JP7251223B2 - 酸化物絶縁体膜形成用塗布液 - Google Patents

酸化物絶縁体膜形成用塗布液 Download PDF

Info

Publication number
JP7251223B2
JP7251223B2 JP2019043380A JP2019043380A JP7251223B2 JP 7251223 B2 JP7251223 B2 JP 7251223B2 JP 2019043380 A JP2019043380 A JP 2019043380A JP 2019043380 A JP2019043380 A JP 2019043380A JP 7251223 B2 JP7251223 B2 JP 7251223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
insulator film
oxide insulator
containing compound
coating liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019043380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019165220A (ja
Inventor
雄司 曽根
尚之 植田
友一 安藤
有希 中村
由希子 安部
真二 松本
遼一 早乙女
定憲 新江
嶺秀 草柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to TW108108473A priority Critical patent/TWI705968B/zh
Priority to CN201910189165.0A priority patent/CN110289204B/zh
Publication of JP2019165220A publication Critical patent/JP2019165220A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7251223B2 publication Critical patent/JP7251223B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

本発明は、酸化物絶縁体膜形成用塗布液に関する。
近年、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を用いたアクティブマトリックス方式の平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(OLED)、電子ペーパーなどが実用化されている。
TFTに用いられる半導体材料としては、アモルファスシリコン(a-Si)、低温ポリシリコン(LTPS)、及びIn-Ga-Zn-O(IGZO)系の酸化物半導体の3種類に大別できるが、何れの種類のTFTにおいても、外気(酸素・水・窒素)からTFTを保護するパッシベーション層が形成されている。通常、パッシベーション層としてはSiO、SiON、又はSiNといった低誘電率絶縁膜材料が用いられ、その形成方法は化学気相蒸着法(CVD法)や原子層堆積法(ALD法)、スパッタ法などの真空プロセスが一般的である。しかし、これらの真空プロセスは、複雑で高価な装置や原料ガスに対する安全対策等を必要とし、プロセスコストが高いという問題がある。
一方、近年、真空プロセスに対して低コスト化が可能である塗布プロセスを用いたプリンテッドエレクトロニクスの開発が活発化している。例えば、パーヒドロポリシラザンキシレン溶液を前駆体溶液とし、塗布プロセスにより形成されたSiO膜をTFTのパッシベーション層(保護層)とする報告がされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、SiO膜は線膨張係数が5×10-7と低く、それをシリコン活性層、酸化物活性層、金属配線、及び酸化物配線の上に形成すると、後工程の加熱工程においてクラック、剥離などが発生し易く、製造プロセスの安定性に問題がある。なお、安全性の面から、前駆体溶液の溶媒の引火点は高いことが好ましい。
したがって、低コストかつ安定性の高い低誘電率酸化膜形成プロセスを可能とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液が求められている。
本発明は、低コストかつ安定性の高い低誘電率酸化膜形成プロセスを可能とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液を提供することを目的とする。
本酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、酸化物絶縁体膜形成用塗布液であって、ケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒と、を含有し、前記溶媒が、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、37.8℃以上であることを要件とする。
開示の技術によれば、低コストかつ安定性の高い低誘電率酸化膜形成プロセスを可能とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液を提供できる。
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタを例示する断面図(その1)である。 本実施の形態に係る電界効果型トランジスタを例示する断面図(その2)である。 本実施の形態に係る電界効果型トランジスタを例示する断面図(その3)である。 本実施の形態に係る電界効果型トランジスタを例示する断面図(その4)である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
(酸化物絶縁体膜形成用塗布液)
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、ケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくはアルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくとも何れかを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。前記溶媒は、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点は、37.8℃(華氏100度)以上である。
前記ケイ素含有化合物が形成するSiOは、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液により形成される酸化物絶縁体膜の主成分であり、前記酸化物絶縁体膜の主骨格である網目構造(アモルファス)を形成し、良好な絶縁性を与える。又、前記ケイ素含有化合物が形成するSiOは比誘電率が3.9と低いため、前記酸化物絶縁体膜は低誘電率酸化物絶縁体膜となる。
前記アルカリ土類金属含有化合物は、網目修飾酸化物を構成し、前記酸化物絶縁体膜に構造柔軟性を与える。すなわち前記酸化物絶縁体膜の線膨張係数を調整し、前記酸化物絶縁体膜のプロセス安定性を高くする。
前記アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物が形成するAl、Bは、前記SiOと共に前記酸化物絶縁体膜の主骨格である網目構造(アモルファス)を形成する。Alは、前記酸化物絶縁体膜の機械的耐久性、化学的耐久性を向上させる効果がある。又、Bは、前記酸化物絶縁体膜の軟化点を下げる効果がある。
なお、本発明、及び本明細書において、「膜」と「層」とは、特に断りがない限り、同じ意味である。例えば、絶縁膜と、絶縁層とは同じ意味である。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、更に好ましくは、前記アルミニウム含有化合物、前記ホウ素含有化合物を含み、それらは前記溶媒中に均一に溶解すればよく、解離してイオンとなっていても構わない。
前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、更に好ましくは、前記アルミニウム含有化合物、前記ホウ素含有化合物が、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液に溶解している場合には、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液中の濃度の偏析などが生じにくいため、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、長期の使用が可能である。又、この酸化物絶縁体膜形成用塗布液を用いて作製した薄膜も均一な組成であるため電界効果型トランジスタのパッシベーション層に用いた場合の特性均一性も良好である。
前記アルカリ土類金属含有化合物に含有されるアルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。これらの中でも、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)が好ましい。
これらアルカリ土類金属は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記酸化物絶縁体膜における前記Siの割合、前記Al及びBの合計の割合、及び前記アルカリ土類金属の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記の範囲であることが好ましい。
前記酸化物絶縁体膜における前記Siの割合は、酸化物(SiO)換算で、30.0mol%~95.0mol%が好ましく、50.0mol%~90.0mol%がより好ましい。
前記酸化物絶縁体膜における前記アルカリ土類金属酸化物の割合は、酸化物(BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、5.0mol%~40.0mol%が好ましく、10.0mol%~30.0mol%がより好ましい。
前記酸化物絶縁体膜における前記Al及びBの合計の割合は、酸化物(Al、B)換算で、1.0mol%~50.0mol%が好ましく、5.0mol%~30.0mol%がより好ましい。
前記酸化物絶縁体膜が、前記Al及び前記Bの少なくとも何れかを含有する場合、前記アルカリ土類金属酸化物の割合は、酸化物(BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、1.0mol%~30.0mol%が好ましく、5.0mol%~20.0mol%がより好ましい。
前記酸化物絶縁体膜における酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)の割合は、例えば、蛍光X線分析、電子線マイクロ分析(EPMA)等により酸化物の陽イオン元素を分析することにより算出できる。
前記酸化物絶縁体膜の比誘電率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、信号遅延がより生じにくくなり、より高速動作になる点から、7.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましい。
前記比誘電率は、例えば、下部電極、誘電層(前記保護層)、及び上記電極を積層したキャパシタを作製して、LCRメータ(4284A、Agilent社製)を用いて測定することができる。
前記酸化物絶縁体膜の線膨張係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、剥離がより生じにくくなり、より信頼性が高くなる点から、30.0×10-7以上が好ましく、30.0×10-7~60.0×10-7がより好ましい。
前記線膨張係数は、例えば、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定することができる。この測定においては、電界効果型トランジスタを作製せずとも、前記酸化物絶縁体膜と同じ組成の測定用サンプルを別途作製して測定することで、前記線膨張係数を測定することができる。
本実施の形態に係る前記酸化物絶縁体膜の体積抵抗率は、好ましくは10Ωcm以上であり、より好ましくは1010Ωcm以上である。前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、前記ホウ素含有化合物は、化合物又はイオンとして前記溶媒に溶解しているが、塗布後、所定の熱処理により酸化物絶縁体膜が得られる。
前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、前記ホウ素含有化合物及び溶媒は、前記熱処理によって揮発、又は雰囲気中の酸素などによりCO、NO、HO等の低分子へと酸化・分解し、前記酸化物以外は膜外へ放出される。
更に、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、引火点が37.8℃(華氏100度)以上であることが好ましい。更に好ましくは引火点が40℃以上であり、特に好ましくは引火点が50℃以上である。引火点の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100℃であってもよいし、150℃であってもよいし、190℃であってもよい。
なお、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点は、例えば輸送時の温度上昇を考慮すると50℃以上が特に好ましい。
引火点が室温程度以下であると、常温で揮発して空気と可燃性の混合物を作ることができるようになり、点火源があると引火して燃焼してしまい、危険である。引火点が40℃以上であれば、一般的なTFTの製造環境より充分高いので、安全に取り扱うことができる。
そのために、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、前記溶媒として、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、引火点が21℃未満の溶媒を含有しないことが好ましい。
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、ジエチルエーテルなどの特殊引火物、アセトン、トルエン等の第1石油類、炭素数1~3のアルコール類を含有しないことが好ましい。ここで、「含有しない」とは、不可避的に含まれることを排除するものではない。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液において、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される溶媒の含有量としては、全溶媒に対して85体積%~100体積%が好ましく、90体積%~100体積%がより好ましく、95体積%~100体積%が特に好ましい。
又、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液において、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒以外の有機溶媒の含有量としては、全溶媒に対して15体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましく、5体積%以下が特に好ましい。
ここで、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒以外の有機溶媒としては、例えば、引火点が21℃未満の有機溶媒、引火点が200℃以上の有機溶媒などが挙げられる。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液においては、引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液においては、前記溶媒における引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒と水との合計量が50体積%以上であることが好ましい。
なお、有機溶媒の密度は、概ね0.75~1.15の範囲内にあるので、重量%の場合は、上記体積%に上記密度を勘案した範囲となる。
更に本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、溶媒として、第2石油類(引火点は21℃以上70℃未満)、第3石油類(引火点は70℃以上200℃未満)、及び水の少なくとも2種類以上を含有することが好ましい。
第2石油類の中には、引火点が40℃未満の溶媒も存在するが、第3石油類、又は水との適切な混合により、該酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点を37.8℃以上、更には40℃以上にすることができる。
更には、第2石油類、第3石油類、及び水の少なくとも2種類以上を適切に選択し混合、含有することによって、本酸化物絶縁体膜形成用塗布液の粘度や表面張力を調整し、安全性を維持しながら所望の塗膜性を得ることができる。
又、第4石油類(引火点は200℃以上250℃未満)は、引火点が高く安全性からは好ましいが、沸点が高い(一般的には350℃以上)ため、焼成後にも溶媒由来の炭化水素系の不純物が膜中に残留しやすく、本実施の形態で用いる溶媒としては好ましくない。
ここで、前記特殊引火物、前記第1石油類、前記第2石油類、前記第3石油類、及び前記第4石油類は、それぞれ以下のように定義される用語である。
前記特殊引火物とは、日本の消防法上の第4類危険物、特殊引火物に該当する品目を集めたカテゴリであり、1気圧において、発火点が100℃以下のもの又は引火点が零下20℃以下で沸点が40℃以下のものをいう。
前記第1石油類とは、日本の消防法上の第4類危険物、第1石油類(1気圧において引火点21℃未満の液体)に該当する品目を集めたカテゴリである。
前記第2石油類とは、日本の消防法上の第4類危険物、第2石油類(1気圧において引火点21℃以上70℃未満の液体)に該当する品目を集めたカテゴリである。
前記第3石油類とは、日本の消防法上の第4類危険物、第3石油類(1気圧において引火点70℃以上200℃未満の液体)に該当する品目を集めたカテゴリである。
前記第4石油類とは、日本の消防法上の第4類危険物、第4石油類(1気圧において引火点200℃以上250℃未満の液体)に該当する品目を集めたカテゴリである。
そして、前記引火点は、ISO 3679:2004、又はJIS K 2265-2:2007に基づくセタ密閉式(迅速平衡密閉法)により測定される。
前記第2石油類(1気圧において引火点21℃以上70℃未満の液体)としては、例えば、以下の溶媒が挙げられる。
・n-デカン : 引火点46℃
・アセチルアセトン : 引火点34℃
・p-キシレン : 引火点27℃
・メシチレン(1,3,5-Trimethylbenzene) : 引火点50℃
・デカヒドロナフタレン(デカリン) : 引火点58℃
・プロピレングリコール1-モノメチルエーテル : 引火点32℃
・エチレングリコールモノメチルエーテル : 引火点42℃
・エチレングリコールモノイソプロピルエーテル : 引火点46℃
・N,N-ジメチルホルムアミド : 引火点58℃
・N,N-ジメチルアセトアミド : 引火点63℃
・1-ブタノール : 引火点37℃
・シクロペンタノール : 引火点47℃
・1-ペンタノール : 引火点43℃
・イソペンタノール : 引火点46℃
・1-ヘキサノール : 引火点63℃
前記第3石油類(1気圧において引火点70℃以上200℃未満の液体)としては、例えば、以下の溶媒が挙げられる。
・オクチル酸 : 引火点118℃
・シクロヘキシルベンゼン : 引火点99℃
・γ-ブチロラクトン : 引火点98℃
・エチレングリコール : 引火点111℃
・プロピレングリコール : 引火点99℃
・ホルムアミド : 引火点120℃
・1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン : 引火点107℃
・1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン : 引火点121℃
前記第4石油類(1気圧において引火点200℃以上250℃未満の液体)としては、例えば、以下の溶媒が挙げられる。
・フタル酸ジオクチル : 引火点 218℃
・フタル酸ベンジルブチル : 引火点213℃
以下、前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、前記ホウ素含有化合物について個別に説明する。
---ケイ素含有化合物---
前記ケイ素含有化合物としては、例えば、無機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物などが挙げられる。
前記無機ケイ素化合物としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシランなどが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、ケイ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ケイ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及びフェニル基の少なくとも何れかを有することが好ましい。
前記有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、トリフェニルシラン、2-エチルヘキサン酸ケイ素、テトラアセトキシシランなどが挙げられる。
前記ケイ素含有化合物の引火点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、21℃以上70℃未満や、21℃未満が好ましい。
前記ケイ素含有化合物の引火点の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ケイ素含有化合物の引火点は、10℃以上であってもよい。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
---アルカリ土類金属含有化合物---
前記アルカリ土類金属含有化合物としては、例えば、無機アルカリ土類金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。
前記アルカリ土類金属含有化合物におけるアルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
前記無機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属よう化物、アルカリ土類金属リン化物などが挙げられる。前記アルカリ土類金属硝酸塩しては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属フッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属よう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属リン化物としては、例えば、リン化マグネシウム、リン化カルシウムなどが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルカリ土類金属と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有することが好ましい。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2-エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2-エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2-エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2-エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウムなどが挙げられる。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液における前記アルカリ土類金属含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
---アルミニウム含有化合物---
前記アルミニウム含有化合物としては、例えば、無機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物などが挙げられる。
前記無機アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、臭化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、三フッ化アルミニウム、よう化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムと、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルミニウムと前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有することが好ましい。
前記有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム-sec-ブトキシド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、酢酸アルミニウム、アセチルアセトンアルミニウム、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸アルミニウム、2-エチルヘキサン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、アルミニウムジ(s-ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記アルミニウム含有化合物の引火点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃未満が好ましい。前記アルミニウム含有化合物の引火点の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アルミニウム含有化合物の引火点は、10℃以上であってもよい。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液における前記アルミニウム含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
---ホウ素含有化合物---
前記ホウ素含有化合物としては、例えば、無機ホウ素化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
前記無機ホウ素化合物としては、例えば、オルトホウ酸、酸化ホウ素、三臭化ホウ素、テトラフルオロホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸マグネシウムなどが挙げられる。前記酸化ホウ素としては、例えば、二酸化二ホウ素、三酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、ホウ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ホウ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機ホウ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、スルホン酸基、及びチオフェン基の少なくとも何れかを有することが好ましい。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいスルホン酸基、置換基を有していてもよいチオフェン基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アルコキシ基には、2つ以上の酸素原子を有し、前記2つ以上の酸素原子のうちの2つの酸素原子が、ホウ素と結合し、かつホウ素と一緒になって環構造を形成する有機基も含まれる。又、前記アルコキシ基に含まれるアルキル基が有機シリル基に置換されたアルコキシ基も含む。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、例えば、トリエチルボラン、(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジン、ホウ酸トリイソプロピル、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール、tert-ブチル-N-〔4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,2,3-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル〕カルバメート、フェニルボロン酸、3-アセチルフェニルボロン酸、三フッ化ホウ素酢酸錯体、三フッ化ホウ素スルホラン錯体、2-チオフェンボロン酸、トリス(トリメチルシリル)ボラートなどが挙げられる。
前記ホウ素含有化合物の引火点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃未満が好ましい。前記ホウ素含有化合物の引火点の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ホウ素含有化合物の引火点は、10℃以上であってもよい。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液における前記ホウ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<溶媒>>
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、有機溶媒、無機酸などが挙げられる。それらの中でも、有機溶媒が好ましい。
<<<有機溶媒>>>
前記有機溶媒としては、目的に応じて適宜選択することができるが、有機酸、有機酸エステル、芳香族化合物、ジオール、グリコールエーテル、非プロトン性極性溶媒、アルカン化合物、アルケン化合物、エーテル化合物、及びアルコールからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
-有機酸-
前記有機酸としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酢酸、乳酸、プロピオン酸、オクチル酸、ネオデカン酸及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-有機酸エステル-
前記有機酸エステルとしては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、乳酸メチル、プロピオン酸プロピル、及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-芳香族化合物-
前記芳香族化合物としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、キシレン、メシチレン、テトラリン及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-ジオール-
前記ジオールとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、アルカンジオール、ジアルキレングリコールが好ましい。前記ジオールの炭素数としては、2~6が好ましい。前記ジオールとしては、ジエチレングリコール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、及び1,3-ブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-グリコールエーテル-
前記グリコールエーテルとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。前記グリコールエーテルの炭素数としては、3~8が好ましい。
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル、及びプロピレングリコール1-モノブチルエーテルの少なくとも何れかが好ましい。これらのアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、沸点が120℃~180℃程度で、比較的低い焼成温度と短い焼成時間を可能にする。又、焼成後に炭素及び有機物などの不純物が少ない酸化物絶縁体膜が得られる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-非プロトン性極性溶媒-
前記非プロトン性極性溶媒は、原料化合物をよく溶解し、かつ溶解後の安定性が高いため、前記非プロトン性極性溶媒を前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液に用いることにより、均一性が高く、欠陥の少ない酸化物絶縁体膜を得ることができる。
前記非プロトン性極性溶媒としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、イソホロン、炭酸プロピレン、ジヒドロフラン-2(3H)-オン(γ-ブチロラクトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-アルカン化合物-
前記アルカン化合物としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、n-ノナン、デカン、テトラデカン、デカリン及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-アルケン化合物-
前記アルケン化合物としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1-ドデセン、1-テトラデセン、及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-エーテル化合物-
前記エーテル化合物としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ベンゾフラン、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-アルコール-
前記アルコールとしては、炭素数4以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1-ブタノール、シクロペンタノール、2-ヘキサノール及びそれらの誘導体などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<<無機酸>>>
前記無機酸としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、弗酸などが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは、前記無機塩の溶解性を向上することができる。
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液において、前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、及び前記ホウ素含有化合物は、前記溶媒に溶解していることが好ましい。
<酸化物絶縁体膜形成用塗布液の作製方法>
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各元素を含有する化合物又はその溶液と、前記溶媒とを所望の割合で混合する方法などが挙げられる。
(酸化物絶縁体膜)
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜の一態様は、本実施の形態に係る前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液を被塗物に塗布し、乾燥させた後に焼成を行って得られる。
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜の一態様は、本実施の形態に係る前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の焼成物である。
前記酸化物絶縁体膜は、例えば、以下の本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜の製造方法によって得られる。
(酸化物絶縁体膜の製造方法)
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜の製造方法では、本実施の形態に係る前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液を被塗物に塗布し、乾燥させた後に焼成を行う。
前記被塗物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
又、前記酸化物絶縁体膜を電界効果型トランジスタのパッシベーション層に用いる場合には、前記被塗物としては、例えば、基材、ゲート絶縁層、活性層などが挙げられる。前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、ディップコート法、スピンコート法、ダイコート法、インクジェット法、ナノインプリント法などが挙げられる。これらの中でも、スピンコート法及びダイコート法は既存のフォトリソグラフィー技術と組み合わせることが容易である点で好ましい。
前記乾燥は、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液中の揮発成分を除去できる条件であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記乾燥において、揮発成分を完全に除去する必要はなく、焼成を阻害しない程度に揮発成分を除去できればよい。
前記焼成の温度としては、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液に含有する金属元素が酸化物を形成する温度以上で、かつ基材(塗布対象物)の熱変形温度以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150℃~600℃が好ましい。
前記焼成の雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸素中や空気中など酸素を含む雰囲気が好ましい。これにより、金属元素の化合物や溶媒中に含まれる有機物や陰イオンを酸化、ガス化するなどして、膜中より除去することができる。又、窒素中やアンモニア蒸気中など窒素を含む雰囲気で焼成することにより、膜中に窒素を取り込むことが可能で、酸窒化物膜を形成し、比誘電率、熱膨張係数などの膜物性を制御することができる。
前記焼成の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
形成される酸化物絶縁体膜の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm~500nmが好ましく、10nm~300nmがより好ましく、50nm~200nmが特に好ましい。
このように、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液を用いると、真空プロセスのような複雑で高価な装置や原料ガスに対する安全対策等を必要とせずに、低コストで酸化物絶縁体膜を形成することができる。
又、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液から作製される酸化物絶縁体膜は、SiO膜のように線膨張が低くないため、後工程の加熱工程等においてクラック、剥離などが発生し難く、製造プロセスが安定である。
又、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含む溶媒を有しており、引火点が室温よりも高いため、安全である。
本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液を用いて、例えば、電界効果型トランジスタのパッシベーション層を形成することができる。以下、酸化物絶縁体膜形成用塗布液を用いて形成したパッシベーション層を有する電界効果型トランジスタの例について説明する。
(電界効果型トランジスタ)
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、パッシベーション層と、を少なくとも有し、更に必要に応じて、層間絶縁層などのその他の部材を有する。
前記電界効果型トランジスタの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトムゲート/ボトムコンタクト型(図1に示す電界効果型トランジスタ10)、ボトムゲート/トップコンタクト型(図2に示す電界効果型トランジスタ10A)、トップゲート/ボトムコンタクト型(図3に示す電界効果型トランジスタ10B)、トップゲート/トップコンタクト型(図4に示す電界効果型トランジスタ10C)等が挙げられる。
なお、図1~図4中、11は基材、12はゲート電極、13はゲート絶縁層、14はソース電極、15はドレイン電極、16は活性層、17はパッシベーション層をそれぞれ表す。
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ等の画素駆動回路及び論理回路用の電界効果型トランジスタに好適に用いることができる。
<基材>
基材11の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材、フィルム基材等を用いることができる。
ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、無アルカリガラス、シリカガラス等が挙げられる。又、プラスチック基材やフィルム基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
<ゲート電極>
ゲート電極12の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Ag、Cu等の金属及びそれらの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
-ゲート電極の形成方法-
ゲート電極12の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
ゲート電極12の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm~1μmが好ましく、50nm~300nmがより好ましい。
<ゲート絶縁層>
ゲート絶縁層13の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO、SiN、Al等の既に広く量産に利用されている材料や、La、HfO等の高誘電率材料、ポリイミド(PI)やフッ素系樹脂等の有機材料などが挙げられる。
-ゲート絶縁層の形成方法-
ゲート絶縁層13の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ、化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の真空成膜法、スピンコート、ダイコート、インクジェット等の印刷法などが挙げられる。
ゲート絶縁層13の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm~3μmが好ましく、100nm~1μmがより好ましい。
<ソース電極、及びドレイン電極>
ソース電極14及びドレイン電極15の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Ag、Cu等の金属及びそれらの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
-ソース電極、及びドレイン電極の形成方法-
ソース電極14及びドレイン電極15の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
ソース電極14及びドレイン電極15の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm~1μmが好ましく、50nm~300nmがより好ましい。
<活性層>
活性層16の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン半導体、酸化物半導体などが挙げられる。前記シリコン半導体としては、例えば、多結晶シリコン(p-Si)、アモルファスシリコン(a-Si)などが挙げられる。前記酸化物半導体としては、例えば、In-Ga-Zn-O、I-Z-O、In-Mg-Oなどが挙げられる。これらの中でも酸化物半導体が好ましい。
-活性層の形成方法-
活性層16の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、CVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
活性層16の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm~1μmが好ましく、10nm~0.5μmがより好ましい。
<パッシベーション層>
パッシベーション層17の機能の一つとしては、大気中の水分、酸素、水素等から、少なくとも活性層を隔離保護する等の機能を持つ層のことを示す。又、パッシベーション層17は、活性層のみならず、電界効果型トランジスタの他の構成要素(例えば、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、及びゲート電極)を保護するものであってもよい。パッシベーション層17の機能の一つとしては、電界効果型トランジスタ上に形成される層の材料や、その形成プロセスから電界効果型トランジスタ(の少なくとも一部)を保護する役割を持つ。
又、パッシベーション層17は、形成される場所によらず、例えばEL(Electro Luminescence)素子等を介して電界効果型トランジスタの他の構成要素と物理的に離間している場合であっても電界効果型トランジスタの構成要素の1つである。つまり、例えばEL素子等を形成した後に形成されるパッシベーション層や層間絶縁層に近接して設けられるパッシベーション層も、電界効果型トランジスタのパッシベーション層とする。すなわち、図1~図4に示すパッシベーション層17は、形成される場所の一例であり、これには限定されない。
パッシベーション層17は、上記機能を有する、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液を塗布して形成される酸化物絶縁体膜からなる。
パッシベーション層17の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm~1μmが好ましく、30nm~300nmがより好ましい。
又、パッシベーション層は、保護層と呼ばれることもある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(酸化物絶縁体膜形成用塗布液の作製)
キシレン500mLとシクロヘキシベンゼン(CHB)500mLとの混合溶液に対し、ケイ素含有化合物としてテトラブトキシシランと、アルカリ土類金属含有化合物として2-エチルヘキサン酸カルシウムとを各金属元素が酸化物換算で90mmolと10mmolとなるように秤量・添加し、室温で混合して溶解させ、酸化物絶縁体膜形成用塗布液を作製した。
<実施例2~49>
実施例1と同様の方法で、実施例2~49の酸化物絶縁体膜形成用塗布液を作製した。表1~3に実施例1~49の原料組成を示す。
<比較例1~7>
実施例1と同様の方法で、比較例1~7の酸化物絶縁体膜形成用塗布液を作製した。表4,5に比較例1~7の原料組成を示す。
Figure 0007251223000001
Figure 0007251223000002
Figure 0007251223000003
Figure 0007251223000004
Figure 0007251223000005
表1~5において、ケイ素含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物における「mmol」は、酸化物換算の量である。
表1~5で用いた表記について下記に示す。
<溶媒A>
EGME:エレングリコールモノメチルエーテル
PGME:プロピレングリコール1-モノメチルエーテル
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
<溶媒B>
PG:1,2-プロピレングリコール
EG:エチレングリコール
CHB:シクロヘキシルベンゼン
GBL:γ-ブチロラクトン
DMI:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
DMPU:N,N'-ジメチルプロピレン尿素
<溶媒C>
O:水
<溶媒E>
DOP:フタル酸ジオクチル
BBP:フタル酸ベンジルブチル
<ケイ素含有化合物>
Si(OCH:テトラメトキシシラン
Si(OC:テトラエトキシシラン
Si(OC:テトライソプロポキシシラン
Si(OC:テトラブトキシシラン
Si(C15:2-エチルヘキサン酸ケイ素
HMDS:1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン
<アルカリ土類金属含有化合物>
Ca(C15:2-エチルヘキサン酸カルシウム
Sr(C15:2-エチルヘキサン酸ストロンチウム
Ba(C15:2-エチルヘキサン酸バリウム
Ca(C1019:ネオデカン酸カルシウム
Sr(C1019:ネオデカン酸ストロンチウム
Ba(C1019:ネオデカン酸バリウム
Mg(NO・6HO:硝酸マグネシウム六水和物
MgCl・6HO:塩化マグネシウム六水和物
Ca(NO・4HO:硝酸カルシウム四水和物
CaCl・2HO:塩化カルシウム二水和物
Sr(NO:硝酸ストロンチウム
SrCl・6HO:塩化ストロンチウム六水和物
BaCl・2HO:塩化バリウム二水和物
<アルミニウム含有化合物>
Al(CO):アルミニウム-sec-ブトキシド
1427AlO:アルミニウム(s-ブトキシド)アセト酢酸キレート
1521AlO:アセチルアセトンアルミニウム
Al[OCH(CH:アルミニウムイソプロポキシド
Al(NO・9HO:硝酸アルミニウム九水和物
AlCl・6HO:塩化アルミニウム(III)六水和物
<ホウ素含有化合物>
21BO:ホウ酸トリイソプロピル
19BO:2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
BO:フェニルボロン酸
BO:3-アセチルフェニルボロン酸
BO:ホウ酸
(電界効果型トランジスタの作製)
実施例1~49、比較例5~7で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液で形成した酸化物絶縁体膜をパッシベーション層17とし、図1に示すボトムゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタ10を作製した。
<ゲート電極の形成>
最初に、基材11上にゲート電極12を形成した。具体的には、ガラス製の基材11上に、DCスパッタリングにより導電膜であるMo膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、ゲート電極12のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIE(Reactive Ion Etching)により、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート電極12を形成した。
<ゲート絶縁層の形成>
次に、ゲート絶縁層13を形成した。具体的には、プラズマCVDによりSiON膜を平均膜厚が300nmとなるように成膜した。この後、SiON膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層13のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiON膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層13を形成した。
<ソース電極及びドレイン電極の形成>
次に、ソース電極14及びドレイン電極15を形成した。具体的には、ゲート絶縁層13上にDCスパッタリングにより導電膜であるMo膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極14及びドレイン電極15のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極14及びドレイン電極15を形成した。
<活性層の形成>
次に、活性層16を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、IGZO膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、IGZO膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される活性層16のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のIGZO膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、活性層16を形成した。これにより、ソース電極14とドレイン電極15との間にチャネルが形成されるように活性層16が形成された。
<パッシベーション層の形成>
次に実施例1~49、比較例5~7で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液をそれぞれ用い、スピンコート法により活性層16上に塗布した。活性層16上に酸化物絶縁体膜形成用塗布液が塗布された基材11を120℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた後、大気雰囲気中400℃で1時間焼成して、パッシベーション層17として透明な酸化物絶縁体膜を得た。形成された酸化物絶縁体膜(パッシベーション層17)の膜厚は約50nmであった。
以上により、ボトムゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタが完成した。
(引火点測定)
実施例1~49、比較例1~7で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点をセタ密閉法により測定した。その結果を表6~表8に示す。
(線膨張係数測定)
実施例1~49、比較例5~7で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液の溶媒を除去した後、白金坩堝に入れて1600℃に加熱及び溶融後、フロート法により直径5mm、高さ10mmの円柱状物を作製した。作製した円柱状物について、20℃~300℃の温度範囲における平均線膨張係数を、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定した。その結果を表6~表8に示す。作製した円柱状物は、各例の電界効果型トランジスタの保護層と同じ組成であり、線膨張係数に関しても同じ値をとる。
(電界効果型トランジスタの外観評価)
実施例1~49、比較例5~7で作製した電界効果型トランジスタの外観評価結果(剥離の有無)を表6~表8に示す。
(トランジスタ特性評価)
実施例1~49で作製した電界効果型トランジスタの移動度、及び閾値電圧(Vth)を算出した。又、実施例1~49で作製した電界効果型トランジスタに対し、大気中(温度50℃、相対湿度50%)でBTS(Bias Temperature Stress)試験を100時間実施した。
ストレス条件は以下の4条件とした。
(1)Vgs=+10V、及びVds=0V
(2)Vgs=+10V、及びVds=+10V
(3)Vgs=-10V、及びVds=0V
(4)Vgs=-10V、及びVds=+10V
BTS試験が一定時間経過するごとに、Vds=+10Vとした場合の、VgsとIdsとの関係(Vgs-Ids)を測定し、ストレス時間100時間における閾値電圧の変化量(ΔVth)を評価した。ストレス時間100時間における閾値電圧の変化量(ΔVth)が3V以下の場合、高信頼性と表現する。
実施例1~49にて作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性の評価結果を表6~表7に示す。
(結果)
<引火点>
表6~表8に示すように、実施例1~49、比較例5~7で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点は全て40℃以上であり、良好な安全性を示した。一方、比較例1~4で作製した酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点はそれぞれ20℃、24℃であり、40℃以下であることが確認された。
<線膨張係数>
表6~表8に示すように、実施例1~49で作製した酸化物絶縁体膜の線膨張係数は3.0×10-6~6.0×10-6の範囲であるのに対し、比較例5~7で作製した酸化物絶縁体膜の線膨張係数は5.0×10-7~2.0×10-6の範囲であった。
<外観>
表6~表8に示すように、実施例1~49で作製した電界効果型トランジスタのパッシベーション層は剥離などの異常は見られなかったのに対し、比較例3~5で作製した電界効果型トランジスタのパッシベーション層は、剥離が確認された。
<トランジスタ特性>
表6~表7に示すように、実施例1~49で作製した電界効果型トランジスタのBTS試験の結果、全実施例においてΔVthが3V以内であり、高信頼性を示すことが確認された。
Figure 0007251223000006
Figure 0007251223000007
Figure 0007251223000008
表6~表8において、「E」は10のべき乗を表す。「E-7」は、「10-7」を表す。
以上より、本実施の形態に係る酸化物絶縁体膜形成用塗布液は安全かつ安定性が高くパッシベーション層を形成することが可能であり、前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液により形成されたパッシベーション層を有する電界効果型トランジスタは高信頼性を示すことがわかった。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 酸化物絶縁体膜形成用塗布液であって、
ケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒と、を含有し、
前記溶媒が、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、37.8℃以上であることを特徴とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<2> 前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、40℃以上である前記<1>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<3> 前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、50℃以上である前記<1>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<4> 前記ケイ素含有化合物の引火点が、21℃以上70℃未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<5> 前記ケイ素含有化合物の引火点が、21℃未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<6> 前記溶媒が、引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<7> 前記溶媒における引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒と水との合計量が50体積%以上である前記<6>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<8> 前記ケイ素含有化合物は、有機ケイ素化合物を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<9> 前記有機ケイ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及びフェニル基の少なくとも何れかを有する前記<8>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<10> 前記ケイ素含有化合物は、無機ケイ素化合物を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<11> 前記アルカリ土類金属含有化合物は、有機アルカリ土類金属化合物を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<12> 前記有機アルカリ土類金属化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有する前記<11>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<13> 前記アルカリ土類金属含有化合物は、無機アルカリ土類金属化合物を含む前記<1>から<12>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<14> 更に、アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくとも何れかを含有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<15> 前記アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくとも何れかの引火点が70℃未満である前記<14>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<16> 前記アルミニウム含有化合物は、有機アルミニウム化合物を含む前記<14>から<15>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<17> 前記有機アルミニウム化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有する前記<16>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<18> 前記アルミニウム含有化合物は、無機アルミニウム化合物を含む前記<14>から<15>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<19> 前記ホウ素含有化合物は、有機ホウ素化合物を含む前記<14>から<15>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<20> 前記有機ホウ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、スルホン酸基、及びチオフェン基の少なくとも何れかを有する前記<19>に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
<21> 前記ホウ素含有化合物は、無機ホウ素化合物を含む前記<14>から<15>のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液である。
10、10A、10B、10C 電界効果型トランジスタ
11 基材
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 活性層
17 パッシベーション層
特開2010-103203号公報

Claims (20)

  1. 酸化物絶縁体膜形成用塗布液であって、
    引火点が21℃未満であるケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒と、を含有し、
    前記溶媒が、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、40℃以上であることを特徴とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  2. 前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、50℃以上である請求項1に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  3. 前記ケイ素含有化合物の引火点が、21℃以上70℃未満である請求項1からのいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  4. 前記溶媒が、引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1からのいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  5. 前記溶媒における引火点が70℃以上200℃未満である有機溶媒と水との合計量が50体積%以上である請求項に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  6. 前記ケイ素含有化合物は、有機ケイ素化合物を含む請求項1からのいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  7. 前記有機ケイ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及びフェニル基の少なくとも何れかを有する請求項に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  8. 前記ケイ素含有化合物は、無機ケイ素化合物を含む請求項1からのいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  9. 前記アルカリ土類金属含有化合物は、有機アルカリ土類金属化合物を含む請求項1からのいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  10. 前記有機アルカリ土類金属化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有する請求項に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  11. 前記アルカリ土類金属含有化合物は、無機アルカリ土類金属化合物を含む請求項1から10のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  12. 更に、アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくとも何れかを含有する請求項1から11のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  13. 前記アルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくとも何れかの引火点が70℃未満である請求項12に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  14. 前記アルミニウム含有化合物は、有機アルミニウム化合物を含む請求項12から13のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  15. 前記有機アルミニウム化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アセチルアセトナート基、及びスルホン酸基の少なくとも何れかを有する請求項14に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  16. 前記アルミニウム含有化合物は、無機アルミニウム化合物を含む請求項12から13のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  17. 前記ホウ素含有化合物は、有機ホウ素化合物を含む請求項12から13のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  18. 前記有機ホウ素化合物は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェニル基、スルホン酸基、及びチオフェン基の少なくとも何れかを有する請求項17に記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  19. 前記ホウ素含有化合物は、無機ホウ素化合物を含む請求項12から13のいずれかに記載の酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
  20. 酸化物絶縁体膜形成用塗布液であって、
    ケイ素含有化合物と、無機アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒と、を含有し、
    前記無機アルカリ土類金属含有化合物は前記溶媒中に溶解しており、
    前記溶媒が、引火点が21℃以上200℃未満である有機溶媒、及び水からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記酸化物絶縁体膜形成用塗布液の引火点が、40℃以上であることを特徴とする酸化物絶縁体膜形成用塗布液。
JP2019043380A 2018-03-19 2019-03-11 酸化物絶縁体膜形成用塗布液 Active JP7251223B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW108108473A TWI705968B (zh) 2018-03-19 2019-03-13 氧化物絕緣膜形成用塗布液
CN201910189165.0A CN110289204B (zh) 2018-03-19 2019-03-13 氧化物绝缘体膜形成用涂布液

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018050839 2018-03-19
JP2018050839 2018-03-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019165220A JP2019165220A (ja) 2019-09-26
JP7251223B2 true JP7251223B2 (ja) 2023-04-04

Family

ID=68066122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019043380A Active JP7251223B2 (ja) 2018-03-19 2019-03-11 酸化物絶縁体膜形成用塗布液

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7251223B2 (ja)
TW (1) TWI705968B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7084812B2 (ja) * 2018-07-17 2022-06-15 東京応化工業株式会社 シリカ系被膜形成用の組成物、シリカ系被膜を備える基板の製造方法、及びシリカ系被膜形成用の組成物に添加される添加剤

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004095765A (ja) 2002-08-30 2004-03-25 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置およびその製造方法
JP2006500769A (ja) 2002-09-20 2006-01-05 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 低k材料用の中間層接着促進剤
JP2006291107A (ja) 2005-04-13 2006-10-26 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd シリカ系被膜形成用組成物
WO2009116373A1 (ja) 2008-03-18 2009-09-24 東レ株式会社 ゲート絶縁材料、ゲート絶縁膜、および有機電界効果型トランジスタ
JP2012228858A (ja) 2011-04-27 2012-11-22 Nippon Steel Materials Co Ltd 被膜付きステンレス箔及びその製造方法
JP2013138178A (ja) 2011-11-29 2013-07-11 Central Glass Co Ltd 保護膜形成用薬液の調製方法
JP2016089024A (ja) 2014-11-04 2016-05-23 日本タングステン株式会社 コーティング膜、その製造方法およびコーティング膜形成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6607013B2 (ja) * 2015-12-08 2019-11-20 株式会社リコー 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム
JP6855848B2 (ja) * 2016-03-18 2021-04-07 株式会社リコー 電界効果型トランジスタの製造方法、揮発性半導体メモリ素子の製造方法、不揮発性半導体メモリ素子の製造方法、表示素子の製造方法、画像表示装置の製造方法、システムの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004095765A (ja) 2002-08-30 2004-03-25 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置およびその製造方法
JP2006500769A (ja) 2002-09-20 2006-01-05 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 低k材料用の中間層接着促進剤
JP2006291107A (ja) 2005-04-13 2006-10-26 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd シリカ系被膜形成用組成物
WO2009116373A1 (ja) 2008-03-18 2009-09-24 東レ株式会社 ゲート絶縁材料、ゲート絶縁膜、および有機電界効果型トランジスタ
JP2012228858A (ja) 2011-04-27 2012-11-22 Nippon Steel Materials Co Ltd 被膜付きステンレス箔及びその製造方法
JP2013138178A (ja) 2011-11-29 2013-07-11 Central Glass Co Ltd 保護膜形成用薬液の調製方法
JP2016089024A (ja) 2014-11-04 2016-05-23 日本タングステン株式会社 コーティング膜、その製造方法およびコーティング膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI705968B (zh) 2020-10-01
JP2019165220A (ja) 2019-09-26
TW201938568A (zh) 2019-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6394171B2 (ja) 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム
JP6015389B2 (ja) 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム
JP6607013B2 (ja) 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム
US11049951B2 (en) Coating liquid for forming oxide or oxynitride insulator film, oxide or oxynitride insulator film, field-effect transistor, and method for producing the same
US10643901B2 (en) Field-effect transistor, display element, image display, system, and composition of gate insulating layer including silicon and magnesium oxides
JP7251223B2 (ja) 酸化物絶縁体膜形成用塗布液
CN110289204B (zh) 氧化物绝缘体膜形成用涂布液
JP6787386B2 (ja) 絶縁膜形成用塗布液
JP6451875B2 (ja) 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム
TWI739021B (zh) 場效電晶體、顯示元件、影像顯示器、糸統及組合物
JP6269768B2 (ja) 絶縁膜形成用塗布液
JP2018186308A (ja) 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211223

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20220601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7251223

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151