250~50,000g/mol、好ましくは500~10,000g/molの数平均分子量(Mn);およびiii)第一級ヒドロキシル基であるポリマーポリオール成分に含有される少なくとも50モル%のヒドロキシル基を有する。
硬化性組成物中に存在する化合物(H)の総量は、好ましくは、前記官能性ポリエステル(CC-PES)の1,3-ジオキソラン-2-オン基と官能基(F)のモル比が1:10~10:1、例えば5:1~1:5の範囲内にあり、好ましくは1:2~2:1の範囲内にあるように選択される。
組成物の代替表現では、化合物(H)の総量が、環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)と化合物(H)の合わせた総量基準で、適切には0.1~50重量%、好ましくは0.5~40重量%、より好ましくは1~30重量%である。
当技術分野で標準的であるように、硬化性組成物は添加剤および補助成分を含んでもよい。適切な添加剤および補助成分には、抗酸化剤;UV吸収剤/光安定剤;金属不活性化剤;帯電防止剤;補強剤;充填剤;防曇剤;噴射剤;殺生物剤;可塑剤;潤滑剤;乳化剤;染料;顔料;レオロジー剤;耐衝撃性改良剤;接着調整剤;蛍光増白剤;難燃剤;ドリップ防止剤;核剤;湿潤剤;増粘剤;保護コロイド;消泡剤;粘着付与剤;溶媒;反応性希釈剤;およびこれらの混合物が含まれる。組成物に適した従来の添加剤の選択は、その特定の意図した用途に依存し、個々の場合で当業者が決定できる。
本発明のある実施形態では、環状カーボネート基と化合物(H)の官能基(F)の反応を触媒するために触媒は必要とされない:これは、典型的には、第一級および第二級アミノ基が官能基(F)として存在する場合に事実であってもよい。しかしながら、他の場合、および好ましくは化合物(H)がアミノ基とは異なる反応基Fを有する場合、触媒を必要としてもよい:その場合、硬化に適した触媒は、反応性官能基(F)の種類に応じて既知の様式で決定される。触媒は、所望の場合、硬化性組成物の総重量基準で、0.01~10重量%、好ましくは0.01~5重量%の量で使用される。
塩基性触媒、特に有機アミンおよび有機ホスフィンが、本発明における重要なクラスの触媒となる有機アミンの中では、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)および1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)などのアミジン塩基;モノ-C~C-アルキルアミン;ジ-C~C--アルキルアミン;ならびにトリ-C~C-アルキルアミン、特にトリエチルアミンおよびtert-ブチルアミンが好まれる。有機ホスフィンの中では、トリ-n-ブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン;およびトリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンが好まれる。当然、このような塩基性触媒を、任意にトリ-C~C-アルキルアンモニウムハライドおよび銅塩と組み合わせて、混合物として使用することもできる;例として、トリフェニルホスフィンとトリC~C-アルキルアンモニウムハライドおよび銅塩-塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)または硫酸銅(II)など-の組み合わせを挙げてもよい。
硬化性コーティング、接着剤またはシーラント組成物は、組成物の重量基準で、5重量%未満の水を含むべきであり、最も好ましくは水を本質的に含まない無水組成物である。これらの実施形態は、組成物が有機溶媒を含むことまたは有機溶媒を本質的に含まないことを排除しない。
概して、当業者に既知の全ての有機溶媒を溶媒として使用することができるが、前記有機溶媒がエステル;ケトン;ハロゲン化炭化水素;アルカン;アルケン;および芳香族炭化水素からなる群から選択されることが好まれる。代表的な溶媒は、塩化メチレン、トリクロロエチレン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、酢酸メトキシブチル、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、2-エチルヘキシルアセテート、グリコールジアセテート、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルアセテート、イソオクタン、イソプロピルアセテート、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランもしくはテトラクロロエチレン、または列挙される溶媒のうちの2つ以上の混合物である。
方法および用途
コーティング、シーラントまたは接着剤組成物を形成するために、反応性化合物を一緒にし、バインダーの硬化を誘導するように混合する。より具体的には、環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)および化合物(H)を、手で、機械で、(共)押出によりまたはその微細で高度に均質な混合を確実にすることができる任意の他の手段により所定量で混合してもよい。
本発明のバインダー組成物の硬化は、典型的には、-10℃~150℃、好ましくは0℃~100℃、特に10℃~70℃の範囲の温度で起こる。適切な温度は、具体的な化合物(H)および望ましい硬化速度に依存し、個々の場合で、必要に応じて単純な予備試験を使用して、当業者が決定できる。当然、5℃~35℃または20℃~30℃の温度での硬化が、混合物を通常一般的な周囲温度から実質的に加熱または冷却する要件を除去するため、特に有利である。しかしながら、適用可能な場合、環状カーボネート官能性ポリエステル(CC-PES)と化合物(H)の混合物の温度を、マイクロ波誘導を含む従来の手段を使用して混合温度より上に上げてもよい。
本発明による組成物は、とりわけ、ワニス;インク;エラストマー;発泡体;繊維および/または粒子用の結合剤;ガラスのコーティング;石灰および/またはセメント結合プラスター、石膏含有表面、繊維セメント建材およびコンクリートなどの鉱物建材のコーティング;チップボード、ファイバーボードおよび紙などの木材および木製材料のコーティングおよびシーリング;金属表面のコーティング;アスファルトおよびビチューメン含有舗装のコーティング;種々のプラスチック表面のコーティングおよびシーリング;ならびに革および繊維製品のコーティングにおいて有用性を見出してもよい。
また、本発明の組成物は、ケーブル、光ファイバー、カバーストリップまたはプラグなどの電気建築部品用の注入可能なシーリング化合物として適していると考えられる。シーラントが、水および他の汚染物質の侵入、熱暴露、温度変動、熱衝撃および機械的損傷からこれらの部品を保護するのに役立ってもよい。
本発明の組成物は、しばしば室温で-特にアミン硬化剤(H)を使用する場合-短時間で高い結合強度を作り出すことができるという事実により、同じまたは異なる材料を互いに表面同士で結合することにより複合構造を形成するために最適に使用される。本組成物の代表的な接着剤用途として、木材と木製材料の結合および金属材料の結合を挙げてもよい。
本発明の特に好ましい実施形態では、硬化性組成物が、ポリオレフィンフィルム、ポリ(メチルメタクリレート)フィルム、ポリカーボネートフィルムおよびアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)フィルムなどのプラスチックおよびポリマーフィルムを接着するための無溶媒または溶媒含有積層接着剤として使用される。
上記用途の各々で、組成物を、例えば、ブラッシング;組成物が無溶媒である場合、4回塗布ロール装置または溶媒含有組成物の場合、2回塗布ロール装置を使用したロールコーティング;ドクターブレード塗布;印刷法;ならびにそれだけに限らないが、空気噴霧スプレー、空気アシストスプレー、エアレススプレーおよび高容量低圧スプレーを含む噴霧方法などの従来の塗布方法によって塗布してもよい。コーティングおよび接着剤用途では、組成物を10~500μmの湿潤膜厚に適用することが推奨される。この範囲内のより薄い層の適用がより経済的であり、コーティング用途のために、サンディングを必要としてもよい厚い硬化領域の可能性を低減する。しかしながら、不連続硬化膜の形成を回避するために、より薄いコーティングまたは層を適用する際には、多大な制御を働かせなければならない。
本開示の種々の特徴および実施形態を以下の実施例で説明するが、これらは代表的なものであり、制限するものではないことを意図している。
以下の材料を実施例で使用する:
DER 732:液体エポキシ樹脂、エピクロロヒドリンとポリプロピレングリコールの反応生成物;The Dow Chemical Companyから入手可能。
DER 331:液体エポキシ樹脂、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;The Dow Chemical Companyから入手可能。
TIPT:チタン酸テトライソプロピル、Connect Chemicalsから入手可能。
ERISYS(登録商標)GE-35H:ヒマシ油トリグリシジルエーテル、CVC Thermoset Specialtiesから入手可能。
Jeffamine EDR-176:176g/molの重量平均分子量(Mw)を有するポリエーテルジアミン、Huntsman Corporationから入手可能。
PEI:800g/molの重量平均分子量(Mw)を有するポリエチレンイミン、Sigma-Aldrichから入手可能。
実施例1:グリセリンカーボネートとグルタル酸無水物(GC-Glut)の反応
Figure 0007252141000010
グリセリンカーボネート(254g)およびグルタル酸無水物(251g)を、N雰囲気下、100℃の丸底フラスコで攪拌した。決定された酸価(Av)が理論値(理論Av=242mgKOH/g;実験Av=252mgKOH/g)に近い値で一定になった場合、9時間後に、100%の変換-具体的には、グルタル酸無水物へのグリセリンカーボネートの付加-が観察された。
実施例2:グリセリンカーボネートとコハク酸無水物(GC-Succ)の反応
Figure 0007252141000011
グリセリンカーボネート(135g)およびコハク酸無水物(115g)を、N雰囲気下、100℃の丸底フラスコで攪拌した。決定された酸価が理論値(理論Av=257mgKOH/g;実験Av=268mgKOH/g)に近い値で一定になった場合、8時間後に、100%の変換-グルタル酸無水物へのグリセリンカーボネートの付加-が観察された。
実施例3:カルボキシ末端ポリエステル(カルボキシ-PES)の合成
Figure 0007252141000012
手順A:三口丸底フラスコ中およびN雰囲気下で、二酸、グリコール(過剰の二酸)および触媒TIPT(0.02重量%)の混合物を230℃まで加熱し、攪拌した。水がそれ以上観察されなくなったら、真空を印加して反応を強制的に進行させた。決定された酸価(Av)が理論値に近い値で一定になったら、反応を終了する。
手順B:三口丸底フラスコ中およびN雰囲気下で、グリコールとコハク酸無水物の混合物を100℃まで加熱し、攪拌した。決定された酸価(Av)が理論値に近い値で一定になるまで、反応混合物をこれらの条件で維持する。
手順C:三口丸底フラスコ中およびN雰囲気下で、二酸、グリコール(過剰のグリコール)および触媒TIPT(0.02重量%)の混合物を230℃まで加熱し、攪拌した。水がそれ以上観察されなくなったら、真空を印加して反応を強制的に進行させた。Avが3mgKOH/g未満になったら、反応を終了する。次いで、反応混合物の温度を100℃に下げ、コハク酸無水物を添加する。決定された酸価(Av)が理論値に近い値で一定になるまで、反応混合物をこれらの条件で維持する。
本明細書の以下の表1は、特定された反応物質およびその量を使用して上記の手順により得られた具体的なカルボキシ-PESを記載している。
Figure 0007252141000013
実施例4:エポキシ官能性ポリエステル(エポキシ-PES)の合成
Figure 0007252141000014
手順:三口丸底フラスコ中およびN雰囲気下で、二酸、カルボキシ-PES、エポキシ樹脂および触媒NaCO(0.02重量%)の混合物を135℃までゆっくりと加熱し、30分間撹拌した。その後、反応混合物を155℃まで加熱し、測定された酸価(Av)が1mgKOH/gを下回るまでこれらの条件を維持した。
使用した反応物質およびこの手順に従って製造した6つのエポキシ-PESの特性を、本明細書の以下の表2に示す。
Figure 0007252141000015
実施例5:環状カーボネート官能性ポリエステル(環状カーボネート-PES)の合成
Figure 0007252141000016
手順:丸底フラスコ中およびN雰囲気下で、エポキシ樹脂、エポキシ-PES、対応する付加物GC-X-COOH(実施例1および2から)および触媒NaCO(0.02重量%)の混合物を135℃までゆっくりと加熱し、30分間攪拌した。その後、反応混合物を150℃まで加熱し、測定された酸価(Av)が1mgKOH/gを下回るまでこれらの条件を維持した。
使用した反応物質およびこの手順に従って製造した8つの環状カーボネート官能性ポリエステル(環状カーボネート-PES)の特性を、本明細書の以下の表3に示す。
Figure 0007252141000017
実施例6:接着剤配合物
上記の定義された環状カーボネート官能化ポリエステルのうち3つ(表3:CC2、CC4およびCC6)を求核試薬と混合することによって、6つの接着剤配合物(AF1~AF6)を調製した。配合物を本明細書の以下の表4で定義する。
Figure 0007252141000018
これらの接着剤配合物を利用して、DIN EN 1465に従って、以下の基板:PC-PC;鋼-鋼;ABS-ABS;およびPP-PPを使用して、ラップせん断試験を実施した。室温で実施した試験の結果を、本明細書の以下の表5に示す。
Figure 0007252141000019

Claims (12)

  1. 環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する方法であって、
    A)グリセリンカーボネートを無水物と反応させて付加物(A)を形成する段階;
    B)ポリカルボン酸を提供する段階;
    C)前記ポリカルボン酸を少なくとも1つのジグリシジルエーテルと反応させてエポキシ官能性ポリエステルを形成する段階;および
    D)前記エポキシ官能性ポリエステルを前記付加物(A)と反応させて前記環状カーボネート官能性ポリエステルを形成する段階
    を含み、
    前記反応物質である無水物が、マレイン酸無水物;アジピン酸無水物;コハク酸無水物;アルキルコハク酸無水物;アルケニルコハク酸無水物;グルタル酸無水物;アルキルグルタル酸無水物;アルケニルグルタル酸無水物;およびこれらの混合物からなる群から選択され、
    前記ポリカルボン酸が、
    i)2つ以上のヒドロキシル基を有するポリエステルを提供する工程;および
    ii)前記2つ以上のヒドロキシル基を有するポリエステルをカルボン酸またはその無水物と反応させる工程
    によって提供される、方法。
  2. 前記グリセリンカーボネートと前記無水物の反応が、以下の制限の少なくとも1つの下で実施される:
    i)2:1~0.8:1の範囲の無水物:グリセリンカーボネートモル比;
    ii)60℃~180℃の範囲の温度;および
    iii)無水条件下
    請求項1に記載の方法。
  3. 段階Bの前記ポリカルボン酸がカルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記2つ以上のヒドロキシル基を有するポリエステルが50~300mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記カルボキシル官能性ポリエステル(カルボキシ-PES)が、触媒量のエステル化触媒の存在下での化学量論的に過剰のジカルボン酸と少なくとも1つのジオールの反応によって提供される、請求項3に記載の方法。
  6. 段階Cで、前記少なくとも1つのジグリシジルエーテルが、100~700g/当量のエポキシ当量を有する、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 段階Cで、前記少なくとも1つのジグリシジルエーテルと前記カルボキシル官能性ポリエステルのモル比が1.5:1~3:1である、請求項に記載の方法。
  8. 段階CおよびDが、
    i)40℃~180℃の範囲の温度で;および/または
    ii)触媒量の塩基性触媒の存在下で
    実施される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 段階B~Dが1つの容器で連続的に、中間体生成物を分離することなく行われる、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記付加物(A)の前記反応で、カルボキシル基とエポキシ基の当量比が少なくとも1:1である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 400~2500g/当量の環状カーボネート当量;
    500~5000g/molの数平均分子量(Mn);および
    50~300mgKOH/gのOH価
    の少なくとも1つを特徴とする環状カーボネート官能性ポリエステルを調製する、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載の方法により調製した環状カーボネート官能性ポリエステル;並びに
    第一級アミノ基;第二級アミノ基;ヒドロキシ基;ホスフィン基;ホスホネート基;およびメルカプタン基からなる群から選択される少なくとも2つの官能基(F)を有する少なくとも1つの多官能性化合物(H)
    を用いる、硬化性コーティング、接着剤またはシーラント組成物の製造方法。
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