JP7251280B2 - 異形片状磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
よって、この磁石への荷重等による破断分割方法についても、効率や歩留まりなどの点においてさらなる改善の余地がある。
すなわち本発明の目的は、リング状または筒状の磁石から、破断分割により、効率良くかつ歩留まり良く異形片状磁石を得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明は以下の(1)~(3)である。
(1)外側面、内側面および2つの底面を備えるリング状または筒状の加工前磁石を用意し、前記加工前磁石が備える2つの前記底面の外周線の中心をいずれも通る直線である中心軸を基軸とする4以上の回転対称位置を特定し、前記回転対称位置の各々における前記外側面および/または前記内側面に、深さが0.2~1.0mmである溝を形成して溝入磁石を得る溝形成工程と、前記溝入磁石の前記外側面に、前記中心軸に垂直な向かい合う2方向から荷重を加え、前記溝入磁石を破断して分割する分割工程と、を備える、異形片状磁石の製造方法。
(2)前記溝形成工程が、前記回転対称位置の各々において前記内側面または前記外側面のいずれか一方のみに前記溝を形成する工程である、(1)に記載の異形片状磁石の製造方法。
(3)前記溝形成工程において、前記分割工程にて前記荷重を加えた場合に前記溝入磁石に生じる、下式(I)により算出される曲げモーメントMが負である前記回転対称位置には前記内側面に前記溝を形成し、前記曲げモーメントMが正である前記回転対称位置には前記外側面に前記溝を形成する、(1)または(2)に記載の異形片状磁石の製造方法。
(I) M=(P×R/2)×(|sinθ|-2/π)
(式中、Pは前記分割工程にて前記溝入磁石に加える前記荷重(N)であり、Rは一方の前記底面における前記中心から前記回転対称位置の外周線までの長さと内周線までの長さとの平均値(mm)であり、θは前記荷重を加える方向から前記回転対称位置までの角度(°)である。)
本発明に係る異形片状磁石の製造方法は、外側面、内側面および2つの底面を備えるリング状または筒状の加工前磁石を用意し、この加工前磁石が備える2つの底面の外周線の中心をいずれも通る直線である中心軸を基軸とする4以上の回転対称位置を特定し、それら回転対称位置の各々における外側面および/または内側面に、深さが0.2~1.0mmである溝を形成して溝入磁石を得る溝形成工程と、この溝入磁石の外側面に、中心軸に垂直な向かい合う2方向から荷重を加え、溝入磁石を破断して分割する分割工程と、を備える製造方法である。以下では「本発明の製造方法」ともいう。
本発明において加工前磁石1は、リング状または筒状であるので、内部に空洞10を有する。
なお、内側面101と底面105との境界を内周線(内周線α)とする。
なお、底面105と外側面103との境界を外周線(外周線β)とする。
また、外周線βによって決定される図形の重心を、底面105の中心(底面105の外周線βの中心)とする。図1~3に示す実施形態において、この中心は符号203により示される点である。
加工前磁石1の底面105の形状(厳密には、外周線βが決定する図形の形状)は、円形、楕円形、方形などが例示されるが、円形(図1、図3)、長方形(図2)あるいは角を4以上有する正多角形であることが好ましい。
なお、その平均値は、加工前磁石1の底面105における外周線βの中心203から内周線αまでの長さを任意の30か所において測定し、得られた30か所での差の値を単純平均して得られる値とする。
なお、厚みTは、底面105の外周線βの中心203から外周線βまでの直線上において、中心203から内周線αまでの長さと、中心203から外周線βまでの長さとの差を任意の30か所において測定し、得られた30か所での差の値を単純平均して求めるものとする。
なお、高さLは、2つの底面105の外周線βの距離の平均値を意味するものとする。具体的には、中心軸201と平行な方向において2つの底面105の外周線βの距離を30か所において測定し、得られた30か所での値を単純平均して得られた値とする。
また、その成形方法も、磁場成形や熱間加工など磁気特性の設計等を考慮して適宜選択すれば良い。
具体的には、加工前磁石1の中心軸201を基軸として、角度が同じ間隔(開き角度が同じ)である回転対称位置301を4以上特定する。例えば、この開き角度を90°とすれば4箇所、72°とすれば5箇所、60°とすれば6箇所、45°とすれば8箇所、36°とすれば10箇所の回転対称位置301を特定することができる。
本発明の製造方法においては、破断面の乱れをより少なくするという点において、4以上8以下の回転対称位置301を特定するのが特に好ましい。
この溝の深さは0.3~0.7mmであることが好ましい。加工ロスが少なくかつ後述する分割工程において破断面の乱れがより発生しにくいからである。この溝の深さが0.2mm未満であると、クラックや破断面の乱れが発生し易いため好ましくない。また、この溝の深さを1.0mm超とするのは、製造効率や製造歩留まりの向上という点において好ましくない。
なお、溝401は、その最も深い箇所がなす直線が中心軸201に略平行となるように形成する。
また、溝を401外側面103に形成する場合は、外側面103から中心軸201へ向かって、徐々に溝の幅が狭くなるように形成することが好ましい。
さらに、溝401を内側面101に形成する場合は、中心軸201から外側面103へ向かって、徐々に溝の幅が狭くなるように形成することが好ましい。
図4(a)は、図1に示した加工前磁石1の外側面103に溝401を形成して得られた溝入磁石3の底面105を示している。また、図4(b)は、図1に示した加工前磁石1の内側面101に溝401を形成して得られた溝入磁石3の底面105を示している。ただし、理解を容易にするために、いずれの図においても溝401は1か所のみ示している。
まず、溝入磁石3の外側面103に形成された溝401における、中心203から最も近い位置X1を特定する。次に、溝が形成される前に存在していた外周線βの一部(溝を形成することでなくなった外周線βの一部)を仮想線として特定する。次に、中心203から点X1を通り、外周線β側へ延びる線と、その仮想線との交点を特定し、この交点をY1とする。
そして、中心203から点X1までの長さをA1とし、中心203から点Y1までの長さをB1とする。この場合において、外側面103に形成された溝の深さはB1-A1で求められる。
まず、溝入磁石3の内側面101に形成された溝401における、中心203から最も遠い位置X2を特定する。次に、溝が形成される前に存在していた内周線αの一部(溝を形成することでなくなった内周線αの一部)を仮想線として特定する。次に、中心203から点X2まで延びる線と、その仮想線との交点を特定し、この交点をY2とする。
そして、中心203から点X2までの長さをA2とし、中心203から点Y2までの長さをB2とする。この場合において、内側面101に形成された溝の深さはA2-B2で求められる。
図4(a)および(b)において、溝401と外周線βとの境界を示す2点を点C、点Dとして特定する。そして、この場合において、溝の幅とはCとDとの間の直線距離とする。
なお、上記式中において、Pは分割工程にて溝入磁石3に加える荷重(N)であり、Rは一方の底面における外周線βの中心203から回転対称位置301の外周線βまでの長さと内周線αまでの長さとの平均値(mm)であり、θは荷重を加える方向から回転対称位置301までの角度(°)である。
この荷重を加える2方向は、溝入磁石3の中心軸201に垂直な向かい合う2方向であれば、他は限定されない。つまり、溝401を形成した位置に荷重を加えても良く、または溝を形成していない位置に荷重を加えても良い。しかしながら、上記したように、溝形成工程前において曲げモーメントMを考慮して溝401を形成する場合には、溝形成前に予め荷重を加える2方向を特定しておく必要がある。なお、加える荷重Pの大きさは特段限定されないが、10N~50kN程度が好適例として示される。
また、分割して得られた異形片状磁石においては、必要に応じて、さらに破断面をより平滑化する処理などの後工程を行っても良い。
リング状または筒状の加工前磁石を破断分割するために形成する溝の深さを検討する目的のため、模式的な試験として、直方体状の磁石を用いて溝の深さ条件と破断面との関係を検証する試験を行った。
この4点曲げ試験を具体的に説明すると、まず、試験片における、溝を形成した面の長手方向において、溝との距離がそれぞれ15mmである2つ位置の各々を下支点とした。次に、溝を形成した面と対向する面において、その長手方向の中心からの距離がそれぞれ5mmである2つの位置の各々を上支点とした。
そして、これらの特定した4箇所の支点に、支点を特定した各面と垂直な方向から荷重P(700N)を加えて溝に引張荷重を加え、試験片を溝形成位置から破断分割し、破断面の確認を行った。
円筒状の加工前磁石に、その中心軸を基軸とする4つの回転対称位置に溝を形成して破断分割試験を行った。
この結果から、曲げモーメントMが負である位置には内側面に、曲げモーメントMが正である位置には外側面に溝を形成することにより、4箇所の溝形成位置において分割された、破断面の乱れがない4つの円弧状磁石を容易に且つ安定して得ることができた。
円筒状の加工前磁石に、その中心軸を基軸とする5つの回転対称位置に溝を形成して破断分割試験を行った。
この結果、曲げモーメントMが負である位置には内側面に、曲げモーメントMが正である位置には外側面に溝を形成することにより、5箇所の溝形成位置において分割された、破断面の乱れがない5つの円弧状磁石を容易に得ることができた。
円筒状の加工前磁石に、その中心軸を基軸とする6つの回転対称位置に溝を形成して破断分割試験を行った。
この結果、曲げモーメントMが負である位置には内側面に、曲げモーメントMが正である位置には外側面に溝を形成することにより、6箇所の溝形成位置において分割された、破断面の乱れがない6つの円弧状磁石を容易に得ることができた。
円筒状の加工前磁石に、その中心軸を基軸とする8つの回転対称位置に溝を形成して破断分割試験を行った。
この結果、曲げモーメントMが負である位置には内側面に、曲げモーメントMが正である位置には外側面に溝を形成することにより、8箇所の溝形成位置において分割された、破断面の乱れがない8つの円弧状磁石を容易に得ることができた。
3 溝入磁石
10 空洞
101 内側面
103 外側面
105 底面
201 中心軸
203 底面の中心(底面の外周線の中心)
301 回転対称位置
401 溝
α 内周線
β 外周線
Claims (2)
- 外側面、内側面および2つの底面を備えるリング状または筒状の加工前磁石を用意し、前記加工前磁石が備える2つの前記底面の外周線の中心をいずれも通る直線である中心軸を基軸とする4以上の回転対称位置を特定し、前記回転対称位置の各々における前記外側面および/または前記内側面に、深さが0.2~1.0mmである溝を形成して溝入磁石を得る溝形成工程と、
前記溝入磁石の前記外側面に、前記中心軸に垂直な向かい合う2方向から荷重を加え、前記溝入磁石を破断して分割する分割工程と、を備え、
前記溝形成工程において、前記分割工程にて前記荷重を加えた場合に前記溝入磁石に生じる、下式(I)により算出される曲げモーメントMが負である前記回転対称位置には前記内側面に前記溝を形成し、前記曲げモーメントMが正である前記回転対称位置には前記外側面に前記溝を形成する、異形片状磁石の製造方法。
(I) M=(P×R/2)×(|sinθ|-2/π)
(式中、Pは前記分割工程にて前記溝入磁石に加える前記荷重(N)であり、Rは一方の前記底面における前記中心から前記回転対称位置の外周線までの長さと内周線までの長さとの平均値(mm)であり、θは前記荷重を加える方向から前記回転対称位置までの角度(°)である。)
- 前記溝形成工程が、前記回転対称位置の各々において前記内側面または前記外側面のいずれか一方のみに前記溝を形成する工程である、請求項1に記載の異形片状磁石の製造方法。
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