JP7251855B1 - 直巻式巻線機 - Google Patents

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Abstract

【課題】太径のコイル線をティースに直巻式で巻線する場合において、インシュレータに接する層だけでなく、先に巻線されたコイル層の上であっても、ティース基部側の最外径側のコイル線が設計位置に巻線でき、不測のコイル線交差によるコイル層厚の肥大化を防止できる直巻式巻線機を提供すること。【解決手段】コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアの複数の磁極ティースの周囲に同時に周回・進退させてコイル線を巻線させる直巻式巻線機に、コイル線のたるみ防止手段をなすニードル突出手段を備えさせた。少なくとも最外径側のコイル線の巻線工程において、ニードルを下流側スロットに入孔させるときに、ニードル突出手段によりニードルを外径方向に所定寸法を突出させて緊張させ、コイル線の位置保持溝に引っ掛けるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、電動子をなすステータコアに、コイル線を巻線する直巻式巻線機に関する。具体的には、円筒状をなすステータコアの軸心から、外方に放射状に伸びる複数のニードルを、ステータコアの軸心に向かって延びている磁極ティース(以下、ティースという)の周囲に、同期させて周回させ、コイル線を巻線する直巻式巻線機に関する。
詳細には、複数のニードルを側方に放射状に突出させた軸体を昇降動作させると共に、ニードルをティースの天面及び底面の外部で周方向に揺動動作させると共に径方向に進退動作させて、昇降動作と揺動動作と進退動作を合成しながら、ニードルを周回動作させる。そしてコイル線を、ニードルをなす軸体の軸線に沿ったコイル線案内部の中に送り出しながら、前記周回動作を一方向に繰り返して、一体のステータコア(以下、一体コアという)のティースに、整然と高い密度でコイル線を巻線させる直巻式巻線機に関する。
ニードルをティースの周りに周回させてコイル線を巻線する方法として、ステータコアを軸方向に分割して平面的に並べた分割コアとしておき、ティースの周りに巻線する方法と、一体コアの中心軸の近くから放射状にニードルを進退させるように、一体コアのままでティースの周りに巻線する方法とがある。
分割コアの場合には、ティースの軸線方向に平行にニードルを進退させると、スロット空間の外方のティース基部を挟んだ弓形領域に、ニードルが届かず巻線密度を高くすることができないという問題があった。そこで特許文献1には、ティース先端部から側方に突出しているコイル支承壁を避けるように、ニードルの先方を斜め内側に傾けるように動作させ、ティース基部を挟んだ弓形領域にも巻線する技術が開示されている。しかしニードルの先方を斜めに傾ける動作をさせるため、巻線機の機構が複雑になるという課題があった。
そこで特許文献2においては、3軸方向に直線運動するニードルが、ティース基部を挟んだ弓形領域に巻線する際に、ニードル先端が凸状の軌道を描くように、ティース基端位置を超える位置まで突き出し、ティースの上部を横断させている。そして、ニードルがステータコアに干渉せず、下流側スロット孔を降下できるように、ティース先端部側に水平に戻してから、スロット側面に沿って垂直に降下させるとする技術が開示されている。これにより、ティースを横断した下流側のインシュレータ外端の溝の位置にも、コイル線を巻くことができるとされている。
しかし、ニードルを突き出してから中心方向に戻すように水平に進退運動させて、更にティース側面に沿った方向に垂直に昇降運動させるように方向転換する際に、ニードル先端から突出されたコイル線にたるみが発生しやすかった。また、下層コイル層の上に、上層のコイル線を重ね巻く工程においてはコイル線が滑りやすいため、ティース基部の近くでコイル線が位置ずれしやすく、正確に設計位置に巻線することが困難であった。
分割コアへの巻線に対して、一体コアに巻線する場合には、ニードルが円弧軌道を描くように揺動されるため、コイル線が巻線できない弓形領域が発生しにくく、ティース基部までコイル線を巻線しやすいという長所がある。特許文献3には、一体コアに巻線する集中巻巻線機において、コイル線を整列良く、高い占積率で巻線することを課題とした技術が開示されている。
この技術によれば、冷媒循環用の切欠部が設けられたステータコアにおいて、ニードルが届かない前記切欠部に向いた傾斜面の位置に巻線するために、前記位置においては下層のコイル線の上に、上層のコイル線を重ね巻きして、テンションをかけて外側に落とし込むようにして巻線するとされている。
テンションをかけることにより、ニードルが届かない、切欠部を設けたことによる傾斜面をなす最奥部にも、コイル線を落とし込んで巻線できるため占積率が向上できる反面、落とし込むコイル線の位置を正確に制御することができなかった。落とし込まれ、ゆるんだ状態で斜めに傾いたコイル線の上には、コイル線が交差した状態で重ねられて巻線されやすく、ティース側面においてもコイル線の層厚が不測に厚くなりやすいという課題があった。
電動機の高出力化に対応して、コイル線に大きな電流を流せるように、従来よりも太径、例えば0.7mmから1.3mmの直径のコイル線を整列した状態で巻線するというニーズが高くなっている。太径のコイル線をティースに巻線する際には、ステータコアの開放面に被せられた樹脂製インシュレータに、ティースを横断する方向にコイル線案内溝を設けておき、一層目のコイル線は、そのコイル線案内溝に案内させて巻線する技術が公知となっている。
下層のコイル線の上に巻線される2層目からのコイル線は、平行に並んだ隣り合うコイル線の接線部がなす筋状溝に案内されて巻線されている。しかし、外方からリード線がステータコアに導入されティースの周囲に1層目のコイル層が巻線されて、ティース先端部に至りティース基部に戻り2層目のコイル層が巻線され、更に、ティース基部に至りティース先端部に戻るという動作が繰り返される際に、少なくともティースの周囲の4面のうちの1面において、コイル線の巻線傾斜が反転され、奇数層目と偶数層目においてコイル線が交差する面が発生する。
特許文献4には、前記のように、ティースの周囲の3面においては、コイル線を平行に巻線し、1面のみでコイル線を交差させる技術に対応した技術が開示されている。コイル線を交差させる面には、ティースを覆っているインシュレータに斜めに平行な溝が設けられると共に、ティース基部側とティース先端部側には、三角形断面形状のガイド壁を立設させたインシュレータの技術が開示されている。
この技術によれば、ティースの基部と端部とにおいて、コイル線の巻初めと巻き終わりがガイド壁に沿うため位置ずれしにくいとされている。しかし三角形断面形状をなす三角形の高さが低く、扁平な三角形の場合にはその効果が小さく、三角形の高さが高い場合には、ティースの基部と端部に巻線ができない領域が発生するという課題があった。
また、コイル線が巻線されたコイル層の上に巻線する2層目からの巻線工程においては、コイル線の絶縁被覆が滑らかで滑りやすいため、ニードル動作が高い精度で制御されていないと、上層をなすコイル線が下層コイル層の上を滑り、設計位置からずれやすいという課題があった。特に、放射状に進退されるニードルが長く伸びたティース基部の近くで、コイル線が設計位置からずれやすいという傾向があった。
一旦、コイル線が設計位置からずれ、先に巻線された隣のコイル線との間隔が広くなると、後から巻線されるコイル線が乗りあげ交差する巻き乱れが発生しやすい。巻き乱れが発生すると、設計層数のコイル線が整然と巻線できないだけでなく、重なって厚くなった上層のコイル線に、ニードルが接触して、絶縁被覆を傷つけやすいという課題があった。
そこで、本願の発明者は、先に出願した特許文献5に示した直巻式巻線機の技術を基にして、ティース基部の近傍においては、単に周方向にニードルを揺動させるだけでなく、ニードルが上流側スロットから天面側の外方にでてから、下流側スロットに入る際に、各層において精度よく所定の位置に巻線できることを課題とした。
特許文献1:特開平10-136620号公報
特許文献2:国際公開2012-127658号公報
特許文献3:特開2007-43840号公報
特許文献4:特開2005-229703号公報
特許文献5:国際公開2022-013989号公報
本発明は、太径のコイル線をティースに直巻式で巻線する場合において、インシュレータに接する層だけでなく、先に巻線されたコイル層の上であっても、ティース基部側の最外径側のコイル線が設計位置に巻線でき、不測のコイル線交差によるコイル層厚の肥大化を防止できる直巻式巻線機を提供することを課題としている。
本発明の第1の発明は、コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアをなす環状に配設されたティースの周囲に、同時に周回させてコイル線を巻線する直巻式巻線機において、前記ニードルを、一体コアの内方から放射状に進退させる進退手段と、一体コアの周方向に揺動させる揺動手段と、一体コアのスロットに昇降させる昇降手段と、コイル線のたるみ防止手段とを含み、前記進退手段が、前記複数のニードルをカム機構により同期させて進退させ、前記たるみ防止手段が、位置保持溝にコイル線を案内させるニードル突出手段を有し、前記位置保持溝が、前記ティースの軸方向端面を覆うインシュレータの端面に巻線する第1層目コイル層においては、前記端面の両肩部に形成されたコイル幅の溝とされ、既に巻線された下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においては、下層コイル層をなす隣接したコイル線の接線部がなす筋状溝又はスロット孔の内壁と下層コイル層の最外径側のコイル線とがなす筋状溝のいずれかとされ、少なくとも各コイル線巻線層のうちの最外径側のコイル線の巻線工程において、上流側スロットに面した前記位置保持溝にコイル線を引っ掛け、ニードルを上流側スロットから出孔させてから、前記ニードル突出手段が、前記揺動手段により下流側スロットに揺動中のニードルを、外径方向に所定寸法を突出させ、前記ニードルから案内されたコイル線の曲率半径を小さくさせ、コイル線を緊張させながら、下流側スロットに面した前記位置保持溝に前記コイル線を引っ掛け、コイル線がたるまないように案内させることを特徴としている。
本発明の第1の発明では、複数のニードルを同時に複数のティースの周囲に周回させているため巻線効率が高いだけでなく、カム機構によりニードルが長く伸びて動作精度が落ちやすい、ティース基部に近い位置に巻線する際にも、コイル線がたるまないように緊張させて所定の設計位置にコイル線を巻線させている。
なお、ニードルの揺動動作、周回動作は、ニードルの先端と一体コアとの相対位置が制御されて実行されればよい。また位置保持溝は、インシュレータに形成された溝、コイル線同士が接する接線部がなす筋状溝に限定されず、最外径側のコイル線についてはスロット孔の内壁と下層コイル層の最外径側のコイル線とがなす筋状溝であってもよい。
ニードル突出手段により、ニードルを突出させる寸法は、コイル線のたるみを防止させるためのものであり、ニードルの先端から導出されるコイル線の曲率半径を小さくする程度であればよく、ニードルから導出されたコイル線がインシュレータやステータコアに接触しにくく、コイル線の絶縁被覆が傷つきにくい。たるみ防止手段は、少なくとも最外径側の巻線工程において作用されればよいが、他の巻線工程において作用されてもよいことは勿論のことである。
第1の発明によれば、上流側スロットの位置保持溝だけでなく、下流側スロットの位置保持溝にもコイル線が正確に所定の位置に引っ掛かる。更に、滑りやすい絶縁被覆同士が接触するコイル線層の上にコイル線を巻線する場合であっても、正確に所定の位置に巻線可能である。これにより、設計位置にコイル線を巻線することができ、位置ずれによりコイル線が重なり交差して巻線されることを防止でき、不測のコイル線の交差の発生によるコイル層厚の肥大化を防止し、所定の巻線層数を巻線させても、絶縁被覆が傷つかないという有利な効果を奏する。
また、インシュレータに接した第1層目だけでなく、下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においても、コイル線の接線部がなす筋状溝又はスロット孔の内壁と下層コイル層の最外径側のコイル線とがなす筋状溝のいずれかの上に、ティース基部側において正確に巻線されるため位置ずれしにくい。
本発明の第2の発明は、第1の発明の直巻式巻線機において、前記所定寸法が、前記コイル線の半径以上且つ前記コイル線の直径以下であることを特徴としている。第2の発明によれば、最外径側のコイル線を確実に外径側に押し出すことができるという効果を奏する。
本発明の第3の発明は、第1の発明の直巻式巻線機において、前記たるみ防止手段として機能される前記ニードル突出手段が、ニードル軌道制御手段を備え、前記ニードル軌道制御手段が、ニードルが上流側スロットから下流側スロットに移動する軌道を、側面視において、出孔側である上流側において大きな曲率半径とさせ、入孔側である下流側において小さな曲率半径とさせることを特徴としている。
第3の発明によれば、位置ずれしにくい上流側スロットからの軌道は大きな曲率半径とされ、正確な位置決めが必要な下流側スロットへは小さな曲率半径の軌道とし、位置保持溝に近づけて巻線させている。これにより、インシュレータに接した第1層目だけでなく、下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においても、正確に巻線されるため位置ずれしにくい。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の直巻式巻線機において、前記ティースを囲む4面をなす、前記一体コアの開放端面をなす対向した2面と、前記上流側スロットをなすティース側面と、前記下流側スロットをなすティース側面とのうち、前記ニードル突出手段が作用する対向した2面のうち1面のみにおいて、各層毎にコイル線を交差させ、その他の3面においては、各層をなすコイル線を平行に配列させることを特徴としている。
第4の発明によれば、一体コアの開放端のいずれか一方の面のみにおいて、各層毎にコイル線が交差し、その他の3面は下層から上層までコイル線が平行に配列されるため、スロットの中においてコイル線が交差することによるコイル層厚が肥大化せず、ニードルとコイル線が接触しにくく、高い密度でコイル線を巻線することができる。
本発明の第5の発明は、第3の発明の直巻式巻線機において、前記たるみ防止手段が、速度調整手段を含み、前記速度調整手段が、前記ニードル軌道制御手段により小さな曲率半径で巻線させる下流側の角速度を、大きな曲率半径の軌道で巻線させた上流側の角速度よりも小さくさせることを特徴としている。
第5の発明によれば、たるみ防止手段に速度調整手段が含まれ、下流側スロットに入孔される際には、上流側スロットから出孔される際よりも小さな曲率半径でゆっくり入孔させている。これにより、設計位置からずれにくく、所定の位置に整然とコイル線を巻線させることができる。
本発明の第6の発明は、第1から第3又は第5の発明の直巻式巻線機において、前記コイル線の直径が、0.7mm以上1.3mm以下とされていることを特徴としている。第6の発明によれば、コイル線の剛性が高く、一旦位置ずれした場合にはコイル層厚が肥大化しやすい、直巻式巻線機で巻線されるいずれの太径のコイル線であっても、整然とコイル線を巻線することができるという効果を奏する。
・本発明の第1の発明によれば、不測のコイル線の交差の発生によるコイル層厚の肥大化を防止し、所定の巻線層数を巻線させても、絶縁被覆が傷つかないという有利な効果を奏する。
・本発明の第2の発明によれば、所定寸法がコイル線の半径以上且つ直径以下であるため、最外径側のコイル線を確実に外径側に押し出すことができるという効果を奏する。
・本発明の第3の発明によれば、インシュレータに接した第1層目だけでなく、下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においても、ティース基部側において正確に巻線されるため位置ずれしにくい。
・本発明の第4の発明によれば、スロットの中においてコイル線が交差することによるコイル層厚が肥大化せず、ニードルとコイル線が接触しにくく、高い密度でコイル線を巻線することができる。
・本発明の第5の発明によれば、設計位置からずれにくく、所定の位置に整然とコイル線を巻線させることができる。
・本発明の第6の発明によれば、コイル線の剛性が高く、一旦位置ずれした場合にはコイル層厚が肥大化しやすい、直巻式巻線機で巻線されるいずれの太径のコイル線であっても、整然とコイル線を巻線することができるという効果を奏する。
直巻式巻線機の説明図(実施例1)。 ニードル突出手段の説明図(実施例1)。 ニードル軌道制御手段の説明図(実施例1)。 ニードルの突出寸法の変化量を示すグラフ(実施例1)。 各コイル線巻線層の巻線の説明図(実施例1)。 インシュレータの説明図(実施例1)。 第1層目コイル層と第2層目コイル層の説明図(実施例1)。 第3層目コイル層と第4層目コイル層の説明図(実施例1)。 スロット形状が異なる場合の巻線の説明図(実施例2)。
コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアの複数の磁極ティースの周囲に同時に周回・進退させてコイル線を巻線させる直巻式巻線機に、コイル線のたるみ防止手段をなすニードル突出手段を備えさせた。少なくとも最外径側のコイル線の巻線工程において、ニードルを下流側スロットに入孔させるときに、ニードル突出手段によりニードルを外径方向に所定寸法を突出させてコイル線を緊張させ、コイル線の位置保持溝に引っ掛けるようにした。
実施例1では、複数のニードルを同期させて周回・進退させて、複数の磁極ティースの周囲に同時に巻線する直巻式巻線機1を、図1から図8を参照して説明する。実施例1においては、理解を容易にするため、三相モータの製造に適した、放射状に等間隔で配列させた3本のニードル10により、3か所の対応するティース20の周囲に同時に巻線する例を説明する。
図1は、直巻式巻線機1の説明図を示している。図1(A)図と図1(B)図は、ニードルを長く伸ばしてティースの基部21に巻線するときの平面図と、A-A位置の断面図を示している。図1(C)図と図1(D)図は、ニードルを短く縮めてティースの先端部22に巻線するときの、平面図と、C-C位置の断面図を示している。
図2は、ニードル突出手段とコイル線の設計位置の説明図を示している。図3はニードル軌道制御手段の説明図を示している。図4は、ニードル突出寸法の変化量をグラフで示している。図5は、各コイル線巻線層の巻線の説明図を示している。図6は、インシュレータの説明図を示している。図7と図8の夫々の図は、各コイル線巻線層の巻線の説明図を示している。
直巻式巻線機1は、コイル線を案内する複数のニードル10と、ニードルを一体コアの内方から放射状に進退させる進退手段と、ニードルをスロットに沿って昇降させる昇降手段と、ニードルを一体コアの周方向に揺動させる揺動手段と、コイル線のたるみ防止手段をなすニードル突出手段とを備えている(図1参照)。本実施例においては、ニードルを反時計回りに周回させる場合を示しているが、ニードルを時計回りに周回させてもよいことは勿論のことである。
まず、ニードルの昇降手段(図示を省略している)は、後述する進退手段を動作させる二重の筒体200を一体に昇降させる昇降手段であればよく、形態は限定されない。昇降手段は、例えば昇降用サーボモータと、サーボモータの一方向の回転運動から往復昇降運動だけを取り出す運動方向変換手段であればよい。昇降用サーボモータは進退手段と揺動手段とから独立されていると好適である。運動方向変換手段は、周知のクランク機構(特許文献5参照)であればよいが、これに限定されない。
ニードルの揺動手段(図示を省略している)は、前記二重の筒体200を一体に揺動させる揺動手段であればよく、形態は限定されない。揺動手段は、例えば揺動用サーボモータと、サーボモータの一方向の回転運動から往復揺動運動だけを取り出す運動方向変換手段であればよい。揺動用サーボモータは昇降手段と進退手段とから独立されていると好適である。運動方向変換手段は、周知のインデックスカム機構であればよいが(特許文献5参照)、これに限定されない。
さて、ニードルの進退手段は、カム機構と進退用サーボモータ(図示を省略している)を備えている。カム機構は、コイル線を案内する二重の筒体に夫々支えられた、重ねられた2つの円盤201からなっている(図1参照)。二重の筒体200をなす外筒に支えられた第1円盤には3つの螺旋状のカム溝202(図1(A)図)が備えられ、二重の筒体をなす内筒に支えられた第2円盤には、直線状に形成された3つの放射状のニードル摺動溝203(図1(B)図)が備えられる。
夫々のニードル摺動溝203には、3本のニードル10が摺動されるように格納され、各ニードルの下面から突設されたカムフォロア204がカム溝202に収容されている。カム溝202は、第1円盤の内径側から外径側まで反時計回りに螺旋状に伸びている。カム溝202が螺旋状に伸びる方向は時計回りであってもよく、カム溝の数はニードルの数と対応していればよい。
ニードルの進退手段により、2つの円盤201の位相を変えると、カムフォロア204がカム溝に沿って移動し、ニードル10が進退される。ニードルを後退させるときには、カムフォロアをカム溝に沿って円盤の内径側に移動させればよい。ニードル全体がニードル摺動溝203に沿って後退し、円盤の外周からのニードル突出寸法が小さくなる(図1(C)図、図1(D)図参照)。
一方、ニードルを進出させるときには、カムフォロア204をカム溝に沿って円盤の外径側に移動させればよい。ニードル全体がニードル摺動溝に沿って前進し、円盤の外周からのニードル突出寸法が長くなる(図1(A)図、図1(B)図参照)。ニードル10は、隣り合うティース20の内径側の隙間を、コイル線を案内させながら周回させるため、その幅は狭くされている(図3参照)。円盤201の外縁からニードル突出寸法が長くなると、ニードルに周方向のたわみが発生しやすくなるため、コイル線にたるみが生じる一要因ともなっている。
次に、コイル線にたるみを発生させないように巻線する、たるみ防止手段をなすニードル突出手段について、図2から図4を参照して具体的に説明する。図2はニードルの揺動動作の平面図による説明図を示し、図3(A)図は、ティース先端側から看た側面図を示している。図3(B)図から図3(D)図は、図3(A)図において、夫々ニードルが対応した位置にあるときのコイル線の曲率半径を説明する側面図を示している。
図2と図3においては、同一の位置にあるニードルについて、共通する符号を付して対応させている。図4(A)図は、ニードル10をティースの先端部22(図1参照)に向けて後退させるときの突出寸法の変化量を示し、図4(B)図はニードル10をティースの基部21に向けて進出させるときの突出寸法の変化量を示している。
以下、一体コアの上下の開放端面のうち、上層コイル層をなすコイル線と下層コイル層をなすコイル線とが交差する開放端面を開放上端面300とし、他方を開放下端面301とし、ニードルが出孔するスロットを上流側スロット302とし、ニードルが入孔するスロットを下流側スロット303と称して説明する。図2に示す開放上端面の平面図は、理解を容易にするため、上流側スロットにおいては、第1層目の最外径側のコイル線のみを示している。
図2の下流側スロットにおいては、第1層目と第2層目コイル層については、最外径側のコイル線と、それに隣接するコイル線のみを示し、第3層目コイル層については最外径側のコイル線400の設計位置について太線で示している。図3(B)図以下については、ニードル突出手段によりニードルを突出させる前のニードルの外径側401の位置を一点鎖線で示している。
ここで、複層目における最外径のコイル線の設計位置について説明する(図2参照)。第2層目コイル層のコイル線は、第1層目コイル層をなすコイル線が隣り合ってなす筋状溝402の直上に配列することができる。しかし、第3層目以降の奇数層について、下層コイル層をなす最外径側のコイル線とスロット外径側壁がなす筋状溝403に最外径側のコイル線400を配置する際に、湾曲されて内側に張り出したスロット孔の内壁304に支承される。
そのため、第3層目以降の奇数層の最外径側のコイル線400については、内壁の張り出しに相当する寸法だけ、第1層目の最外径側のコイル線の位置404よりも、やや一体コアの中心軸に近い位置を、設計位置として設定する必要がある。このため、第3層目以降の奇数層の最外径側のコイル線400を巻線するときには、設計位置に精度よく巻線することが求められる。
仮に、半径寸法程度のずれを発生させるたるみが生じるだけでも、第3層目以降の奇数層の最外径側のコイル線が、設計位置よりも内径側にずれて案内される可能性がある。そうすると、第3層目以降の奇数層のコイル線が、下層コイル層をなすコイル線の上を滑り、正規の設計位置よりも1つ内径側の筋状溝に引っ掛かる可能性がある(図2の一点鎖線で示す仮想のコイル線)。
コイル線が正規の筋状溝の設計位置からずれて、下層のコイル線を乗り越えて隣の筋状溝に配置されると、スロット内においては下層コイル層をなすコイル線と上層コイル層をなすコイル線との交差又はコイル線の重なりが発生する。交差又は重なりが発生すると、コイル層厚が不測に肥大化される。特に、太径のコイル線を巻線するときには、積層数が少ないことが多く、例えば4層以下しか積層されない場合もあり、コイル線がスロット内で1本交差するだけであっても、ニードルがコイル線に接触して絶縁被覆を傷つける可能性がある。
たるみ防止手段をなすニードル突出手段は、前記進退手段をなす進退用サーボモータを駆動制御させ、開放上端面300の外側を揺動中のニードル10を、外径方向に所定寸法を突出させ、コイル線を緊張させる。ニードル10から導出されるコイル線は、ニードル突出前の状態では、ゆるやかに湾曲しているためコイル線の曲率半径は大きい(図2のA-1位置,図3(B)図参照)。
ニードル突出手段が、ニードル10を外径方向に突出させると(図2のA-4,A-5位置)、コイル線が緊張され、コイル線の曲率半径が徐々に小さくなる(図3(C)図,図3(D)図)。ニードル突出手段により、コイル線の曲率半径が小さくなるように緊張させ、ニードル先端をコイル線の設計位置から外れないようにさせるため、ニードルを長く伸ばした状態であっても、コイル線を正確な設計位置に配置させることができる。ニードルを外径方向に突出させる前記所定寸法は、コイル線の曲率半径を小さくする程度でよく、例えば、コイル線の半径寸法から直径寸法であればよいが、これに限定されない。
次に、進退手段とニードル突出手段により制御される、円盤の外縁からのニードルの突出寸法について、図4を参照して説明する。図4は縦軸をニードルの突出寸法の寸法軸とし、横軸を時間軸としている。図4に示すTx-yは、xがコイル層の層数を示し、yがそのコイル層の巻線回数を示している。
図4(A)図は、開放上端面300の巻線部(図2参照)において、コイル線の傾斜が左下がり勾配(図5(A)図、図5(C)図、図8(A)-(1)図、図8(C)-(1)図参照)となるように、ニードルをティース先端部側に向けて後退させながら巻線する奇数層目のコイル層の例を示している。図4(B)図は、開放上端面300において、コイル線の傾斜が左上がり勾配(図5(B)図、図5(D)図、図8(B)-(1)図、図8(D)-(1)図参照)となるように、ニードル10をティースの基部側に向けて進出させながら巻線する偶数層目のコイル層の例を示している。
進退手段は、全ての巻線工程において、ティース20の両側面を移動している間、換言すれば上流側スロット302と下流側スロット303の中を通過中(図4のa,c期間)と、開放下端面301の外側を移動している間(同図b期間)は、ニードル10を進退させないため、ニードルの突出寸法を変化させないで、コイル線を略U字形状をなすように巻線する。
一方、奇数層目コイル層の開放上端面300の外側に、コイル線を巻線する間(図4(A)図のd1期間)においては、ニードルをティース先端部側に向けて、ニードル10をコイル線の直径寸法分(図4(A)図のφ)だけ後退させる。偶数層目コイル層の開放上端面300の外側に、コイル線を巻線する間(図4(B)図のd2期間)においては、ニードルをティース基部側に向けて、直径寸法分(図4(B)図のφ)だけ進出させる。
ニードル突出手段は、奇数層目については、最外径側のコイル線が最初に巻線されるため、最初の巻線工程で作用される。例えば、第1層目については、第1回目の巻線工程(図4(A)図のT1-1)のうち、開放上端面の外側に巻線する間(図4(A)図のd1期間)において、ニードル突出手段が進退用サーボモータの回転運動を制御し、ニードル10を所定寸法だけ外径方向に突出させる。
ニードル突出手段は、ニードルが一体コアの中心に向けて後退される工程において、コイル線の半径寸法よりやや大きい寸法突出させるように作用させる。そのため、ニードル突出手段は、進退用サーボモータを、後退方向への回転量が小さくなるように制御させる(図4(A)図の太線)。その結果、ニードル突出手段を作用させない場合(同図の破線α)に比べて、ニードルを突出させることになり、コイル線を緊張させることになる。
ニードル突出手段が、前記d1期間において、ニードルを突出させるタイミングは限定されないが、揺動運動の後半(図2のA-4、A-5位置)にニードルを突出させると、ニードル先端を設計位置に近づけつつ、コイル線を緊張させたままにできるため好適である。ニードル突出手段は、コイル線を緊張させた後には、下流側スロット303に入孔する際(図3(A)図A-5位置参照)には、設計位置にニードルを位置させるようにする。
ニードル突出手段は、偶数層目については、最外径側のコイル線が最後に巻線されるため、最後の巻線工程で作用される(図4(B)図参照)。例えば、第2層目については、最後の巻線工程にあたる第10回目の巻線工程(T2-10)のうち、開放上端面の外側に巻線する間(同図d2期間)において、ニードル突出手段が進退用サーボモータの回転運動を制御させる。
ここでは、ニードル突出手段が、ニードルを外径方向に進出させる工程において、コイル線の半径寸法よりやや大きい寸法突出させるように作用させる。そのため、ニードル突出手段は、進退用サーボモータを、進出方向への回転量が大きくなるように制御させればよい(図4(B)図の太線)。その結果、ニードル突出手段を作用させない場合(同図の破線β)に比べて、ニードルを突出させることになり、コイル線を緊張させる。この場合も、ニードル突出手段は、コイル線を緊張させた後には、下流側スロットに入孔する際(図3(A)図A-5位置参照)には、設計位置にニードルを位置させるようにする。
また、ニードル突出手段を作用させる巻線工程(T1-1,T2-10)においては、1回の巻線工程の中で、進退用サーボモータを加減速させるため、それ以外の巻線工程(T1-2,T2-9等)よりも、周回に要する時間を長くさせている(d1>d、d2>d)(図4参照)。ニードルを、ゆっくりと周回・進退させることにより、サーボモータの回転速度を変化させることに伴う振動も抑制され、コイル線をより正確な位置に案内させやすくなる。
なお、曲率半径が大きい状態からニードルを突出させ始め(図3(A)図のA-4位置,図3(C)図)、曲率半径が小さい状態になる(図3(A)図のA-5位置,図3(D)図)までの間は、コイル線がインシュレータの巻線部の外径側の立設壁内面部に接触する可能性がある。詳細には実施例2にて後述するが、接触を確実に防ぐために、外径側の立設壁内面部の一部を予め削除しておいてもよい(図9(B)図参照)。
また、たるみ防止手段として機能されるニードル突出手段が、ニードル軌道制御手段として機能され、ニードルを上流側スロット302から下流側スロット303に移動させる軌道を制御している。具体的には、ニードルが上流側スロット302から出孔されてから軌道の頂部までの上流側の軌道305を、大きな曲率半径(図3のA-1からA-4)とさせ、軌道の頂部から下流側スロット303に入孔されるまでの下流側の軌道306を、小さな曲率半径(図3(A)図A-4からA-5参照)とさせている。本実施例では、長円軌道の頂部307の位置を、ティース中央部よりも入孔側に偏らせた前記軌道を、偏長円軌道と称している。
ニードル軌道制御手段は、揺動用サーボモータと昇降用サーボモータの少なくともいずれかの回転速度を制御させ、ニードルに前記偏長円軌道を辿らせている(図3(A)図参照)。例えば、揺動用サーボモータの回転速度だけを制御させる場合には、出孔(A-1)から入孔(A-6)までの時間を変えずに、出孔(A-1)から頂部(A-4)までは、前記回転速度を相対的に速くし、頂部(A-4)から入孔(A-6)までは前記回転速度を相対的に遅く制御させればよい。
そうすると、ニードルの揺動距離は、出孔(A-1)から頂部(A-4)までが長く、頂部(A-4)から入孔(A-6)までが短くなるため、上流側の軌道305が大きな曲率半径となり、下流側の軌道が小さな曲率半径となる。下流側の軌道306を小さな曲率半径として、ニードル先端を位置保持溝に近づけながら巻線させるため、奇数層の上層の最外径側のコイル線を巻線するときであっても、コイル線を設計位置に正確に巻線させることができる。
また、昇降用サーボモータの回転速度だけを制御させる場合には、出孔から入孔までに要する時間は変えずに、出孔(A-1)から頂部(A-4)までは前記回転速度を相対的に遅くし、頂部(A-4)から入孔(A-6)までは前記回転速度を相対的に速く制御させる。上流側スロット302を出孔してから頂部に至るまでの時間が、頂部から下流側スロット303に入孔に至るまでの時間に対して長くなり、上流側軌道の揺動距離が下流側軌道の揺動距離に対して長くなる。すなわち、上流側の軌道が大きな曲率半径とされ、下流側の軌道が小さな曲率半径とされる。揺動用サーボモータの回転速度と昇降用サーボモータの回転速度のいずれも制御させ、偏長円軌道を辿らせてもよいことは勿論のことである。
更に、コイル線のたるみ防止手段に、速度調整手段を備えさせ、(A-1からA-7)の軌道に沿ってニードルを移動させるようにして、ニードル移動の角速度を下流側軌道(A-4からA-6)を、上流側軌道(A-1からA-4)よりも、小さくさせればよい。例えば、昇降用サーボモータと揺動用サーボモータの回転速度を、一律で減速させる等により速度調整させればよい。ニードルが下流側スロットの設計位置にゆっくりと案内されるため、コイル線が設計位置から更に外れにくくなる。
開放上端面の外側に巻線されるコイル線が、上流側スロットの位置保持溝と下流側スロットの位置保持溝とに引っ掛けられ、径方向に位置ずれしない状態とされてから、ニードルが下流側スロットに入孔され、ティース側面への巻線工程に移行する(図3のA-7位置参照)。
両側のスロット内及び開放下端面の外側の巻線工程においては、上層コイル線と下層コイル線とが平行に巻線され、スロット内においてはコイル線の交差が発生されない。また、開放上端面の外側においては、上流側スロットから出孔されたコイル線が、下流側スロットの設計位置の位置保持溝に正確に巻線されるため、同一層においてコイル線の交差が発生されない。
次に、各コイル線巻線層の巻線傾斜について、図5を参照して説明する。図5(A)図から図5(D)図に、第1層目コイル層から第4層目コイル層までの、一周回分のコイル線を示している。各図のA-A線とB-B線は平行線を示し、C-C線からF-F線までは開放上端面に巻線されるコイル線の巻線傾斜を示している。
各コイル線の巻線層は、ニードルが一方向に周回されながら進出又は後退されて巻線されるため、巻線層の始端と終端の位置で進退方向が逆転される。そのため、ティース周囲の4面のうち、少なくともいずれかの面において上層コイル線と下層コイル線とが重なって交差する。コイル線の交差は、一体コアの天面側又は底面側の開放端面のいずれかで発生させ、ティース側面での交差を避けるようにすれば、スロット孔に有効にコイル線を巻線することができる。本実施例では、コイル線を交差させる開放端面を一体コアの開放上端面としている。
開放上端面の巻線は、奇数層については、ティースの基部21から先端部22に向けて巻線がされる(図5(A)図の白抜き矢印参照)。この場合には、各々のコイル線は、上流側スロットから下流側スロットにかけて、一体コアの内径方向にコイル線の直径寸法だけずれて、下方視において左下がり勾配で斜めに巻線される(図5のC-C線、E-E線)。
一方、偶数層については、ティースの先端部22から基部21に向けて巻線がされる。この場合には、各々のコイル線は、上流側スロットから下流側スロットにかけて、一体コアの外径方向にコイル線の直径寸法だけずれて、奇数層とは反対に、左上がり勾配で斜めに巻線される(図5のD-D線、F-F線)。この勾配は、積層数が多くなるにつれて、ゆるやかになる(図5(A)図から(D)図参照)。なお、ニードルの周回方向を時計回りとする場合には、各々のコイル層をなすコイル線の勾配を逆にすればよい。
また、第1層目のコイル線はインシュレータの位置保持溝(図3(A)図、図6各図参照)により位置決めがされ、複層目からは隣り合う下層コイル線の接線部がなす筋状溝により位置決めがされる(図6から図8参照)。より詳細には、開放上端面の外側に巻線される上層コイル層については、下層コイル線と交差するように巻線され、開放上端面の上流側スロットと下流側スロットの筋状溝の端部位置405により位置決めされる。ティースの側面と開放下端面については、上層コイル線は下層コイル層をなすコイル線の筋状溝406に接して、夫々平行に位置決めされる。
次に、インシュレータの具体例を、図6を参照して説明する。インシュレータとは、一体コアの開放端面の両面に、夫々装着される天面側と底面側とで一対をなす絶縁部材である。図6(A)図は、開放上端面に装着されるインシュレータの平面図を示している。図6(B)図は、開放下端面に装着されるインシュレータの平面図を示している。図6(C)図は、図6(A)図のA-A位置からの側面図を示し、図6(D)図は、図6(B)図のB-B位置からの側面図を示している。図6では理解を容易にするため、一部のコイル線のみを示し、他を省略している。
以下、開放上端面側に装着させるインシュレータを天面インシュレータ501とし、開放下端面側に装着させるインシュレータを底面インシュレータ502とする。一対のインシュレータ501,502は、いずれも一体コアの外周に沿って延びる外径側の立設壁503と、夫々のティースに沿って延びる複数の巻線部504と、ティース先端部から両側に伸びる内径側の立設壁505と、スロット孔に挿入されてティースを挟む嵌合部506とを備えている(図6の各図参照)。
天面インシュレータ501の巻線部の両肩部507には、ティースの基部21から先端部22にかけて、コイル線の線径に適合させた幅の複数の位置保持溝が形成されている。天面インシュレータの位置保持溝508は、上流側スロットから下流側スロットにかけてコイル線の直径寸法の勾配で、各々のティースの径方向中心線に対して傾斜している(図6(A)図,図6(C)図参照)。一方、底面インシュレータの位置保持溝509は、ティースの径方向中心線に対して直交している(図6(B)図,図6(D)図参照)。
更に、天面インシュレータの外径側の立設壁だけに、コイル線をスロットに引き込むための引込溝510が形成されている。また、一体コアをなすティースの天部近傍と底部近傍のスロットに面する側面には、インシュレータ嵌合凹部(図は省略している)が設けられている。インシュレータの巻線部504の両側部から立設された薄板部がなす嵌合部506が一体コアのインシュレータ嵌合凹部に装着される(図6(C)図,図6(D)図参照)。
ここで第1層目から第4層目までのコイル線巻線層を、図7と図8を参照して説明する。図7(A)図は、第1層目コイル層を示し、ティースの開放上端面には(1)の枝番、側面には(2)の枝番、開放下端面には(3)の枝番を付して示している。また(1)と(3)の枝番を付した各図は、見下げた状態でコイル線を示している。図7(B)図は、第2層目コイル層を示し、図8(C)図は第3層目コイル層を示し、図8(D)図は第4層目コイル層を示している。図7(B)図から図8(D)図についても、図7(A)図と同様に枝番を付している。
また図7,図8の各図においては、理解を容易にするため、各層の中間位置の平行に配列されるコイル線についてまとめて示し、まとめて配列される本数を、かっこを付した数字で示している。一体コアは、破線で示し、巻線の方向を矢印で示している。図7の(A)図から(C)図の(1)の枝番を付した図において、コイル線の巻線のつながりの理解を容易にするため、下層コイル層から延びて上層コイル層に至るコイル線を一点鎖線で示している。(D)図のみに、ニードルと隣の巻線したティースを示している。
第1層目の巻線工程では、まず一体コアの外方から、天面インシュレータの引込溝510を通して、コイル線を一体コアの内側の下流側スロット303に引き込む(図7(A)-(1)図参照)。次に、ティースの基部21に沿って、下流側スロット303の側面に沿って下方に、開放下端面301の外側を右向きに、上流側スロット302の側面に沿って上向きに、順に反時計回りに巻線させる(図7(A)の(2)図、(3)図参照)。開放上端面300の外側については、ニードルを左向き揺動させながらコイル線の直径寸法だけ、図上下方に後退させ、上流側スロット302から下流側スロット303にかけて、左下がり勾配となるように巻線させる。
ティース4面への巻線が繰り返され、第1層目コイル層が上流側スロット302の内径側まで巻線されると(図7(A)-(1)図参照)が、巻線工程を第1層目から第2層目に移行させる(図7(A)-(1)図の一点鎖線で示すコイル線参照)。ここから、2層目のコイル巻線工程に移行し、開放上端面の巻線の勾配が、第1層目とは反対の左上がり勾配になる(図7(B)-(1)図参照)。上流側スロット302の最内径側から引き出されたコイル線が、下流側スロット303において、第1層目コイル層の最内径側のコイル線がなす筋状溝407に引っ掛けられる(図7(A)-(1)図参照)。このコイル線に、隣り合わせるようにして、第2層目の巻線工程を開始させる。
第2層目の巻線工程では、ティースの前記3面については、第2層目のコイル線が、第1層目コイル線がなす筋状溝に沿って平行に配列されて巻線される(図7(B)の(2)図から(3)図参照)。開放上端面については、各々の上層コイル線が1本の下層コイル線と交差するように、1つずつ外径側の筋状溝に引っ掛けられる(図7(B)-(1)図参照)。第2層目コイル層が、上流側スロットにおいて最外径側まで巻線されると、巻線工程を第2層目から第3層目に移行させる(図7(B)-(1)図の一点鎖線で示すコイル線参照)。
詳細には、上流側スロット302において、第2層目の最外径側のコイル線408が、第1層目コイル層の最外径側のコイル線がなす筋状溝409に引っ掛けられる(図7(B)-(1)図参照)。次に、上流側スロットから引き出されたコイル線が、下流側スロットにおいて、第2層目の最外径側のコイル線と、スロットの内壁とがなす筋状溝409に引っ掛けられ、巻線工程が第2層目から第3層目に移行される。このコイル線に連続して第3層目の巻線工程が開始される。
第3層目の巻線工程(図8(C)-(1)図)では、開放上端面の巻線の勾配が第2層とは反対に左下がり勾配になる。開放上端面については、上流側スロットから下流側スロットにかけて、上層コイル線が1本の下層コイル線と交差するように、1つずつ内径側の筋状溝に引っ掛けられる(図8(C)-(1)図参照)。開放上端面を除く3面については、第2層目のコイル線がなす筋状溝(図7(B)-(2)図参照)に沿って平行に配列されて巻線される(図8(C)の(2)図、(3)図参照)。
第3層目と第4層目においては、ティース先端部までは巻線させず、ニードルがコイル線に接触しない位置までに留めている(図8(D)-(1)図参照)。例えば、底部において(図7,図8各図の(3)図参照)第1層目には11列の巻線がされ、第2層には10列の巻線がされているときに、第3層目は9列、第4層目は8列の巻線だけに留める等である。第3層目と第4層目の巻線回数は、線径、ニードル先端の幅、ティースの形状等に応じて変更されてもよいことは勿論のことである。
第3層目から第4層目に巻線工程を移行させるときは、第1層目から第2層目への移行と同様であるため詳細な説明は省略する(図8(C)-(1)図の一点鎖線のコイル線参照)。ここで、開放上端面の巻線の勾配が第3層目とは反対に左上がり勾配になる(図8(D)-(1)図参照)。第4層目の巻線も、両側面と開放下端面については下層コイル層をなすコイル線と平行に巻線させる(図8(D)図の(2)図、(3)図参照)。
第4層目コイル層が最外径側まで巻線されると、第4層目コイル層の末端から、引出線410をなすコイル線がインシュレータの外径側の立設壁503よりも外方に引き出される(図8(D)-(1)図参照)。コイル線が最外径側まで巻線されるため、引出線の長さが短く、最外層のコイル層をなすコイル線がゆるみにくい。コイル層の積層数は4層に限定されないが、最外層のコイル層がスロットの外径側で巻き終わるように、偶数層のコイル層が積層されると好適である。
実施例2では、本発明の直巻式巻線機を、多様なスロット形状の一体コアに適用する具体例について、図9を参照して説明する。図9(A)図は、略五角形形状のスロット600の例を示し、図9(B)図は、略台形形状のスロット610の例を示している。
略五角形形状のスロットの場合には、スロットの外径側の内壁601が、ティース側面壁602と直交して形成される(図9(A)図)。この場合には、実施例1のように、奇数層目の上層コイル層の設計位置を内径側にずらす必要がなく、最外径側のコイル線を巻線させるときに設計位置に案内させやすい。
ところで、一つのインシュレータは、複数の線径のコイル線に適用されることがある。例えば、コイル線径が0.7mmと0.8mmのコイル線が適用対象とされて、共通するインシュレータが使用される。ここでは、コイル線が配列しやすい略五角形形状のスロットに、適用対象のコイル線のうち、細径のコイル線が巻線される場合を説明する。
適用対象のコイル線のうち、細径のコイル線が巻線される場合には、同一層に配列されるコイル線の間にわずかに隙間が空くことになる。上層のコイル線をわずかに隙間が空いた筋状溝に沿って配列させるときに、下層の筋状溝の幅が違っていると、広い筋状溝に食い込んで、巻線状態が片寄ることがある。また、ニードルは、一体コアの中心軸に対して略円弧状に揺動しているため、コイル層数が多くなると上層のコイル層の最外径側には、ニードルが届きにくくなる。
しかし、最外径側のコイル線を突出させるようにして緊張させながら、コイル線を巻線させているため、各コイル層の隣り合うコイル線の間隔、すなわち筋状溝の幅を均一にさせやすく、コイル線の乱れが発生しにくい。そのため、適用対象のうちの細径のコイル線が使用された場合であっても、上層のコイル線がたるみにくい(図9(A)図)。
また、略逆台形形状のスロット610の場合には(図9(B)図)、スロットの外径側の内壁が直線形状をなしているため、実施例1のように外方に凸に湾曲された内壁よりも、内壁が内径側に位置することになる。インシュレータの外径側の立設壁は、スロットの内壁に沿って形成されるため、インシュレータの外径側の立設壁も実施例1よりも内径側に位置することになる。
実施例1で説明したように、ニードルを突出させると、コイル線が緊張されるにつれて、コイル線の曲率半径が徐々に小さく変化する(図2(B)図から図2(D)図参照)。しかし、剛性が高い太径のコイル線の場合には、ニードルを突出させ始めてからコイル線の曲率半径が小さくなるまでは、外径方向に突出されたコイル線が、インシュレータの外径側の立設壁に接触する可能性がある。
この実施例2においては、コイル巻線の説明は省略するが、上流側スロットから下流側スロットにかけて壁厚が薄くなるように、インシュレータの外径側の立設壁611の内面部を外径側に削り壁厚を薄くし、コイル線を外径側の立設壁内面部612に接触させないようにしている。壁厚を薄くする寸法は限定されないが、ニードルを突出させる所定寸法に適合させるように、例えばコイル線の半径寸法から直径寸法を削除させればよい。
(その他)
・本実施例においては、巻線機構の具体例として特許文献5に記載の技術を示したが、これに限定されないことは勿論のことである。
・本実施例においては、最外径側のコイル線を巻線するときにニードルを突出させる例を説明したが、最外径側のコイル線以外を巻線するときにも、ニードルを突出させてコイル線を緊張させてもよいことは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…直巻式巻線機、10…ニードル、20…ティース、21…基部、22…先端部、
200…筒体、201…円盤、202…カム溝、203…ニードル摺動溝、
204…カムフォロア、
300…開放上端面、301…開放下端面、302…上流側スロット、
303…下流側スロット、304…スロット孔の内壁、305…上流側の軌道、
306…下流側の軌道、307…頂部、400…突出させる前のニードルの位置、
401…最外径側のコイル線、402…筋状溝、403…筋状溝、
404…第1層目の最外径側のコイル線の位置、405…筋状溝の端部位置、
406…コイル線の筋状溝、407…最内径側のコイル線がなす筋状溝、
408…第2層目の最外径側のコイル線、409…筋状溝、410…引出線、
501…天面インシュレータ、502…底面インシュレータ、
503…外径側の立設壁、504…巻線部、505…内径側の立設壁、
506…嵌合部、507…両肩部、508…天面インシュレータの位置保持溝、
509…底面インシュレータの位置保持溝、510…引込溝、
600…略五角形形状のスロット、601…内壁、602…ティース側面壁、
610…略台形形状のスロット、611…外径側の立設壁、612…立設壁内面部

Claims (6)

  1. コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアをなす環状に配設されたティースの周囲に、同時に周回させてコイル線を巻線する直巻式巻線機において、
    前記ニードルを、一体コアの内方から放射状に進退させる進退手段と、一体コアの周方向に揺動させる揺動手段と、一体コアのスロットに昇降させる昇降手段と、コイル線のたるみ防止手段とを含み、
    前記進退手段が、前記複数のニードルをカム機構により同期させて進退させ、
    前記たるみ防止手段が、位置保持溝にコイル線を案内させるニードル突出手段を有し、
    前記位置保持溝が、前記ティースの軸方向端面を覆うインシュレータの端面に巻線する第1層目コイル層においては、前記端面の両肩部に形成されたコイル幅の溝とされ、既に巻線された下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においては、下層コイル層をなす隣接したコイル線の接線部がなす筋状溝又はスロット孔の内壁と下層コイル層の最外径側のコイル線とがなす筋状溝のいずれかとされ、
    少なくとも各コイル線巻線層のうちの最外径側のコイル線の巻線工程において、
    上流側スロットに面した前記位置保持溝にコイル線を引っ掛け、ニードルを上流側スロットから出孔させてから、
    前記ニードル突出手段が、前記揺動手段により下流側スロットに揺動中のニードルを、外径方向に所定寸法を突出させ、前記ニードルから案内されたコイル線の曲率半径を小さくさせ、
    コイル線を緊張させながら、下流側スロットに面した前記位置保持溝に前記コイル線を引っ掛け、コイル線がたるまないように案内させる、
    ことを特徴とする直巻式巻線機。
  2. 前記所定寸法が、前記コイル線の半径以上且つ前記コイル線の直径以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の直巻式巻線機。
  3. 前記たるみ防止手段として機能される前記ニードル突出手段が、ニードル軌道制御手段を備え、
    前記ニードル軌道制御手段が、ニードルが上流側スロットから下流側スロットに移動する軌道を、側面視において、出孔側である上流側において大きな曲率半径とさせ、入孔側である下流側において小さな曲率半径とさせる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の直巻式巻線機。
  4. 前記ティースを囲む4面をなす、前記一体コアの開放端面をなす対向した2面と、前記上流側スロットをなすティース側面と、前記下流側スロットをなすティース側面とのうち、前記ニードル突出手段が作用する対向した2面のうち1面のみにおいて、各層毎にコイル線を交差させ、その他の3面においては、各層をなすコイル線を平行に配列させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の直巻式巻線機。
  5. 前記たるみ防止手段が、速度調整手段を含み、
    前記速度調整手段が、前記ニードル軌道制御手段により小さな曲率半径で巻線させる下流側の角速度を、大きな曲率半径の軌道で巻線させた上流側の角速度よりも小さくさせる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の直巻式巻線機。
  6. 前記コイル線の直径が、0.7mm以上1.3mm以下とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3、又は請求項5のいずれか一項に記載の直巻式巻線機。
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